説明

光学シート、光学シートの製造方法、及び映像表示装置

【課題】近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる光学シート、該光学シートの製造方法、及び該光学シートを備えた映像表示装置を提供する。
【解決手段】PDPから出射された光を制御して観察者側に出射する、複数の層を有する光学シートであって、第1基材層上に形成された、光を透過可能にシート面に沿って並列されて形成されるプリズム部と、プリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部と、を有する光学機能シート層、第2基材層上に形成された、電磁波を遮断する機能を有する電磁波シールド層、及び、所定の波長の光をフィルタリングする機能を有する波長フィルタ層、を少なくとも備えており、粘着剤層、第1基材層、光学機能シート層、第2基材層及び電磁波シールド層が列記した順でプラズマディスプレイパネルに積層され、光学機能シート層に接しない層が波長フィルタ層を兼ねる、又は光学機能シート層に接しない位置に別に波長フィルタ層を備えている、光学シートとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像源から出射される映像光を制御して観察者側に出射する光学シート、該光学シートの製造方法及び該光学シートを備えた映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイのような、映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像源と、該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学シートとが備えられている。
【0003】
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、キセノンやヘリウムの不活性ガス放電を利用して発光するため、近赤外線を放出する。この近赤外線は、コードレス電話、赤外線方式のリモートコントローラー等の誤作動を引き起こす可能性がある。また、不活性ガスに含まれるNe成分のオレンジ色の発光(ネオン線)によって色純度の低下が生じる。そのため、PDPに貼合される光学シートには、近赤外線やネオン線を遮蔽する波長フィルタ層が設けられることがある。
【0004】
また、PDPは、観察者側が明るい場合はコントラストが不十分となり画像品質が低下する。そのため、PDPに貼合される光学シートには、コントラストを向上させるための層として、光を透過可能なプリズム部と光を吸収可能な光吸収部と有し、外光を適切に遮蔽する光学機能層が設けられることがある。
【0005】
しかしながら、上記波長フィルタ層及び光学機能層を備える光学シートの場合、該光学機能層を構成する紫外線硬化型樹脂材料に含有される重合開始剤から発生するラジカルによって、波長フィルタ層に含有される近赤外線やネオン線を吸収するための色素が劣化するという問題があった。このような問題を解決する手段が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、光学機能層(透明樹脂層と黒樹脂を有する層)の表面にスパッタリング法によりシリコーン膜や透明樹脂からなる膜をバリア層として設けることによって、光学機能層に含まれる重合開始剤が波長フィルタ層(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層)へ移行することを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−139893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示されているコントラスト向上シートによれば、バリア層あるいはバリア粘着層が、光学機能層(透明樹脂層や黒色樹脂)から波長フィルタ層(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層)への成分の移行を阻害するので、近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化が防止されるとしている。しかしながら、バリア層あるいはバリア粘着層としてシリコーン膜や透明樹脂からなる膜を形成する場合、オフライン生産となるため、生産性が悪く、コストアップにも繋がっていた。
【0008】
そこで本発明は、より簡単に、近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる光学シート、該光学シートの製造方法、及び該光学シートを備えた映像表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、鋭意検討した結果、層構成を工夫して、近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる光学シートとすることができるとの知見を得た。
