説明

光波伝導体を処理するための工具

【課題】1つ又は幾つかの圧着鍛造ダイ、光波伝導体の端部の長さを調整するためのクロスカッティング機構を有する、光波伝導体の処理、特にパッケージングのための工具を提供する。
【解決手段】クロスカッティング機構が、圧着が行なわれる同じ作動動作中に光波伝導体2の圧着中又は圧着後において光波伝導体の長さを調整するようになっており、少なくとも1つの光波伝導体2が、クロスカッティング機構によるテンション下で光波伝導体長手方向軸に対して角度を成してプラグ内に保持される、工具1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグを用いた少なくとも1つの光波伝導体又は幾つかの光波伝導体の圧着のための少なくとも1つ又は幾つかの圧着鍛造ダイと、光波伝導体の端部の長さを調整するための機械的なクロスカッティング装置とを有する、光波伝導体の処理、特にパッケージング[最終的な組み付け]のための工具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の工具は、例えば、独国特許第19,842,122C2号又は独国特許出願公開第10,056,780A1号からそれ自体が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無論、既知の工具は、一方ではそれらの取り扱いに関して、他方では光波伝導体を切断するために必要とされるカットに関して、更なる最適化を必要とする。
【0004】
本発明の目的は、これらの課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1の対象によってこの課題を解決する。
【0006】
したがって、工具は、以下の機能のうちの一方又は両方により本発明にしたがって補完される。
a)機械的なクロスカッティング機構は、圧着が行なわれる同じ作動動作中に、光波伝導体の圧着中又は圧着後において光波伝導体の長さを調整するようになっており、及び/又は、
b)1又は複数の光波伝導体を切断するための分離カット中に、機械的なクロスカッティング装置は、少なくとも1つの光波伝導体をテンション下で伝導体の長手方向軸に対して角度を成してプラグ内に保持する。
【0007】
特徴a)によれば、工具の取り扱いが確かに簡略化される。これは、工具が手動ハサミとして形成される場合に特に有益である。その理由は、そのようにすると、手首を1回だけ軽く動かすだけで1又は複数の伝導体の圧着及び分離の両方を行なうことができるからである。
【0008】
特徴b)によれば、光波伝導体の長さの調整が特に巧妙な態様で行なわれる。これは、プレストレスが特に巧妙な分離カットをもたらすからである。
【0009】
この分離カットは、一般に非常に良好であるため、光波伝導体のカッティング面の任意の更なる事後研磨の必要がない。
【0010】
本発明の特徴a)及びb)はそれぞれ、それ自体、組み合わせて使用されるときに特に有益である。
【0011】
工具が、「光波伝導体の長さを調整する」、「光波伝導体にプラグを圧着する」、「光波伝導体を正しい長さにカットする」、及び、「プラグを受けるためのハウジングにトラクションレリーフ(traction relief)を圧着する」という機能を果たすための装置を有する場合には、特に多面的な工具が形成される。
【0012】
工具は、手動ハサミとして形成される場合、2つの互いに相対的に移動できるハサミグリップと、1つのハサミヘッドとを有し、ハサミヘッドは、2つの互いに相対的に移動できる、この場合には揺動できる処理チークを更に有し、この処理チークは、開位置及び閉位置へと揺動させることができるとともに、それらの相互作用においてハサミビットを形成し、それにより、処理チーク内又はこの処理チーク上に、前述した機能のうちの1つ又は幾つかを果たすための装置として工具が形成される。
【0013】
処理チークに対して側方から取り付けられ且つ対応するカッティング領域を有する2つのクロスカッティングナイフを工具が備える場合には、特に実用的である。これは、そのようにすると、工具を使用するクロスカッティング機能も工具に対して構造的に有利に組み込まれ、何ら問題を伴うことなく長さ調整を行なうことができるからである。
【0014】
本発明の他の有利な実施形態は、他の従属請求項で見出すことができる。
【0015】
以下、典型的な実施形態に基づき、図面を参照して、本発明を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】プラグ接続装置を用いた光波伝導体の処理、特にパッケージングのための手動ハサミとして形作られる工具の斜視図である。
