説明

光学素子及びその成形型

【課題】突出部や溝部を線状に複数形成した光学素子やその転写金型の形状を容易に確認することが可能な光学素子やその成形型を提供する。
【解決手段】光学面(41)に、複数の線状の突出部(42、43)を有する光学素子(40)であって、前記線状の突出部(42、43)の両端部の内、少なくとも一方の端部における高さは、前記光学面(41)上の有効光学領域内に形成される当該線状の突出部(42)の高さよりも有効光学領域外で低く形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光学素子、及びその成形型に関し、特に、光学面に線状の凸部を複数配置した光学素子及びその成形型に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光学面に線状の微細幅の凸部を複数、所定ピッチで配置した回折光学素子の小型化が進み、1μm以下のピッチで配置した回折光学素子も製品化されつつある。また、1μm以下のピッチで配置したことにより、断面をV字形状や鋸歯形状に加工したブレーズド型回折光学素子では、V字形状や鋸歯形状の幅も1μm以下となる。またこのような回折光学素子の面形状を成形転写するための金型は、通常金型本体の表面を切削工具により切削加工して形成する事により、同様に微細な凹部を備えている。
【0003】
従来、このような光学素子やその転写型となる金型の切削加工後の面形状を測定するための装置として、XYステージ状の載置台に被測定物を載置し、被測定部に接触式プローブを接触させながら、接触式プローブに対して載置台を相対移動することにより、被測定物の形状を測定する3次元形状測定装置がある(例えば、特許文献1)。また、光学式プローブを用いた3次元形状測定装置がある(例えば、特許文献2、及び、特許文献3)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−292236号公報
【特許文献2】特開平5−340726号公報
【特許文献3】特開平5−332735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した微細幅の回折光学素子の転写金型においては、上記特許文献1に記載された3次元形状測定装置では格子を成形するための突出部成形部のV字形状や鋸歯形状の開口幅より接触式プローブの先端部の径が大きくなる傾向がありそのためV字形状や鋸歯形状の溝を精度良く測定できない恐れがある。
【0006】
同様に、上記特許文献2及び特許文献3にそれぞれ記載された光学式プローブを用いた3次元形状測定装置においても、被測定物に集光したスポット径が1〜2μmであり、突出部成形部のV字形状や鋸歯形状の溝の開口幅よりスポット径が大きい場合は、突出部成形部のV字形状や鋸歯形状の溝を測定することが困難となる。
【0007】
一方、被測定物を数十nmの精度で測定することが可能な原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope)を用いることにより、開口幅1μm以下のV字形状や鋸歯形状の溝を有する突出部成形部を測定することが可能となるが、原子間力顕微鏡により捉えることが可能な領域は微小領域であり、突出部成形部が加工された成形面の全体領域を測定することが困難を伴い、また、測定環境が大がかりとなるという問題点があった。
【0008】
この発明は、上記の問題を解決するものであり、突出部や溝部を線状に複数形成した光学素子やその転写金型の形状を容易に確認することが可能な光学素子やその成形型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明の第1の形態は、光学面に、複数の線状の突出部を有する光学素子であって、前記線状の突出部を両端部の内、少なくとも一方の端部における高さは、前記光学面上の有効光学領域内に形成される当該線状の突出部の高さよりも有効光学領域外で低く形成されている事を特徴とする光学素子。
【0010】
また、この発明の第2の形態は、第1の形態に係る光学素子であって、前記突出部の前記端部の高さ頂点を結ぶ平面に対する角度は、3°以上かつ10°以下であることを特徴とする。
【0011】
さらに、この発明の第3の形態は、第1又は第2の形態に係る光学素子であって、前記突出部の前記端部の高さは、有効光学領域から有効光学領域外にかけて、なだらかに低くなるように形成されていることを特徴とする。
【0012】
さらに、この発明の第4の形態は、金型本体を切削加工する事により、複数の線状の溝部を有する光学転写面を形成した光学素子用成形型であって、前記線状の溝部の両端部の内、少なくとも一方の端部における深さは、前記光学転写面の有効光学領域内に形成される当該線状の溝部の深さよりも有効光学領域外で浅く形成されている事を特徴とする光学素子用成形型である。
【0013】
さらに、この発明の第5の形態は、第4の形態に係る光学素子用成形型であって、前記溝部の前記端部における溝の深さとその内側の溝の深さとがなす角度は、3°以上かつ10°以下であることを特徴とする。
