説明

共鳴光散乱粒子標識から発生する信号を読み取るための装置

【課題】検体の検出を極めて低濃度で可能とする高感度の検出を行う。
【解決手段】実施形態は、制御兼分析システム20と信号発生兼検出装置100または共鳴光散乱粒子標識を有する試料の画像を収集し処理し分析するための読取器とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願との相互参照
本願は、米国仮出願、出願番号60/317543、出願日2001年9月5日、"Apparatus for Analyte Assays"、出願番号60/364962、出願日2002年3月12日、"Multiplexed Assays Using Resonance Light Scattering Particles"、および出願番号60/376049、出願日2002年4月24日、"Signal Generation and Detection System for Analyte Assays"について優先権を主張する。これらは全てその全体を本願に引用する。
【0002】
本発明は一般に、検体のアッセイ測定から得られたデータを処理するための装置に関する。より詳細には、本発明は共鳴光散乱(RLS)粒子標識を有する試料の画像を収集し処理し分析するための装置を提供する。
【背景技術】
【0003】
結合対技術は生物医学的分析の多くの応用において重要な役割を担っており、環境科学、獣医学、薬学研究、食料・水質保全等の分野において重要性が増している。このような技術は試料の分子と分子識別に基づいた標識またはプローブとの間の、通常は可逆の、相互作用に依存する。相互作用は、例えばリガンドレセプタ結合イベントの特徴を有する非常に特殊なものであったり、あるいは非常に広範な結合能力を有する物質の使用を伴うものであったりする。
【0004】
低濃度(分析される試料の体積当たり約1ピコモル検体以下)、蛍光、等方、発光、化学発光、または電気化学発光での検体の検出のため、標識および付随する特定の検出方法がしばしば使用される。このような方法は、発光分子または光子生成イベントの数を何倍にも増幅することによって検体の低濃度の検出を達成することができる。しかしながら、これらの方法は多くの欠点を有しているため、検体の検出が複雑、困難で、時間がかかり費用の高いものとなっている。これらの欠点は特に、化学反応または酵素反応による干渉、汚染、複雑で幾つもの段階を徐々に進める分析手順、単一ステップの均質で非分離のフォーマットに適用が限定されていること、および高費用で精巧な計測器が必要となることなどの問題によるものである。
【0005】
近年、超顕微鏡的(典型的にはナノメートルサイズの)金属コロイド粒子を標識として用いるとりわけ有利な検体検出方法が開発されている。粒子の光散乱特性の検出および/または計測は、試料内の単数または複数の検体の存在、および/または量、または不在と相互に関連がある。このような技術を用いた検体検出、および検体アッセイを実行するための装置は、例えば、Yguerabide et al.の特許文献1および特許文献2、特許文献3および特許文献4に記載されており、それぞれは、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるものである。共鳴光散乱(RLS)技術として知られるこの技術に背後に隠れた基本原理の要素も、2つの刊行物・非特許文献1、非特許文献2に記載されている。これまでフルオレセインのような蛍光標識が用いられてきた状況を含む広範囲の状況に対しての応用が発見されている。その他のインベスティゲイター、例えば、Schultz et al.の特許文献5、Schultz et al.の特許文献6および非特許文献3は、光散乱粒子標識に対しての多くのこれらの特性および応用において報告されている。
【0006】
RLS技術は金属コロイド粒子の物理的特性に基づいている。これらの粒子は典型的にはナノメートルサイズであり、コヒーレントまたは多染光のいずれかで照射されると、共鳴光散乱として知られる電磁理論と合致した仕方で優先的に散乱入射光となる。超顕微鏡的RLS粒子によって生成される光は、これらの電子が入射電磁光と同位相で振動するときに生じる。その結果生じた散乱光は可視範囲にあり非常に強烈で、しばしば一標識当たりで比較すると蛍光よりも少なくとも数桁以上となる。強度および色のレベルは、粒子構成、サイズおよび形状によっておおむね決定される。
【0007】
蛍光標識の使用とは対照的に、検体が蛍光分子またはタグに結合し、その蛍光が検出される場合、RLSの背後の原理は、これら検体が照射光の波長よりも小さいサイズの少なくとも一つの検出可能な光散乱粒子に結合されることである。これらの粒子は、粒子によって散乱される光が検出できるような条件下で、ビームで照射される。したがって、これらの条件下で検出された散乱光は、試料内の単数または複数の検体の存在を示している。光照射および検出方法は、DLASLPD(Direct Light Angled for Scattered Light only from Particle Detected)と呼ばれている。
【0008】
特定の散乱光の適切な照射および最大の検出を確実にすることにより、単数または複数の検体の検出を極めて低濃度で可能にする高感度の検出方法が生まれた。実際、60nmの金粒子の光散乱力は、約500,000のフルオレセイン分子から放出される蛍光と等しい。懸濁液中で60nmの金粒子は散乱光の観察をとおして、濃度が10−15Mに至るまで、肉眼によって検出できることがわかっている。確かに、超高感度質的固相アッセイは肉眼で行うことができ、統合光度を用いて100μlの検体試料内のわずか10−18モルの検体の検出が可能になる。さらに、光学顕微鏡で見るときの500倍未満の倍率で人間の視力で単一粒子検出が可能である。例えば、個々の金粒子は簡単な暗視野照明を用いて研究用の顕微鏡で容易に見ることができる。
【0009】
RLS粒子のさらなる利点は、これらが光退色を行わないことであり、散乱光の色は、粒子構成また粒子サイズを変えることによって変えることができ、粒子は、特定の検体抗原またはDNA配列の検出のために抗体またはDNAプローブで覆うことができる。さらに、RLS粒子は、広範なダイナミックレンジを提供する:統合光度計測または目による直接観察の賢明な選択によって、検体は検体濃度の30年にわたる検出が可能となり、ダイナミックレンジの領域は粒子サイズを変えることによって調節することができる。またRLS粒子は、粒子計数法を介して超高感度が得られる例えば溶解状態または固相アッセイといった、均一アッセイに適合する。要するに超敏感定量アッセイが比較的単純な計測で実行することができる。
【0010】
それでもなお、RLS粒子は、粒子が励振源と同じ波長光を放出するため、従来のレーザ読取器では検出することができない。レーザ読取器は、蛍光分子から放出された光が励起光の波長よりも長い波長を有する、蛍光のストークスシフト現象に基づいている。レーザ読取器は、検出システムからの励起スペクトルを遮断するように設計されており、蛍光分子からの放出だけが検出器に感知されるようにする。したがって、既存のレーザに基づくシステムは蛍光標識法に合わせてあるので、特定の計測器がRLS粒子の標識を付されたマイクロアレイを分析するために発達してきた。
【0011】
要するに、RLS技術は信号または検体分子増幅を要求することなく低濃度の検体を検出することができる。さらに、上記の方法によれば、検体の検出のための簡略化された手順であって、当該技術分野におけるその他の方法に比較して試薬の量およびタイプが少ない手順が提供する。上記の方法は、また、異なるテストの数を大幅に減らすことができるので、費用の削減および消耗品、特に専門的な手段による処分を要する医学関連の消耗品の生産の低減につながる。上記の方法は、以下の技術に応用できることがわかっているが、これらに限定されるものではない。in vitro免疫検査;in vitroDNAプルーブアッセイ;遺伝子発現マイクロアレイ;DNA配列決定マイクロアレイ;タンパク質マイクロアレイ;免疫細胞学;免疫組織化学;in situハイブリッド形成法;多重化(多色)アッセイ;均一免疫、およびDNAプルーブアッセイ;およびマイクロ流体、免疫、およびDNAプルーブアッセイシステム。
【0012】
異なる粒子タイプからの特定光散乱信号が広範囲であることは、当業者が試料内の単数または複数の検体を高度の特定性でもって検出および計測することができることを意味する。2以上の異なる粒子タイプの高光学分解能力がある場合、複雑な装置を必要としない、試料内のマルチ検体検出(すなわち2以上の異なる検体の同時検出)を非常に簡単に行える可能性がある。さらに、測定可能性および検出可能性が高い光散乱特性を有する特定の粒子タイプを定義されたアッセイフォーマットにおいて使用することにより、上記の方法をマイクロアレイ技術およびその他の高性能技術にそのまま適用することができる。
【0013】
マイクロアレイの適用のために特に重要な分野は遺伝子発現解析である。発現解析における基本的問題は、関連しないアッセイおよびシステムのバリエイションを補いながらの遺伝子調節プロファイルの判定である。遺伝子調整プロファイルは、管理された実験条件の下で、遺伝物質の特定の試料が別の試料に関連して表現される程度を決定するのに使用される。しかしながら、独立したアッセイおよびシステムのバリエイションは、そのような比較表現研究において精度の妨げとなるように働くことがある。
【0014】
バリエイションのソースは実験に依存する。非特許文献4からの一般的な要因のリストは以下で本願に含んでいる。この要因のリストは、プルーブ、ターゲットおよびアレイの準備、交雑処理、背景およびオーバーシャイニング効果および画像処理から生じる効果における変動に対応するが、限定的なリストとする意図はない。
