光学的自動認識コード読み取り装置及び方法並びにそれに用いる反射鏡
【課題】対象物の裏等の隠れた部分にも色彩配列コードが存在する場合に、その色彩配列コードを一度に読み取れる読み取り装置を提供する。
【解決手段】円筒10の外側の壁面上には、円筒10の軸に対して垂直な円の円周上を周回するように色彩配列コード13がマーキングされている。この円筒10を、内側が鏡面である円錐形の曲面ミラー16の内側に配置し、この曲面ミラー16の上方から、曲面ミラー16と、円筒10と、を所定の撮像手段を用いてキャプチャーし、キャプチャ画像19を得る。色彩配列コード13は、曲面ミラー16によって反射され、キャプチャ画像19中の曲面ミラー16の内側に円周状に映し出される。このキャプチャ画像19を所定の「色彩配列コード」システムに取り込むことによって、色彩配列コード13をデコードすることができる。
【解決手段】円筒10の外側の壁面上には、円筒10の軸に対して垂直な円の円周上を周回するように色彩配列コード13がマーキングされている。この円筒10を、内側が鏡面である円錐形の曲面ミラー16の内側に配置し、この曲面ミラー16の上方から、曲面ミラー16と、円筒10と、を所定の撮像手段を用いてキャプチャーし、キャプチャ画像19を得る。色彩配列コード13は、曲面ミラー16によって反射され、キャプチャ画像19中の曲面ミラー16の内側に円周状に映し出される。このキャプチャ画像19を所定の「色彩配列コード」システムに取り込むことによって、色彩配列コード13をデコードすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的自動認識コードの読み取り装置に関する。特に、改良された画像キャプチャリング手法を採用する光学的自動認識コードの読み取り装置に関する。
【0002】
また特に、本発明は、光学的自動認識コードの一種であり、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表現する色彩配列コードの画像キャプチャリング方法に関連する技術である。
【背景技術】
【0003】
古典的なバーコード
従来、物品にいわゆるバーコードを付加することで、その物品のIDを管理する技術は広く利用されており、販売、物流、製造とあらゆる場面に応用されている。
【0004】
しかしながら、これらバーコードは一般に黒バーや白バーの位置が厳密に定められているので、その位置を維持できるようなある程度平滑な平面にマーキングされることを前提とする光学的自動認識コードである。
【0005】
従って、物品に歪みがあったり、形状が変化しやすいものに対しては従来のバーコードを直接付加することは困難であるので、通常、バーコードを印字したラベルを別途添付したり、紐状のものでそのラベルをぶら下げたり、又は、シールを貼付するする等の方法が採用されてきた。
【0006】
色彩配列コード
これに対し、本発明の発明者は、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表現する「色彩配列コード」を開発した。この色彩配列コードは、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表現し、各色彩領域の厳密な位置に関する規定は設けられていないものである。
【0007】
そのため、本願発明者が開発したこの「色彩配列コード」は、形状の変化の影響を受けにくく、多少対象物が変形したり、表面に凹凸が存在してもデータを保持・表示し、データを読み取ることができる(デコードできる)という技術的特徴を有する。そこで、本発明の発明者は、従来のバーコードでは添付・デコードが困難であった物品に対して、色彩配列コードを添付・デコードする自動認識手段・方法等を多数発明し、開示(特許出願)してきた。(※但し、特許出願の発明の名称は、必ずしも「色彩配列コード・・・」ではなく、「自動認識コード・・・」等の名称が使用されている。)
用語
光学的な手段を用いて読み取るためのコード(体系)を、ここでは、光学的自動認識コード、又は単に光学的認識コードと呼ぶ。これは、コード体系の名称でもあるし、また、付されたそれぞれの一塊りの各表示を指す呼び名でもある。
【0008】
この光学的自動認識コードに基づく一塊りの各表示を、コード体系という意味と区別し、個別の表示その物を特に表したい場合は、「光学的自動認識コード」を「コードシンボル」、又は、単に「シンボル」と称する。
【0009】
また、この光学的自動認識コード(の各コードシンボル)を読み取って原データを得ることを「読み取り」と呼ぶ。この場合、コードシンボルを光学的に撮影することは、特に「キャプチャリング」、「キャプチャー」と呼び、撮影した結果から原データを得ることを特に「デコード」と呼ぶ。また、光学的自動認識コードのコードシンボルを対象物に付することを「マーキング」と呼ぶ。
【0010】
また、これら光学的自動認識コードを読み取る装置を「読み取り装置」「自動認識装置」などと呼ぶ。同様に、その読み取り方法を、「読み取り方法」「自動認識方法」などと呼ぶ。
【0011】
またさらに、各コードシンボルを付す対象物を、「被印物」、又は「対象物」と呼ぶ。被印物にコードシンボルをマーキングする際に用いる具体的な手段を、特に「媒体」と呼ぶ。例えば、コードシンボルを印字した「シール」や、コードシンボルを印字した「ラベル」、「下げ札」などが「媒体」の好適な一例である。被印物に直接、顔料・染料等でマーキングする場合は、この「顔料」・「染料」などが「媒体」の好適な一例である。
【0012】
背景技術1:陰になって撮影できない場合
さて、このように、本願発明者は、凹凸のある面にもマーキングすることができる色彩配列コードを開発した。
【0013】
しかしながら、この「色彩配列コード」であっても従来の白黒の「バーコード」であっても、光学的に読み取るコードである以上、被印物の陰になる部分の光学的自動認識コードを読み取ることは困難であった。
【0014】
これは、従来の読み取り装置が有するキャプチャー手段は、ある1方向側からの撮影・読み取りにのみ対応している場合がほとんどだからである。
【0015】
極端な例を挙げれば、被印物の裏面にマーキングされている場合は読みとれないということが挙げられよう。また、例えば、丸いボール状の物品に比較的大きくコードシンボルをマーキングした結果、コードシンボルの全体を一度に撮影できない(キャプチャーできない)場合があることは容易に想像することができる。すなわち、ボールの縁部分や裏部分は読み取りが困難だからである。
【0016】
このように、光学的な自動認識手段は、被印物に隠れた部分が存在し、コードシンボルががその隠れた場所にまで及ぶ場合は、読み取りが困難となる場合が多い。
【0017】
円筒形の例
図1には、円筒10の外側の壁面上に周回するように色彩配列コードがマーキングされた例が示されている。そして、実際に本願発明者が製作した試作例の写真が図12に示されている。
【0018】
この図1のようなケースでは、色彩配列コードは、円筒10の軸を中心に180度以上にわたってマーキングされている。この円筒10を側面から一回撮像した場合には、色彩配列コードが撮像手段の視点から見えずに、円筒の(視点から見て)裏側に隠れる場合があり、その場合には、全ての色彩配列コードが画面に入らず、読み取りは困難である。
【0019】
このような場合における解決手法として、いくつかのキャプチャ画像を合成する方法が考えられる。すなわち、円筒10の周囲に3〜4個程度の撮像手段を配置し、撮影すれば、コードシンボルの全体を撮影することができる。そして、撮影した画像を合成して、原コードシンボルを2次元平面上に投影することも可能であると考えられる。しかしながら、このような手法では、撮影に時間がかかり、コードシンボルの読み取りに時間がかかってしまうことは明らかである。さらに、複数個の撮像手段が必要であり、装置構成が複雑となりがちである。1個の撮影手段を回転移動させながら撮影する手法も考えられるが、その移動のために複雑な機構が必要となってしまうおそれがある。
【0020】
一方、古典的ないわゆる白黒のバーコードの読み取りにおいては、バーコードの全長全てを一度にキャプチャーできない場合に、読み取った各部分を構成してバーコードの全体を把握する技術が知られている。この技術は、バーコードの各部分をつなぎ合わせる「ステッチング技術」と呼ばれている。
【0021】
また、古典的な白黒のバーコードでは、バーコードがマーキングされた面がいずれの方角を向いていても良好に撮像し、デコードが可能であるようにするために、スロットスキャナと複数のミラーとを用いて、バーコードを多方向から同時にスキャンする技術が広く知られている。
【0022】
なお、本発明で言う「色彩配列コード」は、本発明の発明者が既に出願している特許出願(特願2006−196705号等)に記載の技術、及び、その技術の特徴を含むものである。ここに記載の光学的自動認識コードは、色彩の並び、遷移、変化、組み合わせ、によってデータを表すコードであり、各色彩の領域の大きさや形状は直接データの読み取りには影響しない光学的自動認識コードである。
【0023】
本特許で言うところの色彩配列コードは、色彩でデータを表すようなコードであればどのようなものでもかまわない。
【0024】
背景技術2:コードシンボルが大きくて一度に撮像できない場合
コードシンボルの全体を一度に撮像できない場合としては、上述したように被印物の陰(や裏側など)になってしまう場合の他に、コードシンボルが大きすぎてその全体を撮影できない場合がある。この場合、被印物と撮像手段(CCDカメラ等)を離せば良いのであるが、現場のスペース等の関係でカメラと被印物との距離を十分に確保することができない場合も多い。
【0025】
そもそも、自動認識の現場においては、POSレジスタ等のように、キャプチャーする手段と対象である被印物とが極めて近接している場合が多い。そのため、被印物の至近距離からでも、コードシンボルの全体を撮像できれば便利であるが、未だそのための技術は知られておらず、上述したようなステッチングの技術で、個々に撮像したコードシンボルの断片を合成してコードシンボルの全体を得ているのが一般的である。
【0026】
しかし、このようなステッチングは、個々の画像を合成する関係上、画像処理に時間がかかる場合がある。また、各断片画像を全て鮮明にキャプチャーする必要があり、しばしばエラーが多発してしまう事態も想定される。
【0027】
そのため、ステッチングによらずに、コードシンボルの全体を一度に撮像・キャプチャーできる手法が広く望まれている。
【0028】
先行技術文献
例えば、下記特許文献1には、凹面反射鏡を利用して、離れた位置のバーコードを、撮像素子上に結像させて読み取ることが可能な光学情報読取装置が開示されている。
【0029】
また、下記特許文献2には、物体の周りに複数の鏡を設置することによって、物体の周回方向からの画像を一度の撮影から得る撮影方法が開示されている。
【0030】
また、下記特許文献3には、筒体内で、三角柱ミラーを回転させることによって、筒体内の内壁面の全周を撮影できる撮影装置が開示されている。
【0031】
【特許文献1】特開平8−320908号公報
【特許文献2】特開2004−021009号公報
【特許文献3】特開平11−325862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
本発明は、以下に述べる2つの課題を解決することを目的とする。
【0033】
(1)本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、被印物の裏などの隠れた部分にも色彩配列コードが存在するような場合においても、その色彩配列コードの全体を単一の撮像手段で一度に読み取り、デコードができるような技術を提供することである。
【0034】
(2)本発明の第2の目的は、コードシンボルが撮像手段の画角よりも広い範囲にマーキングされている場合においても、その色彩配列コードを一度の撮像で読み取り、デコードができるように技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
(1)上記課題を解決するために、本発明は、光学的自動認識コードを読み取る読み取り装置において、前記光学的自動認識コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコード手段と、前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせる反射鏡と、を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置である。
【0036】
(2)また、本発明は、上記(1)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0037】
(3)また、本発明は、上記(1)又は(2)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0038】
