説明

光記録媒体、光再生装置および光再生方法

【課題】フォーマット効率の高いディスクフォーマットを作成する。
【解決手段】光記録媒体は、アドレス情報に関連する複数の識別子が形成された光記録媒体であって、前記各識別子は、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第1符号を表す第1パターンと、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第2符号を表す第2パターンと、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第3符号を表す第3パターンとの少なくとも1つを含む。光再生装置は、上記光記録媒体に記録された情報を再生する光再生装置であって、前記光記録媒体に光ビームを絞った光スポットを当てる半導体レーザと、前記光記録媒体上で反射された前記光ビームを受光し、前記光ビームの光量に応じた電圧信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段により出力された前記電圧信号に基づいて前記アドレス情報を検出するアドレス検出手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、収束された光ビームを記録媒体上に照射し、記録媒体からの反射光を検知して情報を再生する光学式記録媒体(光記録媒体)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
近年、光ディスクは映像用途としての要望が高く、より高画質、長時間の映像記録を行えるように、高密度化、高速化が望まれている。そのためには、より微細な情報が記録できるような記録媒体の開発も重要であるが、直接情報容量に寄与しない部分、例えばアドレス領域などといった、いわゆるオーバーヘッド領域の削減が必須となる。
【0003】
図13は、従来の光ディスクに照射される光ビームが追従するトラックのディスク上の構成図である(例えば、「日経エレクトロニクス」1997年10月20日号167頁−186頁に記載されているDVD−RAMフォーマットの光ディスク)。図13において、901は情報単位であるセクタ、902は光ディスク製造時にピット形状で記録され書き換え不可能なアドレス情報を示す識別情報部、903は情報の記録再生が可能な記録再生部を示す。記録再生部903には溝状のグルーブトラック904と前記グルーブトラック904の間に挟まれたランドトラック905が形成されており、情報は前記ランドトラック905とグルーブトラック904とに記録することが可能である。また識別情報部902は、光ディスク製造時にピット形状で記録され書き換え不可能なヘッダ部906と鏡面部907とを含む。
【0004】
従来の光ディスクの1セクタ内の配置を図14を用いて説明する。光ディスク上には記録再生の最小単位であるセクタ901が連なっている。セクタ901は、128バイトの長さを持つヘッダ部906と2バイトのミラー部1005とを含む識別情報部902と、2567バイトの記録再生部903との合計2697バイトによって構成されている。また、記録再生部903は、ユーザデータが記録されるデータ部1007と、記録されたユーザデータを再生するために必要なPLL(Phase Looked Loop)を引き込むためのVFO(Variable Frequency Oscillator)が記録される余裕領域であるバッファ表す付属部1006と付属部1008とを含む。
【0005】
従来の光ディスクにおいては、光ビームがディスク上のどの部分のどのセクタを追従しているかを認識するために、ヘッダ部906に位置情報が記録される。ここで、ヘッダ部906に記録されている位置情報はそのヘッダ部906に対応するセクタ901の位置情報を示している。つまり、アドレス”123456”で特定されるセクタ901のヘッダ部906には”123456”という位置情報が記録されている。
【0006】
また、この位置情報自体は4バイトの長さであるが、位置情報が正しく再生されたかどうかを確認するために2バイトのエラー検出符号が付加されている。また、位置情報を表す情報は記録再生部903に記録されるユーザデータと同じ密度で記録されているため、ユーザデータと同様にPLLを用いて再生する必要があり、VFOが記録されている。さらに、コンピュータの周辺機器用途としての信頼性を強固にするために4重に記録され、位置情報は全体として計128バイトもの長さとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来技術においては、以下のような問題がある。すなわち、従来の光ディスクの場合、例えば2048バイトのユーザデータを1つのセクタに記録する場合、光ビームがディスク上のどの部分のどのセクタを追従しているかを認識するために、128バイトのヘッダ部906と、ヘッダ部906と記録再生部903と間の境界を表す2バイトのミラー部907と、記録再生部903に記録するため、PLLを引き込むためあるいは、記録データの余裕領域などに用いられている付属部1006の68バイトおよび付属部1008の81バイトが必要となっている。
【0008】
また、DVDの場合、エラー訂正のために記録データ自体に変調をかけている。8−16変調を行う場合、2418バイトのデータ部1007が必要になる。このようにして2048バイトのユーザデータをディスク上に記録しようとすると合計2697バイトの大きさを有するセクタが必要になっている。つまりフォーマット効率は2048/2697=0.759となり、ディスク上に信号を記録する際のディスク利用効率(フォーマット効率)は75.9%である。つまり24.1%も冗長を含んだフォーマットとなっている。
【0009】
例えば4.7GBの容量のデータを記録する場合、フォーマット効率100%の場合と前述のように75.9%のフォーマット効率では、フォーマット効率が低い後者の場合に単位面積あたりにたくさんの情報を詰め込まなければならず、そのため、記録再生信号の品質を前者に比べて劣化させるという課題が存在した。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、フォーマット効率の高いディスクフォーマットを作成することによって、ヘッダ部や付属部に費やされていた冗長度を少なくすることで、同一の大きさの光記録媒体により多くのデータを記録することが可能な光記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の開示)
本発明に係る光記録媒体は、アドレス情報に関連する複数の識別子が形成された光記録媒体であって、前記各識別子は、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第1符号を表す第1パターンと、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第2符号を表す第2パターンと、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第3符号を表す第3パターンとの少なくとも1つを含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0012】
前記第1符号は、「0」を含み、前記第2符号は、「1」を含み、前記第3符号は、同期マークを表す「S」を含んでもよい。
【0013】
前記各識別子は、前記光記録媒体上に形成される1つ以上のプリピットとマークとのいずれかと前記光記録媒体上に形成されるスペースとの少なくとも一方を含んでもよい。
【0014】
前記第1、第2および第3パターンは、前記光記録媒体上に形成される第1プリピットを含み、前記第1および第2パターンは、前記光記録媒体上に形成される第1および第2プリピットと前記第1および第2プリピットの間に形成される第1スペースをさらに含み、前記第1プリピットは長さP1を有し、前記第2プリピットは長さP2を有し、前記第1パターンは、P1>P2の関係を満足し、前記第2パターンは、P1<P2の関係を満足してもよい。
【0015】
前記スペースは長さS1を有し、前記第1パターンは、P1=8×Tw、S1=4×TwおよびP2=4×Tw、の関係を満足し、前記第2パターンは、P1=4×Tw、S1=4×TwおよびP2=8×Tw、の関係を満足し、前記第3パターンは、P1=16×Tw、の関係を満足し、ここで、Tw:検出窓幅であってもよい。
