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光触媒、及び光触媒の製造方法
説明

光触媒、及び光触媒の製造方法

【課題】環境に対して有害な金属原子を含まず、紫外光のみならず可視光を含む光に対して優れた吸収性を示し、広帯域の光に対して光触媒活性を有する高性能な光触媒及び該光触媒の製造方法の提供。
【解決手段】カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトに、亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかをドープしてなる光触媒である。チタン(Ti)と、亜鉛及びゲルマニウム(Zn+Ge)のモル比(Ti:Zn+Ge)が、1:3〜3:1であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒、及び光触媒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等を発揮する、酸化チタン(TiO)等の一部の半導体物質が有する光触媒活性が注目されている。このような光触媒活性を有する前記半導体物質においては、一般に、その価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップに相当するエネルギーを有する光を吸収すると、前記価電子帯に存在していた電子が前記伝導帯へと遷移する。前記伝導帯へと遷移した電子は、前記光触媒活性を有する半導体物質の表面に吸着している物質に移動する性質があり、該半導体物質の表面に物質が吸着されている場合には、該物質は前記電子により還元される。一方、前記価電子帯に存在していた電子が前記伝導帯に遷移すると、前記価電子帯には正孔が生ずる。そして、該価電子帯に生じた正孔は、前記光触媒活性を有する半導体物質の表面に吸着している物質から電子を奪い取る性質があり、該半導体物質の表面に物質が吸着されている場合には、該物質は前記正孔に電子を奪い取られて酸化される。
【0003】
以上の現象を具体的に説明すると、例えば、特に優れた光触媒活性を有する酸化チタンについてみれば、その価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップに相当するエネルギーを有する光を酸化チタンが吸収すると、該酸化チタンにおける前記価電子帯に存在していた電子が前記伝導帯へと遷移し、遷移した該電子は、空気中の酸素を還元してスーパーオキシドアニオン(・O)を生成させる一方、前記電子の遷移の結果、前記価電子帯には正孔が生じ、生じた該正孔は、前記酸化チタン表面に吸着している水を酸化してヒドロキシラジカル(・OH)を生成させる。このとき、該ヒドロキシラジカルは、非常に強い酸化力を有しているため、前記酸化チタンの表面に有機物等が吸着している場合には、該有機物等は前記ヒドロキシラジカルの作用によって分解され、最終的には水と二酸化炭素とにまで分解される。以上のように、酸化チタン等の、前記光触媒活性を有する半導体物質に対し、該半導体物質の価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップに相当するエネルギーを有する光が照射されると、該半導体物質が該光を吸収して、その表面に吸着されている有機物等を分解する結果、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等が発現される。
【0004】
このため、近時、特に酸化チタンを初めとする、前記光触媒活性を有する半導体物質は、抗菌剤、殺菌剤、防汚剤、脱臭剤、環境浄化剤等として広く利用されるに至っている。例えば、電子機器の押ボタンに、光触媒性の酸化チタンを付着させることにより、該押ボタンに対して抗菌性を付与する技術が提案されており(特許文献1参照)、また、電気陰性度が1.6より小さく、かつイオン半径が0.2nmより小さい元素であって、原子価が2以下の金属元素からなる光触媒作用を有する粒子を含有する光触媒薄膜、及び該光触媒薄膜を基材表面に備えた物品が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、これらの提案の場合、以下のような問題がある。即ち、優れた光触媒活性を示す酸化チタンを励起する際に必要な光エネルギーは3.2eV〜3.3eVであり、この光エネルギーを光の波長に換算すると約380nmとなる。このことは、該酸化チタンは、近紫外光を照射した場合には励起され得るものの可視光(波長:400nm〜800nm)を照射した場合には励起されないことを意味する。太陽光のうちで紫外光が占める割合は僅かに4%〜5%と少ないため、太陽光を照射光として利用した場合には、前記酸化チタンは十分な光触媒活性を発現しないという問題である。また、紫外光がほとんど存在しない室内の蛍光灯の光を照射した場合には、前記酸化チタンは光触媒活性を殆ど発現しないという問題である。
【0006】
以上のような、太陽光乃至室内の蛍光灯の下で使用される物品に対しては十分な光触媒活性を付与することができないという問題を解消すると共に、太陽光の45%を占め、蛍光灯の大部分を占める可視光を照射した場合に十分な光触媒活性を示す酸化チタンの開発が強く望まれている。そこで、可視光に対する前記酸化チタンの応答に関する研究が広く行われてきている。
このような研究の一例としては、前記酸化チタンに可視光応答を付与する目的で、該酸化チタンに酸素欠陥を形成する手法、該酸化チタンに窒素をドープする手法、などが提案されている。しかし、これらの場合、実用的に満足できる成果は得られておらず、研究レベルの域を脱していないのが現状である。
【0007】
一方、前記酸化チタンは物質に対する吸着能に乏しいため、該酸化チタンの光触媒活性に基づき、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等を発現させるためには、該酸化チタンの分解対象物に対する吸着能を向上させる必要がある。
そこで、このような分解対象物に対する吸着能に優れる材料として、歯や骨などの生体硬組織の主成分であるカルシウムハイドロキシアパタイトCa10(PO(OH)等のアパタイトが、各種のカチオンやアニオンとイオン交換し易く、高い生体親和性及び吸着特性を有し、蛋白質等の有機物に対する特異的な吸着能を有していることから、該カルシウムハイドロキシアパタイト等のアパタイトの特性を利用した技術の研究開発が行われてきている。
【0008】
このような研究開発の一例として、酸化チタン等の半導体物質とカルシウムハイドロキシアパタイト等の燐酸カルシウム系化合物とを組み合わせて、両者の特性を効果的に引き出すことができる製品が提案されている(特許文献3〜4参照)。また、前記アパタイト中のカルシウムイオンの一部をチタンイオンと交換してなる光触媒機能を有するカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトCa9(8)Ti(PO(OH)、いわゆる光触媒チタンハイドロキシアパタイト(Ti−HAP)が提案されている(特許文献5〜8参照)。
しかしながら、これらの光触媒チタンハイドロキシアパタイト(Ti−HAP)の場合においても、上述したような、紫外光がほとんど存在しない室内の蛍光灯の光を照射した場合には、前記酸化チタンは光触媒活性を殆ど発現しないという問題がある。
【0009】
そこで、紫外光及び可視光に対して優れた吸収性を示し、広帯域の光に対して長期にわたって光触媒活性を有し、分解対象物に対する吸着性に優れ、酸化分解作用、抗菌作用、防汚作用等を発現可能な光触媒として、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)と、タングステン(W)、バナジウム(V)をドープしたTi−HAP光触媒が提案されている(特許文献9参照)。
しかし、この提案の技術では、クロム(Cr)のように環境に対して有害なイオンとなりうる元素を含んでおり、実用化には問題がある。
