説明

光音響画像生成装置

【課題】光音響画像生成装置において、2つのレーザ動作モードを切り替えて使用可能にする。
【解決手段】トリガ制御回路24は、レーザユニット13にレーザトリガ信号を出力する。トリガコントローラ31は、第1の動作モードではトリガ信号に対して不定のタイミングでQ−SWトリガ信号を出力すると共に同期信号を出力する。また、第2の動作モードではトリガ信号に対して一定のタイミングでQ−SWトリガ信号を出力する。AD変換手段22は、プローブ11で検出された光音響信号をサンプリングする。サンプリング制御回路25は、第1の動作モードでは同期信号に同期してAD変換手段22におけるサンプリングを開始させる。また、第2の動作モードでは、レーザトリガ信号に同期してAD変換手段22におけるサンプリングを開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光音響画像生成装置に関し、更に詳しくは、被検体にレーザ光を照射し、レーザ光照射により被検体内で生じた超音波を検出する光音響画像生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体内部の状態を非侵襲で検査できる画像検査法の一種として、超音波検査法が知られている。超音波検査では、超音波の送信及び受信が可能な超音波探触子を用いる。超音波探触子から被検体(生体)に超音波を送信させると、その超音波は生体内部を進んでいき、組織界面で反射する。超音波探触子でその反射音波を受信し、反射超音波が超音波探触子に戻ってくるまでの時間に基づいて距離を計算することで、内部の様子を画像化することができる。
【0003】
また、光音響効果を利用して生体の内部を画像化する光音響イメージングが知られている。一般に光音響イメージングでは、パルスレーザ光を生体内に照射する。生体内部では、生体組織がパルスレーザ光のエネルギーを吸収し、そのエネルギーによる断熱膨張により超音波(光音響信号)が発生する。この光音響信号を超音波プローブなどで検出し、検出信号に基づいて光音響画像を構成することで、光音響信号に基づく生体内の可視化が可能である。
【0004】
ここで、光音響に基づく生体情報測定装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の生体情報測定装置は、光源と、光源の光量や点灯タイミングを制御する制御手段と、生体情報を測定する生体情報センサと、センサで検出された信号に基づいて生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段とを備えている。生体情報測定装置では、患者が測定を開始すると、増幅手段やA/D変換手段などが起動され、それらが安定動作に入るのと同じタイミングで光源の点灯タイミング及び光量が制御され、光源が点灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−39268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、制御手段が光源の点灯タイミングを制御したとき、その制御信号に対してどのようなタイミングで実際に光照射が行われるかについての記載はない。仮に、制御信号に対して一定のタイミングで光照射を行うとすると、タイミングの制御はし易いものの、出射するレーザ光の光量が最適化されるとは限らない。逆に、出射するレーザ光の光量の最適化を図ると、制御信号に対してレーザ出射タイミングが不定となる。従来、これら2つのレーザ出射タイミング(レーザ動作モード)を切り換えて使用することはなされていなかった。
【0007】
本発明は、上記に鑑み、2つのレーザ動作モードを切り替えて使用可能な光音響画像生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、光出射を指示する旨のトリガ信号を出力するトリガ制御回路と、第1の動作モードと第2の動作モードとで動作し、第1の動作モードでは前記トリガ信号に対して不定のタイミングで光出射を行うと共に光出射タイミングを示す同期信号を出力し、第2の動作モードでは前記トリガ信号に対して一定のタイミングで光出射を行う光源ユニットと、前記光源ユニットから出射した光が被検体に照射された後に、被検体内で発生した光音響信号を検出する信号検出手段と、前記検出された光音響信号をサンプリングするサンプリング手段と、前記サンプリングされた光音響信号に基づいて断層画像を生成する光音響画像生成手段と、前記光源ユニットが第1の動作モードで動作するときは、前記同期信号に同期して前記サンプリング手段における光音響信号のサンプリングを開始させ、前記光源ユニットが第2の動作モードで動作するときは、前記トリガ信号に同期して前記サンプリング手段における光音響信号のサンプリングを開始させるサンプリング制御回路とを備えることを特徴とする光音響画像生成装置を提供する。
【0009】
本発明では、前記光源ユニットがトリガコントローラとQスイッチレーザとを含み、前記トリガコントローラが、前記トリガ制御回路から出力されたトリガ信号を受け取ると前記Qスイッチレーザの励起を開始し、前記第1の動作モードでは励起が開始されてから不定のタイミングでQスイッチを制御し、前記第2の動作モードでは励起開始から一定のタイミングでQスイッチを制御する構成を採用できる。
【0010】
前記トリガコントローラが、前記第1の動作モードではQスイッチを制御するタイミングを示す信号を同期信号として出力することとすることができる。
