説明

入力装置

【課題】プリント基板と、ベース部、キートップ部、スカート部を有するラバーキー部材とを有する入力装置に関し、天面までの高さが異なる複数のキートップ部を有し、入力操作の誤認識を防止可能な入力装置を提供する。
【解決手段】テープ印字装置1は、ラバーキー部材45と、電極形成面を有するプリント基板Pにより構成されるキー入力部40を、本体筐体10の曲面部分に有している。ラバーキー部材45は、キートップ部46と、スカート部48と、ベース部49により構成され、プリント基板Pの電極形成面上に載置される。各キートップ部46は、当該キートップ部46下端のスカート部48との接続部分から天面までの高さを等しく形成されている。各キートップ部46周囲に位置するベース部49を、本体筐体10の曲面部分に対応する厚みで構成することにより、各キートップ部46の天面は、前記曲面部分から所定量突出する高さに位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板と、ベース部、キートップ部、スカート部を有するラバーキー部材とを有する入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力装置は、種々の入力操作に用いられる複数の入力キーを有しており、筐体に形成されたキー配置部に配設されている。そして、これらの入力装置の一態様として、プリント基板と、ラバーキー部材により構成される入力装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の入力装置では、ラバーキー部材は、各入力キーを構成するキートップ部と、平板状のベース部と、キートップ部の下端外周縁に形成された薄膜状のスカート部とを、合成樹脂により一体的に有しており、プリント基板上に載置される。
【0003】
当該入力装置では、キートップ部の押下操作が行われると、当該キートップ部は、その周囲のスカート部を変形しつつ、プリント基板表面に向かって移動する。これにより、当該キートップ部の接点は、プリント基板表面に形成された電極と接触することとなり、もって、当該キートップ部に係る入力操作に係る制御信号を出力し得る。従って、キートップ部の押下操作が行われる関係上、キートップ部の上部は、キー配置部を構成する筐体表面から突出していることが望ましい。キートップ部を押下する力から解放されると、キートップ部は、スカート部の弾性力に基づいて、通常の位置に戻るように構成されている。
【0004】
ここで、筐体に形成されたキー配置部は、平板状に形成された部分に限らず、曲面状に形成されている場合もある。そして、この場合であっても、キートップ部の上部は、キー配置部を構成する筐体表面から所定寸法突出していることが望ましい。即ち、曲面状の筐体表面から所定寸法突出するように構成するため、キートップ部の天面高さは、曲面状の筐体表面における位置に応じて異ならなければならない。
【0005】
天面高さの異なるキートップ部を有する入力装置として、特許文献2記載の発明が知られており、携帯電話機に係る入力装置として、キーパッド組立体が記載されている。当該キーパッド組立体は、平板状のベース部と共に、複数のキートップが合成樹脂により一体的に形成されて構成されている。そして、当該キーパッド組立体においては、ベース部から立設されるキートップ部の高さを相違させることにより、キートップ部の天面高さが異なる態様を実現している。尚、特許文献2記載のキーパッド組立体においては、キートップ部とベース部の間に、薄膜状のスカート部は形成されていない。
【0006】
【特許文献1】特開平08−096654号公報
【特許文献2】特開2003−319055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献1のように、ベース部、キートップ部、スカート部を有するラバーキー部材と、プリント基板を有する入力装置において、キートップ部の天面高さを相違させるために、特許文献2の構成を用いた場合について考察する。上述したように、特許文献2では、キートップ部の高さを相違させることにより、キートップ部の天面高さを相違させているので、キートップ部の質量は、当該キートップ部の高さ寸法に応じて相違することになる。
【0008】
そして、各キートップ部は、薄膜状のスカート部により、ベース部に対して押下操作可能に支持されているので、スカート部にかかる荷重は、キートップ部の高さ寸法に応じて相違する。スカート部にかかる荷重は、キートップ部の押下操作に伴うスカート部の変形態様に大きな影響を与えるため、押下操作に伴うキートップ部の挙動は、キートップ部の高さ寸法に応じて相違することになる。この結果、当該構成を有する入力装置は、押下操作に伴うキートップ部の挙動が相違してしまうため、ユーザによる入力操作の誤認識の要因となってしまう。又、当該構成を有する入力装置は、押下操作に伴うキートップ部の挙動の相違によって、キートップ部の押下操作時に、ユーザに違和感を与えてしまう。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、プリント基板と、ベース部、キートップ部、スカート部を有するラバーキー部材とを有する入力装置に関し、天面までの高さが異なる複数のキートップ部を有し、入力操作の誤認識を防止可能な入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面に係る請求項1記載の入力装置は、複数の電極を有する平板状のプリント基板と、前記プリント基板表面に配設されるベース部と、前記複数の電極の上方に位置し、前記ベース部の上方へ突出した複数のキートップ部と、前記各キートップ部の下端外周縁と前記ベース部を接続する薄膜状のスカート部と、を合成樹脂により一体に形成されたラバーキー部材と、を有する入力装置であって、前記ラバーキー部材は、前記キートップ部を前記プリント基板方向へ移動した場合に前記電極と接触する接点部を、前記プリント基板と対向する面に備え、前記スカート部と前記ベース部との接続部分から前記キートップ部の天面までの高さが所定の第1寸法である第1キートップ部と、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部の高さよりも高く形成された段差部を周囲に備えると共に、前記プリント基板と対向する面に前記接点部を備え、前記スカート部と前記段差部との接続部分から前記キートップ部の天面までの高さが前記第1寸法である第2キートップ部と、を有し、前記第2キートップ部の天面は、前記第1キートップ部の天面よりも高い位置に位置することを特徴とする。
