説明

光学フィルム及びこれを含む情報電子装置

本発明は、ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットと、1種以上のスチレン系誘導体を含むスチレン系ユニットとを含み、延伸の有無に関係なく、面内位相差(Rin)及び厚さ方向位相差(Rth)の絶対値が10nm以下の光学フィルム及びこれを含む偏光板並びに情報電子装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性及び光学的透明性に優れ、ヘイズが小さく、光学特性に優れ、機械的強度に優れて壊れにくく、耐久性にも優れた光学フィルム及びこれを含む偏光板並びに情報電子装置に関する。
【0002】
本発明は、2008年4月30日及び2009年1月9日にそれぞれ韓国特許庁に出願された韓国特願10−2008−0040843号及び10−2009−0002070号の出願日の利益を主張し、その全内容は本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、光学技術の発展を基に、従来のブラウン管を代替するプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)等多様な方式を利用したディスプレイ技術が提案され市販されている。このようなディスプレイのためのポリマー素材は、その要求特性がより一層高度化している。例えば、液晶ディスプレイの場合、薄膜化、軽量化、画面面積の大型化、広視野角化、高コントラスト化、視野角による画像色調変化の抑制及び画面表示の均一化が特に重要な問題となっている。
【0004】
これにより、偏光フィルム、偏光素子保護フィルム、位相差フィルム、プラスチック基板、導光板等に多様なポリマーフィルムが用いられており、液晶としてツイストネマチック(Twisted Nematic、TN)、スーパーツイストネマチック(Super Twisted Nematic、STN)、バーチカルアライメント(Vertical Alignment、VA)、IPS(In−Plane Switching)液晶セル等を利用した多様なモードの液晶表示装置が開発されている。これら液晶セルは、全て固有の液晶配向をしているため、固有の光学異方性を有しており、当該光学異方性を補償するために、多様な種類のポリマーを延伸して位相差機能を与えたフィルムが提案されている。
【0005】
具体的には、液晶表示装置は、液晶分子が有する高い複屈折特性と配向を利用するため、視野角に応じて屈折率が変わり、それにより画面の色相と明るさが変わることから、液晶分子の種類による位相差補償が必要である。例えば、バーチカルアライメント方式に用いられる殆どの液晶分子は、液晶表示面の厚さ方向の屈折率が面方向の平均屈折率より大きいため、これを補償するために、厚さ方向の屈折率が面方向の平均屈折率より小さな位相差特性を有する補償フィルムが必要である。また、直交した二つの偏光板の正面においては、光が通過しないが、角度を傾けると、二つの偏光板の光軸が直交しなくなって光漏れ現象が示されるため、これを補償するために、面内位相差を有する補償フィルムが必要である。さらに、液晶を利用した表示装置は、視野角を広げるために、厚さ方向位相差補償と面内位相差補償が共に必要である。
【0006】
位相差補償フィルムとして備えられるべき要件は、複屈折が容易に調節されるべきであることである。しかしながら、フィルムの複屈折は、物質が有する根本的な複屈折のみならず、フィルムにおける高分子鎖の配向によっても行われる。高分子鎖の配向は、殆ど外部から加えられる力によって強制的に行われたり、物質が有している固有特性に基づいて行われたりするもので、外部の力によって分子を配向する方法は、高分子フィルムを一軸又は二軸に延伸するものである。
【0007】
当技術分野においては、ディスプレイに用いるために、前述した要求特性を満たすポリマー素材の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特願10−2004−0045790
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、光学特性及び光学的透明性に優れ、ヘイズが小さく、延伸配向過程において壊れ易いアクリル系フィルムとは異なり機械的強度に優れて壊れにくく、加工性及び耐熱性等の耐久性にも優れ、特に、延伸の有無に関係なく面内位相差及び厚さ方向位相差の絶対値のみならず光弾性係数の絶対値も小さい光学フィルム及びこれを含む偏光板並びに情報電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットと、1種以上のスチレン系誘導体を含むスチレン系ユニットとを含み、延伸の有無に関係なく面内位相差(Rin)及び厚さ方向位相差(Rth)の絶対値が10nm以下の光学フィルムを提供する。ここで、面内位相差(Rin)及び厚さ方向位相差(Rth)は、下記のように定義される。
【0011】
in=(n−n)×d
th=[(n+n)/2−n]×d
【0012】
上記式中、nは、フィルムの面方向の屈折率のうち最大屈折率であり、
【0013】
は、フィルムの面方向の屈折率のうちnxに垂直な方向の屈折率であり、
【0014】
zは、フィルムの厚さ方向の屈折率であり、
【0015】
dは、フィルムの厚さである。
【0016】
また、本発明は、偏光子と、当該偏光子の少なくとも一面に備えられた上記光学フィルムとを含む偏光板を提供する。
【0017】
さらに、本発明は、上記偏光板を含む液晶表示装置を提供する。
【0018】
