光学素子形成組成物及びこれを用いて製造された光学素子
本発明は垂直配向されて狭視野角を表す光学素子製造に用いられる硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物を含む光学素子形成組成物及びこれで形成された光学素子膜を有する光学素子に関する。本発明によれば、二色性染料0.1−90重量部及び硬化性液晶化合物10−98.85重量部を含んでなる光学素子形成組成物及び硬化型液晶化合物と硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子が提供される。本発明の硬化性二色性染料と硬化性液晶化合物を含む光学素子組成物で形成された硬化性二色性染料と硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子は優れた耐熱性、高温、高湿に対する耐久性、垂直配向性能及び二色性比を有し、また、狭視野角で調節される。高温、高湿状態における耐久性は、光学素子膜が架橋結合形態を有することに因る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物を含む光学素子形成組成物及びこれで製造された光学素子に関し、より詳細に本発明は垂直配向されて狭視野角を表す光学素子の製造に用いられる硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物を含む光学素子形成組成物及びこれで製造された光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、液晶ディスプレイは、軽くて電力消耗が少ないという長所を有し、ブラウン管に代わる最も競争力のあるディスプレイとして浮かび上がっている。特に、薄膜トランジスタによって駆動される薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT−LCD)は個々の画素を独立的に駆動させるため、液晶の応答速度が非常に優れて高画質の動画像を具現することができ、現在、ノート型コンピュータ、壁掛けテレビ等に次第に応用範囲が広がっている。
【0003】
一般的に、カラー薄膜トランジスタ−液晶ディスプレイは、製造時に両方のガラス基板の外側に線偏光素子を配置し、異方性フィルムを加えることで、ガラス基板の間における液晶分子の作用と共に、背面から透射されてきた光を調節して情報を表示するのに用いられており、異方性フィルムによる広い視野角を確保している。
【0004】
しかし、公共の場で小型化された携帯型電子機器、例えば、ノート型コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、携帯電話等を個人的な用途で用いる場合には、プライバシーを考慮し、返って視野角を狭める必要性が浮かび上がってきた。また、ディスプレイが大型化されるにつれ、外部の光によるグレア現象が酷くなり、鮮明比を高めるためには、外部の光がディスプレイに入らないようにする視野角の調節層が必要となった。
【0005】
特許文献1は、ブラックインク層がフィルム内にブラインド形態で、垂直に配列させる形状を作り、一定の視野角で光が透過しないようにすることで、視野角の調節機能を有するフィルムの製造方法を開示している。しかし、前記技術は製造工程が複雑であり、2つのフィルムを重ねて最終製品を製造するため、最終製品が厚くなるという短所がある。
【0006】
特許文献2は、レーザー光及び自然光を含む光の減衰、偏光、散乱及び遮断性能が容易に実現できる光吸収異方性を示す薄膜及びその製造方法を開示しており、前記特許文献1では、ガラス及びプラスチック基板に配向膜を形成し、配向膜を形成した面に二色性色素を取り付け、溶媒を蒸発させて光吸収異方性薄膜が形成され、二色性色素はアゾ系またはアントラキノン系であって、液晶性を有し、光−または熱−交差結合反応性を有すると開示している。しかし、二色性色素のみで垂直配向によるフィルムを形成すると、視野角が非常に狭くなるという短所があって、視野角の調節に困難がある。
【0007】
特許文献3は、可視光線を吸収する円盤状の液晶をコーティングして視野角を狭くするフィルムを形成すると開示している。しかし、二色性色素の吸収が大きくて視野角の調節用に用いるのに困難がある。
【0008】
特許文献4は、液晶表示装置に液晶分子と二色性染料の混合物で構成された二色性液晶層を介在し、駆動時に二色性液晶が0−90度にティルトされて狭視野角モードを形成することについて開示している。しかし、前記特許文献は垂直配向モードに対して電気信号印加時に二色性色素がティルトされることにより、狭視野角の形成が可能である。
【0009】
特許文献5は、光透過性を有する基材と、その基材上に形成され、可視対象の可視度を視覚によって制御する可視角度制御層を有する可視角度制御部材について開示している。ここで、可視角度制御層が二色性色素と分子形状が棒状である重合性液晶を含み、前記二色性色素及び前記重合性液晶の夫々の分子配列がホメオトロピック配向状態で固定される。
【0010】
特許文献6は、可視角度制御部材は法線方向にある可視対象の可視度が良好であるため、他人が盗み見ることに対するプライバシーが保護されると開示している。しかし、非重合性二色性色素が用いられる場合には、重合性液晶の硬化時に微細な相分離現象が生じるため、非重合性二色性染料が5%以上加わると、正面透過率と狭視野角特性が低下するという短所があり、フィルムで形成して用いる場合、フィルムの外に拡散され出る経時変化によって全体の物性が低下するという短所がある。
【0011】
特許文献7は、少なくとも1つの二色性染料を含み、ホメオトロピック配向された液晶重合体フィルムについて開示している。しかし、高分子フィルムに混ぜるか、または側鎖に取り付けて配向される場合には全体的な配向性が低下し、最終製品の物性が低下するという短所がある。
【0012】
そのため、前記従来の方法は、実際に狭視野角の調節機能が低調であるか、または最終製品の耐久性が落ち、製造費用が高いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許6,398,370号
【特許文献2】米国特許6,337,111号
【特許文献3】韓国特許公開2005−0032468号
【特許文献4】韓国公開特許2007−0003185号
【特許文献5】日本公開特許2005−215435号
【特許文献6】日本公開特許2005−215435号
【特許文献7】欧州特許公開0608924号
【特許文献8】韓国特許公開2003−0059268号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Ivashchenko著、"Dichroic dyes for liquid crystal displays"(1994年、CRC Press発刊)
【非特許文献2】Organic Chemistry in Colour(1987年、Springer−Verlag発刊)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
これに本発明の目的は、視野角の調節及び視認性の向上に用いられる硬化性二色性染料と硬化性液晶化合物を含む光学素子形成組成物を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、狭視野角、優れた視認性、配向性、耐熱性及び耐久性を表す光学素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1見地によれば、硬化性二色性染料0.1−90重量部及び硬化性液晶化合物10−98.85重量部を含んでなる光学素子形成組成物が提供される。
【0018】
本発明の第2見地によれば、本発明の光学素子形成組成物で形成された硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子が提供される。
【0019】
本発明の第3見地によれば、基材及び基材上に本発明の光学素子形成組成物で形成され、硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子が提供される。
【0020】
本発明の第4見地によれば、配向性が付与された基材及び基材上に本発明の光学素子形成組成物で形成され、硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子が提供される。
【0021】
本発明の第5見地によれば、基材と、基材上の配向膜及び配向膜上に本発明の光学素子形成組成物で形成され、硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子が提供される。
【発明の効果】
【0022】
本発明の硬化性二色性染料と硬化性液晶化合物を含む光学素子組成物で形成された硬化性二色性染料と硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子は優れた耐熱性、高温、高湿に対する耐久性、垂直配向性能及び二色性比を有し、視野角の調節(狭視野角)が可能で、改善された視認性を表す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一具現による基材に光学素子膜が形成された光学素子の側断面図である。
【図2】本発明の他の具現による基材に配向膜が形成され、配向膜上に光学素子膜が形成された光学素子の側断面図である。
【図3】本発明の一具現による垂直に配向された硬化性二色性染料と硬化性液晶の分子水準の配向を表す光学素子の側断面図である。
【図4】実施例1において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図5】実施例2において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図6】実施例3において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図7】実施例4において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図8】比較例1において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図9】比較例2において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図10】比較例3において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図11】比較例4において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図12】比較例5において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図13】比較例6において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
公共の場における小型化された携帯型電子機器、例えば、ノート型コンピュータ、PDA、ゲーム機、携帯電話等の使用が増えるに従って、プライバシーを考慮し、視野角を狭める必要性が浮かび上がってきた。本発明は硬化性液晶化合物と硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を用いることで、視野角を調節することを特徴とする。また、このような光学素子膜を有する光学素子は外部光の調節機能を有し、視認性が向上する。
【0025】
本発明の光学素子形成組成物は、硬化性二色性染料0.1−90重量部及び硬化性液晶化合物10−98.85重量部を含む。二色性染料が0.1重量部未満であれば、光学素子に製造時に視野角の調節機能が落ちることから好ましくなく、90重量部を超えると、最終光学素子に製造時に視野角の調節能力が落ち、硬化度が低下して耐久性が低下するため、好ましくない。硬化性液晶化合物の含量が10重量部未満であれば、正面透過率が低下することから好ましくなく、98.85重量部を超えると、光学素子に製造時に視野角の調節機能が落ちることから好ましくない。
【0026】
前記硬化性液晶化合物は、二色性染料の配向性を向上させる作用をする。これに限定されないが、例えば、4−(3−アクリロイルオキシ−プロポキシ)ベンゾ酸O−トリルエステル((4−(3−acryloyloxy−propoxy)benzoic acid o−tolyl ester)等を挙げることができる。
【0027】
硬化性液晶化合物の例としては、これに限定されないが、下記構造の化合物が単独で、或いは2以上の組み合わせで用いることができる。
【化1】
【0028】
前記式で、P−P4は硬化性作用基であって、この技術分野で一般的に知られている反応性作用基から選択することができる。反応性作用基の例としては、これに限定されないが、
【化2】
を挙げることができる。前記構造式(C)におけるP1−P3、そして、構造式(D)におけるP1−P4は同じであることも、異なることもでき、前記反応性作用基から夫々独立的に選択されることができる。
【0029】
前記式におけるS−S4は連結構造であって、連結構造としてはこの技術分野で一般的に知られているある連結構造から選択することができる。連結構造の例としては、これに限定されないが、
【化3】
(式中、nは1乃至12の整数である。)を挙げることができる。前記構造式(C)におけるS1−S3、そして構造式(D)におけるS1−S4は同じであることも、異なることもでき、前記連結構造から夫々独立的に選択されることができる。
【0030】
液晶性を有する構造(M)は、この技術分野で液晶性を有するものであって、一般的に知られているある化学構造であることができる。
【0031】
液晶性を有する構造(M)の例としては、これに限定されないが、
【化4】
(前記式で、Zは−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単一結合であり、R1〜R12は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル基、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0032】
末端基Rは、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF5H、NO2,または炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基から選択することができる。
【0033】
また、液晶化合物としては、特許文献8に開示の下記化学式(1)−(4)の硬化性液晶化合物を用いることができる。下記化学式の化合物は単独で、或いは2種以上を配合して用いることができる。より具体的に、下記化学式の化合物が配合されて垂直配向させる組成物であるメルク(Merck)製品を用いることができる。前記硬化性液晶化合物としては、これに限定されないが、例えば、メルク(社)のRM(Reactive Mesogen)やBASF(社)のLC−242を挙げることができる。
【化5】
【0034】
硬化性二色性染料を前記硬化性液晶化合物(垂直配向液晶化合物)と混合して用いることで、二色性染料の配向性(垂直配向性)が増大し、これによって、視野角の調節特性を表す。
【0035】
本発明の光学素子形成組成物の一成分として用いられる硬化性二色性染料は少なくとも一末端に硬化性作用基(光反応性基または熱反応性基)を有するものであって、基材に適用された後に硬化性を表す光−反応性または熱−反応性作用基により迅速に硬化されるため、工程時間が短縮されて原価が節減される。また、光学素子膜の架橋結合形態によって熱安定性及び耐久性に優れた光学素子が形成される。
【0036】
前記硬化性二色性染料は、可視光線を全て吸収して黒色を表すものであることができる。従って、硬化性二色性染料は二色性比に優れた黒色染料であるか、または赤色、緑色、青色染料が黒色を表すように組み合わさった染料であることができる。
【0037】
本発明における二色性染料としては、長い棒形態の分子構造を有する染料であって、各染料分子の末端に硬化性作用基を有する染料を用いることができる。これに限定されないが、本発明における二色性染料としては、例えば、非特許文献1に記載の二色性染料に硬化性作用基が結合された硬化性二色性染料を用いることができる。前記非特許文献1に記載の全ての二色性染料の少なくとも一末端に結合基(spacer)と硬化性作用基が結合された二色性染料を本発明の光学素子形成組成物に硬化性二色性染料として用いることができる。
【0038】
少なくとも一末端に結合基と硬化性作用基を結合して二色性染料物質として用いることができる二色性染料としては、この技術分野で一般的に知られているある二色性染料を用いることができ、これに限定されないが、具体的な例としては、ビスアリーリデンアミノアントラキノン、4−メトキシベンジリデン−4'−ブチルアニリン、4−アルキルアミノアゾベンゼン、4−アミノアゾベンゼン、4−アルキルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、2,5−ジクロロ−4−ジメチルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−4'−(4−アルキルベンジリデンアミノ)アゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4'−カルボキシアリールアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−2'−メチルメトキシ−4'−(4−シアノベンジリデンアミノ)アゾベンゼン、4'−(モルホリン−1−イル)アゾベンゼン、4'−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)アゾベンゼン、4'−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)アゾベンゼン、4−(N−アルキルアミノ)−3',4'−ジシアノアゾベンゼン、1−アミノ−4−アリールアゾナフタレン、1−ジメチルアミノ−4−アリールアゾナフタレン、1−オキシ−4−[4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アリーリデンアミノ−4−(4−アリーリデンアミノフェニルアゾ)ナフタレン、2−[4−(4−シアノフェニル)フェニルアゾ]−1−ヒドロキシナフタレン、2−(アミノフェニルアゾ)−4−ニトロチアゾール、2−アリールアゾ−5−ニトロチアゾール、5−[(4−アミルピペラジン−1−イル)フェニルアゾ]−2−アリールピリミジン、2−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)ベンゾチアゾール,4−ジアルキルアミノフェニルアゾヘテロサイクル、4−アリールアゾ−4'−ジメチルアミノアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−ジアルキルアミノアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)アゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)アゾベンゼン、4,4"−ビス−(トランス−4−アルキルシクロヘキシルカルボキシ)ビスアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−ベンジルオキシアゾベンゼン、4,4"−ビス−(ヘキシルベンゾイルオキシ)ビスアゾベンゼン、4,4"−ビス−[4−(トランス−4−アルキルシクロヘキシル)ベンゾイルオキシ]−2−メチル−5−イソプロピルビスアゾベンゼン、4,4"−ビス−(4−オクチルビフェニル−4'−カルボキシ)ビスアゾベンゼン、4,4'−ビス(アリールアゾ)−2,3、2',3'−テトラクロロジフェニル、1−(4−ジメチルアミノフェニルアゾ)−4−(4−ジフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−[4−(ピロール−1−イル)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アルコキシ−4−アリールアゾナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ブトキシフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ブトキシフェニルアゾ)ナフタレン、1−(4−アリールアゾフェニルアゾ)ナフタレン、4,4'−ビス(4−ジメチルアミノフェニルアゾ)アゾベンゼン、4,4'−ビス(4−ジベンジルアミノフェニルアゾ)アゾベンゼン、1−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)−4−(4−アリールアゾフェニルアゾ)ナフタレン、1−(4−ジアシルオキシフェニルアゾ)−4−[(4−アシルオキシフェニルアゾ)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アリールアゾ−4−[4−(5−アルキルチエノ[2,3−b]チアゾール−2−イルアゾ)フェニルアゾ]ナフタレン、2−アルキル−1,5−ジ−(アリールチオ)アントラキノン等を挙げることができる。これらは単独で、或いは2つ以上の組み合わせで本発明の組成物に用いることができる。
