説明

光取り出しフィルムシステム

【課題】バックライトと、光取り出しフィルムを光ガイドへと光学的に接続するための低コストかつ単純なプロセスとが、必要とされている。
【解決手段】側面から照らす光源を備える光ガイドプレートおよび光ガイドプレートへと結合された光取り出しユニットを順に含むバックライトであって、光取り出しユニットが、光ガイドプレートから順に、第1ポリマー層と、接着剤層と、接着剤層中に少なくとも部分的に埋め込まれたフィーチャーを有する第2ポリマー層とを含み、第1ポリマー層、接着剤層、および第2ポリマー層の物質は、屈折率における相違が0.05未満であり、および、フィーチャーの埋め込まれていない部分の間のすき間領域が、フィーチャーを構成する物質の屈折率よりも少なくとも0.1低い屈折率を有する物質を含んでいるバックライト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、表示装置および照明の用途において使用するための照明の調整のために、光取り出し構造および光学的連結の配置を使用してどのように光取り出しフィルムを創造するかに重点を置いた、光取り出しフィルムシステムおよびプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)は、陰極線管(CRT)モニタの小型かつ軽量な代替物を提供しているが、明るさ(より正確には、輝度)のレベルが低いため、LCDでは満足できない多くの用途が存在する。公知のラップトップコンピュータの表示装置に使用されている透過型のLCDは、バックライト式表示装置の一種であり、光をLCDに向かって外側へと方向付けるために光供給面を液晶(LC)配列の背後に配置して有している。光供給面自体は、幅広い角度範囲にわたって本質的に一定の輝度を有する本質的にランバート(Lambertian)な照明をもたらす。
【0003】
軸上および軸付近の輝度を高めるという目標において、表示装置の表面に対して垂直な方向にランバート分布を有するこの光の一部を取り出すために、いくつかの明るさ向上フィルムが提案されている。LCD表示装置および他の種類のバックライト式表示装置において使用するために、明るさまたは輝度向上の解決策が、多数提案されている。
【0004】
米国特許第6,111,696号(Allenら)には、表示装置または照明器具のための明るさ向上フィルムが記載されている。照明光源に面する光学フィルムの表面が平滑にされ、かつ反対側の表面が、照明の角度を方向変換すための一連の構造(例えば三角プリズムなど)を有している。米国特許第5,629,784号(Abileahら)には、反射型のLCD表示装置の明るさ、コントラスト比、および色の均一性を向上させるためにプリズム・シートを使用する種々の実施形態が記載されている。輝度の改善並びに環境光の影響の低減をもたらすために、明るさ向上フィルムが、構造化された表面を反射光の光源へ向けて配置されている。米国特許第6,356,391号(Gardinerら)には、異なる寸法を有し得るプリズムの配列を使用して、LCD表示装置において光を方向変換すための1対の光学回転性フィルムが記載されている。
【0005】
米国特許第6,280,063号(Fongら)には、尖っていない又は丸められている先端を有するプリズム構造をフィルムの片面上に備えている明るさ向上フィルムが記載されている。米国特許第6,277,471号(Tang)には、湾曲した小面を有する複数のおおむね三角形のプリズム構造を有している明るさ向上フィルムが記載されている。米国特許第5,917,664号(O’Neillら)には、公知の種類のフィルムに比べて「滑らか」なカットオフ角度を有することで、視認の角度が大きくなるときの輝度の変化を軽減する明るさ向上フィルムが記載されている。
【特許文献1】米国特許第6,111,696号明細書
【特許文献2】米国特許第5,629,784号明細書
【特許文献3】米国特許第6,356,391号明細書
【特許文献4】米国特許第5,396,350号明細書
【特許文献5】国際公開第98/22749号パンフレット
【特許文献6】米国特許第5,739,931号明細書
【特許文献7】米国特許第5,598,281号明細書
【特許文献8】米国特許第5,761,355号明細書
【特許文献9】米国特許第6,129,439号明細書
【特許文献10】特開平8−221013号明細書
【特許文献11】米国特許第6,425,675号明細書
【特許文献12】米国特許第5,949,933号明細書
【特許文献13】米国特許第6,846,089号
【特許文献14】米国特許出願公開第2005/0134963号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の取り組みなどの公知の取り組みは、小さな視野角における明るさを向上するいくつかの手段を提供しているが、これらの取り組みはいくつかの欠点を抱えている。上述の解決策のいくつかは、軸上視認を最良にするために垂直な方向に光を取り出すのではなく、光を好ましい角度範囲にわたって再分配するためにより効果的である。これらの明るさ向上フィルムの解決策は、指向性の偏りをしばしば呈し、光を一方向に取り出すために最もよく機能する。例えば、明るさ向上フィルムは、垂直方向の光の一部を、所望の視認円錐(viewing cone)の外側の比較的大きな軸外角度へと向け直す可能性がある。他の取り組みにおいては、光を異なる方向、典型的には表示面に対して水平および垂直の両方向に向け直すために、複数の直角に交差するシートが重ね合わせられる。必然的に、この種の取り組みは、いくぶんかの妥協であり、かかる取り組みは、2つの直交軸に対して斜めである方向の光にとって最適でない。さらに、このような公知のフィルムは、典型的には、明るさ向上の試みにおいて光がバックライトモジュールを通過して複数回反射させられる「リサイクル」を使用している。しかしながら、リサイクルの過程における反射において、反射された光の一部が材料によって吸収され、かつ失われてしまう。
【0007】
上述のように、複数のプリズム形状の突起を、別個のプリズム構造からなる行列および細長いプリズム構造の双方にて、プリズムの頂点を光源に向けること、および光源から離れる方向に向けることの両方で使用する配置を含む、基体材料上に形成したさまざまな種類の屈折面構造を備えている明るさ向上層が提案されている。これらのフィルムは、大部分は、指向性の偏りを呈し、光の一部はほとんど方向付けされない。
【0008】
ある種類の光取り出し層は、光を取り出すために全反射(TIR)効果に依存している。これらの層は、TIRを使用して光を方向変換するプリズム、放物、または非球面構造を含んでいる。例えば、Beesonらの米国特許第5,396,350号には、スラブ導波路と、スラブ導波路の一方の面上に取り付けられたマイクロプリズムの配列とを含むバックライト装置が記載され、マイクロプリズムおよびスラブ導波路の直接的な連結のために接着剤が使用され、さらにプリズムが裏打ち層へと接着剤の第2の層によって固定されている。国際公開第98/22749号は、光ガイドデバイスの外へと光を接続するための方法を開示しているが、これは接着剤を使用していない。Zimmermanらの米国特許第5,739,931号および第5,598,281号は、マイクロプリズムの配列と先細りの光学的構造とを使用するバックライト用の照明装置を記載している。Kuperらの米国特許第5,761,355号は、面照明の用途において使用するための配列を記載しており、ここでガイド用の光学的構造は、光を好ましい方向へと向け直すためにTIRを使用している。Houらの米国特許第6,129,439号は、光を方向変換すためにマイクロプリズムがTIRを利用する照明装置を記載している。谷野 友哉による「平面表示装置および平面表示装置用バックライト装置」という名称の特開平8−221013号明細書(1996年に公開)は、TIRを利用して光を方向変換すために、平行する湾曲した小面の突起を有する照明装置を記載している。友哉の特開平8−221013号明細書に最初に開示された小面と同様の湾曲した小面を使用するOnishiらの米国特許第6,425,675号は、光出力プレートが多数の湾曲した小面の突起をも有しており、それらの突起のそれぞれの先端が光ガイド部材の光出口面に密に接触して保持されている照明装置を記載している。
【0009】
以上の説明から理解できるとおり、光表示装置のための公知の光取り出し層は、典型的には垂直な視認軸を中心とする狭い角度範囲にわたる表示装置の明るさの改善を、主として対象としている。しかしながら、均一な表示の明るさを保証するために役立つ、表示面の全体にわたる光の空間的な均一性も重要である。既存の光取り出し層は、より高い軸上での明るさを達成する試みにおいて、表示の均一性を損なうことが多く、例えばLC表示装置が、垂直方向から眺めたときにはきわめて明るく見えるが、垂直以外の角度から眺めたときには暗くなることも多い。
【0010】
表示装置における光の空間的な均一性の改善に加え、光取り出し層は、モアレ効果などといった感知可能な干渉効果も引き起こすべきではない。公知のように、明るさ向上フィルムの間隔またはピッチは、LCパネルの要素にほぼ相当し得る。これが、画像に望ましくないモアレ縞を生じさせ得る。
【0011】
特には表示装置の用途において、光取り出し用の物品について、光を視野角の範囲にわたって再分配することが多くの場合望まれる。例えば上述した友哉の特開平8−221013号明細書および続くOnishiらの‘675号明細書に記載されている光出力プレートなどのように、いくつかの解決策は、より広い角度範囲にわたって照明をもたらすよりはむしろ、軸上の照明を最大化することを対象としている。例えばOnishiらの‘675号明細書に開示されているいくつかの実施形態などのように、これらの解決策の実施形態は、ある程度、より広い視野角をもたらし得るが、軸上の光が犠牲になり、実際には軸外の光のレベルが軸上のレベルを超える。そのような分布においては、表示装置を斜めの角度から見たときに、軸上の位置から見たときよりも高い明るさとなり、ホットスポットおよび他の照明の非均一性をもたらす望ましくない状況となる。
【0012】
例えば上述した友哉の特開平8−221013号明細書およびOnishiらの‘675号明細書などように、いくつかの特許の開示は、突起構造を有するフィルムを使用し、これらの構造が1つ以上の曲面を有すると明確に記載されている。TIRのための曲面を使用することは、軸上光方向変換をもたらすために有用であり得るが、より広い角度範囲にわたって光を得るように湾曲した突起を設計することは、より困難でありうる。さらに、曲面そのものが、特に、光方向変換フィルムの構造において必要とされる寸法規模において、製造することが困難であることが明らかとなっている。
【0013】
光方向変換は、それらに対応する光ガイド部品へと何らか方法で光学的に連結されなければならない。平坦な光入力面を有する構造を使用する実施形態は、単純な物理的接触によって光ガイドへと、この接触が維持される限りにおいて光学的に連結することが可能である。米国特許第5,949,933号(Steinerら)は、光学的に連結された導波路とマイクロプリズムとを含含む光学照明システムを記載している。
【0014】
上述したOnishiの‘675号明細書には、中間フィルムの両面上で2つの接着剤層を使用することが記載されている。平坦な入力面は、接着剤の2つの層および中間フィルムを介して光ガイドに光学的に接触し、かつ接着剤の第1の層には埋め込まれていない。Onishiらの記載する方法は、光出力プレートの突起の先端が結合層に埋め込まれることがないようにするために、結合剤を前もって半硬化させ、結合層と突起の先端とを互いに密に接触させた後に、結合剤を完全に硬化させる旨を教示している。上述のように2段階の硬化プロセスを使用することで、製造のコストおよび複雑さが増加し得る。
【0015】
