説明

全天動画撮影システム

【課題】全天、全方向から到来する電磁波を介して伝達される情報を簡便に動画として記録するシステムを提供する。
【解決手段】第一主点(1)と第一視野(9)を有する第一動画撮像装置(3)と、第一動画撮像装置(3)にて撮影された動画を保存する第一記憶装置(5)と、第二主点(2)と第二視野(10)を有する第二動画撮像装置(4)と、第二動画装置(4)にて撮影された動画を保存する第二記憶装置(6)とを、前記第一動画撮像装置(3)の光軸(14)と前記第二動画撮像装置(4)の光軸(15)が、中心点(11)を通る任意の直線上に乗り、かつ前記中心点(11)を通り前記の任意直線に直角に交わる平面に関して対称になるように密着させて配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電離放射線、非電離放射線を含む電磁波の特定範囲の電磁波、特に可視光を媒体として全天、全方向より伝達される画像情報を動画として撮影する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
水平画角360度の範囲から可視光によって伝達される動画情報を簡便に収集するシステムはすでに存在する。(たとえば下記特許文献の発明を実施した製品)
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特表2003−528351号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記に代表される従来の方法では水平画角360度の範囲で可視光の動画情報を簡便に収集できても、垂直画角120度以上の範囲で動画情報を簡便に収集することは不可能であり、かつ可視光以外の電磁波には対応していないという問題がある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、水平画角360度、垂直画角180度の視野から成る全天、全方向より、電離放射線、非電離放射線を含む電磁波の特定範囲の電磁波を媒体として伝達される動画情報を簡便に撮影、収集することを目的とする。
【問題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係わる動画撮像装置は、電離放射線、非電離放射線を含む電磁波の特定範囲の電磁波を水平、垂直双方向において180度以上、すなわち半球ないしは半天の全方向から収集することが可能なものである。上記動画撮像装置によって撮影された動画は、上記動画装置に接続された記憶装置に記録され保存される。本発明は、かかる動画撮像装置と記憶装置から成る半球の画像を動画として撮影可能なシステムを、全天を網羅するかたちで二台組み合わせることを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係わる各記憶装置に記録された動画は、半球から収集されたすべての情報を動画として記録するものであり、事後の画像処理によって二台の記憶装置に記録された動画情報を全天から収集された動画情報として合体し、さまざまな目的に活用できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明を実施したシステムは、空間のすべての方向から到来する情報を収集する機能を持つため、以下のようなさまざまな分野での応用が可能である。
【0008】
人工衛星に搭載し全宇宙空間から到来する電磁波を動的に収集し、それに乗せられた情報を記録し、事後の分析に供する。
【0009】
各地の気象情報を全天動画として記録し、事後の分析に供する。
【0010】
市中、街頭、貴重建造物、金融機関などに設置し、周辺環境の状況を常時記録し、安全管理の目的に供する。
【0011】
イベント会場、アミューズメント・パークなどの様子を動画として記録し、広報宣伝の目的に供する。
【0012】
高速道路などに設置し交通情報の配信に供する。
【0013】
景観情報を記録し、コンピューター・ゲームなどのエンターテインメントや芸術分野での利用に供する。
【0014】
車載システムとして形成し、周辺道路の状況を記録し、道路案内、案内地図の作成などの目的に供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。
【0016】
画角185度以上の全周魚眼レンズを第一主点(1)に配置することで第一視野(9)を実現し、第一動画撮像装置(3)と第一記憶装置(5)を市販の一般消費者向けデジタル・ビデオカメラで実現し、画角185度以上の全周魚眼レンズを第二主点(2)に配置することでかつ第二視野(10)を実現し、第二動画撮像装置(4)と第二記憶装置(6)を市販の一般消費者向けデジタル・ビデオカメラで実現したシステム。これにより、システムの中心点(11)を中心する、上記主点間の距離(8)と上記魚眼レンズの画角によって決定される距離(7)を半径とする円、すなわち点(11)を中心として、点(12)、ないしは点(13)を通る円の外側から到来する可視光をすべて記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を説明するための概念図。1・・・・第一主点 2・・・・第二主点 3・・・・第一撮像装置 4・・・・第二撮像装置 5・・・・第一記憶装置 6・・・・第二記憶装置 7・・・・主点間の距離(8)と上記魚眼レンズの画角によって決定される距離 8・・・・主点間の距離 9・・・・第一視野 10・・・・第二視野 11・・・・システムの中心点 12・・・・第一視野の境界線と第二視野の境界線が交差する点 13・・・・第一視野の境界線と第二視野の境界線が交差する点 14・・・・第一主点の中心軸 15・・・・第二主点の中心軸 16・・・・本発明の全体図
【図2】20・・・・第一主点(1)と第一動画撮像装置(3)によって構成されるサブシステムによって撮影された動画の例
【図3】30・・・・第二主点(2)と第二動画撮像装置(4)によって構成されるサブシステムによって撮影された動画の例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一主点(1)と第一視野(9)を有する第一動画撮像装置(3)と前記第一動画撮像装置(3)に接続され前記第一動画撮像装置(3)にて撮影された動画を保存する第一記憶装置(5)と、
第二主点(2)と第二視野(10)を有する第二動画撮像装置(4)と前記第二動画装置(4)に接続され前記第二動画装置(4)にて撮影された動画を保存する第二記憶装置(6)とを、前記第一動画撮像装置(3)の光軸(14)と前記第二動画撮像装置(4)の光軸(15)が、中心点(11)を通る任意の直線上に乗り、かつ前記中心点(11)を通り前記の任意直線に直角に交わる平面に関して対称になるように密着させて配置したシステム(16)。
【請求項2】
前記第一視野(9)と、前記第二視野(10)が、両方とも画角185度を超える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第一動画撮像装置(3)と、前記第二動画撮像装置(4)で撮影された動画が、それぞれ第一イメージ(20)と第二イメージ(30)のように各半球の画像をすべて含むようなかたちで、前記第一記憶装置(5)と、前記第二記憶装置(6)に記録される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
第一主点(1)と第一視野(9)を有する第一動画撮像装置(3)と前記第一動画撮像装置(3)に接続され前記第一動画撮像装置(3)にて撮影された動画を保存する第一記憶装置(5)と、
第二主点(2)と第二視野(10)を有する第二動画撮像装置(4)と前記第二動画装置(4)に接続され前記第二動画装置(4)にて撮影された動画を保存する第二記憶装置(6)とが、それぞれ別個の動画撮影システムとして機能する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
撮影の対象となる情報伝達媒体が、ガンマ線、エックス線、紫外線の一部を含む電離放射線、あるいは紫外線の一部、可視光線、赤外線、ミリ波、センチ波、極超短波、超短波、短波、中波、長波、極低周波を含む非電離放射線のいずれかである、請求項3に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−271674(P2010−271674A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138657(P2009−138657)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(509162089)
【Fターム(参考)】