説明

光源装置、プロジェクタ、及び、光源装置の製造方法

【課題】 レンズホルダの突起とバネでレンズホルダ上にレンズアレイを載置して、螺子をしめることで簡単にレンズアレイの位置合わせをすることができる光源装置、プロジェクタ、及び、光源装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 光源装置は、面光源体72と、レンズアレイ73と、レンズホルダ79と、を備える光源装置であって、レンズホルダ79には、レンズアレイ73を格納するレンズ保持領域79aと、レンズ保持領域79aの周縁の枠部分である枠領域79bとを有し、レンズホルダ79の枠領域79bの上下の枠部分又は左右の枠部分でそれぞれが対向するように、螺子穴74a,74bと、バネ体76a,76bと、を有し、レンズアレイ73が、レンズホルダ79のレンズ保持領域79aに嵌め込まれてバネ体76a,76bと螺子穴74a,74bに挿入された螺子77とにより保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、プロジェクタ、及び、光源装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、さらにメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このプロジェクタは、光源から射出された光をDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子、又は、液晶板に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示させるものである。
【0003】
そして、プロジェクタは、パーソナルコンピュータやDVDプレーヤーなどの映像機器の普及に伴って、業務用プレゼンテーションから家庭用に至るまで、用途が拡大している。このようなプロジェクタにおいて、従来は高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であったが、近年、光源として複数のレーザーダイオード等の半導体発光素子を用い、それに伴い複数のレンズやミラー等の光学部品により構成される光源装置の開発や提案が多々なされている。
【0004】
そして、下記に示す特許文献1には、アレイ状に複数の発光素子が並んで形成される面光源体と、面光源体の光が射出される側に配置され、複数の発光素子のそれぞれに対応する複数のレンズからなるレンズアレイと、を備えた光源装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−49326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の光源装置では、固定及び放熱のために用いられるレンズホルダにレンズアレイを設置する際のレンズ位置と光源の光の照射位置とをあわせる位置合せにおいて、レンズホルダにレンズアレイを設置したのちにレンズホルダの位置を動かして位置合せを行なっていたために、位置合わせが完了するまで光源とレンズホルダとの取り付け固定の作業を進めることができず、工程が複雑であった。
【0007】
本発明は上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、レンズホルダの突起とバネで保持するようにレンズホルダ上にレンズアレイを載置して、螺子をしめることで簡単にレンズアレイの位置合わせをすることができる光源装置、プロジェクタ、及び、光源装置の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光源装置は、所定の波長帯域の光を照射する複数の光源をマトリクス状に配列させてなる面光源体と、前記面光源体の光が照射される側に配置され、前記複数の光源のそれぞれに対応して配列される複数のコリメータレンズが一体的に成形されているレンズアレイと、前記面光源体と前記レンズアレイとの間に介在するように配置され、前記レンズアレイを保持するレンズホルダと、を備える光源装置であって、前記レンズホルダには、前記レンズアレイを格納するレンズ保持領域と、当該レンズ保持領域の周縁の枠部分である枠領域とを有し、前記レンズホルダの枠領域の上下の枠部分又は左右の枠部分でそれぞれが対向するように設けられた、螺子穴と、バネ体と、を有し、前記レンズアレイが、前記レンズホルダのレンズ保持領域に嵌め込まれて前記バネ体と前記螺子穴に挿入された螺子とにより保持されていることを特徴とする。
【0009】
本発明のプロジェクタは、光源装置と、表示素子と、前記光源装置からの光を前記表示素子に導光する光源側光学系と、前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記光源装置や表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、前記光源装置が、赤色波長帯域光を発する光源装置、青色波長帯域光を発する光源装置、及び、緑色波長帯域光を発する光源装置であって、少なくとも何れか1つの光源装置が上述の本発明の光源装置であることを特徴とする。
【0010】
本発明の光源装置の製造方法は、複数の光源をマトリクス状に配列させてなる面光源体と、前記複数の光源のそれぞれに対応して配列される複数のコリメータレンズが一体的に成形されているレンズアレイと、前記レンズアレイを保持するレンズホルダと、を備え、前記レンズホルダには、前記レンズアレイを格納するレンズ保持領域と、当該レンズ保持領域の周縁の枠部分である枠領域とを有し、前記レンズホルダの枠領域の上下の枠部分又は左右の枠部分でそれぞれが対向するように設けられた、螺子穴と、バネ体と、を有し、前記レンズアレイが、前記レンズホルダのレンズ保持領域に嵌め込まれて前記バネ体と前記螺子穴に挿入された位置調整手段としての螺子とにより保持されている光源装置の製造方法であって、前記レンズアレイを適正な位置とするための管理値を抽出する管理値抽出工程と、前記レンズアレイを格納させる前記レンズホルダの所定箇所に前記レンズアレイを載置させる載置工程と、前記レンズアレイを前記レンズホルダの所定箇所で可動可能なように固定