【0010】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0011】
請求項1に記載の発明は、プラズマディスプレイパネル(2)から出射された光を制御して観察者側に出射する、複数の層を有する光学シート(10)であって、第1基材層(11)上に形成された、光を透過可能にシート面に沿って並列されて形成されるプリズム部(13、13、…)と、プリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部(14、14、…)と、を有する光学機能シート層(12)、第2基材層(22)上に形成された、電磁波を遮断する機能を有する電磁波シールド層(20)、及び、所定の波長の光をフィルタリングする機能を有する波長フィルタ層、を少なくとも備えており、粘着剤層(17)、第1基材層、光学機能シート層、第2基材層及び電磁波シールド層が列記した順でプラズマディスプレイパネルに積層され、光学機能シート層に接しない層が波長フィルタ層を兼ねる、又は光学機能シート層に接しない位置に別に波長フィルタ層を備えている、光学シートにより前記課題を解決する。
【0012】
ここに、「光学機能シート層に接しない層が波長フィルタ層を兼ねる、又は光学機能シート層に接しない位置に別に波長フィルタ層を備えている」とは、光学機能シート層に接しない層が、波長フィルタ層の機能を兼ねてもよく、光学機能シート層に接しない位置に波長フィルタ層としての機能のみを有する層を備えてもよいことを意味する。例えば、粘着剤層が波長フィルタ層の機能を兼ねたり、最も観察者側に防眩層を設け、該防眩層の観察者側の面に波長フィルタ層を形成したり、該防眩層と電磁波シールド層との間に基材層上に形成された波長フィルタ層を介在させたりしてもよい。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学シート(10)において、粘着剤層(17)と第1基材層(11)との間の粘着力が、粘着剤層とプラズマディスプレイパネル(2)との間の粘着力より強いことを特徴とする。
【0014】
本発明において「粘着力」とは、JIS Z0237に準拠した測定方法によるものを意味する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の光学シート(10)において、粘着剤層(17)の粘着力が、複数の層に含まれる他のいずれの層同士の粘着力よりも弱いことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の光学シート(10)において、粘着剤層(17)が、ガラス板に貼合した後、常温常湿で24時間以上経過後の粘着力が1N/25mm以上10N/25mm以下となる粘着剤で構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の光学シート(10)において、粘着剤層(17)が、ガラス板に貼合して気温60℃かつ相対湿度90%の雰囲気または気温80℃かつ常湿の雰囲気で、1000時間加熱した後の粘着力が1N/25mm以上20N/25mm以下となる粘着剤で構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の光学シート(10)と、粘着剤層(17)に貼合されたプラズマディスプレイパネル(2)とを備える映像表示装置(1)を提供することにより前記課題を解決する。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の光学シート(10)を製造する方法であって、第1基材層(11)の一方の面側に粘着剤層(17)を形成した後、第1基材層の他方の面側に光学機能シート層(12)を形成する工程を含む、光学シートの製造方法を提供することにより前記課題を解決する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる光学シート、該光学シートの製造方法、及び該光学シートを備えた映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】1つの実施形態にかかる本発明の光学シートの一部の断面を概略的に示した図である。
【図2】図1に示した光学機能シート層の一部を拡大して示した図である。
【図3】光吸収部の他の例を示した図である。
【図4】1つの実施形態にかかる本発明の映像表示装置の一部の断面を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
【0023】
図1は1つの実施形態にかかる本発明の光学シート10の一部の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図1では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略している(以降に示す各図において同じ。)。光学シート10は、ここに入射した映像源側からの光を観察者にとって適切な映像光として透過させ、出射させるシート状の部材である。
