説明

光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの製造方法

本発明の目的は、光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造するための新規な製造方法を提供することである。本発明によれば、ケトン基を水酸基に還元する活性を有する微生物を使用して、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に還元することを含む、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、医薬品の原料として有用な光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの製造方法に関する。
【背景技術】
プロスタグランジン類は微量で種々の重要な薬理学的、生理学的作用を発揮することから多数の誘導体の合成がなされ、生物活性の検討がなされてきた。このようなプロスタグランジン誘導体の1つとしてオメガ鎖の13−14位に三重結合を有し、末端にシクロヘキシル基を有するプロスタグランジンE誘導体がある(特開平7−233144号公報など)。かかるプロスタグランジンは製造工程も多く、医薬品として開発するためには安価な原料の供給が必要である。
プロスタグランジン誘導体を製造する上での原料の1つとして1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールがある。この化合物の製造法としては、これまで有機化学合成または酵素学的合成の手段を用いた製造法が知られている(米国特許第4,608,388号公報、および特開平3−259094号公報)。
しかし、有機化学合成方法は高価な光学分割剤もしくは触媒等を使用する必要があることや生成物の光学純度が低いことなどの問題があり、酵素を用いた製造法(不飽和アルコールエステルを加水分解し、光学活性な不飽和アルコールを得る)についても化学収率、および光学純度の点でなお問題を有する。
一方、有機化合物合成に微生物反応を利用することがある。微生物変換による有機化合物合成の例としては、例えば、ノカルジア属とストレプトミセス属微生物を用いたビタミンDの水酸化反応やキャンデイダ属微生物やゲオトリカム属の菌体パウダーを用いたケトン体から光学活性なアルコールを得る還元反応を挙げることができる(特開平6−225777号公報、特開平9−234088号公報、および特開平2−469号公報)。
しかし、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンでは変換反応が進むか否か不明であり、特に光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの製造法についてはこれまで報告がない。
【発明の開示】
本発明の目的は、光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造するための新規な製造方法を提供することである。本発明の別の目的は、本発明の方法により製造した1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを用いてプロスタグランジン誘導体を製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った結果、特定の微生物等を利用することにより、光学純度の高い1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オール製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、ケトン基を水酸基に還元する活性を有する微生物を使用して、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に還元することを含む、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの製造方法が提供される。
好ましくは、本発明の方法は、ケトン基を水酸基に還元する活性を有する微生物の菌体またはその処理物、該微生物の培養液、または該微生物が産生するケトン基を水酸基に還元する活性を有する酵素と1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンとを接触させてケトン基の還元反応を行うことを含む。
好ましくは、該微生物が、糸状菌である。さらに好ましくは、該微生物は、ゲオトリカム(Geotrichum)属、エンドミセス(Endomyces)属、ガラクトミセス(Galactomyces)属およびディポダスカス(Dipodascus)属からなる群より選ばれる1種以上の微生物である。特に好ましくは、該微生物は、ゲオトリカム・キャンディダム(Geotrichum candidum)、ゲオトリカム・アルミラリエ(Geotrichum armillariae)、ガラクトミセス・ゲオトリカム(Galactomyces geotrichum)、ガラクトミセス・レッシイ(Galactomyces reessii)、およびエンドミセス・ゲオトリカム(Endomyces geotrichum)からなる群より選ばれる1種以上の微生物である。
好ましくは、本発明の方法においては、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に立体選択的に還元して、光学活性な1−ジクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造する。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の方法により1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造し、次いで、製造した1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを用いてプロスタグランジン誘導体を製造することを含む、プロスタグランジン誘導体の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に還元することにより1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造するための、ケトン基を水酸基に還元する活性を有する微生物の使用が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、IFO4597株を用いて反応して得られた各光学活性なシクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの1H−NMR(CDCl3、500MHz)を示す。
