説明

光学情報読取装置

【課題】 結像レンズと受光センサとを備えながら、実装面積を小さくできる光学情報読取装置を提供する。
【解決手段】 結像レンズユニット50の下方へ延在するボス部56を実装用基板15に当接させ、結像レンズユニット50の収容部54iに収容された受光センサ23のリード23iを当該実装用基板15のスルーホール15sに挿通することで、結像レンズユニット50を実装用基板15に実装する。即ち、実装用基板15から受光センサ23の裏面がボス部56によって離れているため、該実装用基板15と受光センサ23の裏面との間に、部品を配置することができ、実装面積を増大させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード等の一次元情報コード、QRコード(登録商標)等の二次元情報コードを読み取る光学情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光学情報読取装置の小型化により、組み込む基板面積が小さくなり、部品の実装面積が小さくなり、部品が実装できないという問題が生じている。特に、CCDエリアセンサ基板には、C−MOSセンサと異なり専用の電源やタイミングジェネレータ、アンプなどを実装せねばならず、小型化した光学情報読取装置への搭載が困難になっている。
【0003】
この場合、例えば、特許文献1においては、ラインセンサは通常パッケージの両側に足(リード)があり、リードを片側に一列並べ実装することで基板の実装面積を小さくしている。
【0004】
また、特許文献2においては、CCDエリアセンサのリード内の四隅のリードを基板とセンサとの位置固定用として使用し、残りのリードを折り曲げ、余分なリードを切断することで、センサの反対面に突出する固定用の四隅のリード以外は、実装可能な領域として用いることを可能にしている。
【特許文献1】特開平7−2106号公報
【特許文献2】特開平11−284164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、片側に1列にリードを立ててイメージセンサを直立させるため安定性が悪く、実際に使用する場合には土台が必要となり、土台が実装面積を取ることになる。さらに、係るイメージセンサの取り付けは、人手によらざるを得ず、コストが嵩むこととなる。
【0006】
また、引用文献2の方法では、センサと結像レンズの筐体との位置固定にビスを使用することとなり、センサ面については、結像レンズの筐体により実装面積が取られる。また、実装工程において、センサのリードの折り曲げ、切断作業が必要となる。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、結像レンズと受光センサとを備えながら、実装面積を小さくできる光学情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、リード23iを有する受光センサ23と、該受光センサ23上に撮像対象の画像を結ぶ結像レンズ27と、該受光センサ23を実装する実装用基板15とを備える光学情報読取装置において、
前記受光センサ23を保持するための1対の側板60aと底板60bとから成るコ字形状の板バネ60であって、前記1対の側板60aに開口60cの形成された板バネ60と、
前記結像レンズ27を保持する結像レンズユニット50であって、前記受光センサ23を収容することで撮像対象の画像を結ぶように構成された下端の収容部54iと、該下端から立設する側壁54aと、該側壁54aから側方へ延在する係合片58と、該下端から下方へ延在するボス部56とを備える結像レンズユニット50と、を備え、
前記結像レンズユニット50の収容部54i内に前記受光センサ23を収容させた状態で、前記板バネ60の底板60bに前記受光センサ23を当接させ、当該板バネ60の側板60aの開口60cを前記側壁54aの係合片58に係合させることで、当該板バネ60によって前記受光センサ23を該結像レンズユニット50に保持させ、
前記結像レンズユニット50のボス部56を前記実装用基板15に当接させ、前記受光センサ23のリード23iを当該実装用基板15のスルーホール15sに挿通することで、前記結像レンズユニット50を前記実装用基板15に実装したことを技術的特徴とする。
【0009】
請求項1の光学情報読取装置では、結像レンズユニット50の下方へ延在するボス部56を実装用基板15に当接させ、結像レンズユニット50の収容部54iに収容された受光センサ23のリード23iを当該実装用基板15のスルーホール15sに挿通することで、結像レンズユニット50を実装用基板15に実装する。即ち、実装用基板15から受光センサ23の裏面がボス部56によって離れているため、該実装用基板15と受光センサ23の裏面との間に、部品を配置することができ、実装面積を増大させることができる。特に、バイパスコンデンサ28を受光センサ23の直下に配置することが可能となり、これによりノイズを効果的に低減できる。