させる仮止め工程と、前記管理値抽出工程により算出された管理値に基づいて、前記レンズアレイの位置調整を可能とする前記位置調整手段により前記レンズアレイの位置を調整する調整工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、レンズホルダの突起とバネで保持するようにレンズホルダ上にレンズアレイを載置して、螺子をしめることで簡単にレンズアレイの位置合わせをすることができる光源装置、プロジェクタ、及び、光源装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプロジェクタの機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプロジェクタの内部構造を示す平面模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係る光源装置の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光源装置の射出方向から見た図である。
【図6】本発明の実施形態に係る光源装置の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る光源装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施形態において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0014】
そして、プロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIR受信部を備えている。
【0015】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0016】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子やアナログRGB映像信号が入力される映像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子、音声出力端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。
【0017】
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2の機能ブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
【0018】
この制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPU、各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0019】
そして、このプロジェクタ制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換されたあと、表示エンコーダ24に出力される。
【0020】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0021】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束を後述の光源側光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0022】
また、画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
【0023】
さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
【0024】
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、IR受信部35で受信され、IR処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0025】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0026】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60の赤色、緑色及び青色の波長帯域光を発光させる個別の制御を行う。
【0027】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源オフ後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をオフにする等の制御も行う。
【0028】
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
【0029】
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される励起光照射装置70及びこの励起光照射装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100による緑色光源装置80と、この蛍光発光装置100から射出される光線束と平行となるように正面パネル12の近傍に配置される青色光源装置300と、励起光照射装置70と蛍光発光装置100との間に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100からの射出光や赤色光源装置120からの射出光、青色光源装置300からの射出光の光軸が夫々同一の光軸となるように変換して各色光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に集光する導光光学系140と、を備える。
【0030】
緑色光源装置80における励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された半導体発光素子による励起光源71と、励起光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する反射ミラー群75と、反射ミラー群75で反射した励起光源71からの射出光を集光する集光レンズ78と、励起光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81と、を備える。
