説明

光情報再生装置および光情報再生方法

【課題】ホログラムにおける復号処理において有効な信頼度を算出する方法を得る。
【解決手段】ホログラフィを利用して情報を再生する光情報再生装置において、ホログラムディスクから2次元データを再生する画像取得部と、前記2次元データを目標となるPR特性を有する目標データへと等化する画像等化部と、前記PR特性に基づいて前記画像等化部出力データの復号を行い、信頼度を有した復号結果を出力する軟出力復号部と、前記復号結果に基づいてデータの誤り訂正を行う誤り訂正部と、を有することを特徴とする光情報再生装置で解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラフィを用いて光情報記録媒体から情報を再生する、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、青紫色半導体レーザを用いた、Blu−ray Disc(BD)規格やHigh Definition Digital Versatile Disc(HD DVD)規格などにより、民生用においても50GB程度の記録密度を持つ光ディスクの商品化が可能となっている。
【0003】
今後は、光ディスクでも100GB〜1TBというHDD(Hard Disc Drive)容量と同程度まで大容量化が実用化される。
【0004】
しかしながら、このような超高密度を光ディスクで実現するためには、今までの様な短波長化と対物レンズ高NA化による従来の高密度技術のトレンドとは異なった新しいストレージ技術が必要となる。
【0005】
次世代のストレージ技術に関する研究が行われる中、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録するホログラム記録技術がある。
【0006】
ホログラム記録技術として、例えば特開2004−272268号公報(特許文献1)がある。本公報には、信号光束をレンズで光情報記録媒体に集光すると同時に、平行光束の参照光を照射して干渉させてホログラムの記録を行い、さらに参照光の光記録媒体への入射角度を変えながら異なるページデータを空間光変調器に表示して多重記録を行う、いわゆる角度多重記録方式が記載されている。さらに本公報には、信号光をレンズで集光してそのビームウエストに開口(空間フィルタ)を配することにより、隣接するホログラムの間隔を短くすることができ、従来の角度多重記録方式に比べて記録密度/容量を増大させる技術が記載されている。
【0007】
また、ホログラム記録技術として、例えばWO2004−102542号公報(特許文献2)がある。本公報には、1つの空間光変調器において内側の画素からの光を信号光、外側の輪帯状の画素からの光を参照光として、両光束を同じレンズで光記録媒体に集光し、レンズの焦点面付近で信号光と参照光を干渉させてホログラムを記録するシフト多重方式を用いた例が記述されている。
【0008】
以上のようなホログラムの再生方法として、例えば特開2009−48727公報(特許文献3)がある。本公報には、2次元変調されたページデータの2次元再生信号における復号対象行を含む複数行についてのトレリス状態の遷移に基づきパスメトリックを計算することによりビタビ復号する2次元ビタビ復号回路を備え、2次元ビタビ復号回路が上記復号対象行を含む複数行についてのトレリス状態の遷移を表すビットパターンと、上記2次元変調のパターンとに基づいて、当該トレリス状態の遷移を除去してビタビ復号する再生方法について記述されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−272268号公報
【特許文献2】WO2004−102542号公報
【特許文献3】特開2009−48727公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1、若しくは特許文献2に記載の方法において光記録媒体に記録されるホログラムの再生には特許文献3に記載の復号方法が有効であるが、その出力値は0と1の2値であり、軟判定復号などを使用するのに必要な信頼度を得ることが出来ない。
【0011】
そこで本発明の目的は、ホログラムにおける復号処理において有効な信頼度を算出する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、特許請求の範囲に記載の発明により解決される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ホログラムにおける復号処理において有効な信頼度を算出でき、軟判定復号が適用できることにより訂正能力を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施例における光情報記録再生手段の構成図
【図2】本発明の第1の実施例におけるピックアップの構成図
【図3】本発明の第1の実施例における動作手順を表すフローチャート
【図4】本発明の第1の実施例における信号生成手段の構成図
【図5】本発明の第1の実施例における信号処理手段の構成図
【図6】パターン毎の尤度分布および合成した尤度分布を表す図
【図7】パターン毎の正規化尤度分布および合成した正規化尤度分布を表す図
【図8】本発明の第1の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図9】本発明の第1の実施例におけるメモリ構成図
【図10】本発明の第1の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【図11】本発明の第1の実施例における軟出力復号を説明する波形を表す図
【図12】本発明の第1の実施例における尤度更新手順を表すフローチャート
【図13】本発明の第2の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図14】本発明の第2の実施例におけるメモリ構成図
【図15】本発明の第2の実施例における尤度更新手順を表すフローチャート
【図16】本発明の第3の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図17】本発明の第3の実施例における尤度更新手順を表すフローチャート
