説明

光照射装置、カメラ装置及びカメラ付きモバイル端末装置

【課題】簡易で小型な構成で、光照射範囲を容易に拡大又は縮小することができる光照射装置、カメラ装置及びカメラ付きモバイル端末装置を提供する。
【解決手段】本発明は、光源12の挿入孔19aが形成された湾曲状のリフレクタ19と、リフレクタ19の裏面側に設けて光源12を支持する光源支持体7と、光源支持体7を移動させる光源駆動部17とを備える光照射装置において、光源支持体7に固定したコイル15と、コイル15に対向配置したマグネット13はリフレクタ19の湾曲部の裏側空間に配置してあり、コイル15に通電したときの電磁力により光源支持体7を照射レンズ6の光軸方向に向けて移動することで、被照射体に対する照射範囲を拡大又は縮小する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被照射体に光を照射する光照射装置、その光照射装置を備えるカメラ装置及びカメラ付きモバイル端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光源支持体を駆動手段により駆動して、複数の光源からの光照射方向を変える光照射装置が開示されている。この特許文献1に記載の技術は、複数の光源の光照射方向を変えることにより被照射体に対する照射範囲や配光特性を変えるものである。
また、特許文献2には、携帯電話等に搭載される小型カメラにおいて、光学ズーム機能を設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−47706号公報
【特許文献2】特開2007−53840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、光照射装置は、特許文献1に記載のように複数の光源の光照射方向を変える構成では、光照射範囲において均等な光量を得難いという問題がある。
また、カメラによる撮影時に被写体に光を照射する場合、撮影画角よりも光照射範囲が小さい場合には被写体全体に光をあてることができず、撮影画角よりも光照射範囲が大きすぎる場合には、光が無駄に広がって電力の効率的使用が阻害されると共に光の漏れにより周囲に不快感を生じさせるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、簡易で小型な構成で、光照射範囲を容易に拡大又は縮小することができる光照射装置、カメラ装置及びカメラ付きモバイル端末装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、光源と、照射レンズと、光源の挿入孔が形成された湾曲状のリフレクタと、リフレクタの裏面側に設けて光源を支持する光源支持体と、光源支持体を移動させる光源駆動部とを備え、光源駆動部は、光源支持体に固定したコイルと、コイルに対向配置したマグネットとを有し、コイル及びマグネットはリフレクタの湾曲部の裏側空間に配置してあり、コイルに通電したときの電磁力により光源支持体を照射レンズの光軸方向に向けて移動することで、被照射体に対する照射範囲を拡大又は縮小することを特徴とする光照射装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光照射装置と、光学ズームレンズを有するズームカメラとを備え、ズームカメラは光学ズームレンズの移動により設定した倍率における撮影画角を演算し、光照射装置はズームカメラから受けた撮影画角情報に基づいて光源駆動部を駆動することを特徴とするカメラ装置である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のカメラ装置を搭載したことを特徴とするカメラ付きモバイル端末装置である。
モバイル端末装置とは、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ノートパソコン等を言う。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、被照射体に光を照射する光源を照射レンズに対してその光軸方向に移動する構成であるから、簡易な構成で且つ容易に、被照射体に対する光照射範囲を拡大又は縮小することができる。
光照射範囲を拡大又は縮小することにより被照射体を所定の範囲で照らすことができるから、光照射範囲では均等な光量を与えると共に周囲に対する光の漏れを低減できる。
【0010】
光源駆動部は、コイルとマグネットとによる構成であるから構成が簡易であり、コイルに通電する電流を制御するだけであるから駆動制御も容易にできる。
