入線プレート
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋外から屋内へ同軸ケーブルのようなケーブルを引き込むための入線プレートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来受信アンテナで受けた電波を屋内に引き込む際に用いるものとしては、防雨入線カバーがある。この防雨入線カバーは同軸ケーブルを屋外から屋内に直接引き込む構成となっている。しかし従来の防雨入線カバーは、屋外と屋内の配線がコネクタ等により分離できる構造となっていないため、屋内側配線と屋外側配線とを分離して行い難い上に、最近の衛星放送受信装置の普及に伴い、BSコンバータの出力信号と、UHFやVHF帯の受信信号とを混合するニーズが増えてきたが、これに対応できなかった。
【0003】そこで所謂ガードプレートにUHF帯、VHF帯の受信信号と、BSコンバータの出力信号とを混合する混合器を内蔵した入線プレートが提供されるようになっている。図13、図14はそのガードプレートを用いた従来の入線プレートの正面図、下面図を示しており、この従来例ではゴム製のガードプレート本体60に開閉自在に枢支したカバー61の下端には同軸ケーブルを導入するための切欠孔からなるケーブル挿通孔62を設けており、ガードプレート本体60の表面に設けた同軸ケーブル接続器63に接続せる屋外からの同軸ケーブルを、カバーを閉じるときにケーブル挿通孔62の切欠部位よりケーブル挿通孔62内に入れるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来例では同軸ケーブルをガードプレート本体側で仮固定する手段がないため、同軸ケーブルに張力があると、結線しづらく、また同軸ケーブル接続器63側に引張張力の負担がかかり接続の信頼性がやや劣るという問題があった。
【0005】本発明は、上述の問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、ケーブルの仮固定ができてケーブルの張力で施工づらい場合の、作業性を向上させ、しかもケーブルの仮固定の機能によりケーブルを接続する接続器への張力の負担を軽減することができて接続の信頼性の向上が図れる入線プレートを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、壁面に沿うように配設される合成樹脂製のボディと、ボディの上端部に開閉自在に上端部を枢支したカバーとでプレート本体を形成し、カバーに開口したケーブル挿通孔を介してプレート本体内に導入したケーブルを接続する接続器をボディ表面に設けるとともに、ケーブルを圧入保持する仮固定部をボディ表面に一体に形成したものである。請求項2記載の発明は、請求項1の発明において、上記仮固定部を断面略C状の凹部で構成したものである。
【0007】
【作用】而して請求項1の発明によれば、施工に際して張力が加わるケーブルを仮固定部に圧入保持させて仮固定することにより、張力の軽減を無くしながら接続器への接続を行う。そして施工後においては仮固定部での仮固定により、接続器への張力の負担が軽減し、接続の信頼性の向上が図れる。また請求項2の発明によれば、上記仮固定部を断面略C状の凹部で構成したのボディが合成樹脂製とあいまって、仮固定部をボディに一体で成形できるから別部品の取り付けによらなくても済む。
【0008】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。第1図乃至第6図は一実施例を示している。合成樹脂成形品からなるボディ1と、このボディ1の表側に開閉自在に枢支される合成樹脂製カバー2と、裏カバー3とでプレート本体4を構成しており、カバー2は上端に設けた軸挿通部5とボディ1の上端に設けた枢支部6とを組み合わせてその組み合わせによって形成された軸孔に回動軸7を挿通することにより蝶番状に開閉自在にボディ1に枢支されている。70は回動軸7の付勢用バネ板である。