【0014】
さらに、この発明の第6の形態は、第4又は第5の形態に係る光学素子用成形型であって、前記溝部の前記端部の深さは、有効光学領域から有効光学領域外にかけて、なだらかに浅くなるように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によると、光学素子やその成形型の突出部や溝部の形状を容易、精度良く確認することが可能となる。即ち、線状に形成される突出部や溝部の少なくとも一端部が光学面や光学転写面に現れ、且つ端部の形状が有効光学領域の形状と異なり切削工具の磨耗や欠け、平面性を把握しやすい形状となっているため、一つの突出部又は溝部の端部又は複数の突出部同士又は複数の溝部同士の端部を相対比較をする事ができ、それにより突出部又は溝部の形状が正確に形成されているかどうかを従来技術のような物理的又は光学的プローブを用いなくても容易に確認する事ができる。
【0016】
また、この発明の第1の形態によると、有効光学領域内の突出部の高さより、有効光学領域外で低くした突出部の端部の形状を基に、一つの端部又は複数の端部同士を相対比較することが可能となる。
【0017】
さらに、この発明の第2の形態によると、3°以上かつ10°以下の角度にしたことにより、突出部の端部の形状変化を容易に確認することが可能となる。
【0018】
さらに、この発明の第3の形態によると、なだらかに低くなるように形成された突出部の端部の形状を基に、突出部が適合形状の成形型で適正に成形されたことを確認することが可能となる。
【0019】
さらに、この発明の第4の形態によると、有効光学領域内の溝部の深さより、有効光学領域外で浅く形成された溝部の端部の形状を基に、一つの端部又は複数の端部同士を相対比較することが可能となる。
【0020】
さらに、この発明の第5の形態によると、3°以上かつ10°以下の角度にしたことにより、溝部の端部の形状変化を容易に確認することが可能となる。
【0021】
さらに、この発明の第6の形態によると、なだらかに浅くなるように形成された溝部の端部の形状を基に、溝部が適正に加工されたことを確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施形態に係る回折光学素子の成形型を製造するときの一連の製造工程を示す図である。
【図2】(a)回折光学素子の平面図、(b)回折光学素子の正面図である。
【図3】並列に配置した線状の複数の凸部及び連接子の部分正面図である。
【図4】(a)は図3のiva−iva線断面図、(b)は図3のivb−ivb線断面図、(c)は図3のivc−ivc線断面図である。
【図5】成形型の製造装置の斜視図である。
【図6】成形型を製造するための機能を示すブロック図である。
【図7】(a)は連接子成形部の部分正面図、(b)は第2ツールの刃先が摩耗した場合に短くなった連接子成形部の部分正面図、(c)は連接子成形部の長さの減少量及び溝の深さの変化量の関係を示す図、(d)第2ツールの刃先の摩耗状態を確認することが可能な連接子成形部の形状を示す図である。
【図8】(a)は凸部成形部及び連接子成形部が不適合な形状に加工された場合の回折光学素子の正面図、(b)は凸部成形部及び連接子成形部が適合な形状に加工された場合の回折光学素子の正面図である。
【図9】(a)この発明の一実施形態に係る回折光学素子の成形型により成形された回折光学素子の部分斜視図、(b)は、(a)に示す回折光学素子40をixb方向から見たときの部分矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の一実施形態に係る回折光学素子、その成形型について各図を参照して説明する。
【0024】
先ず、回折光学素子の成形型について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、回折光学素子の成形型を製造するときの一連の製造工程を示す図、図2(a)は回折光学素子の平面図、(b)は回折光学素子の正面図、図3は、並列に配置した線状の凸部及び連接子の部分正面図、図4(a)は図3のiva−iva線断面図、(b)は図3のivb−ivb線断面図、(c)は図3のivc−ivc線断面図である。
【0025】
回折光学素子の成形型を製造するときの一連の製造工程において、成形型の本加工する前に、上記決定された材料及び突出部の形状を基に、回折光学素子の設計データが作成される(光学設計データの作成工程)。
【0026】
回折光学素子の設計データを変換用ソフトウェアを使用して、成形型形状データを作成する(成形型形状データの作成工程)。上記作成された成形型形状データが、成形型の形状に相当する。なお、成形型の形状については、図2〜図4を参照して後述する。
【0027】
