説明

入力装置

【課題】外部回路基板との接続工程を容易に行うことができるとともに、接続信頼性を向上させることが可能な、静電容量式タッチセンサと抵抗膜式タッチセンサとを併用した入力装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の入力装置は、静電容量式タッチセンサ4と抵抗膜式タッチセンサ6とが積層されており、静電容量式タッチセンサ4を構成する第1透明基材10及び第2透明基材20に、静電容量式タッチセンサ4の入力位置情報を出力するための第1接続電極12及び第2接続電極22が設けられ、抵抗膜式タッチセンサ6の入力位置情報を出力するための第3接続電極32及び第4接続電極42が、スルーホール63を介して第1透明基材10または第2透明基材20に引き出されて、第1接続電極12、第2接続電極22、第3接続電極32及び第4接続電極42が平面視で並設されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、特に抵抗膜式タッチセンサと静電容量式タッチセンサとが積層された、2方式併用の入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯用の電子機器などの表示部として、表示画像のメニュー項目やオブジェクトを直接、指などで操作して座標入力を行うための透光型入力装置が用いられている。このような入力装置の動作方式として、種々の方式が挙げられるが、抵抗値の変化により入力位置情報を検知する抵抗膜式タッチセンサや、静電容量の変化により入力位置情報を検知する静電容量式タッチセンサが多く用いられている。
【0003】
抵抗膜式タッチセンサは、1対の透明基材が間隔を設けて対向配置されており、1対の透明基材の対向する面にはそれぞれ透明電極膜が形成されている。抵抗膜式タッチセンサの入力面を押圧操作することにより透明電極膜どうしが接触し抵抗値が変化する。この抵抗値変化により入力位置情報を検知することができる。入力操作は指、ペン形状の入力器具など、特に限定されず様々なものが使用可能であるが、多点入力を行うことが難しい。
【0004】
また、静電容量式タッチセンサは、1対の透明電極膜が絶縁性の透明基材を介して対向配置されており、1対の透明電極膜間で静電容量を形成している。静電容量式タッチセンサの入力面に指などを近接させることにより静電容量値が変化し、入力位置情報を検知することができる。このため、スムーズな入力操作を行うことができ、また、多点入力も可能である。しかし、手袋などをはめた場合や絶縁性の入力器具を用いた場合には、入力面に近接させても静電容量は変化しないため、入力操作を行うことができない。
【0005】
上記のような様々な入力操作に対応可能な入力装置として、抵抗膜式タッチセンサと静電容量式タッチセンサとを積層して構成された2方式併用の入力装置が開発されている。例えば、特許文献1には、抵抗膜式タッチセンサの上に静電容量式タッチセンサを積層した2方式併用入力装置が開示されている。これによれば、導電性を有しない入力器具によっても入力可能であり、指による多点入力も可能となる。また、特許文献2にはパーソナルコンピュータなどに搭載される入力装置として、感圧式検出部の上に静電容量式検出部を積層した構成の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−9249号公報
【特許文献2】特開2009−199318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図13には、抵抗膜式タッチセンサ106の上部に静電容量式タッチセンサ104を積層した従来の2方式併用の入力装置101について、模式断面図を示す。図13に示すように、従来の2方式併用の入力装置101では、各透明基材の非入力領域に、入力位置情報を引き出すための第1接続電極112、第2接続電極122、第3接続電極132、及び第4接続電極142がそれぞれ設けられている。そして、複数のFPC(Flexible Printed Circuit)151、152と各接続電極とが接続されている。
【0008】
このような構成の場合、抵抗膜式タッチセンサ106の接続工程と、静電容量式タッチセンサ104の接続工程とを、それぞれ別の工程でおこなう必要があり、接続工程が煩雑となっていた。さらに、抵抗膜式タッチセンサ106と接続されるFPC152、及び静電容量式タッチセンサ104と接続されるFPC151の2つのFPCが必要となるため、製造コストが増大するという問題があった。
【0009】
また、2つの片面接続部を有するFPC151、及び両面接続部を有するFPC152が各基材間で接続されており、合計4つの基材と接合されているため、入力装置101の製造工程や使用時において、各4つの基材の熱膨張、熱収縮による応力などが接続部に作用し、接続信頼性が確保できないという課題があった。また、各層間で接続する構成では、接続部に加わる応力を緩和することが困難であった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決し、FPC等の外部回路基板との接続工程を容易に行うことができるとともに、接続信頼性を向上させることが可能な、静電容量式タッチセンサと抵抗膜式タッチセンサとを併用した入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の入力装置は、静電容量の変化により入力位置を検知する静電容量式タッチセンサと、抵抗値の変化により入力位置を検知する抵抗膜式タッチセンサと、が積層され、前記静電容量式タッチセンサは、一方の面に第1透明電極層が形成された第1透明基材と、一方の面に第2透明電極層が形成された第2透明基材とを有し、前記第1透明基材の