(4)また、本発明は、上記(3)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かい、前記撮像手段は、前記外部に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0039】
(5)また、本発明は、上記(1)又は(2)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0040】
(6)また、本発明は、上記(5)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かい、前記撮像手段は、前記頂部方向に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0041】
(7)また、本発明は、上記(1)記載の光学的自動認識コード読み取り装置に用いられる前記反射鏡であって、前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせることを特徴とする前記反射鏡である。
【0042】
(8)また、本発明は、上記(7)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学的自動認識コード読み込み装置用反射鏡である。
【0043】
(9)また、本発明は、上記(7)又は(8)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡である。
【0044】
(10)また、本発明は、上記(9)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かうことを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡である。
【0045】
(11)また、本発明は、上記(7)又は(8)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡である。
【0046】
(12)また、本発明は、上記(11)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かうことを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡である。
【0047】
(13)また、本発明は、上記課題を解決するために、光学的自動認識コードを読み取る読み取り方法において、前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせる反射鏡を用いて、前記光学的自動認識コードの像を反射させ、反射した前記像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップにおいて撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコードステップと、を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法である。
【0048】
(14)また、本発明は、上記(13)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
【0049】
(15)また、本発明は、上記(13)又は(14)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
【0050】
(16)また、本発明は、上記(15)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かわせ、前記撮像ステップにおいては、前記外部に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
【0051】
(17)また、本発明は(13)又は(14)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
【0052】
(18)また、本発明は、上記(17)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かわせ、前記撮像ステップにおいては、前記頂部方向に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
(19)本発明は、上記課題を解決するために、光学的自動認識コードを読み取る読み取り装置において、前記光学的自動認識コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコード手段と、前記光学的自動認識コードの像を縮小させて前記撮像手段に向かわせる光学系と、を含み、前記光学系は、広角レンズ又は魚眼レンズを含む光学系であることを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置である。
(20)また、本発明は、上記(19)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記前記デコード手段は、前記魚眼レンズを通過した前記光学的自動認識コードの像の歪みを補正する補正手段を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置である。
(21)本発明は、上記課題を解決するために、光学的自動認識コードを読み取る読み取り方法において、前記光学的自動認識コードの像を所定の撮像手段に向かわせる光学系を用いて、前記撮像手段に向かわせ、前記光学的自動認識コードを前記撮像手段を用いて撮像する撮像ステップと、前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコードステップと、を含み、前記光学系は、広角レンズ又は魚眼レンズを含む光学系であることを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法である。
(22)また、本発明は、上記(21)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記前記デコードステップは、前記魚眼レンズを通過した前記光学的自動認識コードの像の歪みを補正する補正ステップを含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法である。
【発明の効果】
【0053】
以上述べたように、本発明によれば、一方向からの撮影によって、対象物にマーキングされた色彩配列コードを、隠れた部分も含めて読み取ることが可能となる。
【0054】
そのため、対象物の周囲に一周するように色彩配列コードがマーキングされているような場合であっても、一回の撮像によって色彩配列コードの全体を読み取ることができ、効率的な色彩配列コードの読み取りが可能となる。
【0055】
また、本発明によれば、広い範囲の撮影を行うことができるので、大きなコードシンボルであってもその全体をキャプチャーすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、図面に基づいて、本発明に係る光学的自動認識コードの読み取り装置の好適な実施の形態について説明する。
【0057】
実施の形態1
本実施の形態1においては、円筒の外側の壁面上に周回するようにマーキングされた色彩配列コードを読み取る読み取り装置について説明する。
【0058】
本実施の形態における色彩配列コードとは、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表すコードである。従って、この色彩配列コードによれば、各色彩領域の形状・大きさについては特に規定がない。その結果、色彩の配列・順番等が維持されている限り、データの読み取りが可能なコードである。そのようなコードとしては、例えば、本願発明者らが発明した1Dカラービットコード(特願2006−196548号)、1.5Dカラービットコード」(特願2006−190765号)等が挙げられるが、その他の色彩を利用したコードでも良い。
【0059】
この色彩配列コードが、円筒の曲面である側壁上に一周、周回するようにマーキングされた場合には、一方向からこの円筒を撮像した場合には、色彩配列コードの一部が隠れた部分に存在することとなり、一度の撮像によってこの色彩配列コード全てを撮像することは困難である。
【0060】
本実施の形態1では、上述した背景技術と異なり、簡易な構成で一度に全ての色彩配列コードをキャプチャーし、迅速に原データをデコードすることを目的としている。
【0061】
すなわち、上述した背景技術では、複数回のキャプチャーによって、バーコード全体を読み取っているが、このような構成では、作業が繁雑となったり、複数回のキャプチャーのための特別な構造が必要となってしまうこともある。
【0062】
また、背景技術で述べた他のケースでは、ミラーを用いて、多様な方向からバーコードを読み取っている。
【0063】
本実施の形態1に説明する技術は、これら背景技術で述べたケースとは異なり、色彩配列コードが、被印物の陰の部分にまで及んでいる場合において、曲面ミラーを用いて、色彩配列コードの全体の画像を取得している。
【0064】
すなわち、本実施の形態1は、端的に言えば、色彩配列コードが被印物上において、その被印物の中心に対して180度以上にわたって設けられている場合、通常の撮像手段を用いた1回の撮像だけではその色彩配列コードの全体を読み取れない場合でも、曲面ミラーを用いて、一度にコードシンボルの全体を撮像しようとするものである。
【0065】
図1には、色彩配列コードがマーキングされた円筒10が示されている。また、図12には、同様の円筒を、本願発明者が製作した例を示す写真が示されている。
【0066】
この円筒10の側面の外表面上には、円筒10の軸に対して垂直な円の円周上を周回するように色彩配列コード13がマーキングされている。この色彩配列コード13は、円筒10の軸を中心に180度以上、360度近くにわたってマーキングされている。従って、図1に示すように、単に円筒10の側面を見るだけでは、色彩配列コード13の全てを視認することはできない。もちろん、単一の撮像手段を用いて1回撮像した場合も、コードシンボルの全体を撮像することは困難である。
【0067】
次に、図2には、円筒10と、この円筒10に対して用いる曲面ミラー16(円錐形)が示されている。図13には、この円筒10と、曲面ミラー15(電球等の笠などに用いられる回転放物面)との実際の例を示す写真が示されている。
【0068】
本実施の形態において特徴的なことは、この曲面ミラー16を用いて、コードシンボルの像を反射させてから撮像したことである。この結果、曲面ミラー16によって、コードシンボルの全体像が1方向に反射され、その方向上に配置されている撮像手段がコードシンボルの全体像を撮像することが可能になるものである。
【0069】
さて、この曲面ミラー16の内面は曲面の鏡面である。
【0070】
そして、この曲面ミラー16の内側に、円筒10を配置する。図3には、この配置を撮った場合の、この曲面ミラー46と円筒10との位置関係を表す図が示されている。この図3に示すように、円筒10は、その軸と曲面ミラー16の軸とがほぼ同一となるように配置される。また、、曲面ミラー16が、色彩配列コード13をその内部に位置するように配置する。言い換えれば、曲面ミラー16の高さは、色彩配列コード13の位置より高くなるような位置に設定する。なお、この曲面ミラー16の内側に、円筒10を配置した実際の例を示す写真が図14に示されている。
【0071】
このような状態(図3)から、円筒10と平行な方向で、円筒10の軸を延長した上方位置から、これら曲面ミラー16及び円筒10を、所定の撮像手段を用いてキャプチャーする。
【0072】
このようにしてキャプチャーした画像の一例が図4に示されている。
【0073】
図4には、本実施の形態1における色彩配列コードを読み込むシステムの操作画面の一例が示されている。この操作画面は、コンピュータ画面であり、右部分に、撮像手段が得たキャプチャ画像が表示され、左側にはデコード結果であるデータの値が適宜表示されている。図15には、本願発明者が実際に作成したコンピュータプログラムの画面をキャプチャーした画面が示されている。
【0074】
本実施の形態1における色彩配列コード読み取りシステムは、所定の撮像手段と、コンピュータと、から構成されている。このコンピュータは所定のデコードプログラムが起動しており、図4(図15)の操作画面はそのデコードプログラムの操作画面である。
【0075】
もちろん、このシステムは、コンピュータと、そのコンピュータ上で動作するプログラムと、から構成されている。この図4の画面に示されているように、このシステムの画面においては、右側にキャプチャ画像19が表示されており、図4の左側には、キャプチャ画像19からデコードによって得られたデータ、その他撮像を行う条件等が示されている。
【0076】
利用者は、この画面上で種々の操作を行うことにより、色彩配列コードから元のデータをデコードするのである。
【0077】
この図4の右側のキャプチャ画像19に示されているように、撮像手段は、円筒10と、曲面ミラー16と、が同心円状になるように撮影を行っている。すなわち、円筒10の長手方向であって、曲面ミラー16とは反対側から撮影を行っている。