【0011】
当該入力装置は、平板状のプリント基板と、ラバーキー部材とを有している。ラバーキー部材には、ベース部、複数のキートップ部、薄膜状のスカート部が合成樹脂により一体的に形成されており、プリント基板表面に配設される。従って、当該入力装置においては、キートップ部をプリント基板方向へ移動操作すると、当該キートップ部は、薄膜状に形成されたスカート部を変形させつつ移動し、プリント基板表面に形成された電極に対して、接点部を接触させ得る。又、当該入力装置において、ラバーキー部材は、第1キートップ部と、第2キートップ部を有している。第1キートップ部は、前記スカート部と前記ベース部との接続部分から前記キートップ部の天面までの高さが所定の第1寸法となるように形成されている。第2キートップ部は、スカート部と段差部との接続部分から前記キートップ部の天面までの高さが第1寸法となるように形成されており、第2キートップ部の周囲には、段差部が、第1キートップ部の周囲に位置するベース部の高さよりも高く形成されている。従って、第2キートップ部の天面は、段差部の存在により、前記第1キートップ部の天面よりも高い位置に位置する。又、当該入力装置において、第1キートップ部、第2キートップ部は、何れもキートップ部の天面までの高さが第1寸法に形成されている。従って、当該入力装置において、第1キートップ部の周囲のスカート部、第2キートップ部の周囲のスカート部の何れにも、略同等の荷重が加わることとなる。この結果、当該入力装置は、天面までの高さの異なるキートップ部であっても、スカート部に係る荷重の相違に基づく入力操作の誤認識を防止し得る。又、当該入力装置によれば、ユーザは、天面までの高さの異なるキートップ部であっても、違和感なく、これらのキーを操作し得る。
【0012】
本発明の一側面に係る請求項2記載の入力装置は、請求項1に記載の入力装置であって、前記第2キートップ部の周囲における前記スカート部との接続部分から、前記第2キートップ部の天面までの高さは、前記第1キートップ部の周囲における前記スカート部との接続部分から、前記第1キートップ部の天面までの高さと等しいことを特徴とする。
【0013】
当該入力装置において、第1キートップ部、第2キートップ部は、何れも、各キートップ部の周囲におけるスカート部との接続部分から、キートップ部の天面までの高さが等しく形成されている。従って、当該入力装置において、第1キートップ部の周囲のスカート部、第2キートップ部の周囲のスカート部の何れにも、同等の荷重が加わることとなる。この結果、当該入力装置は、天面までの高さの異なるキートップ部であっても、スカート部に係る荷重の相違に基づく入力操作の誤認識を防止し得る。又、当該入力装置によれば、ユーザは、天面までの高さの異なるキートップ部であっても、これらのキーを違和感なく操作し得る。
【0014】
本発明の一側面に係る請求項3記載の入力装置は、請求項1又は請求項2に記載の入力装置であって、前記第2キートップ部の接点部と、当該第2キートップ部の下方の前記プリント基板上の電極の間の距離は、前記第1キートップ部の接点部と、当該第1キートップ部の下方の前記プリント基板上の電極の間の距離と等しいことを特徴とする。
【0015】
当該入力装置では、第1キートップ部、第2キートップ部の何れにおいても、接点部とプリント基板上の電極との間の距離は、等しく形成されている。即ち、天面までの高さの異なるキートップ部であっても、入力操作に伴って接点部が電極に接触するまで移動する距離が等しくなる。これにより、当該入力装置によれば、ユーザは、天面までの高さの異なるキートップ部であっても、これらのキーを違和感なく操作し得る。
【0016】
本発明の一側面に係る請求項4記載の入力装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の入力装置であって、装置外側に向かって突出した曲面状に形成されたキー配置部に、前記複数のキートップ部が夫々挿通される複数の挿通孔を有する本体筐体を備え、前記第2キートップ部は、前記第1キートップ部が挿通される挿通孔よりも、曲面状のキー配置部における突出部分寄りに位置する挿通孔を挿通することを特徴とする。
【0017】
当該入力装置は、装置外側に向かって突出した曲面状に形成されたキー配置部に、前記複数のキートップ部が夫々挿通される複数の挿通孔を有する本体筐体を備えている。そして、当該入力装置において、前記第2キートップ部は、前記第1キートップ部が挿通される挿通孔よりも、曲面状のキー配置部における突出部分寄りに位置する挿通孔を挿通している。即ち、当該入力装置は、曲面状に形成されたキー配置部において、何れのキートップ部についても、本体筐体表面を基準として一定量突出した状態にし得る。
【0018】