【図18】パターン毎の尤度分布および合成した尤度分布を表す図
【図19】本発明の第4の実施例における軟出力復号手段を表す構成図
【図20】本発明の第4の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【図21】本発明の第4の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【図22】PR(1,2,2,2,1)を用いたビタビアルゴリズムの状態遷移図
【図23】最尤波形、誤り波形、再生波形の例を表す図
【図24】最尤波形、誤り波形の例を表す図
【図25】最尤波形、誤り波形の例を表す図
【図26】PR(a,b;c,d)を用いたビタビアルゴリズムの状態遷移図
【図27】本発明の第5の実施例における軟出力復号を説明するトレリス線図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0016】
図1はホログラフィを利用してデジタル情報を記録および/または再生する光情報記録再生装置の全体的な構成を示したものである。
【0017】
光情報記録再生装置10は、ピックアップ11、位相共役光学系12、ディスクCure光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14ならびに回転モータ50を備えており、光情報記録媒体1は回転モータ50によって回転可能な構成となっている。
【0018】
ピックアップ11は、参照光と信号光を光情報記録媒体1に出射してホログラフィを利用してデジタル情報を記録する役割を果たす。
【0019】
この際、記録する情報信号はコントローラ89によって信号生成回路86を介してピックアップ11内の後述する空間光変調器に送り込まれ、信号光は該空間光変調器によって変調される。
【0020】
光情報記録媒体1に記録した情報を再生する場合は、ピックアップ11から出射された参照光の位相共役光を位相共役光学系12によって生成する。ここで位相共役光とは、入力光と同一の波面を保ちながら逆方向に進む光波のことである。該位相共役光によって再生される再生光をピックアップ11内の後述する光検出器によって検出し、信号処理回路85によって信号を再生する。
【0021】
光情報記録媒体1に照射する参照光と信号光の照射時間は、ピックアップ11内の後述するシャッタの開閉時間をコントローラ89によってシャッタ制御回路87を介して制御することで調整できる。
【0022】
ディスクCure光学系13は、光情報記録媒体1のプリキュアおよびポストキュアに用いる光ビームを生成する役割を果たす。ここでプリキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録する際、該所望位置に参照光と信号光を照射する前に予め所定の光ビームを照射する前工程の事である。またポストキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録した後、該所望の位置に追記不可能とするために所定の光ビームを照射する後工程の事である。
【0023】
ディスク回転角度検出用光学系14は、光情報記録媒体1の回転角度を検出するために用いられる。光情報記録媒体1を所定の回転角度に調整する場合は、ディスク回転角度検出用光学系14によって回転角度に応じた信号を検出し、検出された信号を用いてコントローラ89によってディスク回転モータ制御回路88を介して光情報記録媒体1の回転角度を制御する事が出来る。
【0024】
光源駆動回路82からは所定の光源駆動電流がピックアップ11、ディスクCure光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14内の光源に供給され、各々の光源からは所定の光量で光ビームを発光することができる。
【0025】
また、ピックアップ11、位相共役光学系12、ディスクCure光学系13は、光情報記録媒体1の半径方向に位置をスライドできる機構が設けられており、アクセス制御回路81を介して位置制御がおこなわれる。
【0026】
ところでホログラフィを利用した記録技術は、超高密度な情報を記録可能な技術であるがゆえに、例えば光情報記録媒体1の傾きや位置ずれに対する許容誤差が極めて小さくなる傾向がある。それゆえピックアップ11内に、例えば光情報記録媒体1の傾きや位置ずれ等、許容誤差が小さいずれ要因のずれ量を検出する機構を設けて、サーボ信号生成回路83にてサーボ制御用の信号を生成し、サーボ制御回路84を介して該ずれ量を補正するためのサーボ機構を光情報記録再生装置10内に備えても良い。
【0027】
またピックアップ11、位相共役光学系12、ディスクCure光学系13、ディスク回転角度検出用光学系14は、いくつかの光学系構成または全ての光学系構成をひとつに纏めて簡素化しても構わない。
【0028】
図2は、光情報記録再生装置10におけるピックアップ11の光学系構成の一例を示したものである。光源201を出射した光ビームはコリメートレンズ202を透過し、シャッタ203に入射する。シャッタ203が開いている時は、光ビームはシャッタ203を通過した後、例えば2分の1波長板などで構成される光学素子204によってP偏光とS偏光の光量比が所望の比になるようになど偏光方向が制御された後、PBS(Polarization Beam Splitter)プリズム205に入射する。
【0029】
PBSプリズム205を透過した光ビームは、ビームエキスパンダ209によって光ビーム径が拡大された後、位相マスク211、リレーレンズ210、そして、PBSプリズム207を透過して空間光変調器208に入射する。
【0030】
空間光変調器208によって情報が付加された信号光ビームは、PBSプリズム207を反射し、リレーレンズ212ならびに空間フィルタ213を伝播する。その後、信号光ビームは対物レンズ225によって光情報記録媒体1に集光する。
【0031】
一方、PBSプリズム205を反射した光ビームは参照光ビームとして働き、偏光方向変換素子224によって記録時または再生時に応じて所定の偏光方向に設定された後、ミラー214ならびにミラー215を経由してガルバノミラー216に入射する。ガルバノミラー216はアクチュエータ217によって角度を調整可能のため、レンズ219とレンズ220を通過した後に情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を、所望の角度に設定することができる。