【0078】
このキャプチャ画像19から容易に理解できるように、曲面ミラー16の内側には、被印物である円筒10上に周回するように設けられている色彩配列コード13の全てが円周状に映し出されていることが理解されよう。
【0079】
本実施の形態1において特徴的なことは、円筒10の側面の曲壁にマーキングされている色彩配列コード全体を、曲面ミラー16を用いて、撮像手段方向に向けて反射させて、色彩配列コード16の全体像を一度にキャプチャーできるようにしたことである。
【0080】
このような構成によって、従来のように、複数回の撮像動作を行わなくとも、一度で撮像できるため、より効率的なデコード作業を実施することが可能となる。
【0081】
なお、本実施の形態における色彩配列コード読み取りシステムは、認識した色彩配列コード13を「認識した」ことを利用者に表示するために、色彩配列コード13を囲むような所定の枠22を表示する。この表示によって、利用者は認識した色彩配列コード13を知ることができる。
【0082】
本実施の形態1における、曲面ミラー16と、所定の撮像手段と、所定のコンピュータと、からなる色彩配列コード読み取りシステムが、特許請求の範囲に記載の読み取り装置の好適な一例に相当する。
【0083】
本実施の形態1においては、曲面ミラー16を用いて色彩配列コード13の像を反射させているので、図4に示すように、その色彩配列コードの反射像の形状は一般に歪んでいる。
【0084】
しかしながら、本実施の形態1で用いている色彩配列コードは、既に説明したように、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表すコードであるので、その形状が歪んだ場合であっても、色彩の順番が変化していない限り、その反射像から元のデータを容易に復元する(デコードする)ことが可能である。
【0085】
換言すれば、上述したように、色彩の順番等でデータを表すコードであって、形状の歪み等によっては読み取りに影響を与えない光学式認識コードであれば、利用することが可能である。
【0086】
また、このように、本実施の形態で採用した「色彩配列コード」は、その形状が歪んでいる場合であってもデコードできるので、以下のことが言える。
【0087】
・曲面ミラー16の反射面の面精度は高い精度は不要である。但し、曲面の曲率は連続である必要がある。曲面上に曲率が不連続である場所(点、線、面)が存在する場合は、その場所で、像が2重になったり、色彩の順番が反転する等の現象を引き起こす可能性がある。この場合は、色彩の順番や組み合わせが狂って異なる順番等になることがある。このような状況下では、正確な原データの復元(デコード)は困難となる。
【0088】
・円筒10と、曲面ミラー16と、撮像手段と、の位置関係に精密な位置とその位置への配置処理は不要である。多少の位置ずれがあっても、色彩の順番等は変化しないと考えられるからである。別の言い方をすれば、色彩の順番等が変化しない程度の位置のずれであれば許容できる範囲であるとも言えよう。
【0089】
このように、本実施の形態における色彩配列コードの読み取りシステムは、機械的な精度をそれほど要求されないので、簡便に構成することができる。
【0090】
運用の態様
実際に、このシステムを用いた場合、利用者は、まず、対象物である円筒10を曲面ミラー16中に載置し、それを上方から撮影するという作業の流れで、色彩配列コードを認識することが考えられる。撮影は、所定のCCDカメラ、ビデオカメラ、等で行い、これら撮像手段の出力信号は所定のコンピュータに供給される。そして、コンピュータが、供給されてきた画像データを解析して、原データを復元するのである。このためのプログラムは、従来の読み取りプログラムをそのまま利用すれば良い。
【0091】
また、本実施の形態では、対象物として円筒10を説明したが、同様の形状であって、同様に側面の円筒面に光学的自動認識コードをマーキングしたものであれば、同様に応用可能である。
【0092】
また、機械部品等を大量に検査する場合等においては、曲面ミラー16を多数パレット上に配置し、その中に部品を1個1個配置するような生産システムを構成することも好適である。曲面ミラー16の深度を深く設定し、円筒状の部品が自動的にその中で自立する構成を採用すればより好適である。このような部品を保持するパレットを用いて部品の生産・加工を行うプロセスを構成すれば、その部品の円筒面にマーキングした光学式認識コードを容易に読み取ることができるので、部品管理、生産管理を容易に実行することが可能である。
【0093】
このような曲面ミラー16を多数配置したパレットは、いわば「お椀」状の曲面ミラー16を多数個、格子状に配置し、それぞれの曲面ミラー16中に部品をそれぞれ入れる構成となる。また、このようなパレットによれば、その上面からCCDカメラ等で撮像することによって、複数の部品の光学式認識コードを一括して読み取ることも可能となり、より一層、円筒状の部品の生産管理・加工を円滑に実行することができる。
【0094】
なお、ここでは、円筒状の部品の円筒面(側壁)に光学式認識コードをマーキングする例について説明したが、回転体であれば他の形状の物体でも利用可能である。例えば、釣りの浮き等の回転楕円体等が挙げられる。また、厳密な円筒でなくても、多角柱でも良い。例えば、六角ナット(六角柱)の周囲の面に光学式認識コードをマーキングした場合等が挙げられる。
【0095】
曲面ミラーの形態
曲面ミラー16としては、いわばお椀状の鏡を利用する例(回転放物面を切り取った一部の如き形状)を説明したが、上で述べたように、曲率が連続であればどのような面でも良い。例えば、回転双曲面の一部を切り取った形状でも良い。これらの例は、大域的には凹面であるが、特に凹面でなくても良く、円錐を切り取ったコーン状でも良く、場合によっては凸面でも理論上は可能である。但し凸面では反射像が小さくなるので、デコードの精度を向上させるために、実際上は凹面の方が好適な場合が多いであろう。
【0096】
実施の形態1の変形例
なお、本実施の形態1と同様に、従来のバーコードを、円筒10の外側の壁面上に周回するようにマーキングを行い、そのバーコードを曲面ミラー16に反射させた場合には、その曲面ミラー16には形状が歪んだバーコードが映し出される。
【0097】
従来のバーコードは、その形状、特に白バーと黒バーとの太さ・位置によってデータを表すので、歪んだバーコードを読み取ることは一般的には困難であり、読み取ることはできない。
【0098】
しかしながら、その反射像のキャプチャ画像を画像処理的に矯正し、歪みを是正すれば、デコードを行うことができ、元データを復元することが可能である。歪みのある画像を画像処理で修正することは近年広く行われていることであるから、当業者であればそのような画像処理を行うことは容易である。
【0099】
実施の形態2
本実施の形態2においては、撮像手段の視野よりも広い範囲にマーキングされた色彩配列コードを読み取る読み取り装置について説明する。
【0100】
デコードを行う対象である色彩配列コードが、撮像手段の視野よりも広い範囲にマーキングされている場合には、その色彩配列コードの一部が、撮像手段の視野の外にはみ出すこととなり、一度の撮像動作によってこの色彩配列コード全てをデコードすることはできない場合があった。
【0101】
そこで、本実施の形態2では、凸面系の反射板を用いることによって、色彩配列コードが大きく、撮像手段の画角に入りきれない場合においても、一度の撮像によって、その色彩配列コード全体の画像を取得している。
【0102】
図5には、CCDカメラ25の視野28の外側にはみ出した色彩配列コード22が示されている。この図において、視野28の外側にはみ出した色彩配列コード22(色彩配列コード22の両端付近)は、CCDカメラ25は認識することはできない。そこで、本実施の形態2では、読み取り光学系に凸面鏡31を介在させることによって、色彩配列コード22の全てをCCDカメラ25が撮像できるようにしたのである。
【0103】
このように、凸面鏡31を利用することによって、CCDカメラ25の画角を広げることができ、より大きなコードシンボルや、コードシンボルとの距離が近い場合(十分な距離を確保できない場合)でも、そのコードシンボルの全体を撮像することが可能である。特に、部品管理等においては、部品とCCDカメラとの距離を十分に確保することができない場合が多く、そのような場合に、凸面鏡31の利用は有用である。
【0104】
図6には、この凸面鏡31を介在させた場合の読み取り光学系の概念図が示されている。この図に示されるように、凸面鏡31は、色彩配列コード22全体を十分に囲む視野34からの光を、その鏡面によって、CCDカメラ25に向かうように反射させている。この結果、CCDカメラ25の画角が実質的に拡大し、色彩配列コード22全体の像をCCDカメラ25が撮像することができる。
【0105】
次に、図7には、CCDカメラ25が、視野34をキャプチャーしたキャプチャ画像37が示されている。この図7から分かるように、キャプチャ画像37中には、色彩配列コード22の全体の画像が表されることが理解できる。このキャプチャ画像37を、実施の形態1と同様に、所定の色彩配列コード読み取りシステムに読み込ませ、デコードを行えば、所望の原データが得られる。
【0106】
図7に示すように、凸面鏡31の影響で像には歪みが生じているが、本実施の形態2に係る色彩配列コードは、色彩の並び・配列・組み合わせ等によってデータを表現するので、各色彩の領域の形状や位置が多少ずれても、並び順が変わらない限り、原データを復元することができる。
【0107】
本実施の形態2においては、凸面鏡31と、CCDカメラ25と、色彩配列コード読み取りシステムと、からなる読み取り装置が、特許請求の範囲に記載の読み取り装置の好適な一例に相当する。
【0108】
なお、色彩配列コードではなく、従来の古典的なバーコードを凸面鏡31に反射させて読み取ることも好適である。
【0109】
しかし、その場合には、CCDカメラ25には歪んだ形状のバーコードが結像される場合もあるので、従来のバーコードをそのまま適用することは困難な場合が想定される。
【0110】
しかしながら、その反射像のキャプチャ画像を画像処理的に矯正して歪みを除去してからデコードを行うことによって、元のデータを復元することが可能になると考えられる。
【0111】
実施の形態3
複数のコードシンボルの一括読み込み
なお、色彩配列コードは、一般的に、複数のコードシンボルを一括して読み込むことが可能である。撮像する画面中に複数のコードシンボルが含まれている場合、その複数のコードシンボルの原データをそれぞれ得れば良い。具体的な処理はコンピュータ上の画像処理で実現される。
【0112】
なお、本発明者は、撮像手段が撮像した画像中からコードシンボルをデコードする技術を、別途、特願2007−130504号(BCR−0006)で開示している。
【0113】
例えば、上述した実施の形態1や実施の形態2においては、1個のコードシンボルに対するのみ処理を説明したが、複数のコードシンボルを撮像して、その処理を行うことも好適である。その場合には、その複数のコードシンボルを一括して読み取ることが可能となる。
【0114】
実施の形態4 実施の形態2の変形例
なお、上記実施の形態2においては、凸面鏡を用いたが、同じような光学的性質を有するものとして、いわゆる広角レンズ系を用いることも好適である。さらには、より広角な光学系としていわゆる魚眼レンズの光学系を用いることも好ましい。
【0115】
この魚眼レンズは、いわゆる等距離射影結像を行う光学系であることが知られており、周辺部の像は著しく歪むことが知られている。しかし、上述した色彩配列コードは、色彩領域の並び・変化・組み合わせ等によってデータを表すコードであるので、各色彩領域が歪んだだけでは原データの読み取りには影響を与えない。
【0116】
但し、古典的なバーコードを利用する場合は、画像処理によって歪みを除去する必要がある。色彩配列コードを利用する場合は、そのような処理が不要であり、より簡易に・安価に装置を構成することが可能となると考えられる。
【0117】
このように、本実施の形態では、特に色彩配列コードを利用することが好ましい。この色彩配列コードを利用することによって、歪みが大きい光学系でも容易に使用することが可能となり、コードマーキングのレイアウトの自由度が大きく広がるのである。
【0118】
実施の形態5
本実施の形態5においては、円筒の内側の壁面にマーキングされた色彩配列コードを読み取る読み取り装置を説明する。
【0119】
商品管理のための光学式認識コードは、物品の表面にマーキングしたのでは、物品の外観を損なう場合があるため、内部に光学式認識コードをマーキングできれば好ましい。例えば、管やパイプ等の商品においては、表面の美観等を考慮してバーコードなどの光学式認識コードを内壁面にマーキングできれば好適である。
【0120】
しかしながら、細いパイプなどでは、内部が狭いので、CCDカメラ等を挿入してもその光学式認識コードを読み取ることが困難であり、実用された例はそれほど多くはない。
