説明

入力装置及びパラメータ設定方法

【課題】タッチパッド等を用いてシングルタッチで略円弧状のストロークを描く操作(「ストロークジェスチャ」)の入力に基づいて、方向と量を持ったパラメータを出力する。
【解決手段】円弧認識手段103は、所定の単位時間dtに入力された線図形(ストローク)が円弧であるか否かを認識する。円弧であると認識された場合に、前記線図形の回転方向を抽出するとともに、認識された円弧の中心角に基づいて「前記線図形の角速度に相当する値」を抽出する。パラメータ変換手段106は、抽出された前記回転方向、及び、「抽出された前記角速度に相当する値」に応じて、パラメータを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置及びパラメータ設定方法に関し、特に、手書きの線図形(ストローク)を認識してパラメータを設定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパッドを備えた携帯端末では、図形や画面の回転や拡大・縮小をする機能を有しているものがある。これらは、例えば、次のような方法で提供している。
【0003】
第1の従来例は、右回転や左回転のアイコンを提供し、アイコンをタップすることで、情報表示領域の中心を回転の中心として画面を回転する方法である。同様に、拡大・縮小であれば、拡大と縮小のアイコンを提供し、アイコンをタップすることで、情報表示領域の中心を拡大縮小の中心として画面を拡大縮小する。
【0004】
第2の従来例は、マルチタッチを用いて、2本の指で画面タッチし、2本の指を回転するジェスチャに合わせて画面の回転をする方法である。この場合、最初にデジタイザ面に接触させた2本の指の中心点が回転の中心となる。この方法は、例えば特許文献1を参照すると「複数指ねじれジェスチャー」として記載されている。
【0005】
マルチタッチを用いて拡大・縮小する場合は、2本の指でマルチタッチし、2本の指の間の距離を大きくしたり小さくしたりすることで拡大・縮小する。この場合でも、最初にデジタイザ面に接触させた2本の指の中心点が回転の中心となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−023004号公報
【特許文献2】特許第3585357号公報
【特許文献3】特許第2778439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
第1の従来例では、拡大縮小(もしくは右回転と左回転)の2つのアイコンを用いることが多く、小さな携帯端末画面をアイコンが少なからず占有することになり、情報表示領域が狭くなる。また、拡大縮小(もしくは回転)の中心を同時に指定することができないため、操作手順が多くなる。また、拡大縮小(もしくは回転)のスピードを指定しづらい。特に通信により拡大縮小(もしくは回転)データをサーバから読み込む場合などは、本来必要のないデータを通信することになり、操作性が低下する。
【0008】
拡大縮小(もしくは回転)を、スライドバー式のウィジットで表現する場合、アイコン型に比べて、さらに表示領域を必要とする。また、表示領域が小さいと、拡大縮小(もしくは回転)の微調整が困難となる。
【0009】
上記従来例の第1の方法のような多段階の操作をユーザに要求する方法ではなく、簡単なジェスチャで画面の回転や拡大・縮小機能を提供する場合では、次のような点が課題になる。上記従来例の第2の方法では、デジタイザ面にポイントされた2点を検出する必要があるという点である。2点を検出する必要があるため、指ではなくスタイラスペンのポイントを検出したい場合や、静電誘導式よりも安価な感圧式タッチパネルでも利用可能なジェスチャには使えない。つまり、シングルポイントのジェスチャには使えない。
【0010】
特許文献2は、画面の移動や拡大・縮小をシングルポイントのジェスチャで行う先行技術である。段落0061などを参照すると、円弧の3点の座標から中心座標を知る旨の記載がある。しかしながら、この方法はノイズに弱い。デジタイザでは検出する座標(特徴点)が装置内外のノイズ(LCDの出す電磁波など)により、よくずれることが知られている。また、人間の手書きの軌跡は、手ぶれなどによってランダムノイズが発生することがある。
【0011】
これに対し、特許文献3では、入力された線図形を点データの並びに変換し、点データの並びから特徴点を算出し、二つの特徴点に挟まれる各点データについて、1つ目の特徴点から点データを結ぶ線分と前記点データから2つ目の特徴点を結ぶ線分とのなす角(「離間仰角」)をとり、統計処理により、ノイズと考えられる点データを除いている。
【0012】