コイルとマグネットとは、リフレクタの湾曲部の裏側空間に配置することにより、これをリフレクタの外周縁よりも半径方向外側に配置する場合に比較して、照射レンズの光軸と直交する面における装置全体の寸法を小さくできると共にリフレクタの裏側空間の実装密度を高め、装置の小型化を図ることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様な作用効果を奏すると共に、カメラの撮影画角に応じて光照射装置の光源駆動部を駆動するので、カメラの光学ズーム機能にもとづく撮影画角に連動した光照射範囲の拡大又は縮小が容易にできる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を奏するカメラ付きモバイル端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る光照射装置を図2のM−M位置で切断して示す縦断面である。
【図2】図1に示す光照射装置を前側から見た分解斜視図である。
【図3】図1に示す光照射装置を後側から見た分解斜視図である。
【図4】図1に示す光源体を設けた基板の斜視図である。
【図5】第1実施の形態に係る光照射装置の作用を説明する光路図である。
【図6】図8に示すA−A断面図である。
【図7】図6に示すB−B断面図である。
【図8】第1実施の形態に係るカメラの正面図である。
【図9】第1実施の形態に係る光照射装置及びレンズ駆動装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、添付図面の図1〜図9を参照して、本発明の第1実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態に係る光照射装置1は、図9に示すように携帯電話2に組み込まれる光学ズームカメラ4用の光照射装置であり、光学ズームカメラ4で撮影するときにいわゆる「フラッシュ」として用い、暗がり等で被写体に光を照射するものである。
【0015】
光照射装置1は、図1〜図3に示すように、内周に照射レンズ6を固定したフレーム8と、フレーム8を装着するベース5と、フレーム8とベース5との間に設けたリフレクタ19及び環状のホルダ16を備えている。
【0016】
リフレクタ19は被写体側(以下、「前側」という)を凹状の反射面(表面)とした略半球形状を成し、リフレクタ19において被写体側と反対側(以下、単に「後側」という)にある底面には十字形状の切除部19aが形成されている。この切除部19aには光源12及び光源支持体7の一部が配置されている。リフレクタ19は光源12で発光された光の一部を照射レンズ6に向けて反射する。
【0017】
図1に示すように、リフレクタ19の裏面側であって環状のホルダ16の内周側には、光源2を照射レンズの光軸方向に移動させる光源駆動部17が配置されている。
【0018】
光源駆動部17は、図1〜図3に示すように、ヨーク3と、ヨーク3の前側に配置される前側スプリング9と、ヨーク3の後側に配置される後側スプリング11と、マグネット13と、光源支持体7とを備えており、ヨーク3はホルダ16の内周に保持されている。
【0019】
光源12は、基板10の一端部10aに固定してあり、この一端部10aが光源支持体7の前側に固定されている。基板10の他端部10bは、ベース5に固定されている。図1に示すように、基板10には、ホール素子41が取付けてあり、ホール素子41はホルダ16に固定したマグネット42に対向して配置されている。このホール素子41がマグネット42の磁力を検知することにより照射レンズ6の光軸方向における光源12の移動距離を検知する。
【0020】
基板10は一端部10aと他端部10bとの間に複数回曲げて返した曲げ部10cを形成しており、曲げ部10cの弾性変形により照射レンズ6の光軸方向に移動自在にしてある。
【0021】
ヨーク3は、リフレクタ19の裏面側の空間でホルダ16の内周に配置されており、リフレクタ19の周方向に沿った環状を成している。ヨーク3は、前側から見て外周が平面視四角形であり、内周が平面視円形になっており、外周壁3aと、内周壁3bと、外周壁3aと内周壁3bとを連結する連結壁3cとからなり、外周壁3aと内周壁3bと連結壁3cとで断面が略コ字形状を成している。
【0022】
図3に示すように、連結壁3cには、ヨーク3の角部3d間の位置に挿通孔3eが形成されている。この挿通孔3eには、図1及び図2に示すように、光源支持体7に突設されたコイル固定部23がヨーク3に対して移動自在に挿通されている。
ヨーク3の4つの各角部3dには内周壁3bの外周側にマグネット13が固定されている。
【0023】
マグネット13は内周側と外周側とで磁極を異にしており、例えば外周側の面をN極とし、内周側の面をS極としてある。
【0024】
図2及び図3に示すように、前側スプリング9は、組み付け前の自然状態が平板状であり、平面視矩形の環状を成す外周側部9aと、外周側部9aの各角部から内周に突設された腕部9bとを備え、腕部9bの内周側端9cはコイル15の前端15aに固定されている。尚、前側スプリング9の外周側部9bは、フレーム8とホルダ16との間に挟持されている。
