説明

入力デバイス及び電子機器

【課題】多機能操作が可能で操作性が高く、小型化、薄型化された入力デバイスを提供する。
【解決手段】操作体30と、操作体30を所定軸線を中心に回動自在に保持する保持部材40と、操作体30の保持部材40に対する回転位置を検出するための回転位置検出機構を構成する電気抵抗体50及び導電接続体60,70と、を有し、回転位置検出機構は、操作体30と保持部材40との互いに対向する対向面30A,40Aに形成されている。これによれば、多機能操作が可能でかつ操作性が高く、小型化、薄型化された入力デバイスが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)等の携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、車両の電装品、ゲーム機器などの各種電子機器に適用可能な入力デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
マウス等で代表される電子機器用の入力デバイスは、様々な形式のものが存在するが(例えば、特許文献1,2参照)、携帯電話機等の小型の電子機器に適用するには、小型化、薄型化する必要がある。
【特許文献1】特許第3530764号
【特許文献2】特開2003−306149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、入力デバイスを小型化、薄型化するには、例えば、スイッチの数を減らしたり、可動部分をなくしたりする必要がある。
しかしながら、スイッチの数を減らしたり可動部分をなくしたりすると、入力デバイスの機能が減ると共に、操作感が低下する。すなわち、入力デバイスには、できるでけ多くのスイッチ機能や操作により回転する部分が存在したほうが、ユーザは操作しやすいし、多くの操作を入力デバイスにより実行できる。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、多機能操作が可能で操作性が高く、小型化、薄型化された入力デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点に係る入力デバイスは、操作体と、操作体を所定軸線を中心に回動自在に保持する保持部と、操作体の前記保持部に対する回転位置を検出するための回転位置検出機構と、操作体に作用する外力に応じて状態が変化する少なくとも一のスイッチと、を有することを特徴としている。
この構成によれば、操作体が回動するので、操作性が高まると共に、スイッチ及び回転位置検出機構から信号が得られるので、多機能操作が可能となる。
【0006】
本発明の第2の観点に係る入力デバイスは、操作体と、操作体を所定軸線を中心に回動自在に保持する保持部と、操作体の前記保持部に対する回転位置を検出するための回転位置検出機構と、を有し、回転位置検出機構の少なくとも一部は、操作体と保持部との互いに対向する対向面に形成されている、ことを特徴としている。
この構成によれば、回転位置検出機構を操作体と保持部の対向面に軽視したので、入力デバイスの小型化、特に、薄型化が可能となる。
【0007】
上記構成において、回転位置検出機構は、操作体及び保持部の対向面の一方に形成された電気抵抗体と、他方に形成されて電気抵抗体を介して電気的に接続される第1及び第2の導電接続体とを有し、操作体の回転に応じて、第1及び第2の導電接続体間の電気抵抗値が変化する、構成を採用できる。
この構成によれば、操作体の回転に応じて電気抵抗値が連続的に変化するので、連続的なアナログ信号を得ることができ、操作体の回転位置の検出精度が高まる。また、アナログ信号を利用することで、電子機器に対するより多くの操作が可能となる。
【0008】
上記構成において、回転位置検出機構は、操作体及び保持部の対向面の一方に所定パターンで配列された複数の電気接点からなる第1の接続パターンと、操作体及び保持部の対向面の他方にそれぞれ異なるパターンで配列された複数の電気接点からなる複数の第2の接続パターンとを有し、操作体の回転に応じて、第1の接続パターンに接続される第2の接続パターンが切替わる、構成を採用できる。
この構成によれば、操作体の回転に応じて、第1の接続パターンに接続される第2の接続パターンが切替わるので、これを電気的に検出すれば操作体の回転位置を検出できる。
【0009】
上記構成において、接触又は外力に応じて状態が変化する少なくとも一のスイッチをさらに有する、構成を採用できる。
この構成によれば、回転位置検出機構の検出する操作体の回転位置情報とスイッチを組合せることにより、いわゆるマウスと同様な機能を実現できる。
【0010】
上記構成において、スイッチは、対向面に形成されている、構成を採用でき、具体的には、対向面の一方に形成された接点部材と、対向面の他方に接点部材と接触可能に形成された導電接続部材とを有する構成を採用できる。
る。
この構成によれば、入力デバイスの薄型化が可能となると共に、外力に応じて作動するスイッチを実現できる。
【0011】
上記構成において、スイッチは、所定軸線を中心とする所定半径の円周方向に沿って複数形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、外力の方向に応じて作動する複数のスイッチを実現できる。
