光源モジュール及びその製造方法、光源装置、並びに液晶表示装置
【課題】 発光ダイオードの個数が増加した場合でも、駆動電圧や駆動回路数を増加させることなく、簡易な駆動回路で発光ダイオードの寿命を低下させることなく駆動できる光源モジュール、及びその製造方法、この光源モジュールを用いた光源装置、並びにこの光源装置を用いた液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】 発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードLでは、所定数(例えば2個)の発光ダイオードが並列に接続された組Sが形成され、組Sの複数個(例えば5個)が直列に接続され、組S1〜S5のそれぞれにおいて、発光ダイオードLa1とLb1、La2とLb2、La3とLb3、La4とLb4、およびLa5とLb5は互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有するように構成する。ほぼ同じ特性を有する発光ダイオードは、発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する。
【解決手段】 発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードLでは、所定数(例えば2個)の発光ダイオードが並列に接続された組Sが形成され、組Sの複数個(例えば5個)が直列に接続され、組S1〜S5のそれぞれにおいて、発光ダイオードLa1とLb1、La2とLb2、La3とLb3、La4とLb4、およびLa5とLb5は互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有するように構成する。ほぼ同じ特性を有する発光ダイオードは、発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを備えた光源モジュール及びその製造方法、その光源モジュールを用いた光源装置、並びにその光源装置を用いた液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、青色光を発光する発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)が開発され、また、LEDの高出力化が進んだことにより、LEDを用いる光源装置が注目されている。LED光源装置は、光の出射を必要とするいかなる分野においても使用することができるが、例えば、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)用のバックライト装置や、高輝度が要求される自動車のヘッドライトやストップランプ、信号灯、屋外用大型ディスプレイなどの用途への応用が進められている。
【0003】
現在、バックライト方式のカラー液晶表示装置は、携帯電話や液晶テレビなどの電子機器の表示部として、また、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)用の表示装置などとして、広く用いられている。この液晶表示装置では、カラーフィルタを備えた透過型液晶表示パネルの背面側を、バックライト装置から出射する白色光で照射し、照射光が液晶表示パネルを透過する透過率を制御することによって、画像を表示する。バックライト装置は面光源として用いられているので、良質の画像を形成するためには、発光面上での輝度むらや色度むらが小さいことが重要である。従来、バックライト装置の光源としては、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lighting;CCFL)が用いられてきた。
【0004】
発光ダイオードを用いるLEDバックライト装置は、通常、光の三原色に対応する赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとを備え、これらから出射される三原色光の混合によって白色光を形成する。LEDバックライト装置を用いると、CCFLとは異なり、水銀を用いていないので、水銀による環境汚染を引き起こすことがない。また、LEDの発光光は色純度が高いため、色再現範囲が広くなる。また、輝度が高く、出力を容易に変更することができ、応答速度が速いので、ダイナミックレンジの広い、動画応答性の高い画像を形成することができる。また、コンパクトで、発光効率が高く、長寿命であるので、大型化や薄型化や低消費電力化に適している。
【0005】
LEDは点光源的な発光素子であるから、バックライト装置のように面光源的であることを要求される光源装置を形成するには、基板上に多数のLEDを配置し、これらから出射される光の進路を、光拡散板や反射シートなどによる多重反射や多重屈折や散乱などによってランダム化する必要がある。このような装置では、LEDが配置されている基板面が面光源における発光面に相当することになるが、この発光面とみなされる基板面(以下、簡単に発光面と呼ぶことがある。)上での輝度むらや色度むらが小さいこと、および光出射効率が高いことが、光源装置の性能として重要である。
【0006】
実際にバックライト装置の発光部を形成するには、配線基板上に複数個のLEDを配置した光源モジュールを形成し、この光源モジュールの複数個を同一平面上に配置して発光部とする場合が多い。配線基板上のLEDの形態としては、パッケージ化されたLEDを基板上に並べた形態や、従来、LED表示器などで行われているように(例えば、特開平10−294498号公報など参照。)、LEDチップを基板上に直接実装し、チップ電極と配線電極とをワイヤ配線などで接続し、LEDチップを透明樹脂で封止した形態などが考えられる。
【0007】
例えば、後述の特許文献1には、バックライト装置の光源として、側面発光型の赤色LED(R)、緑色LED(G)、および青色LED(B)を9〜17mmのピッチでアレイ状に配置した光源モジュールを使用する例が示されている。LEDの配列パターンとしては、GRBG、GRBRG、RGBGRなどの様々な反復シーケンスが示されている。これらの光源モジュールから出射された三原色光は、反射壁と反射底面と拡散器とを有する混合チャンバ内で混合され、所定の白色光として出射される。
【0008】
また、後述の特許文献2には、複数個のLEDを列状に配列させた光源モジュール(LEDユニット)をアレイ状または2次元マトリックス状に配列させてバックライト装置の発光部を形成する際に、各光源モジュールの色度特性および輝度特性を実測し、この測定結果に基づいて各光源モジュールを4つのグループに分類し、特性の近い2つのグループの光源モジュールを主モジュールおよび副モジュールとして適切に配置して用いることにより、色度むらや輝度むらの小さい発光部を形成した、バックライト装置が提案されている。特許文献2には、このようにすると、色度や輝度にばらつきのあるLEDを無駄なく利用して、効率よく所定の発光特性を有するバックライト装置を構成することができると述べられている。
【0009】
【特許文献1】特開2005−332828号公報(第6、7及び10頁、図3及び4)
【特許文献2】特開2006−133708号公報(第9及び11−17頁、図4、15、16及び18)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図11は、従来の光源モジュールの構成の一例を示す平面図(a)、および、LED間の接続を示す回路図(b)である。図11(a)に示す光源モジュール100は、配線基板111と、配線基板111の表側面(発光面)上に実装された複数のLEDチップ13〜16と、入口側接続端子119および出口側接続端子120とを有している。配線基板111の材料としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂などが用いられる。
【0011】
各LEDチップは、例えば、1個の赤色LED13と、2個の緑色LED14および15と、1個の青色LED16とが近接して配置され、LEDユニット17を形成するように構成されている。1つの光源モジュール100には、複数個のLEDユニット17が設けられる。図11に示した例では、5個のLEDユニット171〜175が、配線基板111の長手方向に所定の間隔をおいて並べられている。LEDユニット17に2個の緑色LEDが配置されているのは、1個の緑色LEDでは緑色光の輝度が不足して、所定の白色光を形成することが難しいからである。
【0012】
図11(b)の回路図に示すように、光源モジュール100内の赤色LED131〜135間は、配線基板111に形成された配線パターン(図示省略)によって直列に接続されている。緑色LED141〜145間および151〜155間、並びに青色LED161〜165間についても同様である。1つの光源モジュール100の出口側接続端子120を、隣の光源モジュール100の入口側接続端子119に接続すると、LED13〜16の各LEDは、それぞれ、異なる光源モジュールの間でも直列に接続されることになる。
【0013】
通常、直列に接続されたLED13〜16の各LEDは、それぞれ、所定の輝度で発光させるために定電流で駆動される。この場合、上記のように緑色LEDとしてLED141〜145とLED151〜155の2系列を設けた場合、駆動回路も2つ必要になり、製造コストが上昇する。
【0014】
駆動回路を1つに抑えるには、図12(a)に示すように、緑色LED14と緑色LED15とを直列に接続する方法が考えられる。しかし、LEDを直列に接続すると、駆動電圧が増加する問題が生じる。
【0015】
駆動回路を1つに抑える別の方法として、図12(b)に示すように、それぞれ直列に接続された緑色LED141〜145の系列と、緑色LED151〜155の系列とを並列に接続する方法が考えられる。この場合には、従来と同じ駆動電圧で駆動できる。しかし、各系列を構成するLEDの電流−電圧特性にはばらつきが存在し、2つの系列間で系列全体としての電流−電圧特性にも相違があるため、同じ駆動電圧が印加されると、2つの系列を流れる駆動電流にアンバランスが生じ、一方の系列に過度の電流集中が起き、発光ダイオードの寿命が短くなることがある。従って、2系列を並列に接続するには、系列間で電流をバランスさせる何らかの手段が必要になり、駆動回路が複雑化する。
【0016】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、用いる発光ダイオードの個数が増加した場合でも、駆動電圧や駆動回路数を増加させることなく、簡易な駆動回路で発光ダイオードの寿命を低下させることなく駆動できる光源モジュール、及びその製造方法、この光源モジュールを用いた光源装置、並びにこの光源装置を用いた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
即ち、本発明は、一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードでは、
所定数の発光ダイオードが並列に接続された発光ダイオードの組が形成され、
前記発光ダイオードの組の複数個が直列に接続されており、
前記発光ダイオードの組のそれぞれにおいて、前記所定数の発光ダイオードが互いに ほぼ同じ電流−電圧特性を有する
ことを特徴とする、第1の光源モジュールに係わり、また、一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードでは、
複数個の発光ダイオードが直列に接続された発光ダイオードの系列が所定数形成され 、各系列には同数の発光ダイオードが含まれ、系列同士は並列に接続されており、
これらの系列を構成する発光ダイオードは、前記所定数の発光ダイオードからなる群 が前記複数個できるように分類した場合に、前記群のそれぞれを、互いにほぼ同じ電流 −電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群とすることができるように、選ばれてお り、
前記発光ダイオードの各系列は、前記複数個の前記同等発光ダイオード群のそれぞれ から1個ずつ選択された前記複数個の発光ダイオードによって形成され、系列全体の電 流−電圧特性が各系列間でほぼ同じになるように構成されている
ことを特徴とする、第2の光源モジュールに係わるものである。
【0018】
また、本発明は、一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールの製造方法において、少なくとも一種の発光ダイオードを実装するに際して、
互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する所定数の発光ダイオードを、これらの発光ダ イオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する工程と、
前記選別された発光ダイオードを並列に接続して、発光ダイオードの組を形成する工 程と、
前記の2つの工程を複数回行うことによって形成した複数個の前記発光ダイオードの 組を、直列に接続する工程と
を行うことを特徴とする、第1の光源モジュールの製造方法に係わり、また、一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールの製造方法において、少なくとも一種の発光ダイオードを実装するに際して、
発光ダイオードからなる群を複数個選別する際に、前記群のそれぞれが、互いにほぼ 同じ電流−電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群となるように、これらの発光ダ イオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する工程と、
前記複数個の前記同等発光ダイオード群のそれぞれから1個ずつ選択した前記複数個 の発光ダイオードを直列に接続して、発光ダイオードの系列を形成する工程と、
前記の2つの工程を所定回数行うことによって形成した所定数の前記発光ダイオード の系列を、並列に接続する工程と
を行うことを特徴とする、第2の光源モジュールの製造方法に係わるものである。
【0019】
また、本発明の光源モジュールの1個以上が配置された発光部と、この発光部に電流を供給する電源部とを有する、光源装置に係わり、また、本発明の、バックライト装置として構成された光源装置と、この光源装置からの出射光の透過率を制御することによって画像を表示する液晶パネルとを備えた、液晶表示装置に係わるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の光源モジュールでは、実装されている発光ダイオードのうち、
少なくとも一種の発光ダイオードで、所定数の発光ダイオードが並列に接続された発 光ダイオードの組が形成され、前記発光ダイオードの組の複数個が直列に接続されてい る。
このため、前記少なくとも一種の発光ダイオードに関して、駆動回路を1つに抑えることができる。従って、図11に示した従来例のように、複数個の前記発光ダイオードが直列に接続された回路を前記所定数形成し、駆動回路を前記所定数設ける従来構成に比べて、駆動回路に要するコストを削減できる利点がある。しかも、図12(a)に示した構成と異なり、直列に接続されている発光ダイオードの個数(直列段数)は、上記従来構成と同じ前記複数個であるから、駆動電圧は上記従来構成と同じでよい。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を、上記従来構成に比べて前記所定数倍に増加させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を前記所定数倍に増加させることができる。
【0021】
図12(b)を用いて説明したように、並列接続を併用する場合には、並列に接続される回路間に電流−電圧特性の相違があると、これらの回路を流れる駆動電流にアンバランスが生じる。このため、発光ダイオードの寿命が短くなり、それを防止するためには駆動回路が複雑化する問題があった。これに対し、本発明の第1の光源モジュールでは、
並列に接続された前記発光ダイオードの組のそれぞれにおいて、発光ダイオードが互 いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する
ように構成されている。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている前記発光ダイオードを流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0022】
