説明

光源装置

【課題】被観察部の照射される光を出射する光源装置において、十分な強度かつ均一な照度分布の光が被観察部に照射されるようにする。
【解決手段】入射された光の側面反射を繰り返しながら導光して出射する1本のライトガイド60に対して複数の光源52,53,54から発せられた光を入射するものであるとともに、1本のライトガイドの光軸に対して互いに異なる角度で各光を入射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被観察部に照射される光を発する複数の光源を備えた光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、体腔内の組織を観察する内視鏡システムが広く知られており、白色光の照射によって体腔内の被観察部を撮像して通常画像を得、この通常画像をモニタ画面上に表示する電子式内視鏡システムが広く実用化されている。
【0003】
このような内視鏡システムの1つとして、たとえば、脂肪下の血管走行および血流、リンパ管、リンパ流、胆管走行、胆汁流など通常画像上には現れないものを観察するため、予め被観察部にICG(インドシアニングリーン)を投入し、被観察部に近赤外光の励起光を照射することによってICGの蛍光画像を取得する内視鏡システムが提案されている。また、被観察部に励起光を照射することによって被観察部から発せられた自家蛍光を検出して蛍光画像を取得する内視鏡システムも提案されている。
【0004】
ここで、上記のような蛍光画像を取得する内視鏡システムにおいては、被観察部から発せられる薬剤蛍光や自家蛍光の強度は非常に微弱なものであるため、被観察部に照射される近赤外光などの励起光の照度は大きい方が望ましい。
【0005】
一方、近赤外光などの励起光を出射する光源としてレーザ光源や発光ダイオードなどの半導体光源を用いることが提案されているが、これらの光源を1つだけ用いたのでは十分な励起光の照度を得られない。そこで、たとえば特許文献1においては、複数の光源を用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−65603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、一般的に、通常の方法で光ファイバなどのライトガイドにレーザ光源や発光ダイオードから出射された光を入射すると、中心部分の照度が大きく、周囲部分に照度が小さいような照度分布が得られ、被観察部に均一な照度分布の励起光を照射することができない。上述したように励起光の照射によって被観察部から発せられる蛍光強度は微弱なものであるため、励起光の照度分布が不均一であり励起光が十分に照射されない箇所があると蛍光画像上にムラを生じて適切な蛍光画像を取得することができない。
【0008】
特許文献1には、複数の光源から発せられた光をライトガイドに入射させることは開示されているが、被観察部に照射される光の照度分布を均一にするための手法については一切示唆されていない。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑み、被観察部に十分な強度かつ均一な照度分布の光を照射することができる光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光源装置は、被観察部に照射される光を発する複数の光源を有し、その複数の光源が、入射された光の側面反射を繰り返しながら導光して出射する1本のライトガイドに対して各光源から発せられた光を入射するものであるとともに、1本のライトガイドの光軸に対して互いに異なる角度で各光を入射するものであることを特徴とする。
【0011】
また、上記本発明の光源装置においては、ライトガイドの光軸に対して第1の角度で入射される光の光量よりもライトガイドの光軸に対して1の角度よりも大きい第2の角度で入射される光の光量の方を大きくすることができる。
【0012】
また、第1の角度でライトガイドに光を入射させる光源の数よりも第2の角度でライトガイドに光を入射させる光源の数の方を多くすることができる。
【0013】
また、第1の角度でライトガイドに光を入射させる光源から発せられる光の強度よりも第2の角度でライトガイドに光を入射させる光源から発せられる光の強度の方を大きくすることができる。
【0014】
また、第1の角度でライトガイドに入射される光の広がり角よりも第2の角度でライトガイドに入射される光の広がり角の方を小さくすることができる。
【0015】
また、各光源から発せられる光の光軸とライトガイドの光軸とによってなされる入射角が同一となるように複数の光源を配置することができる。
【0016】
また、複数の光源から発せられてライトガイドに入射される光のうち、ライトガイドの光軸に対して0°より大きい角度で入射される光のビーム断面形状を楕円にする光学系を設けることができる。
【0017】
また、ライトガイドの出射端面から出射された光を拡散する拡散部を設けることができる。
【0018】
また、ライトガイドとして単芯の光ファイバを用いることができる。
【0019】
また、光源として半導体光源を用いることができる。
【0020】
また、半導体光源としてレーザ光源を用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の光源装置によれば、入射された光の側面反射を繰り返しながら導光して出射する1本のライトガイドに対して複数の光源から発せられた各光を入射するとともに、そのライトガイドの光軸に対して互いに異なる角度で各光を入射するようにしたので、ライトガイドに入射された各光はそれぞれライトガイド内で平均化され、入射された光の角度成分を持つ同心円状の照度分布の光がライトガイドから出射されることになる。これにより複数の同心円状の照度分布の足し合わせを得ることができるので、ライトガイドの出射端面では略均一化された照度分布の光を得ることができる。
