説明

光硬化性樹脂組成物及び粘着性高分子ゲル

【課題】粘着力に優れた粘着性高分子ゲルを製造しうる光硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】カルボキシ基を含むポリマーに、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーを付加させることにより得られた光硬化性プレポリマーと、光重合開始剤と、多価アルコールとの3成分を含み、前記多価アルコールが、3成分に対して、30〜80重量%含まれた光硬化性樹脂組成物により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂組成物及び粘着性高分子ゲルに関する。更に詳しくは、本発明は、粘着テープ、高分子ゲル等を製造する際に用いる光硬化性樹脂組成物及び、それを用いて得られる粘着性高分子ゲルに関する。
【背景技術】
【0002】
粘着性高分子ゲルは、生体用材料、医療用材料、衛生材料、工業用材料として幅広く利用されている。粘着性高分子ゲルは、種々のタイプのゲルが知られている。
粘着性高分子ゲルの製造方法として、ポリアクリル酸等のポリマーと多官能エポキシ化合物の混合液を加熱架橋して得る方法が存在する。
しかし、熱硬化反応する混合物は、カルボキシル基を含有するポリマーと、架橋剤を混合した直後から、例え常温でも反応が進行する。従って、一定時間内に使い切らなければ、ゲル化してしまい、原材料が無駄になる。つまり、ポットライフが存在するため、小刻みに混合し、塗工ラインに供給する必要がある等、決してハンドリングがよいとは言えない。
【0003】
樹脂に架橋剤を添加しても、ポットライフ内であれば流動性があり、塗工ラインに供給することは可能であるが、厳密には、徐々に反応が進行しており、製品の品質バラツキの要因ともなり得る。
更に、短時間でゲル化するために、架橋剤等の混合のための撹拌で発生した気泡を十分に脱泡するのも難しく、特に、原液が高粘度の場合は製品に気泡が混入する等の問題が生じる。
ある程度穏やかに架橋反応させる方法として、アルミ等の多価金属イオンを用いたイオン架橋を利用した粘着性高分子ゲルも存在する。しかし、このゲルでも、カルボキシル基含有ポリマーと多価金属を含む架橋剤を混合し、又は、酸等の触媒を添加すると同時に架橋反応が開始する。そのため、前記と同様、反応を完全に停止することは困難である。
【0004】
そこで、光硬化反応を利用してゲルを形成する方法がある。この方法によれば、光を遮断して保存すればゲル化が起こらず、熱硬化反応を用いるものよりも、長時間の安定性があり、ゲル製品に気泡混入の問題も減少させることができる(特開2005−213349号公報:特許文献1)。
上記公報には、側鎖にカルボキシル基及び側鎖にカルボキシル基及びフェノール性水酸基の少なくとも一方を有する樹脂のカルボキシ基及びフェノール性水酸基の少なくとも一部に、エポキシ化合物をエポキシ開環付加反応させた架橋性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、水(C)とを含有する感光性樹脂組成物と、この感光性樹脂組成物を硬化させることで得られる含水ゲルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−213349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記公報に記載された感光性樹脂組成物から得られた含水ゲルは、ゲルの強度には優れるものの粘着性においては充分とはいえないものであった。本発明は、光照射によって容易に粘着性に優れたゲルが得られる光硬化性樹脂組成物、及びそれから得られた粘着性高分子ゲルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かくして本発明によれば、カルボキシ基を含むポリマーに、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーを付加させることにより得られた光硬化性プレポリマーと、光重合開始剤と、多価アルコールとの3成分を含み、前記多価アルコールが、3成分に対して、30〜80重量%含まれた光硬化性樹脂組成物が提供される。
更に、本発明によれば、上記光硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする粘着性高分子ゲルが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光により架橋反応するため、遮光保存すればゲル化することもなく、長期間の保管が可能であり、光照射によって粘着性に優れた粘着性高分子ゲルを簡単に得ることができる。また、塗工直前に架橋剤を混合する必要がないため、十分に脱泡した状態で塗工することができ、良好な製品が得られる。
また、多価アルコールが、3成分に対して、50〜80重量%含まれる場合、より粘着性に優れた粘着性高分子ゲルを簡単に得ることができる。
【0009】
更に、多価アルコールが、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)ブタンジオール、(ポリ)ペンタンジオール、グリセリン及びポリグリセリンから選択される場合、粘着性に優れた粘着性高分子ゲルを簡単に得ることができる。
