説明

入力装置、検出領域修正方法及びプログラム

【課題】誤入力に対する検出領域の修正が適正に行われる入力装置を提供する。
【解決手段】入力領域を表示する表示手段(表示部4)と、入力領域に対応する検出領域への入力を検出する入力検出手段(タッチパネル3)と、中央制御部10とを備え、中央制御部10が、検出領域の設定位置からずれた誤入力があったことを判定し、前記誤入力があったと判定した場合、この誤入力の位置ずれの向きに検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行い(ステップS15等)、初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し(ステップS1)、前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し(ステップS13等)、前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定する(ステップS14等)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置における誤入力を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力装置における誤入力を防止する技術としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されたものがある。これは、表示された複数の入力領域(例えばアイコンやキーなどのオブジェクト)に対するタッチ入力をそれぞれ検出するタッチパネル入力装置において、誤入力があると、この誤入力が防止される方向に、前記入力領域に対応する入力判定用の検出領域(前記入力領域に対応するタッチパネル上の割り当て範囲)を修正するものである。例えば、ユーザが特定の入力領域にタッチ入力しようとした場合に、この特定の入力領域に隣接する他の入力領域に対して誤ってタッチ入力してしまい、その後このタッチ入力を訂正する操作を行うと、前記特定の入力領域に対応する検出領域を、隣接する他の入力領域の方向に、誤入力の位置ずれの距離だけ移動させる、或いは規定の範囲内で広げる又は移動させるといったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−287907号公報
【特許文献2】特開2003−196031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記技術は、誤入力が異なる方向に続けてあった場合でも、同様の修正を毎回行うため、前記検出領域がその都度あちこちに大きく変化し、ユーザにとっては応答が不安定でかえって使い難く、誤入力も必ずしも適正に防止できない恐れがある。例えば、同じ入力領域に対して、ある方向に入力位置がずれた誤入力があって前記修正がなされた後に、ユーザが意識して入力位置を反対にずらしたため、こんどは反対の向きに入力位置がずれた誤入力があった場合を考える。この場合、当該入力領域に対応する検出領域は、例えば規定距離だけある方向に移動修正された後、また規定距離だけ反対の向きに移動修正されるため、結局最初と同じ位置に戻ることになり、その後にまた最初の誤入力が繰り返し発生する恐れがある。そして、このように誤入力が繰り返し発生すると、ユーザは入力に対する応答が不安定で使い難いと感じる恐れがある。
そこで本発明は、誤入力に対する検出領域の修正が適正に行われることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の入力装置は、入力領域を表示する表示手段と、
前記入力領域に対応する検出領域への入力を検出するための入力検出手段と、
前記検出領域の設定位置からずれた誤入力があったことを判定する誤入力判定手段と、
前記誤入力判定手段が前記誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行う修正手段と、
初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正手段が前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正手段が前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定するシフト量設定手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置である。
【0006】
本発明の検出領域修正方法は、表示された入力領域に対応する検出領域への入力を検出する入力装置において、前記検出領域を修正する検出領域修正方法であって、
前記検出領域の設定位置からずれた誤入力を判定し、この誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行い、
初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定することを特徴とする検出領域修正方法である。
【0007】
本発明のプログラムは、表示された入力領域に対応する検出領域への入力を検出する入力装置のコンピュータを、
前記検出領域の設定位置からずれた誤入力があったことを判定する誤入力判定手段、
前記誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行う修正手段、及び、
初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定するシフト量設定手段、
として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、誤入力に対する検出領域の修正が適正に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態である携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】前記携帯電話機の概念的な内部ブロック図である。