更に、弾性部材である板バネ60で受光センサ23を結像レンズユニット50に取り付けるため、振動、落下に対する信頼性を高めることができる。受光センサ23を保持する結像レンズユニット50の下方へ延在するボス部56を実装用基板15に当接させことで結像レンズユニット50を実装用基板15に位置決めするので、実装用基板15と受光センサ23との平行を保つことができ、また、受光センサ23の実装に特殊な治具を用いる必要がなくなる。
【0010】
また、請求項2の発明は、リード23iを有する複数の受光センサ23A、23Bと、該受光センサ23A、23B上に撮像対象の画像を結ぶ複数の結像レンズ27A、27Bと、該受光センサ23A、23Bを実装する実装用基板15とを備える光学情報読取装置において、
前記複数の受光センサ23A、23Bを保持するための1対の側板60aと底板60bとから成るコ字形状の板バネ60であって、前記1対の側板60aに開口60cの形成された1枚の板バネ60と、
前記複数の結像レンズ27A、27Bを保持する1個の結像レンズユニット50であって、前記複数の受光センサ23A、23Bをそれぞれ収容することで撮像対象の画像を結ぶように構成された下端の複数の収容部54iと、該下端から立設する側壁54aと、該側壁54aから側方へ延在する係合片58と、該下端から下方へ延在するボス部56とを備える結像レンズユニット50と、を備え、
前記結像レンズユニット50の複数の収容部54i内に前記受光センサ23A、23Bをそれぞれ収容させた状態で、前記板バネ60の底板60bに前記受光センサ23A、23Bを当接させ、当該板バネ60の側板60aの開口60cを前記側壁54aの係合片58に係合させることで、当該1枚の板バネ60によって前記受光センサ23A、23Bを該結像レンズユニット50に保持させ、
前記結像レンズユニット50のボス部56を前記実装用基板15に当接させ、前記複数の受光センサ23A、23Bのリード23iを当該実装用基板15のスルーホール15sに挿通することで、前記結像レンズユニット50を前記実装用基板15に実装したことを技術的特徴とする。
【0011】
請求項2の光学情報読取装置では、結像レンズユニット50の下方へ延在するボス部56を実装用基板15に当接させ、結像レンズユニット50の複数の収容部54iに収容された受光センサ23A、23Bのリード23iを当該実装用基板15のスルーホール15sに挿通することで、結像レンズユニット50を実装用基板15に実装する。即ち、実装用基板15から受光センサ23A、23Bの裏面がボス部56によって離れているため、該実装用基板15と受光センサ23A、23Bの裏面との間に、部品を配置することができ、実装面積を増大させることができる。特に、バイパスコンデンサ28を受光センサ23A、23Bの直下に配置することが可能となり、これによりノイズを効果的に低減できる。また、複数の受光センサ23A、23Bを1個の結像レンズユニット50に収容させるため、受光センサ23A、23Bの占有面積を小さくすることができる。
更に、弾性部材である1枚の板バネ60で複数の受光センサ23A、23Bを結像レンズユニット50に取り付けるため、振動、落下に対する信頼性を高めることができる。受光センサ23A、23Bを保持する結像レンズユニット50の下方へ延在するボス部56を実装用基板15に当接させことで結像レンズユニット50を実装用基板15に位置決めするので、実装用基板15と受光センサ23A、23Bとの平行を保つことができ、また、受光センサ23A、23Bの実装に特殊な治具を用いる必要がなくなる。複数の受光センサ23A、23Bを1個の結像レンズユニット50に収容させ、実装用基板15に実装させるため、受光センサ23A、23Bの実装の工程を低減させることが可能となる。
【0012】
請求項3では、結像レンズユニット50の係合片58が、断面逆三角形形状に構成されているため、該係合片58をコ字形状の板バネ60の側板60a端部が乗り越え易くなり、容易に板バネ60で受光センサ23を固定することができる。
【0013】
請求項4では、SOPタイプの受光センサ23のリード23iが下方へフォーミングされているので、該リード23iで実装用基板15のスルーホール15sに挿通することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯端末を情報コード読取装置に適用した実施形態について図を参照して説明する。まず、第1実施形態に係る情報コード読取装置10の構成概要を図1、図2に基づいて説明する。図1は、情報コード読取装置のハウジング等の構成概要を示す部分縦断面図であり、図2は、情報コード読取装置の回路部の構成概要を示すブロック図でありる。