【0012】
上記構成において、電気抵抗体は、所定軸線を中心とする円の半径方向に略直線状に形成されている、構成を採用でき、また、第1及び第2の導電接続体のうち一方の導電接続体は、所定軸線を中心とする所定半径の円周上に形成され、他方の導電接続体は、一方の導電接続体とは異なる形状に形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、簡易な構成でかつ薄型化された回転位置検出機構を実現できる。
【0013】
上記構成において、スイッチは、操作体の表面側に形成されている、構成を採用でき、この場合には、スイッチを静電容量方式又は抵抗膜方式のスイッチにする、構成を採用できる。
この構成によれば、静電容量方式又は抵抗膜方式のスイッチは、薄型化に適しているので、入力デバイスに回転位置検出機能と共にスイッチ機能を付与しつつ薄型化が可能となる。
【0014】
上記構成において、操作体は、円盤状又はホイール状である、構成を採用できる。
この構成によれば、操作体の可動範囲を最小限に抑えることができるので、入力デバイスを小型化できる。
【0015】
本発明に係る電子機器は、操作体と、操作体を所定軸線を中心に回動自在に保持する保持部と、操作体の前記保持部に対する回転位置を検出するための回転位置検出機構と、を有し、回転位置検出機構の少なくとも一部は、操作体と前記保持部との互いに対向する対向面に形成されている入力デバイスを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、多機能操作が可能でかつ操作性が高く、小型化、薄型化された入力デバイスが得られる。
また、本発明によれば、多機能操作が可能で小型化、薄型化された入力デバイスを備える電子機器が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の最良の実施形態について、図1ないし図9を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る入力デバイスの外観斜視図であってオペレータにより操作されている状態を示す図、図2は図1の入力デバイスの分解斜視図、図3は入力デバイス本体の分解斜視図、図4は入力デバイス本体の側面図、図5は操作体の対向面の構成を示す平面図、図6は保持部材の対向面の構成を示す平面図、図7は可変抵抗式の回転位置検出機構の作用を説明するための図、図8は入力デバイスの電気系の構成例を示す機能ブロック図、及び図9は入力デバイスが適用された電子機器としての携帯電話機の斜視図である。
【0018】
この入力デバイス10は、図1及び図2に示すように、入力デバイス本体20、スイッチ部材100等から構成されている。
入力デバイス本体20は、図2ないし図6に示すように、樹脂等の電気絶縁性材料で円盤状に形成された操作体30、樹脂等の電気絶縁性材料で円盤状に形成された保持部材40、操作体30の保持部材40に対向する対向面30Aに形成された電気抵抗体50、保持部材40の操作体30に対向する対向面40Aに形成された第1の導電接続体としての導電接続体60及び第2の導電接続体としての導電接続体70等から構成されている。
【0019】
操作体30は、図2ないし図5に示すように、保持部材40の支持軸41が挿入される貫通孔31がその中心部に形成されており、貫通孔31に支持軸41が挿入されることにより、操作体30は軸線Jを中心に回動自在に保持部材40により保持される。これにより、図1に示すように、指FG等による操作により操作体30を任意の向きに回転させることができる。
【0020】
保持部材40は、図3、図4及び図6に示すように、その中心部に支持軸41が突出して形成されており、この支持軸41を中心に操作体30を回動自在に保持する。この保持部材40は、入力デバイスが適用される電子機器に固定される。尚、保持部材40は、入力デバイスを適用する電子機器の一部によって構成することも可能である。
【0021】
電気抵抗体50は、図3及び図5に示すように、直線状に形成されており、例えば、カーボン抵抗、セラミックス抵抗等を操作体30の対向面30Aの中心部から半径方向に沿って直線状に形成されている。
【0022】
導電接続体60は、銅パターン、アルミパターン等により保持部材40の対向面40Aに支持軸41を中心とする所定半径の円周に沿って形成されている。
導電接続体70は、銅パターン、アルミパターン等により保持部材40の対向面40Aに形成されており、導電接続体60の内側に螺旋形状に形成されている。
【0023】
貫通孔31に支持軸41が挿入されて操作体30が保持部材40に保持されると、電気抵抗体50と導電接続体60及び導電接続体70とは接触して電気的に接続される。
ここで、操作体30が軸線Jの周りを回転すると、電気抵抗体50と導電接続体60及び導電接続体70との接続位置は、図7に示すように変化する。