上述した課題に鑑み、タッチパッド等を用いてシングルタッチで略円弧状のストロークを描く操作(以下、「ストロークジェスチャ」と呼ぶ)で、図形や画面(表示領域)の回転や拡大・縮小機能を提供する。このとき、図形や表示領域の回転や拡大・縮小は、その回転動作や拡大縮小動作のパラメータの方向と量がストロークジェスチャによって特定できれば実現できる。方向と量とは、時計回りであるか反時計回りであるか、或いは、拡大であるか縮小であるかという、方向と、その回転角はいかほどか、或いは、拡大率(又は縮小率)はいかほどかという、量を言う。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、タッチパッド等を用いてシングルタッチで略円弧状のストロークを描く操作(「ストロークジェスチャ」)の入力に基づいて、方向と量を持ったパラメータを出力することが可能な入力装置及びパラメータの設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、第1の態様として、所定の単位時間に入力された線図形が円弧であるか否かを認識する円弧認識手段と、円弧であると認識された場合に、前記線図形の回転方向を抽出する回転方向抽出手段と、円弧であると認識された場合に、認識された円弧の中心角に基づいて前記線図形の角速度に相当する値を抽出する角速度抽出手段と、抽出された前記回転方向、及び、抽出された前記角速度に相当する値に応じて、パラメータを設定するパラメータ設定手段と、を備えることを特徴とする、入力装置を提供するものである。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明は、第2の態様として、所定の単位時間に入力された線図形が円弧であるか否かを認識する円弧認識工程と、円弧であると認識された場合に、前記線図形の回転方向を抽出する回転方向抽出工程と、円弧であると認識された場合に、認識された円弧の中心角に基づいて前記線図形の角速度に相当する値を抽出する角速度抽出工程と、抽出された前記回転方向、及び、抽出された前記角速度に相当する値に応じて、パラメータを設定するパラメータ設定工程と、を備えることを特徴とする、パラメータ設定方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、タッチパッド等を用いてシングルタッチで略円弧状のストロークを描く操作(「ストロークジェスチャ」)の入力に基づいて、方向と量を持ったパラメータを出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態の機能構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に入力されるユーザのストロークジェスチャの一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態のサンプリング座標列の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態のサンプリング座標列の両端と残りのサンプリング座標とで形成される離間仰角を示す図である。
【図5】第1の実施形態における円弧認識方法を説明するためのグラフである。
【図6】第1の実施形態における角速度と変換後のパラメータとの関係を説明するための概念図(その1)である。
【図7】第1の実施形態における角速度と変換後のパラメータとの関係を説明するための概念図(その2)である。
【図8】第1の実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態において、パラメータの量の微調整をする際のストロークジェスチャの一例を示す図である。
【図10】図9のストロークジェスチャに含まれる2つのストロークを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の機能構成を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態で用いられる認識した円弧の半径rを説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施形態により詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1に、本実施形態の機能構成を示す。図1に示す各手段は、特に記載のない限り、コンピュータや携帯端末をソフトウェアプログラム制御することによって構成される。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、ストロークの入力手段101、ストロークのサンプリング手段102、円弧認識手段103、回転方向抽出手段104、角速度抽出手段105、パラメータ変換手段106、拡大縮小手段(又は回転手段)107を備える。
【0021】