【0011】
前記光源ユニットが、光出射時に出射光の量をモニタし、前記第1の動作モードでは前回の光出射時にモニタした光の量に基づいて前記光出射のタイミングを決定する構成としてもよい。
【0012】
本発明の光音響画像生成装置が、前記光源ユニットの動作モードを、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの間で切り替えるモード切替手段を更に備えた構成を採用してもよい。
【0013】
本発明では、光音響の3次元情報を示す光音響ボリュームデータの生成を行うとき、前記モード切替手段が、前記光源ユニットの動作モードを前記第2の動作モードに設定するものとしてもよい。
【0014】
上記の光音響ボリュームデータの生成では、前記信号検出手段が走査され、前記サンプリング手段が複数の走査位置で検出された光音響信号をサンプリングすることとしてもよい。
【0015】
本発明の光音響画像生成装置が、前記複数の走査位置のそれぞれで、前記光音響信号の発生源を深さ方向に投影した光音響投影画像を生成する投影画像生成手段を更に備えていてもよい。
【0016】
前記投影画像生成手段が、前記走査が完了する前に、各走査位置で検出された光音響信号に基づいて、前記光音響投影画像の当該走査位置に対応する部分を生成するものであってもよい。
【0017】
前記投影画像生成手段が、前記検出された光音響信号の絶対値を前記深さ方向に積分し、該積分された光音響信号に基づいて前記光音響投影画像の当該走査位置に対応する部分を生成するものとすることができる。
【0018】
前記投影画像生成手段が、前記信号検出手段の走査と並行して、前記光音響投影画像の生成を行ってもよい。
【0019】
前記複数の走査位置のそれぞれで、被検体に送信された超音波に対する反射超音波信号の検出を行い、光音響ボリュームデータに加えて、反射超音波の3次元情報を示す超音波ボリュームデータの生成を行うこことしてもよい。
【0020】
前記投影画像生成手段が、前記音響投影画像に代えて、又はこれに加えて、前記複数の走査位置のそれぞれで、前記反射超音波信号を深さ方向に投影した超音波投影画像を生成してもよい。
【0021】
本発明の光音響画像生成装置が、前記信号検出手段を所定の走査方向に走査する走査機構を更に備えていてもよい。
【0022】
前記走査機構が、前記信号検出手段を保持する保持部と、該保持部を所定の走査方向に移動させる移動手段とを含んでいてもよい。
【0023】
本発明は、また、光出射を指示する旨のトリガ信号を、第1の動作モードと第2の動作モードとの何れかで動作可能な光源ユニットに出力するステップと、前記光源ユニットが、第1の動作モードでは前記トリガ信号に対して不定のタイミングで光を出射すると共に光出射を示す同期信号を出力し、第2の動作モードでは前記トリガ信号に対して一定のタイミングで光を出射するステップと、前記光源ユニットから出射した光が被検体に照射された後に、被検体内で発生した光音響信号を検出するステップと、前記光源ユニットが第1の動作モードで動作するときは、前記同期信号に同期して前記光音響信号のサンプリングを開始し、前記光源ユニットが第2の動作モードで動作するときは、前記トリガ信号に同期して前記光音響信号のサンプリングを開始するステップと、前記サンプリングされた光音響信号に基づいて光音響断層画像を生成するステップとを有する光音響画像生成方法を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の光音響画像生成装置は、トリガ信号に対して不定のタイミングで光出射を行う第1の動作モードと、トリガ信号に対して一定のタイミングで光出射を行う第2の動作モードとを切り替えることができる。例えば第1の動作モードにおいて、レーザ出射タイミングを最適化することで、被検体に照射される光の量を最大化できる。その結果、光音響信号の信号レベル低下を防ぐことができ、良好な光音響画像を生成できる。一方、第2の動作モードでは、一定のタイミングで被検体に光を照射できることから、タイミングを優先した画像生成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態の光音響画像生成装置を示すブロック図。
【図2】レーザマスターモードにおける動作手順を示すフローチャート。
【図3】超音波マスターモードにおける動作手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2実施形態の光音響画像生成装置を示すブロック図。
【図5】プローブ走査機構の構成例を示す図。
【図6】投影画像生成部及び断層画像生成部を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態の光音響画像生成装置を示す。光音響画像生成装置(光音響画像診断装置)10は、超音波探触子(プローブ)11、超音波ユニット12、及びレーザ光源(レーザユニット)13を備える。光音響画像診断装置10は、超音波画像と光音響画像との双方を生成可能である。レーザユニット(光源ユニット)13は、光音響画像生成の際に、被検体に照射するレーザ光を生成する。レーザ光の波長は、観察対象物に応じて適宜設定すればよい。レーザユニット13から出射したレーザ光は、例えば光ファイバなどの導光手段を用いてプローブ11まで導光され、プローブ11から被検体に照射される。
【0027】