【0032】
このように信号光ビームと参照光ビームを光情報記録媒体1において、互いに重ね合うように入射させることで、記録媒体内には干渉縞パターンが形成され、このパターンを記録媒体に書き込むことで情報を記録する。また、ガルバノミラー216によって光情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を変化させることができるため、角度多重による記録が可能である。
【0033】
記録した情報を再生する場合は、前述したように参照光ビームを光情報記録媒体1に入射し、光情報記録媒体1を透過した光ビームをガルバノミラー221にて反射させることで、その位相共役光を生成する。
【0034】
この位相共役光によって再生された再生光ビームは、対物レンズ225、リレーレンズ212ならびに空間フィルタ213を伝播する。その後、再生光ビームはPBSプリズム207を透過して光検出器218に入射し、記録した信号を再生することができる。
【0035】
なお、ピックアップ11の光学系構成は図2に限定されるものではない。
図3は、光情報記録再生装置10における記録、再生の動作フローを示したものである。 図3(a)は、光情報記録再生装置10に光情報記録媒体1を挿入した後、記録または再生の準備が完了するまでの動作フローを示し、図3(b)は準備完了状態から光情報記録媒体1に情報を記録するまでの動作フロー、図3(c)は準備完了状態から光情報記録媒体1に記録した情報を再生するまでの動作フローを示したものである。
【0036】
図3(a)に示すように媒体を挿入すると(S301)、光情報記録再生装置10は、例えば挿入された媒体がホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する媒体であるかどうかディスク判別を行う(S302)。
【0037】
ディスク判別の結果、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する光情報記録媒体であると判断されると、光情報記録再生装置10は光情報記録媒体に設けられたコントロールデータを読み出し、例えば光情報記録媒体に関する情報や、例えば記録や再生時における各種設定条件に関する情報を取得する(S303)。
【0038】
コントロールデータの読み出し後は、コントロールデータに応じた各種調整やピックアップ11に関わる学習処理を行い(S304)、光情報記録再生装置10は、記録または再生の準備が完了する(S305)。
【0039】
準備完了状態から情報を記録するまでの動作フローは図3(b)に示すように、まず記録するデータを受信して、該データに応じた情報をピックアップ11内の空間光変調器に送り込む(S306)。
【0040】
その後、光情報記録媒体に高品質の情報を記録できるように、必要に応じて各種学習処理を事前に行い(S307)、シーク動作(S308)ならびにアドレス再生(S309)を繰り返しながらピックアップ11ならびにディスクCure光学系13の位置を光情報記録媒体の所定の位置に配置する。
【0041】
その後、ディスクCure光学系13から出射する光ビームを用いて所定の領域をプリキュアし(S310)、ピックアップ11から出射する参照光と信号光を用いてデータを記録する(S311)。
【0042】
データを記録した後は、必要に応じてデータをベリファイし(S312)、ディスクCure光学系13から出射する光ビームを用いてポストキュアを行う(S313)。
【0043】
準備完了状態から記録された情報を再生するまでの動作フローは図3(c)に示すように、光情報記録媒体から高品質の情報を再生できるように、必要に応じて各種学習処理を事前に行う(S314)。その後、シーク動作(S315)ならびにアドレス再生(S316)を繰り返しながらピックアップ11ならびに位相共役光学系12の位置を光情報記録媒体の所定の位置に配置する。その後、ピックアップ11から参照光を出射し、光情報記録媒体に記録された情報を読み出す(S317)。
【0044】
以上で説明した本実施例の光情報記録再生装置における信号生成回路86の信号生成処理について、図4を用いて詳細に説明する。
【0045】
コントローラ89からユーザーデータを受信し、セクタ化部401で所定のデータ量単位毎にデータを分割し、ヘッダ付加部402でセクタ毎にセクタ情報、アドレスといった情報を付加する。スクランブル部403では、ヘッダ付加部402で付加した情報以外のユーザーデータ列にスクランブルを施す。このスクランブルはデータの“0”及び“1”の連続を防ぐことにより同じパターンが連続してしまうことを避けるために行うものであるが、必ずしも行う必要はない。次に誤り訂正符号化部404でLDPC(Low Dinsity Parity Check)符号などにより誤り訂正符号化、変調部405で例えばBDで使用されているような(1、7)RLL変調方式に従い2ビットデータを3ビットデータへ変調する処理を実行する。(1、7)RLL変調方式とは、変調後のビットにおいて連続する0の数が、最小1つ、最大7個の範囲となるRLL(1,7)のランレングス制限に従った変調データとする変調方式である。なお、ここでは説明の容易さから1次元変調を例に挙げたが、変調はRLLに限定するものでもなく、1次元方向だけでなく2次元方向への変調を適用してもよい。2次元符号化部406でこの変調データを2次元に並べ替え1ページ分の2次元データを構成し、同期信号付加部407で再生時に基準となるマーカーや、ページ情報となるヘッダを付加し、ピックアップ11へとデータを送信する。
【0046】
次に本実施例の光情報記録再生装置における信号処理回路85の再生信号処理について、図5を用いて詳細に説明する。
【0047】
