免疫グロブリン変異体及びその用途
増加したインビボ半減期を有し、Fc領域に一又は複数のアミノ酸修飾がある変異体免疫グロブリンと、同免疫グロブリンを使用する方法が提供される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバットのEUインデックスに従った番号付けで、アミノ酸残基251、252、307、308、378、428、430、434、及び436の二以上において野生型ヒトIgG Fc領域に対して二以上のアミノ酸置換を含むヒトIgG Fc領域を含む変異体IgGであって、野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGの半減期と比較して増加した半減期を有し、かつ、アミノ酸置換の少なくとも二つがアミノ酸残基251、252、307、308、378、428、430、434、又は436にあり、アミノ酸残基251におけるアミノ酸置換がアスパラギン酸又はグルタミン酸での置換であり、アミノ酸残基252におけるアミノ酸置換がチロシンでの置換であり、アミノ酸残基307におけるアミノ酸置換がグルタミンでの置換であり、アミノ酸残基308でのアミノ酸置換がプロリンでの置換であり、アミノ酸残基378におけるアミノ酸置換がバリンでの置換であり、アミノ酸残基428におけるアミノ酸置換がロイシンでの置換であり、アミノ酸残基430におけるアミノ酸置換がアラニン又はリジンでの置換であり、アミノ酸残基434におけるアミノ酸置換がアラニン、セリン又はチロシンでの置換であり、及びアミノ酸残基436におけるアミノ酸置換がイソロイシンでの置換である変異体IgG。
【請求項2】
アミノ酸308におけるプロリンでのアミノ酸置換とアミノ酸434におけるアラニンでのアミノ酸置換を含む請求項1に記載の変異体IgG。
【請求項3】
カバットのEUインデックスに従った番号付けで、アミノ酸残基251、252、307、308、378、380、428、430、434、及び436の三以上において野生型ヒトIgG Fc領域に対して三以上のアミノ酸置換を含むヒトIgG Fc領域を含む変異体IgGであって、野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGの半減期と比較して増加した半減期を有し、かつ、アミノ酸置換の少なくとも三つがアミノ酸残基251、252、307、308、378、380、428、430、434、又は436にあり、アミノ酸残基251におけるアミノ酸置換がアスパラギン酸又はグルタミン酸での置換であり、アミノ酸残基252におけるアミノ酸置換がチロシンでの置換であり、アミノ酸残基307におけるアミノ酸置換がグルタミンでの置換であり、アミノ酸残基308でのアミノ酸置換がプロリンでの置換であり、アミノ酸残基378におけるアミノ酸置換がバリンでの置換であり、アミノ酸残基380におけるアミノ酸置換がアラニンでの置換であり、アミノ酸残基428におけるアミノ酸置換がロイシンでの置換であり、アミノ酸残基430におけるアミノ酸置換がアラニン又はリジンでの置換であり、アミノ酸残基434におけるアミノ酸置換がアラニン、セリン、チロシン又はヒスチジンでの置換であり、及びアミノ酸残基436におけるアミノ酸置換がイソロイシンでの置換である変異体IgG。
【請求項4】
野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGより高いFcRnへの結合親和性を有する請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項5】
pH7.4においてよりもpH6.0においてFcRnへの高い結合親和性を有する請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項6】
野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGに等しいか又は高い効果を有する請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項7】
野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGよりも高い効果を有する請求項6に記載の変異体IgG。
【請求項8】
ヒト又はヒト化IgGである請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項9】
IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4である請求項8に記載の変異体IgG。
【請求項10】
IgG Fc領域がIgG1 Fc領域である請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項11】
変異体IgGが抗VEGF抗体である請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項12】
配列番号:1を含む重鎖可変ドメインと配列番号:2を含む軽鎖可変ドメインを含む請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項13】
請求項1又は3に記載の変異体IgGと薬学的に許容可能な担体を含有する薬学的組成物。
【請求項14】
請求項1又は3に記載の変異体IgGを容器中に、また使用のための指示書を含むキット。
【請求項15】
カバットのEUインデックスに従った番号付けで、アミノ酸残基308及び434において野生型ヒトIgG1 Fc領域に対してアミノ酸置換を含むヒトIgG1 Fc領域を含む変異体IgG1であって、野生型ヒトIgG1 Fc領域を有するIgG1の半減期と比較して増加した半減期を有し、アミノ酸残基308におけるアミノ酸置換がプロリンでの置換であり、アミノ酸残基434におけるアミノ酸置換がアラニンでの置換である変異体IgG1。
【請求項16】
患者における腫瘍を治療する方法において、請求項1又は3に記載の変異体IgGの有効量を患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項17】
患者におけるVEGF活性を阻害する方法において、請求項1又は3に記載の変異体IgGの有効量を上記患者に投与することを含む方法。
【請求項18】
VEGF活性が血管新生である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
患者における血管透過性を調節する方法において、請求項1又は3に記載の変異体IgGの有効量を上記患者に投与することを含む方法。
【請求項20】
患者における癌細胞の増殖を阻害し又は防止する方法において、請求項1又は3に記載の変異体IgGの有効量を上記患者に投与することを含む方法。
【請求項21】
変異体IgGが患者に4週間毎又はそれより長く投与される請求項16、17、19又は20に記載の方法。
【請求項1】