【図3】誤入力に対する検出領域の修正を行うプログラムのフローチャートを示す図である。
【図4】誤入力に対する検出領域の修正を行うプログラムのフローチャートを示す図である。
【図5】誤入力に対する検出領域の修正例を説明する図である。
【図6】誤入力に対する検出領域の修正例を説明する図である。
【図7】付記1の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態(本発明を携帯電話機に適用した例)を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る携帯電話機1(タッチパネル入力機能付き携帯電話機)の外観図である。この図において、携帯電話機1は、筐体2の主面(表面であって主たる操作対象となる面のこと)にタッチパネル3を設けるとともに、そのタッチパネル3の背面に液晶ディスプレイやELパネルなどの表示デバイスからなる表示部4を設けている。また、そのタッチパネル3の上辺近くに受話器としてのスピーカ5を設け、さらに、そのタッチパネル3の下辺近くにキー12a,12b,12cを設けている。
【0011】
ここで、「近く」とは、少なくとも筐体2の主面の端からタッチパネル3の端までの間のいわゆる額縁内の任意の位置のことをいう。筐体2は、回路基板等の内蔵部品を収納して携帯電話機1の表面を構成するフレームであり、手持ちに適した形状、この場合、薄い直方体状の箱形となっている。キー12a,12b,12cは、利用者が押下する操作ボタンであり、それぞれ、例えばメニューを表示させるためのメニューキー、デスクトップ(初期画面)を表示させるホームキー、一つ前の画面に戻すための戻るキーである。また、図1における符号6は、筐体2の下端面に設けられた送話器としてのマイクを示す。
【0012】
なお、筐体2の任意部分に、電源ボタンやバッテリ充電用端子などが設けられているが、図では省略している。また図示省略しているが、筐体2の任意部分に、着脱可能なカード型メモリを装着する装着部(スロット)が設けられていてもよい。また図示省略しているが、筐体2の例えば裏面(主面と反対側の面)などに、着信音やアラーム或いは楽音などを出力するためのスピーカが設けられていてもよい。
【0013】
図2は、携帯電話機1の概念的な内部ブロック図である。この図において、携帯電話機1は、タッチパネル3、表示部4、無線通信部8、音声入出力部9、中央制御部10、電源部11、操作部12を備える。なお、携帯電話機1を構成する実際の回路や機器は、通常、主にベースバンドブロックと無線ブロックとに分けられる。このようにブロック分けされた場合、図2における無線通信部8が無線ブロックに属し、タッチパネル3、表示部4、中央制御部10、操作部12等がベースバンドブロックに属する。
【0014】
無線通信部8は、アンテナ8aを介して最寄りの基地局(図示略)等との間で無線によるデジタルデータの送受信を行う。デジタルデータには、電話の着呼や発呼の情報および音声通話の情報が含まれる。この無線通信部8は、中央制御部10からの制御に従って、上記のデジタルデータの送信や受信を行う。例えば、衆網基地局や家庭用親機からの無線信号は、無線通信部8によって復調され出力される。この無線通信部8からの出力信号は、音声信号又は制御信号としてベースバンドブロックの中央制御部10に入力される。このうち、音声信号は、音声処理されてスピーカ5等から音声として出力される。制御信号は、ベースバンドブロック内の処理に用いられる。なお、アンテナ8aは、公知のダイバーシティ(Diversity)やMIMO(Multiple input output)などのマルチアンテナ技術に対応する場合には、複数設けられる。
【0015】
音声入出力部9は、中央制御部10からの制御により、マイク6で拾った音声信号をデジタルデータに変換して中央制御部10に出力したり、中央制御部10から出力されたデジタルの音声信号をアナログ信号に変換してスピーカ5から拡声したりする。マイク6やスピーカ5は電話の送受話用であるが、スピーカ5は、さらに電話の着信音等(或いはムービー再生等に伴う音声)の出力に用いられてもよい。なお、前述したように受話用のスピーカ5とは別に、筐体2の裏面等にスピーカを設け、音声入出力部9を介してこのスピーカから着信音等の出力を行ってもよい。
【0016】
表示部4は、先にも説明したとおり、その前面に、人体の一部等(例えば、手の指)の接触又は接近を検知できるタッチパネル3を併設している。タッチパネル3は、例えば、圧電方式のものであってもよいし、静電容量方式のものであってもよい。タッチパネル3は、表示部4(表示手段)の表示画面に重ねて配置され、前記表示画面上に入力があると、前記表示画面上における当該入力位置を判定可能な信号(以下、入力位置信号という。)を中央制御部10に出力するセンサである。なお、前記表示画面上への入力とは、前記表示画面上に設けられたタッチパネル3への手の指等(必ずしも人体に限らず、スタイラスなどと呼ばれるペンなどの場合もあり得る)の接触又は接近を意味する。
【0017】
電源部11は、一次電池又は充電可能な二次電池からなるバッテリを含み、このバッテリの電力から携帯電話機1の動作に必要な各種電源電圧を発生して各部に供給する。操作部12は、前述した電源ボタンやキー12a,12b,12cなどの操作の入力処理を行う。なお、タッチパネル3は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部10は、操作部12とこのタッチパネル3からの入力操作信号に応じた処理を実行する。
【0018】
中央制御部10は、マイクロコンピュータ(以下、CPUと表記する。)10a、読み出し専用半導体メモリ(以下、ROMと表記する。)10b、高速半導体メモリ(以下、RAMと表記する。)10c、書き換え可能な不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリやEEPROMなど。以下、EPROMと表記する。)10d、ならびに不図示の周辺回路を含むプログラム制御方式の制御要素である。この中央制御部10は、あらかじめROM10bやEPROM10dに格納されている制御プログラムをRAM10cにロードしてCPU10aで実行することにより、各種の処理を逐次に実行して、この携帯電話機1の全体動作を統括制御する。