図7(A)に示す状態からR1方向に操作体30が回転すると、電気抵抗体50と導電接続体60及び導電接続体70との接続点間の距離Lは、回転に伴って徐々に短くなり、図7(B)に示すような状態になる。このように接続点間の距離Lが変化すると、導電接続体60と導電接続体70との間の電気抵抗値が連続的に変化する。したがって、電気抵抗値の変化を電気信号に変換して検出することにより、操作体30の回転位置を検出することができる。すなわち、電気抵抗体50、導電接続体60及び導電接続体70は、可変抵抗式の回転位置検出機構を構成している。
【0024】
スイッチ部材100は、図1に示すように、操作体30の表面30Bに固定されており、その操作面101に指FG等が触れる、あるいは、指FG等から外力として押下力を受けることにより状態が変化する後述するスイッチSWを構成している。具体的には、静電容量方式や抵抗膜方式のスイッチである。
【0025】
入力デバイス10の電気系は、例えば、図8に示すように、可変抵抗55、増幅器301、A/D変換器302、スイッチSW、処理装置310等から構成される。
【0026】
可変抵抗55は、電気抵抗体50、導電接続体60及び導電接続体70により形成される。導電接続体60及び導電接続体70の一方が電源Vccに接続され、他方がグランドGNDに接続される。そして、電気抵抗体50の所定位置(箇所)の電圧Vaが増幅器301に出力される。この電圧Vaは、導電接続体60と導電接続体70との間の電気抵抗値の変化に応じて変化する。
【0027】
増幅器301は、電圧Vaを所定のゲインで増幅してA/D変換器302に出力する。
A/D変換器302は、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して処理装置310に出力する。
【0028】
スイッチSWは、上記したスイッチ部材100により構成され、処理装置310に電気的に接続されている。例えば、スイッチ部材100のが操作体30に向けて押下されると、スイッチSWは導通状態になり、押下力が解放されると、スイッチSWは開放状態になる。
【0029】
処理装置310は、プロセッサ(CPU)311、インターフェース回路312、メモリ313等から構成され。
インターフェース回路312は、電子機器500へ各種データを出力するための回路である。
メモリ313は、電子機器500へ入力するための情報を形成するためのプログラム等を記憶している。
プロセッサ311は、メモリ313に記憶されたプログラムにしたがって、A/D変換器302から入力されるデータ及びスイッチSWの接続状態に基づいて、電子機器500へ入力する入力コード(入力情報)を形成し、これをインターフェース回路312を通じて電子機器500へ出力する。尚、入力情報の形成方法は、種々の方法を採用できる。
【0030】
入力デバイス10は、例えば、図9に示すように、携帯電話機等に適用される。
図9に示す携帯電話機500Aは、液晶パネル等で形成される表示部502、各種ボタン501等からなる操作部を備える折りたたみ式の携帯電話機であり、入力デバイス10は、各種ボタン501からなる操作部の上方に設けられている。
携帯電話機500Aのユーザは、入力デバイス10の操作体30を回転操作するとともに、スイッチ部材100を押下操作することにより、例えば、表示部502に表示されたポインタ等を所望の位置に移動したり、所望の選択操作をすることができる。
【0031】
図10は、可変抵抗式回転位置検出機構の他の構成を示す平面図である。尚、上記実施形態と同一構成部分については同一の符号を使用している。
図10に示す第2の導電接続体としての導電接続体70Aは、上記の導電接続体70とは異なり、所定半径の円形状に形成されていると共に、その中心が保持部材40の対向面40Aの中心部(支持軸41)に対して偏心している。
このような構成とすることにより、導電接続体70Aの形成が容易になる。また、導電接続体60と導電接続体70との間の電気抵抗値を操作体30の回転に応じて連続的に変化させることができる。尚、入力デバイスの電気系は上記構成のものを使用できる。
【0032】
次に、本発明の他の実施形態に係る入力デバイスについて、図11及び図12を参照して説明する。
ここで、図11は可変抵抗式の回転位置検出機構のさらに他の構成を示す平面図、及び図12は図11に示す回転位置検出機構を用いた場合における入力デバイスの電気系の構成例を示す機能ブロック図である。尚、図11及び図12において、上記実施形態と同一構成部分については同一符号を使用している。
図11において、2つの導電接続体70Bは、中心が保持部材40の対向面40Aの中心部(支持軸41)に対して偏心する所定半径の円周上に分離して形成されている。
また、電気導電体50は、2つの導電接続体70Bに対応して図示しない操作体30の対向面30Aに形成されていると共に、操作体30の直径方向に沿って形成されている。
このような構成とすることにより、一方の導電接続体70Bと導電接続体60との間の電気抵抗値は、他方の導電接続体70Bと導電接続体60との間の電気抵抗値とは異なると共に、操作体30の回転により一方の電気抵抗値が増加すると他方の電気抵抗値は減少する。したがって、これら2つので電気抵抗値をそれぞれ電気信号に変換し、これらの差分値を算出することにより、操作体30の回転位置をより高精度に検出することができる。
【0033】