【0039】
前記二色性染料の少なくとも一末端に結合された硬化性作用基によって、本発明による組成物は堅固なコーティング膜で形成されることができ、これにより耐久性が増大する。二色性染料の少なくとも一末端に結合された硬化性作用基の例としてはこれに限定されないが、
【化6】
で構成されるグループから選択された1種であることができる。二色性染料の両末端に硬化性作用基が存在する場合、硬化性作用基は同じであることも、異なることもでき、前記構造の硬化性作用基から夫々独立的に選択することができる。
【0040】
一方、硬化性作用基は二色性染料の末端に連結構造(spacer)によって連結される。連結構造は
【化7】
(式中、nは1乃至12の整数である。)で構成されるグループから選択されることができる。同じ二色性染料に用いられる連結構造は同じであることも、異なることもできる。
【0041】
また、本発明による光学素子形成組成物に、硬化性二色性染料としては、液晶性構造と二色性構造を有する
構造の硬化性二色性染料を用いることができ、前記構造式で、Dは二色性を有する構造(以下、'二色性構造'とする)、Mは液晶性を有する構造(以下、'液晶性構造'とする)、R1は末端反応性作用基であり、L1及びLはR1、M及びDを互いに連結する連結構造であり、
ブロック内の構造は1つの液晶性構造Mと1つ乃至3つの二色性構造D1、D2、D3を有し、2以上の二色性構造が含まれる場合に、これらは互いが直接連結されるか、または連結構造Lを経由して他の二色性構造或いは液晶性構造と連結されることができ、Mは連結構造Lによって隣接した二色性構造D1、D2及び/またはD3と連結される。この際、液晶性構造Mと二色性構造Dの連結順序は制限されず、二色性構造D1、D2及びD3は同一でない。
【0042】
前記構造の硬化性二色性染料は末端反応性作用基R1、液晶性構造M及び二色性構造Dが連結構造Lによって互いが結合(カップリング)された物質で、このような硬化性二色性染料を用いることで、これを含む光学素子形成組成物で光学素子製造時に二色性比、垂直配向性、耐熱性及び耐久性がさらに増大されることができる。
【0043】
ブロック内の構造は1つの液晶性構造Mと1つ乃至3つの二色性構造D1、D2及びD3を有することができる。本発明の二色性染料で2以上の二色性構造D1、D2及びD3を有する場合、二色性構造は互いが直接連結されるか、或いは連結構造Lによって互いが連結されることができる。液晶性構造Mは連結構造Lによって隣接した二色性構造D1、D2及び/またはD3と連結される。この際、液晶性構造Mと二色性構造D1、D2及び/またはD3の結合順番は制限されない。また、単一構造の二色性染料に含まれる二色性構造は互いが異なる。さらに、前記二色性構造Dはそれ自体が液晶性を有することもできる。
【0044】
本発明の二色性染料は、末端の反応性作用基R1によってコーティング、乾燥時に堅固なコーティング膜を形成するため、耐久性が増大される。液晶性構造Mによって配向性が増大されるため、二色性が改善される。末端反応性作用基R1、液晶性構造M及び二色性構造D間には互いが連結構造L、L1等により連結(カップリング)されて液晶性構造と二色性構造の相溶性がさらに増大される。
【0045】
本発明の二色性染料は、末端反応性作用基と連結構造が結合されない
構造の他の末端に末端作用基R2と連結構造L3をさらに含むことができる。末端作用基R2と連結構造L3をさらに含む二色性染料の構造は
であることができる。二色性染料にさらに含むことができる末端作用基R2は反応性作用基であるか、または非反応性作用基であることができる。
【0046】
二色性構造Dは、この技術分野で一般的に用いられる染料のうち二色性を表すある構造であることができる。二色性構造の例としては、これに限定はしないが、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、シアニン系、インダン系、アズレン系、ペリレン系、フタロペリン系、アジン系等の染料で構成されるグループから選択された1種であることができる。
【0047】
二色性構造としてのアゾ系染料の例としては
【化8】
(前記式で、R1〜R16は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル基、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択され、或いはR5とR6、或いはR7とR8と共に連結されてフェニル基を形成することができる。)を挙げることができる。
【0048】
二色性構造としてのアントラキノン系染料の例としては
【化9】
(前記式で、R1〜R6は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル基、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、
【化10】
(R7は、前記R1−R6について定義したのと同様である。)またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0049】
二色性構造としてのアゾメチン系染料の例としては
【化11】
(前記式で、R1〜R12は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0050】
二色性構造としてのインジゴ系及びチオインジゴ系染料の例としては
【化12】
(前記式で、R1〜R14は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0051】
二色性構造としてのシアニン系染料の例としては
【化13】
を挙げることができる。
【0052】
二色性構造としてのインダン系染料の例としては
【化14】
(但し、前記式で、R1〜R2は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基及びイミド基で構成されるグループから選択される。)を挙げることができる。
【0053】
二色性構造としてのアズレン系染料の例としては
【化15】
(前記式で、R1〜R10は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0054】
二色性構造としてのペリレン系染料の例としては
【化16】
(前記式で、R1〜R8は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0055】
二色性構造としてのフタロペリン系染料の例としては
【化17】
(前記式で、R1〜R8は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0056】
アジン系染料の二色性構造の例としては
【化18】
(前記式で、R1〜R12は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0057】
また、前記二色性構造Dは、それ自体が液晶性を有することもできる。その例としては、これに限定はしないが、下記のような構造を挙げることができる。
【化19】
液晶性構造Mは、この技術分野で液晶性を有するもので、一般的に知られているある化学構造であることができる。液晶性構造Mによって二色性構造Dの配向性が増大される。
【0058】
液晶性構造の例としては、これに限定されないが、
【化20】
(前記式で、Zは−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単一結合であり、R1〜R12は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0059】
本発明の光学素子膜に一成分として用いられる前記二色性染料は、一末端に堅固なコーティング膜を形成して耐久性を増大させる末端反応性作用基R1を有する。また、任意で末端作用基R2をさらに含むことができる。末端作用基R2を有する場合に、末端作用基R1及びR2は同じであることも、異なることもでき、末端作用基R2はこの技術分野で一般的に知られている反応性作用基または非反応性作用基であることができる。
【0060】
反応性作用基(R1、R2)の例としてはこれに限定はしないが、
【化21】
で構成されるグループから選択された1種であることができる。非反応性末端作用基R2は、これに限定されないが、C1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ及びシクロヘキシル基で構成されるグループから選択されることができる。
【0061】
二色性構造D、液晶性構造M及び末端作用基R1,R2は互いが連結構造L1、L、L3等によって結合(カップリング)される。L1、L及びL3連結構造は二色性構造D、液晶性構造M及び末端作用基R1,R2を連結することができるある構造であって、同じであることも、異なることもできる。
【0062】
また、1つの二色性染料構造に2以上の二色性構造D1、D2及びD3が結合される場合に、二色性構造は互いが直接結合されるか、または連結構造Dにより隣接した二色性構造または液晶性構造と結合されることができる。
【0063】
連結構造は
【化22】
(式中、nは1乃至12の整数である。)で構成されるグループから選択されることができ、1つの二色性染料構造で用いられた連結構造は同じであることも、異なることもできる。
【0064】
前記本発明の光学素子形成組成物に用いられる二色性染料構造に対する理解を助けるために、幾つかの構造を例示すると以下のようである。但し、以下のような例示で本発明に用いられる二色性染料構造を制限することではない。
【0065】
R1−L1−M−L2−D1、R1−L1−M−L2−D1−L3−R2、R1−L1−M−L2−D1−D2−L3−R2、R1−L1−M−L2−D1−L4−D2−L3−R2、R1−L1−D1−L2−M−L4−D2−L5−D3−L3−R2、R1−L1−D2−L2−D1−L4−M−L5−D3−L3−R2、R1−L1−D3−L2−D1−L4−D2−L5−M−L3−R2、R1−L1−D1−D2−L2−M−L4−D3−L3−R2、R1−L1−D1−D2−D3−L2−M、R1−L1−D1−D2−D3−L2−M−L3−R2、R1−L1−D1−D2−L2−M−L4−D3−L3−R2、R1−L1−M−L2−D2−L3−R2、R1−L1−D3−L2−M−L3−R2、R1−L1−D3−D1−L2−M−L3−R2、R1−L1−D3−L2−M(前記式で、Mは前記定義した液晶性を有する構造で、D1、D2及びD3は二色性を有する構造であって、1つの二色性染料構造で用いられる二色性を有する構造は同一でなく、L1、L2、L3、L4及びL5は前記の連結構造で同じであることも、異なることもできる。R1及びR2は前記の末端作用基はであって、同じであることも、異なることもできる。)
【0066】
前記構造式の二色性染料は、これに限定されないが、例えば以下のような方法で製造されることができる。
【0067】
前記構造式の二色性染料を構成する二色性構造Dはこの技術分野で一般的に知られている方法、例えば、非特許文献1または非特許文献2に記述されている方法で、ヒドロキシ基またはアミン基を有する二色性染料(アゾ、アントラキノン、アゾメチン、インジゴ、チオインジゴ、シアニン、インダン、アズレン、ペリレン、フタロペリン、アジン系染料)を合成する。これは二色性染料を構成する他の構造と化学的に連結される。
【0068】
一方、前記構造の二色性染料を構成する液晶性構造Mの末端に−OH基を導入し、連結構造Lの両末端にハロゲン基を導入してハロゲン元素に置換されたアルカン(例えば、ジブロモアルカンまたはジクロロアルカン)またはアルカンジオイック酸を合成する。その後、ハロゲン末端を有する連結構造またはアルカンジオイック酸連結構造を液晶性構造のOH末端にエーテル結合またはエステル結合で連結させる。このような液晶性構造と連結構造の連結は一般的なアルキル化反応またはエステル化反応による。
【0069】
また、ヒドロキシ基またはアミン基を有する二色性染料と前記連結構造と結合された液晶性構造はエーテル結合またはエステル結合(アミンの場合にはアミド結合)で化学的に連結される。さらに、末端作用基も、例えば、OH基を末端に有する連結構造、ハロゲン末端を有する連結構造またはアルカンジオイック酸構造を末端に有する連結構造とエーテル結合またはエステル結合(アミンの場合アミド結合)で連結される。前記のように、末端作用基と連結構造は、この技術分野で一般的に知られているアルキル化反応またはエステル化反応で化学的に連結され、末端作用基は連結構造と化学的反応で連結させる前にアルキル化、エステル化等の化学反応に必要な末端を有するように処理されることができる。前記連結構造が結合された末端作用基は連結構造を経由して末端作用基と二色性構造または液晶性構造と連結される。
【0070】
このように、二色性構造D、液晶性構造M、連結構造(L1,L2,L3)、末端作用基R1,R2等を必要に応じてこの技術分野で一般的に知られている化学反応で適合に連結させて
または
構造を有する二色性染料を製造することができる。夫々の構造を化学的に結合するのに適合した化学反応及びこのような化学反応を進行させるために、各成分で必要とする作用基等はこの技術分野で一般的に知られているもので、この技術分野の技術者はこれらを適合に選択、及び調節して本発明による二色性染料を合成することが出きる。
【0071】
前記二色性染料を垂直配向される硬化性液晶化合物と共に用いることで、二色性染料が垂直配向される。従って、視野角の調節特性を表す。また、前記二色性染料は硬化性作用基を有するもので、基材に適用された後に迅速な硬化反応により工程時間が短縮されるため、原価が節減される。また、光学素子膜の架橋結合形態によって熱安定性及び耐久性に優れた光学素子が形成される。
【0072】
本発明に用いる硬化性二色性染料は、夫々別個の構造からなる赤色、緑色及び青色を表す染料の混合物であることができる。また、硬化性二色性染料は1つの連結構造に赤色、緑色及び/または青色を表す二色性構造を有するものであることができる。さらに、前記硬化性二色性染料は全体構造が可視光線を全て吸収する黒色を有する構造であることができる。硬化性二色性染料の色相は、前記二色性染料のうち二色性構造によって決まる。このような硬化性二色性染料または硬化性二色性染料の混合物が適用された光学素子は可視光線領域の光を全て吸収して視野角の調節に用いることができる。
【0073】
また、前記二色性染料に色補正のために赤色、緑色及び青色以外の他の色相の二色性染料をさらに含むことができる。色補正のための二色性染料も別途の硬化性二色性染料であるか、または単一の硬化性二色性染料構造に色補正のために赤色、緑色及び青色以外の色を表す二色性構造が含まれたものであることができる。色補正用二色性染料の色相も、二色性構造によって調節されることができる。色補正用二色性染料はこれら物質の吸収波長によってある割合で配合されることができ、配合の割合は限定しない。
【0074】
前記色補正用二色性染料としては、前記本発明の光学素子形成組成物に用いられる硬化性二色性染料を用いることもでき、色補正用二色性染料は吸収する光の波長が異なるため、異なる色相を表す。
【0075】
前記光学素子形成組成物には、必要に応じて任意に他の添加剤が配合されることができる。添加剤は必要に応じて添加され、下限は特に限定されず、最大5重量部以下で配合されることができる。但し、添加剤の含量が0.15重量部未満であれば、所望の添加剤によるコーティング性能の向上が不十分であることから好ましくなく、5重量部を超えると、コーティング層と基材の付着力が低下することから好ましくない。
【0076】
その他添加剤の例としては、これに限定はしないが、この技術分野で一般的に知られている触媒、感応剤、安定化剤、連鎖移動剤、抑制剤、促進剤、表面活性成分、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性改善剤、気泡形成防止剤、希釈剤、着色剤、染料または顔料等を挙げることができ、必要に応じてこれら成分が適合に選択されて配合されることができる。
【0077】
前記光学素子形成組成物は、また、必要に応じて硬化剤を1−10重量部、好ましくは2−7重量部でさらに含むことができる。即ち、光学素子形成組成物を基材に適用してから、電子線を用いて硬化する場合には、光学素子形成組成物に別途の硬化剤を配合する必要がない。しかし、コーティング後に、光硬化または熱硬化して光学素子形成組成物を乾燥する場合には、光学素子形成組成物に別途の硬化剤を配合しなければならない。
【0078】
紫外線を用いた光硬化による光重合(硬化)の場合に用いられる硬化剤の例としては、これに限定されないが、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物等の光開始剤を挙げることができる。熱硬化する場合は、これに限定されないが、硬化剤としてアゾイソブチロニトリル系 等の熱硬化剤を用いることができる。これら硬化剤の具体的な物質は、特に限定されず、この技術分野で一般的に知られている物質を用いることができる。
【0079】
前記ハロメチルオキサジアゾール化合物である活性ハロゲン化合物の例としては、2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール 等を挙げることができる。
【0080】
ハロメチル−s−トリアジン化合物である活性ハロゲン化合物の例としては、ビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物及び4−(P−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物等を挙げることができる。
【0081】
前記ハロメチル−s−トリアジン化合物としては、これに限定されないが、より具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、4−〔P−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔P−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(P−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(P−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔P−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(P−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔P−N−(P−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フルオロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フルオロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フルオロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フルオロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フルオロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フルオロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フルオロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フルオロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。その他、光重合開始剤としては、チバスペジャリティキャミカルズのイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261)、ダロキュア(Darocur)シリーズ(例えば、ダロキュア1173)、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(P−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(P−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(P−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、ベンゾインイソプロピルエーテル等を挙げることができる。前記硬化剤は単独で、または混合物で用いることができる。