さらに、本発明は、上記光学フィルムを含む情報電子装置を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る光学フィルムは、光学特性及び光学的透明性に優れ、ヘイズが小さく、延伸配向過程において壊れ易いアクリル系フィルムとは異なり機械的強度に優れて壊れにくく、加工性及び耐熱性にも優れる上、延伸の有無に関係なく面内位相差及び厚さ方向位相差の絶対値及び光弾性係数の絶対値も小さい。したがって、上記光学フィルムは、偏光子保護フィルムのように、位相差と光弾性係数が小さい用途に有用に用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態で製造されたフィルムの幅方向に沿う位相差分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る光学フィルムは、ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットと、1種以上のスチレン系誘導体を含むスチレン系ユニットとを含み、延伸の有無に関係なく面内位相差(Rin)及び厚さ方向位相差(Rth)の絶対値が10nm以下、好ましくは5nm以下であることを特徴とする。また、本発明に係る光学フィルムは、延伸の有無に関係なく、光弾性係数の絶対値が3×10−12/N以下であることが好ましい。
【0022】
本発明に係る光学フィルムは、面内位相差及び厚さ方向位相差が小さいため、偏光子保護フィルムをはじめ小さな位相差値を有する光学フィルムを要する用途に有用に用いられることができる。また、本発明に係る光学フィルムは、光弾性係数が小さいため、外部応力による位相差値の変化が小さく、光漏れ現象を減らすことができる。
【0023】
上記芳香族系ユニットと上記スチレン系ユニットの含量比は、モル(mol)を基準として65〜75:100であることが好ましい。また、上記芳香族系ユニットと上記スチレン系ユニットの含量比は、重量を基準として45〜55:100であることが好ましい。この範囲内の組成が、前述した位相差値及び光弾性係数を得るのに有利である。
【0024】
本発明に係る光学フィルムは、1種以上の(メタ)アクリレート系誘導体を含む(メタ)アクリレート系ユニットをさらに含むことができる。
【0025】
また、上記芳香族系ユニットと上記スチレン系ユニットとの含量の和と、上記(メタ)アクリレート系ユニットの含量との比は、重量を基準として1:99から50:50であることが好ましい。この範囲内の組成が、前述した位相差値及び光弾性係数を得るのに有利である。
【0026】
上記1種以上の(メタ)アクリレート系誘導体を含む(メタ)アクリレート系ユニットと、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットと、上記1種以上のスチレン系誘導体を含むスチレン系ユニットは、それぞれ異なる化合物に含まれることもでき、当該ユニットのうち二つ以上のユニットが一つの化合物に含まれることもできる。
【0027】
本発明では、上記(メタ)アクリレート系ユニットは、延伸過程においてフィルムに負の面内位相差(Rin)特性と陰の厚さ方向位相差(Rth)特性とを弱く与え、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットは、延伸過程においてフィルムに正の面内位相差(Rin)特性と陽の厚さ方向位相差(Rth)特性とを与え、上記スチレン系ユニットは、延伸過程においてフィルムに負の面内位相差(Rin)特性と陰の厚さ方向位相差(Rth)特性とを強く与えることができる。ここで、負の面内位相差とは、面内において延伸方向と垂直な方向に屈折率が最も大きくなることを意味し、正の面内位相差とは、延伸方向に屈折率が最も大きくなることを意味し、陰の厚さ方向位相差とは、厚さ方向位相差が面方向の平均屈折率より大きいことを意味し、陽の厚さ方向位相差とは、面内の平均屈折率が厚さ方向の屈折率より大きいことを意味する。前述した各ユニットの位相差特性によって、上記光学フィルムの位相差特性は、各成分の組成と、延伸方向、延伸比、一軸又は二軸延伸等の延伸方法により変わることがある。したがって、本発明では、上記各成分の組成を適宜組み合わせることによって、延伸過程においても各ユニットの複屈折が相殺される効果を得ることができる。これにより、本発明では、フィルムが光学的屈折率等方性を維持することで、面内位相差及び厚さ方向位相差の絶対値が10nmのフィルムを製造することができ、残留位相差が殆ど無い光学フィルムを提供することもできる。
【0028】
また、本発明に係る光学フィルムは、壊れ易いアクリル系フィルムとは異なり、機械的物性に優れている。また、上記(メタ)アクリレート系ユニットは、優れた光学特性を提供し、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットは、上記(メタ)アクリレート系ユニットを含む化合物との優れた混和性を提供することができる。また、本発明は、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットの含量に応じて光弾性係数の値を調節することができるため、外部応力による位相差値の変化の小さいフィルムを提供することができる。
【0029】
本発明に係る光学フィルムは、環部を有する環系ユニットをさらに含むことができる。上記環部を有する環系ユニットは、上記(メタ)アクリレート系ユニット、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニット及び上記スチレン系ユニットの少なくとも一つが含まれた化合物に含まれることもでき、当該(メタ)アクリレート系ユニット、当該ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニット及び当該スチレン系ユニットの少なくとも一つが含まれた化合物と相違する化合物に含まれることもできる。上記環部を有する環系ユニットは、フィルムに、優れた耐熱性を提供することができる。
【0030】
本発明の実施形態によると、上記(メタ)アクリレート系ユニットと上記環部を有する環系ユニットとを含む共重合体と、上記(メタ)アクリレート系ユニットと上記スチレン系ユニットとを含む共重合体と、上記スチレン系ユニットと上記環部を有する環系ユニットとを含む共重合体と、上記(メタ)アクリレート系ユニットと上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットと上記スチレン系ユニットとを含む共重合体とを用いることができる。この際、これら共重合体は、そのユニットの少なくとも一つを2種以上含むことができる。