【0024】
光学シート10は、複数の層を有しており、そのうち少なくとも1層が、第1基材層11上に形成された光学機能シート層12であり、第1基材層11の光学機能シート層12が形成されていない面側には粘着剤層17が備えられている。以下に各層について説明する。
【0025】
第1基材層11は、後で詳しく説明する光学機能シート層12を形成するための基材層としての層で、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分としている。すなわち、光学機能シート層12と一体で形成されているものである。第1基材層11はPETを主成分として含有しているが、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
【0026】
第1基材層の主成分は、必ずしもPETであることは必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等の添加剤を加えても良い。
本実施形態では、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からPETを主成分とする樹脂を好ましい材料であるとして説明した。
【0027】
光学機能シート層12は、映像光源側からの映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。光学機能シート層12は、図1に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備える。すなわち、図1に表れる断面において断面が略台形であるプリズム部13、13、…と、該プリズム部13、13、…の間に配置される光吸収部14、14、…とを備えている。図2に、図1に示した光学シート10のうち、光学機能シート層12の1つの光吸収部14とこれに隣接するプリズム部13、13を拡大して示した。図1、図2及び適宜示す図を参照しつつ光学機能シート層12についてさらに説明する。
【0028】
プリズム部13、13、…は、光透過部として機能する部位で、略台形断面における短い上底及び長い下底が光学シート10のシート面に沿う方向に配置されている。そして、略台形断面における長い下底が基材層11側に面する向きである。また、プリズム部13、13、…は、屈折率Npを有する光透過性樹脂で構成されている。当該樹脂として例えば、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有する例えばウレタンアクリレートを挙げることができる。
【0029】
光吸収部14、14、…は、プリズム部13、13、…の間に配置され、図1、図2に表れる断面において略三角形断面を有する要素である。当該三角形断面の底辺に相当する面がプリズム部13、13、…の上底間に並列されている。従って光吸収部14、14、…の底辺、及びプリズム部13、13、…の上底により光学シート10の一方の面が形成されている。ここで、光吸収部14、14、…の三角形断面における斜辺は、光学シート10のシート面の法線方向に対して0度より大きく、10度以下の角度をなしていることが好ましい。
【0030】
また、光吸収部14、14、…の上記斜辺の傾きは必ずしも一定である必要はなく折れ線状であってもよいし、曲線状であってもよい。図3に光学機能シート層の変形例である光学機能シート層12a、12bのうち、光吸収部14a、14bの断面を示した。図3では、図3(a)は斜辺が折れ線状とされた例、及び図3(b)は斜辺が曲線状とされた例である。
【0031】
図3(a)に示した場合には、光吸収部14aの斜辺(プリズム部13a、13aの斜辺)は、1つの辺からではなく、2つの辺から構成されている。すなわち断面において折れ線状の斜辺を有している。詳しくは、底辺側の斜辺は光学シート10のシート出光面の法線に対して角度θ1をなしている。一方、頂点側(第一基材層11側に配置される斜辺は光学シート10のシート出光面の法線に対して角度θ2をなしている。この角度は、θ1>θ2の関係であるとともに、いずれも0度より大きく10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。また、当該2つの斜辺は、図3(a)に示したように、光学機能シート層12aの厚さ方向(紙面左右方向)には、それぞれT1とT2の大きさを有している。T1とT2とは同じ大きさであることが好ましい。
また、図3(a)の例は2つの斜辺により構成されている例であるが、さらに多くの辺で折れ線状が構成されてもよい。
【0032】