【0009】ボディ1の裏部凹所に収納される混合器8はプリント基板9、接続器50A、50B、50C等からなり、プリント基板9の表面には屋外側の同軸ケーブルを接続する接続器50A,50Bを実装し、裏面には混合器8の回路の素子を実装するとともに、屋内側の同軸ケーブルを接続する接続器50Cを実装している。先ず各接続器50A、50B、50Cの、同軸ケーブルの芯線の刃受け金具10A,10B、10Cと、芯線挿入部11A、11B、11Cを設けた端子ケース12A、12B、12Cと、シールド板13A、13B、13Cと、押さえ金具18A、18B、18Cとを主部材とし、刃受け金具10A、10B、10Cはプリント基板9の夫々に対応する孔17に表面又は裏面から差込で回路パターンに接続し且つ半田付けにより固定し、この刃受け金具10A、10B、10Cに対応する芯線挿入部11A、11B、11Cを設けた端子ケース12A、12B、12Cをプリント基板9の表面又は裏面に配置し、この端子ケース12A、12B、12Cを上部から押さえ付けるようにシールド板8A、8B、8Cをその両側に折曲形成した脚片15をプリント基板9に形成した対応する孔16に入れ半田付けで固定することにより取り付ける。この際端子ケース12A、12B、12Cの芯線挿入部11A、11B、11Cがシールド板13A、13B、13Cに設けた孔14からシールド板13A、13B、13Cの表面側に露出する。
【0010】各記孔14の両側開口縁には上記刃受け金具10A、10B、10Cに芯線を接続する同軸ケーブルのシールド部を押さえ固定する押さえ金具18A,18B18Cの先端軸部19を回動自在に係止する切欠孔20を形成した支持片21を切り起こしている。押さえ金具18A,18B、18Cは、中央に同軸ケーブルのシールド部を押さえる押さえ片22を設け、また側部にはビス23によりシールド板13A、13B、13C表面に押さえ金具18A,18B、18Cを固定させるための固定片24を設けている。
【0011】尚25はビス23に被挿するスプリングであり、26はビス23を挿通する孔、27はビス23を螺合する孔、SWは給電切換スイッチであり、プリント基板9に実装される。混合器8は図12に示すようにUHF帯、VHF帯の混合した信号を入力する入力端子I1と、BSコンバータからの信号を入力する入力端子12と、混合回路部MXと、混合回路部MXで混合された信号を出力する出力端子Oとの3つの端子を有し、夫々の端子が上述の接続器50A、50B、50Cにより構成されもので、UHF帯、VHF帯のアンテナブースタへの給電の要否に応じてオン/オフする給電切換スイッチSWがUHF帯、VHF帯の混合した信号の入力回路に挿入している。
【0012】而して上述のように部材を実装して混合器6を構成したプリント基板9はボディ1の裏凹所に収納され、この裏凹所の開口を被蔽する裏カバー3と共にタッピングビス30でボディ1裏部に図4に示すように締結固定される。51は裏ボディ3に設けたビス挿通孔であり、52はボディ1裏部のタッピングビス締結用孔である。
【0013】さてボディ1は表面にカバー3が閉じられて状態で、カバー内周面に沿う雨水浸入防止用の突壁28が一体突設し、この突壁28により囲まれた面に上記押さえ金具18A,18B等からなる接続器50A,50Bを露出する窓孔29A,29Bを形成し、窓孔29A,29Bの下方には突壁28が存在しない切欠部31を形成し、この切欠部31より、屋外側の同軸ケーブルを下方から突壁28で囲まれた凹所へ入れることができるようになっている。そしてこの切欠部31を介して上記凹所内へ入れる同軸ケーブルを仮固定するために、上記切欠部31の近傍の凹所内に、同軸ケーブルを圧入嵌合するC状凹部32を有する仮固定部33A,33Bを設けている。
【0014】一方カバー3の下面中央にはボディ1側が切り欠かれた開口部34を設け、この開口部34に雨水浸入防止用パッキン35を嵌め込んであり、この雨水浸入防止用パッキン35に設けたケーブル挿通孔36A、36Bを介して屋外からの同軸ケーブルをプレート本体4内に導入するようなっている。雨水浸入防止用パッキン35は軟質ゴムから形成され、図7、図8において両側面と上面とに溝35aを設け、開口部34の開口縁をこの溝35aに嵌め込むことにより開口部34に取付けられる。ケーブル挿通孔36A,36Bは下端から雨水浸入防止用パッキン35の下部に至るスリット37A、37Bを形成している。
【0015】上述のように混合器8を内蔵して構成されたプレート本体4は、図2に示す防水パッキン38の表面に形成した溝39にボディ1の周壁の裏側端部を図4に示すように嵌め込んで防水パッキン38でボディ1の裏側を密閉するようになっている。この時ボディ1の裏面の上下部の中央に突設した円柱部40の先部が防水パッキン38に設けた孔41を介して防水パッキン38の裏面側に露出する。