【0022】
したがって、このライトガイドの出射端面から出射された光を被観察部に照射することによって被観察部に対して十分な強度かつ均一な照度分布の光を照射することができる。
【0023】
また、ライトガイドに入射された光のうち、低角度成分で平均化される光よりも高角度成分で平均化される光の方が広い方位角に亘って平均化される。そこで、ライトガイドの光軸に対して第1の角度で入射される光の光量よりもライトガイドの光軸に対して1の角度よりも大きい第2の角度で入射される光の光量の方を大きくするようにした場合には、より均一な角度成分を有する光を得ることができる。
【0024】
また、第1の角度でライトガイドに入射される光の広がり角よりも第2の角度でライトガイドに入射される光の広がり角の方を小さくするようにした場合には、照度分布の端部で鋭く光量が減衰するような照度分布を有する光を得ることができる。ライトガイドの受光角より大きい角度で入射する光は損失となるので、照度分布の端部で鋭く光量が減衰するような照度分布の光とすることは、照明に寄与する光の利用効率を向上することができる。
【0025】
また、ライトガイドへ入射される光自体がある程度の広がり角を有する場合には、各光源から発せられる光の光軸とライトガイドの光軸とによってなされる入射角が同一となるように光源を配置するようにしても、低角度では平均化による照度の減少が小さく、高角度では平均化による照度の減少が大きいので、均一な照度分布を有する光を得ることができる。
【0026】
また、ライトガイドの入射端面に対して高角度で入射する光については、ライトガイドの光の入射面の形状が楕円となるため見込みサイズが減少することになる。具体的には、ライトガイドの光の入射面の面積をΩ、入射角をθとすると、ライトガイドの入射端面における見込みサイズはΩcosθで表される。この見込みサイズが減少すると入射する光の光量も減少することになる。
【0027】
そこで、複数の光源から発せられてライトガイドに入射される光のうち、ライトガイドの光軸に対して0°より大きい角度で入射される光のビーム断面形状を楕円にする光学系を設けるようにした場合には、ライトガイドの入射端面における見込みサイズ内に光量を集中させることができるので、上述した光量の減少を回避することができる。
【0028】
また、ライトガイドの出射端面から出射された光を拡散する拡散部を設けるようにした場合には、さらに照度分布が均一化された光を得ることができる。また、このような拡散部を用いることによって、ライトガイドの受光角よりも広い範囲の均一な照明光を得ることができる。なお、この拡散部における平均化を見込んでライトガイドの入射される光の角度分布を設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の光源装置の一実施形態を用いた硬性鏡システムの概略構成図
【図2】体腔挿入部の概略構成図
【図3】撮像ユニットの概略構成図
【図4】図1に示す硬性鏡システムにおけるプロセッサと光源装置の内部構成を示す図
【図5】ライトガイドの入射端面における励起光L2_1〜L2_3の角度分布の一例を示す図
【図6】ライトガイドの出射端面における励起光の照度分布のグラフ(点線)と拡散部から出射される励起光の照度分布のグラフ(実線)との一例を示す図
【図7】ライトガイドの出射端面における励起光の照度分布を示す図
【図8】ライトガイドの入射端面における励起光L2_1〜L2_3の角度分布のその他の例を示す図
【図9】図8に示す励起光L2_1〜L2_3の角度分布を実現するための近赤外レーザ光源の配置を示す図
【図10】本発明の光源装置のその他の実施形態を示す図
【図11】図10に示す光源装置のライトガイドの入射端面における励起光L2_1〜L2_3の角度分布を示す図
【図12】本発明の光源装置のその他の実施形態を示す図
【図13】+10°の角度から入射される励起光の広がり角よりも±20°の角度から入射される励起光の広がり角の方を小さくする例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の光源装置の一実施形態を用いた硬性鏡システムについて詳細に説明する。本実施形態の硬性鏡システムは、その光源装置の構成に特徴を有するものであるが、まずは硬性鏡システム全体の構成について説明する。図1は、本実施形態の硬性鏡システム1の概略構成を示す外観図である。
【0031】
本実施形態の硬性鏡システム1は、図1に示すように、白色の通常光および励起光を出射する光源装置2と、光源装置2から出射された通常光および励起光を導光して被観察部に照射するとともに、通常光の照射により被観察部から反射された反射光に基づく通常像および励起光の照射により被観察部から発せられた蛍光に基づく蛍光像を撮像する硬性鏡撮像装置10と、硬性鏡撮像装置10によって撮像された画像信号に所定の処理を施すプロセッサ3と、プロセッサ3において生成された表示制御信号に基づいて被観察部の通常画像および蛍光画像を表示するモニタ4とを備えている。
【0032】
硬性鏡撮像装置10は、図1に示すように、体腔内に挿入される体腔挿入部30と、体腔挿入部30によって導光された被観察部の通常像および蛍光像を撮像する撮像ユニット20とを備えている。
【0033】