【0015】
金粒子サイズの僅かな増加により粒子の光散乱力(Csca)は大きく増加する。最大Cscaのための入射波長は粒子サイズとともに著しく増加し、散乱光度の大きさが著しく増加する。このことはさらに、白色光で照らした場合、同一の構成だがサイズの異なる、ある金属状粒子を散乱光の色によって同じ試料内で相互に区別することができることを示している。散乱光度の相対的な大きさは、散乱光に依存する色または波長とともに計測および使用することができ、同じ試料内の種々の粒子を、たとえ非常に非特異的な光背景を有する試料であっても、一層的確および敏感に検出することができる。
【0016】
したがって、RLS粒子標識フォーマットを有する試料の種々のフォーマットを収集、処理および分析することが可能な柔軟、高感度および自動化された信号発生兼検出システムの必要性が依然として残っている。そのようなシステムおよび方法が商業的に利用可能となれば、マイクロアレイ、バイオチップ、ゲノミクス、プロテオミクス、コンビナトリアルケミストリおよび高性能スクリーニング(HTS)を含む多くの応用分野において、広く適用することができ、また、研究及び産業にとって役立つものとなるだろう。
【特許文献1】米国特許第6214560号明細書
【特許文献2】国際公開第97/40181号パンフレット
【特許文献3】国際公開第99/20789号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開第60/317543号明細書
【特許文献5】米国特許第6180415号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第09/740615号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第60/376049号明細書
【特許文献8】米国特許第6395558号明細書
【特許文献9】米国特許第5599668号明細書
【非特許文献1】Yguerabide & Yguerabide, Anal. Biochem., 261: 157-176, (1998)
【非特許文献2】Anal. Biochem., 262: 137-156, (1998)
【非特許文献3】Schultz et al., Proc. Nathl. Acad. Sci., 97: 996-1-1 (2000)
【非特許文献4】Schuchhardt, J., Beule, D., Malik, A., et al., "Normalization Strategies for cDNA Micoarrays", Nucl. Acids Res., 28: e47, (2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、検体の多重アッセイのための超高感度信号発生兼検出システムを提供する。このシステムは、共鳴光散乱(RLS)粒子を用いた単純で効果的な検出を可能にし、信号発生兼検出装置がガラス、プラスチックおよび膜基板およびマイクロウエルプレートを含む種々の固相フォーマットにおける生物学的相互作用の計測および分析を促進するのを可能にする。幾つかの実施形態は、アレイとともに使用するためのものであり、特徴が高密度で含まれる大量のデータが単一のマイクロアレイからでさえ発生する可能性があることを考慮すると、マイクロアレイに用いられることに利点がある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、超顕微鏡的(ナノメートルサイズ)金属コロイド粒子の物理的特性に基づく。これらの粒子は、コヒーレントまたは多染光のいずれかで照射されると、共鳴光散乱(RLS)として知られる電磁理論と合致した仕方で優先的に散乱入射光となる。超顕微鏡的RLS粒子によって生成される光は、これらの電子が入射電磁光と同位相で振動/揺動するときに生じる。その結果生じる信号は可視範囲にあり非常に強烈で、しばしば一標識当たりで比較すると蛍光よりも少なくとも数桁以上となる。強度および色のレベルは、粒子構成、サイズおよび形状によって決定される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の信号発生兼検出システムの好ましい実施形態は、制御兼分析システム、信号発生兼検出装置、または読取器、および、読取器を制御し、RLS画像およびその他のデータを収集、処理および分析するためのコンパニオンソフトウェアを含む。読取器は、光の正確なパターンを試料に送るための独自のシャッタ/アパーチャアセンブリを有する照射システムと、コンピュータ制御のXYテーブルと、CCDカメラを含む検出システムとを含む。このシステムは手動または、RLS画像を生成、収集、処理および分析するためのソフトウェア指令およびアルゴリズムを介して操作することができる。例えば、制御システムは2以上の色の多重アッセイを実行して、例えば、ナノメートルの金および銀のRLS標識からの情報を含む検出された光の分離および解析を可能にする。
【0020】
本発明の他の実施形態において、液体が満たされた結像室が光散乱を減じて結像を最適化するために提供される。同様に、線形光結像は、線形レンズおよび試料ホルダの走査とともに用いることができる。別の実施形態において、低コストの光電増倍管またはフォトダイオードが低密度試料のための検出器として使用される。
【0021】
本発明のこれらおよびその他の特徴、側面、および利点は、以下の詳細な説明を添付図面とともに読むことで一層容易に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の装置および方法のための好ましい実施形態の構造および機能は、図面を参照することにより最もよく理解されるであろう。図面内の多数の箇所において同一の参照記号が現れる所では、数字はそれらの箇所において同一の、または対応する構造を指すものとする。本発明は好ましい実施形態と併せて記述されるが、当然ながら、本発明をそれらの実施形態に制限しようとするものではない。逆に、追加クレームにより明示されているように、本発明は、本発明の中に含まれ得る変更、修正、および均等物を保護しようとするものである。本発明の詳細に入る前に、以下の定義を規定する。この定義を規定するのは専ら読者の利便性のためであり、本発明の多様な実施形態を詳述する際に使用された用語を網羅するリストとみなすためのものではない。
【0023】
「光」とは、紫外線、可視光線、近赤外線、赤外線、およびマイクロ波の周波の電磁放射線をいう。
【0024】
「検体」とはアッセイで測定される物質をいう。一般に検体は物質の複合混合物の一つにすぎないが、研究員、技術者、またはその他の専門的職業の人にとっては明確な対象物質である。このような物質は有機物質であるのが好ましく、その物質が結合している粒子または標識の検出を介して間接的に検出されるのが好ましい。粒子との相互関係を介して検体を検出する場合は、その粒子は検体と結合できる可能性のある混合物または分子をその粒子上に固定化しているのが好ましい。幾つかの実施形態では、検体と別の種との間の相互関係が、その相互関係を限定的に検出するレポーター種を用いて間接的に分析される。例えば、固定化された抗原と第1抗体との結合(またはその逆の結合)は、抗原-第1抗体の複合体に特異である標識第2抗体を用いて分析することができる。ポリヌクレオチド間のハイブリダイゼーションに関する応用例では、混成物の存在を、二重鎖のポリヌクレオチドに対して特異的な臭化エチジウム等の色素を挿入することにより検出が可能である。このような状況において検出されかつ検体の存在と相互に関連しているのがレポーター種である。
【0025】
アッセイは、試料中で1つ以上の対象検体の存在を同時に検出することができる。アッセイはまた、例えば、対象の抗体、酵素またはその他のレセプタと結合するペプチドまたは他の混合物を識別するなど対象検体と相互に関係する複合化合物をも識別できることがある。粒子上に固定化した混合物がポリヌクレオチドの場合は、配列決定等のハイブリダイゼーションに基づく応用にアッセイを用いるのが特に有利である。その上、本発明に関して使用に適したアレイは、固定化した混合物と検体が別の物質を結合している場合の応用に限定されない。また、アレイは特定の化学的性質を触発する能力がある抗体など化学反応を触発する混合物を選別し識別するのにも使用できるし、対象レセプタに結合する混合物のように、検出可能な生体信号を発する混合物を選別し識別するのにも使用することができる。唯一の必要条件は、固定化した混合物と検体との相互関係から、空間的にアドレス可能で検出可能な信号が発生することである。このように、本発明は、当技術分野で記述されている無数の固相のコンビナトリアル・ライブラリ・アッセイ法のような、固定化した混合物のアレイまたはライブラリを活用するいかなる応用にも有効である。
【0026】
「光散乱粒子」という用語は、検体アッセイにおいて、標識として有効であるために十分強力に可視波長の光を散乱する粒子を指す。例えばこのような粒子は、本願明細書に記述されているような金属または金属状物質を有する。全ての粒子はある程度まで光を散乱するということが確認されている。
【0027】
本願明細書で使用するように、「アレイ」という用語は、単一の物理的な媒体(試料フォーマットまたはアッセイフォーマットとしても示される)、例えばスライド、チップ、または膜の、内部または表面の複数の部位を指す。試料フォーマットは、実質的に平坦な試料支持または試料結合面を有する固相物質であるのが好ましい。一つのアレイは、少なくとも50の別々の部位を有するのが好ましい。選択的実施形態では、アレイは6、8、10、20、100、200、400、800、または1000、5000、または10000の別々の部位を含むことが可能である。