【0031】
励起光源71は、複数の半導体発光素子である青色レーザーダイオードにより形成される。そして、励起光照射装置70は、各青色レーザーダイオードからの射出光を平行光に変換する集光レンズであるコリメータレンズからなるレンズアレイ73を備える。なお、レンズアレイ73の位置調整の方法を含めた励起光照射装置70の詳細な構成については後述する。
【0032】
また、反射ミラー群75は、複数の反射ミラーが階段状に配列されてなり、励起光源71から射出される光線束の断面積を一方向に縮小して集光レンズ78に射出する。
【0033】
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって励起光源71が冷却される。さらに、反射ミラー群75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー群75や集光レンズ78が冷却される。
【0034】
緑色光源装置80における蛍光発光装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの射出光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、を備える。
【0035】
蛍光ホイール101は、円板状の金属基材であって、励起光源71からの射出光を励起光として緑色波長帯域の蛍光発光光を射出する環状の蛍光発光領域が凹部として形成され、励起光を受けて蛍光発光する蛍光板として機能する。また、蛍光発光領域を含む蛍光ホイール101の励起光源71側の表面は、銀蒸着等によってミラー加工されることで光を反射する反射面が形成され、この反射面上に緑色蛍光体の層が敷設されている。
【0036】
そして、蛍光ホイール101の緑色蛍光体層に照射された励起光照射装置70からの射出光は、緑色蛍光体層における緑色蛍光体を励起し、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された光線束は、直接励起光源71側へ、あるいは、蛍光ホイール101の反射面で反射したあとに励起光源71側へ射出される。
【0037】
また、蛍光体層の蛍光体に吸収されることなく、金属基材に照射された励起光は、反射面により反射されて再び蛍光体層に入射し、蛍光体を励起することとなる。よって、蛍光ホイール101の凹部の表面を反射面とすることにより、緑色の光源である励起光源71から射出される励起光の利用効率を上げることができ、より明るく発光させることができる。
【0038】
なお、蛍光ホイール101の反射面で蛍光体層側に反射された励起光において蛍光体に吸収されることなく励起光源71側に射出された励起光は、後述する第一ダイクロイックミラー141を透過し、蛍光光は第一ダイクロイックミラー141により反射されるため、励起光が外部に射出されることはない。そして、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光ホイール101が冷却される。
【0039】
赤色光源装置120は、励起光源71と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える。そして、この赤色光源装置120は、励起光照射装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。
【0040】
また、赤色光源121は、赤色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての赤色発光ダイオードである。さらに、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色光源121が冷却される。
【0041】
青色光源装置300は、蛍光発光装置100からの射出光の光軸と平行となるように配置された青色光源301と、青色光源301からの射出光を集光する集光レンズ群305と、を備える。そして、この青色光源装置300は、赤色光源装置120からの射出光と光軸が交差するように配置されている。また、青色光源301は、青色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての青色発光ダイオードである。さらに、青色光源装置300は、青色光源301の正面パネル12側に配置されるヒートシンク310を備える。そして、ヒートシンク310と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって青色光源301が冷却される。
【0042】
そして、導光光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせるダイクロイックミラー等からなる。
【0043】
具体的には、励起光照射装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0044】
また、青色光源装置300から射出される青色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色波長帯域光を透過し、緑色及び赤色波長帯域光を反射してこの緑色及び赤色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、第一ダイクロイックミラー141と第二ダイクロイックミラー148との間には、集光レンズが配置されている。さらに、ライトトンネル175の近傍には、ライトトンネル175の入射口に光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。
【0045】
光学系ユニット160は、励起光照射装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、導光光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
【0046】