【0121】
また、印字装置の特性を考慮すると、パイプの長手方向に印字する場合は、U字型断面の壁面に印字を行うことになり、特殊な印字装置が必要となる場合がある。そのため、パイプの内周面を周回するように、光学式認識コードをマーキングする方が、印字装置の構成は容易である。例えば、インクジェットノズルを、360度回転できるように構成してそれをパイプの所定位置に挿入してノズルを回転させながらインクを吐出させれば、容易にマーキングできると考えられる。
【0122】
ところが、このように、例えば色彩配列コードを円筒の内壁面を周回するようにマーキングした場合は、このコードを読み取ることは一般的には煩雑な仕組みが必要となる。それは、パイプ内部に挿入したCCDカメラ等が周回するようなコードシンボルを一度に撮影することはほぼ不可能であるからである。そのため、CCDカメラの向きを変えて数枚の画像を撮像し、得られた画像をいわゆるステッチングの技術で合成するしかないと考えられている。例えば、90度の画角を有するカメラを90度ずつ4回周回させて4枚の画像を撮像して、得られた4枚の画像を画像処理的につなげるのである。このようにしてパイプ内部の内周面に周回するように設けられているコードシンボルを読み取り、デコードすることは技術的にはできる可能性がある。
【0123】
しかしながら、
(1)細いパイプにも挿入できるCCDカメラ及び照明を構成する必要がある。
【0124】
(2)また、そのCCDカメラを回転させる仕組みを実現する必要がある。
【0125】
(3)また、ステッチングの処理を行う必要がある。
【0126】
等の煩雑な処理が必要となってしまう。そのため、上述したように、内壁面に光学式認識コードをマーキングすることは余り行われていない。
【0127】
従って、パイプ等への内壁面にマーキングされた光学式認識コードをより容易に読み取る技術が望まれている。
【0128】
本実施の形態5では、係る事情に鑑み、光学式認識コードが、被印物の内部にマーキングされている場合においても、後述する曲面ミラーを用いて、その色彩配列コード全体の画像を取得し、デコードを行う技術を説明する。
【0129】
まず、図8には、内壁面に色彩配列コード43がマーキングされた円筒40の外観図が示されている。
【0130】
この図に示すように、色彩配列コード43は、円筒40の軸に垂直な円の円周上を周回するように、円筒40の内側の壁面にマーキングされている。
【0131】
本実施の形態5において特徴的なことは、円錐形の曲面ミラーを用いて、この曲面ミラーを円筒内部に挿入し、この曲面ミラーから反射された色彩配列コードを円筒の外部に配置した撮像手段で撮影したことである。
【0132】
図9には、本実施の形態で用いる円筒40と曲面ミラー46とが示されている。この図9の曲面ミラー46の外部の面は鏡面である。この点、実施の形態1における曲面ミラーが内面が鏡面であったのとは異なる。
【0133】
また、この図9に示すように、円筒40の内側の壁面上には、周回するように色彩配列コード43がマーキングされている。
【0134】
次に、この円筒40の内部に曲面ミラー46を挿入する。図10には、この円筒40と曲面ミラー46との位置関係を表す図が示されている。この図に示すように、曲面ミラー46は、その軸が、円筒40の軸とほぼ同一となるように挿入・配置される。また、この図に示すように、円筒40の一方の端面付近には、CCDカメラ49が配置され、曲面ミラー46は、その尖鋭部がCCDカメラ49に向かうように配置される。この状態で、CCDカメラ49を用いて、円筒40と曲面ミラー46とをキャプチャーする。
【0135】
図11には、このキャプチャーしたキャプチャ画像52が示されている。この図11に示すように、CCDカメラ49は、円筒40と曲面ミラー46とが同心円状に写るように撮像を行う。この結果、撮像した画像52中の円筒40内には、曲面ミラー46の鏡面に反射された色彩配列コード43全てが、円周状に映し出されるのである。
【0136】
この撮像した画像52を、実施の形態1及び2と同様に、所定の色彩配列コードシステムが取り込み、デコードを行う。
【0137】
本実施の形態5においては、曲面ミラー46と、撮像手段49と、所定の色彩配列コード読み取りシステムとが、特許請求の範囲に記載の読み取り装置の好適な一例に相当する。
【0138】
本実施の形態5において特徴的なことは、被印物の内部に色彩配列コードがマーキングされている場合に、曲面ミラー46を用いて、その色彩配列コード43を撮像手段の方向に向けて反射させ、色彩配列コード43の全体像を一度にキャプチャーできるようにしたことである。
【0139】
このような構成によって、従来の、色彩配列コードの読み取りが困難であった内面にマーキングがなされている場合でも、読み取り及びデコードを行うことが可能となり、これに伴って、コードマーキングのレイアウトの自由度が格段に高まる。
【0140】
なお、本実施の形態5では、色彩配列コードを利用する例について説明したが、古典的なバーコードなど他の光学式認識コードを利用することも可能である。但し、本実施の形態5では曲面ミラーによって像が歪む場合があるので、古典的なバーコードのように、各バーの位置や形状が維持される必要のあるコードの場合は、歪みを除去するための画像処理等が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】外側の壁面に色彩配列コードがマーキングされた円筒の様子を示す説明図である。
【図2】内側が鏡面である円錐形の曲面ミラーを示す図である。
【図3】曲面ミラーの内部に円筒を配置したときの位置関係を示す図である。
【図4】「色彩配列コード」システムの画面を示す図である。
【図5】CCDカメラの視野からはみ出した色彩配列コードを示す図である。
【図6】凸面鏡を介在させた読み取り光学系を示す図である。
【図7】凸面鏡を介在させて取り込んだキャプチャ画像を示す図である。
【図8】内側の内壁に色彩配列コードがマーキングされた円筒を示す図である。
【図9】外側が鏡面である円錐形の曲面ミラーを示す図である。
【図10】円筒の内部に曲面ミラーを配置したときの位置関係を示す図である。
【図11】円筒の内側の壁面にマーキングされた色彩配列コードが映し出されたキャプチャ画像を示す図である。
【図12】外側の壁面に色彩配列コードがマーキングされた円筒の様子を示す写真である。
【図13】内側が鏡面である円錐形の曲面ミラーを示す写真である。
【図14】曲面ミラーの内部に円筒を配置したときの位置関係を示す写真である。
【図15】「色彩配列コード」システムの実際のコンピュータ画面を示す図である。
【符号の説明】
【0142】
10 円筒
13 色彩配列コード
16 曲面ミラー
19 キャプチャ画像
22 枠
25 CCDカメラ
28 視野
31 凸面鏡
34 視野
37 キャプチャ画像
40 円筒
43 色彩配列コード
46 曲面ミラー
49 CCDカメラ
52 キャプチャ画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的自動認識コードの読み取り装置に関する。特に、改良された画像キャプチャリング手法を採用する光学的自動認識コードの読み取り装置に関する。
【0002】
また特に、本発明は、光学的自動認識コードの一種であり、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表現する色彩配列コードの画像キャプチャリング方法に関連する技術である。
【背景技術】
【0003】
古典的なバーコード
従来、物品にいわゆるバーコードを付加することで、その物品のIDを管理する技術は広く利用されており、販売、物流、製造とあらゆる場面に応用されている。
【0004】
しかしながら、これらバーコードは一般に黒バーや白バーの位置が厳密に定められているので、その位置を維持できるようなある程度平滑な平面にマーキングされることを前提とする光学的自動認識コードである。
【0005】
従って、物品に歪みがあったり、形状が変化しやすいものに対しては従来のバーコードを直接付加することは困難であるので、通常、バーコードを印字したラベルを別途添付したり、紐状のものでそのラベルをぶら下げたり、又は、シールを貼付するする等の方法が採用されてきた。
【0006】
色彩配列コード
これに対し、本発明の発明者は、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表現する「色彩配列コード」を開発した。この色彩配列コードは、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表現し、各色彩領域の厳密な位置に関する規定は設けられていないものである。
【0007】
そのため、本願発明者が開発したこの「色彩配列コード」は、形状の変化の影響を受けにくく、多少対象物が変形したり、表面に凹凸が存在してもデータを保持・表示し、データを読み取ることができる(デコードできる)という技術的特徴を有する。そこで、本発明の発明者は、従来のバーコードでは添付・デコードが困難であった物品に対して、色彩配列コードを添付・デコードする自動認識手段・方法等を多数発明し、開示(特許出願)してきた。(※但し、特許出願の発明の名称は、必ずしも「色彩配列コード・・・」ではなく、「自動認識コード・・・」等の名称が使用されている。)
用語
光学的な手段を用いて読み取るためのコード(体系)を、ここでは、光学的自動認識コード、又は単に光学的認識コードと呼ぶ。これは、コード体系の名称でもあるし、また、付されたそれぞれの一塊りの各表示を指す呼び名でもある。
【0008】
この光学的自動認識コードに基づく一塊りの各表示を、コード体系という意味と区別し、個別の表示その物を特に表したい場合は、「光学的自動認識コード」を「コードシンボル」、又は、単に「シンボル」と称する。
【0009】
また、この光学的自動認識コード(の各コードシンボル)を読み取って原データを得ることを「読み取り」と呼ぶ。この場合、コードシンボルを光学的に撮影することは、特に「キャプチャリング」、「キャプチャー」と呼び、撮影した結果から原データを得ることを特に「デコード」と呼ぶ。また、光学的自動認識コードのコードシンボルを対象物に付することを「マーキング」と呼ぶ。
【0010】
また、これら光学的自動認識コードを読み取る装置を「読み取り装置」「自動認識装置」などと呼ぶ。同様に、その読み取り方法を、「読み取り方法」「自動認識方法」などと呼ぶ。
【0011】
またさらに、各コードシンボルを付す対象物を、「被印物」、又は「対象物」と呼ぶ。被印物にコードシンボルをマーキングする際に用いる具体的な手段を、特に「媒体」と呼ぶ。例えば、コードシンボルを印字した「シール」や、コードシンボルを印字した「ラベル」、「下げ札」などが「媒体」の好適な一例である。被印物に直接、顔料・染料等でマーキングする場合は、この「顔料」・「染料」などが「媒体」の好適な一例である。
【0012】
背景技術1:陰になって撮影できない場合
さて、このように、本願発明者は、凹凸のある面にもマーキングすることができる色彩配列コードを開発した。
【0013】
しかしながら、この「色彩配列コード」であっても従来の白黒の「バーコード」であっても、光学的に読み取るコードである以上、被印物の陰になる部分の光学的自動認識コードを読み取ることは困難であった。
【0014】
これは、従来の読み取り装置が有するキャプチャー手段は、ある1方向側からの撮影・読み取りにのみ対応している場合がほとんどだからである。
【0015】
極端な例を挙げれば、被印物の裏面にマーキングされている場合は読みとれないということが挙げられよう。また、例えば、丸いボール状の物品に比較的大きくコードシンボルをマーキングした結果、コードシンボルの全体を一度に撮影できない(キャプチャーできない)場合があることは容易に想像することができる。すなわち、ボールの縁部分や裏部分は読み取りが困難だからである。
【0016】
このように、光学的な自動認識手段は、被印物に隠れた部分が存在し、コードシンボルががその隠れた場所にまで及ぶ場合は、読み取りが困難となる場合が多い。
【0017】
円筒形の例
図1には、円筒10の外側の壁面上に周回するように色彩配列コードがマーキングされた例が示されている。そして、実際に本願発明者が製作した試作例の写真が図12に示されている。
【0018】
この図1のようなケースでは、色彩配列コードは、円筒10の軸を中心に180度以上にわたってマーキングされている。この円筒10を側面から一回撮像した場合には、色彩配列コードが撮像手段の視点から見えずに、円筒の(視点から見て)裏側に隠れる場合があり、その場合には、全ての色彩配列コードが画面に入らず、読み取りは困難である。
【0019】
このような場合における解決手法として、いくつかのキャプチャ画像を合成する方法が考えられる。すなわち、円筒10の周囲に3〜4個程度の撮像手段を配置し、撮影すれば、コードシンボルの全体を撮影することができる。そして、撮影した画像を合成して、原コードシンボルを2次元平面上に投影することも可能であると考えられる。しかしながら、このような手法では、撮影に時間がかかり、コードシンボルの読み取りに時間がかかってしまうことは明らかである。さらに、複数個の撮像手段が必要であり、装置構成が複雑となりがちである。1個の撮影手段を回転移動させながら撮影する手法も考えられるが、その移動のために複雑な機構が必要となってしまうおそれがある。