【0082】
硬化剤の含量が1重量部未満であれば、硬化度が低調するため、好ましくなく、10重量部を超えると、硬化されたフィルムの硬度が低下することから好ましくない。
【0083】
また、本発明の他の具現において、本発明の光学素子形成組成物で形成された硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子が提供される。前記光学素子は本発明の光学素子形成組成物を基材に適用(コーティング)し硬化させて光学素子膜を形成することにより製造することができる。
【0084】
基材としては、ガラス板またはプラスチック基材を用いることができる。プラスチック基材としては、これに限定しないが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂またはポリエステル樹脂からなっているもの等を用いることができる。
【0085】
前記光学素子製造時に、二色性染料の垂直配向は、(1)本発明の光学素子形成組成物に含まれている硬化性液晶化合物、(2)本発明の光学素子形成組成物に添加された二色性染料が垂直配向されるようにする添加剤(以下、'垂直配向添加剤'とする。)、(3)基材に付与された配向性及び、(4)基材上に形成された別途の配向膜で構成されるグループから選択された少なくとも一手段で付与されることができる。前記光学素子膜における二色性染料の垂直配向性は本発明の光学素子がLCD等に用いられる場合にさらに重要視される。
【0086】
前記(1)及び(2)の方法により、二色性染料に垂直配向が付与される場合、光学素子は本発明の光学素子形成組成物または垂直配向添加剤が添加された光学素子形成組成物を基材にコーティングし硬化されて製造することができる。
【0087】
垂直配向添加剤としては、フッ素化炭素系の界面活性剤、例えば、米国3M社のノベックFC4430(tm)、ノベックFC4432(tm)、米国Dupont社のZonyl(r)等を用いることができる。垂直配向添加剤の含量は具体的に限定せず、この技術分野で一般的に知られていることにより垂直配向を表すに十分な量で配合されることができる。
【0088】
前記(3)の方法により、二色性染料に垂直配向が付与された場合、光学素子は基材に配向を付与し、配向が付与された基材に本発明の光学素子形成組成物をコーティングし硬化させて製造することができる。このとき、基材に対する配向の付与は基材に界面活性剤をコーティングするか、またはガラス基材の場合は表面を浸食処理する方法等の垂直配向を促進する方法として一般的に知られているある方法で行うことができる。界面活性剤としてはレシチン等を用いることができる。
【0089】
前記(1)乃至(3)の方法により、二色性染料に垂直配向が付与される場合、光学素子は図1に図示したように、基材(1)及び光学素子膜(3)からなる光学素子に製造される。
【0090】
前記(4)の方法により、二色性染料に垂直配向が付与される場合、光学素子は基材に別途の配向膜を形成し、形成された配向膜上に本発明の光学素子形成組成物をコーティングし硬化させて製造することができる。配向膜はこの技術分野で知られているある方法で形成されることができる。これに限定はしないが、例えば、二色性染料の垂直配向を促進するポリイミドで基材を表面処理して塗膜を形成し、塗膜分子に方向性を付与することで形成されることができる。このように別途の配向膜を形成して製造された光学素子は、図2に図示したように、基材1、基材上の配向が付与された配向膜2及び配向膜上の光学素子膜3からなる光学素子に製造される。
【0091】
前記本発明の光学素子製造時、光学素子形成組成物は、これに限定はしないが、放射−コーティング、ブレードコーティング、キャスティングコーティングまたはロールコーティング等のようなこの技術分野で一般的に用いられる薄膜コーティング方法により前記基材1または配向膜2上に塗布される。前記光学素子形成組成物は、最終硬化された光学素子膜の厚さが0.1ミクロン乃至10ミクロン、好ましくは0.3ミクロン乃至7ミクロンになるようコーティングすることである。光学素子膜の厚さが0.1ミクロン未満であれば、可視光を十分に遮断できないことから好ましくなく、10ミクロンを超えると組成物の配向性の低下により垂直配向度が落ちることから好ましくない。
【0092】
前記硬化は、これに制限しないが、電子線硬化、熱硬化または紫外線硬化法を用いることができる。前記のように、電子線硬化法の場合、別途の硬化剤は必要ないが、熱硬化または紫外線硬化する場合には、前記のように光学素子形成組成物に硬化剤が配合されなければならない。
【0093】
また、前記光学素子膜の表面は必要に応じて、帯電防止処理、コロナ処理、ハードコーティング処理、反射防止処理または防幻処理で構成されるグループから選択された少なくとも1つの処理方法でさらに処理されることができる。
【0094】
図3に図示したように前記本発明の方法で形成された硬化性液晶化合物4と硬化性二色性染料5が垂直配向された光学素子膜3を有する光学素子は視野角の調節性能(具体的には、狭視野角性能)を有する上、優れた二色性比、耐熱性及び耐久性を有する。高温、高湿状態における耐久性は光学素子膜が架橋結合の形態を有することに因る。
【0095】
前記本発明の光学素子は、垂直配向された液晶化合物及び二色性染料による視野角の調節機能により狭視野角用光学素子として用いることができ、また、光学素子の外部の光調節機能により視認性向上用の光学素子としても用いられる。
【0096】
以下、実施例を通して本発明について詳細に説明する。下記実施例は本発明を例示するためのものであり、これに本発明を限定するものではない。
【0097】
合成例1
(1)4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(5)の化合物)の合成
【化23】
【0098】
下記反応スキームに示したように、常温でヒドロキノン(1)(4.5g)と1,6−ジブロモヘキサン(2)(10g)をメタノール(100ml)に溶かした。この混合物溶液に水酸化カリウム(2.3g)を添加した後、一晩中60℃で還流させた。翌日反応混合物の温度を常温に低めた後、メタノールを蒸発させてから、水(100ml)とエチルアセテート(100ml)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで水を除去し、溶媒を蒸発させてからコラムクロマトグラフィー(展開液はエチルアセテート/ヘキサン=1/5体積比)で精製し、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フエノール(3)を4.4g得た。
【0099】
常温で4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾ酸(4)(2.8g)をTHF(テトラヒドロフラン)(100ml)に溶かしてから温度を0℃にする。その後、ここにチオニルクロライド(12ml、1M in THF)を入れて30分間攪拌した。それから4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フエノール(2.5g)とトリエチルアミン(13ml)を入れて0℃で1時間攪拌した後、常温で一晩中攪拌した。翌日塩化アンモニウム飽和水溶液を前記反応混合物に入れて反応を完了した。エチルアセテート(50ml)で3回抽出してから硫酸マグネシウムで水を除去し、溶媒を蒸発させてからコラムクロマトグラフィー(展開液はエチルアセテート/ヘキサン=1/2体積比)で精製し、4−(6−ブロモ ヘキシルオキシ)フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(5)(3g)を得た。
【0100】
(2){{[(4−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ヘキシルオキシ}4−フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(I)の化合物)の合成。
【0101】
前記得られた4−(6−ブロモ ヘキシルオキシ)フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(5)(200mg)、ディスパースオレンジ13(6)(128mg)、K2CO3(150mg)及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)(5mg)をアセトン(20ml)に常温で溶かした。これら反応混合物を70℃で一晩中攪拌した。翌日塩化アンモニウム飽和水溶液を入れて反応を終了してからエチルアセテート(50ml)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで水を除去し、溶媒を蒸発させた後、コラムクロマトグラフィー(展開液はエチルアセテート/ヘキサン=1/3体積比)で精製し、{{[(4−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ヘキシルオキシ}4−フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(I)(300mg)を得た。
【0102】
反応スキーム(scheme):
【化24】
【0103】
合成例2
{{[(4−ノルマルヘキシル−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ヘキシルオキシ}4−フェニル,4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(II)の化合物)の合成。
【化25】
【0104】
常温で4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(合成例1のうち(1)で製造された化学式(5)の化合物。)(200mg)、{{[(4−ノルマルヘキシル−フェニル)ジアゼニル]−1−ナフチル}ジアゼニル}−4−フエノール(135mg)、K2CO3(150mg)及びBHT(5mg)をアセトン(20ml)に溶かした。反応混合物を70℃で一晩中攪拌した。翌日塩化アンモニウム飽和水溶液を入れて反応を終了してからエチルアセテート(50ml)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで水を除去し、溶媒を蒸発させた後、コラムクロマトグラフィー(展開液はエチルアセテート/ヘキサン=1/5体積比)で精製し、{{[(4−ノルマルヘキシル−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ヘキシルオキシ}4−フェニル,4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(II)の化合物)(300mg)を得た。
【0105】
合成例3
(1)4−(6−アクリロイルオキシ−ヘキシルオキシ)−ベンゾ酸4−(5−ブロモ−フェニルオキシ)−フェニルエステルの合成
【0106】
前記合成例1の(1)における一番目の段階であるヒドロキノンとの反応で1,6−ジブロモヘキサンの代わりに1,5−ジブロモペンタンを用いたこと以外は、合成例1の(1)と同様の方法で、4−(6−アクリロイルオキシ−ヘキシルオキシ)−ベンゾ酸4−(5−ブロモ−フェニルオキシ)−フェニルエステルを合成した。
【0107】
(2){{[(4−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ペンチルオキシ}4−フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(III)の化合物)の合成
【化26】
【0108】
常温でディスパースオレンジ(disperse orange)13 147 mg、K2CO3 55.43mgをアセトニトリル30mlに溶かしてから約15分間攪拌した。その後、4−(6−アクリロイルオキシ−ヘキシルオキシ)−ベンゾ酸 4−(5−ブロモ−フェニルオキシ)−フェニルエステル(合成例3の(1)で合成)(200mg)とBHT(33.04mg)をさらに投入した後18時間沸かした。NH4Clで2回洗い、NaClで1回有機溶液を洗ってからコラム(10:1体積比、ヘキサン:EtOAc)に分離して前記化学式(III)の化合物(221mg、歩留まり73%)を得た。
【0109】
実施例1:硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子の製造
【0110】
前記合成例1で製造された硬化性二色性染料及び液晶混合物を含む光学素子形成組成物を基材にコーティングして硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子サンプルを製造した。光学素子サンプルは基材及び光学素子膜で構成される。
【0111】
合成例1で製造された硬化性二色性染料1重量%とMerck社の反応性液晶RMM77TM20重量%を混合してクロロホルム79重量%に溶解させて21重量%の光学素子形成組成物を用意した。Merck社の反応性液晶RMM77TMには硬化剤が5重量%で含まれているため、別途の硬化剤は添加されていない。
【0112】
ガラス基板に前記光学素子形成組成物を1000rpmで30秒間スピン被服させた。その後、スピン被服された硬化性二色性液晶層を50℃で1分間乾燥させた。液晶及び染料成分が光架橋結合されるようにコーティング層を100mW/cm2強さのUVランプに1分当たり3メートルの速度で露出させてガラス基板基材と硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含む光学素子サンプルを得た。硬化された光学素子膜の厚さは0.9μmであった。
【0113】
本実施例で形成された光学素子サンプルの波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は64.6%、側面減少率は19.5であり、これを図4に視野角(viewing angle)と透過率(transmittnace)で図示した。
【0114】
実施例2:別途の配向層が形成された硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子の製造。
【0115】
前記合成例1で製造された硬化性二色性染料及び液晶混合物を含む光学素子形成組成物を基材にコーティングして硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子サンプルを製造した。光学素子サンプルは基材、配向膜及び光学素子膜で構成される。
【0116】
ガラス板基材に配向層形成組成物を1500rpmで30秒間厚さが1000Åになるように各々スピンコーティングした後、80℃で1分30秒間加熱してコーティング膜内部の溶媒が除去されるように乾燥した。光架橋結合になるように100mW/cm2の強さのUVランプに1分当たり3メートルで露出し硬化させて配向層を形成した。
【0117】
配向層形成組成物としては、ペンタエリトリトールトリアクリレート17.9重量%、ペンタエリトリトールテトラアクリレート30重量%、バイトロン−P(Baytron−P)50重量%、BHT(Dibutylated Hydroxytoluene)0.1重量%及びイルガキュア184 2重量%からなる配向膜形成物質を溶媒(エタノール40重量%、1−プロパノール30重量%、メトキシエタノール30重量%の混合溶媒)に全体溶液100重量%対比濃度が10重量%になるように希釈したものを用いた。
【0118】
前記配向層上に合成例1で製造された硬化性二色性染料1重量%とMerck社の反応性液晶RMM77(tm)20重量%を混合し、クロロホルム79重量%に溶解させて用意された21重量%の光学素子形成組成物をコーティングして垂直配向光学素子膜を形成した。Merck社の反応性液晶RMM77(tm)には硬化剤が5重量%で含まれているため、別途の硬化剤は添加されていない。
【0119】
配向層上に前記光学素子形成組成物を1000rpmで30秒間スピン被服させた。その後、スピン被服された光学素子形成組成物層を50℃で1分間乾燥させた。液晶及び染料成分が光架橋結合されるようにコーティング層を100mW/cm2強さのUVランプに1分当り3メートルで露出させてガラス基板基材と硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含む光学素子サンプルを得た硬化された光学素子膜の厚さは0.9μmであった。
【0120】
本実施例で形成された光学素子サンプルの波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は70.7%、側面減少率は19.3%で、これを図5に図示した。
【0121】
実施例3
合成例2の二色性染料を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造し、製造された光学素子サンプルの狭視野角、透過度及び配向性を各々の染料が有する波長で測定した。波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は71.2%、側面減少率は17.3%であり、これを図6に図示した。
【0122】
実施例4
合成例3の二色性染料を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造し、製造された光学素子サンプルの狭視野角、透過度及び配向性を染料が有する波長で測定した。波長λ最大=442nmで測定した正面透過度は48.2%、側面減少率は22.2%であり、これを図7に図示した。
【0123】
比較例1
比較例1は合成例1で製造された二色性染料を用いなかったこと以外は前記実施例2と同様の方法で光学素子サンプルを製造した。
【0124】
本比較例1において製造された光学素子サンプルの波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は90.7%、側面減少率は85.6%であり、これを図8に示した。
【0125】
図8で分かるように、二色性染料を用いなかった場合は、本比較例による光学素子は正面透過度と側面透過度と差が殆どなかった。また数値をみると、正面透過度は90.7%、側面透過度は85.6%で視野角による光学的異方性が全く現れないことが分かる。
【0126】
比較例2
比較例2は液晶性構造が染料構造に化学的に結合された本発明による二色性染料の効果を確認するためのもので、染料として液晶性構造を有しない下記化学式(4)の二色性染料(RSY013)を1重量%用いたこと以外は前記実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造した。
【化27】
【0127】
本比較例2で製造された光学素子サンプルの波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は55.9%、側面減少率は14.4%であり、これを図9に示した。
【0128】
本比較例のサンプルは、二色性染料と液晶物質の配向性が低下し、正面透過度と側面減少率が落ちた。これにより、本発明による染料で液晶性構造が染料構造に化学結合することによって液晶物質と二色性染料の相溶性の増大による偏光度の改善効果を確認することができる。本比較例の光学素子サンプルは前記実施例に比べて二色性染料と液晶物質の相溶性の低下により透過度の減少率が大幅に落ちるという結果を示した。
【0129】