米国特許第6,846,089号および米国特許出願公開第2005/0134963A1号(Svensonら)は、表面構造化された光学フィルムを積層するための方法を記載しており、構造化された表面のフィーチャー(feature)の高さに満たない深さまで構造化された表面を接着剤層中に進入させることによって、1つの光学フィルムの構造化された表面が、接着剤の層を使用して、対向する第2の光学フィルムの表面へと接合されている。この光学フィルムの積層方法は、プリズム状にうねらされた第1の光学フィルムのプリズム状のうねを、第2の光学フィルムの表面上の接着剤の層へと押し付けることを含んでいる。しかしながら、Stevensonらは、フィルムの積層を光学的接続のためにウェーブ光ガイドプレートへと貼り付けるために、キャリアフィルムを使用する必要があることを、予測していない。
【0016】
バックライトと、光取り出しフィルムを光ガイドへと光学的に連結するための低コストかつ簡素化されたプロセスとが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、側面から照らす光源を備える光ガイドプレートを順序正しく含み、かつ光ガイドプレートから順に、第1ポリマー層と、接着剤層と、接着剤層中に少なくとも部分的に埋め込まれたフィーチャーを有する第2ポリマー層とを含むバックライトであって、第1ポリマー層、接着剤層、および第2ポリマー層の物質は、屈折率における相違が0.05未満であり、フィーチャーの埋め込まれていない部分の間のすき間領域が、フィーチャーの物質の屈折率よりも少なくとも0.1低い屈折率を有する物質を含んでいるバックライトを提供する。
【0018】
バックライトを製作するためのプロセスは、
(a)少なくとも1つの光源から光を受け取るための光ガイドへ、結合物質を適用し;
(b)第1ポリマーフィルムの表面上に接着剤をコーティングし;
(c)フィーチャーの屈折率よりも低い屈折率の領域によって隔てられた複数の光取り出しフィーチャーを含む入力面を有する光取り出し第2ポリマーフィルムを提供し;
(d)行程(c)の光取り出し第2ポリマーフィルムの光取り出しフィーチャーの少なくとも一部分を、行程(b)の接着剤中に埋め込み;
(e)行程(a)の結合物質を行程(b)の第1ポリマーフィルムの接着剤のない面へと貼り付けるこ;
を含む。
【0019】
このバックライトおよびプロセスは、光取り出しフィルムを光ガイドへと光学的に連結するための低コストの簡単化されたプロセスをもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに検討することによって、最もよく理解される。種々のフィーチャーが必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを、強調しておく。実際、寸法は、検討を分かりやすいものとするために、任意に増減させられている場合がある。現実的である限り、同様の構成要素は同様の参照番号によって指し示されている。
【0021】
以下の詳細な説明においては、本発明の教示について全体を通した理解をもたらすために、具体的な詳細を開示する実例の実施形態が、これに限られることのない説明の目的で記載される。しかしながら、本明細書に開示される具体的詳細から離れる他の実施形態が可能であることは、当業者にとって明らかである。さらに、周知の装置、方法、および物質についての説明は、実例の実施形態の説明を不明瞭にすることがないよう、省略される場合もある。しかしながら、当業者の視野の範囲にあるそのような装置、方法、および物質を、実例の実施形態に従って使用することが可能である。
【0022】
本発明は、多数の容易な製造プロセスおよびより低いコストの製品をもたらす簡素化されかつ一体化された光取り出しフィルムシステムを提供する。さらに、本発明は、明るさならびに視野角を向上させるように光学的効率を最大にする。
【0023】
図1は、光取り出しフィルム20を接着剤層140および第1ポリマーフィルム130へと連結して有している照明装置10の断面図である。第1ポリマーフィルム130は、柔軟なポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、PMMA、ポリスルホン、または他の透明な物質をはじめとする、20〜250ミクロンの間の厚さを有する任意の薄くて透明なポリマー物質で製作可能である。典型的な実施形態においては、第1ポリマーフィルムは、ヒートセットポリエステルフィルムベースの厚さ125ミクロンのシートであり得る。ヒートセットポリエステルは、熱によって生じる寸法変化が比較的小さいために望ましい。一実施形態においては、このアセンブリが、結合手段36を使用し、光ガイドプレート12の上面16へと結合され、あるいは他の方法で光学的に連結される。接着剤および結合手段は、同じ物質である必要はなく、例えば圧力、熱、または放射線硬化の接着剤、ならびに溶剤溶着による結合など、任意の物質で形成できる。放射線硬化型の接着剤として、UV硬化性接着剤を挙げることができる。光源14(典型的には、冷陰極蛍光ライト(CCFL)または発光ダイオード(LED)あるいは、例えばOLED、PLED、およびレーザなどといった何らかの他の放射源)が、TIRを使用して光を導く光ガイド12へ照明源を提供する。接着剤層中に部分的にのみ埋め込まれたフィーチャーを有している第2ポリマー層とも称される光取り出しフィルム20が、光入力面22においてこの光を取得し、この光を種々の照明および表示の用途に適した角度で出力面24に向けて方向変換させる。接着剤層中に部分的にのみ埋め込まれたフィーチャーを有している第2ポリマー層とも称される光取り出しフィルム20は、フィルム基体38から突き出し入力面22を形成し、かつ光ガイド12から光を取得して方向変換すべく光ガイド12に光学的に連結されている、複数の光取り出しフィーチャー26(フィーチャーとも称される)を有している。光ガイドプレート12(LGP)の底面18は、平滑であっても、プリズム状であってもよい。本発明の他の実施形態においては、ポリマーフィルムは、屈折率の観点から、LGPおよび/またはポリマーフィルムを保持すべくLGPへと塗布される接着剤と一致させられる。これらの実施形態において、フィルムは、典型的にはキャストされ、それらを形成するための押し出しプロセスからの延伸以外には、延伸されない。したがって、復屈折がほとんどまたは全く存在せず、光学収差が軽減されて、光学的性能の改善が可能である。キャスト・フィルムは、ヒートセットされず、したがってLGPと同様の寸法変化を有し得る。かかる実施形態においては、ポリマーフィーチャーとポリマーフィーチャーの埋め込まれた接着剤層との間の応力を小さくすることができる。かかる実施形態においては、層間剥離の傾向を少なくすることができる。
【0024】
図1のアセンブリを作り出すために、結合手段36が、光ガイド12の上面へと適用される。ポリマーフィルム130が、オフラインの別途のコーティングプロセス、または照明装置10の組み立てのプロセスの過程におけるインラインの手順にて、光学的接着剤140でコートされる。次いで、光取り出しフィーチャー26が、例えば直接的な積層法などの接触法によって、接着剤140へと光学的に接続される。
【0025】
光学設計の当業者であれば理解できるとおり、光取り出しフィーチャー26、結合層36、光学的接着剤層140、ポリマーフィルム130、および光ガイドプレート12は、好ましくは、実質的に同一な屈折率nを有する物質から形成される。これは、光ガイド12からの光の取り出しを改善し、界面において光が反射して光ガイド12へと戻ることを大幅に防止する。
【0026】
図2を参照すると、図2は、光取り出しフィルム20、光学的接着剤140、およびポリマーフィルム130を使用することによって得られる光学的な連結の拡大図である。結合層36が、光ガイドプレート12上へ適用され、あるいはコーティングされる。ポリマー130の底部が、結合層36へ光学的に連結される。図2に示されているように、頂部34は、ここでのやり方において光ガイド12に対して位置合わせされたポリマーフィルム130の表面に直接に置くことができ、接着剤層140が、光取り出しフィーチャー26を所定の位置に保持するため、および光取り出しフィーチャー26に好適なサイズの入力開口をもたらすために使用される。好ましい実施形態においては、光取り出しフィーチャー26が、約7〜12マイクロメートルの深さまで接着剤層140に埋め込まれる。実際の距離は、光取り出しの相対サイズにもとづいてわずかに変化することができる。
【0027】
ポリマーフィルム130、結合層36、および光学的接着剤層140は、光ガイド12および光取り出しフィーチャー26の屈折率nに厳密に一致した屈折率を有している。ポリエステル層130は、これらに限られるわけではないが、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)をはじめとする、任意のさまざまな種類の透明な物質であってよい。好ましい実施形態では、すべてのnが光取り出しフィーチャー26に一致する。特定の実施形態においては、光取り出しフィルム20を、これらに限られるわけではないが、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、またはポリメチルメタクリレート(PMMA)およびアクリル・フィルムをはじめとする、任意のさまざまな種類の透明な物質から形成することができる。第2の光学的接着剤140の層を使用することは、光学的連結のために有利であり、光取り出しフィーチャー26の製造における寸法公差の誤差を補償するうえで役立ち、ポリマーフィルム130から得られる入射光のための表面積の変化について或る程度の許容をもたらす。
【0028】
光学的接着剤は、例えばOnishiらの‘675号特許に記載のものなどのような、以前の光方向変換の物品において使用されている。しかしながら、Onishiらの‘675号の開示で指摘されているように、従来からの取り組みは、光取り出し用の構造を光学的接着剤へと埋め込むことを、可能であれば避けるべきであると教示している。従来の実施においては、光学的接着剤が、結合剤としてのみ使用され、接着物質を光学的界面を生み出すために積極的に活用しているわけではない。すなわち、例えば、或る種の表面の積層が、さまざまな種類のマイクロ構造を、それら構造を接着剤層に埋め込むことなく光ガイドプレートへと接合するために使用されている。他方で、本発明は、光学的接着剤層内での制御可能な量の埋め込みを、必要とされるレベルの光学的連結を達成するための機構として使用している。必要とされるレベルの埋め込みを達成する好ましい実施形態は、第2の光学的接着剤140に均一な厚さを持たせ、次いでポリマーフィルム130を光取り出しフィーチャー26のための硬いストッパとして使用することである。これは、接着剤とマイクロ構造との間の接触面積を増加させるためにも役立ち、光ガイド12への結合の改善をもたらす。
【0029】
図3は、照明装置10の一部として使用される光取り出しフィルム20のさまざまな角度からの斜視図を示している。図3は、2つの光源14を有する実施形態を示している。出力面24の平面に垂直な方向の光線の発散を制御するために、底部のマイクロ構造層42を使用することができる。本明細書に記載される特定の実施形態においては、底部のマイクロ構造層42が、出力面24の平面に垂直な方向の全反射(TIR)によってビーム角度を減少させて、所定の視野角における明るさをより効率的に向上させる複数のプリズム状の構成要素を含んでいる。底部のマイクロ構造層42は、図3に示されているように、光ガイド12の底面18を形成できる。視野角の要件に応じて、底部マイクロ構造層42のプリズム状構造の頂点の角度は、約20.0度〜約170度の範囲内である。例として、プリズム状構造のピッチは、約10.0マイクロメートル〜約1.0ミリメートルの範囲内である。特定の実施形態においては、ピッチが、約25.0マイクロメートル〜約200マイクロメートルの範囲内である。