【0020】
一方、古典的ないわゆる白黒のバーコードの読み取りにおいては、バーコードの全長全てを一度にキャプチャーできない場合に、読み取った各部分を構成してバーコードの全体を把握する技術が知られている。この技術は、バーコードの各部分をつなぎ合わせる「ステッチング技術」と呼ばれている。
【0021】
また、古典的な白黒のバーコードでは、バーコードがマーキングされた面がいずれの方角を向いていても良好に撮像し、デコードが可能であるようにするために、スロットスキャナと複数のミラーとを用いて、バーコードを多方向から同時にスキャンする技術が広く知られている。
【0022】
なお、本発明で言う「色彩配列コード」は、本発明の発明者が既に出願している特許出願(特願2006−196705号等)に記載の技術、及び、その技術の特徴を含むものである。ここに記載の光学的自動認識コードは、色彩の並び、遷移、変化、組み合わせ、によってデータを表すコードであり、各色彩の領域の大きさや形状は直接データの読み取りには影響しない光学的自動認識コードである。
【0023】
本特許で言うところの色彩配列コードは、色彩でデータを表すようなコードであればどのようなものでもかまわない。
【0024】
背景技術2:コードシンボルが大きくて一度に撮像できない場合
コードシンボルの全体を一度に撮像できない場合としては、上述したように被印物の陰(や裏側など)になってしまう場合の他に、コードシンボルが大きすぎてその全体を撮影できない場合がある。この場合、被印物と撮像手段(CCDカメラ等)を離せば良いのであるが、現場のスペース等の関係でカメラと被印物との距離を十分に確保することができない場合も多い。
【0025】
そもそも、自動認識の現場においては、POSレジスタ等のように、キャプチャーする手段と対象である被印物とが極めて近接している場合が多い。そのため、被印物の至近距離からでも、コードシンボルの全体を撮像できれば便利であるが、未だそのための技術は知られておらず、上述したようなステッチングの技術で、個々に撮像したコードシンボルの断片を合成してコードシンボルの全体を得ているのが一般的である。
【0026】
しかし、このようなステッチングは、個々の画像を合成する関係上、画像処理に時間がかかる場合がある。また、各断片画像を全て鮮明にキャプチャーする必要があり、しばしばエラーが多発してしまう事態も想定される。
【0027】
そのため、ステッチングによらずに、コードシンボルの全体を一度に撮像・キャプチャーできる手法が広く望まれている。
【0028】
先行技術文献
例えば、下記特許文献1には、凹面反射鏡を利用して、離れた位置のバーコードを、撮像素子上に結像させて読み取ることが可能な光学情報読取装置が開示されている。
【0029】
また、下記特許文献2には、物体の周りに複数の鏡を設置することによって、物体の周回方向からの画像を一度の撮影から得る撮影方法が開示されている。
【0030】
また、下記特許文献3には、筒体内で、三角柱ミラーを回転させることによって、筒体内の内壁面の全周を撮影できる撮影装置が開示されている。
【0031】
【特許文献1】特開平8−320908号公報
【特許文献2】特開2004−021009号公報
【特許文献3】特開平11−325862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
本発明は、以下に述べる2つの課題を解決することを目的とする。
【0033】
(1)本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、被印物の裏などの隠れた部分にも色彩配列コードが存在するような場合においても、その色彩配列コードの全体を単一の撮像手段で一度に読み取り、デコードができるような技術を提供することである。
【0034】
(2)本発明の第2の目的は、コードシンボルが撮像手段の画角よりも広い範囲にマーキングされている場合においても、その色彩配列コードを一度の撮像で読み取り、デコードができるように技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
(1)上記課題を解決するために、本発明は、光学的自動認識コードを読み取る読み取り装置において、前記光学的自動認識コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコード手段と、前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせる反射鏡と、を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置である。
【0036】
(2)また、本発明は、上記(1)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0037】
(3)また、本発明は、上記(1)又は(2)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0038】
(4)また、本発明は、上記(3)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かい、前記撮像手段は、前記外部に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0039】
(5)また、本発明は、上記(1)又は(2)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0040】
(6)また、本発明は、上記(5)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かい、前記撮像手段は、前記頂部方向に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置である。
【0041】
(7)また、本発明は、上記(1)記載の光学的自動認識コード読み取り装置に用いられる前記反射鏡であって、前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせることを特徴とする前記反射鏡である。
【0042】
(8)また、本発明は、上記(7)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学的自動認識コード読み込み装置用反射鏡である。
【0043】
(9)また、本発明は、上記(7)又は(8)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡である。
【0044】
(10)また、本発明は、上記(9)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かうことを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡である。
【0045】
(11)また、本発明は、上記(7)又は(8)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡である。
【0046】
(12)また、本発明は、上記(11)記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かうことを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡である。
【0047】
(13)また、本発明は、上記課題を解決するために、光学的自動認識コードを読み取る読み取り方法において、前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせる反射鏡を用いて、前記光学的自動認識コードの像を反射させ、反射した前記像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップにおいて撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコードステップと、を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法である。
【0048】
(14)また、本発明は、上記(13)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
【0049】
(15)また、本発明は、上記(13)又は(14)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
【0050】
(16)また、本発明は、上記(15)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かわせ、前記撮像ステップにおいては、前記外部に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
【0051】
(17)また、本発明は(13)又は(14)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
【0052】
(18)また、本発明は、上記(17)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かわせ、前記撮像ステップにおいては、前記頂部方向に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法である。
(19)本発明は、上記課題を解決するために、光学的自動認識コードを読み取る読み取り装置において、前記光学的自動認識コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコード手段と、前記光学的自動認識コードの像を縮小させて前記撮像手段に向かわせる光学系と、を含み、前記光学系は、広角レンズ又は魚眼レンズを含む光学系であることを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置である。
(20)また、本発明は、上記(19)記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、前記前記デコード手段は、前記魚眼レンズを通過した前記光学的自動認識コードの像の歪みを補正する補正手段を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置である。
(21)本発明は、上記課題を解決するために、光学的自動認識コードを読み取る読み取り方法において、前記光学的自動認識コードの像を所定の撮像手段に向かわせる光学系を用いて、前記撮像手段に向かわせ、前記光学的自動認識コードを前記撮像手段を用いて撮像する撮像ステップと、前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコードステップと、を含み、前記光学系は、広角レンズ又は魚眼レンズを含む光学系であることを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法である。
(22)また、本発明は、上記(21)記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、前記前記デコードステップは、前記魚眼レンズを通過した前記光学的自動認識コードの像の歪みを補正する補正ステップを含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法である。
【発明の効果】
【0053】
以上述べたように、本発明によれば、一方向からの撮影によって、対象物にマーキングされた色彩配列コードを、隠れた部分も含めて読み取ることが可能となる。
【0054】
そのため、対象物の周囲に一周するように色彩配列コードがマーキングされているような場合であっても、一回の撮像によって色彩配列コードの全体を読み取ることができ、効率的な色彩配列コードの読み取りが可能となる。
【0055】
また、本発明によれば、広い範囲の撮影を行うことができるので、大きなコードシンボルであってもその全体をキャプチャーすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、図面に基づいて、本発明に係る光学的自動認識コードの読み取り装置の好適な実施の形態について説明する。
【0057】
実施の形態1
本実施の形態1においては、円筒の外側の壁面上に周回するようにマーキングされた色彩配列コードを読み取る読み取り装置について説明する。
【0058】
本実施の形態における色彩配列コードとは、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表すコードである。従って、この色彩配列コードによれば、各色彩領域の形状・大きさについては特に規定がない。その結果、色彩の配列・順番等が維持されている限り、データの読み取りが可能なコードである。そのようなコードとしては、例えば、本願発明者らが発明した1Dカラービットコード(特願2006−196548号)、1.5Dカラービットコード」(特願2006−190765号)等が挙げられるが、その他の色彩を利用したコードでも良い。