比較例3
比較例3は、液晶性構造が染料構造に化学的に結合された本発明による二色性染料の効果を確認するためのもので、染料として液晶性構造を有しない下記の化学式(5)の二色性染料(GHL2−127)を1重量%用いたこと以外は前記実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造した。
【化28】
【0130】
本比較例3で製造された光学素子サンプルの波長λ最大=444nmで測定した正面透過度は58.4%、側面減少率は14.4%であり、これを図10に示した。本比較例の光学素子サンプルは前記実施例に比べて二色性染料と液晶物質の相溶性の低下によって透過度の減少率が大幅に落ちるという結果を示した。
【0131】
比較例4
比較例4は、反応性構造が染料構造に化学的に結合された本発明による二色性染料の効果を確認するためのもので、二色性染料として下記の化学式(6)の反応性作用基を有しないディスパースオレンジ13(Disperse Orange 13)を1重量%用いたこと以外は実施例1と同様の方法で光学素子サンプル(6)を製造した。
【化29】
【0132】
前記試片(6)の波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は41.2%、側面減少率は13.4%であり、これを図11に示した。本比較例の光学素子サンプルは前記実施例に比べて正面透過度と側面透過度の減少率が大幅に落ちる上、表面硬化度も良くなく、フィルムの耐久性が落ちる。
【0133】
比較例5
比較例5は染料として液晶性構造を有しない下記の化学式(7)の二色性染料(Solvent Orange 60)を1重量%用いたこと以外は前記実施例2と同様の方法で光学素子サンプルを製造した。
【化30】
【0134】
本比較例5で製造された光学素子サンプルの波長λ最大=480nmで測定した正面透過度は17.8%、側面透過度は12.8%で、減少率が5.01%で極めて微々たるものであった。本比較例の光学素子サンプルの透過度を図12に示した。
【0135】
比較例6
比較例6は光学素子形成組成物として合成例1の二色性染料1重量%及び一般的な透明コーティング剤混合物30重量%(DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20重量%、SK−Cytecのアクリレートオリゴマー(EB264)8.5重量%、Ciba社の光開始剤IRG184 1.4重量%、添加剤として日本DIC社のF−470 0.1重量%で構成された光硬化性コーティング剤混合物)を溶媒69重量%(メチルエチルケトン(MEK)28.2重量%、イソプロパノール(IPA)12.7重量%、エチルセロソルブ(EC)28.1重量%の混合溶媒)に溶解させたこと以外は前記実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造し、透過度と狭視野角を測定した。前記光学素子形成組成物で重量%は、総組成物の重量を基準としたものである。
【0136】
波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は29.5%、側面透過度は19.2%に過ぎず、垂直配向が殆ど行われていないことが分かる。本比較例の光学素子サンプルの透過度を図13に示した。
【符号の説明】
【0137】
1 基材
2 配向膜
3 光学素子膜
4 硬化性液晶
5 硬化性二色性染料
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物を含む光学素子形成組成物及びこれで製造された光学素子に関し、より詳細に本発明は垂直配向されて狭視野角を表す光学素子の製造に用いられる硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物を含む光学素子形成組成物及びこれで製造された光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、液晶ディスプレイは、軽くて電力消耗が少ないという長所を有し、ブラウン管に代わる最も競争力のあるディスプレイとして浮かび上がっている。特に、薄膜トランジスタによって駆動される薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT−LCD)は個々の画素を独立的に駆動させるため、液晶の応答速度が非常に優れて高画質の動画像を具現することができ、現在、ノート型コンピュータ、壁掛けテレビ等に次第に応用範囲が広がっている。
【0003】
一般的に、カラー薄膜トランジスタ−液晶ディスプレイは、製造時に両方のガラス基板の外側に線偏光素子を配置し、異方性フィルムを加えることで、ガラス基板の間における液晶分子の作用と共に、背面から透射されてきた光を調節して情報を表示するのに用いられており、異方性フィルムによる広い視野角を確保している。
【0004】
しかし、公共の場で小型化された携帯型電子機器、例えば、ノート型コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、携帯電話等を個人的な用途で用いる場合には、プライバシーを考慮し、返って視野角を狭める必要性が浮かび上がってきた。また、ディスプレイが大型化されるにつれ、外部の光によるグレア現象が酷くなり、鮮明比を高めるためには、外部の光がディスプレイに入らないようにする視野角の調節層が必要となった。
【0005】
特許文献1は、ブラックインク層がフィルム内にブラインド形態で、垂直に配列させる形状を作り、一定の視野角で光が透過しないようにすることで、視野角の調節機能を有するフィルムの製造方法を開示している。しかし、前記技術は製造工程が複雑であり、2つのフィルムを重ねて最終製品を製造するため、最終製品が厚くなるという短所がある。
【0006】
特許文献2は、レーザー光及び自然光を含む光の減衰、偏光、散乱及び遮断性能が容易に実現できる光吸収異方性を示す薄膜及びその製造方法を開示しており、前記特許文献1では、ガラス及びプラスチック基板に配向膜を形成し、配向膜を形成した面に二色性色素を取り付け、溶媒を蒸発させて光吸収異方性薄膜が形成され、二色性色素はアゾ系またはアントラキノン系であって、液晶性を有し、光−または熱−交差結合反応性を有すると開示している。しかし、二色性色素のみで垂直配向によるフィルムを形成すると、視野角が非常に狭くなるという短所があって、視野角の調節に困難がある。
【0007】
特許文献3は、可視光線を吸収する円盤状の液晶をコーティングして視野角を狭くするフィルムを形成すると開示している。しかし、二色性色素の吸収が大きくて視野角の調節用に用いるのに困難がある。
【0008】
特許文献4は、液晶表示装置に液晶分子と二色性染料の混合物で構成された二色性液晶層を介在し、駆動時に二色性液晶が0−90度にティルトされて狭視野角モードを形成することについて開示している。しかし、前記特許文献は垂直配向モードに対して電気信号印加時に二色性色素がティルトされることにより、狭視野角の形成が可能である。
【0009】
特許文献5は、光透過性を有する基材と、その基材上に形成され、可視対象の可視度を視覚によって制御する可視角度制御層を有する可視角度制御部材について開示している。ここで、可視角度制御層が二色性色素と分子形状が棒状である重合性液晶を含み、前記二色性色素及び前記重合性液晶の夫々の分子配列がホメオトロピック配向状態で固定される。
【0010】
特許文献6は、可視角度制御部材は法線方向にある可視対象の可視度が良好であるため、他人が盗み見ることに対するプライバシーが保護されると開示している。しかし、非重合性二色性色素が用いられる場合には、重合性液晶の硬化時に微細な相分離現象が生じるため、非重合性二色性染料が5%以上加わると、正面透過率と狭視野角特性が低下するという短所があり、フィルムで形成して用いる場合、フィルムの外に拡散され出る経時変化によって全体の物性が低下するという短所がある。
【0011】
特許文献7は、少なくとも1つの二色性染料を含み、ホメオトロピック配向された液晶重合体フィルムについて開示している。しかし、高分子フィルムに混ぜるか、または側鎖に取り付けて配向される場合には全体的な配向性が低下し、最終製品の物性が低下するという短所がある。
【0012】
そのため、前記従来の方法は、実際に狭視野角の調節機能が低調であるか、または最終製品の耐久性が落ち、製造費用が高いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許6,398,370号
【特許文献2】米国特許6,337,111号
【特許文献3】韓国特許公開2005−0032468号
【特許文献4】韓国公開特許2007−0003185号
【特許文献5】日本公開特許2005−215435号
【特許文献6】日本公開特許2005−215435号
【特許文献7】欧州特許公開0608924号
【特許文献8】韓国特許公開2003−0059268号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Ivashchenko著、"Dichroic dyes for liquid crystal displays"(1994年、CRC Press発刊)
【非特許文献2】Organic Chemistry in Colour(1987年、Springer−Verlag発刊)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
これに本発明の目的は、視野角の調節及び視認性の向上に用いられる硬化性二色性染料と硬化性液晶化合物を含む光学素子形成組成物を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、狭視野角、優れた視認性、配向性、耐熱性及び耐久性を表す光学素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1見地によれば、硬化性二色性染料0.1−90重量部及び硬化性液晶化合物10−98.85重量部を含んでなる光学素子形成組成物が提供される。
【0018】
本発明の第2見地によれば、本発明の光学素子形成組成物で形成された硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子が提供される。
【0019】
本発明の第3見地によれば、基材及び基材上に本発明の光学素子形成組成物で形成され、硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子が提供される。
【0020】
本発明の第4見地によれば、配向性が付与された基材及び基材上に本発明の光学素子形成組成物で形成され、硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子が提供される。
【0021】
本発明の第5見地によれば、基材と、基材上の配向膜及び配向膜上に本発明の光学素子形成組成物で形成され、硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子が提供される。
【発明の効果】
【0022】
本発明の硬化性二色性染料と硬化性液晶化合物を含む光学素子組成物で形成された硬化性二色性染料と硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子は優れた耐熱性、高温、高湿に対する耐久性、垂直配向性能及び二色性比を有し、視野角の調節(狭視野角)が可能で、改善された視認性を表す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一具現による基材に光学素子膜が形成された光学素子の側断面図である。
【図2】本発明の他の具現による基材に配向膜が形成され、配向膜上に光学素子膜が形成された光学素子の側断面図である。
【図3】本発明の一具現による垂直に配向された硬化性二色性染料と硬化性液晶の分子水準の配向を表す光学素子の側断面図である。
【図4】実施例1において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図5】実施例2において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図6】実施例3において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図7】実施例4において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図8】比較例1において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図9】比較例2において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図10】比較例3において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図11】比較例4において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図12】比較例5において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【図13】比較例6において製造された光学素子サンプルの透過度を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
公共の場における小型化された携帯型電子機器、例えば、ノート型コンピュータ、PDA、ゲーム機、携帯電話等の使用が増えるに従って、プライバシーを考慮し、視野角を狭める必要性が浮かび上がってきた。本発明は硬化性液晶化合物と硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を用いることで、視野角を調節することを特徴とする。また、このような光学素子膜を有する光学素子は外部光の調節機能を有し、視認性が向上する。
【0025】
本発明の光学素子形成組成物は、硬化性二色性染料0.1−90重量部及び硬化性液晶化合物10−98.85重量部を含む。二色性染料が0.1重量部未満であれば、光学素子に製造時に視野角の調節機能が落ちることから好ましくなく、90重量部を超えると、最終光学素子に製造時に視野角の調節能力が落ち、硬化度が低下して耐久性が低下するため、好ましくない。硬化性液晶化合物の含量が10重量部未満であれば、正面透過率が低下することから好ましくなく、98.85重量部を超えると、光学素子に製造時に視野角の調節機能が落ちることから好ましくない。
【0026】
前記硬化性液晶化合物は、二色性染料の配向性を向上させる作用をする。これに限定されないが、例えば、4−(3−アクリロイルオキシ−プロポキシ)ベンゾ酸O−トリルエステル((4−(3−acryloyloxy−propoxy)benzoic acid o−tolyl ester)等を挙げることができる。
【0027】
硬化性液晶化合物の例としては、これに限定されないが、下記構造の化合物が単独で、或いは2以上の組み合わせで用いることができる。
【化1】
【0028】
前記式で、P−P4は硬化性作用基であって、この技術分野で一般的に知られている反応性作用基から選択することができる。反応性作用基の例としては、これに限定されないが、
【化2】
を挙げることができる。前記構造式(C)におけるP1−P3、そして、構造式(D)におけるP1−P4は同じであることも、異なることもでき、前記反応性作用基から夫々独立的に選択されることができる。
【0029】
前記式におけるS−S4は連結構造であって、連結構造としてはこの技術分野で一般的に知られているある連結構造から選択することができる。連結構造の例としては、これに限定されないが、
【化3】
(式中、nは1乃至12の整数である。)を挙げることができる。前記構造式(C)におけるS1−S3、そして構造式(D)におけるS1−S4は同じであることも、異なることもでき、前記連結構造から夫々独立的に選択されることができる。
【0030】
液晶性を有する構造(M)は、この技術分野で液晶性を有するものであって、一般的に知られているある化学構造であることができる。
【0031】
液晶性を有する構造(M)の例としては、これに限定されないが、
【化4】
(前記式で、Zは−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単一結合であり、R1〜R12は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル基、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0032】
末端基Rは、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF5H、NO2,または炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基から選択することができる。
【0033】
また、液晶化合物としては、特許文献8に開示の下記化学式(1)−(4)の硬化性液晶化合物を用いることができる。下記化学式の化合物は単独で、或いは2種以上を配合して用いることができる。より具体的に、下記化学式の化合物が配合されて垂直配向させる組成物であるメルク(Merck)製品を用いることができる。前記硬化性液晶化合物としては、これに限定されないが、例えば、メルク(社)のRM(Reactive Mesogen)やBASF(社)のLC−242を挙げることができる。
【化5】
【0034】
硬化性二色性染料を前記硬化性液晶化合物(垂直配向液晶化合物)と混合して用いることで、二色性染料の配向性(垂直配向性)が増大し、これによって、視野角の調節特性を表す。
【0035】
本発明の光学素子形成組成物の一成分として用いられる硬化性二色性染料は少なくとも一末端に硬化性作用基(光反応性基または熱反応性基)を有するものであって、基材に適用された後に硬化性を表す光−反応性または熱−反応性作用基により迅速に硬化されるため、工程時間が短縮されて原価が節減される。また、光学素子膜の架橋結合形態によって熱安定性及び耐久性に優れた光学素子が形成される。
【0036】
前記硬化性二色性染料は、可視光線を全て吸収して黒色を表すものであることができる。従って、硬化性二色性染料は二色性比に優れた黒色染料であるか、または赤色、緑色、青色染料が黒色を表すように組み合わさった染料であることができる。
【0037】
本発明における二色性染料としては、長い棒形態の分子構造を有する染料であって、各染料分子の末端に硬化性作用基を有する染料を用いることができる。これに限定されないが、本発明における二色性染料としては、例えば、非特許文献1に記載の二色性染料に硬化性作用基が結合された硬化性二色性染料を用いることができる。前記非特許文献1に記載の全ての二色性染料の少なくとも一末端に結合基(spacer)と硬化性作用基が結合された二色性染料を本発明の光学素子形成組成物に硬化性二色性染料として用いることができる。
【0038】