また、硬性鏡撮像装置10は、図2に示すように、体腔挿入部30と撮像ユニット20とが着脱可能に接続されている。そして、体腔挿入部30は、接続部材30a、挿入部材30b、ケーブル接続部30c、照射窓30dおよび撮像窓30eを備えている。
【0034】
接続部材30aは、体腔挿入部30(挿入部材30b)の撮像ユニット20側の一端部30Xに設けられており、たとえば撮像ユニット20に形成された開口20aに嵌め合わされることにより、撮像ユニット20と体腔挿入部30とが着脱可能に接続される。
【0035】
挿入部材30bは、体腔内の撮影を行う際に体腔内に挿入されるものであって、硬質な材料から形成され、たとえば、直径略5mmの円柱形状を有している。体腔挿入部30の内部には、撮像窓30eから入射された被観察部の通常像および蛍光像を結像し、体腔挿入部30の撮像ユニット20側の一端部30Xまで導光してその一端部30Xから出射させるリレーレンズ30f(図4参照)が設けられている。このリレーレンズ30fから出射された通常像および蛍光像が撮像ユニット20に入射される。
【0036】
挿入部材30bの側面には、図2に示すように、ケーブル接続部30cが設けられており、このケーブル接続部30cに対してライトガイドLGがコネクタCによって機械的に接続される。これにより、光源装置2と挿入部材30bとがライトガイドLGを介して光学的に接続されることになる。
【0037】
なお、ライトガイドLGの先端にはコネクタ71(図4参照)が設けられており、ライトガイドLGはこのコネクタ71を介して光源装置2に着脱可能に接続されるものである。ライトガイドLGは、たとえばバンドル化されたマルチモード光ファイバから構成されるものである。
【0038】
そして、体腔挿入部30の内部には、ケーブル接続部30cに接続されたライトガイドLGから発せられた通常光および励起光を導光するバンドル化されたマルチモード光ファイバ30g(図4参照)が設けられており、このマルチモード光ファイバ30gは、入射された通常光および励起光を挿入部材30bの先端部30Yまで導光して被観察部に向けて照射するものである。挿入部材30b内に設けられたマルチモード光ファイバ30gは、その先端が研磨されて照射窓30dが形成されている。
【0039】
図3は、撮像ユニット20の概略構成を示す図である。撮像ユニット20は、体腔挿入部30内のリレーレンズ30fにより結像された被観察部の蛍光像L4を撮像して被観察部の蛍光画像信号を生成する第1の撮像系と、体腔挿入部30内のリレーレンズ30fにより結像された被観察部の通常像L3を撮像して通常画像信号を生成する第2の撮像系とを備えている。これらの撮像系は、通常像L3を反射するとともに、蛍光像L4を透過する分光特性を有するダイクロイックプリズム21によって、互いに直交する2つの光軸に分けられている。
【0040】
第1の撮像系は、被観察部において反射し、ダイクロイックプリズム21を透過した励起光の波長以下の光をカットするとともに、後述する蛍光波長域照明光を透過する励起光カットフィルタ22と、体腔挿入部30から出射され、ダイクロイックプリズム21および励起光カットフィルタ22を透過した蛍光像L4を結像する第1結像光学系23と、第1結像光学系23により結像された蛍光像L4を撮像する高感度撮像素子24とを備えている。
【0041】
高感度撮像素子24は、蛍光像L4の波長帯域の光を高感度に検出し、蛍光画像信号に変換して出力するものである。高感度撮像素子24としては、たとえばモノクロの撮像素子を用いることができる。
【0042】
第2の撮像系は、体腔挿入部30から出射され、ダイクロイックプリズム21を反射した通常像L3を結像する第2結像光学系25と、第2結像光学系25により結像された通常像L3を撮像する撮像素子26を備えている。
【0043】
撮像素子26は、通常像の波長帯域の光を検出し、通常画像信号に変換して出力するものである。撮像素子26の撮像面には、3原色の赤(R)、緑(G)および青(B)、またはシアン(C)、マゼンダ(M)およびイエロー(Y)のカラーフィルタがベイヤー配列またはハニカム配列で設けられている。
【0044】
また、撮像ユニット20は、撮像制御ユニット27を備えている。撮像制御ユニット27は、高感度撮像素子24から出力された蛍光画像信号と撮像素子26から出力された通常画像信号とに対し、CDS/AGC(相関二重サンプリング/自動利得制御)処理やA/D変換処理を施し、ケーブル5(図1参照)を介してプロセッサ3に出力するものである。
【0045】
プロセッサ3は、図4に示すように、通常画像入力コントローラ41、蛍光画像入力コントローラ42、画像処理部43、メモリ44、ビデオ出力部45、操作部46、TG(タイミングジェネレータ)47およびCPU48を備えている。
【0046】
通常画像入力コントローラ41および蛍光画像入力コントローラ42は、所定容量のラインバッファを備えており、通常画像入力コントローラ41は、撮像ユニット20の撮像制御ユニット27から出力された1フレーム毎の通常画像信号を一時的に記憶するものであり、蛍光画像入力コントローラ42は、蛍光画像信号を一時的に記憶するものである。そして、通常画像入力コントローラ41に記憶された通常画像信号および蛍光画像入力コントローラ42に記憶された蛍光画像信号はバスを介してメモリ44に格納される。
【0047】
画像処理部43は、メモリ44から読み出された1フレーム毎の通常画像信号および蛍光画像信号が入力され、これらの画像信号に所定の画像処理を施し、バスに出力するものである。
【0048】
ビデオ出力部45は、画像処理部43から出力された通常画像信号および蛍光画像信号がバスを介して入力され、所定の処理を施して表示制御信号を生成し、その表示制御信号をモニタ4に出力するものである。