【0016】
前記第3パターンは、前記光記録媒体上に形成される第3プリピットと前記第3プリピットの直後に形成される第2スペースとを含む第4パターンと、前記光記録媒体上に形成される第3プリピットと前記第3プリピットの直前に形成される第2スペースとを含む第5パターンとをさらに含んでもよい。
【0017】
前記第2スペースは、長さS2を有し、前記第4パターンおよび前記第5パターンは、P1=12×Tw、S2=4×Twの関係を満足してもよい。
【0018】
前記光記録媒体は、情報を記録するための第1および第2情報面を有し、前記第3符号は、前記第1情報面に記録される第1同期マークを表す符号「S1」と、前記第2情報面に記録される第2同期マークを表す符号「S2」とを含み、前記第4パターンは、前記符号「S1」を表し、前記第5パターンは、前記符号「S2」を表してもよい。
【0019】
前記第1、第2および第3パターンは、前記光記録媒体上に形成される第1スペースを含み、前記第1および第2パターンは、前記光記録媒体上に形成される第2スペースと前記第1および第2スペースの間に形成されるプリピットをさらに含み、前記第1スペースは長さP1を有し、前記第2スペースは長さP2を有し、前記第1パターンは、P1>P2の関係を満足し、前記第2パターンは、P1<P2の関係を満足してもよい。
【0020】
前記プリピットは長さS1を有し、前記第1パターンは、P1=8×Tw、S1=4×TwおよびP2=4×Tw、の関係を満足し、前記第2パターンは、P1=4×Tw、S1=4×TwおよびP2=8×Tw、の関係を満足し、前記第3パターンは、P1=16×Tw、の関係を満足し、ここで、Tw:検出窓幅であってもよい。
【0021】
前記第1、第2および第3パターンは長さT1を有し、前記第1パターンは、前記光記録媒体上に形成される第1スペースと、前記光記録媒体上に形成され前記第1スペースの直後に配置される第1プリピットとを含み、前記第2パターンは、前記光記録媒体上に形成される第2スペースと、前記光記録媒体上に形成され前記第2スペースの直後に配置される第2プリピットとを含み、前記第3パターンは、前記光記録媒体上に形成される第3スペースと、前記光記録媒体上に形成され前記第3スペースの直後に配置される第3プリピットとを含み、前記第1、第2および第3スペースは互いに異なる長さP1、P2およびP3をそれぞれ有してもよい。
【0022】
前記長さT1=24×Twであり、前記第1スペースは、長さP1=8×Twの関係を満足し、前記第2スペースは、長さP2=12×Twの関係を満足し、前記第3スペースは、長さP3=16×Tw、の関係を満足し、ここで、Tw:検出窓幅であってもよい。
【0023】
前記第1、第2および第3パターンは長さT1を有し、前記第1パターンは、前記光記録媒体上に形成される第1プリピットと、前記光記録媒体上に形成され前記第1プリピットの直後に配置される第1スペースとを含み、前記第2パターンは、前記光記録媒体上に形成される第2プリピットと、前記光記録媒体上に形成され前記第2プリピットの直後に配置される第2スペースとを含み、前記第3パターンは、前記光記録媒体上に形成される第3プリピットと、前記光記録媒体上に形成され前記第3プリピットの直後に配置される第3スペースとを含み、前記第1、第2および第3プリピットは互いに異なる長さP1、P2およびP3をそれぞれ有してもよい。
【0024】
前記長さT1=24×Twであり、前記第1プリピットは、長さP1=12×Twの関係を満足し、前記第2プリピットは、長さP2=16×Twの関係を満足し、前記第3プリピットは、長さP3=20×Tw、の関係を満足し、ここで、Tw:検出窓幅であってもよい。
【0025】
前記光記録媒体は、前記アドレス情報に関連する複数のセクタから構成されるアドレスブロックを含み、前記各セクタは、識別情報部と記録再生部とを含み、前記各識別情報部は、ヘッダ部を含み、前記各識別子は、前記各ヘッダ部に形成されてもよい。
【0026】
前記アドレス情報は、前記アドレスブロックのアドレスを表し、前記アドレス情報は、前記アドレスブロックに記録され、前記アドレス情報は、前記第1、第2及び第3符号を組み合わせることで構成されてもよい。
【0027】
前記各ヘッダ部の少なくとも1つに複数の前記識別子が形成されてもよい。
【0028】
前記光記録媒体は、トラック1周に形成される前記識別情報部の数が互いに異なる複数のゾーンを有し、前記ゾーンの間の境界に位置する前記セクタは、前記セクタに情報を記録することを無効とする無効領域として設定され、前記無効領域内に存在する前記各セクタの前記各識別情報部に形成される前記各識別子は、前記第3符号を表す前記第3パターンを含んでもよい。
【0029】
前記光記録媒体は、同心円または連続スパイラル状のランドとグルーブとを有し、前記ランドと前記グルーブとの少なくとも一方に情報が記録され、前記各セクタは、前記ランドに形成されるランドセクタと前記グルーブに形成されるグルーブセクタとを含んでもよい。
【0030】
前記ランドと前記グルーブとは、ランドトラック中心線とグルーブトラック中心線とをそれぞれ有し、前記各識別子は、前記ランドトラック中心線と前記グルーブトラック中心線とのいずれかに対して内周側および外周側に所定の距離をおいて配置され、前記各識別子は、前記ランドトラック中心線に対して互いに対称な位置に存在しないように配置され、前記各識別子は、前記グルーブトラック中心線に対して互いに対称な位置に存在しないように配置されてもよい。
【0031】
前記グルーブトラック中心線に対して内周側に配置された前記識別子のうちの1つと、前記グルーブトラック中心線に対して外周側に配置された前記識別子のうちの1つとが等しくてもよい。
【0032】
前記ランドトラック中心線に対して内周側に配置された前記識別子のうちの1つと、前記ランドトラック中心線に対して外周側に配置された前記識別子のうちの1つとが等しくてもよい。
【0033】
前記アドレス情報は、パリティビットを含んでもよい。
【0034】
前記光記録媒体は、情報を記録するための複数の情報面を有し、前記アドレス情報は、前記情報面を識別するための層番号を含んでもよい。
【0035】
本発明に係る光再生装置は、アドレス情報に関連する複数の識別子が形成された光記録媒体であって、前記各識別子は、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第1符号を表す第1パターンと、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第2符号を表す第2パターンと、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第3符号を表す第3パターンとの少なくとも1つを含む光記録媒体に記録された情報を再生する光再生装置であって、前記光記録媒体に光ビームを絞った光スポットを当てる半導体レーザと、前記光記録媒体上で反射された前記光ビームを受光し、前記光ビームの光量に応じた電圧信号を出力する光検出手段と、前記光検出手段により出力された前記電圧信号に基づいて前記アドレス情報を検出するアドレス検出手段とを備え、そのことにより上記目的が達成される。
【0036】
本発明に係る光再生方法は、アドレス情報に関連する複数の識別子が記録された光記録媒体であって、前記各識別子は、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第1符号を表す第1パターンと、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第2符号を表す第2パターンと、前記光記録媒体上に形成され、1ビットで表現される第3符号を表す第3パターンとの少なくとも1つを含む光記録媒体に記録された情報を再生する光再生方法であって、前記光記録媒体に光ビームを絞った光スポットを当てるステップと、前記光記録媒体上で反射された前記光ビームを受光し、前記光ビームの光量に応じた電圧信号を出力するステップと、前記電圧信号に基づいて前記アドレス情報を検出するステップとを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【発明の効果】
【0037】
(産業上の利用可能性)
以上のように本発明の光記録媒体によれば、識別子が表す符号の識別にP1、P2、S1という2つのプリピットまたはマークと1つのスペースを用いることで従来128バイト用いていたヘッダ部を4バイトに短くすることが可能になり、ヘッダ部による冗長度を少なくしたフォーマットが可能になり、光ディスクの記録容量を飛躍的に増大させる効果がある。