ピックアップ11から2次元再生データを受信し、同期信号検出部501で画像のマーカーを基準に画像位置を検出し、画像歪み補正部502で画像の傾き・倍率・ディストーションなどの歪みを補正する。また光検出器218の分解能は一般的に記録に用いた空間光変調器208の分解能よりも高いことから、ピックアップ11で取得された2次元再生データは記録した2次元データがオーバーサンプリングされている。よって、リサンプリング部503で2次元FIRフィルタを用いて主にダウンサンプリングを実施する。なお、画像歪み補正部502での歪み補正とリサンプリング部503のダウンサンプリングは同時に実施してもよい。画像等化部504では、このリサンプリングした2次元データに対して後段の軟出力復号部505での処理に適したPR特性に等化する。等化は2次元FIRフィルタで実施し、そのフィルタ係数は線形最小平均自乗誤差法LMMSE(Linear Minimun Mean Squared Error)等の適応アルゴリズムを用いて算出することが可能である。LMMSEとは非特許文献Japanese Journal of Applied Physics Vol.45、No.2B、2006、PP.1079−1083に記載されるように等化後の信号と理想信号との自乗誤差の平均値が最小となるフィルタ係数を算出するアルゴリズムである。なお、LMMSEを例に説明したが、これに限定するものではなく他のアルゴリズムを適用してもよい。またPR特性は2次元データに対するものであるので2次元PR特性とするのが好ましいが、説明の容易さからPR(1,2,2,2,1)という1次元方向のみで以降説明している。軟出力復号部505では後述する方法により軟出力復号値を得る。軟値復調部506で軟出力復号部505である軟出力復号値のまま(1、7)RLL変調を復調し、誤り訂正部507でSum−product復号などによるLDPC符号の誤り訂正を実施する。その後、ヘッダ検出部508でセクタ情報、アドレスといった情報を読み出し、セクタ検出部509でその情報を元にセクタ毎にデータを分割し、デスクランブル部510でスクランブルを解除し、コントローラ89にデータを送信する。
【0048】
ここで、図22乃至図25および図6、図7を用いて軟出力復号部505の概念について説明する。
【0049】
軟出力復号部505の基本はビタビ復号であり、例えばBDXL(商標)ではPR(1,2,2,2,1)というPR特性を使用しており、図22に示すように(1、7)RLL変調を反映した状態遷移による復号を行う。ビタビ復号における最尤波形(図23のT)と画像等化部504出力波形(図23のW)のユークリッド距離(数1)と、誤り波形(図23のF)と画像等化部504出力波形のユークリッド距離(数2)との差分(数3)を尤度Δとする。tn、fn、wnはn番目ピクセルにおけるT、F、Wの振幅値を示す。
【0050】
【数1】

【0051】
【数2】

【0052】
【数3】

【0053】
また、誤り訂正部507におけるSum−product復号は対数領域の復号法であることから、軟出力復号部505出力である信頼度は対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ration)とする必要がある。このLLRは、尤度Δの確率密度関数が正規分布に近いとすれば数4で近似することが可能である。μは分布の平均値、σは標準偏差を示す。
【0054】
【数4】

【0055】
この信頼度算出の過程において、(1、7)RLL変調が施されたデータではT、Fの復号値は実際に存在し得るパターン、すなわち最短ランレングスは2Tであり1Tの存在を許容しないという点が問題となる。例えば図24においてTの復号値は[0000111]、Fの復号値は[0001111]であり誤りビット数は1であるが、図25においてTの復号値は[00011000]、Fの復号値は[00110000]であり誤りビット数は2となる。これはRLL変調の規則を満たすようにビタビアルゴリズムが動作するため、図25のTが誤る場合1Tシフトは許容されず2T部分がスリップすることに起因する。このためRLL変調されたデータにおいて、TとFのユークリッド距離(数5)は復号結果によって変化してしまう。
【0056】
【数5】

【0057】
この影響について図6を用いて説明する。図は横軸を尤度Δ、縦軸を発生頻度として、RLL変調されたデータ列に対して尤度Δをヒストグラム化したイメージを示す。図24のパターンの分布を第1分布、図25のパターンの分布を第2分布とした。それぞれの分布は正規分布に従うとすれば、分布の平均値μはW=Tとなる時であり数6で示される。
【0058】
【数6】

【0059】
この値はTとFのユークリッド距離がパターンによって異なることから、第1分布と第2分布で異なり、結果として合成した全体分布は正規分布から外れる。このため数4に示したLLR計算式を適用することが困難となる。
【0060】
そこでこの問題を解決するため、本実施例は数7に示すようにTとFのユークリッド距離で尤度Δを正規化することを特徴とする。
【0061】
【数7】

【0062】
図7に横軸を正規化尤度Δ’、縦軸は発生頻度として正規化尤度Δ’をヒストグラム化したイメージを示す。正規化尤度を使用することにより平均値が一致し、全体分布も正規分布に近くなることからLLRを正しく算出することが可能となる。
【0063】
以下にこの概念を用いた軟出力復号部505の詳細について、図8乃至図12を用いて説明する。まず図8に軟出力復号部505の構成を示す。なお、使用するPR特性をPR(1,2,2,2,1)として説明するがこれに限定するものではない。
【0064】
まずBM演算部801において、図22の基準値REF00000〜REF11111と軟出力復号部505入力である等化波形との差分の2乗であるブランチメトリックを計算する。その後、ACS演算部802において図22のステートS0000〜S1111毎のパスメトリックにブランチメトリックを加算し、図22のパスが合流している点で加算結果を比較し小さいパスを選択する。この合流した2つのパスの加算結果差分を尤度候補Δとして尤度候補メモリ803に格納する。また、ACS演算部802のパス選択結果をパスメモリ804に格納する。
【0065】