【図1b】プラグ接続装置を用いた光波伝導体の処理、特にパッケージングのための手動ハサミとして形作られる工具の斜視図である。
【図2a】図1の手動ハサミのセグメントの斜視図である。
【図2b】図1の手動ハサミのセグメントの斜視図である。
【図2c】図1の手動ハサミのセグメントの斜視図である。
【図2d】図1の手動ハサミのセグメントの斜視図である。
【図3a】光波伝導体のクロスカッティング用に設計された図1の工具の一部の斜視図である。
【図3b】プラグ接続装置を用いた光波伝導体のパッケージングを示している。
【図3c】プラグ接続装置を用いた光波伝導体のパッケージングを示している。
【図3d】プラグ接続装置を用いた光波伝導体のパッケージングを示している。
【図3e】プラグ接続装置を用いた光波伝導体のパッケージングを示している。
【図3f】プラグ接続装置を用いた光波伝導体のパッケージングを示している。
【図3g】プラグ接続装置を用いた光波伝導体のパッケージングを示している。
【図3h】プラグ接続装置を用いた光波伝導体のパッケージングを示している。
【図3i】プラグ接続装置を用いた光波伝導体のパッケージングを示している。
【図4】光波伝導体の処理、特にパッケージングのための手動ハサミとして形作られる他の工具の斜視図である。
【図5】図4と比べて異なる位置から見た図4の手動ハサミのヘッド領域の斜視図である。
【図6】上図は図4の手動ハサミのヘッド領域の他の斜視図である。下図は図4の工具のセグメントAの断面図である。
【図7】上図は図4の手動ハサミのヘッド領域の他の斜視図である。下図は図4の工具のセグメントBの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、光波伝導体2の処理、特にパッケージングのための工具1、特に、例えば光波の伝達のために使用される高分子光ファイバ(POF)の処理、特にパッケージングのための工具1を示している。
【0018】
工具は、特に、1つのプラグ接続装置を用いて2つの光波伝導体2(特に、いわゆるPOF二重光波伝導体及びプラグ接続装置)をパッケージングするように設計されている。この場合、1つの特別な特徴が以下に存する。すなわち、本発明の工具を使用するパッケージングは、一般に光波伝導体切断面の何らかのその後の研磨の必要性が無いように行なうことができる。
【0019】
この目的のため、工具は、「POF光波伝導体をクロスカットする」、「POF光波伝導体にプラグを圧着する」、「POF光波伝導体を正しい長さにカットする」、及び、「トラクションレリーフをプラグに圧着する」という機能を果たすために図1に示される好ましい実施形態で装置を提供する。なお、これらの機能の全てを1つの工具に組み込むことが特に有益である。しかし、本発明との関連では、これらの機能の全てがたった1つの単一の手動ハサミに組み込まれることが絶対に必要とされるわけではない。
【0020】
図1に示される工具1は手動ハサミとして形成される。工具は、2つの互いに相対的に移動できるハサミグリップ3、4と、1つのハサミヘッド6とを有する。ハサミグリップ3、4にはグリップカップ6、7が設けられる。
【0021】
ハサミヘッド5は、2つの互いに相対的に移動できる、この場合には揺動できる処理チーク8、9を更に有しており、処理チーク8、9は、開位置及び閉位置へと揺動させることができるとともに、それらの相互作用の結果としてハサミビットを形成することができる。
【0022】
この場合、処理チークのうちの一方8は、ハサミグリップ3に対して強固に接続され、好ましくはハサミグリップと一体に形成される。
【0023】
一方、他方の処理チーク9は、ピボット軸受11により第1の処理チーク8上に揺動可能に位置される。
【0024】
ハサミグリップ3は、回動点11を介してクランプチーク13と移動可能に接続され、その結果として、開閉動作が行なわれる。クランプチークは、プッシュストラット14と、ハサミグリップ4と、クランプチーク13とから構成されるトグルレバー機構12によって駆動される。
【0025】
2つのハサミグリップ3、4が手で圧縮されると、第2のハサミグリップ4がピボット軸受15に作用し、その結果、プッシュストラット14、ハサミグリップ4、及び、クランプチーク13から構成されるトグルレバー機構12が伸ばされ、それにより、クランプチーク13がピボット軸受11周りで揺動されて、処理チーク8、9が互いの方へ移動され、ハサミビットが閉じられる。
【0026】
様々な工具が処理チーク8、9内又は処理チーク8、9上に形成される。
【0027】
これらの工具は、第一に、処理チーク8、9に側方から取り付けられて対応するカッティング領域18、19を有する、2つのクロスカッティングナイフ16、17(図2a及び図3a参照)を備える。
【0028】