【0038】
また、本発明の光記録媒体によれば、識別子が表す符号の識別に2種類の符号「0」、「1」だけでなく「S]を含めた3つの符号を組み合わせてアドレス情報を構成する本発明において、セクタ群のアドレスの開始位置を符号「S」によりはっきりさせアドレス情報の読み取り信頼性を向上させるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1における光ディスク装置の構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1における光ディスクのアドレス情報の構成を説明する図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1における光ディスクのIDの物理構成を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1における光ディスクのアドレスブロックの構造を説明する図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2における光ディスクの構成図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態3における光ディスクの構成図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態4における光ディスクの構成図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態5における光ディスク装置の構成図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態6における光ディスクの構成図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態7における光ディスクの構成図である。
【図11A】図11Aは、本発明の実施の形態8における光ディスクのアドレス情報の構成を説明する図である。
【図11B】図11Bは、本発明の実施の形態8における光ディスクのアドレス情報の内容を説明する図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態8における光ディスクのIDの物理構成を説明する図である。
【図13】図13は、従来の光ディスクの構成図である。
【図14】図14は、従来の光ディスクのセクタ構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(発明を実施するための最良の形態)
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。図1に本発明の実施の形態1における光ディスク(光記録媒体)の構成図を示す。図1は光ディスク上に同心円あるいはスパイラル状に形成されたトラック100の構成の一部を示したものである。
【0041】
図1を参照して、トラック100は、複数のアドレスブロック108を含む。アドレスブロック108は、グルーブセクタ部110とランドセクタ部109とを含む。ランドセクタ部109は、複数のランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dを含む。グルーブセクタ部110は、複数のグルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dを含む。各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。
【0042】
各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dの記録再生部112には、グルーブトラック101が形成されている。各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dの記録再生部112には、ランドトラック102が形成されている。ここで、グルーブトラックとは、あらかじめスパイラル状に形成されている案内溝であり、ランドトラックとは、前記グルーブトラックとグルーブトラックとの間に挟まれた、溝間のトラックのことをいう。
【0043】
各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109D内の各識別情報部111においてランドトラック中心線C2に対して内周側にシフトした位置には第1識別子(ID)106が記録される。各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110D内の各識別情報部111においてグルーブトラック中心線C1に対して内周側にシフトした位置には第2識別子(ID)107が記録される。
【0044】
ランドセクタ部109の位置を表すアドレス情報は、各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109D内の識別情報部111に記録される各第1識別子106に分散して割り当てられる。グルーブセクタ部110の位置を表すアドレス情報は、各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110D内の識別情報部111に記録される各第2識別子107に分散して割り当てられる。
【0045】
ランドセクタ部109の位置を表すアドレス情報の一部を各第1識別子106に割り当て、グルーブセクタ部110の位置を表すアドレス情報の一部を各第2識別子107に割り当てた例を図1に示す。ここで、ランドセクタ部109の位置を表すアドレス情報の一部を各第2識別子107に割り当て、グルーブセクタ部110の位置を表すアドレス情報の一部を各第1識別子106に割り当てても構わない。
【0046】
ランドセクタ部109の位置を表すアドレス情報は、複数の連続したランドセクタ109A、109B、109Cおよび109D内の各識別情報部111に記録された各第1識別子106から構成されている。図1に示す例では、ランドセクタ部109の位置を表すアドレス情報は4つの連続したランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dに記録された各第1識別子106を読み出すことにより、1つのアドレス情報が得られる。グルーブセクタ部110の位置を表すアドレス情報は、複数の連続したグルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110D内の各識別情報部111に記録された各第2識別子107から構成されている。図1に示す例では、グルーブセクタ部110の位置を表すアドレス情報は4つの連続したグルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dに記録された各第2識別子107を読み出すことにより、1つのアドレス情報が得られる。アドレス情報が完結するセクタ群をまとめてアドレスブロックと呼ぶ。
【0047】
次にアドレス情報の構成について図2を用いて説明する。ランドセクタ部109の位置を表すアドレス情報を例に挙げて説明する。グルーブセクタ部110の位置を表すアドレス情報の構成もランドセクタ部109の位置を表すアドレス情報の構成と同様である。前述したようにランドセクタ部109は、ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dを含む。各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。
【0048】
ランドセクタ109Aの識別情報部111には、アドレス情報の一部として同期マークを表す符号「S」に対応するパターンが形成されている。符号「S」に対応するパターンを読み取ることでアドレスブロックが開始される位置(開始セクタ位置)であることが識別される。
【0049】
ランドセクタ109Bの識別情報部111には、アドレス情報の一部として符号「1」に対応するパターンが形成されている。ランドセクタ109Cの識別情報部111には、アドレス情報の一部として符号「0」に対応するパターンが形成されている。ランドセクタ109Dの識別情報部111には、アドレス情報の一部として符号「0」に対応するパターンが形成されている。
【0050】