本発明の一側面に係る請求項5記載の入力装置は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の入力装置であって、前記段差部は、前記第2キートップ部の周囲に位置するベース部の厚みを、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部の厚みよりも大きくすると共に、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部と一体に形成することで構成されていることを特徴とする。
【0019】
当該入力装置において、段差部は、第2キートップ部の周囲に位置するベース部の厚みを、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部の厚みよりも大きくすると共に、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部と一体に形成することで構成されている。従って、当該構成により段差部を形成することにより、当該入力装置は、第1キートップ部の天面高さと、第2キートップ部の天面高さを、確実に異ならせることができる。
【0020】
本発明の一側面に係る請求項6記載の入力装置は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の入力装置であって、前記段差部は、前記第2キートップ部の周囲に位置するベース部表面を、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部表面より上方に突出させると共に、下方に所定の空間を形成する段差形成部と、前記段差形成部により形成された空間内に配設され、当該空間を充填する充填部材と、により構成されていることを特徴とする。
【0021】
当該入力装置において、前記段差部は、前記第2キートップ部の周囲に位置するベース部表面を、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部表面より上方に突出させると共に、下方に所定の空間を形成する段差形成部と、前記段差形成部により形成された空間内に配設され、当該空間を充填する充填部材と、により構成されている。即ち、当該入力装置は、段差形成部と充填部材により段差部を形成するで、第1キートップ部の天面高さと、第2キートップ部の天面高さを、確実に異ならせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るテープ印字装置の外観斜視図である。
【図2】テープ印字装置の断面図である。
【図3】テープ印字装置の内部構成を示す説明図である。
【図4】第1実施形態に係るキー入力部の構成を示す説明図である。
【図5】第2実施形態に係るキー入力部の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る入力装置を、テープ印字装置に具体化した一実施形態(第1実施形態)について図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係るテープ印字装置の概略構成について図1〜図3に基づき説明する。当該テープ印字装置1は、ユーザが片手で当該テープ印字装置1を持ちながら、所望のテキスト入力や印刷等を行い得るように構成されている。
【0024】
図1〜図3に示すように、当該テープ印字装置1は、本体機構部Mと、把持部Gにより構成されている。本体機構部Mは、テープ印字装置1の長手方向において、上側部分を構成し、水平視やや丸く形成されている。本体機構部Mは、後述する液晶ディスプレイ11、サーマルヘッド31や制御基板20等を内部に収容している。
【0025】
把持部Gは、本体筐体10の長手方向のほぼ下半分側の部分において、前記本体機構部Mの左右幅寸法よりも少し狭く形成されている。又、図2に示すように、把持部Gは、その厚みが本体機構部Mに比べてなだらかに小さくなるように形成されている。従って、当該テープ印字装置1は、当該把持部Gをユーザが片手で持ちながら、所望のテキストの入力や印字用テープTへの印刷等の操作を行い易いように構成されている。
【0026】
又、図2に示すように、テープ印字装置1は、合成樹脂製の本体筐体10と、背面カバー15を有しており、本体機構部M及び把持部Gは、夫々、本体筐体10及び背面カバー15により構成されている。本体筐体10は、液晶ディスプレイ11や、本発明に係る入力装置の一例であるキー入力部40等を内部に収容している。そして、背面カバー15は、本体筐体10の背面部(テープ印字装置1を使用する際に使用者と対向する面と反対側の面)全体を覆う合成樹脂製のカバー部材であり、本体筐体10の背面に対して、着脱可能に取り付けられている。
【0027】
本体機構部Mの前面部(即ち、本体筐体10側)には、液晶ディスプレイ11が、本体機構部Mの略中央部に配設されている。当該液晶ディスプレイ11は、キー入力部40による入力結果等の種々の情報を表示する。
【0028】
そして、本体機構部Mを構成する本体筐体10の左側側面部には、カッターレバー12が、回動操作可能に設けられている。当該カッターレバー12は、その回動操作に伴って、本体機構部M内部に配設されている切断刃13をスライド移動させる。従って、ユーザは、当該カッターレバー12を回動操作することにより、後述するテープ排出口14へ延びる印字用テープTを切断刃13によって切断し得る(図3参照)。
【0029】
更に、本体機構部Mを構成する本体筐体10内部には、制御基板20と、駆動モータ25が配設されている。当該制御基板20は、CPU、ROM、RAM等を含む制御回路部を有している。当該制御回路部は、テープ印字装置1における種々の制御の中枢を担い、公知の制御プログラム等を実行することにより、テープ印字装置1を制御する。そして、駆動モータ25は、テープ印字装置1における被記録媒体である印字用テープTを、テープ排出口14に搬送する際の駆動源である。
【0030】