なお、上記提案の技術においては、アパタイトを構成する金属原子として、カルシウム(Ca)以外に、アルミニウム(Al)、ランタン(La)などの金属原子の可能性が示されており、また、光触媒中心として機能し得る金属原子として、チタン(Ti)の他に、亜鉛(Zn)などの可能性が示されており、また、ドープする可視光吸収性金属原子として、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)が示されているものの、チタンハイドロキシアパタイト(Ti−HAP)に、広帯域の光、特に可視光を含む光に対して光触媒活性を有するようにドープする金属原子としては、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)のみが示されているのみであり、他の金属原子の可能性については何ら検討されていないし示唆もない。
【0010】
したがって、環境に対して有害な金属原子を含まず、紫外光のみならず可視光を含む光に対して優れた吸収性を示し、広帯域の光に対して光触媒活性を有する高性能な光触媒及び該光触媒の製造方法の提供が求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−195345号公報
【特許文献2】特開2003−305371号公報
【特許文献3】特開2003−80078号公報
【特許文献4】特開2003−321313号公報
【特許文献5】特開2000−327315号公報
【特許文献6】特開2001−302220号公報
【特許文献7】特開2003−175338号公報
【特許文献8】特開2003−334883号公報
【特許文献9】特許第4295231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、環境に対して有害な金属原子を含まず、紫外光のみならず可視光を含む光に対して優れた吸収性を示し、広帯域の光に対して光触媒活性を有する高性能な光触媒及び該光触媒の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に記載した通りである。即ち、
開示の光触媒は、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトに、亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかをドープしてなる。
開示の光触媒の製造方法は、共沈法により開示の光触媒を製造する方法である。
開示の光触媒の製造方法は、浸漬法によるイオン交換によりカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子表面に亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかをドープし、開示の光触媒を製造する方法である。
【発明の効果】
【0014】
開示の光触媒によれば、環境に対して有害な金属原子を含まず、紫外光のみならず可視光を含む光に対して優れた吸収性を示し、広帯域の光に対して光触媒活性を有する高性能な光触媒を得ることができる。
開示の光触媒の製造方法によれば、環境に対して有害な金属原子を含まず、紫外光のみならず可視光を含む光に対して優れた吸収性を示し、広帯域の光に対して光触媒活性を有する高性能な光触媒を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、カルシウムハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH)2)のバンド構造のバンド構造を示す図である。
【図2】図2は、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiCa(PO(OH))のバンド構造を示す図である。
【図3】図3は、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(Ti0.5Zn0.5Ca(PO(OH))のバンド構造を示す図である。
【図4】図4は、Geがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(Ti0.5Ge0.5Ca(PO(OH))のバンド構造を示す図である。
【図5】図5は、本発明の光触媒であるZnがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを共沈法により作製するための合成スキームの一例である。
【図6】図6は、本発明の光触媒であるGeがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを共沈法により作製するための合成スキームの一例である。
【図7】図7は、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(Ti0.5Zn0.5Ca(PO(OH))のバンドギャップを示す図である。
【図8】図8は、Geがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(Ti0.5Ge0.5Ca(PO(OH))のバンドギャップを示す図である。
【図9】図9は、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiCa(PO(OH))のバンドギャップを示す図である。
【図10】図10は、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトへのZnドープ量とバンドギャップの関係を示す図である。
【図11】図11は、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトへのGeドープ量とバンドギャップの関係を示す図である。
【図12】図12は、UVカットされた光照射下での光触媒によるアセトアルデヒドガス分解量(COガス発生量)の経時変化を示す図である。
【図13】図13は、UVを含む光照射下での光触媒によるアセトアルデヒドガス分解量(COガス発生量)の経時変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(光触媒)
本発明の光触媒は、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトに、亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかをドープしてなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
言い換えれば、前記光触媒は、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを構成する金属原子の少なくとも一部が、亜鉛及びゲルマニウムの少なくといずれかにより置換されてなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0017】
<カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト>
前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトは、カルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP)(例えば、Ca10(PO(OH))のCa(カルシウム)の少なくとも一部がTi(チタン)で置換されている化合物である。
【0018】
前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトとしては、例えば、CaTi(PO(OH)、CaTi(PO(OH)などが挙げられる。
【0019】