また、図11及び図12に示した、単線的に複数個の発光ダイオードが直列に接続された回路では、複数個のうちの1個が故障で断線すると、回路に電流が流れなくなり、すべての発光ダイオードの発光が停止する問題がある。この問題は、直列接続される発光ダイオードの個数が増加するほど重大になる。これに対し、本発明の第1の光源モジュールでは、発光ダイオード間の接続が各組で並列接続によって複線化されているので、どの発光ダイオードが故障で断線しても、そのダイオードに対して並列に接続されている発光ダイオードを通じて回路に電流が流れ続けるので、他の発光ダイオードの発光が停止することがない特徴がある。特に定電流回路で駆動されている場合には、故障したダイオードの断線による電流の減少分は、この発光ダイオードに並列に接続されている発光ダイオードを流れる電流の増加によって補われるので、光源モジュール全体としては所定の大きさの駆動電流が維持される。この結果、故障した発光ダイオードの組において必要な発光光量が維持され、しかも、光源モジュール全体では発光光量がほとんど変化しない利点がある。
【0023】
なお、本明細書でいう「ほぼ同じ電流−電圧特性を有する」の「ほぼ同じ」とは、発光ダイオードを並列に接続し、同じ電圧で駆動しても、「これらの発光ダイオードを流れる駆動電流に、発光ダイオードの寿命を低下させるほどのアンバランスが生じることがない」という意味である。本発明の第1の光源モジュールでは、並列に接続された前記発光ダイオードの組の1つにおける電流−電圧特性の相違が別の組のバランスに影響を与えることがないので、前記発光ダイオードの組において比較的大きな電流−電圧特性の相違が許される利点もある。
【0024】
本発明の第2の光源モジュールでは、実装されている発光ダイオードのうち、
少なくとも一種の発光ダイオードでは、複数個の発光ダイオードが直列に接続された 発光ダイオードの系列が所定数形成され、各系列には同数の発光ダイオードが含まれ、 系列同士は並列に接続されている。
このため、前記少なくとも一種の発光ダイオードに関して、本発明の第1の光源モジュールと同様、駆動回路を1つに抑えることができ、前記複数個の前記発光ダイオードが直列に接続された回路を前記所定数形成し、駆動回路を前記所定数設ける従来構成に比べて、駆動回路に要するコストを削減できる利点がある。しかも、駆動電圧が増加することがない。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を、上記従来構成に比べて前記所定数倍に増加させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を前記所定数倍に増加させることができる。
【0025】
上記の構成は、回路的には、図12(b)を用いて説明した直列接続と並列接続とを併用する従来の構成と同じである。しかしながら、本発明の第2の光源モジュールでは、
これらの系列を構成する発光ダイオードは、前記所定数の発光ダイオードからなる群 が前記複数個できるように分類した場合に、前記群のそれぞれを、互いにほぼ同じ電流 −電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群とすることができるように、選ばれてお り、
前記発光ダイオードの各系列は、前記複数個の前記等価発光ダイオード群のそれぞれ から1個ずつ選択された前記複数個の発光ダイオードによって形成されている。
この結果、前記の系列の1つに含まれる任意の発光ダイオードに対して、必ず、それとほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等発光ダイオードが別の系列にも含まれるので、前記発光ダイオードの系列は、系列全体の電流−電圧特性が各系列間でほぼ同じになる。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている各系列を流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、図12(b)を用いて説明した従来例と異なり、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0026】
本発明の第2の光源モジュールでは、本発明の第1の光源モジュールに比べて、発光ダイオード間の配線パターンが単純である利点がある。
【0027】
本発明の第1の光源モジュールの製造方法は、本発明の第1の光源モジュールを製造する製造方法であり、第2の光源モジュールの製造方法は、本発明の第2の光源モジュールを製造する製造方法である。それぞれ、対応する光源モジュールを製造するに必要十分な工程を備えているので、確実に対応する光源モジュールを製造することができる。
【0028】
本発明の第1の光源モジュール及び第2の光源モジュールを製造する際の主要な課題は、前記互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードをいかにして用意するかということである。最も確実な方法は個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を実測することであるが、バックライト装置のように、対象とする発光ダイオードの個数が非常に多くなると、実測する作業量は膨大になり、コスト増加の原因になるので、実際上、実測することは困難になる。
【0029】
そこで本発明の第1及び第2の製造方法では、個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて推定する方法を採用する。この方法は、発光ダイオードを製造する半導体装置は繰り返し用いられるものであり、個々の装置ごとに、その装置によって過去に製造された発光ダイオードの実測データが、多量に蓄積されているという事実に基づいている。1回のロットで製造される発光ダイオードの特性は、製造条件によって変化するばかりでなく、ウエーハ上の位置によっても変化するので、これらの実測データは、製造条件ばかりでなく、ウエーハ上の位置情報とも結びつけられて蓄積されている。
【0030】
このため、ある製造ロットで製造された目的の発光ダイオードの電流−電圧特性を推定するには、そのロットの製造条件に最も近い製造条件で製造された過去の製造ロットの発光ダイオードに関する実測データを参照し、その発光ダイオードのウエーハ上の位置と同じ位置を、その過去の製造ロットで占めていた発光ダイオードに関する実測値を借用すればよい。必要なら、目的の発光ダイオードと同じ製造ロットで製造されたいくつかの発光ダイオードの電流−電圧特性をサンプル的に実測し、過去のデータと照合したり、過去のデータとのずれを補正することもできる。この方法によれば、簡易に、しかも実用的に十分な確かさで発光ダイオードの特性を推定することができ、能率よく、低コストで、本発明の第1の光源モジュール及び第2の光源モジュールを製造することができる。
【0031】
本発明の光源装置は、本発明の第1及び/又は第2の光源モジュールによって構成された前記発光部を有する光源装置であるから、前記第1及び/又は第2の光源モジュールに関して述べたと同様の特徴を有する。また、本発明の液晶表示装置は、本発明の光源装置をバックライト装置として備えているので、前記第1及び/又は第2の光源モジュールに関して述べたと同様の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の第1及び第2の光源モジュールにおいて、発光色が異なる二種以上の発光ダイオードが実装され、これらの発光ダイオードの発光光の混合によって所定の色度の光を発生するように構成されているのがよい。
【0033】
本発明の第1の光源モジュールにおいて、近接して配置された赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードの三種の発光ダイオードによって、白色光を発生する発光ダイオードユニットが形成され、複数個の前記発光ダイオードユニットが配置されている光源モジュールであって、前記三種の発光ダイオードのうちの少なくとも一種の発光ダイオードでは、
ほぼ同じ電流−電圧特性を有する前記所定数の発光ダイオードが同一発光ダイオード ユニットに配置され、これらの発光ダイオードが並列に接続され、前記発光ダイオード の組が形成されている
のがよい。この際、前記同一発光ダイオードユニットに前記所定数配置される前記発光ダイオードの組が前記緑色発光ダイオードからなるのがよい。これは、通常、赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードとを1個ずつ配置した場合、白色光を発生させるには、緑色発光ダイオードの輝度が不足するからである。
【0034】
同様に、本発明の第2の光源モジュールにおいて、近接して配置された赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードの三種の発光ダイオードによって、白色光を発生する発光ダイオードユニットが形成され、複数個の前記発光ダイオードユニットが配置されている光源モジュールであって、前記三種の発光ダイオードのうちの少なくとも一種の発光ダイオードでは、
ほぼ同じ電流−電圧特性を有する前記所定数の発光ダイオードが同一発光ダイオード ユニットに配置され、これらの発光ダイオードがそれぞれ前記発光ダイオードユニット 間で直列に接続され、前記発光ダイオードの系列が形成されている
のがよい。この際、上述した理由から、前記同一発光ダイオードユニットに前記所定数配置される前記発光ダイオードの組が前記緑色発光ダイオードからなるのがよい。
【0035】
本発明の第1及び第2の光源モジュールの製造方法において、前記互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードとして、前記ウエーハ上で近接若しくは隣接した位置にある発光ダイオードを選択するのがよい。これは、現在の半導体製造装置及び製造方法では、前記ウエーハ上で近接若しくは隣接した位置に、類似した電流−電圧特性を有する発光ダイオードが形成される傾向があるからである。
【0036】
また、前記ウエーハ上の位置情報を保持した状態で、前記発光ダイオードを実装手段に供給するのがよい。例えば、ダイシングフィルムを貼り付けた状態で前記ウエーハを切断して発光ダイオードを個片化した後、前記ダイシングフィルムに貼り付けたままの状態で前記発光ダイオードを前記実装手段に供給するのがよい。
【0037】
本発明の光源装置において、前記発光ダイオードが同一平面上又は滑らかな曲面上に位置するように、前記光源モジュールの複数個が配置されているのがよい。このようにすると、光源モジュール自身が光の進路を妨害する障害物となり、光の遮蔽や反射によって輝度むらや色度むらが発生する原因となることを、防止することができる。
【0038】
例えば、前記複数個の光源モジュールが、前記発光ダイオードが前記同一平面上に位置するようにアレイ状又はマトリックス状に配置され、前記光源モジュールの光出射側に光拡散手段が配置され、面光源的に用いられるバックライト装置として構成されているのがよい。
【0039】
また、前記複数個の光源モジュールのうち、輝度が低い光源モジュールが前記発光部の端部に配置されているのがよい。これは、人間の視覚では、端部の輝度が中央部の輝度に比べて低くなっている方が自然であるように感じられるからである。
【0040】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に、より具体的に説明する。
【0041】
実施の形態1
実施の形態1では、主として、請求項1に記載した第1の光源モジュール、および請求項9に記載した第1の光源モジュールの製造方法の例について説明する。
【0042】
図1は、実施の形態1に基づく光源モジュールにおける発光ダイオード間の接続を示す回路図である。この光源モジュールでは一種の発光ダイオードLのみが実装されている。図1(a)は、前記所定数が2で、前記複数個が5個である場合を示しており、2個の発光ダイオードが並列に接続された組Sが5個形成され、これらが直列に接続されている。
【0043】
この光源モジュールは10個の発光ダイオードによって構成されているが、図11に示した従来例のように、5個の発光ダイオードが直列に接続された回路を2回路形成し、2つの駆動回路で別々に駆動する従来構成に比べて、駆動回路を1つに抑えることができ、駆動回路に要するコストを削減できる。しかも、図12(a)に示した10個の発光ダイオードが直列に接続される構成と異なり、直列に接続されている発光ダイオードの個数(直列段数)は5個のままであるから、駆動電圧は5個の発光ダイオードを駆動できる大きさであればよい。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から10個に倍増させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を倍増させることができる。
【0044】
この光源モジュールでは、組S1〜S5のそれぞれにおいて、2個の発光ダイオードLa1とLb1、La2とLb2、La3とLb3、La4とLb4、およびLa5とLb5とは互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有している。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている発光ダイオードLanとLbn(n=1〜5)を流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0045】
しかも、この光源モジュールでは、発光ダイオード間の接続が各組S1〜S5で並列接続によって複線化されているので、どの発光ダイオードが故障で断線しても、この発光ダイオードに並列に接続されている発光ダイオードを通じて電流が流れ続け、他の発光ダイオードの発光が停止することがない。例えば、発光ダイオードLa1が故障で断線しても、発光ダイオードLb1を通じて電流が流れ続けるため、他の発光ダイオードLanおよびLbn(n=2〜5)の発光が停止することがない。特に定電流回路で駆動されている場合には、La1の断線による電流の減少分は、Lb1を流れる電流が2倍に増加して補われるので、光源モジュール全体としては所定の大きさの駆動電流が維持される。この結果、故障した発光ダイオードの組S1においても必要な発光光量が維持され、しかも、光源モジュール全体では発光光量がほとんど変化しないという利点がある。
【0046】
また、発光ダイオードの組S1〜S5の1つにおける電流−電圧特性の相違が別の組に影響を与えることがない。例えば、発光ダイオードLa1とLb1との電流−電圧特性の相違は両者を流れる電流のアンバランスの原因にはなるが、これが別の組のアンバランスの原因になることはない。従って、各組の発光ダイオードLanとLbn(n=1〜5)において比較的大きな電流−電圧特性の相違が許される利点もある。
【0047】
図1(b)は、前記所定数が3で、前記複数個が5個である場合を示している。この場合、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から15個に3倍に増加させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を3倍に増加させることができる。この倍率は、図1(a)の場合の2倍より大きい。また、例えば、発光ダイオードLa1が故障で断線すると、La1に並列に接続されている発光ダイオードLb1およびLc1を通じて電流が流れる。この際、定電流回路で駆動されている場合には、La1の断線による電流の減少分は、並列に接続されているLb1およびLc1を流れる電流によって補われるので、Lb1およびLc1を流れる電流は1.5倍になる。この増加倍率は、図1(a)の場合の2倍より小さく抑えられている。並列に接続される発光ダイオードの個数(前記所定数)を増加させれば上記のような利点が得られるが、並列に接続される発光ダイオードの選別は難しくなる。他の要点は、図1(a)に示した光源モジュールの場合と同じであるので、重複を避け、ここでの記述は省略する。
【0048】
実施の形態1に基づく光源モジュールの製造方法は、下記の通りである。
【0049】
例えば、図1(a)に示した光源モジュールを製造するには、発光ダイオードLを実装するに際して、まず、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する2個の発光ダイオード、例えばLa1とLb1とを、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する。
【0050】
次に、選別された発光ダイオードを並列に接続して、発光ダイオードの組、例えばS1を形成する。
【0051】
次に、前記の2つの工程を5回行うことによって形成した5個の発光ダイオードの組S1〜S5を、直列に接続して、作製を終了する。