図3(b)に示した場合には、光吸収部14bの斜面(プリズム部13b、13b、…の斜辺)は曲線状で構成されている。このように光吸収部における断面形状略三角形である斜辺が曲線状であってよい。この場合でも、当該曲線と光学シートのシート出光面の法線とのなす角は、光吸収部の底辺側より第一基材層11側の方が小さいことが好ましい。さらにその角度もいずれの部分でも0度より大きく10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。ここで、曲線のある部分がシート出光面の法線との成す角は、曲線を10等分し、各端部同士を結ぶ線と、シート出光面の法線との成す角により定義される。
【0033】
その他、光吸収部の形状は本実施形態のものに限定されるものではなく、外光を適切に吸収することが可能であれば適宜変更することが可能である。これには、例えば断面形状が矩形である場合等を挙げることができる。
【0034】
また、光吸収部14、14、…は、プリズム部13、13、…の屈折率Npと同じ、又は小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このようにプリズム部13、13…の屈折率Npと光吸収部14、14、…の屈折率NbとをNp≧Nbとすることにより、所定の条件でプリズム部13、13、…に入射した光源からの映像光を光吸収部14、14、…とプリズム部13、13、…との界面で適切に反射させ、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0以上0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp≧Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、プリズム部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さく形成することも可能である。
【0035】
加えて、本実施形態における光吸収部14、14、…は、光吸収粒子16、16、…を含有したバインダが当該光吸収部14、14、…に充填されることにより構成されている。すなわち、当該バインダが充填されてなるバインダ部15の中に光吸収粒子16、16、…が分散されている。これにより、光吸収部14、14、…において、プリズム部13、13、…と、光吸収部14、14、…との界面で反射せずに光吸収部14、14、…の内側に入射した映像光を光吸収粒子16、16、…で吸収することができる。さらには所定の角度で入射した観察者側からの外光を適切に吸収することができ、コントラストを向上させることも可能となる。
このときバインダ部15のバインダ剤が上記の屈折率Nbである材料により構成される。バインダ剤として用いられるものは特に限定されないが、これには例えば、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有するエポキシアクリレート等を挙げることができる。また、光吸収粒子16、16、…は、平均粒径が1μm以上であることが好ましい。当該粒子は光吸収性を有していれば特に限定されるものではないが、黒色であることが好ましく、これには市販の粒子を用いることもできる。
【0036】
光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。他には例えば、顔料や染料により光吸収部全体を着色することを挙げることができる。
【0037】
図1に戻って、粘着剤層17は、第1基材層11の光学機能シート層12が形成されていない面側に備えられる層である。粘着剤層17は、光透過性、粘着性、耐候性を有する。また、粘着剤層17は、ガラス板と貼合した後24時間以上経過後の粘着力が1N/25mm以上10N/25mm以下となる粘着剤で構成されていることが好ましい。粘着剤層17のガラス板と貼合した後、常温常湿で24時間以上経過後の粘着力の上限は、好ましくは7N/25mm以下であり、より好ましくは5N/25mm以下である。このように粘着剤層17の粘着力を適当に調整することにより、道具を使わなくても光学シート10を剥がすことができるようになる。そのため、粘着剤層17を備えた光学シート10を被着体に貼った後に異物混入等不良に気付いた場合、光学シート10を該被着体から容易に剥がすことができ、該被着体を無駄にしなくて済む。なお、粘着力の下限を1N/25mmとしたのは、粘着力が弱すぎると自然に剥離する虞があるからである。
【0038】
また、粘着剤層17は、ガラス板に貼合して気温60℃かつ相対湿度90%の雰囲気または気温80℃かつ常湿の雰囲気で、1000時間加熱した後の1N/25mm以上20N/25mm以下となる材料で構成されていることが好ましい。当該条件での粘着剤層17の粘着力の上限は、好ましくは7N/25mm以下であり、より好ましくは5N/25mm以下である。本発明の光学シートを備えた製品を海外輸送する場合には、赤道直下等を長期間に亘って航行する船で輸送することが想定される。上記のような厳しい条件でも適当な粘着力を維持できるようにすることによって、海外輸送後でも光学シート10を剥がすことができるようになる。
