説明

光及び熱を併用する携帯用皮膚疾患治療機およびその制御方法

【課題】光及び熱を併用する携帯用皮膚疾患治療機及びその制御方法の提供。
【解決手段】携帯用皮膚疾患治療機の制御ボタンに信号が入力されれば、加熱器を用いて治療機のチップを所定の温度範囲まで加熱するステップと、チップの加熱が完了すれば、治療機ハウジングの内部の光源をオンにし、チップを介して光と熱を一緒に肌に照射する光照射トリートメントを行うステップとを含み、光源は、青色LED、赤色LED、RGB色を有するLEDまたは青色と赤色を選択的に発光するLEDであり、光照射トリートメントが行われるときのチップの温度は47.2〜49.4℃であり、その遂行時間は120〜180秒である携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法。本発明は、ニキビなどの皮脂腺疾患やかゆみ症がある皮膚部位に熱と光を一緒に照射することにより、治療効果の増進を図ると共に、使用者が治療中であることを一層臨場感よく認知できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用皮膚疾患治療機およびその制御方法に関する。詳しくは、肌に熱を加えて皮膚疾患を治療する携帯用皮膚疾患治療機およびその制御方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
肌に所定温度の熱を加えて皮膚炎症、かゆみ症、その他の皮膚疾患を治療する技術が知られている。その代表例として、例えば、下記の特許文献1に記載の「皮膚のかゆみ症および皮膚疾患の治療のための装置および方法(Method and apparatus for treatment of skin itch and disease)」が挙げられる。前記特許文献1には、皮膚疾患がある個所に49〜62℃の温度の熱を加えて治療効果を収めるという記載がある。なお、この特許文献1では、バッテリー付き携帯用装置を提案している。
【0003】
皮膚科病院において用いられる専門治療機器とは異なり、内蔵バッテリーの電力を用いる携帯用治療機器は、一般的に低価であるため、その装置を利用する消費者の範囲が広くなりつつある。さらに、それが携帯用であるため、場所や時間に拘ることなく、一層自由に使用することができるというメリットがある。この理由から、特別な薬物治療や精密治療機器による治療が求められない限り、そのような携帯用治療機器は特に軽症患者に有用なものであると考えられる。
【0004】
例えば、青少年に頻繁に発生するニキビ(ACNE)、水虫などによるかゆみ症、蚊などの虫に咬まれた場合のかゆみ症などの皮膚疾患は、日常生活を営む間に頻繁に発生する疾患である。症状が酷い場合には、患者は病院で治療を受けることが好ましい。ところが、症状が軽微であり、且つ、日常的な疾患であれば、わざわざ病院に行かなくても、その場所で自ら直ちに治療をすることができればそれに越したことはない筈である。例えば、蚊に刺されてかゆいといって病院に行くわけにはいかない。このため、今日の携帯用治療機器の利用は世界的に増加傾向にあるといえる。
【0005】
しかしながら、患者が自ら使用する携帯用機器であるため、その治療効果が病院での治療効果よりも高いとは言い難い。これは、携帯用治療機器の電力問題、使用時間の制限、専門的な治療方法との非結合性などの制限が存在するためである。これらの理由から、携帯用治療機器の分野においては、治療効果を一層高めるための努力を絶えず続けてきている。すなわち、このような努力は、熱を加えて治療効果を収めることを目指す携帯用機器の性能を一層改善しようとする努力である。
【0006】
一方、専門医が治療機を用いて患者を治療する場合、通常、患者は、現在治療中であるかどうかには関心を持たない。病院に来院したが故に、治療を受けていることは当然なことであると考えるためである。
【0007】
しかしながら、自ら携帯用治療機器を用いて治療をしようとする場合には、使用者は、携帯用治療機器の動作過程で、現在正常に治療されているかどうかを知りたがる。しかしながら、熱ショックを用いた治療方法の場合には、使用者がそれを確認することは決して容易ではない。熱ショック技法での治療手段は、所定温度の熱や、熱を加える時間といった変数にしか依存しないため、使用者が感じる熱が、熱治療動作のために加熱中である予熱であるか、動作時に加えられる熱であるか、あるいは、動作終了後の残熱であるかを確認することが困難であるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国公開特許公報US2001/0008974号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、水虫、蚊などの虫に咬まれたときに発生する皮膚のかゆみ症、ニキビなどの皮膚疾患を治療するための新規な携帯用皮膚疾患治療機およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の目的は、皮膚疾患が発生する局部に、熱に加えて、所定の波長範囲の光を照射することにより、従来の熱を加える方法の治療効果よりも一層優れた治療効果を提供するところにある。すなわち、本発明の治療態様は、熱による治療と、光による治療とに大別でき、本発明はこれを併用することにより治療効果を倍加することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、治療の可視性を確保するところにある。本発明による携帯用皮膚疾患治療機は、専門家ではなく、患者が自ら作動させて使用するものであるため、使用者は現在治療中であるか、あるいは、携帯用皮膚疾患治療機が正常に作動しているかを自ら確認したいという欲求を有する。本発明は、このような使用者の欲求を十分に満たすためになされたものである。そして、このような目的は、2種類の治療方法を併用する新規な技術による新規で且つ進歩的な産物としての意味を有する。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、充電にかかる時間を短縮させるとともに、充電器の紛失または故障が発生した場合の不都合を回避するために、使用者に、誰でも容易に入手可能な電池を用いて治療機を使用可能にするところにある。
