説明

光学的に誘導される栄養管、カテーテルおよび関連方法

本発明は、経鼻胃栄養管および経鼻腸栄養管を適正に配置し、それらの栄養管が適正に配置されていることを確認する、安全かつ容易で、費用効果に優れた手段のための装置および方法を提供する。具体的には、栄養物および/または薬物を胃腸管に送達するように機能可能な管と、光源、可撓性の光ファイバまたはカメラ、およびレンズを含む光学システムと、舵取りシステムとを含む統合栄養装置が開示される。このシステムの構成要素、すなわち光学システムおよび舵取りシステムをこの管に組み込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導された配置および正しく配置されていることの確認を、胃腸管の内部解剖学的構造を見るための光学系を使用することによって可能にする、栄養管および他のカテーテルに関連する装置および方法に関する。ある態様では、本発明は、経鼻胃の栄養管、経鼻栄養の栄養管および経皮の栄養管、ならびにこのような管の配置に関する。他の態様では、本発明は、流体を排出し、かつ/または除去するためのカテーテルに関する。したがって、本発明は、生物学、物理学、材料科学および工学の分野に関係する。
【背景技術】
【0002】
経鼻胃栄養管および経鼻腸栄養管は、経口摂取に障害を持つ患者を治療する際に決定的に重要な役割を演じる。これらの栄養管の配置は、救急処置室、病棟および集中治療室を含む全米の多数の臨床環境において日常業務として実施されており、全体で年間120万本超の管が使用されている。栄養管を配置する現時点で最も一般的な方法は、ブラインド配置であり、ブラインド配置は、栄養管配置の70パーセントを占めると推定される。ブラインド配置は、看護師または他の病院職員によって病室で実施されており、視覚機器を使用せずに、栄養管を、鼻から、食道を通して胃または小腸に挿入することを含む。
【0003】
看護師または他の病院職員は、前進している栄養管の遠位端を見ることができないため、このプロセスにおいて、栄養管が不正確に配置されることがある。極端な場合には、看護師または他の開業医が、栄養管は適正に胃腸管の中へ入っていっているものと信じて栄養管を前進させ続けている間に、栄養管の遠位端が頭蓋内および患者の脳内へ入ることもある。
【0004】
より一般的には、栄養管の誤配置は、肺への配置もしくは肺の穿刺、または食道の穿刺を含む他の深刻な事態に帰着する。経鼻腸栄養管の全ブラインド配置の3.2パーセントが、肺への栄養管の配置に帰着すると推定されている。約1.2パーセントの配置では、患者の肺に穴が開く。ブラインド配置の0.5パーセントでは、この手技の結果、患者が死亡する。集中治療室だけでも、栄養管の不適正な配置が原因で、毎年最大6,000人の患者が死亡していると推定されている。
【0005】
さらに、栄養管を通して肺の中へ栄養溶液を供給すると、肺炎を発症し、合併症の発現頻度および死亡率が高まる。したがって、栄養管が適正に配置されていることを保証することが決定的に重要である。残念なことに、栄養管を配置する一般的な多くの方法が、患者を重大な危険にさらす。
【0006】
管が適正に配置されていることは、胸部X線法、pH試験、聴診法または蛍光透視法を含むさまざまな試験を使用して確認される。しかしながら、これらの試験は、配置後の既に問題が生じている可能性があるときに、位置の確認を試みるだけに過ぎない。例えば、栄養管が実際に肺の中に置かれていることが蛍光透視法またはX線法によって確認された場合、そのことが確認されるのは、肺穿刺または肺組織に対する他の損傷の可能性が生じた後になってからである。さらに、X線画像化および蛍光透視法はしばしば使用されるが、これらはともに、位置、すなわち横隔膜よりも低い配置の2次元での位置の指示だけを提供する。多くの場合に、配置の確認は、胃腸管内に配置されているときではなく、栄養管が実際に肺を通過し、横隔膜に沿っているときになされる。さらに、X線法または蛍光透視法よる確認は、胃ではなく小腸に配置されることをはっきりとは確認しない。一般に、栄養溶液を吸引する危険を防止するため、小腸に配置することが好ましい。
【0007】
さらに、これらの術式の一部は、追加の限界および欠点を有する。例えば、蛍光透視検査およびX線確認には400ドル以上かかることがあり、また、患者および開業医を有害な放射線にさらす。患者が妊婦または子供である場合、このような放射線への曝露はたいへん望ましくない。さらに、このような確認手技の使用は、栄養管が配置された後、栄養供給を開始できるようになるまでに患者が待たなければならない時間を相当に長くする。このことにより、栄養管配置を命じてから、配置を確認し、栄養の供給を開始するまでの平均時間は、22〜26時間である。管が不適正に配置された場合には、このプロセスを繰り返さなければならないため、栄養の供給を始めるまでの待ち時間はよりいっそう長くなりうる。この時間の間、患者は、栄養および栄養管を通して送達することができる薬物を得ることができない。
【0008】
患者管を受け取る患者に共通する他の問題は、患者の意識がはっきりしていないことがしばしばあることである。患者は、部分的に落ち着いていることもあり、またはせん妄状態にあることもある。したがって、以前に配置された栄養管を患者が引き抜いてしまうことは珍しいことではない。それによって手技の繰返しが必要となり、患者は再び前述の危険にさらされる。したがって、栄養管を配置するより単純でより安全な方法が非常に望ましいと言える。
【0009】
栄養管を配置し、確認する代替の方法は、内視鏡を使用する方法である。内視鏡は一般に、患者の口に挿入され、食道を通過し、少なくとも胃の中へ入るまで、好ましくは幽門括約筋を通過して十二指腸に入るまで、下方へ進められる。いくつかの用途では、適正な位置までガイドワイヤが進められ、内視鏡が除去される。次いで、口からの配置から鼻からの配置へガイドワイヤを移行させるように、このガイドワイヤが操作され、ガイドワイヤに沿って、栄養管が所望の位置まで進められる。
【0010】
他の用途では、内視鏡の作業通路内に(または内視鏡の側面に沿って)栄養管が担持される。栄養管は、栄養管が配置された後に、栄養管の周囲から内視鏡を取り外すことができる十分な長さを有する。次いで、栄養管は切断され、栄養供給用の適当なアダプタが取り付けられる。
【0011】
内視鏡を使用した配置および確認は有利だが、欠点もいくつかある。第1に、内視鏡の使用は通常、かなりの技能を要求し、一般に医師によって実行され、しばしば、適正に訓練された医師が栄養管の配置に応じられるようになるまで待つ必要がある。第2に、内視鏡は一般に口を通して配置されるため、栄養管を経鼻腸的に使用する場合には、追加の手技を使用しなければならない。この追加の手技は、鼻を通してある構造物を前進させ、口から出し、栄養管(またはガイドワイヤ)の端をその構造物に固定し、次いでその構造物および栄養管の端を鼻から引き出すことを含む。第3に、内視鏡手技の使用では、使用するたびに、内視鏡を滅菌しなおす必要がある。最後に、この手技では通常、手技の危険性および費用を増大させる意識の鎮静化が必要である。
【0012】
これまでに参照した栄養管を配置する方法はそれぞれさらに、栄養管が適正に配置されていることを後に確認することに関する問題を有する。患者が動くと、栄養管の遠位端が腸から外れ、胃の中で丸まることがある。患者に関する具体的な懸念事項に応じて、栄養管が適正に配置されていることを定期的に確認する必要があることがある。このことが、栄養管が適正に配置されていることを保証するための追加のX線法、pH試験、聴診法もしくは蛍光透視法、または別の内視鏡の使用を要求することがある。配置を確認するこれらの方法はそれぞれ、前述の欠点を有する。
【0013】
したがって、より都合よく配置することができ、それを使用して、放射線法または他の伝統的な確認方法を必要とすることなく配置を確認することができる栄養管を提供することが望ましいと言える。さらに、看護師および他の医療職員がこのような栄養管および使用方法を実施することができれば有利であろう。
【0014】
経鼻胃栄養管および経鼻腸栄養管に加えて、前進、配置および確認に対して直接可視化を利用する経皮胃空腸栄養管(percutaneous gastrojejunal feeding tube)(PEGJ)内の改良型の空腸延長管も有用であろう。PEGJ管に関しては、現在のところ、既存の胃瘻造設術管または瘻を通して、空腸延長管を小腸内へ通さなければならない。これは、蛍光透視法または内視鏡法を使用して小腸管内へワイヤを前進させることによって実行され、次いで、このワイヤに空腸栄養管を通して、空腸栄養管を小腸(空腸)内へ入れる。直接可視化および/または舵取り機構を有する空腸延長管は、以前に述べた内視鏡法または蛍光透視法を使用することの欠点を生じることなく同じ作業を実行することができる。
【0015】
改良型の栄養管の他に、洗浄/注入および排液のための長期の可視化およびアクセスが有益な別の状況もある。例えば、膵胆(pancreatobiliary)感染症では、総胆管(または関連する管)が塞がれ、十二指腸への流体の流入が制限されることが珍しくない。膵胆管から総胆管を経て十二指腸への膿汁の適正な排出を可能にするために、一般に、膵管または総胆管内にシャントまたはステントを配置する、内視鏡または他のカテーテルに基づく方法が使用されている。状況が改善されたら、内視鏡または他の装置を十二指腸内へ戻して、シャントまたはステントを取り出すことができる。もちろん、状況が十分に改善されたかどうか、装置が誤っては配置されていないかどうか、または単純に症状が低減したかどうかを言い当てることはしばしば困難である。
【0016】
これらの手技ならびに体内での他の手技では、排液に使用される構造物が適正に配置されていることを保証するため、ならびに治癒および/または排液が生起したのかどうか、治癒および/または排液がどのくらいの速さで生起したのかを判定するために、医療職員が冒された領域を見ることを可能にするために、継続的な表示力(viewing capacity)を提供すると有利なことがある。これらの臨床的状況において、このような装置は、誘導、配置、確認および再確認について、蛍光透視法および/もしくは内視鏡法に取って代わり、または蛍光透視法および/もしくは内視鏡法を助けることができる。さらに、このような留置装置を使用して、膿汁または他の体液を体腔から排出すること、ならびに洗浄および抗生物質を含む薬物の注入のための導管を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明は、栄養管および/または排液管を体内に適正に配置し、それらの管が適正に配置されていることを確認する、安全かつ容易で、費用効果に優れた手段のための装置および方法を提供する。この方法は、配置を簡単にすることができ、さらに、医療職員が、配置を適正に行い、最初の配置を確認し、必要なときに配置を再確認することを可能にすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
具体的には、本発明の一態様によれば、統合された栄養管装置が提供される。この装置は、栄養物および/または薬物を胃腸管に送達するように機能可能な管と、光学システム(この光学システムは、可撓性の光ファイバなどの光源と、レンズに取り付けられた光ファイバ、小型カメラなどの画像伝送装置とを含むことができる)とを含む。