プローブ11は、信号検出手段であり、被検体に対する超音波の出力(送信)、及び被検体からの超音波の検出(受信)を行う。プローブ11は、例えば一次元的に配列された複数の超音波振動子を有する。プローブ11は、超音波画像の生成時は複数の超音波振動子から超音波を出力し、出力された超音波に対する反射超音波(以下、反射音響信号とも呼ぶ)を検出する。プローブ11は、光音響画像生成時は、被検体内の測定対象物がレーザユニット13からのレーザ光を吸収することで生じた超音波(以下、光音響信号とも呼ぶ)を検出する。
【0028】
超音波ユニット12は、受信回路21、AD変換手段22、画像生成手段23、トリガ制御回路24、サンプリング制御回路25、制御手段26、送信制御回路27、及びモード切替回路28を有する。受信回路21は、プローブ11が有する複数の超音波振動子が検出した超音波(光音響信号又は反射音響信号)を受信する。AD変換手段22は、サンプリング手段であり、受信回路21が受信した超音波信号をデジタル信号に変換する。AD変換手段22は、例えば外部から入力されるADクロック信号に同期して、所定のサンプリング周期で超音波信号をサンプリングする。
【0029】
画像生成手段(断層画像生成手段)23は、AD変換手段22でサンプリングされた超音波に基づいて断層画像を生成する。画像生成手段23は、プローブ11で検出された光音響信号に基づいて光音響画像を生成すると共に、プローブ11で検出された反射音響信号に基づいて超音波画像を生成する。画像生成手段23は、画像再構成手段231、検波手段232、対数変換手段233、及び画像構築手段234を含む。画像生成手段23内の各部の機能は、コンピュータが所定のプログラムに従って処理を動作することで実現できる。なお、図1では光音響画像と超音波画像とを同じ画像生成手段23で生成することとしているが、光音響画像と超音波画像とを別個の画像生成手段(光音響画像生成手段と超音波画像生成手段)で生成するようにしてもよい。
【0030】
画像再構成手段231は、プローブ11の複数の超音波振動子で検出された超音波信号に基づいて、断層画像の各ラインのデータを生成する。画像再構成手段231は、例えばプローブ11の64個の超音波振動子からのデータを、超音波振動子の位置に応じた遅延時間で加算し、1ライン分のデータを生成する(遅延加算法)。画像再構成手段231は、遅延加算法に代えて、CBP法(Circular Back Projection)により再構成を行ってもよい。あるいは画像再構成手段231は、ハフ変換法又はフーリエ変換法を用いて再構成を行ってもよい。
【0031】
検波手段232は、画像再構成手段231が出力する各ラインのデータの包絡線を出力する。対数変換手段233は、検波手段232が出力する包絡線を対数変換し、ダイナミックレンジを広げる。画像構築手段234は、対数変換が施された各ラインのデータに基づいて、断層画像を生成する。画像構築手段234は、例えば超音波信号(ピーク部分)の時間軸方向の位置を、断層画像における深さ方向の位置に変換して断層画像を生成する。画像表示手段14は、画像構築手段234が生成した断層画像を、表示モニタなどに表示する。
【0032】
制御手段26は、超音波ユニット12内の各部を制御する。制御手段26は、超音波画像又は光音響画像の生成開始をトリガ制御回路24に伝える。トリガ制御回路24は、超音波画像の生成時は、送信制御回路27に超音波送信を指示する旨の超音波送信トリガ信号を送る。送信制御回路27は、トリガ信号を受けると、プローブ11から超音波を送信させる。超音波の送信は、必ずしもプローブ11から行う必要はなく、超音波送信をプローブ11以外の場所から行ってもよい。一方、トリガ制御回路24は、光音響画像の生成時は、レーザユニット13に対して光出射を指示する旨のレーザトリガ信号を送る。レーザユニット13は、レーザトリガ信号を受けた後にレーザ光を出射する。
【0033】
ここで、レーザユニット13は、レーザマスターモード(第1の動作モード)と、超音波マスターモード(第2の動作モード)との2つの動作モードで動作する。レーザユニット13は、レーザマスターモードでは、超音波ユニット12からのレーザトリガ信号に対して不定のタイミングで光出射を行う。また、光出射タイミングを示す同期信号を超音波ユニット12に出力する。レーザユニット13は、超音波マスターモードでは、超音波ユニット12からのレーザトリガ信号に対して一定のタイミングで光出射を行う。
【0034】
サンプリング制御回路25は、AD変換手段22にADトリガ信号を出力し、AD変換手段22におけるサンプリング開始タイミングを制御する。AD変換手段22は、ADトリガ信号を受け取るとサンプリングを開始する。サンプリング制御回路25は、超音波画像の生成時は、超音波送信トリガ信号の出力タイミングと一定の時間関係にある所定のタイミングでAD変換手段22にADトリガ信号を送る。言い換えると、サンプリング制御回路25は、超音波送信トリガ信号と同期して、AD変換手段22における反射音響信号のサンプリングを開始させる。
【0035】
サンプリング制御回路25は、光音響画像の生成時は、レーザユニット13の動作モードがレーザマスターモードであれば、レーザユニット13から同期信号を受信したタイミングと一定の時間関係にある所定のタイミングでAD変換手段22にADトリガ信号を送る。言い換えると、サンプリング制御回路25は、同期信号の受信に同期して、AD変換手段22における光音響信号のサンプリングを開始させる。サンプリング制御回路25は、レーザユニット13の動作モードが超音波マスターモードであれば、レーザトリガ信号の出力タイミングと一定の時間関係にある所定のタイミングでAD変換手段22にADトリガ信号を送る。言い換えると、サンプリング制御回路25は、レーザトリガ信号に同期して、AD変換手段22における光音響信号のサンプリングを開始させる。