図2の場合、4つのランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dで1個のアドレスブロックが構成されており、ランドセクタ109Aから順に符号「S」、符号「1」、符号「0」、符号「0」が記録されているので、前記アドレスアドレスブロックのランドセクタ部109の位置を表すアドレス情報はこれらをまとめて「S100」となる。ここで識別符号「S」はアドレス情報の開始位置であることを示し、符号「S」に続く3つの符号「1」または符号「0」が2進数の情報となりこれがランドセクタ部109の位置を表す実質的なアドレス情報となる。例えば前記「S100」の場合、10進数表記に改めると「4」となり、ランドセクタ部109の位置を表すアドレスが第4番地であることを識別できる。
【0051】
各第1識別子106が記録される領域の物理構成について図3を用いて説明する。図3の左側から右側に向かって光スポット301が走査される。第1パターン302は符号「0」を表す。第2パターン303は符号「1」を表す。第3パターン304は符号「S」を表す。
【0052】
符号「0」を表す第1パターン302は、2つのプリピット305Aおよび305Bとプリピット305Aおよび305の間に挟まれたスペース306を含む。プリピット305Aおよび305Bは、長さP1およびP2をそれぞれ有する。長さP1は検出窓幅Twの8倍の長さに相当する。長さP2は検出窓幅Twの4倍の長さに相当する。スペース306の長さS1は検出窓幅Twの4倍の長さに相当する。ここで、長さP1と長さP2の長さの大小関係はP1>P2となっている。またS1=P2となっている。
【0053】
符号「1」を表す第2パターン303は、2つのプリピット305Aおよび305Bとプリピット305Aおよび305の間に挟まれたスペース306を含む。プリピット305Aおよび305Bは、長さP1およびP2をそれぞれ有する。長さP1は検出窓幅Twの4倍の長さに相当する。長さP2は検出窓幅Twの8倍の長さに相当する。スペース306の長さS1は検出窓幅Twの4倍の長さに相当する。ここで、長さP1と長さP2の長さの大小関係はP1<P2となっている。またS1=P1となっている。
【0054】
符号「S」を表す第3パターン304は、1つのプリピット305Aを含む。プリピット305Aは、長さP1を有する。長さP1は検出窓幅Twの16倍の長さに相当する。
【0055】
符号「0」、符号「1」、符号「S」は長さP1、長さP2の大小関係によって次のように割り当てられる。
【0056】
(1)P1>P2:符号「0」。
【0057】
(2)P1<P2:符号「1」。
【0058】
(3)P1のみ(P2=0):符号「S」。
【0059】
ここで、長さP1と長さP2として4Tw、8Tw、16Twの長さを用いたが、この数値にこだわる必要はなく、ディスク上に照射される光スポットのサイズに応じて決めることが可能である。
【0060】
再生時において、長さP1および長さP2の違いを再生波形から判別することで、符号の識別を行う。
【0061】
図3では各第1識別子106が記録される領域の物理構成を例に挙げて説明したが、各第2識別子107が記録される領域の物理構成も図3に示す各第1識別子106が記録される領域の物理構成と同様である。
【0062】
次に図4を用いてアドレスブロックの構造について述べる。前述したようにアドレスブロック108は、ランドセクタ部109とグルーブセクタ部110とを含む。ランドセクタ部109とグルーブセクタ部110とは同一の構造を有する。簡潔に説明するためにランドセクタ部109の構造を例に挙げて説明する。
【0063】
図4を参照して、ランドセクタ部109は、ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dを含む。ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dは同一の構造を有する。簡潔に説明するためにランドセクタ109Aの構造を例に挙げて説明する。ランドセクタ109Aは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。識別情報部111は、4バイトの長さを持つヘッダ部401と、2バイトの長さをもつミラー部402(鏡面部)とを含む。ヘッダ部401は、図3で示したようなプリピットあるいはマークとスペースとで構成されている。
【0064】
記録再生部112は、8×16変調された2418バイトの長さをもつデータ部403と、データ部403に記録された信号を再生するために必要なPLL(Phase Looked Loop)を引き込むためのVFO(Variable Frequency Oscillator)領域と余裕領域であるバッファとを含む13バイトの付属部404と26バイトの付属部405とを含む。
【0065】
2048バイトのユーザデータを記録する場合、上述の識別情報部111が有する6バイト、記録再生部112が有する2457バイトの合わせて2463バイトのセクタ長が必要になっている。つまりフォーマット効率は2048/2463=0.832となり、ディスク上に信号を記録する際のディスク利用効率(フォーマット効率)は83.2%である。つまり16.8%の冗長を含んだフォーマットとなった。これは、従来の光ディスクのフォーマットでの冗長度24.1%にくらべ1割程度小さくなっている。
【0066】
本実施の形態1では第1識別子106および第2識別子107が記録される領域において、2つのプリピットと1つのスペースとの組み合わせを符号「0」、符号「1」および符号「S]に対応させる例を説明をしたが、前記プリピットとスペースを入れ替えて2つのスペースと1つのプリピットの組み合わせを符号「0」、符号「1」および符号「S]に対応させても同様の結果が得られることはいうまでもない。
【0067】
以上のように第1識別子106および第2識別子107の符号を識別するために、長さP1、長さP2、長さS1をそれぞれ有する2つのプリピットまたはマークと1つのスペースとを用いることで従来128バイト用いていたヘッダ部を4バイトに短くすることが可能になり、ヘッダ部による冗長度を少なくしたフォーマットが可能になり、光ディスクの記録容量を飛躍的に増大させる効果がある。
【0068】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。図5に本発明の実施の形態2における光ディスクの構成図を示す。図5は光ディスク上に同心円あるいはスパイラル状に形成されたトラック500の構成の一部を示したものである。図1を参照して前述した光ディスク上に形成されたトラック100の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0069】
図5を参照して、トラック500は、複数のアドレスブロック108を含む。アドレスブロック108は、グルーブセクタ部110とランドセクタ部109とを含む。ランドセクタ部109は、複数のランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dを含む。グルーブセクタ部110は、複数のグルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dを含む。各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。
【0070】
各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dの記録再生部112には、グルーブトラック101が形成されている。各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dの記録再生部112には、ランドトラック102が形成されている。
【0071】
各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109D内の各識別情報部111においてランドトラック中心線C2に対して内周側にシフトした位置には第1識別子506と第2識別子507とが記録される。各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110D内の各識別情報部111においてグルーブトラック中心線C1に対して内周側にシフトした位置には第3識別子509と第4識別子510とが記録される。
【0072】