尤度を算出する際に最尤パスが不確かであればその尤度の信頼性も落ちることから、最尤パスを確定させた後、その結果を基点として尤度算出用の最尤パスと競合パスを確定させる。この最初の最尤パス判定を事前最尤パス判定部805で、その結果を基点とする最尤パス判定を最尤パス判定部806で、競合パス判定を競合パス判定部807で実施する。事前最尤パス判定のパスメモリ長をL1、最尤パス判定のパスメモリ長をL2とした時のパスメモリ804と尤度候補メモリ803の構成を図9に示す。横軸はピクセルを示し、n番目ピクセルを基点としている。なお、図9には後述する最尤復号値メモリ808、競合復号値メモリ809、尤度メモリ813の例も示している。
【0066】
図10を用いてこのパス判定方法についてn番目ピクセル周辺を例に説明する。図10のトレリス線図は図22の状態遷移図を展開したものである。まず、事前最尤パス判定部805において、パスメモリ804のパス選択結果をn+L1番目ピクセルからn番目ピクセルまでトレースバックすることにより最尤パスを確定する。このn番目ピクセルでのステートを基点ステートとする。次に最尤パス判定部806において、n番目ピクセルでの基点ステートを開始点として、n番目ピクセルからn−L2番目ピクセルまで通常通りトレースバックすることにより最尤パスを確定する。また競合パス判定部807において、n番目ピクセルでの基点ステートを開始点として、n−1番目ピクセルへの遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択、その後n−1番目ピクセルからn−L2番目ピクセルまで通常通りトレースバックすることにより競合パスを確定する。但し、基点となるステートに接続されるパスが1本だけだった場合、基点ステートをn番目ピクセルからn−1番目ピクセルに移し、n−2番目ピクセルへの遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択する。同様に基点となるステートに接続されるパスが1本でなくなるまで遡るものとする。最尤パス判定部806での最尤パスによる復号結果を最尤復号値メモリ808に、競合パス判定部807での最尤パスによる復号結果を競合復号値メモリ809に格納する。
【0067】
本実施例では前述のように最尤波形と競合波形のユークリッド距離で尤度を正規化する必要がある。図11に図10での最尤パスと競合パスに対応する最尤波形と競合波形を示す。信号間距離演算部810において最尤復号値と競合復号値にPR(1,2,2,2,1)といったPR特性を畳み込むなどして最尤波形と競合波形を生成し、波形間ユークリッド距離を算出する。
【0068】
この後の尤度算出方法について図12のフローチャートを用いて説明する。
【0069】
まず正規化尤度候補演算部811において、n番目ピクセルの尤度候補Δを尤度候補メモリ803から取得する(S1201)。この尤度候補Δを信号間距離演算部810出力である波形間ユークリッド距離で除算し正規化尤度候補Δ’を算出する(S1202)。尤度更新部812では、最尤復号値メモリ808からk番目(1≦k≦L2)の最尤復号値bmを取得(S1203)、競合復号値メモリ809からk番目(1≦k≦L2)の競合復号値bcを取得(S1204)し、最尤復号値bmと競合復号値bcを比較する(S1205)。S1205の比較結果が一致したら尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持し(S1206)、一致しなければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度Δkと正規化尤度候補Δ’を比較する(S1207)。S1207の比較結果、正規化尤度候補Δ’が小さければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度をΔ’に置き換え(S1208)(例えば図10のΔ5)、正規化尤度候補Δ’が大きければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持する(S1206)(例えば図10のΔ8)。これらS1203からS1208までの処理をk=1からL2まで実施し、その過程でS1207が実行されたかを確認する(S1209)。S1207が実行された場合は尤度メモリ813のL2番目の尤度ΔL2を尤度として出力し(S1210)、実行されなかった場合は尤度が一度も更新されなかったので尤度が1として出力する(S1211)。これは、正規化尤度を使用しているため図7に示す分布の平均値を与えていることに相当する。
【0070】
以上で算出した尤度をLLR演算部814において、数4のLLR計算式に従いLLRを算出する。なお、数4における平均値μ、標準偏差σは実測してもよいが、予め設定しておいた値を使用してもよい。最後に乗算部815において、最尤復号値メモリ808のL2番目の最尤復号値とLLRを乗算した結果を信頼度として軟値復調部506に出力する。
【0071】
以上の回路構成、処理手順によれば、ホログラムにおける復号処理において有効な信頼度を算出し、軟判定復号を適用することにより訂正能力を向上させることが可能となる。
【0072】
なお、本実施例では波形間距離を算出するのにユークリッド距離を利用したが、絶対値に読み替えて実施してもよい。また(1、7)RLLを例に説明したが、これに限定するものではなく、任意の変調方式においても適用可能である。これらのことは以降の実施例についても同様である。
【実施例2】
【0073】
本実施例が実施例1と異なるのは、尤度の更新には正規化しない尤度を使用する点である。図13に本実施例における軟出力復号部505の構成を示す。実施例1と相違するのは図8の尤度更新部812および尤度メモリ813であり、対応するのは図13の尤度更新部1301、比較用尤度メモリ1302、出力用尤度メモリ1303である。比較用尤度メモリ1302、出力用尤度メモリ1303の構成を図14に示す。
【0074】
ここで、図13における尤度更新部1301の動作について図15のフローチャートを用いて説明する。
【0075】