ストロークの入力手段101は、入力装置1に対するユーザの操作を、入力装置1に入力する手段である。ユーザの操作には、図2に示すような指先でぐるぐると円を描くような操作(「ストロークジェスチャ」)が含まれることを想定している。ユーザの操作の軌跡をストロークと呼ぶ。
【0022】
ストロークの入力手段101は、例えば、スマートフォンのタッチパネルや、ノートパソコンのタッチパッドなど、ぐるぐると円を描くような操作を入力できるものであれば何でもよい。また、ストロークは、図示しない表示手段でリアルタイムに描画してもよい。
【0023】
ストロークのサンプリング手段102は、ストロークの入力手段101が入力したストロークに含まれる座標をサンプリングする機能を備える。このサンプリングされた座標をサンプリング座標と呼ぶ。ストロークのサンプリング手段102の処理の結果、図2に示したようなストロークは、図3に示すようなサンプリング座標列に表される。
【0024】
円弧認識手段103は、所定の単位時間dtの間にストロークし、サンプリングされたサンプリング座標列に基づいて、そのストロークが円弧であることを認識する。円弧と認識できなかった場合は本実施形態の要旨から外れるので考慮しない。円弧であることの認識は、特許文献3に記載の方法を用いる。
【0025】
まず、ある所定の単位時間dtの間にサンプリングされた座標列の両端と、残りのサンプリング座標集合φに分ける。図3では、端点Aから端点Bまでの座標列が単位時間dtの間にサンプリングされた場合、サンプリング座標列を、端点A,Bと残りの端点A,Bに挟まれるサンプリング座標集合φに分ける。
【0026】
次に、両端と、残りのサンプリング座標(∈φ)とで形成される角度(以下、「離間仰角」と呼ぶ)θをすべて求める(図4)。図4に示すように、離間仰角θは、両端の一方と残りのサンプリング座標(∈φ)を結ぶ線分と、残りのサンプリング座標(∈φ)と両端の他方を結ぶ線分とのなす角である。サンプリング座標列が円弧である場合、離間仰角θは円周角である。
【0027】
したがって、図5に示すように、たとえユーザの手ぶれ等により正確な円が描けなくとも、おおむね一定の値を示す。各離間仰角については、分散と最頻度を求めて発生頻度の少ないバーストノイズを除いてもよい。バーストノイズを除いた後の離間仰角の最大値と最小値の差が、所定の閾値以下であれば円弧と認識する。円弧認識手段103は、このようにして、サンプリング座標列が円弧であることを認識する。
【0028】
回転方向抽出手段104は、円弧であると認識されたストロークの回転方向を抽出する。時計回り又は反時計回り(右回り又は左回り)の、いずれかの回転方向を抽出する。
【0029】
角速度抽出手段105は、円弧であると認識されたストロークの角速度を抽出する。当該ストロークは、単位時間dtの間に入力されたストロークなので、角速度は、計算された離間仰角θから一意に求められる(円周角は円弧ストロークの中心角の半分であるので)。言い換えれば、本実施形態においては一定時間毎に円弧認識をしているので、離間仰角θから角速度が求められる。
【0030】
後段のパラメータ変換手段106では、角速度からパラメータの量に変換される、言い換えれば、角速度に応じてパラメータの量が設定される。したがって、角速度抽出手段105は、厳密に角速度(rad/秒)を計算する必要はなく、角速度と一対一対応となる角速度に相当する値を抽出すればよい。
【0031】
パラメータ変換手段106は、回転方向抽出手段104により抽出された回転方向と、角速度抽出手段105により抽出された角速度とを、後段の処理に使うパラメータに変換する。後段の処理は、拡大縮小手段(又は回転手段)107の実行する処理である。
【0032】
パラメータ変換手段106は、後段の処理が、図形や表示領域の拡大・縮小である場合、例えば、右回りを拡大、左回りを縮小に割り当てる。そして、抽出された角速度に基づいて拡大率(又は縮小率)を決める。図形や表示領域の回転である場合も同様である。
【0033】
角速度と変換後のパラメータは、比例関係にある必要はない。好ましくは、図6に示すように、角速度の増減に合わせて変換後のパラメータが漸次的に変化することが好ましい。図6(a)に示すケースは、例えば、パラメータが画面の拡大率であって、ゆっくり円をストロークした場合は微拡大を続け、速く円をデジタイザ面に描いたときは急激に拡大するようなパラメータ変換がなされる。
【0034】
従来、パソコンのマウスデバイスを動かしたときの加速度を検知して、ある閾値を超えた加速度を検知するとポインタの移動量を増加させる技術が知られている。この技術では、ある速度以上に素早くマウスデバイスを動かすと、ポインタが追従して素早く動く。この場合図7(a)のように通常の移動量に加味する移動量が、加速度がある閾値以上になると増加するように構成するが、図示するように加味する移動量が不連続になる。図7(b)のような相関関係であっても、不連続点があることは同じである。