【0052】
上記光源モジュールを製造する際の主要な課題は、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードをいかにして用意するかということである。既述したように、最も確実な方法は個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を実測することであるが、対象とする発光ダイオードの個数が非常に多くなると、実測する作業量は膨大になり、コスト増加の原因になるので、実際上、実測することは困難になる。そこで本実施の形態では、個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて推定する方法を採用する。
【0053】
図2は、1回のロットで製造された多数の緑色発光ダイオードの中に、特定のVf値を有する発光ダイオードが出現する頻度分布を示す棒グラフの一例である。Vfとは、所定の駆動電流を得るために発光ダイオードに印加することが必要な駆動電圧のことである。図2によれば、緑色発光ダイオードにおけるVf値のばらつきの程度や、どのようなVf値を有する発光ダイオードが製造されやすいのかといった情報を得ることができる。
【0054】
図3は、1回のロットで製造された緑色発光ダイオードのウエーハ上の位置とVf値との関係を示す平面図である。図3は、ウエーハの約1/4を示し、小さな長方形が1個の緑色発光ダイオードに対応する。図3では、各緑色発光ダイオードのVf値を長方形に濃淡を付して示している。図3によれば、緑色発光ダイオードのVf値が、その緑色発光ダイオードがウエーハ上で占めていた位置に密接に関係し、中心部からゆがんだ同心円を形成するように分布して、Vf値が少しずつ異なる緑色発光ダイオードが形成されることがわかる。
【0055】
このような分布パターンは、発光ダイオードを製造する個々の半導体装置によっても変化するものであるが、既述したように、個々の装置ごとに、その装置によって過去に製造された発光ダイオードの実測データが、製造条件ばかりでなく、ウエーハ上の位置情報に結びつけられて蓄積されている。従って、あるロットで製造されたある発光ダイオードの特性を推定するには、そのロットの製造条件に最も近い製造条件で製造された過去のロットの発光ダイオードに関する実測データを参照し、その発光ダイオードのウエーハ上の位置と同じ位置をその過去のロットで占めていた発光ダイオードに関する実測値を借用すればよい。
【0056】
また、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードを比較的少数個選別するだけであれば、ウエーハ上で近接若しくは隣接した位置、望ましくは上記ゆがんだ同心円の周方向において近接若しくは隣接した位置にある発光ダイオードを選択するのがよい。
【0057】
このようにして選別された発光ダイオードは、ウエーハ上の位置情報を保持した状態で、マウンタなどの実装手段に供給するのがよい。例えば、ダイシングフィルムを貼り付けた状態でウエーハを切断して発光ダイオードを個片化した後、ダイシングフィルムに貼り付けたままの状態で発光ダイオードをマウンタなどに供給するのがよい。
【0058】
この方法によれば、簡易に、しかも実用的に十分な確かさで、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードを選別することができ、能率よく、低コストで、本実施の形態の光源モジュールを製造することができる。
【0059】
本実施の形態に基づく光源モジュールは、発光ダイオードの一部が断線した場合の不点灯を防止できる故障回避性能から、信号灯など、高い信頼性が求められる光源として特に有用である。
【0060】
実施の形態2
実施の形態2では、主として、請求項5に記載した第2の光源モジュール、および請求項10に記載した第2の光源モジュールの製造方法の例について説明する。
【0061】
図4は、実施の形態2に基づく光源モジュールにおける発光ダイオード間の接続を示す回路図である。この光源モジュールでは一種の発光ダイオードLのみが実装されている。図4(a)の例は、前記所定数が2で、前記複数個が5個である場合を示しており、5個の発光ダイオードが直列に接続された発光ダイオードの系列が2系列形成され、系列同士は並列に接続されている。
【0062】
この光源モジュールは10個の発光ダイオードによって構成されているが、図11に示した従来例のように、5個の発光ダイオードが直列に接続された回路を2回路形成し、2つの駆動回路で別々に駆動する従来構成に比べて、駆動回路を1つに抑えることができ、駆動回路に要するコストを削減できる。しかも、図12(a)に示した10個の発光ダイオードが直列に接続される構成と異なり、直列に接続されている発光ダイオードの個数(直列段数)は5個のままであるから、駆動電圧は5個の発光ダイオードを駆動できる大きさであればよい。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から10個に倍増させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を倍増させることができる。
【0063】
これらの系列を構成する発光ダイオードは、2個の発光ダイオードからなる群が5個できるように分類した場合に、5個の群のそれぞれを、2個の互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群とすることができるように選ばれている。具体的には、La1とLb1、La2とLb2、La3とLb3、La4とLb4、およびLa5とLb5とが、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有している同等発光ダイオードである。そして、発光ダイオードの各系列は、5個の同等発光ダイオード群のそれぞれから1個ずつ選択された5個の発光ダイオードによって形成される。その一例が、図4(a)に示した、一方の系列がLa1〜La5で形成され、もう一方の系列がLb1〜Lb5で形成される組み合わせである(なお、LaとLbの区別は説明のための便宜的なもので、実際には2個の同等な発光ダイオードがあるにすぎない。また、直列接続における接続順は任意でよく、順不動である。)
【0064】
この結果、一方の系列に含まれる任意の発光ダイオードLan(n=1〜5)に対して、もう一方の系列にも、それとほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等発光ダイオードLbn(n=1〜5)が必ず含まれ、2つの系列は、系列全体の電流−電圧特性が互いにほぼ同じになる。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている2つの系列を流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、図12(b)を用いて説明した従来例と異なり、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0065】
図4(b)は、前記所定数が3で、前記複数個が5個であり、5個の発光ダイオードが直列に接続された発光ダイオードの系列が3系列形成されている例を示している。この場合、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から15個に3倍に増加させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を3倍に増加させることができる。この倍率は、図4(a)の場合の2倍より大きい。他の要点は、図4(a)に示した光源モジュールの場合と同じであるので、重複を避け、ここでの記述は省略する。
【0066】
実施の形態2に基づく光源モジュールの製造方法は、下記の通りである。
【0067】
例えば、図4(a)に示した光源モジュールを製造するには、発光ダイオードLを実装するに際して、まず、2個の発光ダイオードからなる群を5個選別する。この際、群のそれぞれが、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群、すなわち、La1とLb1、La2とLb2、La3とLb3、La4とLb4、およびLa5とLb5となるように、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する。
【0068】
次に、5個の上記同等発光ダイオード群のそれぞれから1個ずつ選択した5個の発光ダイオード、例えばLa1〜La5を直列に接続して、発光ダイオードの系列を形成する。
【0069】
次に、前記の2つの工程を2回数行うことによって形成した2つの発光ダイオードの系列La1〜La5とLb1〜Lb5とを、並列に接続して、作製を終了する。
【0070】
上記光源モジュールを製造する際の主要な課題は、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードをいかにして用意するかということである。本実施の形態では、個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて推定する方法を採用するが、これは実施の形態1で説明した方法と同じであるので、重複を避け、ここでの記述は省略する。
【0071】
実施の形態2の電源モジュールでは、実施の形態1の電源モジュールに比べて、発光ダイオード間の配線パターンが単純である利点がある。
【0072】
一方、ほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等発光ダイオードを選択する際には、実施の形態1の電源モジュールと異なる設計基準が必要になる。既述したように、実施の形態1の電源モジュールでは、個々の組に含まれる発光ダイオード間の電流−電圧特性の相違が小さいことのみが重要であり、これが別の組の電流バランスに影響を与えることはない。それに対して、実施の形態2の電源モジュールでは、系列間の電流−電圧特性の相違が小さいことのみが重要である。発光ダイオードが直列に接続されている系列全体の電流−電圧特性は、系列を構成する発光ダイオードの電流−電圧特性を総合したものになるが、上記の制限の範囲内であれば、個々の組に含まれる発光ダイオード間の電流−電圧特性の相違が実施の形態1の場合の相違よりも大きくてもよい場合もあり得る。
【0073】
例えば、図4(a)に示した電源モジュールの場合、一方の系列に含まれる発光ダイオードLan(n=1〜5)の電流−電圧特性と、もう一方の系列に含まれる発光ダイオードLbn(n=1〜5)の電流−電圧特性との、相違が加算される最悪ケースを考えると、LanとLbn(n=1〜5)に許される電流−電圧特性の相違は、実施の形態1の場合よりも小さくなる。しかし、Lan(n=1〜5)の電流−電圧特性と、Lbn(n=1〜5)の電流−電圧特性との相違が相殺されるケースもあり得ること、および、系列全体の電流−電圧特性さえ相違が小さければ、個々の組LanとLbn(n=1〜5)を厳密にバランスさせる必要がないことを考えると、LanとLbn(n=1〜5)に許される電流−電圧特性の相違は、実施の形態1の場合よりも大きくなる場合もあり得る。
【0074】
また、上記の系列を多数形成し、それらの中から電流−電圧特性が特によく揃ったもの同士を選別して組み合わせ、上記電源モジュールを作製してもよい。
【0075】
実施の形態3
実施の形態3では、主として、本発明の請求項3または請求項7に記載した光源モジュールを用いた光源装置をバックライト装置として用いたカラー液晶表示装置について説明する。
【0076】
図5は、液晶表示装置9の構成を示す分解斜視図(a)、および、そのバックライト装置1を縦方向に切断した断面図(b)である。液晶表示装置9は、フロントシャーシ8、液晶パネル7、光学フィルム積層体6、バックライト装置1などで構成されている。
【0077】
液晶パネル7は、その外周縁部を、フロントシャーシ8と(図示省略した)ミドルフレームとの間にスペーサやガイド部材などを介して保持される。詳細は省略するが、液晶パネル7は、第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に液晶を封入し、この液晶に対して電圧を印加して液晶分子の向きを変えることで光透過率を変化させる。第1ガラス基板の内面には、ストライプ状の透明電極と、絶縁膜と、配向膜とが形成されており、第2ガラス基板の内面には、赤(R)、緑(G)、および青(B)の三原色のカラーフィルタと、オーバーコート層と、ストライプ状の透明電極と、配向膜とが形成されている。配向膜は、例えばポリイミドからなり、液晶分子に接するように設けられている。また、両ガラス基板の表面には、偏向フィルム及び位相差フィルムがそれぞれ接合されている。位相差フィルムは、液晶パネル7の波長分散特性を相殺し、無彩色の背景表示を実現するためのものである。なお、液晶パネル7はこのような構成に限定されるものではなく、従来から存在する種々の構成を備える液晶パネルを適用することができる。
【0078】
光学フィルム積層体6は、詳細は省略するが、例えば、バックライト装置1から出射された光を直交する偏向成分に分解するための偏向変換フィルムや、光波の位相差を補償して広角視野角化や着色防止を図るための光学補正フィルム、表示光を拡散させて輝度の均一化を図るための拡散フィルムやプリズムフィルムなどの所定の光学機能を奏する複数の光学機能フィルムが積層されて構成される。
【0079】
バックライト装置1は、断面がコの字形の浅い容器の形状をもつ筐体2に、発光部3、反射シート4、および光拡散板などの光拡散手段5が収容されるように形成されている。筐体2は、例えばアルミニウムなどの金属からなり、放熱部材を兼ねている。発光部3は、支持体3aと多数の光源モジュール10などからなる。発光部3および反射シート4と、光拡散手段5とによって挟まれた空間が、発光ダイオードから出射された光の進路を多重反射や多重屈折や散乱によってランダム化する空間として機能し、また、三原色光を混合して所定の白色光を形成する混合チャンバとして機能する。
【0080】
反射シート4は、発光ダイオードが実装されている配線基板の表側面に接して設けられ、発光ダイオードを露出させる開口部を有しているのがよく、入射光の多くを反射するが、一部は透過する性質をもつものであるのがよい。また、光拡散手段5は、入射光の半分程度は透過させるが、半分程度を反射するものがよい。このようにしておけば、発光ダイオードから出射された光のうち、上記表側面に沿う方向に出射された光は反射シート4に入射し、多くは様々な方向へ反射されるが、一部は多重屈折や散乱によって進路を様々に変えながら反射シート4中を透過する。このため、光が均等に拡散されるとともに、反射シート4による影ができることがない。一方、上記表側面から離れる方向に出射された光は、光拡散手段5に入射し、半分ほどは光拡散手段5中を透過する間に多重屈折や散乱によって進路を様々に変更され、均等に拡散されて外部へ出射されるが、半分ほどは反射シート4側へ反射される。この反射光は、光拡散手段5と反射シート4との間での多重反射などによって更に均等に拡散された後、外部へ出射される。以上の結果、このバックライト装置1は、上記表側面を発光面とし、均一な輝度を有する面光源のように機能する。また、発光ダイオードから出射された三原色光は混合され、均一な色度を有する白色光として光学フィルム積層体6へ出射される。
【0081】
図6は、バックライト装置1の発光部3の構成を示す概略説明図である。図6(a)は、バックライト装置1の正面図であり、反射シート4や光拡散板5は図示省略している。図6(b)は、発光部3の構成を説明する平面図であり、放熱板を兼ねる支持体3aの上に、複数個の光源モジュール10がアレイ状またはマトリックス状に配置され、平面状の発光面が形成されている。支持体3aは、例えばアルミニウムなどの金属板などからなる。なお、図6(b)では、光源モジュール10が6行3列で配置されている例を示したが、これは一例にすぎず、図6(a)は、もっと多数の光源モジュール10が配置されている例を示している。
【0082】
図7(a)は、光源モジュール10の構成を示す平面図である。光源モジュール10は、配線基板11と、配線基板11の表側面上に実装された複数の発光ダイオード(LED)チップ13〜16と、入口側接続端子19および出口側接続端子20とを有している。配線基板11の材料としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂などが用いられる。
【0083】