図2、図3に示すように、本体機構部Mを構成する本体筐体10の背面側には、カセット収納部30が形成されている。カセット収納部30は、テープカセットCの外形とほぼ同じ水平断面略四角形状に形成されており、テープカセットCを着脱可能に構成されている(図3参照)。そして、テープカセットCは、当該テープ印字装置1における被記録媒体である印字用テープTを内蔵している。当該印字用テープTは、一方の面に印刷が施される印刷面を有し、他方の面に接着層を有する受像紙と、前記接着層を保護する剥離紙により構成されている。
【0031】
又、カセット収納部30の内部には、サーマルヘッド31が、本体筐体10の長手方向に沿うように、カッターレバー12側の端縁部近傍の底面に立設されている。当該サーマルヘッド31は、1列に配設された複数の発熱素子(例えば、64個の発熱素子)を有し、各発熱素子(図示せず)の発熱制御を行うことにより、印字用テープTに文字等の印字を行う。
【0032】
図3に示すように、サーマルヘッド31の発熱素子配設面に対向する位置には、プラテンホルダ32が、回転軸を中心に回動自在に配設されている。当該プラテンホルダ32は、印字用テープTに対する印刷を行う際に、印字用テープTの印刷面を、サーマルヘッド31の各発熱素子に押圧する。
【0033】
把持部Gの前面部(即ち、本体筐体10側)には、本発明に係る入力装置に相当するキー入力部40が配設されている。当該キー入力部40は、文字入力キー、スペースキー、カーソルキー、電源キー、印刷キー等の複数の入力キーをマトリクス状に配置して有しており、テープ印字装置1の制御回路部に対する種々の指示入力に用いられる。当該キー入力部40の構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0034】
尚、文字入力キーは、印刷対象であるテキストを構成するキャラクタを入力する際に操作される。スペースキーは、テキスト中に空白を入力する際に操作される。カーソルキーは、液晶ディスプレイ11上に表示されるカーソルを左右に移動させる際に操作される。電源キーは、テープ印字装置1に対する電源供給のオン・オフを切り替える際に操作される。印刷キーは、サーマルヘッド31により、入力されたテキストを印字用テープTに印刷する際に操作される。
【0035】
そして、把持部Gを構成する本体筐体10の背面側には、電池収納部35(図3参照)が形成されている。当該電池収納部35は、テープ印字装置1の駆動電源である乾電池Bを収納する。
【0036】
続いて、キー入力部40の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図4に示すように、キー入力部40は、プリント基板Pと、ラバーキー部材45により構成されている。尚、本体筐体10において、キー入力部40の配設部分(即ち、把持部G前面側)は、本体筐体10から外側方向に膨出した曲面形状に形成されている(図2参照)。即ち、キー入力部40の配設部分は、把持部G上端側(本体機構部M側)が把持部G下端側よりも前面側に膨出する曲面形状である。そして、キー入力部40の配設部分には、複数の挿通孔10Aが、各入力キーの配設位置に応じて、本体筐体10の前面側を穿設して形成されている。
【0037】
プリント基板Pは、一面側に複数の電極Eを有する基板であり、本体筐体10の内部において、キー入力部40の配設部分に対応して配設されている。各電極Eは、プリント基板P表面において、各入力キーの配設位置(即ち、挿通孔10Aの下方)に対応して形成されている。尚、第1実施形態では、複数の電極Eが形成されているプリント基板Pの表面を「電極形成面」という。
【0038】
ラバーキー部材45は、軟質ゴム等の樹脂で形成されており、プリント基板Pの電極形成面上に載置されている。当該ラバーキー部材45は、キートップ部46と、スカート部48と、ベース部49とを一体的に有している。
【0039】
図4に示すように、キートップ部46は、各入力キーの入力操作を行う際に、ユーザにより押下操作される部分であり、軟質ゴム等の樹脂により柱形状に形成されている。各キートップ部46は、それぞれ、各挿通孔10Aに挿通されており、プリント基板P上の電極E上に位置する。又、各キートップ部46は、プリント基板P上の電極Eに対向する面に、接点部47を有している。当該接点部47は、キートップ部46におけるプリント基板P側の面の一部を、プリント基板P(即ち、電極E)側に所定量突出させることで形成されている。そして、接点部47は、入力キーの入力操作に伴い、キートップ部46がプリント基板P方向へ移動すると、プリント基板P表面に形成された電極Eと接触する。即ち、テープ印字装置1は、キートップ部46の接点部47と、プリント基板Pの電極Eとの接触による通電に基づいて、当該キートップ部46に係る入力キーの入力操作が行われたことを検知し、これに基づく制御を行い得る。
【0040】
スカート部48は、薄膜状の軟質ゴムにより形成されており、キートップ部46の下端外周縁と、ベース部49の上面(即ち、本体筐体10側の面)を接続している(図4参照)。即ち、スカート部48は、薄膜状の軟質ゴムによって、キートップ部46の下端外周縁を小径とし、ベース部49との接続部分を大径とするテーパ筒状に形成されている。入力キーの入力操作が行われた場合、当該スカート部48は、キートップ部46のプリント基板P方向へ移動に伴って弾性変形する。又、通常(即ち、キートップ部46に外力が加えられていない状態)の場合、当該スカート部48は、キートップ部46の上部(キートップ部46の天面側)が挿通孔10Aから所定量突出するように、キートップ部46を支持する。
【0041】
ベース部49は、軟質ゴム等により板状に形成されており、プリント基板Pの電極形成面上に載置される。当該ベース部49は、所定のキートップ部46の周囲に、夫々、段差部50を有している(図4参照)。従って、キートップ部46周辺におけるベース部49の上面は、当該段差部50により、プリント基板P表面から異なる高さに位置する。