成形型形状データの作成後に、荒加工用NCデータを作成するか、仕上げ加工用NCデータを作成するかを判断し(判断工程)、荒加工用NCデータの場合、形状定型データを基に、基準面のモデルとなる3次元モデルデータを作成する(3次元モデルデータの作成工程)。上記作成された3次元モデルデータが、上記格子を並列に配置する面である成形型の基準面に相当する。なお、回折光学素子の成形型の基準面の形状については、図2〜図4を参照して後述する。
【0028】
3次元モデルデータから、コンピュータ支援製造(CAM;Computer Aided Manufacturing)ソフトウェアを使用して、荒加工用NCデータを作成する(荒加工用NCデータの作成工程)。仕上げ加工用NCデータの場合、形状定型データを基に、仕上げ加工用NCデータを作成する(仕上げ加工用NCデータの作成工程)。上記作成された荒加工用NCデータを基にワークWの荒加工をし、荒加工後に、仕上げ加工用NCデータを基にワークWの仕上げ加工をする(成形型の製造工程)。ワークWには、鋼材、銅材などの型材料が用いられる。製造装置上で製造後の成形型の形状検査をする(成形型の検査工程)。なお上記説明では荒加工か仕上げ加工かを判断するステップが記載されているが、必ずしも本ステップは必要ではなく、荒加工を行う事なく仕上げ加工のみの加工を行うものであっても良い。以下の説明でも荒加工を行う工程を含んでいるが、本発明の製造工程は必ずしもこれを前提とすることを必須とするものではない。
【0029】
次に、回折光学素子の成形型の形状について、図2から図4を参照して説明する。成形型10は、ワークWの荒加工をすることにより形成される基準面11に、荒加工後に、ワークWの仕上げ加工をすることにより形成される微細溝形状の凸部成形部12を線状に複数に配置した型である。凸部成形部12毎に、凸部成形部12の両端121、122の少なくとも一方に連続して設けられ、連続する凸部成形部12の一端121から離れる方向で微細溝形状の溝の深さがなだらかに浅くなる連接子成形部13を有している。ここで、基準面11の一部を含む凸部成形部12が、光学転写面における有効光学領域を成形するための部位である。また、連接子成形部13が、光学転写面における有効光学領域外に形成された部位である。なお、これら凸部成形部12及び連接子成形部13で、光学素子における突出部を転写成形する成形部を構成している。
【0030】
成形型10は、略直方体形状に成形され、平面形状に成形された基準面11を有している。なお、基準面11の形状は、平面形状に限定せず、例えば、曲面、即ち凸面や凹面形状であっても良い。
【0031】
凸部成形部12、及び、凸部成形部12に連続して設けられた連接子成形部13は、直線状にそれぞれ成形されている。なお、凸部成形部12及び連接子成形部13の各形状は直線状に限定せず、例えば、曲線状であっても良い。即ち、ここでいう「線状」には直線状や曲線状のいずれも含むものである。
【0032】
前記直線状に成形された凸部成形部12を直線方向に対して直交する方向に切断した図4(b)に示す凸部成形部12の微細溝形状は、V字断面形をしており、互いに対向する斜面123、斜面123の下端である溝底部125、及び、斜面123の上端である溝上端部127を有している。
【0033】
また、前記直線状に成形された連接子成形部13を直線方向に対して直交する方向に切断した図4(c)に示す連接子成形部13の微細溝形状は、V字断面形をしており、互いに対向する斜面133、斜面133の下端である溝底部135、及び、斜面133の上端である溝上端部137を有している。
【0034】
連接子成形部13の溝の深さが徐々に浅くなる角度である溝底部135の傾斜角度θは、3°以上かつ10°以下であることが望ましい。ここで下限を下回らない事により、連接子成形部の長さを確保できるため、各線状の溝部の平行度を精度よく測定する事ができ、また上限を超えない事により、切削工具の磨耗等による形状誤差を精度よく測定する事ができる。溝底部135の傾斜角度θを図4(a)に示す。溝底部135の傾斜角度θは、傾斜が開始される位置における接線に対する角度である。また、連接子成形部13の形状を次の方法で表すことができる。基準面11から溝底部135までの溝の深さをdとし、連接子成形部13の一端131の位置における溝の深さをd1とし、連接子成形部13の一端131から他端132(溝の深さd=0となる他端)までの長さをsとすると、光軸方向形状の2次元稜線変換比(s/d1)は、5以上かつ20以下であることが好ましい。なお、本発明でいう「溝の深さ」とは、基準面から当該基準面に対する法線方向での溝底部までの溝の深さをいうものであり、基準面が曲面で構成される場合にも、当該深さは同様に算出する。
【0035】
また、各連接子成形部13において、凸部成形部12の一端121から離れた各連接子成形部13の他端132は、凸部成形部12を並列に配置した方向に対して平行な方向に揃うように位置する。各連接子成形部13の他端132を結んだ結合線139は直線であることが好ましい。凸部成形部12を並列に配置した方向(上下方向)に対して平行な方向に延びた直線状の結合線139を図2(b)に示す。
【0036】