前記カルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP)は、カチオンに対してもアニオンに対してもイオン交換し易いため、各種の分解対象物に対する吸着特性に優れ、特にタンパク質等の有機物に対する吸着特性に優れており、加えて、ウイルス、カビ、細菌等の微生物等に対する吸着特性にも優れ、これらの増殖を阻止乃至抑制し得る点で好ましい。
【0020】
なお、前記分解対象物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、その成分としては、蛋白質、アミノ酸、脂質、糖質などが挙げられる。前記分解対象物は、これらを1種単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。前記分解対象物の具体例としては、一般に、人間の皮膚に由来する汚れ成分、ゴミ、埃、汚泥、不要成分、廃液成分、土壌中乃至空気中の有害物質、汚泥、微生物、ウイルスなどが挙げられる。
前記有害物質としては、例えば、アセトアルデヒドガスなどが挙げられる。
前記微生物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、原核生物であってもよいし、真核生物であってもよい。また原生動物も含まれる。前記原核生物としては、例えば、大腸菌、黄色ブドウ球菌等の細菌などが挙げられる。前記真核生物としては、例えば、酵母菌類、カビ、放線菌等の糸状菌類などが挙げられる。
前記ウイルスとしては、例えば、DNAウイルス、RNAウイルスなど挙げられ、具体的にはインフルエンザウイルスなどが挙げられる。
これらの分解対象物は、固体状、液体状、気体状のいずれの態様で存在していてもよい。前記液体状の場合には、前記分解対象物としては、例えば、廃液、栄養液、循環液、などが挙げられる。また、前記気体状の場合には、前記分解対象物としては、例えば、空気、排ガス、循環ガス、などが挙げられる。
【0021】
Ti(チタン)が、前記カルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP)の結晶構造を構成する金属原子の一部として結晶構造中に取り込まれる(置換等される)こと、例えば、Ca(カルシウム)サイトの一部がTi(チタン)によって置換されることによって、前記光触媒の結晶構造中には、光触媒機能を発揮し得る光触媒性部分構造が形成される。
このような光触媒性部分構造(金属酸化物構造)を有すると、光触媒活性を有し、また、アパタイト構造部分が吸着特性に優れるため、光触媒活性を有する公知の金属酸化物よりも、分解対象物に対する吸着特性に優れるため、分解作用、抗菌作用、防汚作用、カビや細菌等の増殖阻止乃至抑制作用などに優れる。
【0022】
<亜鉛及びゲルマニウム>
前記亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかが、前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトにドープされることにより、前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの光触媒機能に、可視光を含む光に対する応答性が付与され、ドープされた前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト、即ち、前記光触媒は、可視光を含む光に対して、優れた吸収性を示し、広帯域の光に対して光触媒活性を有する高性能な光触媒となる。
【0023】
前記亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかは、前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトにおけるCa(カルシウム)(I)サイト、及びCa(カルシウム)(II)サイトの少なくともいずれかにドープされてなることが高性能な光触媒が得られる点で好ましい。
なお、前記亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかが、前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトにおけるCa(カルシウム)(I)サイト、及びCa(カルシウム)(II)サイトの少なくともいずれかにドープされていることは、X線吸収法によるX線吸収端近傍微細構造解析(XANES)、及び中性子線回折によるリートベルト法により確認することができる。
【0024】
前記亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかが、前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトにドープされてなること、特に前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトにおけるCa(カルシウム)(I)サイト、及びCa(カルシウム)(II)サイトの少なくともいずれかにドープされてなることにより、前記光触媒が、広帯域の光に対して光触媒活性を有する高性能な光触媒となる理由については、以下の理由が考えられる。
図1〜図4に、第一原理バンド計算(密度汎関数法法)により求めた、カルシウムハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiCa(PO(OH))、前記光触媒に相当するZnがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(Ti0.5Zn0.5Ca(PO(OH))、及び前記光触媒に相当するGe(ゲルマニウム)がドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(Ti0.5Ge0.5Ca(PO(OH))のバンド構造を示す。なお、密度汎関数法により計算したバンドギャップは一般的に過小評価される傾向にあるため、実際の値より小さいと考えられる。
図1に示すように、カルシウムハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH)2)のバンド構造は、価電子帯と伝導帯とのバンドギャップが広く、光触媒機能を示さない。
図2に示すように、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiCa(PO(OH))のバンド構造においては、伝導帯の構造はカルシウムハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH)2)の伝導帯の構造と変わらずに、Ti(チタン)がドープされたために、新たな伝導帯(2.8eV超付近)が形成される。その結果、バンドギャップが狭くなっている。しかし、バンドギャップの狭帯化は十分ではなく、可視光に応答性を示すには十分ではない。
一方、図3及び図4に示すように、前記光触媒に相当する、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(Ti0.5Zn0.5Ca(PO(OH))、及びGeがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(Ti0.5Ge0.5Ca(PO(OH))のバンド構造は、伝導帯が全体的に下がる結果、カルシウムハイドロキシアパタイトにTi(チタン)がドープされたことに基づく伝導帯(2eV付近)も下がり、バンドギャップが更に狭帯化されているため、可視光に応答性を示す。
【0025】
前記光触媒における、前記チタン(Ti)と、前記亜鉛及びゲルマニウム(Zn+Ge)の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、モル比(Ti:Zn+Ge)で、1:3〜3:1が好ましく、2:3〜3:2がより好ましい。前記モル比が、前記好ましい範囲外であると、前記光触媒のバンドギャップが広くなり可視光応答性が低下することがある。前記モル比が、前記より好ましい範囲内であると、高性能な光触媒が得られる点で有利である。