【0042】
第1実施形態に係るキー入力部40の具体的構成について、図4を参照しつつ詳細に説明する。図4は、第1実施形態に係るテープ印字装置1におけるキー入力部40の構成を示すX−X断面図である。図1に示すように、X−X断面は、テープ印字装置1の長手方向に沿った断面である。
【0043】
尚、以下の説明においては、マトリクス状に配置された各入力キー(キートップ部46)の内、X−X断面に沿って列設されている3つの入力キー(第1キートップ部46A〜第3キートップ部46C)を例示して、キー入力部40の構成を説明する(図1、図4参照)。第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cは、把持部G下端側から、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cの順に、X−X断面に沿って列設されている。
【0044】
図4に示すように、第1キートップ部46Aは、軟質ゴム等の樹脂により第1キートップ高HAを有する柱形状に形成されており、挿通孔10Aに挿通されている。当該第1キートップ高HAは、「第1キートップ部46A下端外周縁におけるスカート部48との接続部分から第1キートップ部46Aの天面までの高さ」を意味する。尚、第1キートップ部46Aの周辺においては、ベース部49は、第1ベース厚DAの厚みを有するように形成されている。
【0045】
又、第1キートップ部46Aに係る接点部47は、第1キートップ部46Aのプリント基板P側の面の一部を、プリント基板P(即ち、電極E)側に所定量突出させることで形成されている。第1キートップ部46Aに係る接点部47表面は、通常、第1接点距離LA分、第1キートップ部46Aの下方に位置する電極Eから離間した位置に位置する。第1接点距離LAは、「第1キートップ部46Aの接点部47表面から、その下方に位置する電極Eまでの距離」を意味する。
【0046】
第2キートップ部46Bは、軟質ゴム等の樹脂により第2キートップ高HBを有する柱形状に形成されており、挿通孔10Aに挿通されている。当該第2キートップ高HBは、「第2キートップ部46B下端外周縁におけるスカート部48の接続部分から第2キートップ部46Bの天面までの高さ」を意味し、上述した第1キートップ部46Aと同一の高さを示す。又、第2キートップ部46Bは、上述した第1キートップ部46Aと同一の水平断面形状を有している。従って、当該第2キートップ部46Bは、接点部47の構成を除いて、第1キートップ部46Aと同一形状をなす。
【0047】
又、第2キートップ部46Bに係る接点部47は、第2キートップ部46Bのプリント基板P側の面の一部を、プリント基板P(即ち、電極E)側に所定量突出させることで形成されている。そして、当該第2キートップ部46Bに係る接点部47表面は、通常、第2接点距離LB分、第2キートップ部46Bの下方に位置する電極Eから離間した位置に位置する。第2接点距離LBは、「第2キートップ部46Bの接点部47表面から、その下方に位置する電極Eまでの距離」を意味し、第1接点距離LAと同じ距離を示す。
【0048】
図4に示すように、第2キートップ部46Bの周辺には、段差部50が形成されている。第2キートップ部46B周辺に係る段差部50は、ベース部49の厚みを、第1ベース厚DAよりも大きな第2ベース厚DBにすることにより形成される。従って、第2キートップ部46B周辺におけるベース部49の上面は、第1キートップ部46A周辺におけるベース部49の上面よりも、所定量(即ち、第2ベース厚DB−第1ベース厚DA)分だけ、高い位置に位置する。
【0049】
第3キートップ部46Cは、軟質ゴム等の樹脂により第3キートップ高HCを有する柱形状に形成されており、挿通孔10Aに挿通されている。当該第3キートップ高HCは、「第3キートップ部46C下端外周縁におけるスカート部48の接続部分から第3キートップ部46Cの天面までの高さ」を意味し、上述した第1キートップ部46A及び第2キートップ部46Bと同一の高さを示す。又、第3キートップ部46Cは、上述した第1キートップ部46A及び第2キートップ部46Bと同一の水平断面形状を有している。従って、当該第3キートップ部46Cは、接点部47の構成を除いて、第1キートップ部46A及び第2キートップ部46Bと同一形状をなす。
【0050】
又、第3キートップ部46Cに係る接点部47は、第2キートップ部46Bのプリント基板P側の面の一部を、プリント基板P(即ち、電極E)側に所定量突出させることで形成されている。第3キートップ部46Cに係る接点部47表面は、通常、第3接点距離LC分、第3キートップ部46Cの下方に位置する電極Eから離間した位置に位置する。当該第3接点距離LCは、「第3キートップ部46Cの接点部47表面から、その下方に位置する電極Eまでの距離」を意味し、第1接点距離LA及び第2接点距離LBと同じ距離を示す。
【0051】
そして、第3キートップ部46Cの周辺には、段差部50が、第2キートップ部46B周辺と同様に形成されている(図4参照)。ここで、第3キートップ部46Cの周辺における段差部50は、ベース部49の厚みを、第1ベース厚DA及び第2ベース厚DBよりも大きな第3ベース厚DCにすることにより形成される。従って、第3キートップ部46C周辺におけるベース部49の上面は、第1キートップ部46A及び第2キートップ部46B周辺におけるベース部49の上面よりも高い位置に位置する。
【0052】