【0030】
とりわけ、底部マイクロ構造層42は、プリズム形状以外のフィーチャーを含むことができる。例えば、マイクロ構造層が、断面において先のとがった形状、半円、円錐、非球面、台形、または少なくとも2つの形状の複合であるフィーチャーを有することができる。各形状のピッチは、約10.0マイクロメートル〜約1.0ミリメートルの範囲内であり、特定の実施形態においては、ピッチが、約25.0マイクロメートル〜約200.0マイクロメートルの範囲内である。
【0031】
一般に、マイクロ構造層42のフィーチャーの形状は、光ガイド12の光受け入れ表面44に対して直角な方向に細長い。フィーチャーのサイズおよび形状は、この方向に沿って変化してもよく、一実施形態においては、マイクロ構造の少なくとも1つが、長手方向に沿った光ガイドの長さよりも小さい有限な長さを有している。例えば、プリズム形状の頂点の角度が、光受け入れ表面44の付近において約90度であって、かつ光源から遠く離れた位置(すなわち、光ガイド12の中央部に向かって)では約140.0度であってよい。マイクロ構造層42のフィーチャーは、連続的であっても、あるいは不連続であってもよく、ランダムに配置されても、交互に配置されても、あるいは互いに重なっていてもよい。最後に、平坦でありあるいはパターン化された起伏を有している底部反射器を、表示装置またはバックライト構造から反射またはリサイクルされた光を表示装置へと反射させて戻すことによって明るさをさらに向上させるために、光ガイド12またはマイクロ構造層42の下方に配置することができる。
【0032】
本明細書に詳述されるとおり、光取り出しフィルム20の光取り出しフィーチャー26は、表示装置および照明表面に増加された輝度をもたらすために配置される。さらに、表示装置および照明表面にもたらされる光が、表面全体にわたってより均一に分布する。この組み合わせの効果が、表示装置および照明の用途における増加された輝度および光のより高い均一性である。結合層36、ポリマーフィルム130、および第2の光学的接着剤140は、光取り出しフィーチャー26と光ガイド12との間で行われる光学的連結を示すために所定の場所に示されている。
【0033】
図4の斜視図が、一実施形態における光取り出しフィルム20を使用する表示装置120を示している。照明装置10が、1つ以上の光源14に光学的に連結された光ガイド12を有している。本発明に従って形成された光取り出しフィルム20が、結合層36、ポリマーフィルム130、第2の光学的接着剤140、および第2の光学的接着剤140中に埋め込まれた光取り出しフィーチャー26を使用することによって、光ガイド12へと光学的に連結されている。例えば拡散器114および反射偏光子116などといった他の構成要素を、光取り出しフィルム20からの光をさらに調整するために設けることができる。反射偏光子116は、偏光子の透過軸に平行な偏光状態を有している方向変換された光の一部を透過させる。像を形成するために、光ゲート装置112が、光取り出しフィルム20および介在している任意の他の光調節用の構成要素からの入射光を変調する。光ゲート装置112は、例えば液晶(LC)空間光変調器などの、いくつかの種類の空間光変調器のいずれかであり得る。
【0034】
図5が、第2の接着剤がポリマーフィルム・ウェブへと適用され、ロールの形態に巻き取られて維持される光取り出しフィルムの製造プロセスのフロー図を示している。この構成は、光取り出しシステムを作成するためのプロセスを別個の分離した工程において達成することができるため、製造において有利である。行程100は、第2の接着剤が、ポリマーフィルムを含んでいるポリエステルの上へと適用されることを示している。適用は、コーティングまたは塗布など、さまざまな方法で達成することができる。好ましい実施形態においては、第2の接着剤が、スロットコーティングによって適用される。行程101において、ポリマーフィルムが、乾燥機または硬化ユニットへと通され、第2の接着剤が、その場に乾燥または硬化させられる。この工程は、数秒内の曝露で完全な硬化または途中までの硬化反応を有することができる。行程102において、乾燥/硬化させられたフィルムが、ロールの形態に巻き取られて保管される。行程103は、前に光取り出しフィルム20として示したマイクロプリズムを備える光方向付けフィルムを供給している。このフィルムは、ロールの形式であっても、シートの形式であってもよい。行程104は、行程3および4からの製品を一体に、光学的に連結させるプロセスである。これは、多数の方法によって達成できる。1つの方法においては、光取り出しフィルムが、光方向付けフィーチャーが第2の接着剤に対して正しい関係になるように配置され、次いで両方のフィルムが、温度および圧力のプロセス条件の組み合わせを使用して、ニップラミネータに通される。行程102および103の製品を一体に光学的に連結させる他の方法は、接着物質を軟化させるために充分に高い温度を加え、次いで行程103の背面へとへら付けまたは押し付けすることである。行程104のための好ましい方法は、シートの全体にわたって均一な光学的連結を有するように、ニップラミネータを使用することである。行程105は、光取り出しフィルムシステムのため光ガイドを利用している。行程106は、光ガイドプレートの上へと結合層を適用している。結合手段は、接着剤であってよく、例えば接着剤は、圧力、熱、または放射線硬化などの任意の種類の硬化性接着剤であってよい。適用は、任意の種類のコーティングまたは塗布適用など、さまざまな方法で達成できる。場合によっては、剥離ライナーを接着剤とともに設けることができ、後に引き剥がすことができる。行程107において、システムが行程104および106の製品に光学的に連結され、照明アセンブリが製造される。好ましい実施形態においては、感圧接着剤が、行程106において光ガイドの上へと適用され、次いで行程104および106の製品が、所望の結果を達成するためのさまざまな温度、ニップ圧、すき間高さ、および速度でニップラミネータに通される。この方法によれば、製造業者は、個々の構成要素を別個に評価し、個々の仕様に合致しない部品を排除することによって、最終製品における廃棄物を最小限にすることができる。
【0035】
本発明において有用な照明装置の形成のための実施形態において、そのプロセスは、
(a)少なくとも1つの光源から光を受け取るための光ガイドへと、結合層を適用し;
(b)第1ポリマーフィルム上に接着剤をコーティングし;
(c)より低い屈折率の領域によって隔てられた複数の光取り出しフィーチャーを含む入力面を有する光取り出し第2ポリマーフィルムを提供し;
(d)(c)の光取り出しフィーチャーの少なくとも一部分を(b)の接着剤中に埋め込むことによって、埋め込まれた光取り出しフィルムを形成し;
(e)(a)の結合層を第1ポリマーフィルムの接着剤のない面へと貼り付けること;
を含んでいる。
【0036】
かかるプロセスは、光取り出しフィルムを第2の接着剤層中にと正しい深さまで埋め込むことができるため、有用である。典型的には、光取り出し器の埋め込みは、照明装置の幅および長さ寸法にわたってきわめて均一である必要がある。深さの均一性が、照明の均一性が照明装置のあらゆる領域において実質的に均一であることを保証する一助となる。取り出し器のフィーチャーは、光源の近くであるか、あるいは進入する光から長い距離にある点に位置するかにかかわらず、均一な照明をもたらす任意の設計、形状、または密度であってよい。光取り出しフィーチャーは、経路を形成するプリズム状であってよく、個別の要素であってよく、フィーチャーの密度、サイズ、および形状も、進入する光源からの距離からの関数として変化することができる。光学的連結の程度が異なる領域を形成することによって、光が曲げられ向きを変えられた場合に光を均一にするための手段がもたらされる。構造は、1つ以上の小面を有することができ、あるいはフィーチャーが、頂端において平坦であってよい。取り出しフィーチャーを途中まで接着剤中に埋め込むことによって、フィーチャーの間に空気または他の気体を捕らえて、高い屈折率および低い屈折率の領域を形成する機会がもたらされる。このような高低の屈折率の領域を、表示装置において使用するため所望の方向に光を曲げ、あるいは他へ導くために使用することができる。この低いおよび/または高い屈折率での形状も、光の取り扱いを制御するうえで役に立つ。
【0037】
結合層および接着剤について、本発明の実施形態において有用なプロセスならびに照明装置は、熱によって活性化される物質、圧力によって活性化される物質、化学的に活性化される物質、またはUV光で硬化する物質からなる群から選択される少なくとも1つを含む。いくつかの感圧接着剤(PSA)が、表示装置の用途において有用な優れた光学的特性および接着特性を有することができるため、本発明における有用な実施形態である。典型的には、感圧接着剤の実施形態は、85%より高く、より好ましくは90%より高い光透過性を有する。感圧接着剤は、適用が容易であり、かつ水または有機溶媒によってコーティングすることができる。それらを、さまざまな表面の間のさまざまな大きさの結合力を備えて作ることができる。それらは、典型的には、コーティングまたは積層の過程において表面への適用の際に表面を容易に濡らすことができる。これは、気泡および他の問題を最小限にする役に立つ。PSAは、熱を加えることによって流れる傾向にあり、幅広い範囲の環境条件において使用するための最良の材料たりえないかもしれない。それらは室温において粘着性であり、塵埃粒子が表面へと付着し得るため、取り扱いが、いくつかのさらなる問題を呈し得る。PSAおよび他の種類の接着剤を、静電気および塵埃の吸引の可能性を管理するために、導電性であるように作ることができることに、留意すべきである。例えば熱によって活性化される接着剤(TSA)などの他の物質も、さまざまな表面に対して優れた結合力をもたらすように配合できるため、本発明の実施形態において有用である。それらは、それらの接着特性を活性化するために熱の印加を必要とし、したがって、取り扱いがより容易であり、表面への付着の前に清潔である。TSAは、表面へと適用されたときは付着をほとんど、または全く有していなくてもよく、高い温度にさらされたときに接着特性が活性化され、室温へと冷却されたとき、表面間に強力な接着結合をもたらす。TSAは、大部分のPSAよりも高い温度においてより良好な環境性能をもたらすように配合することが可能である。熱は、ローラーラミネータにおけるような熱伝導によって、あるいは任意の放射手段によって加えることができる。接着特性を、ポリマーフィルムまたは光ガイドなどといった他の層に対する熱に、より敏感にするために、接着特性を追加物によって変更することができる。本発明の実施形態において有用な他の接着剤として、例えばエポキシおよび光硬化型(UV硬化型など)の接着剤などの、化学的に活性化する接着剤が挙げられる。化学的に活性化するか、光によって活性化するかにかかわらず、硬化した接着剤は、さまざまな物質に対してきわめて強力な結合を形成し、結合が例えば温度、湿度、および化学物質への曝露などような環境の変化にきわめてよく耐えるため、有用である。典型的には、これらの接着剤は、化学的な架橋を生じて、硬化後の接着特性を変化させる。さまざまな分類または種類の接着剤が、それらの調合、塗布、および硬化の際にさまざまな物理的特性を有する。接着剤が均一な厚さの制御を保証する均一な様態でコートまたは転写され、コーティングまたは積層の不完全がないように保証するために、これらの特性の制御が重要である。光取り出しフィーチャーを接着剤層に部分的に埋め込むとき、接着剤層の厚さをミクロンの範囲内に抑えることが望ましい。溶液または分散液のレオロジーおよび粘度の制御が、基体へと接着剤を薄く適用するときに必要である。光取り出しフィーチャーを埋め込む場合、接着剤を数ミクロンの厚さへと塗布することが必要であり得、およびフィーチャーが埋め込まれるとき、薄い接着剤層を含む基体が、フィーチャーが層へと深く押し込まれすぎないようにする物理的なストッパとして機能する。接着剤が光取り出しフィーチャーの相対的な体積によって押し退けられ、接着剤が埋め込みプロセスの前の接着剤層の平均厚さよりも遠い距離にあるフィーチャーの側壁を濡らし、あるいはそのようなフィーチャーの側壁に付着する傾向にあるため、このプロセスの過程における、熱および圧力の量が重要である。埋め込みプロセス(積層)の制御は、積層されるウェブの片面または両面への熱の追加を含み得る。接着剤を、積層工程に先立ってあらかじめ加熱してもよい。接着剤層を含んでいる基体の厚さ(すなわち、厚さ数mmの光ガイド)に応じ、バターにおけるホットナイフのように機能するように、光取り出しフィルムへと熱を加えることが有益であり得る。光取り出しフィーチャーの側壁の濡れの量を制御するための他の手段は、第2の接着剤として適用される流体状のモノマー、オリゴマー、または化学的に架橋する接着剤(例えばエポキシなど)を使用し、特定の波長への露光および/または熱などといった外力を加えて、物質を架橋または他の方法で活性化させるための反応を開始させ、取り出し用フィーチャーと第2の接着剤の間ならびに第2の接着剤とポリマーフィルムとの間に結合を形成させることである。