【0028】
「アッセイフォーマット」という用語はアッセイの構成要素の物理的な媒体、または物理的な配置を指し、その内部、またはその表面で標識が検出され、および/またはそこから標識が検出用に放出される。アッセイフォーマットは試料フォーマットとしても示されることがある。種々のアッセイフォーマットには、例えばスライド、チップ、膜、96ウエルプレート等のマイクロタイタープレート、フローセル、キュベット、およびゲル(例えばポリアクリルアミドまたはアガロースゲル)のフォーマットが含まれる。本発明に関して使用される粒子は、溶液アッセイおよび固相アッセイの両方に適合する。溶液の場合、粒子は非常に細かい懸濁液を形成する。
【0029】
「スポット」および「特徴」という用語も部位を指すために使用される。複数部位をもつアッセイフォーマットに関して、スポットという用語はアレイ上の部位(すなわちスポット)を指すために使用されることになる。多くの場合、特徴という用語もこのように使用するが、他のフォーマットを指すために使用することもできる。
【0030】
本願明細書で使用するような、統合強度、統合光、統合信号等の用語は、瞬間的な光度の一般的な集光というよりはむしろ、ある時間中に対象領域にわたり集光された光を指す。したがって、集光の量は、対象領域、集光時間、その時間中の平均の光度、および集光器またはセンサの集光効率に依存することになる。
【0031】
次に図1を参照すると、本発明によるRLS信号発生兼検出システム10の好適な実施形態が、制御兼分析システム20と信号発生兼検出装置(読取器としても指示される)100を含んでいる。制御兼分析システム20は一般的に、少なくとも一つの計算装置30とユーザインタフェースとを含み、さらにこのユーザインタフェースはディスプレイ50と、キーボード60、マウス70および/または情報または命令を入力するためのその他の装置等の単数または複数のユーザ入力装置とを含む。このシステムは、例えば顕微鏡の接眼レンズ(図示せず)により、および/またはディスプレイ50により、試料信号の目視検査を実現することになるのが好ましい。
【0032】
代表的な実施形態において、計算装置30は、例えば1GHzまたはそれより速いインテル製ペンティウム・プロセッサ等の中央演算処理装置(CPU)と、揮発性メモリと、不揮発性メモリと、取外し可能メディアドライブ(CD-RWドライブ等)と、ユーザインタフェースおよび走査装置との通信のためのインタフェースバスとを備えたコンピュータシステムである。制御兼分析システム20は、信号発生兼検出装置100を制御して所定の応用の要求どおりにRLSの画像を収集、処理、分析するためにソフトウェア命令およびアルゴリズムを格納および実行するのに十分なリソースを備えた、任意のコンピュータまたはその他のプロセッサベースのシステムとすることができることは、当業者であれば理解するであろう。
【0033】
代表的な機器においては、ステージ、カメラ、フィルタ、画像補正および機器のセットアップ・メンテナンスルーチンを含むシステムの全機能を、読取器制御ソフトウェアが制御する。しかし、これらの処理の単数または複数を、手動により、または部分的な手動制御および/または計算により実行できることは明らかである。自動化された機器類に精通している人であれば、そのようなソフトウェアや関連したルーチンに精通し、特定の機器の設計に適したソフトウェアまたはコンポーネントルーチンを容易に選択したり書いたりすることができる。そのような読取器制御ソフトウェアは、バイアスフレームの補正、フラットフィールドの補正および機器の正規化等の、画像を修正および/または補正するルーチンおよびアルゴリズムを備えていてもよい。
【0034】
本発明の装置は、試料中の単数または複数の検体の検出および測定に適用するのが有利であり、特に、特定の組成、サイズ、および形状のタイプが複数ある粒子(RLSの粒子)の使用に基づいた検体の検出および/または定量法と、粒子の単数または複数の光散乱特性の検出および/または測定とに適用するのが有利である。ある種の実施形態はアレイを伴って使用するよう設計されるし、その高い性能密度と、単一のマイクロアレイからでも発生する可能性がある大量のデータに鑑みれば、特にマイクロアレイにとっては有用である。
【0035】
代表的なアッセイでは、本願明細書に記述されているように、または特許文献4および特許文献7に記載されているように、照射検出法による白色光下または同様の広帯域照射下での色の測定により、単数または複数のタイプの金属状粒子が試料中で検出される。例えば、直径40nm、60nm、および80nmのほぼ球状の金の粒子(結合剤で被覆されたもの、検体と結合したもの、溶液中に放出されたもの、もしくは固相と結合したもの)、および直径約60nmの銀の粒子は、各々の散乱光の固有色および/または強度を測定して各粒子のタイプを特定することによって、試料中で容易に検出および定量することができる。これはマイクロタイターのウエルまたはマイクロアレイチップ等の固相上で、または溶液中で実行することができる。溶液中での測定は、固相フォーマットの場合のようには粒子が空間分解しないため、一層複雑である。例えば一連の検出器を通過するように溶液を流すことにより、溶液中の種々のタイプの粒子を検出することは可能であり、それぞれの検出器は、スペクトルのもつ種々の波長または色の領域と、その各々の強度を測定するように設置される。選択的には、異なる粒子タイプを検出するため、フローシステムの有無に関わらず、照射および/または検出される一連の様々な波長を利用することが可能である。
【0036】
固相の分析的応用に関しては、粒子濃度によって粒子計数法から統合光度測定法に切り替えることにより、非常に広い濃度範囲の金属状粒子を検出し得る。粒子は単位面積当たりの粒子密度が極めて低いものから極めて高いものにわたって検出し得る。これは複倍率レンズシステムを機器に取付けることによって実現できるが、この複倍率レンズシステムは粒子計数法に必要な空間分解能を有し、最初に低倍率で試料をイメージして対象領域の統合強度を得、次に選択領域を高倍率で再イメージすることができる。
【0037】
アッセイの他の応用例では、ビーズ等の固体基板、またはウエル底部等の固体表面、またはそれに相当する他の装置に結合した粒子を、pH、イオン強度、または他の液体特性を調整することにより、溶液中に放出させることが可能である。屈折率が高めの液体を添加してもよく、そうすると溶液中で粒子の光散乱特性が測定される。同様に、光散乱特性を測定する前に、種々の手段により溶液中の粒子を少容量すなわち少領域に濃縮することが可能である。ここでも、測定する前に屈折率が高めの液体を添加することができる。
【0038】
本発明による代表的なシステムは、ジェニコン・サイエンス社(Genicon Sciences, Inc.)のユーザ用マニュアル「GSD501システム」(GSD501 system)、題名「GSD-501システム:RLSの検出兼結像機器」(entitled "GSD-501 System: RLS Detection and Imaging Instrument")で補足的に詳述されており、
www.geniconsciences.com/root/files/1280.pdfでそのまま利用可能である。
【0039】
図2に示すように、一つの好ましい実施形態による読取器100は、照射システム110、マルチフォーマット試料ホルダサブアセンブリ140、検出システム160、および電子制御装置170からなる。読取器100はまた、RS232またはイーサネットポート等の通信ポートと、電子制御装置170と制御システム20との間の通信用データポートをも具備していてよい。電源に接続すると、電力(例えば110〜240VAC、47〜63Hz、および3アンペア)が読取器の電源装置(図示せず)に供給される。適合可能であれば任意の電源装置を使用することができるが、好適な実施形態では出力が24VDCかつ4アンペアの電源装置を使用する。このようなポート/接続部の一般的な位置は、装置のバックパネル上である。ファンおよびフィルタされたエアインレットもまた、装置を冷やすためバックパネル上に設置されてもよい。
【0040】
照射システム110は、電子制御装置170からの命令に応答して、サブアセンブリ140によって保持されるスライドまたはその他の試料基板の任意の領域を照射するので、照射領域のRLS粒子は検出システム160によって検出することができる。電子制御装置170は、試料を検査するのに適した照射を提供するため、制御兼分析システム20と通信する。好適な実施形態では、図2Aに示すように、照射システム110は検出システム160の上方に設置される。ミラー126により、照射システムからの光が、マルチフォーマット試料ホルダサブアセンブリ140上の照射兼検出領域に対して約25度の角度で上方に方向付けられる。検出された粒子からの散乱光は下方に方向付けられ、好ましくは約45度でミラー168に反射して検出システム160に方向付けられる。
【0041】