また、カルボキシ基を含むポリマーと前記グリシジル基とビニル基とを有するモノマーとが、3成分に対して、20〜70重量%及び0.1〜2.0重量%含まれる場合、粘着性に優れた粘着性高分子ゲルを簡単に得ることができる。
【0010】
更に、カルボキシ基を含むポリマーが、3万〜35万の重量平均分子量を有する場合、粘着性に優れた粘着性高分子ゲルを簡単に得ることができる。
また、カルボキシ基を含むポリマーが、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸及びアリルカルボン酸から選択され、3万〜35万の重量平均分子量を有する場合、粘着性に優れた粘着性高分子ゲルを簡単に得ることができる。
【0011】
更に、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーが、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル及びヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルから選択される場合、粘着性に優れた粘着性高分子ゲルを簡単に得ることができる。
光硬化性樹脂組成物が、水と、水に溶解する無機塩とを更に含み、水及び無機塩が、多価アルコール1重量部に対して、0.1〜10重量部及び0.003〜0.1重量部含まれる場合、粘着性に優れた導電性を有する粘着性高分子ゲルを提供できる。導電性を有する粘着性高分子ゲルは、心電図作成用電極のような粘着性と導電性を併せ持つことが要求される分野で特に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の粘着性高分子ゲルは、次の3成分を含む光硬化性樹脂組成物を硬化して得られた硬化物からなる。3成分は、光硬化性プレポリマー、光重合開始剤及び多価アルコールである。
(光硬化性プレポリマー)
光硬化性プレポリマーは、カルボキシ基を含むポリマーに、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーを付加させることにより得られる。
(1)カルボキシ基を含むポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アリルカルボン酸等のカルボキシ基含有モノマーに由来するホモポリマー、これらモノマー同士のコポリマーが挙げられる。また、ポリマー中に存在するカルボキシ基の数は、例えば、600以上であることが好ましい。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
【0013】
更に、カルボキシ基を含むポリマーには、上記モノマーと、上記モノマーと共重合しうる他のモノマーとのコポリマーも使用できる。そのような他のモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリロイルモルフォリン等のアクリルアミド誘導体、(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルは、例えば炭素数1〜4)のようなアクリル酸誘導体、ビニルピロリドンのような極性モノマー等が挙げられる。
カルボキシ基を含むポリマーは、上記カルボキシ基含有モノマーに由来する単位を50重量%以上の割合で含むことが好ましい。カルボキシ基を含むポリマーは、カルボキシ基含有モノマーのみから由来することがより好ましい。特に、(メタ)アクリル酸のみに由来するポリマーであることが好ましい。
【0014】
カルボキシ基を含むポリマーは、それを構成するモノマーの種類によっても相違するが、3万〜35万の分子量を有していることが好ましい。分子量が、3万未満の場合、粘着性高分子ゲルの保型性が低下することがある。分子量が、35万より大きい場合、粘着性高分子ゲルの柔軟性や粘着性が低下することがある。より好ましい分子量は、4万〜30万である。なお、ここでの分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィにより測定した値である。
【0015】
カルボキシ基を含むポリマーは、同一のモノマーのみからなる同一の分子量のポリマーであってもよく、同一のモノマーのみからなるが異なる分子量のポリマーの混合物であってもよく、モノマーを異ならせたポリマーの混合物であってもよい。この内、カルボキシ基を含むポリマーが同一のモノマーのみからなるが異なる分子量のポリマーの混合物である場合、粘着性の経時低下をより抑制できるので好ましい。例えば、2種の異なる分子量のポリマーの混合物の場合、分子量の差は、5万〜30万程度であることが好ましい。
カルボキシ基を含むポリマーは、上記3成分に対して、20〜70重量%含まれる。含有量が20重量%未満の場合、粘着性高分子ゲルの保型性が低下することがある。含有量が70重量%より多い場合、粘着性高分子ゲルの柔軟性が低下し、かつ粘着性が低下することがある。
【0016】
(2)グリシジル基とビニル基とを有するモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等が挙げられる。これらモノマーは、単独でも、複数組み合わせて使用してもよい。