【0026】
前記光触媒における、前記亜鉛及び前記ゲルマニウム並びに前記チタンの総量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光触媒における、亜鉛、ゲルマニウム、チタン、及びカルシウムの総量に対して、5モル%〜15モル%であることが、高性能な光触媒が得られる点で好ましい。前記総量が、15モル%を超えると、バンドギャップが広くなりすぎ、可視光応答性が低下することがある。
【0027】
前記光触媒における前記亜鉛、前記ゲルマニウム、前記チタン、前記カルシウムの含有量は、例えば、ICP発光分光分析装置(ICP−AES)を用いた定量分析をすることにより測定することができる。
【0028】
前記光触媒は、紫外光のみならず可視光をも吸収可能であり広帯域な光吸収性を示し、光の利用効率に優れ、各種光の照射条件下における用途に好適に使用可能である。そして、前記光触媒は、可視光及び紫外光のいずれを照射した場合においても光触媒活性が飽和することがなく、長期間にわたって優れた光触媒活性を示し、特に紫外光を長期間にわたって照射した場合においても光触媒活性が飽和することがなく優れた光触媒活性を維持可能な点で有利である。
【0029】
<光触媒の形状など>
前記光触媒の形状、構造、大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記形状としては、例えば、粉状、粒状、タブレット状、ロッド状、プレート状、ブロ
ック状、シート状、フィルム状などが挙げられる。これらの中でも、取扱性などの点で粉状(粉末)が好ましい。
前記構造としては、例えば、単層構造、積層構造、多孔質構造、コア・シェル構造などが挙げられる。
なお、前記光触媒の同定・形態等の観察は、例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)、XRD(X線回析装置)、XPS(X線光電子分光装置)、FT−IR(フーリエ変換赤外分光装置)、ICP発光分光分析装置(ICP−AES)などを用いて行うことができる。
【0030】
<使用態様>
前記光触媒は、それ自体単独で使用してもよいし、他の物質等と併用してもよく、液に分散等させてスラリー状などとして使用してもよい。前記スラリー状として使用する場合、その液としては、水乃至アルコール系溶媒が好ましく、このスラリーを光触媒含有スラリーとして好適に使用することができる。
前記光触媒は、それ自体単独で使用してもよいし、粉砕してから、他の組成物等に混合などして混合組成物として使用してもよいし、あるいは基材等に付着、塗布、蒸着などして膜化(表面被膜)して使用してもよい。なお、基材等に付着、塗布、蒸着などする場合には、コーティング液を好適に使用することができる。
【0031】
前記粉砕の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボールミルなどを用いて粉砕する方法などが挙げられる。
前記他の組成物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷用インクなどが挙げられる。
前記混合の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練装置、攪拌装置などを用いた方法が挙げられる。
前記基材の材質、形状、構造、厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、材質としては、例えば、紙、合成紙、織布、不織布、皮革、木材、ガラス、金属、セラミックス、合成樹脂などが挙げられ、形状としては、例えば、箔、フィルム、シート、板などが挙げられる。
前記付着の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、噴霧法などが挙げられる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、グラビヤコート法、インクジェット法、ディップ法などが挙げられる。
前記蒸着の方法としては、例えば、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
【0032】
前記コーティング液としては、前記光触媒を含有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光触媒をイソプロピルアルコール(IPA)等に添加して得たアルコール溶液を、無機コーティング液材としての常温硬化型無機コーティング剤(日本山村硝子株式会社製、商品名S00の液材と商品名UTE01の液材を、10:1で混合したもの)などに添加し混合して得られたものなどが好適に挙げられる。
【0033】
<用途など>
前記光触媒は、広帯域光吸収特性に優れるため、広帯域の光を吸収し利用可能であり、また、分解対象物に対する吸着特性に優れるため、各種の分解対象物に対する光触媒活性乃至分解対象物の分解能に優れ、該分解対象物を効率的に分解可能であり、長期間光触媒活性の低下がなく(飽和せず)、更に、樹脂等と混合しても該樹脂等を変質、変色、劣化等させることがなく、該樹脂から前記光触媒が剥離乃至脱離等することがない。このため、前記光触媒は、各種分野において好適に使用することができる。前記光触媒は、太陽光の照射条件下で使用される各種製品、紫外光の照射条件下で使用される各種製品などに好適に使用可能であり、具体的には、OA機器(パソコンの筐体、マウス、キーボード)、電子機器(電話機、コピー機、ファクシミリ、各種プリンター、デジタルカメラ、ビデオ、CD装置、DVD装置、エアコン、リモコン装置など)、電気製品(食器洗浄機、食器乾燥機、衣類乾燥機、洗濯機、空気清浄機、加湿器、扇風機、換気扇、掃除機、厨芥処理機など)、携帯情報端末(PDA、携帯電話など)、フィルター(気体用:空気清浄機、エアコン等に使用されるものなど、液体用:水耕栽培の液処理用など、固体用:土壌改良用など、カメラ用フィルターなど)、壁紙、食品容器(繰返し使用タイプ、使い捨てタイプなど)、医療機器・衛星用品(酸素吸入器のマスク部、包帯、マスク、防菌手袋など)、衣料等の繊維製品、入れ歯、内外装材(樹脂製、紙製、布製、セラッミク製、金属製などの内外装材;風呂、プール、建材など;人間が使用する時には蛍光灯の光が照射され、人間が使用しない時には紫外光が照射されるような医療施設用、バイオ実験室用、クリーンベンチ用など)、乗り物(内装材、車両用後方確認ミラ−など)、吊り輪(電車、バスなど)、ハンドル(自転車、三輪車、自動二輪車、乗用車など)、サドル(自転車、三輪車、自動二輪車など)、靴(布製、樹脂製、人工皮革製、合成樹脂製など)、鞄(布製、樹脂製、人工皮革製、合成樹脂製など)、塗料(塗膜など)、汚水・排水処理材(例えば、多孔質シリカ中に該広帯域光吸収性光触媒を混入させたもの)、シート(土壌処理シートなど)、バイオチップの電極(有機色素との組合せによる)、鏡(浴室用鏡、洗面所用鏡、歯科用鏡、道路鏡など)、レンズ(眼鏡レンズ、光学レンズ、照明用レンズ、半導体用レンズ、複写機用レンズ、車両用後方確認カメラレンズ)、プリズム、ガラス(建物や監視塔の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗物の窓ガラス;自動車、オートバイ、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、スノーモービル、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗物の風防ガラス;冷凍食品陳列ケースのガラス、中華饅頭等の保温食品の陳列ケースのガラスなど)、ゴーグル(防護用ゴーグル、スポーツ用ゴーグルなど)、シールド(防護用マスクのシールド、スポーツ用マスクのシールド、ヘルメットのシールドなど)、カバー(計測機器のカバー、車両用後方確認カメラレンズのカバー)、レンズ(レーザー歯科治療器等の集束レンズなど)、カバー(車間距離センサー等のレーザー光検知用センサーのカバー、赤外線センサーのカバー、フィルム、シート、シール、ワッペンなど)などに好適に使用可能である。