上記の「凸部成形部12の両端の少なくとも一方に連続して設けられ」とは、連接子成形部13が凸部成形部12の一端121のみに連続して設けられ、連接子成形部13が凸部成形部12の他端122のみに連続して設けられ、及び、各連接子成形部13が凸部成形部12の両端121、122にそれぞれ連続して設けられたことを含む。連接子成形部13が凸部成形部12の一端121のみに連続して設けられた連接子成形部13を図2(b)に示す。
【0037】
また、上記の「連続して設けられ」とは、凸部成形部12の一端121に連接子成形部13の一端131が連続して設けられたことを含む。凸部成形部12の一端121でもある連接子成形部13の一端131を図4(a)に示す。
【0038】
凸部成形部12の一端121と他端との間を占める領域である有効光学領域120、及び、連接子成形部13の一端131と他端132との間を占める有効光学領域外である隣接領域130を図3にそれぞれ示す。なお、図3では、凸部成形部12の他端122を図外とした。各凸部成形部12の一端121を結んだ直線状の結合線129、及び、結合線129に対して平行な方向に延びた、連接子成形部13の他端132を結んだ直線状の結合線139を図3に示す。
【0039】
次に、連接子成形部13の溝の深さがなだらかに浅くなる角度である溝底部135の傾斜角度θについて図4(d)及び(e)を参照してさらに詳細に説明する。前述する溝底部135の傾斜角度θが3°以上かつ10°以下であることが望ましいとは、連接子成形部13の他端132を結んだ結合線139が直線状に形成されるように(図3参照)、第3移動制御部33が第2ツールT2を相対移動させ、その結果、隣接領域の範囲において、溝底部135の傾斜角度θが3°以上かつ10°以下の範囲で調整されることをいう。
【0040】
連接子成形部13が形成されるべき基準面11の位置、その形状(平面、曲面)等に応じて、溝底部135の傾斜角度θが調整される。例えば、連接子成形部13の一端131の深さ位置が互いに異なり、連接子成形部13の他端132の深さ位置が互いに同じ場合、溝底部135の傾斜角度θ1、θ2をそれぞれ調整することにより、連接子成形部13の他端132のX座標を一致させて、結合線139をY軸にそって直線状に形成させる(図4(d)参照)。
【0041】
これに対し、連接子成形部13の一端131の深さ位置が互いに同じで、連接子成形部13の他端132の深さ位置が互いに異なる場合、溝底部135の傾斜角度θ3、θ4をそれぞれ調整することにより、連接子成形部13の他端132のX座標を一致させて、結合線139を直線状に形成させる(図4(e)参照)。
【0042】
以上説明したように、各連接子成形部13の他端132のX座標位置を一致させることにより、結合線139をXY座標上で直線状に形成させたが、各連接子成形部13の他端132のX座標位置を一定距離ずつずらすことにより、結合線139をXY座標上で一定の傾きを有する直線状に形成させれば良い。結合線139の形状変化を基に、成形型10の製造工程中に目視で凸部成形部12の形状を確認することが可能となり、また、成形型10の検査工程において、凸部成形部12の形状を詳細に確認することが可能となる。
【0043】
結合線139が予め定められた直線形状に対して、斜め線となり、折れ線となり、曲線となり、又は、後述する減少量δsが許容長さを超えた場合、その結合線139の形状変化を基に、凸部成形部12が予め定められた形状に対し異なる形状に加工されたことを推測することが可能となる。
【0044】
次に、回折光学素子の成形型の製造装置について図5及び図6を参照して説明する。図5は、回折光学素子の成形型の製造装置の斜視図、図6は、回折光学素子の成形型を製造するための機能を示すブロック図である。
【0045】
成形型の製造装置20は、ワークWの荒加工をするための第1ツールT1と、ワークWの仕上げ加工をするための第2ツールT2と、ワークWを固定するためのステージ21と、ステージ21に対して第1ツールT1又は第2ツールT2を互いに直交する3軸であるX軸、Y軸、及び、Z軸の各方向に相対移動させる移動機構35とを有している。
【0046】
第1ツールT1及び第2ツールT2は、シャンク37の軸線371に対して直角に突き出ており、軸線371周りに回転しながら、ワークWに対してX軸方向に相対移動させる。第2ツールT2は、単結晶ダイヤモンドからなり、V字形状の刃先を有している。
【0047】
ステージ21は、X軸方向に移動するXステージ211、Y軸方向に移動するYステージ212、及び、Z軸方向に移動するZステージ213を有している。凸部成形部12の一端121と他端との間の方向であるX軸方向(水平方向)、凸部成形部12及び連接子成形部13の並列方向であるY軸方向(上下方向)、及び、第1ツールT1又は第2ツールT2をXステージ211に対して近接、離間させる方向であるZ軸方向(前後方向)を図5に示す。また、移動機構35を図6に示す。
【0048】