【0031】
具体的には、メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系ユニットとN−シクロヘキシルマレイミド等の環系ユニットとを含む共重合体、即ち、ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチル(メタ)アクリレート)樹脂を用いることができる。また、スチレン等のスチレン系ユニットと無水マレイン酸等の環系ユニットとを含む共重合体を用いることができる。さらに、(メタ)アクリレート系ユニットとしてメチルメタクリレートと、スチレン系ユニットとしてスチレン及びアルファメチルスチレンと、環系ユニットとしてN−シクロヘキシルマレイミドとを含む共重合体を用いることができる。さらに、(メタ)アクリレート系ユニットとしてメチルメタクリレートと、スチレン系ユニットとしてスチレン又はアルファメチルスチレンと、環系ユニットとしてN−シクロヘキシルマレイミド及び無水マレイン酸とを含む共重合体を用いることができる。しかしながら、これらの例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの例に限定されるものではない。
【0032】
上記各ユニットの含量は、特に限定されず、前述した各成分の役割を考慮して、目的とする面内位相差及び厚さ方向位相差をはじめ光学特性、機械的物性、透明性、光弾性係数、混和性等を達成するために、当該各ユニットの含量を決定することができる。例えば、上記(メタ)アクリレート系ユニット、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニット、上記スチレン系ユニット及び上記環系ユニットの含量は、それぞれ、約0.1〜99重量%の範囲内で選択されることができる。具体的には、上記(メタ)アクリレート系ユニットの含量は約50〜98重量%、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットの含量は約0.5〜40重量%、上記スチレン系ユニットの含量は約0.5〜30重量%であることが好ましい。上記環系ユニットの含量は、約0.5〜45重量%であることが好ましい。
【0033】
本発明において、上記(メタ)アクリレート系ユニット、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニット、上記スチレン系ユニット又は上記環系ユニットを含む化合物は、ホモ重合体又は共重合体であっても良く、本発明の目的を害しない範囲内で、当該(メタ)アクリレート系ユニット、当該ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニット、当該スチレン系ユニット及び当該環系ユニット以外のユニットをさらに含むことができる。上記共重合体は、ランダム又はブロック共重合体であっても良い。
【0034】
本発明において、上記(メタ)アクリレート系ユニットは、(メタ)アクリレートのみならず、(メタ)アクリレート系誘導体も含むことができるものとして理解されるべきである。具体的には、上記(メタ)アクリレート系単量体としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等があるが、これらに限定されるものではない。特に、メチルメタクリレート(MMA)を用いることが最も好ましい。
【0035】
本発明において、上記(メタ)アクリレート系ユニットを含む化合物として、(メタ)アクリレート系ユニットと、上記環部を有する環系ユニットとを含む共重合体を用いることができる。上記(メタ)アクリレート系ユニットと上記環部を有する環系ユニットとを含む共重合体中、当該(メタ)アクリレート系ユニットの含量は、約50〜99重量%、好ましくは約70〜98重量%であり、当該環部を有する環系ユニットの含量は、約1〜50重量%、好ましくは約2〜30重量%である。上記環部を有する環系ユニットの含量が50重量%以下であれば、フィルムのヘイズ(haze)値を低くするのに有利である。
【0036】
上記(メタ)アクリレート系ユニットと上記環部を有する環系ユニットとを含む共重合体中、当該環部を有する環系ユニットは、フィルムの耐熱性を向上させる役割をする。上記環部を有する環系ユニットの例は、後述する。但し、上記(メタ)アクリレート系ユニットと共に共重合体に含まれる上記環部を有する環系ユニットは、マレイミド部を含むマレイミド系ユニットであることが最も好ましい。上記マレイミド系ユニットは、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド等から由来した環部を含むことができるが、これらに限定されず、特に、N−シクロヘキシルマレイミドから由来した環部を含むことが最も好ましい。
【0037】
上記(メタ)アクリレート系ユニットと、上記環部を有する環系ユニットとを含む共重合体は、(メタ)アクリル系単量体及びマレイミド系単量体等の環系単量体を利用し、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法で製造されることができる。
【0038】
本発明において、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットの数平均分子量は、1,500〜2,000,000g/molであることが好ましい。上記芳香族系ユニットは、フェノキシ系樹脂を含むことが好ましい。ここで、フェノキシ系樹脂は、ベンゼン環に、少なくとも一つの酸素ラジカルが結合された構造を含む。例えば、上記芳香族系ユニットは、下記式1で表示されるユニットを1種以上含むことができる。上記芳香族系ユニットは、下記式1のユニットを5〜10,000個含むことが好ましく、より好ましくは5〜7,000個、さらに好ましくは5〜5,000個である。上記芳香族系ユニットに、下記式1で表示されるユニットが2種以上含まれる場合、これらはランダム、交互又はブロックの形態に含まれることができる。
【0039】
【化1】