【0019】
この管はさらに舵取りシステムを含むことができる。したがって、このシステムの構成要素、すなわち光学システムおよび舵取り装置は全て、栄養管に組み込むことができる。
本発明の他の態様では、被験者の胃腸管内に栄養管を配置する方法が提供される。この方法は、前述の栄養管などの統合栄養管装置を用意するステップと、統合栄養管装置の遠位端を被験者の鼻通路または口通路に挿入するステップとを含む。統合栄養管を鼻通路および咽頭を通して前進させるときに、栄養管が食道に沿って下方へ誘導されており、喉頭を過ぎて、気管および気管支に入っていないことを保証するため、前記光学システムを使用して、栄養管に隣接する組織を見る。栄養管が気管および気管支に入ると、栄養管が肺に穴をあける可能性がある。さらに、この光学システムを使用して、カテーテルの先端が食道の側面に引っかかっていないことを保証することができる。カテーテルの先端が食道の側面に引っかかると、組織を損傷する可能性がある。
【0020】
栄養管の遠位端を胃の中に置くこともできるが、遠位端を、胃を過ぎて、幽門括約筋を通して十二指腸または空腸内へ前進させることがしばしば好ましい。これは、逆流の危険を最小化し、ある種の臨床状況においてしばしば都合よく機能しない胃を迂回する。
【0021】
この光学システムは、医師または看護師が、栄養管を誘導すること、および栄養管の遠位端が胃腸管内に適正に配置されていることを確認することを可能にし、この手技は一般に、ブラインド配置よりも短い時間ですみ(一般に1/4以下)、それによって患者の不快感を低減させる。さらに、光学的確認を用いた配置中に、肺への配置または肺の穿刺および頭蓋への配置といった問題を簡便に回避することができる。最後に、遠位端の配置が確認された後、栄養管を使用して、栄養溶液および患者に必要な薬物を送達することができる。したがって、放射線法などによって配置を確認するのを24時間以上待つ代わりに、栄養管を最初に配置してから30分以内に栄養の供給を開始することができる。
【0022】
本発明の一態様によれば、配置中に制御ユニットを使用することができ、この制御ユニットは、表示画面などの画像表示装置と舵取り要素とを含むことができる。この制御ユニットは、取外し可能に栄養管から取り付けることができる。栄養管の配置が確認されたらすぐに、制御ユニットを取り外し、その制御ユニットを、追加の栄養管の追加の配置または確認のために使用することができる。
【0023】
本発明の他の態様によれば、制御ユニットを再び栄養管に取り付けることができる。例えば、医師が、栄養管の遠位端の配置を再確認したい場合には、単に、制御ユニットを栄養管に再び取り付け、表示画面上の画像をチェックすればよい。胃腸管に沿った所望の位置に栄養管の遠位端が留まっている場合には、制御ユニットを取り外し、栄養の供給を継続する。しかしながら、所望の位置ではない位置に栄養管が移動していた場合には、制御ユニットを使用して、所望の位置に栄養管を再び配置することができる。内視鏡による従来の確認とは違い、滅菌された内視鏡を患者の咽喉を通して下方へ前進させる必要はなく、蛍光透視法またはX線法とは違い、患者は追加の放射線にさらされない。
【0024】
制御ユニットを栄養管から取り外せば、この栄養管を、従来の栄養管と同じように使用することができる。しかしながら、医療職員が、栄養管の配置を保証したいとき、または栄養管の遠位端に隣接する組織を観察したいときには、制御ユニットが再び栄養管に取り付けられ、それによって視覚による配置の確認が提供される。このように、この栄養管は、栄養を供給する目的と胃腸管の部分を観察する目的の両方に対して使用することができる。
【0025】
本発明の他の態様によれば、前記光学システムが、光学システムの遠位端を洗浄して視界をよくする目的に使用することができる洗流しルーメンを備える。溶液、空気または他の流体を洗流しルーメンに通して、視界を改善することができる。洗流しルーメンは、光学システムを担持したルーメンと同じルーメン内に形成することができ、それにより、経腸栄養を送達するために使用されるルーメンの洗流とは別に、光学システムを洗浄することができる。
【0026】
本発明の他の態様によれば、洗浄を容易にし、光学システムのレンズに対する潜在的な損傷を低減させ、栄養管内の光学システムによって提供される視界を改善するために、光学システムを、前記ルーメン内に、栄養管の長軸に向かって焦点が合わせられるように配置することができる。
【0027】
本発明の他の態様によれば、カテーテルが、組み込まれた光学システムと、体の一部分から体の別の部分へ流体が流れることを可能にするシャントの役目をカテーテルが果たすことを可能にする流路とを備えることができる。例えば、カテーテルの遠位端を、鼻、食道、胃を通して膵管または胆管内へ前進させることができる。この光学システムは、関心の組織、すなわち膵臓または胆管を見ることを可能にし、例えば膵胆管から膿汁が依然として放出されているかどうかを観察することによって、医師が状態をチェックすることを可能にする。膵臓、総胆管などが正常に戻った後に、カテーテルを引き抜くことができる。したがって、患者は、侵襲性の配置を1回だけ受け、医師は、冒された領域を所望の時刻に見ることができる。
【0028】
本発明の他の態様によれば、光学システムを含む管が栄養ルーメン内に配置された栄養管が提供される。医療職員が、胃腸管内の栄養管の前進を観察することを可能にするために、栄養管が経鼻腸的に(または経口腸的(oroenterically)に)配置される間、光学システムは栄養ルーメン内に留まる。栄養管が所望の位置に配置された後、光学システムを含む管を取り出し、栄養ルーメンを経腸栄養などのために使用することができる。栄養管の位置を後に確認したい場合には、栄養ルーメンを洗流し、栄養ルーメンに沿って光学システム管を再び前進させることができ、この光学システム管は、視覚による確認を可能にすることができる。しかしながら、この光学栄養管は、内視鏡を使用するよりもはるかに安価であり、再滅菌せずに廃棄することができる。さらに、この光学栄養管は、内視鏡を口から通すことを必要とせず、ガイドワイヤの使用も必要としない。
【0029】
本発明の他の態様によれば、本発明の原理に従って製作された栄養管を、経皮胃空腸栄養管(PEGJ)内の改良型の空腸延長管として使用することができる。この栄養管は、前進、配置および小腸への配置の確認のための直接可視化を提供し、空腸延長管を配置するのに、ガイドワイヤおよび蛍光透視法または内視鏡を使用しない。この光学システムおよび舵取りを使用することによって、本発明に従って製作された栄養管は、前述の内視鏡法または蛍光透視法を使用する欠点を生じることなく、従来の空腸栄養管と同じ作業を実行することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、配置がより容易になり、栄養管の全体的な使用機会が増える可能性がある。例えば、栄養管を配置するために患者を病院へ運ぶ必要なしに、介護施設の看護師が、食物を飲み込むことが困難になる病気に罹った中高年の患者の体内に栄養管を配置することができる。同様に、インフルエンザに罹って液体を飲み込むことができない子供がいる小児科診療所において、小児科医、看護師または医師の助手が、ごく少ない訓練で、栄養管を配置することもできる。この栄養管を配置する訓練を受けることができる健康管理提供者には、医師、医師助手、看護師、ナースプラクティショナー、登録栄養士などが含まれる。
【0031】
本発明の以下の詳細な説明をより完全に理解することができるように、また、当技術分野に対する本発明の貢献がより十分に理解されるように、本発明のより重要な特徴をかなり広く概説した。本発明の他の特徴は、添付図面および特許請求の範囲に関する本発明の以下の詳細な説明からより明瞭となり、または本発明を実施することによって知ることができる。
【0032】
本発明の追加の特徴および利点は、添付図面に関する以下の詳細な説明から明白であり、この詳細な説明および添付図面はともに本発明の諸特徴を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1A】栄養管を配置するために使用される先行技術に基づく装置のさまざまな構成要素を示す図である。図1Aは、ガイドワイヤを有する栄養管を示す図である。
【図1B】図1Bは、ガイドワイヤを有する挿管チューブを示す図である。
【図1C】図1Cは、ガイドワイヤの曲がった端部の拡大図である。
【図2A】本発明の原理に従って形成された経鼻腸栄養管の断面図である。
【図2B】本発明に従って形成された栄養管の代替構成の断面図である。
【図3】光学的に誘導される本発明の一態様に基づく栄養管システムの透視図である。
【図4】図4は、本発明の他の態様に従って形成された栄養管と制御ユニットとを含む、光学的に誘導される栄養管システムの分解透視図である。
【図4A】制御ユニット用の代替アダプタを示す図である。
【図5】本発明の原理に従って患者の体内に配置された経鼻腸栄養管によって栄養が供給されている患者の断面図である。
【図6A】栄養管の近位端に配置され、または栄養管の近位端に隣接して配置された制御ユニットアダプタの拡大図である。
【図6B】栄養管の制御ユニットアダプタの代替構成の拡大図である。
【図6C】図6Bに示された制御ユニットの拡大透視図である。
【図7】配置時に栄養管の舵を取ることができる、本発明の原理に従って製作された栄養管の遠位端の拡大断面図である。
【図8】本発明の原理に従って製作された本発明に従って製作された栄養管の遠位端の拡大断面図である。
【図9】光学システムの遠位端を洗浄する流体流を制御するためにカテーテルの遠位端に配置されるように構成されたエンドキャップの透視図である。
【図10】遠位端に隣接した位置の栄養管の断面図であり、バルーン固定装置は既に展開されている。
【図10A】光学システムルーメン内に流体流路を形成するために光学システムの遠位端をその場に保持するスリーブを備える栄養管の遠位端の側断面図である。
【図11】固定装置の役目を果たすステントを備える、図10Aの側断面図と同様の側断面図である。
【図12】栄養管の遠位端の固定を助けるためにコイル136C固定装置が配置された、本発明の原理に基づく栄養管の遠位端の端面図である。
【図12A】バルーンまたはステントの代わりに固定装置の役目を果たすコイルを備える栄養管の側断面図である。
【図13】栄養管の遠位端の向う側に位置する組織がより中央に見えるように光学システムを偏向させた光学システム/流体ルーメンの側断面図である。
【図14】挿入または定期的な観察のために栄養ルーメンの中に光学システムが配置された栄養管の代替実施形態を示す図であり、この光学システムは、栄養供給の際には引き抜かれる。
【図15】光学システムおよび排液ポートを有し、膵臓の可視化および膵臓からの流体の排出を可能にするために遠位端が膵管内に配置されたカテーテルの一実施形態を示す図である。