少なくとも一末端に結合基と硬化性作用基を結合して二色性染料物質として用いることができる二色性染料としては、この技術分野で一般的に知られているある二色性染料を用いることができ、これに限定されないが、具体的な例としては、ビスアリーリデンアミノアントラキノン、4−メトキシベンジリデン−4'−ブチルアニリン、4−アルキルアミノアゾベンゼン、4−アミノアゾベンゼン、4−アルキルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、2,5−ジクロロ−4−ジメチルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−4'−(4−アルキルベンジリデンアミノ)アゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4'−カルボキシアリールアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−2'−メチルメトキシ−4'−(4−シアノベンジリデンアミノ)アゾベンゼン、4'−(モルホリン−1−イル)アゾベンゼン、4'−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)アゾベンゼン、4'−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)アゾベンゼン、4−(N−アルキルアミノ)−3',4'−ジシアノアゾベンゼン、1−アミノ−4−アリールアゾナフタレン、1−ジメチルアミノ−4−アリールアゾナフタレン、1−オキシ−4−[4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アリーリデンアミノ−4−(4−アリーリデンアミノフェニルアゾ)ナフタレン、2−[4−(4−シアノフェニル)フェニルアゾ]−1−ヒドロキシナフタレン、2−(アミノフェニルアゾ)−4−ニトロチアゾール、2−アリールアゾ−5−ニトロチアゾール、5−[(4−アミルピペラジン−1−イル)フェニルアゾ]−2−アリールピリミジン、2−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)ベンゾチアゾール,4−ジアルキルアミノフェニルアゾヘテロサイクル、4−アリールアゾ−4'−ジメチルアミノアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−ジアルキルアミノアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)アゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)アゾベンゼン、4,4"−ビス−(トランス−4−アルキルシクロヘキシルカルボキシ)ビスアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−ベンジルオキシアゾベンゼン、4,4"−ビス−(ヘキシルベンゾイルオキシ)ビスアゾベンゼン、4,4"−ビス−[4−(トランス−4−アルキルシクロヘキシル)ベンゾイルオキシ]−2−メチル−5−イソプロピルビスアゾベンゼン、4,4"−ビス−(4−オクチルビフェニル−4'−カルボキシ)ビスアゾベンゼン、4,4'−ビス(アリールアゾ)−2,3、2',3'−テトラクロロジフェニル、1−(4−ジメチルアミノフェニルアゾ)−4−(4−ジフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−[4−(ピロール−1−イル)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アルコキシ−4−アリールアゾナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ブトキシフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ブトキシフェニルアゾ)ナフタレン、1−(4−アリールアゾフェニルアゾ)ナフタレン、4,4'−ビス(4−ジメチルアミノフェニルアゾ)アゾベンゼン、4,4'−ビス(4−ジベンジルアミノフェニルアゾ)アゾベンゼン、1−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)−4−(4−アリールアゾフェニルアゾ)ナフタレン、1−(4−ジアシルオキシフェニルアゾ)−4−[(4−アシルオキシフェニルアゾ)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アリールアゾ−4−[4−(5−アルキルチエノ[2,3−b]チアゾール−2−イルアゾ)フェニルアゾ]ナフタレン、2−アルキル−1,5−ジ−(アリールチオ)アントラキノン等を挙げることができる。これらは単独で、或いは2つ以上の組み合わせで本発明の組成物に用いることができる。
【0039】
前記二色性染料の少なくとも一末端に結合された硬化性作用基によって、本発明による組成物は堅固なコーティング膜で形成されることができ、これにより耐久性が増大する。二色性染料の少なくとも一末端に結合された硬化性作用基の例としてはこれに限定されないが、
【化6】
で構成されるグループから選択された1種であることができる。二色性染料の両末端に硬化性作用基が存在する場合、硬化性作用基は同じであることも、異なることもでき、前記構造の硬化性作用基から夫々独立的に選択することができる。
【0040】
一方、硬化性作用基は二色性染料の末端に連結構造(spacer)によって連結される。連結構造は
【化7】
(式中、nは1乃至12の整数である。)で構成されるグループから選択されることができる。同じ二色性染料に用いられる連結構造は同じであることも、異なることもできる。
【0041】
また、本発明による光学素子形成組成物に、硬化性二色性染料としては、液晶性構造と二色性構造を有する
構造の硬化性二色性染料を用いることができ、前記構造式で、Dは二色性を有する構造(以下、'二色性構造'とする)、Mは液晶性を有する構造(以下、'液晶性構造'とする)、R1は末端反応性作用基であり、L1及びLはR1、M及びDを互いに連結する連結構造であり、
ブロック内の構造は1つの液晶性構造Mと1つ乃至3つの二色性構造D1、D2、D3を有し、2以上の二色性構造が含まれる場合に、これらは互いが直接連結されるか、または連結構造Lを経由して他の二色性構造或いは液晶性構造と連結されることができ、Mは連結構造Lによって隣接した二色性構造D1、D2及び/またはD3と連結される。この際、液晶性構造Mと二色性構造Dの連結順序は制限されず、二色性構造D1、D2及びD3は同一でない。
【0042】
前記構造の硬化性二色性染料は末端反応性作用基R1、液晶性構造M及び二色性構造Dが連結構造Lによって互いが結合(カップリング)された物質で、このような硬化性二色性染料を用いることで、これを含む光学素子形成組成物で光学素子製造時に二色性比、垂直配向性、耐熱性及び耐久性がさらに増大されることができる。
【0043】
ブロック内の構造は1つの液晶性構造Mと1つ乃至3つの二色性構造D1、D2及びD3を有することができる。本発明の二色性染料で2以上の二色性構造D1、D2及びD3を有する場合、二色性構造は互いが直接連結されるか、或いは連結構造Lによって互いが連結されることができる。液晶性構造Mは連結構造Lによって隣接した二色性構造D1、D2及び/またはD3と連結される。この際、液晶性構造Mと二色性構造D1、D2及び/またはD3の結合順番は制限されない。また、単一構造の二色性染料に含まれる二色性構造は互いが異なる。さらに、前記二色性構造Dはそれ自体が液晶性を有することもできる。
【0044】
本発明の二色性染料は、末端の反応性作用基R1によってコーティング、乾燥時に堅固なコーティング膜を形成するため、耐久性が増大される。液晶性構造Mによって配向性が増大されるため、二色性が改善される。末端反応性作用基R1、液晶性構造M及び二色性構造D間には互いが連結構造L、L1等により連結(カップリング)されて液晶性構造と二色性構造の相溶性がさらに増大される。
【0045】
本発明の二色性染料は、末端反応性作用基と連結構造が結合されない
構造の他の末端に末端作用基R2と連結構造L3をさらに含むことができる。末端作用基R2と連結構造L3をさらに含む二色性染料の構造は
であることができる。二色性染料にさらに含むことができる末端作用基R2は反応性作用基であるか、または非反応性作用基であることができる。
【0046】
二色性構造Dは、この技術分野で一般的に用いられる染料のうち二色性を表すある構造であることができる。二色性構造の例としては、これに限定はしないが、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、シアニン系、インダン系、アズレン系、ペリレン系、フタロペリン系、アジン系等の染料で構成されるグループから選択された1種であることができる。
【0047】
二色性構造としてのアゾ系染料の例としては
【化8】
(前記式で、R1〜R16は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル基、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択され、或いはR5とR6、或いはR7とR8と共に連結されてフェニル基を形成することができる。)を挙げることができる。
【0048】
二色性構造としてのアントラキノン系染料の例としては
【化9】
(前記式で、R1〜R6は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル基、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、
【化10】
(R7は、前記R1−R6について定義したのと同様である。)またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0049】
二色性構造としてのアゾメチン系染料の例としては
【化11】
(前記式で、R1〜R12は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0050】
二色性構造としてのインジゴ系及びチオインジゴ系染料の例としては
【化12】
(前記式で、R1〜R14は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0051】
二色性構造としてのシアニン系染料の例としては
【化13】
を挙げることができる。
【0052】
二色性構造としてのインダン系染料の例としては
【化14】
(但し、前記式で、R1〜R2は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基及びイミド基で構成されるグループから選択される。)を挙げることができる。
【0053】
二色性構造としてのアズレン系染料の例としては
【化15】
(前記式で、R1〜R10は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0054】
二色性構造としてのペリレン系染料の例としては
【化16】
(前記式で、R1〜R8は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0055】
二色性構造としてのフタロペリン系染料の例としては
【化17】
(前記式で、R1〜R8は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0056】
アジン系染料の二色性構造の例としては
【化18】
(前記式で、R1〜R12は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0057】
また、前記二色性構造Dは、それ自体が液晶性を有することもできる。その例としては、これに限定はしないが、下記のような構造を挙げることができる。
【化19】
液晶性構造Mは、この技術分野で液晶性を有するもので、一般的に知られているある化学構造であることができる。液晶性構造Mによって二色性構造Dの配向性が増大される。
【0058】
液晶性構造の例としては、これに限定されないが、
【化20】
(前記式で、Zは−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単一結合であり、R1〜R12は置換基であって、水素、炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)を挙げることができる。
【0059】
本発明の光学素子膜に一成分として用いられる前記二色性染料は、一末端に堅固なコーティング膜を形成して耐久性を増大させる末端反応性作用基R1を有する。また、任意で末端作用基R2をさらに含むことができる。末端作用基R2を有する場合に、末端作用基R1及びR2は同じであることも、異なることもでき、末端作用基R2はこの技術分野で一般的に知られている反応性作用基または非反応性作用基であることができる。
【0060】
反応性作用基(R1、R2)の例としてはこれに限定はしないが、
【化21】
で構成されるグループから選択された1種であることができる。非反応性末端作用基R2は、これに限定されないが、C1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ及びシクロヘキシル基で構成されるグループから選択されることができる。
【0061】
二色性構造D、液晶性構造M及び末端作用基R1,R2は互いが連結構造L1、L、L3等によって結合(カップリング)される。L1、L及びL3連結構造は二色性構造D、液晶性構造M及び末端作用基R1,R2を連結することができるある構造であって、同じであることも、異なることもできる。
【0062】
また、1つの二色性染料構造に2以上の二色性構造D1、D2及びD3が結合される場合に、二色性構造は互いが直接結合されるか、または連結構造Dにより隣接した二色性構造または液晶性構造と結合されることができる。
【0063】
連結構造は
【化22】
(式中、nは1乃至12の整数である。)で構成されるグループから選択されることができ、1つの二色性染料構造で用いられた連結構造は同じであることも、異なることもできる。
【0064】
前記本発明の光学素子形成組成物に用いられる二色性染料構造に対する理解を助けるために、幾つかの構造を例示すると以下のようである。但し、以下のような例示で本発明に用いられる二色性染料構造を制限することではない。
【0065】
R1−L1−M−L2−D1、R1−L1−M−L2−D1−L3−R2、R1−L1−M−L2−D1−D2−L3−R2、R1−L1−M−L2−D1−L4−D2−L3−R2、R1−L1−D1−L2−M−L4−D2−L5−D3−L3−R2、R1−L1−D2−L2−D1−L4−M−L5−D3−L3−R2、R1−L1−D3−L2−D1−L4−D2−L5−M−L3−R2、R1−L1−D1−D2−L2−M−L4−D3−L3−R2、R1−L1−D1−D2−D3−L2−M、R1−L1−D1−D2−D3−L2−M−L3−R2、R1−L1−D1−D2−L2−M−L4−D3−L3−R2、R1−L1−M−L2−D2−L3−R2、R1−L1−D3−L2−M−L3−R2、R1−L1−D3−D1−L2−M−L3−R2、R1−L1−D3−L2−M(前記式で、Mは前記定義した液晶性を有する構造で、D1、D2及びD3は二色性を有する構造であって、1つの二色性染料構造で用いられる二色性を有する構造は同一でなく、L1、L2、L3、L4及びL5は前記の連結構造で同じであることも、異なることもできる。R1及びR2は前記の末端作用基はであって、同じであることも、異なることもできる。)
【0066】
前記構造式の二色性染料は、これに限定されないが、例えば以下のような方法で製造されることができる。
【0067】
前記構造式の二色性染料を構成する二色性構造Dはこの技術分野で一般的に知られている方法、例えば、非特許文献1または非特許文献2に記述されている方法で、ヒドロキシ基またはアミン基を有する二色性染料(アゾ、アントラキノン、アゾメチン、インジゴ、チオインジゴ、シアニン、インダン、アズレン、ペリレン、フタロペリン、アジン系染料)を合成する。これは二色性染料を構成する他の構造と化学的に連結される。
【0068】
一方、前記構造の二色性染料を構成する液晶性構造Mの末端に−OH基を導入し、連結構造Lの両末端にハロゲン基を導入してハロゲン元素に置換されたアルカン(例えば、ジブロモアルカンまたはジクロロアルカン)またはアルカンジオイック酸を合成する。その後、ハロゲン末端を有する連結構造またはアルカンジオイック酸連結構造を液晶性構造のOH末端にエーテル結合またはエステル結合で連結させる。このような液晶性構造と連結構造の連結は一般的なアルキル化反応またはエステル化反応による。
【0069】
また、ヒドロキシ基またはアミン基を有する二色性染料と前記連結構造と結合された液晶性構造はエーテル結合またはエステル結合(アミンの場合にはアミド結合)で化学的に連結される。さらに、末端作用基も、例えば、OH基を末端に有する連結構造、ハロゲン末端を有する連結構造またはアルカンジオイック酸構造を末端に有する連結構造とエーテル結合またはエステル結合(アミンの場合アミド結合)で連結される。前記のように、末端作用基と連結構造は、この技術分野で一般的に知られているアルキル化反応またはエステル化反応で化学的に連結され、末端作用基は連結構造と化学的反応で連結させる前にアルキル化、エステル化等の化学反応に必要な末端を有するように処理されることができる。前記連結構造が結合された末端作用基は連結構造を経由して末端作用基と二色性構造または液晶性構造と連結される。
【0070】
このように、二色性構造D、液晶性構造M、連結構造(L1,L2,L3)、末端作用基R1,R2等を必要に応じてこの技術分野で一般的に知られている化学反応で適合に連結させて
または
構造を有する二色性染料を製造することができる。夫々の構造を化学的に結合するのに適合した化学反応及びこのような化学反応を進行させるために、各成分で必要とする作用基等はこの技術分野で一般的に知られているもので、この技術分野の技術者はこれらを適合に選択、及び調節して本発明による二色性染料を合成することが出きる。
【0071】
前記二色性染料を垂直配向される硬化性液晶化合物と共に用いることで、二色性染料が垂直配向される。従って、視野角の調節特性を表す。また、前記二色性染料は硬化性作用基を有するもので、基材に適用された後に迅速な硬化反応により工程時間が短縮されるため、原価が節減される。また、光学素子膜の架橋結合形態によって熱安定性及び耐久性に優れた光学素子が形成される。
【0072】
本発明に用いる硬化性二色性染料は、夫々別個の構造からなる赤色、緑色及び青色を表す染料の混合物であることができる。また、硬化性二色性染料は1つの連結構造に赤色、緑色及び/または青色を表す二色性構造を有するものであることができる。さらに、前記硬化性二色性染料は全体構造が可視光線を全て吸収する黒色を有する構造であることができる。硬化性二色性染料の色相は、前記二色性染料のうち二色性構造によって決まる。このような硬化性二色性染料または硬化性二色性染料の混合物が適用された光学素子は可視光線領域の光を全て吸収して視野角の調節に用いることができる。
【0073】
また、前記二色性染料に色補正のために赤色、緑色及び青色以外の他の色相の二色性染料をさらに含むことができる。色補正のための二色性染料も別途の硬化性二色性染料であるか、または単一の硬化性二色性染料構造に色補正のために赤色、緑色及び青色以外の色を表す二色性構造が含まれたものであることができる。色補正用二色性染料の色相も、二色性構造によって調節されることができる。色補正用二色性染料はこれら物質の吸収波長によってある割合で配合されることができ、配合の割合は限定しない。
【0074】
前記色補正用二色性染料としては、前記本発明の光学素子形成組成物に用いられる硬化性二色性染料を用いることもでき、色補正用二色性染料は吸収する光の波長が異なるため、異なる色相を表す。
【0075】
前記光学素子形成組成物には、必要に応じて任意に他の添加剤が配合されることができる。添加剤は必要に応じて添加され、下限は特に限定されず、最大5重量部以下で配合されることができる。但し、添加剤の含量が0.15重量部未満であれば、所望の添加剤によるコーティング性能の向上が不十分であることから好ましくなく、5重量部を超えると、コーティング層と基材の付着力が低下することから好ましくない。
【0076】
その他添加剤の例としては、これに限定はしないが、この技術分野で一般的に知られている触媒、感応剤、安定化剤、連鎖移動剤、抑制剤、促進剤、表面活性成分、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性改善剤、気泡形成防止剤、希釈剤、着色剤、染料または顔料等を挙げることができ、必要に応じてこれら成分が適合に選択されて配合されることができる。
【0077】
前記光学素子形成組成物は、また、必要に応じて硬化剤を1−10重量部、好ましくは2−7重量部でさらに含むことができる。即ち、光学素子形成組成物を基材に適用してから、電子線を用いて硬化する場合には、光学素子形成組成物に別途の硬化剤を配合する必要がない。しかし、コーティング後に、光硬化または熱硬化して光学素子形成組成物を乾燥する場合には、光学素子形成組成物に別途の硬化剤を配合しなければならない。
【0078】
紫外線を用いた光硬化による光重合(硬化)の場合に用いられる硬化剤の例としては、これに限定されないが、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物等の光開始剤を挙げることができる。熱硬化する場合は、これに限定されないが、硬化剤としてアゾイソブチロニトリル系 等の熱硬化剤を用いることができる。これら硬化剤の具体的な物質は、特に限定されず、この技術分野で一般的に知られている物質を用いることができる。
【0079】
前記ハロメチルオキサジアゾール化合物である活性ハロゲン化合物の例としては、2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール 等を挙げることができる。
