説明

光学フィルムの製造装置

【課題】フィルム(ウエブ)幅方向全域に亘る連続的な塵埃量管理を低コストで実現することのできる光学フィルムの製造装置を提供する。
【解決手段】ウエブ14を原反ロールから巻き出す巻出部12と、連続走行する帯状のウエブ14に塗布液を塗布する塗布部18と、塗布層が設けられたウエブ14を巻取りロールとして巻き取る巻取部22と、からなる光学フィルムの製造装置10において、巻出部12と巻取部22との間に、少なくとも1台のウエブ幅に対応した扁平形状の吸引口のサンプリングノズル28aを有する塵埃測定装置26を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルムの製造装置に関し、特に、塵埃測定装置(パーティクルカウンタ)を設けてウエブ上の塵埃を測定する光学フィルムの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエブ表面に薄膜を形成して各種機能を発現させる機能性フィルム(光学フィルム)は、微小な塵埃が欠陥を引き起こすため、製造工程の塵埃管理が重要とされている。
【0003】
近年、問題となる塵埃のサイズ、量ともに、要求レベルは益々高くなっており、これまで以上に精度の高い測定・管理が必要とされている。
【0004】
浮遊塵埃の測定・管理には、1本の吸引チューブで導入された単位流量エアの中の塵埃を光散乱方式パーティクルカウンタで計測する方式が一般的であるが、この方法では局所的な塵埃量を知ることはできるものの、時々刻々と変化する塵埃の空間的な分布を捉えることはできない。客先の要求に応じて製造される光学フィルム幅は多様であるとともに益々拡大傾向にあり、上記のようなピンポイントの測定で充分な品質管理を行うことは不可能となっている。製造中に発生した塵埃起因故障の原因(発生箇所)特定のためには、製品全幅に亘っての塵埃常時監視が有効である。
【0005】
平面的な塵埃分布を知る方法としては、シリコンウエハを所定場所に一定時間放置し、ウエハに付着した塵埃を専用検査装置で計測する方式も一般に用いられているが、高価なシリコンウエハを使用するというコスト上の問題や、ウエハに各塵埃が付着する時刻が詳細にわからないという解析上の問題が指摘されており、パーティクルカウンタを用いた方法も種々提案されている。
【0006】
特許文献1や特許文献2では、1台のパーティクルカウンタに対して複数のサンプリング管を接続し、サンプリング管の切り替え器で測定箇所を選択する方法がとられている。
いずれも、広い領域内の所定位置で塵埃量を測定することは可能であるが、複数箇所を同時測定することができないため、前述した光学フィルム製造工程管理で求められるフィルム幅方向全域の塵埃常時監視には不適である。
【0007】
そこで、引用文献3には上記の問題点を解決すべく、所定面積に連続的に配置した吸引口の各々にサンプリング管とパーティクルカウンタを接続し、連続的に塵埃分布を監視することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−209146号公報
【特許文献2】特開2005−116854号公報
【特許文献3】特開2001−264236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、引用文献3の実施例にあるように、測定対象がφ300mmウエハのような小サイズ品であれば問題ないが、前述した光学フィルムは幅が数m、製造ライン長が数百mに達する大規模なものであり、これら工程を管理するにはコスト面で現実的でないという問題がある。
【0010】
本発明はこのような問題に対して成されたものであり、フィルム(ウエブ)幅方向全域に亘る連続的な塵埃量管理を低コストで実現することのできる光学フィルムの製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、ウエブを原反ロールから巻き出す巻出部と、連続走行する帯状のウエブに塗布液を塗布する塗布部と、塗布層が設けられたウエブを巻取りロールとして巻き取る巻取部と、からなる光学フィルムの製造装置において、前記巻出部と前記巻取部との間に、少なくとも1台のウエブ幅に対応した扁平形状の吸引口のサンプリングノズルを有する塵埃測定装置を備えることを特徴とする光学フィルムの製造装置を提供する。
【0012】