一方の面と、前記第2透明基材の他方の面とが対向して積層され、前記抵抗膜式タッチセンサは、一方の面に第3透明電極層が形成された第3透明基材と、一方の面に第4透明電極層が形成された第4透明基材とを有し、前記第3透明電極層と前記第4透明電極層とが空間を設けて対向して積層され、前記第3透明基材及び前記第4透明基材の少なくとも一方には、前記第3透明電極層及び第4透明電極層を外部に引き出すためのスルーホールが形成されており、前記第1透明基材の一方の面及び前記第2透明基材の一方の面にはそれぞれ、外部の回路基板と接続するための第1接続領域及び第2接続領域が、平面視で並設されており、前記第1接続領域には、前記第1透明電極層と電気的に接続された第1接続電極が設けられ、前記第2接続領域には、前記第2透明電極層と電気的に接続された第2接続電極が設けられ、前記スルーホールを介して前記第3透明電極層と電気的に接続された第3接続電極及び、前記スルーホールを介して前記第4透明電極層と電気的に接続された第4接続電極が、前記第1接続領域または前記第2接続領域に設けられ、前記第1接続電極、前記第2接続電極、前記第3接続電極及び前記第4接続電極が平面視で並設されていることを特徴とする。
【0012】
これによれば、第1接続電極、第2接続電極、第3接続電極、及び第4接続電極が、静電容量式タッチセンサの透明基材に集約され、平面視で並設される。したがって、各接続電極と外部回路基板の接続部とを、同一の工程で平面的に接続することができるため、接続工程を容易に行うことができる。また、各接続電極を2つの透明基材上に集約して平面視で並設することにより、従来の4つの透明基材上に各接続電極を形成した場合よりも、入力装置と外部回路基板との接続部に作用する応力の影響を低減することが可能となり、接続信頼性を向上させることができる。
【0013】
本発明の入力装置は、前記抵抗膜式タッチセンサが、前記静電容量式タッチセンサの入力面側に積層されていることが好ましい。これによれば、抵抗膜式タッチセンサの入力抵抗が小さく抑えられ、快適な入力操作が可能となり、また、静電容量式タッチセンサによる多点入力も対応可能な2方式併用の入力装置を提供することができる。
【0014】
本発明の入力装置は、前記第4透明基材、前記第1透明基材及び前記第2透明基材を貫通するスルーホールが設けられていることが好適である。これによれば、第1接続領域または第2接続領域に形成された第3接続電極と、抵抗膜式タッチセンサを構成する第3透明電極層とをスルーホールを介して電気的に接続することができる。また、第1接続領域または第2接続領域に形成された第4接続電極と、抵抗膜式タッチセンサを構成する第4透明電極層とをスルーホールを介して電気的に接続することができる。さらに、入力装置表面に貫通してスルーホールが設けられるため、各透明基材を積層した後に導電性ペーストをスルーホールに充填することができ、容易に層間の接続信頼性を確保することが可能となる。
【0015】
本発明の入力装置によれば、前記第3透明基材の他方の面が入力面を構成しており、前記第4透明基材と前記第1透明基材とが同一の共通基材から構成され、前記第4透明電極層が前記共通基材の一方の面に形成されるとともに、前記第1透明電極層が前記共通基材の他方の面に形成されており、前記共通基材には、前記第3透明電極層及び前記第4透明電極層と、前記第3接続電極及び前記第4接続電極とをそれぞれ接続するためのスルーホールが形成されていることが好ましい。これによれば、透明基材及び透明基材間を接着するための粘着層の厚みをそれぞれ1層分省く事ができるため入力装置の薄型化が可能となる。
【0016】
本発明の入力装置は、前記共通基材及び前記第2透明基材を貫通するスルーホールが設けられていることが好ましい。これによれば、第1接続領域または第2接続領域に形成された第3接続電極と、抵抗膜式タッチセンサを構成する第3透明電極層とをスルーホールを介して電気的に接続することができる。また、第1接続領域または第2接続領域に形成された第4接続電極と、抵抗膜式タッチセンサを構成する第4透明電極層とをスルーホールを介して電気的に接続することができる。さらに、各透明基材を積層した後に、導電性ペーストをスルーホールに充填することができ、容易に層間の接続信頼性を確保することが可能となる。
【0017】
本発明の入力装置は、前記静電容量式タッチセンサが前記抵抗膜式タッチセンサの入力面側に積層されていることが好適である。これによれば、静電容量式タッチセンサの入力感度が良好であるとともに、手袋などをはめた場合や例えば樹脂などで形成された絶縁性の入力器具を用いた場合にも抵抗膜式タッチセンサでの入力が可能な2方式併用の入力装置を提供することができる。
【0018】
本発明の入力装置は、前記第3透明基材及び前記第4透明基材を貫通するスルーホールが設けられていることが好ましい。これによれば、第1接続領域または第2接続領域に形成された第3接続電極と、抵抗膜式タッチセンサを構成する第3透明電極層とをスルーホールを介して電気的に接続することができる。また、第1接続領域または第2接続領域に形成された第4接続電極と、抵抗膜式タッチセンサを構成する第4透明電極層とをスルーホールを介して電気的に接続することができる。さらに、各透明基材を積層した後に、導電性ペーストをスルーホールに充填することができるため、容易に層間の接続信頼性を確保することが可能となる。
【0019】
本発明の入力装置は、前記第1透明基材の他方の面が入力面を構成しており、前記第2透明基材と前記第3透明基材とが同一の共通基材から構成され、前記第2透明電極層が前記共通基材の一方の面に形成されるとともに、前記第3透明電極層が前記共通基材の他方の面に形成されており、前記共通基材には、前記第3透明電極層及び前記第4透明電極層と、前記第3接続電極及び前記第4接続電極とをそれぞれ接続するためのスルーホールが形成されていることが好適である。これによれば、透明基材及び透明基材間を接着するための粘着層の厚みをそれぞれ1層分省く事ができるため入力装置の薄型化が可能となる。