【0080】
ハロメチル−s−トリアジン化合物である活性ハロゲン化合物の例としては、ビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物及び4−(P−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物等を挙げることができる。
【0081】
前記ハロメチル−s−トリアジン化合物としては、これに限定されないが、より具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、4−〔P−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔P−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(P−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(P−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔P−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(P−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔P−N−(P−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フルオロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フルオロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フルオロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フルオロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フルオロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フルオロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フルオロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フルオロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。その他、光重合開始剤としては、チバスペジャリティキャミカルズのイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261)、ダロキュア(Darocur)シリーズ(例えば、ダロキュア1173)、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(P−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(P−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、2−(P−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル2量体、ベンゾインイソプロピルエーテル等を挙げることができる。前記硬化剤は単独で、または混合物で用いることができる。
【0082】
硬化剤の含量が1重量部未満であれば、硬化度が低調するため、好ましくなく、10重量部を超えると、硬化されたフィルムの硬度が低下することから好ましくない。
【0083】
また、本発明の他の具現において、本発明の光学素子形成組成物で形成された硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子が提供される。前記光学素子は本発明の光学素子形成組成物を基材に適用(コーティング)し硬化させて光学素子膜を形成することにより製造することができる。
【0084】
基材としては、ガラス板またはプラスチック基材を用いることができる。プラスチック基材としては、これに限定しないが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂またはポリエステル樹脂からなっているもの等を用いることができる。
【0085】
前記光学素子製造時に、二色性染料の垂直配向は、(1)本発明の光学素子形成組成物に含まれている硬化性液晶化合物、(2)本発明の光学素子形成組成物に添加された二色性染料が垂直配向されるようにする添加剤(以下、'垂直配向添加剤'とする。)、(3)基材に付与された配向性及び、(4)基材上に形成された別途の配向膜で構成されるグループから選択された少なくとも一手段で付与されることができる。前記光学素子膜における二色性染料の垂直配向性は本発明の光学素子がLCD等に用いられる場合にさらに重要視される。
【0086】
前記(1)及び(2)の方法により、二色性染料に垂直配向が付与される場合、光学素子は本発明の光学素子形成組成物または垂直配向添加剤が添加された光学素子形成組成物を基材にコーティングし硬化されて製造することができる。
【0087】
垂直配向添加剤としては、フッ素化炭素系の界面活性剤、例えば、米国3M社のノベックFC4430(tm)、ノベックFC4432(tm)、米国Dupont社のZonyl(r)等を用いることができる。垂直配向添加剤の含量は具体的に限定せず、この技術分野で一般的に知られていることにより垂直配向を表すに十分な量で配合されることができる。
【0088】
前記(3)の方法により、二色性染料に垂直配向が付与された場合、光学素子は基材に配向を付与し、配向が付与された基材に本発明の光学素子形成組成物をコーティングし硬化させて製造することができる。このとき、基材に対する配向の付与は基材に界面活性剤をコーティングするか、またはガラス基材の場合は表面を浸食処理する方法等の垂直配向を促進する方法として一般的に知られているある方法で行うことができる。界面活性剤としてはレシチン等を用いることができる。
【0089】
前記(1)乃至(3)の方法により、二色性染料に垂直配向が付与される場合、光学素子は図1に図示したように、基材(1)及び光学素子膜(3)からなる光学素子に製造される。
【0090】
前記(4)の方法により、二色性染料に垂直配向が付与される場合、光学素子は基材に別途の配向膜を形成し、形成された配向膜上に本発明の光学素子形成組成物をコーティングし硬化させて製造することができる。配向膜はこの技術分野で知られているある方法で形成されることができる。これに限定はしないが、例えば、二色性染料の垂直配向を促進するポリイミドで基材を表面処理して塗膜を形成し、塗膜分子に方向性を付与することで形成されることができる。このように別途の配向膜を形成して製造された光学素子は、図2に図示したように、基材1、基材上の配向が付与された配向膜2及び配向膜上の光学素子膜3からなる光学素子に製造される。
【0091】
前記本発明の光学素子製造時、光学素子形成組成物は、これに限定はしないが、放射−コーティング、ブレードコーティング、キャスティングコーティングまたはロールコーティング等のようなこの技術分野で一般的に用いられる薄膜コーティング方法により前記基材1または配向膜2上に塗布される。前記光学素子形成組成物は、最終硬化された光学素子膜の厚さが0.1ミクロン乃至10ミクロン、好ましくは0.3ミクロン乃至7ミクロンになるようコーティングすることである。光学素子膜の厚さが0.1ミクロン未満であれば、可視光を十分に遮断できないことから好ましくなく、10ミクロンを超えると組成物の配向性の低下により垂直配向度が落ちることから好ましくない。
【0092】
前記硬化は、これに制限しないが、電子線硬化、熱硬化または紫外線硬化法を用いることができる。前記のように、電子線硬化法の場合、別途の硬化剤は必要ないが、熱硬化または紫外線硬化する場合には、前記のように光学素子形成組成物に硬化剤が配合されなければならない。
【0093】
また、前記光学素子膜の表面は必要に応じて、帯電防止処理、コロナ処理、ハードコーティング処理、反射防止処理または防幻処理で構成されるグループから選択された少なくとも1つの処理方法でさらに処理されることができる。
【0094】
図3に図示したように前記本発明の方法で形成された硬化性液晶化合物4と硬化性二色性染料5が垂直配向された光学素子膜3を有する光学素子は視野角の調節性能(具体的には、狭視野角性能)を有する上、優れた二色性比、耐熱性及び耐久性を有する。高温、高湿状態における耐久性は光学素子膜が架橋結合の形態を有することに因る。
【0095】
前記本発明の光学素子は、垂直配向された液晶化合物及び二色性染料による視野角の調節機能により狭視野角用光学素子として用いることができ、また、光学素子の外部の光調節機能により視認性向上用の光学素子としても用いられる。
【0096】
以下、実施例を通して本発明について詳細に説明する。下記実施例は本発明を例示するためのものであり、これに本発明を限定するものではない。
【0097】
合成例1
(1)4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(5)の化合物)の合成
【化23】
【0098】
下記反応スキームに示したように、常温でヒドロキノン(1)(4.5g)と1,6−ジブロモヘキサン(2)(10g)をメタノール(100ml)に溶かした。この混合物溶液に水酸化カリウム(2.3g)を添加した後、一晩中60℃で還流させた。翌日反応混合物の温度を常温に低めた後、メタノールを蒸発させてから、水(100ml)とエチルアセテート(100ml)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで水を除去し、溶媒を蒸発させてからコラムクロマトグラフィー(展開液はエチルアセテート/ヘキサン=1/5体積比)で精製し、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フエノール(3)を4.4g得た。
【0099】
常温で4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾ酸(4)(2.8g)をTHF(テトラヒドロフラン)(100ml)に溶かしてから温度を0℃にする。その後、ここにチオニルクロライド(12ml、1M in THF)を入れて30分間攪拌した。それから4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フエノール(2.5g)とトリエチルアミン(13ml)を入れて0℃で1時間攪拌した後、常温で一晩中攪拌した。翌日塩化アンモニウム飽和水溶液を前記反応混合物に入れて反応を完了した。エチルアセテート(50ml)で3回抽出してから硫酸マグネシウムで水を除去し、溶媒を蒸発させてからコラムクロマトグラフィー(展開液はエチルアセテート/ヘキサン=1/2体積比)で精製し、4−(6−ブロモ ヘキシルオキシ)フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(5)(3g)を得た。
【0100】
(2){{[(4−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ヘキシルオキシ}4−フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(I)の化合物)の合成。
【0101】
前記得られた4−(6−ブロモ ヘキシルオキシ)フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(5)(200mg)、ディスパースオレンジ13(6)(128mg)、K2CO3(150mg)及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)(5mg)をアセトン(20ml)に常温で溶かした。これら反応混合物を70℃で一晩中攪拌した。翌日塩化アンモニウム飽和水溶液を入れて反応を終了してからエチルアセテート(50ml)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで水を除去し、溶媒を蒸発させた後、コラムクロマトグラフィー(展開液はエチルアセテート/ヘキサン=1/3体積比)で精製し、{{[(4−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ヘキシルオキシ}4−フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(I)(300mg)を得た。
【0102】
反応スキーム(scheme):
【化24】
【0103】
合成例2
{{[(4−ノルマルヘキシル−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ヘキシルオキシ}4−フェニル,4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(II)の化合物)の合成。
【化25】
【0104】
常温で4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(合成例1のうち(1)で製造された化学式(5)の化合物。)(200mg)、{{[(4−ノルマルヘキシル−フェニル)ジアゼニル]−1−ナフチル}ジアゼニル}−4−フエノール(135mg)、K2CO3(150mg)及びBHT(5mg)をアセトン(20ml)に溶かした。反応混合物を70℃で一晩中攪拌した。翌日塩化アンモニウム飽和水溶液を入れて反応を終了してからエチルアセテート(50ml)で3回抽出した。硫酸マグネシウムで水を除去し、溶媒を蒸発させた後、コラムクロマトグラフィー(展開液はエチルアセテート/ヘキサン=1/5体積比)で精製し、{{[(4−ノルマルヘキシル−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ヘキシルオキシ}4−フェニル,4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(II)の化合物)(300mg)を得た。
【0105】
合成例3
(1)4−(6−アクリロイルオキシ−ヘキシルオキシ)−ベンゾ酸4−(5−ブロモ−フェニルオキシ)−フェニルエステルの合成
【0106】
前記合成例1の(1)における一番目の段階であるヒドロキノンとの反応で1,6−ジブロモヘキサンの代わりに1,5−ジブロモペンタンを用いたこと以外は、合成例1の(1)と同様の方法で、4−(6−アクリロイルオキシ−ヘキシルオキシ)−ベンゾ酸4−(5−ブロモ−フェニルオキシ)−フェニルエステルを合成した。
【0107】
(2){{[(4−フェニル−ジアジン)−1−ナフチル−ジアジン]−フェニルオキシ}6−ペンチルオキシ}4−フェニル4−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル]オキシ}ベンゾエート(化学式(III)の化合物)の合成
【化26】
【0108】
常温でディスパースオレンジ(disperse orange)13 147 mg、K2CO3 55.43mgをアセトニトリル30mlに溶かしてから約15分間攪拌した。その後、4−(6−アクリロイルオキシ−ヘキシルオキシ)−ベンゾ酸 4−(5−ブロモ−フェニルオキシ)−フェニルエステル(合成例3の(1)で合成)(200mg)とBHT(33.04mg)をさらに投入した後18時間沸かした。NH4Clで2回洗い、NaClで1回有機溶液を洗ってからコラム(10:1体積比、ヘキサン:EtOAc)に分離して前記化学式(III)の化合物(221mg、歩留まり73%)を得た。
【0109】
実施例1:硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子の製造
【0110】
前記合成例1で製造された硬化性二色性染料及び液晶混合物を含む光学素子形成組成物を基材にコーティングして硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子サンプルを製造した。光学素子サンプルは基材及び光学素子膜で構成される。
【0111】
合成例1で製造された硬化性二色性染料1重量%とMerck社の反応性液晶RMM77TM20重量%を混合してクロロホルム79重量%に溶解させて21重量%の光学素子形成組成物を用意した。Merck社の反応性液晶RMM77TMには硬化剤が5重量%で含まれているため、別途の硬化剤は添加されていない。
【0112】
ガラス基板に前記光学素子形成組成物を1000rpmで30秒間スピン被服させた。その後、スピン被服された硬化性二色性液晶層を50℃で1分間乾燥させた。液晶及び染料成分が光架橋結合されるようにコーティング層を100mW/cm2強さのUVランプに1分当たり3メートルの速度で露出させてガラス基板基材と硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含む光学素子サンプルを得た。硬化された光学素子膜の厚さは0.9μmであった。
【0113】
本実施例で形成された光学素子サンプルの波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は64.6%、側面減少率は19.5であり、これを図4に視野角(viewing angle)と透過率(transmittnace)で図示した。
【0114】
実施例2:別途の配向層が形成された硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子の製造。
【0115】
前記合成例1で製造された硬化性二色性染料及び液晶混合物を含む光学素子形成組成物を基材にコーティングして硬化性二色性染料及び硬化性液晶化合物が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子サンプルを製造した。光学素子サンプルは基材、配向膜及び光学素子膜で構成される。
【0116】
ガラス板基材に配向層形成組成物を1500rpmで30秒間厚さが1000Åになるように各々スピンコーティングした後、80℃で1分30秒間加熱してコーティング膜内部の溶媒が除去されるように乾燥した。光架橋結合になるように100mW/cm2の強さのUVランプに1分当たり3メートルで露出し硬化させて配向層を形成した。
【0117】
配向層形成組成物としては、ペンタエリトリトールトリアクリレート17.9重量%、ペンタエリトリトールテトラアクリレート30重量%、バイトロン−P(Baytron−P)50重量%、BHT(Dibutylated Hydroxytoluene)0.1重量%及びイルガキュア184 2重量%からなる配向膜形成物質を溶媒(エタノール40重量%、1−プロパノール30重量%、メトキシエタノール30重量%の混合溶媒)に全体溶液100重量%対比濃度が10重量%になるように希釈したものを用いた。
【0118】
前記配向層上に合成例1で製造された硬化性二色性染料1重量%とMerck社の反応性液晶RMM77(tm)20重量%を混合し、クロロホルム79重量%に溶解させて用意された21重量%の光学素子形成組成物をコーティングして垂直配向光学素子膜を形成した。Merck社の反応性液晶RMM77(tm)には硬化剤が5重量%で含まれているため、別途の硬化剤は添加されていない。
【0119】
配向層上に前記光学素子形成組成物を1000rpmで30秒間スピン被服させた。その後、スピン被服された光学素子形成組成物層を50℃で1分間乾燥させた。液晶及び染料成分が光架橋結合されるようにコーティング層を100mW/cm2強さのUVランプに1分当り3メートルで露出させてガラス基板基材と硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含む光学素子サンプルを得た硬化された光学素子膜の厚さは0.9μmであった。
【0120】
本実施例で形成された光学素子サンプルの波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は70.7%、側面減少率は19.3%で、これを図5に図示した。
【0121】
実施例3
合成例2の二色性染料を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造し、製造された光学素子サンプルの狭視野角、透過度及び配向性を各々の染料が有する波長で測定した。波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は71.2%、側面減少率は17.3%であり、これを図6に図示した。