【0040】
上記式中、Xは、少なくとも一つのベンゼン環を含む2価基であり、Rは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレンである。
【0041】
具体的には、Xは、下記式2から4の化合物から誘導された2価基であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0042】
【化2】

【0043】
上記式中、Rは、直接結合、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン又は炭素数3〜20のシクロアルキリデンであり、
【0044】
及びRは、それぞれ、水素、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル又は炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルケニルであり、n及びmは、それぞれ、1〜5の整数である。
【0045】
【化3】

【0046】
上記式中、Rは、水素、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル又は炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルケニルであり、pは、1〜6の整数である。
【0047】
【化4】

【0048】
上記式中、R及びRは、それぞれ、直接結合、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン又は炭素数3〜20のシクロアルキリデンであり、
【0049】
及びRは、それぞれ、水素、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル又は炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルケニルであり、q及びrは、それぞれ、1〜5の整数である。
【0050】
上記式2から4で表示される化合物の具体的な例は、下記の通りであるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
【化5】

【0052】
上記芳香族系ユニットは、特に、下記式5で表示される1種以上のフェノキシ系ユニットを5〜10,000個含むことが最も好ましい。
【0053】
【化6】

【0054】
上記式中、Rは、直接結合又は炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレンであり、R10は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレンである。
【0055】
上記式5は、下記式6で表示されることが好ましい。
【0056】
【化7】

