説明

光学シート及びこれを用いたバックライトユニット

【課題】平凸型フレネルレンズ状の各フレネルレンズ面1aを領域Rごとに傾斜させることにより、各フレネルレンズ面1aを通過した光を領域Rごとにある程度広がりのあるものとすることができる光学シート及びこれを用いたバックライトユニットを提供する。
【解決手段】平凸型リニアフレネルレンズ状の光学シート1において、平凸型リニアフレネルレンズ状に分割された各フレネルレンズ面1aが、隣接する複数のフレネルレンズ面1aごとに複数の領域Rに区分けされると共に、これらの領域Rの各フレネルレンズ面1aが、当該フレネルレンズ面1aにおける本来の凸型リニアフレネルレンズ状に対応する曲面又はこの曲面に近似させた平面を、領域Rが隣接する双方の端部側で逆向きに傾斜させ、かつ、それぞれの端部側ほど大きな角度で傾斜させた面によって形成された構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凸型フレネルレンズ状の光学シート、及び、この光学シートを用いた液晶ディスプレイ等のバックライトユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
テレビ受像機やパーソナルコンピュータ等に用いられる液晶ディスプレイのバックライトは、液晶パネルの背後に拡散シート等を介して複数本の線光源を配置した直下ライト方式と、液晶パネルの背後に拡散シート等を介して導光板を配置し、この導光板の側方の線光源からの光を液晶パネルの背面に導くエッジライト方式等がある。
【0003】
テレビ受像機に用いられる液晶ディスプレイにおける直下ライト方式の従来のバックライトユニットは、線光源である直管形のCCFL(冷陰極管)を複数本平行に並べた手前側に拡散シート(拡散板)や輝度向上シート等を配置したものであり、この拡散シート等の手前側に液晶パネルが配置される。また、拡散シート等に代えて、又は、これらに加えて、平凸型リニアフレネルレンズ状の光学シートを用いたバックライトユニットも従来からあった(例えば、特許文献1参照。)。平凸型リニアフレネルレンズ状の光学シートを用いると、平凸型シリンドリカルレンズを配置した場合と同様に、直管形のCCFLから放射状に出射される光を集光して平行光として液晶パネルに導くことができ、しかも、平凸型シリンドリカルレンズよりもレンズ厚を薄くできるので、バックライトユニットの大幅な軽量小型化とコストダウンを図ることができる。
【0004】
上記光学シートを用いた従来のバックライトユニットの構成例を図7に示す。このバックライトユニットは、光学シート1の下方(背後側)に、長手方向を前後方向に向けた直管型のCCFL2を複数本等間隔に左右方向に平行に並べて配置したものであり、これらのCCFL2の下方には、下向きに出射された光を有効利用するための反射板3を配置している。そして、液晶パネル4は、この光学シート1の上方(手前側)に配置される。また、この光学シート1の上方の液晶パネル4との間には、拡散シート等が配置される場合もある。光学シート1は、透明な樹脂シートを、直下の各CCFL2に対応させてそれぞれ平凸型リニアフレネルレンズ状に形成したものである。
【0005】
ここで、図8に示すように、平凸型リニアフレネルレンズ11は、平凸型シリンドリカルレンズ12の凸状の上曲面12aを、左右方向に直交する面Dで複数に分割して下方に押し下げることにより上下方向のレンズ厚を薄くしたレンズである。従って、この平凸型リニアフレネルレンズ11の上面には、本来の平凸型シリンドリカルレンズ12の凸状の上曲面12aを左右方向に分割したそれぞれの曲面形状を有する複数のフレネルレンズ面11aと、隣接する各フレネルレンズ面11aの端が段差状になった間を繋ぐ側平面であるフレネル分割面11bとが形成されることになる。
【0006】
なお、各フレネルレンズ面11aは、製造上の都合により、図8に示すように上端の高さが揃うように形成されることが多い。また、図8に示す平凸型リニアフレネルレンズ11は、図面を見やすくするために、フレネルレンズ面11aの分割数を8分割としているが、実際にはさらに多数に分割されるので、レンズ厚も十分に薄くなる(図9も同様)。
【0007】
上記平凸型リニアフレネルレンズ11は、平凸型シリンドリカルレンズ12と同様の集光作用を有するので、下方に配置したCCFL2から上方の左右方向に放射状に広がる光を集光して、上向きの平行光として出射する。従って、この平凸型リニアフレネルレンズ11のフレネルレンズ面11aやフレネル分割面11bと同様の形状を1組とし、この形状の組を各CCFL2に対応させて複数左右に並べて上面を形成した光学シート1をバックライトユニットに用いると、この光学シート1から出射して液晶パネル4を通過する光が、パネル面に垂直な上向き成分の多い光となるので、液晶ディスプレイの正面輝度を高めることができるようになる。
【0008】
ところで、上記平凸型リニアフレネルレンズ11では、フレネル分割面11bで多数に分割された各フレネルレンズ面11aが円筒面等の凸状の曲面となるが、実際には、図9に示すように、この凸状の曲面に近似させた平面によって各フレネルレンズ面13aを構成した平凸型リニアフレネルレンズ13を用いることが多い。この平凸型リニアフレネルレンズ13は、フレネル分割面13bによって分割された各フレネルレンズ面13aが、対応する曲面のフレネルレンズ面11aの平均的な傾斜角度、即ちこのフレネルレンズ面11aにおける左右方向の中央部付近の傾斜角度を備えた平面によって構成されたものである。