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する光源側光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する光源側光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
【0047】
画像生成ブロック165は、光源側光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としてのコンデンサレンズ195が配置されている。
【0048】
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータ45により可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0049】
次に、本発明の光源装置の構成について図を用いて詳細に説明する。図4は、励起光照射装置70の構成を示す分解斜視図である。図5は、励起光照射装置70を押さえ板金を外した状態で光源の射出方向から見た図である。図6は、励起光照射装置70の斜視図である。なお、本実施形態において、励起光照射装置70における前後とは励起光源71による光の射出方向を前方向とし、射出方向の逆方向を後方向とする。また、励起光照射装置70における左右とは、図4に示す3行8列に配置される各励起光源71における長手方向を左右方向とし、光の射出方向に対して左側を左方向、右側を右方向とする。さらに、励起光照射装置70における上下とは、図4に示す3行8列で形成される励起光源71における短手方向を上下方向とする。
【0050】
励起光照射装置70は、所定の波長帯域の光を照射する複数の励起光源71、複数の励起光源71から射出される各光を平行光として集光させる複数のコリメータレンズからなるレンズアレイ73、レンズアレイ73を位置調整が可能なように格納させるレンズホルダ79、及び、レンズアレイ73をレンズホルダ79に格納させて調整可能なように固定させる押さえ板金89を備える。
【0051】
励起光源71は、図4に示すように、青色の波長帯域の光を照射する3行8列の計24個の半導体発光素子である青色レーザーダイオードがマトリクス状に配列されている。そして、励起光源71をマトリクス状に配列させるために各励起光源71を所定の位置で保持させる金属製の保持体と、複数の励起光源71と、が一体とされて、面光源体72として光を照射させるものである。そして、面光源体72の保持体の後方には、各励起光源71の冷却用のヒートシンク81を備える。
【0052】
レンズアレイ73は、板状で略長方形の形状をしており、四隅に面取り処理を施し、周縁の各端面に後述する突起、及び、円弧状の切り欠きを複数有する。そして、レンズアレイ73は、透光性を有するガラス素材(硝材)等からなり、後述するレンズホルダ79の凹部であるレンズ保持領域79aに載置される。
【0053】
レンズアレイ73は、複数の励起光源71のそれぞれに対応して配列され、各光を平行光として集光させる複数のコリメータレンズが一体的に成形されており、ベース部73aと、レンズ部73bとが一体で成形されている。ガラス素材としては、白板ガラスや石英ガラス等の光学ガラスを用いることができる。
【0054】
ベース部73aは、略矩形の外形形状を有する板体とされて、一方の平坦面にレンズ部73bが形成され、他方の面は平坦面を有する。
【0055】
レンズ部73bは、レンズアレイ73の略矩形の外形形状の各外縁から所定寸法内側に離れた略矩形状の領域内に、平坦面から突起する多数のコリメータレンズがマトリクス状に配列されている。本実施形態の場合には、3行8列の計24個のコリメータレンズが形成されている。
【0056】
そして、レンズアレイ73の上方の端面には、図5に示すように略矩形状に突出した第一調整突起73cが、レンズアレイ73の上方端面の中心から左右に略対称な位置に形成されている。
【0057】
また、レンズアレイ73の右方の端面には、略矩形状に突出した第二調整突起73cが、レンズアレイ73の右方端面の中心から上下に略対称な位置に形成されている。
【0058】
レンズホルダ79は、面光源体72の前方に配置され、金属製、又は熱伝導性に優れて剛性を有する樹脂製の略直方体の形状であって、レンズホルダ79の前側の面には、周縁を除いた凹部からなるレンズ保持領域79aと、レンズ保持領域79aの周縁の枠部分の領域である枠領域79bとを有する。そして、レンズホルダ79の枠領域79bの内壁面には、後述する突起、及び、円弧状の切り欠き等を複数有する。
【0059】
そして、レンズホルダ79の枠領域79bの上方の枠部分には、枠領域79bを上下方向で上方の枠領域79bの部分の外壁面から内壁面に貫通するように設けられた第一の螺子穴74aがレンズホルダ79の上方の枠領域79bの中心から左右に略対称な位置で2箇所に形成されている。
【0060】
また、レンズホルダ79の枠領域79bの上方の枠部分の内壁面には、図5に示したように、各第一の螺子穴74aの貫通穴の中央寄りの近傍に枠領域79bの内壁面からレンズ保持領域79aに突出する第一アレイ位置調整突起79cが2箇所に形成されている。なお、各第一アレイ位置調整突起79cは、レンズアレイ73の上方の端面で突出した各第一調整突起73cと対向する位置に形成されている。
【0061】
そして、レンズホルダ79の枠領域79bの下方の枠部分には、図4に示したように、枠領域79bの下方の枠部分の中心から左右に略対称な位置で枠領域79bの下方外壁面から枠領域79bの下方内壁面に向けて上下方向に略矩形状の切り欠き部が2箇所に形成されている。各切り欠き部には、枠領域79bの下方内壁面で部分的にレンズ保持領域79aへと通ずる開口がされている。
【0062】
また、レンズホルダ79の下方の枠領域79bの各切り欠き部には、一端を下方の枠領域79bの切り欠き部の外壁に係止され、他端をレンズ保持領域79aへと通ずる開口からレンズアレイ73の端面を加圧するための湾曲状の押圧部を有する板バネによる第一のバネ体76aが下方の枠領域79bの中心から左右に略対称な位置の2箇所に設けられる。
【0063】