【0035】
図7に示すような相関関係に比べて、図6に示すように、抽出された角速度の変化に対してパラメータの変化が漸次的である方が、人間の感覚に近く、この入力装置1を操作するユーザが所望する結果が適切に出力される効果がある。
【0036】
図8に、本実施形態の処理の流れを示す。
上述したように、ユーザによってタッチパッド等のデジタイザ面を、指先を用いてシングルタッチでぐるぐるするようなストロークジェスチャがなされると、ストロークの入力手段101が当該ストロークを入力装置1に入力する。ストロークのサンプリング手段102は、そのストロークに含まれる座標をサンプリングする(ステップS101)。
【0037】
円弧認識手段103は、サンプリング座標列を、両端と、残りのサンプリング座標集合φとに分け、両端と残りのサンプリング座標(∈φ)とで形成される角度(「離間仰角」をすべて求める(ステップS102)。
【0038】
円弧認識手段103は、求めた離間仰角に対して異常値を取り除くなど統計処理を行った後(ステップS103)、図5に示すように、離間仰角が一定範囲内であるか否かを判定して(ステップS104)、範囲内の場合、円弧と認識する(ステップS105)。
【0039】
回転方向抽出手段104が、円弧と認識されたストロークの回転方向を抽出する(ステップS106)。
【0040】
角速度抽出手段105が、ステップS102で求められた離間仰角と、時間から角速度を抽出する(ステップS107)。なお、時間の算出は、円弧認識を一定時間毎に定期的に実行することで省略することができる。
【0041】
後段のパラメータ変換手段106では、角速度からパラメータの量に変換される、言い換えれば、角速度に応じてパラメータの量が設定される。したがって、角速度抽出手段105は、厳密に角速度(rad/秒)を計算する必要はなく、角速度と一対一対応となる角速度に相当する値を抽出すればよい。
【0042】
次に、パラメータ変換手段106が、ステップS106で抽出された回転方向を、変換後のパラメータの方向(正負、時計回り又は反時計回り、拡大又は縮小など)に変換し、ステップS107で抽出された角速度を、変換後のパラメータの量(回転角、拡大率又は縮小率など)に変換する(ステップS108)。
【0043】
パラメータ変換手段106は、ユーザのストロークジェスチャから上述のようなプロセスで変換したパラメータを、後段の処理ブロックに出力する(ステップS109)。
【0044】
図8に示した一連の処理の流れは、所定の単位時間dtごとに実行するとよい。所定の単位時間dtは、パラメータ変換手段106から出力されたパラメータを用いる処理をする後段の処理手段の処理時間に基づいて定めるとよい。後段の処理手段としては、特に限定しないが、本実施形態では拡大縮小手段(又は回転手段)107に加え、拡大縮小(又は回転)した図形や表示領域を描画する手段も含む。
【0045】
以上に説明した構成及び動作により、本実施形態は、タッチパッド等を用いてシングルタッチで略円弧状のストロークを描く操作(「ストロークジェスチャ」)の入力に基づいて、方向と量を持ったパラメータを出力することを可能とする。
【0046】
また、本実施形態は、パラメータの量を特定する手段として、ストロークジェスチャの角速度を利用している。そのため、量の微調整がしやすい。また、直感的な操作感を提供できる。
【0047】
一例として、携帯端末のタッチパネルで画面の回転を行うケースで説明すると、ユーザはタッチパネルの画面上で円を描くという直感的なジェスチャにより回転を表現することになる。このとき、回転方向は円を描く方向で表現できる。回転スピードは、円を描く指の移動速度で表現できる。
【0048】
もう一例として、図形の拡大縮小を行うケースで説明すると、ユーザはタッチパネルの画面上で円を描くという直感的なジェスチャにより拡大縮小を表現することになる。このとき、拡大と縮小は円を描く方向で表現できる。拡大と縮小のスピードは、円を描く指の移動速度で表現できる。
【0049】
図9に、パラメータの量の微調整をする際のストロークジェスチャの一例を示す。
図9には、時計回りのストロークジェスチャG1のあと反時計回りのストロークジェスチャG2が、本実施形態の入力装置1に入力された例を示している。時計回りが図形の拡大に割り当てられている場合、拡大しすぎたので逆回転して微調整するようなケースに相当する。
【0050】
このような場合、離間仰角θが同じであっても端点が異なるので、回転方向抽出手段104は、時計回りであるか反時計回りであるかを、適切に判定することができる(図10参照)。
【0051】
(第2の実施形態)
図11に、本実施形態の機能構成を示す。