【0036】
モード切替回路(モード切替手段)28は、レーザユニット13の動作モード(レーザ動作モード)を、レーザマスターモードと超音波マスターモードとの間で切り替える。モード切替回路28は、例えばユーザからの指示に基づいて、レーザユニット13の動作モードを切り替える。ユーザは、自身の好みや画像生成の目的に応じて、任意に動作モードを選択できる。モード切替回路28は、例えば光音響画像の生成条件や目的に基づいて、レーザユニット13の動作モードを自動で切り替えてもよい。例えばモード切替回路28は、断層画像観察時はレーザマスターモードに設定し、ボリュームデータ取得時は超音波マスターモードに設定することができる。
【0037】
レーザユニット13は、トリガコントローラ31とQスイッチレーザ32とを有する。Qスイッチレーザ32は、励起光源であるフラッシュランプ321と、レーザ発振を制御するQスイッチ322とを含む。トリガコントローラ31は、超音波ユニット12からのレーザトリガ信号が入力されると、フラッシュランプ321を点灯させ、図示しないレーザ媒質の励起を開始させる。トリガコントローラ31は、動作モードがレーザマスターモードであれば、励起が開始されてから不定のタイミングでQスイッチ322をオンさせるためのQ−SWトリガ信号を出力し、Qスイッチレーザ32からレーザ光を出射させる。トリガコントローラ31は、動作モードが超音波マスターモードであれば、励起が開始されてから一定のタイミングでQ−SWトリガ信号を出力し、Qスイッチレーザ32からレーザ光を出射させる。
【0038】
トリガコントローラ31は、レーザマスターモードでは、例えばレーザ出射タイミングの最適化を図り、高いレーザ出力が得られるタイミングでQスイッチ322の制御を行う。トリガコントローラ31は、例えば光出射時に出射光の光量をモニタし、前回の光出射時にモニタした光量に基づいて、より高いレーザ出力が得られるように、レーザトリガ信号に対するQスイッチの制御タイミングを決定する。レーザマスターモードでは、レーザ出射タイミングの最適化を図ることで、レーザユニット13がレーザトリガ信号を受け取ってからレーザ出射を行うまでの間の時間が不定となる。一方、超音波マスターユニットでは、トリガコントローラ31がレーザトリガ信号から一定の時間が経過したときにQスイッチ322を制御するため、レーザユニット13がレーザトリガ信号を受け取ってからレーザ出射を行うまでの間の時間は一定時間となる。
【0039】
トリガコントローラ31は、レーザマスターモードでは、Qスイッチ322を制御するタイミングを示す信号を、同期信号として出力する。超音波ユニット12は、レーザユニット13から出力される同期信号により、レーザユニット13からどのタイミングで光が出射するかを知ることができる。サンプリング制御回路25は、同期信号の出力タイミングから定まる光出射タイミングに合わせて、AD変換手段22におけるサンプリングを開始させる。一方、超音波マスターモードでは、光出射タイミングは一定のタイミングになるため同期信号は不要であり、サンプリング制御回路25は、レーザトリガ信号の出力タイミングから定まる光出射タイミングに合わせて、AD変換手段22におけるサンプリングを開始させる。
【0040】
図2は、レーザ動作モードがレーザマスターモードであるときの動作手順を示す。トリガ制御回路24は、レーザユニットにレーザトリガ信号を送信する(ステップA1)。レーザユニット13のトリガコントローラ31は、Qスイッチレーザ32のフラッシュランプ321を点灯し、レーザ媒質の励起を開始する(ステップA2)。トリガコントローラ31は、レーザトリガ信号の受信タイミングとは不定の関係にあるタイミングでQスイッチ322にQ−SWトリガ信号を出力する(ステップA3)。Qスイッチ322は、Q−SWトリガ信号が入力されるとオンし、Qスイッチレーザ32がレーザ発振して、被検体にパルスレーザ光が照射される。トリガコントローラ31は、Qスイッチ322がオンするタイミングに合わせて、超音波ユニット12に同期信号を出力する(ステップA4)。
【0041】
被検体内では、照射されたパルスレーザ光による光音響信号が発生する。プローブ11は、被検体内で生じた光音響信号を検出する(ステップA5)。サンプリング制御回路25は、同期信号に同期して、AD変換手段22にADトリガ信号を出力する(ステップA6)。AD変換手段22は、ADトリガ信号が入力されると、外部から入力されるADクロック信号に同期して、受信回路21を介して入力される光音響信号をサンプリングする。画像生成手段23は、サンプリングされた光音響信号に基づいて光音響画像を生成する(ステップA7)。画像表示手段14は、生成された光音響画像を表示画面上に表示する(ステップA8)。
【0042】
図3は、レーザ動作モードが超音波マスターモードであるときの動作手順を示す。トリガ制御回路24は、レーザユニットにレーザトリガ信号を送信する(ステップB1)。レーザユニット13のトリガコントローラ31は、Qスイッチレーザ32のフラッシュランプ321を点灯し、レーザ媒質の励起を開始する(ステップB2)。トリガコントローラ31は、レーザトリガ信号の受信タイミングと一定の関係にあるタイミングでQスイッチ322にQ−SWトリガ信号を出力する(ステップB3)。Qスイッチ322はQ−SWトリガ信号が入力されるとオンし、Qスイッチレーザ32がレーザ発振して、被検体にパルスレーザ光が照射される。