S1205までの動作は実施例1と同一であり、S1205の比較結果が一致したら比較用尤度メモリ1302、および出力用尤度メモリ1303に格納されているk番目の尤度はそのまま保持し(S1501)、一致しなければ比較用尤度メモリ1302に格納されているk番目の尤度Δkと尤度候補Δを比較する(S1502)。S1502の比較結果、尤度候補Δが小さければ比較用尤度メモリ1302に格納されているk番目の尤度を尤度候補Δに置き換え(S1503)、出力用尤度メモリ1303に格納されているk番目の尤度を正規化尤度候補Δ’に置き換える(S1504)。またS1502の比較結果、尤度候補Δが大きければ比較用尤度メモリ1302、および出力用尤度メモリ1303に格納されているk番目の尤度はそのまま保持する(S1501)。これらS1203からS1504までの処理をk=1からL2まで実施し、その過程でS1502が実行されたかを確認する(S1505)。S1502が実行された場合は出力用尤度メモリ1303のL2番目の尤度ΔL2’を尤度として出力し(S1506)、実行されなかった場合は尤度が一度も更新されなかったので尤度が1として出力する(S1507)。これは、正規化尤度を使用しているため図7に示す分布の平均値を与えていることに相当する。
【0076】
以上の回路構成、処理手順によれば、尤度更新の比較は正規化前、実際に出力するのは正規化後の尤度を使用することができ、ホログラムにおける復号処理において有効な信頼度を算出し、軟判定復号を適用することにより訂正能力を向上させることが可能となる。
【実施例3】
【0077】
本実施例が実施例1と異なるのは、尤度の更新および出力にも正規化しない尤度を使用する点である。図16に本実施例における軟出力復号部505の構成を示す。実施例1と相違するのは図8の尤度更新部812であり、対応するのは図16の尤度更新部1601である。なお、図8の信号間距離演算部810、正規化尤度候補演算部811は必要ない。
【0078】
ここで、図16における尤度更新部1601の動作について図17のフローチャートを用いて説明する。
【0079】
S1205までの動作は実施例1と同一であり、S1205の比較結果が一致したら尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持し(S1701)、一致しなければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度Δkと尤度候補Δを比較する(S1702)。S1702の比較結果、尤度候補Δが小さければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度を尤度候補Δに置き換え(S1703)、尤度候補Δが大きければ尤度メモリ813に格納されているk番目の尤度はそのまま保持する(S1701)。これらS1203からS1703までの処理をk=1からL2まで実施し、その過程でS1702が実行されたかを確認する(S1704)。S1702が実行された場合は尤度メモリ813のL2番目の尤度ΔL2を尤度として出力し(S1705)、実行されなかった場合は尤度が一度も更新されなかったので、最尤波形と競合波形の波形間ユークリッド距離が最小となるものを尤度として出力する(S1706)。これは、正規化しない場合、尤度は図18のような分布をとるため、その分布の中で最も誤り易いパスの分布の平均値(図18ではμ2)を与えていることに相当する。また、S1706で出力する尤度としては、図18における全体分布の平均値(μall)を使用しても良い。
【0080】
以上の回路構成、処理手順によれば、正規化しない尤度を用いる場合においても適切な尤度を出力させることができ、ホログラムにおける復号処理において有効な信頼度を算出し、軟判定復号を適用することにより訂正能力を向上させることが可能となる。
【実施例4】
【0081】
本実施例が実施例1と異なるのは、競合パス判定の動作である。実施例1では事前最尤パス判定を実施した後、最尤パス、競合パスを判定していたのに対し、本実施例では事前最尤パス判定しないことを特徴とする。
【0082】
図19に本実施例における軟出力復号部505の構成を示す。実施例1と相違するのは図8の最尤パス判定部806、競合パス判定部807であり、対応するのは図19の最尤パス判定部1901、競合パス判定部1902である。なお、図8の尤度候補メモリ803、事前最尤パス判定部805は必要ない。
【0083】
図20を用いてこのパス判定方法についてn番目ピクセル周辺を例に説明する。図20のトレリス線図は図22の状態遷移図を展開したものである。まず、n番目ピクセルでのパスメトリックが最小のステートを基点ステートとする。次に最尤パス判定部1901において、n番目ピクセルでの基点ステートを開始点として、n番目ピクセルからn−L2番目ピクセルまで通常通りトレースバックすることにより最尤パスを確定する。また競合パス判定部1902において、n番目ピクセルでの基点ステートを開始点として、n−1番目ピクセルへの遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択、その後n−1番目ピクセルからn−L2番目ピクセルまで通常通りトレースバックすることにより競合パスを確定する。
【0084】
もしくは、競合パスの判定に以下の方法を採用してもよい。
【0085】
図21を用いてこのパス判定方法についてn番目ピクセル周辺を例に説明する。図21のトレリス線図は図22の状態遷移図を展開したものである。最尤パス判定部1901において、n番目ピクセルでの最小パスメトリックとなるステートを開始点として、n番目ピクセルからn−L2番目ピクセルまで通常通りトレースバックすることにより最尤パスを確定する。また競合パス判定部1902において、n番目ピクセルでのパスメトリックが二番目に小さい次点パスメトリックとなるステートを開始点として、n番目ピクセルからn−L2番目ピクセルまで通常通りトレースバックすることにより競合パスを確定する。なお、この場合の尤度候補Δは図21に示すように最小パスメトリックと次点パスメトリックの差分とする。
【0086】
以上の回路構成、処理手順によれば、ホログラムにおける復号処理において有効な信頼度を算出し、軟判定復号を適用することにより訂正能力を向上させることが可能となり、さらにメモリ量を削減することが可能である。
【0087】
また、本実施例は実施例1に対して説明したが、他の実施例についても同様に適用可能である。
【実施例5】
【0088】
以上の実施例では1次元について説明したが、本実施例では2次元の例について説明する。実施例1と異なるのは尤度候補Δの算出方法などである。
【0089】