図3にさらに詳細に示すように、照射システム110の照射光源112は、集束レンズ114を通過して光円錐116を形成する光を提供する。レンズ114は、例えば約20.6度の特定の角度θで、またはシャッタに配されたアパーチャを完全に照射するのに必要とされる十分な角度で、光円錐116を供するように形状が決められてもよい。特定の応用例によれば、光円錐116は任意で赤外カットオフフィルタ118および/または光学バンドパスフィルタ120を通過してから、シャッタ/アパーチャアセンブリ122のアパーチャを通過する。赤外線フィルタは、投影光に起因する試料の加熱を低減するために使用されてもよい。光学バンドパスフィルタ120は選択可能であり、フィルタホイール121上に支持されている。この光学バンドパスフィルタは、分析する試料およびフォーマットに適切な波長の光を選択するのに使用する。ホイールは、例えば450×70ナノメートル、565×70ナノメートル、および600×70ナノメートルのフィルタを支持していてもよい。結像レンズセット124は、照射ミラー126またはその他の導光システムへと光を集束させ、この照射ミラーまたはその他の導光システムがその集束光を方向付けて試料を照射する。
【0042】
光散乱構成において、光源112は、10Wのメタルハライドアークランプ等のアークランプを具備し得る。別の実施形態において、光は多色または単色、定常またはパルス、およびコヒーレントまたは非コヒーレントの光とすることができる。その光は偏光でも非偏光でもよく、望ましい入射波長帯に応じて、フィラメント電球、レーザ、または発光ダイオード(LED)等の低出力光源から発生し得る。選択的には、光はファイバーオプティック装置または液体ライトガイドを使用して供給されてもよい。いずれの構成においても、試料はエピ-またはトランス-のいずれかの手段によって、暗視野構成で照射される。照射は、例えば試料の表面から、または試料の後のその他の反射面から、検出光学素子への入射光の反射が生成されないような方法及び角度で試料へ導入される。好適な実施形態では、照射システム110は、所望の露出のために試料の特定領域に特定の光のパターンを精確に生成するよう、自動的に制御される。
【0043】
さらに別の実施形態では、照射源112として環状光源を実施してもよい。一例として、そのような光源は環状に配された複数のLEDを具備し得る(図6等を参照)。選択的には、環状リングライトはリング形をしたLEDを含んでいてもよい。複数のLEDを使用すると、それらは異なる強度および波長で組み合わされ、照射の対象領域に特定の波長の照射を供給するような調節可能な光源が生成され、その結果単数または複数のフィルタが不要になる。LEDの出力強度は少なくとも二つの方法、使用中のLEDの数を変更すること、および/または個々のLEDからの出力を調節すること、のいずれかにより制御可能である。出力は様々な方法により調節可能である。例えば、ロータリスイッチまたは電位差計に接続された抵抗ネットワークにより出力を制御することができる。選択的には、強度はコンピュータを経由して制御することができる。そのような出力制御回路、および/またはコンピュータ制御ソフトウェアおよびハードウェアは公知であり、本実施に直ちに適合されうる。単一リングのLEDとするよりは、さらに単数または複数のリングを、例えばホイール上に設けることで選択可能にして、使用することができる。多重のリングは、強度制御および/または色制御を可能にするために、別々にまたは一緒に使用することができる。
【0044】
強度制御は信号を最適化するためには特に有益である。例えば、検出器(例えばカメラ)が飽和状態にならずに都合よく信号検出するように、一つの照度または複数の照度を選択することができる。このような強度レベルは視覚フィードバックにより決めることもできるが、このフィードバックおよび強度設定はコンピュータ制御により実行するのが好ましい。この過程において信号の強度が読み取られ、信号の強度を増減するか、またはそのまま変化させないという必要に応じて照度が調節される。
【0045】
望ましい光のパターンを試料の選択領域に特別に生成する一つの手段は、シャッタ/アパーチャアセンブリ122である。シャッタ/アパーチャアセンブリ122は、露出の長さも制御する。図3および図4Aから図4Cまでに示すように、本発明の好適な実施形態では、必要なアパーチャをデリバリー光学素子へ提供するため、および光を遮断するための両方のために、アセンブリ122は、高速ステッピングモータ128およびエンコーダ130を使用して回転ドラム132を精確に位置決めする。回転ドラム132はモータ軸129上に取付けられ、エンコーダ130と協働するエンコーダホイール部131を具備する。代表的な実施形態では、モータ軸上のドラムを固定するために、ハウジング134内の開口部133を貫通して止めねじが取付けられてもよい。モータ軸の反対側では回転ドラム132は、周縁部の回りに半径方向に配された、フォトエッチングされた薄いアパーチャ等の数個のアパーチャ135を画定する。それぞれのアパーチャは異なる形状やサイズを呈し、試料の照射領域の精確な区分けと制御を可能にする。それぞれのアパーチャ135に対向して、ドラムは一層大きいクリアランスホール136を画定する。アパーチャ間の領域はドラムの不透明部で満たされ、この不透明部は光を遮断することができる。ハウジング134の開口部137および138は、光を通過させることができる。
【0046】
使用中、照射源112からの光は、モータ軸129の軸線に垂直にドラムへ方向付けられる。電子制御装置170(選択的には制御システム20も)の制御下で、モータ128はドラム132を回転して、あるアパーチャとそれに対応するクリアランスホールが照射源112と一直線に位置してアパーチャのパターンが試料の上に投影されるようにする。この回転は非常に高速に、例えば数ミリ秒程度で発生するのが好ましい。所望の露出に達するとモータ軸129が、好ましくは同じ方向に、回転して、ドラム132の中実の領域が光を遮断する。次の露出時には、モータを逆方向に回転させてこの過程を反復する。露出中にアパーチャ135を同一方向へ回転させることにより、照射パターンに対する先入れ先出し効果が生じ、短い露出において一層均一な照射が得られる。この運動の精確さはシステムパフォーマンスを最適化し、またエンコーダ130により制御される。このシステムは、0.040秒またはそれ以内の露出が可能であることが好ましい。選択的実施形態では、シャッタ/アパーチャアセンブリを、2つの別々のアセンブリ、例えばコンピュータにより制御されるマルチプルアパーチャアセンブリとベーンシャッタ等の別個のシャッタ装置とに交換して、間欠的に光を遮断し通過させることもできる。
【0047】
スライドまたはその他の試料運搬基板は、マルチフォーマット試料ホルダサブアセンブリ140により、一定の照射・検出領域にわたって移動する。基板ホルダ142は多種多様な試料収容基板を担持するオープン構造として、提供される。種々の基板を所定の位置で保持できるように、スプリングクリップまたはデテント141が提供されてもよい。図2に示すように、基板ホルダは、標本のスライドを支持するためのみに構成される。当業者には理解されることであり、以下でより詳しく説明されていることであるが、本発明の範囲から逸脱しなければ、他のタイプの基板ホルダが使用されてもよい。
【0048】
高精度のXYステージ144、146は、試料上の精確な位置で個々の画像を収集することが可能な移動を提供する。基板ホルダ142はキャリッジ143上に取付けられ、このキャリッジはXステージ144により運搬される。キャリッジ143は、様々な基板ホルダを容易に着脱できるように設計されるのが好ましい。Xステージ144はレール145を含み、キャリッジ143がその上に載る。エンコーダが制御されると、ステッピングモータ148がキャリッジおよび基板ホルダの位置を定めるパワースクリュー149を駆動する。Xステージ144は、Yステージ146上に取付けられ、Yステージのレール150上を運搬される。別のエンコーダが制御されると、ステッピングモータ152はパワースクリュー154を駆動して、Xステージ144をY方向に位置決めする。両ステッピングモータとも、電子制御装置170および総合的な制御システム20の制御下で動作する。代表的なXYステージは、数ある中でも例えば、コニックス・ステージ(Conix Stages)6400RPステージや4400LSステージ等のコニックス・リサーチ社(Conix Research)のステージ、プライア・サイエンティフィック社(Prior Scientific,Inc.)のオプティ・スキャン(OptiScan)ステージ、そしてアプライド・サイエンティフィック・インストゥルメンテーション社(Applied Scientific Instrumentation,Inc.)のステージを含む。
【0049】
X-Yステージ144、146の運動および光学システムの倍率の校正は、特別に設計され写真平版処理された校正スライドを利用することにより達成し得る。このようなスライドは、結像領域間の距離と、両ステージに対する検出システム160の方向性の解析に役立つよう設計されていることを特徴とする。ステージの校正スライドは、専門家の支援なしでもステージの位置決めが調整できるように、例えば読取器制御ソフトウェアに内蔵するなどして、自動化したソフトウェアルーチンと関連させて使用することができる。
【0050】
再度図2を参照すると、検出システム160は、検出光学素子162、検出フィルタホイール164、および電子センサ166を具備するのが好ましい。電子センサ166は、様々な設計、例えば通常カメラに備わっているCCDセンサ、CMOSセンサ、およびCIDセンサ等からなる。このセンサは、平均化センサまたは結像センサとすることができる。より低コストのシステムにするには、CCDまたはCMOSカメラが使用されるのが好ましい。センサはアンチブルーミングシステムであって、例えばCCDセンサ用横形オーバフロードレインを使用しているものがよい。好ましい実施形態では、センサは科学グレードの冷却型CCDカメラである。
【0051】