【0009】
上記平凸型リニアフレネルレンズ13は、各フレネルレンズ面13aの左右方向の中央部付近から出射する光については、対応する曲面のフレネルレンズ面11aから出射する光と同様に上方を向く垂直な光となるが、各フレネルレンズ面13aの左右方向の端部から出射する光は、曲面との傾斜角度の誤差によって、垂直よりも左右方向に僅かに傾いて広がった光となる。もっとも、フレネルレンズ面13aの分割数が十分に多ければ、各フレネルレンズ面13aの左右方向の幅が狭くなり、曲面との傾斜角度の誤差も無視できるようになるので、曲面のフレネルレンズ面11aを備えた平凸型リニアフレネルレンズ11と同等の機能を果たすことができる。
【0010】
ところが、従来の光学シート1を用いたバックライトユニットは、液晶パネル4のパネル面に垂直な上向き成分の多い光が特に多いので、液晶ディスプレイの正面輝度が高くなっても、この正面(真上)から僅かに左右方向に位置がずれただけで輝度が極端に低下するという問題があった。しかも、液晶パネル4が広視野角化を図ったものであったとしても、この広い視野角の周辺部分ではバックライトの輝度が低くなるために、広視野角化の性能を十分に発揮させることができないという問題もあった。
【0011】
また、光学シート1における各平凸型リニアフレネルレンズ状の部分の中心位置の直下に正確にCCFL2が配置されず、左右に位置ずれした場合には、液晶パネル4を通過する光がパネル面に垂直ではなく、少し傾斜した光となるので、最も輝度の高い位置が液晶ディスプレイの真正面から少しずれることになる。このため、液晶ディスプレイの真正面位置での輝度が低下するだけでなく、一部のCCFL2のみが位置ずれしていた場合には、液晶ディスプレイの画面上に輝度ムラが生じるという問題もあった。
【0012】
さらに、従来の光学シート1を用いたバックライトユニットを液晶ディスプレイ以外の他の用途の面光源として用いた場合にも、配光特性が上向き(正面)方向にほとんど限定されるために、用途によっては、高価な拡散シート等を追加して用いる必要が生じるという問題もあった。
【特許文献1】特開2005−338611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、凸型フレネルレンズ状の各フレネルレンズ面を領域ごとに傾斜させることにより、各フレネルレンズ面を通過した光を領域ごとにある程度広がりのあるものとすることができる光学シート及びこれを用いたバックライトユニットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の光学シートは、凸型フレネルレンズ状の光学シートにおいて、フレネルレンズ状に分割された各フレネルレンズ面が、隣接する複数のフレネルレンズ面ごとに複数の領域に区分けされると共に、これらの領域の各フレネルレンズ面が、当該フレネルレンズ面における本来の凸型フレネルレンズ状に対応する曲面又はこの曲面に近似させた平面を、領域が隣接する双方の端部側で逆向きに傾斜させ、かつ、それぞれの端部側ほど大きな角度で傾斜させた面によって形成されたことを特徴とする。
【0015】
請求項2の光学シートは、凸型リニアフレネルレンズ状の光学シートにおいて、リニアフレネルレンズ状に分割された各フレネルレンズ面が、隣接する複数のフレネルレンズ面ごとに複数の領域に区分けされると共に、これらの領域の各フレネルレンズ面が、当該フレネルレンズ面における本来の凸型リニアフレネルレンズ状に対応する曲面又はこの曲面に近似させた平面を、領域が隣接する双方の端部側で逆向きに傾斜させ、かつ、それぞれの端部側ほど大きな角度で傾斜させた面によって形成されたことを特徴とする。
【0016】
請求項3の光学シートは、前記光学シートが拡散剤を含有する透光性材料からなることを特徴とする。
【0017】
請求項4のバックライトユニットは、前記光学シートを1以上の光源の手前側に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、凸型フレネルレンズ状によって光学シート全体としては集光作用を有するが、複数に区分けされた各領域ごとに各フレネルレンズ面が端部側ほど傾斜しているので、これらの各領域ごとに光をある程度拡散させることができる。このため、光学シートの各フレネルレンズ面を通過した光は、それぞれ凸型フレネルレンズ状によって本来出射すべき方向よりも、各領域ごとに周囲にある程度広がって出射するようになる。従って、例えばこの光学シートを面照明装置等に用いた場合には、配光特性にある程度広がりを持たせることができるので、高価な拡散シート等を追加して用いる必要がなくなる。
【0019】