ここで、テープ印字装置1において、キー入力部40は、把持部Gの前面側に配設されている。又、当該把持部Gの前面側において、本体筐体10は、把持部G上端側(本体機構部M側)が把持部G下端側よりも前面側に膨出する曲面をなす。そして、プリント基板Pは、平板形状を為しており、本体筐体10内部に配設される。従って、図2、図4に示すように、プリント基板P表面(即ち、電極形成面)から本体筐体10前面(例えば、挿通孔10A)までの距離は、本体機構部M側ほど大きくなる。
【0053】
第1実施形態に係るキー入力部40において、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cの周辺には、ベース部49は、夫々、第1ベース厚DA〜第3ベース厚DCの厚みで形成されている。そして、第1ベース厚DA、第2ベース厚DB、第3ベース厚DCの順で大きな厚みであるため、ベース部49は、段差部50を有している。第1キートップ部46A〜第3キートップ部46C周辺のベース部49は、段差部50により、本体機構部M側に位置するキートップ部46周辺ほど、プリント基板Pの電極形成面を基準に高い位置に位置する(図4参照)。
【0054】
そして、第1キートップ高HA、第2キートップ高HB、第3キートップ高HCは、同一の高さを示しているので、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cは、キートップ部46下端外周縁におけるスカート部48の接続部分からキートップ部46の天面までの高さに関し、何れも同一の高さを有している。
【0055】
又、各キートップ部46(例えば、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46C)を支持するスカート部48は、何れも同形状に形成されている。従って、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cの何れにおいても、各スカート部48が有する高さは同一となる。
【0056】
従って、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cの天面の高さは、夫々のキートップ部46周囲におけるベース部49の厚みに依存し、夫々異なる高さとなる。そして、図4に示すように、第1ベース厚DA〜第3ベース厚DCの順に従って、大きな厚みを示すので、プリント基板Pの電極形成面からキートップ部46天面までの高さは、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cの順に高い位置となる。
【0057】
これにより、当該テープ印字装置1においては、第1ベース厚DA、第2ベース厚DB、第3ベース厚DCを、夫々に対応するキートップ部46に係る電極E表面から挿通孔10Aまでの距離よりも所定量小さく形成することにより、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cは、何れも、夫々の挿通孔10Aから一定量突出した状態で配設され得る。
【0058】
ここで、各キートップ部46は、夫々、スカート部48により支持されているため、各キートップ部46の質量は、当該スカート部48に作用し、入力キーに対する入力操作時におけるスカート部48の弾性変形に影響を及ぼす。つまり、各キートップ部46の質量は、入力操作時におけるキートップ部46の挙動に影響を及ぼす。
【0059】
上述したように、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cは、何れも、軟質ゴムにより柱形状に形成されており、同一の高さ寸法、同一の水平断面形状をもって構成されている。従って、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cは、何れも略同一の質量を有する。従って、当該テープ印字装置1において、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cの質量は、夫々、スカート部48の弾性変形に対して同様の影響を及ぼすことになり、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cは、入力操作に伴って、略一定の挙動を示す。
【0060】
そして、キートップ部46の下端外周縁に形成されたスカート部48によって、ベース部49に接続されている為、キートップ部46は、スカート部48との接続部分を軸として、一定の範囲内を揺動し得る。従って、キートップ部46の天面は、キートップ部46天面とスカート部48との接続部分(キートップ部46下端外周縁)との寸法が大きいほど、より広い範囲内に位置し得る。そして、入力操作が行われた場合、キートップ部46は、現在の位置とスカート部48との接続部分を結ぶ方向へ移動し易い。従って、入力操作に伴うキートップ部46の移動方向は、キートップ部46天面とスカート部48との接続部分(キートップ部46下端外周縁)との寸法が大きいほど、電極Eに対してズレを生じさせ得る。
【0061】
この点、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cは、何れにおいても、キートップ部46天面からスカート部48との接続部分までの寸法(即ち、第1キートップ高HA〜第3キートップ高HC)は同一である。従って、第1実施形態に係るテープ印字装置1によれば、電極形成面からキートップ部46天面までの高さが異なる何れの入力キーについても、他の入力キーと同様に操作をすれば、接点部47と電極Eが接触し、入力操作を行い得る。
【0062】