【0020】
本発明の入力装置は、前記共通基材及び前記第4透明基材を貫通するスルーホールが設けられていることが好適である。これによれば、第1接続領域または第2接続領域に形成された第3接続電極と、抵抗膜式タッチセンサを構成する第3透明電極層とをスルーホールを介して電気的に接続することができる。また、第1接続領域または第2接続領域に形成された第4接続電極と、抵抗膜式タッチセンサを構成する第4透明電極層とをスルーホールを介して電気的に接続することができる。さらに、各透明基材を積層した後に、導電性ペーストをスルーホールに充填することができるため、容易に層間の接続信頼性を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の入力装置によれば、第1接続電極、第2接続電極、第3接続電極、及び第4接続電極が、静電容量式タッチセンサの透明基材に集約され、平面視で並設される。したがって、各接続電極と外部回路基板の接続部とを、同一の工程で平面的に接続することができるため、接続工程を容易に行うことができる。また、各接続電極を2つの透明基材上に集約して平面視で並設することにより、従来の4つの透明基材上に各接続電極を形成した場合よりも、入力装置と外部回路基板との接続部に作用する応力の影響を低減することが可能となり、接続信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態における入力装置の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における入力装置の分解斜視図である。
【図3】図1のIII−III線で切断した入力装置の断面図である。
【図4】図1のIV−IV線で切断した入力装置の断面図である。
【図5】第1の実施形態における、(a)第1透明基材の部分拡大平面図、(b)第2透明基材の部分拡大平面図、(c)第1透明基材と第2透明基材とを積層した場合の部分拡大平面図である。
【図6】第1の実施形態における変形例を示す、図1のIII−III線で切断した入力装置の断面図である。
【図7】第1の実施形態における変形例を示す、図1のIV−IV線で切断した入力装置の入力装置の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における入力装置の分解斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線で切断した入力装置の断面図である。
【図10】図8のX−X線で切断した入力装置の断面図である
【図11】第2の実施形態における変形例を示す、図8のIX−IX線で切断した入力装置の断面図である。
【図12】第2の実施形態における変形例を示す、図8のX−X線で切断した入力装置の断面図である。
【図13】従来例の入力装置における、接続部付近の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態における入力装置1の斜視図である。図2は、本実施形態の入力装置1の分解斜視図である。図3は、図1のIII−III線で切断した入力装置1の断面図であり、図4は、図1のIV−IV線で切断した入力装置1の断面図である。なお、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法の比率などは適宜異ならせて示してある。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の入力装置1は、静電容量式タッチセンサ4の入力面側に抵抗膜式タッチセンサ6が積層された2方式併用の入力装置1である。静電容量式タッチセンサ4は第1透明基材10と第2透明基材20とが積層されており、抵抗膜式タッチセンサ6は第3透明基材30と第4透明基材40とが対向配置されて構成されている。また、抵抗膜式タッチセンサ6の入力面側には加飾フィルム61が積層されている。
【0025】
本実施形態の入力装置1は、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)64等の外部回路基板と接続され、静電容量式タッチセンサ4及び抵抗膜式タッチセンサ6からの入力位置情報が電気信号として出力される。本実施形態の入力装置1には、入力位置情報を出力するための第1接続電極12、第2接続電極22、第3接続電極32、第4接続電極42が形成されている。各接続電極は、FPC64の一方の面に形成されたFPC接続端子65と対向して接続される。
【0026】
図2の入力装置1の分解斜視図に示すように、静電容量式タッチセンサ4は第1透明基材10と第2透明基材20とを有し構成されている。第1透明基材10の一方の面の入力領域には、X1−X2方向に延出しY1−Y2方向に所定の間隔を設けて形成された複数の透明電極層からなる第1透明電極層11が積層されている。また、第2透明基材20の一方の面の入力領域には、Y1−Y2方向に延出しX1−X2方向に所定の間隔を設けて形成された複数の透明電極層からなる第2透明電極層21が積層されている。
【0027】
また、第1透明基材10及び第2透明基材20の入力領域を囲む非入力領域には、それぞれ入力位置情報を取り出すための第1配線パターン14及び第2配線パターン24が形成されている。
【0028】
図3及び図4に示すように、第1透明基材10と第2透明基材20とは、粘着層66を介して積層され、第1透明電極層11と第2透明電極層21との間で静電容量を有する。入力装置1の入力操作時において、指や導電性を有する入力器具などを入力面の任意の箇所に近接させると、第1透明電極層11と第2透明電極層21との間の静電容量の値が変化する。この容量変化に基づいて入力位置情報を算出することが可能である。