【図16】経皮胃空腸栄養管(PEGJ)内の空腸延長管として使用される、本発明の原理に従って形成された栄養管を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、以下の詳細な説明によって、これらの図面をさらに説明する。なお、これらの図面の尺度は必ずしも一律ではなく、これらの図面は単なる例に過ぎず、そのため、示された寸法および幾何形状とは異なる寸法および幾何形状を使用することができる。
【0035】
定義
本発明を開示し、説明する前に、本発明は、本明細書に開示された特定の構造、プロセスステップまたは材料に限定されず、当業者および特許請求の範囲に記載された用語によって認識されるそれらの構造、プロセスステップまたは材料の等価物にまで拡張されることを理解すべきである。本明細書で使用される用語は、本発明の特定の態様を説明する目的にのみ使用され、本明細書で使用される用語が、本発明を、示された態様または実施形態に限定することは意図されていないことも理解すべきである。
【0036】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈からそうでないことが明らかでない限り、複数の指示物を含むことがあることに留意しなければならない。したがって、例えば、「光ファイバ(an optical fiber)」と言うときには、そのような1つまたは複数の光ファイバを含むことがあり、「レンズ(the lens)」と言うときには、そのような1つまたは複数のレンズについての言及を含むことがある。
【0037】
本明細書で使用されるとき、「被験者」または「患者」は、本発明の装置および方法から利益を得る可能性がある哺乳類を指す。被験者の例には人間が含まれ、ウマ、ブタ、ウシ、イヌ、ネコ、ウサギならびにその他の陸生および水生哺乳類など、他の動物も含まれる。
【0038】
本明細書で使用されるとき、用語「実質的に」は、完全な程度のまたはほぼ完全な程度の動作、特性、属性、状態、構造、品目または結果を指す。例えば、「実質的に」取り囲まれた物体は、その物体が完全に取り囲まれていること、またはその物体がほぼ完全に取り囲まれていることを意味する。いくつかの場合には、絶対的な完全からの許容される偏差の正確な程度が、その特定の文脈に依存する。しかしながら、一般的に言って、ほぼ完了したと言うときには、完了した場合と同じ全体的な結果が得られる。動作、特性、属性、状態、構造、品目または結果が全く、またはほぼ全くないことを言うために負の意味で使用されるときにも、「実質的に」の使用は等しく適用可能である。例えば、粒子を「実質的に含まない」組成物は、粒子を全く含まないか、または粒子をほぼ全く含まず、その効果は、粒子を全く含まないと場合と同じである。言い換えると、ある成分または元素を「実質的に含まない」組成物は、それらの効果が測定可能でない限りにおいて、実際にそのような品目を含んでいてもよい。
【0039】
本明細書で使用されるとき、用語「約」は、ある所与の値がその数値範囲の端点「よりも少し大きく」てもよく、またはその端点「よりもすこし小さく」てもよいと規定することで、数値範囲の端点に融通性を与えるために使用される。
【0040】
本明細書で使用されるとき、複数の品目、構造要素、構成要素および/または材料が、便宜上、共通のリストの中に示されることがある。しかしながら、これらのリストは、そのリストのそれぞれの要素があたかも別個の固有の要素として個別に識別されるように、解釈されるべきである。したがって、そうでないと指示されていないからといって、共通の集団内に示されていることだけに基づいて、このようなリストの個々の要素が、同じリストの他の任意の要素の事実上の等価物であると解釈すべきではない。
【0041】
本明細書では、濃度、量および他の数値データが、範囲の形式で表現され、または提示されることがある。このような範囲形式は単に、便宜上および簡潔にするために使用されているのであり、したがって、このような範囲形式は、範囲の境界として明示的に列挙された数値だけではなく、あたかもその範囲に包含される全ての個々の数値または部分範囲が明示的に列挙されているかの如く、それらのそれぞれの数値および部分範囲をも含むと、柔軟に解釈すべきである。一例として、「約1から約5まで」という数値範囲は、約1から約5までという明示的に列挙された値だけでなく、指示された範囲内の個々の値および部分範囲をも含むと解釈すべきである。したがって、この数値範囲には、2、3および4などの個々の値、および1〜3、2〜4、3〜5などの部分範囲、ならびに1、2、3、4および5が個別に含まれる。この同じ原理は、最小値または最大値として1つの数値だけを挙げている範囲にもあてはまる。さらに、このような解釈は、記載されている範囲または特性の広がりに関わりなく適用されるべきである。
【0042】
発明
患者の胃腸管内に栄養管を安全かつ有効に配置することができ、患者の胃腸管内に栄養管が配置されていることを確認することができる統合栄養管装置が提供される。この装置は、栄養物および/または薬物を胃腸管に送達するように機能可能な栄養管と、胃腸管内の所望の位置まで栄養管を誘導するのを助けるために使用される舵取りシステムと、胃腸管内へ光を伝達する構造を含む光学システムと、可撓性の光ファイバおよびレンズ、またはカメラなどの胃腸管の画像を伝送する画像伝送装置を有する光学システムとを含むことができる。栄養管の誘導された配置および栄養管の配置の確認を可能にするため、および必要に応じて管の遠位端を再配置することを可能にするために、このシステムの全ての構成要素、すなわち光学システムおよび舵取りシステムを栄養管に組み込むことができる。
【0043】
本明細書に記載されている栄養管は、限定はされないが、経鼻胃管および経鼻腸管、ならびに経皮的胃瘻造設術の栄養管、経皮的胃空腸吻合術の栄養管および経皮空腸の栄養管を含む、知られている任意のタイプの栄養管とすることができる。このような管は、栄養管業界で知られている任意の材料から製造することができる。一般に、可撓性の任意のプラスチック材料またはポリマー材料を使用することができる。栄養管は一般に中空であり、栄養剤、薬剤または他の経口剤を被験者に送達する能力を有する。栄養管の直径は、意図された使用法、例えば被験者の特徴または栄養管を使用する期間に応じて変えることができる。例えば、乳児および小さな子供に対して使用することが意図された管は一般に、成人に対して使用することが意図された管よりも小さな直径および小さな送達能力を有する。当技術分野において栄養管はよく知られており、このような管または管構成はいずれも、本発明の範囲に含まれると考えられる。
【0044】
統合栄養管装置の光学システムは、光ファイバ繊維または他の光伝達構造を含むことができる1つまたは複数の光伝達部材と、1つまたは複数のレンズに取り付けられた光ファイバ、小型カメラなどの光伝送機構とを含むことができる。集合的に、この光学システムのこれらの構成要素は、装置の遠位端に光を送達し、被験者の体内に栄養管が配置されている間、栄養管の遠位端の周囲の領域を視覚的に観察する能力を提供するように機能する。この視覚的な観察は、胃腸管内に装置を配置する間、および胃腸管内に装置が適正に配置されていることを確認する際に、開業医を助けることができる。光学システムを通して見た組織、体管腔または体腔のタイプを、開業医が迅速かつ正確に識別することができる十分な分解能が得られる限りにおいて、光学システムによって生成される画像または映像の分解能は、任意のレベルとすることができる。例えば、開業医が気管と食道とを迅速に区別することができること、および、最も重要には、見ている組織が気管支や肺組織ではないことを開業医が保証することができることが望ましい。
【0045】
内視鏡は、診断を下すために組織を綿密に調べる目的、または手技を実施する目的にしばしば使用されるため、通常は高い分解能を提供するが、栄養管が高い分解能を提供する必要はない。高い分解能を使用することもできるが、胃腸管内に統合栄養管装置が適正に配置されていることを確認し、栄養管が肺の中にないことを保証する目的には、低分解能の画像で十分なことがある。
【0046】
この光学システムの被写界深度は約2mmから約100mmとすることができ、視野は、約30°から約140°とすることができる。一実施形態では、この光学システムの視野を約60°から約125°とすることができる。
【0047】
使用されるとき、この光学システム内で使用される光ファイバは、限定はされないが、シリカ、フルオロジルコン酸塩、フルオロアルミン酸塩、カルコゲニド、およびポリメタクリル酸メチルなどのプラスチック光ファイバなどを含む、当技術分野で知られている任意の材料から製造することができる。一実施形態では、ポリメタクリル酸メチルから光ファイバを製造することができる。さらに、この光学システムのレンズは、限定はされないが、シリカおよびポリメタクリル酸メチルなどのポリマーを含む、レンズ技術の分野で知られている任意の材料から製造することができる。一実施形態では、勾配率ポリメタクリル酸メチルからレンズを製造することができる。カメラが使用される場合には、直径約1mmのものが手に入り、それほど高価でないため、CMOSカメラなどのカメラが都合よく機能する。しかしながら、他のカメラを使用することもできることが理解される。
【0048】
光ファイバのうちの1つまたは複数の光ファイバ(または他のある構造体)は、統合管装置の遠位端のところの領域を照らすための光を伝送することができ、1つまたは複数の他の光ファイバは、装置の遠位端から表示構成要素まで視覚画像を伝達することができる。この表示構成要素は、後に論じるように、制御ユニットの一部として形成することができる。二者択一的に、ケーブルまたはワイヤが、カメラからの画像を伝達することもできる。本発明は、単独で機能することができ、または組み合わせて使用することができる数多くの異なる態様を含むことが理解される。したがって、ある特徴物が図の1つに存在するのは例示のためであり、図面を理解しやすくするために省かれてはいるが、図面に示された装置はいずれも、他の図面に示された特徴物を含むことができることが理解される。
【0049】
一実施形態では、少なくとも1つの光ファイバが、統合栄養管装置の遠位端において少なくとも800カンデラの照明を提供する。他の実施形態では、少なくとも1つの光ファイバが、統合栄養管装置の遠位端において少なくとも1000カンデラの照明を提供する。二者択一的に、またはそれに加えて、複数のカメラを使用して複数の光波長を捕捉することができるときには赤外光を使用することができ、または赤外光だけに基づく画像を提供するカメラを使用することもできる。
【0050】
図1Aから1Cを簡単に参照すると、栄養管を配置する先行技術の機構が示されている。一方の機構は、挿管装置10(図1B)であり、この装置からは、患者の口に挿入することができるガイドワイヤ12が延出する。もう一方の機構は、ガイドワイヤ12を備えた経鼻腸栄養管14(図1A)である。図1Cは、舵取りまたは配置を容易にすることができるガイドワイヤの湾曲した端部の拡大図である。このような装置は、ブラインド配置で、または内視鏡と一緒に使用することができる。しかしながら、後に説明するように、本発明は、栄養管のブラインド配置および内視鏡配置にはない際立ったいくつかの利点を有する。
【0051】