これらのカッティング領域18、19は、光波伝導体2の実際の内部ガラス繊維ラインから被覆ジャケットを引き離すことができるようにするカットが、カッティング領域18、19内に挿入される光波伝導体2に形成されるように寸法付けられる(図3aも参照)。
【0029】
工具ヘッド/ビットを閉じることにより、プロセス中の光波伝導体2は、カウンタダイ及びボトムラム又は処理チークのガイド35、36内に正確な場所で位置決めされて固定される。
【0030】
光波伝導体のジャケットを正確な長さまで剥離させる必要はない。これは、光波伝導体2の最終的な分離が、光波伝導体が正しい長さに自動的にカットされるその後の圧着ステップ中でのみ行なわれるからである。
【0031】
この場合の光波伝導体2のこの最終的な分離は、光波伝導体端部の圧着も行なわれるハサミヘッドの同じ閉動作中に有利に行なわれる。
【0032】
手動ハサミにおける工具は、処理チーク8、9の互いに対向する面に幾つかの圧着鍛造ダイ20、21、22を更に備える(図2)。
【0033】
2つの圧着鍛造ダイ20、21を使用して、プラグ接続装置の2つのプラグ40、41(図3b〜図3e参照)が光波伝導体2に圧着される。一方、第3の圧着鍛造ダイ22は、2つのプラグ40、41が内部に挿入されるプラグ接続ハウジング43に対してトラクションレリーフスリーブ42を圧着するために設けられる(図3i参照)。
【0034】
クロスカッティングナイフ16、17と反対の方向を向く処理チーク8、9の側面上には、プラグハウジングを受けるための受け領域23が更に設けられ、この受け領域はストッパ24を有する。それは、特に図2cにおいて明確に分かる。
【0035】
ストッパ24は、処理されるべきプラグ40、41及び光波伝導体2の数に対応する数の通路開口25、26を有する。
【0036】
また、ストッパ24は、例えば更なる処理のためにそれが必要な位置にだけ2つのプラグ40、41を挿入できるように輪郭付けられる。これは、圧着後にプラグ40、41をもはや光波伝導体軸周りに回転させることができないからである。
【0037】
工具又は圧着鍛造ダイ20、21にプラグ40、41を固定するため、工具が僅かに閉じられる。この場合、2つの光波伝導体2は、それらが通路開口25、26から前方に突出するようにプラグ内に挿入される。工具を閉じることにより、その後、2つのプラグがPOF光波伝導体2に圧着される。
【0038】
ストッパ24からと反対の方向を向くこれらの通路開口25、26の側には、2つの圧着鍛造ダイ20、21を用いた圧着中又は圧着後に光波伝導体の長さを調整するために使用される、クロスカッティング機構27が更に形成される。
【0039】
クロスカッティング機構27は、ストッパ24から側方に離間して装着され且つ傾斜した外周面(傾斜31(図2b))を有する押圧ディスク128を更に備える。押圧ディスク28は、ネジ33及びワッシャ34を用いて下側作用チーク9に捩じ込むことができる。このように、押圧ディスク28を回転可能に位置させることができる。
【0040】
クロスカッティング機構27は円形ナイフ29を更に有しており、この円形ナイフは、それ自体がレバーアーム30に回転可能に位置されるとともに、揺動可能レバーアーム30の端部におけるその配置により円形の円弧に沿って移動させることができるため、圧着中又は圧着後に円形ナイフを使用して通路開口25、26から依然として突出する光波伝導体2の任意の端部をカットできる。
【0041】
円形ナイフ29は、レバーアーム30上におけるその配置により、押圧ディスク28とストッパ24との間の隙間領域(図2b参照)内へと揺動させることができる。
【0042】
レバーアーム30は、作動レバー32の端部がレバーアームに作用するように揺動され、この作動レバーは、ハサミグリップと強固に接続されるとともに、この場合も、圧着中又は圧着後に手動グリップ3、4が圧着ステップの終わりへ向けて互いに押圧されると、レバー30に作用する(図3f、g、h)。
【0043】
手動グリップ4が作動レバー32を揺動させ、また、作動レバーが円形ナイフ29を伴うレバー30を揺動させ、このようにして、円形ナイフは、通路開口25、26を通じて突出する光波伝導体2の端部に押し付けられて、それらの端部を切断する。
【0044】
ストッパ24内にプラグを挿入する最中に、プラグ40、41の弾性的に位置される端部が円形ナイフ29にぶつかり、それにより、プラグ40、41の個々の部品の公差が釣り合わされて、プラグ40、41がほぼ遊び無く円形ナイフ29上に位置する。
【0045】
両方のPOF光波伝導体2をプラグ40、41内に導入する最中に、剥離された光波伝導体2は、押圧ディスク28の循環傾斜31にぶつかって(図2b)、そのようにしてこの傾斜31に沿ってスライドし、それにより、POF光波伝導体を受け領域23内で比較的容易に曲げて、プラグ40、41内の伝導体の長手方向軸を位置合わせすることができる(図3d)。