図26、図27を用いて尤度候補Δの算出方法についてn番目ピクセル周辺を例に説明する。図26に数8に示すような2×2行列の2次元PR特性の状態遷移図を示す。a,b,c,dは任意の実数である。なお、使用する2次元PR特性はこれに限定するものではなく任意の行列を用いても同様に拡張できる。
【0090】
【数8】

【0091】
まずBM演算部801において、図26の基準値REF[00;00]〜REF[11;11]と軟出力復号部505入力である等化波形との差分の2乗であるブランチメトリックを計算する。その後、ACS演算部802において図26のステートS[0;0]〜S[1;1]毎のパスメトリックにブランチメトリックを加算し、図26のパスが合流している点で加算結果を比較するのだが、図のように4本のパスが合流していることから、この4本のうち加算結果が最も小さくなるパスを選択する。
【0092】
図27のトレリス線図は図26の状態遷移図を展開したものであり、n番目ピクセルのS[0;0]でのパスの合流を例に考える。ACS演算部802において、選択したパスとその他のパスの加算結果差分(図27のΔ1、Δ2、Δ3)を算出し、これらΔ1、Δ2、Δ3のうち最小となるものを最も誤り易いパスと判断し、尤度候補Δとして尤度候補メモリ803に格納する。図27ではΔ1が最小としている。
【0093】
また、競合パス判定部807では、n番目ピクセルでの基点ステートを開始点として、n−1番目ピクセルへの遷移に関してのみパスメモリ804に格納されたのと異なるパスを選択するが、この異なるパスとは尤度候補Δを算出した時に使用したパスとする。図27ではΔ1であったパスを競合パスとしている。
【0094】
さらに、尤度更新部812では、最尤復号値メモリ808からk番目(1≦k≦L2)の最尤復号値bmを取得(S1203)、競合復号値メモリ809からk番目(1≦k≦L2)の競合復号値bcを取得(S1204)するが、数8の例では図26のように2ビット同時に復号されるため、最尤復号値bmと競合復号値bcは2ビットの信号となる。よって、最尤復号値bmと競合復号値bcを比較する(S1205)際には0ビット目と1ビット目の夫々のビットで比較を実施する。以降、尤度の更新は0ビット目と1ビット目の夫々で実施する。
【0095】
以上の回路構成、処理手順によれば、2次元PR特性を用いた場合にもホログラムにおける復号処理において有効な信頼度を算出し、軟判定復号を適用することにより訂正能力を向上させることが可能となる。
【0096】
また、本実施例は実施例1に対して説明したが、他の実施例についても同様に適用可能である。
【0097】
さらに、以上の実施例は角度多重記録方式について説明しているが、これに限定するものではなく、シフト多重方式など他の記録方式についても同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1・・・光情報記録媒体、10・・・光情報記録再生装置、11・・・ピックアップ、12・・・位相共役光学系、13・・・ディスクCure光学系、14・・・ディスク回転角度検出用光学系、50・・・回転モータ、81・・・アクセス制御回路、82・・・光源駆動回路、83・・・サーボ信号生成回路、84・・・サーボ制御回路、85・・・信号処理回路、86・・・信号生成回路、87・・・シャッタ制御回路、88・・・ディスク回転モータ制御回路、89・・・コントローラ、201・・・光源、202・・・コリメートレンズ、203・・・シャッタ、204・・・光学素子、205・・・偏光ビームスプリッタ、206・・・信号光、207・・・偏光ビームスプリッタ、208・・・空間光変調器、209・・・ビームエキスパンダ、210・・・リレーレンズ、211・・・フェーズ(位相)マスク、212・・・リレーレンズ、213・・・空間フィルタ、214・・・ミラー、215・・・ミラー、216・・・ミラー、217・・・アクチュエータ、218・・・光検出器、219・・・レンズ、220・・・レンズ、221・・・ミラー、222・・・アクチュエータ、223・・・参照光、224・・・偏光方向変換素子、225・・・対物レンズ、401・・・セクタ化部、402・・・ヘッダ付加部、403・・・スクランブル部、404・・・誤り訂正符号化部、405・・・変調部、406・・・2次元符号化部、407・・・同期信号付加部、501・・・同期信号検出部、502・・・画像歪み補正部、503・・・リサンプリング部、504・・・画像等化部、505・・・軟出力復号部、506・・・軟値復調部、507・・・誤り訂正部、508・・・ヘッダ検出部、509・・・セクタ検出部、510・・・デスクランブル部、801・・・BM演算部、802・・・ACS演算部、803・・・尤度候補メモリ、804・・・パスメモリ部、805・・・事前最尤パス判定部、806・・・最尤パス判定部、807・・・競合パス判定部、808・・・最尤復号値メモリ、809・・・競合復号値メモリ、810・・・信号間距離演算部、811・・・正規化尤度候補演算部、812・・・尤度更新部、813・・・尤度メモリ、814・・・LLR演算部、815・・・乗算部、1301・・・尤度更新部、1302・・・比較用尤度メモリ、1303・・・出力用尤度メモリ、1601・・・尤度更新部、1901・・・最尤パス判定部、1902・・・競合パス判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィを利用して情報を再生する光情報再生装置において、
ホログラムディスクから2次元データを再生する画像取得部と、
前記2次元データを目標となるPR特性を有する目標データへと等化する画像等化部と、
前記PR特性に基づいて前記画像等化部出力データの復号を行い、信頼度を有した復号結果を出力する軟出力復号部と、
前記復号結果に基づいてデータの誤り訂正を行う誤り訂正部と、