次に図2Aを参照すると、栄養管30の断面図が示されており、栄養管30は、栄養管の壁に組み込まれた光学システムを有する。このような実施形態では、栄養管30を製造する際に光ファイバを管に直接に組み込むことができる。このようにして、栄養管の壁の中には、光ファイバ40Aおよび40Bが直接に組み込まれている。ファイバ40A(例えば30μmのファイバまたは他のサイズのファイバとすることができる)は、栄養管30の遠位端に光を伝達するために使用され、ファイバ40B(例えば0.5mmのファイバまたは他のサイズのファイバとすることができる)は一般に、末端にレンズを有し、栄養管30の遠位端に隣接する組織の画像を、アイピース、モニタなどの表示機構(図2Aには示されていない)まで伝達する。図2Aに示された寸法は単なる例であり、本発明の範囲を限定するものと見るべきではないことに留意すべきである。
【0052】
栄養管30は、図1Aおよび1Bに示された挿管装置10および/またはガイドワイヤと一緒に使用することもできるが、現時点の好ましい一実施形態では、挿管装置10も、またはガイドワイヤを有する栄養管も必要ない。
【0053】
レンズおよびファイバ40a、40Bは、栄養管30内の統合光学システムを形成する。この光学システムによって提供された画像は、画像表示構成要素(図1には示されていない)を使用して見ることができる。画像表示構成要素は、当技術分野で知られている任意の表示装置とすることができる。一実施形態では、画像表示構成要素が、光学システム40bの近位端に機能可能に接続されたアイピースを含む。アイピースを通して見ることによって、開業医は、栄養管30の遠位端30Aのところの組織の画像を見ることができる。開業医は、その画像を使用して、観察された組織に基づき、栄養管30を所望の位置まで誘導することができ、かつ/または装置が適正に配置されていることを確認することができる。
【0054】
アイピースは、任意選択で、画像を強調し、または拡大するレンズを含むことができる。図1Bは挿管装置を示しているが、本発明の1つの利点は、栄養管30を適正に配置するのに挿管が一般に不要なことである。むしろ、鼻管を通して胃腸管内へ栄養管を前進させるによって、栄養管30(または後述する栄養管130)を、より迅速に、かつより少ない不快感で配置することができ、栄養供給前の放射線による確認も必要ない。
【0055】
栄養管壁内に直接に(または壁に形成されたルーメン内に)組み込まれた光ファイバの一実施形態の他の例が図2Bに示されている。栄養管30は、3つのルーメン(すなわち外壁内の通路)を含む。大きな第1のルーメン36は、栄養溶液を送達するように構成されている。経腸の栄養溶液に精通した人であれば、経腸の栄養溶液がいくぶん粘性を有していることがあることを理解するであろう。したがって、栄養溶液の通過は促進するが、患者の鼻管を通過させるときに不快に感じるほどに栄養管30を大きくすることはないルーメン36を有することが望ましい。外壁38内の残りの2つのルーメンないし形成物は、光源40A、および上で論じた画像表示システムまで画像を伝達するレンズ/光ファイバ40Bである。二者択一的に、照明用の光ファイバと表示用の光ファイバとを、共通の束として(一般に照明ファイバによって取り囲まれた表示光ファイバと同軸に)配置することもでき、または照明機構/カメラを使用することもできる。残りのルーメンは、後に論じる方式での舵取りに使用することができる。
【0056】
図3に示されているように、光ファイバから画像を受け取り、表示する電子式画面74などのディスプレイに、光学システム40を取り付けることができる。電子式画面74は、限定はされないが、手で持つことができるサイズの小型画面、コンピュータモニタ、テレビジョンなどを含む、当技術分野で知られている任意のタイプまたは種類の電子式画面とすることができる。図3にはさらに、統合栄養管30の舵取りシステム80が示されている。栄養管30内に1本または数本のワイヤを配置することによって、このワイヤ(1本または数本)に制御ユニット84を接続することができ、制御ユニット84は、統合栄養管装置の遠位端を誘導する能力を有し、それによって胃腸管内への装置の配置を容易にする。さまざまな舵取り機構が企図され、それらは全て、本発明の範囲に含まれることが意図される。一実施形態では、この舵取りシステムが、1つの方向(一般に縦方向)へ動かされたときには統合栄養管30の遠位端30Aを曲げ、反対方向へ動かされたときには栄養管をまっすぐにする能力を有するワイヤを含むことができる。他の実施形態では、舵取りシステム80が、それを操作することによって統合栄養管装置の遠位端を曲げることができるポリマー組成物を含むことができる。統合栄養管装置の遠位端が曲がる量または程度は、舵取りシステムのタイプ、および装置に対する意図された個体数によって変化させることができる。一実施形態では、舵取りシステムが、約2cmから約3cmの旋回半径を提供することができる。前述の舵取りシステムなどの舵取りシステムは、統合栄養管装置の近位端に位置し、または統合栄養管装置の近位端の近くに位置する舵取り制御装置によって操作することができる。
【0057】
他の実施形態では、統合栄養管装置が、画像表示構成要素60および/または舵取り制御装置80のうちの一方または両方を栄養管30から分離することを可能にするリリースカップリング90を含むことができる。このようなリリースカップリングは、管を配置する間、カップリングが被験者の体外に留まるような態様で栄養管30上に配置することができる。舵取り制御装置80および画像表示構成要素60をリリースし、取り外すことは、統合管のかさを小さくすることを可能にし、したがって管が所定の位置にある間に被験者が感じる不快感を小さくする。さらに、これらのシステムをリリースし、取り外すことは、画像表示構成要素60および舵取り制御装置80の再使用を可能にする。これらの構成要素を後に別の栄養管または同じ栄養管30と一緒に再使用することができることによって、装置に関連した費用および装置の使用に関連した費用を、内視鏡や、栄養管30の配置を確認する他の手段に比べて、大幅に低減させることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、本発明の栄養管が、標準栄養管アダプタと適正に連結するカップリングを有することも重要である。これらの標準アダプタは、被験者に栄養物を供給し、または被験者に薬物を送達するために使用される栄養セットに栄養管を結合するために使用される。このような場合には、本発明の栄養管を被験者の体内に配置し、舵取りシステム80および画像表示システム60を分離し、標準アダプタを使用して栄養管30を栄養セットに結合することができる。
【0059】
本発明の他の実施形態では、被験者の胃腸管内に栄養管を配置する方法が提供される。この方法は、前述の統合栄養管などの統合栄養管30を用意するステップと、統合栄養管装置の遠位端を被験者の鼻通路に挿入するステップとを含む。次いで、例えば統合栄養管の舵取りシステム80を使用することによって、統合栄養管30を被験者の胃腸管内に配置する。統合栄養管30を配置した後に、光学システム40Bおよび可視化構成要素60を使用することによって、被験者の胃腸管内に適正に配置されていることを視覚的に確認することができる。栄養管内に配置された舵取りシステムおよび光学システムは管の剛性を高めることができ、したがって被験者の体内への管の配置を容易にすることに留意すべきである。
【0060】
一旦配置すると、本発明の栄養管30は一般に、最長30日間、胃腸管内に維持することができる。場合によっては、これよりもはるかに長い期間、栄養管を維持することもできる。本発明の統合栄養管30の取出しは、当技術分野で知られている方法によって実施することができる。
【0061】
全ての栄養管と同様に、本発明の統合栄養管装置も、配置の間、摩擦抵抗を受ける。装置に作用する摩擦力を低減させるため、被験者の体内に配置する前に、装置に潤滑剤を塗布することが望ましいことがある。使用することができる生物適合性潤滑剤は当技術分野においてよく知られており、このような生物適合性潤滑剤には、栄養管の配置および内視鏡検査において現在使用されている生物適合性潤滑剤が含まれる。
【0062】
本発明の栄養管30の明確な1つの利点は、栄養管の全寿命を通じて光学システム40Bを使用することができることである。開業医が、栄養管30の遠位端30Aの配置を確認したいとき、または栄養管の遠位端に隣接する胃腸管内の組織を見たいときには、画像表示システム60を再び取り付け、観察するだけですむ。先行技術の栄養管では、どちらも費用と時間がかかるX線法、蛍光透視法または他の表示法を使用しなければならない。さらに、患者は追加の放射線にさらされる。
【0063】
次に図4を参照すると、本発明の他の態様に従って形成され、全体が100で示された、光学的に誘導される栄養管システムの透視図が示されている。栄養管システム100は栄養管130を含む。栄養管130は、遠位端130Aに、栄養溶液、薬物などをそこを通して胃腸管に送達することができるポートと、そこを通して胃腸管内の組織に対して光を導くことができ、胃腸管内の組織の画像を、そこを通して栄養管130の近位端130Bまで伝達することができる1つまたは複数の開口とを含む。
【0064】
栄養管130の遠位端130Bに隣接して、固定装置136が配置されている。固定装置136は、栄養管130の遠位端130Aを胃腸管内の所望の位置に保持するのを助けるバルーン、コイル、ステントまたは他の構造とすることができる。
【0065】
近位端130Bに隣接して、複数のポート142、144、146および148が配置されている。ポート142は、経腸の栄養溶液ラインに取り付けるためのカップリングまたはアダプタ142Aを有し、栄養管の栄養ルーメンと連通している。ポート142に隣接してポート144が配置されており、ポート144は、栄養ルーメンを定期的に洗流すために使用される注射器または他の流体源を受け取るように構成されたカップリングまたはアダプタ144Aを含むことができる。ポート146は、後にさらに詳細に説明するように光学システムを洗浄するために栄養管130の別のルーメンを洗流すために配置されており、ポート146は、注射器などを受け取るように構成されたカップリングまたはアダプタ146Aを含むことができる。ポート148は、固定装置136がバルーンであるときに固定装置136を膨らますために配置することができ、ポート148もやはり、注射器などを受け取るように構成されたカップリングまたはアダプタ148Aを有することができる。
【0066】
図4に示されているように、栄養管130の近位端130Bには栄養管アダプタ130cが配置されている。アダプタ130cは、栄養管130の可視化機能および舵取り機能を機能させるために使用される複数の突起を有することができる。突起150Aは、遠位端130bを通して光を伝送する光学システムの一部分(一般に光ファイバ繊維)を含む。この光の伝送を実現するため、光ファイバ繊維150A(または他の伝送媒体)は、全体が160で示された制御ユニットの開口154Aと係合する。制御ユニット内には、光学システムを通して伝達されて胃腸管内の組織に光を当てる光源がある。ファイバによるのか、またはカメラによるのかに関わらず、この光学システムは、光の伝送と画像の伝送との間の同心配列または平行配列を提供することができる。
【0067】