【0046】
通路開口の前方には、いわば、押圧ディスク28の形態を成すある種の障害物が配置されていることが有益であり、この障害物は、通路開口25、26内の長手方向伝導体軸の延長部分に沿って位置し、それにより、光波伝導体をその障害物の周囲で斜めに配置しなければならず、そのため、僅かなプレストレスが引き起こされ、したがって、カットイメージが間違いなく向上される。
【0047】
光波伝導体2を曲げることにより、光波伝導体が応力を受け、それにより、その後の光波伝導体2の分離中に、任意の更なる研磨に晒す必要のない切断面が突出する。切断部位での減衰は、カット自体によって既にほぼ減少している。
【0048】
このようにすると、ユーザは、プラグ40、41を圧着するために使用される同じ閉動作によってPOF光波伝導体2を容易にカットすることができる。この場合も、最終的な解析でのカットが光波伝導体に対して直角に実施され、それにより、光波伝導体がプラグと同一平面で閉じる。
【0049】
工具が完全に閉じられる直前に、作動レバー32がレバー30に押し付き、その結果、円形ナイフ29は、プラグ40と同一平面にある突出する光波伝導体2を分離する(図3h)。
【0050】
分離プロセス中に円形ナイフ29が駆動され、そのため、駆動機構が円形ナイフ29のために設けられる。
【0051】
この場合、駆動機構は、少なくとも1つの駆動クラウンギア37と、戻り止め爪38とを備える(図2b)。
【0052】
円形ナイフ29は、光波伝導体2のカットが完了されるまで、駆動クラウンギア37及び戻り止め爪38によって回転される。
【0053】
光波伝導体の切断面を最適化するように、円形ナイフ29が回転させられる(図2cも参照)。
【0054】
これは、レバーアーム30、クラウンギア、及び、戻り止め爪38の揺動動作、並びに、第2の戻り止め爪44によって行なわれる(図2d参照)。第1の戻り止め爪38は受け領域23と強固に接続され、クラウンギア37はナイフ29と強固に接続され、これらの両方は回転状態で軸上に一緒に位置される。
【0055】
ここでレバーアーム30が作動される場合には、第1の戻り止め爪38がクラウンギア位置37に押し付き、したがって、ナイフ29を回転させる。戻り止め爪44は、クラウンギア27が、したがって同様に円形ナイフ29が逆戻りするのを防止し、そのため、他の部位でのあらゆるカット中にナイフが使用されるという有利な結果を有する。
【0056】
トラクションレリーフのため、圧着鍛造ダイ22がハサミビットに事前に形成又は配置され、それにより、構成要素「プラグ40、41、ハウジング43、ケーブルトラクションレリーフスリーブ42」を有する組み立て済みのユニットを圧着鍛造ダイ22内に容易に挿入できるとともに、このダイから容易に取り出すことができる。
【0057】
図4の典型的な実施形態によれば、絶縁ステーションでの光波伝導体の案内を向上させるため、また、光波伝導体の絶縁体のより均一な切断のため、ガイドプレート61、62が剥離ナイフ16、17に隣接して配置される。これらのガイドプレート61、62は剥離作業中に互いに押し付けられる(光波伝導体2のための通路開口を形成する凹部63、64を除く)。ガイドプレート61、62は、光波伝導体の実際に光を伝導するファイバへの、任意の損傷を防止するという点において、絶縁ステップ中に切断品質を向上させる。また、ファイバを引き出すために必要とされる手動力が減少され、したがって、剥離ナイフ16、17によるファイバへの任意の損傷を防止できる。
【0058】
図5は、本発明の手動ハサミの典型的な実施形態の他の有利な細部を示している。この場合、カット中に伝導体の傾斜位置を確保するための押圧ディスク28は設けられない。その代わり、この傾斜位置はナイフ29及びガイド49によって達成される。
【0059】
この手動ハサミには、ハサミヘッドに支持されるスプリング46が設けられる。
【0060】
ここで、スプリング46は、ネジ47及びナット48を用いてハサミヘッド5に固定されるリーフスプリングであり、場合によりディスクである。スプリングはハサミヘッド5の側に配置されており、ハサミヘッド5上には、光波伝導体2の長さを調整するためのクロスカッティング機構27も配置されている。
【0061】
スプリング46は、ハサミの閉塞中にそれがプラグ40、41を当接部の方向で押圧するように形成されて配置されている。ここでは、この当接部がストッパ24によって形成される。
【0062】
このようにして、我々は、光波伝導体が正しい軸方向ポイントでクロスカットされるようにすることができる。これは、プラグ41が当接部に明確に当接され、当接部に対してプラグがスプリング46により押し付けられるからである。