【0016】また裏カバー3に設けた開口窓3aから露出する屋内側同軸ケーブルの接続器50Cを更に防水パッキン38に設けた開口窓38aに臨ませ、防水パッキン38の裏側より同軸ケーブルを接続器35Cに接続することができるようになっている。円柱部40は中心に固定ビス挿通孔42を貫通させており、この固定ビス挿通孔42にボディ1の表面側から挿通した固定ビス53を挿通させ、防水パッキン38の裏面側に配置される取り付け枠43の上下辺の中央に設けた螺子孔部44に螺入することにより、取り付け枠43にプレート本体4を取付ける。
【0017】取り付け枠43は表面を樹脂成形部で覆った金属製のもので、上下辺には上記螺子孔部44の他に、屋外壁面に埋設されているスイッチボックス(図示せず)への取り付けのための取り付け孔45を設けており、施工に際してはこの取り付け孔45に取り付けビスを挿通させて、スイッチボックスの取り付けねじ孔(図示せず)に締結することにより予めスイッチボックス側に取り付ける。
【0018】而して混合器6を上述のようにプレート本体4に内蔵した本発明混合器付き入線プレートAは屋外の壁面に埋設したスイッチボックスに取り付け枠43を利用して図11に示すように取り付けられ、UHF、VHF帯の給電ブースタ46からの同軸ケーブル47A、衛星放送用アンテナ48のBSコンバータ49からの同軸ケーブル47Bをそれぞれボディ1表面に露出した接続器50A、50Bに図9に示すように接続する。このとき仮固定部33A,33BのC状凹部32に圧入して仮固定する。
【0019】次いで防水パッキン38の表面にプレート本体4を装着し、防水パッキン38の開口窓38aに、裏カバー3の開口窓3aを介して臨んだ接続器50Cにスイッチボックスから取り付け枠43の開口窓43aを介して導出した屋内配線側の同軸ケーブル47Cを接続し、この状態で取り付け枠43にプレート本体1を固定ビス53で固定する。
【0020】取り付け終了後、カバー2を図10に示すように閉じると、上記のように仮固定している同軸ケーブル47A,47Bが雨水浸入防止用パッキン35のスリット37A,37Bを押し広げながらケーブル挿通孔36A,36Bに圧入挿通され、同軸ケーブル47A,47Bの外周面にケーブル挿通孔36A,36Bの内周面が雨水浸入防止用パッキン35の弾性により密着し、ケーブル挿通部位の防水性能を高める。
【0021】尚図11中57はBS分配器、58はBSブースタ、59はBS対応のテレビコンセントであり、また図中の破線は電力供給路を示す。また上記カバー2には鍵部54を設けており、この鍵部54はカバー1に回動自在に装着された回動軸55の一端に鍵(図示せず)の先端を挿入する孔55aを設け、他端には回動により、ボディ1の端部に設けている係止片56の裏側に出入りして、係止片56に対して係止されたり、離脱する施錠片(図示せず)を設け、カバー2をボディ1に対して閉じた状態で施錠すればカバー2が無断で開けられるのを防ぐことができるようになっている。
【0022】
【発明の効果】本発明は、壁面に沿うように配設される合成樹脂製のボディと、ボディの上端部に開閉自在に上端部を枢支したカバーとでプレート本体を形成し、カバーに開口したケーブル挿通孔を介してプレート本体内に導入したケーブルを接続する接続器をボディ表面に設けるとともに、ケーブルを圧入保持する断面略C状の凹部を設けた仮固定部をボディ表面に一体に形成したので、施工に際して張力が加わるケーブルを仮固定部のC状凹部に圧入保持させて仮固定することにより、張力の軽減を無くしながら接続器への接続を行うことができ、そのため高所での結線作業が容易となり、また施工後において、仮固定部でのケーブルの仮固定により、接続器への張力の負担が軽減して接続の信頼性の向上が図れ、またボディが合成樹脂製であるため、仮固定部をボディに一体で成形できるから別部品の取り付けによらなくても済むという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のプレート本体の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の防水パッキン側の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例のボディの正面図である。
【図4】本発明の一実施例の側面図である。
【図5】本発明の一実施例の一部破断せる背面図である。
【図6】本発明の一実施例の一部破断せる下面図である。
【図7】本発明の一実施例の雨水浸入防止用パッキンの正面図である。