しかも、この発明は、拡散シート等を追加したり、光学シートに光拡散剤を含有させ、又は、シート面を粗面にすること等により光を無指向的に拡散させるのではなく、意図的に例えば−30°〜+30°等の特定の範囲に光を分散させることができるので、例えば液晶パネルの視野角等に合わせて配光特性の広がりを任意に調整するようなこともでき、光の利用効率を低下させることなく視認性を向上させたり輝度ムラをなくすことができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、凸型リニアフレネルレンズ状によって光学シート全体としては幅方向に集光作用を有するが、複数に区分けされた各領域ごとに各フレネルレンズ面が端部側ほど傾斜しているので、これらの各領域ごとに光を幅方向にある程度拡散させることができる。このため、光学シートの各フレネルレンズ面を通過した光は、それぞれ凸型リニアフレネルレンズ状によって本来出射すべき方向よりも、各領域ごとに周囲にある程度広がって出射するようになる。従って、例えばこの光学シートを面照明装置等に用いた場合には、幅方向の配光特性にある程度広がりを持たせることができるので、高価な拡散シート等を追加して用いる必要がなくなる。
【0021】
しかも、この発明は、拡散シート等を追加したり、光学シートに光拡散剤を含有させ、又は、シート面を粗面にすること等により光を無指向的に拡散させるのではなく、意図的に例えば−30°〜+30°等の特定の範囲に光を分散させることができるので、例えば液晶パネルの視野角等に合わせて配光特性の広がりを任意に調整するようなこともでき、光の利用効率を低下させることなく視認性を向上させたり輝度ムラをなくすことができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、光学シートが拡散剤を含有するので、このシート内で光を十分に拡散させることができ、高価な拡散シート等を追加して用いる必要がなくなる。
【0023】
請求項4の発明によれば、光学シートが全体として集光作用を有すると共に、各領域ごとに光を拡散させるので、正面輝度が周囲で急に低下するようなことがなくなり、バックライトユニットの光源の配置位置がずれた場合にも、正面位置での輝度の低下を緩和したり輝度ムラを抑制することができる。また、このバックライトユニットを液晶ディスプレイに用いた場合には、広視野角化を図った液晶パネルの性能を無駄なく発揮させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の最良の実施形態について図1〜図6を参照して説明する。なお、これらの図においても、図7〜図9に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0025】
本実施形態は、図7に示した従来例と同様に、液晶ディスプレイにおける直下ライト方式のバックライトユニットであって、平凸型リニアフレネルレンズ状の光学シート1を用いたものについて説明する。本実施形態のバックライトユニットは、光学シート1の構成を除けば、図7に示した従来例と同様であり、この光学シート1の下方に、長手方向を前後方向に向けた直管型のCCFL2を複数本等間隔に左右方向に平行に並べて配置している。また、これらのCCFL2の下方には反射板3を配置している。そして、液晶パネル4は、この光学シート1の上方(手前側)に配置される。
【0026】
本実施形態の光学シート1も、透明な樹脂シートを、直下の各CCFL2に対応させてそれぞれ平凸型リニアフレネルレンズ状に形成したものであるということは図7に示した従来例と同様である。従って、この光学シート1は、図1に示すように、平面状の下面を有すると共に、平凸型シリンドリカルレンズの凸状の上曲面を一定のピッチで左右方向に複数に分割した各曲面に対応する複数のフレネルレンズ面1aと、隣接する各フレネルレンズ面の端が段差状になった間を繋ぐ側平面であるフレネル分割面1bとからなる平凸型リニアフレネルレンズ状の上面を有する。なお、このフレネルレンズ面の分割ピッチは、微少すぎて製造が困難になったり、光学シート1が高価になりすぎるようなことがないように0.01mm以上であることが好ましく、光学シート1のシート厚を十分に薄くすることができるように、1.0mm以下であることが好ましい。
【0027】
上記光学シート1の平凸型リニアフレネルレンズ状の上面は、各CCFL2の上方の範囲ごとに、1つの凸状の上曲面を備えた平凸型シリンドリカルレンズに対応したフレネルレンズ面1aとフレネル分割面1bが形成されている。ただし、図1は、この光学シート1における1本のCCFL2に対応する平凸型リニアフレネルレンズ状の部分のさらに右端部付近を拡大して示している。
【0028】
従来例では、図8や図9に示すように、各フレネルレンズ面11a,13aが平凸型シリンドリカルレンズに対応した凸状の曲面、又は、この曲面に近似させた平面によって構成されている。しかしながら、本実施形態の光学シート1のフレネルレンズ面1aは、これらの凸状の曲面や平面を領域Rごとに傾斜させたことを特徴とする。なお、本実施形態では、図1〜図3に示すように、各フレネルレンズ面1aが平面によって構成される場合について説明する。
【0029】
上記光学シート1の領域Rは、図1に示すように、この光学シート1における各CCFL2の上方のそれぞれの範囲について、隣接する複数のフレネルレンズ面1aごとに左右方向に多数に区分けしたものである。なお、図1では、図面を分かりやすくするために、隣接する3箇所のフレネルレンズ面1aごとに各領域Rを区分けしているが、実際には、さらに多数のフレネルレンズ面1aごとに区分けすることが好ましい。