そして、レンズホルダ79の枠領域79bの右方の枠部分には、枠領域79bを左右方向で右方の枠領域79bの外壁面から内壁面に貫通するように設けられた第二の螺子穴74bがレンズホルダ79の右方の枠領域79bの中心から上下に略対称な位置で2箇所に形成されている。
【0064】
また、レンズホルダ79の枠領域79bの右方の枠部分の内壁面には、図5に示したように、各第二の螺子穴74bの貫通穴の外側の近傍に枠領域79bの内壁面からレンズ保持領域79aに突出する第二アレイ位置調整突起79cが2箇所に形成されている。なお、第二アレイ位置調整突起79cは、レンズアレイ73の右方の端面で突出した第二調整突起73cと対向する位置に形成されている。
【0065】
そして、レンズホルダ79の枠領域79bの左方の枠部分には、左方の枠部分の中央で枠領域79bの左方外壁面から枠領域79bの左方内壁面に向けて、レンズ保持領域79aへと通じて開口された略矩形状の切り欠き部が形成されている。
【0066】
また、レンズホルダ79の枠領域79bの左方の枠部分の切り欠き部には、一端を左方の枠部分の上方の外壁面で係止され、他端をレンズ保持領域79aへと通ずる開口からレンズアレイ73の端面を加圧するための湾曲状の押圧部を有する板バネによる第二のバネ体76bが左方の枠領域79bの中心近傍の位置に備える。
【0067】
なお、レンズホルダ79の2箇所の第一アレイ位置調整突起79c、及び、2箇所の第二アレイ位置調整突起79cは、製造上、寸法精度を高めて形成されるようにして、レンズアレイ73の位置合せの基準として使用するものである。同様にレンズアレイ73の2箇所の第一調整突起73c、及び、2箇所の第二調整突起73cも、製造上、寸法精度を高めて形成されるようにして、レンズアレイ73の位置合せの基準として使用するものである。
【0068】
押さえ板金89は、薄板金属製の板金からなる長方形形状であって、組み込まれたときに先述のマトリクス状に配置されたレンズアレイ73のコリメータレンズを全て露出させるように額縁状の形状をしており、中央に長方形の窓部を有する。さらに、押さえ板金89には、レンズホルダ79の凹部にレンズアレイ73を格納させて、レンズアレイ73を圧着させるようにしてレンズホルダ79と接続させるために四隅に螺子穴が設けられている。
【0069】
また、押さえ板金89には、レンズホルダ79と接続された状態で押さえ板金89の額縁形状の上方において、図6に示すようにレンズホルダ79の上方に位置する第一アレイ位置調整突起79cとレンズアレイ73の第一調整突起73cとが対向する2箇所の位置に矩形状の第一開口部89aが形成されている。
【0070】
さらに、押さえ板金89には、レンズホルダ79と接続された状態で押さえ板金89の額縁形状の右方において、レンズホルダ79の右方に位置する第二アレイ位置調整突起79cとレンズアレイ73の第二調整突起73cとが対向する2箇所の位置に矩形状の第二開口部89aが形成されている。
【0071】
そして、後述するレンズアレイ73の位置調整は、レンズアレイ73を移動させるときに、押さえ板金89の各開口部89aから各突起の位置を確認しながら、当該各突起間の距離を予め設定された距離となるように調整螺子である各螺子77を先述の螺子穴74a、74bに螺入していくことにより、適正なレンズアレイ73の位置調整を簡単に行うことができる。
【0072】
次に、本発明の光源装置の製造方法について詳細に説明する。励起光照射装置70を製造するにあたっては、先ず、レンズアレイ73の位置調整で使用する管理値を抽出するために、例えば、ロット毎、日毎又は、週毎等の生産開始毎に、少なくとも1つ以上の管理値設定用の励起光照射装置70の組み立てを行って、レンズアレイ73を適正な位置とするための管理値を抽出する作業である管理値抽出工程を行う。
【0073】
管理値抽出工程では、例えば、励起光照射装置70の構成部品の中でロットの切り換りが発生したときに、先ず、一組の管理値抽出用の励起光照射装置70のサンプルを組立てる。具体的には、所定の波長帯域の光を照射する複数の励起光源71からなる面光源体72、複数の励起光源71から射出される各光を平行光として集光させる複数のコリメータレンズからなるレンズアレイ73、レンズアレイ73を位置調整が可能なように格納させるレンズホルダ79、及び、レンズアレイ73をレンズホルダ79に格納させて調整可能なように固定させる押さえ板金89等により一組の管理値抽出用の励起光照射装置70のサンプルを組立てる。
【0074】
そして、作られた一組のサンプルにおいて、例えば、レンズアレイ73を適正な位置とするために面光源体72を発光させ、面発光された光がレンズアレイ73により、所定の照射範囲へと射出されているかを検査スクリーン又は、検査装置画面等で確認しながら判定する。面発光された光が所定の照射範囲に照射されていないときに、先述の調整用の螺子77を適正な照射範囲となるように螺子穴74a、74bに螺入していき、上下方向、及び左右方向の位置ずれを画面等を見ながら補正する。
【0075】
位置ずれを補正した一組の励起光照射装置70における押さえ板金89の4箇所の開口部89aにおいて、各突起間の距離を測定し、各管理値を抽出して記録する。なお、管理値抽出工程は、1組のサンプルに限定されず、複数組のサンプルによる平均化等により各管理値を設定するようにしても構わない。
【0076】
なお、管理値抽出工程では、レンズアレイ73をレンズホルダ79に格納させて調整可能なように固定させた段階で押さえ板金89を取り付けずに各突起間の距離を測定し、各管理値として記録するようにしても構わない。レンズホルダ79に格納されたレンズアレイ73は、レンズホルダ79のレンズ保持領域79a内で、上下の枠部分又は左右の枠部分でそれぞれが対向するように設けられた第一のバネ体76a、第二のバネ体76b及び第一、第二アレイ位置調整突起79c又は、調整段階で第一の螺子穴74a、第二の螺子穴74bに螺入された各螺子77により保持されていることから、レンズアレイ73の前方から押さえ板金89を取り付けなくても管理値の抽出に支障をきたすことはない。
【0077】
そして、各管理値が抽出された後、それらの管理値を用いて光源装置を組立、及び、レンズアレイ73の位置調整の方法について図を用いて詳細に説明する。図7は、励起光照射装置70におけるレンズアレイ73の位置調整を含む光源装置の製造方法の流れを示すフローチャートである。