【0013】
一方、本発明の明示されていないさらに他の目的は、下記の詳細な説明およびその効果から容易に推論可能な範囲内において追加的に考慮さるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の局面は、携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法であって、前記携帯用皮膚疾患治療機の制御ボタンに信号が入力されれば、加熱器を用いて治療機のチップを所定の温度範囲まで加熱するステップと、前記チップの加熱が完了すれば、治療機ハウジングの内部の光源をオンにし、前記チップを介して光と熱を一緒に肌に照射する光照射トリートメントを行うステップと、を含み、前記光源は、青色LED、赤色LED、RGB色を有するLEDまたは青色と赤色を選択的に発光するLEDであり、前記光照射トリートメントが行われるときの前記チップの温度は47.2〜49.4℃であり、その遂行時間は120〜180秒である、携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法を提供する。
【0015】
また、本発明の他の実施の形態による携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法であって、前記携帯用皮膚疾患治療機の制御ボタンに信号が入力したかどうかを判断するステップと、前記制御ボタンに信号が入力されたと判断されれば、治療機ハウジングの内部の光源をオンにし、前記チップを介して光を肌に照射する光照射トリートメントを行うステップと、前記光照射トリートメントが行われる間に、加熱器を用いて携帯用皮膚疾患治療機のチップを所定の温度まで加熱するステップと、前記チップの加熱が完了すれば、携帯用皮膚疾患治療機の表示部に加熱が完了した旨の信号を出力し、光照射トリートメントに加えて熱トリートメントを行うステップと、を含み、前記光源は、青色LED、赤色LED、RGB色を有するLED、または青色と赤色を選択的に発光するLEDであり、前記光照射トリートメントが行われるときの前記チップの温度は47.2〜49.4℃であり、その遂行時間は120〜180秒である携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第2の局面は、上記の方法により動作する携帯用皮膚疾患治療機であって、制御ボタン、表示部および肌押し当て用チップを備えたハウジングを有し、前記ハウジングの内部に位置するプリント回路基板には、前記チップを加熱する加熱器と、前記加熱器を制御する加熱器制御部と、前記チップを介して光を外部に照射する光源と、携帯用皮膚疾患治療機の動作を制御するマイコン制御部と、電源を供給する電源部と、が配設され、前記光源は、前記プリント回路基板のチップ側端面に取り付けられるLEDである携帯用皮膚疾患治療機を提供する。
【0017】
さらに、本発明の第3の局面は、中空筒状のハウジング内に内部回路部が実装されたプリント回路基板が挿入されている携帯用皮膚疾患治療機であって、前記ハウジングの一方側の端部に設けられる肌押し当て用チップと、前記ハウジングの他方側の端部に設けられ、ハウジングを密閉すると共にハウジング内部の端子と電気的に接続されるバッテリーキャップと、前記ハウジングに設けられ、1.5V起電力のAAAまたはAA規格のアルカライン電池が2つ内蔵される電池部と、前記ハウジングの外面に設けられる制御ボタンおよび表示部と、を備え、前記プリント回路基板には、前記チップを加熱する加熱器と、前記加熱器を制御する加熱器制御部と、前記プリント回路基板の前記チップ側端面に取り付けられ、前記チップを介して光を外部に照射する光源と、前記制御ボタンに信号が入力されれば携帯用皮膚疾患治療機の動作を制御し、動作状態を前記表示部に表示するマイコン制御部を含む内部回路要素が実装され、前記制御ボタンに信号が入力されれば、熱トリートメントと光照射トリートメントを行うことを特徴とする携帯用皮膚疾患治療機を提供する。
【0018】
また、本発明の携帯用皮膚疾患治療機において、チップは中空筒状であり、光源はチップの中空に位置し、光源が位置するチップの中空には熱伝導性充填物が詰め込まれるものとすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水虫、蚊などの虫に咬まれたときに発生する皮膚のかゆみ症、ニキビなどの皮膚疾患を、何時でも何処でも効果的に治療することができるというメリットがある。
【0020】
また、本発明は、単に熱による治療だけではなく、熱と所定の波長範囲の光を一緒に照射することにより、従来の熱を加える方法の治療効果よりも一層優れた治療効果を得ることができる。
【0021】
さらに、目に見えない熱トリートメントと、目に見える光治療を並行することにより、使用者が自ら機器の動作有無を容易に確認することができ、治療の臨場感を高めることができるというメリットがある。