【0030】
それぞれの領域Rの各フレネルレンズ面1aは、当該フレネルレンズ面1aにおける本来の凸型フレネルレンズ状に対応する曲面に近似させた平面を、左右方向の双方の端部側で逆向きに傾斜させ、かつ、それぞれの端部側ほど大きな角度で傾斜させた面によって形成される。
【0031】
ここで、フレネルレンズ面1aにおける本来の凸型フレネルレンズ状に対応する曲面に近似させた平面が傾斜するレンズ角度θの求め方を図2に基づいて説明する。空気中の屈折率をN(≒1)、光学シート1の屈折率をNとし、CCFL2からの光が光学シート1の下面に入射する角度をθ、この光が光学シート1の下面から入射した角度をθとすると、これらの間には数1の関係があり、
【数1】

この数1から角度θは、数2により求めることができる。
【数2】

【0032】
また、光学シート1に入射した光がフレネルレンズ面1aから出射しようとする角度をθ、この光がフレネルレンズ面1aから出射した角度をθとすると、これらの間には数3の関係がある。
【数3】

さらに、ここでのフレネルレンズ面1aのレンズ角度θは、このフレネルレンズ面1aから出射した光が垂直となるようにすることが目的であるため、角度θと一致する。そして、角度θ=θ−θの関係にあるので、数3にこれらの関係を代入すると数4となる。
【数4】

【0033】
従って、この数4の角度θに数2を代入すれば、フレネルレンズ面1aのレンズ角度θは、CCFL2からの光が光学シート1の下面に入射する角度θによって定まることになる。そして、各フレネルレンズ面1aについて、左右方向の中央部付近から出射する光が光学シート1の下面に入射するときの角度θをそれぞれ調べれば、各フレネルレンズ面1aのレンズ角度θを求めることができる。
【0034】
本実施形態の光学シート1は、上記フレネルレンズ面1aのレンズ角度θを、領域Rの左右方向の双方の端部側で逆向きに傾斜させ、かつ、それぞれの端部側ほど大きな角度で傾斜させる。具体的には、領域Rの中央を中心に、右側のフレネルレンズ面1aのレンズ角度θは図示右回転方向に傾斜させ、左側のフレネルレンズ面1aのレンズ角度θは図示左回転方向に傾斜させるので、これら左右方向の双方の端部側のフレネルレンズ面1aのレンズ角度θは、領域Rの中央に向けて内向きに傾斜させることになる。また、このレンズ角度θを傾斜させる角度は、領域Rの中央ほど小さく、左右方向の端部側ほど大きくなるようにする。
【0035】
図3に、領域Rの中央より右側にあるフレネルレンズ面1aを傾斜させる場合を示す。この場合、フレネルレンズ面1aのレンズ角度θは、上記数4と数2で求めた本来の平面Pよりも内向き、即ち右回転方向に傾斜させる。従って、フレネルレンズ面1aから角度θで出射する光は、上向きの垂直ではなく、角度θだけ外側、即ち右側に傾き、上記数4は、次に示す数5のように書き換えられる。
【数5】

このため、角度θが与えられれば、この数5の角度θに上記数2を代入することにより、本実施形態のフレネルレンズ面1aのレンズ角度θを求めることができる。即ち、角度θをフレネルレンズ面1aごとに定数として定めれば、レンズ角度θは角度θの関数となる。
【0036】
各フレネルレンズ面1aから出射する光の傾きの角度θは、光学シート1の設計の際に適宜定めることができる。例えば、領域Rの中央では角度θを0とし(光は上方に垂直に出射)、左右方向の端部側ほどこの角度θの正負の値を均等に大きくして左右方向に広がって出射させるようにする場合には、数6と数7によって定めることができる。即ち、当該フレネルレンズ面1aが領域Rの中央からn個だけ右方向にずれた位置にある場合には数6で定め、
【数6】

このフレネルレンズ面1aが領域Rの中央からn個だけ左方向にずれた位置にある場合には数7で定める。
【数7】

ここで、θmaxは、フレネルレンズ面1aから出射する光の傾きの角度θの最大値として定めた角度であり、図4に示すように、領域Rにおける左右方向の両端のフレネルレンズ面1a(図4では各フレネルレンズ面1aは細かすぎるので符号を示していない)から出射する光の傾きの角度θに一致する。また、Lは領域Rの左右方向の幅(mm)、Lは各フレネルレンズ面1aの左右方向の幅(分割ピッチ:mm)であり、L/Lは、領域R内にあるフレネルレンズ面1aの数(総数)を示すことになる。
【0037】
この結果、図4に示すように、CCFL2からの光が光学シート1を通過すると、各領域Rの中央にあるフレネルレンズ面1aから出射する光は、従来例と同様に角度θが0となり垂直な上向きとなるが、各領域R内の右方向の端部側にあるフレネルレンズ面1aほど、角度θの正の値が大きくなり、右斜め上向きに傾いた光が出射し、各領域R内の左方向の端部側にあるフレネルレンズ面1aほど、角度θの負の値の絶対値が大きくなり、左斜め上向きに傾いた光が出射する。即ち、フレネルレンズ面1aの本来のレンズ角度θに対する本実施形態でのレンズ角度θの傾斜分だけを考えれば、これらの傾斜分は、領域Rごとに凹型リニアフレネルレンズ状の機能を有するからである。また、このため、1本のCCFL2に対応する平凸型リニアフレネルレンズ状の中心部付近の領域Rでは、本来のレンズ角度θがもともと極めて小さく水平面に近いので、これらの領域R内については、本来のレンズ角度θを傾斜させることにより、現実には平凹型リニアフレネルレンズ状のように見える場合もある。しかしながら、この場合であっても、1本のCCFL2に対応する範囲の全体としては平凸型リニアフレネルレンズ状である。