【0057】
上記芳香族系ユニットを含む化合物の末端は、OH基であっても良い。
【0058】
本発明において、上記スチレン系ユニットは、スチレンのみならず、スチレン系誘導体も含むことができるものとして理解されるべきである。スチレン系誘導体は、スチレンのベンゼン環又はビニル基に脂肪族炭化水素又はヘテロ原子を含む置換基を一つ以上有する化合物を含み、具体的にはアルファメチルスチレンも含む。
【0059】
本発明において、上記ユニットを含む化合物として、上記スチレン系ユニットと、上記環部を有する環系ユニットとを含む共重合体を用いることができる。上記スチレン系ユニットと、上記環部を有する環系ユニットとを含む共重合体中、当該スチレン系ユニットの含量は、約1〜99重量%、好ましくは約30〜99重量%、より好ましくは約40〜95重量%であり、当該環部を有する環系ユニットの含量は、約1〜99重量%、好ましくは約1〜70重量%、より好ましくは約5〜60重量%である。上記スチレン系ユニットと上記環部を有する環系ユニットとを含む共重合体を溶融混和して用いることによって、フィルムの接着性及び耐熱性を向上させることができる。上記環部を有する環系ユニットの含量が少な過ぎると、混和性が多少落ちることがある。上記環部を有する環系ユニットの例は、後述する。但し、上記環系ユニットと共に共重合体に含まれる上記環部を有する環系ユニットは、無水マレイン酸部を含む無水マレイン酸系ユニットであることが最も好ましい。
【0060】
本発明において、上記環系ユニットは、フィルムの耐熱性を向上させることができる。上記環系ユニットの含量は、約0.1〜99重量%、好ましくは約0.5〜45重量%である。上記環系ユニット中の環部としては、無水マレイン酸、マレイミド、グルタル酸無水物、グルタルイミド、ラクトン及びラクタム等が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
本発明の一実施形態によると、前述したユニットを含む成分として、1)(メタ)アクリレート系ユニットとマレイミド系ユニットとを含む共重合体、2)フェノキシ系(phenoxy−based)ユニットを含む樹脂及び3)スチレン系ユニットと無水マレイン酸ユニットとを含む共重合体を用いることができる。この場合、各成分の含量は、1〜99重量%であることが好ましい。具体的には、上記1)共重合体は、約50〜99重量%であることが好ましく、約75〜98重量%であることがより好ましい。上記2)樹脂は、約0.5〜40重量%であることが好ましく、約1〜30重量%であることがより好ましい。上記3)共重合体は、約0.5〜30重量%であることが好ましく、約1〜20重量%であることがより好ましい。
【0062】
特に、上記1)(メタ)アクリレート系ユニットとマレイミド系ユニットとを含む共重合体中、マレイミド系単量体の含量が50重量%以下の場合には、上記1)から3)成分の混合比に関係なく、全領域にわたって混和性(miscibility)を示し、このような組成の光学フィルムは、単一のガラス転移温度(Tg)を示すことができる優れた長所を有する。
【0063】
本発明に係る光学フィルムの厚さは、5〜500μmであることが好ましく、5〜300μmであることがより好ましいが、これに限定されるものではない。上記光学フィルムの光透過度は90%以上であり、ヘイズ(haze)は2.5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下の範囲を有することができる。本発明に係る光学フィルムのガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましい。
【0064】
上記光学フィルムは、上記ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットとスチレン系ユニットとの含量に応じて、光弾性係数の値を非常に小さく調節することができ、この場合、外部応力による位相差値の変化が小さい特徴を有するようになるため、光漏れ現象を減らすことができる。
【0065】
本発明に係る光学フィルムの製造方法は、前述した樹脂組成物を用意する段階と、当該樹脂組成物を利用してフィルムを成形する段階とを含む。上記光学フィルムの製造方法は、上記フィルムを一軸又は二軸延伸する段階をさらに含むことができる。
【0066】
上記樹脂組成物は、前述した成分を溶融混合してブレンディングすることで製造されることができる。上記成分の溶融混合は、押出機等を利用して行うことができる。
【0067】
上記樹脂組成物は、一般的に用いられる潤滑剤(lubricant)、酸化防止剤、UV安定剤、吸収剤及び熱安定剤等をさらに含むことができる。
【0068】
本発明に係る光学フィルムの製造時、当技術分野における公知の方法を利用し、具体的には、押出成形法を利用することができる。例えば、上記樹脂組成物を真空乾燥して水分及び溶存酸素を除去した後、原料ホッパーから押出機までを窒素置換したシングル又はツイン押出機に供給し、高温で溶融して原料ペレットを得、得られた原料ペレットを真空乾燥し、原料ホッパーから押出機までを窒素置換したシングル押出機で溶融した後、コートハンガー型のT−ダイ(T−die)に通過させ、クロムメッキキャスティングロール及び乾燥ロール等を経てフィルムを製造することができる。
【0069】
本発明に係る光学フィルムの製造時、上記フィルムを一軸又は二軸延伸する段階をさらに含むことができる。上記延伸工程は、縦方向(MD)延伸と横方向(TD)延伸を別々に行うこともでき、全て行うこともできる。縦方向と横方向に全て延伸する場合には、いずれか一方向に先に延伸した後に他方向に延伸することができ、両方向に同時に延伸することもできる。延伸は、一段階で延伸することもでき、多段階にわたって延伸することもできる。縦方向に延伸する場合には、ロール間の速度差による延伸をすることができ、横方向に延伸する場合には、テンター(tenter)を用いることができる。テンターのレール開始角(rail initiating angle)は、通常10度以内とすることで、横方向の延伸時に生じるボーイング(bowing)現象を抑制し、光学軸の角度を規則的に制御する。横方向の延伸を多段階にわたって行うことで、同様のボーイング抑制効果を得ることもできる。
【0070】
上記延伸は、上記樹脂組成物のガラス転移温度をTgとする時、(Tg−20℃)〜(Tg+30℃)の温度で行うことができる。上記ガラス転移温度とは、樹脂組成物の貯蔵弾性率が低下し始め、これにより、損失弾性率が貯蔵弾性率より大きくなる温度から、高分子鎖の配向が緩和されて消失される温度までの領域をいう。上記ガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)で測定されることができる。
【0071】
上記延伸の速度は、小型延伸機(Universal testing machine、Zwick Z010)の場合、1〜100mm/minの範囲で、パイロット延伸装置の場合、0.1〜2m/minの範囲で延伸操作を行うことが好ましく、5〜300%の延伸率を適用してフィルムを延伸することが好ましい。
【0072】
上記延伸は、フィルムの成形と別途の段階で行われることもでき、フィルムの成形と同一の工程で一段階(one step)で行われることもできる。
【0073】
前述したユニットのそれぞれの組成と、縦方向の延伸比、横方向の延伸比、延伸温度及び延伸速度を適宜組み合わせることができる。
【0074】
また、延伸されたフィルムは、靭性(toughness)が上昇するため、壊れ易い(メタ)アクリレート系フィルムの短所を効果的に補完することができる。
【0075】
本発明に係る光学フィルムは、延伸の有無に関係なく、面内位相差及び厚さ方向位相差の絶対値が10nm以下、好ましくは5nm以下である。また、本発明に係る光学フィルムは、延伸の有無に関係なく、光弾性係数の絶対値が3×10−12/N以下である。
【0076】