【0063】
このように、スプリング46は、プラグ41のための自動位置決め補助のように作用する(図6の上図も参照)。
【0064】
また、図5は、特に円形ナイフ29のための保護カバー60も示している。
【0065】
図6によれば、改良されたクロスカッティング機構27も円形ナイフ29を有しており、このナイフは、回転可能に位置されて駆動可能であるとともに、揺動可能なレバーアーム30の端部におけるその配置により円形の円弧に沿って移動させることができるため、圧着中又は圧着後に円形ナイフを使用して依然として突出する光波伝導体2の任意の端部をカットできる。レバーアーム30は図3に示すように揺動される。ここで、円形ナイフを回転又は駆動するクラウンギア37及び戻り止め爪38が容易に見てとれる。
【0066】
円形ナイフ29は、レバーアーム30上におけるその配置により、シート24とガイド49との間の隙間領域(図7参照)又は凹部50内へと揺動させることができる。
【0067】
円形ナイフ29は、クラウンギア37上に直接に載置するとともに、回転不能な態様でクラウンギアに接続される。円形ナイフ29は、クラウンギア37と反対の側が押圧ディスク128と当接する。この押圧ディスク128は、カッティングナイフ29の直径よりも僅かに小さい(好ましくは、最大で20%小さい)だけの直径を有することが好ましい。
【0068】
ネジ33と押圧ディスク128との間には、ワッシャ34と、スプリング、この場合にはスプリングワッシャ52とが配置されるのが好ましい。スプリングは、押圧ディスク128を円形ナイフ29に押し付けるために使用される。押圧ディスク128は、カッティングナイフ29に対する接触領域として使用される軸方向カラー又は肩部53を有することが有益である。このように、カッティングナイフは、この領域で円形ナイフ29(図6の下図参照)として正確に案内され、光波伝導体2のカッティング中に滑ることができない。
【0069】
図7は実際のカットのステップを示している。
【0070】
図7は、光波伝導体を伴うプラグ41がどのようにガイド49内に載置するのかを示している。
【0071】
ガイド49は、ハサミヘッド上(好ましくは下側処理チーク9上)に配置され、また、下側処理チーク上に取り付けられ、又は成形される。カッティングナイフ29を固定されたガイド49に対して移動させることができる。
【0072】
例えば、受け領域23のストッパ24とガイド49との間には、カッティングナイフ29が落ち込むことができる凹部50が形成されるのが好ましい。
【0073】
ガイド49は、カットされるべき光波伝導体2の数に対応する数の通路穴(又は、盲孔)55、56を更に有する。
【0074】
通路開口55、56は、それらが光波伝導体2の自由端へ向かう方向でやや広くなるように形成されるのが好ましい。このように、光波伝導体2の実際のファイバは、カッティング処理中に円形ナイフ29によってやや斜め上方に押し上げられる。この僅かに傾いた位置は、光波伝導体2の制御されないスナッピングを防止する。これも、テンションの結果として僅かな曲げを容易にする。しかしながら、それでもなお、このような傾いた位置は、それにもかかわらず実際のカットが伝導体の長手方向軸に対して正確に垂直に行なわれるように寸法付けられる。
【0075】
好ましい典型的な実施形態を説明する際、以後、我々は幾つかの好ましい実施形態についても詳しく説明するが、本発明がこれらの実施形態に限定されず、請求項の文脈の範囲内で本発明を任意の所望のバリエーションで考え出すことができることに留意されたい。特に、「〜よりも上側」、「〜よりも下側」、「〜の前方」、又は、「〜の後方」などの用語は、任意の限定的な態様で解釈されるべきではなく、特に例示的な配置にのみ関連するものである。また、個々の部分が説明される際には、それらの部分は(他に示唆されていなければ)基本的に複数の構造でも考えられる。更に、その範囲は、例示的な配置又は手段及び等価な構造の機能的逆転も保護する。
【符号の説明】
【0076】