センサまたはカメラの出力を、可視化システムに直接送り込むことは可能であるが、信号を解析する制御兼分析システム20に方向付けて、対象領域での信号を認識および/または計量するのが好ましい。いずれの場合においても、画像および/またはその他の信号特徴は、電子的および/またはハードコピーで記憶することができる。このような記憶は様々な画像データに関して公知であり、フィルム、プリンタ出力、および様々なコンピュータ電子記憶媒体、例えばディスク、テープ、CD-ROM等を含む。
【0052】
要求される分解能によって、例えば5ミクロンの分解能では、一つの画像内のスライド全体を収集するためには6200万画素以上のCCDセンサが必要になるであろう。このような画像を処理するには、膨大なメモリおよび演算能力も必要となるであろう。しかし、CCDアレイ(またはその他のタイプのアレイ)は通常このような大きいサイズには利用不可能であり、またこのようなコンピュータの条件は現在のところ非現実的かつ高価である。したがって、本発明の好ましい実施形態では小さめのCCDを使用し、スライド全体にわたって複数のタイルを結像してから、これらをホストコンピュータ30上で画像処理ソフトウェアを使用して編成する。このサブ画像編成を実行するために、試料は精確なインクリメントでX方向およびY方向に移動するが、その移動は前述したように、マルチフォーマット試料ホルダサブアセンブリ140によって可能である。このような精確な移動をしなければ、画像のアーチファクトが取り込まれるか、または隣接する画像タイルを正確に揃えるために、相当量の画像解析が追加で必要になることがある。この移動は、好ましくは3μ未満の精度および繰返し性で精確にコンピュータ制御されるXYステージ144、146により達成される。
【0053】
複数のサブ画像を精確に編成して一つの合成画像にするには、X-Yステージの運動と、検出された試料の位置移動との空間的関係が明確にされなければならない。このことは少なくとも2つの手法によって達成し得る。一つの手法では、パターン化された画像のターゲットを、検出システムにより明確に検出できるように精確に配された目印を付して、像平面に配置する。ターゲットとなる画像が分析され、目印と画像内の画素数との空間的関係が決定される。このような関連から、X軸とY軸の両方におけるステージの必要な移動は、試料を一つの完全なフレームへ指数化するのに利用される。
【0054】
もう一方の好ましい手法においては、パターン化されたターゲットを、試料測定面と同一平面上にある基板ホルダ142のX-Yステージへ組み込む。パターン化されたターゲットは少なくとも一つの特徴、例えば、容易に検出可能である対照的な小さい黒丸等の特徴を含む。ターゲットとなる一つの画像を特定の位置で収集するために、自動化されたソフトウェアルーチンが使用されてもよい。その場合、X-Yステージは、種々の画像が収集される種々の領域内でターゲットを位置決めするように運動する。続いて複数の画像が分析され、ステージが動くよう命令された距離とその画像が検出された画素内の距離との関係が決定される。画像フレームの画素数が確定した後、ステージの動きと画像フレームとの空間的関係を決定することができる。精度を高めるために、例えば平均化による統計処理を用いて画像フレーム全体で数カ所にわたってこの行程を反復させてもよい。本願明細書で提供される教示に基づいた好適なソフトウェアルーチンは、当業者であれば考案することができる。
【0055】
検出光学素子162は、固定倍率のレンズ、好ましくは2×レンズまたは4×レンズ、または一層好ましくは多位置コンピュータ制御ズームレンズを含むことができ、オペレータが実験に必要な倍率を選択することが可能となる。固定倍率システムを用いることにより、光学解像度は、各画素のサイズおよびレンズの拡大率により画定される。これが基本倍率として画定されるが、通常は4×である。画像ファイルサイズを減らすため、より低倍率を選択することをユーザが希望した場合は、システムは典型的には画素の解像度変更を実行し、それにより2以上の画素の信号が合計されて効果的に各画素のサイズが増大し、一層低い解像度で画像が作成されることになる。
【0056】
この手法の不利点は、たとえ解像度が一層低くなっても、カメラが同じ視野を維持する結果、スライドを覆う画像の数が高解像度設定と同じになることである。仮に単なる画素の解像度変更をせずに、システムのレンズ倍率を例えば4×から2×へと変更することが可能であれば、視野は拡大し、スライドを覆う画像は一層少なくて済む。獲得する画像が少なくなれば、走査完了に要する時間が減少する。
【0057】
便宜上、現在の代表的なシステム設計に、2×および4×での2つの固定ズーム設定を取付ける。しかしながら、無数のズームレベルにはコンピュータ制御およびエンコーダフィードバックを備えることができる。最終的には、倍率は40×または60×程の大きさとすることができ、個々の粒子計数法を個々のスポット上で実行するのを可能にしてシステムのダイナミックレンジを増大させる。機器の設計には無限に調整可能なパラフォーカルズームレンズを採用するのが好ましい一方、光路内で機械的に切り替わって最終的なシステムの倍率を制御する2つ以上のレンズを備えた固定レンズシステムを採用してもよい。検出光学素子162はオートフォーカスアタッチメントを備えるのも好ましく、適切なソフトウェアルーチンに接続すると、カメラのレンズと試料との距離の差異に合わせて焦点を調節して試料基板の潜在的な製造バリエーションに一層良好に対処することができる。
【0058】
代表的な分析器/読取器100には、検出光学素子162とカメラ166との間の発光側に、第2フィルタホイール164も取付けられるのがよい。この第2フィルタ一式により、システムは制御またはその他の応用のために、RLS粒子に加えて蛍光も測定することが可能になる。励起フィルタホイールおよび発光フィルタホイールは独立したユニットであるか、または大きめのホイール一つに組み込まれており、このホイールは、照射および検出のパスに配され対向している発光フィルタおよび検出フィルタを有する。
【0059】
特定の実施形態では、試料を照射するために、同一の光源もしくは2つ以上の異なる光源のいずれか一方から発生する2つ以上の異なる波長が使用され、その結果散乱光信号が検出される。異なる波長は、通過する光がバンドパスフィルタ120を通ることにより供給される。選択的には、例えば図2のフィルタホイール164により、検出側で光学フィルタリングを実行し得る。好ましい手法では、測定する粒子のピーク散乱波長あたりに中心を合わせた10nm、20nm、30nm、または40nmのバンドパスフィルタを用いて、照射がフィルタにかけられる。代表的な配置においては、光路にコンピュータ制御フィルタホイールが設置され、様々なサイズまたは組成の粒子用に多数のフィルタを収容し得る。2つの異なるタイプのRLS粒子をもつ試料を結像するために、例えば2つ以上のフィルタを使用すれば粒子のタイプ毎の相対的寄与率を確定することができる。
【0060】
上述したように、図2の基板ホルダ142は、多数の選択的試料提示基板を支持してもよい。好適な実施形態において、読取装置100はDNAマイクロアレイおよびプロテインマイクロアレイに特に適用可能であり、このDNAマイクロアレイおよびプロテインマイクロアレイは、実質的には1×3インチのガラスまたはプラスチックの顕微鏡用スライド上にスポットされるか、96ウエルマイクロタイタープレート内でパターン化されるか、または固定膜上にスポットされている。このように基板ホルダ142は、着脱自在な挿入物を考慮して設計され、したがって特定の応用例において望ましい基板用の種々のホルダを収容することが可能である。例として、1×3インチのスライド270を4枚まで同時に収容するよう設計されたスライドを図2で示す。別の選択的実施形態を図5に示す。マイクロタイタープレートホルダ180は、単数または複数のマイクロタイタープレート、例えば96または384ウエルクリアボトムマイクロタイタープレートである。他の実施形態では、基板ホルダ142は、ホルダ内部に取付けるために適した領域さえあれば複数の膜キャリアプレート(図示せず)を収容する。したがって、例えば膜ホルダは、1、2、4、6、8、またはそれ以上の膜キャリアを収容するような大きさにしてあり、またそれ以外のキャリア数の場合でも同様である。また、膜キャリア板間に浄化液を使用するための対策を講じることもできる。マルチフォーマット試料ホルダ142が、従来の、または注文設計であるいかなる他の試料数、試料タイプ、または試料サイズ、または試料基板をも支持できるように構成されることを、当業者なら理解するであろう。代替となる試料容器または試料基板は、試験管、毛管、フローセル、マイクロチャネル装置、キュベット、ディップスティック、または、液相試料または固相試料を支持する他の容器を含む。好ましい手法では、試料ホルダの設計は他のオートメーションコンポーネントによる着脱を容易にし、より大きい試料処理システムへの統合を可能にする。
【0061】
マルチフォーマット試料ホルダサブアセンブリと選択可能な回転アパーチャドラムという新奇な組合せにより、フォーマットが異なる試料、例えばスライド、マイクロタイタープレートおよび膜またはその他を分析する独特の性能と、単一の機器とが提供されることが、当業者により理解されるであろう。例えばマイクロタイタープレートの複数の試料には、種々のサイズの平方または円形の照射が必要な場合があるのに対し、スライドまたは膜上のスポットには、特定のサイズの平方の照射領域が必要な場合がある。種々のマイクロタイタープレートを使用する際には、照射領域を、ウエルのサイズに対応する大きさ、すなわち好ましくはウエルよりやや小さめにする必要がある。様々な照射条件は、回転ドラムのアパーチャにより、上述のように異なるアパーチャへドラムを回転するだけで容易かつ迅速に満たすことができる。このように、実験は、フォーマットのタイプ間で同一装置を用いて効果的に変更することが可能である。加えて、迅速かつ容易にアパーチャドラムを交換できることにより、機器の汎用性はさらに拡大し、したがって使用可能なフォーマットの数がさらに増大する。