本実施形態では、図11の半径抽出手段108が、認識された円弧の半径rを算出し、算出した半径rをパラメータ変換手段106に渡す。そして、パラメータ変換手段106は、半径rをパラメータに変換して出力する。図12に示すように、円弧認識手段103が円弧の認識の際に用いる2端点と離間仰角θ(円弧である場合に円周角である)により、近似円の中心座標が特定される。そのため、半径rも特定できる。
【0052】
半径rをパラメータに反映させることで、ユーザは、円の大きさによって、上記第1の実施形態において円周角で表現したパラメータの量とは別の、パラメータの量を表現することができる。回転方向で表現する2値のものを「第1のパラメータ」、円周角で表現するパラメータの量を「第2のパラメータ」とすると、円の大きさで表現するパラメータの量を「第3のパラメータ」と呼んでもよい。
【0053】
一例として、携帯端末のタッチパネルで画面の回転を行うケースで説明すると、第2のパラメータ、すなわち円の大きさで、回転の反映スピード(途中描画をどこまでスキップするか)や、その他の変化パラメータ(例えば回転するオブジェクトの指示。円の領域に含まれるオブジェクトが回転操作対象になるなど)を表現することができる。
【0054】
もう一例として、図形の拡大縮小を行うケースで説明すると、第2のパラメータ、すなわち円の大きさで、拡大と縮小の反映スピード(途中描画をどこまでスキップするか)や、その他の変化パラメータ(例えばZ軸方向の拡大縮小など)を表現することができる。
【0055】
上述した、ストロークジェスチャの回転方向、ジェスチャがポイントする点の移動速度、円の大きさに付与する意味は、一例であり、他の意味、組み合わせでもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 入力装置
101 ストロークの入力手段
102 ストロークのサンプリング手段
103 円弧認識手段
104 回転方向抽出手段
105 角速度抽出手段
106 パラメータ変換手段
107 拡大縮小手段(又は回転手段)
108 半径抽出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の単位時間に入力された線図形が円弧であるか否かを認識する円弧認識手段と、
円弧であると認識された場合に、前記線図形の回転方向を抽出する回転方向抽出手段と、
円弧であると認識された場合に、認識された円弧の中心角に基づいて前記線図形の角速度に相当する値を抽出する角速度抽出手段と、
抽出された前記回転方向、及び、抽出された前記角速度に相当する値に応じて、パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
を備えることを特徴とする、入力装置。
【請求項2】
円弧であると認識された場合に、認識された円弧の半径を抽出する半径抽出手段を備え、
前記パラメータ設定手段は、前記回転方向、前記角速度に相当する値、及び、抽出された前記半径に応じて、パラメータを設定することを特徴とする、請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記パラメータ設定手段は、設定するパラメータの量を、前記角速度に相当する値に応じて設定し、前記設定するパラメータの量が正又は負であるかを、前記回転方向に応じて設定することを特徴とする、請求項1又は2記載の入力装置。
【請求項4】
前記所定の単位時間が、前記パラメータ設定手段により設定されたパラメータを用いる処理をする後段の処理手段の処理時間に基づいて定まることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の入力装置。
【請求項5】
所定の単位時間に入力された線図形が円弧であるか否かを認識する円弧認識工程と、
円弧であると認識された場合に、前記線図形の回転方向を抽出する回転方向抽出工程と、
円弧であると認識された場合に、認識された円弧の中心角に基づいて前記線図形の角速度に相当する値を抽出する角速度抽出工程と、
抽出された前記回転方向、及び、抽出された前記角速度に相当する値に応じて、パラメータを設定するパラメータ設定工程と、
を備えることを特徴とする、パラメータ設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−208684(P2012−208684A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73183(P2011−73183)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(311012169)NECパーソナルコンピュータ株式会社 (116)
【Fターム(参考)】