【図8】本発明の一実施例の雨水浸入防止用パッキンの側断面図である。
【図9】本発明の一実施例の同軸ケーブルを取り付けた状態のカバーの斜視図である。
【図10】本発明の一実施例の同軸ケーブルを取り付け且つカバーを閉じ、防水パッキンに装着した状態の斜視図である。
【図11】本発明の一実施例の屋内配線施工状態図である。
【図12】本発明の一実施例の混合器の回路図である。
【図13】従来例のカバーを開いた状態の正面図である。
【図14】従来例のカバーを開いた状態の下面図である。
【符号の説明】
1 ボディ
2 カバー
32 凹部
33A 仮固定部
33B 仮固定部
36A ケーブル挿通孔
36B ケーブル挿通孔
50A 接続器
50B 接続器
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋外から屋内へ同軸ケーブルのようなケーブルを引き込むための入線プレートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来受信アンテナで受けた電波を屋内に引き込む際に用いるものとしては、防雨入線カバーがある。この防雨入線カバーは同軸ケーブルを屋外から屋内に直接引き込む構成となっている。しかし従来の防雨入線カバーは、屋外と屋内の配線がコネクタ等により分離できる構造となっていないため、屋内側配線と屋外側配線とを分離して行い難い上に、最近の衛星放送受信装置の普及に伴い、BSコンバータの出力信号と、UHFやVHF帯の受信信号とを混合するニーズが増えてきたが、これに対応できなかった。
【0003】そこで所謂ガードプレートにUHF帯、VHF帯の受信信号と、BSコンバータの出力信号とを混合する混合器を内蔵した入線プレートが提供されるようになっている。図13、図14はそのガードプレートを用いた従来の入線プレートの正面図、下面図を示しており、この従来例ではゴム製のガードプレート本体60に開閉自在に枢支したカバー61の下端には同軸ケーブルを導入するための切欠孔からなるケーブル挿通孔62を設けており、ガードプレート本体60の表面に設けた同軸ケーブル接続器63に接続せる屋外からの同軸ケーブルを、カバーを閉じるときにケーブル挿通孔62の切欠部位よりケーブル挿通孔62内に入れるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来例では同軸ケーブルをガードプレート本体側で仮固定する手段がないため、同軸ケーブルに張力があると、結線しづらく、また同軸ケーブル接続器63側に引張張力の負担がかかり接続の信頼性がやや劣るという問題があった。
【0005】本発明は、上述の問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、ケーブルの仮固定ができてケーブルの張力で施工づらい場合の、作業性を向上させ、しかもケーブルの仮固定の機能によりケーブルを接続する接続器への張力の負担を軽減することができて接続の信頼性の向上が図れる入線プレートを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、壁面に沿うように配設される合成樹脂製のボディと、ボディの上端部に開閉自在に上端部を枢支したカバーとでプレート本体を形成し、カバーに開口したケーブル挿通孔を介してプレート本体内に導入したケーブルを接続する接続器をボディ表面に設けるとともに、ケーブルを圧入保持する仮固定部をボディ表面に一体に形成したものである。請求項2記載の発明は、請求項1の発明において、上記仮固定部を断面略C状の凹部で構成したものである。
【0007】
【作用】而して請求項1の発明によれば、施工に際して張力が加わるケーブルを仮固定部に圧入保持させて仮固定することにより、張力の軽減を無くしながら接続器への接続を行う。そして施工後においては仮固定部での仮固定により、接続器への張力の負担が軽減し、接続の信頼性の向上が図れる。また請求項2の発明によれば、上記仮固定部を断面略C状の凹部で構成したのボディが合成樹脂製とあいまって、仮固定部をボディに一体で成形できるから別部品の取り付けによらなくても済む。