グリシジル基とビニル基とを有するモノマーが、上記3成分に対して、0.1〜2.0重量%含まれる。含有量が0.1重量%未満の場合、粘着性高分子ゲルの保型性が低下することがある。含有量が2.0重量%より多い場合、粘着性高分子ゲルが脆弱となることがある。より好ましい含有量は0.1〜1.0重量%である。
【0017】
更に、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーは、カルボキシ基を含むポリマー1重量部に対して、0.003〜0.1重量部の割合で含まれることが好ましい。この割合が0.003重量部未満の場合、粘着性高分子ゲルの保型性が低下することがある。割合が0.1重量部より多い場合、粘着性高分子ゲルが脆弱となることがある。より好ましい割合は0.005〜0.05重量部である。
【0018】
(3)光硬化性プレポリマーの製法
カルボキシ基を含むポリマーへのグリシジル基とビニル基とを有するモノマーの付加は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。例えば、カルボキシ基を含むポリマーを溶媒(例えば、水)に溶解することでポリマー溶液を得る。このポリマー溶液には、公知の可塑剤(例えば、以下で説明する多価アルコール)が含まれていてもよい。溶解は、加熱しつつ行ってもよい。加熱することで、ポリマーの粘度を下げることができるので、溶解時間を短縮できる。次に、ポリマー溶液を50〜60℃の範囲に調温し、温度安定後、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーをポリマー溶液に添加する。添加後、ポリマー溶液の攪拌を、例えば1.5時間程度維持することにより、カルボキシ基を含むポリマーへグリシジル基とビニル基とを有するモノマーを付加させた光硬化性プレポリマーを得ることができる。
上記方法で得られた光硬化性プレポリマーは、溶媒から単離してもよく、単離せずに光硬化性樹脂組成物の製造にそのまま使用してもよい。
【0019】
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、紫外線や可視光線で開裂することで、ラジカルを発生するものであれば特に限定されない。例えば、α−ヒドロキシケトン、α−アミノケトン、ベンジルメチルケタール、ビスアシルフォスフィンオキサイド、メタロセン等が挙げられる。また、これら光重合開始剤以外にも、市販されている、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(製品名:ダロキュア1173、チバスペシャリティーケミカルズ社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(製品名:イルガキュア184、チバスペシャリティーケミカルズ社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(製品名:イルガキュア2959、チバスペシャリティーケミカルズ社製)、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(製品名:イルガキュア907、チバスペシャリティーケミカルズ社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(製品名:イルガキュア369、チバスペシャリティーケミカルズ社製)等も使用可能である。これら光重合開始剤は、単独でも、複数組み合わせて使用してもよい。
【0020】
光重合開始剤の添加量は、光硬化性樹脂組成物への光の照射強度、光の照射時間等の硬化条件に応じて適宜設定できる。例えば、光硬化性プレポリマー100重量部に対して、0.005〜5重量部の範囲に設定できる。
短時間で硬化を完了したい場合、光の照射強度を下げたい場合等は、光重合開始剤の添加量は、多く設定する必要がある。一方、硬化を長時間行うことができる場合、光の照射強度を高くできる場合等は、光重合開始剤の添加量は、少なく設定できる。
なお、例えば、光照射の強度は40〜400mW/cm2、照射時間は10〜30秒、照射のエネルギーは500〜5000mJ/cm2に設定できる。
【0021】
(多価アルコール)
多価アルコールは、粘着性高分子ゲルに粘着性を与えると共に、可塑性を与える。多価アルコールとしては、(ポリ)エチレングリコール,(ポリ)プロピレングリコール,(ポリ)ブタンジオール,(ポリ)ペンタンジオール等のジオール、ポリオール、グリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。なお、上記例示中、ジオール中の繰り返し単位の繰り返し数やポリグリセリン中の繰り返し単位の繰り返し数は、2〜6であることが好ましい。これら多価アルコールは、単独でも、複数組み合わせて使用してもよい。
多価アルコールは、3成分に対して、30〜80重量%含まれる。多価アルコールの含有量が30重量%未満の場合、十分な粘着性が得られないことがある。80重量%より多い場合、粘着性高分子ゲルの形状保型性が低下したり、導電性が低下したりすることがある。好ましい含有量は、50〜80重量%である。
【0022】
(その他の成分)
(1)水と無機塩
粘着性高分子ゲルには、導電性を付与するために、水と、水に溶解する無機塩とが更に含まれていてもよい。