第2の突起150Bは、制御ユニット160の開口154Bと係合し、カメラ、または画像を変換する他の源と整列するように配置される。現時点の好ましい一実施形態では、突起150Bが光ファイバ繊維だが、栄養管内のカメラに取り付けられたケーブルなど他の伝送媒体を使用されることもできることが理解される。制御ユニット160に伝達された画像は、ビデオ表示画面164などの画像ビューワ上に表示することができる。見ることが可能なほぼ全てのサイズを使用することができるが、栄養管130の遠位端130Aのところの組織をはっきり見るのに十分な大きさでありながら、栄養管を前進させている間、開業医が、栄養管から目を離す必要がないように、ビデオ画面を、栄養管および他の制御装置のすぐ近くに保持することができることから、現時点では、5×7.6cm(2×3インチ)のビデオ画面が好ましい。さらに、開業医にとって最も快適な位置に回転させることができるように、取付け部材166によって、この画面を制御ユニットに回転可能に取り付けることができる。
【0068】
アダプタ130cはさらに、アダプタ130cから外側へ突き出たケーブル152を含むことができる。ケーブル152は、制御ユニット160の開口156にはまり込むことができる。引き金168などの舵取り機構を後方または前方へ動かして、栄養管130の遠位端130Aに向かって、または栄養管130の遠位端130Aから遠ざかる方向へ、ケーブルを移動させることができる。後に説明するように、この舵取り機構は、栄養管130の遠位端130Aを曲げ、またはまっすぐにすることを可能にし、胃腸管内での栄養管の前進を容易にする。
【0069】
制御ユニット160はさらに取っ手部分170を含むことができる。取っ手部分170は、栄養管130を前方へ押すためのエルゴノミクス構造を開業医に与える。取っ手部分170はさらに、適正に前進させるために必要な場合に、栄養管130を回転させることを容易にする。
【0070】
配置のためには制御ユニット160が望ましいが、患者の状態が、胃腸管を頻繁に監視することを促している場合には、制御ユニット160を取り外すことができ、開業医または他の医療職員が長期にわたって使用するためにビデオモニタのアダプタ180(図4A)に結合されたアダプタ130cを使用することができる。
【0071】
図5を参照すると、本発明の原理に従って患者(この図の場合には患者が人間だが、限定はされないがウマ、ウシ、ブタおよび他の脊椎動物を含む他の動物を「患者」とすることもできる)の体内に配置された経鼻腸栄養管によって栄養が供給されている患者の断面図が示されている。栄養管130の遠位端130Aを鼻管200に通し、咽頭204を通過させる。遠位端130Aが、気管212内ならびに気管支216および肺220内に入らずに、食道208に沿って下方へ前進するように注意する。栄養管を気管、気管支および肺内へ前進させると、気管および気管支の損傷、場合によっては肺の穿刺を含む数多くの医療上の問題が生じる可能性がある。さらに、肺への栄養溶液の送達は破滅的となりうる。したがって、先行技術では、栄養管が適正に配置されていることを保証するために、費用と時間がかかるさまざまな手技が使用されている。
【0072】
食道内に配置されていることが確認された後、栄養管130の遠位端130Aを胃224の中へ前進させる。状況によってはこのような配置が許容されることがある。しかしながら、逆流、吸引および他の懸念事項を防ぐために、通常は、栄養管を、幽門括約筋228を経て、十二指腸232内へ入れることが好ましい。遠位端130Aを腸管内へ十分に前進させた後、栄養管130をその場に保持するのを助けるために、バルーン、コイル、ステントなどの固定装置136を展開させることができる。
【0073】
本発明の栄養管130の配置はブラインド配置よりも安全であるだけでなく、栄養管130の遠位端130Aの位置を確認することができるときには、開業医が、ゆっくりと動かす必要がないため、栄養管130を配置する手技にかかる時間も、平均して、ブラインド配置の約1/4から1/3になると予想される。これには、蛍光透視法、X線法または他の放射線法による栄養管の配置の確認を必要としないことによる、相当の時間の節約が加わる。したがって、患者は、24時間ではなく、例えば20分から30分以内に、栄養または薬物の受取りを開始することができる可能性がある。さらに、本発明の手技は、口を通して管を前進させ、次いで鼻管を通して引き出す必要がなく、時間と患者の不快感の両方が省かれるため、内視鏡の使用よりも優れている。さらに、内視鏡を滅菌しなおす必要がないため、費用が相当に節減される。
【0074】
図6Aは、栄養管の近位端に配置され、または栄養管の近位端に隣接して配置された制御ユニットアダプタ130cの拡大図を示す。各突起150Aおよび150Bは、わずかなテーパを有するか、または円錐形であり、テーパの付いたレセプタクル154Aおよび154Bにはまり込み、ファイバ面の誤整列の可能性を低下させるように設計されている。レセプタクル154Aは光源174Aと整列するように配置され、レセプタクル154Bは、カメラ174Bまたは他の画像レンダリング装置と連絡するように配置される。栄養管内の光学システムがカメラを含む場合には、レセプタクル154Bは一般に、ディスプレイ164とより直接的に連絡するように配置されることになる。この突起(1つまたは複数)を、ファイバの同心配列を提供するように構成することもできる。
【0075】
図6Bは、栄養管130の制御ユニットアダプタ130cの代替構成の拡大図を示す。突起150Aおよび150Bは、テーパの付いた突起ではなく全体に円筒形であるが、レセプタクル154Aおよび154Bはテーパを有している。数多くの異なる構成を使用することができることが理解される。例えば、これらの突起の断面を正方形または長方形とすることもできる。
【0076】
図6Aおよび6Bでは、分かりやすくするためにケーブル152を省いた。選択的に栄養管の遠位端をまっすぐにし、または湾曲させるためのワイヤまたはケーブルを栄養管130が含む場合には、制御ユニット160が舵取り機構を有することが好ましい。図6Cは、ケーブル152の遠位端を含む制御ユニットアダプタ130cの拡大透視図を示す。示されているように、このケーブルは係合部材152Aを含み、係合部材152Aは、栄養管の遠位端から遠ざかる方向へワイヤを引っ張り、または栄養管の遠位端に向かってワイヤを押すことができるように、制御ユニットがワイヤと係合し、ワイヤを保持することができるボール、リング、ノブまたは他の機構とすることができる。後に論じるように、ワイヤを移動させることによって、端がまっすぐなワイヤを曲げることができ、または湾曲を有するように予め形成された遠位端をまっすぐにすることができる。後に論じるように、このような構造を使用して、コイル固定装置を展開させることもできる。
【0077】
次に図7を参照すると、栄養管130の遠位端130Aの拡大図が示されている。分かりやすくするために、バルーン、コイル、ステントなどの保持装置は示されていないが、このような装置上には保持装置を含めることができる。しかしながら、この栄養管は、一切の固定機構なしで使用することができる。遠位端130Aは、湾曲を有するように予め形成されている。この湾曲の半径は約2cmとすることができ、または、開業医の希望に応じて、この湾曲の曲率をこれよりも大きく、もしくはこれよりも小さくすることができる。
【0078】
栄養管130は、栄養管の内側湾曲部258の反対側の外壁254に沿って一般に配置されるルーメン250を含む。ルーメン250内には、ケーブルまたはワイヤ152の遠位端152Bが配置されており、ケーブルまたはワイヤ152は、栄養管130の遠位端130Aの本来の形成物よりも強い、曲げに対する抵抗力を有することができる。栄養管の遠位端130Aに向かってワイヤ152を前進させると、このワイヤによって栄養管の遠位端がまっすぐになる。このように、ワイヤ152を前進させ、または後退させることによって、開業医は、栄養管130の遠位端130Aに生じる湾曲の量を制御することができる。図4に示された実施形態では、この制御が、引き金168を動かすことによって実行される。引き金168を引くと、栄養管130の遠位端130Aに向かってワイヤが押され、栄養管がまっすぐになり、引き金168を前方へ押すと、ワイヤ152の大部分が後退し、遠位端をさらに湾曲させることができる。
【0079】
図7にはさらに、舵取りワイヤ152を運ぶルーメン250を栄養ルーメン264から分割する内壁262が示されている。一部の栄養溶液に存在する粘性に対応するため、栄養ルーメン264は一般に、最も大きなルーメンである。栄養ルーメン264は一般に、栄養管130の遠位端130Aの開いたポート264Aで終わり、舵取りルーメン250の遠位端は一般に閉じられる。
【0080】
栄養ルーメン264は、別の壁268によって境界されている。壁268および内側に沿った外壁254は第3のルーメン272を形成し、後に説明するように、第3のルーメン272は光学システム276を含む。光学システム276は、複数の光ファイバ繊維を含むことができ、これらの光ファイバ繊維は、全体が単一のケーブル280およびレンズ282として示されている。二者択一的に、遠位端130Aの端に隣接してカメラ283を配置し、このカメラからの画像を、ケーブル280をして伝送することもできる。光学システム276が第3のルーメン272の全体を塞いでもよいが、第3のルーメンに沿って延びる空隙284を残すこともでき、この空隙284は、このルーメン内を流体が、光学システム276の側面に沿って流れることを可能にする。(複数の図の複数の位置において、この光学システムは、光ファイバの端部のレンズ282とカメラ283とを有するように示されている。これらを二者択一とすることができ、またはこれらを組み合わせて使用することができることが理解される。)
第3のルーメン272内を光学システム276に沿って延びる空隙284は、食塩水、空気などの洗浄流体が第3のルーメン内に注入され、レンズ282を洗浄するのを助けることを可能にする。(カメラ283が使用される場合には、必要に応じて防水材料を追加することができる。)洗浄流体の誘導は例えば、外壁254上に配置された偏向突起286によって実行することができる。食塩水または他の洗浄流体が第3のルーメン272内に注入されると、食塩水は偏向されてレンズ282を横切り、それによってレンズを洗浄し、より良好な視界を提供する。(空気を注入すると、胃腸管が膨らみ、栄養管に隣接する組織の可視化をより容易にすることができるため、空気の使用が有利なこともある。)
次に図8を参照すると、本発明の原理に従って製作された本発明に従って製作された栄養管の遠位端の拡大断面図が示されている。図9に示された栄養管130とは違い、図8に示された栄養管290は全体にまっすぐである。このカテーテルの遠位端290Aに隣接してワイヤ292を取り付けることができる。ワイヤ292は、栄養管を前進させるときに、栄養管の遠位端290Aを湾曲させて、栄養管の舵を取るのを助けるために使用される。この湾曲は、ネック294を通過するワイヤ292によって達成することができ、この湾曲は、栄養管の近位端に向かってワイヤを引くと近位端が離脱するような態様で、オフセットされている。
【0081】