【0122】
実施例4
合成例3の二色性染料を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造し、製造された光学素子サンプルの狭視野角、透過度及び配向性を染料が有する波長で測定した。波長λ最大=442nmで測定した正面透過度は48.2%、側面減少率は22.2%であり、これを図7に図示した。
【0123】
比較例1
比較例1は合成例1で製造された二色性染料を用いなかったこと以外は前記実施例2と同様の方法で光学素子サンプルを製造した。
【0124】
本比較例1において製造された光学素子サンプルの波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は90.7%、側面減少率は85.6%であり、これを図8に示した。
【0125】
図8で分かるように、二色性染料を用いなかった場合は、本比較例による光学素子は正面透過度と側面透過度と差が殆どなかった。また数値をみると、正面透過度は90.7%、側面透過度は85.6%で視野角による光学的異方性が全く現れないことが分かる。
【0126】
比較例2
比較例2は液晶性構造が染料構造に化学的に結合された本発明による二色性染料の効果を確認するためのもので、染料として液晶性構造を有しない下記化学式(4)の二色性染料(RSY013)を1重量%用いたこと以外は前記実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造した。
【化27】
【0127】
本比較例2で製造された光学素子サンプルの波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は55.9%、側面減少率は14.4%であり、これを図9に示した。
【0128】
本比較例のサンプルは、二色性染料と液晶物質の配向性が低下し、正面透過度と側面減少率が落ちた。これにより、本発明による染料で液晶性構造が染料構造に化学結合することによって液晶物質と二色性染料の相溶性の増大による偏光度の改善効果を確認することができる。本比較例の光学素子サンプルは前記実施例に比べて二色性染料と液晶物質の相溶性の低下により透過度の減少率が大幅に落ちるという結果を示した。
【0129】
比較例3
比較例3は、液晶性構造が染料構造に化学的に結合された本発明による二色性染料の効果を確認するためのもので、染料として液晶性構造を有しない下記の化学式(5)の二色性染料(GHL2−127)を1重量%用いたこと以外は前記実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造した。
【化28】
【0130】
本比較例3で製造された光学素子サンプルの波長λ最大=444nmで測定した正面透過度は58.4%、側面減少率は14.4%であり、これを図10に示した。本比較例の光学素子サンプルは前記実施例に比べて二色性染料と液晶物質の相溶性の低下によって透過度の減少率が大幅に落ちるという結果を示した。
【0131】
比較例4
比較例4は、反応性構造が染料構造に化学的に結合された本発明による二色性染料の効果を確認するためのもので、二色性染料として下記の化学式(6)の反応性作用基を有しないディスパースオレンジ13(Disperse Orange 13)を1重量%用いたこと以外は実施例1と同様の方法で光学素子サンプル(6)を製造した。
【化29】
【0132】
前記試片(6)の波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は41.2%、側面減少率は13.4%であり、これを図11に示した。本比較例の光学素子サンプルは前記実施例に比べて正面透過度と側面透過度の減少率が大幅に落ちる上、表面硬化度も良くなく、フィルムの耐久性が落ちる。
【0133】
比較例5
比較例5は染料として液晶性構造を有しない下記の化学式(7)の二色性染料(Solvent Orange 60)を1重量%用いたこと以外は前記実施例2と同様の方法で光学素子サンプルを製造した。
【化30】
【0134】
本比較例5で製造された光学素子サンプルの波長λ最大=480nmで測定した正面透過度は17.8%、側面透過度は12.8%で、減少率が5.01%で極めて微々たるものであった。本比較例の光学素子サンプルの透過度を図12に示した。
【0135】
比較例6
比較例6は光学素子形成組成物として合成例1の二色性染料1重量%及び一般的な透明コーティング剤混合物30重量%(DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)20重量%、SK−Cytecのアクリレートオリゴマー(EB264)8.5重量%、Ciba社の光開始剤IRG184 1.4重量%、添加剤として日本DIC社のF−470 0.1重量%で構成された光硬化性コーティング剤混合物)を溶媒69重量%(メチルエチルケトン(MEK)28.2重量%、イソプロパノール(IPA)12.7重量%、エチルセロソルブ(EC)28.1重量%の混合溶媒)に溶解させたこと以外は前記実施例1と同様の方法で光学素子サンプルを製造し、透過度と狭視野角を測定した。前記光学素子形成組成物で重量%は、総組成物の重量を基準としたものである。
【0136】
波長λ最大=450nmで測定した正面透過度は29.5%、側面透過度は19.2%に過ぎず、垂直配向が殆ど行われていないことが分かる。本比較例の光学素子サンプルの透過度を図13に示した。
【符号の説明】
【0137】
1 基材
2 配向膜
3 光学素子膜
4 硬化性液晶
5 硬化性二色性染料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性二色性染料0.1−90重量部及び硬化性液晶化合物10−98.85重量部を含んでなる光学素子形成組成物。
【請求項2】
前記硬化性二色性染料は、可視光線を全て吸収して黒色を示すことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項3】
前記硬化性二色性染料は赤色、青色及び緑色染料の混合物であるか、または単一構造の二色性染料に赤色、青色及び緑色を表す二色性構造を有する構造であるか、または黒色を表す二色性染料であることを特徴とする請求項2に記載の光学素子形成組成物。
【請求項4】
前記光学素子形成組成物は、色補正用二色性染料をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項5】
前記硬化性二色性染料は、硬化性作用基を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項6】
前記硬化性二色性染料は、少なくとも一末端に硬化性作用基を有するビスアリーリデンアミノアントラキノン、4−メトキシベンジリデン−4'−ブチルアニリン、4−アルキルアミノアゾベンゼン、4−アミノアゾベンゼン、4−アルキルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、2,5−ジクロロ−4−ジメチルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−4'−(4−アルキルベンジリデンアミノ)アゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4'−カルボキシアリールアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−2'−メチルメトキシ−4'−(4−シアノベンジリデンアミノ)アゾベンゼン、4'−(モルホリン−1−イル)アゾベンゼン、4'−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)アゾベンゼン、4'−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)アゾベンゼン、4−(N−アルキルアミノ)−3',4'−ジシアノアゾベンゼン、1−アミノ−4−アリールアゾナフタレン、1−ジメチルアミノ−4−アリールアゾナフタレン、1−オキシ−4−[4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アリーリデンアミノ−4−(4−アリーリデンアミノフェニルアゾ)ナフタレン、2−[4−(4−シアノフェニル)フェニルアゾ]−1−ヒドロキシナフタレン、2−(アミノフェニルアゾ)−4−ニトロチアゾール、2−アリールアゾ−5−ニトロチアゾール、5−[(4−アミルピペラジン−1−イル)フェニルアゾ]−2−アリールピリミジン、2−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)ベンゾノチアゾール、4−ジアルキルアミノフェニルアゾヘテロサイクル、4−アリールアゾ−4'−ジメチルアミノアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−ジアルキルアミノアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)アゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)アゾベンゼン、4,4"−ビス−(トランス−4−アルキルシクロヘキシルカルボキシ)ビスアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−ベンジルオキシアゾベンゼン、4,4"−ビス−(ヘキシルベンゾイルオキシ)ビスアゾベンゼン、4,4"−ビス−[4−(トランス−4−アルキルシクロヘキシル)ベンゾイルオキシ]−2−メチル−5−イソプロピルビスアゾベンゼン、4,4"−ビス−(4−オクチルビフェニル−4'−カルボキシ)ビスアゾベンゼン、4,4'−ビス(アリールアゾ)−2,3、2',3'−テトラクロロジフェニル、1−(4−ジメチルアミノフェニルアゾ)−4−(4−ジフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−[4−(ピロール−1−イル)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アルコキシ−4−アリールアゾナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ブトキシフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ブトキシフェニルアゾ)ナフタレン、1−(4−アリールアゾフェニルアゾ)ナフタレン、4,4'−ビス(4−ジメチルアミノフェニルアゾ)アゾベンゼン、4,4'−ビス(4−ジベンジルアミノフェニルアゾ)アゾベンゼン、1−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)−4−(4−アリールアゾフェニルアゾ)ナフタレン、1−(4−ジアシルオキシフェニルアゾ)−4−[(4−アシルオキシフェニルアゾ)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アリールアゾ−4−[4−(5−アルキルチエノ[2,3−b]チアゾール−2−イルアゾ)フェニルアゾ]ナフタレン、2−アルキル−1,5−ジ−(アリールチオ)アントラキノンで構成されるグループから選択された少なくとも1種の硬化性二色性染料を用いることをを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項7】
前記硬化性作用基は
【化31】
で構成されるグループから選択されることおを特徴とする請求項6に記載の光学素子形成組成物。
【請求項8】
前記硬化性二色性染料は
構造の硬化性二色性染料で、前記二色性染料の構造におけるDは二色性を有する構造、Mは液晶性を有する構造、R1は末端反応性作用基であり、L1及びLはR1、M及びDを互いに連結する連結構造で、
ブロック内の構造は1つの液晶性を有する構造Mと1つ乃至3つの二色性を有する構造D1、D2、D3を有し、2以上の二色性を有する構造が含まれる場合に、これらは互いが直接連結されるか、または連結構造Lを経由して二色性構造または液晶性構造と連結されることができ、Mは連結構造Lにより隣接した二色性を有する構造D1、D2及び/またはD3と連結される。このとき、液晶性を有する構造Mと二色性を有する構造Dの連結順序は制限されず、二色性を有する構造D1、D2及びD3は同一でないことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項9】
前記二色性を有する構造Dは、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、シアニン系、インダン系、アズレン系、ペリレン系、フタロペリン系及びアジン系染料で構成されるグループから選択された少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項10】
前記アゾ系染料の二色性を有する構造は
【化32】
(前記式で、R1〜R16は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N− C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択され、或いはR5とR6、或いはR7とR8は共に連結されてフェニル基を形成することができる。)で構成されるグループから選択されることができ、
前記アントラキノン系染料の二色性を有する構造は
【化33】
(R1〜R6は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、
【化34】
(R7は前記R1−R6で定義した通りである)またはイミド基から選択される。)であり、
前記アゾメチン系染料の二色性を有する構造は
【化35】
(前記式で、R1〜R12は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記インジゴ系及びチオインジゴ系染料の二色性を有する構造は
【化36】
(前記式で、R1〜R14は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記シアニン系染料の二色性を有する構造は
【化37】
で構成されるグループから選択され、
前記インダン系染料の二色性を有する構造は
【化38】
(但し、前記式で、R1〜R2は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基及びイミド基で構成されるグループから選択される。)で表され、
前記アズレン系染料の二色性を有する構造は
【化39】
(但し、前記式で、R1〜R10は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記ペリレン系染料の二色性を有する構造は
【化40】
(前記式で、R1〜R8は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記フタロペリン系染料の二色性を有する構造は
【化41】
(前記式で、R1〜R8は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記アジン系染料の二色性を有する構造は
【化42】
(前記式で、R1〜R12は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項9に記載の光学素子形成組成物。
【請求項11】
前記二色性構造Dは、それ自体がさらに液晶性を有することを特徴とする請求項1に記載の二色性染料。
【請求項12】
前記液晶性構造Mは
【化43】
(前記式で、Zは−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単一結合であり、R1〜R12は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N− C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項13】
前記末端反応性作用基R1は
【化44】
で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項14】
前記二色性染料は、末端反応性作用基R1と連結構造L1が結合されない
構造の他の末端に末端作用基R2と連結構造L3をさらに含む
構造であることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項15】
前記末端作用基R2は
【化45】
で構成されるグループから選択された反応性作用基であるか、またはC1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ及びシクロヘキシル基で構成されるグループから選択された非反応性作用基であることを特徴とする請求項14に記載の光学素子形成組成物。
【請求項16】
前記連結構造は同一であるか、異なることができ、夫々独立的に
【化46】
(但し、式中のnは1−12の整数である)で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項17】
前記硬化性二色性染料は、色補正用二色性構造をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項18】
前記硬化性液晶化合物は、下記の化学式(a)乃至(d)から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【化47】
(但し、前記化学式(a)−(d)におけるP−P4硬化性作用基は、同一であるか、異なることができ、
【化48】
で構成されるグループから夫々独立的に選択され、
連結構造S−S4は同一であるか、異なることができ、夫々独立的に
【化49】
(式中、nは1乃至12の整数である。)で構成されるグループから選択され、
液晶性構造Mは
【化50】
(前記式で、Zは−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単一結合であり、R1〜R12は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
末端気Rは、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF5H、NO2、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基で構成されるグループから選択される。)
【請求項19】
前記硬化性液晶化合物は、下記の化学式(1)乃至(4)の化合物で構成されるグループから選択された少なくとも1種以上であること特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【化51】
【請求項20】
前記光学素子形成組成物は、その他添加剤を最大5重量部でさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項21】
前記光学素子形成組成物は、硬化剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項22】
前記硬化剤は、ハロメチルオキサジアゾール化合物、ハロメチル−S−トリアジン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯剤及びその塩、オキシム系化合物及びアゾイソブチロニトリル系で構成されるグループから選択された少なくとも1種以上であること特徴とする請求項21に記載の光学素子形成組成物。
【請求項23】
前記硬化剤は、1−10重量部で配合されることを特徴とする請求項21に記載の光学素子形成組成物。
【請求項24】
請求項1の光学素子形成組成物で形成され、硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子。
【請求項25】
前記垂直配向は(1)請求項1に記載の光学素子形成組成物中に含まれている硬化性液晶化合物、(2)請求項1に記載の光学素子形成組成物に添加された垂直配向添加剤、(3)基材に付与された配向性および(4)基材上に形成された別途の配向膜で構成されるグループから選択された少なくとも一手段により付与されることを特徴とする請求項24に記載の光学素子。
【請求項26】