【0078】
先ず、レンズアレイ73をレンズホルダ79に組立てるにあたって、図4に示したように、レンズホルダ79の凹部であるレンズ保持領域79aにレンズアレイ73を嵌め込むように固定させて載置させる載置工程(ステップS100)を行う。
【0079】
なお、レンズアレイ73をレンズホルダ79の凹部に嵌め込むと、レンズアレイ73は、レンズホルダ79の下方に位置する第一のバネ体76aと、左方に位置する第二のバネ体76bとにより、レンズアレイ73が上方及び右方に付勢されて、レンズホルダ79の枠領域79bに上方及び右方で内壁面に突出されて配置される第一、第二アレイ位置調整突起79cで係止される。
【0080】
次に、レンズアレイ73を載置させたレンズホルダ79に押さえ板金89を取り付け、図4に示した押さえ板金89の四隅を前方から螺子82で取り付けて仮止めさせる押さえ板金取り付け工程(ステップS200)を行う。
【0081】
そして、図6に示したように、押さえ板金89を取り付けて、レンズアレイ73がレンズホルダ79に固定された状態で、押さえ板金89の第一、第二開口部89aで、レンズホルダ79の第一、第二アレイ位置調整突起79c及びレンズアレイ73の第一、第二調整突起73cの各突起間を確認しながら、適正位置となるように、位置調整手段であるレンズホルダ79の枠領域79bの2箇所の第一の螺子穴74aに螺子77を螺入させるとともに、レンズホルダ79の2箇所の第二の螺子穴74bに螺子77を螺入させて、予め抽出した各突起間の管理値に基づいてレンズアレイ73を適正な位置に移動させる位置調整工程(ステップS300)を行い、押さえ板金89を固定する螺子82を強く締め上げて押さえ板金89によりレンズアレイ73を確実にレンズホルダ79に固定して、処理を終了する。
【0082】
なお、本実施形態では、光源として緑色波長帯域光を生成する励起光照射装置70における面光源体72を形成する青色レーザーダイオードに適用した場合について説明してきたが、これに限らず、例えば、赤色波長帯域光を生成する赤色光源装置の光源である赤色発光ダイオードの光源や、青色波長帯域光を生成する青色光源装置の光源である青色発光ダイオードの光源に適用しても構わない。
【0083】
以上のように本発明の実施形態によれば、レンズホルダ79の突起とバネ体76a、76bで保持するようにレンズホルダ79上にレンズアレイ73を載置して、螺子77をしめることで簡単にレンズアレイ73の位置合わせをすることができる光源装置、プロジェクタ10、及び、光源装置の製造方法を提供することができる。
【0084】
そして、本発明の実施形態によれば、レンズホルダ79にレンズアレイ73を載置したのちにレンズホルダ79の位置を動かす必要がなく、レンズアレイ73のみを移動させることが可能なことから調整を簡単として作業性を向上させることができる。
【0085】
さらに、本発明の実施形態によれば、レンズホルダ79のアレイ位置調整突起79cと、アレイ位置調整突起79cに対応するレンズアレイ73の調整突起73cを備えていることから、各突起間の距離を管理することにより、適正なレンズアレイ73の位置調整を簡単に行うことができる。
【0086】
また、本発明の実施形態によれば、レンズアレイ73、及び、レンズホルダ79を面光源体72が配置されている側とは反対側から押さえ、レンズホルダ79にレンズアレイ73を圧着する押さえ板金89を有し、押さえ板金89には、レンズホルダ79のアレイ位置調整突起79cと、アレイ位置調整突起79cに対応するレンズアレイ73の調整突起73cとをともに露出する第一、第二開口部89aが形成されていることから、第一、第二開口部89aを見ながら螺子77を締めていき、所定の位置にレンズアレイ73の調整突起73cを移動させることにより、適正なレンズアレイ73の位置調整を簡単に行うことができる。
【0087】
そして、本発明の実施形態によれば、レンズアレイ73の上下方向で形成されている第一アレイ位置調整突起79c及び第一調整突起73cが2箇所に形成されていることから、レンズアレイ73の位置調整時の回転等を防止して、精度の高い調整を可能とすることができる。
【0088】
また、本発明の実施形態によれば、レンズアレイ73の左右方向で形成されている第二アレイ位置調整突起79c及び第二調整突起73cが2箇所に形成されていることから、レンズアレイ73の位置調整時の回転等を防止して、精度を高めた調整を可能とすることができる。
【0089】
そして、本発明の実施形態によれば、光源として、レーザーダイオードや発光ダイオードを対象としていることから、赤色波長帯域光、緑色波長帯域光及び青色波長帯域光の各色の光源装置に適用することができ、生産性を向上させることができる。
【0090】
さらに、本発明の実施形態によれば、管理値抽出工程では、押さえ板金89を取り付けなくても管理値の抽出に支障をきたすことはないことから、速やかに管理値を抽出して、通常の生産体制へと移行することができる。
【0091】
尚、本実施形態では、レンズホルダ79の上方の枠部分及び右方の枠部分に夫々にアレイ位置調整突起79cを2箇所設け、レンズアレイ73に調整突起73cをも2箇所づつ設けたが、レンズホルダ79及びレンズアレイ73の上方及び右方に、アレイ位置調整突起や調整突起を設けない、又は、一箇所づつ設けること、更に夫々に二箇所よりも多い箇所に設けることとしても勿論よいものである。
【0092】
また、第一及び第二の螺子穴74a,bはそれぞれ二箇所ずつ設けられているが、設ける箇所数は自由に設定してよい。また、第一、第二バネ体76a,bを設ける箇所数も自由に設定してよい。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0094】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 所定の波長帯域の光を照射する複数の光源をマトリクス状に配列させてなる面光源体と、前記面光源体の光が照射される側に配置され、前記複数の光源のそれぞれに対応して配列される複数のコリメータレンズが一体的に成形されているレンズアレイと、前記面光源体と前記レンズアレイとの間に介在するように配置され、前記レンズアレイを保持するレンズホルダと、を備える光源装置であって、