【0062】
本発明のマルチフォーマットの態様が、上述した特定の光散乱粒子の検出の応用に限定されるものでないこともまた当業者には理解できよう。例えば別の照射技術には、構成済である少なくとも一つの回折格子または光学格子を含有する、実質的には平面である基板の使用を伴う。回析格子に調和した特定の角度で入射光が提供される際、その光は平面的な基板にカップリングされ、この基板は表面上またはその周囲に感知しにくい領域を作り出し、その基板表面上では、特定の検体に結合した標識が検出用に励起されるか、または照射される。このような技術の例は、特許文献8および特許文献9に記載されており、その全体を参照により本明細書の一部とする。また散乱光検出に加え、蛍光法、発光法、または化学発光法、電子化学発光法等の他の検出システムが、マルチフォーマット試料の提示に対応するように、当業者により本発明の教示に基づいて設計されてもよい。
【0063】
RLS検出用の装置の他の実施形態においては、図6のように、光源が、暗視野照明を提供するように方向付けられた光出力を伴い、試料の近くにリング状に配置される。さらに具体的には、環状光源200は、数個の白色または有色LED204を支持するハウジング202を備え得る。ハウジング202は、顕微鏡またはCCDカメラ等の観察装置または検出装置の対物レンズ越しに置かれるよう構成される。その後ハウジングを介してターゲット領域206で散乱光の暗視野画像が観察される。試料表面上の照射ターゲット領域206に特定の波長の照射を提供するために、調節可能な光源を作製するような様々な波長および強度で複数のLED204が組み合わされ得る。各LEDは、放射光の焦点および方向を制御する単数または複数のレンズ208と関連付けられるのが好ましい。LEDは視野上に合わせて集光し、散乱光が検出される。
【0064】
一般にこのような実施形態におけるLEDは、照射光がアパーチャを通過するように配置することもでき、それによって別途検出器が感知し得た迷光を制御することができる。アパーチャの大きさ、位置、および形状は、対象となる望ましいスポットまたは領域のみが照射可能となるように選択される。アパーチャの位置および/または形状は制御可能であり、例として上述したようにコンピュータ経由でなされるのが好ましい。LEDからなるリングは一重よりはむしろ、もう一重またはそれ以上追加したほうが使用できる。全てのLEDは、同一スポットを照射するよう方向付けられるのが好ましい。多重のリングは、強度制御および/または色調節を提供するために、個別にまたは合わせて使用することができる。光源112の別法に関連して前述したように、強度と波長の制御を実行してもよい。
【0065】
本発明の別の態様では、RLSを検出するために浸漬タンクが提供される。図7に示すように、システム300は浸漬タンク302を含み、この浸漬タンクは、液体を封入した試料装置室304を画定する。この室は複数の隣接する表面306を含み、その表面の少なくとも一つは室304の中の液体と一致する屈折率を有する光透過性の表面である。室304内には、光散乱粒子標識が結合した試料を含む試料保持装置308が設置される。試料装置は液体に浸漬し、光散乱標識が光源310からの単数または複数のビームにより照射され(前述のように)、このビームは光透過性の表面306を介して方向付けられる。光源310からの光は、試料ホルダ308の軸に対して約45度の固定した角度で試料上に投影され、粒子によりセンサ312のほうへ散乱するか、または試料ホルダ308を介して進行し、裏面を通って抜け出す。センサ312により散乱光が検出されるが、例として上述したように、このセンサはCCDカメラおよび関連の光学素子を具備しているのが好ましい。光源およびセンサに対向して複数の黒体室314が設置される。これらは別々の室であるのが好ましい。
【0066】
試料を浸漬することにより、照射が42度の臨界角を超える角度においてもガラス溶液からは屈折せず試料保持装置308を貫通することが可能になる。溶液のもう一つの利点は、ダスト粒子からの背景散乱が減少することである。閉鎖システムにおいては、水溶液は実際にタンク302へ注入され、保持装置308からのあらゆる混入物を除去するフィルタを介して再循環されうる。角柱形タンクがあれば、タンク壁の一つに対して垂直な、レンズに対して45度での試料への照射が可能になる。ここで留意すべきことは、照射角度は、検出レンズに進入しない限りは45度丁度でなく何度でもよいということである。出射光は、センサ312が試料保持装置308に垂直な2つの壁を介して画像を取り込む間に反対側の壁を抜け出す。照射からの出射光は、不要な背景散乱を減少するためセンサ壁の反対側から遮蔽される。
【0067】
好ましい実施形態においてタンク302は、好ましくは六角形もしくは八角形である室304を備え、少なくとも三つの光透過性の表面を有するような多角形として配置される。六角形の形は、光が試料ホルダ308を越えて室304を通過する際に散乱または屈折するのを防止し、また反対側に出るまで室304を後退するのを防止する。照射ビームの入出射口は、タンク表面に垂直であり完全にセンサ312の視野外であるため、これら2つの界面における散光は、感知される画像にはもたらされない。
【0068】
図8に示すように、さらに好ましい実施形態においては、室304は細長い室であり、試料保持装置306の奥行きより内部の幅が相当短くなるように形状が決められている。光をアレイに供給しかつ画像をカメラへ伝送するために2つのプリズムが使用される。このような室は、室内で大量の液体を使用することなく液体中における照射および検出を可能にし、どの粒子からの液体中への散乱の可能性をも最小限にする。反射面316は過剰照射318の方向転換を可能にし、散乱光320に対するセンサ312の感度を増大する。
【0069】
図9を参照すると、さらに別の読取機器350が、1×3インチのスライド等の単一の基板、またはRLS粒子で標識した他の基板352を走査するよう設計される。基板352は、その基板の並進運動および精確な位置決めを可能にする常法(図示せず)によって支持されてもよい。機器350は、基板352の裏側354で検出されたアーティファクトを排除することを可能にする。読取機器350は、線形照射アセンブリ356および検出アセンブリ358を具備する。検出アセンブリは、前述したものと同様のCCDカメラ360および結像レンズ362を備えるのが好ましい。ただし本実施形態においては、カメラ360は線形CCDカメラであるか、もしくは選択的には、散乱光の集束ラインを検出するためのCMOSセンサである。照射アセンブリは、例えば光を生成するための照射光源364と、円柱レンズ等のライン発生器366を含み、このライン発生器は照射光源からの光のライン368を生成する。上述したような照射光源を利用することは可能であるが、本実施形態ではレーザ光源が好ましい。
【0070】
線形照射アセンブリ356を、基板表面370に対して斜めに、すなわち約45度に配置する。検出器360は、結像レンズ362を用いてスライド352の上面370に焦点を合わせる。測定表面が最大照度をもつように、基本照射ライン368にそって照射を集中するのが好ましい。反対側の表面にある照射入口372(出口でもある)は、検出器360により収集される線分374の視野外であるため、デブリまたはアーティファクトがスライド352の裏面354上に散乱する光は結像されない。スライド全体は、照射兼検出領域でスライド352を移動することにより走査するのが好ましい。選択的実施形態では、基板352は比較的に固定しており、照射アセンブリ356と検出アセンブリ358が基板にそって直線的に移動する。
【0071】
アセンブリ356のさらなる実施形態では、検出器は複数の列を長手方向に有し、プリズムまたは回折格子を使用して試料から離散スペクトルへの入射光を分割することができる。この手法では、空間的情報が検出器の長軸で、スペクトルの情報が短軸で収集される。各測定点に対して2つ以上のスペクトルが収集され、それがさらに各位置内で複数の標識を確定するために使用される。この手法には、多重波長レーザまたは広帯域スリットソースランプが使用されることになる。
【0072】
本発明で前述した実施形態は、完成され得る実験の的確さ、および柔軟性において多くの利点を提供する。このことは、中、高密度のアレイからのRLS粒子の信号に関連する応用例に関して特に当てはまる。また一方、マイクロアレイにおけるスポットがわずか10個から20個であるものには、多くの興味深い応用例がある。例えば、現段階で特定の癌に確認されている抗原を検出する臨床法を開発している科学研究所では、有効な臨床的指標を提示するスポットはごく僅かしか使用しないことがある。RLS粒子と標識されたこのような低密度アレイに関し、比較的安価なフォトダイオード検出器、または光電子増倍管(PM)検出器の全域にわたり各スポットを手動で走査するような簡易な散光検出システムがあれば、RLS検出システムを使用できる研究所の数を増大させるような低コストの機器が可能になる。この信号発生兼検出技術の応用を用いて実験を行い、これを開発することを希望するが、より高価な装置を使用する余裕のない研究所にとっては、これによりRLS技術が手の届くものになる。さらに、このようなRLS装置は低コストになる可能性があり、かつ持ち運びのできる性質であるため、研究所外での使用、すなわち実地テストに適した装置となる。
【0073】