【0015】
図1に示すように、QRコードQを読み取る情報コード読取装置10は、主に、縦長のほぼ矩形箱状なすハウジング11を備える。ハウジング11は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂からなる成形部品で、その一端側に読取口11aを備えている。この読取口11aは、後述する回路部20の受光センサ23に入射する入射光を導入可能な開口部である。このハウジング11の他端側には、二次電池49が収容されている。ハウジング11の表面側には液晶表示器46を取付可能な開口部も形成されている。ハウジング11の内部には、後述する回路部20が収容されている。なお、図1には、回路部20を構成するプリント配線板(実装用基板)15,16が図示されている。
【0016】
図2に示すように、回路部20は、主に、赤色発光ダイオード21、集光レンズ22、受光センサ23、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ12、14、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49、電源回路39等の電源系と、から構成されており、前述した実装用基板15,16に実装あるいはハウジング11内に内装されている。
【0017】
光学系を構成する赤色発光ダイオード21は、照明光Lfを照射可能な光照射器として機能するもので、拡散レンズと凸レンズとを組み合わせた集光レンズ22により集光させる。本実施形態では、受光センサ23を挟んだ両側に赤色発光ダイオード21が設けられており、ハウジング11の読取口11aを介して読取対象のQRコードQに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。
【0018】
受光センサ23は、QRコードQに照射されて反射した反射光Lrを結像レンズ27を介して受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子から成る二次元イメージセンサにより構成される。受光センサ23へ電力を供給する電源ラインにはバイパスコンデンサ28が接続され、電源ラインからのノイズの重畳を防いでいる。
【0019】
結像レンズ27は、外部から読取口11aを介して入射する入射光が、反射鏡26で反射された光を集光して受光センサ23の受光面に像を結像可能な結像光学系として機能するものである。図1中に示すように、結像レンズユニット50の鏡筒52内に結像レンズ27は収容され、また、結像レンズユニット50の下端に受光センサ23が収容されている。該受光センサ23の直下には、上記電源ラインからのノイズの重畳を防ぐバイパスコンデンサ28が基板15上に表面実装されている。
【0020】
マイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ12、14、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インターフェイス48等から構成されている。
【0021】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されて蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0022】
制御回路40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されている。通信インターフェイス48は、読み取ったデータの転送を行い得るように構成されている。
【0023】
引き続き、結像レンズユニット50の構成について、図3及び図4を参照して説明する。図3(A)は、結像レンズユニット50を基板15に取り付ける説明図であり、図3(B)は、実装状態を示す正面図であり、図3(C)は、基板15上の実装領域を示す説明図である。図4(A)は結像レンズユニット50の正面図であり、図4(B)は側面図であり、図4(C)は、上面図である。図4(D)は受光センサ23の正面図である。
【0024】
結像レンズユニット50は、樹脂により形成され、結像レンズ27を内部に収容する筒形状の鏡筒52と、立方形状の基部54とから成る。図4(A)に示すように基部54には、受光センサを収容することで撮像対象の画像を結ぶように基部下端に構成された凹状の収容部54iと、基部54の側壁54aから側方へ延在する断面逆三角形形状の係合片58と、該下端から下方へ延在する立方形状のボス部56とが形成されている。係合片58は基部54の両側に1対設けられ、ボス部56も基部54の対角線上に1対設けられている。