【0008】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。第1図乃至第6図は一実施例を示している。合成樹脂成形品からなるボディ1と、このボディ1の表側に開閉自在に枢支される合成樹脂製カバー2と、裏カバー3とでプレート本体4を構成しており、カバー2は上端に設けた軸挿通部5とボディ1の上端に設けた枢支部6とを組み合わせてその組み合わせによって形成された軸孔に回動軸7を挿通することにより蝶番状に開閉自在にボディ1に枢支されている。70は回動軸7の付勢用バネ板である。
【0009】ボディ1の裏部凹所に収納される混合器8はプリント基板9、接続器50A、50B、50C等からなり、プリント基板9の表面には屋外側の同軸ケーブルを接続する接続器50A,50Bを実装し、裏面には混合器8の回路の素子を実装するとともに、屋内側の同軸ケーブルを接続する接続器50Cを実装している。先ず各接続器50A、50B、50Cの、同軸ケーブルの芯線の刃受け金具10A,10B、10Cと、芯線挿入部11A、11B、11Cを設けた端子ケース12A、12B、12Cと、シールド板13A、13B、13Cと、押さえ金具18A、18B、18Cとを主部材とし、刃受け金具10A、10B、10Cはプリント基板9の夫々に対応する孔17に表面又は裏面から差込で回路パターンに接続し且つ半田付けにより固定し、この刃受け金具10A、10B、10Cに対応する芯線挿入部11A、11B、11Cを設けた端子ケース12A、12B、12Cをプリント基板9の表面又は裏面に配置し、この端子ケース12A、12B、12Cを上部から押さえ付けるようにシールド板8A、8B、8Cをその両側に折曲形成した脚片15をプリント基板9に形成した対応する孔16に入れ半田付けで固定することにより取り付ける。この際端子ケース12A、12B、12Cの芯線挿入部11A、11B、11Cがシールド板13A、13B、13Cに設けた孔14からシールド板13A、13B、13Cの表面側に露出する。
【0010】各記孔14の両側開口縁には上記刃受け金具10A、10B、10Cに芯線を接続する同軸ケーブルのシールド部を押さえ固定する押さえ金具18A,18B18Cの先端軸部19を回動自在に係止する切欠孔20を形成した支持片21を切り起こしている。押さえ金具18A,18B、18Cは、中央に同軸ケーブルのシールド部を押さえる押さえ片22を設け、また側部にはビス23によりシールド板13A、13B、13C表面に押さえ金具18A,18B、18Cを固定させるための固定片24を設けている。
【0011】尚25はビス23に被挿するスプリングであり、26はビス23を挿通する孔、27はビス23を螺合する孔、SWは給電切換スイッチであり、プリント基板9に実装される。混合器8は図12に示すようにUHF帯、VHF帯の混合した信号を入力する入力端子I1と、BSコンバータからの信号を入力する入力端子12と、混合回路部MXと、混合回路部MXで混合された信号を出力する出力端子Oとの3つの端子を有し、夫々の端子が上述の接続器50A、50B、50Cにより構成されもので、UHF帯、VHF帯のアンテナブースタへの給電の要否に応じてオン/オフする給電切換スイッチSWがUHF帯、VHF帯の混合した信号の入力回路に挿入している。
【0012】而して上述のように部材を実装して混合器6を構成したプリント基板9はボディ1の裏凹所に収納され、この裏凹所の開口を被蔽する裏カバー3と共にタッピングビス30でボディ1裏部に図4に示すように締結固定される。51は裏ボディ3に設けたビス挿通孔であり、52はボディ1裏部のタッピングビス締結用孔である。
【0013】さてボディ1は表面にカバー3が閉じられて状態で、カバー内周面に沿う雨水浸入防止用の突壁28が一体突設し、この突壁28により囲まれた面に上記押さえ金具18A,18B等からなる接続器50A,50Bを露出する窓孔29A,29Bを形成し、窓孔29A,29Bの下方には突壁28が存在しない切欠部31を形成し、この切欠部31より、屋外側の同軸ケーブルを下方から突壁28で囲まれた凹所へ入れることができるようになっている。そしてこの切欠部31を介して上記凹所内へ入れる同軸ケーブルを仮固定するために、上記切欠部31の近傍の凹所内に、同軸ケーブルを圧入嵌合するC状凹部32を有する仮固定部33A,33Bを設けている。
【0014】一方カバー3の下面中央にはボディ1側が切り欠かれた開口部34を設け、この開口部34に雨水浸入防止用パッキン35を嵌め込んであり、この雨水浸入防止用パッキン35に設けたケーブル挿通孔36A、36Bを介して屋外からの同軸ケーブルをプレート本体4内に導入するようなっている。雨水浸入防止用パッキン35は軟質ゴムから形成され、図7、図8において両側面と上面とに溝35aを設け、開口部34の開口縁をこの溝35aに嵌め込むことにより開口部34に取付けられる。ケーブル挿通孔36A,36Bは下端から雨水浸入防止用パッキン35の下部に至るスリット37A、37Bを形成している。