本発明に係る光学フィルムは、少なくとも一面に有機物及び無機物の少なくとも一つを含む追加層を備えることで、位相差値並びに補償特性及び/又は偏光子への付着性が調節されることができる。上記有機物の例としては、セルロース、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレタン、液晶及び/又はそれらの誘導体等があり、上記無機物の例としては、TiO、ITO等があるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
また、本発明は、偏光子と、当該偏光子の少なくとも一面に備えられた上記光学フィルムとを含む偏光板を提供する。
【0078】
上記偏光子は、二色性色素を含有する一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムからなって温度や水分に対する耐久性が落ちるため、保護フィルムで貼り合わせられている。上記偏光板を有する従来の液晶表示装置は、時計、ダッシュボード等の表示面積が比較的小面積のもの又は表面に光拡散方式の反射防止処理を行ったものが主流であった。最近の液晶表示装置は、大画面ディスプレイ等の表示面積が大面積のもの又は表面に多層干渉方式で光沢面等の低ヘイズの反射防止処理を行ったものが主流である。この場合、偏光板用保護フィルムの表面に生じる線、屈曲、傷、汚染等の欠点が目立つようになるが、これは、現在主流の偏光板用保護フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルムを用いるためである。
【0079】
セルロース誘導体は、透水性に優れるため、偏光板の製造工程において偏光子に含有された水分をフィルムから揮散させることができる利点を有している。しかしながら、一方では、高温高湿雰囲気下において吸湿による寸法の変化や光学特性の変動が比較的大きく、室温付近で湿度が変わった時の位相差値の変化が大きいことから、安定した視野角の改善に限界があるため、偏光板の光学特性の耐久性が低下する問題がある。
【0080】
なお、ポリカーボネート系では、ガラス転移温度が高いため、高温での延伸加工が必要である上、フィルムの光弾性係数が大きいため、応力による光学変形が生じる。ノルボルネン系フィルムを延伸処理する場合、延伸時の応力が高くなったり、延伸時の応力不均一が発生したりする等の問題がある。このような問題は、視野角補償効果に優れると共に、環境変化にも位相差値の変化が少ないアクリル系位相差フィルムを採用することによって解決することができる。
【0081】
光弾性係数、即ち、応力負荷を受けた時の複屈折の変化率が大きければ、液晶層や偏光板と共に接合させた時の接着不均一、バックライトや外部環境からの熱による構成材料間の熱膨張差、偏光フィルムの収縮等によって発生する応力の影響による位相差の変化が大きくなるため、表示装置の色の不均一をもたらしたりコントラストを低下させたりする傾向がある。アクリル系フィルムは、光弾性係数の値を非常に小さく調節することができ、この場合、外部応力による位相差値の変化が少ない特徴を有するようになるため、光漏れ現象を減らすことができる。
【0082】
本発明に係る偏光子保護フィルムは、上記偏光子の一面のみに備えられることもでき、両面に備えられることもできる。
【0083】
偏光子の一面のみに、本発明に係る偏光子保護フィルムが備えられる場合、他面には、当技術分野における公知の保護フィルムが備えられることができる。当該公知の保護フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、開環メタセシス重合(Ring Opening Metathesis Polymerization;ROMP)で製造されたポリノルボルネン系フィルム、開環重合された環状オレフィン系重合体を再び水素添加して得られたHROMP(Ring Opening Metathesis Polymerization followed by Hydrogenation)重合体フィルム、ポリエステルフィルム又は付加重合(addition polymerization)で製造されたポリノルボルネン系フィルム等であっても良い。これ以外にも、透明な高分子材料で製造されたフィルムを保護フィルム等として用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0084】
上記偏光子としては、ヨード又は二色性染料を含むポリビニルアルコール(PVA)からなるフィルムを用いることができる。上記偏光子は、PVAフィルムにヨード又は二色性染料を染着させることで製造されることができるが、その製造方法は特に限定されない。本明細書において、偏光子は、保護フィルムを含まない状態であり、偏光板は、偏光子と保護フィルムとを含む状態である。
【0085】
本発明において、保護フィルムと偏光子は、当技術分野における公知の方法で貼り合わせられることができる。
【0086】
また、本発明は、上記偏光板を含む液晶表示装置を提供する。例えば、本発明による液晶表示装置は、液晶セルと、当該液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1の偏光板及び第2の偏光板とを含むものであって、当該第1の偏光板及び当該第2の偏光板の少なくとも一つが本発明に係る偏光板であることを特徴とする。
【0087】
上記偏光板の液晶セルと反対側に備えられた偏光子保護フィルムは、UV吸収剤を含むことが好ましい。
【0088】
さらに、本発明は、上記光学フィルムを含む情報電子装置を提供する。上記情報電子装置としては、液晶表示装置、有機発光ダイオード(OLED)等のディスプレイ装置等がある。
【0089】
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、液晶セルと、当該液晶セルの両面にそれぞれ備えられた第1の偏光板及び第2の偏光板とを含むものであって、当該第1の偏光板及び当該第2の偏光板の少なくとも一つと当該液晶セルとの間に、本発明に係る光学フィルムが備えられることができる。
【実施例】
【0090】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。しかしながら、下記実施例は、本発明を例示するためのものであり、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0091】
<実施例1>
ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂及びフェノキシ系樹脂を100:2.5:5の重量比で均一に混合した樹脂組成物を、原料ホッパー(hopper)から押出機までを窒素置換した24φの押出機に供給し、250℃で溶融して、原料ペレット(pellet)を製造した。
【0092】
上記フェノキシ系樹脂としては、InChemRez(登録商標)社製のPKFE樹脂(Mw=60,000、Mn=16、000、Tg=95℃)を用い、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂としては、スチレン85重量%及び無水マレイン酸15重量%のDylarck332を用い、ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂は、NMR分析結果、N−シクロヘキシルマレイミドの含量が6.5重量%であった。
【0093】
上記で得られた原料ペレットを真空乾燥し、260℃で押出機で溶融し、コートハンガー型のT−ダイ(T−die)に通過させ、クロムメッキキャスティングロール及び乾燥ロール等を経て、厚さ150μmのフィルムを製造した。このフィルムをパイロット延伸装置を用いて125℃でMD方向にロールの速度差を利用して下記表1に記載の比率で延伸した後、125℃でTD方向にテンターを利用して下記表1に記載の比率で延伸して、フィルムを製造した。当該フィルムの面方向位相差値及び厚さ方向位相差値を下記表1に示した。また、幅方向に沿う位相差分布を図1に示した。
【0094】
【表1】