水には必要に応じて、低級アルコールのような有機溶媒が含まれていてもよい。無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
【0023】
水及び無機塩は、多価アルコール1重量部に対して、0.1〜10重量部及び0.003〜0.1重量部含まれることが好ましい。水の添加量が0.1重量部未満及び無機塩の添加量が0.003重量部未満の場合、粘着性高分子ゲルの導電性が十分得られないことがある。水の添加量が10重量部より多い場合、粘着性高分子ゲルの粘着力が低下することがある。
水及び無機塩は、多価アルコール1重量部に対して、0.2〜3重量部及び0.006〜0.05重量部含まれることがより好ましい。
(2)粘着性高分子ゲルには、顔料、染料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤等の公知の他の添加剤が含まれていてもよい。
【0024】
(粘着性高分子ゲル)
粘着性高分子ゲルは、光硬化性樹脂組成物を硬化させることで得られる。
(1)光硬化性樹脂組成物の製法
光硬化性樹脂組成物は、光硬化性プレポリマーと、光重合開始剤と、多価アルコールとの3成分及び任意に他の成分を混合することにより得ることができる。ここで、光硬化性プレポリマーは、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーを付加させることにより得られるが、光重合開始剤、多価アルコール及び他の成分は、付加時の反応系に共存させてもよく、付加後の光硬化性プレポリマーと混合してもよい。また、光重合開始剤、多価アルコール及び他の成分は、同時に添加しても、異なった時点で添加してもよい。特に、光重合開始剤は、光硬化性樹脂組成物に早い段階で存在させると、光硬化性プレポリマーを徐々に硬化させる可能性があるため、最も遅い段階で存在させることが好ましい。以下に、光硬化性樹脂組成物の製法の一例を示す。
【0025】
まず、多価アルコールにカルボキシ基を含むポリマーを溶解させる。溶解温度は特に限定されない。また、他の成分中に油溶性の成分がある場合、多価アルコールに予め溶解しておいてもよい。更に、粘着性高分子ゲルに導電性を付与するための水と無機塩との混合液をこの溶液に添加してもよい。得られた溶液は、必要に応じて、pHのような液性を調製しておいてもよい。
【0026】
次に、上記溶液に、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーを添加した後、カルボキシ基を含むポリマーに、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーを付加させる。付加は、上記光硬化性プレポリマーの欄に記載した条件を採用できる。
上記付加により得られた混合液に、光重合開始剤を添加することで、光硬化性樹脂組成物が得られる。光重合性開始剤の添加は、その分解を抑制するために、例えば30℃以下まで混合液の温度を下げた後であることが好ましい。
【0027】
(2)粘着性高分子ゲルの製法
粘着性高分子ゲルを得るための光硬化性樹脂組成物の硬化条件は、上記光硬化性プレポリマーの欄に記載した条件を採用できる。
(3)粘着性高分子ゲルの性質
本発明の粘着性高分子ゲルは、向上した初期粘着力を有するだけでなく、経時後の粘着力の低下も抑制されている。例えば、初期粘着力及び経時後の粘着力の両方を0.25N以上とすることができる。特に、両粘着力を0.5N以上とすることができる。0.5N以上の両粘着力を有する粘着性高分子ゲルは、例えば、3成分に対する多価アルコールの割合を50〜80重量%、水の割合を多価アルコール1重量部に対して0.2〜3重量部とすることで得ることができる。
【0028】
更に、粘着性高分子ゲルが、水と無機塩とを含む場合、導電性を粘着性高分子ゲルに付与できる。例えば、インピーダンスで評価して、150Ω以下の導電性を付与できる。特に、100Ω以下の導電性を付与できる。100Ω以下の導電性を粘着性高分子ゲルは、例えば、3成分に対する多価アルコールの割合を50〜80重量%、水及び無機塩の割合を多価アルコール1重量部に対して0.2〜3重量部及び0.003〜0.05重量部とすることで得ることができる。
【0029】
(4)粘着性高分子ゲルの形状
粘着性高分子ゲルは、通常、液状の光硬化性樹脂組成物を重合してゲル化させるため、用途に合わせて適宜成型できる。例えば、粘着テープとして使用する場合は、厚さが0.01〜2.0mmのシート状に成型されていることが望ましい。
シート状の場合、粘着性高分子ゲルの両面には、表面を保護するためのセパレーターを設けることが好ましい。セパレーターのうち一方は支持体であってもよい。もう一方は、ベースフィルムとして最終製品まで付属していることが好ましい。この場合のセパレーターは、末端ユーザーが使用する直前に剥離できる。なお、支持体とは、粘着性高分子ゲルを補強し、テープの形態を保持させるためのフィルム、不織布、織布等のことを指す。通常、粘着性高分子ゲルは支持体にコートされ、いわゆる、粘着テープとして使用される。
【0030】
セパレーターの材質としては、フィルム状に成型可能な樹脂又は紙であれば特に制限されない。中でも、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド等からなる樹脂フィルム、紙、又は樹脂フィルムをラミネートした紙等が好適に用いられる。特に、ベースフィルムとして使用する場合は、二軸延伸したPETフィルムや、OPP、ポリオレフィンをラミネートした紙が好ましい。更に、ベースフィルム上には、不織布をラミネートすることで、粘着性高分子ゲルとベースフィルムとの接着性を高めてもよい。