【0034】
また、前記光触媒は、昼間は蛍光灯が照射され、夜間は殺菌及び消毒のために紫外光が照射される、医薬品、飲食品、バイオ等の実験室における、壁材、装置(クリーンベンチなど)、実験道具(スパーテルなど)、器具(ビーカーなど)、備品(マイクロピペット用チップ、エッペンドルフチューブなど)などに好適に使用できる。前記光触媒をこれらの用途に使用すると、24時間連続して高い光触媒活性が得られ、常時、分解対象物の分解等を行うことができる点で極めて有用である。更に、前記光触媒は、クリーンルーム室内、又はクリーンルーム内の局所空間の空気浄化のため、即ち、シリコンウエハ表面に付着するとシリコンウエハ表面が疎水性になり後に成膜される膜の付着力が弱くなる原因となる有機性ガス、の分解・除去に好適に使用することができる。具体的には、前記光触媒は、クリーンルームの壁材、ダクトのフィルター、器具、備品などに好適に使用できる。前記光触媒をこれらの用途に使用すると、効率的に分解対象物の分解などを行うことができる点で極めて有用である。
【0035】
前記光触媒の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記製造方法で製造することが好ましい。
【0036】
(光触媒の製造方法)
本発明の光触媒の製造方法は、共沈法により前記光触媒を製造する方法である。
また、本発明の光触媒の製造方法は、浸漬法によるイオン交換によりカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子表面に亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかをドープし、前記光触媒を製造する方法である。
【0037】
<共沈法>
前記共沈法としては、Ca(カルシウム)イオンと、Ti(チタン)イオンと、Zn(亜鉛)イオン及びGe(ゲルマニウム)イオンの少なくともいずれかとを含有する溶液からCaと、Tiと、Zn及びGeの少なくともいずれかとを共沈させることにより前記光触媒を製造する方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Caイオンを含む化合物と、Tiイオンを含む化合物と、Znイオンを含む化合物及びGeイオンを含む化合物の少なくともいずれかとを混合する工程、リン酸を添加する工程、pHを調整する工程、及びエージングをする工程を少なくとも含み、好ましくは濾別する工程、洗浄する工程、乾燥する工程、アニールする工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む方法が挙げられる。
【0038】
−混合する工程−
前記混合する工程は、Caイオンを含む化合物と、Tiイオンを含む化合物と、Znイオンを含む化合物及びGeイオンを含む化合物の少なくともいずれかとを混合する工程である。
【0039】
前記Caイオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硝酸カルシウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。前記硝酸カルシウムとしては、例えば、硝酸カルシウム無水物、硝酸カルシウム四水和物、硝酸カルシウム六水和物などが挙げられる。
前記Tiイオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸チタンなどが挙げられる。前記硫酸チタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸チタン(IV)溶液などが挙げられる。
前記Znイオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛などが挙げられる。前記硝酸亜鉛としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硝酸亜鉛無水物、硝酸亜鉛六水和物などが挙げられる。
前記Geイオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヨウ化ゲルマニウムなどが挙げられる。
【0040】
前記混合は、水の存在下で行うことが好ましい。前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、純水が好ましい。また、前記水は、脱炭酸ガス処理されていることが好ましい。
前記混合は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。前記不活性ガスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素ガスなどが挙げられる。
【0041】
−リン酸を添加する工程−
前記リン酸を添加する工程は、前記混合する工程により得られた混合物にリン酸を添加する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記リン酸の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0042】
−pHを調整する工程−
前記pHを調整する工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リン酸を添加する工程により得られた混合物に塩基を添加する工程が挙げられる。前記塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニア水などが挙げられる。
前記pHを調整する工程後のpHとしては、pH8.0以上が好ましく、pH8.0〜11.0がより好ましく、pH9.0〜10.0が特に好ましい。
【0043】
−エージングをする工程−
前記エージングをする工程としては、前記pHを調整する工程により得られた懸濁液をエージングする、即ち加熱する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜120℃で1時間〜10時間加熱する工程が挙げられる。
前記加熱する工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥炉を用いて加熱する方法などが挙げられる。
【0044】
−濾別する工程−
前記濾別する工程としては、前記エージングする工程の後に得られた懸濁液を濾別する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0045】
−洗浄する工程−
前記洗浄する工程としては、前記濾別する工程により得られた沈殿物を洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水で前記沈殿物を洗浄する工程が挙げられる。前記水としては、例えば、純水などが挙げられる。
【0046】
−乾燥する工程−
前記乾燥する工程としては、前記洗浄する工程により得られた洗浄物を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜120℃で1時間〜24時間乾燥する工程が挙げられる。
【0047】
−アニールする工程−
前記アニール(anneal)する工程としては、前記乾燥する工程により得られた乾燥物を、アニールする工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、600℃〜800℃で10分間〜2時間加熱する工程が挙げられる。最適なアニール温度は、X線回折法で結晶構造を確認しながら選択することが好ましい。
【0048】
前記共沈法により、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトに、亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかがドープされた光触媒、即ち、前記光触媒が得られる。