【0015】上述のように混合器8を内蔵して構成されたプレート本体4は、図2に示す防水パッキン38の表面に形成した溝39にボディ1の周壁の裏側端部を図4に示すように嵌め込んで防水パッキン38でボディ1の裏側を密閉するようになっている。この時ボディ1の裏面の上下部の中央に突設した円柱部40の先部が防水パッキン38に設けた孔41を介して防水パッキン38の裏面側に露出する。
【0016】また裏カバー3に設けた開口窓3aから露出する屋内側同軸ケーブルの接続器50Cを更に防水パッキン38に設けた開口窓38aに臨ませ、防水パッキン38の裏側より同軸ケーブルを接続器35Cに接続することができるようになっている。円柱部40は中心に固定ビス挿通孔42を貫通させており、この固定ビス挿通孔42にボディ1の表面側から挿通した固定ビス53を挿通させ、防水パッキン38の裏面側に配置される取り付け枠43の上下辺の中央に設けた螺子孔部44に螺入することにより、取り付け枠43にプレート本体4を取付ける。
【0017】取り付け枠43は表面を樹脂成形部で覆った金属製のもので、上下辺には上記螺子孔部44の他に、屋外壁面に埋設されているスイッチボックス(図示せず)への取り付けのための取り付け孔45を設けており、施工に際してはこの取り付け孔45に取り付けビスを挿通させて、スイッチボックスの取り付けねじ孔(図示せず)に締結することにより予めスイッチボックス側に取り付ける。
【0018】而して混合器6を上述のようにプレート本体4に内蔵した本発明混合器付き入線プレートAは屋外の壁面に埋設したスイッチボックスに取り付け枠43を利用して図11に示すように取り付けられ、UHF、VHF帯の給電ブースタ46からの同軸ケーブル47A、衛星放送用アンテナ48のBSコンバータ49からの同軸ケーブル47Bをそれぞれボディ1表面に露出した接続器50A、50Bに図9に示すように接続する。このとき仮固定部33A,33BのC状凹部32に圧入して仮固定する。
【0019】次いで防水パッキン38の表面にプレート本体4を装着し、防水パッキン38の開口窓38aに、裏カバー3の開口窓3aを介して臨んだ接続器50Cにスイッチボックスから取り付け枠43の開口窓43aを介して導出した屋内配線側の同軸ケーブル47Cを接続し、この状態で取り付け枠43にプレート本体1を固定ビス53で固定する。
【0020】取り付け終了後、カバー2を図10に示すように閉じると、上記のように仮固定している同軸ケーブル47A,47Bが雨水浸入防止用パッキン35のスリット37A,37Bを押し広げながらケーブル挿通孔36A,36Bに圧入挿通され、同軸ケーブル47A,47Bの外周面にケーブル挿通孔36A,36Bの内周面が雨水浸入防止用パッキン35の弾性により密着し、ケーブル挿通部位の防水性能を高める。
【0021】尚図11中57はBS分配器、58はBSブースタ、59はBS対応のテレビコンセントであり、また図中の破線は電力供給路を示す。また上記カバー2には鍵部54を設けており、この鍵部54はカバー1に回動自在に装着された回動軸55の一端に鍵(図示せず)の先端を挿入する孔55aを設け、他端には回動により、ボディ1の端部に設けている係止片56の裏側に出入りして、係止片56に対して係止されたり、離脱する施錠片(図示せず)を設け、カバー2をボディ1に対して閉じた状態で施錠すればカバー2が無断で開けられるのを防ぐことができるようになっている。
【0022】
【発明の効果】本発明は、壁面に沿うように配設される合成樹脂製のボディと、ボディの上端部に開閉自在に上端部を枢支したカバーとでプレート本体を形成し、カバーに開口したケーブル挿通孔を介してプレート本体内に導入したケーブルを接続する接続器をボディ表面に設けるとともに、ケーブルを圧入保持する断面略C状の凹部を設けた仮固定部をボディ表面に一体に形成したので、施工に際して張力が加わるケーブルを仮固定部のC状凹部に圧入保持させて仮固定することにより、張力の軽減を無くしながら接続器への接続を行うことができ、そのため高所での結線作業が容易となり、また施工後において、仮固定部でのケーブルの仮固定により、接続器への張力の負担が軽減して接続の信頼性の向上が図れ、またボディが合成樹脂製であるため、仮固定部をボディに一体で成形できるから別部品の取り付けによらなくても済むという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のプレート本体の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の防水パッキン側の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例のボディの正面図である。