【0059】
この色彩配列コードが、円筒の曲面である側壁上に一周、周回するようにマーキングされた場合には、一方向からこの円筒を撮像した場合には、色彩配列コードの一部が隠れた部分に存在することとなり、一度の撮像によってこの色彩配列コード全てを撮像することは困難である。
【0060】
本実施の形態1では、上述した背景技術と異なり、簡易な構成で一度に全ての色彩配列コードをキャプチャーし、迅速に原データをデコードすることを目的としている。
【0061】
すなわち、上述した背景技術では、複数回のキャプチャーによって、バーコード全体を読み取っているが、このような構成では、作業が繁雑となったり、複数回のキャプチャーのための特別な構造が必要となってしまうこともある。
【0062】
また、背景技術で述べた他のケースでは、ミラーを用いて、多様な方向からバーコードを読み取っている。
【0063】
本実施の形態1に説明する技術は、これら背景技術で述べたケースとは異なり、色彩配列コードが、被印物の陰の部分にまで及んでいる場合において、曲面ミラーを用いて、色彩配列コードの全体の画像を取得している。
【0064】
すなわち、本実施の形態1は、端的に言えば、色彩配列コードが被印物上において、その被印物の中心に対して180度以上にわたって設けられている場合、通常の撮像手段を用いた1回の撮像だけではその色彩配列コードの全体を読み取れない場合でも、曲面ミラーを用いて、一度にコードシンボルの全体を撮像しようとするものである。
【0065】
図1には、色彩配列コードがマーキングされた円筒10が示されている。また、図12には、同様の円筒を、本願発明者が製作した例を示す写真が示されている。
【0066】
この円筒10の側面の外表面上には、円筒10の軸に対して垂直な円の円周上を周回するように色彩配列コード13がマーキングされている。この色彩配列コード13は、円筒10の軸を中心に180度以上、360度近くにわたってマーキングされている。従って、図1に示すように、単に円筒10の側面を見るだけでは、色彩配列コード13の全てを視認することはできない。もちろん、単一の撮像手段を用いて1回撮像した場合も、コードシンボルの全体を撮像することは困難である。
【0067】
次に、図2には、円筒10と、この円筒10に対して用いる曲面ミラー16(円錐形)が示されている。図13には、この円筒10と、曲面ミラー15(電球等の笠などに用いられる回転放物面)との実際の例を示す写真が示されている。
【0068】
本実施の形態において特徴的なことは、この曲面ミラー16を用いて、コードシンボルの像を反射させてから撮像したことである。この結果、曲面ミラー16によって、コードシンボルの全体像が1方向に反射され、その方向上に配置されている撮像手段がコードシンボルの全体像を撮像することが可能になるものである。
【0069】
さて、この曲面ミラー16の内面は曲面の鏡面である。
【0070】
そして、この曲面ミラー16の内側に、円筒10を配置する。図3には、この配置を撮った場合の、この曲面ミラー46と円筒10との位置関係を表す図が示されている。この図3に示すように、円筒10は、その軸と曲面ミラー16の軸とがほぼ同一となるように配置される。また、、曲面ミラー16が、色彩配列コード13をその内部に位置するように配置する。言い換えれば、曲面ミラー16の高さは、色彩配列コード13の位置より高くなるような位置に設定する。なお、この曲面ミラー16の内側に、円筒10を配置した実際の例を示す写真が図14に示されている。
【0071】
このような状態(図3)から、円筒10と平行な方向で、円筒10の軸を延長した上方位置から、これら曲面ミラー16及び円筒10を、所定の撮像手段を用いてキャプチャーする。
【0072】
このようにしてキャプチャーした画像の一例が図4に示されている。
【0073】
図4には、本実施の形態1における色彩配列コードを読み込むシステムの操作画面の一例が示されている。この操作画面は、コンピュータ画面であり、右部分に、撮像手段が得たキャプチャ画像が表示され、左側にはデコード結果であるデータの値が適宜表示されている。図15には、本願発明者が実際に作成したコンピュータプログラムの画面をキャプチャーした画面が示されている。
【0074】
本実施の形態1における色彩配列コード読み取りシステムは、所定の撮像手段と、コンピュータと、から構成されている。このコンピュータは所定のデコードプログラムが起動しており、図4(図15)の操作画面はそのデコードプログラムの操作画面である。
【0075】
もちろん、このシステムは、コンピュータと、そのコンピュータ上で動作するプログラムと、から構成されている。この図4の画面に示されているように、このシステムの画面においては、右側にキャプチャ画像19が表示されており、図4の左側には、キャプチャ画像19からデコードによって得られたデータ、その他撮像を行う条件等が示されている。
【0076】
利用者は、この画面上で種々の操作を行うことにより、色彩配列コードから元のデータをデコードするのである。
【0077】
この図4の右側のキャプチャ画像19に示されているように、撮像手段は、円筒10と、曲面ミラー16と、が同心円状になるように撮影を行っている。すなわち、円筒10の長手方向であって、曲面ミラー16とは反対側から撮影を行っている。
【0078】
このキャプチャ画像19から容易に理解できるように、曲面ミラー16の内側には、被印物である円筒10上に周回するように設けられている色彩配列コード13の全てが円周状に映し出されていることが理解されよう。
【0079】
本実施の形態1において特徴的なことは、円筒10の側面の曲壁にマーキングされている色彩配列コード全体を、曲面ミラー16を用いて、撮像手段方向に向けて反射させて、色彩配列コード16の全体像を一度にキャプチャーできるようにしたことである。
【0080】
このような構成によって、従来のように、複数回の撮像動作を行わなくとも、一度で撮像できるため、より効率的なデコード作業を実施することが可能となる。
【0081】
なお、本実施の形態における色彩配列コード読み取りシステムは、認識した色彩配列コード13を「認識した」ことを利用者に表示するために、色彩配列コード13を囲むような所定の枠22を表示する。この表示によって、利用者は認識した色彩配列コード13を知ることができる。
【0082】
本実施の形態1における、曲面ミラー16と、所定の撮像手段と、所定のコンピュータと、からなる色彩配列コード読み取りシステムが、特許請求の範囲に記載の読み取り装置の好適な一例に相当する。
【0083】
本実施の形態1においては、曲面ミラー16を用いて色彩配列コード13の像を反射させているので、図4に示すように、その色彩配列コードの反射像の形状は一般に歪んでいる。
【0084】
しかしながら、本実施の形態1で用いている色彩配列コードは、既に説明したように、色彩の配列・組み合わせ・変化などによってデータを表すコードであるので、その形状が歪んだ場合であっても、色彩の順番が変化していない限り、その反射像から元のデータを容易に復元する(デコードする)ことが可能である。
【0085】
換言すれば、上述したように、色彩の順番等でデータを表すコードであって、形状の歪み等によっては読み取りに影響を与えない光学式認識コードであれば、利用することが可能である。
【0086】
また、このように、本実施の形態で採用した「色彩配列コード」は、その形状が歪んでいる場合であってもデコードできるので、以下のことが言える。
【0087】
・曲面ミラー16の反射面の面精度は高い精度は不要である。但し、曲面の曲率は連続である必要がある。曲面上に曲率が不連続である場所(点、線、面)が存在する場合は、その場所で、像が2重になったり、色彩の順番が反転する等の現象を引き起こす可能性がある。この場合は、色彩の順番や組み合わせが狂って異なる順番等になることがある。このような状況下では、正確な原データの復元(デコード)は困難となる。
【0088】
・円筒10と、曲面ミラー16と、撮像手段と、の位置関係に精密な位置とその位置への配置処理は不要である。多少の位置ずれがあっても、色彩の順番等は変化しないと考えられるからである。別の言い方をすれば、色彩の順番等が変化しない程度の位置のずれであれば許容できる範囲であるとも言えよう。
【0089】
このように、本実施の形態における色彩配列コードの読み取りシステムは、機械的な精度をそれほど要求されないので、簡便に構成することができる。
【0090】
運用の態様
実際に、このシステムを用いた場合、利用者は、まず、対象物である円筒10を曲面ミラー16中に載置し、それを上方から撮影するという作業の流れで、色彩配列コードを認識することが考えられる。撮影は、所定のCCDカメラ、ビデオカメラ、等で行い、これら撮像手段の出力信号は所定のコンピュータに供給される。そして、コンピュータが、供給されてきた画像データを解析して、原データを復元するのである。このためのプログラムは、従来の読み取りプログラムをそのまま利用すれば良い。
【0091】
また、本実施の形態では、対象物として円筒10を説明したが、同様の形状であって、同様に側面の円筒面に光学的自動認識コードをマーキングしたものであれば、同様に応用可能である。
【0092】
また、機械部品等を大量に検査する場合等においては、曲面ミラー16を多数パレット上に配置し、その中に部品を1個1個配置するような生産システムを構成することも好適である。曲面ミラー16の深度を深く設定し、円筒状の部品が自動的にその中で自立する構成を採用すればより好適である。このような部品を保持するパレットを用いて部品の生産・加工を行うプロセスを構成すれば、その部品の円筒面にマーキングした光学式認識コードを容易に読み取ることができるので、部品管理、生産管理を容易に実行することが可能である。
【0093】
このような曲面ミラー16を多数配置したパレットは、いわば「お椀」状の曲面ミラー16を多数個、格子状に配置し、それぞれの曲面ミラー16中に部品をそれぞれ入れる構成となる。また、このようなパレットによれば、その上面からCCDカメラ等で撮像することによって、複数の部品の光学式認識コードを一括して読み取ることも可能となり、より一層、円筒状の部品の生産管理・加工を円滑に実行することができる。
【0094】
なお、ここでは、円筒状の部品の円筒面(側壁)に光学式認識コードをマーキングする例について説明したが、回転体であれば他の形状の物体でも利用可能である。例えば、釣りの浮き等の回転楕円体等が挙げられる。また、厳密な円筒でなくても、多角柱でも良い。例えば、六角ナット(六角柱)の周囲の面に光学式認識コードをマーキングした場合等が挙げられる。
【0095】
曲面ミラーの形態
曲面ミラー16としては、いわばお椀状の鏡を利用する例(回転放物面を切り取った一部の如き形状)を説明したが、上で述べたように、曲率が連続であればどのような面でも良い。例えば、回転双曲面の一部を切り取った形状でも良い。これらの例は、大域的には凹面であるが、特に凹面でなくても良く、円錐を切り取ったコーン状でも良く、場合によっては凸面でも理論上は可能である。但し凸面では反射像が小さくなるので、デコードの精度を向上させるために、実際上は凹面の方が好適な場合が多いであろう。
【0096】
実施の形態1の変形例
なお、本実施の形態1と同様に、従来のバーコードを、円筒10の外側の壁面上に周回するようにマーキングを行い、そのバーコードを曲面ミラー16に反射させた場合には、その曲面ミラー16には形状が歪んだバーコードが映し出される。
【0097】
従来のバーコードは、その形状、特に白バーと黒バーとの太さ・位置によってデータを表すので、歪んだバーコードを読み取ることは一般的には困難であり、読み取ることはできない。
【0098】
しかしながら、その反射像のキャプチャ画像を画像処理的に矯正し、歪みを是正すれば、デコードを行うことができ、元データを復元することが可能である。歪みのある画像を画像処理で修正することは近年広く行われていることであるから、当業者であればそのような画像処理を行うことは容易である。
【0099】
実施の形態2
本実施の形態2においては、撮像手段の視野よりも広い範囲にマーキングされた色彩配列コードを読み取る読み取り装置について説明する。
【0100】
デコードを行う対象である色彩配列コードが、撮像手段の視野よりも広い範囲にマーキングされている場合には、その色彩配列コードの一部が、撮像手段の視野の外にはみ出すこととなり、一度の撮像動作によってこの色彩配列コード全てをデコードすることはできない場合があった。
【0101】
そこで、本実施の形態2では、凸面系の反射板を用いることによって、色彩配列コードが大きく、撮像手段の画角に入りきれない場合においても、一度の撮像によって、その色彩配列コード全体の画像を取得している。
【0102】