【0031】
セパレーターの粘着性高分子ゲルと接する面には離型処理がなされていることが好ましい。また、必要に応じてセパレーターの両面が離型処理されていても差し支えない。両面に離型処理する場合は、表裏の剥離強度に差をつけてもよい。離型処理の方法としては、シリコーンコーティングが挙げられる、特に、熱又は紫外線で架橋、硬化反応させる焼き付け型のシリコーンコーティングが好ましい。
【0032】
セパレーターの内、前記ベースフィルムの逆の面に配置されるトップフィルムは、粘着性高分子ゲルの製品形態に応じて最適な材料が選択される。例えば、粘着性高分子ゲルを短冊で取り扱う場合は、前記の通りフィルム状に成型可能な樹脂又は紙であれば特に制限されないが、ベースフィルムと同様に離型処理されていることが好ましい。
【0033】
また、支持体としては、離型処理しているか又はしていない樹脂フィルムが使用できる。樹脂フィルムとしては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド等が挙げられる。例えば、生体用途の粘着性高分子ゲルの場合、柔軟性や水蒸気透過性を有する支持体を使用することが望まれる。この場合、ポリウレタンや、ポリオール変性されたポリエステルは、柔軟性や水蒸気透過性を有するものが知られている。この内、ポリオール変性されたポリエステルが好適である。柔軟性を有する支持体は、それ単独の場合、粘着性高分子ゲルの製造時の取り扱いが困難となることがある。その場合は、ポリオレフィン、ポリエステル、紙等を柔軟性を有する支持体に積層してもよい。
【0034】
上記支持体を備えた粘着性高分子ゲルは、例えば、粘着性高分子ゲル形成後、支持体を貼付する方法と、支持体に直接光硬化性樹脂組成物をコーティングし、紫外線照射して粘着性高分子ゲルを生成させる方法により製造できる。また、粘着力の異なる粘着性高分子ゲルを支持体の表裏面それぞれに貼付することで、表裏面で粘着力の異なる両面粘着テープを得ることができる。
【0035】
粘着性高分子ゲルには、必要に応じて中間基材として不織布又は織布が埋設されていてもよい。粘着性高分子ゲルをシート状に成形する際、これら中間基材は、粘着性高分子ゲルの補強、裁断時の保形性を改善する役割を果たす。不織布及び織布の材質は、セルロース、絹、麻等の天然繊維やポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等の合成繊維、又は、それらの混紡が使用可能である。不織布及び織布は、必要に応じて、バインダーにより結着していてもよく、着色されていてもよく、導電処理されていてもよい。
【0036】
また、不織布及び織布の代わりにフィルムを使用してもよい。使用可能なフィルムはポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン等の樹脂フィルムが挙げられる。これらフィルムは、穴を有していても、多層構造を有していても、着色されていてもよい。
【0037】
(5)粘着性ゲルの用途
本発明のゲル及び粘着テープは、生体用材料、医療材料、衛生材料、工業用材料等として幅広く使用可能である。生体用材料、医療材料及び衛生材料として、サージカルテープや、カテーテル、点滴用チューブ、心電図電極のようなセンサー等の固定用テープや、湿布剤や、創傷被覆剤や、人工肛門の固定用テープや、電気治療器用導子、磁気治療器固定用粘着材や、経皮吸収剤の担体兼粘着材等が挙げられる。工業用材料として、建材、電子材料分野での粘着剤や導電性材料、ディスプレイ(PDP,液晶ディスプレイ等)やタッチパネルのスペーサー,充填剤,防振材,衝撃吸収及び緩衝材や、電池用のゲル化剤等が挙げられる。
【実施例】
【0038】
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の各性質の評価方法を下記する。
(粘着力)
粘着力は、製造直後と乾燥後のそれぞれについて測定する。具体的には、製造直後の粘着性高分子ゲルの粘着力を測定する。次いで、室温(22〜23℃)で57〜63%の湿度の条件下で粘着性高分子ゲルを20時間放置することで乾燥させる。乾燥後の粘着性高分子ゲルの粘着力を測定する。
粘着力は、垂直引張り試験法により測定する。具体的には、粘着性高分子ゲルの粘着面に、直径12mm、質量10gの錘を載せる。載置10秒後、50mm/分の速度で錘を引き上げる。錘が粘着性高分子ゲルから引き剥がされた時の最大荷重を粘着力とする。
【0039】
(インピーダンス)
インピーダンスは、製造直後と乾燥後のそれぞれについて測定する。具体的には、製造直後の粘着性高分子ゲルのインピーダンスを測定する。次いで、室温(22〜23℃)で57〜63%の湿度の条件下で粘着性高分子ゲルを20時間放置することで乾燥させる。乾燥後の粘着性高分子ゲルのインピーダンスを測定する。
粘着性高分子ゲルのインピーダンスは、2枚の電極板(銅ニッケルメッキ板、厚さ0.5〜10mm、長さ10mm×幅10mm)間に、10mm×10mm角の粘着性高分子ゲルを挟む。挟まれた粘着性高分子ゲルに500gの厚さ方向の荷重を負荷し、LCRメーター(正弦波、1Vp−p、1kHz)を用いてインピーダンスを測定する。