【0019】
主要な制御について説明すると、中央制御部10は、タッチパネル3から出力される入力位置信号を受けて入力判定を行う。即ち、中央制御部10のEPROM10dは、表示部4の表示画面上に表示される入力領域に対応した検出領域の前記表示画面上における位置データを記憶する記憶手段として機能している。そして中央制御部10は、タッチパネル3(センサ)から出力される入力位置信号により判定される入力位置が、EPROM10dに記憶された前記位置データに基づく前記検出領域の範囲内であると、当該検出領域に対応する前記入力領域に対する入力があったと判定する入力判定を実行する機能(入力判定手段に相当する機能)を有する。
【0020】
また中央制御部10は、前記検出領域の設定位置からずれた誤入力があったことを判定する誤入力判定手段、前記誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させるように、前記記憶手段に記憶された位置データを変更する修正を行う修正手段、及び初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正手段が前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正手段が前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定するシフト量設定手段、としての機能も有する。中央制御部10のこれら機能を実現する具体的制御プログラムについては後述する。
【0021】
また、携帯電話機1には、音声データを送受信して通話する音声通話機能のほか、TV(テレビ)電話機能が備えられていてもよい。更に、携帯電話機1には、電子メール機能、インターネット接続機能、TV放送表示機能、スケジュール管理機能、電卓機能、アラーム(目覚まし)機能、音楽データ再生機能、などが備えられていてもよいことは、いうまでもない。そして、各機能におけるタッチパネル3による入力について、後述するようにして、誤入力に対する検出領域の修正が適宜行われる。
【0022】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図3及び図4は、誤入力に対する前記検出領域の修正の制御プログラムのフローチャートを示す図である。この制御プログラムは、中央制御部10のCPU10aで例えば定期的に実行される制御プログラムの一部である。図示のプログラムを開始すると、まずステップS1において、前回左右シフト量に規定の左右シフト量初期値を設定し、前回上下シフト量に規定の上下シフト量初期値を設定し、前回左右シフト方向を「なし」に設定し、前回上下シフト方向を「なし」に設定する。
【0023】
なお、本実施形態では、上記ステップS1が実行される状態が本発明の初期状態に相当する。本実施形態では、前記検出領域の修正が行われるなんらかの入力画面が表示部4の表示画面に表示される場合に、図3に示すプログラムルーチンが実行され、このルーチン開始直後の状態が前記初期状態に相当する。したがって本実施形態では、携帯電話機1の動作状態が、別の状態からなんらかの入力画面が表示される状態に移行する際に、毎回ステップS1が実行され、シフト量(左右シフト量と上下シフト量)が規定の初期値(左右シフト量初期値と上下シフト量初期値)に初期化される。
【0024】
ここで、前回左右シフト量とは、前記修正を前回行った際の前記検出領域の設定位置の左右方向のシフト量を記憶するメモリ領域(例えばRAM10c又はEPROM10d内の所定のメモリ領域)のデータである。また、前回上下シフト量とは、同様に、前記修正を前回行った際の前記検出領域の設定位置の上下方向のシフト量を記憶するメモリ領域のデータである。また、前回左右シフト方向とは、前記修正を前回行った際の前記検出領域の設定位置の左右方向におけるシフトの向きが「左」なのか「右」なのか、或いは「なし」なのかを記憶するメモリ領域のデータである。また、前回上下シフト方向とは、前記修正を前回行った際の前記検出領域の設定位置の上下方向におけるシフトの向きが「上」なのか「下」なのか、或いは「なし」なのかを記憶するメモリ領域のデータである。
【0025】
次にステップS2では、その時点での入力に必要な入力キー(入力領域を示す例えばボタン状の画像)を表示部4の表示画面に表示する。例えば、1〜9までの数字よりなる番号(例えば暗証番号など)を入力する状況であれば、図5(a)に符号B1〜B9で示すような入力キー(入力領域)を前記表示画面の一部に表示する。また、図示省略しているが、入力を取り消すための取消キーや、入力した数字よりなる番号を表示する番号表示領域を前記表示画面の他部に表示する。
【0026】
なお、図5(a)等において符号A1〜A9で示すのでは、各入力キーB1〜B9(各入力領域)にそれぞれ対応して、前記表示画面上(すなわち、タッチパネル3上)の領域として設定された検出領域(入力判定のための割り当て範囲)である。図5(b)等においては、煩雑になるので、入力キーB1〜B9の図示を省略している。この図5(a)の場合には、各検出領域A1〜A9は、各入力キーB1〜B9が表示されている領域(すなわち、入力領域)に比べて、上下左右の広さが若干狭く設定されている。このように狭く設定されていると、当然に誤入力が起き難い。但し本発明は、このように検出領域が入力領域よりも狭い態様に限定されない。本発明の適用によって誤入力が起き難くなるため、検出領域の広さを入力領域と同じかそれ以上として、入力が検出され易くすることも可能である。
【0027】
次いで、ステップS3では、タッチパネル3のいずれかの検出領域内に入力があったか否かを判定する前述した入力判定を行い、なんらかの入力があればステップS4に進む。そしてステップS4では、ステップS3で入力が有ったと判定された検出領域に対応するキーが、取消キーであるか否か判定し、取消キーであればステップS5に進み、取消キーでなければ(すなわち、取消キー以外の入力キーへの入力であれば)ステップS7に進む。