図5には、CCDカメラ25の視野28の外側にはみ出した色彩配列コード22が示されている。この図において、視野28の外側にはみ出した色彩配列コード22(色彩配列コード22の両端付近)は、CCDカメラ25は認識することはできない。そこで、本実施の形態2では、読み取り光学系に凸面鏡31を介在させることによって、色彩配列コード22の全てをCCDカメラ25が撮像できるようにしたのである。
【0103】
このように、凸面鏡31を利用することによって、CCDカメラ25の画角を広げることができ、より大きなコードシンボルや、コードシンボルとの距離が近い場合(十分な距離を確保できない場合)でも、そのコードシンボルの全体を撮像することが可能である。特に、部品管理等においては、部品とCCDカメラとの距離を十分に確保することができない場合が多く、そのような場合に、凸面鏡31の利用は有用である。
【0104】
図6には、この凸面鏡31を介在させた場合の読み取り光学系の概念図が示されている。この図に示されるように、凸面鏡31は、色彩配列コード22全体を十分に囲む視野34からの光を、その鏡面によって、CCDカメラ25に向かうように反射させている。この結果、CCDカメラ25の画角が実質的に拡大し、色彩配列コード22全体の像をCCDカメラ25が撮像することができる。
【0105】
次に、図7には、CCDカメラ25が、視野34をキャプチャーしたキャプチャ画像37が示されている。この図7から分かるように、キャプチャ画像37中には、色彩配列コード22の全体の画像が表されることが理解できる。このキャプチャ画像37を、実施の形態1と同様に、所定の色彩配列コード読み取りシステムに読み込ませ、デコードを行えば、所望の原データが得られる。
【0106】
図7に示すように、凸面鏡31の影響で像には歪みが生じているが、本実施の形態2に係る色彩配列コードは、色彩の並び・配列・組み合わせ等によってデータを表現するので、各色彩の領域の形状や位置が多少ずれても、並び順が変わらない限り、原データを復元することができる。
【0107】
本実施の形態2においては、凸面鏡31と、CCDカメラ25と、色彩配列コード読み取りシステムと、からなる読み取り装置が、特許請求の範囲に記載の読み取り装置の好適な一例に相当する。
【0108】
なお、色彩配列コードではなく、従来の古典的なバーコードを凸面鏡31に反射させて読み取ることも好適である。
【0109】
しかし、その場合には、CCDカメラ25には歪んだ形状のバーコードが結像される場合もあるので、従来のバーコードをそのまま適用することは困難な場合が想定される。
【0110】
しかしながら、その反射像のキャプチャ画像を画像処理的に矯正して歪みを除去してからデコードを行うことによって、元のデータを復元することが可能になると考えられる。
【0111】
実施の形態3
複数のコードシンボルの一括読み込み
なお、色彩配列コードは、一般的に、複数のコードシンボルを一括して読み込むことが可能である。撮像する画面中に複数のコードシンボルが含まれている場合、その複数のコードシンボルの原データをそれぞれ得れば良い。具体的な処理はコンピュータ上の画像処理で実現される。
【0112】
なお、本発明者は、撮像手段が撮像した画像中からコードシンボルをデコードする技術を、別途、特願2007−130504号(BCR−0006)で開示している。
【0113】
例えば、上述した実施の形態1や実施の形態2においては、1個のコードシンボルに対するのみ処理を説明したが、複数のコードシンボルを撮像して、その処理を行うことも好適である。その場合には、その複数のコードシンボルを一括して読み取ることが可能となる。
【0114】
実施の形態4 実施の形態2の変形例
なお、上記実施の形態2においては、凸面鏡を用いたが、同じような光学的性質を有するものとして、いわゆる広角レンズ系を用いることも好適である。さらには、より広角な光学系としていわゆる魚眼レンズの光学系を用いることも好ましい。
【0115】
この魚眼レンズは、いわゆる等距離射影結像を行う光学系であることが知られており、周辺部の像は著しく歪むことが知られている。しかし、上述した色彩配列コードは、色彩領域の並び・変化・組み合わせ等によってデータを表すコードであるので、各色彩領域が歪んだだけでは原データの読み取りには影響を与えない。
【0116】
但し、古典的なバーコードを利用する場合は、画像処理によって歪みを除去する必要がある。色彩配列コードを利用する場合は、そのような処理が不要であり、より簡易に・安価に装置を構成することが可能となると考えられる。
【0117】
このように、本実施の形態では、特に色彩配列コードを利用することが好ましい。この色彩配列コードを利用することによって、歪みが大きい光学系でも容易に使用することが可能となり、コードマーキングのレイアウトの自由度が大きく広がるのである。
【0118】
実施の形態5
本実施の形態5においては、円筒の内側の壁面にマーキングされた色彩配列コードを読み取る読み取り装置を説明する。
【0119】
商品管理のための光学式認識コードは、物品の表面にマーキングしたのでは、物品の外観を損なう場合があるため、内部に光学式認識コードをマーキングできれば好ましい。例えば、管やパイプ等の商品においては、表面の美観等を考慮してバーコードなどの光学式認識コードを内壁面にマーキングできれば好適である。
【0120】
しかしながら、細いパイプなどでは、内部が狭いので、CCDカメラ等を挿入してもその光学式認識コードを読み取ることが困難であり、実用された例はそれほど多くはない。
【0121】
また、印字装置の特性を考慮すると、パイプの長手方向に印字する場合は、U字型断面の壁面に印字を行うことになり、特殊な印字装置が必要となる場合がある。そのため、パイプの内周面を周回するように、光学式認識コードをマーキングする方が、印字装置の構成は容易である。例えば、インクジェットノズルを、360度回転できるように構成してそれをパイプの所定位置に挿入してノズルを回転させながらインクを吐出させれば、容易にマーキングできると考えられる。
【0122】
ところが、このように、例えば色彩配列コードを円筒の内壁面を周回するようにマーキングした場合は、このコードを読み取ることは一般的には煩雑な仕組みが必要となる。それは、パイプ内部に挿入したCCDカメラ等が周回するようなコードシンボルを一度に撮影することはほぼ不可能であるからである。そのため、CCDカメラの向きを変えて数枚の画像を撮像し、得られた画像をいわゆるステッチングの技術で合成するしかないと考えられている。例えば、90度の画角を有するカメラを90度ずつ4回周回させて4枚の画像を撮像して、得られた4枚の画像を画像処理的につなげるのである。このようにしてパイプ内部の内周面に周回するように設けられているコードシンボルを読み取り、デコードすることは技術的にはできる可能性がある。
【0123】
しかしながら、
(1)細いパイプにも挿入できるCCDカメラ及び照明を構成する必要がある。
【0124】
(2)また、そのCCDカメラを回転させる仕組みを実現する必要がある。
【0125】
(3)また、ステッチングの処理を行う必要がある。
【0126】
等の煩雑な処理が必要となってしまう。そのため、上述したように、内壁面に光学式認識コードをマーキングすることは余り行われていない。
【0127】
従って、パイプ等への内壁面にマーキングされた光学式認識コードをより容易に読み取る技術が望まれている。
【0128】
本実施の形態5では、係る事情に鑑み、光学式認識コードが、被印物の内部にマーキングされている場合においても、後述する曲面ミラーを用いて、その色彩配列コード全体の画像を取得し、デコードを行う技術を説明する。
【0129】
まず、図8には、内壁面に色彩配列コード43がマーキングされた円筒40の外観図が示されている。
【0130】
この図に示すように、色彩配列コード43は、円筒40の軸に垂直な円の円周上を周回するように、円筒40の内側の壁面にマーキングされている。
【0131】
本実施の形態5において特徴的なことは、円錐形の曲面ミラーを用いて、この曲面ミラーを円筒内部に挿入し、この曲面ミラーから反射された色彩配列コードを円筒の外部に配置した撮像手段で撮影したことである。
【0132】
図9には、本実施の形態で用いる円筒40と曲面ミラー46とが示されている。この図9の曲面ミラー46の外部の面は鏡面である。この点、実施の形態1における曲面ミラーが内面が鏡面であったのとは異なる。
【0133】
また、この図9に示すように、円筒40の内側の壁面上には、周回するように色彩配列コード43がマーキングされている。
【0134】
次に、この円筒40の内部に曲面ミラー46を挿入する。図10には、この円筒40と曲面ミラー46との位置関係を表す図が示されている。この図に示すように、曲面ミラー46は、その軸が、円筒40の軸とほぼ同一となるように挿入・配置される。また、この図に示すように、円筒40の一方の端面付近には、CCDカメラ49が配置され、曲面ミラー46は、その尖鋭部がCCDカメラ49に向かうように配置される。この状態で、CCDカメラ49を用いて、円筒40と曲面ミラー46とをキャプチャーする。
【0135】
図11には、このキャプチャーしたキャプチャ画像52が示されている。この図11に示すように、CCDカメラ49は、円筒40と曲面ミラー46とが同心円状に写るように撮像を行う。この結果、撮像した画像52中の円筒40内には、曲面ミラー46の鏡面に反射された色彩配列コード43全てが、円周状に映し出されるのである。
【0136】
この撮像した画像52を、実施の形態1及び2と同様に、所定の色彩配列コードシステムが取り込み、デコードを行う。
【0137】
本実施の形態5においては、曲面ミラー46と、撮像手段49と、所定の色彩配列コード読み取りシステムとが、特許請求の範囲に記載の読み取り装置の好適な一例に相当する。
【0138】
本実施の形態5において特徴的なことは、被印物の内部に色彩配列コードがマーキングされている場合に、曲面ミラー46を用いて、その色彩配列コード43を撮像手段の方向に向けて反射させ、色彩配列コード43の全体像を一度にキャプチャーできるようにしたことである。
【0139】
このような構成によって、従来の、色彩配列コードの読み取りが困難であった内面にマーキングがなされている場合でも、読み取り及びデコードを行うことが可能となり、これに伴って、コードマーキングのレイアウトの自由度が格段に高まる。
【0140】
なお、本実施の形態5では、色彩配列コードを利用する例について説明したが、古典的なバーコードなど他の光学式認識コードを利用することも可能である。但し、本実施の形態5では曲面ミラーによって像が歪む場合があるので、古典的なバーコードのように、各バーの位置や形状が維持される必要のあるコードの場合は、歪みを除去するための画像処理等が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】外側の壁面に色彩配列コードがマーキングされた円筒の様子を示す説明図である。
【図2】内側が鏡面である円錐形の曲面ミラーを示す図である。
【図3】曲面ミラーの内部に円筒を配置したときの位置関係を示す図である。
【図4】「色彩配列コード」システムの画面を示す図である。
【図5】CCDカメラの視野からはみ出した色彩配列コードを示す図である。
【図6】凸面鏡を介在させた読み取り光学系を示す図である。
【図7】凸面鏡を介在させて取り込んだキャプチャ画像を示す図である。
【図8】内側の内壁に色彩配列コードがマーキングされた円筒を示す図である。
【図9】外側が鏡面である円錐形の曲面ミラーを示す図である。
【図10】円筒の内部に曲面ミラーを配置したときの位置関係を示す図である。
【図11】円筒の内側の壁面にマーキングされた色彩配列コードが映し出されたキャプチャ画像を示す図である。
【図12】外側の壁面に色彩配列コードがマーキングされた円筒の様子を示す写真である。
【図13】内側が鏡面である円錐形の曲面ミラーを示す写真である。
【図14】曲面ミラーの内部に円筒を配置したときの位置関係を示す写真である。
【図15】「色彩配列コード」システムの実際のコンピュータ画面を示す図である。
【符号の説明】
【0142】
10 円筒
13 色彩配列コード
16 曲面ミラー
19 キャプチャ画像
22 枠
25 CCDカメラ
28 視野
31 凸面鏡
34 視野
37 キャプチャ画像
40 円筒
43 色彩配列コード
46 曲面ミラー
49 CCDカメラ
52 キャプチャ画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的自動認識コードを読み取る読み取り装置において、
前記光学的自動認識コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコード手段と、
前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせる反射鏡と、
を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置。
【請求項2】
請求項1記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項4】
請求項3記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かい、