【0038】
上記構成により、本実施形態の光学シート1は、全体としては平凸型リニアフレネルレンズ状の左右方向の集光作用により、CCFL2から左右方向に放射状に広がる光を垂直な上向きの平行光に集光しようとするが、複数に区分けされた各領域ごとに各フレネルレンズ面1aが端部側ほど本来の角度よりも傾斜させているので、これらの各領域Rごとに光を左右方向に最大で角度θmaxまで拡散させて出射することになる。従って、この光学シート1の各フレネルレンズ面1aから出射した光は、平凸型リニアフレネルレンズ状によって本来出射する方向の周囲にある程度広がって出射するようになる。
【0039】
また、本実施形態のバックライトユニットは、光学シート1から出射する光が垂直な上向きよりも左右方向にある程度広がりを有するので、液晶パネル4の正面から左右に移動した場合に輝度が急に低下するというようなことがなくなり、この液晶パネル4が広視野角化を図った場合にも、この広視野角化の性能を無駄なく発揮させることができるようになる。また、CCFL2の配置が左右方向にずれた場合にも、液晶パネル4の正面位置での輝度の低下を緩和することができ、一部のCCFL2の配置のみがずれた場合にも、輝度ムラが発生するのを防止することができるようになる。
【0040】
しかも、この光学シート1から出射する光は、拡散シートや光拡散剤等による無指向的な拡散ではなく、垂直な上向きよりも左右方向に角度θmaxの範囲で意図的に拡散されるので、例えば広視野角化を図った液晶パネル4の広い視野角に合わせて配光特性の広がりを任意に調整することができ、光の利用効率を低下させることなく、視角度の変化に応じた視認性の低下を防止することができる。
【0041】
なお、各領域R内にあるフレネルレンズ面1aの数は、このフレネルレンズ面1aごとにレンズ角度θの傾斜が離散的になることによる光の拡散ムラを少なくするために、5箇所以上であることが好ましく、領域Rの左右方向の幅が広くなりすぎて光が左右方向に拡散する単位にムラが生じるのを防ぐために、100箇所以下であることが好ましい。また、光の拡散の単位にムラが生じるのを防ぐために、領域Rの左右方向の幅(L)も10mm以下とすることが望ましい。各領域R内にあるフレネルレンズ面1aの数を10箇所とすると、各フレネルレンズ面1aの分割ピッチ(L)を0.01mm以上、1.0mm以下にした場合に、領域Rの左右方向の幅は0.1mm以上、10mm以下となる。
【0042】
ここで、各領域Rごとに光を左右方向に拡散させる最大角度θmaxは、これが大きすぎるとレンズ角度θも大きくなるので、光学シート1と空気の屈折率の違いによる光の透過率(反射率)を考慮して定める必要がある。CCFL2からの光が光学シート1の下面から入射するときの透過率Tinは数8で示される。
【数8】

光の透過率Tは、反射率Rの反数であるため、T=1−Rの関係にある。また、このような光の透過率や反射率を求める場合、入射面に平行なp波成分と垂直なs波成分に分けて考える必要があるので、数8では、まずp波成分の反射率Rp−inとs波成分の反射率Rs−inを求めて、次にそれぞれの透過率の平均から透過率Tinを求める。
【0043】
そして、光学シート1内の光がフレネルレンズ面1aから出射するときの透過率Textは数9で示される。
【数9】

この場合も、まずp波成分の反射率Rp−extとs波成分の反射率Rs−extを求めて、次にそれぞれの透過率の平均から透過率Textを求める。
【0044】
光学シート1を通過した光の透過率は、これら数8による透過率Tinと数9による透過率Textとの積で示される。このため、各フレネルレンズ面1aごとの図3に示した角度θ〜θの相違によるこの透過率の差が明暗ムラとならない程度に、光学シート1の平凸型リニアフレネルレンズ状やバックライトユニットの設計を行う必要があり、その際に最大角度θmaxの大きさも制限される。
【0045】
また、この最大角度θmaxは、光学シート1内の光がフレネルレンズ面1aから出射するときに全反射が起こらないような角度にする必要もある。この全反射が起こる条件は数10で示される。
【数10】

従って、最大角度θmaxの大きさも、図3に示す角度θがこの数10を満たす値以下となるように制限される。
【0046】
これら透過率や全反射を考慮した結果、上記最大角度θmaxは、レンズ角度θが大きくなりすぎないようにするために、マージンも含めて数11に示す角度を上限とすることが好ましい。
【数11】