成形型の製造装置20は、Xステージ211に対して第1ツールT1を、XY座標上の各位置に応じたZ軸方向のZ1位置に相対移動させるよう制御して、ワークWの荒加工をする第1移動制御部31と、Z1位置よりZ軸方向にXステージ211に対し所定長さだけ近接したZ2位置に相対移動させた第2ツールT2をX軸上の始点から終点に相対移動させながら、X軸上の各Z1位置に対応するZ2位置に相対移動させるよう制御して、ワークWの仕上げ加工(凸部成形部12の加工)をする第2移動制御部32と、第2移動制御部32による制御の直前に、X軸上の始点にX軸上の終点とは反対側から近づくX軸方向に第2ツールT2を相対移動させながら、X軸上の各Z1位置に対応させて、Z1位置からZ2位置へ徐々に相対移動させ、及び/又は、第2移動制御部32による制御の直後に、X軸上の終点からX軸上の始点とは反対側へ離れるX軸方向に第2ツールT2を相対移動させながら、X軸上の各Z1位置に対応させて、Z2位置からZ1位置へ徐々に相対移動させるよう制御して、ワークWの仕上げ加工(連接子成形部13の加工)をする第3移動制御部33と、第2移動制御部32及び第3移動制御部33による制御の後に、第2ツールT2をY軸方向に所定ピッチだけ相対移動させるように制御する第4移動制御部34とを有している。
【0049】
本実施形態に係る成形型10において、連接子成形部13が凸部成形部12の一端121にのみ連続して設けられたことを上述した。それに対応させて、本実施形態に係る成形型の製造装置20においては、第3移動制御部33は、第2移動制御部32による制御の直後に、X軸上の終点からX軸上の始点とは反対側へ離れるX軸方向に第2ツールT2を相対移動させながら、X軸上の各Z1位置に対応させて、Z2位置からZ1位置へ徐々に相対移動させるよう制御して、ワークWの仕上げ加工(連接子成形部13の加工)をする。
【0050】
なお、本発明に係る成形型の製造装置20においては、第3移動制御部33は、凸部成形部12の両端121、122の少なくとも一方に連続させて、連接子成形部13を加工すれば良い。それにより、凸部成形部12の両端121、122の少なくとも一方に連続して連接子成形部13を設けることが可能となる。
【0051】
また、第2移動制御部32による凸部成形部12の加工において、Z1位置よりZ軸方向にXステージ211に対し所定長さだけ近接したZ2位置に相対移動させた第2ツールT2をX軸上の始点から終点に相対移動させながら、X軸上の各Z1位置に対応するZ2位置に相対移動させるよう制御して、ワークWの仕上げ加工をする場合、第2ツールT2をZ2位置に相対移動したとき、第2ツールT2を凸部成形部12の溝底部125に到達させる。また、第2ツールT2をX軸上の始点、及び終点に相対移動したとき、第2ツールT2を凸部成形部12の他端122から一端121に相対移動させる。
【0052】
さらに、第3移動制御部33による連接子成形部13の加工において、第2移動制御部32による制御の直後に、X軸上の終点からX軸上の始点とは反対側へ離れるX軸方向に第2ツールT2を相対移動させながら、X軸上の各Z1位置に対応させて、Z2位置からZ1位置へ徐々に相対移動させるよう制御して、ワークWの仕上げ加工をする場合、第2ツールT2をX軸上の終点から相対移動したとき、第2ツールT2を連接子成形部13の一端131(凸部成形部12の一端121)から相対移動させる。また、第2ツールT2をZ2位置からZ1位置へ相対移動したとき、第2ツールT2を連接子成形部13の一端131の溝底部135(凸部成形部12の一端121の溝底部125)から連接子成形部13の他端132の溝底部135(連接子成形部13の溝の深さd=0であり基準面11の位置)に到達させる。
【0053】
なお、回折光学素子の成形型を製造するときの一連の製造工程において、光学設計データの作成工程、定型化データの作成工程、成形型形状データの作成工程、3次元モデルデータの作成工程、荒加工用NCデータの作成工程、仕上げ加工用NCデータの作成工程、及び、荒加工用NCデータを基にワークWを加工する荒加工工程、荒加工後に、仕上げ加工用NCデータを基にワークWを加工する仕上げ加工工程、及び、製造された成形型の検査工程について図1を参照して前述した。
【0054】
成形型10の製造工程を実行すべく、成形型の製造装置20においては、演算制御部25及び記憶部26を有する。記憶部26は、光学素子設計データ261、変換用ソフトウェア265、及び、CAMソフトウェア266を記憶する。演算制御部25は、光学素子設計データ261を定型化することで定型化データ262を作成し、定型化データ262を基に、変換用ソフトウェア265を使用して成形型形状データ263を作成し、作成された定型化データ262及び成形型形状データ263を記憶部26に記憶させる。
【0055】
演算制御部25は、成形型形状データ263を基に3次元モデルデータ264を作成し、作成した3次元モデルデータ264を記憶部26に記憶させ、3次元モデルデータ264を基に、CAMソフトウェア266を使用して荒加工用NCデータ267を作成し、作成した荒加工用NCデータ267を記憶部26に記憶させる。さらに、演算制御部25は、成形型形状データ263を基に仕上げ用NCデータ268を作成し、作成した仕上げ用NCデータ268を記憶部26に記憶させる。