【0039】
さらに、粘着剤層17の粘着力は、光学シート10を構成する複数の層に含まれる他のいずれの層同士の粘着力よりも弱いことが好ましい。かかる形態とすることによって、光学シート10を構成する層を分離させることなく、光学シート10を被着体から剥がすことが容易になる。
【0040】
光学シート10は、第1基材層11の光学機能シート層12が形成されていない面側に粘着剤層17が備えられる。この場合の光学シート10の製造方法としては、まず、粘着剤層17を構成する粘着剤を第1基材層11に直接塗工し、該粘着剤にセパレーター(剥離フィルム)をラミネートしてエージングし、粘着剤層17を形成する。または、粘着剤層17を構成する粘着剤をセパレーターに直接塗工し、該粘着剤に第1基材層11をラミネートしてエージングし、粘着剤層17を形成する。その後、第1基材層11の粘着剤層17とは反対側の面に光学機能シート層12を形成する。かかる方法によって光学シート10を製造することによって、第1基材層11と粘着剤層17との間の密着力が強固になり、粘着剤層17をガラス板等に貼合した場合に、粘着剤が該ガラス板に残らないように、該ガラス板と粘着剤層17との間で光学シート10を剥がすことが容易になる。
【0041】
また、上記のようにして粘着剤層17を形成することによって、粘着剤層17を単独で作製する場合に比べて製造工程が簡略化されるため好ましい。すなわち、粘着剤層17を単独で作製する場合は、粘着剤層17の両面にセパレーターをラミネートし、一方のセパレーターを剥がして第1基材層11に粘着剤層17を貼合する等して光学シート10を作製した後、他方のセパレーターを剥がして光学シート10をガラス板等に貼合しなければならないが、上記のようにして粘着剤層17を形成することによって、セパレーターをラミネートする工程を1回減らすことができる。また、粘着剤層17の両面にラミネートするセパレーターの剥離差をつける必要がなくなる。
【0042】
光学シート10は、図1に示すように、第2基材層22上に形成された、電磁波を遮断する機能を有する電磁波シールド層20、及び、所定の波長の光をフィルタリングする機能を有する波長フィルタ層(不図示)も備えている。粘着剤層17、第1基材層11、光学機能シート層12、第2基材層22及び電磁波シールド層20は列記した順でPDP2に積層され(図4参照)、光学機能シート層12に接しない層が波長フィルタ層を兼ねる、又は光学機能シート層12に接しない位置に別に波長フィルタ層を備えている。かかる形態とすることによって、光学機能シート層12に含まれる重合開始剤から発生するラジカルが波長フィルタ層に含有される近赤外線やネオン線を吸収するための色素を劣化させることを、防止できる。すなわち、粘着剤層17が波長フィルタ層を兼ねる場合は、光学機能層12に含まれる重合開始剤が波長フィルタ層へ移行することを、第1基材層11が防止する。また、第2基材層22より観察者側に波長フィルタ層が備えられる場合は、光学機能層12に含まれる重合開始剤が波長フィルタ層へ移行することを、第2基材層22が防止する。
【0043】
電磁波シールド層20は、その名称が示す通り、電磁波を遮断する機能を有する層である。当該機能を有する層であれば、電磁波を遮断する手段は特に限定されるものではない。これには、例えば銅メッシュを挙げることができる。当該銅メッシュを得る方法としてはエッチング、蒸着等により微細な銅のメッシュパターンを形成することが有効である。銅メッシュのピッチ等は遮断すべき電磁波により適宜設計されるが、例えばピッチ約300μm、線幅12μmであるものを挙げることができる。なお、第2基材層22は、第1基材層と同様のものとすることができるため、説明を省略する。
【0044】
波長フィルタ層は、所定の波長の光をフィルタリングする機能を有する層である。フィルタリングされるべき波長は必要に応じて適宜選択することができるが、PDPから出射されるネオン線をカットしたり、赤外線、近赤外線や紫外線をカットしたりする層を挙げることができる。
【0045】
光学シート10は、図1に示すように、防眩層21も備えていることが好ましい。防眩層21は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。このような防眩層としては市販のものを用いることができる。
【0046】
光学シート10をこのような積層シートとすることによって、光学シート10の厚みが増してコシができるため、光学シート10をガラス板等に貼合した後に180°剥離がしやすくなる。ただし、剥がそうとしなければ剥がせず、自然に剥がれ易くなるわけではないので、剥がし易く、かつ信頼性が高い光学シート10とすることができる。
【0047】
本発明の光学シートは、少なくともPDPと第1基材層との間に介在する粘着剤層、第1基材層、光学機能シート層、第2基材層、電磁波シールド層、及び波長フィルタ層を有しており、防眩層を備えていることが好ましく、用途に応じてその他の様々な機能を有する層が備えられる。