ランドセクタ部109に記録された第1識別子506と第4識別子510とを説明する。ランドセクタ109Aの第1識別子506とランドトラック中心線C2に対して第1識別子506と反対側に記録される第4識別子510とには、同一の符号「S」を表すパターンがプリピットあるいはマークとスペースの形で形成されている。ランドセクタ109Bの第1識別子506とランドトラック中心線C2に対して第1識別子506と反対側に記録される第4識別子510とには、同一の符号「1」を表すパターンがプリピットあるいはマークとスペースの形で形成されている。
【0073】
以下ランドセクタ109C、109Dには同様の規則で第1識別子506および第4識別子510が割り当てられている。
【0074】
次にグルーブセクタ部110に記録された第3識別子509と第2識別子507とを説明する。グルーブセクタ110Aの第3識別子509とグルーブトラック中心線C1に対して第3識別子509と反対側に記録される第2識別子507とには、同一の符号「S」を表すパターンがプリピットあるいはマークとスペースの形で形成されている。グルーブセクタ110Bの第3識別子509とグルーブトラック中心線C1に対して第3識別子509と反対側に記録される第2識別子507とには、同一の符号「1」を表すパターンがプリピットあるいはマークとスペースの形で形成されている。
【0075】
以下グルーブセクタ110C、110Dには同様の規則で第3識別子509および第2識別子507が割り当てられている。
【0076】
ここで、ランドセクタ部109のアドレス情報の一部を第1識別子506と第4識別子510とに割り当て、グルーブセクタ部110のアドレス情報の一部を第3識別子509と第2識別子507とに割り当てたが、その他の組み合わせでもよい。例えばランドセクタ部109のアドレス情報の一部を第2識別子507と第3識別子509とに割り当て、グルーブセクタ部110のアドレス情報の一部を第1識別子506と第4識別子510とに割り当てても構わない。
【0077】
アドレス情報の構成については、本発明の実施の形態1と同様で、図2に示した通りである。IDの物理構成については、本発明の実施の形態1と同様で、図3に示した通りである。アドレスブロックの構造については、本発明の実施の形態1と同様で、図4に示した通りである。
【0078】
以上のように識別情報部111に記録された識別子の符号の識別に長さP1、長さP2、長さS1をそれぞれ有する2つのプリピットまたはマークと1つのスペースとを用いることで従来128バイト用いていたヘッダ部を4バイトに短くすることが可能になり、ヘッダ部による冗長度を少なくしたフォーマットが可能になり、光ディスクの記録容量を飛躍的に増大させる効果がある。
【0079】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について、図面を参照しながら説明する。図6に本発明の実施の形態3における光ディスクの構成を示す。図6は光ディスク上に同心円あるいはスパイラル状に形成されたトラック600の構成の一部を示したものである。図1を参照して前述した光ディスク上に形成されたトラック100の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0080】
図6を参照して、トラック600は、複数のアドレスブロック108を含む。アドレスブロック108は、グルーブセクタ部110とランドセクタ部109とを含む。ランドセクタ部109は、複数のランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dを含む。グルーブセクタ部110は、複数のグルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dを含む。各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。
【0081】
各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110Dの記録再生部112には、グルーブトラック101が形成されている。各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109Dの記録再生部112には、ランドトラック102が形成されている。
【0082】
各ランドセクタ109A、109B、109Cおよび109D内の各識別情報部111においてランドトラック中心線C2に対して内周側にシフトした位置には第1識別子606と第2識別子607とが記録される。各グルーブセクタ110A、110B、110Cおよび110D内の各識別情報部111においてグルーブトラック中心線C1に対して内周側にシフトした位置には第3識別子609と第4識別子610とが記録される。
【0083】
ランドセクタ部109に記録された第1識別子606と第2識別子607とを説明する。ランドセクタ109Aの第1識別子606と第2識別子607とには、同一の符号「S」を表すパターンがプリピットあるいはマークとスペースの形で形成されている。ランドセクタ109Bの第1識別子606と第2識別子607とには、同一の符号「1」を表すパターンがプリピットあるいはマークとスペースの形で形成されている。以下ランドセクタ109C、109Dには同様の規則で第1識別子606および第2識別子607が割り当てられている。
【0084】
次にグルーブセクタ部110に記録された第3識別子609と第4識別子610とを説明する。グルーブセクタ110Aの第3識別子609と第4識別子610とには、同一の符号「S」を表すパターンがピットあるいはマークとスペースの形で形成されている。グルーブセクタ110Bの第3識別子609と第4識別子610とには、同一の符号「1」を表すパターンがピットあるいはマークとスペースの形で形成されている。以下グルーブセクタ110C、110Dには同様の規則で第3識別子609および第4識別子610が割り当てられている。
【0085】
ここで、ランドセクタ部109のアドレス情報の一部を第1識別子606と第2識別子607とに割り当て、グルーブセクタ部110のアドレス情報の一部を第3識別子609と第4識別子610とに割り当てたが、その他の組み合わせでもよい。例えばランドセクタ部109のアドレス情報の一部を第3識別子609と第4識別子610とに割り当て、グルーブセクタ部110のアドレス情報の一部を第1識別子606と第2識別子607とに割り当てても構わない。
【0086】
アドレス情報の構成については、本発明の実施の形態1と同様で、図2に示した通りである。IDの物理構成については、本発明の実施の形態1と同様で、図3に示した通りである。アドレスブロックの構造については、本発明の実施の形態1と同様で、図4に示した通りである。
【0087】
以上のように識別情報部111に記録された識別子の符号の識別に長さP1、長さP2、長さS1をそれぞれ有する2つのプリピットまたはマークと1つのスペースとを用いることで従来128バイト用いていたヘッダ部を4バイトに短くすることが可能になり、ヘッダ部による冗長度を少なくしたフォーマットが可能になり、光ディスクの記録容量を飛躍的に増大させる効果がある。
【0088】
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について、図面を参照しながら説明する。図7に本発明の実施の形態4における光ディスクの構成図を示す。図7は、DVD
RAMVer.1およびVer.2で用いられているZCLV(ゾーンCLV)のディスクフォーマットのゾーンの境界を示す。図1を参照して前述した光ディスク上に形成されたトラック100の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0089】
ZCLVのディスクフォーマットにおいてゾーン境界では各ゾーンの最外周のランドトラックと各ゾーンの最内周のグルーブトラックとが無効トラックあるいは無効セクタとなる。無効セクタでは、記録再生部112に情報を記録することが禁止される。
【0090】
図7に示すように、無効セクタを判別するために、無効セクタ708の先頭の第1識別子706または第2識別子707に識別符号「S」を割り当てると、識別符号「S」が複数の連続したセクタで検出された場合にそのセクタが無効セクタであると判断することが可能である。
【0091】