【0056】
演算制御部25、及び、記憶部26に記憶された、光学素子設計データ261、定型化データ262、成形型形状データ263、3次元モデルデータ264、変換用ソフトウェア265、CAMソフトウェア266、荒加工用NCデータ267、及び、仕上げ用NCデータ268、並びに、第1移動制御部31、第2移動制御部32、第3移動制御部33、及び、第4移動制御部34を図6に示す。
【0057】
次に、回折光学素子の成形型の製造方法について図4から図6を参照して説明する。
【0058】
本実施形態に係る成形型10の製造は、荒加工工程、凸部成形部加工工程、連接子加工工程、送り工程の順番に行われる。なお、連接子加工工程を凸部成形部加工工程の直前に行うようにしても良く、連接子加工工程を凸部成形部加工工程の直後に行うようにしても良い。
【0059】
荒加工工程において、第1移動制御部31がステージ21に固定されたワークWに対して第1ツールT1を互いに直交する3軸であるX軸、Y軸、及び、Z軸の各方向に相対移動させて、ワークWを加工して基準面11を生成する。
【0060】
以下、1本の凸部成形部を加工するときの凸部成形部加工工程、及び、凸部成形部加工工程に連続して設けられる連接子加工工程を説明する。
【0061】
凸部成形部加工工程において、第2移動制御部32がワークWの基準面11に対してZ軸方向に所定深さになるように近接させた第2ツールT2を、X軸方向に相対移動させて、基準面11を加工して凸部成形部12を生成する。
【0062】
凸部成形部加工工程の直後の連接子加工工程において、第3移動制御部33が、第2ツールT2をX軸方向に相対移動させ、X軸方向の相対移動に応じて、第2ツールT2をワークWの基準面11に対してZ軸方向に所定深さから徐々に離間させて、直前に生成された凸部成形部12の後端に連続し、凸部成形部12の後端から離れるX軸方向で溝底部135の深さが徐々に浅くなる連接子成形部13を生成する。
【0063】
なお、連接子加工工程を、格子生成部加工工程の直後ばかりでなく、格子生成部加工工程の直前に行っても良く、格子生成部加工工程の直後に代えて、格子生成部加工工程の直前に行っても良い。
【0064】
凸部成形部加工工程の直前に連接子加工工程を行う場合、第3移動制御部33が第2ツールT2をX軸方向に相対移動させ、X軸方向の相対移動に応じて、第2ツールT2をワークWの基準面11に対してZ軸方向に所定深さになるように徐々に近接させて、直後に生成されるべき凸部成形部12の前端に近づくX軸方向で溝底部135の深さが徐々に深くなって凸部成形部12の前端に連続する連接子成形部13を生成する。
【0065】
送り工程において、第4移動制御部34がワークWの基準面11に対して第2ツールT2をY軸方向に所定ピッチ(例えば、1μm)だけ相対移動させて、直前に生成された凸部成形部12及び連接子成形部13に対して所定ピッチだけ離れて並列に生成されるべき凸部成形部12及び連接子成形部13の各生成に備える。第4移動制御部34は、凸部成形部12の本数分だけ第2ツールT2の送りを繰り返す。
【0066】
次に、製造装置上で凸部成形部の形状を確認する場合について、図7及び図8を参照して説明する。図7(a)は連接子成形部の部分正面図、(b)は第2ツールの刃先が摩耗した場合に短くなった連接子成形部の部分正面図、(c)は連接子成形部の長さの減少量及び溝の深さの変化量の関係を示す図、(d)第2ツールの刃先の摩耗状態を確認することが可能な連接子成形部の形状を示す図、図8(a)は凸部成形部及び連接子成形部が不適合な形状に加工された場合の回折光学素子の正面図、(b)は凸部成形部及び連接子成形部が適合な形状に加工された場合の回折光学素子の正面図である。
【0067】
前述したように、第2ツールT2はV字形状の刃先を有している。また、仕上げ加工においては、第2ツールT2がシャンク37の軸線371周りに回転しながら、ワークWに対してX軸方向に相対移動させることにより、第2ツールT2の刃先がワークWの基準面11を加工してV字断面形の微細溝形状を有する凸部成形部12を生成する。
【0068】
第4移動制御部34が第2ツールT2の送りを繰り返していると、第2ツールT2の刃先が摩耗し、短くなるため、刃先の摩耗が許容量を超える前に、新たな第2ツールT2と交換する。第4移動制御部34が第2ツールT2の送りを繰り返している中で、第2ツールT2が摩耗していくと、第2ツールT2の摩耗量に応じて、連接子成形部13の一端131から他端132までの長さsが減少し、凸部成形部12の溝の深さdが浅くなる。
【0069】
連接子成形部13の長さs、及び、長さsの減少量δs、連接子成形部13の溝の深さd、及び、溝の深さdの変化量δdの関係を図7(a)から(c)に示す。長さsの減少量δs、深さdの変化量δdが比例関係にあることから、長さsの減少量δsの程度を確認することにより、凸部成形部12の溝の深さdの変化量δdが分かり、凸部成形部12の微細溝形状を容易に確認することが可能となる。
【0070】