【0048】
本発明の光学シートに備えられ得るその他の層としては、従来の光学シートに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。具体的には、反射防止層、PDPと第1基材層との間の粘着剤層以外の粘着剤層、ハードコート層等を挙げることができる。これらの層の積層順、及び積層数は、光学シートの用途に応じて適宜決定される。以下、これらの層の機能などについて説明する。
【0049】
反射防止層は最も観察者側に配置されて外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学シートの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、いわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。このような反射防止層は、市販の反射防止フィルムを用いる等して構成することが可能である。
【0050】
PDPと第1基材層との間の粘着剤層以外の粘着剤層は、粘着剤が配置される層である。該粘着剤としてPSA(感圧接着剤、pressure sensitive adhesive)を挙げることができる。ただし、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができれば粘着剤はこれに限定されるものではない。また、層構成によっては、色素の劣化を防止するために、紫外線を吸収する効果のあるUV吸収剤(ベンゾトリアゾールなど)を粘着剤に含めることが望ましい。
【0051】
ハードコート層は、HC層とも呼ばれることもある。これは、画像表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
【0052】
次に、光学シート10が表示装置の一例であるプラズマテレビ1に取り付けられた時の構成について説明する。図4は光学シート10がPDP2の映像光出射側に配置され、該PDP2及び光学シート10がプラズマテレビ1に備えられた場面において、該PDP2及び光学シート10の配置を説明する模式図である。図4では紙面右が観察者側である。なお、図4では、光学シート10を構成する層として、粘着剤層17、第1基材層11上に形成された光学機能シート層12、第2基材層22上に形成された電磁波シールド層20、及び防眩層21のみ示しているが、通常、光学シートには上記したその他の層も適宜備えられている。
【0053】
図4に示したように、光学シート10は、映像光源であるPDP2の観察者側面に粘着剤層17を貼付している。従って、PDP2から光学シート10を剥がすことが容易であり、光学シート10の貼り直し(剥がした光学シート10は破棄し、同一のPDP2に新たな光学シート10を貼る。)が容易である。
【実施例】
【0054】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
【0055】
実施例1、2及び比較例1、2にかかる光学シートの層構成は以下の通りにした。
実施例1:
PDP/粘着剤層/光学機能シート層(基材層含む)/粘着剤層/電磁波シールド層(基材層含む)/粘着剤層兼波長フィルタ層/基材層/反射防止層
実施例2:
PDP/粘着剤層/光学機能シート層(基材層含む)/粘着剤層/電磁波シールド層(基材層含む)/粘着剤層/波長フィルタ層(基材層含む)/反射防止層
比較例1:
PDP/粘着剤層/電磁波シールド層(基材層含む)/粘着剤層/光学機能シート層(基材層含む)/粘着剤層兼波長フィルタ層/基材層/反射防止層
比較例2:
PDP/粘着剤層/電磁波シールド層(基材層含む)/粘着剤層/光学機能シート層(基材層含む)/粘着剤層/波長フィルタ層(基材層含む)/反射防止層
【0056】
実施例1、2及び比較例1、2に用いた各層(フィルム)は、以下の通りである。
【0057】
(1)反射防止層
東レフィルム加工株式会社製のルミクリア SF‐V/3000シリーズを使用した。
【0058】
(2)基材層
東洋紡株式会社製のPETフィルム(厚さ100μm、商品名「A4300」)を使用した。
【0059】
(3)波長フィルタ層(基材層含む)
近赤外線吸収剤として、ジイモニウム系色素、及びフタロシアニン系色素を、ネオン光吸収剤としてシアニン系色素を、また、調色のために色素を、さらに、バインダ樹脂としてアクリル樹脂系バインダを混合して塗工液を得た。該塗工液を、グラビアロールで基材層(東洋紡株式会社製のPETフィルム、厚さ100μm、商品名「A4300。)上に塗工し、該基材層上に厚さ5μmの近赤外線吸収兼ネオン光吸収兼調色層を形成した。当該基材層及び近赤外線吸収兼ネオン光吸収兼調色層を、波長フィルタ層(基材層含む)とした。
【0060】
(4)粘着剤層兼波長フィルタ層