【0095】
<実施例2>
ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂及びフェノキシ系樹脂を100:2.5:5の重量比で均一に混合した樹脂組成物を、原料ホッパー(hopper)から押出機までを窒素置換した24φの押出機に供給し、250℃で溶融して、原料ペレット(pellet)を製造した。
【0096】
上記で得られた原料ペレットを真空乾燥し、260℃で押出機で溶融し、コートハンガー型のT−ダイ(T−die)に通過させ、クロムメッキキャスティングロール及び乾燥ロール等を経て、厚さ150μmのフィルムを製造した。このフィルムをパイロット延伸装置を用いて125〜140℃でMD方向にロールの速度差を利用して下記表2に記載の比率170%で延伸した後、125〜140℃でTD方向にテンターを利用して下記表2に記載の比率250%で延伸して、フィルムを製造した。当該フィルムの面方向位相差値及び厚さ方向位相差値を下記表2に示した。
【0097】
【表2】

【0098】
<実施例3〜5及び比較例1〜3>
ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂としては、LGMMA社製のIH830HR樹脂を用い、フェノキシ系樹脂としては、InChemRez社製のフェノキシ樹脂であるInChemRez Phenoxy PKFE(登録商標)樹脂を用い、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂としては、NOVA Chemicals社製のDYLARK(登録商標)332(スチレン85重量%、無水マレイン酸15重量%)を用いて、実施例1と同様の方法でフィルムを製造し、物性を測定した。フィルムの組成及び物性をそれぞれ下記表3及び4に示した。
【0099】
【表3】