【0028】
ステップS5では、取消フラグ(オンかオフかを示すデータを記憶する所定のメモリ領域のデータ)をオンとし、次いでステップS6で取消を実行した後、ステップS3に戻る。ここで、取消とは、直前に入力され前記番号表示領域に表示された数字の表示を消して、その入力が無かった状態に戻すことである。また、「ステップS3に戻る」とは、ステップS3以降の処理を再度実行することを意味する。
【0029】
一方、ステップS7では、ステップS3で入力判定された入力キーを表示する。例えば、図5(a)に示す入力キーB1が入力有りと判定されたとき(すなわち、検出領域A1内に指が接触するなどの入力があったとき)には、入力キーB1に対応する数字「1」の入力があったとして、番号表示領域にこの数字「1」を追加表示する。なお、前記ステップS3とこのステップS7が所定桁数分だけ繰り返されることによって、所定桁数の番号(例えば、暗証番号など)の入力が実現される。
【0030】
次に、ステップS7を経るとステップS8に進み、ステップS8では、取消フラグのデータがオンであるか否か判定し、オンであればステップS11(図4)に進み、オンでなければステップS9に進む。
【0031】
ステップS9では、今回キー(ステップS3で入力判定された最新の入力キー)を前回キーとして記憶保存する。前回キーのデータが以前に記憶保存されている場合には、そのデータの代りに今回キーを記憶保存する。例えば、図5(a)に示す入力キーB1が入力有りと判定されたときに、取消フラグがオフであると、その入力キーB1を示すデータを前回キーのデータのメモリ領域に上書き保存する。
【0032】
なお、ステップS8の判定が否定的にならないとステップS9は実行されない。このため、このステップS9で記憶される前回キーは、取消フラグがオフの状態で入力有りと判定された最新の入力キーである。また取消フラグは、後述するステップS10の処理によってステップS11以降の処理が実行される度にオフに戻される。したがって、取消キーの入力の直後に入力された入力キーである場合を除き、全ての入力キー(取消キー除く)は、入力されるとこのステップS9で前回キーとして記憶され、誤って入力された入力キーであってもここで前回キーとして記憶される。
【0033】
例えば図5(b)に示すように、ユーザが入力キーB5(検出領域A5)を押そうとして誤って符号Fで示す位置を指で押して入力キーB4(検出領域A4)に入力が有ったと判定されてしまった場合でも、ステップS9で保存される前回キーは入力キーB4となる。
【0034】
一方、ステップS11に進むと、前回キーが今回キーの左隣りのキーか否か判定する。なお、ステップS8の判定が肯定的にならないとステップS11は実行されない。このため、このステップS11での今回キーは、取消フラグがオンの状態で入力有りと判定された最新の入力キーであり、取消キーの入力の直後に入力された入力キーである。すなわち、このステップS11での今回キーは、隣のキーに誤ってタッチしてしまった誤入力があった場合、この誤入力が取り消された後に再入力された入力キーであるといえる。また、このステップS11での前回キーは、前記誤入力があった場合、取消キーの入力の直前に入力された入力キー、すなわち、誤入力された入力キーであるといえる。
【0035】
そのため、ステップS11の判定結果が肯定的(前回キーが今回キーの左隣り)であると、前記誤入力が起きたと判定されたことになり、そして誤入力された入力キーが、再入力された入力キーの左隣りであるから、それに対応した検出領域の修正を行うべくステップS12に進む。例えば図5(b)に示すように、ユーザが入力キーB5(検出領域A5)を押そうとして誤って符号Fで示す位置を指で押して入力キーB4(検出領域A4)に入力が有ったと判定されてしまった場合、その後、取消キーを押して入力キーB4を取り消した後に、正しい入力キーB5(検出領域A5)を押したとする。このケースでは、前回キーは入力キーB4となり、今回キーは入力キーB5となるため、前回キー(入力キーB4)は今回キー(入力キーB5)の左隣となり、ステップS11の判定が肯定的となりステップS12に進むことになる。
【0036】
また、ステップS11の判定結果が否定的であると、ステップS17に進み、このステップS17では、前回キーが今回キーの右隣りか否か判定する。そして、ステップS17の判定結果が肯定的であると、前記誤入力が起きたと判定されたことになり、誤入力された入力キーが、再入力された入力キーの右隣りであるから、それに対応した検出領域の修正を行うべくステップS18に進む。
【0037】
また、ステップS17の判定結果が否定的であると、ステップS24に進み、このステップS24では、前回キーが今回キーの上隣りか否か判定する。そして、ステップS24の判定結果が肯定的であると、前記誤入力が起きたと判定されたことになり、誤入力された入力キーが、再入力された入力キーの上隣りであるから、それに対応した検出領域の修正を行うべくステップS25に進む。
【0038】
また、ステップS24の判定結果が否定的であると、ステップS30に進み、このステップS30では、前回キーが今回キーの下隣りか否か判定する。そして、ステップS30の判定結果が肯定的であると、前記誤入力が起きたと判定されたことになり、誤入力された入力キーが、再入力された入力キーの下隣りであるから、それに対応した検出領域の修正を行うべくステップS31に進む。なお、ステップS30の判定結果が否定的であると、前記誤入力が起きたとは判定できないので、後述するステップS10に進む。
【0039】