第2ツールT2の刃先が摩耗していくに応じて、減少量δsが徐々に大きくなるため、連接子成形部13の他端132を結んだ結合線139が、凸部成形部12の一端121を結んだ結合線129に対して斜め線又は曲線となる。斜め線となった結合線139を図8(a)に示す。これに対して、凸部成形部12の一端121を結んだ結合線129に対して、平行な直線となった結合線139を図8(b)に示す。
【0071】
以上に、第2ツールT2の刃先が摩耗し、短くなる場合に、連接子成形部13の長さsの減少量δsから、凸部成形部12の微細溝形状を確認することが可能であることを説明した。
【0072】
次に、第2ツールT2の刃先両側の稜線部分が摩耗した場合に、連接子成形部13の形状変化から、凸部成形部12の微細溝形状を確認することが可能であることについて、図7(d)を参照して説明する。第2ツールT2の刃先両側の稜線部分が直線形状である場合、第2ツールT2をワークWに対してZ軸方向へ相対移動させ、ワークWの基準面11から徐々に離間させると、連接子成形部13の溝底部135を中心として両側に対称的に形成された溝上端部137の稜線が直線形状となる。二等辺三角形状の斜辺のような直線形状となった溝上端部137の稜線を図7(a)に示す。適合な形状を有する第2ツールT2によって加工された凸部成形部12の微細溝形状は、所定形状であると推定することができる。
【0073】
これに対し、第2ツールT2の刃先両側の稜線部分が摩耗して、波形状になると、連接子成形部13の両側の溝上端部137の稜線が波をうったような形(波形状)となる。溝上端部137の稜線を図7(d)に示す。不適合な形状を有する第2ツールT2によって加工された凸部成形部12の微細溝形状は、所定形状に対し異なる形状であると推定することができる。
【0074】
このように、連接子成形部13の両側の溝上端部137の稜線形状は、第2ツールT2の刃先両側の稜線部分の形状に対応している。不適合な形状を有する第2ツールT2による加工は、凸部成形部12及び連接子成形部13の微細溝形状に悪影響を及ぼすため、連接子成形部13の両側の溝上端部137の稜線形状変化から、凸部成形部12の微細溝形状が所定形状であるか否かを確認することが可能となる。
【0075】
以上のように、凸部成形部12及び連接子成形部13の加工する仕上げ加工において、作業者は、連接子成形部13の両側の溝上端部137の稜線形状変化を目視により確認する。
【0076】
次に、成形型10の検査工程について説明する。仕上げ加工終了後に、駆動制御部がXステージ211、Yステージ212、及び、Zステージ213を移動させることで、成形型10をマイクロスコープ36の位置に移動させる。それにより、成形型の製造装置20上で、連接子成形部13の長さsの減少量δs及び、連接子成形部13の両側の溝上端部137の稜線形状をより詳細に検査することが可能となる。
【0077】
次に、成形型10を用いた回折光学素子40成形について、図9を参照して説明する。図9(a)は、成形型10により成形された回折光学素子40の部分斜視図、(b)は、(a)に示す回折光学素子40をixb方向から見たときの部分矢視図である。
【0078】
回折光学素子40は、その光学面41に微細山形状の凸部42を並列に配置している。凸部42毎に、凸部42の両端421、422の少なくとも一方に連続して設けられ、凸部42の一端421に連続し、一端421から凸部42の他端422とは反対方向に微細山形状の山部435の高さがなだらかに、徐々に低くなる連接子43を有する。微細山形状の山部435の高さが徐々に低くなる角度αは、3°以上かつ10°以下であることが好ましい。ここで、凸部42及び連接子43で回折光学素子40の突出部を構成しており、また、凸部42が有効光学領域内に形成される線状の突出部を構成し、連接子43が、有効光学領域外に形成される突出部の端部を構成している。さらに、連接子43の山部435の頂点が、突出部の端部の高さ頂点を構成している。
【0079】
また、光学面41から山部435までの高さをhとし、連接子43の一端431の位置における山部435の高さをh1とし、連接子43の一端431から他端432(高さh=0となる他端)までの長さをs1とすると、光軸方向形状の2次元稜線変換比(s1/h1)は、約5以上かつ約20以下であることが好ましい。
【0080】
凸部42の一端421から離れた各連接子43の他端432は、凸部42を並列に配置した方向に対して平行な方向に揃うように位置する。凸部42を並列に配置した方向に対して平行な方向に直線状に延びた、各連接子43の他端432を結んだ結合線439を図9(a)に示す。また、角度α、高さh1、長さs1を図9(b)に示す。
【0081】
なお、結合線439は、一定の傾きを有する直線状に形成されれば良く、その傾き方向は、凸部42の配列方向(凸部42を並列に配置した方向)に対して平行な方向に限らない。なお、本発明でいう「凸部の高さ」とは、既述した「溝の深さ」と同様、光学面から当該光学面に対する法線方向での凸部頂部までの高さをいうものであり、光学面がが曲面で構成される場合にも、当該高さを同様に定義するものとする。