光学シート1にポリカーボネート(屈折率1.5886)を用いた場合のこの最大角度θmaxの上限は約40°(−40°〜+40°)となる。そして、本実施形態で示した液晶ディスプレイのバックライトユニットに用いる光学シート1の場合の最大角度θmaxは、30°(−30°〜+30°)程度あれば十分に拡散の効果を得ることができる。ただし、1本のCCFL2に対応する平凸型リニアフレネルレンズ状の端部では、本来のレンズ角度θが特に大きくなるので、この最大角度θmaxの制限が厳しくなりすぎる場合もある。そこで、平凸型リニアフレネルレンズ状の中心部と端部とでこの最大角度θmaxの上限を変更して、端部側の領域Rほど最大角度θmaxの上限を小さくするようにしてもよい。
【0047】
なお、上記実施形態の光学シート1では、各領域Rの中央のフレネルレンズ面1aでは、角度θを0°として、出射光が垂直な上向きの光となるようにしていたが、例えば領域R内にあるフレネルレンズ面1aの数が偶数である場合には、各領域Rの中央に最も近い左右方向に隣接する2箇所のフレネルレンズ面1aにおいても、角度θが0°とならず、正負に僅かに傾いた角度となるので、この角度θが0°となるフレネルレンズ面1aが必ず存在するとは限らない。
【0048】
また、上記実施形態の光学シート1では、領域Rの左右方向の端部側のフレネルレンズ面1aのレンズ角度θを、この領域Rの中央に向けて内向きに傾斜させる場合を示したが、これとは逆に、領域Rの左右方向の端部側のフレネルレンズ面1aのレンズ角度θを、この領域Rの中央とは反対側に外向きに傾斜させることもできる。この場合、レンズ角度θの外向きの傾斜分だけを考えれば、これらの傾斜分は、領域Rごとに凸型リニアフレネルレンズ状の機能を有するため、図5に示すように、各領域Rから出射した光は、本来垂直な平行光として出射されるものが光学シート1の直ぐ上方で一旦左右方向に集光されるが、さらにその上方では逆向きの左右方向に拡散するので、図4に示す光学シート1と同様の効果を得ることができる。
【0049】
また、上記実施形態の光学シート1では、垂直方向に対して角度θだけ傾いた光がフレネルレンズ面1aから出射されるように、本来のレンズ角度θを傾斜させる場合を示したが、垂直な平行光を出射する目的以外で光学シート1を用いる場合には、もともと傾いている本来の出射光の方向に対して角度θだけさらに傾いた光がフレネルレンズ面1aから出射されるように、本来のレンズ角度θを傾斜させればよい。
【0050】
また、上記実施形態の光学シート1では、各フレネルレンズ面1aが平面で構成される場合を示したが、このような平面に近似する前の円柱面等の曲面で構成されていてもよい。この場合、各フレネルレンズ面1aの曲面全体を、出射光が角度θだけ傾くように傾斜させればよい。
【0051】
また、上記実施形態の光学シート1では、フレネル分割面1bが左右方向に直交する垂直な平面である場合を示したが、これらのフレネル分割面1bは、必ずしも垂直な平面である必要はなく、左右方向に傾斜した平面や、このような平面に近い湾曲面であってもよく、さらに、前後方向にも真っ直ぐである必要はなく、途中で折れ曲がったり湾曲していてもよい。例えば、1本のCCFL2に対応する平凸型リニアフレネルレンズ状の各フレネル分割面1bが左右方向の両端部ほど左右方向の外側に広がるように傾斜した平面となるようにすれば、CCFL2から左右方向に放射状に広がって出射される光が各フレネル分割面1bに遮られて光の利用効率が低下するのを防止することができる。
【0052】
また、上記実施形態の光学シート1では、この光学シート1が透明な樹脂シートからなる場合を示したが、光を透過する透光性を有するものであればよいので、必ずしも透明である必要はない。このような光学シート1の樹脂シートとしては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合体(例えばポリ−4−メチルペンテン−1等)、ポリ塩化ビニル、環状ポリオレフィン(例えばノルボルネン構造等)、アクリル樹脂、ポリスチレン、アイオノマー、スチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂(MS樹脂)等の透光性の熱可塑性樹脂からなるものが使用できる。光学シート1の厚さは特に限定されるものではなく、原シートのヘーズが67%以上、93%未満程度のものであればよく、一般的には厚さ0.3〜5mm程度のものが好適に使用される。
【0053】
特に、上記の熱可塑性樹脂からなる樹脂シートの中でも、ポリカーボネート、ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート)、環状ポリオレフィンからなるものは、耐熱性が良好であり、バックライトユニットに用いられた際にCCFL2からの放熱によって変形や皺等を生じ難いので好ましく使用される。特に、ポリカーボネートからなる樹脂シートは、ポリカーボネート自体が透明性の良好な樹脂であり、吸湿性が少なく、高輝度で、反りが少ないため、極めて好ましく使用される。
【0054】
また、上記実施形態の光学シート1は、例えば両面がフラットな樹脂シートを型で押さえ付けて成形するプレス製法を用いて作製することができるが、他のプレス製法や、型ロールを通すことによる成形方法、押し出し成形による成形方法等、任意の製法で作製してもよい。
【0055】