二者択一的に、ワイヤに電流の印加することによって、ワイヤの遠位端が偏向し、それによって栄養管290の遠位端290Aを曲げるように、ワイヤ292を、形状記憶材料から形成することもできる。
【0082】
次に図9を参照すると、光学システムの遠位端を洗浄する流体流を制御するためにカテーテルの遠位端に配置されるように構成されたエンドキャップ296の透視図が示されている。エンドキャップ296は偏向突起298を含む。図7の偏向突起286と同様に、偏向突起298は流体流を誘導するために使用され、その結果、栄養管の遠位端にエンドキャップ286が取り付けられているときには、この突起が、光学システム上のレンズまで流体流を誘導し、それによって光学システムから栄養溶液または他の物質を洗い流す。
【0083】
図10は、固定装置136を有する遠位端130Aに隣接した位置の栄養管130の断面図を示しており、バルーン136A固定装置は既に展開されている。バルーン136Aは、2分葉として示されているが、3分葉、4分葉、砂時計のような形状など、数多くの異なる設計を使用することができることが理解される。固定装置136は、栄養管130の遠位端130Aを胃腸管内の所望の位置に保持するのを助ける。(完全に膨らまさされたときには、バルーンは一般に、栄養管に比べて、図10に示されているよりもはるかに大きいことが理解される。)固定装置136が腸管を完全には塞がず、したがって胃液が腸管内を移動し続けることを許すように、固定装置136は多分葉であることが好ましい。
【0084】
図10は、栄養管130の遠位端130Aの他の構造物も示している。第1のルーメン250は、舵取りワイヤ152用のルーメンとして使用することができるだけでなく、固定装置136がバルーン136Aである場合には、膨張ルーメンとして使用することもできる。したがって、第1のルーメン250には小さなポート300が提供されており、ポート300は外壁254の外側まで延びている。
【0085】
第2のルーメン264は、他の2つのルーメンよりもかなり大きく示されている。上で指摘したとおり、一部の栄養溶液はいくぶん粘性を有する傾向がある。したがって、このルーメン内を栄養溶液が流れることができることを保証するため、より大きな栄養ルーメンを有することが望ましい。
【0086】
図10に示されているように、壁268は、第2のルーメン264の上部の境界をなし、外壁254は、第3のルーメン272の境界をなす。第3のルーメン272は、光学システム276を収容し、流体が流れるためのポート304を提供するように設計されている。第3のルーメン272内において光学システム276をゆるく保持することもできるが、構造化されたポート304が形成されるように、光学システム276を固定することもできる。このことは、図10Aに示されているように、スリーブ310を第3のルーメン272に挿入し、次いで結合剤308を注入して、光学システム276の遠位端をその場に保持することにより達成することができる。これによって例えば、全体に三日月形のポート304を残すことができる。偏向突起284などのある種の誘導機構とともに使用されたときに、ポート304は、光学システムの遠位端を洗浄するのを助けることができる。
【0087】
図10Aは、図10に示された断面図と同じ位置における側断面図を示す。各種構造物には一致した符号が付けられている。レンズ280を洗浄するのを助けるために、エンドキャップ296などのエンドキャップを遠位端130Aに取り付けることができる。
【0088】
図11は、図10Aと同様の栄養管130の側断面図を示す。固定機構に対してバルーン136Aを使用する代わりに、壁ステントなどのステント136bが使用されている。ステント136Bは、ハイポチューブ303内に担持することができ、ワイヤ305に接続することができる。栄養管130が適正に小腸内に配置されているときに、ワイヤ305を前進させて、ステント136Bを少なくとも部分的にハイポチューブから押し出す。ステント136Bの遠位部分ははじけるように開き、小腸の側面と係合し、それによって栄養管をその場に保持する。
【0089】
次に図12を参照すると、図10に示された端面図と同様の端面図が示されている。バルーン136A(図10)を固定装置136として使用する代わりに、螺旋コイル136cの形態の固定装置136が示されている。ステント136は、栄養管130の外壁254の周囲に配置することができ、または栄養管の遠位端130Aの端に担持することができる。栄養管130の遠位端130Aが所望の位置にあるときに、コイル136cステントを活動化することができる。
【0090】
図12Aは、コイル136cが展開された栄養管130の側面図を示す。配置の間、コイル136cは一般に1つのルーメンの中に置かれている。例えばルーメン250内において、破線307によって示されているようにコイルがきつく巻かれているときに、栄養管130の遠位端130Aが曲がらないようにする補剛材の働きをするように、コイル136cを使用することができる。コイル307を近位方向へ移動させれば、配置中の舵取りのために、栄養管130の遠位端130Aを湾曲させることが可能になる。二者択一的に、コイル136の遠位側または近位側に、剛性が強化されたセクション309を配置することもできる。栄養管130の遠位端130Aが適正に配置された後に、ワイヤを前進させ、コイル136cをリリースし、それによってコイル136cがはじけるように開くことを可能にする。コイル136cが腸管壁とどのように係合したかに応じて、コイル136c自体が栄養管の遠位端をかなりまっすぐに保持することができ、または、この目的に、剛性が強化された部分309bを使用することもできる。コイル136cに対しては多くの材料を使用することができるが、現時点の好ましい1つの材料はニチノールである。
【0091】
図13は、光学システム/流体ルーメン272の側断面図を示す(分かりやすくするため、上で論じた残りのルーメンは省かれている)。栄養管の遠位端130Aは、重力またはポンプによって胃腸管内へ供給される栄養溶液と胆汁などの体液の両方と接触する。そのために、および光学システム276は長期にわたってその場に残されることがあるために、栄養管の遠位端よりも後退したレンズ280を有することが望ましいことがある。そうすることによってレンズ280は保護される。(一般的な内視鏡とは違い、集束レンズ280は提供される唯一のレンズであることがある。)内視鏡の遠位端には一般に保護レンズが配置されるが、このようなレンズは、光学システムを収容する目的と、レンズを洗流すために溶液を注入する目的の両方に第3のルーメン272を使用することを阻害する可能性がある。
【0092】
レンズ280を後退させると、栄養ルーメン264の相対的なサイズによって、および栄養管の片側に光学システム276が配置されることによって、栄養管130の遠位端130Aに隣接する栄養管の両側の組織を見る光学システムの能力が複雑になる。これらの限界を克服するため、光学システムの遠位端が偏向されるように、光学システム276の遠位端276Aを固定することができる。この偏向は、栄養管130の中心長軸に向かって5度から40度とすることができるが、15〜25度であることが好ましい。光学システム276の遠位端276Aを固定するために使用される結合剤308は、適正な角度を得るために、遠位端276Aの上と下の両方に配置することができ、その一方で、矢印314によって示された結合剤の周囲およびレンズ280の上の流体流がレンズを洗浄することを可能にするために、空隙を残す。
【0093】
図14は、本発明の一態様に従って製作された栄養管330の代替実施形態を示す。上で論じたような埋め込まれた光学システム276を有するのではなしに、上で論じた第2のルーメン264と同様の栄養ルーメン342の中に取外し可能に配置されたカテーテル338の中に、光学システム334が配置されている。この光学システムは、レンズ346と、外壁または被覆352によって取り囲まれた複数の光ファイバ348とを含む。
【0094】
栄養管330はさらに舵取りルーメン360を含むことができ、舵取りルーメン360は、栄養管330の外壁362と内壁366とによって形成することができる。舵取りルーメン360の中に配置された舵取りワイヤ370を、前述のとおりに使用することができる。
【0095】
栄養管330の使用は、光学システムが取外し可能である点が、前述の栄養管130の使用とは異なる。鼻管、食道、胃および幽門括約筋を通して栄養管330を前進させたときに、開業医は、制御ユニット160の表示画面164などの画像ビューワ上で、栄養管の遠位端に隣接する組織を見ることができる。同様に、制御ユニット160によって舵取りワイヤ370を制御することができる。
【0096】
栄養管330が適当な位置にあり、栄養管330が光学的に確認された後に、制御ユニット160を取り外し、光学システム338を引き抜くことができる。光学システム338を引き抜いた後に、ルーメン342を使用して、栄養溶液および/または薬物を含む溶液を患者に導入することができる。光学システム338は内視鏡の使用よりもはるかに安価であり、廃棄することも、または後の使用のために滅菌しなおすこともできる。胃腸管をさらに見たい場合には、光学システム338を再び挿入することができる。光学システム338の再挿入は一般に、栄養ルーメン342を洗流して、レンズを曇らせる可能性がある一切の栄養溶液を洗い流した後に実行される。
【0097】
栄養管330は、光学システム338を再挿入しないと胃腸管を見ることができない点で、以前に論じた栄養管よりも不利である。しかしながら、栄養管330を比較的に小さく維持することができ、それによって、患者が栄養管330に対して感じる不快感が低減し、状況によっては、栄養管330の配置がより容易になるという利点が得られる。
【0098】
次に図15を参照すると、本発明の他の態様に基づくカテーテル400の一実施形態が示されている。図15には示されていないが、このカテーテルは、このカテーテル内に形成された光学システムを有し、栄養管130に非常によく似た構造を有することができる。この光学システムは、膵管、総胆管などの胃腸管の他の部分を開業医が見ることを可能にする。カテーテル400は、制限された管を通る流体を迂回させるためにカテーテルの遠位端のポート414と連通するように配置されたポート410を含むことができる点が、栄養管130とは構造的に異なる。ポート410を、あるルーメンの近位端とすることができ、または、このルーメンを通した流体の導入または引抜きを可能にするために、このルーメンを、カテーテルの近位端まで延長することもできる。
【0099】
膵炎または総胆管炎になったときには、胆汁または膿汁、あるいは胃腸管を通過する必要がある他の流体の適正な排出を保証するために、膵管または総胆管内にステントまたはシャントを配置することが一般的である。ステントまたはシャントは一般に、配置され、その場にしばらく置かれ、次いで、症状の治まりが見えたら取り出される。
【0100】