光学フィルムの製造装置において、ウエブ幅に対応した扁平形状の吸引口のサンプリングノズルを有する塵埃測定装置を少なくとも1台備えることで、ウエブ幅方向全域に亘る連続的な塵埃量管理を低コストで実現することができる。
【0013】
本発明において、前記サンプリングノズルの吸引口の幅は、ウエブ幅に対応して変化させることが好ましい。
【0014】
光学フィルムの幅は、客先の要求が多様であるので、サンプリングノズルの吸引口の幅はウエブ幅に対応して変化させられることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明において、前記サンプリングノズルの吸引口の面積は、ウエブ幅が変更された際も、一定になるものを備えていることが好ましい。
【0016】
サンプリングノズルの吸引口の幅が変わっても吸引面積を一定にすることにより、吸引風速を常に所定値に保持することができる。
【0017】
さらに、本発明において、ウエブ幅に対応した吸入口の幅の異なる複数のサンプリングノズルを隣接配置し、ウエブ幅の変化に応じて該複数のサンプリングノズルのうちから何れか1つを選択使用することが好ましい。
【0018】
ウエブ幅に対応した吸入口の幅の異なる複数のサンプリングノズルを隣接配置し、ウエブ幅の変化に応じて該複数のサンプリングノズルのうちから最適な1つを選択使用することで、ウエブ幅の異なる複数のウエブに対して、ウエブ幅方向全域に亘る連続的な塵埃量管理を実現することができる。
【0019】
本発明において、前記サンプリングノズルは、サンプリングしたガスの風速が幅方向で均一化される形状であることが好ましい。
【0020】
サンプリングしたガスの風速が幅方向で均一化される形状のサンプリングノズルであることで、ウエブ幅方向の位置に依存することなく、全位置を均等の比重でガスをサンプリングすることができる。
【0021】
本発明の光学フィルムの製造装置において、面検機を備えることが好ましい。
【0022】
面検機では10μm弱以上の異物しか検出ができないが、光学フィルムでは、0.1μmの異物が付着すると、光学性能に影響が出る商品もある。本発明では、塵埃測定装置を製造装置の各部に設置し、常時同時計測を行うことにより、0.1μmオーダーの塵埃状態を製造装置の各部位ごとに把握できるようになるが、塵埃測定装置の測定範囲は0.1μmオーダーから10μm位までである。したがって、本発明では、さらに面検機を備えることで、ウエブに生じた全ての塵埃による品質不良位置を特定することができる。
【0023】
また、本発明では、複数の塵埃測定装置と、面検機と、を備え、該複数の塵埃測定装置と該面検機とによって同時にウエブ上の塵埃を測定することが好ましい。
【0024】
同時にウエブ上の塵埃を測定することで、ウエブに生じた塵埃による品質不良位置を全て正確に特定することができる。
【0025】
本発明では、少なくとも1台の塵埃測定装置が、爆発性ガス環境下に設置されても良い。この場合、前記爆発性ガス環境下には、ガス濃度検知器を設置し、前記塵埃測定装置には、塵埃測定のためにサンプリングしたガスに不活性ガスを混合する手段を有することが好ましい。
【0026】
爆発性ガス環境下のガスをサンプリングすると、爆発性ガスにより塵埃測定装置は爆発してしまう恐れがあるが、一般的にガス濃度検出器はガス検知のタイムラグが数十秒ある。よって、サンプリングされたガスをガス濃度検出器で検知するのでは、爆発は防げない。したがって、爆発性ガス環境下にガス濃度検知器を設置し、爆発性ガス環境下のガス濃度検出器の検知結果に基づいて塵埃測定のためにサンプリングしたガスに不活性ガスを混合することで、数十秒あるタイムラグによる塵埃測定装置の爆発を防ぐことができる。また、爆発性ガス環境下のガス濃度検出器の検知結果に基づいて塵埃測定のためにサンプリングしたガスに不活性ガスを混合するので、不活性ガスのランニングコストを最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明の光学フィルムの製造装置によれば、ウエブ幅方向全域に亘る連続的な塵埃量管理を低コストで実現することのできる光学フィルムの製造装置を提供することができる。そして、本発明により、ウエブに生じた塵埃による品質不良位置を正確に特定できるようになり、塵埃付着懸念箇所の廃棄を大幅に削減でき、製品の得率向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の光学フィルムの製造装置の構成を模式的に示す側面図。