図2は、IFO4597株を用いて反応して得られた各光学活性なシクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの13C−NMR(CDCl3、125MHz)を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明による1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの製造方法は、ケトン基を水酸基に還元する活性を有する微生物を使用して、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に還元することを特徴とする。
本発明に使用される微生物は、所望の還元活性を有するものであれば特に限定されないが、好ましくは糸状菌であり、さらに好ましくはゲオトリカム(Geotrichum)属、エンドミセス(Endomyces)属、ガラクトミセス(Galactomyces)属またはディポダスカス(Dipodascus)属である。最も好ましくは、ゲオトリカム・キャンディダム(Geotrichum candidum)IFO4597、IFO4599、IFO4601、IFO5767、IFO9540、IFO31810、JCM1747、JCM5222、JCM6259、JCM6263、ゲオトリカム・アルミラリエ(Geotrichum armillariae)JCM2454、ガラクトミセス・ゲオトリカム(Galactomyces geotrichum)JCM1945、ガラクトミセス・レッシイ(Galactomyces reessii)JCM1944、エンドミセス・ゲオトリカム(Endomyces geotrichum)IFO9541、IFO9542である。これらはいずれも理化学研究所微生物系統保存施設(JCM)または財団法人発酵研究所(IFO)の保存株であり、容易に第三者が入手することができる。
また、これらの微生物の有する還元酵素の遺伝子を導入した微生物であって、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に立体選択的に還元する微生物を用いることもできる。
あるいはまた、スポロボロマイセス(Sporobolomyces)属酵母由来のカルボニルレダクターゼ遺伝子(特開平08−103269号公報)やキャンディダ(Candida)属酵母由来のカルボニルレダクターゼ遺伝子(米国特許第6,218,156号公報)を導入した細胞を用いることもできる。
また、微生物の菌体または胞子を例えば紫外線照射処理やNTG(N−methyl−N’−nitro−N−nitrosoguanidine,1−methyl−3−nitro−1−nitrosoguanidine)処理等をすることによって変異させ、より好ましい微生物を取得して得ることもできる。
本発明における反応に必要な微生物の菌体を得るためには、好気条件下で菌株の培養を培地中で行う。培地は主として液体培地を用い、炭素源としてグルコース、マルトース、デキストロース、スターチ、オートミール、アラビノース、キシロース、シュクロース、を単独または混合して用いる。窒素源としては、ペプトン、カゼイン、ポリペプトン、大豆ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンスチープリカー、マルトエキス、綿実粕、グルテンミールおよび大豆粉などを単独または混合して用いる。以上に換えて、市販の混合培地(栄研製GP培地など)を用いてもよい。その他、本菌株の生育を助け光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの生産を促進する有機物および無機物を必要により添加することができる。
培養方法としては、振とう培養、通気攪拌培養などの好気的条件下、pH5〜8、22〜30℃で1〜5日間培養することが好ましい。
本発明においては、上記した培養により得られた微生物の菌体またはその処理物、該微生物の培養液、または該微生物が産生するケトン基を水酸基に還元する活性を有する酵素を使用することによって、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの(S)体または(R)体すなわち光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造する反応を行う。
反応に用いる菌体は、生菌体のままで使用してもよく、菌体処理物、例えば、菌体破砕物、凍結乾燥などの処理を施した処理物を使用してもよい。また、上記微生物の培養液を使用することもでき、さらにまた上記微生物が産生するケトン基を水酸基に還元する活性を有する酵素を使用することもできる。上記酵素は、慣用の方法を適宜組み合わせて精製することにより得ることができる。上記した微生物菌体やその菌体が産生する酵素は、光架橋性樹脂プレポリマー、たとえばENT3400(商品名;関西ペイント(株)製)などや、ウレタン・プレポリマー、たとえばPU−9(商品名;東洋ゴム製)などやκ−カラギナンなどの多糖類に固定化してから反応に用いることもできる。反応系における菌体濃度は、目的化合物の光学純度および反応速度が低下しない範囲で適宜選択できる。