【0022】
さらに、本発明の第2の実施の形態は、使用者が容易に入手可能な、AAA(単4形)規格やAA(単3形)規格のアルカライン乾電池を採用することから、充電池の使用に伴う煩雑さを回避することができるというメリットがある。
【0023】
たとえ本発明の明細書に具体的に言及されていない効果であるとしても、本発明の技術的な特徴により期待される潜定的な効果は本発明の明細書に記載されたかのように取り扱われることを付言する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
添付の図面は、本発明の技術思想についての理解に一助となるために参照として例示されたものであり、これにより本発明の権利範囲が制限されることはない。
【0025】
【図1】本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の第1の実施の形態による外部ハウジングの例を示す斜視図である。
【図2】本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の第1の実施の形態による外部ハウジングの例を示す斜視図である。
【図3】AおよびBは、本発明の第1の実施の形態による充電器60、70を例示し、Cは、充電器のジャックが携帯用皮膚疾患治療機100に差し込まれている状態を示す図である。
【図4】同第1の実施の形態による携帯用皮膚疾患治療機100の肌押し当て用チップ10付き作用部の構成例を拡大して示す斜視図である。
【図5】本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の第2の実施の形態による外部ハウジングを例示する斜視図である。
【図6】本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の第2の実施の形態による外部ハウジングを例示する斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による携帯用皮膚疾患治療機100のハウジング内にアルカラインバッテリー2つを挿入した状態を示す図である。
【図8】同第2の実施の形態による携帯用皮膚疾患治療機100の肌押し当て用チップ10付き作用部の構成例を拡大して示す斜視図である。
【図9】本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の内部のプリント回路基板150およびチップ10の固定状態を例示する図である。
【図10】本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の内部回路の構成を概略的に示す図である。
【図11】本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の内部回路の構成を概略的に示す図である。
【図12】本発明の一実施の形態において、携帯用皮膚疾患治療機100が照射する光の波長と光照射方式を示すグラフである。
【図13】本発明の一実施の形態において、携帯用皮膚疾患治療機100の加熱温度を示すグラフである。
【図14】本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の使用状態図である。
【図15】図12および図13に示す実施の形態による本発明のトリートメント効果を示す図である。
【図16】本発明による携帯用皮膚疾患治療機の動作の様々な制御シーケンス図である。
【図17】本発明の携帯用皮膚疾患治療機の動作の様々な制御プロセスを示す図である。
【図18】本発明の携帯用皮膚疾患治療機の動作の様々な制御プロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面に基づき、本発明を実施するための態様を詳述する。そして、本発明を説明するにあたって、関連する公知の機能について、この分野における技術者に自明な事項であって、本発明の要旨を余計に曖昧にする恐れがあると認められる場合にはその詳細な説明を省く。
【0027】
<第1の実施の形態>
図1および図2は、本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の第1の実施の形態による外部ハウジングの例を示す斜視図である。携帯用皮膚疾患治療機100のハウジングは、使用者が携帯し易く、且つ、把持し易い大きさの筒状を呈する。ハウジングの外周面には、ユーザーインタフェースとしての制御ボタン50と、1以上の表示ランプ(20、30)とが設けられる。
【0028】
2つの表示ランプ(20、30)として、異なる色、例えば、緑色と青色をそれぞれ発光するランプを使用することにより、使用者に本発明による2種類のトリートメントを容易に区別せしめることが好ましい。これらのランプとしてLED(発光ダイオード)を使用可能である。
【0029】
ハウジングの肌押し当て側の端部には使用者の肌に押し当てるチップ10が形成され、チップ10をハウジングに固定するチップ固定部14と、チップ10を保護するキャップ(図示せず)と螺合するキャップ結合部16とが形成される。本発明の他の実施の形態においては、キャップが治療機ハウジングのキャップ結合部16滑り込んで結合される。
【0030】
なお、チップ10は、内部のプリント回路基板の一方側の端部に取り付けられているため、前記固定部14を介してチップ10がハウジングに固定されると同時に、内部のプリント回路基板もハウジング内に一緒に固定される。