【0049】
<浸漬法>
前記浸漬法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Znイオンを含む化合物及びGeイオンを含む化合物の少なくともいずれかを溶解させた水溶液中に、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子を浸漬させる方法、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子の分散液中に、Znイオンを含む化合物及びGeイオンを含む化合物の少なくともいずれかを添加し溶解させる方法などが挙げられる。
【0050】
前記Znイオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記共沈法の説明において記載した前記Znイオンを含む化合物などが挙げられる。
前記Geイオンを含む化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記共沈法の説明において記載した前記Geイオンを含む化合物などが挙げられる。
前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトとしては、市販品を用いることができる。前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの市販品としては、例えば、PCAP−100(TiHAP、太平化学産業株式会社製)などが挙げられる。
【0051】
前記浸漬法においては、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子と、Znイオンを含む化合物及びGeイオンを含む化合物の少なくともいずれを混合した後に、更に必要に応じて、濾別する工程、洗浄する工程、乾燥する工程、アニールする工程などを行うことができる。
【0052】
−濾別する工程−
前記濾別する工程としては、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子と、Znイオンを含む化合物及びGeイオンを含む化合物の少なくともいずれを混合して得られた混合物を濾別する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0053】
−洗浄する工程−
前記洗浄する工程としては、前記濾別する工程により得られた沈殿物を洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水で前記沈殿物を洗浄する工程が挙げられる。前記水としては、例えば、純水などが挙げられる。
【0054】
−乾燥する工程−
前記乾燥する工程としては、前記洗浄する工程により得られた洗浄物を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜120℃で1時間〜24時間乾燥する工程が挙げられる。
【0055】
−アニールする工程−
前記アニール(anneal)する工程としては、前記乾燥する工程により得られた乾燥物を、アニールする工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、600℃〜800℃で10分間〜2時間加熱する工程が挙げられる。
【0056】
前記浸漬法によりイオン交換がされる、即ち、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子表面におけるCa及びTiの少なくともいずれかと、Zn及びGeの少なくともいずれかとがイオン交換されることで、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子表面に亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかがドープされた光触媒、即ち前記光触媒が得られる。
【実施例】
【0057】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例において、特に明記のない限り、「%」は、「質量%」を意味する。
【0058】
以下の実施例、及び比較例において、カルシウム、チタン、亜鉛、ゲルマニウムの含有量は、ICP発光分光分析装置(ICP−AES)を用いた定量分析をすることにより測定した。
【0059】
(実施例1)
<Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料1)の作製>
図5示す合成スキームにしたがって、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを作製した。
まず、1Lの脱炭酸ガス処理をした純水を用意し、窒素雰囲気下で、その純水に対して、21.250gのCa(NO・4HOと、0.744gのZn(NO・6HOと、6.000gの30%−Ti(SO水溶液を混合し、撹拌した。
続いて、得られた混合物に6.918gの85%−HPOを添加し、引き続いて、25%−NHOH水溶液を添加し、系のpHを9.50に調整し、懸濁液を得た。
続いて、得られた懸濁液を、100℃で6時間エージングし、引き続いて、沈澱が生じた懸濁液を吸引濾過により濾別し、分別した沈殿物を5Lの純水で洗浄し、更に、100℃のドライオーブンで12時間乾燥させた後に、乳鉢を用いて粉砕を行った。
得られた粉末を650℃で1時間アニールし、更に乳鉢を用いて粉砕を行うことにより、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料1)を得た。
得られた試料1は、亜鉛とチタンの総量が、亜鉛、チタン、及びカルシウムの総量に対して、10モル%であった。また、チタン(Ti)と亜鉛(Zn)の割合が、モル比(Ti:Zn)で3:1(0.75:0.25)であった。
【0060】
<評価>
得られたZnがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料1)、即ち、光触媒について、以下の評価を行った。
【0061】
−バンドギャップの測定−
前記光触媒について、紫外可視分光光度計(UV−Vis Spectrophotometer)を用いた拡散反射法による測定により反射率を求め、以下のKubelka−Munk変換、及びTAUCプロットによるバンドギャップの計算手順(例えば、http://www.an.shimadzu.co.jp/apl/an/a/a428.pdf参照)に従って、バンドギャップを求めた。結果を図10に示す。
【0062】
(実施例2)
実施例1において、原料の配合を表1に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料2)を得た。
得られた試料2は、亜鉛とチタンの総量が、亜鉛、チタン、及びカルシウムの総量に対して、10モル%であった。また、チタン(Ti)と、亜鉛(Zn)の割合が、モル比(Ti:Zn)で1:1(0.5:0.5)であった。
得られた試料2のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した。結果を図7及び図10に示す。
【0063】
(実施例3)
実施例1において、原料の配合を表1に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料3)を得た。
得られた試料3は、亜鉛とチタンの総量が、亜鉛、チタン、及びカルシウムの総量に対して、10モル%であった。また、チタン(Ti)と、亜鉛(Zn)の割合が、モル比(Ti:Zn)で1:3(0.25:0.75)であった。
得られた試料3のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した。結果を図10に示す。
【0064】
(実施例4)
実施例1において、原料の配合を表1に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料4)を得た。