【0025】
後側スプリング11は、組み付け前の自然状態が平板状であり、平面視矩形の環状を成す外周側部11aと、外周側部11aの各角部から内周側に突設された腕部11bとを備え、腕部11bの内周側端11cが光源支持体7の外周側部7aに固定されている。後側スプリング11の外周側部11aはベース5とホルダ16との間に挟持されており、ホルダ16に対して光源支持体7を照射レンズ6の光軸方向(前側)に移動自在に支持している。
また、後側スプリング11は2つの部分30、32に分割されており、一方の分割部分30がコイル15のコイル線の一端に他方の分割部分32がコイル線の他端に接続されており、後側スプリング11からコイル15に直流電流が流される。
【0026】
光源支持体7は、環状の外周リブ7aと、外周リブ7aの内周側に十字状に設けた放射状リブ7bとから構成されており、放射状リブ7bの中央部(十字の中心部)の前側に基板10の一端部10aが固定されている。尚、上述したように、放射状リブ7bの中央部は光源12と共に、リフレクタ19の切除部19aに配置されている。これにより、光源12がリフレクタ19の湾曲した反射面の内側に配置されている。外周リブ7aの前側には、コイル固定部23が突設している。
【0027】
コイル15は、リフレクタ19の裏面の周囲に沿って巻いてあり、後端15bが光源支持体7のコイル固定部23に固定されていると共に上述したように前端15aが前側スプリング9の内周側端9cに固定されている。
【0028】
光源12は、本実施の形態では、LED(発光ダイオード)であるが、放電管によるフラッシュライトやレーザ光を発する光源等であっても良い。LEDは透明樹脂にモールドされている。
【0029】
照射レンズ6は集光レンズであり、本実施の形態では光源12として発散角が大きいLEDを用いている為に凸レンズであるが、発散角が小さい光源12を用いた場合は、照射レンズ6を凹レンズとしても良い。
【0030】
本実施の形態において、環状コイル15に電流を流さない場合が、図1に示すように光源12と照射レンズ6との距離が最も遠い位置にあり、図5に示すように、照射角、即ち照射レンズ6からの発散角が最も小さくて被照射体Pに対する照射範囲が最も狭い場合である。環状コイル15に電流を流すと、光源12が前方に移動し、光源12は、前側スプリング9及び後側スプリング11の前後方向の付勢力の合力と、環状コイル15及びマグネット13との間で生じる電磁力とが吊り合う位置で停止する。即ち、光源12と照射レンズ6との距離は、環状コイル15に電流を流さない場合に比べて短くなるため、照射角は大きくなり被照射体Pに対する照射範囲は広くなる。
【0031】
次に、本実施の形態にかかる光学ズームカメラ4を、図6〜図8を参照して説明する。光学ズームカメラ4は、ズームレンズを駆動するレンズ駆動装置101と、画像センサ111を搭載した基板104とを備えている。
レンズ駆動装置101は、筐体113内に、ズームレンズホルダ103、フォーカスレンズホルダ105と、ズームレンズホルダ103を駆動するズームレンズホルダ駆動手段107と、フォーカスレンズホルダ105を駆動するフォーカスレンズホルダ駆動手段109とを備えている。このレンズ駆動装置101は画像センサ111が設けてある基板104に装着されている。画像センサ111は、本実施の形態では、それぞれCCD(Charge Coupled Device)であるが、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)であっても良い。
【0032】
また、図7に示すように、筐体113内には、ズームレンズホルダ103の位置を検知するズームレンズ位置検出手段143と、フォーカスレンズホルダ105の位置を検知するフォーカスレンズ位置検出手段145とが設けてある。
【0033】
図6に示すように、ズームレンズホルダ103は、光学ズームレンズ114を保持しており、フォーカスレンズホルダ105は、フォーカスレンズ116を保持しており、筐体113には被写体側レンズ118と結像側レンズ120とがズームレンズ114とフォーカスレンズ116と光軸を一致して設けてある。
【0034】
ズームレンズ駆動手段107とフォーカスレンズ駆動手段109とは略同じ構成であるから、ズームレンズ駆動手段107を説明してフォーカスレンズ駆動手段109には同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の説明を省略する。
【0035】
ズームレンズ駆動手段107(フォーカスレンズ駆動手段109)は、振動部材117と、光軸方向に配置した駆動軸121(122)とから構成されており、駆動軸121(122)の基端121a(122a)は振動部材117に固定されている。駆動軸121(122)の先端部121b(122b)は、駆動軸121(122)を摺動自在に保持する軸受け部材112により、筺体113に保持されている。軸受け部材112は、弾性変形可能な部材でできており、本実施の形態では、シリコンゴム製である。尚、駆動軸121(122)の基端121a(122a)側にも駆動軸121(122)を摺動自在に保持する軸受け部材110が筐体113に取付けられている。