以上のように識別符号「S」を表す識別子が複数の連続したセクタに形成されている場合、前記セクタを無効セクタと判断することにより、無効セクタに誤って情報を記録することがなくなり、光ディスクの信頼性向上させる効果がある。
【0092】
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5について、図面を参照しながら説明する。図8に本発明の実施の形態5における光ディスク装置800の構成を示す。光ディスク装置800は、半導体レーザ802とコリメートレンズ803とビームスプリッタ804と収束手段805と集光レンズ806と光検出手段807と再生信号演算手段808とフォーカス制御手段809とトラッキング制御手段810とアクチュエータ811とアドレス検出手段812とレーザ駆動手段813とを備える。
【0093】
次に、再生動作の説明をする。光ディスク801は、例えば実施の形態1で説明した光ディスクであり、光スポットは光ディスク801の記録再生部、識別情報部等に収束されて情報が光ディスク801から読み出される。
【0094】
半導体レーザ802から出射された光ビームは、コリメートレンズ803、ビームスプリッタ804、収束手段805を通って、光ディスク801上に集光される。集光された光スポットは、光ディスク801上で反射回折され、収束手段805、ビームスプリッタ804、集光レンズ806を通って、光検出手段807に集光される。集光された光は、光検出手段上の各受光素子A,B,C,Dの光量に応じた電圧信号として光検出手段807により出力され、再生信号演算手段808は、前記電圧信号を四則演算する。
【0095】
再生信号演算手段808は、フォーカスエラー信号FEをフォーカス制御手段809に出力する。再生信号演算手段808は、トラッキングエラー信号TEをトラッキング制御手段810に出力する。再生信号演算手段808は、再生信号RFおよびトラッキングエラー信号TEをアドレス検出手段812に出力する。
【0096】
フォーカス制御手段809は、フォーカスエラー信号FEに応じた電圧を出力して、アクチュエータ811を駆動し、光スポットを光ディスク801面上に焦点位置制御する。トラッキング制御手段810は、トラッキングエラー信号TEに応じた電圧を出力し、アクチュエータ811を駆動し、光スポットを光ディスク801面上の所望のトラック位置にトラッキング位置制御する。
【0097】
フォーカス制御およびトラッキング制御された光スポットによって、光ディスク上の凹凸のプリピットあるいは、相変化光ディスクの反射率の異なる濃淡のマークとスペースを読み出すことによって、光ディスク上に記録された情報を読み出す。
【0098】
アドレス検出手段812は、再生信号演算手段808の出力のうち識別情報部に相当する部位の再生信号RFおよびトラッキングエラーTE信号のパルス幅やパルスのパターンに応じて符号「0」、符号「1」および符号「S」を検出し、アドレス情報の一部(ID)としてセクタ単位でメモリに一時的に蓄え、アドレスブロック内の全セクタのIDが読み取られると、読み取られた複数のIDからアドレス番号を計算し、該当アドレスブロックのアドレス番号を認識する。
【0099】
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6について、図面を参照しながら説明する。図9に本発明の実施の形態6における光ディスクの構成図を示す。図1を参照して前述した光ディスク上に形成されたトラック100の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0100】
図9を参照して、ランドセクタ109Aは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。グルーブセクタ110Aは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。
【0101】
各グルーブセクタ110Aの記録再生部112には、グルーブトラック101が形成されている。各ランドセクタ109Aの記録再生部112には、ランドトラック102が形成されている。
【0102】
各グルーブセクタ110A内の各識別情報部111においてグルーブトラック中心線C1に対して内周側にシフトした位置には第1識別子1108が形成される。各ランドセクタ109A内の各識別情報部111においてランドトラック中心線C2に対して内周側にシフトした位置には第2識別子1109が形成される。
【0103】
図9に示すように、第1識別子1108は識別情報部111の前半部に形成され、第2識別子1109は識別情報部111の後半部に形成される。図9に示すように、第1識別子1108と第2識別子1109とは、千鳥状に配置されたプリピット及びスペースを有している。記録データはランドトラック102とグルーブトラック101との両方のトラックに記録される。
【0104】
記録再生部112は識別情報部111を挟んで複数のセクタに存在し、複数のランドセクタあるいは複数のグルーブセクタのセクタ群単位で1つのアドレス情報が割当てられている。第1識別子1108と第2識別子1109とには前記アドレス情報の内の1ビットの情報が予め記録されている。アドレス情報は複数の連続したセクタに記録される第1識別子1108と第2識別子1109とを組み合わせることでセクタ群のアドレス情報を表記する。
【0105】
ランドセクタのアドレス情報のうちの一部(1ビット)を第1識別子1108、グルーブセクタのアドレス情報の一部(1ビット)を第2識別子1109に割り当てる。ここで、ランドセクタのアドレス情報の一部(1ビット)を第2識別子1109、グルーブセクタのアドレス情報の一部(1ビット)を第1識別子1108に割り当てても構わない。
【0106】
第1識別子1108と第2識別子1109との物理構成について説明する。図9において、第1識別子1108と第2識別子1109とのそれぞれは、グルーブトラック中心線C1あるいはランドトラック中心線C2に対して千鳥状に配置されたプリピット1104とスペース1105とを含む。プリピット1104の長さは、第1識別子1108と第2識別子1109とのそれぞれが表す符号に応じて異なっている。図9に示すように第1識別子1108のプリピット1104の終端エッジ位置は全てのプリピット1104で概略一致している。同様に第2識別子1109のプリピット1104の終端エッジ位置は全てのプリピット1104で概略一致している。
【0107】
次に、符号の割り当て方について説明する。前記千鳥状に配置されたプリピット1104の長さあるいはスペース1105の長さに応じて3通りの1ビットの符号を割り当てる。例えば、図9に示すようにスペース1105の長さが8Twの場合の符号を「0」、スペース1105の長さが12Twの長さの符号を「1」、スペース1105の長さが16Twの長さの符号を「S」とする。あるいはスペース1105の長さの替わりにプリピット1104の長さを基準として、プリピット1104の長さが20Twの場合の符号を「0」、プリピット1104の長さが16Twの長さの符号を「1」、プリピット1104の長さが12Twの長さの符号を「S」とする。ここで、3通りの符号の割当て方として、スペース1105の検出幅が短い順に符号「0」、「1」、「S」を割り当てたが、符号の割り当て方は、前記の割り当て方にこだわる必要はなく、スペース1105の検出幅が長い順に符号「0」、「1」、「S」を割り当ててもよい。
【0108】
また、第1識別子1108または第2識別子1109の符号が「S」である場合、符号「S」はセクタ群のブロックアドレスの先頭を表すので、他の符号を表す第1識別子1108または第2識別子1109よりも信頼性を上げておくことが好ましい。記録再生部112に記録するデータの変調方式がDVDなどで用いられている8×16変調方式の場合、記録データの最長ランは14Twであるため、識別情報部111に記録する第1識別子1108または第2識別子1109の符号「S」は8×16変調方式に存在しない12Twあるいは16Twあるいは20Twの長さを用いることにより、識別情報部111に記録される第1識別子1108または第2識別子1109を検出する能力を向上させることができる。
【0109】
以上のように識別情報部111に記録する第1識別子1108または第2識別子1109の符号を識別するためにスペース1105の長さあるいは千鳥状に配置されたプリピット1104の長さに応じて3通りの1ビットの情報を割り当て、複数の識別情報部111に渡ってアドレス情報を分散して配置することで従来128バイト用いていたヘッダ部を4バイト程度に短くすることが可能になり、ヘッダ部による冗長度を少なくしたフォーマットが可能になり、光ディスクの記録容量を飛躍的に増大させる効果がある。