【0025】
図4(D)中の受光センサ23の上面図、正面図、側面図を図5(A)に示す。受光センサは、DIP型で、下方に延在するリード23iが形成されている。
【0026】
図3(A)中に、結像レンズユニット50の収容部54iに受光センサ23を固定するための板バネ60を示す。板バネ60は弾性金属を、僅かに内方へ傾斜する1対の側板60aと底板60bとから成るコ字形状にフォーミングして成る。側板60aには、図3(A)中の側面図に示すように結像レンズユニット側の係合片58を挿通させて係合させる開口60cが形成されている。
【0027】
結像レンズユニット50への受光センサ23の組み付けは、収容部54iに受光センサ23を収容した状態で、板バネ60を嵌め、板バネ60の底板60bの上面を受光センサ23の下面に当接させ、側板60aで基部54の側壁54aを挟持すると共に、側板60aの開口60cに係合片58を係合させる。ここで、結像レンズユニット50の係合片58が、断面逆三角形形状に構成されているため、該係合片58をコ字形状の板バネ60の側板60a上端部が乗り越え易くなり、容易に板バネ60で受光センサ23を固定することができる。
【0028】
結像レンズユニット50の基板15への実装は、結像レンズユニットのボス部56の下端を基板15に当接させるように、図3(B)に示すように受光センサ23のリード23iを基板15に形成されたスルーホール15sに挿通させて、半田等で固定することで行う。図3(C)は、基板15の実装領域15aを示している。ここで、ボス部56の下端が基板15に当接している部分のみが実装領域15aとして、他の部品の実装ができない部分となる。
【0029】
光学情報読取装置では、結像レンズユニット50の下方へ延在するボス部56を実装用基板15に当接させ、結像レンズユニット50の収容部54iに収容された受光センサ23のリード23iを当該実装用基板15のスルーホール15sに挿通することで、結像レンズユニット50を実装用基板15に実装する。即ち、実装用基板15から受光センサ23の裏面がボス部56によって離れているため、該実装用基板15の上面と受光センサ23の裏面との間に、部品を配置することができ、実装面積を増大させることができる(図3(C)に示すボス部56の当接する実装領域15a以外は実装可能である)特に、図1中に示すように、バイパスコンデンサ28を受光センサ23の直下に配置することが可能となり、これによりノイズを効果的に低減できる。
【0030】
更に、弾性部材である板バネ60で受光センサ23を結像レンズユニット50に取り付けるため、振動、落下に対する信頼性を高めることができる。受光センサ23を保持する結像レンズユニット50の下方へ延在するボス部56を実装用基板15に当接させことで結像レンズユニット50を実装用基板15に位置決めするので、実装用基板15と受光センサ23との平行を保つことができ、また、受光センサ23の実装に特殊な治具を用いる必要がなくなる。
【0031】
図5(B)は、SOP型受光センサの上面図、正面図、側面図である。図5(A)を参照して上述したDIP型受光センサの場合にはリード23iをフォーミングする必要な無い。SOP型受光センサの場合には、図5(C)に示すSOP型受光センサのリード23iを、図5(D)に示すよう下側に向くようにフォーミングを行い、基板15への接続を可能にする必要がある。
【0032】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について図6〜図8を参照して説明する。第1実施形態では、受光センサを1個設けられた。これに対して、第2実施形態では受光センサが2個設けられている。図6は、光学情報読取装置の回路部の構成概要を示すブロック図である。
【0033】
第2実施形態の光学情報読取装置では、第1受光センサ23A用に、増幅回路31A、A/D変換回路33A、アドレス発生回路36A、同期信号発生回路38Aが設けられている。また、第2受光センサ23B用に増幅回路31B、A/D変換回路33B、アドレス発生回路36B、同期信号発生回路38Bが設けられている。
【0034】