【0036】
振動部材117は、圧電素子123と、圧電素子123の表面に接着固定された弾性を有する振動子119とから構成されており、振動子119の表面には、駆動軸121(122)の基端121a(122a)が接着固定されている。
【0037】
一方、図6及び図7に示すように、ズームレンズホルダ103(フォーカスレンズホルダ105)の一端部には駆動軸121(122)と圧接する圧接部131が設けてあり、図7に示すように、圧接部131は、スプリング132により駆動軸121(122)の側面に圧接されている。
【0038】
ズームレンズホルダ103の他端部は、フォーカスレンズホルダ105の駆動軸122との係合部133が設けてあり、係合部133はフォーカスレンズホルダ105の駆動軸122に係合し、ズームレンズホルダ103の移動を案内している。係合部133は横断面がズームレンズホルダ103の中心側を底とする略U字であり、U字内にフォーカスレンズホルダ105の駆動軸122が挿通されている。
【0039】
フォーカスレンズホルダ105の他端部は、ズームレンズホルダ103の駆動軸121との係合部133が設けられてあり、係合部133はズームレンズホルダ103の駆動軸121に係合して、フォーカスレンズホルダ105の移動を案内している。係合部133は横断面がフォーカスレンズホルダ105の中心側を底とする略U字形状であり、U字内にズームレンズホルダ103の駆動軸121が挿入されている。
【0040】
フォーカスレンズホルダ105の構成はズームレンズホルダ103と略同じ構成であり、フォーカスレンズホルダ105の駆動軸122はズームレンズホルダ103の駆動軸121と同様に基端を振動部材117に取付けてある。
【0041】
次に、図7に示すズームレンズホルダ103の位置を検知するズームレンズ位置検出手段143と、フォーカスレンズホルダ105の位置を検知するフォーカスレンズ位置検出手手段145とについて説明する。ズームレンズ位置検出手段143とフォーカスレンズ位置検出手段145とは同じ構成であり、各々、レンズの光軸方向に沿って異なる磁極(S極とN極)を交互に配置した磁極部材157と、磁界強度を検知するMRセンサ159とから構成されている。磁極部材157は駆動軸121、122に沿って筺体113の内面に固定されており、MRセンサ159は各ホルダ103、105に固定されており、磁極部材157に対面した状態で各ホルダ103、105と共に移動して、各ホルダの基準位置(又は初期位置)からの移動量及び移動方向を検知可能になっている。
【0042】
筺体113は、図8に示すように、光軸方向の前側から見て前側壁115が正方形を成しており、全体として直方体である。図7に示すように、駆動軸121、122は前側から見た正方形の対角線E上に位置しており、この対角線Eと直交する対角線F上にはズームレンズ位置検出手段143とフォーカスレンズ位置検出手段145とが設けてある。
【0043】
図6及び図8に示すように、筐体113の前側壁115には、正方形の中央部に被写体側レンズ118を保持する被写体側レンズ保持開口125が形成されている。対角線E上において、被写体側レンズ保持開口125を挟む位置には駆動軸121及び122が位置しており、各駆動軸121、122の軸受け部材112を嵌合する嵌合凹部127が形成されている。
【0044】
図9に示すように、カメラ4の制御部21には、ズーム設定部23、撮影画角演算部25、及び演算した撮影画角を記録して画角情報を光照射制御部27に送信する画角情報記録部29が設けてある。一方、光照射制御部27には、画角情報記録部29からの画角情報を受ける画角情報受信部31、照明範囲制御部33が設けてある。
【0045】
ズーム設定部23ではレンズ駆動装置101におけるズームレンズホルダ103の移動量を検知し、撮影画角演算部25ではズームレンズホルダ103の移動量から、図5に示すようなカメラの撮影画角を演算し、演算した撮影画角情報を画角情報記録部29から光照射制御部27の画角情報度受信部31に送信する。照明範囲制御部33では、撮影画角情報に基づいて、撮影画角よりも僅かに大きい光照射角度(照射角)、例えば、撮影画角よりも1度〜5度大きい角度になるように、光源支持体7を移動する。これにより、照射レンズ6から照射される光は撮影画角に応じて照射角を変えるので、被写体を最適な光照射範囲で照らすことができる。
【0046】
次に、本発明の実施の形態に係る光照射装置1の作用及び効果について説明する。