この場合の入力デバイスの電気系は、例えば、図12に示すようになる。すなわち、導電接続体60、2つの導電接続体70B及び2つの電気抵抗体50により、2つの可変抵抗55A,55Bが構成される。
そして、2つの可変抵抗55A,55Bから出力される電圧Va1,Va2が増幅器301A,301Bにより増幅されてA/D変換器302Aに入力される。A/D変換器302Aは、電圧Va1,Va2のデジタル信号を処理装置310へ出力する。処理装置310では、電圧Va1,Va2の値及びスイッチSWの状態から電子機器500に対する入力情報を形成する。
【0034】
図13は、可変抵抗式の回転位置検出機構のさらに他の構成を示す平面図である。尚、図13において、上記実施形態と同一構成部分については同一符号を使用している。
図13において、保持部材40の対向面40Aには、導電接続体70C1,70C2と導電接続体70D1,70D2とが形成されている。また、図示しない操作体30の対向面30Aには、導電接続体70C1,C2と2つの導電接続体70D1,D2にそれぞれ対応して電気抵抗体50が形成されている。
操作体30がR1方向に回転すると、導電接続体60と2つの導電接続体70C1,C2との間の電気抵抗値はそれぞれ増加し、導電接続体60と2つの導電接続体70D1,D2との間の電気抵抗値はそれぞれ減少する。したがって、これらの電気抵抗値の変化を利用することにより、より高精度に操作体30の回転位置を検出できるとともに、回転方向の検出も容易となる。
【0035】
図14は、可変抵抗式の回転位置検出機構のさらに他の構成を示す平面図である。尚、図14において、上記実施形態と同一構成部分については同一符号を使用している。
図14において、保持部材40の対向面40Aには、4つの導電接続体70Eが周方向に等間隔に形成されている。また、図示しない操作体30の対向面30Aには、4つの導電接続体70Eに対応して4つの電気抵抗体50が形成されている。
図14に示す構成では、操作体30がR1方向に回転すると、導電接続体60と4つの導電接続体70Eとの間の電気抵抗値はそれぞれ増加する。例えば、これらの電気抵抗値の平均値を算出することにより、操作体30の回転位置をより高精度に検出することができる。
【0036】
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る入力デバイスについて、図15及び図16を参照して説明する。尚、図15及び図16において、上記実施形態と同一構成部分については同一の符号を使用している。また、本実施形態に係る入力デバイスは上記のスイッチ部材100は備えていない。
図15に示すように、保持部材40の対向面40Aの外周部には、突起状の複数の接点部材260A〜260Dが周方向沿って等間隔に形成されている。この接点部材260A〜260Dは、銅やアルミ等の金属やカーボンなどから形成されている。尚、接点部材260A〜260Dは、例えば、グランドGNDに電気的に接続される。
一方、図16に示すように、操作体30の対向面30Aの外周部には、リング状の導電接続部材250が形成されている。この導電接続部材250は、銅パターン、アルミパターン等で形成されており、例えば、処理装置310に電気的に接続される。
【0037】
上記の接点部材260A〜260Dと導電接続部材250とは電気的接続が可能に対向配置されてスイッチを構成している。
例えば、操作体30に対していずれかの向きに傾ける力を作用させると、接点部材260A〜260Dのいずれかが導電接続部材250と接続される。
また、操作体30を全体的に押下げると、接点部材260A〜260Dとが全て導電接続部材250と接続されるようにすることも可能である。
さらに、操作体30を弾性変形可能に形成しておき、操作体30を指等の力で変形させて、接点部材260A〜260Dのいずれかが導電接続部材250に接続されるように構成することも可能である。
【0038】
上記のように、接点部材260A〜260Dと導電接続部材250とで構成されるスイッチを操作体30の対向面30Aと保持部材40の対向面40Aに形成することにより、入力デバイスのさらなる薄型化が可能になるとともに、操作体30に対する多種多様な操作により様々な信号を生成することができる。
【0039】
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る入力デバイスについて、図17ないし図20を参照して説明する。
ここで、図17は本発明のさらに他の実施形態に係る入力デバイスの分解斜視図、図18は操作体の対向面の構成を示す平面図、図19は保持部材の対向面の構成を示す平面図、及び図20は回転位置検出機構の作用を説明するための図である。尚、図17ないし図20において、上記実施形態と同一構成部分については同一の符号を使用している。
この入力デバイスは、上記した電気抵抗体50と導電接続体60,70に代えて、図18に示すように、操作体30の対向面30Aに複数の接続パターン150A〜150Hが形成され、図17及び図19に示すように、保持部材40の対向面40Aに複数の接続パターン160が形成されている。接続パターン150A〜150Hと接続パターン160とは、操作体30の回転に応じて、互いに電気的に接続可能な位置に配置されている。
【0040】