図7に示すように、第1受光センサ23A及び第2受光センサ23B、第1受光センサ用の結像レンズ27A及び第2受光センサ用の結像レンズ27Bが、1個の結像レンズユニット50に収容されている。該結像レンズユニット50では、第1受光センサ23A、第2受光センサ23Bの撮像エリアの中心軸と、結像レンズ27A、27Bの中心軸とをずらして組み付け、当該2個の受光センサ23A、23B撮像エリアが一定距離D1において、図中に示すように重なるように配置されている。2個の受光センサ23A、23Bで同時に撮像するため、QRコードQ像の大きさが同じになる。ここで、2個の受光センサ23A、23Bを用いることで、鮮明な側の画像を選択することが可能となり、鏡面反射等に対応することが可能となる。
【0035】
引き続き、第2実施形態に係る結像レンズユニット50の構成について、図8を参照して説明する。図8(A)は、結像レンズユニット50の正面図、側面図、上面図であり、図8(B)は、板バネ60の正面図、側面図である。図8(C)は、結像レンズユニット50に受光センサ23Aを収容した状態の断面図であり、図8(D)は、結像レンズユニット50に受光センサ23Aを収容した状態の側面図であり、図8(E)は、結像レンズユニット50に受光センサ23A、23Bを収容した状態の断面図である。
【0036】
結像レンズユニット50は、樹脂により形成され、結像レンズ27A、27Bを内部に収容する筒形状の鏡筒52A、52Bと、立方形状の基部54とから成る。図8(E)に示すように基部54には、受光センサ23A、23Bを収容することで撮像対象の画像を結ぶように構成された1対の収容部54iと、基部54の側壁54aから側方へ延在する断面逆三角形形状の係合片58と、該下端から下方へ延在する立方形状のボス部56とが形成されている。係合片58は基部54の両側に1対設けられ、ボス部56も基部4の対角線上に1対設けられている。
【0037】
図8(B)中に、結像レンズユニット50の収容部54iに第1、第2受光センサ23A、23Bを固定するための板バネ60を示す。板バネ60は弾性金属を、僅かに内方へ傾斜する1対の側板60aと底板60bとから成るコ字形状にフォーミングして成る。側板60aには、図8(B)中の側面図に示すように結像レンズユニット側の係合片58を挿通させて係合させる開口60cが形成されている。
【0038】
結像レンズユニット50への受光センサ23の組み付けは、1対の収容部54iに受光センサ23A、23Bをそれぞれ収容した状態で、板バネ60を嵌め、板バネ60の底板60bの上面を受光センサ23A、23Bの下面に当接させ、側板60aで基部54の側壁54aを挟持すると共に、側板60aの開口60cに係合片58を係合させることで行う。
【0039】
第2実施形態の光学情報読取装置では、結像レンズユニット50の下方へ延在するボス部56を実装用基板15に当接させ、結像レンズユニット50の複数の収容部54iに収容された受光センサ23A、23Bのリード23iを当該実装用基板15のスルーホール15sに挿通することで、結像レンズユニット50を実装用基板15に実装する。即ち、実装用基板15から受光センサ23A、23Bの裏面がボス部56によって離れているため、該実装用基板15と受光センサ23A、23Bの裏面との間に、部品を配置することができ、実装面積を増大させることができる。特に、バイパスコンデンサ28(図6参照)を受光センサ23A、23Bの直下に配置することが可能となり、これによりノイズを効果的に低減できる。また、複数の受光センサ23A、23Bを1個の結像レンズユニット50に収容させるため、受光センサ23A、23Bの占有面積を小さくすることができる。
【0040】
更に、弾性部材である1枚の板バネ60で複数の受光センサ23A、23Bを結像レンズユニット50に取り付けるため、振動、落下に対する信頼性を高めることができる。受光センサ23A、23Bを保持する結像レンズユニット50の下方へ延在するボス部56を実装用基板15に当接させことで結像レンズユニット50を実装用基板15に位置決めするので、実装用基板15と受光センサ23A、23Bとの平行を保つことができ、また、受光センサ23A、23Bの実装に特殊な治具を用いる必要がなくなる。複数の受光センサ23A、23Bを1個の結像レンズユニット50に収容させ、実装用基板15に実装させるため、受光センサ23A、23Bの実装の工程を低減させることが可能となる。
【0041】
上述した第1、第2実施形態では、ボス部56を2個(1対)設けたが、ボス部を4個(2対)設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光学情報読取装置の断面図である。
【図2】図1に示す光学情報読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は、結像レンズユニットを基板に取り付ける説明図であり、図3(B)は、実装状態を示す正面図であり、図3(C)は、基板上の実装領域を示す説明図である。