図7(a)に示すように、各LEDチップは、例えば、1個の赤色LED13と、2個の緑色LED14および15と、1個の青色LED16とが近接して配置され、三原色光の混合によって白色光を発生するLEDユニット17を形成するように構成されている。1つの光源モジュール10には、複数個のLEDユニット17が設けられる。図7(a)に示した例では、5個のLEDユニット17が配線基板11の長手方向に所定間隔をおいて並べられている。LEDユニット17に2個の緑色LEDが配置されているのは、1個の緑色LEDでは緑色光の輝度が不足して、所定の白色光を形成することが難しいからである。
【0084】
複数個の光源モジュール10を用いて擬似面光源として形成された光源装置では、LEDチップ13〜16から出射された光の進路は、光拡散手段5や反射シート4などによる多重反射や多重屈折や散乱によってランダム化されるため、LEDチップ13〜16が実装されている配線基板11の表側面が、面光源における発光面に相当することになる。
【0085】
バックライト装置1では、表側面が同一平面上に位置するように、光源モジュール11が配置されている。より一般的には、複数個の光源モジュール10を用いて光源装置を形成する場合に、表側面が同一平面上又は滑らかな曲面上に位置するように、光源モジュール10を配置するのがよい。このようにすると、光源モジュール10自身が光の進路を妨害する障害物となり、光の遮蔽や反射によって輝度むらや色度むらが発生する原因となることを、防止することができる。
【0086】
図7(b)は、光源モジュール10におけるLED間の接続を示す回路図である。光源モジュール10内の赤色LED131〜135間、並びに青色LED161〜165間は、従来と同様、それぞれ、配線基板11に形成された配線パターン(図示省略)によって直列に接続されており、所定の輝度で発光させるために、例えば定電流で駆動される。
【0087】
さて、本実施の形態の特徴として、緑色LED141〜145および151〜155に対し、実施の形態1で図1(a)を用いて説明した発光ダイオードの選別と発光ダイオード間の接続とが適用されている。図7(b)に示すように、光源モジュール10では、2個の発光ダイオードが並列に接続された組が5個形成され、これらが直列に接続されている。この際、並列に接続される2個の発光ダイオード141と151、142と152、143と153、144と154、および145と155とは互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有している。しかも、請求項3に対応して、これら2個で1組の発光ダイオード14nと15n(n=1〜5)は、同一発光ダイオードユニット171〜175に配置される。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている発光ダイオードの各組14nと15n(n=1〜5)において、それぞれの発光ダイオードを流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0088】
また、光源モジュール10には10個の緑色発光ダイオードが含まれるが、図11に示した従来例のように、5個の発光ダイオードが直列に接続された回路を2回路形成し、2つの駆動回路で別々に駆動する従来構成に比べて、駆動回路を1つに抑えることができ、駆動回路に要するコストを削減できる。しかも、図12(a)に示した10個の発光ダイオードが直列に接続される構成と異なり、直列に接続されている発光ダイオードの個数(直列段数)は5個のままであるから、駆動電圧は5個の発光ダイオードを駆動できる大きさであればよい。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から10個に倍増させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を倍増させることができる。
【0089】
しかも、この光源モジュール10では、発光ダイオード間の接続が各組で並列接続によって複線化されているので、どの発光ダイオードが故障で断線しても、そのダイオードに並列に接続されている発光ダイオードを通じて回路に電流が流れ続けるので、他の発光ダイオードの発光が停止することがない。特に定電流回路で駆動されている場合には、例えば、141の断線による電流の減少分は、151を流れる電流が2倍に増加して補われるので、光源モジュール10全体としては所定の大きさの駆動電流が維持される。この結果、故障した発光ダイオードの組において必要な発光光量が維持され、しかも、光源モジュール10全体では発光光量がほとんど変化せず、バックライト装置としての性能を維持できる。しかも、発光ダイオード141と151とは同じ発光ダイオードユニット171に含まれているので、1個の発光ダイオードユニット17内での三原色光の輝度バランスも維持され、良好な白色光の形成が維持される。
【0090】
また、各発光ダイオードの組の一つにおける電流−電圧特性の相違が別の組に影響を与えることがない。従って、各組の発光ダイオード14nと15n(n=1〜5)において比較的大きな電流−電圧特性の相違が許される利点もある。
【0091】
なお、上記の例では1つのダイオードユニットに緑色LEDを2個配置する例を示したが、一般的には、所望の色度に応じて、1つのダイオードユニットに赤色LED、緑色LED、および青色LEDのいずれをも、複数個配置することができる。そして、複数個配置された種の発光ダイオードに対し、本発明に基づく発光ダイオードの選別と発光ダイオード間の接続を適用することができる。
【0092】
図8は、光源モジュール10で用いられるLEDチップの実装方法を説明する断面図である。赤色LED13は、図8(a)に示す構造を有し、陽極31は配線パターン12のランド部12aに直付けされ、陰極36はランド部12aにワイヤ配線37で接続される。緑色LED14、15および青色LED16は、図8(b)または図8(c)に示す構造を有し、図8(b)に示すように、ワイヤ配線47でフェイスアップ接続されるか、または、図8(c)に示すように、はんだバンプ48によってフリップチップ接続される。
【0093】
図9は、液晶表示装置の表示面における好ましい輝度分布を示すグラフである。端部の輝度が中央部の輝度に比べて低くなっているのは、人間の視覚では、その方が自然に感じられるためであると考えられる。図9を参考にすると、複数個の光源モジュールを発光部に配置してバックライト装置を構成する場合に、複数個の光源モジュールのうち、輝度の低い発光ダイオードを用いて形成された光源モジュールを発光部の端部に配置するのがよいことがわかる。このような目的にも、本発明の実施の形態1で述べた、発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づき発光ダイオードを選別する方法を適用することができる。この結果、1回の製造ロットで形成される発光ダイオードの利用率(歩留まり)を向上させることができ、結果的にバックライト装置のコストを下げることができる。
【0094】
図10は、本発明の実施の形態3の変形例に基づく、LED間の接続を示す回路図である。この例は、緑色LED141〜145および151〜155の接続に対し、実施の形態2で図4(a)を用いて説明した発光ダイオードの選別と発光ダイオード間の接続が適用されている例であり、実施の形態2で述べたと同様の効果が得られるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の光源モジュールおよび光源装置によれば、低コストで、輝度むらや色度むらの小さい、薄型の面光源を提供することができ、液晶表示装置や、高輝度が要求される自動車のヘッドライトやストップランプ、信号灯、屋外用大型ディスプレイなど、発光装置を必要とする種々の機器の性能の向上などに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態1に基づく光源モジュールにおけるLED間の接続を示す回路図である。
【図2】同、緑色LEDにおけるVf値出現頻度分布を示す棒グラフである。
【図3】同、緑色LEDにおけるウエーハ上の位置とVf値との関係を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に基づく光源モジュールにおけるLED間の接続を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態3に基づく液晶表示装置の構成を示す分解斜視図(a)、および、そのバックライト装置を縦方向に切断した断面図(b)である。
【図6】同、バックライト装置の発光部の構成を示す概略説明図である。
【図7】同、光源モジュールの構成を示す平面図(a)、および、LED間の接続を示す回路図(b)である。
【図8】同、光源モジュールで用いられるLEDチップの実装方法を説明する断面図である。
【図9】同、液晶表示装置の表示面における好ましい輝度分布を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態3の変形例に基づく、LED間の接続を示す回路図である。
【図11】従来の光源モジュールの構成を示す平面図(a)、および、LED間の接続を示す回路図(b)である。
【図12】従来の光源モジュールにおけるLED間の接続の別の例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0097】
1…バックライト装置、2…筐体、3…発光部、4…反射シート、
5…光拡散手段(光拡散板など)、6…光学フィルム積層体、7…液晶パネル、
8…フロントシャーシ、9…液晶表示装置、10…光源モジュール、11…配線基板、
12…配線パターン、12a…ランド部、13、131〜135…赤色LED、
14、141〜145、15、151〜155…緑色LED、
16、161〜165…青色LED、17…LEDユニット、19…入口側接続端子、
20…出口側接続端子、31…陽極、32…GaAs基板、33…p型層、34…活性層、
35…n型層、36…陰極、37…ワイヤ配線、41…陽極、42…p型層、
43…活性層、44…n型層、45…サファイヤ基板、46…陰極、47…ワイヤ配線、
48…はんだバンプ、100…光源モジュール、111…配線基板、
119…入口側接続端子、120…出口側接続端子、
L、La1〜La5、Lb1〜Lb5、Lc1…発光ダイオード、
S、S1〜S5…発光ダイオードが並列に接続された組
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを備えた光源モジュール及びその製造方法、その光源モジュールを用いた光源装置、並びにその光源装置を用いた液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、青色光を発光する発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)が開発され、また、LEDの高出力化が進んだことにより、LEDを用いる光源装置が注目されている。LED光源装置は、光の出射を必要とするいかなる分野においても使用することができるが、例えば、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)用のバックライト装置や、高輝度が要求される自動車のヘッドライトやストップランプ、信号灯、屋外用大型ディスプレイなどの用途への応用が進められている。
【0003】
現在、バックライト方式のカラー液晶表示装置は、携帯電話や液晶テレビなどの電子機器の表示部として、また、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)用の表示装置などとして、広く用いられている。この液晶表示装置では、カラーフィルタを備えた透過型液晶表示パネルの背面側を、バックライト装置から出射する白色光で照射し、照射光が液晶表示パネルを透過する透過率を制御することによって、画像を表示する。バックライト装置は面光源として用いられているので、良質の画像を形成するためには、発光面上での輝度むらや色度むらが小さいことが重要である。従来、バックライト装置の光源としては、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lighting;CCFL)が用いられてきた。
【0004】
発光ダイオードを用いるLEDバックライト装置は、通常、光の三原色に対応する赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとを備え、これらから出射される三原色光の混合によって白色光を形成する。LEDバックライト装置を用いると、CCFLとは異なり、水銀を用いていないので、水銀による環境汚染を引き起こすことがない。また、LEDの発光光は色純度が高いため、色再現範囲が広くなる。また、輝度が高く、出力を容易に変更することができ、応答速度が速いので、ダイナミックレンジの広い、動画応答性の高い画像を形成することができる。また、コンパクトで、発光効率が高く、長寿命であるので、大型化や薄型化や低消費電力化に適している。
【0005】
LEDは点光源的な発光素子であるから、バックライト装置のように面光源的であることを要求される光源装置を形成するには、基板上に多数のLEDを配置し、これらから出射される光の進路を、光拡散板や反射シートなどによる多重反射や多重屈折や散乱などによってランダム化する必要がある。このような装置では、LEDが配置されている基板面が面光源における発光面に相当することになるが、この発光面とみなされる基板面(以下、簡単に発光面と呼ぶことがある。)上での輝度むらや色度むらが小さいこと、および光出射効率が高いことが、光源装置の性能として重要である。
【0006】
実際にバックライト装置の発光部を形成するには、配線基板上に複数個のLEDを配置した光源モジュールを形成し、この光源モジュールの複数個を同一平面上に配置して発光部とする場合が多い。配線基板上のLEDの形態としては、パッケージ化されたLEDを基板上に並べた形態や、従来、LED表示器などで行われているように(例えば、特開平10−294498号公報など参照。)、LEDチップを基板上に直接実装し、チップ電極と配線電極とをワイヤ配線などで接続し、LEDチップを透明樹脂で封止した形態などが考えられる。
【0007】
例えば、後述の特許文献1には、バックライト装置の光源として、側面発光型の赤色LED(R)、緑色LED(G)、および青色LED(B)を9〜17mmのピッチでアレイ状に配置した光源モジュールを使用する例が示されている。LEDの配列パターンとしては、GRBG、GRBRG、RGBGRなどの様々な反復シーケンスが示されている。これらの光源モジュールから出射された三原色光は、反射壁と反射底面と拡散器とを有する混合チャンバ内で混合され、所定の白色光として出射される。
【0008】
また、後述の特許文献2には、複数個のLEDを列状に配列させた光源モジュール(LEDユニット)をアレイ状または2次元マトリックス状に配列させてバックライト装置の発光部を形成する際に、各光源モジュールの色度特性および輝度特性を実測し、この測定結果に基づいて各光源モジュールを4つのグループに分類し、特性の近い2つのグループの光源モジュールを主モジュールおよび副モジュールとして適切に配置して用いることにより、色度むらや輝度むらの小さい発光部を形成した、バックライト装置が提案されている。特許文献2には、このようにすると、色度や輝度にばらつきのあるLEDを無駄なく利用して、効率よく所定の発光特性を有するバックライト装置を構成することができると述べられている。
【0009】
【特許文献1】特開2005−332828号公報(第6、7及び10頁、図3及び4)
【特許文献2】特開2006−133708号公報(第9及び11−17頁、図4、15、16及び18)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図11は、従来の光源モジュールの構成の一例を示す平面図(a)、および、LED間の接続を示す回路図(b)である。図11(a)に示す光源モジュール100は、配線基板111と、配線基板111の表側面(発光面)上に実装された複数のLEDチップ13〜16と、入口側接続端子119および出口側接続端子120とを有している。配線基板111の材料としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂などが用いられる。
【0011】
各LEDチップは、例えば、1個の赤色LED13と、2個の緑色LED14および15と、1個の青色LED16とが近接して配置され、LEDユニット17を形成するように構成されている。1つの光源モジュール100には、複数個のLEDユニット17が設けられる。図11に示した例では、5個のLEDユニット171〜175が、配線基板111の長手方向に所定の間隔をおいて並べられている。LEDユニット17に2個の緑色LEDが配置されているのは、1個の緑色LEDでは緑色光の輝度が不足して、所定の白色光を形成することが難しいからである。