また、上記実施形態の光学シート1の樹脂シートは、成形に必要な安定剤、滑剤、耐衝撃改良剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤、蛍光増白剤等が適宜含有されていてもよい。さらに、多層構成をもつ光拡散シートにおいては、これらの添加剤は基材層と表面層の間で、添加剤の種類や配合比率を適宜変更してもよい。
【0056】
また、上記実施形態の光学シート1の樹脂シートは、光拡散剤が含有されていてもよい。この光拡散剤としては、樹脂シートの樹脂材料との光屈折率が異なる無機質粒子、金属酸化物粒子、有機ポリマー粒子等が単独で又は適宜組合わせて使用される。無機質粒子としては、ガラス[Aガラス(ソーダ石灰ガラス)、Cガラス(硼珪酸ガラス)、Eガラス(低アルカリガラス)]、シリカ、マイカ、合成マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、モンモリロナイト、カオリンクレー、ベントナイト、ヘクトライト、シリコーン等の粒子が使用される。そして、金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等の粒子が使用され、また、有機ポリマー粒子としては、アクリルビーズ、スチレンビーズ、ベンゾグアナミン等の粒子が使用される。このような光拡散剤を含有していれば、光学シート1内で光を十分に拡散させることができるので、バックライトユニットに高価な拡散シート等を追加して用いる必要がなくなる。
【0057】
上記光拡散剤は、その平均粒径が0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜30μmであるものが使用される。粒径が0.1μmより小さい光拡散剤は、凝集しやすいため分散性が悪く、均一に分散できたとしても光の波長の方が大きいので光散乱効率が悪くなる。それゆえ、0.5μm以上の、更には1μm以上の大きさの粒子が好ましいのである。一方、粒径が100μmより大きい光拡散剤は、光散乱が不均一になったり、光線透過率が低下したり、粒子が肉眼で見えたりするようになる。このため、50μm以下の粒子、特に30μm以下の粒子が好ましい。
【0058】
また、上記実施形態の光学シート1では、この光学シート1が樹脂シートである場合を示したが、透光性材料からなるシート状(薄板状も含む)のものであればよいので、薄板状のガラス等であってもよい。
【0059】
また、上記実施形態の光学シート1では、この光学シート1が平凸型リニアフレネルレンズ状である場合を示したが、両面が凸型のリニアフレネルレンズ状や、裏面が凹型であり全体として凸レンズを構成するリニアフレネルレンズ状でもよく、これらの凸型リニアフレネルレンズ状一般に実施可能である。
【0060】
また、上記実施形態の光学シート1では、この光学シート1が左右方向にのみ集光作用を有する凸型リニアフレネルレンズ状である場合を示したが、前後左右方向に均等に集光作用を有する通常の球面や非球面の凸レンズに対応する凸型フレネルレンズ状の光学シートや、その他の集光作用を有する凸型フレネルレンズ状の光学シートにも同様に実施可能である。さらに、光学シートの形状も方形や円形状に限らず、多角形や楕円等、任意の形状とすることができる。
【0061】
また、上記実施形態のバックライトユニットでは、光源として直管型のCCFL2を用いる場合を示したが、必ずしも直管型である必要はなく、例えばU字管等を用いることもできる。さらに、必ずしもCCFL2である必要はなく、一般照明用の蛍光管と同様の熱陰極管等を用いたり、LED(発光ダイオード)を並べて用いることもでき、光源の種類は限定されない。しかも、光源は、線光源である必要もなく、例えば通常の円形の凸レンズに対応する光学シート等の場合には、点光源を用いることが多い。さらに、反射板3も必須ではなく、例えば上記実施形態のCCFL2の下方に別の光学シート1を配置して、上下双方に光を供給することも可能である。
【0062】
また、上記実施形態のバックライトユニットは、光学シート1の上方に直接液晶パネル4を配置する場合を示したが、この光学シート1の上方及び/又は下方には、拡散シート等を配置することもできる。さらに、上記実施形態のバックライトユニットは、液晶パネル4以外のバックライトとして用いることもできる。
【実施例】
【0063】
上記実施形態で示した光学シート1の実施例と、従来例で示した光学シート1の比較例を作製した。そして、これらの光学シート1を用いたバックライトユニットにおいて、視野角を正面位置から左右方向に変化させたときの輝度の変化を測定した結果を表1に示すと共に、この測定結果をグラフにしたものを図6に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
ここで、光学シート1は、屈折率が1.5886のポリカーボネートを用いた。また、この光学シート1は、各フレネルレンズ面1aの分割ピッチ(L)を0.5mmとし、レンズ厚を1.50mmとした。さらに、実施例の光学シート1は、領域Rごとのフレネルレンズ面1aの傾斜による最大の拡散角度θmaxを30°とした。なお、比較例の光学シート1の各フレネルレンズ面1aは、本来のレンズ角度θのままである。バックライトユニットは、光学シート1とCCFL2との上下方向の距離を20mmとし、各CCFL2間の距離を30mmとした。そして、このバックライトユニットの正面位置(真上)を視野角0°とし、左方向と右方向を負方向と正方向として、それぞれ10°間隔で±50°までの間の輝度を測定した。測定結果は、実施例と比較例の最大輝度(正面輝度)をそれぞれ1として正規化して示している。