【図4】図4(A)は結像レンズユニットの正面図であり、図4(B)は側面図であり、図4(C)は、上面図である。図4(D)は受光センサの正面図である。
【図5】図5(A)は、DIP型受光センサの上面図、正面図、側面図であり、図5(B)は、SOP型受光センサの上面図、正面図、側面図であり、図5(C)は、リードのフォーミング前のSOP型受光センサの正面図であり、図5(D)は、フォーミング後のSOP型受光センサの正面図である。
【図6】第2実施形態の光学情報読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【図7】2個の受光センサの撮像エリアの重なりを示す説明図である。
【図8】図8(A)は、結像レンズユニットの正面図、側面図、上面図であり、図8(B)は、板バネの正面図、側面図である。図8(C)は、結像レンズユニットに受光センサを収容した状態の断面図であり、図8(D)は、結像レンズユニットに受光センサを収容した状態の側面図であり、図8(E)は、結像レンズユニットに受光センサを収容した状態の断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 光学情報読取装置
15 実装用基板
15s スルーホール
23 受光センサ
23A 第1受光センサ
23B 第2受光センサ
27、27A、27B 結像レンズ
40 CPU
50 結像レンズユニット
52 鏡筒
54 基部
54a 側壁
54i 収容部
56 ボス部
58 係合片
60 板バネ
60a 側板
60b 底板
60c 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードを有する受光センサと、該受光センサ上に撮像対象の画像を結ぶ結像レンズと、該受光センサを実装する実装用基板とを備える光学情報読取装置において、前記受光センサを保持するための1対の側板と底板とから成るコ字形状の板バネであって、前記1対の側板に開口の形成された板バネと、
前記結像レンズを保持する結像レンズユニットであって、前記受光センサを収容することで撮像対象の画像を結ぶように構成された下端の収容部と、該下端から立設する側壁と、該側壁から側方へ延在する係合片と、該下端から下方へ延在するボス部とを備える結像レンズユニットと、を備え、
前記結像レンズユニットの収容部内に前記受光センサを収容させた状態で、前記板バネの底板に前記受光センサを当接させ、当該板バネの側板の開口を前記側壁の係合片に係合させることで、当該板バネによって前記受光センサを該結像レンズユニットに保持させ、
前記結像レンズユニットのボス部を前記実装用基板に当接させ、前記受光センサのリードを当該実装用基板のスルーホールに挿通することで、前記結像レンズユニットを前記実装用基板に実装したことを特徴とする光学情報読取装置。
【請求項2】
リードを有する複数の受光センサと、該受光センサ上に撮像対象の画像を結ぶ複数の結像レンズと、該受光センサを実装する実装用基板とを備える光学情報読取装置において、
前記複数の受光センサを保持するための1対の側板と底板とから成るコ字形状の板バネであって、前記1対の側板に開口の形成された1枚の板バネと、
前記複数の結像レンズを保持する1個の結像レンズユニットであって、前記複数の受光センサをそれぞれ収容することで撮像対象の画像を結ぶように構成された下端の複数の収容部と、該下端から立設する側壁と、該側壁から側方へ延在する係合片と、該下端から下方へ延在するボス部とを備える結像レンズユニットと、を備え、
前記結像レンズユニットの複数の収容部内に前記受光センサをそれぞれ収容させた状態で、前記板バネの底板に前記受光センサを当接させ、当該板バネの側板の開口を前記側壁の係合片に係合させることで、当該1枚の板バネによって前記受光センサを該結像レンズユニットに保持させ、
前記結像レンズユニットのボス部を前記実装用基板に当接させ、前記複数の受光センサのリードを当該実装用基板のスルーホールに挿通することで、前記結像レンズユニットを前記実装用基板に実装したことを特徴とする光学情報読取装置。
【請求項3】
前記係合片は、断面逆三角形形状に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学情報読取装置。
【請求項4】
前記受光センサは、SOPタイプであって、リードが前記実装用基板のスルーホールに挿通するようにフォーミングされていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1の光学情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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