【0038】
上述のプロセスにおいて、第1の接着剤は、少なくとも200ニュートン/mの前記光ガイドと前記ポリマーフィルムとの間の結合力を有している。このプロセスにおいて、2つの平坦な表面が一体に結合され、典型的には、光ガイドと接着剤との間および接着剤と第1ポリマーフィルムとの間に優れた結合力を有する。いくつかの実施形態においては、光ガイドプレートおよびポリマーフィルムが、同じ物質(例えばポリカーボネートまたはPMMAなど)であってよく、他の実施形態においては、光ガイドプレートが、PMMAまたはポリカーボネートであってよく、ポリマーフィルムが、キャストまたは熱で安定化させたポリマーのいずれかであってもよい。第1ポリマーフィルムの有用なポリマーフィルムには、これらに限られるわけではないが、ポリエステル、PEN、アセテート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスルホン、シクロオレフィン、ポリカーボネート、PMMA、およびこれらのコポリマーが包含され得る。このような物質を、空気中または制御された気体雰囲気内においてコロナ放電によって前処理して、表面を機能化し、さらに/あるいは接着および濡れを改善するために化学的に下処理することができる。静電気の蓄積をより良好に管理するため、表面および/または接着剤を、導電性にしてもよい。引っかき傷を防止するため、光ガイドプレートの1つ以上の面に硬いコートを設けることも、望ましいことであり得る。
【0039】
上述のプロセスおよび本発明において有用な結果としての実施形態は、少なくとも200ニュートン/mの光ガイドとポリマーフィルムとの間の結合力をもたらす。異なる物質が幅広くさまざまな環境の温度および湿度の条件のもとで膨張および収縮するとき、光ガイド、第2の接着剤、およびポリマーフィルムの間のさまざまな界面に応力が加わるため、より大きな結合力が有用である。接着剤の結合力は、−40〜90℃の範囲の温度、ならびにさまざまな温度における0〜100%の湿度変化に耐える必要がある。これらの条件は、長い曝露時間にわたり、かつ温度および湿度の或る程度急激なサイクル条件下である場合がある。
【0040】
光取り出しフィーチャーが第2の接着剤層中に部分的に埋め込まれるこのプロセスの実施形態において、前記接着剤と前記光取り出しフィーチャーとの間の平均の接着力は、少なくとも100ニュートン/mである必要がある。特定の光取り出しフィルムが、埋め込み(光学的な連結)のために異なる表面積を有し得ることに、留意すべきである。接着のための表面積が、光取り出しフィルムの異なる領域において相違しているため、接着または結合力が、さまざまでありうる。接着剤に埋め込まれるフィーチャーの領域と、空気を含んでいる(取り出し器のフィーチャーがない)フィーチャーの間の領域とが存在するため、接着を有さない取り出し領域が存在する。本発明において有用ないくつかの実施形態においては、光取り出しフィルムの取り出し器のフィーチャーが、第2の接着剤中に少なくとも1ミクロン埋め込まれる。本発明において有用な他の実施形態においては、光取り出しフィルムの取り出し器のフィーチャーが、1〜15ミクロンの深さまで埋め込まれる。これらのすべての実施形態において、埋め込みの深さは、取り出しフィーチャーの相対サイズに大きく依存し、すべての場合において、照明装置のための埋め込みの深さの均一性は、装置の視認領域の全体にわたって1〜4ミクロンの範囲内である。好ましい実施形態においては、光取り出しフィルムの光取り出しフィーチャーは、取り出しフィーチャーの高さの15〜30%の間の深さまで、第2の接着剤中に埋め込まれる。本発明において有用な照明装置は、表示装置の平均の照明の10%未満の照明の均一性(ポイントとポイントの差分)をもたらすに違いない。
【0041】
本発明の実施形態は、光取り出しフィーチャーの間に空気または気体を有する必要がある。上述のプロセスの実施形態において、光取り出しフィルムは、より低い屈折率の領域によって隔てられた複数の光取り出しフィーチャーを含む入力面を有しており、より低い屈折率の領域は0.8〜0.05の間の、前記光取り出しフィーチャーと前記隔てられた領域との間の屈折率の差をもたらす。そのような実施形態は、照明装置からの光の最適な取り出しをもたらす。本発明において有用な光ガイドが、2つの主要な面を有することに留意すべきである。照明装置または表示装置の視認側に面する面と、視認側の反対の面である。光取り出しフィーチャーは、光ガイドの視認側に付着される。光ガイドの視認側とは反対の面には、視認側に向けての取り出す手段が存在してよい。そのような手段には、プリズム状の構造、粗くされた表面、照明装置の輝度の均一性を助けるための、点または他の形状などの一連の印刷による反射表面フィーチャーが包含され得る。
【0042】
第1および/または第2の接着剤として有用な接着剤には、広範囲のさまざまな接着剤が包含され得る。接着剤層は、オレフィン、ポリエステル、シリコーン、ゴム、スチレン、スチレンブタジエンならびにスチレンブロックコポリマーおよびポリイソブチレン、ウレタン、酢酸ビニル、ポリビニルエチルエーテル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリルおよびこれらのコポリマーであってブチル、エチルヘキシル、メチルメタクリレート、スチレン、エチルアクリレートを包含するコポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含むことができる。感光性の接着剤は、モノマーまたはオリゴマーとして出発し、次いで架橋または他の化学的な反応がなされ、硬化した接着剤を形成する。接着剤の特性を左右するモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロプロピルアクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールが挙げられる。
【0043】
光開始剤には、これらに限られるわけではないが、ベンゾインエーテル、ベンジルジアルキル、ベンゾフェノン、アセトフェノン誘導体、およびこれらのコポリマーが包含され得る。架橋または硬化は、接着剤の製造において、せん断保持力、結合力、ならびに高い温度および環境条件に対する耐性を高めるために、しばしば使用される。
【0044】
芳香族、脂肪族、およびジエン(環状ジオレフィン)モノマーを含んでいる炭化水素樹脂などの粘着向上剤および粘着付与剤。硫黄または硫黄供与体、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ペルオキシド、およびイソシアネートを、接着剤の架橋または硬化を助けるために、いくつかの接着剤系において使用することができる。
【0045】
第1の接着剤および/または第2の接着剤が架橋可能な接着剤を含んでいる実施形態においては、そのような接着剤が、少なくとも1つの光開始剤をさらに含むことができる。そのような光開始剤は、UV露光に感受性であるものであってよい。UV露光は、200〜390nmのUV波長の特定の波長または分布であり得る。そのような物質は、接着剤が、光取り出しフィルムと光ガイドまたは他のポリマーフィルムとの間に、いくらかの結合力をもたらすことができる感圧接着剤として出発できるため、有用である。初期の結合力をもたらすことは、3つのポリマーフィルムおよび/または光ガイドの取り扱いまたは運搬の過程において有用であり得る。この接着剤を、ある時点で、向上した環境性能をもたらすことができるより耐久性のある結合を提供するために、架橋させることができる。このような接着剤は、感圧式として出発でき、あるいは、それらをある露光波長により部分的に硬化さ、その後に異なる波長の光への第2の露光によって、完全に硬化(架橋)させることができる。このような接着剤を、二段硬化接着剤と称する場合がある。本実施形態において有用な他の接着剤の種類には、例えばエポキシなどの化学的に架橋する物質が包含され得る。エポキシは、広範なさまざまな物質の間にきわめて強力かつ耐久性のある結合を形成し、かつ結合が広い範囲の温度および環境条件に耐えるため、接着剤として有用である。
【0046】
本発明の好ましい実施形態において、表示装置は、少なくとも1つの光源;光ガイドプレート;第1の接着剤層;第1ポリマーフィルム;第2の接着剤層;およびポリマーフィーチャーと空気の領域を形成する第2の接着剤に部分的に埋め込まれたフィーチャーを有する光取り出しフィルムを含む照明装置を含む。このような表示装置は、光を光ガイドプレートの面に提供し、光を表示装置の視認側に向かって取り出すことができるため、有用である。上述のプロセスは、そのような表示装置を提供する1つの手段である。さらに、表示装置は、光の拡散、光の平行化、光のリサイクル、偏光、光の変調、および色フィルタリングからなる群から選択される少なくとも1つの機能をさらに含むことができる。本発明において有用な実施形態において、光ガイドは、2つの主要な面を含むことができ、一方が、光を光取り出し面に向かって導くのに役に立つフィーチャーを有している底面であり、一方が、表示装置の視認側に面する上面であり、該上面が光ガイドからの光の取り出しをさらに助ける。
【0047】
この実施形態および他の実施形態の照明装置は、LED、CCFL、レーザおよびOLED(有機発光ダイオード)、PLED(ポリマー発光ダイオード)からなる群から選択される少なくとも1つの光源を含む。
【0048】
光取り出しの均一性は、表示装置およびその表示内容について最も魅力的な視認をもたらすために望ましい。本発明の照明装置は、装置の平均の照明の10%未満の照明の均一性(ポイントとポイントの差分)を有している。
【0049】
第1および/または第2の接着剤のための有用な接着剤には、広範のさまざまな接着剤が包含される。接着剤層は、オレフィン、ポリエステル、シリコーン、ゴム、スチレン、スチレンブタジエンならびにスチレンブロックコポリマーおよびポリイソブチレン、ウレタン、酢酸ビニル、ポリビニルエチルエーテル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、およびこれらのコポリマーであってブチル、エチルヘキシル、メチルメタクリレート、スチレン、エチルアクリレートを含むコポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含むことができる。
【0050】
感光性の接着剤は、モノマーまたはオリゴマーとして出発し、次いで架橋または他の化学的な反応がなされ、硬化した接着剤を形成する。接着剤の特性を左右するモノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロプロピルアクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールが包含される。