【図4】本発明の一実施例の側面図である。
【図5】本発明の一実施例の一部破断せる背面図である。
【図6】本発明の一実施例の一部破断せる下面図である。
【図7】本発明の一実施例の雨水浸入防止用パッキンの正面図である。
【図8】本発明の一実施例の雨水浸入防止用パッキンの側断面図である。
【図9】本発明の一実施例の同軸ケーブルを取り付けた状態のカバーの斜視図である。
【図10】本発明の一実施例の同軸ケーブルを取り付け且つカバーを閉じ、防水パッキンに装着した状態の斜視図である。
【図11】本発明の一実施例の屋内配線施工状態図である。
【図12】本発明の一実施例の混合器の回路図である。
【図13】従来例のカバーを開いた状態の正面図である。
【図14】従来例のカバーを開いた状態の下面図である。
【符号の説明】
1 ボディ
2 カバー
32 凹部
33A 仮固定部
33B 仮固定部
36A ケーブル挿通孔
36B ケーブル挿通孔
50A 接続器
50B 接続器
【特許請求の範囲】
【請求項1】壁面に沿うように配設される合成樹脂製のボディと、ボディの上端部に開閉自在に上端部を枢支したカバーとでプレート本体を形成し、カバーに開口したケーブル挿通孔を介してプレート本体内に導入したケーブルを接続する接続器をボディ表面に設けるとともに、ケーブルを圧入保持する仮固定部をボディ表面に一体に形成したことを特徴とする入線プレート。
【請求項2】上記仮固定部を断面略C状の凹部で構成したことを特徴とする請求項1記載の入線プレート。
【請求項1】壁面に沿うように配設される合成樹脂製のボディと、ボディの上端部に開閉自在に上端部を枢支したカバーとでプレート本体を形成し、カバーに開口したケーブル挿通孔を介してプレート本体内に導入したケーブルを接続する接続器をボディ表面に設けるとともに、ケーブルを圧入保持する仮固定部をボディ表面に一体に形成したことを特徴とする入線プレート。
【請求項2】上記仮固定部を断面略C状の凹部で構成したことを特徴とする請求項1記載の入線プレート。
【図7】
【図8】
【図2】
【図6】
【図14】
【図1】
【図3】
【図5】
【図9】
【図4】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図8】
【図2】
【図6】
【図14】
【図1】
【図3】
【図5】
【図9】
【図4】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【特許番号】第2899129号
【登録日】平成11年(1999)3月12日
【発行日】平成11年(1999)6月2日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−93834
【出願日】平成3年(1991)4月24日
【公開番号】特開平4−323898
【公開日】平成4年(1992)11月13日
【審査請求日】平成10年(1998)3月16日
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【参考文献】
【文献】実開 平2−76882(JP,U)
【文献】実開 昭62−172186(JP,U)
【登録日】平成11年(1999)3月12日
【発行日】平成11年(1999)6月2日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)4月24日
【公開番号】特開平4−323898
【公開日】平成4年(1992)11月13日
【審査請求日】平成10年(1998)3月16日
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【参考文献】
【文献】実開 平2−76882(JP,U)
【文献】実開 昭62−172186(JP,U)
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