【0029】
第1透明基材10及び第2透明基材20にはそれぞれ、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの透明なフィルム状樹脂材料を用いることが可能である。その厚みはそれぞれ25μm〜200μm程度、例えば厚み125μmに形成することができる。
【0030】
また、第1透明電極層11及び第2透明電極層21は、いずれも可視光領域で透光性を有するITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO等の透明導電膜により形成される。第1透明電極層11及び第2透明電極層21は、スパッタ法や蒸着法等の薄膜法により形成され、その厚みはいずれも0.01μm〜0.05μm、例えば0.02μm程度で形成される。また、スパッタ法や蒸着法以外の方法では、あらかじめ透明導電膜が形成されたフィルムを用意し、透明導電膜のみを透明基材に転写する方法や、導電性ポリマーやAgナノワイヤ等を塗布する方法により形成することも可能である。
【0031】
また、図3及び図4に示すように、抵抗膜式タッチセンサ6は第3透明基材30及び第4透明基材40とを有し構成され、静電容量式タッチセンサ4の入力面側に配置される。第3透明基材30の一方の面の入力領域には第3透明電極層31が形成されており、また、第4透明基材40の一方の面の入力領域には第4透明電極層41が形成されている。図3に示すように、第3透明基材30と第4透明基材40とは非入力領域に配置された粘着層68を介して接着されており、第3透明電極層31と第4透明電極層41とが間隔を設けて対向するように積層される。
【0032】
第3透明基材30の非入力領域には、入力領域を囲むように第3配線パターン34が形成されており、第3透明電極層31のX1−X2方向に電圧を印加することができる。同様に、第4透明基材40の非入力領域には、入力領域を囲むように第4配線パターン44が形成されており、第4透明電極層41のY1−Y2方向に電圧を印加することができる。
【0033】
抵抗膜式タッチセンサ6の入力操作において、入力面の任意の箇所を押圧操作すると、可撓性を有する第3透明基材30が撓み、第3透明電極層31と第4透明電極層41とが接触する。この接触によって、第3透明電極層31において印加された電圧にはX1−X2方向に電位勾配が生じ、X座標を検知することができる。また。第4透明電極層41において印加された電圧にはY1−Y2方向に電位勾配が生じ、これによりY座標を検知することができる。
【0034】
第3透明基材30には、入力操作に応じて変形可能なPET(ポリエチレンテレフタレート)などの透明なフィルム状樹脂材料を用いることが可能であり、その厚みは100μm〜200μm程度、例えば厚み188μm程度で形成される。また、第4透明基材40は透明な樹脂で形成されており、例えばPC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PMMA(メタクリル酸メチル樹脂)、ノルボルネン樹脂等の樹脂を用いることができる。その厚みは、押圧操作による第3透明基材30の変形を支持可能な程度であれば良く、0.5mm〜1.5mm、例えば1.0mm程度の厚さに形成される。
【0035】
また、第3透明電極層31と第4透明電極層41とは、第1透明電極層11及び第2透明電極層21と同様に、可視光領域で透光性を有するITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO等を用い、スパッタ法や蒸着法等の薄膜法で形成される。その厚みはいずれも0.01μm〜0.05μm、例えば0.02μm程度で形成される。また、薄膜法以外の方法では、上述の転写法や塗布法によっても形成することができる。
【0036】
図1から図4に示すように、抵抗膜式タッチセンサ6の入力面側には、加飾層62が印刷された加飾フィルム61が積層されている。加飾層62は、入力領域を囲む非入力領域に着色されて形成されており、各透明基材の配線パターンなどが操作者に直接視認されないよう遮蔽する効果を有する。また、加飾層62に着色以外の模様、マーク、文字等が描かれる場合もあり、搭載される電子機器のデザインの一部を構成することも可能である。また、加飾フィルム61には、押圧操作により変形可能なPET等のフィルム状の透明樹脂材料を用い、その厚みは例えば125μm程度のものを用いることができる。
【0037】
また、静電容量式タッチセンサ4と抵抗膜式タッチセンサ6、及び抵抗膜式タッチセンサ6と加飾フィルム61は、それぞれ粘着層67及び粘着層69を介して積層されている。各層間を接着する粘着層には、透光性を有するアクリル樹脂系粘着テープを用いることができ、その厚みは10μmから100μm程度である。また、静電容量式タッチセンサ4及び抵抗膜式タッチセンサ6の各透明基材間を接着する粘着層66、68にも、同様に透光性のアクリル樹脂系粘着テープを用いることができる。
【0038】
静電容量式タッチセンサ4は、指などを近接させることで入力可能であるため、スムーズに入力動作を行うことが可能であり、また、多点入力可能であるという利点を有する。しかし、静電容量変化により入力位置情報を検知する方式であるため、例えば手袋をはめた状態や、樹脂などの絶縁物で形成された入力器具などでは入力操作を行うことができないという課題がある。また、抵抗膜式タッチセンサ6は、透明電極膜どうしの接触によって入力位置情報を検知できることから、入力操作に用いる器具の材質は特に限定されず、指や絶縁性のペン形状の入力器具等を用いることができる。しかしながら、多点入力を行うことが困難である。