【0043】
被検体内では、照射されたパルスレーザ光による光音響信号が発生する。波プローブ11は、被検体内で生じた光音響信号を検出する(ステップB4)。サンプリング制御回路25は、レーザトリガ信号に同期して、AD変換手段22にADトリガ信号を出力する(ステップB5)。AD変換手段22は、ADトリガ信号が入力されると、外部から入力されるADクロック信号に同期して、受信回路21を介して入力される光音響信号をサンプリングする。画像生成手段23は、サンプリングされた光音響信号に基づいて光音響画像を生成する(ステップB6)。画像表示手段14は、生成された光音響画像を表示画面上に表示する(ステップB7)。
【0044】
レーザマスターモードでは、レーザ出射タイミングの最適化を図ることで、被検体に照射される光の量を多くすることができる。被検体に照射する光を最大化することで、生成される光音響画像の画質を向上することができる。しかしながら、光音響画像を繰り返し生成することを考えると、レーザユニット13に対するレーザトリガ信号の出力タイミングからレーザが実際に発光するまでの間の時間が一定にはならないため、光音響画像を動画表示する際に、フレームレートに変動が生じる。
【0045】
一方、超音波マスターモードでは、レーザ出射タイミングは一定のタイミングであるため、必ずしも最適条件でレーザが発光せず、被検体に照射される光の量はレーザマスターモード時よりも少し減少することがある。このため、レーザマスターモードに比して、検出される光音響信号の信号レベルは少し低下する。しかしながら、レーザ出射タイミングが一定のタイミングとなるため、例えば光音響画像を動画表示する際にフレームレートを一定のレートに固定できる。また、超音波ユニット12が、いつレーザが発光するかを予測することができるため、同期信号も不要である。
【0046】
ユーザは、例えば光音響画像の画質を優先したいときは、レーザ動作モードをレーザマスターモードに設定する。この場合、レーザユニット13は、最適化された条件でレーザ光を出射することができ、光音響信号の信号レベル低下を防止することができる。その結果として、超音波ユニット12において画質の高い光音響画像を生成できる。ユーザは、例えばタイミングを優先したいときは、レーザ動作モードを超音波マスターモードに設定する。この場合、レーザユニット13から被検体へのレーザ照射タイミングを一定に保つことができ、一定の周期で光音響画像を生成できる。その結果、光音響画像を動画表示する際に、一定のフレームレートで光音響画像を表示することができる。本実施形態では、ユーザは、光音響画像の画質は高いがフレームレートが固定されないレーザマスターモードと、フレームレーは固定できるが光音響信号の画質が少し落ちる超音波マスターモードとを使い分けて使用することができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、プローブ11が超音波の送受信を行い、画像生成手段23が光音響画像と超音波画像との双方を生成可能であるものとして説明したが、超音波画像の生成は省略してもよい。また、光音響画像の生成時に、同じ位置で超音波画像の生成も行い、光音響画像と超音波画像とを重ねて表示することも可能である。その際には、双方の画像の対応する点同士が同じ位置になるように、画像を重ね合わせることが好ましい。
【0048】
続いて、本発明の第2実施形態の光音響画像生成装置を説明する。図4は、本発明の第2実施形態の光音響画像生成装置を示す。本実施形態では、プローブ11を走査してボリュームデータを取得する。プローブ11は、例えば一次元に配列された複数の超音波振動子を有しており、そのようなプローブ11を、一次元配列された複数の超音波振動子の配列方向に対してほぼ直交する方向に走査することで、ボリュームデータが取得できる。プローブ11の走査は、機械的な走査には限定されず、電子的な走査であってもよい。例えば、プローブ11が二次元配列された複数の超音波振動子を有する場合、二次元配列された超音波振動子を電子的に走査してボリュームデータを取得してもよい。
【0049】
プローブ11の走査には、例えばプローブ11を所定の走査方向に自動的に走査するプローブ走査機構15を用いられる。プローブ11を自動走査しつつ、複数の位置においてパルスレーザ光の照射と光音響信号の検出とを行い、各位置において検出された光音響信号を結合することで、光音響のボリュームデータが得られる。また、プローブ11を自動走査しつつ、複数の位置において超音波の送信と反射音響信号の検出とを行い、各位置において検出された反射音響信号を結合することで、反射超音波のボリュームデータが得られる。
【0050】
図5は、プローブ走査機構15の一例を示す。プローブ走査機構15は、保持板81、ボールねじ82、ガイドロッド83、及びモータ84を含む。ボールねじ82及びガイドロッド83は、互いに平行になるように、例えば保持板81に対して垂直に取り付けられている。ボールねじ82は、らせん状に形成された凸部を有する。モータ84は、ボールねじ82を、一の方向、及びそれとは反対側の方向に回転させる。プローブ11には、ボールねじ82が貫通する孔部80と、ガイドロッド83が貫通する別の孔部が設けられている。
【0051】