【0040】
実施例1
(1)光硬化性樹脂組成物の製法
多価アルコールであるグリセリン(製品名:局方濃グリセリン、日本油脂社製)11.53gに、防腐剤であるパラオキシ安息香酸メチル0.052gを溶解させた。その後、得られた溶液に、カルボキシ基を含むポリマーである分子量約20〜30万のポリアクリル酸の水溶液(製品名:ジュリマーAC−10H、ポリアクリル酸含有率19〜21重量%、日本純薬社製)5.32gと分子量4〜5万のポリアクリル酸の粉末(製品名:ジュリマーAC−10LP、日本純薬社製)4.59g、酸化防止剤である亜硫酸水素ナトリウム0.029g、溶媒であるイオン交換水7.97gを溶解させた。得られた溶液を50℃まで昇温し、水酸化ナトリウム1.84gを分割投入することで溶液を中和した。中和後の溶液に、電解質である塩化ナトリウム0.117gを溶解させた。
【0041】
上記溶液を60度まで加温し、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーであるグリシジルジメタクリレート(製品名:ブレンマーG、日本油脂社製)0.06gを添加し、添加後1.5時間攪拌することで、ポリアクリル酸中のカルボキシ基にグリシジルメタクリレートを付加させた。
付加後の溶液を30℃まで冷却した後、光重合開始剤である1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(製品名:イルガキュア2959、チバスペシャリティーケミカルズ社製)3.0×10-4gを溶液に添加した。添加後、攪拌して光重合開始剤を溶解させることで無色透明の光硬化性樹脂組成物を得た。
【0042】
(2)粘着性高分子ゲルの製法
上記光硬化性樹脂組成物をシリコーンコーティングされたPETフィルム上に滴下した。滴下物上からシリコーンコーティングされたシリコーンコーティングされたPETフィルムを被せることで、フィルム間に滴下物を均一厚さ(1.0mm)になるように広げた後、その厚さで両フィルムを固定した。
次に、メタルハライドランプを使用して、エネルギー量が3000mJ/cm2の紫外線を光硬化性樹脂組成物に照射することにより、厚さが1.0mmの粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは無色透明であり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。
【0043】
得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0044】
実施例2
グリシジルジメタクリレートの添加量を0.06gから0.03gに変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは無色透明であり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0045】
実施例3
グリシジルジメタクリレートの添加量を0.06gから0.09gに変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは無色透明であり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0046】
実施例4
グリセリンの添加量を11.53gから3.56gに、イオン交換水の添加量を7.97gから15.94gに、紫外光から可視光に変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは無色透明であり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0047】
実施例5
グリセリンの添加量を11.53gから4.75gに、イオン交換水の添加量を7.97gから14.75gに、紫外光から可視光に変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは無色透明であり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0048】
実施例6
グリセリンの添加量を11.53gから7.84gに、イオン交換水の添加量を7.97gから11.66gに変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは無色透明であり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0049】
実施例7
グリセリンの添加量を11.53gから15.92gに、イオン交換水の添加量を7.97gから3.58gに変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは無色透明であり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0050】
実施例8
グリセリンの添加量を11.53gから19.48gに、イオン交換水の添加量を7.97gから0g(添加せず)に変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは無色透明であり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0051】