上記近赤外線吸収剤、及び、バインダ樹脂としてアクリル樹脂系バインダを混合して得た塗工液を、グラビアロールで塗工し、厚さ5μmの近赤外線吸収層を形成した。その後、ネオン光吸収剤、調色のための色素、及び、粘着性を付与するためのアクリル樹脂系の粘着剤を混合して得た塗工液を、グラビアロールで近赤外線吸収層上に塗工し、厚さ25μmのネオン光吸収兼調色粘着層を形成した。当該近赤外線吸収層、及びネオン光吸収兼調色粘着層を、粘着剤層兼波長フィルタ層とした。
【0061】
(5)電磁波シールド層
基材層として厚さ100μmで片面にポリエステル樹脂系プライマー層を形成した、連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。この基材層のプライマー層上に、スパッタ法で、順次、厚さが0.1μmのニッケル−クロム合金層及び厚さが0.2μmの銅層(導電体層の一部)を導電処理層とした。該導電処理層上に、硫酸銅浴を用いた電解メッキ法で厚さが2.0μmの銅の金属メッキ層を設けた。次いで、該金属メッキ層上に黒化層を形成した。黒化層の形成方法は以下の通りである。まず、硫酸ニッケルアンモニウム水溶液と硫酸亜鉛水溶液とチオシアン酸ナトリウム水溶液との混合水溶液からなる黒化処理メッキ浴を用意した。該黒化処理メッキ浴に、アノードとしてニッケル板を浸漬し、カソードとして上記導電処理層及び金属メッキ層が基材層上に形成されたシートを浸漬して、電解メッキを行って黒化処理し、ニッケル−亜鉛合金からなる黒化層を、露出している金属メッキ層全面に被覆形成して、導電体層(導電処理層、金属メッキ層、及び黒化層)が積層された積層シートを得た。次いで、上記積層シートに対して、フォトリソグラフィー法を利用したエッチングにより、基材層上に導電体層がない開口部、及び基材層上に導電体層が形成されているライン部とから成るメッシュ状領域、及びメッシュ状領域の周囲を囲繞する外縁部に額縁状に導電体層を残した接地用領域を形成した。
【0062】
エッチングは、連続帯状の上記積層シートに対してマスキングからエッチングまでを一貫して行った。すなわち、上記積層シートの導電体層面全面に感光性のエッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンのネガパターンを有するマスクを用いて密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキングして、メッシュ状領域のライン部に相当する領域上にはレジスト層が残留し、開口部に相当する領域上にはレジスト層が無い様なパターンにレジスト層を加工した後、塩化第二鉄水溶液で、導電体層を、エッチング除去してメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
【0063】
メッシュ状領域のメッシュの形状は、開口部が正方形であり、ライン部の幅は10μm、ライン部の間隔(ピッチ)は300μm、ライン部の高さは2.3μm、電磁波シールド層を長方形の枚葉シートに切断した場合に、該長方形の長辺とライン部の長手方向とがなす角のうち劣角の方が49度となるようにした。また、メッシュ状領域は、光学シートをPDPの前面に貼り合わせた際に、該PDPの画像表示領域に対峙する部分が存在する。さらに、該メッシュ状領域の周縁部には、光学シートを四角形の枚葉シートに切断した時に、その四辺外周に接地用領域として幅15mmの導電体層を残す様なパターンに設計した。このようにして、電磁波シールド層を得た。なお、光学シートをPDPに貼合する際に、基材層が備えられた側の面がPDP側となるように、光学シートに電磁波シールド層を備えさせた。
【0064】
(6)光学機能シート層
東洋紡株式会社製のPETフィルム(厚さ100μm、商品名「A4300」)上に、液状のウレタンアクリレート系のプレポリマー及びアクリレート系単量体とから成る紫外線硬化樹脂、及びベンゾフェノン系光開始剤の混合液を塗布した。次に、反転形状を形成されたロール金型とPETフィルムとの間に、塗布した紫外線硬化樹脂を挟んだ状態で紫外線を照射することにより、該紫外線硬化樹脂を硬化させてプリズム部を形成した。上述の工程により形成されたプリズム部の間に、バインダ(透明樹脂)中に黒色の光吸収粒子が分散された材料をスキージし、紫外線を照射することにより、該バインダを硬化させる等して光吸収部を形成し、光学機能シート層を得た。
【0065】
ここで、実施例及び比較例における光学機能シート層の仕様を以下に示す。なお、開口率とは、光学機能シート層をPDP側から観察したときに、全面積に対して光吸収部を除いた光が透過する面積の比率を示し、台形テーパー角度とは、断面形状の台形の斜面部分が光学機能シート層とPETフィルム100との境界面(出光面)の法線となす角度である。
開口率:80%
ピッチ:51μm
光吸収部の屈折率:1.547
プリズム部の屈折率:1.55
光吸収部の上底面幅:4μm
台形テーパー角度:3°
光吸収粒子の平均粒径:4μm
光吸収部の透過率:63% 6μm厚みのとき