ここで、ボールねじ82とガイドロッド83とが、プローブ11を保持する保持部を構成する。また、ボールねじ82を回転させるモータ84が、プローブ11を所定の走査方向に移動させる移動手段を構成する。ボールねじ82が貫通する孔部80には、ボールねじ82のらせん状の凸部に対応するらせん状の凹部(溝)が設けられており、プローブ11は、ボールねじ82の回転に伴って、ガイドロッド83に沿って同図中の示すW方向に移動可能となっている。このようなプローブ走査機構15を用いることで、プローブ11の精密な走査が可能となる。
【0052】
図4に戻り、本実施形態における超音波ユニット12aは、図1に示す第1実施形態における超音波ユニット12の構成に加えて、受信メモリ41、データ分離手段42、及び画像合成手段45を有する。また、画像生成手段23に代えて、光音響画像再構成手段43、超音波画像再構成手段44、投影画像生成部60、及び断層画像生成部70を有する。光音響画像再構成手段43、超音波画像再構成手段44、及び断層画像生成部70は、図1の画像生成手段23に対応する。また、光音響画像再構成手段43及び超音波画像再構成手段44は、画像生成手段23の画像再構成手段231に対応する。
【0053】
受信回路21は、プローブ11で検出された超音波信号(光音響信号及び反射音響信号)を受信する。AD変換受信回路21は、受信回路21が受信した超音波信号をサンプリングし、そのサンプリングデータを受信メモリ41に格納する。受信メモリ41には、半導体記憶装置や磁気記憶装置などの任意の記憶装置を用いることができる。データ分離手段42は、受信メモリ41に格納された音響波検出信号と超音波検出信号とを分離する。データ分離手段42は、分離した音響波検出信号を光音響画像再構成手段43に入力し、超音波検出信号を超音波画像再構成手段44に入力する。
【0054】
光音響画像再構成手段43は、光音響信号を再構成する。光音響画像再構成手段43は、再構成した光音響信号(再構成画像)を投影画像生成部60と断層画像生成部70とに出力する。超音波画像再構成手段44は、反射音響信号を再構成する。超音波画像再構成手段44は、再構成した反射音響信号(再構成画像)を断層画像生成部70に出力する。
【0055】
投影画像生成部60は、プローブ11の複数の走査位置のそれぞれで、光音響信号の発生源を深さ方向に投影した投影画像(光音響投影画像)を生成する。投影画像生成部60は、例えばボリュームデータの生成と並行して、走査開始から現在の走査位置までの間の部分の投影画像を生成する。投影画像生成部60は、生成した投影画像を画像合成手段45に出力する。
【0056】
断層画像生成部70は、プローブ11の各走査位置における断層画像を生成する。断層画像生成部70は、例えばボリュームデータの生成と並行して、現在の走査位置における断層画像を生成する。断層画像生成部70は、光音響信号に基づいて光音響画像(光音響断層画像)を生成し、反射音響信号に基づいて超音波画像(超音波断層画像)を生成する。断層画像生成部70は、例えば生成した光音響断層画像と超音波断層画像とを1枚の画像に合成して画像合成手段45に出力する。
【0057】
画像合成手段45は、投影画像と断層画像とを、例えば1つの表示画面上に並べて配置する。例えば表示画面向かって右側に断層画像が表示され、向かって左側に投影画像が表示されるように、2つの画像を配置する。画像表示手段14は、画像合成手段45で生成された、投影画像と断層画像とが1つの表示画面上に並べられた画像を表示する。ボリュームデータの取得後に、取得したボリュームデータに基づいて三次元の光音響画像を生成し、三次元光音響画像を画像表示手段14の表示面上に表示してもよい。
【0058】
ここで、各走査位置において検出された光音響信号を結合したものを光音響ボリュームデータとするのに代えて、各走査位置における再構成された光音響信号を結合したものを光音響ボリュームデータとしてもよい。あるいは、各走査位置に対応する光音響断層画像を結合したものを光音響ボリュームデータとしてもよい。反射超音波についても同様に、各走査位置においける再構成された反射音響信号を結合したものを反射超音波ボリュームデータとしてもよいし、各走査位置に対応する超音波断層画像を結合したものを反射超音波ボリュームデータとしてもよい。
【0059】
図6は、投影画像生成部60及び断層画像生成部70の詳細を示す。まず、投影画像生成部60を説明する。投影画像生成部60は、絶対値化手段61、深度方向データ積分手段62、対数変換手段63、及び投影画像構築手段64を含む。絶対値化手段61は、再構成された光音響信号の絶対値を求める。深度方向データ積分手段62は、絶対値化された光音響信号を、深さ方向(時間軸方向)に積分する。対数変換手段63は、深さ方向に積分された光音響信号を対数変換する。この対数変換は、図1に示す対数変換手段233における対数変換と同様な処理でよい。投影画像構築手段64は、対数変換された積分値に基づいて、光音響信号の発生源(光吸収体)を画像化する。投影画像構築手段64は、例えばプローブ11の1つの走査位置に対応して、投影画像の1ライン分の部分画像を生成する。
【0060】
投影画像生成部60は、例えば、プローブ11の走査が完了してボリュームデータの取得が終了する前に、各走査位置で検出された光音響信号に基づいて、投影画像の当該走査位置に対応する部分の部分画像を生成する。例えば、プローブ11の走査と並行して、ボリュームデータを取得しながら投影画像生成部60にて投影画像の生成を行い、プローブ11の走査に合わせて、その走査位置までの部分を画像化した投影画像を画像表示手段14にリアルタイムで表示されるようにしてもよい。