【0110】
また、符号「0」、「1」だけでなく符号「S」を含めた3つの符号を組み合わせてアドレス情報を構成する本発明において、セクタ群のアドレスの開始位置を符号「S」によりはっきりさせアドレス情報の読み取り信頼性を向上させるという効果がある。
【0111】
次に検出方法について説明する。和信号(分割した光検出器の和信号)を用いて再生する場合、図9に示すような再生波形901が得られる。基準時刻を最初の立ち上がりエッジに対応する時刻t1とすると、時刻t1からの次の立ち下がりエッジに対応する時刻t2、t3またはt4までの時間間隔を測ることで検出する。この場合、図9に示すように、検出時間幅が8Twの時は符号「0」、検出時間幅が12Twの時は符号「1」、検出時間幅が16Twの時は符号「S」である。
【0112】
差信号(トラック方向に分割した光検出器の差信号)を用いて再生する場合、図9に示すような再生波形902が得られる。基準時刻を最初の立下りエッジに対応する時刻t2、t3またはt4とすると、時刻t2、t3またはt4からの次の立ち上がりエッジに対応する時刻t8までの時間間隔を測ることで検出する。この場合、図9に示すように、検出時間幅が20Twの時は符号「0」、検出時間幅が16Twの時は符号「1」、検出時間幅が12Twの時は符号「S」である。
【0113】
差信号の場合、千鳥状に配置されているプリピットの構成上、再生波形902は第1識別子1108と第2識別子1109Iとで0レベルに対して上下対称になる。検出基準エッジも第1識別子1108と第2識別子1109Iとでは立ち上がりエッジと立下りエッジとが逆となる。
【0114】
(実施の形態7)
以下、本発明の実施の形態7について、図面を参照しながら説明する。図10に本発明の実施の形態7における光ディスクの構成図を示す。図1を参照して前述した光ディスク上に形成されたトラック100の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0115】
図10を参照して、ランドセクタ109Aは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。グルーブセクタ110Aは、識別情報部111と記録再生部112とを含む。
【0116】
各グルーブセクタ110Aの記録再生部112には、グルーブトラック101が形成されている。各ランドセクタ109Aの記録再生部112には、ランドトラック102が形成されている。
【0117】
各グルーブセクタ内の各識別情報部111においてグルーブトラック中心線C1に対して内周側にシフトした位置には第1識別子1208が形成される。各ランドセクタ109A内の各識別情報部111においてランドトラック中心線C2に対して内周側にシフトした位置には第2識別子1209が形成される。
【0118】
図10に示すように、第1識別子1208は識別情報部111の前半部に形成され、第2識別子1209は識別情報部111の後半部に形成される。図10に示すように、第1識別子1208と第2識別子1209とは、千鳥状に配置されたプリピット及びスペースを有している。記録データはランドトラック102とグルーブトラック101との両方のトラックに記録される。
【0119】
記録再生部112は識別情報部111を挟んで複数のセクタに存在し、複数のランドセクタあるいは複数のグルーブセクタのセクタ群単位で1つのアドレス情報が割当てられている。第1識別子1208と第2識別子1209とには前記アドレス情報の内の1ビットの情報が予め記録されている。アドレス情報は複数の連続したセクタに記録される第1識別子1208と第2識別子1209とを組み合わせることでセクタ群のアドレス情報を表記する。
【0120】
ランドセクタのアドレス情報のうちの一部(1ビット)を第1識別子1208、グルーブセクタのアドレス情報の一部(1ビット)を第2識別子1209に割り当てる。ここで、ランドセクタのアドレス情報の一部(1ビット)を第2識別子1209、グルーブセクタのアドレス情報の一部(1ビット)を第1識別子1208に割り当てても構わない。
【0121】
第1識別子1208と第2識別子1209との物理構成について説明する。図10において、第1識別子1208と第2識別子1209とのそれぞれは、グルーブトラック中心線C1あるいはランドトラック中心線C2に対して千鳥状に配置されたプリピット1204とスペース1205とを含む。プリピット1204の長さは、第1識別子1208と第2識別子1209とのそれぞれが表す符号に応じて異なっている。図10に示すように第1識別子1208のプリピット1204の始端エッジ位置は全てのプリピット1204で概略一致している。同様に第2識別子1209のプリピット1204の始端エッジ位置は全てのプリピット1204で概略一致している。
【0122】
次に、符号の割り当て方について説明する。前記千鳥状に配置されたプリピット1204の長さあるいはスペース1205の長さに応じて3通りの1ビットの符号を割り当てる。例えば、図10に示すようにプリピット1204の長さが12Twの場合の符号を「0」、プリピット1204の長さが16Twの長さの符号を「1」、プリピット1204の長さが20Twの長さの符号を「S」とする。あるいはプリピット1204の長さの替わりにスペース1205の長さを基準として、スペース1205の長さが20Twの場合の符号を「0」、スペース1205の長さが16Twの長さの符号を「1」、スペース1205の長さが12Twの長さの符号を「S」とする。ここで、3通りの符号の割当て方として、プリピット1204の検出幅が短い順に符号「0」、符号「1」、符号「S」を割り当てたが、符号の割り当て方は、前記の割り当て方にこだわる必要はなく、プリピット1204の検出幅が長い順に符号「0」、「1」、「S」を割り当ててもよい。
【0123】
また、第1識別子1208または第2識別子1209の符号が「S」である場合、符号「S」はセクタ群のブロックアドレスの先頭を表すので、他の符号を表す第1識別子1208または第2識別子1209よりも信頼性を上げておくことが好ましい。記録再生部112に記録するデータの変調方式がDVDなどで用いられている8×16変調方式の場合、記録データの最長ランは14Twであるため、識別情報部111に記録する第1識別子1208または第2識別子1209の符号「S」は8×16変調方式に存在しない12Twあるいは16Twあるいは20Twの長さを用いることにより、識別情報部111に記録される第1識別子1208または第2識別子1209を検出する能力を向上させることができる。
【0124】
以上のように識別情報部111に記録する第1識別子1208または第2識別子1209の符号の識別するためにスペース1205の長さあるいは千鳥状に配置されたプリピット1204の長さに応じて3通りの1ビットの情報を割り当て、複数の識別情報部111に渡ってアドレス情報を分散して配置することで従来128バイト用いていたヘッダ部を4バイト程度に短くすることが可能になり、ヘッダ部による冗長度を少なくしたフォーマットが可能になり、光ディスクの記録容量を飛躍的に増大させる効果がある。
【0125】
また、符号「0」、符号「1」だけでなく符号「S」を含めた3つの符号を組み合わせてアドレス情報を構成する本発明において、セクタ群のアドレスの開始位置を符号「S」によりはっきりさせアドレス情報の読み取り信頼性を向上させるという効果がある。
【0126】
次に検出方法について説明する。和信号(分割した光検出器の和信号)を用いて再生する場合、図10に示すような再生波形1001が得られる。基準時刻を最初の立下りエッジに対応する時刻t11とすると、時刻t11からの次の立ち上がりエッジに対応する時刻t12、t13またはt14までの時間間隔を測ることで検出する。この場合、図10に示すように、検出時間幅が12Twの時は符号「0」、検出時間幅が16Twの時は符号「1」、検出時間幅が20Twの時は符号「S」である。
【0127】
差信号(トラック方向に分割した光検出器の差信号)を用いて再生する場合、図10に示すような再生波形1002が得られる。基準時刻を最初の立下りエッジに対応する時刻t11とすると、時刻t11からの次の立ち上がりエッジに対応する時刻t12、t13またはt14までの時間間隔を測ることで検出する。この場合、図10に示すように、検出時間幅が12Twの時は符号「0」、検出時間幅が16Twの時は符号「1」、検出時間幅が20Twの時は符号「S」である。