【0049】
操作部46は、種々の操作指示や制御パラメータなどの操作者による入力を受け付けるものである。後で詳述するが、特に、本実施形態においては励起光または通常光の出射角の変更を受け付けるものである。
【0050】
TG47は、撮像ユニット20の高感度撮像素子24、撮像素子26および後述する光源装置2のLDドライバ55を駆動するための駆動パルス信号を出力するものである。CPU48は装置全体を制御するものである。
【0051】
プロセッサ3と撮像ユニット20とは、図1および図4に示すように、ケーブル5を介して接続されるものである。ケーブル5は、撮像ユニット20で撮像された通常画像信号や蛍光画像信号を伝搬する信号配線やプロセッサ3から出力された制御信号を伝達する制御配線などを備えたものである。ケーブル5の先端にはコネクタ5aとコネクタ5bとが設けられており、ケーブル5はコネクタ5aを介してプロセッサ3に着脱可能に接続され、コネクタ5bを介して撮像ユニット20に着脱可能に接続されるものである。
【0052】
光源装置2は、図4に示すように、約400nm〜700nmの広帯域の波長からなる通常光(白色光)L1を出射する可視光ランプ50と、可視光ランプ50から出射された通常光L1を略平行光にして出射する非球面レンズ51と、750nm〜790nmの近赤外光である励起光を出射する第1〜第3の近赤外レーザ光源52,53,54と、第1〜第3の近赤外レーザ光源52,53,54を駆動するLDドライバ55と、第1〜第3の近赤外レーザ光源52,53,54からそれぞれ出射された励起光L2_1〜L2_3を略平行光にする第1〜第3のコリメートレンズ56,57,58と、第1〜第3のコリメートレンズ56,57,58から出射された励起光L2_1〜L2_3を集光して、後述するライトガイド60の入射端面60aに互いに異なる角度で入射させる集光レンズ59と、集光レンズ59によって集光されて入射された励起光L2_1〜L2_3を導光して出射端面60bから出射する1本のライトガイド60と、ライトガイド60から出射された励起光L2_1〜L2_3を拡散する拡散部61と、拡散部61から出射された励起光L2を透過するとともに、非球面レンズ51から出射された通常光L1を後述する集光レンズ63に向けて反射するダイクロイックミラー62と、ダイクロイックミラー62を透過した励起光L2とダイクロイックミラー62によって反射された通常光L1とを集光してライトガイドLGの光入射端面70に入射させる集光レンズ63とを備えている。
【0053】
可視光ランプ50としては、たとえばキセノンランプが用いられる。なお、本実施形態においては、通常光L1(可視光)として白色光を用いるようにしたが、これに限らず、可視波長を有する光であればその他の光を用いるようにしてもよい。
【0054】
また、本実施形態においては、励起光としての近赤外光を出射する光源として近赤外レーザ光源を用いるようにしたが、これに限らず、近赤外発光ダイオードを用いるようにしてもよい。
【0055】
本実施形態のライトガイド60は単芯の光ファイバであり、具体的には、たとえばコア径が600μm、NAが0.48の光ファイバを用いることができる。ただし、ライトガイドとしては、光ファイバに限らず、光ファイバと同様に入射された光の側面反射を繰り返しながら導光して出射するライトパイプなども用いることができる。また、ライトガイドの受光角は必要な照明範囲に応じて選択することができ、NAが0.48の光ファイバに限らず、NAが0.36、0.22または0.12の光ファイバも用いることができる。
【0056】
そして、第1〜第3の近赤外光レーザ光源52,53,54から出射された励起光L2_1〜L2_3は、集光レンズ59の異なる入射位置から入射され、集光レンズ59によって集光された励起光L2_1〜L2_3は、ライトガイド60の光軸に対して互いに異なる角度だけ傾斜させて入射されることになる。
【0057】
ここで、本実施形態においては、励起光L2_1と励起光L2_3が、ライトガイド60の光軸に対して20°の角度で入射されるように第1および第3の近赤外レーザ光源52,54が配置されるものとし、励起光L2_2が、ライトガイド60の光軸に対して10°の角度で入射されるように第2の近赤外レーザ光源53が配置されるものとする。すなわち、第1および第3の近赤外レーザ光源52,54は、第2の近赤外レーザ光源53よりも集光レンズ59の光軸から離れた位置に配置されることになる。
【0058】
そして、集光レンズ59によって集光された励起光L2_1〜L2_3は、ライトガイド60の入射端面60aに互いに異なる角度で入射されるが、図5に示すように、励起光L2_1と励起光L2_3の方が、励起光L2_2よりも入射端面60aの中心位置から離れた位置から入射されることになる。
【0059】
そして、上記のようにしてライトガイド60の入射端面60aから入射された励起光L2_1〜L2_3は、ライトガイド60内で平均化されて導光され出射端面60bから出射されるが、この出射光の強度分布を図6に示す。なお、図6において点線で示されるグラフが、ライトガイド60の出射端面60bから出射される励起光L2_1〜L2_3の強度分布を示すものである。また、図6に示す横軸は、ライトガイド60の出射端面60bから出射される励起光L2_1〜L2_3の出射角度を示している。
【0060】