【0012】
図11(b)の回路図に示すように、光源モジュール100内の赤色LED131〜135間は、配線基板111に形成された配線パターン(図示省略)によって直列に接続されている。緑色LED141〜145間および151〜155間、並びに青色LED161〜165間についても同様である。1つの光源モジュール100の出口側接続端子120を、隣の光源モジュール100の入口側接続端子119に接続すると、LED13〜16の各LEDは、それぞれ、異なる光源モジュールの間でも直列に接続されることになる。
【0013】
通常、直列に接続されたLED13〜16の各LEDは、それぞれ、所定の輝度で発光させるために定電流で駆動される。この場合、上記のように緑色LEDとしてLED141〜145とLED151〜155の2系列を設けた場合、駆動回路も2つ必要になり、製造コストが上昇する。
【0014】
駆動回路を1つに抑えるには、図12(a)に示すように、緑色LED14と緑色LED15とを直列に接続する方法が考えられる。しかし、LEDを直列に接続すると、駆動電圧が増加する問題が生じる。
【0015】
駆動回路を1つに抑える別の方法として、図12(b)に示すように、それぞれ直列に接続された緑色LED141〜145の系列と、緑色LED151〜155の系列とを並列に接続する方法が考えられる。この場合には、従来と同じ駆動電圧で駆動できる。しかし、各系列を構成するLEDの電流−電圧特性にはばらつきが存在し、2つの系列間で系列全体としての電流−電圧特性にも相違があるため、同じ駆動電圧が印加されると、2つの系列を流れる駆動電流にアンバランスが生じ、一方の系列に過度の電流集中が起き、発光ダイオードの寿命が短くなることがある。従って、2系列を並列に接続するには、系列間で電流をバランスさせる何らかの手段が必要になり、駆動回路が複雑化する。
【0016】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、用いる発光ダイオードの個数が増加した場合でも、駆動電圧や駆動回路数を増加させることなく、簡易な駆動回路で発光ダイオードの寿命を低下させることなく駆動できる光源モジュール、及びその製造方法、この光源モジュールを用いた光源装置、並びにこの光源装置を用いた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
即ち、本発明は、一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードでは、
所定数の発光ダイオードが並列に接続された発光ダイオードの組が形成され、
前記発光ダイオードの組の複数個が直列に接続されており、
前記発光ダイオードの組のそれぞれにおいて、前記所定数の発光ダイオードが互いに ほぼ同じ電流−電圧特性を有する
ことを特徴とする、第1の光源モジュールに係わり、また、一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードでは、
複数個の発光ダイオードが直列に接続された発光ダイオードの系列が所定数形成され 、各系列には同数の発光ダイオードが含まれ、系列同士は並列に接続されており、
これらの系列を構成する発光ダイオードは、前記所定数の発光ダイオードからなる群 が前記複数個できるように分類した場合に、前記群のそれぞれを、互いにほぼ同じ電流 −電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群とすることができるように、選ばれてお り、
前記発光ダイオードの各系列は、前記複数個の前記同等発光ダイオード群のそれぞれ から1個ずつ選択された前記複数個の発光ダイオードによって形成され、系列全体の電 流−電圧特性が各系列間でほぼ同じになるように構成されている
ことを特徴とする、第2の光源モジュールに係わるものである。
【0018】
また、本発明は、一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールの製造方法において、少なくとも一種の発光ダイオードを実装するに際して、
互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する所定数の発光ダイオードを、これらの発光ダ イオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する工程と、
前記選別された発光ダイオードを並列に接続して、発光ダイオードの組を形成する工 程と、
前記の2つの工程を複数回行うことによって形成した複数個の前記発光ダイオードの 組を、直列に接続する工程と
を行うことを特徴とする、第1の光源モジュールの製造方法に係わり、また、一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールの製造方法において、少なくとも一種の発光ダイオードを実装するに際して、
発光ダイオードからなる群を複数個選別する際に、前記群のそれぞれが、互いにほぼ 同じ電流−電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群となるように、これらの発光ダ イオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する工程と、
前記複数個の前記同等発光ダイオード群のそれぞれから1個ずつ選択した前記複数個 の発光ダイオードを直列に接続して、発光ダイオードの系列を形成する工程と、
前記の2つの工程を所定回数行うことによって形成した所定数の前記発光ダイオード の系列を、並列に接続する工程と
を行うことを特徴とする、第2の光源モジュールの製造方法に係わるものである。
【0019】
また、本発明の光源モジュールの1個以上が配置された発光部と、この発光部に電流を供給する電源部とを有する、光源装置に係わり、また、本発明の、バックライト装置として構成された光源装置と、この光源装置からの出射光の透過率を制御することによって画像を表示する液晶パネルとを備えた、液晶表示装置に係わるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の光源モジュールでは、実装されている発光ダイオードのうち、
少なくとも一種の発光ダイオードで、所定数の発光ダイオードが並列に接続された発 光ダイオードの組が形成され、前記発光ダイオードの組の複数個が直列に接続されてい る。
このため、前記少なくとも一種の発光ダイオードに関して、駆動回路を1つに抑えることができる。従って、図11に示した従来例のように、複数個の前記発光ダイオードが直列に接続された回路を前記所定数形成し、駆動回路を前記所定数設ける従来構成に比べて、駆動回路に要するコストを削減できる利点がある。しかも、図12(a)に示した構成と異なり、直列に接続されている発光ダイオードの個数(直列段数)は、上記従来構成と同じ前記複数個であるから、駆動電圧は上記従来構成と同じでよい。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を、上記従来構成に比べて前記所定数倍に増加させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を前記所定数倍に増加させることができる。
【0021】
図12(b)を用いて説明したように、並列接続を併用する場合には、並列に接続される回路間に電流−電圧特性の相違があると、これらの回路を流れる駆動電流にアンバランスが生じる。このため、発光ダイオードの寿命が短くなり、それを防止するためには駆動回路が複雑化する問題があった。これに対し、本発明の第1の光源モジュールでは、
並列に接続された前記発光ダイオードの組のそれぞれにおいて、発光ダイオードが互 いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する
ように構成されている。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている前記発光ダイオードを流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0022】
また、図11及び図12に示した、単線的に複数個の発光ダイオードが直列に接続された回路では、複数個のうちの1個が故障で断線すると、回路に電流が流れなくなり、すべての発光ダイオードの発光が停止する問題がある。この問題は、直列接続される発光ダイオードの個数が増加するほど重大になる。これに対し、本発明の第1の光源モジュールでは、発光ダイオード間の接続が各組で並列接続によって複線化されているので、どの発光ダイオードが故障で断線しても、そのダイオードに対して並列に接続されている発光ダイオードを通じて回路に電流が流れ続けるので、他の発光ダイオードの発光が停止することがない特徴がある。特に定電流回路で駆動されている場合には、故障したダイオードの断線による電流の減少分は、この発光ダイオードに並列に接続されている発光ダイオードを流れる電流の増加によって補われるので、光源モジュール全体としては所定の大きさの駆動電流が維持される。この結果、故障した発光ダイオードの組において必要な発光光量が維持され、しかも、光源モジュール全体では発光光量がほとんど変化しない利点がある。
【0023】
なお、本明細書でいう「ほぼ同じ電流−電圧特性を有する」の「ほぼ同じ」とは、発光ダイオードを並列に接続し、同じ電圧で駆動しても、「これらの発光ダイオードを流れる駆動電流に、発光ダイオードの寿命を低下させるほどのアンバランスが生じることがない」という意味である。本発明の第1の光源モジュールでは、並列に接続された前記発光ダイオードの組の1つにおける電流−電圧特性の相違が別の組のバランスに影響を与えることがないので、前記発光ダイオードの組において比較的大きな電流−電圧特性の相違が許される利点もある。
【0024】
本発明の第2の光源モジュールでは、実装されている発光ダイオードのうち、
少なくとも一種の発光ダイオードでは、複数個の発光ダイオードが直列に接続された 発光ダイオードの系列が所定数形成され、各系列には同数の発光ダイオードが含まれ、 系列同士は並列に接続されている。
このため、前記少なくとも一種の発光ダイオードに関して、本発明の第1の光源モジュールと同様、駆動回路を1つに抑えることができ、前記複数個の前記発光ダイオードが直列に接続された回路を前記所定数形成し、駆動回路を前記所定数設ける従来構成に比べて、駆動回路に要するコストを削減できる利点がある。しかも、駆動電圧が増加することがない。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を、上記従来構成に比べて前記所定数倍に増加させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を前記所定数倍に増加させることができる。
【0025】
上記の構成は、回路的には、図12(b)を用いて説明した直列接続と並列接続とを併用する従来の構成と同じである。しかしながら、本発明の第2の光源モジュールでは、
これらの系列を構成する発光ダイオードは、前記所定数の発光ダイオードからなる群 が前記複数個できるように分類した場合に、前記群のそれぞれを、互いにほぼ同じ電流 −電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群とすることができるように、選ばれてお り、
前記発光ダイオードの各系列は、前記複数個の前記等価発光ダイオード群のそれぞれ から1個ずつ選択された前記複数個の発光ダイオードによって形成されている。
この結果、前記の系列の1つに含まれる任意の発光ダイオードに対して、必ず、それとほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等発光ダイオードが別の系列にも含まれるので、前記発光ダイオードの系列は、系列全体の電流−電圧特性が各系列間でほぼ同じになる。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている各系列を流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、図12(b)を用いて説明した従来例と異なり、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0026】
本発明の第2の光源モジュールでは、本発明の第1の光源モジュールに比べて、発光ダイオード間の配線パターンが単純である利点がある。
【0027】
本発明の第1の光源モジュールの製造方法は、本発明の第1の光源モジュールを製造する製造方法であり、第2の光源モジュールの製造方法は、本発明の第2の光源モジュールを製造する製造方法である。それぞれ、対応する光源モジュールを製造するに必要十分な工程を備えているので、確実に対応する光源モジュールを製造することができる。
【0028】
本発明の第1の光源モジュール及び第2の光源モジュールを製造する際の主要な課題は、前記互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードをいかにして用意するかということである。最も確実な方法は個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を実測することであるが、バックライト装置のように、対象とする発光ダイオードの個数が非常に多くなると、実測する作業量は膨大になり、コスト増加の原因になるので、実際上、実測することは困難になる。
【0029】
そこで本発明の第1及び第2の製造方法では、個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて推定する方法を採用する。この方法は、発光ダイオードを製造する半導体装置は繰り返し用いられるものであり、個々の装置ごとに、その装置によって過去に製造された発光ダイオードの実測データが、多量に蓄積されているという事実に基づいている。1回のロットで製造される発光ダイオードの特性は、製造条件によって変化するばかりでなく、ウエーハ上の位置によっても変化するので、これらの実測データは、製造条件ばかりでなく、ウエーハ上の位置情報とも結びつけられて蓄積されている。
【0030】
このため、ある製造ロットで製造された目的の発光ダイオードの電流−電圧特性を推定するには、そのロットの製造条件に最も近い製造条件で製造された過去の製造ロットの発光ダイオードに関する実測データを参照し、その発光ダイオードのウエーハ上の位置と同じ位置を、その過去の製造ロットで占めていた発光ダイオードに関する実測値を借用すればよい。必要なら、目的の発光ダイオードと同じ製造ロットで製造されたいくつかの発光ダイオードの電流−電圧特性をサンプル的に実測し、過去のデータと照合したり、過去のデータとのずれを補正することもできる。この方法によれば、簡易に、しかも実用的に十分な確かさで発光ダイオードの特性を推定することができ、能率よく、低コストで、本発明の第1の光源モジュール及び第2の光源モジュールを製造することができる。
【0031】
本発明の光源装置は、本発明の第1及び/又は第2の光源モジュールによって構成された前記発光部を有する光源装置であるから、前記第1及び/又は第2の光源モジュールに関して述べたと同様の特徴を有する。また、本発明の液晶表示装置は、本発明の光源装置をバックライト装置として備えているので、前記第1及び/又は第2の光源モジュールに関して述べたと同様の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の第1及び第2の光源モジュールにおいて、発光色が異なる二種以上の発光ダイオードが実装され、これらの発光ダイオードの発光光の混合によって所定の色度の光を発生するように構成されているのがよい。
【0033】
本発明の第1の光源モジュールにおいて、近接して配置された赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードの三種の発光ダイオードによって、白色光を発生する発光ダイオードユニットが形成され、複数個の前記発光ダイオードユニットが配置されている光源モジュールであって、前記三種の発光ダイオードのうちの少なくとも一種の発光ダイオードでは、
ほぼ同じ電流−電圧特性を有する前記所定数の発光ダイオードが同一発光ダイオード ユニットに配置され、これらの発光ダイオードが並列に接続され、前記発光ダイオード の組が形成されている
のがよい。この際、前記同一発光ダイオードユニットに前記所定数配置される前記発光ダイオードの組が前記緑色発光ダイオードからなるのがよい。これは、通常、赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードとを1個ずつ配置した場合、白色光を発生させるには、緑色発光ダイオードの輝度が不足するからである。