接続パターン150A〜150Hは、図18に示すように、それぞれ異なるパターンで配列された複数の電気接点151からなり、操作体30の対向面30Aの周方向に略等間隔で形成されている。電気接点151は、銅、アルミ等の金属、カーボン等で形成されており、各電気接点151は、例えば、電源Vccにそれぞれ接続されている。
【0041】
接続パターン160は、図19に示すように、それぞれ同じパターンで配列された複数の電気接点161からなり、保持部材40の対向面40Aの周方向に等間隔に4箇所に形成されている。電気接点161は、銅、アルミ等の金属、カーボン等で形成されており、各電気接点161は、例えば、処理部310にそれぞれ接続されている。
【0042】
図20(A)に示すように、接続パターン150B,150D,150F,150Hがそれぞれ接続パターン160に接続された状態では、各接続パターン160からは、処理部310に接続パターン150B,150D,150F,150H毎に異なる信号が出力されることになる。
そして、図示しない操作体30が図20(A)のR1方向に所定角度だけ回転すると、図20(B)に示すように、接続パターン150A,150C,150E,150Gがそれぞれ接続パターン160に接続された状態となる。このとき、各接続パターン160からは、上記したのとは異なり、処理部310に接続パターン150A,150C,150E,150G毎に異なる信号が出力されることになる。これにより、処理部310では、操作体30の回転位置を検出することができる。
尚、本実施形態においても、上記したスイッチ部材100や図15及び図16で説明したスイッチを備えることができる。
【0043】
上記実施形態では、操作体の形状を円盤状としたが、これに限定されるわけではなく、例えば、ホイール形状等の他の形状とすることも可能である。
【0044】
上記実施形態では、電気抵抗体を操作体に形成し、導電接続体を保持部材に形成した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、電気抵抗体を保持部材に形成し、導電接続体を操作体に形成することも可能である。
上記実施形態では、電気抵抗体を直線状に形成した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、電気抵抗体を湾曲させるなど他の形状を採用することも可能である。
【0045】
上記実施形態では、第1の導電接続体を第2の導電接続体の外側に配置したが、これに限定されるわけではなく、第1の導電接続体を第2の導電接続体の内側に形成することも可能である。
【0046】
上記実施形態では、入力デバイスがA/D変換器や処理装置を備える構成としたが、これらを電子機器側に備える構成とすることも可能である。
【0047】
上記実施形態では、接続パターン150A〜150Hを操作体30、接続パターン160を保持部材40に形成した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、接続パターン150A〜150Hを保持部材40、接続パターン160を操作体30に形成してもよい。
【0048】
上記実施形態では、電子機器として携帯電話機を例に挙げて説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば、携帯電話機、PDA等の携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、車両の電装品、ゲーム機器などのあらゆる電子機器に適用可能である。
【0049】
上記実施形態では、回転検出機構として接触式の場合について説明したが、例えば、光学式センサを用いて非接触で操作体と保持部材との回転位置を検出する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係る入力デバイスの外観斜視図である。
【図2】図1の入力デバイスの分解斜視図である。
【図3】入力デバイス本体の分解斜視図である。
【図4】入力デバイス本体の側面図である。
【図5】操作体の対向面の構成を示す平面図である。
【図6】保持部材の対向面の構成を示す平面図である。
【図7】入力デバイスの電気系の構成例を示す機能ブロック図である。
【図8】入力デバイスが適用された電子機器としての携帯電話機の斜視図である。
【図9】可変抵抗式の回転位置検出機構の作用を説明するための図である。
【図10】可変抵抗式の回転位置検出機構の他の構成を示す平面図である。
【図11】可変抵抗式の回転位置検出機構のさらに他の構成を示す平面図である。
【図12】図11に示す回転位置検出機構を用いた場合における入力デバイスの電気系の構成例を示す機能ブロック図である。
【図13】可変抵抗式の回転位置検出機構のさらに他の構成を示す平面図である。
【図14】可変抵抗式の回転位置検出機構のさらに他の構成を示す平面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る入力デバイスの分解斜視図である。
【図16】操作体の対向面の構成を示す平面図である。
【図17】本発明のさらに他の実施形態に係る入力デバイスの分解斜視図である。
【図18】操作体の対向面の構成を示す平面図である。