【0066】
この表1と図6から明らかなように、比較例では、視野角が正面位置から左右方向に±10°ずれただけでも輝度が最大値の5%まで大幅に低下しているのに対して、実施例では、左右方向へのずれに伴う輝度の低下が緩やかであり、±20°ずれた場合でも最大輝度の80%を維持していることが分かった。
【0067】
また、上記実施例の正面輝度は8260nitであったの対して、拡散シートを用いた別の比較例の正面輝度は2400nitであり、拡散シートによって大幅に輝度が低下していることも分かった。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、バックライトユニットに用いられる光学シートの部分拡大縦断面正面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、図1に示す光学シートにおいて、各フレネルレンズ面の元の平面のレンズ角度の算出方法を示す部分拡大縦断面正面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、図1に示す光学シートにおいて、各フレネルレンズ面を傾斜させたときのレンズ角度の算出方法を示す部分拡大縦断面正面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示すものであって、光学シートによる各領域ごとの出射光の拡散作用を示す部分拡大正面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示すものであって、光学シートによる各領域ごとの出射光を一旦集光させた後の拡散作用を示す部分拡大正面図である。
【図6】本発明の実施例を示すものであって、実施例と比較例の光学シートにおける視野各に対する輝度の変化を示すグラフである。
【図7】光学シートを用いたバックライトユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図8】従来例を示すものであって、平凸型リニアフレネルレンズを、対応する平凸型シリンドリカルレンズと共に示す縦断面正面図である。
【図9】従来例を示すものであって、図8に示す平凸型リニアフレネルレンズにおいて、各フレネルレンズ面が平面で構成された場合を示す縦断面正面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 光学シート
1a フレネルレンズ面
1b フレネル分割面
2 CCFL
3 反射板
4 液晶パネル
11 平凸型リニアフレネルレンズ
11a フレネルレンズ面
11b フレネル分割面
12 平凸型シリンドリカルレンズ
12a 上曲面
13 平凸型リニアフレネルレンズ
13a フレネルレンズ面
13b フレネル分割面
R 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸型フレネルレンズ状の光学シートにおいて、
フレネルレンズ状に分割された各フレネルレンズ面が、隣接する複数のフレネルレンズ面ごとに複数の領域に区分けされると共に、
これらの領域の各フレネルレンズ面が、当該フレネルレンズ面における本来の凸型フレネルレンズ状に対応する曲面又はこの曲面に近似させた平面を、領域が隣接する双方の端部側で逆向きに傾斜させ、かつ、それぞれの端部側ほど大きな角度で傾斜させた面によって形成されたことを特徴とする光学シート。
【請求項2】
凸型リニアフレネルレンズ状の光学シートにおいて、
リニアフレネルレンズ状に分割された各フレネルレンズ面が、隣接する複数のフレネルレンズ面ごとに複数の領域に区分けされると共に、
これらの領域の各フレネルレンズ面が、当該フレネルレンズ面における本来の凸型リニアフレネルレンズ状に対応する曲面又はこの曲面に近似させた平面を、領域が隣接する双方の端部側で逆向きに傾斜させ、かつ、それぞれの端部側ほど大きな角度で傾斜させた面によって形成されたことを特徴とする光学シート。
【請求項3】
前記光学シートが拡散剤を含有する透光性材料からなることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の光学シート。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学シートを1以上の光源の手前側に配置したことを特徴とする光学シートを用いたバックライトユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−133977(P2009−133977A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308808(P2007−308808)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【Fターム(参考)】