【0034】
同様に、本発明の第2の光源モジュールにおいて、近接して配置された赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードの三種の発光ダイオードによって、白色光を発生する発光ダイオードユニットが形成され、複数個の前記発光ダイオードユニットが配置されている光源モジュールであって、前記三種の発光ダイオードのうちの少なくとも一種の発光ダイオードでは、
ほぼ同じ電流−電圧特性を有する前記所定数の発光ダイオードが同一発光ダイオード ユニットに配置され、これらの発光ダイオードがそれぞれ前記発光ダイオードユニット 間で直列に接続され、前記発光ダイオードの系列が形成されている
のがよい。この際、上述した理由から、前記同一発光ダイオードユニットに前記所定数配置される前記発光ダイオードの組が前記緑色発光ダイオードからなるのがよい。
【0035】
本発明の第1及び第2の光源モジュールの製造方法において、前記互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードとして、前記ウエーハ上で近接若しくは隣接した位置にある発光ダイオードを選択するのがよい。これは、現在の半導体製造装置及び製造方法では、前記ウエーハ上で近接若しくは隣接した位置に、類似した電流−電圧特性を有する発光ダイオードが形成される傾向があるからである。
【0036】
また、前記ウエーハ上の位置情報を保持した状態で、前記発光ダイオードを実装手段に供給するのがよい。例えば、ダイシングフィルムを貼り付けた状態で前記ウエーハを切断して発光ダイオードを個片化した後、前記ダイシングフィルムに貼り付けたままの状態で前記発光ダイオードを前記実装手段に供給するのがよい。
【0037】
本発明の光源装置において、前記発光ダイオードが同一平面上又は滑らかな曲面上に位置するように、前記光源モジュールの複数個が配置されているのがよい。このようにすると、光源モジュール自身が光の進路を妨害する障害物となり、光の遮蔽や反射によって輝度むらや色度むらが発生する原因となることを、防止することができる。
【0038】
例えば、前記複数個の光源モジュールが、前記発光ダイオードが前記同一平面上に位置するようにアレイ状又はマトリックス状に配置され、前記光源モジュールの光出射側に光拡散手段が配置され、面光源的に用いられるバックライト装置として構成されているのがよい。
【0039】
また、前記複数個の光源モジュールのうち、輝度が低い光源モジュールが前記発光部の端部に配置されているのがよい。これは、人間の視覚では、端部の輝度が中央部の輝度に比べて低くなっている方が自然であるように感じられるからである。
【0040】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に、より具体的に説明する。
【0041】
実施の形態1
実施の形態1では、主として、請求項1に記載した第1の光源モジュール、および請求項9に記載した第1の光源モジュールの製造方法の例について説明する。
【0042】
図1は、実施の形態1に基づく光源モジュールにおける発光ダイオード間の接続を示す回路図である。この光源モジュールでは一種の発光ダイオードLのみが実装されている。図1(a)は、前記所定数が2で、前記複数個が5個である場合を示しており、2個の発光ダイオードが並列に接続された組Sが5個形成され、これらが直列に接続されている。
【0043】
この光源モジュールは10個の発光ダイオードによって構成されているが、図11に示した従来例のように、5個の発光ダイオードが直列に接続された回路を2回路形成し、2つの駆動回路で別々に駆動する従来構成に比べて、駆動回路を1つに抑えることができ、駆動回路に要するコストを削減できる。しかも、図12(a)に示した10個の発光ダイオードが直列に接続される構成と異なり、直列に接続されている発光ダイオードの個数(直列段数)は5個のままであるから、駆動電圧は5個の発光ダイオードを駆動できる大きさであればよい。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から10個に倍増させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を倍増させることができる。
【0044】
この光源モジュールでは、組S1〜S5のそれぞれにおいて、2個の発光ダイオードLa1とLb1、La2とLb2、La3とLb3、La4とLb4、およびLa5とLb5とは互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有している。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている発光ダイオードLanとLbn(n=1〜5)を流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0045】
しかも、この光源モジュールでは、発光ダイオード間の接続が各組S1〜S5で並列接続によって複線化されているので、どの発光ダイオードが故障で断線しても、この発光ダイオードに並列に接続されている発光ダイオードを通じて電流が流れ続け、他の発光ダイオードの発光が停止することがない。例えば、発光ダイオードLa1が故障で断線しても、発光ダイオードLb1を通じて電流が流れ続けるため、他の発光ダイオードLanおよびLbn(n=2〜5)の発光が停止することがない。特に定電流回路で駆動されている場合には、La1の断線による電流の減少分は、Lb1を流れる電流が2倍に増加して補われるので、光源モジュール全体としては所定の大きさの駆動電流が維持される。この結果、故障した発光ダイオードの組S1においても必要な発光光量が維持され、しかも、光源モジュール全体では発光光量がほとんど変化しないという利点がある。
【0046】
また、発光ダイオードの組S1〜S5の1つにおける電流−電圧特性の相違が別の組に影響を与えることがない。例えば、発光ダイオードLa1とLb1との電流−電圧特性の相違は両者を流れる電流のアンバランスの原因にはなるが、これが別の組のアンバランスの原因になることはない。従って、各組の発光ダイオードLanとLbn(n=1〜5)において比較的大きな電流−電圧特性の相違が許される利点もある。
【0047】
図1(b)は、前記所定数が3で、前記複数個が5個である場合を示している。この場合、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から15個に3倍に増加させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を3倍に増加させることができる。この倍率は、図1(a)の場合の2倍より大きい。また、例えば、発光ダイオードLa1が故障で断線すると、La1に並列に接続されている発光ダイオードLb1およびLc1を通じて電流が流れる。この際、定電流回路で駆動されている場合には、La1の断線による電流の減少分は、並列に接続されているLb1およびLc1を流れる電流によって補われるので、Lb1およびLc1を流れる電流は1.5倍になる。この増加倍率は、図1(a)の場合の2倍より小さく抑えられている。並列に接続される発光ダイオードの個数(前記所定数)を増加させれば上記のような利点が得られるが、並列に接続される発光ダイオードの選別は難しくなる。他の要点は、図1(a)に示した光源モジュールの場合と同じであるので、重複を避け、ここでの記述は省略する。
【0048】
実施の形態1に基づく光源モジュールの製造方法は、下記の通りである。
【0049】
例えば、図1(a)に示した光源モジュールを製造するには、発光ダイオードLを実装するに際して、まず、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する2個の発光ダイオード、例えばLa1とLb1とを、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する。
【0050】
次に、選別された発光ダイオードを並列に接続して、発光ダイオードの組、例えばS1を形成する。
【0051】
次に、前記の2つの工程を5回行うことによって形成した5個の発光ダイオードの組S1〜S5を、直列に接続して、作製を終了する。
【0052】
上記光源モジュールを製造する際の主要な課題は、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードをいかにして用意するかということである。既述したように、最も確実な方法は個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を実測することであるが、対象とする発光ダイオードの個数が非常に多くなると、実測する作業量は膨大になり、コスト増加の原因になるので、実際上、実測することは困難になる。そこで本実施の形態では、個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて推定する方法を採用する。
【0053】
図2は、1回のロットで製造された多数の緑色発光ダイオードの中に、特定のVf値を有する発光ダイオードが出現する頻度分布を示す棒グラフの一例である。Vfとは、所定の駆動電流を得るために発光ダイオードに印加することが必要な駆動電圧のことである。図2によれば、緑色発光ダイオードにおけるVf値のばらつきの程度や、どのようなVf値を有する発光ダイオードが製造されやすいのかといった情報を得ることができる。
【0054】
図3は、1回のロットで製造された緑色発光ダイオードのウエーハ上の位置とVf値との関係を示す平面図である。図3は、ウエーハの約1/4を示し、小さな長方形が1個の緑色発光ダイオードに対応する。図3では、各緑色発光ダイオードのVf値を長方形に濃淡を付して示している。図3によれば、緑色発光ダイオードのVf値が、その緑色発光ダイオードがウエーハ上で占めていた位置に密接に関係し、中心部からゆがんだ同心円を形成するように分布して、Vf値が少しずつ異なる緑色発光ダイオードが形成されることがわかる。
【0055】
このような分布パターンは、発光ダイオードを製造する個々の半導体装置によっても変化するものであるが、既述したように、個々の装置ごとに、その装置によって過去に製造された発光ダイオードの実測データが、製造条件ばかりでなく、ウエーハ上の位置情報に結びつけられて蓄積されている。従って、あるロットで製造されたある発光ダイオードの特性を推定するには、そのロットの製造条件に最も近い製造条件で製造された過去のロットの発光ダイオードに関する実測データを参照し、その発光ダイオードのウエーハ上の位置と同じ位置をその過去のロットで占めていた発光ダイオードに関する実測値を借用すればよい。
【0056】
また、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードを比較的少数個選別するだけであれば、ウエーハ上で近接若しくは隣接した位置、望ましくは上記ゆがんだ同心円の周方向において近接若しくは隣接した位置にある発光ダイオードを選択するのがよい。
【0057】
このようにして選別された発光ダイオードは、ウエーハ上の位置情報を保持した状態で、マウンタなどの実装手段に供給するのがよい。例えば、ダイシングフィルムを貼り付けた状態でウエーハを切断して発光ダイオードを個片化した後、ダイシングフィルムに貼り付けたままの状態で発光ダイオードをマウンタなどに供給するのがよい。
【0058】
この方法によれば、簡易に、しかも実用的に十分な確かさで、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードを選別することができ、能率よく、低コストで、本実施の形態の光源モジュールを製造することができる。
【0059】
本実施の形態に基づく光源モジュールは、発光ダイオードの一部が断線した場合の不点灯を防止できる故障回避性能から、信号灯など、高い信頼性が求められる光源として特に有用である。
【0060】
実施の形態2
実施の形態2では、主として、請求項5に記載した第2の光源モジュール、および請求項10に記載した第2の光源モジュールの製造方法の例について説明する。
【0061】
図4は、実施の形態2に基づく光源モジュールにおける発光ダイオード間の接続を示す回路図である。この光源モジュールでは一種の発光ダイオードLのみが実装されている。図4(a)の例は、前記所定数が2で、前記複数個が5個である場合を示しており、5個の発光ダイオードが直列に接続された発光ダイオードの系列が2系列形成され、系列同士は並列に接続されている。
【0062】
この光源モジュールは10個の発光ダイオードによって構成されているが、図11に示した従来例のように、5個の発光ダイオードが直列に接続された回路を2回路形成し、2つの駆動回路で別々に駆動する従来構成に比べて、駆動回路を1つに抑えることができ、駆動回路に要するコストを削減できる。しかも、図12(a)に示した10個の発光ダイオードが直列に接続される構成と異なり、直列に接続されている発光ダイオードの個数(直列段数)は5個のままであるから、駆動電圧は5個の発光ダイオードを駆動できる大きさであればよい。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から10個に倍増させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を倍増させることができる。
【0063】
これらの系列を構成する発光ダイオードは、2個の発光ダイオードからなる群が5個できるように分類した場合に、5個の群のそれぞれを、2個の互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群とすることができるように選ばれている。具体的には、La1とLb1、La2とLb2、La3とLb3、La4とLb4、およびLa5とLb5とが、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有している同等発光ダイオードである。そして、発光ダイオードの各系列は、5個の同等発光ダイオード群のそれぞれから1個ずつ選択された5個の発光ダイオードによって形成される。その一例が、図4(a)に示した、一方の系列がLa1〜La5で形成され、もう一方の系列がLb1〜Lb5で形成される組み合わせである(なお、LaとLbの区別は説明のための便宜的なもので、実際には2個の同等な発光ダイオードがあるにすぎない。また、直列接続における接続順は任意でよく、順不動である。)
【0064】
この結果、一方の系列に含まれる任意の発光ダイオードLan(n=1〜5)に対して、もう一方の系列にも、それとほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等発光ダイオードLbn(n=1〜5)が必ず含まれ、2つの系列は、系列全体の電流−電圧特性が互いにほぼ同じになる。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている2つの系列を流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、図12(b)を用いて説明した従来例と異なり、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0065】
図4(b)は、前記所定数が3で、前記複数個が5個であり、5個の発光ダイオードが直列に接続された発光ダイオードの系列が3系列形成されている例を示している。この場合、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から15個に3倍に増加させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を3倍に増加させることができる。この倍率は、図4(a)の場合の2倍より大きい。他の要点は、図4(a)に示した光源モジュールの場合と同じであるので、重複を避け、ここでの記述は省略する。
【0066】
実施の形態2に基づく光源モジュールの製造方法は、下記の通りである。
【0067】
例えば、図4(a)に示した光源モジュールを製造するには、発光ダイオードLを実装するに際して、まず、2個の発光ダイオードからなる群を5個選別する。この際、群のそれぞれが、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群、すなわち、La1とLb1、La2とLb2、La3とLb3、La4とLb4、およびLa5とLb5となるように、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する。