【0051】
光開始剤には、これらに限られるわけではないが、ベンゾインエーテル、ベンジルジアルキル、ベンゾフェノン、アセトフェノン誘導体、およびこれらのコポリマーが包含され得る。
【0052】
架橋または硬化は、接着剤の製造において、せん断保持力、結合力、ならびに高い温度および環境条件に対する耐性を高めるために、しばしば使用される。
【0053】
芳香族、脂肪族、およびジエン(環状ジオレフィン)モノマーを含んでいる炭化水素樹脂などの粘着向上剤および粘着付与剤。硫黄または硫黄供与体、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ペルオキシド、およびイソシアネートを、接着剤の架橋または硬化を助けるために、いくつかの接着剤系において使用することができる。
【0054】
本発明の好ましい実施形態において、照明装置を形成するためのプロセスは、光ガイドの上面に接着剤を適用すること、および光取り出しフィルムの光取り出しフィーチャーを接着剤中に部分的に埋め込むことを含む。典型的には、乾燥した状態の接着剤は、5〜50ミクロンの間、好ましくは6〜20ミクロンの間の厚さである。光ガイドへの適用の過程において接着剤を希釈するために溶媒(水を含む)を使用し得ることに留意すべきである。これは、溶媒が追い払われたときに薄くて均一な接着剤の層を得る手段を提供する。好ましい実施形態において、光取り出しフィーチャーを埋め込む前の接着剤の厚さは、光取り出しフィーチャーの所望の埋め込み深さの少なくとも60%である。このプロセスによって形成される照明装置は、表示装置の一部である。表示装置は、光の拡散、光の平行化、光のリサイクル、偏光、光の変調、および色フィルタリングからなる群から選択される少なくとも1つの機能をさらに含むことができる。
【0055】
本発明の表示装置は、少なくとも1つの光源、光ガイドプレート、接着剤層、および
およびポリマーフィーチャーと空気の領域を形成する第2の接着剤に部分的に埋め込まれたフィーチャーを有する光取り出しフィルムを含む照明装置をさらに含む。この発明の表示装置は、LCDである。
【0056】
この実施形態および他の実施形態の照明装置は、LED、CCFL、レーザおよびOLED(有機発光ダイオード)、PLED(ポリマー発光ダイオード)からなる群から選択される少なくとも1つからなる光源を含む。光取り出しの均一性が、表示装置およびその表示内容について最も魅力的な視認をもたらすために望ましい。本発明の照明装置は、装置の平均の照明の10%未満の照明の均一性(ポイントとポイントの差分)を有している。上述と同様の分類の接着剤を、光ガイドへの直接的な適用のために使用することができる。接着剤は、流体または液体の形態で適用され、溶媒が存在するのであれば、光取り出しフィルムを接着剤と接触させる前に溶媒を除去する必要があり、さもなければ、溶媒が2つの表面の間に捕らえられて、問題に直面する。いくつかの溶媒のみが使用できることに、留意すべきである。光ガイドまたは光取り出しフィルムあるいはフィーチャーに反応しない溶媒が望ましい。そうでないならば、これらの表面を、接着剤が塗布されるときに接着剤中の溶媒に耐えるようにするために処理する必要がある。この実施形態において好ましい接着剤は、UV硬化型である。
【0057】
図6は、シートロール形態のフィルムについて、光取り出しシステムの製造プロセスのフロー図を示している。この構成は、光取り出しシステムを作成するためのプロセスを別個の分離した工程にて達成することができ、したがって製造業者が既存の設備に大きな変更を加えることなくサイズおよび最終の形式を特注できるため、製造において有利である。行程100は、第2の接着剤が、ポリマーフィルムの上へと適用されることを示している。適用は、コーティングまたは塗布をはじめとする、さまざまな方法で達成することができる。好ましい実施形態においては、第2の接着剤が、スロットコーティングによって適用される。行程101において、ポリマーフィルムが、乾燥機または硬化ユニットへと通され、第2の接着剤が、その場において乾燥または硬化させられる。この工程は、数秒内の曝露において完全な硬化または部分的な硬化反応を有し得る。行程102において、乾燥/硬化させられたフィルムが、ロールの形態に巻き取られて保管される。行程110において、行程102の製品が、後続の行程のための特定のサイズへと仕上げられる。これにより、製造業者は、時間とともに変化しうる顧客の仕様を満たすことができ、あるいは最終製品の製作に先立ってフィルムの無駄領域を切り捨てることができる。行程103は、以前に光取り出しフィルム20として示したマイクロプリズムを備える光方向付けフィルムを提供している。行程104は、行程3および4からの製品を一体に光学的に連結させるプロセスである。これは、多数の方法によって達成できる。1つの方法においては、光取り出しフィルムが、光方向付けフィーチャーが第2の接着剤に対して正しい関係になるように配置され、次いで両方のフィルムが、温度および圧力のプロセス条件の組み合わせを使用して、ニップラミネータに通される。行程102および103の製品を一体に光学的に連結させる他の方法は、接着物質を軟化させるために充分に高い温度を加え、次いで行程103の裏側へとへら付けまたは押し付けすることである。行程104のための好ましい方法は、シートの全体にわたって個々のシートの均一な光学的連結を有するように、ニップラミネータを使用することである。行程105は、光取り出しフィルムシステムのため光ガイドを利用している。行程106は、光ガイドプレート上に第1の接着剤を適用している。第1の接着剤は、例えば熱、圧力、または放射線硬化などの、任意の種類の硬化性接着剤であってよい。適用は、任意の種類のコーティングまたは塗布適用をはじめとする、さまざまな方法で達成できる。場合によっては、剥離ライナーを接着剤とともに設けることができ、後に引き剥がすことができる。行程107において、システムが行程104および106の製品に光学的に連結され、照明アセンブリが製造される。好ましい実施形態においては、感圧接着剤が、行程106において光ガイドの上へと適用され、次いで行程104および106の製品が、所望の結果を達成するためのさまざまな温度、ニップ圧、すき間高さ、および速度でニップラミネータに通される。この方法によれば、製造業者は、個々の構成要素を別個に評価し、個々の仕様に合致しない部品を排除することによって、最終製品における廃棄物を最小限にすることができる。本発明において、好ましい実施形態は、光ガイドの上へと感圧接着剤を適用すること、ニップラミネータを介する行程5および7を設置すること、所望の結果を達成するために温度、ニップ圧、すき間、および速度を変化させることを介する。
【0058】
図7は、2経路の製造プロセスでの光取り出しアセンブリの製造プロセスのフロー図を示している。この構成は、全製造工程を取り出すことによって製品コストを最小にする主として単一通過の作業であるため、製造において有利である。本発明のこの実施形態においては、1つのプロセス工程にて、第2の接着剤がポリマーフィルムへと適用され、乾燥させられ、マイクロ構造化された光取り出しフィルムへと光学的に連結させられる。行程100が、第2の接着剤は、ポリマーフィルムの上へと適用されることを示している。適用は、コーティングまたは塗布をはじめとする、さまざまな方法で達成できる。好ましい実施形態において、第2の接着剤は、スロットコーティングによって適用される。行程101において、ポリマーフィルムが、乾燥機または硬化ユニットへと通され、第2の接着剤が、その場において乾燥または硬化させられる。この工程は、数秒内の曝露において完全な硬化または部分硬化反応を有することができる。行程103は、以前に光取り出しフィルム20として示したマイクロプリズムを備える光方向付けフィルムを提供している。このフィルムは、以降の工程のために巻かれたロール形式である。行程115は、製造プロセスにおいて行程2および3を一体に光学的に連結させるプロセスである。行程115を達成するための好ましい方法は、前記行程を一体に光学的に連結させるために熱および圧力の制御を有するインラインのニップラミネータを使用することである。行程121において、行程101および103を含んでいる乾燥させられたフィルムが、ロールの形態に巻き取られて保管される。行程125は、製造業者がフィルムを以降の工程のための特定のサイズへと切断することができる仕上げの行程である。これにより、製造業者は、時間とともに変化しうる顧客の仕様を満たすことができる。行程105は、光取り出しフィルムシステムのため光ガイドを利用している。行程106は、光ガイドプレートの上に第1の接着剤を適用している。第1の接着剤は、例えば熱、圧力、または放射線硬化型などの、任意の種類の硬化性接着剤であってよい。また、行程105は、光ガイドプレートに適用する適切な接着剤をすでに有している光ガイドプレートを入手することができる任意行程を有してもよい。接着剤を、熱、圧力、またはUV光などのような方法によって硬化させることができる。行程107において、システムが行程125および105/106の製品に光学的に連結され、照明アセンブリが製造される。好ましい実施形態においては、感圧接着剤が、行程105において光ガイドの上へと前もって塗布され、次いで行程105および125の製品が、所望の結果を達成するためのさまざまな温度、ニップ圧、すき間高さ、および速度でニップラミネータに通される。この方法によれば、製造業者は、個々の構成要素を別個に評価し、個々の仕様に合致しない部品を排除することによって、最終製品における廃棄物を最小限にすることができる。
【0059】
図8は、挿入されたエアギャップ41を有する表面のフィーチャー26を備えているポリマーフィルム38を含んでいる照明装置10である。フィーチャー26が、ポリマーフィルム130上に配置された接着剤140の層に部分的に埋め込まれている。さらに、向上したバージョンの照明装置は、結合手段36および場合によって剥離ライナー141をさらに含むことができる。接着剤層140は、典型的には厚さ6〜16ミクロンである厚さを有している。接着剤層は、光学的に透明である必要があり、好ましくはポリマー層130ならびにフィーチャー26に実質的に等しい屈折率を有している。プリズムの先端または頂部が、部分的に接着剤層に埋め込まれている。フィーチャーの埋め込みによって、光学的連結がもたらされている。この図に示されている場合のフィーチャーは、2つの小面を有しており、フィーチャーの先端を形成している第1の小面は、第2の小面の位置まで埋め込まれる。照明装置の形成のプロセスの最中に形成されるわずかなメニスカス(meniscus)が存在してもよい。これは、積層プロセスの過程における接着剤の相対変位の結果である。メニスカスの制御は、フィーチャーを接着剤層へと埋め込む時点での接着剤の相対の粘度および弾性率に関係する。接着剤層および/またはフィーチャーの一方または両方に熱を加えることが、埋め込みプロセスおよびフィーチャーの側面の濡れの制御において役に立つ。照明装置および照明装置が使用されるであろう表示装置の全体にわたって明るさの良好な均一性を保証するうえで助けとなるよう、埋め込みの均一性を、照明装置の視認部分のあらゆる点において±1〜3ミクロンの範囲内に制御することが望ましい。フィーチャーの相対サイズ、密度、および形状は、照明装置の縁から中央へと変化していてもよい。縁から中央へとフィーチャーの密度の変化を有する照明装置の形成のプロセスのいくつかの実施形態においては、埋め込みの深さおよびフィーチャーの側面の濡れの量の制御のために直面するさらなる課題が存在する。排除する体積、および排除によって生じる結果としての流れのパターンに、ばらつきが生じ得るため、接着剤の排除がさまざまになりうる。