基材及び基材上に請求項1に記載の光学素子形成組成物で形成され、硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子。
【請求項27】
前記光学素子形成組成物は、垂直配向添加剤を含むことを特徴とする請求項26に記載の光学素子。
【請求項28】
配向性が付与された基材及び基材上の請求項1に記載の光学素子形成組成物で形成され、硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子。
【請求項29】
基材と、基材上の配向膜及び配向膜上に請求項1に記載の光学素子形成組成物で形成され、硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子。
【請求項30】
前記基材は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂またはポリエステル樹脂等のプラスチック基材及びガラス基材で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項26、請求項28及び請求項29のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項31】
前記光学素子膜は、厚さが0.1−10ミクロンであることを特徴とする請求項26、請求項28及び請求項29のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項32】
前記光学素子膜は、帯電防止処理、コロナ処理、ハードコーティング処理、反射防止処理及び防幻処理で構成されるグループから選択された少なくとも1種でさらに処理されることを特徴とする請求項26、請求項28及び請求項29のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項1】
硬化性二色性染料0.1−90重量部及び硬化性液晶化合物10−98.85重量部を含んでなる光学素子形成組成物。
【請求項2】
前記硬化性二色性染料は、可視光線を全て吸収して黒色を示すことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項3】
前記硬化性二色性染料は赤色、青色及び緑色染料の混合物であるか、または単一構造の二色性染料に赤色、青色及び緑色を表す二色性構造を有する構造であるか、または黒色を表す二色性染料であることを特徴とする請求項2に記載の光学素子形成組成物。
【請求項4】
前記光学素子形成組成物は、色補正用二色性染料をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項5】
前記硬化性二色性染料は、硬化性作用基を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項6】
前記硬化性二色性染料は、少なくとも一末端に硬化性作用基を有するビスアリーリデンアミノアントラキノン、4−メトキシベンジリデン−4'−ブチルアニリン、4−アルキルアミノアゾベンゼン、4−アミノアゾベンゼン、4−アルキルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、2,5−ジクロロ−4−ジメチルアミノ−4'−ニトロアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−4'−(4−アルキルベンジリデンアミノ)アゾベンゼン、4−ジメチルアミノ−4'−カルボキシアリールアゾベンゼン、4−ジアルキルアミノ−2'−メチルメトキシ−4'−(4−シアノベンジリデンアミノ)アゾベンゼン、4'−(モルホリン−1−イル)アゾベンゼン、4'−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)アゾベンゼン、4'−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)アゾベンゼン、4−(N−アルキルアミノ)−3',4'−ジシアノアゾベンゼン、1−アミノ−4−アリールアゾナフタレン、1−ジメチルアミノ−4−アリールアゾナフタレン、1−オキシ−4−[4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アリーリデンアミノ−4−(4−アリーリデンアミノフェニルアゾ)ナフタレン、2−[4−(4−シアノフェニル)フェニルアゾ]−1−ヒドロキシナフタレン、2−(アミノフェニルアゾ)−4−ニトロチアゾール、2−アリールアゾ−5−ニトロチアゾール、5−[(4−アミルピペラジン−1−イル)フェニルアゾ]−2−アリールピリミジン、2−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)ベンゾノチアゾール、4−ジアルキルアミノフェニルアゾヘテロサイクル、4−アリールアゾ−4'−ジメチルアミノアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−ジアルキルアミノアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−(N−メチル−N−ヘキシルアミノ)アゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)アゾベンゼン、4,4"−ビス−(トランス−4−アルキルシクロヘキシルカルボキシ)ビスアゾベンゼン、4−アリールアゾ−4'−ベンジルオキシアゾベンゼン、4,4"−ビス−(ヘキシルベンゾイルオキシ)ビスアゾベンゼン、4,4"−ビス−[4−(トランス−4−アルキルシクロヘキシル)ベンゾイルオキシ]−2−メチル−5−イソプロピルビスアゾベンゼン、4,4"−ビス−(4−オクチルビフェニル−4'−カルボキシ)ビスアゾベンゼン、4,4'−ビス(アリールアゾ)−2,3、2',3'−テトラクロロジフェニル、1−(4−ジメチルアミノフェニルアゾ)−4−(4−ジフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−[4−(ピロール−1−イル)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アルコキシ−4−アリールアゾナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ブトキシフェニルアゾ)ナフタレン、1−アリールアゾ−4−(4−ブトキシフェニルアゾ)ナフタレン、1−(4−アリールアゾフェニルアゾ)ナフタレン、4,4'−ビス(4−ジメチルアミノフェニルアゾ)アゾベンゼン、4,4'−ビス(4−ジベンジルアミノフェニルアゾ)アゾベンゼン、1−(4−ジアルキルアミノフェニルアゾ)−4−(4−アリールアゾフェニルアゾ)ナフタレン、1−(4−ジアシルオキシフェニルアゾ)−4−[(4−アシルオキシフェニルアゾ)フェニルアゾ]ナフタレン、1−アリールアゾ−4−[4−(5−アルキルチエノ[2,3−b]チアゾール−2−イルアゾ)フェニルアゾ]ナフタレン、2−アルキル−1,5−ジ−(アリールチオ)アントラキノンで構成されるグループから選択された少なくとも1種の硬化性二色性染料を用いることをを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項7】
前記硬化性作用基は
【化31】
で構成されるグループから選択されることおを特徴とする請求項6に記載の光学素子形成組成物。
【請求項8】
前記硬化性二色性染料は
構造の硬化性二色性染料で、前記二色性染料の構造におけるDは二色性を有する構造、Mは液晶性を有する構造、R1は末端反応性作用基であり、L1及びLはR1、M及びDを互いに連結する連結構造で、
ブロック内の構造は1つの液晶性を有する構造Mと1つ乃至3つの二色性を有する構造D1、D2、D3を有し、2以上の二色性を有する構造が含まれる場合に、これらは互いが直接連結されるか、または連結構造Lを経由して二色性構造または液晶性構造と連結されることができ、Mは連結構造Lにより隣接した二色性を有する構造D1、D2及び/またはD3と連結される。このとき、液晶性を有する構造Mと二色性を有する構造Dの連結順序は制限されず、二色性を有する構造D1、D2及びD3は同一でないことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項9】
前記二色性を有する構造Dは、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、インジゴ系、チオインジゴ系、シアニン系、インダン系、アズレン系、ペリレン系、フタロペリン系及びアジン系染料で構成されるグループから選択された少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項10】
前記アゾ系染料の二色性を有する構造は
【化32】
(前記式で、R1〜R16は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N− C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択され、或いはR5とR6、或いはR7とR8は共に連結されてフェニル基を形成することができる。)で構成されるグループから選択されることができ、
前記アントラキノン系染料の二色性を有する構造は
【化33】
(R1〜R6は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、
【化34】
(R7は前記R1−R6で定義した通りである)またはイミド基から選択される。)であり、
前記アゾメチン系染料の二色性を有する構造は
【化35】
(前記式で、R1〜R12は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記インジゴ系及びチオインジゴ系染料の二色性を有する構造は
【化36】
(前記式で、R1〜R14は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記シアニン系染料の二色性を有する構造は
【化37】
で構成されるグループから選択され、
前記インダン系染料の二色性を有する構造は
【化38】
(但し、前記式で、R1〜R2は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基及びイミド基で構成されるグループから選択される。)で表され、
前記アズレン系染料の二色性を有する構造は
【化39】
(但し、前記式で、R1〜R10は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記ペリレン系染料の二色性を有する構造は
【化40】
(前記式で、R1〜R8は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記フタロペリン系染料の二色性を有する構造は
【化41】
(前記式で、R1〜R8は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
前記アジン系染料の二色性を有する構造は
【化42】
(前記式で、R1〜R12は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項9に記載の光学素子形成組成物。
【請求項11】
前記二色性構造Dは、それ自体がさらに液晶性を有することを特徴とする請求項1に記載の二色性染料。
【請求項12】
前記液晶性構造Mは
【化43】
(前記式で、Zは−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単一結合であり、R1〜R12は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N− C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項13】
前記末端反応性作用基R1は
【化44】
で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項14】
前記二色性染料は、末端反応性作用基R1と連結構造L1が結合されない
構造の他の末端に末端作用基R2と連結構造L3をさらに含む
構造であることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項15】
前記末端作用基R2は
【化45】
で構成されるグループから選択された反応性作用基であるか、またはC1−C20アルキル、C1−C20アルコキシ及びシクロヘキシル基で構成されるグループから選択された非反応性作用基であることを特徴とする請求項14に記載の光学素子形成組成物。
【請求項16】
前記連結構造は同一であるか、異なることができ、夫々独立的に
【化46】
(但し、式中のnは1−12の整数である)で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項8に記載の光学素子形成組成物。
【請求項17】
前記硬化性二色性染料は、色補正用二色性構造をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項18】
前記硬化性液晶化合物は、下記の化学式(a)乃至(d)から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【化47】
(但し、前記化学式(a)−(d)におけるP−P4硬化性作用基は、同一であるか、異なることができ、
【化48】
で構成されるグループから夫々独立的に選択され、
連結構造S−S4は同一であるか、異なることができ、夫々独立的に
【化49】
(式中、nは1乃至12の整数である。)で構成されるグループから選択され、
液晶性構造Mは
【化50】
(前記式で、Zは−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または単一結合であり、R1〜R12は置換基であって、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードのようなハロゲン原子、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基、C1−C20脂肪族アミノ基、C1−C20脂肪族イミノ基、C1−C20脂肪族アルキルイミノ基、C6−C20アリール基、C5−C20ヘテロ環基、シアノ基、C1−C20カルボキシル基、カルバモイル基、C1−C20脂肪族オキシカルボニル基、C6−C20アリールオキシカルボニル、C1−C20アシル基、ヒドロキシ基、C1−C20脂肪族オキシ基、C6−C20アリールオキシ基、C1−C20アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、C5−C20ヘテロ環オキシ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルオキシ基、N−C1−C20アルキルアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、C1−C20脂肪族オキシカルボニルアミノ基、C6−C20アリールオキシカルボニルアミノ基、C1−C20脂肪族スルホニルアミノ基、C5−C20アリールスルホニルアミノ基、C1−C20脂肪族チオ基、C6−C20アリールチオ基、C1−C20脂肪族スルホニル基、C6−C20アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基またはイミド基から選択される。)で構成されるグループから選択され、
末端気Rは、H、F、Cl、Br、I、CN、SCN、SF5H、NO2、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチルのような炭素数1〜20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C1−C20アルコキシ基、C1−C20脂肪族基で構成されるグループから選択される。)
【請求項19】
前記硬化性液晶化合物は、下記の化学式(1)乃至(4)の化合物で構成されるグループから選択された少なくとも1種以上であること特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【化51】
【請求項20】
前記光学素子形成組成物は、その他添加剤を最大5重量部でさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項21】
前記光学素子形成組成物は、硬化剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学素子形成組成物。
【請求項22】
前記硬化剤は、ハロメチルオキサジアゾール化合物、ハロメチル−S−トリアジン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯剤及びその塩、オキシム系化合物及びアゾイソブチロニトリル系で構成されるグループから選択された少なくとも1種以上であること特徴とする請求項21に記載の光学素子形成組成物。
【請求項23】
前記硬化剤は、1−10重量部で配合されることを特徴とする請求項21に記載の光学素子形成組成物。
【請求項24】
請求項1の光学素子形成組成物で形成され、硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を有する光学素子。
【請求項25】
前記垂直配向は(1)請求項1に記載の光学素子形成組成物中に含まれている硬化性液晶化合物、(2)請求項1に記載の光学素子形成組成物に添加された垂直配向添加剤、(3)基材に付与された配向性および(4)基材上に形成された別途の配向膜で構成されるグループから選択された少なくとも一手段により付与されることを特徴とする請求項24に記載の光学素子。
【請求項26】
基材及び基材上に請求項1に記載の光学素子形成組成物で形成され、硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子。
【請求項27】
前記光学素子形成組成物は、垂直配向添加剤を含むことを特徴とする請求項26に記載の光学素子。
【請求項28】
配向性が付与された基材及び基材上の請求項1に記載の光学素子形成組成物で形成され、硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子。
【請求項29】
基材と、基材上の配向膜及び配向膜上に請求項1に記載の光学素子形成組成物で形成され、硬化性液晶化合物及び硬化性二色性染料が垂直配向された光学素子膜を含んでなる光学素子。
【請求項30】
前記基材は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂またはポリエステル樹脂等のプラスチック基材及びガラス基材で構成されるグループから選択されることを特徴とする請求項26、請求項28及び請求項29のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項31】
前記光学素子膜は、厚さが0.1−10ミクロンであることを特徴とする請求項26、請求項28及び請求項29のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項32】
前記光学素子膜は、帯電防止処理、コロナ処理、ハードコーティング処理、反射防止処理及び防幻処理で構成されるグループから選択された少なくとも1種でさらに処理されることを特徴とする請求項26、請求項28及び請求項29のいずれか1項に記載の光学素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−526161(P2010−526161A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503985(P2010−503985)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003977
【国際公開番号】WO2009/005330
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003977
【国際公開番号】WO2009/005330
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】
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