得られた試料4は、亜鉛とチタンの総量が、亜鉛、チタン、及びカルシウムの総量に対して、20モル%であった。また、チタン(Ti)と、亜鉛(Zn)の割合が、モル比(Ti:Zn)で1:1(0.5:0.5)であった。
得られた試料4のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した。結果を図10に示す。
【0065】
(比較例1)
実施例1において、原料の配合を表1に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料5)を得た。
得られた試料5は、亜鉛とゲルマニウムとチタンの総量が、亜鉛、チタン、ゲルマニウム、及びカルシウムの総量に対して、10モル%であった。また、チタン(Ti)と、亜鉛及びゲルマニウム(Zn+Ge)の割合が、モル比(Ti:Zn+Ge)で1:0、即ち、亜鉛及びゲルマニウムは含まれていなかった。
得られた試料5のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した。結果を図9、図10、及び図11に示す。
【0066】
(比較例2)
実施例1において、原料の配合を表1に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、Znがドープされたカルシウムハイドロキシアパタイト(試料6)を得た。
得られた試料6は、亜鉛とチタンの総量が、亜鉛、チタン、及びカルシウムの総量に対して、10モル%であった。また、チタン(Ti)と、亜鉛(Zn)の割合が、モル比(Ti:Zn)で0:1、即ち、チタンは含まれていなかった。
得られた試料6のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した。結果を図10に示す。
【0067】
(実施例5)
<Geがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料7)の作製>
図6示す合成スキームにしたがって、Geがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを作製した。
まず、1Lの脱炭酸ガス処理をした純水を用意し、窒素雰囲気下で、その純水に対して、21.250gのCa(NO・4HOと、0.816gのGeIと、6.000gの30%−Ti(SO水溶液を混合し、撹拌した。
続いて、得られた混合物に6.918gの85%−HPOを添加し、引き続いて、25%−NHOH水溶液を添加し、系のpHを9.50に調整し、懸濁液を得た。
続いて、得られた懸濁液を、100℃で6時間エージングし、引き続いて、沈澱が生じた懸濁液を吸引濾過により濾別し、分別した沈殿物を5Lの純水で洗浄し、更に、100℃のドライオーブンで12時間乾燥させた後に、乳鉢を用いて粉砕を行った。
得られた粉末を650℃で1時間アニールし、更に乳鉢を用いて粉砕を行うことにより、Geがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料7)を得た。
得られた試料7は、ゲルマニウムとチタンの総量が、ゲルマニウム、チタン、及びカルシウムの総量に対して、10モル%であった。また、チタン(Ti)と、ゲルマニウム(Ge)の割合が、モル比(Ti:Ge)で3:1(0.75:0.25)であった。
得られた試料7のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した。結果を図11に示す。
【0068】
(実施例6)
実施例5において、原料の配合を表1に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、Geがドープされたカルシウムハイドロキシアパタイト(試料8)を得た。
得られた試料8は、ゲルマニウムとチタンの総量が、ゲルマニウム、チタン、及びカルシウムの総量に対して、10モル%であった。また、チタン(Ti)と、ゲルマニウム(Ge)の割合が、モル比(Ti:Ge)で1:1(0.5:0.5)であった。
得られた試料8のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した。結果を図8、及び図11に示す。
【0069】
(実施例7)
実施例5において、原料の配合を表1に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、Geがドープされたカルシウムハイドロキシアパタイト(試料9)を得た。
得られた試料9は、ゲルマニウムとチタンの総量が、ゲルマニウム、チタン、及びカルシウムの総量に対して、10モル%であった。また、チタン(Ti)と、ゲルマニウム(Ge)の割合が、モル比(Ti:Ge)で1:3(0.25:0.75)であった。
得られた試料9のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した。結果を図11に示す。
【0070】
(比較例3)
実施例5において、原料の配合を表1に記載の配合に変えた以外は、実施例1と同様にして、Geがドープされたカルシウムハイドロキシアパタイト(試料10)を得た。
得られた試料10は、ゲルマニウムとチタンの総量が、ゲルマニウム、チタン、及びカルシウムの総量に対して、10モル%であった。また、チタン(Ti)と、ゲルマニウム(Ge)の割合が、モル比(Ti:Ge)で0:1、即ち、チタンは含まれていなかった。
得られた試料10のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した。結果を図11に示す。
【0071】
(比較例4)
市販の光触媒酸化チタン(ST−21、石原産業社製)(試料11)のバンドギャップを実施例1と同様にして測定した、結果を図10、及び図11に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
<評価>
−光触媒活性の測定(アセトアルデヒドガス分解)−
実施例2で得られた試料2(TiZn−HAP)、実施例6で得られた試料8(TiGe−HAP)、及び比較例1で得られた試料5(Ti−HAP)について、光触媒活性の測定を行った。
まず、各試料の粉末を比表面積測定結果に基づく表面積が85.5mとなるように秤量した。そして、その秤量した試料を、上蓋が石英ガラス製の容器(容積500cm)の底面に、均一なるように入れ、合成空気(酸素20容量%−窒素80容量%)で容器内部を置換した。
次に、アセトアルデヒドガス濃度が1体積%となるように容器内部にアセトアルデヒドを注入し、アセトアルデヒドガスが試料粉末と吸着平衡に達するまで暗所に1時間静置した。
その後、下記の所定の光の照射を開始(暗所静置から1時間後)し、その1時間後(暗所静置から2時間後)、2時間後(暗所静置から3時間後)、及び3時間後(暗所静置から4時間後)に、前記容器内部のガスをシリンジで抜き取り、ガスクロマトグラフィー(GC−390B、GLサイエンス社製)を用いて、COガス濃度を計測した。
〔光1〕(UVカット)
光1には、バンドパスフィルター(Band pass filters、L−42、旭テクノ硝子社製)で420nm以下の光をカットしたキセノンランプ(LA−251Xe、林時計工業社製、36,200lux)の光を用いた。
〔光2〕
光2には、キセノンランプ(LA−251Xe、林時計工業社製、36,200lux)の光を用いた。
光1を用いた光触媒活性の測定結果を図12に示す。光2を用いた光触媒活性の測定結果を図13に示す。
【0074】
実施例1〜7の光触媒は、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトに、亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかがドープされていることにより、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(試料5)よりも、バンドギャップが低下していた。