図6に示すように、ライトガイド60の出射端面60bからは±20°の出射角度で励起光L2_1および励起光L2_3が出射され、±10°の出射角度で励起光L2_2が出射されることになる。そして、これによりライトガイド60の出射端面60bからは、図7に示すような同心円状の励起光L2_1〜L2_3が出射されることになる。図7に示す小さい方の円形の輪状の出射光が励起光L2_2であり、大きい方の円形の輪状の出射光が励起光L2_1および励起光L2_3である。
【0061】
なお、ライトガイド60の出射端面60bから出射される光の照度は、その光の入射角度(=出射角度)が大きいほど小さいものとなるが、本実施形態においては、入射角度(=出射角度)が大きい方の励起光を出射する近赤外レーザ光源の数を入射角度(=出射角度)が小さい方の励起光を出射する近赤外レーザ光源の数よりも多くするようにしたので、ライトガイド60の出射端面60bから±20°の出射角度で出射された励起光L2_1および励起光L2_3の照度と、±10°の出射角度で出射された励起光L2_2の照度とを略同じにすることができる。また、照度分布を均一にする方法としては、上記のように近赤外レーザ光源の数を増加させる方法の他に、入射角度(=出射角度)が大きい方の励起光を出射する近赤外レーザ光源の励起光の強度を入射角度(=出射角度)が小さい方の励起光を出射する近赤外レーザ光源の励起光の強度よりも大きくするようにしてもよい。また、近赤外レーザ光源の数と各近赤外レーザ光源から出射される励起光の強度との両方を調整することによって照度分布を均一にするようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態においては、集光レンズ59によって集光された励起光L2_1〜L2_3が入射されるライトガイド60を1本だけ設けるようにしたが、これに限らず、上述したように互い異なる角度から複数の励起光が入射されるようなライトガイド60を複数本設けるようにしてもよい。たとえば、互いに異なる角度から複数の励起光が入射される光ファイバを複数本束ねたバンドル光ファイバを用いるようにしてもよい。
【0063】
また、本実施形態においては、励起光L2_1〜L2_3をライトガイド60の入射端面60aに入射させる光学素子として、正のパワーをもつ集光レンズを用いるようにしたが、このような集光レンズとしては、たとえば球面レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズを用いることができる。また、その他の光学素子として、回折格子、凹面鏡、放物面鏡も用いることができ、集光レンズやこれらの光学素子を組み合わせて用いるようにしてもよい。そして、これらの光学素子と第1〜第3の近赤外レーザ光源52,53,54とのアライメントによってライトガイド60への励起光L2_1〜L2_3の入射角度を設定することができる。
【0064】
拡散部61は、ライトガイド60の出射端面60bから出射された同心円状の励起光L2_1〜L2_3を拡散して略均一な照度分布を有するような励起光L2を出射するものである。図6において実線で示されるグラフが、拡散部61から出射された励起光L2の強度分布を示すものである。拡散部61としては、たとえば、磨りガラスやマイクロレンズアレイ、微小凹凸構造、微粒子分散膜、その他拡散作用のある光学素子として公知のものを利用することができる。
【0065】
ダイクロイックミラー62は、上述したように通常光L1を反射するとともに、励起光L2を透過するものであり、集光レンズ63の光軸方向に対して45°の傾きをもって配置されている。
【0066】
集光レンズ63は、上述したように非球面レンズ51によって略平行光とされた通常光L1が入射され、この通常光L1をライトガイドLGの光入射端面70に集光して入射させるものであるとともに、拡散部61から出射された励起光L2が入射され、この励起光L2をライトガイドLGの光入射端面70に集光して入射させるものである。
【0067】
なお、本実施形態においては、励起光として近赤外光を用いるようにしたが、これに限らず、広帯域の波長からなる通常光よりも狭帯域のその他の波長を用いることができる。そして、励起光は、上記波長域の光に限定されず、蛍光色素の種類もしくは自家蛍光させる生体組織の種類などによって適宜決定されるものである。
【0068】
次に、本実施形態の硬性鏡システムの作用について説明する。
【0069】
まず、光源装置2に接続されたライトガイドLGのコネクタCが体腔挿入部30の挿入部材30bのケーブル接続部30cに接続されるとともに、プロセッサ3に接続されたケーブル5のコネクタ5bが撮像ユニット20に接続される。
【0070】
次に、光源装置2の電源がオンされた後、使用者により体腔挿入部30が体腔内に挿入され、体腔挿入部30の先端が被観察部の近傍に設置される。
【0071】
そして、光源装置2の可視光ランプ50から通常光L1が出射され、その通常光L1は非球面レンズ51によって略平行光にされたあとダイクロイックミラー62によって直角方向に反射されて集光レンズ63に入射され、集光レンズ63によって集光されてライトガイドLGの光入射端面70に入射される。
【0072】
一方、光源装置2の第1〜第3の近赤外レーザ光源52,53,54から励起光L2_1〜L2_3が出射され、その励起光L2_1〜L2_3はコリメートレンズ56,57,58をそれぞれ透過した後、集光レンズ59のそれぞれ互いに異なる入射位置から入射される。
【0073】
そして、集光レンズ59に入射された励起光L2_1〜L2_3は、ライトガイド60の入射端面60aに対して互いに異なる角度からそれぞれ入射される。そして、ライトガイド60に入射された励起光L2_1〜L2_3はライトガイド60によって平均化されて導光されたあとライトガイド60の出射端面60bから同心円状に出射され、その同心円状の励起光L2_1〜L2_3は拡散部61によって拡散されてダイクロイックミラー62を透過したあと集光レンズ63に入射される。そして、集光レンズ63に入射された励起光L2は、集光レンズ63によって集光されてライトガイドLGの光入射端面70に入射される。