【0031】
携帯用皮膚疾患治療機100のハウジングの長さは概ね60〜80mmであり、直径は22〜26mmであることが好ましいが、内蔵される回路部の構成、使用バッテリーの種類、デザイン要素などに応じてそのサイズが種々に変更可能である。但し、携帯用であるため、使用者が把持し易いサイズであることが好ましい。ハウジングの材質としては、加工し易く、耐衝撃性および耐熱性に優れたABS樹脂を使用することが好ましい。
【0032】
前記チップ10は、熱を肌に伝えるものであるため、熱伝導性に優れた材質からなることが好ましい。例えば、熱伝導性に優れた金属または非金属が使用可能である。金属材質としては、金、銀、アルミニウム、タングステン、銅などが使用可能であるが、経済性を考慮したとき、0.5mmの厚さのアルミニウムを使用することが好ましい。非金属材質としては、熱導電性プラスチックや窒化アルミニウムなどのファインセラミックスなどが使用可能である。
【0033】
図2に示すように、ハウジングの肌押し当て側とは反対側の端部には、内蔵バッテリーを充電可能な充電口40が設けられる。この充電口40に別設の充電器60、70の充電ジャック(61、71)を差し込んで充電を行うことが可能である。
【0034】
図3Aに示すように、充電器60は、100〜240Vの常用電源にプラグを差し込んで5Vにて出力して携帯用皮膚疾患治療機100に充電電圧を供給するアダプタであってもよい。
【0035】
なお、図3Bに示すように、充電器70は、コンピュータのUSB電圧を用いて充電を行うUSBケーブルであってもよい。図3Cに示すように、充電器(60、70)の充電ジャック(61、71)を携帯用皮膚疾患治療機100の充電口40に差し込んで充電を行う。
【0036】
充電器(60、70)の電源は、内部の充電回路を介してバッテリーを充電するが、このとき、マイコン制御部は、前記2つの表示ランプ(20、30)を用いて使用者に充電状態を表示する。例えば、充電が始まるとグリーンランプ20が点灯し、充電し終わればブルーランプ30が点灯するようにする。
【0037】
図4は、本発明の携帯用皮膚疾患治療機100のハウジングの上部、すなわち、肌押し当て側の端部の構成を拡大して示すものである。まず、キャップ結合部16から突出して蛇行状に巻回されている部分がキャップと結合するためのねじ山である。
【0038】
固定部14から突出している肌押し当て用チップ10の表面12に肌が押し当てられることにより、加熱されたチップ10の熱が肌に伝わる。チップ10は中空筒状を呈し、その中空には光源(図示せず)が位置する。
【0039】
チップ10の表面12の中央部には光照射孔13が穿設される。光源から発せられた光は、光照射孔13を介してチップ10の表面12の外部に照射される。
【0040】
光源は治療機ハウジングの内部に位置するものの、光源として内蔵されたLEDの可視光の伝達距離が数cmに過ぎないことを考慮したとき、光照射の効果を一層高めるために、チップ10の内部、すなわち、表面12に最も近い個所に設けることが好ましい。
【0041】
但し、可視光をより遠くに伝達可能なレーザーポインターの場合には、ハウジングの内部に光照射路を長く形成し、レーザー光源をやや奥側に位置させることも可能である。
【0042】
<第2の実施の形態>
図5および図6は、本発明の携帯用皮膚疾患治療機の外部構造の他の実施の形態を示す。同図に示す携帯用皮膚疾患治療機は、前記第1の実施の形態の携帯用皮膚疾患治療機よりも細長いハウジング構造を有する。しかしながら、ハウジングとチップの材質などは第1の実施の形態と同様である。
【0043】
この実施の形態において、携帯用皮膚疾患治療機100のハウジングの長さは、概ね140〜160mmであり、直径は14〜20mmであることが好ましいが、内蔵される回路部の構成、使用バッテリーの種類、デザイン要素などによってその大きさは種々に変更可能である。
【0044】
例えば、AAA規格のアルカライン電池を内蔵する場合には、ハウジング断面の直径を概ね15mmにすることが可能であるが、AA規格のアルカライン電池の場合にはその直径がやや大きくなる。
【0045】
なお、出力面から、アルカライン電池を一つ内蔵するよりは、2つ内蔵した方が好ましいが、その分長くなる。アルカライン電池を一つ内蔵する場合、ハウジングの長さを概ね70mmに製作することもできる。このようにハウジングの大きさは種々に変更可能であるが、携帯用であるため、使用者が把持し易い大きさにする必要がある。
【0046】
図7に示すように、ハウジングの肌押し当て側とは反対側の端部を介してバッテリー60が挿入される。バッテリーは、1.5V起電力のアルカライン電池であることが好ましい。ハウジングの薄型化を図ると共に、所望の出力を容易に得るために、1.5V起電力のAAA規格のアルカライン電池2つをシリアルにて挿入することが好ましい。
【0047】
1.5V起電力のAA規格のアルカライン電池2つを挿入することも可能であるが、その分ハウジング断面の直径が大きくなる。ハウジングの大きさはデザイン要素によって定められるため、AA規格であるか、あるいは、AAA規格であるかによって本発明の保護範囲が制限されることはない。
【0048】
図6に示す実施の形態においては、2つのAAA規格のアルカライン電池を+/−の順に挿入し、バッテリーキャップ45により密閉する。バッテリーキャップ45は、挿入された電池と電気的に接続されるための接続部42を有し、この接触部42はハウジング内部の端子と電気的に接続することにより、携帯用皮膚疾患治療機100の内部回路に電力を供給する。