本発明のカテーテル400は、カテーテルを配置するためだけではなく、長期にわたって組織を観察する目的にも、開業医が光学システムを使用することを可能にする。したがって、図15に示されているように、カテーテルの遠位端400Aは膵管406内に配置される。感染した膵臓からの膿汁は、遠位側ポート414に入り、シャントと同様の排液ポート410から流出することができる。開業医は、ある期間にわたって膵管を観察して、膵炎がどれくらいよくなっているのかを判定することができ、膵臓からの流体の支援された迂回がもはや必要ではなくなった時点を決定することができる。この同じ手技を、総胆管または胃腸管に沿った他の構造に対して使用することもできる。
【0101】
使用する際、開業医は、患者の鼻管にカテーテル400を挿入することができる。(経口挿入を使用することもできるが、本発明の1つの利点は、鼻管を通して前進させることができ、経口挿入にまつわる問題を回避することができることである。)この光学システムを使用することによって、開業医は、食道に沿って下り、胃および幽門括約筋を通過するように、カテーテルを前進させることができる。次いで、カテーテル400の向きを変え、カテーテル400を、膵管、総胆管、または開業医が観察する必要がある他の構造内へ前進させる。カテーテルがその場にある間、ポート414とポート410の間のルーメンは、胃腸液、膿汁などを流出させる。開業医は、カテーテルの遠位端400Aに隣接する組織の状態を監視し、患者の状態がよくなっているかどうかを確認することができる。カテーテルがもはや必要でなくなったら、カテーテルを都合よく引き抜くことができる。対照的に、シャントまたはステントでは一般に、そのステントまたはシャントを引き抜くために、内視鏡の再挿入または蛍光透視法の使用などが必要となる。
【0102】
本発明のこれらの教示を別の分野に応用することができる。例えば、その場に残されるカテーテルに、開示された光学システムを提供することができる。開業医は、その光学システムを使用して、内視鏡の再挿入などを必要とすることなく、内部組織を長期にわたって監視することができる。
【0103】
図16は、本発明の他の態様を示す。栄養管130は、経鼻腸栄養管として機能するのではなく、経皮胃空腸栄養管(PEGJ)の中を通って前進して、空腸延長管を形成する。PEGJ管に関しては、現在のところ、既存の胃瘻造設術管または瘻を通して、空腸延長管が小腸内へ通されている。これは、蛍光透視法または内視鏡法を使用して小腸管内へワイヤを前進させることによって実行され、次いで、このワイヤの上に空腸栄養管を通して、空腸栄養管を小腸(空腸)内へ入れる。対照的に、本発明の栄養管130は、直接可視化を提供し、以前に述べた内視鏡法または蛍光透視法を使用することの欠点を生じることなく同じ作業を実行することができる舵取り機構を含むことができる。
【0104】
使用する際には、患者の腹部の胃瘻造設術管400を通して遠位端136Aを挿入する。制御ユニットが取り付けられると、開業医は、胃を観察し、幽門括約筋を直ぐに見つけることができる。栄養管130を押すことによって、遠位端136Aが幽門括約筋を通り過ぎ、幽門括約筋から所望の距離のところに達するまで、遠位端を前進させる。次いで、希望する場合には、栄養管をその場に保持するのを助けるために、固定装置(図示せず)を展開させることができる。
【0105】
希望する場合にはガイドワイヤを使用することができるが、ガイドワイヤは一般に不要である。さらに、内視鏡を使用する費用が削られ、X線法または蛍光透視法を使用することによって配置を確認する必要もない。さらに、栄養管を前進させるこの手技は時間があまりかからず、開業医は、この手技を、比較的に少ない訓練で実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の1つの大きな利点は、栄養管をより迅速かつより安全に配置することができることである。さらに、本発明は、費用のかかるX線法および蛍光透視法を回避し、患者がさらされる放射線の量を減らす。他の大きな利点は、この手技を病院で実施する必要性を本発明が排除することである。例えば、食物を飲み込むことが困難な患者が介護施設にいた場合、その患者は一般に、栄養管を挿入することができる病院へ連れて行かれ、栄養管の挿入の大多数はブラインドで実施される。患者を病院へ連れて行く時間と費用だけでも不利である。さらに、患者は、この手技を受けなければならず、栄養管の配置を確認するために、放射線または他の不快な手技にさらされなければならない。おそらくは栄養管が必要であると最初に診断されてから生じる可能性がある24〜48時間の間、患者は、食物または必要な薬物を受け取っていない可能性がある。
【0107】
本発明の重大な進歩は、比較的に少ない訓練で配置を実行することができること、および配置を病院で実施する必要がないことである。組織を注意深く観察することによって、開業医は、気管に入らないように舵を取ることができ、栄養管が食道内を適正に下降していることを保証することができる。次いで、栄養管の遠位端が、幽門括約筋を通り過ぎ、幽門括約筋から所望の距離のところにあることを開業医が確信するまで、栄養管を前進させることができ、そのときにこの手順は完了となる。この手技はわずか5分から10分ですむことがあり、病院で実施する代わりに、介護施設の患者の病室で実施することができる。栄養を供給するまでに24時間以上待つ代わりに、30分未満で栄養の供給を開始することができる。さらに、患者を病院へ運ぶ必要がないことにより、費用および人力が相当に節減されることになる。
【0108】
同様に、本発明の栄養管130は、小児科および他の臨床環境、または食物を飲み込むことが困難な手術後の状況など、他のさまざまな状況で使用することができる。比較的に短時間の比較的に単純な手技で、患者の腸内へ栄養を直接に送達することができる。したがって、相当な費用節減を達成することができ、同時に、この手技全体を、患者と開業医の両方にとってより負担の少ないものにすることができると予想される。
【0109】
当然ながら、以上に述べた配置は、本発明の原理の応用の例に過ぎないことを理解すべきである。当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく数多くの変更および代替配置を考案することができ、添付の特許請求の範囲は、このような変更および配置をカバーすることが意図されている。例えば、本発明の諸態様は挿管チューブまたはガイドワイヤを必要としないが、口から挿入すること、または本発明の装置と一緒にガイドワイヤを使用することを妨げるものは何もない。したがって、以上に、現時点において最も実用的であると考えられるもの、および本発明の好ましい実施形態に関して本発明を具体的かつ詳細に説明したが、限定はされないが、サイズ、材料、形状、形態、機能および動作方式、組立てならびに使用法の変更を含む数多くの変更を、本明細書に記載された原理および発想から逸脱することなく実施することができることは、当業者には明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端と、前記遠位端を貫通する開口を有する1つのルーメンとを有する細長い本体であり、栄養溶液を通すように前記ルーメンが構成された細長い本体と、
前記本体内に配置された光学システムであり、前記遠位端に隣接する組織を照らす照明構造と、前記遠位端に隣接する組織の画像を伝達する画像伝送構造とを備える光学システムとを備える栄養管。
【請求項2】
前記光学システムがカメラを備える、請求項1に記載の栄養管。
【請求項3】
前記光学システムが、複数の光ファイバ繊維と、前記光ファイバ繊維に取り付けられたレンズとを備える、請求項1に記載の栄養管。
【請求項4】
前記光学システムを有する前記ルーメンが開いた遠位端を有する、請求項1に記載の栄養管。
【請求項5】
前記細長い本体が、前記光学システムがその中に配置されたルーメンを有し、前記光学システムが、このルーメン内に配置されたレンズを有し、このルーメンがさらに、前記レンズに隣接して配置された、前記レンズを洗浄するための流体/空気ポートを備える、請求項4に記載の栄養管。
【請求項6】
前記流体ポートを形成するために、前記光学システムを有する前記ルーメンがさらに、前記光学システムの前記遠位端に隣接する結合剤を含む、請求項5に記載の栄養管。
【請求項7】
前記レンズに隣接して配置された偏向突起であり、前記レンズの上に流体流を誘導する偏向突起をさらに備える、請求項5に記載の栄養管。
【請求項8】
前記光学システムの前記遠位端が、前記栄養管の中心長軸に向かって偏向した、請求項5に記載の栄養管。
【請求項9】
前記光学システムの前記遠位端が、5度から40度の間で偏向した、請求項8に記載の栄養管。
【請求項10】
前記光学システムの前記遠位端が、15度から25度の間で偏向した、請求項9に記載の栄養管。
【請求項11】
前記栄養管の前記遠位端に隣接して配置された固定装置であり、前記栄養管を胃腸管内に固定する固定装置をさらに備える、請求項1に記載の栄養管。
【請求項12】
前記固定装置が多葉バルーンを備える、請求項11に記載の栄養管。
【請求項13】
前記固定装置が、前記栄養管の前記遠位端に取り付けられたステントを備える、請求項11に記載の栄養管。
【請求項14】
前記固定装置がコイルである、請求項11に記載の栄養管。
【請求項15】
前記細長い本体が外壁を有し、前記光学システムが前記外壁内に形成された、請求項1に記載の栄養管。
【請求項16】
請求項1に記載の栄養管を備える栄養管配置システムであって、
前記栄養管内の前記光学システムと連絡した状態に配置されるように構成された光源と、前記光学システムの一部分と連絡した状態に配置されるように構成された画像レンダリング装置であり、前記レンズに隣接する構造の画像を受け取る画像レンダリング装置とを備える制御ユニット
をさらに備える栄養管配置システム。
【請求項17】
前記制御ユニットが、前記画像レンダリング装置と連絡した状態に配置された表示画面を備える、請求項16に記載の栄養管配置システム。
【請求項18】
前記表示画面が調整可能である、請求項17に記載の栄養管配置システム。
【請求項19】
前記制御ユニットが舵取り装置を備える、請求項16に記載の栄養管配置システム。
【請求項20】
前記舵取り装置が引き金を備える、請求項19に記載の栄養管配置システム。
【請求項21】
前記光学システムが一対の突起を備え、前記突起を、前記光源および前記画像レンダリング装置と整列させるために、前記制御ユニットが、前記突起を受け取る、前記制御ユニットに形成された複数の穴を備える、請求項16に記載の栄養管配置システム。
【請求項22】
前記突起が、同心配列を提供するように構成された、請求項21に記載の栄養管。
【請求項23】
前記栄養管の近位端に配置されたアダプタをさらに備え、前記アダプタが、前記制御ユニットと係合するように構成されており、前記光学システムの前記突起が前記アダプタから延出した、請求項22に記載の栄養管配置システム。
【請求項24】
前記栄養管が舵取りワイヤを備え、前記舵取りワイヤが前記アダプタから延出し、前記制御ユニットが、前記栄養管の前記遠位端を制御するために前記舵取りワイヤと係合し、または前記舵取りワイヤとの係合を解くように構成された舵取り機構を有する、請求項23に記載の栄養管配置システム。
【請求項25】
前記光学システムが、前記栄養管のルーメン内に永続的に配置される、請求項16に記載の栄養管配置システム。
【請求項26】
前記光学システムがその中に配置された前記ルーメンが、前記ルーメンと流体連通した状態に配置された流体注入ポートを有する、請求項16に記載の栄養管配置システム。