【0100】
【表4】

【0101】
上記実施例から、本発明に係る光学フィルムは、延伸前後にも、面内位相差及び厚さ方向位相差と光弾性係数の絶対値とが0に近い値を有することが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシ基含有部を有する鎖及び芳香族部を有する芳香族系ユニットと、
1種以上のスチレン系誘導体を含むスチレン系ユニットと、
を含み、
延伸の有無に関係なく、下記式による面内位相差(Rin)及び厚さ方向位相差(Rth)の絶対値が10nm以下であり、
in=(n−n)×d
th=[(n+n)/2−n]×d
上記式中、nは、光学フィルムの面方向の屈折率のうち最大屈折率であり、nは、光学フィルムの面方向の屈折率のnに垂直方向の屈折率であり、nzは、光学フィルムの厚さ方向の屈折率であり、dは、フィルムの厚さである、光学フィルム。
【請求項2】
延伸の有無に関係なく、光弾性係数の絶対値が3×10−12/N以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
1種以上の(メタ)アクリレート系誘導体を含む(メタ)アクリレート系ユニットをさらに含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記芳香族系ユニットと前記スチレン系ユニットの含量比は、モル(mol)を基準として65〜75:100である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項5】
前記芳香族系ユニットと前記スチレン系ユニットの含量比は、重量を基準として45〜55:100である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項6】
前記芳香族系ユニットと前記スチレン系ユニットとの含量の和と、前記(メタ)アクリレート系ユニットの含量との比は、重量を基準として1:99から50:50である、請求項3に記載の光学フィルム。
【請求項7】
環部を有する環系ユニットをさらに含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項8】
前記環部は、マレイン酸無水物、マレイミド、グルタル酸無水物、グルタルイミド、ラクトン及びラクタムからなる群から選択される、請求項7に記載の光学フィルム。
【請求項9】
前記(メタ)アクリレート系ユニットは、前記(メタ)アクリレート系誘導体と、環部を有する環系ユニットとの共重合体からなる、請求項3に記載の光学フィルム。
【請求項10】
前記環系ユニットの環部は、マレイン酸無水物、マレイミド、グルタル酸無水物、グルタルイミド、ラクトン及びラクタムからなる群から選択される、請求項9に記載の光学フィルム。
【請求項11】
前記共重合体中の前記(メタ)アクリレート系誘導体の含量は、前記共重合体の重量に対して約50〜99%である、請求項9に記載の光学フィルム。
【請求項12】
前記スチレン系ユニットは、スチレン系誘導体と、環部を有する環系ユニットとの共重合体からなる、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項13】
前記環系ユニットの環部は、マレイン酸無水物、マレイミド、グルタル酸無水物、グルタルイミド、ラクトン及びラクタムからなる群から選択される、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項14】
前記共重合体は、当該共重合体の重量に対して、スチレン系誘導体約30〜99%と、前記環系ユニット約1〜70%とを含む、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項15】
前記スチレン系ユニットは、1種以上の(メタ)アクリレート系ユニットとの共重合体からなる、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項16】
前記芳香族系ユニットは、フェノキシ系樹脂を含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項17】
前記芳香族系ユニットは、1,500〜2,000,000g/molの数平均分子量を有する、請求項16に記載の光学フィルム。
【請求項18】
前記芳香族系ユニットは、下記式1で表示される少なくとも1種のユニットを5〜10,000個含み、
【化1】

前記式中、Xは、少なくとも一つのベンゼン環を含む2価基であり、Rは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項19】
前記(メタ)アクリレート系ユニットは、(メタ)アクリレート系誘導体とマレイミドとの共重合体からなり、前記芳香族系ユニットは、下記化学式6で表示されるユニットを5〜10,000個含み、前記スチレン系ユニットは、スチレン系誘導体とマレイン酸無水物との共重合体からなる、請求項3に記載の光学フィルム。
【化2】

【請求項20】
前記(メタ)アクリレート系誘導体とマレイミドとの共重合体の含量は、樹脂の重量に対して約50〜99%であり、前記芳香族系ユニットの含量は、樹脂の重量に対して約0.5〜40%であり、前記スチレン系誘導体とマレイン酸無水物との共重合体の含量は、樹脂の重量に対して約0.5〜30%である、請求項19に記載の光学フィルム。
【請求項21】
前記(メタ)アクリレート系ユニットは、(メタ)アクリレート系誘導体と、環部を有する環系ユニットとの共重合体からなり、前記スチレン系ユニットは、スチレン系誘導体と、環部を有する環系ユニットとの共重合体からなる、請求項3に記載の光学フィルム。
【請求項22】
(メタ)アクリレート系ユニットと、スチレン系ユニットと、環系ユニットとの共重合体を含む、請求項3に記載の光学フィルム。
【請求項23】
偏光子保護フィルム用である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項24】
偏光子と、当該偏光子の少なくとも一面に備えられた請求項1から23のいずれか一項に記載の光学フィルムとを含む、偏光板。
【請求項25】
請求項24に記載の偏光板を含む、液晶表示装置。
【請求項26】
請求項1から23のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む、情報電子装置。

【図1】
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【公表番号】特表2011−519434(P2011−519434A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507355(P2011−507355)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002303
【国際公開番号】WO2009/134098
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】