ステップS12に進むと、前回左右シフト方向のデータを読み取り、「なし」又は「左」である場合にはステップS13に進み、そうでない場合(つまり「右」である場合)にはステップS14に進む。ステップS13では、左右シフト量に前回左右シフト量のデータを設定し、またステップS14では、左右シフト量に前回左右シフト量の1/2(半分)のデータを設定する。これらステップS13又はS14を経るとステップS15に進み、このステップS15では、少なくとも再入力された今回キーの検出領域の設定位置(キー割り当て範囲)のデータを左向きに左右シフト量(ステップS13又はS14で設定された量)だけ移動させる(シフトさせる)ことによって、前記検出領域の設定位置を修正する処理を行う。この場合、再入力された今回キーのみならず、今回キーの周辺の複数の入力キー、或いは同時に並んで表示される全ての入力キー全体について、検出領域の設定位置を同様に移動させてもよい。
【0040】
例えば、図5(b)に示すように、ユーザが入力キーB5(検出領域A5)を押そうとして誤って符号Fで示す位置を指で押して入力キーB4(検出領域A4)に入力が有ったと判定されてしまった場合、その後、取消キーを押して入力キーB4を取り消した後に、正しい入力キーB5(検出領域A5)を押したとする。この誤入力に対しては、ステップS15によって、例えば図5(c)に示すように、ユーザが入力したかった正しい入力キーB5と、それと左右同列にある入力キーB4及び入力キーB6についての検出領域A4〜A6の設定位置が、前回左右シフト量の値Dだけ左向きに移動するように、検出領域A4〜A6の設定位置のデータを変更する。但し、前回のシフトの向きと今回のシフトの向きが逆である場合(すなわち、ステップS12の判定結果が否定的である場合)には、前回左右シフト量の半分の値D/2だけ左向きに移動させる。ここで、ステップS15(後述するステップS21,S28,S34も同様)における検出領域の設定位置変更は、他の態様でもよく、例えば図6(b)に示すように、全ての入力キーB1〜B9についての検出領域A1〜A9の設定位置を、同様に左向きに移動させてもよい。
【0041】
そしてステップS15を経ると、ステップS16に進んで前回左右シフト方向を「左」に設定し、次のステップS23で前回左右シフト量に左右シフト量(ステップS13又はS14で設定された量)を上書き保存し、その後ステップS10(図3)に進む。ステップS10では、取消フラグのデータをオフにした後、ステップS3に戻る。
【0042】
また、ステップS18に進むと、前回左右シフト方向のデータを読み取り、「なし」又は「右」である場合にはステップS19に進み、そうでない場合(つまり「左」である場合)にはステップS20に進む。ステップS19では、左右シフト量に前回左右シフト量のデータを設定し、またステップS20では、左右シフト量に前回左右シフト量の1/2のデータを設定する。これらステップS19又はS20を経るとステップS21に進み、このステップS21では、少なくとも再入力された今回キーの検出領域の設定位置のデータを右向きに左右シフト量(ステップS19又はS20で設定された量)だけ移動させる処理を行う。この場合、再入力された今回キーのみならず、今回キーの周辺の複数の入力キー、或いは同時に並んで表示される全ての入力キー全体について、検出領域の設定位置を同様に移動させてもよい。
【0043】
そしてステップS21を経ると、ステップS22に進んで前回左右シフト方向を「右」に設定し、次のステップS23で前回左右シフト量に左右シフト量(ステップS19又はS20で設定された量)を上書き保存し、その後ステップS10に進む。
【0044】
また、ステップS25に進むと、前回上下シフト方向のデータを読み取り、「なし」又は「上」である場合にはステップS26に進み、そうでない場合(つまり「下」である場合)にはステップS27に進む。ステップS26では、上下シフト量に前回上下シフト量のデータを設定し、またステップS27では、上下シフト量に前回上下シフト量の1/2のデータを設定する。これらステップS26又はS27を経るとステップS28に進み、このステップS28では、少なくとも再入力された今回キーの検出領域の設定位置のデータを上向きに上下シフト量(ステップS26又はS27で設定された量)だけ移動させる処理を行う。この場合、再入力された今回キーのみならず、今回キーの周辺の複数の入力キー、或いは同時に並んで表示される全ての入力キー全体について、検出領域の設定位置を同様に移動させてもよい。
【0045】
そしてステップS28を経ると、ステップS29に進んで前回上下シフト方向を「上」に設定し、次のステップS36で前回上下シフト量に上下シフト量(ステップS26又はS27で設定された量)を上書き保存し、その後ステップS10に進む。
【0046】
また、ステップS31に進むと、前回上下シフト方向のデータを読み取り、「なし」又は「下」である場合にはステップS32に進み、そうでない場合(つまり「上」である場合)にはステップS33に進む。ステップS32では、上下シフト量に前回上下シフト量のデータを設定し、またステップS33では、上下シフト量に前回上下シフト量の1/2のデータを設定する。これらステップS32又はS33を経るとステップS34に進み、このステップS34では、少なくとも再入力された今回キーの検出領域の設定位置のデータを下向きに上下シフト量(ステップS32又はS33で設定された量)だけ移動させる処理を行う。この場合、再入力された今回キーのみならず、今回キーの周辺の複数の入力キー、或いは同時に並んで表示される全ての入力キー全体について、検出領域の設定位置を同様に移動させてもよい。
【0047】
そしてステップS34を経ると、ステップS35に進んで前回上下シフト方向を「下」に設定し、次のステップS36で前回上下シフト量に上下シフト量(ステップS32又はS33で設定された量)を上書き保存し、その後ステップS10に進む。
【0048】
以上のとおり本実施形態では、中央制御部10が、タッチパネル3(入力検出手段)における検出領域の設定位置からずれた誤入力があったことを、ユーザの入力の訂正操作に基づいて判定し(ステップS3〜S9、ステップS11等)、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行う(ステップS15等)。すなわち既述したように、例えば図5(b)に示すように、ユーザが入力キーB5(検出領域A5)を押そうとして誤って符号Fで示す位置を指で押して入力キーB4(検出領域A4)に入力が有ったと判定された後、ユーザが取消キーを押して入力キーB4への入力を取り消し、その後に正しい入力キーB5(検出領域A5)を押したとする。すると、この誤入力に対しては、ステップS15によって、例えば図5(c)に示すように、ユーザが入力したかった正しい入力キーB5の検出領域A5を含む検出領域A4〜A6の設定位置が、前回左右シフト量の値Dだけ左向きに移動するように、検出領域A4〜A6の設定位置のデータが自動的に修正される。