【0074】
次いで、上述したようにしてライトガイドLGの光入射端面70に入射された通常光L1と励起光L2とはライトガイドLGによって導光されて体腔挿入部30内のマルチモード光ファイバ30gの光入射端面から入射され、マルチモード光ファイバ30gによって導光された通常光L1および励起光L2が体腔挿入部30の先端から被観察部に向けて照射される。
【0075】
そして、上述したような通常光L1の照射によって被観察部から反射された反射光に基づく通常像が撮像されるとともに、励起光L2の照射によって被観察部から発せられた蛍光に基づく蛍光像が撮像される。なお、被観察部には、予めICGが投与されており、このICGから発せられる蛍光を撮像するものとする。
【0076】
具体的には、通常像の撮像の際には、通常光L1の照射によって被観察部から反射された反射光に基づく通常像L3が挿入部材30bの先端部30Yから入射し、挿入部材30b内のリレーレンズ30fにより導光されて撮像ユニット20に向けて出射される。
【0077】
撮像ユニット20に入射された通常像L3は、ダイクロイックプリズム21により撮像素子26に向けて直角方向に反射され、第2結像光学系25により撮像素子26の撮像面上に結像され、撮像素子26によって所定のフレームレートで順次撮像される。
【0078】
撮像素子26から順次出力された通常画像信号は、撮像制御ユニット27においてCDS/AGC(相関二重サンプリング/自動利得制御)処理やA/D変換処理が施された後、ケーブル5を介してプロセッサ3に順次出力される。
【0079】
そして、プロセッサ3に入力された通常画像信号は、通常画像入力コントローラ41において一時的に記憶された後、メモリ44に格納される。そして、メモリ44から読み出された1フレーム毎の通常画像信号は、画像処理部43において階調補正処理およびシャープネス補正処理が施された後、ビデオ出力部45に順次出力される。
【0080】
そして、ビデオ出力部45は、入力された通常画像信号に所定の処理を施して表示制御信号を生成し、1フレーム毎の表示制御信号をモニタ4に順次出力する。そして、モニタ4は、入力された表示制御信号に基づいて通常画像を表示する。
【0081】
一方、蛍光像の撮像の際には、励起光L2の照射によって被観察部から発せられた蛍光に基づく蛍光像L4が挿入部材30bの先端部30Yから入射し、挿入部材30b内のリレーレンズ30fにより導光されて撮像ユニット20に向けて出射される。
【0082】
撮像ユニット20に入射された蛍光像L4は、ダイクロイックプリズム21および励起光カットフィルタ22を通過した後、第1結像光学系23により高感度撮像素子24の撮像面上に結像され、高感度撮像素子24によって所定のフレームレートで撮像される。
【0083】
高感度撮像素子24から順次出力された蛍光画像信号は、撮像制御ユニット27においてCDS/AGC(相関二重サンプリング/自動利得制御)処理やA/D変換処理が施された後、ケーブル5を介してプロセッサ3に順次出力される。
【0084】
そして、プロセッサ3に入力された蛍光画像信号は、蛍光画像入力コントローラ42において一時的に記憶された後、メモリ44に格納される。そして、メモリ44から読み出された1フレーム毎の蛍光画像信号は、画像処理部43において所定の画像処理が施された後、ビデオ出力部45に順次出力される。
【0085】
そして、ビデオ出力部45は、入力された蛍光画像信号に所定の処理を施して表示制御信号を生成し、1フレーム毎の表示制御信号をモニタ4に順次出力する。そして、モニタ4は、入力された表示制御信号に基づいて蛍光画像を表示する。
【0086】
上記実施形態の硬性鏡システムによれば、1本のライトガイド60に対して複数の近赤外レーザ光源52,53,54から発せられた各励起光L2_1〜L2_3を入射するとともに、そのライトガイド60の光軸に対して互いに異なる角度で各励起光L2_1〜L2_3を入射するようにしたので、ライトガイド60に入射された各励起光L2_1〜L2_3はそれぞれライトガイド60内で平均化され、入射された励起光の角度成分を持つ同心円状の照度分布の励起光がライトガイド60から出射されることになる。これにより複数の同心円状の照度分布の足し合わせを得ることができるので、ライトガイド60の出射端面60bでは略均一化された照度分布の光を得ることができる。
【0087】
したがって、このライトガイド60の出射端面60bから出射された励起光L2を被観察部に照射することによって被観察部に対して十分な強度かつ均一な照度分布の光を照射することができる。
【0088】
また、上記実施形態の硬性鏡システムの光源装置2においては、図5に示すように、10°の角度の励起光L2_2をライトガイド60の入射端面60aの上側半円内に入射されるようにし、20°の角度の励起光L2_1と励起光L2_3とをライトガイド60の入射端面60aの下側半円内に入射されるようにしたが、これに限らず、たとえば、図8に示すように、ライトガイド60の入射端面60aの上側半円内に全ての励起光L2_1〜L2_3が入射されるようにしてもよい。
【0089】
具体的には、図9に示すように、第1の近赤外レーザ光源52およびコリメートレンズ56の組と、第3の近赤外レーザ光源54およびコリメートレンズ58の組とのいずれか一方の組を他方の組側に寄せて配置するようにすればよい。なお、図9においては、図面を見易くするため、第1の近赤外レーザ光源52およびコリメートレンズ56の組と、第2の近赤外レーザ光源54およびコリメートレンズ58の組とを重ねて表現しているが、実際には若干ずれて配置されているものとする。