【0049】
バッテリーキャップ45は、ハウジングの端部にねじり込まれて取り付けられる。なお、着脱の容易化を図るために、バッテリーキャップ45に溝41が凹設されてもよい。これは、図7に示す通りである。
【0050】
バッテリー60が挿入されても、携帯用皮膚疾患治療機100が未作動の状態では電源の供給が遮断されている。ハウジングの表面に設けられている制御ボタン50に信号が入力されるときに電源の供給が開始される。
【0051】
このとき、マイコン制御部は、前記2つの表示ランプ(20、30)を用いて、電源の供給がオンとなって加熱器によるチップの加熱が開始された旨を表示する。例えば、制御ボタン50に信号が入力されれば、グリーンランプ20が点灯し、その状態からさらに制御ボタン50を長く押下すれば、電源の供給がオフとなってグリーンランプ20が消灯する。グリーンランプ20とブルーランプ30が点滅しながら表示を行うこともできる。
【0052】
図8は、本発明の第2の実施の形態による携帯用皮膚疾患治療機100のハウジングの上部、すなわち、肌押し当て側端部の構成を拡大して示すものである。まず、キャップ結合部16にキャップ(図示せず)の内面が密着しながら滑り込んでキャップが携帯用皮膚疾患治療機100に取り付けられる。
【0053】
固定部14から突出している肌押し当て用チップ10の表面12に肌が押し当てられることにより、加熱されたチップ10の熱が肌に伝わる。チップ10は中空筒状を呈し、その中空には光源(図示せず)が位置する。チップ10の表面12の中央部には光照射孔13が穿設される。光源から発せられた光は光照射孔13を介してチップ10の表面12の外部に照射される。
【0054】
光源は、治療機ハウジングの内部に位置するものの、光源として内蔵されたLEDの可視的な光伝達距離が数cmに過ぎないという点を考慮したとき、光照射効果を一層高めるために、チップ10の内部、すなわち、表面12に最も近い個所に設けることが好ましい。但し、可視光をより長く伝達可能なレーザーポインターの場合には、ハウジングの内部に光照射路を長く形成し、レーザー光源をやや奥側に位置させることも可能である。
【0055】
<携帯用皮膚疾患治療機100の内部構成>
図9は、上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態による本発明の携帯用皮膚疾患治療機100の肌押し当て用チップ10の内部構成、光及び熱との関係をより詳細に示すものである。ハウジングに内蔵される略四角形状のプリント回路基板250には内部回路要素が実装されているが、説明の便宜のために図示は省略する。
【0056】
プリント回路基板250のチップ10側端部は階段状にその幅が狭まるように形成してもよい。プリント回路基板250の手前部251には抵抗体からなる加熱器121が位置する。また、所定の温度センサーと加熱制御回路を隣設してもよい。プリント回路基板250の端部252がチップ10内に挿入される。
【0057】
チップ10内に挿入する端部252の前端面253(エッジ面)に光源127を取り付けることにより、光源127がチップ10の表面12に最も近い個所に形成される。このようにプリント回路基板の前端面253にLED光源127を取り付けてLED光源の光照射方向とチップ10の使用者の肌への押し当て方向とを一致させることにより、光照射トリートメントの効率を増進させることができる。
【0058】
このLED光源127は、青色LED、赤色LED、または青色または赤色を交互に発光するLEDであってもよい。なお、青色光と赤色光を選択的に発光可能なRGB(レッド、グリーン、ブルー)−LEDであってもよい。特に、青色または赤色を選択的に発光するLEDまたはRGB−LEDの場合には、制御部がどの色の光を発光するかを制御する。
【0059】
なお、RGB−LEDの場合、青色または赤色の光はトリートメントを行うときに照射し、その他の光(例えば、緑色光)はオフにするか、あるいは、電源ボタンに信号が最初に入力される場合に瞬時に照射して信号表示用に使用することができる。
【0060】
チップ10は中空であるため、プリント回路基板の端部252をその中に挿入するとき、その端部252をチップ10の内部に固定する必要がある。さらに、中空であるため、その中空が空気により充填されれば、熱伝導性を格段に落とす恐れがある。
【0061】
このとき、加熱器121の熱がチップ10に伝わる性能を維持しつつ端部252を固定するために、熱伝導性充填物19をチップ10の中空に詰め込むことができる。熱伝導性充填物19は熱伝導性シリコン部材であることが好ましく、ホットメルト、熱伝導性エポキシ樹脂などが使用可能である。
【0062】
図10および図11は、本発明による治療機の内部回路の構成例を示す。図10は、第1の実施の形態の内部回路構成を、図11は、第2の実施の形態の内部回路構成に示す。
【0063】
携帯用皮膚疾患治療機100の内部回路は、大きく、5部分に分けられる。その5部分は、制御部110、入力器130、作用部120、表示部140、電源部150である。制御部110は全体の動作を制御し、入力器130は、制御部110の動作制御に対する入力命令を伝達する。
【0064】
入力器130は、携帯用皮膚疾患治療機100のハウジングに設けられた制御ボタン50である。複数のボタンが画設され、これらの動作により入力命令を伝達してもよく、単一の制御ボタン50が設けられ、このボタン50の押下時点によって入力信号が解析されて異なる命令を伝えるようにプログラミングしてもよい。
【0065】