前記レンズホルダには、前記レンズアレイを格納するレンズ保持領域と、当該レンズ保持領域の周縁の枠部分である枠領域とを有し、
前記レンズホルダの枠領域の上下の枠部分又は左右の枠部分でそれぞれが対向するように設けられた、螺子穴と、バネ体と、を有し、
前記レンズアレイが、前記レンズホルダのレンズ保持領域に嵌め込まれて前記バネ体と前記螺子穴に挿入された螺子とにより保持されていることを特徴とする光源装置。
[2] 前記レンズホルダには、
所定の枠領域から前記レンズ保持領域に突出する第一アレイ位置調整突起と、
前記所定の枠領域と直交する枠領域からレンズ保持領域に突出する第二アレイ位置調整突起と、
を備え、
前記レンズアレイには、
前記第一アレイ位置調整突起に対応した第一調整突起と、
前記第二アレイ位置調整突起に対応した第二調整突起と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
[3] 前記レンズアレイ、及び、前記レンズホルダを前記面光源体が配置されている側とは反対側から押さえ、前記レンズホルダに前記レンズアレイを圧着するように押さえる押さえ板金をさらに有し、
前記押さえ板金には、前記第一アレイ位置調整突起と前記第一調整突起とをあわせて露出させる第一開口部と、前記第二アレイ位置調整突起と前記第二調整突起とをあわせて露出させる第二開口部と、が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
[4] 前記第一アレイ位置調整突起及び前記第一調整突起が2箇所に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光源装置。
[5] 前記第二アレイ位置調整突起及び前記第二調整突起が2箇所に形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れかに記載の光源装置。
[6] 前記光源はレーザーダイオードまたは発光ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の光源装置。
[7] 光源装置と、
表示素子と、
前記光源装置からの光を前記表示素子に導光する光源側光学系と、
前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記光源装置や表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、
前記光源装置が、赤色波長帯域光を発する光源装置、青色波長帯域光を発する光源装置、及び、緑色波長帯域光を発する光源装置であって、少なくとも何れか1つの光源装置が請求項1乃至請求項6の何れかに記載の光源装置であることを特徴とするプロジェクタ。
[8] 複数の光源をマトリクス状に配列させてなる面光源体と、前記複数の光源のそれぞれに対応して配列される複数のコリメータレンズが一体的に成形されているレンズアレイと、前記レンズアレイを保持するレンズホルダと、を備え、前記レンズホルダには、前記レンズアレイを格納するレンズ保持領域と、当該レンズ保持領域の周縁の枠部分である枠領域とを有し、前記レンズホルダの枠領域の上下の枠部分又は左右の枠部分でそれぞれが対向するように設けられた、螺子穴と、バネ体と、を有し、前記レンズアレイが、前記レンズホルダのレンズ保持領域に嵌め込まれて前記バネ体と前記螺子穴に挿入された位置調整手段としての螺子とにより保持されている光源装置の製造方法であって、
前記レンズアレイを適正な位置とするための管理値を抽出する管理値抽出工程と、
前記レンズアレイを格納させる前記レンズホルダの所定箇所に前記レンズアレイを載置させる載置工程と、
前記レンズアレイを前記レンズホルダの所定箇所で可動可能なように固定させる仮止め工程と、
前記管理値抽出工程により算出された管理値に基づいて、前記レンズアレイの位置調整を可能とする前記位置調整手段により前記レンズアレイの位置を調整する調整工程と、
を含むことを特徴とする光源装置の製造方法。
[9] 前記管理値抽出工程では、前記レンズアレイを圧着するように押さえる押さえ板金を前記レンズホルダに取り付けないで前記レンズアレイを適正な位置とするための管理値を抽出することを特徴とした請求項8に記載の光源装置の製造方法。
[10] 前記調整工程では、前記レンズアレイを圧着するように押さえる前記押さえ板金を前記レンズホルダに取り付けた状態で前記レンズアレイの位置を調整することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の光源装置の製造方法。
【符号の説明】
【0095】
10 プロジェクタ 11 上面パネル
12 正面パネル
13 背面パネル 14 右側パネル
15 左側パネル 17 排気孔
18 吸気孔 19 レンズカバー
20 各種端子 21 入出力コネクタ部
22 入出力インターフェース 23 画像変換部
24 表示エンコーダ 25 ビデオRAM
26 表示駆動部 31 画像圧縮/伸長部
32 メモリカード 35 IR受信部
36 IR処理部 37 キー/インジケータ部
38 制御部 41 光源制御回路
43 冷却ファン駆動制御回路 45 レンズモータ
47 音声処理部 48 スピーカ
51 表示素子 60 光源ユニット
70 励起光照射装置 71 励起光源
72 面光源体 73 レンズアレイ
73a ベース部 73b レンズ部
73c 第一、第二調整突起 74a,b 第一、第二螺子穴
75 反射ミラー群 76a,b 第一、第二バネ体
77 螺子
78 集光レンズ 79 レンズホルダ
79a レンズ保持領域 79b 枠領域
79c 第一、第二アレイ位置調整突起
80 緑色光源装置 81 ヒートシンク
82 螺子
89 押さえ板金 89a 第一、第二開口部
100 蛍光発光装置 101 蛍光ホイール
110 ホイールモータ 111 集光レンズ群
120 赤色光源装置 121 赤色光源
125 集光レンズ群 130 ヒートシンク
140 導光光学系 141 第一ダイクロイックミラー
148 第二ダイクロイックミラー