カメラ4で撮影するときに光照射装置1を用いる場合、上述したように、ズーム設定部23によりズームレンズホルダ103が所定の撮影倍率位置へ移動すると、それに応じて画角演算部25がカメラの撮影画角を演算し、光照射装置1では照明範囲制御部33により撮影画角よりも僅かに大きい照射角となるように、光源12を移動する。
この場合、図1に示すように、光照射装置1において、コイル15に通電することにより生じる電磁力により、マグネット13との間で推力Fが生じ、光源支持体7は前側スプリング9及び後側スプリング11の付勢力と釣り合う位置で停止する。
【0047】
その後、カメラ4のシャッタに連動して光源12に電流が供給されて光源12が光を発し、被写体に光を照射する。
すなわち、本実施の形態によれば、図5に示すように、撮影画角に応じて照射レンズ6の位置を移動することにより照射範囲を拡大又は縮小することができる。尚、カメラ4の撮影倍率と光源12による照射角との関係は予め相関関係を求めたデータに基づいて決定される。
【0048】
本実施の形態によれば、光源12を照射レンズ6の光軸方向に移動する構成であるから、簡易な構成で且つ容易に、光照射範囲を拡大又は縮小することができる。
光照射範囲を拡大又は縮小することにより被照射体を所定の範囲で照らすことができるから、光照射範囲では均等な光量を与えると共に周囲に対する光の漏れを低減できる。
【0049】
光源駆動部17は、コイル15とマグネット13による構成であるから構成が簡易であり、コイル15に通電する電流を制御するだけであるから駆動制御も容易にできる。
コイル15とマグネット13とは、リフレクタ19の湾曲部の裏側空間に配置することにより、照射レンズの光軸と直交する面における装置全体の寸法を小さくできると共にリフレクタの裏側空間の実装密度を高め、装置の小型を図ることができる。
【0050】
特に、本実施の形態では、光源駆動部17は、リフレクタ19の裏側空間においてホルダ16の内周側に配置していると共にリフレクタ19のフットプリント内、即ちリフレクタを前側から見た平面内に収めることができ、フットプリントから食み出さないので、装置における外形を小さくすることができる。
【0051】
光源支持体7とコイル15とは、前側スプリング9と後側スプリング11とにより前側と後側の2箇所で保持されているので安定に保持することができる。
【0052】
光ズームカメラ4の光学ズームレンズ114の移動位置に基づいて、画角演算部25が演算した画角に応じて照明範囲制御部33によりレンズ支持体7を移動するので、カメラ撮影に連動した光照射範囲の制御ができる。
【0053】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、光照射装置1は、上述した実施の形態において、カメラ付き携帯電話におけるカメラのフラッシュとして用いたが、これに限らず、顕微鏡や投影装置等に用いてもよい。
リフレクタ19は略半球状に形成することに限らず、断面が放物線形状であったり楕円形状であっても良い。
マグネット13の磁力が十分に強い場合にはヨーク3はなくても良い。
【符号の説明】
【0054】
1 光照射装置
4A レンズ駆動装置
6 照射レンズ
7 光源支持体
12 光源
13 マグネット
15 コイル
17 光源駆動部
19 リフレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、照射レンズと、光源の挿入孔が形成された湾曲状のリフレクタと、リフレクタの裏面側に設けて光源を支持する光源支持体と、光源支持体を移動させる光源駆動部とを備え、
光源駆動部は、光源支持体に固定したコイルと、コイルに対向配置したマグネットとを有し、コイル及びマグネットはリフレクタの湾曲部の裏側空間に配置してあり、コイルに通電したときの電磁力により光源支持体を照射レンズの光軸方向に向けて移動することで、被照射体に対する照射範囲を拡大又は縮小することを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光照射装置と、光学ズームレンズを有するズームカメラとを備え、ズームカメラは光学ズームレンズの移動により設定した倍率における撮影画角を演算し、光照射装置はズームカメラから受けた撮影画角情報に基づいて光源駆動部を駆動することを特徴とするカメラ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のカメラ装置を搭載したことを特徴とするカメラ付きモバイル端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−73479(P2012−73479A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219096(P2010−219096)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000131348)シコー株式会社 (168)
【Fターム(参考)】