図4に示すように、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cにおいては、それぞれの接点部47から電極Eまでの距離は、第1接点距離LA、第2接点距離LB、第3接点距離LCであり、同一寸法を示す。この第1接点距離LA〜第3接点距離LCは、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cにおける入力操作を完了する為に必要な電極E方向への移動量を意味する。従って、第1実施形態に係るテープ印字装置1によれば、電極形成面からキートップ部46天面までの高さが異なる何れの入力キーについても、他の入力キーと同様に移動させるべく操作をすれば、接点部47と電極Eが接触し、入力操作を行い得る。
【0063】
そして、第1実施形態においては、段差部50は、平板状のベース部49の厚みを、各キートップ部46の配置位置に応じた厚み(第1ベース厚DA、第2ベース厚DB、第3ベース厚DC)にすることで形成されている。従って、第1実施形態においては、ラバーキー部材45を製造する際に、軟質ゴム等の樹脂を所定の型に入れて製造すれば、キートップ部46、スカート部48、ベース部49と共に、段差部50を形成することができる。
【0064】
(第2実施形態)
続いて、上述した第1実施形態と異なる実施形態(第2実施形態)について、図5を参照しつつ詳細に説明する。第2実施形態においては、テープ印字装置1の基本的構成は、第1実施形態と同様であり、キー入力部40の構成のみ相違する。従って、テープ印字装置1の基本的構成に関する説明は省略し、第2実施形態に係るキー入力部40の構成について詳細に説明する。
【0065】
尚、図5は、第2実施形態に係るテープ印字装置1におけるキー入力部40の構成を示すX−X断面図であり、図4と同様に、マトリクス状に配置された各入力キー(キートップ部46)の内、X−X断面に沿って列設されている3つの入力キー(第1キートップ部46A〜第3キートップ部46C)を例示して、キー入力部40の構成を説明する(図1、図5参照)。第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cは、把持部G下端側から、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cの順に、X−X断面に沿って列設されている。
【0066】
図5に示すように、第2実施形態に係るキー入力部40は、プリント基板Pと、ラバーキー部材45と、充填部材55により構成されている。第2実施形態に係るプリント基板Pは、上述した第1実施形態と同様に、各入力キーの配設位置に対応する電極Eが形成された電極形成面を有する基板である。
【0067】
そして、第2実施形態に係るラバーキー部材45は、キートップ部46、スカート部48、ベース部49により構成されている。尚、当該ラバーキー部材45において、キートップ部46及びスカート部48の構成については、上述した第1実施形態と同様の構成であり、既に説明済みであるため、再度の説明は省略する。
【0068】
第2実施形態に係るラバーキー部材45において、ベース部49は、第1実施形態と同様に、軟質ゴム等により形成されており、所定の厚みを有する板状部材で構成されている。図5に示すように、段差部50が形成される部分においては、そして、当該ベース部49は、所定の厚みを維持したまま段形状に形成されている。従って、ベース部49は、段差部50が形成される部分(即ち、所定のキートップ部46周辺部分)の下方に空間を有する。
【0069】
充填部材55は、ラバーキー部材45とは別部材により構成されており、段差部50に係るベース部49の下方に形成される空間を充填する。従って、第2実施形態においては、第2キートップ部46Bの周囲の段差部50は、ベース部49と充填部材55により、第2ベース厚DBの厚みを有して形成され、第3キートップ部46Cの周囲の段差部50は、ベース部49と充填部材55により、第3ベース厚DCの厚みを有して形成される(図5参照)。
【0070】
ここで、第2実施形態においても、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cは、夫々、同一の高さ(即ち、第1キートップ高HA〜第3キートップ高HC)を有し、同一形状のスカート部48により支持されている。従って、第2実施形態においても、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cの天面の高さは、夫々のキートップ部46周囲における段差部50の厚みに依存し、夫々異なる高さとなる。そして、図5に示すように、第1ベース厚DA〜第3ベース厚DCの順に従って、大きな厚みを示すので、プリント基板Pの電極形成面からキートップ部46天面までの高さは、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cの順に高い位置となる。
【0071】
これにより、当該テープ印字装置1においては、第1ベース厚DA、第2ベース厚DB、第3ベース厚DCを、夫々に対応するキートップ部46に係る電極E表面から挿通孔10Aまでの距離よりも所定量小さく形成することにより、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cは、何れも、夫々の挿通孔10Aから一定量突出した状態で配設され得る。
【0072】
又、第2実施形態においても、第1キートップ部46A、第2キートップ部46B、第3キートップ部46Cは、何れも、軟質ゴムにより柱形状に形成されており、同一の高さ寸法、同一の水平断面形状をもって構成され、略同一の質量をもって形成されている。従って、当該テープ印字装置1において、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cの質量は、夫々、スカート部48の弾性変形に対して同様の影響を及ぼすことになり、第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cは、入力操作に伴って、略一定の挙動を示す。
【0073】