なお、光学シートをPDPに貼合する際に、基材層が備えられた側の面がPDP側となるように、光学シートに光学機能シート層を備えさせた。
【0066】
(7)粘着剤層
PDPに接する粘着剤層には、綜研化学株式会社製のSKダイン1442(厚さ25μm)を使用した。光学シートを構成する層間の粘着剤層には、綜研化学株式会社製のSKダイン2094(厚さ25μm)を使用した。
【0067】
以上の部材を実施例1、2及び比較例1、2の層構成に積層することによって、光学シートを作製した。
【0068】
上記実施例1、2及び比較例1、2の光学シートについて、耐光試験を行った。耐光試験は、光源にキセノンアーク灯光(550W/m)を用いて、63℃の環境で24時間行った。その結果を表1に示す。表1において、「Δx」、「Δy」は耐光試験前後での色度変化量を意味しており、「評価結果」は耐光試験前後での色度変化量の大きさの程度を示している。「評価結果」は、色度変化量が無視できるほど小さいものを「○」、やや大きいものを「△」、大きいものを「×」とした。
【0069】
【表1】

【0070】
表1に示したように、実施例1及び2の光学シートでは、波長フィルタ層に含まれる色素の劣化がほとんど見られなかった。一方、比較例1及び2の光学シートでは、波長フィルタ層に含まれる色素が劣化していた。
【0071】
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学シート、光学シートの製造方法及び映像表示装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【符号の説明】
【0072】
1 プラズマテレビ(表示装置)
2 プラズマディスプレイパネル(PDP)
10 光学シート
11 第1基材層
12 光学機能シート層
13 プリズム部
14 光吸収部
15 バインダ部
16 光吸収粒子
17 粘着剤層
20 電磁波シールド層
21 防眩層
22 第2基材層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマディスプレイパネルから出射された光を制御して観察者側に出射する、複数の層を有する光学シートであって、
第1基材層上に形成された、光を透過可能にシート面に沿って並列されて形成されるプリズム部と、前記プリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部と、を有する光学機能シート層、
第2基材層上に形成された、電磁波を遮断する機能を有する電磁波シールド層、及び、
所定の波長の光をフィルタリングする機能を有する波長フィルタ層、を少なくとも備えており、
粘着剤層、前記第1基材層、前記光学機能シート層、前記第2基材層及び前記電磁波シールド層が列記した順で前記プラズマディスプレイパネルに積層され、
前記光学機能シート層に接しない層が前記波長フィルタ層を兼ねる、又は前記光学機能シート層に接しない位置に別に前記波長フィルタ層を備えている、光学シート。
【請求項2】
前記粘着剤層と前記第1基材層との間の粘着力が、前記粘着剤層と前記プラズマディスプレイパネルとの間の粘着力より強い、請求項1に記載の光学シート。
【請求項3】
前記粘着剤層の粘着力が、前記複数の層に含まれる他のいずれの層同士の粘着力よりも弱い、請求項1または2に記載の光学シート。
【請求項4】
前記粘着剤層が、ガラス板に貼合した後、常温常湿で24時間以上経過後の粘着力が1N/25mm以上10N/25mm以下となる粘着剤で構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の光学シート。
【請求項5】
前記粘着剤層が、ガラス板に貼合して気温60℃かつ相対湿度90%の雰囲気または気温80℃かつ常湿の雰囲気で、1000時間加熱した後の粘着力が1N/25mm以上20N/25mm以下となる粘着剤で構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の光学シート。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の光学シートと、前記粘着剤層に貼合されたプラズマディスプレイパネルとを備える映像表示装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の光学シートを製造する方法であって、
前記第1基材層の一方の面側に前記粘着剤層を形成した後、前記第1基材層の他方の面側に前記光学機能シート層を形成する工程を含む、光学シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−137978(P2011−137978A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297621(P2009−297621)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】