作用部120は、使用者の肌に対して光照射トリートメントと熱トリートメントを行い、表示部140は、使用者に作用部の状態と電源部の動作状態を表示する。上述したグリーンランプ20とブルーランプ30が表示部140のLEDを構成し、ブザーがブザー音を発する。
【0066】
図10において、電源部150は回路要素に電源を供給し、外部電源80を利用して充電する充電回路部151a、この充電回路部151aを介して充電されるリチウムポリマーバッテリー152、電源のオンオフを制御する電源制御部153を備える。図11の電源部は、最大3VAのアルカラインバッテリー151bの電力を供給する。
【0067】
制御部110の制御は、フォームウェアが内蔵されたMCU(マイクロコントローラ)111チップを介して行われ、入出力制御、表示部の制御、作用部の動作制御などを司る。また、タイマー回路112により設定された所定時間が経過すれば自動的に電源が遮断されるように制御する。例えば、作用部の作用時間が2分30秒に設定された場合、加熱し終わった時点からカウントして2分30秒になれば電源の供給を遮断する。
【0068】
前記作用部120は、2種類の肌トリートメントを行う。
【0069】
光照射トリートメントは、光源127から発せられた光を肌に照射する。光源は、青色LEDであることが好ましい。400〜480nmの範囲の波長を有する青色LEDの青色光を肌に照射することにより、肌トリートメント効果を収めることができる。
【0070】
なお、熱トリートメントは、抵抗体からなる加熱器121を用いてチップを47.2〜49.4℃の範囲に昇温させ、チップを肌に押し当てることにより行うことができる。加熱システムは、加熱器121の温度を設定された温度範囲内に維持するものであり、これは、サーミスターチップからなる加熱器制御回路123と温度センサー125により制御することができる。
【0071】
<携帯用皮膚疾患治療機100を用いた治療の実施例>
<1>本発明の実施例においては、470nmの短波長を有する高輝度青色LEDを光源として用いた。また、図12に示すように、470nm波長の青色光を5Vの周期的なピークを与えつつ照射した。
【0072】
<2>熱トリートメントを行うに際して、携帯用皮膚疾患治療機100の動作温度は47.2〜49.4℃に設定した。設定された温度まで加熱器を予熱した。47.2℃に達するまでかかった時間は、約65秒であった。これは、図13の通りである。そして、その熱を2分30秒間肌に加え、出力温度の範囲が47.2〜49.4℃に維持されるように加熱器の温度を制御した。
【0073】
<3>図14に示すように、ニキビなどの皮膚疾患がある皮膚部位に押し当て、且つ、終了時点を一致させた状態で、熱トリートメントと光照射トリートメントを同時に行なった。
【0074】
<4>その結果、図15に示す治療効果が得られた。即ち、図15は、トリートメントを行なう前、トリートメントを行なってから6時間経過後、トリートメントを行なってから24時間経過後、及び、トリートメントを行なってから30時間経過後について、それぞれ、皮膚疾患がある皮膚部位の画像を示す。また、画像は、直交ニコル画像(Cross−polarizing image)と、紅斑インデックス画像(Erythema Index Image)の2種類である。
【0075】
<携帯用皮膚疾患治療機100の動作制御方法>
図16乃至図18は、本発明の携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法の実施の形態を示す。図16は、携帯用皮膚疾患治療機100が予めセットされたプログラムにより自動的にトリートメント動作を行う実施の形態であり、図17は、入力器による入力イベントの発生によりトリートメント動作を行う実施の形態であり、図18は、光照射トリートメントを先に行い、加熱器を制御してさらに熱トリートメントと光照射トリートメントを並行する実施の形態を示す。
【0076】
図16の実施の形態について述べる。動作待ちの状態で、使用者が、ハウジングにある制御ボタン50を押下すれば、加熱が開始される(S10)。このとき、ブザー音を発しつつグリーンランプ20を点灯して加熱中である旨を使用者に表示する。
【0077】
携帯用皮膚疾患治療機は、加熱器を用いて、チップ10の温度が所定の温度範囲、好ましくは、47.2〜49.4℃に安定的に達するまで加熱する。このとき、動作を開始する時点の基準温度Toを47.2℃に設定してもよい。温度センサーが感知するチップ10の内部温度TがToに達したかどうかを判断し、T=Toであれば(S11)、加熱器によるチップの加熱を中止し(S12)、チップ10の温度が設定された温度範囲内に維持されるように制御すると共に、チップ10の内部の光源をオンにする(S13)。
【0078】
チップ10を肌に押し当てると、チップ10を介して熱が伝わると共に、光源から発せられた光が一緒に肌に照射される。このとき、肌に照射される光は青色光であることが好ましい。
【0079】
使用者は、加熱器が加熱される間に、チップ10を肌に押し当てないこともある。このため、肌に押し当てなければならない時点、すなわち、加熱し終わってトリートメントが始まる時点を効果的に報知するために、ブザー音を発しつつ、グリーンランプ20とブルーランプ30のオンオフ点滅を順次に行わせる。そして、数秒後にブルーランプ30を点灯することにより、肌に青色光が照射されていることを一層効果的に報知する。
【0080】
一方、加熱器制御部123は、加熱器の温度が所定の範囲から外れないように加熱器の加熱動作を制御する。チップ10の温度が基準温度を下回るかどうかを判断し(S14)、チップの温度が基準温度に下回ると、加熱器を加熱する動作を再び行う(S15)。