160 光学系ユニット 161 照明側ブロック
165 画像生成ブロック 168 投影側ブロック
170 光源側光学系 173 集光レンズ
175 ライトトンネル 178 集光レンズ
181 光軸変換ミラー 183 集光レンズ
185 照射ミラー 190 ヒートシンク
195 コンデンサレンズ 220 投影側光学系
225 固定レンズ群 235 可動レンズ群
241 制御回路基板 261 冷却ファン
300 青色光源装置 301 青色光源
305 集光レンズ群 310 ヒートシンク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の波長帯域の光を照射する複数の光源をマトリクス状に配列させてなる面光源体と、前記面光源体の光が照射される側に配置され、前記複数の光源のそれぞれに対応して配列される複数のコリメータレンズが一体的に成形されているレンズアレイと、前記面光源体と前記レンズアレイとの間に介在するように配置され、前記レンズアレイを保持するレンズホルダと、を備える光源装置であって、
前記レンズホルダには、前記レンズアレイを格納するレンズ保持領域と、当該レンズ保持領域の周縁の枠部分である枠領域とを有し、
前記レンズホルダの枠領域の上下の枠部分又は左右の枠部分でそれぞれが対向するように設けられた、螺子穴と、バネ体と、を有し、
前記レンズアレイが、前記レンズホルダのレンズ保持領域に嵌め込まれて前記バネ体と前記螺子穴に挿入された螺子とにより保持されていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記レンズホルダには、
所定の枠領域から前記レンズ保持領域に突出する第一アレイ位置調整突起と、
前記所定の枠領域と直交する枠領域からレンズ保持領域に突出する第二アレイ位置調整突起と、
を備え、
前記レンズアレイには、
前記第一アレイ位置調整突起に対応した第一調整突起と、
前記第二アレイ位置調整突起に対応した第二調整突起と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記レンズアレイ、及び、前記レンズホルダを前記面光源体が配置されている側とは反対側から押さえ、前記レンズホルダに前記レンズアレイを圧着するように押さえる押さえ板金をさらに有し、
前記押さえ板金には、前記第一アレイ位置調整突起と前記第一調整突起とをあわせて露出させる第一開口部と、前記第二アレイ位置調整突起と前記第二調整突起とをあわせて露出させる第二開口部と、が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第一アレイ位置調整突起及び前記第一調整突起が2箇所に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第二アレイ位置調整突起及び前記第二調整突起が2箇所に形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れかに記載の光源装置。
【請求項6】
前記光源はレーザーダイオードまたは発光ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の光源装置。
【請求項7】
光源装置と、
表示素子と、
前記光源装置からの光を前記表示素子に導光する光源側光学系と、
前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記光源装置や表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、
前記光源装置が、赤色波長帯域光を発する光源装置、青色波長帯域光を発する光源装置、及び、緑色波長帯域光を発する光源装置であって、少なくとも何れか1つの光源装置が請求項1乃至請求項6の何れかに記載の光源装置であることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項8】
複数の光源をマトリクス状に配列させてなる面光源体と、前記複数の光源のそれぞれに対応して配列される複数のコリメータレンズが一体的に成形されているレンズアレイと、前記レンズアレイを保持するレンズホルダと、を備え、前記レンズホルダには、前記レンズアレイを格納するレンズ保持領域と、当該レンズ保持領域の周縁の枠部分である枠領域とを有し、前記レンズホルダの枠領域の上下の枠部分又は左右の枠部分でそれぞれが対向するように設けられた、螺子穴と、バネ体と、を有し、前記レンズアレイが、前記レンズホルダのレンズ保持領域に嵌め込まれて前記バネ体と前記螺子穴に挿入された位置調整手段としての螺子とにより保持されている光源装置の製造方法であって、
前記レンズアレイを適正な位置とするための管理値を抽出する管理値抽出工程と、
前記レンズアレイを格納させる前記レンズホルダの所定箇所に前記レンズアレイを載置させる載置工程と、
前記レンズアレイを前記レンズホルダの所定箇所で可動可能なように固定させる仮止め工程と、
前記管理値抽出工程により算出された管理値に基づいて、前記レンズアレイの位置調整を可能とする前記位置調整手段により前記レンズアレイの位置を調整する調整工程と、
を含むことを特徴とする光源装置の製造方法。
【請求項9】
前記管理値抽出工程では、前記レンズアレイを圧着するように押さえる押さえ板金を前記レンズホルダに取り付けないで前記レンズアレイを適正な位置とするための管理値を抽出することを特徴とした請求項8に記載の光源装置の製造方法。
【請求項10】
前記調整工程では、前記レンズアレイを圧着するように押さえる前記押さえ板金を前記レンズホルダに取り付けた状態で前記レンズアレイの位置を調整することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の光源装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−7942(P2013−7942A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141526(P2011−141526)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】