【請求項27】
前記光学システムがその中に配置された前記ルーメンに沿って配置された偏向突起であり、前記光学システムの前記レンズの上に流体を誘導する偏向突起をさらに備える、請求項16に記載の栄養管配置システム。
【請求項28】
エンドキャップをさらに備え、前記偏向突起が前記エンドキャップ上に配置された、請求項27に記載の栄養管配置システム。
【請求項29】
患者の体内に栄養管を配置する方法であって、
遠位端と、光学システムがその中に配置されたルーメンとを有する栄養管を選ぶステップと、
前記栄養管の前記遠位端に隣接する組織の画像を生成しつつ、前記栄養管を、前記患者の鼻管または口管を通し、食道に沿って下方へ前進させるステップと、
前記栄養管が、前記患者の胃腸管内の所望の位置に向かって前進していることを保証するために、前記栄養管の前記遠位端に隣接する組織の生成された前記画像を少なくとも定期的にチェックするステップとを含む方法。
【請求項30】
前記栄養管の前記遠位端に隣接する組織の生成された前記画像を少なくとも定期的に見ながら、前記栄養管の前記遠位端が前記胃腸管内の所望の位置に到達するまで、前記栄養管を少なくとも前記患者の胃の中へ前進させるステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記栄養管の前記遠位端を前記所望の位置に固定するのを助けるために、前記栄養管の前記遠位端に隣接する固定装置を展開させるステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記光学システムを前記栄養管内に残したまま、医用溶液または栄養溶液のうちの少なくとも一方から選択された溶液を、前記栄養管のルーメンを通して供給するステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記光学システムを前記栄養管内に留めたまま、前記栄養管を、24時間よりも長い期間、前記患者の体内に放置するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項34】
前記栄養管の前記遠位端に隣接する前記胃腸管の組織を、前記光学システムを通して定期的に見るステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記栄養管に制御ユニットを取り付けるステップと、前記栄養管を前進させている間、前記制御ユニットが前記制御ユニットに取り付けられた状態を維持するステップと、前記栄養管の前記遠位端が前記胃腸管内の所望の位置に到達した後に、前記制御ユニットを前記栄養管から取り外すステップとを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記栄養管の前記遠位端の位置を確認するために、前記制御ユニットを前記栄養管に定期的に再接続するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記栄養管がさらに舵取りワイヤを備え、前記胃腸管を通した前記栄養管の舵取りを助けるために、前記制御ユニットが前記舵取りワイヤと係合する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記光学システムを洗浄し、前記光学システムを経由した画像の中継を改良するために、前記光学システムを保持している前記ルーメンを通して流体を定期的に洗流すステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
栄養物および/または薬物を胃腸管内に送達するように機能可能な栄養管と、
遠位端に隣接する光を発する光源と、レンズとを含む光学システムと、
舵取りシステムとを備え、
前記光学システムおよび前記舵取りシステムが前記栄養管に組み込まれた
統合装置。
【請求項40】
前記栄養管に可撓性の光ファイバが組み込まれた、請求項39に記載の統合装置。
【請求項41】
前記光学システムが画像表示構成要素を含む、請求項39に記載の統合装置。
【請求項42】
前記画像表示構成要素が電子式画面である、請求項41に記載の統合装置。
【請求項43】
前記画像表示構成要素および/または舵取り構成要素を、前記光学システムから取り外すことができる、請求項42に記載の統合装置。
【請求項44】
前記舵取りシステムが舵取り制御装置を含む、請求項39に記載の統合装置。
【請求項45】
前記舵取りシステムから前記舵取り制御装置を取り外すことができる、請求項44に記載の統合装置。
【請求項46】
被験者の胃腸管内に栄養管を配置する方法であって、
栄養物および/または薬物を前記胃腸管へ送達するように機能可能な管と、光源、画像を伝達する機構およびレンズを含む光学システムと、舵取りシステムとを備える統合栄養管装置を用意するステップであり、前記光学システムおよび前記舵取りシステムが前記統合栄養管装置に組み込まれたステップと、
前記統合栄養管装置の遠位端を被験者の鼻通路または口通路に挿入するステップと、
前記統合栄養管装置の前記舵取りシステムを使用して、前記被験者の前記胃腸管内に前記統合栄養管を配置するステップと、
前記統合栄養管が前記被験者の前記胃腸管内に配置されていることを、前記統合栄養管装置の前記光学システムを使用して視覚的に確認するステップとを含む方法。
【請求項47】
胃腸管内の状態を治療するための装置であって、
少なくとも1つの開いたポートをその中に備える遠位端を有する細長いカテーテルと、
前記カテーテルの前記遠位端から、前記遠位端よりも近位側のあるセクションに沿って配置されたポートまで延びるルーメンであり、前記ポートが、胃腸系のある管の中に前記遠位端を配置することができる十分な距離だけ、前記カテーテルの遠位端から離隔されており、前記ポートが、前記患者の腸管内に配置されるルーメンと、
前記カテーテル内に配置された光学システムであり、前記遠位端に隣接する組織の画像を前記光学システムが伝送することができるような態様で、前記遠位端に隣接したある位置まで延びる光学システムとを備える装置。
【請求項48】
前記光学システムが、前記カテーテル内に永続的に配置される、請求項47に記載のカテーテル。
【請求項49】
胃腸管内の病気を治療するためのカテーテルシステムであって、請求項47に記載のカテーテルを備え、さらに、前記栄養管内の前記光学システムと連絡した状態に配置されるように構成された光源と、前記光学システムの一部分と連絡した状態に配置されるように構成された画像レンダリング装置であり、前記レンズに隣接する構造の画像を受け取る画像レンダリング装置とを備える制御ユニットを備えるカテーテルシステム。
【請求項50】
胃腸管内の流体を排出する方法であって、
遠位端と、前記遠位端に配置された第1のポートと、前記遠位端よりも近位側に配置され、前記第1のポートと流体連通した第2のポートと、前記カテーテルの長さを実質的に延ばす光学システムとを有するカテーテルを選ぶステップと、
前記光学システムによって中継された画像を少なくとも定期的に観察しながら、鼻管、食道および胃を通して前記カテーテルを前進させるステップと、
前記第1のポートから前記第2のポートまで延びるルーメンを通して流体が流出することを可能にするために、前記第2のポートが腸内に配置されるような態様で、前記カテーテルの前記遠位端を胃腸系のある管の中へ前進させるステップとを含む方法。
【請求項51】
前記カテーテルが、24時間よりも長い期間、その場に放置され、前記方法がさらに、前記ある管の中の組織および/または流体を前記光学システムを通して定期的に見るステップを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
胃腸管内に栄養管を配置する方法であって、
遠位端と、光学システムがその中に取外し可能に配置されたルーメンとを有する栄養管を選ぶステップと、
前記栄養管を鼻管に挿入し、前記栄養管の前記遠位端に隣接する組織を定期的に見ながら、前記栄養管を、食道に沿って下方へ、少なくとも胃の中まで前進させるステップと、
前記光学システムを使用して、前記遠位端が胃腸管内の所望の位置にあることを確認するステップと、
前記光学システムを取り外し、前記栄養管の前記ルーメンを通した栄養供給を開始するステップとを含む方法。
【請求項53】
被験者の胃腸管内に栄養管を配置する方法であって、
栄養物および/または薬物を前記胃腸管へ送達するように機能可能な管と、光源、画像を伝達する機構およびレンズを含む光学システムと、舵取りシステムとを備える統合栄養管装置を用意するステップであり、前記光学システムおよび前記舵取りシステムが前記統合栄養管装置に組み込まれたステップと、
前記統合栄養管装置の遠位端を、経皮胃空腸栄養管を通して患者の胃腸管の一部分に挿入するステップと、
前記統合栄養管装置の前記舵取りシステムを使用して、前記被験者の前記胃腸管内に前記統合栄養管を配置するステップと、
前記統合栄養管が前記被験者の前記胃腸管内に配置されていることを、前記統合栄養管装置の前記光学システムを使用して視覚的に確認するステップとを含む方法。
【請求項54】
前記統合栄養管が制御ユニットアダプタを備え、前記方法が、前記制御ユニットアダプタが前記経皮胃空腸栄養管に隣接した位置に配置されるまで、前記統合栄養管を前進させるステップを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
栄養管を配置するためのシステムであって、
舵取り制御装置および表示画面を有する制御ユニットと、
遠位端を有する細長い本体を有する栄養管であり、前記遠位端に隣接する組織を照らし、画像を前記制御ユニットに伝送するように構成された光学システムと、前記遠位端を制御する舵取り機構とを含み、異なる時点において前記制御ユニットを前記栄養管上で繰り返し使用することができるように、前記制御ユニットに取外し可能に取り付けることができる栄養管とを備えるシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図10A】
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【図11】
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【図12】
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【図12A】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2012−523288(P2012−523288A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504874(P2012−504874)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/030429
【国際公開番号】WO2010/118256
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(504260058)ユニバーシティ・オブ・ユタ・リサーチ・ファウンデイション (19)
【Fターム(参考)】