【0049】
このため、ユーザに修正手順を実施させずに、タッチキーの割り当て範囲をユーザにあわせて適当な位置に修正できる。すなわち、前記検出領域の修正はユーザの操作を必要とせずに自動的に行われる。また、前記検出領域の修正はユーザの訂正操作に基づいてその訂正操作が行われた方向に行われる。したがって、ユーザにタッチキーの割り当て範囲の修正手順を実施させずに、ユーザーに適したタッチキーの割り当て範囲にチューニングできる。また、本実施形態では、左右方向にも上下方向にも前記検出領域の修正が実行され、この修正によって各方向で誤入力が発生し難くなる。例えば、図5(c)に示すように検出領域が修正された後、図5(b)と同じ符号Fで示す位置をユーザが再び指で押した場合には、ユーザが意図する正しい入力キー(この場合、検出領域A5に対応する入力キーB5)に入力があったと正しく判定されることになる。なお、左右方向についてのみ図示して具体例を説明したが、上下方向についても同様である。
【0050】
しかも本実施形態の場合、初期状態ではシフト量(この場合、前記左右シフト量と上下シフト量とがある)を規定の初期値(この場合、左右シフト量初期値と上下シフト量初期値)に設定し(ステップS1)、前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し(ステップS13,S19,S26,S32)、前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値(この場合、1/2の値)に設定する(ステップS14,S20,S27,S33)。
【0051】
例えばステップS15が実行されることによって、まず図5(c)に示すように、入力キーB5〜B6についての検出領域A4〜A6の設定位置が、前回左右シフト量の値Dだけ左向きに移動するように、検出領域A4〜A6の設定位置のデータ修正が1回又は複数回なされた状態を考える。この状態で、その後にステップS17の判定結果が肯定的となった場合には、前回左右シフト方向(左)と今回左右シフト方向(右)が逆であるため、ステップS18の分岐処理によってシフト量がステップS20によって設定され、この設定に基づいてステップS21が実行される。このため、この場合には、図6(a)に示すように、前回左右シフト量の半分の値D/2だけ右向きに検出領域A4〜A6の設定位置が移動する。
【0052】
したがって本実施形態であると、誤入力が複数回続けてあった場合に、誤入力の方向が変わる度にシフト量(検出領域の設定位置を修正する幅)が小さくなる。このため、例えば誤入力が異なる方向に続けてあった場合でも、検出領域がその都度あちこちに大きく変化して、ユーザにとって応答が不安定になるという問題が解消され、適正な修正が行われる。また、誤入力が同じ方向に複数回あったときなどに、検出領域が同じ方向に移動修正され過ぎたような場合には、その後の逆方向の誤入力発生によって前回のシフト量よりも小さな(この場合半分の)シフト量だけ反対の向きに移動修正されるので、結果的にそのユーザにとって最適位置に微修正されることになり、適正な修正となる。
【0053】
というのは、この場合、仮に逆方向の誤入力発生によって前回のシフト量と同じシフト量だけ反対の向きに修正されると、前回の誤入力発生時と同じ状態に戻ってしまう。このため、その後再び前回と同じ誤入力が発生し、結局、検出領域が同じシフト量だけ異なる向きに行ったり来たり修正されるだけで、誤入力が発生し続ける恐れがある。しかし本実施形態であると、このような場合に、上述したようにシフト量が小さくなるので、このように誤入力が発生し続ける可能性は格段に低くなる。
なお本実施形態では、ステップS1が再び実行されるまでは、誤入力が異なる向きに続けてあった場合、毎回シフト量が小さくなってゆくが、ステップS1が実行されることによって初期値に戻される。
【0054】
また本実施形態では、特定の検出領域(例えば図5の検出領域A5)の隣に位置する他の検出領域(例えば図5の検出領域A4)への入力が検出された後に、当該入力が取り消される操作がなされ、さらに前記特定の検出領域への入力が検出されると、この特定の検出領域に対して前記他の検出領域の方向にずれた誤入力があったと判定する(ステップS3〜S9、ステップS11,S17,S24,S30)。そして、この誤入力の位置ずれの向きに、少なくとも前記特定の検出領域(例えば図5の検出領域A5)の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行う(ステップS15,S21,S28,S34)。つまり本実施形態では、誤入力の有無や方向がユーザの取消操作及び再入力操作に基づいて判定され、その判定結果に基づいて検出領域の設定位置の修正が行われる。したがって、誤入力判定と検出領域の修正が的確に行われる。
【0055】
また本実施形態では、前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回に対して規定割合(この場合、50%)だけ小さな値に設定する。このため、向きが反対の前記修正が複数回繰り返し行われても、前記シフト量がゼロになることはなく、シフト量が小さくなりつつ修正が繰り返し必ず行われ、検出領域の修正がより的確に行われる。というのは、例えば、前記修正を前回と反対の向きに実行する際に前記シフト量を前回に対して規定量(一定量)だけ小さな値に設定する態様の場合、向きが反対の前記修正が複数回繰り返し行われると、前記シフト量がゼロになってしまう可能性があり、前記シフト量がゼロになってしまうと、それ以降は実質的に前記修正が行われなくなってしまう。しかし本実施形態であれば、このような不具合はないからである。