図10に示すように、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトにおいて、ドープ量が、チタン(Ti)と亜鉛(Zn)のモル比(Ti:Zn)で、2:3〜3:2の場合には、そのバンドギャップはより低下し、バンドギャップは、酸化チタン(試料11)のバンドギャップよりも小さく、かつ3.1eV以下(波長に換算して約400nm以下)となり、可視光に対して十分な応答性を示すことが分かった。
また、図11に示すように、Geがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトにおいて、ドープ量が、チタン(Ti)と亜鉛(Ge)のモル比(Ti:Ge)で、1:3〜3:1の場合には、そのバンドギャップは、酸化チタン(試料11)のバンドギャップよりも小さく、かつ約3.1eV以下(波長に換算して約400nm以下)となり、可視光に対して十分な応答性を示すことが分かった。
【0075】
図12に示すように、アセトアルデヒドガス分解性試験の結果、420nm以下の光をカットした光(可視光)を照射した場合においても、実施例2で得られた試料2(TiZn−HAP)、即ち、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト、及び実施例6で得られた試料8(TiGe−HAP)、即ち、Geがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトは、高い光触媒活性を示した。
一方、比較例1で得られた試料5(Ti−HAP)、即ち、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトは、420nm以下の光をカットした光(可視光)を照射した場合には、ほとんど光触媒活性を示さなかった。
また、図13に示すように、紫外線を含む光(キセノンランプ)を照射した場合においても、実施例2で得られた試料2(TiZn−HAP)、即ち、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト、及び実施例6で得られた試料8(TiGe−HAP)、即ち、Geがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトは、比較例1で得られた試料5(Ti−HAP)、即ち、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトよりも高い光触媒活性を示した。
【0076】
(実施例8)
<浸漬法によるZnがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの製造>
硝酸亜鉛水和物を純水に溶解し、亜鉛の濃度が1×10−4Mである硝酸亜鉛水溶液を調製した。次に、300mLビーカーに、光触媒活性を有するチタンを有してなるアパタイトとして、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiHAP;太平化学産業社製、PCAP−100)1.5gを秤量し、前記硝酸亜鉛水溶液に添加し、混合液を調製した。該混合液をマグネティックスターラーで5分間攪拌した後、ワットマンNo.5の濾紙でアスピレータを使用して、前記混合液の吸引濾過を行った。次いで、4L〜5Lの純水で洗浄した後、100℃のオーブンで2時間乾燥して、更に650℃にて1時間のアニールを行い、Znがドープされたカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトを得た。
【0077】
以上の実施例1〜8を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトに、亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかをドープしてなることを特徴とする光触媒。
(付記2)チタン(Ti)と、亜鉛及びゲルマニウム(Zn+Ge)のモル比(Ti:Zn+Ge)が、1:3〜3:1である付記1に記載の光触媒。
(付記3)チタン(Ti)と、亜鉛及びゲルマニウム(Zn+Ge)のモル比(Ti:Zn+Ge)が、2:3〜3:2である付記1から2のいずれかに記載の光触媒。
(付記4)亜鉛及びゲルマニウム並びにチタンの総量が、亜鉛、ゲルマニウム、チタン、及びカルシウムの総量に対して、5モル%〜15モル%である付記1から3のいずれかに記載の光触媒。
(付記5)亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかが、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトにおけるカルシウム(I)サイト及びカルシウム(II)サイトの少なくともいずれかにドープされてなる付記1から4のいずれかに記載の光触媒。
(付記6)粉末である付記1から5のいずれかに記載の光触媒。
(付記7)共沈法により付記1から6のいずれかに記載の光触媒を製造することを特徴とする光触媒の製造方法。
(付記8)共沈法が、Caイオンと、Tiイオンと、Znイオン及びGeイオンの少なくともいずれかとを含有する溶液からCaと、Tiと、Zn及びGeの少なくともいずれかとを共沈させる方法である付記7に記載の光触媒の製造方法。
(付記9)共沈法が、硝酸亜鉛及びヨウ化ゲルマニウムの少なくともいずれかを用いて行われる付記7から8のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
(付記10)浸漬法によるイオン交換によりカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子表面に亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかをドープし、付記1から5のいずれかに記載の光触媒を製造することを特徴とする光触媒の製造方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトに、亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかをドープしてなることを特徴とする光触媒。
【請求項2】
チタン(Ti)と、亜鉛及びゲルマニウム(Zn+Ge)のモル比(Ti:Zn+Ge)が、1:3〜3:1である請求項1に記載の光触媒。
【請求項3】
亜鉛及びゲルマニウム並びにチタンの総量が、亜鉛、ゲルマニウム、チタン、及びカルシウムの総量に対して、5モル%〜15モル%である請求項1から2のいずれかに記載の光触媒。
【請求項4】
亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかが、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトにおけるカルシウム(I)サイト及びカルシウム(II)サイトの少なくともいずれかにドープされてなる請求項1から3のいずれかに記載の光触媒。
【請求項5】
共沈法により請求項1から4のいずれかに記載の光触媒を製造することを特徴とする光触媒の製造方法。
【請求項6】
浸漬法によるイオン交換によりカルシウム・チタンハイドロキシアパタイトの粒子表面に亜鉛及びゲルマニウムの少なくともいずれかをドープし、請求項1から4のいずれかに記載の光触媒を製造することを特徴とする光触媒の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−166174(P2012−166174A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31186(P2011−31186)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】