【0068】
次に、5個の上記同等発光ダイオード群のそれぞれから1個ずつ選択した5個の発光ダイオード、例えばLa1〜La5を直列に接続して、発光ダイオードの系列を形成する。
【0069】
次に、前記の2つの工程を2回数行うことによって形成した2つの発光ダイオードの系列La1〜La5とLb1〜Lb5とを、並列に接続して、作製を終了する。
【0070】
上記光源モジュールを製造する際の主要な課題は、互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードをいかにして用意するかということである。本実施の形態では、個々の発光ダイオードの電流−電圧特性を、これらの発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて推定する方法を採用するが、これは実施の形態1で説明した方法と同じであるので、重複を避け、ここでの記述は省略する。
【0071】
実施の形態2の電源モジュールでは、実施の形態1の電源モジュールに比べて、発光ダイオード間の配線パターンが単純である利点がある。
【0072】
一方、ほぼ同じ電流−電圧特性を有する同等発光ダイオードを選択する際には、実施の形態1の電源モジュールと異なる設計基準が必要になる。既述したように、実施の形態1の電源モジュールでは、個々の組に含まれる発光ダイオード間の電流−電圧特性の相違が小さいことのみが重要であり、これが別の組の電流バランスに影響を与えることはない。それに対して、実施の形態2の電源モジュールでは、系列間の電流−電圧特性の相違が小さいことのみが重要である。発光ダイオードが直列に接続されている系列全体の電流−電圧特性は、系列を構成する発光ダイオードの電流−電圧特性を総合したものになるが、上記の制限の範囲内であれば、個々の組に含まれる発光ダイオード間の電流−電圧特性の相違が実施の形態1の場合の相違よりも大きくてもよい場合もあり得る。
【0073】
例えば、図4(a)に示した電源モジュールの場合、一方の系列に含まれる発光ダイオードLan(n=1〜5)の電流−電圧特性と、もう一方の系列に含まれる発光ダイオードLbn(n=1〜5)の電流−電圧特性との、相違が加算される最悪ケースを考えると、LanとLbn(n=1〜5)に許される電流−電圧特性の相違は、実施の形態1の場合よりも小さくなる。しかし、Lan(n=1〜5)の電流−電圧特性と、Lbn(n=1〜5)の電流−電圧特性との相違が相殺されるケースもあり得ること、および、系列全体の電流−電圧特性さえ相違が小さければ、個々の組LanとLbn(n=1〜5)を厳密にバランスさせる必要がないことを考えると、LanとLbn(n=1〜5)に許される電流−電圧特性の相違は、実施の形態1の場合よりも大きくなる場合もあり得る。
【0074】
また、上記の系列を多数形成し、それらの中から電流−電圧特性が特によく揃ったもの同士を選別して組み合わせ、上記電源モジュールを作製してもよい。
【0075】
実施の形態3
実施の形態3では、主として、本発明の請求項3または請求項7に記載した光源モジュールを用いた光源装置をバックライト装置として用いたカラー液晶表示装置について説明する。
【0076】
図5は、液晶表示装置9の構成を示す分解斜視図(a)、および、そのバックライト装置1を縦方向に切断した断面図(b)である。液晶表示装置9は、フロントシャーシ8、液晶パネル7、光学フィルム積層体6、バックライト装置1などで構成されている。
【0077】
液晶パネル7は、その外周縁部を、フロントシャーシ8と(図示省略した)ミドルフレームとの間にスペーサやガイド部材などを介して保持される。詳細は省略するが、液晶パネル7は、第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に液晶を封入し、この液晶に対して電圧を印加して液晶分子の向きを変えることで光透過率を変化させる。第1ガラス基板の内面には、ストライプ状の透明電極と、絶縁膜と、配向膜とが形成されており、第2ガラス基板の内面には、赤(R)、緑(G)、および青(B)の三原色のカラーフィルタと、オーバーコート層と、ストライプ状の透明電極と、配向膜とが形成されている。配向膜は、例えばポリイミドからなり、液晶分子に接するように設けられている。また、両ガラス基板の表面には、偏向フィルム及び位相差フィルムがそれぞれ接合されている。位相差フィルムは、液晶パネル7の波長分散特性を相殺し、無彩色の背景表示を実現するためのものである。なお、液晶パネル7はこのような構成に限定されるものではなく、従来から存在する種々の構成を備える液晶パネルを適用することができる。
【0078】
光学フィルム積層体6は、詳細は省略するが、例えば、バックライト装置1から出射された光を直交する偏向成分に分解するための偏向変換フィルムや、光波の位相差を補償して広角視野角化や着色防止を図るための光学補正フィルム、表示光を拡散させて輝度の均一化を図るための拡散フィルムやプリズムフィルムなどの所定の光学機能を奏する複数の光学機能フィルムが積層されて構成される。
【0079】
バックライト装置1は、断面がコの字形の浅い容器の形状をもつ筐体2に、発光部3、反射シート4、および光拡散板などの光拡散手段5が収容されるように形成されている。筐体2は、例えばアルミニウムなどの金属からなり、放熱部材を兼ねている。発光部3は、支持体3aと多数の光源モジュール10などからなる。発光部3および反射シート4と、光拡散手段5とによって挟まれた空間が、発光ダイオードから出射された光の進路を多重反射や多重屈折や散乱によってランダム化する空間として機能し、また、三原色光を混合して所定の白色光を形成する混合チャンバとして機能する。
【0080】
反射シート4は、発光ダイオードが実装されている配線基板の表側面に接して設けられ、発光ダイオードを露出させる開口部を有しているのがよく、入射光の多くを反射するが、一部は透過する性質をもつものであるのがよい。また、光拡散手段5は、入射光の半分程度は透過させるが、半分程度を反射するものがよい。このようにしておけば、発光ダイオードから出射された光のうち、上記表側面に沿う方向に出射された光は反射シート4に入射し、多くは様々な方向へ反射されるが、一部は多重屈折や散乱によって進路を様々に変えながら反射シート4中を透過する。このため、光が均等に拡散されるとともに、反射シート4による影ができることがない。一方、上記表側面から離れる方向に出射された光は、光拡散手段5に入射し、半分ほどは光拡散手段5中を透過する間に多重屈折や散乱によって進路を様々に変更され、均等に拡散されて外部へ出射されるが、半分ほどは反射シート4側へ反射される。この反射光は、光拡散手段5と反射シート4との間での多重反射などによって更に均等に拡散された後、外部へ出射される。以上の結果、このバックライト装置1は、上記表側面を発光面とし、均一な輝度を有する面光源のように機能する。また、発光ダイオードから出射された三原色光は混合され、均一な色度を有する白色光として光学フィルム積層体6へ出射される。
【0081】
図6は、バックライト装置1の発光部3の構成を示す概略説明図である。図6(a)は、バックライト装置1の正面図であり、反射シート4や光拡散板5は図示省略している。図6(b)は、発光部3の構成を説明する平面図であり、放熱板を兼ねる支持体3aの上に、複数個の光源モジュール10がアレイ状またはマトリックス状に配置され、平面状の発光面が形成されている。支持体3aは、例えばアルミニウムなどの金属板などからなる。なお、図6(b)では、光源モジュール10が6行3列で配置されている例を示したが、これは一例にすぎず、図6(a)は、もっと多数の光源モジュール10が配置されている例を示している。
【0082】
図7(a)は、光源モジュール10の構成を示す平面図である。光源モジュール10は、配線基板11と、配線基板11の表側面上に実装された複数の発光ダイオード(LED)チップ13〜16と、入口側接続端子19および出口側接続端子20とを有している。配線基板11の材料としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂などが用いられる。
【0083】
図7(a)に示すように、各LEDチップは、例えば、1個の赤色LED13と、2個の緑色LED14および15と、1個の青色LED16とが近接して配置され、三原色光の混合によって白色光を発生するLEDユニット17を形成するように構成されている。1つの光源モジュール10には、複数個のLEDユニット17が設けられる。図7(a)に示した例では、5個のLEDユニット17が配線基板11の長手方向に所定間隔をおいて並べられている。LEDユニット17に2個の緑色LEDが配置されているのは、1個の緑色LEDでは緑色光の輝度が不足して、所定の白色光を形成することが難しいからである。
【0084】
複数個の光源モジュール10を用いて擬似面光源として形成された光源装置では、LEDチップ13〜16から出射された光の進路は、光拡散手段5や反射シート4などによる多重反射や多重屈折や散乱によってランダム化されるため、LEDチップ13〜16が実装されている配線基板11の表側面が、面光源における発光面に相当することになる。
【0085】
バックライト装置1では、表側面が同一平面上に位置するように、光源モジュール11が配置されている。より一般的には、複数個の光源モジュール10を用いて光源装置を形成する場合に、表側面が同一平面上又は滑らかな曲面上に位置するように、光源モジュール10を配置するのがよい。このようにすると、光源モジュール10自身が光の進路を妨害する障害物となり、光の遮蔽や反射によって輝度むらや色度むらが発生する原因となることを、防止することができる。
【0086】
図7(b)は、光源モジュール10におけるLED間の接続を示す回路図である。光源モジュール10内の赤色LED131〜135間、並びに青色LED161〜165間は、従来と同様、それぞれ、配線基板11に形成された配線パターン(図示省略)によって直列に接続されており、所定の輝度で発光させるために、例えば定電流で駆動される。
【0087】
さて、本実施の形態の特徴として、緑色LED141〜145および151〜155に対し、実施の形態1で図1(a)を用いて説明した発光ダイオードの選別と発光ダイオード間の接続とが適用されている。図7(b)に示すように、光源モジュール10では、2個の発光ダイオードが並列に接続された組が5個形成され、これらが直列に接続されている。この際、並列に接続される2個の発光ダイオード141と151、142と152、143と153、144と154、および145と155とは互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有している。しかも、請求項3に対応して、これら2個で1組の発光ダイオード14nと15n(n=1〜5)は、同一発光ダイオードユニット171〜175に配置される。このため、従来と同様の定電流回路で駆動しても、並列に接続されている発光ダイオードの各組14nと15n(n=1〜5)において、それぞれの発光ダイオードを流れる駆動電流に大きなアンバランスが生じることがない。従って、並列接続を併用することによって発光ダイオードの寿命が短くなったり、それを防止するために複雑な駆動回路が必要になったりすることがない。
【0088】
また、光源モジュール10には10個の緑色発光ダイオードが含まれるが、図11に示した従来例のように、5個の発光ダイオードが直列に接続された回路を2回路形成し、2つの駆動回路で別々に駆動する従来構成に比べて、駆動回路を1つに抑えることができ、駆動回路に要するコストを削減できる。しかも、図12(a)に示した10個の発光ダイオードが直列に接続される構成と異なり、直列に接続されている発光ダイオードの個数(直列段数)は5個のままであるから、駆動電圧は5個の発光ダイオードを駆動できる大きさであればよい。結果的には、駆動電圧を変えずに、1つの駆動回路で駆動できる発光ダイオードの個数を5個から10個に倍増させることができ、1つの駆動回路で発生させ得る光量を倍増させることができる。
【0089】
しかも、この光源モジュール10では、発光ダイオード間の接続が各組で並列接続によって複線化されているので、どの発光ダイオードが故障で断線しても、そのダイオードに並列に接続されている発光ダイオードを通じて回路に電流が流れ続けるので、他の発光ダイオードの発光が停止することがない。特に定電流回路で駆動されている場合には、例えば、141の断線による電流の減少分は、151を流れる電流が2倍に増加して補われるので、光源モジュール10全体としては所定の大きさの駆動電流が維持される。この結果、故障した発光ダイオードの組において必要な発光光量が維持され、しかも、光源モジュール10全体では発光光量がほとんど変化せず、バックライト装置としての性能を維持できる。しかも、発光ダイオード141と151とは同じ発光ダイオードユニット171に含まれているので、1個の発光ダイオードユニット17内での三原色光の輝度バランスも維持され、良好な白色光の形成が維持される。
【0090】
また、各発光ダイオードの組の一つにおける電流−電圧特性の相違が別の組に影響を与えることがない。従って、各組の発光ダイオード14nと15n(n=1〜5)において比較的大きな電流−電圧特性の相違が許される利点もある。
【0091】
なお、上記の例では1つのダイオードユニットに緑色LEDを2個配置する例を示したが、一般的には、所望の色度に応じて、1つのダイオードユニットに赤色LED、緑色LED、および青色LEDのいずれをも、複数個配置することができる。そして、複数個配置された種の発光ダイオードに対し、本発明に基づく発光ダイオードの選別と発光ダイオード間の接続を適用することができる。
【0092】
図8は、光源モジュール10で用いられるLEDチップの実装方法を説明する断面図である。赤色LED13は、図8(a)に示す構造を有し、陽極31は配線パターン12のランド部12aに直付けされ、陰極36はランド部12aにワイヤ配線37で接続される。緑色LED14、15および青色LED16は、図8(b)または図8(c)に示す構造を有し、図8(b)に示すように、ワイヤ配線47でフェイスアップ接続されるか、または、図8(c)に示すように、はんだバンプ48によってフリップチップ接続される。
【0093】
図9は、液晶表示装置の表示面における好ましい輝度分布を示すグラフである。端部の輝度が中央部の輝度に比べて低くなっているのは、人間の視覚では、その方が自然に感じられるためであると考えられる。図9を参考にすると、複数個の光源モジュールを発光部に配置してバックライト装置を構成する場合に、複数個の光源モジュールのうち、輝度の低い発光ダイオードを用いて形成された光源モジュールを発光部の端部に配置するのがよいことがわかる。このような目的にも、本発明の実施の形態1で述べた、発光ダイオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づき発光ダイオードを選別する方法を適用することができる。この結果、1回の製造ロットで形成される発光ダイオードの利用率(歩留まり)を向上させることができ、結果的にバックライト装置のコストを下げることができる。
【0094】
図10は、本発明の実施の形態3の変形例に基づく、LED間の接続を示す回路図である。この例は、緑色LED141〜145および151〜155の接続に対し、実施の形態2で図4(a)を用いて説明した発光ダイオードの選別と発光ダイオード間の接続が適用されている例であり、実施の形態2で述べたと同様の効果が得られるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の光源モジュールおよび光源装置によれば、低コストで、輝度むらや色度むらの小さい、薄型の面光源を提供することができ、液晶表示装置や、高輝度が要求される自動車のヘッドライトやストップランプ、信号灯、屋外用大型ディスプレイなど、発光装置を必要とする種々の機器の性能の向上などに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態1に基づく光源モジュールにおけるLED間の接続を示す回路図である。
【図2】同、緑色LEDにおけるVf値出現頻度分布を示す棒グラフである。
【図3】同、緑色LEDにおけるウエーハ上の位置とVf値との関係を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に基づく光源モジュールにおけるLED間の接続を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態3に基づく液晶表示装置の構成を示す分解斜視図(a)、および、そのバックライト装置を縦方向に切断した断面図(b)である。