【0081】
肌に人為的に熱を加えるため、長時間熱を加えることは人体に良くない。このため、動作時間を設定する必要がある。加熱動作が中止し、トリートメントが始まる時点から自動的に計時して概ね120〜180秒範囲の時間内にトリートメントを終了することが好ましい。
【0082】
図17の実施の形態は、下記の通りである。
【0083】
制御ボタンに信号が未入力の状態では、内蔵バッテリー電源の電力消耗をなくすために、電源のオフ状態で動作を待つ(S20)。動作待ちの状態で使用者がハウジングにある制御ボタン50に信号が入力されたかどうかを判断して(S21)、入力信号が制御部に渡されれば、制御部は加熱器の加熱を開始することにより、加熱器によるチップの加熱が開始される(S22)。
【0084】
このとき、ブザー音を発しつつグリーンランプ20を点灯させて加熱中である旨を使用者に表示する。治療機は、加熱器を用いて、チップ10の温度が所定の温度範囲、好ましくは、47.2〜49.4℃に安定的に達するまで加熱を行う。動作を開始する時点の基準温度Toを47.2℃に設定してもよい。
【0085】
温度センサーが感知するチップ10の内部温度TがToに達したかどうかを判断し、T=Toであれば(S23)、加熱器によるチップの加熱を中止し、チップ10の温度が設定された温度範囲内に維持されるように制御すると共に、熱トリートメントを開始する(S24)。
【0086】
加熱し終わってトリートメントが始まる時点を効果的に報知するために、ブザー音を発しつつグリーンランプ20とブルーランプ30のオンオフ点滅を順次に行わせる。ここまでは、前記図16の実施の形態とは実質的に相違点がない。
【0087】
但し、この実施の形態においては、図16の実施の形態とは異なり、光照射トリートメントを直ちに行うことなく、使用者による2回目の信号の入力有無を待つ(S25)。2回目の入力が制御ボタン50を介して行われれば、現在行われている熱トリートメントに加えて、制御部は、チップ10の内部の光源をオンにすることにより、光照射トリートメントを開始する。
【0088】
肌に押し当てられているチップ10を介して熱が伝わると共に、光源から発せられた光が一緒に肌に照射される。このとき、肌に照射される光は、図16の実施形態と同様に、青色光であることが好ましい。2回目の入力が開始されれば、ブザー音を発しつつブルーランプ30を点灯することにより、肌に青色光が照射されていることを一層効果的に報知する。
【0089】
一方、図17の実施の形態においては、熱トリートメントを光照射トリートメントに先行させているが、前記ステップS24の熱トリートメントをステップS25の直後に移行させてステップS26と並行することにより、2回目の入力が行われてからはじめて熱トリートメントと光照射トリートメントが同時に行われるようにしてもよい。
【0090】
このとき、ブルーランプ30が点灯することが好ましい。この変形例において、加熱し終わったという旨のブザー音を発した後に所定の時間が経過しても入力イベントが発生しなければ、制御部は、電源の供給を遮断し、動作待ちの状態に戻す。このとき、前記所定の時間は、60秒に設定可能である。
【0091】
また、加熱動作が中止して熱トリートメントが開始される時点から自動的に計時して概ね120〜180秒の範囲の時間内にトリートメントを終了してもよい。
【0092】
図18の実施の形態を述べる。
【0093】
動作待ち(S30)の状態で制御ボタン50に信号が入力されれば(S31)、制御部は、チップ内の光源をオンにすることにより、光照射トリートメントを開始し(S32)、同時に加熱器を用いてチップを加熱する(S33)。
【0094】
温度センサーが感知するチップ10の内部温度TがToに達したかどうかを判断し(S34)、T=Toであれば、加熱器によるチップの加熱を中止し、チップ10の温度が設定された温度範囲内に維持されるように制御すると共に、熱トリートメントを開始する(S35)。
【0095】
加熱し終わってトリートメントが始まる時点を効果的に報知するために、ブザー音を発しつつグリーンランプ20とブルーランプ30のオンオフ点滅を順次に行わせる。数秒後に順次に点滅を中止し、ブルーランプ30のみ点灯するように制御する。なお、図17の実施の形態と同様に、加熱動作が中止して熱トリートメントが始まる時点から計時して概ね120〜180秒範囲の時間内にトリートメントを終了してもよい。
【0096】
この実施の形態においては、光照射トリートメント(S32)が行われる最終に加熱を行い、加熱し終わった時点から熱トリートメント(S35)と光照射トリートメント(S32)が並行される。これにより、光照射トリートメントが行われる時間を熱トリートメントが行われる時間よりも長く確保することにより、青色光により発生された活性酸素にてニキビ菌(P.acne)を破壊する時間を確保する。さらに、熱とは異なり、青色光は、やけどを招かず、人体にも無害であるため、照射時間に制限がない。
【0097】
以上のように、本発明の光照射トリートメントの光は青色光とし、光源は高輝度の青色LEDとした例を主として説明したが、本発明は青色光に限定されることはない。
【0098】
青色光は炎症性ニキビP−アクネ菌の代謝物質であるポルフィリンに最も効率よく吸収されて活性酸素を生成させ、生成された活性酸素がP−アクネ菌を破壊することにより、トリートメント効果を増進させる。
【0099】