【0056】
(他の実施形態)
次に本発明の他の実施形態について説明する。
まず、前述の第1実施形態では、ユーザが訂正操作を行ったときにユーザが入力したかった正しい入力キー(入力領域)に対応する検出領域を含む複数の入力キーの検出領域について設定位置を修正しているが、前記正しい入力キーの検出領域のみについて修正を行う態様でもよい。
【0057】
また第1実施形態では、前回とシフトの向きが異なる場合に、シフト量を前回に対して半分にしているが、これに限られない。例えば、前回のシフト量から規定量を差し引いた量としてもよいし、前回のシフト量に対する規定割合(100%未満)としてもよい。本発明は、前回とシフトの向きが異なる場合に、前回よりも小さなシフト量とするものであれば、いかなる態様でもよい。
【0058】
また、図5や図6には、1〜9の数字を入力する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られず、各種の入力に適用できる。例えば、電話番号入力、文字入力、コマンド入力、メニュー選択入力、機能選択入力、設定変更入力、アプリケーションソフト選択入力、文書や音楽や写真や動画やメールなどのデータ選択入力など、各種の入力があり得る。
【0059】
また第1実施形態では、新たに入力画面を表示する状態が初期状態であるとしてステップS1を実行し、シフト量を規定の初期値に設定しているが、これに限られない。例えば、装置の電源投入時が初期状態であり、その際にシフト量を規定の初期値に設定する態様でもよい。また、ユーザによるシフト量の初期化操作を可能とし、この初期化操作が行われた直後の状態が初期状態であり、この状態でシフト量を規定の初期値に設定する態様でもよい。
【0060】
また、本発明の修正手段等の機能は、ユーザが許可した場合にのみ、有効となる態様でもよい。例えば、前述したような誤入力に基づく検出領域の修正機能を、有効とするか無効とするかの設定がユーザによって可能とし、この設定が有効とされている場合にのみ図4に示した検出領域の修正処理が実行される態様としてもよい。また、検出領域が修正された状態をデフォルトの状態(検出領域の設定位置が装置購入時の設定である初期状態)に戻す操作を、ユーザが適宜行うことが可能としてもよい。
【0061】
また、以上説明した実施形態では携帯電話機を例に挙げて説明したが、本発明は携帯電話機以外の装置、例えば、PDA(携帯情報端末)、パーソナルコンピュータ(例えば、ノートPC、タブレットPC)、音楽プレイヤ、ゲーム機、デジタルカメラ等、表示された入力領域への入力を検出する入力検出手段(例えばタッチパネル)を搭載した各種の電子機器等に適用可能である。
【0062】
以下、本発明の特徴を付記する。
前記の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
図7は、付記1の構成図に相当する。
この図に示すように付記1に記載の発明は、
入力領域を表示する表示手段101と、
前記入力領域に対応する検出領域への入力を検出するための入力検出手段102と、
前記検出領域の設定位置からずれた誤入力があったことを判定する誤入力判定手段103と、
前記誤入力判定手段が前記誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行う修正手段104と、
初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正手段が前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正手段が前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定するシフト量設定手段105と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
【0063】
(付記2)
前記入力領域は複数並んで表示され、前記検出領域は各入力領域に対してそれぞれ設定され、
前記誤入力判定手段は、前記入力検出手段によって特定の検出領域の隣に位置する他の検出領域への入力が検出された後に、当該入力が取り消される操作がなされ、さらに前記入力検出手段によって特定の検出領域への入力が検出されると、この特定の検出領域に対して前記他の検出領域の方向にずれた誤入力があったと判定することを特徴とする付記1に記載の入力装置。
【0064】
なおここで、「入力が取り消される操作」とは、取消キーの操作によって数字入力や文字入力が取り消される操作に限らない。例えば、メニュー画面中に表示された複数の入力キー(いずれかのメニューを選択するためのキー)のうちのいずれかの入力キーの検出領域にタッチして、いずれかのメニューを選択するメニュー選択入力において、ユーザが希望する入力キーの隣の入力キーに誤ってタッチし、希望しないメニューが選択されてしまったときに、例えばそのメニューではなにも操作しないでユーザが戻るキーを操作してメニュー画面に戻った場合、この戻るキーの操作が「入力が取り消される操作」に該当するとして、本発明を適用すること(すなわち、前記メニュー選択の入力キーの検出領域の設定位置を場合により修正すること)も可能である。すなわち、本発明の「入力が取り消される操作」とは、入力が実質的に取り消される操作であればよい。
【0065】
(付記3)
前記シフト量設定手段は、前記修正手段が前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回に対して規定割合だけ小さな値に設定することを特徴とする付記1または付記2に記載の入力装置。
【0066】
(付記4)
前記入力検出手段は、
前記表示手段の表示画面に重ねて配置され、前記表示画面上に入力があると、前記表示画面上における当該入力位置を判定可能な信号を出力するセンサと、
前記表示画面上に表示される前記入力領域に対応した前記検出領域の前記表示画面上における位置データを記憶する記憶手段と、