【0039】
本実施形態における入力装置1は、静電容量式タッチセンサ4と抵抗膜式タッチセンサ6とを有し構成されるため、入力する器具に制限されず、絶縁性の入力器具による入力操作も可能であり、また、指による多点入力も可能となる。このように入力方式の異なるタッチセンサを積層することにより、より複雑な操作に対応することが可能である。また、本実施形態において、抵抗膜式タッチセンサ6が入力面側に配置されているため、抵抗膜式タッチセンサ6の入力抵抗が小さく抑えられるため、指またはペン形状の入力器具による押圧操作をスムーズに行うことができる。
【0040】
次に、本実施形態の入力装置1において入力位置情報を出力するための構成についてより詳細に説明する。
【0041】
図2に示すように、静電容量式タッチセンサ4を構成する第1透明基材10において、非入力領域のY1方向には外部回路基板と接続するための第1接続電極12が形成されている。第1配線パターン14は、第1透明基材10の非入力領域に形成されており、第1接続電極12と第1透明電極層11とを電気的に接続する。また、第2透明基材20には、非入力領域のY1方向に第2接続電極22が形成されており、第2配線パターン24は第2透明電極層21のY1側の端部と第2接続電極22とを接続する。
【0042】
また、図2及び図4に示すように、第1透明基材10、第2透明基材20、及び第4透明基材40には、抵抗膜式タッチセンサ6からの入力位置情報を出力するためのスルーホール63が貫通して形成されている。スルーホール63には、銀または銅などの金属材料を含む導電性ペーストが充填されており、これにより層間を電気的に接続することができる。スルーホール63の直径は0.1mm〜2.0mm程度で形成することが好ましい。0.1mmより小さいと、積層ズレなどが発生した場合、各層間の接続信頼性を確保することが困難になる可能性がある。直径が2mmより大きい場合は、導電性ペーストの体積収縮によりスルーホール63内部でクラックや空孔が生じてしまい、導通が得られなくなる可能性がある。また、直径を大きくすると使用する導電性ペーストの量が増大するため、製造コストの面で好ましくない。
【0043】
導電性ペーストは、スクリーン印刷等の印刷法やディスペンサによりスルーホール63に充填することができる。また、図4に示すようにスルーホール63を入力装置1の表面まで貫通させている場合は、各透明基材を積層した後に、ディスペンサにより導電性ペーストを充填することが実際的であり、こうすれば容易に層間を接続することが可能となる。
【0044】
図2に示すように、抵抗膜式タッチセンサ6を構成する第3透明基材30及び第4透明基材40の対向する面の非入力領域には、それぞれ第3配線パターン34及び第4配線パターン44が形成されている。第3配線パターン34は第3透明電極層31をX1−X2方向に挟むようにY1−Y2方向に延出して形成されており、第3透明電極層31とスルーホール63とを接続している。また、第4配線パターン44は、第4透明電極層41をY1−Y2方向に挟むようにX1−X2方向に延出して形成されており、第4透明電極層41とスルーホール63とを接続する。図2及び図4に示すように、第2透明基材20の一方の面(第2透明電極層21が形成された面)には、スルーホール63を介して第3透明電極層31と電気的に接続された第3接続電極32及び、スルーホール63を介して第4透明電極層41と電気的に接続された第4接続電極42が形成される。このようにして抵抗膜式タッチセンサ6の入力位置情報は、スルーホール63を介して第2透明基材20の一方の面に引き出される。
【0045】
各透明基材に形成された第1配線パターン14、第2配線パターン24、第3配線パターン34、及び第4配線パターン44は、銀、銅などを含み構成された導電性ペーストを用い、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法などの印刷法により形成することが可能である。あるいは、スパッタ法や蒸着法などの薄膜法で形成しても良い。
【0046】
図5(a)及び図5(b)には、それぞれ第1透明基材10及び第2透明基材20におけるY1方向の非入力領域付近の部分拡大平面図を示す。図5(c)には、第1透明基材10と第2透明基材20とを積層した時の、部分拡大平面図を示す。なお、図5(a)〜図5(c)はいずれも、第1透明電極層11及び第2透明電極層21が形成された面から見た時の部分拡大平面図である。
【0047】
図5(a)に示すように、第1透明基材10のY1方向の非入力領域にはFPC64と接続するための第1接続領域13が設けられている。第1接続領域13には、第1透明電極層11と電気的に接続された第1接続電極12が形成されており、FPC接続端子65と電気的に接続される。また、図5(b)に示すように、第2透明基材20のY1方向の非入力領域には、FPC64と接続するための第2接続領域23が設けられている。第2接続領域23には、第2透明電極層21と電気的に接続された第2接続電極22が形成されている。また、第2接続領域23にはスルーホール63を介して第3透明電極層31と電気的に接続された第3接続電極32及び、スルーホール63を介して第4透明電極層41と電気的に接続された第4接続電極42が形成されている。
【0048】
図5(c)に示すように、第1透明基材10の第1接続領域13と第2透明基材20の第2接続領域23とは平面視で並設するように形成されている。また、第2透明基材20の、第1接続領域13と重なる部分には切り欠きが設けられており、第1接続領域13は第2接続領域23と並設して入力装置1の一方の面に露出される。
【0049】