比較例1
グリセリンの添加量を11.53gから0.24gに、イオン交換水の添加量を7.97gから19.26gに変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは白濁したものであり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0052】
比較例2
グリセリンの添加量を11.53gから1.19gに、イオン交換水の添加量を7.97gから18.31gに変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは白濁したものであり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0053】
比較例3
グリセリンの添加量を11.53gから2.38gに、イオン交換水の添加量を7.97gから17.13gに変更したこと以外は実施例1と同様にして粘着性高分子ゲルを得た。得られた粘着性高分子ゲルは白濁したものであり、多価アルコールや水のブリード現象は見られなかった。得られた粘着性高分子ゲルの粘着性とインピーダンスとを測定し、結果を表1に示す。また、粘着性高分子ゲルを室温(22〜23℃)、57〜63%の湿度の条件下で、20時間保管した後、粘着性高分子ゲルの重量変化率、粘着性及びインピーダンスを測定し、結果を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
表1から以下のことが分かる。
実施例の粘着性高分子ゲルは、経時後であっても粘着力及びインピーダンス(導電性)が維持されていることがわかる。
これに対して、比較例の高分子ゲルは、多価アルコール量が少ないため、製造直後の粘着力が不足しており、経時後のインピーダンスも維持できていないことがわかる。
実施例4及び5は、可視光により硬化した粘着性高分子ゲルであるが、経時後であっても粘着力及びインピーダンスが維持されていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシ基を含むポリマーに、グリシジル基とビニル基とを有するモノマーを付加させることにより得られた光硬化性プレポリマーと、光重合開始剤と、多価アルコールとの3成分を含み、前記多価アルコールが、3成分に対して、30〜80重量%含まれた光硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記多価アルコールが、3成分に対して、50〜80重量%含まれる請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記多価アルコールが、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)ブタンジオール、(ポリ)ペンタンジオール、グリセリン及びポリグリセリンから選択される請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記カルボキシ基を含むポリマーと前記グリシジル基とビニル基とを有するモノマーとが、前記3成分に対して、20〜70重量%及び0.1〜2.0重量%含まれる請求項1〜3のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記カルボキシ基を含むポリマーが、3万〜35万の重量平均分子量を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記カルボキシ基を含むポリマーが、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸及びアリルカルボン酸から選択され、3万〜35万の重量平均分子量を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
前記グリシジル基とビニル基とを有するモノマーが、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル及びヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルから選択される請求項1〜6のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
前記光硬化性樹脂組成物が、水と、水に溶解する無機塩とを更に含み、前記水及び無機塩が、多価アルコール1重量部に対して、0.1〜10重量部及び0.003〜0.1重量部含まれる請求項1〜7のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載の光硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする粘着性高分子ゲル。

【公開番号】特開2011−74236(P2011−74236A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227493(P2009−227493)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】