カバットのEUインデックスに従った番号付けで、アミノ酸残基251、252、307、308、378、428、430、434、及び436の二以上において野生型ヒトIgG Fc領域に対して二以上のアミノ酸置換を含むヒトIgG Fc領域を含む変異体IgGであって、野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGの半減期と比較して増加した半減期を有し、かつ、アミノ酸置換の少なくとも二つがアミノ酸残基251、252、307、308、378、428、430、434、又は436にあり、アミノ酸残基251におけるアミノ酸置換がアスパラギン酸又はグルタミン酸での置換であり、アミノ酸残基252におけるアミノ酸置換がチロシンでの置換であり、アミノ酸残基307におけるアミノ酸置換がグルタミンでの置換であり、アミノ酸残基308でのアミノ酸置換がプロリンでの置換であり、アミノ酸残基378におけるアミノ酸置換がバリンでの置換であり、アミノ酸残基428におけるアミノ酸置換がロイシンでの置換であり、アミノ酸残基430におけるアミノ酸置換がアラニン又はリジンでの置換であり、アミノ酸残基434におけるアミノ酸置換がアラニン、セリン又はチロシンでの置換であり、及びアミノ酸残基436におけるアミノ酸置換がイソロイシンでの置換である変異体IgG。
【請求項2】
アミノ酸308におけるプロリンでのアミノ酸置換とアミノ酸434におけるアラニンでのアミノ酸置換を含む請求項1に記載の変異体IgG。
【請求項3】
カバットのEUインデックスに従った番号付けで、アミノ酸残基251、252、307、308、378、380、428、430、434、及び436の三以上において野生型ヒトIgG Fc領域に対して三以上のアミノ酸置換を含むヒトIgG Fc領域を含む変異体IgGであって、野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGの半減期と比較して増加した半減期を有し、かつ、アミノ酸置換の少なくとも三つがアミノ酸残基251、252、307、308、378、380、428、430、434、又は436にあり、アミノ酸残基251におけるアミノ酸置換がアスパラギン酸又はグルタミン酸での置換であり、アミノ酸残基252におけるアミノ酸置換がチロシンでの置換であり、アミノ酸残基307におけるアミノ酸置換がグルタミンでの置換であり、アミノ酸残基308でのアミノ酸置換がプロリンでの置換であり、アミノ酸残基378におけるアミノ酸置換がバリンでの置換であり、アミノ酸残基380におけるアミノ酸置換がアラニンでの置換であり、アミノ酸残基428におけるアミノ酸置換がロイシンでの置換であり、アミノ酸残基430におけるアミノ酸置換がアラニン又はリジンでの置換であり、アミノ酸残基434におけるアミノ酸置換がアラニン、セリン、チロシン又はヒスチジンでの置換であり、及びアミノ酸残基436におけるアミノ酸置換がイソロイシンでの置換である変異体IgG。
【請求項4】
野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGより高いFcRnへの結合親和性を有する請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項5】
pH7.4においてよりもpH6.0においてFcRnへの高い結合親和性を有する請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項6】
野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGに等しいか又は高い効果を有する請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項7】
野生型ヒトIgG Fc領域を有するIgGよりも高い効果を有する請求項6に記載の変異体IgG。
【請求項8】
ヒト又はヒト化IgGである請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項9】
IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4である請求項8に記載の変異体IgG。
【請求項10】
IgG Fc領域がIgG1 Fc領域である請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項11】
変異体IgGが抗VEGF抗体である請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項12】
配列番号:1を含む重鎖可変ドメインと配列番号:2を含む軽鎖可変ドメインを含む請求項1又は3に記載の変異体IgG。
【請求項13】
請求項1又は3に記載の変異体IgGと薬学的に許容可能な担体を含有する薬学的組成物。
【請求項14】
請求項1又は3に記載の変異体IgGを容器中に、また使用のための指示書を含むキット。
【請求項15】
カバットのEUインデックスに従った番号付けで、アミノ酸残基308及び434において野生型ヒトIgG1 Fc領域に対してアミノ酸置換を含むヒトIgG1 Fc領域を含む変異体IgG1であって、野生型ヒトIgG1 Fc領域を有するIgG1の半減期と比較して増加した半減期を有し、アミノ酸残基308におけるアミノ酸置換がプロリンでの置換であり、アミノ酸残基434におけるアミノ酸置換がアラニンでの置換である変異体IgG1。
【請求項16】
患者における腫瘍を治療する方法において、請求項1又は3に記載の変異体IgGの有効量を患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項17】
患者におけるVEGF活性を阻害する方法において、請求項1又は3に記載の変異体IgGの有効量を上記患者に投与することを含む方法。
【請求項18】
VEGF活性が血管新生である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
患者における血管透過性を調節する方法において、請求項1又は3に記載の変異体IgGの有効量を上記患者に投与することを含む方法。
【請求項20】
患者における癌細胞の増殖を阻害し又は防止する方法において、請求項1又は3に記載の変異体IgGの有効量を上記患者に投与することを含む方法。
【請求項21】
変異体IgGが患者に4週間毎又はそれより長く投与される請求項16、17、19又は20に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図22E】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図23D】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図22E】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図23D】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28】
【公表番号】特表2012−505833(P2012−505833A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531249(P2011−531249)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/060443
【国際公開番号】WO2010/045193
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/060443
【国際公開番号】WO2010/045193
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】
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