このような構成とすることにより、第1接続電極12、第2接続電極22、第3接続電極32、及び第4接続電極42は、入力装置1の一方の面の非入力領域において平面視で並設される。これにより、FPC64の一方の面と対向させて平面的に接続することができるため、接続工程を容易に行うことができる。また、各接続電極は2つの透明基材上に集約することができ、FPC64の一方の面と接続されることから、従来の4つの透明基材上に各接続電極を形成した場合よりも、入力装置1の各基材の熱膨張、熱収縮が生じた場合でも、各接続電極に作用する応力を緩和することが容易であり、接続信頼性を確保することができる。
【0050】
さらに、静電容量式タッチセンサ4の接続工程、及び抵抗膜式タッチセンサ6の接続工程を、同一のFPC64を用い同一の接続工程で行うことができるため製造コストが抑制される。また、従来の入力装置は各接続電極との接続に複数のFPCが必要であったが、本実施形態の入力装置1は、1つのFPC64によって各接続電極との接続が可能となるため、製造コストを低減することが可能となる。
【0051】
また、入力装置1の一方の面とFPC64の一方の面とが接続されるため、FPC64の厚み及びFPC64と各接続領域間の接着剤の厚みの影響により入力装置1の入力面側に凹凸やうねりが現れることを抑制できる。したがって、平坦な入力面を有する入力装置1を提供することが可能である。
【0052】
なお、各接続電極とFPC接続端子65との接着には、異方性導電接着剤を用いることができる。異方性導電接着剤は、エポキシ樹脂などの導電性を有しないバインダー材に、金属メッキされた樹脂ビーズなどの導電粒子を均一に分散させたものである。各接続電極とFPC接続端子65との間に異方性導電接着剤を挟んだ状態で、熱及び圧力を加えて硬化させると、厚み方向においては導電粒子が対向する電極に接触し、電極間を導通状態としつつ、平面方向においては絶縁状態を維持することができるものである。
【0053】
本実施形態の入力装置1において、第2透明基材20の第2接続領域23に第3接続電極32及び第4接続電極42を形成して、抵抗膜式タッチセンサ6からの出力を取り出している。しかし、この態様に限らず、抵抗膜式タッチセンサ6から引き出された第3接続電極32及び第4接続電極42を第1透明基材10の第1接続領域13に設けることも可能である。この場合、第1接続領域13の面積を増やすとともに、第2透明基材20の第1接続領域13と平面的に重なる部分の切り欠きの面積も大きくする。これにより、第1接続領域13は第2接続領域23と並設して入力装置1の一方の面に露出されて、第1接続電極12、第2接続電極22、第3接続電極32及び第4接続電極42が平面視で並設される。また、スルーホール63は第1透明基材10と第4透明基材40に貫通させて層間を接続すればよい。
【0054】
図6は第1の実施形態の変形例を示す、図1のIII−III線と対応する箇所で切断した入力装置1の断面図である。図6に示すように、共通基材50の一方の面には抵抗膜式タッチセンサ6を構成する第4透明電極層41が積層されており、他方の面には静電容量式タッチセンサ4を構成する第1透明電極層11が積層されている。すなわち、本変形例の入力装置1では、図1から図4で示した第1透明基材10と第4透明基材40とを1層の共通基材50で共用することができる。共通基材50には、第4透明基材40と同様に例えばPC、PET、PES、PMMA等の透明な樹脂基板を用い、その厚みは0.5mmから1.5mm、例えば1.0mm程度で形成される。
【0055】
また、図7は第1の実施形態の変形例を示す、図1のIV−IV線と対応する箇所で切断した入力装置1の断面図である。本変形例において、共通基材50の他方の面に第1接続領域13(図示しない)が形成されており、第1透明電極層11と電気的に接続された第1接続電極12が形成されている。また、図7に示すように、共通基材50及び第2の透明基材20にスルーホール63が貫通して形成されており、抵抗膜式タッチセンサ6からの入力位置情報は、スルーホール63を介して第2透明基材20の一方の面に形成された第3接続電極32及び第4接続電極42に引き出される。これにより、第1接続電極12、第2接続電極22、第3接続電極32、及び第4接続電極42は、入力装置1の一方の面において平面視で並設される。
【0056】
本変形例においても、FPC64の一方の面と対向させて各接続電極と平面的に接続することができるため、接続工程を容易に行うことができる。また、各接続電極を2つの透明基材上に集約することができ、入力装置1の各基材の熱膨張、熱収縮が生じた場合でも、各接続電極に作用する応力を従来よりも緩和することが容易であり、接続信頼性を確保することができる。また、図1から図4で示した入力装置1から1枚の透明基材と1層分の粘着層を省く事ができるため、低コスト化及び薄型化を実現できる。
【0057】
なお、本変形例において、第3接続電極32及び第4接続電極42を共通基材50の第1接続領域13に設けることも可能である。この場合、共通基材50にスルーホール63を形成すれば、抵抗膜式タッチセンサ6からの入力位置情報を取り出すことができる。
【0058】
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態における入力装置2の分解斜視図である。図9は、図8のIX−IX線で切断した入力装置2の断面図であり、図10は、図8のX−X線で切断した入力装置2の断面図である。
【0059】
図8〜図10に示すように、第2の実施形態の入力装置2は、抵抗膜式タッチセンサ6の入力面側に静電容量式タッチセンサ4が積層されている。また、静電容量式タッチセンサ4の入力面側には、加飾層62が形成された加飾フィルム61が積層されている。静電容量式タッチセンサ4及び抵抗膜式タッチセンサ6を構成する各透明基材、各透明電極層、及び各配線パターンについて、第1の実施形態の入力装置1と同様の内容は、繰り返しになるため詳細な説明は省略する。