【図2】複数のサンプリングノズルの隣接配置を示す上面図。
【図3】サンプリングノズルの好ましい形状を示す斜視図。
【図4】本発明に係る塵埃測定装置の好ましい態様を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下添付図面に従って本発明に係る光学フィルムの製造装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0030】
まず、本発明に係る光学フィルムの製造装置の構成の一例を説明する。図1は、原反ロール12から巻き出されたフィルム14をローラ16、16・・・に巻きかけながら連続搬送し、フィルム14上に塗布部18で塗布液を塗布し、塗布した塗布液層を乾燥部20で乾燥し、巻取りロール22として巻き取られる光学フィルムの製造装置10を示している。なお、塗布液が紫外線硬化樹脂を用いたものである場合には、乾燥部20の下流に紫外線照射部(不図示)が設けられる。
【0031】
フィルム14は、例えば 液晶、光学、偏光板用等に使用されるフィルム状素材であって、TAC(トリアセチレンセルロース)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等により形成されている。
【0032】
塗布部18としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート、マイクログラビア法等も用いることができる。塗布部18は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気にするとよい。その際、清浄度はクラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
【0033】
塗布部18の下流には、乾燥部20が設けられている。乾燥部20では、形成された塗布膜の溶媒を蒸発させて乾燥させる。
【0034】
また、光学フィルムの製造装置10には、装置全体を制御する制御盤24が備えられており、駆動ローラの駆動や停止、塗布部の動作、乾燥部の温度調整等を制御する。
【0035】
そして、本発明では、図1と図2に示すように、少なくとも1台のフィルム幅に対応した扁平形状の吸引口のサンプリングノズルを有する塵埃測定装置26を備えている。図1と図2では、サンプリングノズルを3個備えたものを示している。なお、ここで、図2は、サンプリングノズルを上面から見た図であり、フィルムとの位置関係を示している。
【0036】
サンプリングノズル28a、28b、28cはそれぞれ配管32a、32b、32cを介して切替弁30に接続されており、切替弁30は配管34を介し塵埃測定装置26に接続される。
【0037】
ここで、図1、図2のように、製造フィルム幅が多種ある場合は、フィルム14幅に対応した吸入口の幅の異なる複数のサンプリングノズル28a、28b、28cを隣接配置するようにし、フィルム幅の変化に応じて複数のサンプリングノズル28a、28b、28cのうちから最適な1つのサンプリングノズル28aを選択するように制御盤24から切替弁30で切り替えを行う。このように、フィルム幅に対応した吸入口の幅の異なる複数のサンプリングノズルを隣接配置することで、フィルム幅の異なる複数のフィルムに対して、フィルム幅方向全域に亘る連続的な塵埃量管理を実現することができる。
【0038】
また、図2に示したように、サンプリングノズル28a、28b、28cの吸引口の面積は、フィルム幅が変更された際も、一定になるものを備えていることが好ましい。サンプリングノズルの吸引口の幅が変わっても吸引面積を一定にすることにより、吸引風速を常に所定値に保持することができる。したがって、フィルム幅に影響されずに、フィルムに生じた塵埃による品質不良位置を、規格化された数値の大きさで確認することができる。
【0039】
また、サンプリングノズル28a、28b、28cは、サンプリングしたガスの風速が幅方向で均一化される形状であることが好ましい。図3は、サンプリングノズルの一例を示したものであり、吸引口29の幅方向の位置により吸引するガスの割合が変わらないようにするために、仕切板31、31・・・を複数設けたものである。
【0040】
サンプリングしたガスの風速が幅方向で均一化される形状のサンプリングノズルであることで、ウエブ幅方向の位置に依存することなく、全位置を均等の量だけガスをサンプリングすることができるので、フィルムに生じた塵埃による品質不良位置(不良が生じた長さ方向の位置)を正確に把握することができる。