いくつかの実施形態においては、縁から中央へと異なった圧力を加えること、もしくは接着剤が流動することを可能にする異なった加熱プロセスを適用すること、またはフィーチャーの密度の違いに起因する異なる体積およびパターン密度に対応するやり方においてもたらされる他の方法を適用することが望ましいことであり得る。ラミネータの相対的なローラの硬さも、埋め込みの均一性に影響しうる。ポリマーフィルムのフィーチャーの中央をポリマーフィルム130に接する点まで押すために、充分な力が必要とされうる。他のプロセスの実施形態においては、埋め込んだフィーチャーを圧力のもとで保持しつつ、接着剤を冷ますことが望ましいことであり得る。これは、フィルム層130の表面からのフィーチャーの跳ね返りまたは上昇を防止するために役に立つ。均一な埋め込みを達成する他の手段は、中央から縁へと相対的な力を変化させるために、ラミネータにおいてクラウンローラを使用することであってよい。他の手段は、異なる硬さのプロフィルを有するローラを備えることであり、あるいは嚢の柔軟性によって順応する圧力を可能にする嚢式のラミネータを使用することである。また、異なるレベルの圧力を加える領域を有する嚢を使用し、圧力印加のゾーン領域を使用してもよい。これは、圧力印加の個々のゾーン制御を有することによって、あるいは異なるやり方で圧力印加に応答する嚢の領域を有することによって、達成することができる。より剛な嚢材料が、より剛でない嚢材料とは異なる様相で応答する。上述の方法は、PSAおよびTSAなどの固体または半固体の接着剤の典型である。熱および圧力の印加によってそれらは流動を生じ、熱が除かれた後、それらは元の状態へと実質的に戻る。液体接着剤が層140として塗布される場合、粘度が固体の接着剤よりも低く、埋め込みプロセスの際にそれが退去させられた後でも、液体接着剤が流動可能であり得る。接着剤層の厚さは1ミクロン未満であるため、最初にそれが適用されるときに接着剤をコーティングさもなければ希釈することが望ましいことであり得る。水を含むあらゆる溶媒を、フィーチャーを有するフィルムを接着剤層に積層される前に、乾燥させて追い出さなければならない。UVまたは他の放射線硬化性あるいは架橋性接着剤が使用される場合には、この前もっての乾燥は不要であり得る。フィーチャーが、液体の状態中に埋め込まれ、接着剤の架橋されるときに保持される。UV硬化型の場合には、放射線を、ポリマーフィルム130ならびに/あるいはフィルム38およびフィーチャー26を通って加えることができる。この場合、これらのポリマー層またはフィーチャーによる光の波長の任意の吸収を最小限にすることが望ましい。硬化する波長の一部を吸収するフィルムが使用される場合には、露光の量または時間によって、損失を補償する必要があり得る。架橋の速度を加速する追加物を、接着剤に加えてもよい。
【0060】
照明装置を光ガイドプレートに適用した後に、光学的連結を形成するようにそれを結合することが望ましい。結合は、ある物質を他の物質へと接着する技術分野において公知の任意の手段であってよい。表示装置または他の光学的用途における使用のために、結合層は光学的に透明(85%より高い、より好ましくは90%より高い透過率)である必要がある。結合手段は、感圧式、感熱式、またはUV硬化型、あるいはエポキシ系接着剤であり得る。結合手段を、ポリマーフィルム層および/または光ガイドプレートを部分的に溶かす溶剤溶着手段によって達成することもできる。溶剤溶着の場合には、2つの物質を結合するこの領域において形成されうる任意の曇りが最小限になるように配慮する必要がある。図8の実施形態に示されているように、結合層を、フィーチャーの反対側の面に適用することができる。この結合手段の適用は、反対側の面へのフィーチャーの埋め込みの前または後であってよい。随意による剥離層(カバーシート)を、接着剤層140および結合手段36の一方または両方上に一時的に貼り付けてもよいことに、留意すべきである。溶剤溶着の場合には、LGPまたはフィーチャーを備えたフィルムへの積層が、実質的に直ちに生じなければならず、剥離ライナーの使用は不要である。随意による剥離ライナーの使用は、接着剤層または結合手段をフィルム層130へとコーティングし、その後に将来のフィーチャーの積層または光ガイドプレートへの適用に備えてロールにし、あるいはシートにして重ねるための手段を提供する。そのような場合、随意による剥離ライナーは、他のフィルムまたはプレートをそれへ積層する前に取り除かれる。また、剥離ライナーが、引っかき傷または接着剤層への塵埃の堆積を防止するための保護層としても機能できることを、当業者は理解することができる。他の実施形態においては、ポリマー層38の裏面が、剥離ライナーとして機能することができる。
【0061】
本発明の他の実施形態においては、結合手段を光ガイドプレートへと適用することができ、その後に照明装置を結合手段36へ付着することができる。上述のとおり、随意による剥離ライナーを、光ガイドプレートへと適用された後の結合手段層36へと適用することができる。
【0062】
本発明において有用なバックライトは、側面から照らす光源を備える光ガイドプレートおよび光ガイドプレートへと接合された光取り出しユニットを順に含み、光取り出しユニットは、光ガイドプレートから順に、第1ポリマー層、接着剤層、および接着剤層に部分的にのみ埋め込まれたフィーチャーを有するる第2ポリマー層を含み、第1ポリマー層、接着剤層、および第2ポリマー層の物質の屈折率における相違が、0.05未満であり、フィーチャーの埋め込まれていない部分の間のすき間領域が、フィーチャーの物質の屈折率よりも少なくとも0.1低い屈折率を有する物質を含んでいる。このようなバックライトは、縁から中心まで均一な光をもたらし、光ガイドプレートへと容易に適用することができる光取り出し手段を形成する手段をもたらすため、有用である。照明装置へと形成した後に光ガイドプレートに適用することができる光学フィルムを有することで、簡易かつ製作が比較的安価なプロセスがもたらされる。フィーチャーを光ガイドプレートとは別個に形成することによって、光取り出しフィーチャーと;ポリマーの領域を空気の領域に隣接して形成することによって光取り出しの手段をもたらす、フィーチャーの一部分に光学的に連結する、接着層中へのフィーチャーの埋め込みと;の両方のためのロールトゥーロール製造プロセスが可能になる。光がポリマーを通って移動して、空気の低屈折率の層に遭遇すると、光の経路が変化させられ、光がバックライトの上面すなわち視認側に出ることを可能となる。フィーチャーが、押し出しロール成形プロセスにおいて使用される熱溶融ポリマー、UV硬化型の物質のどちらかによって形成されているため、所望のフィーチャーの複製が、向上した複製の精度をもたらし、したがって光学的性能の改善をもたらす。光ガイドプレートを照明装置の第1ポリマー層に付着および光学的に連結させるために、結合層を用いることができる。結合層は、接着剤であってよく、光ガイドプレートの照明装置への溶着であってもよい。結合層は、光学的に透明でなくてはならず、高温および高い湿度の環境試験の過程においてさえも付着をもたらすために充分な付着を有していなければならない。表示装置および照明装置の形成において、フィーチャーの埋め込まれていない領域の間にすき間領域が存在する。本発明の実施形態においては、すき間領域が、ポリマーフィーチャーよりも低い屈折率を有する空気または他の気体である。フィーチャーと、フィーチャー間のすき間領域との間の屈折率の差が大きいほど、表示装置は、より効率的に観察者に向かって光を取り出す。多くのポリマーは、1.49〜1.6の間の屈折率を有することができ、空気は1.0である。
【0063】
本発明の好ましい実施形態においては、表示装置は、順に、側面から照らす光源を備える光ガイドプレートと、光ガイドプレートに結合された光取り出しユニットを含むバックライトを含んでおり、光取り出しユニットは、光ガイドプレートから順に、第1ポリマー層、接着剤層、および接着剤層に部分的にのみ埋め込まれたフィーチャーを有する第2ポリマー層を含み、第1ポリマー層、接着剤層、および第2ポリマー層の物質の屈折率の相違が、0.05未満であり、フィーチャーの埋め込まれていない部分の間のすき間領域が、フィーチャーの物質の屈折率よりも少なくとも0.1低い屈折率を有する物質を含んでいる。
【0064】
このような表示装置は、光の拡散、光の平行化、光の増強、光のリサイクル、偏光、光の変調、および光源からなる群から選択される少なくとも1つの機能をさらに含むことができる。他の機能層の追加は、軸上の明るさを最大にするため、および/または他の有利な点からの表示装置の視認を向上させるために光をわずかに軸外へと導くために、光を成形および制御するためのさらなる手段を提供する。本発明の表示装置において使用される光源は、典型的にはバックライトの側方からもたらされ、固体状態の光源である。そのような光源として、これらに限られるわけではないが、LED、OLED、PLED、および/またはレーザが包含され得る。
【0065】
本発明において有用なバックライトを形成するために使用される結合層および/または前記接着剤層は、アクリレート、ポリエステル、スチレン、ウレタン、アクリレートモノマー、オリゴマー、およびこれらのコポリマーまたはエポキシ類、からなる群から選択される少なくとも1つの物質を有することができる。これらの層のいくつかを、溶剤溶着によって接合することも可能である。この結合手段は、光ガイドプレートおよび/またはポリマーフィルム層の一部を溶かし、溶剤がポリマー構造中へ戻って吸収されるときに、2つの表面を一体に融合させる。相対的な曇りのレベルを低減するために、最小限の溶剤を使用することが望ましい。フィーチャーを有している第2ポリマーフィルムのフィーチャーを埋め込むとき、取り出しフィーチャーをそれらの高さの少なくとも7〜30%の間で、接着剤層に埋め込むことが望ましい。フィーチャーは、埋め込まれる端部に頂部を形成している。本発明において有用なフィーチャーは、光源からの距離の関数として、フィーチャーの形状、サイズ、および/またはパッキング密度において変化し得る。典型的には、光は最初に光ガイドに進入するときに、光がより強力であるため、取り出しフィーチャーは、中央または端部ではより顕著でない。
【0066】
第1ポリマー層、接着剤層、および接着剤層中に部分的にのみ埋め込まれた光取り出しフィーチャーを有している第2ポリマー層を、順に結合して含んでおり、第1ポリマー層、接着剤層、および第2ポリマー層の物質は、屈折率における相違が0.05未満であり、フィーチャーの埋め込まれていない部分の間のすき間領域が、フィーチャーの物質の屈折率よりも少なくとも0.1低い屈折率を有する物質を含んでいる、光取り出しユニットは、2つのフィルムを一体に接合することで、ポリマーと、非埋め込み領域に形成されるすき間の空気とからなる領域が存在する点で、有用である。厚さ1ミル未満の接着剤層へのフィーチャーの部分的埋め込みの形成は、1〜3ミクロンの間の埋め込みの均一性を必要とするため、複合フィルムを光ガイドプレートへの接合に先立って実行することが望ましい。これは、光取り出しユニットの形成のために必要とされる所望の公差を得るために、きわめて精密な積層制御を必要とするロールトゥーロールまたはロールトゥーシートの製造プロセスの手段をもたらす。光取り出しユニットが適切に機能するために、埋め込まれていないフィーチャーの間のすき間領域は、空気を含んでいる。この領域および隣接のポリマーフィーチャーによって形成される大きな屈折率の差分ゆえ、光をきわめて効率的な手段において取り出すことができる。フィーチャーは、光の取り出し量を最大にするために、フィーチャーの高さの7〜30%の間まで埋め込まれる。
【0067】