【0060】
本実施形態の入力装置2においても、静電容量式タッチセンサ4と抵抗膜式タッチセンサ6とが併用されていることから、入力器具に制限されることなく多様な入力操作に対応することができる。本実施形態において、静電容量式タッチパネル4が入力面側に配置されていることから静電容量式タッチセンサ4の感度が良好であり、指や導電性の入力器具によるスムーズな入力操作が可能となる。
【0061】
次に、本実施形態の入力装置2における、入力位置情報を取り出すための構成を説明する。本実施形態においても、図5(a)及び図5(b)と同様に、第1透明基材10及び第2透明基材20のY1側非入力領域に、それぞれ第1接続領域13及び第2接続領域23が設けられている。第1接続領域13には第1透明電極層11と電気的に接続された第1接続電極12が形成され、第2接続領域23には第2透明電極層21と電気的に接続された第2接続電極22が形成されている。
【0062】
第1接続領域13と第2接続領域23とは平面視で並設するように設けられており、第2透明基材20の、第1接続領域13と対向する箇所には切り欠きが形成されている。また、第3透明基材30及び第4透明基材40の、第1接続領域13及び第2接続領域23と対向する箇所にも切り欠きが形成されている。これにより、第1接続領域13と第2接続領域23は、入力装置2の一方の面に並設されて露出される。
【0063】
また、図8及び図10に示すように、抵抗膜式タッチセンサ6を構成する第3透明基材30及び第4透明基材40のY1側非入力領域には、スルーホール63が貫通して設けられている。第3透明電極層31及び第4透明電極層41で検知された入力位置情報は、スルーホール63を介して第2透明基材20の一方の面に引き出される。第2透明基材20の第2接続領域23には、第3接続電極32及び第4接続電極42が並設されており、第3透明電極層31と第3接続電極32とがスルーホール63を介して電気的に接続され、また、第4透明電極層41と第4接続電極42とがスルーホール63を介して電気的に接続される。
【0064】
このような構成とすることにより、第1接続電極12、第2接続電極22、第3接続電極32、及び第4接続電極42は、入力装置2の非入力領域において平面視で並設される。これにより、FPC64の一方の面と各接続電極を対向させて平面的に接続することができるため、接続工程が容易になる。また、入力装置2に応力が加えられた場合や、各基材の熱膨張、熱収縮が生した場合でも、応力を緩和することが可能となるため、接続信頼性を確保することができる。
【0065】
なお本実施形態において、スルーホール63を第3透明基材30に形成すれば、抵抗膜式タッチセンサ6の入力位置情報を第2透明基材20の一方の面に引き出すことが可能である。しかし、図10に示すように、第3透明基材30及び第4透明基材40を貫通してスルーホール63を設けることがより好ましい。こうすれば各透明基材を積層した後にスルーホール63の内部に導電性ペーストを充填することができるため、層間を電気的に接続する工程が容易になり、層間接続信頼性を向上させることができる。
【0066】
なお、本実施形態の入力装置2において、第1透明基材10の第1接続領域13に第3接続電極32及び第4接続電極42を形成することも可能である。この場合、スルーホール63を第2透明基材20及び第3透明基材30に形成すれば、抵抗膜式タッチセンサ6の入力位置情報を第1透明基材10に取り出すことができる。
【0067】
図11及び図12には第2の実施形態の変形例を示す。図11は、図8のIX−IX線と対応する箇所で切断した入力装置2の断面図である。図8に示すように、共通基材51の一方の面には静電容量式タッチセンサ4を構成する第2透明電極層21が積層されており、他方の面には抵抗膜式タッチセンサ6を構成する第3透明電極層31が積層されている。すなわち、本変形例の入力装置2は図8から図10で示した第2透明基材20と第3透明基材30とを1層の共通基材51で共用することができる。本変形例の共通基材51は、抵抗膜式タッチセンサ6の入力面側に配置されており、押圧動作に応じて柔軟に変形可能なフィルム状の材料を用いる。共通基材51には、例えばPETなどの透明な樹脂材料を用いることができる。また、その厚みは100μm〜200μm、例えば188μm程度に形成される。
【0068】
本変形例では図8から図10で示した入力装置2から、1層分の透明基材と、1層分の粘着層とを省くことができるため、低コスト化及び薄型化を図ることができる。また、抵抗膜式タッチセンサ6の入力面側に積層される透明基材及び粘着層の合計厚さを減らすことができるため、押圧操作時における入力抵抗を低減することが可能となる。
【0069】
図12は、第2の実施形態の変形例を示す、図8のX−X線と対応する箇所で切断した入力装置2の断面図である。本変形例における入力装置2において、共通基材51及び第4透明基材40にスルーホール63が貫通して設けられている。また、共通基材51の一方の面の非入力領域には、第3接続電極32及び第4接続電極42が設けられている。抵抗膜式タッチセンサ6の第3透明電極層31はスルーホール63を介して第3接続電極32と電気的に接続され、第4透明電極層41はスルーホール63を介して第4接続電極42と電気的に接続される。これにより、抵抗膜式タッチセンサ6の入力位置情報は共通基材51の一方の面(第2透明基材20が積層された面)に引き出される。
【0070】