上記の通り、本発明においては、培養により得られた微生物の菌体そのものを使用する以外に、例えば、培養中の菌体を含む培養液に基質を添加するか、培養終了後、遠心分離または濾過により分離した菌体を破砕処理してその産生する酵素を抽出しこれに基質を添加して反応することもできる。また、反応液中にα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等のシクロデキストリン類や、アンバーライトXAD−7(商品名;オルガノ(株)製)等の吸着剤等の有機物、あるいはツイーン80等の界面活性剤や塩化マグネシウムなどの無機塩を、反応を促進させる目的で添加することができる。
本発明において用いられる反応溶液は、前記培地を用いて培養した培養液であるか、あるいはトリス酢酸、トリス塩酸、コハク酸ナトリウム−コハク酸、コハク酸カリウム−コハク酸、クエン酸ナトリウム−クエン酸、カリウムおよびナトリムなどのリン酸塩、カコジル酸ナトリウム−塩酸、イミダゾール−塩酸、ホウ酸−ホウ砂などの緩衝液を単独または混合したものである。その他、溶液には目的の光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの生産を促進させる有機物、界面活性剤および無機塩を必要により添加することができる。
本発明においては、前記菌体を含有する溶液中で振とう操作、通気攪拌培養操作等に付して好気条件下で行うことが適しており、pH5〜9、18〜37℃で1〜10日間振とう攪拌するととが好ましい。また、必要により酸素気流下またはアルゴンや窒素などの不活性ガス気流下で反応することができる。基質は振とう攪拌開始時に適量添加することが好ましい。
また、培養中の菌体を含む培養液を用いる場合は基質を添加後、さらに上記と同条件下で反応を行う。
これらの反応により製造された光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを単離するには、合成反応液から2級アルコールを単離する一般的な方法に準じて行えばよい。例えば、反応終了後、反応液を酢酸エチル等の有機溶媒で抽出する。この有機溶媒層を分取し濃縮した後、順相シリカゲルカラム(キーゼルゲル60F254またはローバーカラムSi60、メルク社製)または逆相シリカゲルカラム(ローバーカラム、リクロプレップC18、メルク社製)を用いて精製することにより、目的の光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを単離することができる。また、セファデックスLH−20(ファルマシア製)等を用いた分配クロマトグラフィーやシリカゲルの薄層クロマトグラフィーおよびダイヤイオンHP−20(商品名;三菱化成工業社製)等によっても光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを単離することができる。
上記の通り、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に還元することにより1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造するために、ケトン基を水酸基に還元する活性を有する微生物を使用することができる。上記した微生物の使用は、その態様を問わず、全て本発明の範囲内のものとする。
さらに本発明においては、上記の方法により製造した1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを用いてプロスタグランジン誘導体を製造することができる。1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを用いてプロスタグランジン誘導体を製造する方法は公知であり、例えば、F.Sato,J.Org.Chem.,1991,56,3205−3207、および特許第2917552号などに記載されている。
本出願の優先権主張の基礎となる出願である特願2002−344707号の明細書に開示した内容は全て、本明細書の開示の一部として本明細書中に引用するものとする。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
【実施例】
【実施例1】
試験に供する菌株をそれぞれ50mlの三角フラスコに入れた5mlのGP培地(栄研化学製)に植菌し、17時間30℃で通気攪拌培養した。培養後、それぞれの三角フラスコに1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンを20mg添加し、引き続き24時間同じ条件で培養し、微生物変換を行った。
培養終了後、各培養液に酢酸エチル5mlを加えて攪拌し溶媒抽出を行った。抽出後、各酢酸エチル画分を濃縮し、TLC分析を行った。
TLCプレート;シリカゲルSi60(メルク製)
展開溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:4
発色;アニスアルデヒド:濃硫酸:酢酸=1:2:100(ホットプレートにて105℃加熱処理する)
1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールのラセミ体のRf値:0.3
TLC分析の結果、TLC上のRf値が標準品のRf値(0.3)と一致し、かつ同じ呈色(橙〜ピンク色)を示したスポットを検出し、還元化合物1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを得た。この1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの検出が顕著であった菌株を以下に挙げる。


【実施例2】
表3に示した各菌株(菌株番号は表1、2と同じ)を、それぞれ200mlの三角フラスコに入れた40mlのGP培地(栄研化学製)に植菌し、17時間30℃で通気攪拌培養した。培養後、培養液を遠心分離して菌体を集め、それぞれリン酸ナトリウム緩衝液(100mM、pH7.5)に40mlに各菌体を懸濁し別々に200ml三角フラスコに入れた。この三角フラスコそれぞれに200mgの1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンを添加し、30℃で通気攪拌しながら24時間インキュベートして、微生物変換を行った。