【0090】
上記のように第1の近赤外レーザ光源52およびコリメートレンズ56の組と、第3の近赤外レーザ光源54およびコリメートレンズ58の組とを近づけて配置することによって、第1〜第3の近赤外レーザ光源をコンパクトに配置することができるとともに、集光レンズ85の大きさも小さくすることができるので、光源装置全体のサイズを小さくすることができる。
【0091】
また、上記実施形態の硬性鏡システムの光源装置2においては、ライトガイド60の光軸に対して+10°の角度と±20°の角度とから励起光を入射するようにしたが、これに限らず、たとえば、ライトガイド60の光軸に対して+10°の角度と−10°の角度とから励起光を入射するようにしてもよい。すなわち、ライトガイド60の光軸と各励起光の光軸とがなす角が同一となるように励起光を入射するようにしてもよい。
【0092】
具体的には、たとえば、図10に示すように、第1の近赤外レーザ光源80およびコリメートレンズ82との組と、第2の近赤外レーザ光源81およびコリメートレンズ83との組とをライトガイド60の光軸に対して対称に設け、これらの組からそれぞれ出射された励起光L2_1と励起光L2_2とを集光レンズ84に入射し、集光レンズ84によってライトガイド60の入射端面60aに入射させるようにしてもよい。
【0093】
なお、上述したようにライトガイド60の光軸に対して+10°の角度と−10°の角度とから励起光L2_1および励起光L2_2を入射するようにした場合、ライトガイド60の出射端面60bからは、出射端面60bの中心位置から同じ半径の円形の輪状の励起光L2_1および励起光L2_2が出射されることになる。したがって、このライトガイド60の出射端面60bから出射される励起光の照度分布を略均一にするため、たとえばコリメートレンズ82,83の焦点距離を長くすることによって、図11に示すようにライトガイド60の入射端面60aに入射される励起光L2_1および励起光L2_2の広がり角を大きくするようにしてもよい。このように励起光L2_1および励起光L2_2の広がり角を大きくして、ライトガイド60の入射端面60aの中心位置付近にも励起光を入射させることによって、上記実施形態のような拡散部61を設けることなく、ライトガイド60の出射端面60bから出射される励起光の照度分布を均一にすることができる。
【0094】
また、上記実施形態の硬性鏡システムの光源装置2においては、ライトガイド60の入射端面60aに対して±20°の角度から励起光L2_1,L2_3を入射するようにしたが、このようにライトガイド60の光軸に対して傾いた方向から励起光を入射端面60aに入射させた場合、入射端面60aに対する励起光の入射方向が垂直ではなく、垂直方向から傾いた方向となるため励起光の入射面の形状は楕円となって見込みサイズが減少し、光量の損失を招くことになる。
【0095】
そこで、たとえば、図12に示すように、ライトガイド60の入射端面60aに対して±20°の角度から入射される励起光L2_1,L2_3のビーム断面形状と、励起光の入射面の形状とが同じになるように、励起光L2_1,L2_3のビーム断面形状を楕円とする光学系90,91をそれぞれ設けるようにしてもよい。このような光学系90,91としては、たとえば図12に示すようなアナモルフィックプリズムを用いることができる。ただし、これに限らずその他の公知な光学系を用いることができ、たとえばウェッジプレートやシリンドリカルレンズなども用いることができる。
【0096】
このようにして励起光のビーム断面形状を楕円にする光学系を設けることによって、上述した光量の損失を防止することができる。
【0097】
なお、図12に示す例では、±20°の角度から入射される励起光のビーム断面形状を楕円にするようにしたが、+10°の角度から入射される励起光のビーム断面形状についても楕円にするようにしてもよい。すなわち、ライトガイド60の光軸に対して0°より大きい角度で入射される励起光の場合に対して、その角度に限らずビーム断面形状を楕円にする光学系を設けることによって光量の損失を防止するという効果を得ることができる。
【0098】
また、上記実施形態の硬性鏡システムの光源装置2においては、ライトガイド60に入射される励起光L2_1〜L2_3の広がり角については特に言及していないが、図13に示すように+10°の角度から入射される励起光の広がり角よりも±20°の角度から入射される励起光の広がり角の方が小さくなるようにすることが望ましい。このように広がり角を設定することによって、ライトガイド60の出射端面60bから出射される励起光L2の照度分布を、その照度分布の端部で鋭く光量が減衰するようなものとすることができる。ライトガイド60の受光角よりも大きい角度で入射する励起光は損失となるので、上述したように照度分布の端部で鋭く光量が減衰するような照度分布とすることによって、照明に寄与する励起光の利用効率を上げることができる。なお、上述したように励起光L2_1〜L2_3の広がり角に差を設ける方法としては、各励起光L2_1〜L2_3をそれぞれ集光するために用いる光学素子のパワーを変え、集光時の倍率を変えるようにしてもよいし、広がり角の異なるような別の光源を用いるようにしてもよい。
【0099】