又、第2実施形態に係る第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cも、何れも、キートップ部46天面からスカート部48との接続部分までの寸法(即ち、第1キートップ高HA〜第3キートップ高HC)は同一である。従って、第2実施形態に係るテープ印字装置1によれば、電極形成面からキートップ部46天面までの高さが異なる何れの入力キーについても、他の入力キーと同様に操作をすれば、接点部47と電極Eが接触し、入力操作を行い得る。
【0074】
図5に示すように、第2実施形態に係る第1キートップ部46A〜第3キートップ部46Cにおいても、それぞれの接点部47から電極Eまでの距離は、第1接点距離LA、第2接点距離LB、第3接点距離LCであり、同一寸法を示す。従って、第2実施形態に係るテープ印字装置1によれば、電極形成面からキートップ部46天面までの高さが異なる何れの入力キーについても、他の入力キーと同様に移動させるべく操作をすれば、接点部47と電極Eが接触し、入力操作を行い得る。
【0075】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した各実施形態においては、テープ印字装置1の長手方向に沿って列設された入力キー部分を例示しているが、この態様に限定されるものではない。即ち、テープ印字装置1の短手方向に沿って列設された入力キー部分に対して適用することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0076】
1 テープ印字装置
10 本体筐体
10A 挿通孔
40 キー入力部
45 ラバーキー部材
46 キートップ部
47 接点部
48 スカート部
49 ベース部
50 段差部
P プリント基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極を有する平板状のプリント基板と、
前記プリント基板表面に配設されるベース部と、前記複数の電極の上方に位置し、前記ベース部の上方へ突出した複数のキートップ部と、前記各キートップ部の下端外周縁と前記ベース部を接続する薄膜状のスカート部と、を合成樹脂により一体に形成されたラバーキー部材と、を有する入力装置であって、
前記ラバーキー部材は、
前記キートップ部を前記プリント基板方向へ移動した場合に前記電極と接触する接点部を、前記プリント基板と対向する面に備え、前記スカート部と前記ベース部との接続部分から前記キートップ部の天面までの高さが所定の第1寸法である第1キートップ部と、
前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部の高さよりも高く形成された段差部を周囲に備えると共に、前記プリント基板と対向する面に前記接点部を備え、前記スカート部と前記段差部との接続部分から前記キートップ部の天面までの高さが前記第1寸法である第2キートップ部と、を有し、
前記第2キートップ部の天面は、
前記第1キートップ部の天面よりも高い位置に位置する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記第2キートップ部の周囲における前記スカート部との接続部分から、前記第2キートップ部の天面までの高さは、前記第1キートップ部の周囲における前記スカート部との接続部分から、前記第1キートップ部の天面までの高さと等しい
ことを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の入力装置であって、
前記第2キートップ部の接点部と、当該第2キートップ部の下方の前記プリント基板上の電極の間の距離は、前記第1キートップ部の接点部と、当該第1キートップ部の下方の前記プリント基板上の電極の間の距離と等しい
ことを特徴とする入力装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の入力装置であって、
装置外側に向かって突出した曲面状に形成されたキー配置部に、前記複数のキートップ部が夫々挿通される複数の挿通孔を有する本体筐体を備え、
前記第2キートップ部は、
前記第1キートップ部が挿通される挿通孔よりも、曲面状のキー配置部における突出部分寄りに位置する挿通孔を挿通する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の入力装置であって、
前記段差部は、
前記第2キートップ部の周囲に位置するベース部の厚みを、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部の厚みよりも大きくすると共に、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部と一体に形成することで構成されている
ことを特徴とする入力装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の入力装置であって、
前記段差部は、
前記第2キートップ部の周囲に位置するベース部表面を、前記第1キートップ部の周囲に位置するベース部表面より上方に突出させると共に、下方に所定の空間を形成する段差形成部と、
前記段差形成部により形成された空間内に配設され、当該空間を充填する充填部材と、により構成されている
ことを特徴とする入力装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−174560(P2012−174560A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36520(P2011−36520)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】