【0128】
差信号の場合、千鳥状に配置されているピットの構成上、再生波形1002は第1識別子1208と第2識別子1209とで0レベルに対して上下対称になる。検出基準エッジも第1識別子1208と第2識別子1209とでは立ち上がりエッジと立下りエッジとが逆となる。
【0129】
(実施の形態8)
以下、本発明の実施の形態8について、図11Aおよび図11Bを参照しながら説明する。図11Aに本発明の実施の形態8における光ディスクの構成図を示す。図1を参照して前述した光ディスク上に形成されたトラック100の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0130】
図11Aは、アドレス情報の構成を示す。アドレス情報は、記録再生部112に記録されたユーザーデータの2KBごとを単位として複数のセクタ109A、109B、109C、・・・、109Dに分散して記録される。各セクタ109A、109B、109C、・・・、109Dの先頭部の識別情報部111にはアドレス情報中の1ビットの情報が割り当てられている。アドレス情報はアドレスブロック108単位で構成されており、アドレスブロック108の単位は例えばECCブロック単位と一致している。
【0131】
図11Aの場合、1ECCブロック単位の中に32個のセクタがあり、1ECCブロック単位のユーザー記録容量が2KB×32=64KBとなっている。アドレス情報は64KBごとに1つの連続したアドレス番号がつけられている。アドレス番号は、光ディスクの内周のアドレスブロックから外周のアドレスブロックにかけて前記64KBごとに1ずつ増加していく。
【0132】
図11Bは、アドレス情報の内容を説明する図である。情報を記録する情報面が1つ(単層)の光ディスクの場合を説明する。1ECCブロック単位の中の32個のセクタにそれぞれ記録される32個のアドレスビットを使ってアドレス番号を割り当てる。図11Bに示すように、アドレスブロックの先頭はアドレス番号が開始することを表す識別符号「S」があり、続く19ビットが実際のアドレス番号を表す情報ビット、続く12ビットがアドレス番号のパリティビットである。こうすることで(2の19乗)×64KB=32GBのアドレス空間を確保できる。
【0133】
次に情報を記録する情報面が2つ(二層)の光ディスクの場合を説明する。1ECCブロック単位の中の32個のセクタに記録される32個のアドレスビットを使ってアドレス番号を割り当てる。アドレス番号は二層ディスクの第1の記録層の内周から外周のアドレスブロックにかけて連続したアドレス番号が割り当てられている。また、第2の記録層も同様に内周から外周のアドレスブロックにかけて連続したアドレス番号が割り当てられている。このとき第2層の内周のアドレス番号の開始番号は第1層のアドレス番号の最後の番号から連番になっていても構わないし、あるいは、第2層の内周から新たに番号をふりなおしてもよい。
【0134】
図11Bに示すように、アドレスブロックの先頭はアドレス番号が開始することを表す識別符号「S」があり、続く20ビットが実際のアドレス番号を表す情報ビット、続く10ビットがアドレス番号のパリティビット、残り1ビットが記録層の番号を表す層番号である。こうすることで(2の20乗)×64KB=64GBのアドレス空間を確保できる。
【0135】
また、層番号をアドレス情報に含めることには以下の効果がある。層番号を入れることで、光スポットがフォーカスしている記録層の判別をリアルタイムに行うことが可能である。アドレス番号を読み出すタイミング(64KBごと)ごとにどちらの記録層に光スポットがフォーカスしているかを層番号を読み出すことで監視できる。これにより、不意の層間ジャンプあるいはイレギュラーのフォーカス飛びを短時間に検出することが可能であり、不意の層間ジャンプあるいはイレギュラーのフォーカス飛びが起こった場合の対応処理をすばやく行うことが可能である。
【0136】
また、2層ディスクの場合、実施の形態6および7で図9および図10で示したプリピットの長さあるいはスペースの長さを第1層と第2層とで異ならせてもよい。例えば第1層では図9に示したような光ディスクの構成を用い、第2層ではプリピットの長さを一律に2Tw長くして符号「0」の時のプリピットの長さを22Tw、符号「1」の時のプリピットの長さを18Tw、符号「S]の時のプリピットの長さを14Twとすることも可能である。こうすることにより、第1層と第2層でプリピットが検出される検出時間幅が同じ符号でも異なることとなり、記録層の誤検出を未然に防ぐことが可能になる。
【0137】
また、全ての符号の検出時間幅を第1層と第2層とで異ならすのでなく、符号「S」を表すプリピットの長さおよびスペースの長さのみを異ならせること、あるいは符号「S」を表すパターンのみ異ならせることも可能である。
【0138】
例えば図12に示すように、第1層と第2層とで符号「S」を表すパターンを異ならせることができる。符号「S」は、第1層に記録される符号「S1」と第2層に記録される符号「S2」とを含む。図12に示すように、符号「S1」を表すパターン305は、プリピット305Aとプリピット305Aの直後に配置されるスペース306とを含む。プリピット305Aは、長さP1を有する。長さP1は検出窓幅Twの12倍の長さに相当する。スペース306は長さS1を有する。長さS1は検出窓幅Twの4倍の長さに相当する。符号「S2」を表すパターン306は、スペース306とスペース306の直後に配置されるピット305Aとを含む。スペース306は長さS1を有する。長さS1は検出窓幅Twの4倍の長さに相当する。プリピット305Aは、長さP1を有する。長さP1は検出窓幅Twの12倍の長さに相当する。符号「S1」は第1層に記録される。符号「S2」は第2層に記録される。
【0139】
このように符号「S」を表すパターンを第1層と第2層とで異ならせると、アドレスブロックの先頭にある識別符号「S」を読み出す際に記録層の判別を速やかに行うことが可能である。これにより、不意の層間ジャンプあるいはイレギュラーのフォーカス飛びを短時間に検出することが可能であり、不意の層間ジャンプあるいはイレギュラーのフォーカス飛びが起こった場合の対応処理をすばやく行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0140】
以上のように本発明の光記録媒体によれば、識別子が表す符号の識別にP1、P2、S1という2つのプリピットまたはマークと1つのスペースを用いることで従来128バイト用いていたヘッダ部を4バイトに短くすることが可能になり、ヘッダ部による冗長度を少なくしたフォーマットが可能になり、光ディスクの記録容量を飛躍的に増大させる効果がある。
【0141】
また、本発明の光記録媒体によれば、識別子が表す符号の識別に2種類の符号「0」、「1」だけでなく「S]を含めた3つの符号を組み合わせてアドレス情報を構成する本発明において、セクタ群のアドレスの開始位置を符号「S」によりはっきりさせアドレス情報の読み取り信頼性を向上させるという効果がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光記録媒体であって、
前記光記録媒体は、複数のアドレスブロックを含み、
前記アドレスブロックは、複数のセクタを含み、
前記セクタには、識別子が形成され、
前記識別子は、
1ビットで表現される、「0」である第1符号を表す第1パターンと、
1ビットで表現される、「1」である第2符号を表す第2パターンと、
1ビットで表現される、同期マークである第3符号を表す第3パターンとの少なくとも1つを含み、
前記複数のセクタのうちの1つである第1のセクタには、複数の前記第3パターンの識別子が形成される、
光記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−119017(P2011−119017A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1550(P2011−1550)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【分割の表示】特願2001−554336(P2001−554336)の分割
【原出願日】平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】