また、上記実施形態の硬性鏡システムの光源装置2においては、励起光L2_1〜L2_3を1つの正のパワーの集光レンズ59に対して互いに異なる位置から入射することによって、励起光L2_1〜L2_3がライトガイド60の光軸に対して互いに異なる角度から入射されるようにしたが、これに限らず、集光レンズ59などによって集光することなく、第1〜第3の近赤外レーザ光源から発せられた励起光L2_1〜L2_3を直接ライトガイド60の入射端面60aに入射させることによって、励起光L2_1〜L2_3がライトガイド60の光軸に対して互いに異なる角度から入射されるようにしてもよい。
【0100】
また、上記実施形態の硬性鏡システムにおいては、励起光L2_1〜L2_3が入射されるライトガイド60を光源装置内に設けるようにしたが、たとえば体腔挿入部30に接続されるライトガイドLGとして単芯の光ファイバなどを用いる場合には、光源装置内にライトガイド60を設ける必要はなく、集光レンズ59によって集光された励起光L2_1〜L2_3をライトガイドLGに直接入射するようにすればよい。
【0101】
また、上記実施形態の硬性鏡システムにおいては、第1の撮像系により蛍光画像を撮像するようにしたが、これに限らず、被観察部への特殊光の照射による被観察部の吸光特性に基づく画像を撮像するようにしてもよい。
【0102】
また、上記実施形態は、本発明の光源装置を硬性鏡システムに適用したものであるが、これに限らず、たとえば、軟性内視鏡システムに適用してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 硬性鏡システム
2 光源装置
3 プロセッサ
4 モニタ
10 硬性鏡撮像装置
20 撮像ユニット
24 高感度撮像素子
26 撮像素子
30 体腔挿入部
30f リレーレンズ
30g マルチモード光ファイバ
50 可視光ランプ
51 非球面レンズ
52 第1の近赤外レーザ光源
53 第2の近赤外レーザ光源
54 第3の近赤外レーザ光源
56,57,58 コリメートレンズ
59 集光レンズ
60 ライトガイド
61 拡散部
62 ダイクロイックミラー
63 集光レンズ
80 第1の近赤外レーザ光源
81 第2の近赤外レーザ光源
82,83 コリメートレンズ
84 集光レンズ
85 集光レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被観察部に照射される光を発する複数の光源を有し、
前記複数の光源が、入射された光の側面反射を繰り返しながら導光して出射する1本のライトガイドに対して前記各光源から発せられた光を入射するものであるとともに、前記ライトガイドの光軸に対して互いに異なる角度で前記各光を入射するものであることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記ライトガイドの光軸に対して第1の角度で入射される光の光量よりも前記ライトガイドの光軸に対して前記1の角度よりも大きい第2の角度で入射される光の光量の方が大きいことを特徴とする請求項1記載の光源装置。
【請求項3】
前記第1の角度で前記ライトガイドに光を入射させる前記光源の数よりも前記第2の角度で前記ライトガイドに光を入射させる前記光源の数の方が多いことを特徴とする請求項2記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1の角度で前記ライトガイドに光を入射させる前記光源から発せられる光の強度よりも前記第2の角度で前記ライトガイドに光を入射させる前記光源から発せられる光の強度の方が大きいことを特徴とする請求項2記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1の角度で前記ライトガイドに入射される光の広がり角よりも前記第2の角度で前記ライトガイドに入射される光の広がり角の方が小さいことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の光源装置。
【請求項6】
前記各光源から発せられる光の光軸と前記ライトガイドの光軸とによってなされる入射角が同一となるように前記複数の光源が配置されるものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の光源装置。
【請求項7】
前記複数の光源から発せられて前記ライトガイドに入射される光のうち、前記ライトガイドの光軸に対して0°より大きい角度で入射される光のビーム断面形状を楕円にする光学系を備えたことを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の光源装置。
【請求項8】
前記ライトガイドの出射端面から出射された光を拡散する拡散部を備えたことを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の光源装置。
【請求項9】
前記ライトガイドが、単芯の光ファイバであることを特徴とする請求項1から8記載の光源装置。
【請求項10】
前記光源が、半導体光源であることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の光源装置。
【請求項11】
前記半導体光源が、レーザ光源であることを特徴とする請求項1から10いずれか1項記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−90706(P2013−90706A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233537(P2011−233537)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】