前記センサから出力される信号により判定される前記入力位置が、前記記憶手段に記憶された前記位置データに基づく前記検出領域の範囲内であると、当該検出領域に対応する前記入力領域に対する入力があったと判定する入力判定手段と、を含み、
前記修正手段は、前記記憶手段に記憶された前記位置データを変更することによって前記修正を行うことを特徴とする付記1ないし付記3のいずれかに記載の入力装置。
【0067】
(付記5)
表示された入力領域に対応する検出領域への入力を検出する入力装置において、前記検出領域を修正する検出領域修正方法であって、
前記検出領域の設定位置からずれた誤入力を判定し、この誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行い、
初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定することを特徴とする検出領域修正方法。
【0068】
(付記6)
表示された入力領域に対応する検出領域への入力を検出する入力装置のコンピュータを、
前記検出領域の設定位置からずれた誤入力があったことを判定する誤入力判定手段、
前記誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行う修正手段、及び、
初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定するシフト量設定手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0069】
1 携帯電話機(入力装置)
3 タッチパネル(センサ、入力検出手段)
4 表示部(表示手段)
10 中央制御部(入力検出手段、誤入力判定手段、修正手段、シフト量設定手段、入力判定手段、コンピュータ)
10d EPROM(記憶手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力領域を表示する表示手段と、
前記入力領域に対応する検出領域への入力を検出するための入力検出手段と、
前記検出領域の設定位置からずれた誤入力があったことを判定する誤入力判定手段と、
前記誤入力判定手段が前記誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行う修正手段と、
初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正手段が前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正手段が前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定するシフト量設定手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記入力領域は複数並んで表示され、前記検出領域は各入力領域に対してそれぞれ設定され、
前記誤入力判定手段は、前記入力検出手段によって特定の検出領域の隣に位置する他の検出領域への入力が検出された後に、当該入力が取り消される操作がなされ、さらに前記入力検出手段によって特定の検出領域への入力が検出されると、この特定の検出領域に対して前記他の検出領域の方向にずれた誤入力があったと判定することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記シフト量設定手段は、前記修正手段が前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回に対して規定割合だけ小さな値に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記入力検出手段は、
前記表示手段の表示画面に重ねて配置され、前記表示画面上に入力があると、前記表示画面上における当該入力位置を判定可能な信号を出力するセンサと、
前記表示画面上に表示される前記入力領域に対応した前記検出領域の前記表示画面上における位置データを記憶する記憶手段と、
前記センサから出力される信号により判定される前記入力位置が、前記記憶手段に記憶された前記位置データに基づく前記検出領域の範囲内であると、当該検出領域に対応する前記入力領域に対する入力があったと判定する入力判定手段と、を含み、
前記修正手段は、前記記憶手段に記憶された前記位置データを変更することによって前記修正を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の入力装置。
【請求項5】
表示された入力領域に対応する検出領域への入力を検出する入力装置において、前記検出領域を修正する検出領域修正方法であって、
前記検出領域の設定位置からずれた誤入力を判定し、この誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行い、
初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定することを特徴とする検出領域修正方法。
【請求項6】
表示された入力領域に対応する検出領域への入力を検出する入力装置のコンピュータを、
前記検出領域の設定位置からずれた誤入力があったことを判定する誤入力判定手段、
前記誤入力があったと判定した場合に、この誤入力の位置ずれの向きに前記検出領域の設定位置を設定されたシフト量だけ移動させる修正を行う修正手段、及び、
初期状態では前記シフト量を規定の初期値に設定し、前記修正を前回と同じ向きに実行する際には前記シフト量を前回と同じ値に設定し、前記修正を前回と反対の向きに実行する際には前記シフト量を前回よりも小さな値に設定するシフト量設定手段、
として機能させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−247889(P2012−247889A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117618(P2011−117618)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】