【図6】同、バックライト装置の発光部の構成を示す概略説明図である。
【図7】同、光源モジュールの構成を示す平面図(a)、および、LED間の接続を示す回路図(b)である。
【図8】同、光源モジュールで用いられるLEDチップの実装方法を説明する断面図である。
【図9】同、液晶表示装置の表示面における好ましい輝度分布を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態3の変形例に基づく、LED間の接続を示す回路図である。
【図11】従来の光源モジュールの構成を示す平面図(a)、および、LED間の接続を示す回路図(b)である。
【図12】従来の光源モジュールにおけるLED間の接続の別の例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0097】
1…バックライト装置、2…筐体、3…発光部、4…反射シート、
5…光拡散手段(光拡散板など)、6…光学フィルム積層体、7…液晶パネル、
8…フロントシャーシ、9…液晶表示装置、10…光源モジュール、11…配線基板、
12…配線パターン、12a…ランド部、13、131〜135…赤色LED、
14、141〜145、15、151〜155…緑色LED、
16、161〜165…青色LED、17…LEDユニット、19…入口側接続端子、
20…出口側接続端子、31…陽極、32…GaAs基板、33…p型層、34…活性層、
35…n型層、36…陰極、37…ワイヤ配線、41…陽極、42…p型層、
43…活性層、44…n型層、45…サファイヤ基板、46…陰極、47…ワイヤ配線、
48…はんだバンプ、100…光源モジュール、111…配線基板、
119…入口側接続端子、120…出口側接続端子、
L、La1〜La5、Lb1〜Lb5、Lc1…発光ダイオード、
S、S1〜S5…発光ダイオードが並列に接続された組
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードでは、
所定数の発光ダイオードが並列に接続された発光ダイオードの組が形成され、
前記発光ダイオードの組の複数個が直列に接続されており、
前記発光ダイオードの組のそれぞれにおいて、前記所定数の発光ダイオードが互いに ほぼ同じ電流−電圧特性を有する
ことを特徴とする、光源モジュール。
【請求項2】
発光色が異なる二種以上の発光ダイオードが実装され、これらの発光ダイオードの発光光の混合によって所定の色度の光を発生するように構成されている、請求項1に記載した光源モジュール。
【請求項3】
近接して配置された赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードの三種の発光ダイオードによって、白色光を発生する発光ダイオードユニットが形成され、複数個の前記発光ダイオードユニットが配置されている光源モジュールであって、前記三種の発光ダイオードのうちの少なくとも一種の発光ダイオードでは、
ほぼ同じ電流−電圧特性を有する前記所定数の発光ダイオードが同一発光ダイオード ユニットに配置され、これらの発光ダイオードが並列に接続され、前記発光ダイオード の組が形成されている、
請求項2に記載した光源モジュール。
【請求項4】
前記発光ダイオードの組が前記緑色発光ダイオードからなる、請求項3に記載した光源モジュール。
【請求項5】
一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードでは、
複数個の発光ダイオードが直列に接続された発光ダイオードの系列が所定数形成され 、各系列には同数の発光ダイオードが含まれ、系列同士は並列に接続されており、
これらの系列を構成する発光ダイオードは、前記所定数の発光ダイオードからなる群 が前記複数個できるように分類した場合に、前記群のそれぞれを、互いにほぼ同じ電流 −電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群とすることができるように、選ばれてお り、
前記発光ダイオードの各系列は、前記複数個の前記同等発光ダイオード群のそれぞれ から、1個ずつ選択された前記複数個の発光ダイオードによって形成され、系列全体の 電流−電圧特性が各系列間でほぼ同じになるように構成されている
ことを特徴とする、光源モジュール。
【請求項6】
発光色が異なる二種以上の発光ダイオードが実装され、これらの発光ダイオードの発光光の混合によって所定の色度の光を発生するように構成されている、請求項5に記載した光源モジュール。
【請求項7】
近接して配置された赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードの三種の発光ダイオードによって、白色光を発生する発光ダイオードユニットが形成され、複数個の前記発光ダイオードユニットが配置されている光源モジュールであって、前記三種の発光ダイオードのうちの少なくとも一種の発光ダイオードでは、
ほぼ同じ電流−電圧特性を有する前記所定数の発光ダイオードが同一発光ダイオード ユニットに配置され、これらの発光ダイオードがそれぞれ前記発光ダイオードユニット 間で直列に接続され、前記発光ダイオードの系列が形成されている、
請求項6に記載した光源モジュール。
【請求項8】
前記発光ダイオードの組が前記緑色発光ダイオードからなる、請求項7に記載した光源モジュール。
【請求項9】
一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールの製造方法において、少なくとも一種の発光ダイオードを実装するに際して、
互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する所定数の発光ダイオードを、これらの発光ダ イオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する工程と、
前記選別された発光ダイオードを並列に接続して、発光ダイオードの組を形成する工 程と、
前記の2つの工程を複数回行うことによって形成した複数個の前記発光ダイオードの 組を、直列に接続する工程と
を行うことを特徴とする、光源モジュールの製造方法。
【請求項10】
一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールの製造方法において、少なくとも一種の発光ダイオードを実装するに際して、
発光ダイオードからなる群を複数個選別する際に、前記群のそれぞれが、互いにほぼ 同じ電流−電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群となるように、これらの発光ダ イオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する工程と、
前記複数個の前記同等発光ダイオード群のそれぞれから1個ずつ選択した前記複数個 の発光ダイオードを直列に接続して、発光ダイオードの系列を形成する工程と、
前記の2つの工程を所定回数行うことによって形成した所定数の前記発光ダイオード の系列を、並列に接続する工程と
を行うことを特徴とする、光源モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードとして、前記ウエーハ上で近接若しくは隣接した位置にある発光ダイオードを選択する、請求項9又は10に記載した光源モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記ウエーハ上の位置情報を保持した状態で、前記発光ダイオードを実装手段に供給する、請求項9又は10に記載した光源モジュールの製造方法。
【請求項13】
ダイシングフィルムを貼り付けた状態で前記ウエーハを切断して発光ダイオードを個片化した後、前記ダイシングフィルムに貼り付けたままの状態で前記発光ダイオードを前記実装手段に供給する、請求項12に記載した光源モジュールの製造方法。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれか1項に記載した光源モジュールの1個以上が配置された発光部と、この発光部に電流を供給する電源部とを有する、光源装置。
【請求項15】
前記発光ダイオードが同一平面上又は滑らかな曲面上に位置するように、前記光源モジュールの複数個が配置されている、請求項14に記載した光源装置。
【請求項16】
前記発光ダイオードが前記同一平面上に位置するように、前記光源モジュールの複数個がアレイ状又はマトリックス状に配置され、前記光源モジュールの光出射側に光拡散手段が配置され、バックライト装置として構成されている、請求項15に記載した光源装置。
【請求項17】
前記複数個の光源モジュールのうち、輝度が低い光源モジュールが前記発光部の端部に配置されている、請求項16に記載した光源装置。
【請求項18】
請求項16又は17に記載した、バックライト装置として構成された光源装置と、この光源装置からの出射光の透過率を制御することによって画像を表示する液晶パネルとを備えた、液晶表示装置。
【請求項1】
一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードでは、
所定数の発光ダイオードが並列に接続された発光ダイオードの組が形成され、
前記発光ダイオードの組の複数個が直列に接続されており、
前記発光ダイオードの組のそれぞれにおいて、前記所定数の発光ダイオードが互いに ほぼ同じ電流−電圧特性を有する
ことを特徴とする、光源モジュール。
【請求項2】
発光色が異なる二種以上の発光ダイオードが実装され、これらの発光ダイオードの発光光の混合によって所定の色度の光を発生するように構成されている、請求項1に記載した光源モジュール。
【請求項3】
近接して配置された赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードの三種の発光ダイオードによって、白色光を発生する発光ダイオードユニットが形成され、複数個の前記発光ダイオードユニットが配置されている光源モジュールであって、前記三種の発光ダイオードのうちの少なくとも一種の発光ダイオードでは、
ほぼ同じ電流−電圧特性を有する前記所定数の発光ダイオードが同一発光ダイオード ユニットに配置され、これらの発光ダイオードが並列に接続され、前記発光ダイオード の組が形成されている、
請求項2に記載した光源モジュール。
【請求項4】
前記発光ダイオードの組が前記緑色発光ダイオードからなる、請求項3に記載した光源モジュール。
【請求項5】
一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールにおいて、少なくとも一種の発光ダイオードでは、
複数個の発光ダイオードが直列に接続された発光ダイオードの系列が所定数形成され 、各系列には同数の発光ダイオードが含まれ、系列同士は並列に接続されており、
これらの系列を構成する発光ダイオードは、前記所定数の発光ダイオードからなる群 が前記複数個できるように分類した場合に、前記群のそれぞれを、互いにほぼ同じ電流 −電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群とすることができるように、選ばれてお り、
前記発光ダイオードの各系列は、前記複数個の前記同等発光ダイオード群のそれぞれ から、1個ずつ選択された前記複数個の発光ダイオードによって形成され、系列全体の 電流−電圧特性が各系列間でほぼ同じになるように構成されている
ことを特徴とする、光源モジュール。
【請求項6】
発光色が異なる二種以上の発光ダイオードが実装され、これらの発光ダイオードの発光光の混合によって所定の色度の光を発生するように構成されている、請求項5に記載した光源モジュール。
【請求項7】
近接して配置された赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードと青色発光ダイオードの三種の発光ダイオードによって、白色光を発生する発光ダイオードユニットが形成され、複数個の前記発光ダイオードユニットが配置されている光源モジュールであって、前記三種の発光ダイオードのうちの少なくとも一種の発光ダイオードでは、
ほぼ同じ電流−電圧特性を有する前記所定数の発光ダイオードが同一発光ダイオード ユニットに配置され、これらの発光ダイオードがそれぞれ前記発光ダイオードユニット 間で直列に接続され、前記発光ダイオードの系列が形成されている、
請求項6に記載した光源モジュール。
【請求項8】
前記発光ダイオードの組が前記緑色発光ダイオードからなる、請求項7に記載した光源モジュール。
【請求項9】
一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールの製造方法において、少なくとも一種の発光ダイオードを実装するに際して、
互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する所定数の発光ダイオードを、これらの発光ダ イオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する工程と、
前記選別された発光ダイオードを並列に接続して、発光ダイオードの組を形成する工 程と、
前記の2つの工程を複数回行うことによって形成した複数個の前記発光ダイオードの 組を、直列に接続する工程と
を行うことを特徴とする、光源モジュールの製造方法。
【請求項10】
一種以上の発光ダイオードが実装された光源モジュールの製造方法において、少なくとも一種の発光ダイオードを実装するに際して、
発光ダイオードからなる群を複数個選別する際に、前記群のそれぞれが、互いにほぼ 同じ電流−電圧特性を有する同等の発光ダイオードの群となるように、これらの発光ダ イオードが形成されたウエーハ上の位置情報に基づいて選別する工程と、
前記複数個の前記同等発光ダイオード群のそれぞれから1個ずつ選択した前記複数個 の発光ダイオードを直列に接続して、発光ダイオードの系列を形成する工程と、
前記の2つの工程を所定回数行うことによって形成した所定数の前記発光ダイオード の系列を、並列に接続する工程と
を行うことを特徴とする、光源モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記互いにほぼ同じ電流−電圧特性を有する発光ダイオードとして、前記ウエーハ上で近接若しくは隣接した位置にある発光ダイオードを選択する、請求項9又は10に記載した光源モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記ウエーハ上の位置情報を保持した状態で、前記発光ダイオードを実装手段に供給する、請求項9又は10に記載した光源モジュールの製造方法。
【請求項13】
ダイシングフィルムを貼り付けた状態で前記ウエーハを切断して発光ダイオードを個片化した後、前記ダイシングフィルムに貼り付けたままの状態で前記発光ダイオードを前記実装手段に供給する、請求項12に記載した光源モジュールの製造方法。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれか1項に記載した光源モジュールの1個以上が配置された発光部と、この発光部に電流を供給する電源部とを有する、光源装置。
【請求項15】
前記発光ダイオードが同一平面上又は滑らかな曲面上に位置するように、前記光源モジュールの複数個が配置されている、請求項14に記載した光源装置。
【請求項16】
前記発光ダイオードが前記同一平面上に位置するように、前記光源モジュールの複数個がアレイ状又はマトリックス状に配置され、前記光源モジュールの光出射側に光拡散手段が配置され、バックライト装置として構成されている、請求項15に記載した光源装置。
【請求項17】
前記複数個の光源モジュールのうち、輝度が低い光源モジュールが前記発光部の端部に配置されている、請求項16に記載した光源装置。
【請求項18】
請求項16又は17に記載した、バックライト装置として構成された光源装置と、この光源装置からの出射光の透過率を制御することによって画像を表示する液晶パネルとを備えた、液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図3】
【図6】
【図2】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図3】
【図6】
【公開番号】特開2008−192797(P2008−192797A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25235(P2007−25235)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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