反応終了後、各菌体懸濁液に酢酸エチル40mlを加えて攪拌し溶媒抽出を行った。抽出後、各菌体反応物の酢酸エチル画分を濃縮し、シリカゲルカラム(ローバーカラムサイズA、シリカゲル60、メルク製)に付した(溶出溶媒n−ヘキサン:酢酸エチル=1:20、250ml)。実施例1に記したTLC条件により還元化合物1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを検出させ、この画分を集め濃縮乾固した。
これらをn−ヘキサン:2−プロパノール=4:1の混合溶媒1.5mlに溶解しキラルカラムを用いたHPLC分析による光学純度測定を行った。
カラム:ダイセル化学工業製 キラルセルOD 4.6mmφ×250mm(2本直列に接続)
移動相:ヘキサン/2−プロパノール=97/3
流速: 1.0ml/min
温度: 40℃
波長: 220nm
保持時間:
(−)−(1S)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オール:7.49分
(+)−(1R)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オール:8.25分
各菌株の菌体反応による1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの光学純度(エナンチオ過剰率%ee)を表3に記す。なお、(−)−(1S)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを(S)−体、(+)−(1R)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを(R)+体で記した。

また、IFO4597株を用いて得られた化合物のNMRの結果を図1、2に示す。単離した各光学活性なシクロヘキシル−2−プロピン−1−オールのNMRは化学合成で得られた(−)−(1S)−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールのNMRと完全に一致した。
【産業上の利用可能性】
本発明の方法により1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンの1位カルボニル基炭素原子を立体選択的に直接還元し、光学純度の高い1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造することが可能になった。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケトン基を水酸基に還元する活性を有する微生物を使用して、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に還元することを含む、1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールの製造方法。
【請求項2】
ケトン基を水酸基に還元する活性を有する微生物の菌体またはその処理物、該微生物の培養液、または該微生物が産生するケトン基を水酸基に還元する活性を有する酵素と1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンとを接触させてケトン基の還元反応を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該微生物が、糸状菌である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
該微生物が、ゲオトリカム(Geotrichum)属、エンドミセス(Endomyces)属、ガラクトミセス(Galactomyces)属およびディポダスカス(Dipodascus)属からなる群より選ばれる1種以上の微生物である、請求項1から3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
該微生物が、ゲオトリカム・キャンディダム(Geotrichum candidum)、ゲオトリカム・アルミラリエ(Geotrichum armillariae)、ガラクトミセス・ゲオトリカム(Galactomyces geotrichum)、ガラクトミセス・レッシイ(Galactomyces reessii)、およびエンドミセス・ゲオトリカム(Endomyces geotrichum)からなる群より選ばれる1種以上の微生物である、請求項1から4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に立体選択的に還元して、光学活性な1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載の方法により1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造し、次いで、製造した1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを用いてプロスタグランジン誘導体を製造することを含む、プロスタグランジン誘導体の製造方法。
【請求項8】
1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オンのケトン基を水酸基に還元することにより1−シクロヘキシル−2−プロピン−1−オールを製造するための、ケトン基を水酸基に還元する活性を有する微生物の使用。

【国際公開番号】WO2004/048586
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【発行日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555042(P2004−555042)
【国際出願番号】PCT/JP2003/015071
【国際出願日】平成15年11月26日(2003.11.26)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【Fターム(参考)】