本発明において有用な接着剤層は、アクリレート、ポリエステル、スチレン、ウレタン、アクリレートモノマー、オリゴマー、およびこれらのコポリマー又はエポキシ類からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含むことができる。接着剤層は、光学的に透明である必要がある。透過のレベルが高いほど、より良好である。さらに、接着剤の屈折率が、ポリマーフィルムの屈折率およびフィーチャーを形成するために使用される物質の屈折率に実質的に一致することが、有益である。光取り出しユニットのフィーチャーは、フィーチャーののサイズ、形状、およびパッキング密度において、光源からのそれらの距離の関数として変化し得る。そのような変化は、光の進入点から光ガイドの中央または端部まで光の均一な取り出しをもたらすうえで有用である。
【0068】
本発明において有用な他の実施形態は、光取り出しユニットの形成のためのプロセスであって、第1ポリマー層に接着剤を適用すること、より低い屈折率の領域によって隔てられた複数の光取り出しフィーチャーを含む入力面を有している、フィーチャーを有する第2ポリマー層を提供すること、光取り出しフィーチャーの少なくとも一部分を前記接着剤へと部分的に埋め込むことによって、埋め込まれた光取り出しユニットを形成すること、および、次いで、光取り出しユニットを光ガイドプレートの出力面に結合することを含むプロセスを提供する。光取り出しユニットを、光ガイドプレートへの結合に先立って実行することによって、光取り出しユニットを高価な光ガイドプレートへの結合の前に試験することができるため、製造の改善がなされる。
【0069】
照明装置を形成するためのプロセスが、第1ポリマー層の第1の面に、第1の接着剤を適用すること、より低い屈折率の領域によって隔てられた複数の光取り出しフィーチャーを含む入力面を有するフィーチャーを有する第2ポリマー層を提供すること、前記光取り出しフィーチャーの少なくとも一部分を第1の接着剤中に部分的に埋め込むことによって、埋め込まれた光取り出しユニットを形成すること、第1ポリマー層の第2の面へと結合層を適用すること、および前記光取り出しユニットを光ガイドプレートの出力面へと結合すること、を含んでいる。このプロセスによれば、ポリマーフィルムへ2つの接着剤または結合層を適用することでき、フィーチャーポリマーフィルムを片面へと埋め込むことができ、次いで他方の接着剤または結合層を、光ガイドプレートへの接合のために使用することができる。特定の順序を上述したが、光取り出しユニットを、光ガイドプレートへと接合される面に最初に結合層をコーティングまたは塗布し、次いでこの結合層を覆って剥離ライナーを適用し、その後に反対の面に、制御された厚さで接着剤を適用することによって、形成することも可能である。次いで、フィーチャーを有するポリマーフィルムが、接着剤層へと積層される。本発明の他の実施形態において、随意による剥離ライナーを接着剤へと貼り付けることができ、その後に、第1ポリマーフィルムをフィーチャーを有する第2ポリマーフィルムへと結合する前に、剥離ライナーを取り除くことができ、さらに随意による剥離ライナーを結合層に適用することができ、その後に、前記光取り出しユニットを前記光ガイドプレートへと結合する前に、前記剥離ライナーを取り除くことができる。
【0070】
他の実施形態においては、照明装置を形成するためのプロセスは、第1ポリマー層の第1の面へと接着剤を適用すること;より低い屈折率の領域により隔てられた複数の光取り出しフィーチャーを含んでいる入力面を有しているフィーチャーを有する第2ポリマー層を提供すること;前記光取り出しフィーチャーの少なくとも一部分を第1の接着剤中に部分的に埋め込むことによって、埋め込まれた光取り出しユニットを形成すること;前記光ガイドプレートの出力面へ結合層を適用すること;および前記光取り出しユニットを第1ポリマー層の第2の面へと結合すること、を含む。さらなる実施形態においては、上述のプロセスは、随意による剥離ライナーを第1の接着剤へ適用し、その後に、第1ポリマーフィルムをフィーチャーを有する第2ポリマーフィルムへと結合する前に、剥離ライナーを取り除くこと、および随意による剥離ライナーを前記光ガイドプレートの出力面へと適用し、その後に、前記光取り出しユニットを前記光ガイドプレートへと結合する前に、前記剥離ライナーを取り除くこと、をさらに含んでいる。
【0071】
本発明のプロセスにおいて、積層工程は、圧力、熱、および硬化からなる群からから選択される少なくとも1つの機能を提供する。熱は、接着剤の相対的な粘度をより低くするうえで有用であり、さらに接着剤層でポリマーフィルムまたはフィーチャーを濡らすことができるようにするうえで役に立つ。良好な表面の濡れが、気泡および他の欠陥(良好な表面の濡れがない場合に、積層プロセスの際に生じうる欠陥)の存在しない良好で均一な接着を得るうえで有用である。フィーチャーを接着剤層を有している基体に接触する点まで押すために、適切な圧力を加える必要がある。いくつかの実施形態においては、結合をもたらす、接着剤層の硬化または他の方法で架橋を行うことが有用である。架橋または硬化した層は、典型的には、熱または湿度などといった環境条件に対してより安定である。
【0072】
接着剤および結合層は、熱によって活性化する物質、圧力によって活性化する物質、化学的に活性化する物質、またはUV光で硬化する物質でからなる群から選択される少なくとも1つのうちの1つであり得る。感圧接着剤は、適用が容易であり、比較的安価であるため、有用である。感熱接着剤は、きわめて有用であり、その接着特性の活性化のために熱の印加を必要とする。これらの多くは、PSAの分類の接着剤よりも高いTgを有し、一般に、特定の環境条件の変化によりよく耐える。ポリマー層の接着および結合の他の手段として、化学的に架橋する物質、またはUV光で硬化する物質の使用が挙げられる。前記光ガイドと前記結合層との間、ならびに結合層と前記第1ポリマーフィルムの第2の面との間に結合力を得るプロセスは、少なくとも100ニュートン/mの接合力を有することが望ましい。そのような接合力は、これらの層を環境条件の範囲にわたって一体に保持するうえで有用であり、稼働条件および試験条件の範囲にわたって生じる寸法の変化に耐えることにおいても有用である。
【0073】
接着剤および前記結合層は、アクリレート、ポリエステル、スチレン、ウレタン、アクリレートモノマー、オリゴマー、およびこれらのコポリマーあるいはエポキシ類からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。アクリレートが、広範にわたるさまざまな接着剤を形成するので、有用な物質である一方で、モノマーおよびオリゴマーは、架橋の用途に使用することが可能である。これらの種類の接着剤は、通常は、きわめて硬く、物理的および化学的の両方の応力に耐える。UV接着剤が使用される本発明の有用な実施形態においては、物質が、少なくとも1つの光開始剤をさらに含むことができる。1つ以上の光開始剤の使用は、モノマーをより完全に硬化または架橋させることができるようにするうえで有用である。初期の硬化をもたらすUV調合を有することで、或るレベルの接着をもたらすことができ、これはその後により完全に硬化される。
【0074】
光取り出しユニットの形成のプロセスにおいて、前記光取り出しユニットの光取り出しフィーチャーの少なくとも一部分が、少なくとも1ミクロンまで接着剤層中に埋め込まれる。フィーチャーの全高は、さまざまであってよいが、光取り出しフィーチャーを、取り出し用フィーチャーの高さの少なくとも7〜30%の間で接着剤に埋め込むことができる。
【0075】
接着剤層は、約6〜18ミクロンの間の厚さを有することができる。光取り出しフィーチャーを埋め込むために使用されるプロセスは、照明装置が表示装置の平均の照明の10%未満の照明の均一性を有することを保証するために、高レベルの埋め込みの均一性を提供する必要がある。
【0076】
光取り出しユニットを形成するためのプロセスは、より低い屈折率の領域によって隔てられた複数の光取り出しフィーチャーを含むことができ、約0.8〜0.05の、前記光取り出しフィーチャーと前記隔てている領域との間の屈折率の相違を有する。フィーチャーのポリマーと、間の領域との間に、高いレベルの屈折率の相違を有することは、高い効率のレベルをもたらすための役に立つ。
【0077】
本発明の他の有用な実施形態において、表示装置は、光ガイドプレート、接合界面、および光取り出しユニットを順に含む照明装置を含んでいる。
【0078】
当業者にとって明らかであるとおり、この同じ手法を、所望の非均一な光の分布を達成するために適用することも可能である。この場合、平均の明るさよりも明るいことが望まれる領域において、光学的な接触面積がさらに増やされ、平均の明るさよりも暗いことが望まれる領域において、光学的な接触面積がさらに減らされる。
【実施例】
【0079】
実施例1
この実施例は、シートの形態のフィルムについて、光取り出しシステムの製造プロセスを説明しようとするものである。すべての作業を、クラス10,000のクリーンルームで完了させた。
【0080】
PMMA製の光ガイドプレート(LGP)が、外部の供給元から得られ、127ミリメートル×247ミリメートルの寸法へと切断される。光ガイドプレートの厚さは、6ミリメートルである。3M(商標)の光学的に透明な接着剤8141(Optically Clear Adhesive 8141)の一片が、光ガイドプレートと同じ寸法に切断される。3M(商標)の光学的に透明な接着剤8141は、感圧接着剤である。光ガイドプレートの表面を完全に清掃した後で、3M(商標)8141の一方の剥離ライナーを取り除き、サンプルをLGPへと貼り付ける。
【0081】
この実施例において使用したラミネータは、2つの101.6ミリメートルの規格に準拠したローラを備えるSeal(商標)400であった。この接着剤について、ラミネータにおけるプロセス条件は、21℃、0.45m/分の速度、および137.9KPaの圧力設定に設定される。これらのプロセス条件を、実施例の全体を通して一定に保った。
【0082】
光ガイドプレートおよび3M(商標)8141をラミネータのニップへと移動させるとき、3M(商標)8141の底部の剥離ライナーが取り除かれる。これにより、光ガイドプレートと3M(商標)8141との間に接着を行うことができる。光取り出しシステムのこの構成要素が完成し、後の光学的結合のために保管される。
【0083】
第2の接着剤が、次のプロセス工程のために用意される。この第2の接着剤は、258グラムのMEK(メチルエチルケトン)をオハイオ州ClevelandのNeveon Inc.から入手した42グラムのEstane 5703Pに加えることによって用意される。この物質が、PETの127ミリメートル幅のロールへとコートされる。それぞれの溶液を、74.27cm/mの配置でスロットホッパー(slot hopper)コートし、37.7〜82.2℃の範囲の一連の乾燥機に通すことによって乾燥させた。装置の速度は、3.048m/分に設定した。溶液を乾燥させ、次いで装置の一端においてロールの形態に巻き取った。サンプルの乾燥後のコーティング厚さは6マイクロメートルであった。この巻き取りロールが、後の光学的連結のプロセス行程のために保管される。
【0084】
その上にマイクロプリズム構造を有する光取り出しフィルムを、この実施例の上述の光ガイドプレートと同じ寸法に切断した。
【0085】
次のプロセス工程を、クラス10,000のクリーンルームで完了させたが、必ずしもそのような場所で完了させる必要はない。PETによる第2の接着剤を、マイクロプリズムを備えた光取り出しフィルムと同じ寸法に切断した。このプロセス工程は、第2の接着剤フィルムおよびマイクロプリズムを備えた光取り出しフィルムを使用する。これら2つのフィルムを、マイクロフィーチャーをマイクロフィーチャーがPETサポートに突き当たるようにして約6マイクロメートルの深さまで接着剤中へと埋め込んで、光学的に連結させた。この実施例において使用したラミネータはSeal(商標)400であった。物理的外観およびマイクロフィーチャーの第2の接着剤中へのおおよその埋め込み深さにもとづいて、ラミネータの感熱接着剤のためのプロセス条件を、121℃、0.45m/分の速度、および中程度の圧力設定に設定することに決定した。ラミネータのプロセス条件は、実施例全体を通してそれぞれのプロセス条件において一定に保たれた。