本変形例において、第1透明基材10の非入力領域に第1接続領域13が形成されており、第1透明電極層11と接続された第1接続電極12が形成されている。また、第2透明基材20の非入力領域には第2接続領域23が形成されており、第2透明電極層21と接続された第2接続電極22、スルーホール63を介して第3透明電極層31と接続された第3接続電極32、及びスルーホール63を介して第4透明電極層41と接続された第4接続電極42が形成されている。
【0071】
本変形例においても、第1接続電極12、第2接続電極22、第3接続電極32、及び第4接続電極42は、入力装置2の非入力領域において平面視で並設される。これにより、FPC64の一方の面と各接続電極を対向させて平面的に接続することができるため、接続工程が容易になり、また、応力を緩和することが可能となるため接続信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0072】
1、2 入力装置
4 静電容量式タッチセンサ
6 抵抗膜式タッチセンサ
10 第1透明基材
11 第1透明電極層
12 第1接続電極
13 第1接続領域
20 第2透明基材
21 第2透明電極層
22 第2接続電極
23 第2接続領域
30 第3透明基材
31 第3透明電極層
32 第3接続電極
34 第3配線パターン
40 第4透明基材
41 第4透明電極層
42 第4接続電極
50、51 共通基材
63 スルーホール
64 FPC
65 FPC接続端子
66、67、68、69 粘着層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量の変化により入力位置を検知する静電容量式タッチセンサと、
抵抗値の変化により入力位置を検知する抵抗膜式タッチセンサと、が積層され、
前記静電容量式タッチセンサは、一方の面に第1透明電極層が形成された第1透明基材と、一方の面に第2透明電極層が形成された第2透明基材とを有し、前記第1透明基材の一方の面と、前記第2透明基材の他方の面とが対向して積層され、
前記抵抗膜式タッチセンサは、一方の面に第3透明電極層が形成された第3透明基材と、一方の面に第4透明電極層が形成された第4透明基材とを有し、前記第3透明電極層と前記第4透明電極層とが空間を設けて対向して積層され、
前記第3透明基材及び前記第4透明基材の少なくとも一方には、前記第3透明電極層及び第4透明電極層を外部に引き出すためのスルーホールが形成されており、
前記第1透明基材の一方の面及び前記第2透明基材の一方の面にはそれぞれ、外部の回路基板と接続するための第1接続領域及び第2接続領域が、平面視で並設されており、
前記第1接続領域には、前記第1透明電極層と電気的に接続された第1接続電極が設けられ、
前記第2接続領域には、前記第2透明電極層と電気的に接続された第2接続電極が設けられ、
前記スルーホールを介して前記第3透明電極層と電気的に接続された第3接続電極及び、前記スルーホールを介して前記第4透明電極層と電気的に接続された第4接続電極が、前記第1接続領域または前記第2接続領域に設けられ、
前記第1接続電極、前記第2接続電極、前記第3接続電極及び前記第4接続電極が平面視で並設されていることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記抵抗膜式タッチセンサが、前記静電容量式タッチセンサの入力面側に積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第4透明基材、前記第1透明基材及び前記第2透明基材を貫通するスルーホールが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第3透明基材の他方の面が入力面を構成しており、前記第4透明基材と前記第1透明基材とが同一の共通基材から構成され、前記第4透明電極層が前記共通基材の一方の面に形成されるとともに、前記第1透明電極層が前記共通基材の他方の面に形成されており、前記共通基材には、前記第3透明電極層及び前記第4透明電極層と、前記第3接続電極及び前記第4接続電極とをそれぞれ接続するためのスルーホールが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項5】
前記共通基材及び前記第2透明基材を貫通するスルーホールが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記静電容量式タッチセンサが、前記抵抗膜式タッチセンサの入力面側に積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の入力装置。
【請求項7】
前記第3透明基材及び前記第4透明基材を貫通するスルーホールが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記第1透明基材の他方の面が入力面を構成しており、前記第2透明基材と前記第3透明基材とが同一の共通基材から構成され、前記第2透明電極層が前記共通基材の一方の面に形成されるとともに、前記第3透明電極層が前記共通基材の他方の面に形成されており、前記共通基材には、前記第3透明電極層及び前記第4透明電極層と、前記第3接続電極及び前記第4接続電極とをそれぞれ接続するためのスルーホールが形成されていることを特徴とする請求項6に記載の入力装置。
【請求項9】
前記共通基材及び前記第4透明基材を貫通するスルーホールが設けられていることを特徴とする請求項8に記載の入力装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−141690(P2012−141690A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292701(P2010−292701)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】