【0041】
そして、本発明の光学フィルムの製造装置10において、上記の塵埃測定装置26とともに、面検機40を備えることが好ましい(図1参照)。
【0042】
なお、面検機は、フィルム・樹脂シート・紙・塗工品(コーティング)・不織布・金属シートなどウエブシートのキズ、コンタミ等、欠点検出を行う装置である。面検機は、CCDラインセンサーカメラと専用画像処理装置との組合せ(不図示)により、超高速取込と高速データ処理の両立を実現したものであって、高感度・広帯域CCDカメラの出力信号は欠陥として認識されコンピューターで処理される。ここで、面検機は、例えば、タカノ社製、三鈴エリー社製、東芝社製のものを好ましく用いることができる。
【0043】
面検機では10μm弱以上の異物しか検出ができないが、光学フィルムでは、0.1μmの異物が付着すると、光学性能に影響がある。本発明に係る塵埃測定装置26を製造装置10の何れかの位置に設けて計測を行うことにより、0.1μmオーダーの塵埃状態を製造装置の各部位ごとに把握できるようになるが、塵埃測定装置の測定範囲は0.1μmオーダーから10μm位までである。したがって、本発明では、さらに面検機40を備えることで、フィルムに生じた全てのサイズの塵埃による品質不良位置を特定することができる。
【0044】
また、本発明では、上記の塵埃測定装置26を複数個所の部位に備え、複数の塵埃測定装置と面検機とによって同時にウエブ上の塵埃を測定することも好ましい。
【0045】
図1においては、例えば、塗布部18や乾燥部20にも本発明に係る塵埃測定装置26をさらに設けることが考えられる。本発明では、塵埃測定装置を製造装置の各部に設置し、常時同時計測を行うことにより、フィルムに生じた塵埃による品質不良位置を全て正確に特定することができる。
【0046】
即ち、塵埃測定装置26は光学フィルム製造中のフィルム近傍の塵埃量を制御盤24に出力し、制御盤24は塵埃データと面検機40での欠陥検出データとの突合せを行って、塵埃付着場所を特定する。
【0047】
なお、本発明に係るフィルム幅に対応した扁平形状の吸引口のサンプリングノズルを有する塵埃測定装置26は、図1では、フィルム14が原反ロール12が巻き出された後に設置したものを示したが、塗布部18や乾燥部20に設けるのも有効である。また、本発明に係るフィルム幅に対応した扁平形状の吸引口のサンプリングノズルを有する塵埃測定装置26は1台に限られず、光学フィルムの製造装置10内で複数台設けることが好ましい。
【0048】
なお、ここで、本発明に係る塵埃測定装置26を塗布部18や乾燥部20に設ける場合には、塗布液に有機溶剤を含んでいるとサンプリングされるガスは爆発性があり危険である。特に、爆発性ガスがそのまま塵埃測定装置26に到達すると、爆発性ガスにより塵埃測定装置は爆発してしまう恐れがある。
【0049】
ところで、一般的に、ガス濃度検出器はガス検知のタイムラグが数十秒ある。よって、サンプリングされたガスをガス濃度検出器で検知するのでは、爆発は防げない。
【0050】
したがって、本発明では、図4に示すように、サンプリングされたガスをガス濃度検知器50bとは別に爆発性ガス雰囲気下にガス濃度検知器50aを設置し、塵埃測定のためにサンプリングした爆発性ガスに、爆発性ガス環境下のガス濃度検知器50aの検知結果に基づいて、配管34に繋がる配管52から不活性ガスを混合することで、数十秒あるタイムラグによる塵埃測定装置26の爆発を防ぐことが好ましい。
【0051】
塵埃測定装置26により爆発性ガス雰囲気中の塵埃を測定するには、具体的には、ガス濃度検知器50aのガス濃度が所定値Aを超えたときのみ不活性ガスで希釈する。所定値を超えたときには、ガス流量計と自動開閉弁(不図示)を用いて不活性ガス流量を制御する。そして、サンプリングガスと不活性ガスの合流部には乱流を形成することで両ガスを混合し、サンプリングガスと不活性ガスの流量比より、サンプリングガス中の塵埃量を自動換算する。もし、ガス濃度検知器50bのガス濃度が所定値Bを超えたときには塵埃測定を停止する。その際には、塵埃測定装置26のレーザ発光を停止し、サンプリングガスの吸引を停止する。なお、ガス濃度検知器50aは、爆発性ガス雰囲気中でもっともガス濃度が高くなる場所で計測することが好ましい。
【0052】