【0082】
以上のようにして製造した成形型10を用いて、回折光学素子40をホットエンボス法により製造する場合、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化樹脂からなる基材を成形型10でプレスする。その結果、基材には、成形型10に形成した多数の凸部成形部12及び連接子成形部13の形状が転写され、微細山形状の凸部42と、隣り合う2つの凸部42間に形成されたV字形の谷部44とが交互に並んだ回折光学素子40が成形される。
【0083】
結合線439の形状変化を基に、回折光学素子40の形状を確認することが可能となる。例えば、製造された回折光学素子40において、結合線439が予め定められた直線形状に対して、斜め線となったこと、折れ線となったこと、曲線となったこと、又は、前記長さs1が許容長さを超えたか否かを、目視やマイクロスコープにより確認した場合、その結合線439の形状変化を基に、不適合な成形型によって回折光学素子40が予め定められた形状に対し異なる形状に製造されたことを推測することが可能となる。
【0084】
連接子43においては、山部435を中心にして両側位置に前記高さh=0となる麓部437が形成される。その麓部437を繋いだ、麓部437の等高線形状の変化から、凸部42の微細溝形状が所定形状であるか否かを確認することが可能となる。予め定められた例えば直線状の直線等高線形状に対して波形状となったことを、目視やマイクロスコープにより確認した場合、その等高線形状の変化を基に、不適合な成形型によって回折光学素子40が予め定められた形状に対し異なる形状に製造されたことを推測することが可能となる。
【符号の説明】
【0085】
10 成形型 11 基準面 12 凸部成形部 121 凸部成形部の一端
122 凸部成形部の他端 123 斜面 125 溝底部
127 溝上端部 129 結合線 13 連接子成形部
131 連接子成形部の一端 132 連接子成形部の他端 133 斜面
135 溝底部 137 溝上端部 139 結合線
20 成形型の製造装置 21 ステージ 211 Xステージ
212 Yステージ 213 Zステージ
25 演算制御部 26 記憶部 261 光学素子設計データ
262 定型化データ 263 成形型形状データ 264 3次元モデルデータ
265 変換用ソフトェア 266 CAMソフトウェア
267 荒加工用NCデータ 268 仕上げ用NCデータ
31 第1移動制御部 32 第2移動制御部 33 第3移動制御部
34 第4移動制御部 35 移動機構 36 マイクロスコープ
37 シャンク 371 軸線
40 回折光学素子 41 光学面 42 凸部 421 一端
422 他端 43 連接子 431 一端 432 他端
435 山部 439 結合線 44 谷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学面に、複数の線状の突出部を有する光学素子であって、
前記線状の突出部の両端部の内、少なくとも一方の端部における高さは、前記光学面上の有効光学領域内に形成される当該線状の突出部の高さよりも有効光学領域外で低く形成されている事を特徴とする光学素子。
【請求項2】
前記突出部の前記端部の高さ頂点を結ぶ平面に対する角度は、3°以上かつ10°以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記突出部の前記端部の高さは、有効光学領域から有効光学領域外にかけて、なだらかに低くなるように形成されている事を特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
【請求項4】
金型本体を切削加工する事により、複数の線状の溝部を有する光学転写面を形成した光学素子用成形型であって、
前記線状の溝部の両端部の内、少なくとも一方の端部における深さは、前記光学転写面の有効光学領域内に形成される当該線状の溝部の深さよりも有効光学領域外で浅く形成されている事を特徴とする光学素子用成形型。
【請求項5】
前記溝部の前記端部における溝の深さとその内側の溝の深さとがなす角度は、3°以上かつ10°以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子用成形型。
【請求項6】
前記溝部の前記端部の深さは、有効光学領域から有効光学領域外にかけて、なだらかに浅くなるように形成されている事を特徴とする請求項4又は5に記載の光学素子用成形型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−118078(P2011−118078A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274192(P2009−274192)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】