【0086】
最後のプロセス工程にて、3M(商標)8141を備えた光ガイドプレートを、第2の接着剤と、PETと、埋め込まれたマイクロプリズムとを含んだフィルムへと、光学的に連結させた。この実施例において使用したラミネータはSeal(商標)400であった。この光学的連結のためのプロセス条件は、121℃、0.45m/分の速度、および中程度の圧力設定に設定したラミネータを有していた。ラミネータのプロセス条件は、実施例全体を通してそれぞれのプロセス条件において一定に保たれた。
【0087】
シート形式の光取り出しシステムのためのプロセスを評価するために、埋め込まれたマイクロプリズムの幅を、Nikon Measuring Microscope MM−40を使用して測定した。寸法を、精度を助けるべくTechnoquip DCG−100A Digital Crosshair Generatorを装備したQuadraChek 2000計器を使用して測定した。埋め込まれたマイクロプリズムの所望の幅は、17マイクロメートルおよび±2マイクロメートルの公差である。
【0088】
この実施例に記載したプロセスを使用することで、光ガイドプレートの表面積の全体にわたって均一に埋め込まれたマイクロプリズムが得られた。幅の測定を、おおよそ10ミリメートル刻みで行った。結果は、平均されたマイクロプリズムの埋め込み幅が、システムについて許容可能な公差の範囲にあることを示していた。
【0089】
実施例2
接着剤の厚さおよびラミネータのプロセス条件の間の相互作用を理解するために、5インチ幅のPETおよびPMMAポリマーフィルムを、さまざまな接着物質でコーティングした。この相互作用は、プリズム埋め込み深さと、光取り出しフィルムシステムの剥離強度とを測定することによって特徴づけられた。それぞれの接着物質について、溶剤結合剤を表1に示す。物質を、示したとおりに55℃の加熱したプラテン上にさまざまな濡れ厚さでコーティングし、確認した乾燥コーティング厚さを得た。これらの物質は、空気乾燥された。
【0090】
Kodak P−170(商標)を、種々の接着物質の性能を評価するため、光取り出しフィルムとして使用した。P−170物質を、PETポリマーフィルム上にコーティングした種々の接着物質に、光学的に結合させた。
【0091】
254mm(長さ)、127mm(幅)、および6mm(厚さ)の寸法を有するPMMA光ガイドプレートは、それに適用された第1の光学的接着剤層を有していた。第1の光学的接着剤層は、3M(商標)社の8142という銘柄の剥離層付きの感圧接着剤であった。この第1の光学的接着剤層は、137.9キロパスカルに設定した圧力荷重、0.45m/分の速度、および4.76mmのすき間にて、Seal(商標)400ラミネータを使用して適用された。接着剤層に埋め込まれたマイクロプリズムを有するポリマーフィルムを追加する前に、剥離層を第1の光学的接着剤層から引き剥がした。
【0092】
次いで、感熱および感圧の接着剤を、この実施例のために準備した。それぞれの物質を、最大300グラムまで製造した。それぞれの溶液を、74.27、123.79、および174.38cm/mという3つの配置量にてスロットホッパー(slot hopper)コーティングし、55℃に加熱したプラテン上で加熱した。溶液を、その場で乾燥させた。サンプルの乾燥後のコーティング厚さは、6、10、および14マイクロメートルであった。すべての物質は、PETおよびPMMAシート上にコーティングされた。
【0093】
感熱接着剤は、258グラムのMEK(メチルエチルケトン)および42グラムのEstane 5703P(オハイオ州ClevelandのNeveon Inc.)を含んでいた。感圧接着剤は、124グラムの酢酸エチル、82グラムの3A アルコール、および94グラムのGelva 2953(バージニア州MidlothianのCytec Industriesから入手した)を含んでいた。
【0094】
すべての作業を、クラス10,000のクリーンルームで完了させた。この実施例において使用したラミネータは、Seal(商標)400であった。プロセス条件を決定するためのいくつかの予備的な実験の後で、物理的外観およびマイクロフィーチャーの接着剤中へのおおよその埋め込み深さにもとづいて、ラミネータの感熱接着剤のためのプロセス条件を、121℃、0.45m/分の速度、および中程度の圧力設定に設定することに決定した。感圧接着剤のためのプロセス条件は、21℃、0.45m/分の速度、および中程度の圧力設定に設定した。ラミネータのプロセス条件は、実施例全体を通してそれぞれのプロセス条件において一定に保たれた。
【0095】
平均の厚さが、表1に報告されている。これは、P−170マイクロプリズムを接着剤層中へと埋め込んだ後に得た9回の測定の読み取りの平均である。剥離強度の値を、Instron Model 4301を使用して得た。表1に示されている値は、180度の剥離についての平均の剥離強度値を示している。
【0096】
【表1】

【0097】
表1からの重要な結果は、種々の接着剤についての平均厚さおよび剥離強度である。この表は、いずれの接着物質も光方向付けガイドシステムの製造に使用することができるが、物質の選択およびその乾燥後のコーティング厚さが、製品の性能に影響することを示している。表1は、 6マイクロメートルのEstane 5703Pが、光学的設計のために必要なおおよその平均厚さをもたらし、かつ適切な剥離強度値を有しているので、6マイクロメートルのEstane 5703Pが、物質の選択および厚さの最良の選択であることを示している。
【0098】
本明細書の開示に照らし、本明細書に記載したさまざまな方法および装置を、さまざまな用途において実現できることに留意すべきである。また、種々の物質、要素、およびパラメータは、実施例の目的としてのみ挙げられているのであって、これらに限られるという意味ではない。本明細書の開示に照らし、当業者であれば、彼ら自身の技術およびそれら技術に作用するために必要な設備の決定において、添付の特許請求の範囲の技術的範囲から逸脱することなく、本明細書の教示を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明による光取り出しフィルムを使用する照明装置の断面図である。
【図2】接着剤層中に挿入され、かつ光ガイドに対して位置合わせされた光取り出しフィーチャーの断面図である。
【図3】本発明の光取り出しフィルムを使用する照明装置の斜視図である。
【図4】例示的な実施形態による表示装置の斜視図である。
【図5】巻かれたロールの形態のフィルムの場合の光取り出しフィルムの製造プロセスのプロセス流れ図である。
【図6】シートの形態のフィルムの場合の光取り出しフィルムの製造プロセスのプロセス流れ図である。
【図7】2つの工程経路での光取り出しフィルムの製造プロセスのプロセス流れ図である。
【図8】照明装置である。
【符号の説明】
【0100】
10 照明装置
12 光ガイド
14 光源
16 上面
18 底面
20 光取り出しフィルム
22 入力面
24 出力面
26 光取り出しフィーチャー
34 頂部
36 結合層
42 マイクロ構造層
43 光学的接着剤
44 光受け取り面
100 製造プロセスにおける接着剤適用工程
101 製造プロセスにおける乾燥/硬化工程
102 製造プロセスにおける巻き取り工程
103 製造プロセスにおけるマイクロプリズムを有するフィルムの工程
104 製造プロセスにおけるマイクロプリズムおよび接着剤の光学的連結工程
105 製造プロセスにおける光ガイドの取得
106 製造プロセスにおける光ガイドプレートへの接着剤適用工程
107 製造プロセスにおけるマイクロプリズム/接着剤の、光ガイドプレート/接着剤への光学的連結工程
110 製造プロセスにおける仕上げ工程
112 光ゲート装置
114 拡散器
115 製造プロセスにおけるマイクロプリズムおよび接着剤のインラインでの光学的連結の工程
116 反射偏光子
120 表示装置
121 製造プロセスにおけるマイクロプリズムおよび接着剤のインラインでの巻き取り工程
125 インラインの巻き取り工程の製造プロセスにおける仕上げ工程
130 ポリマーフィルム
140 光学的接着剤
141 剥離ライナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面から照らす光源を備える光ガイドプレートおよび光ガイドプレートへと結合された光取り出しユニットを順に含むバックライトであって、光取り出しユニットが、光ガイドプレートから順に、第1ポリマー層と、接着剤層と、接着剤層中に少なくとも部分的に埋め込まれたフィーチャーを有する第2ポリマー層とを含み、
第1ポリマー層、接着剤層、および第2ポリマー層の物質は、屈折率における相違が0.05未満であり、および、
フィーチャーの埋め込まれていない部分の間のすき間領域が、フィーチャーを構成する物質の屈折率よりも少なくとも0.1低い屈折率を有する物質を含んでいるバックライト。
【請求項2】
前記光ガイドプレートおよび前記第1ポリマー層を結合する結合層をさらに含む請求項1記載のバックライト。
【請求項3】
前記の、フィーチャーの埋め込まれていない部分の間のすき間領域が、空気を含む請求項1記載のバックライト。
【請求項4】
側面から照らす光源を備える光ガイドプレートと、光ガイドプレートへと接合された光取り出しユニットとを順に含むバックライトを含む表示装置であって、光取り出しユニットが、光ガイドプレートから順に、第1ポリマー層と、接着剤層と、接着剤層中に部分的にのみ埋め込まれたフィーチャーを有している第2ポリマー層とを含んでおり、
第1ポリマー層、接着剤層、および第2ポリマー層の物質は、屈折率における相違が0.05未満であり、
フィーチャーの埋め込まれていない部分の間のすき間領域が、フィーチャーの物質の屈折率よりも少なくとも0.1低い屈折率を有する物質を含んでいる表示装置。
【請求項5】
光の拡散、光の平行化、光の増強、光のリサイクル、偏光、光の変調、および光源からなる群から選択される少なくとも1つの機能をさらに含んでいる請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
固体状態の光源をさらに含んでいる請求項4記載の表示装置。
【請求項7】
前記結合層および/または前記接着剤層が、アクリレート、ポリエステル、スチレン、ウレタン、アクリレートモノマー、オリゴマー、およびこれらのコポリマーまたはエポキシ類、からなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む請求項1記載のバックライト。
【請求項8】
前記フィーチャーが、取り出しフィーチャーの高さの少なくとも7〜30%の間で前記接着剤層中に埋め込まれている請求項1記載のバックライト。
【請求項9】
前記フィーチャーが、頂部を形成している請求項1記載のバックライト。
【請求項10】
前記フィーチャーが、光源からの距離の関数として、フィーチャーの形状、サイズ、および/またはパッキング密度において変化する請求項1記載のバックライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−70796(P2009−70796A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−128824(P2008−128824)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(307010188)ローム アンド ハース デンマーク ファイナンス エーエス (51)
【Fターム(参考)】