を有することを特徴とする光情報再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光情報再生装置において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力する最尤パス判定部と、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力する競合パス判定部と、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力する尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力する信号間距離演算部と、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度を出力する正規化尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なるピクセルの尤度候補と前記正規化尤度を比較し、前記正規化尤度が小さい場合に前記正規化尤度を尤度候補とする尤度更新部と、
前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする光情報再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光情報再生装置において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力する最尤パス判定部と、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力する競合パス判定部と、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力する尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力する信号間距離演算部と、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なるピクセルの尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とする尤度更新部と、
前記尤度候補を前記信号間距離で正規化した正規化尤度候補を出力する正規化尤度候補演算部と、
前記正規化尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする光情報再生装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光情報再生装置において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力する最尤パス判定部と、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力する競合パス判定部と、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力する尤度演算部と、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なるピクセルの尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とする尤度更新部と、
前記尤度候補に基づいて信頼度を出力する信頼度出力部と、
を有することを特徴とする光情報再生装置。
【請求項5】
ホログラフィを利用して情報を再生する光情報再生方法において、
ホログラムディスクから2次元データを再生し、
前記2次元データを目標となるPR特性を有する目標データへと等化し、
前記PR特性に基づいて前記等化後データの信頼度を有した復号を行い、
前記復号結果に基づいてデータの誤り訂正を行うことを特徴とする光情報再生方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光情報再生方法において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力し、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力し、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力し、
前記尤度を前記信号間距離で正規化した正規化尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なるピクセルの尤度候補と前記正規化尤度を比較し、前記正規化尤度が小さい場合に前記正規化尤度を尤度候補とし、
前記尤度候補に基づいて信頼度とすることを特徴とする光情報再生方法。
【請求項7】
請求項5に記載の光情報再生方法において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力し、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力し、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果から生成される最尤波形と、前記競合パスの復号結果から生成される競合波形との距離である信号間距離を出力し、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なるピクセルの尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とし、
前記尤度候補を前記信号間距離で正規化した正規化尤度候補を出力し、
前記正規化尤度候補に基づいて信頼度とすることを特徴とする光情報再生方法。
【請求項8】
請求項5に記載の光情報再生方法において、
最も確からしい復号結果となる最尤パスを出力し、
前記最尤パスと異なる復号結果となる競合パスを出力し、
前記最尤パスと前記競合パスの差分である尤度を出力し、
前記最尤パスの復号結果と前記競合パスの復号結果が異なるピクセルの尤度候補と前記尤度を比較し、前記尤度が小さい場合に前記尤度を尤度候補とし、
前記尤度候補に基づいて信頼度とすることを特徴とする光情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−4147(P2013−4147A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134723(P2011−134723)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】