【0061】
次いで、断層画像生成部70を説明する。断層画像生成部70は、検波手段71、対数変換手段72、光音響断層画像構築手段73、検波手段75、対数変換手段76、超音波断層画像構築手段77、及び超音波/光音響画像合成手段74を含む。検波手段71及75は、図1に示す検波手段232に対応し、対数変換手段72及び76は、図1に示す対数変換手段233に対応する。また、光音響断層画像構築手段73及び超音波断層画像構築手段77は、図1に示す画像構築手段234に対応する。超音波/光音響画像合成手段74は、光音響断層画像と超音波断層画像とを合成する。その際、両画像を、両画像における被検体の共通部位が互いに重なる状態で重畳表示されるように合成することが好ましい。
【0062】
なお、断層画像生成部70にて、光音響断層画像と超音波断層画像の双方を生成するのに代えて、それらのうちの何れか一方のみを生成することとしてもよい。また、投影画像生成部60に対して超音波再構成画像を入力し、光音響の投影画像に加えて、複数の走査位置のそれぞれで反射音響信号を深さ方向に投影した超音波投影画像を生成することとしてもよい。あるいは、光音響投影画像の生成を省略し、超音波投影画像のみを生成してもよい。
【0063】
図4に戻り、モード切替回路28は、ユーザが光音響のボリュームデータの取得を指示したか否かを判断する。ユーザは、図示しない操作部などを用いて、超音波ユニット12aに対してボリュームデータの取得を指示することができる。モード切替回路28は、ユーザが光音響のボリュームデータの取得を指示したときは、レーザユニット13の動作モードを第2の動作モードに設定する。モード切替回路28は、例えばユーザが光音響の断層画像の生成を指示しているときには、レーザユニット13の動作モードを第1の動作モードに設定する。
【0064】
本実施形態では、モード切替回路28は、光音響ボリュームデータの取得時は、レーザユニット13の動作モードを第2の動作モードに設定する。第2の動作モードとすることで、レーザ光量よりもタイミングが優先され、レーザトリガから一定のタイミングで被検体に対する光照射を行うことができる。例えば所定の周期でレーザトリガ信号を出力しながら、プローブ走査機構15を用いて一定の速度でプローブ11を移動させることで、一定の間隔で光音響信号を取得することができる。一方、光音響ボリュームデータの取得以外では、レーザユニット13の動作モードを第1のモードとすることで、被検体に対して照射される光の光量を優先させることができ、検出される光音響信号の信号対雑音比(S/N比)を向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態では、光音響波の発生源を深さ方向に投影した光音響投影画像を生成する。プローブ11の走査と並行して光音響投影画像の生成を行い、光音響投影画像を表示画面上に表示することで、ユーザは、走査を行いながら、被検体内部の様子を知ることができる。また、本実施形態では、光音響投影画像の生成をボリュームデータの取得が完了する前に、プローブ11の走査と並行して行っている。このように、プローブ11を操作している途中で光音響投影画像を生成する場合、ボリュームデータの取得が完了した後に、取得したボリュームデータから投影画像を生成する場合に比して、より高速に投影画像を生成し表示することが可能である。
【0066】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の光音響画像生成装置は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
10:光音響画像生成装置(光音響画像診断装置)
11:超音波探触子
12:超音波ユニット
13:レーザユニット
14:画像表示手段
15:プローブ走査機構
21:受信回路
22:AD変換手段
23:画像生成手段
24:トリガ制御回路
25:サンプリング制御回路
26:制御手段
27:送信制御回路
28:モード切替回路
31:トリガコントローラ
32:Qスイッチレーザ
41:受信メモリ
42:データ分離手段
43:光音響画像再構成手段
44:超音波画像再構成手段
45:画像合成手段
60:投影画像生成部
61:絶対値化手段
62:深度方向データ積分手段
63:対数変換手段
64:投影画像構築手段
70:断層画像生成部
71、75:検波手段
72、76:対数変換手段
73:光音響断層画像構築手段
74:超音波/光音響画像合成手段
77:超音波断層画像構築手段
80:孔部
81:保持板
82:ボールねじ
83:ガイドロッド
84:モータ
231:画像再構成手段
232:検波手段
233:対数変換手段
234:画像構築手段
321:フラッシュランプ
322:Qスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光出射を指示する旨のトリガ信号を出力するトリガ制御回路と、
第1の動作モードと第2の動作モードとで動作し、第1の動作モードでは前記トリガ信号に対して不定のタイミングで光出射を行うと共に光出射タイミングを示す同期信号を出力し、第2の動作モードでは前記トリガ信号に対して一定のタイミングで光出射を行う光源ユニットと、
前記光源ユニットから出射した光が被検体に照射された後に、被検体内で発生した光音響信号を検出する信号検出手段と、
前記検出された光音響信号をサンプリングするサンプリング手段と、