さらに、免疫組織化学、in situハイブリッド形成法、および細胞表面のレセプタの研究等のRLSの応用には暗視野顕微鏡が使用可能であろう。このような応用例においては、比較的高レベルの倍率、例えば20-100×、またはそれ以上の倍率が使用され得る。追加として、検出器からみて試料の反対側に照射光源を設置する透過照明の構成が一般には採用されることになる。
【0074】
一般に、現在のマイクロアレイにおけるスポットは、スポット用機器を用いて置かれたものか、または手動分注によるものかどうかによって、直径が20ミクロンから1または数mmまでの範囲をとる。もっとも、1mm未満の直径のスポットを形成させることは可能であり、幾つかの応用例では有利なこともある。さらに、あるスポットにおけるRLS粒子の空間分布は不均一であり(すなわち、粒子はスポットの至るところにむらなく分布することができない)、また、特定のマイクロアレイのスポットがすべて厳密に同一サイズをとらない場合もある。マイクロアレイにおいて、スポットからの散乱光度を測定するための非結像機器は、マイクロアレイのこれらの誤差発生状況すべてに対応するのが好ましいということになる。
【0075】
このような低コストおよび低強度のアレイにおいて極めて有効であるために、機器は多数の特性もしくは特徴を発揮するべきである。第一に、機器は、マイクロアレイの各個々のスポットの散乱光度を、他のスポットからの干渉なしで測定できるべきである。マイクロアレイのスポットの直径は20ミクロンから1または数mmの範囲であり、かつスポット間の縁から縁までの距離または間隔は、200ミクロン以下がよい。第二に、機器は、(a)RLS粒子の空間分布における不均一性の影響、および(b)既定のアレイにおけるスポットの直径のばらつき、を最小限に抑えるために、スポット全体からの統合光度(スポット全体からであり、そのスポットの小領域のみからではない強度)を測定できるべきである。次に、機器は、広い強度範囲にわたる集束光度を検出する能力を有するべきであり、4ディケードの光度を検出する能力があれば好ましい。加えて、最低約0.005粒子数/mの粒子密度をもつスポットの散乱光度を測定できるほど高い感度を有するべきである。また、検出器の光の感知領域にある各個々のスポットを容易に整列できるべきである。
【0076】
したがって、本発明のさらなる選択的実施形態において、比較的低コストである機器400は、暗視野顕微鏡、または、検出用にフォトダイオードまたは光電子増倍(PM)管を組み合わせた光学機器を使用している。図10に示すように、機器400は照射光源402を含み、この照射源により、対物レンズ404とプリズム406を介して基板ホルダ408上へ集束される光ビームは暗視野画像を作成することができる。特定の様式においてプリズムは省略することができる。前述のように、いかなる照射光源を採用してもよいが、小さめの機器においては光ファイバ光源が有利である。画像を像平面412に集束するために、試料ホルダ408に関してプリズムの反対側に第2対物レンズ410が設置される。画像は接眼レンズ414によって検出器416に集束される。検出器416は、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、または光電子増倍管であるのが好ましい。検出器416は、感度が良好で、しかし比較的安価な電流-電圧変換器418と通信するのが好ましく、この電流-電圧変換器はフォトダイオードまたはPM管からの電流信号を測定する。電流-電圧変換器418からの電圧信号の強度をディジタル電圧計420が読み取る。ディジタル電圧計420は市販の比較的安価な構成部品であってもよい。
【0077】
好ましい電流-電圧変換器は、以下の特徴をもつ従来の低雑音演算増幅器LF441を備える:入力バイアス電流--50pA、入力雑音電流--0.01pA/√Hz、電源電流--1.8mA、入力インピーダンス--1012ohms、および内部調整済みオフセット電圧--0.5mV。好ましいフォトダイオードは、光起電力の作動用に最適化された超低雑音、低周波のフォトダイオードであるPIN-5DPフォトダイオード(UDT Sensor Inc.)である。その重要な特性は以下の通りである:検知領域--5.1mm(直径2.6mmの円形の領域)、感度--0.12A/W(400nm)、0.4A/W(632nm)、0.6A/W(970nm)、および雑音等価入力--3.4×10-l5W/√Hz。好ましい光電子増倍管は1P28PM管で、以下のような特性を有する:スペクトルの応答範囲--185から680nmまで、ダイノード数--9、管直径--1-1/8、最大陽極電流--100μA、陽極・陰極間の最大電圧--1250V、陽極感度--2.4×10A/W、および1000Vの陽極・陰極間電圧に対し5×10の電流増幅率(1000VDC)および5nAの陽極暗電流。
【0078】
測定値を得るためには、低密度のマイクロアレイガラスまたはプラスチックスライド(または小さいウエルプレートでも良い)を試料ホルダ408に配置する。そしてアレイ内の各スポットまたはウエルを、顕微鏡対物レンズの視界内をくまなく手動走査する。検出器416が各スポットから統合RLS強度を検出する。検出器からの電流信号は電圧信号に変換され、それをディジタル電圧計422で読み取る。最終結果は、電圧で表示された各スポットの統合強度である。
【0079】
機器400の最も基本的な形態では、コンピュータもしくは高価なソフトウェアは必要としない。機器400のもう一つの形態は、オプションとして代替コンピュータ422を用いて、検出器416から直接に、または他の電子機器構成部分の一つを通して、信号を読むものである。膨大な画像データの転送は必要ないので、このコンピュータを用いた機器400の形態は、フォトダイオードまたはPM管からの信号をディジタル化するのに、アナログ-ディジタル変換盤の付いた廉価なコンピュータを用いてもよい。それに必要なソフトウェアは、平均的当業者でも本明細書中の説明をもとに用意することができる。もう一つの可能性は、コンピュータの代わりにソフトウェアが埋め込まれたコンピュータチップを用いることである。
【0080】
上記のように、機器400は、暗視野顕微鏡とこの顕微鏡の接眼レンズに取付けられたフォトダイオードとを使用する。本機器のもう一つの形態では、顕微鏡は用いない。代わりに、顕微鏡対物レンズ410と接眼レンズ414が管に据え付けられ、フォトダイオードやPM管等の検出器416が接眼レンズ414に取付けられる。後者によって、より一層簡単で廉価な機器の組み立てが可能となる。
【0081】
機器400を利用するには、第2対物レンズ410の前の適切な位置にスポットを手動で置く。このレンズは像面412(典型的に対物レンズの肩から約160mm)にスポットの拡大画像を形成する。対物レンズ410の倍率(例えば4×、10×等)は以下のように選択されるのが好ましい。すなわち、(1)顕微鏡接眼レンズを通してスポットを見る時、(接眼レンズを通して見た)対物レンズの視界をスポットが極力多く占める、ただし同視界からはみ出さない範囲内で、そして(2)マイクロアレイ内の他のスポットが視界にない。この配置によって、本質的に、一つのスポットを、マイクロアレイ内の残りのスポットから隔離し、そのスポットの外の領域からの背景信号を最小限にすることができる。例えば、40×対物レンズで見た直径300ミクロンのスポットは、対物レンズの像面では直径12mmとなる。代表的フォトダイオード(PIN−5DP)の感光領域の直径は約2.6mmである。(感知領域がもっと大きいフォトダイオードも求めることができる。)このフォトダイオードを拡大画像の中心に置いた場合、それは、アレイ内の300ミクロンのスポット上の僅かな領域に該当する、直径12mmの画像中の僅かな領域からしか強度を検出しないであろう。このような配置では、フォトダイオードはスポットからの統合光度を検出せず、スポット中の僅かな領域からの強度しか測定しないだろう。従って、測定された光度は、スポットの様々な直径や不均一性によって、誤差が生じやすい。
【0082】
これらの問題を避けるために、10×対物レンズを用いて拡大画像を縮小する。すなわち、このレンズの焦点を拡大画像に合わせ、2mm未満の直径を有するスポットにまでそれを縮小する。次いで、フォトダイオードの感光領域をその縮小した、焦点を合わせたスポット上に位置させる。焦点を合わせたこのスポットはフォトダイオードの感光領域(直径約2.6mm)よりも小さいので、フォトダイオードはスポット全体から統合散乱光度を測定する。機器400においては、対物レンズ410はこのようにマイクロアレイ内の他のスポットから特定のスポットを隔離するのに役立ち、接眼レンズ414はフォトダイオード検出器がスポット全体から強度を測定できるように拡大画像を縮小するのに役立つ。
【0083】
上記のように、直径300μmのスポットが一例として用いられた。他のサイズのスポットに関しては、そのスポットの寸法よりも僅かに大きい、しかし大き過ぎない視界を有する対物レンズを選ぶという点を除いて、測定論理は同じである。以下の表は、種々のパワー(倍率)を有する対物レンズの視界を示す。
【表1】

【0084】
検出器416の表面上の縮小画像のサイズは、対物レンズ410の倍率に対してあまり敏感に反応せず、縮小画像は、対物レンズの倍率がいずれであっても検出器の感光領域内に留まっている。(縮小のために使用された10×接眼レンズは、暗視野顕微鏡中で用いられている、三眼顕微鏡のフィッシャー・マイクロマスターI顕微鏡に付属している広視野の接眼レンズである。もちろん他の接眼レンズの使用も可能である。)