1・・・工具、2・・・光波伝導体、3,4・・・ハサミグリップ、5・・・ハサミヘッド、6,7・・・グリップカップ、8,9・・・処理チーク、11・・・ピボット軸受、12・・・トグルレバー機構、13・・・クランプチーク、14・・・プッシュストラット、15・・・ピボット軸受、16,17・・・剥離ナイフ、18,19・・・カッティング領域、20,21及び22・・・圧着鍛造ダイ、23・・・受け領域、24・・・ストッパ、25,26・・・通路開口、27・・・長さ調整機構、28・・・押圧ディスク、29・・・円形ナイフ、30・・・レバーアーム、31・・・傾斜、32・・・作動レバー、33・・・ネジ、34・・・ワッシャ、35,36・・・ガイド、37・・・クラウンギア、38・・・戻り止め爪、40,41・・・プラグ、42・・・トラクションレリーフスリーブ、43・・・プラグハウジング、44・・・第2の戻り止め爪、46・・・スプリング、47・・・ネジ、48・・・ナット、49・・・ガイド、50・・・凹部、51・・・シャフト、52・・・スプリングワッシャ、53・・・ストッパ、55,56・・・通路穴、57・・・ストッパ領域、60・・・カバー、61,62・・・ガイドプレート、63,64・・・凹部、128・・・押圧ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)プラグ(40、41)を用いた少なくとも1つの光波伝導体又は幾つかの光波伝導体(2)の圧着のための少なくとも1つ又は幾つかの圧着鍛造ダイ(40、41)、及び/又は、
b)前記光波伝導体(2)の端部の長さを調整するためのクロスカッティング機構(27)、
を有する、前記光波伝導体(2)の処理、特にパッケージングのための工具(1)において、
c)前記クロスカッティング機構(27)が、圧着が行なわれる同じ作動動作中に前記光波伝導体(2)の圧着中又は圧着後において光波伝導体の長さを調整するようになっており、及び/又は、
d)前記少なくとも1つの光波伝導体(2)が、前記クロスカッティング機構によるテンション下で伝導体長手方向軸に対して角度を成して前記プラグ(40、41)内に保持される、
ことを特徴とする、工具。
【請求項2】
ハサミビットを有する手動ハサミとして形成されるとともに、
前記光波伝導体(2)に対する前記プラグ(40、41)の圧着も行なわれる同じ手動動作によって長さ調整が行なわれるように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の工具。
【請求項3】
「光波伝導体を剥離する」、「光波伝導体にプラグを圧着する」、「光波伝導体を正しい長さにカットする」、及び、「プラグを受けるためのハウジングにトラクションレリーフを圧着する」という機能を果たすための装置が設けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の工具。
【請求項4】
手動ハサミ(5)としてのバージョンにおいては、2つの互いに相対的に移動可能なハサミグリップ(3、4)と、1つのハサミヘッド(5)とを有し、前記ハサミヘッド(5)が、2つの互いに相対的に移動できる、すなわちこの場合には揺動できる処理チーク(8、9)を更に有し、前記処理チーク(8、9)が、開位置及び閉位置へと揺動させることができるとともに、該処理チークの相互作用により前記ハサミビットを形成し、それにより、前記処理チーク(8、9)内又は前記処理チーク上に、前述した機能のうちの1つ又は幾つかを果たすための装置として形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の工具。
【請求項5】
前記処理チーク(8、9)に側方から取り付けられる2つの剥離ナイフ(16、17)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の工具。
【請求項6】
前記手動ハサミ上の工具が、前記処理チーク(8、9)の互いに対向する面に、幾つかの圧着鍛造ダイ(20、21及び22)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の工具。
【請求項7】
プラグ接続装置の前記2つのプラグ(40、41)を前記光波伝導体(2)に圧着するために2つの前記圧着鍛造ダイ(20、21)を使用することができ、第3の圧着鍛造ダイ(22)が、前記2つのプラグ(40、41)が挿入されるプラグハウジング(43)に対してトラクションレリーフスリーブ(42)を圧着するようになっていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の工具。
【請求項8】
前記処理チーク(8、9)のうちの1つには、前記プラグハウジング(40、41)を受けるための受け領域(23)が更に形成され、前記受け領域が、処理されるべき前記プラグ(40、41)及び前記光波伝導体(2)の数に対応する数の通路開口(25、26)を有するストッパ(24)を有していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の工具。
【請求項9】
前記ストッパ(24)が、前記2つのプラグ(40、41)を所定の位置にだけ挿入できるように更に輪郭付けられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の工具。
【請求項10】