前記サンプリングされた光音響信号に基づいて光音響断層画像を生成する断層画像生成手段と、
前記光源ユニットが第1の動作モードで動作するときは、前記同期信号に同期して前記サンプリング手段における光音響信号のサンプリングを開始させ、前記光源ユニットが第2の動作モードで動作するときは、前記トリガ信号に同期して前記サンプリング手段における光音響信号のサンプリングを開始させるサンプリング制御回路とを備えたことを特徴とする光音響画像生成装置。
【請求項2】
前記光源ユニットがトリガコントローラとQスイッチレーザとを含み、前記トリガコントローラが、前記トリガ制御回路から出力されたトリガ信号を受け取ると前記Qスイッチレーザの励起を開始し、前記第1の動作モードでは励起が開始されてから不定のタイミングでQスイッチを制御するものであり、前記第2の動作モードでは励起開始から一定のタイミングでQスイッチを制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の光音響画像生成装置。
【請求項3】
前記トリガコントローラが、前記第1の動作モードではQスイッチを制御するタイミングを示す信号を同期信号として出力するものであることを特徴とする請求項2に記載の光音響画像生成装置。
【請求項4】
前記光源ユニットが、光出射時に出射光の量をモニタし、前記第1の動作モードでは前回の光出射時にモニタした光の量に基づいて前記光出射のタイミングを決定するものであることを特徴とする請求項1から3何れかに記載の光音響画像生成装置。
【請求項5】
前記光源ユニットの動作モードを、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとの間で切り替えるモード切替手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から4何れかに記載の光音響画像生成装置。
【請求項6】
光音響の3次元情報を示す光音響ボリュームデータの生成を行うとき、前記モード切替手段が、前記光源ユニットの動作モードを前記第2の動作モードに設定するものであることを特徴とする請求項5に記載の光音響画像生成装置。
【請求項7】
前記光音響ボリュームデータの生成では、前記信号検出手段が走査され、前記サンプリング手段が複数の走査位置で検出された光音響信号をサンプリングすることを特徴とする請求項6に記載の光音響画像生成装置。
【請求項8】
前記複数の走査位置のそれぞれで、前記光音響信号の発生源を深さ方向に投影した光音響投影画像を生成する投影画像生成手段を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の光音響画像生成装置。
【請求項9】
前記投影画像生成手段が、前記走査が完了する前に、各走査位置で検出された光音響信号に基づいて、前記光音響投影画像の当該走査位置に対応する部分を生成するものであることを特徴とする請求項8に記載の光音響画像生成装置。
【請求項10】
前記投影画像生成手段が、前記検出された光音響信号の絶対値を前記深さ方向に積分し、該積分された光音響信号に基づいて前記光音響投影画像の当該走査位置に対応する部分を生成するものであることを特徴とする請求項9に記載の光音響画像生成装置。
【請求項11】
前記投影画像生成手段が、前記信号検出手段の走査と並行して、前記光音響投影画像の生成を行うものであることを特徴とする請求項9又は10に記載の光音響画像生成装置。
【請求項12】
前記複数の走査位置のそれぞれで、被検体に送信された超音波に対する反射超音波信号の検出を行い、光音響ボリュームデータに加えて、反射超音波の3次元情報を示す超音波ボリュームデータの生成を行うことを特徴とする請求項7から11に記載の光音響画像生成装置。
【請求項13】
前記投影画像生成手段が、前記音響投影画像に代えて、又はこれに加えて、前記複数の走査位置のそれぞれで、前記反射超音波信号を深さ方向に投影した超音波投影画像を生成するものであることを特徴とする請求項12に記載の光音響画像生成装置。
【請求項14】
前記信号検出手段を所定の走査方向に走査する走査機構を更に備えたことを特徴とする請求項7から13に記載の光音響画像生成装置。
【請求項15】
前記走査機構が、前記信号検出手段を保持する保持部と、該保持部を所定の走査方向に移動させる移動手段とを含むことを特徴とする請求項14に記載の光音響画像生成装置。
【請求項16】
光出射を指示する旨のトリガ信号を、第1の動作モードと第2の動作モードとの何れかで動作可能な光源ユニットに出力するステップと、
前記光源ユニットが、第1の動作モードでは前記トリガ信号に対して不定のタイミングで光を出射すると共に光出射を示す同期信号を出力し、第2の動作モードでは前記トリガ信号に対して一定のタイミングで光を出射するステップと、
前記光源ユニットから出射した光が被検体に照射された後に、被検体内で発生した光音響信号を検出するステップと、
前記光源ユニットが第1の動作モードで動作するときは、前記同期信号に同期して前記光音響信号のサンプリングを開始し、前記光源ユニットが第2の動作モードで動作するときは、前記トリガ信号に同期して前記光音響信号のサンプリングを開始するステップと、
前記サンプリングされた光音響信号に基づいて光音響断層画像を生成するステップとを有する光音響画像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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