このようにすることで、塵埃測定装置26の爆発を防ぐことができるとともに、爆発性ガス雰囲気下のガス濃度検出器の検知結果に基づいて塵埃測定のためにサンプリングしたガスに不活性ガスを混合することで、不活性ガスのランニングコストを最小限に抑えることができる。
【0053】
以上説明したように、本発明の光学フィルムの製造装置によれば、製造フィルム幅に対応した扁平形状の吸引口を有するサンプリングノズルを用いて塵埃測定を行うことにより、フィルム幅方向全域に亘る連続的な塵埃量管理を低コストで実現でき、また、吸入口面積が一定で幅の異なる複数のサンプリングノズルを製造フィルム幅に応じて選択使用することにより、吸入空気の風速を常に所定値に保持でき、安定した塵埃測定が行える。よって、フィルム幅全域に亘って正確な浮遊塵埃分布を連続的に把握できるため、塵埃起因故障と工程内塵埃との紐付けを精度よく行え、故障発生原因箇所の特定が迅速に行えるととともに、実績データをもとにした故障の早期検出が可能となる。
【0054】
なお、本発明に係る光学フィルムの製造装置は、極めて厳しい外観品質(点欠陥、ムラ、汚れ等がないこと)が要求されている反射防止フィルムや光学補償フィルムの製造に好ましく用いることができる。
【0055】
以上、本発明の光学フィルムの製造装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
【符号の説明】
【0056】
10…光学フィルムの製造装置、12…原反ロール(巻出部)、14…フィルム(ウエブ),16…ローラ、18…塗布部、20…乾燥部、22…巻取りロール(巻取部)、24…制御盤、26…塵埃測定装置、28a,28b,28c…サンプリングノズル、29…吸引口、30…切替弁、31…仕切板、32a,32b,32c…配管、34…配管、40…面検機、50a,50b…ガス濃度検知器、52…配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブを原反ロールから巻き出す巻出部と、連続走行する帯状のウエブに塗布液を塗布する塗布部と、塗布層が設けられたウエブを巻取りロールとして巻き取る巻取部と、からなる光学フィルムの製造装置において、
前記巻出部と前記巻取部との間に、少なくとも1台のウエブ幅に対応した扁平形状の吸引口のサンプリングノズルを有する塵埃測定装置を備えることを特徴とする光学フィルムの製造装置。
【請求項2】
前記サンプリングノズルの吸引口の幅は、ウエブ幅に対応して変化させることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造装置。
【請求項3】
前記サンプリングノズルの吸引口の面積は、ウエブ幅が変更された際も、一定になるものを備えていることを特徴とする請求項2に記載の光学フィルムの製造装置。
【請求項4】
ウエブ幅に対応した吸入口の幅の異なる複数のサンプリングノズルを隣接配置し、
ウエブ幅の変化に応じて該複数のサンプリングノズルのうちから何れか1つを選択使用することを特徴とする請求項3に記載の光学フィルムの製造装置。
【請求項5】
前記サンプリングノズルは、サンプリングしたガスの風速が幅方向で均一化される形状であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1に記載の光学フィルムの製造装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1に記載の光学フィルムの製造装置において、面検機を備えることを特徴とする光学フィルムの製造装置。
【請求項7】
複数の塵埃測定装置と、面検機と、を備え、該複数の塵埃測定装置と該面検機とによって同時にウエブ上の塵埃を測定することを特徴とする請求項6に記載の光学フィルムの製造装置。
【請求項8】
少なくとも1台の塵埃測定装置が、爆発性ガス環境下に設置されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1に記載の光学フィルムの製造装置。
【請求項9】
前記爆発性ガス環境下には、ガス濃度検知器を設置し、前記塵埃測定装置には、塵埃測定のためにサンプリングしたガスに不活性ガスを混合する手段を有することを特徴とする請求項8に記載の光学フィルムの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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