前記撮像手段は、前記外部に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項6】
請求項5記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かい、
前記撮像手段は、前記頂部方向に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項7】
請求項1記載の光学的自動認識コード読み取り装置に用いられる前記反射鏡であって、
前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせることを特徴とする前記反射鏡。
【請求項8】
請求項4記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学的自動認識コード読み込み装置用反射鏡。
【請求項9】
請求項7又は8記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡。
【請求項10】
請求項9記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かうことを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡。
【請求項11】
請求項7又は8記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡。
【請求項12】
請求項11記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かうことを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡。
【請求項13】
光学的自動認識コードを読み取る読み取り方法において、
前記光学的自動認識コードの像を反射して所定の撮像手段に向かわせる反射鏡を用いて、前記光学的自動認識コードの像を反射させ、反射した前記像を前記撮像手段を用いて撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップにおいて撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコードステップと、
を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法。
【請求項14】
請求項13記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項15】
請求項13又は14記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項16】
請求項15記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かわせ、
前記撮像ステップにおいては、前記外部に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項17】
請求項13又は14記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項18】
請求項17記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かわせ、
前記撮像ステップにおいては、前記頂部方向に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項19】
光学的自動認識コードを読み取る読み取り装置において、
前記光学的自動認識コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコード手段と、
前記光学的自動認識コードの像を縮小させて前記撮像手段に向かわせる光学系と、
を含み、
前記光学系は、広角レンズ又は魚眼レンズを含む光学系であることを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置。
【請求項20】
請求項19記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記前記デコード手段は、前記魚眼レンズを通過した前記光学的自動認識コードの像の歪みを補正する補正手段を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置。
【請求項21】
光学的自動認識コードを読み取る読み取り方法において、
前記光学的自動認識コードの像を所定の撮像手段に向かわせる光学系を用いて、前記撮像手段に向かわせ、前記光学的自動認識コードを前記撮像手段を用いて撮像する撮像ステップと、
前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコードステップと、
を含み、
前記光学系は、広角レンズ又は魚眼レンズを含む光学系であることを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法。
【請求項22】
請求項21記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記前記デコードステップは、前記魚眼レンズを通過した前記光学的自動認識コードの像の歪みを補正する補正ステップを含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法。
【請求項1】
光学的自動認識コードを読み取る読み取り装置において、
前記光学的自動認識コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコード手段と、
前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせる反射鏡と、
を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置。
【請求項2】
請求項1記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項4】
請求項3記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かい、
前記撮像手段は、前記外部に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項6】
請求項5記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かい、
前記撮像手段は、前記頂部方向に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置。
【請求項7】
請求項1記載の光学的自動認識コード読み取り装置に用いられる前記反射鏡であって、
前記光学的自動認識コードの像を反射して前記撮像手段に向かわせることを特徴とする前記反射鏡。
【請求項8】
請求項4記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学的自動認識コード読み込み装置用反射鏡。
【請求項9】
請求項7又は8記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡。
【請求項10】
請求項9記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かうことを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡。
【請求項11】
請求項7又は8記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡。
【請求項12】
請求項11記載の光学的自動認識コード読み取り装置用反射鏡において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かうことを特徴とする光学式自動認識コード読み取り装置用反射鏡。
【請求項13】
光学的自動認識コードを読み取る読み取り方法において、
前記光学的自動認識コードの像を反射して所定の撮像手段に向かわせる反射鏡を用いて、前記光学的自動認識コードの像を反射させ、反射した前記像を前記撮像手段を用いて撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップにおいて撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコードステップと、
を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法。
【請求項14】
請求項13記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、連続する曲率を有する曲面であることを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項15】
請求項13又は14記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、その反射面が凹部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項16】
請求項15記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凹部内部に置かれた被印物の像を反射し、この反射像は前記凹部の外部に向かわせ、
前記撮像ステップにおいては、前記外部に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項17】
請求項13又は14記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、その反射面が凸部を形成することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項18】
請求項17記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記反射鏡は、前記反射面の前記凸部の周囲に配置された被印物の像を反射し、この反射像は前記凸部の頂部方向に向かわせ、
前記撮像ステップにおいては、前記頂部方向に向かった前記反射像を撮像することを特徴とする光学式自動認識コード読み取り方法。
【請求項19】
光学的自動認識コードを読み取る読み取り装置において、
前記光学的自動認識コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコード手段と、
前記光学的自動認識コードの像を縮小させて前記撮像手段に向かわせる光学系と、
を含み、
前記光学系は、広角レンズ又は魚眼レンズを含む光学系であることを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置。
【請求項20】
請求項19記載の光学的自動認識コード読み取り装置において、
前記前記デコード手段は、前記魚眼レンズを通過した前記光学的自動認識コードの像の歪みを補正する補正手段を含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り装置。
【請求項21】
光学的自動認識コードを読み取る読み取り方法において、
前記光学的自動認識コードの像を所定の撮像手段に向かわせる光学系を用いて、前記撮像手段に向かわせ、前記光学的自動認識コードを前記撮像手段を用いて撮像する撮像ステップと、
前記撮像手段が撮像した画像に基づき、前記光学的自動認識コードをデコードし、原データを復元するデコードステップと、
を含み、
前記光学系は、広角レンズ又は魚眼レンズを含む光学系であることを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法。
【請求項22】
請求項21記載の光学的自動認識コード読み取り方法において、
前記前記デコードステップは、前記魚眼レンズを通過した前記光学的自動認識コードの像の歪みを補正する補正ステップを含むことを特徴とする光学的自動認識コード読み取り方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−157507(P2009−157507A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333054(P2007−333054)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(506226175)ビーコア株式会社 (39)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(506226175)ビーコア株式会社 (39)
【Fターム(参考)】
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