しかしながら、赤色LEDを光源として赤色光を照射することも可能である。赤色光は抗炎症作用に効き目があるものと知られている。このように青色または赤色の光を熱と一緒に肌に照射することにより、熱単独を用いた公知のトリートメントよりも高い効果を得ることができる。
【0100】
一方、本発明の保護範囲が上述した実施の形態により制限されることはない。なお、本発明が属する技術分野において自明な変更や置換により本発明の保護範囲が制限されないことを付言する。
【符号の説明】
【0101】
10:肌押し当て用チップ
13:光照射孔
14:チップ固定部
16:キャップ結合部
19:チップ充填物
20:表示ランプ
30:表示ランプ
40:充電口
50:制御ボタン
100:携帯用皮膚疾患治療機
110:制御部
120:作用部
130:入力器
121:加熱器
123:加熱器制御部
125:温度センサー
127:光源
140:表示部
150:電源部
250:プリント回路基板
253:プリント回路基板の端面(エッジ面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法であって、
前記携帯用皮膚疾患治療機の制御ボタンに信号が入力されれば、加熱器を用いて治療機のチップを所定の温度範囲まで加熱するステップと、
前記チップの加熱が完了すれば、治療機ハウジングの内部の光源をオンにし、前記チップを介して光と熱を一緒に肌に照射する光照射トリートメントを行うステップとを含み、
前記光源は、青色LED、赤色LED、RGB色を有するLED、または青色と赤色を選択的に発光するLEDであり、
前記光照射トリートメントが行われるときの前記チップの温度は47.2〜49.4℃であり、その遂行時間は120〜180秒である
携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法。
【請求項2】
携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法であって、
前記携帯用皮膚疾患治療機の制御ボタンに信号が入力したかどうかを判断するステップと、
前記制御ボタンに信号が入力されたと判断されれば、治療機ハウジングの内部の光源をオンにし、前記チップを介して光を肌に照射する光照射トリートメントを行うステップと、
前記光照射トリートメントが行われる間に、加熱器を用いて携帯用皮膚疾患治療機のチップを所定の温度まで加熱するステップと、
前記チップの加熱が完了すれば、携帯用皮膚疾患治療機の表示部に加熱が完了した旨の信号を出力し、光照射トリートメントに加えて熱トリートメントを行うステップとを含み、
前記光源は、青色LED、赤色LED、RGB色を有するLED、または青色と赤色を選択的に発光するLEDであり、
前記光照射トリートメントが行われるときの前記チップの温度は47.2〜49.4℃であり、その遂行時間は120〜180秒である
携帯用皮膚疾患治療機の動作制御方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の方法により動作する携帯用皮膚疾患治療機であって、
制御ボタン、表示部および肌押し当て用チップを備えたハウジングを有し、
前記ハウジングの内部に位置するプリント回路基板には、前記チップを加熱する加熱器と、前記加熱器を制御する加熱器制御部と、前記チップを介して光を外部に照射する光源と、携帯用皮膚疾患治療機の動作を制御するマイコン制御部と、電源を供給する電源部と、が配設され、
前記光源は、前記プリント回路基板のチップ側端面に取り付けられるLEDである
携帯用皮膚疾患治療機。
【請求項4】
前記チップは中空筒状であり、
前記光源は前記チップの中空に位置し、
前記光源が位置する前記チップの中空には熱伝導性充填物が詰め込まれる
請求項3に記載の携帯用皮膚疾患治療機。
【請求項5】
中空筒状のハウジング内に内部回路部が実装されたプリント回路基板が挿入されている携帯用皮膚疾患治療機であって、
前記ハウジングの一方側の端部に設けられる肌押し当て用チップと、
前記ハウジングの他方側の端部に設けられ、ハウジングを密閉すると共にハウジング内部の端子と電気的に接続されるバッテリーキャップと、
前記ハウジングに設けられ、1.5V起電力のAAAまたはAA規格のアルカライン電池が2つ内蔵される電池部と、
前記ハウジングの外面に設けられる制御ボタンおよび表示部とを備え、
前記プリント回路基板には、
前記チップを加熱する加熱器と、
前記加熱器を制御する加熱器制御部と、
前記プリント回路基板の前記チップ側端面に取り付けられ、前記チップを介して光を外部に照射する光源と、
前記制御ボタンに信号が入力されれば携帯用皮膚疾患治療機の動作を制御し、動作状態を前記表示部に表示するマイコン制御部を含む内部回路要素とが実装され、
前記制御ボタンに信号が入力されれば、熱トリートメントと光照射トリートメントを行う
ことを特徴とする、携帯用皮膚疾患治療機。
【請求項6】
前記チップは中空筒状であり、
前記光源は前記チップの中空に位置し、
前記光源が位置する前記チップの中空には熱伝導性充填物が詰め込まれる
請求項5に記載の携帯用皮膚疾患治療機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−165906(P2012−165906A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29667(P2011−29667)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(511040506)メディコン カンパニーリミテッド (1)
【Fターム(参考)】