前記クロスカッティング機構が、前記ストッパ(24)と反対の方向を向く前記通路開口(25、26)の側に形成されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の工具。
【請求項11】
前記クロスカッティング機構(27)が、2つの圧着鍛造ダイ(20、21)を用いて圧着中又は圧着後に前記光波伝導体の長さを調整するようになっていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の工具。
【請求項12】
前記クロスカッティング機構が、
a.押圧ディスク(28)又はガイド(49)を
b.圧着中に前記光波伝導体の長さを調整するために使用されるべきナイフ(29)の側に
含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の工具。
【請求項13】
前記ナイフが被駆動円形ナイフ(29)として形成され、前記被駆動円形ナイフ(29)が、レバーアーム(30)上に回転可能に位置されるとともに、揺動可能な前記レバーアーム(30)の端部におけるその配置に起因して移動することができ、それにより、圧着中又は圧着後に前記通路開口(25、26)から依然として突出する前記光波伝導体(2)の任意の端部をカットするために使用できることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の工具。
【請求項14】
前記光波伝導体(2)に対する前記プラグの圧着中に、レバー機構を用いる前記レバーアームを前記押圧ディスク(28)と前記ストッパ(24)との間の隙間内へ揺動させることができることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の工具。
【請求項15】
前記ハサミの閉塞中に前記プラグ(40、41)を当接部、特にシート(24)の方向に押し進めるように形成されて配置されるスプリング(46)が設けられることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の工具。
【請求項16】
前記カッティングナイフ(29)に対するコンパクト領域としての役目を果たす、少なくとも1つの軸方向カラー又は肩部(43)を有する押圧ディスク(128)が設けられることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の工具。
【請求項17】
前記カッティングナイフ(29)を前記ガイド(49)に対して移動させることができ、カッティング処理中に前記カッティングナイフ(29)が落ち込むことができる凹部(50)又はスリットが特にガイド(24)に設けられることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の工具。
【請求項18】
前記ガイド(49)が、前記光波伝導体(2)を挿入するためにカットされるべき少なくとも1つ又は幾つかの、特に前記光波伝導体(2)の数に対応する数の通路穴(55、56)又は盲孔を有することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の工具。
【請求項19】
前記通路開口(55、56)は、好ましくは、該通路開口が前記光波伝導体(2)の自由端へ向かう方向に広がるように形成され、それにより、カッティングプロセス(2)中に前記光波伝導体(2)が傾いた位置へと押し進められることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の工具。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図3h】
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【図3i】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−2825(P2011−2825A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−115323(P2010−115323)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(505422464)ワイドミュラー インターフェース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】Weidmueller Interface GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Klingenbergstrasse 16, D−32758 Detmold, Germany
【Fターム(参考)】