【図19】保持部材の対向面の構成を示す平面図である。
【図20】回転位置検出機構の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
【0051】
10…入力デバイス
20…入力デバイス本体
30…操作体
30A…対向面
30B…表面
40…保持部材(保持部)
40A…対向面
50…電気抵抗体(回転位置検出機構)
55…可変抵抗
60…導電接続体(第1の導電接続体)
70,70A〜70E…導電接続体(第2の導電接続体)
100…スイッチ部材(スイッチ)
101…操作面
150A〜150H…接続パターン(第2の接続パターン)
151…電気接点
160…接続パターン(第1の接続パターン)
161…電気接点
310…処理部
500…電子機器
SW…スイッチ
J…軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作体と、
前記操作体を所定軸線を中心に回動自在に保持する保持部と、
前記操作体の前記保持部に対する回転位置を検出するための回転位置検出機構と、
前記操作体に作用する外力に応じて状態が変化する少なくとも一のスイッチと、
を有することを特徴とする入力デバイス。
【請求項2】
操作体と、
前記操作体を所定軸線を中心に回動自在に保持する保持部と、
前記操作体の前記保持部に対する回転位置を検出するための回転位置検出機構と、を有し、
前記回転位置検出機構の少なくとも一部は、前記操作体と前記保持部との互いに対向する対向面に形成されている、ことを特徴とする入力デバイス。
【請求項3】
前記回転位置検出機構は、前記操作体及び前記保持部の対向面の一方に形成された電気抵抗体と、他方に形成されて前記電気抵抗体を介して電気的に接続される第1及び第2の導電接続体とを有し、
前記操作体の回転に応じて、前記第1及び第2の導電接続体間の電気抵抗値が変化することを特徴とする請求項1又は2に記載の入力デバイス。
【請求項4】
前記回転位置検出機構は、前記操作体及び前記保持部の対向面の一方に所定パターンで配列された複数の電気接点からなる第1の接続パターンと、
前記操作体及び前記保持部の対向面の他方にそれぞれ異なるパターンで配列された複数の電気接点からなる複数の第2の接続パターンとを有し、
前記操作体の回転に応じて、前記第1の接続パターンに接続される前記第2の接続パターンが切替わることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力デバイス。
【請求項5】
接触又は外力に応じて状態が変化する少なくとも一のスイッチをさらに有することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の入力デバイス。
【請求項6】
前記スイッチは、前記対向面に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の入力デバイス。
【請求項7】
前記スイッチは、前記対向面の一方に形成された接点部材と、前記対向面の他方に前記接点部材と接触可能に形成された導電接続部材とを有することを特徴とする請求項6に記載の入力デバイス。
【請求項8】
前記スイッチは、前記所定軸線を中心とする所定半径の円周に沿って複数形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の入力デバイス。
【請求項9】
前記電気抵抗体は、前記所定軸線を中心とする円の半径方向に略直線状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の入力デバイス。
【請求項10】
前記第1及び第2の導電接続体のうち一方の導電接続体は、前記所定軸線を中心とする所定半径の円周上に形成され、他方の導電接続体は、前記一方の導電接続体とは異なる形状に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の入力デバイス。
【請求項11】
前記スイッチは、前記操作体の表面側に形成されている、ことを特徴とする請求項5に記載の入力デバイス。
【請求項12】
前記スイッチは、静電容量方式又は抵抗膜方式のスイッチである、ことを特徴とする請求項11に記載の入力デバイス。
【請求項13】
前記操作体は、円盤状又はホイール状であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の入力デバイス。
【請求項14】
操作体と、
前記操作体を所定軸線を中心に回動自在に保持する保持部と、
前記操作体の前記保持部に対する回転位置を検出するための回転位置検出機構と、を有し、
前記回転位置検出機構の少なくとも一部は、前記操作体と前記保持部との互いに対向する対向面に形成されている入力デバイスを備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2007−123101(P2007−123101A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314747(P2005−314747)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】