上記のように機器400は、従来の暗視野顕微鏡の使用が好ましい。暗視野顕微鏡は、典型的なものとして、10×接眼レンズ2つ(左右の目に一つずつ)が付いた観察口と、縮小接眼レンズとフォトダイオードが据え付けられた検出口から成る。検出口の接眼レンズは、観察口の接眼レンズと同じ距離だけ対物レンズから離れた位置に置く。この配置によって、観察口に見える画像と視界は、検出口に見えるものと同じとなる。従って、スポットが、観察口から見て正しい位置に置かれ焦点が合わせられた時、スポットはフォトダイオードによる検出にも適した位置に置かれたこととなる。
【0085】
機器400を用いて特定のスポットから統合散乱光度を測定する手順は、以下のように要約される。
【0086】
a.マイクロアレイガラスまたはプラスチックスライドを暗視野顕微鏡の載物台に置く。
【0087】
b.×4対物レンズでマイクロアレイを観察し、所望のスポットが観察口の接眼レンズの視界内に入るまでスライドを手で移動させる。スポットに焦点を合わせ、それを視界の中心に置く。
【0088】
c.スポットが視界よりも僅かに小さくなるような対物レンズを選択する。
【0089】
d.スポットに焦点を合わせ光学的中心と幾何学的中心を一致させる。
【0090】
e.観察領域を検出口に移動させる顕微鏡レバーを引く。
【0091】
f.フォトダイオードからの信号を高入力インピーダンス電圧計で読む。
【0092】
試料ホルダ408の手動操作を容易にするために、このホルダを適切な位置に置くためのフレーム(図面に示していない)を用意してもよい。それによって、手で簡単に処理できる。そのフレームは、試料ホルダ408の手動操作を容易にするだけではなく、スポットが対物レンズ410の視界内に置かれた後に(滑って)動くのを防ぐ。
【0093】
一般的に光電子倍増(PM)管は、フォトダイオードよりもはるかに広い検出表面を有する(1P28PM管で約8mm×24mmの検出領域、そして他のPM管では検出領域がそれよりも広い)。従って、PM管の検出表面は、それが顕微鏡対物レンズ410によって作られた拡大画像のかなりの部分を、その画像を縮小する必要なしに、検出するのに十分広い。従って、PM管の検出表面を像面412上に置き、縮小することなくスポットのかなりの部分から散乱光度を測定することができる。しかしながら、そのような配置は非常に視野深度が大きく、多量の迷光を検出してしまい、その結果大きな背景信号が生ずる可能性がある。迷光検出を最小限にするためには、視野深度を制限するためPM管の前に開口(図面に示していない)を設けることが有益である。対物レンズの像面に設けられた開口の直径は、その拡大画像よりも僅かに大きいものでなければならない。選択的には、フォトダイオード検出器に関して同じ配置をして、3mmの開口を通して縮小スポットの強度を検出することもできる。この代替法は、フォトダイオード検出でも光電子倍増管検出でも光学面の配置が同じなので、好ましいかもしれない。それゆえ、フォトダイオード検出からPM検出への変更、またはその逆も、検出器を交換するだけで容易にできるのである。
【0094】
実際には、フォトダイオードと同様の配置(接眼レンズでの縮小)をPM管での検出に用いてもよい。しかしながら、PM管それ自体を縮小画像上に置くのではない。代わりに、ファイバーオプティック光ガイドを通して画像からの光を捉える。この光ガイドは、統合画像強度をPM管に伝える。光ガイド(長さ48インチ、直径3mm)の入口は、接眼レンズによって作り出された焦点の合った縮小画像の上に据える。光ガイドの出口における光は、PM管によって検出される。光ガイドは本質的に、スポットの縮小画像の焦点のところで直径3mmの開口としての機能を果たし、光をPM管へと誘導する。
【実施例】
【0095】
実施例I--フォトダイオード検出器での散乱光度の測定
上記の検出システムのフォトダイオード形式を用いて、マイクロアレイ上の80nmの金スポットを測定した。マイクロアレイは以下のようにカルテシアンスポッターを用いて準備した。OD(554)=210の80nm金粒子懸濁液をゼラチン1%とDMSO25%の2つのファクターを順に用いて希釈した。それからこれらの溶液を、金粒子密度が次のスポットへ行く毎に2倍ずつ減少する一連のスポット内で、80nmの金粒子を見つけるのに用いた。スポットはカルテシアンスポッターで被覆され、直径が約300ミクロンあった。スポット内の粒子の分布は、暗視野顕微鏡で観察すると非常に均一的であった。空中と水中のスポットは、通常の緑っぽい色ではなく黄色い金散乱光色を放った。(異なる屈折率の環境下でRLS粒子の光散乱特性を変調するための原則に従って、ゼラチンでできた若干のアレイでは、アレイは、洗浄後水中では緑色の散乱光を示すが、空中ではなおオレンジ色である。フィコルを用いて作られたアレイでは、空中と水中での色は洗浄前はオレンジだが、洗浄後は、アレイ散乱光は水中では緑で空中では黄色がかった緑であることが観察された。)本実験では、光散乱スペクトルはゼラチンによって摂動を受けるという事実は、関心の対象ではない。アレイは単に、粒子密度が順次2倍ずつ減少する金粒子スポットの源として使用されるにすぎない。洗浄した時スポットから離れる粒子もあるが、大した量ではない。空気にさらされた各スポットからの統合散乱光度は、上記のように暗視野顕微鏡中でフォトダイオードにより測定された。スポットは白光で照射された。以下のような結果が得られた。
【表2】

【0096】
これらのデータは、上記検出器が、網羅的に最適化することなく、かつ実験上の誤差の限界内で、広範囲の粒子表面密度にわたって、非常に良好な正確さと直線性だけでなく高レベルの感度を提供できることを示している。感度の下限は背景迷光によって決定されるのであって、フォトダイオード検出器の暗電流によってではない。
【0097】
実施例II.A PM電流を電圧に変換するのに負荷抵抗器を使用した(オペアンプ電流-電圧変換器は使用しない)RLS金粒子アレイからの散乱光度測定--負荷抵抗器に接続した1P28PM管の直線性の試験
これらの測定において、散乱光度は上記のように1P28PM管で測定したが、このPM管の陽極を電流-電圧変換器に接続する代わりに、負荷抵抗器RLを通して単に接地した。負荷抵抗器は電流-電圧変換器として機能する。電圧は、負荷抵抗器に接続した高入力インピーダンス・ディジタル電圧計で読み取れる。負荷抵抗器は、外部に(PMハウジングの外側に)陽極(信号停止)BNCコネクタに取付けられた。
【0098】
単純な負荷抵抗器を電流-電圧変換器の代わりに使用することは、PM管からの電流信号を測定するのに非常に簡単で廉価な方法であり、PM管の高い増幅能力(650高電圧に対して約5×10)によって可能となっている。負荷抵抗器を通る電圧は、PM管陽極における電流Iaに関係しており、以下の式で表される。
【0099】
V=Ia×RL
電流-電圧変換に負荷抵抗器を使用することは非常に簡単であるが、(先のセクションで述べた陽極電流の限界のみならず)以下のような限界がある。通常の操作では、ダイノード9(最終ダイノード)とPM陽極の間に電圧差Vadがある。この電圧が、第9ダイノードで発生した信号電子がPM陽極で集まる原因となる。この電圧差は、ダイノード抵抗回路網によって与えられ、次の式が当てはまる。
【0100】
Vad=In×3.3×10
上記式中Inは連鎖抵抗回路網を流れる電流であり、陽極は接地(零)電圧であると想定した場合である。3.3×10 はダイノード9と接地間の連鎖抵抗の数値である。PM管の増幅はVadの数値の変化に敏感に反応する。陽極電流がオペアンプ電流-電圧変換器を通して測定される時、陽極は電流が陽極抵抗器を流れている時でも接地電圧(零電圧)に保たれている。しかしながら、電流が陽極に接続された負荷抵抗器で測定される時、陽極はもはや接地電圧ではなく、負荷抵抗器中の電圧と同じ電圧を有する。10μAのような高PM電流は、1M陽極負荷抵抗器内に10Vの電圧降下を引き起こす。それからこの電圧は、第9ダイノードと陽極間の電圧を10V減少させ、その結果PM高電流で非線形応答が発生することがある。
【0101】
PM管で検出された光度は、非線形応答を招来しないPM電流より低く保たれる。PM応答が非線形状になるようなPM電流を特定する方法の一つは、陽極負荷抵抗器RL中に例えば10V生じるようにPM管を照射することである。そして、1OD濃度フィルタ(×10減光器)を照射路に差し込み、RL中の電圧が10倍降下するかを観察する。この方法を用いれば、直線状範囲にあるRL中の最大電圧を特定することができる。以下の表は、直線状領域にある最大RL電圧を特定するのに後者の方法を用いて得た結果を示す。これらの測定では、RLは1M。暗電流は0.8mVであった。
【表3】

【0102】
上の表の結果は、表中の比率の差約13%は、濃度フィルタの位置決定における実験上の誤差によるものであるという想定下で、RL中のPM信号電圧が、RL電圧最低8.5Vまでは、直線状をなしていることを示している。1P28PM管に対する陽極電流の条件は以下のように要約される。
【0103】
a.陽極電流は、ダイノード抵抗回路網中の電流の1/20を超えてはならない。
【0104】
b.陽極電流は、PM負の高電圧1000Vにおいて100μAを超えてはならない。
【0105】
c.電流-電圧変換器でではなく負荷抵抗器でPM電流を測定する時、負荷抵抗器中の電圧は約8〜10ボルトよりも大きくてはならない。
【0106】
光電子倍増管に関して上に述べたように、フォトダイオード光電流もまた、オペアンプ電流-電圧変換器の代わりに単純な負荷抵抗器で測定可能であることは、留意すべきことである。しかしながら、ここにおいてもまた、光電流によって抵抗器内に生じた電圧は、フォトダイオードからの光電流と逆方向の電圧を生み出し、非線形応答を引き起こす可能性がある。
【0107】
実施例II.B 陽極負荷抵抗器に接続した1P28PM管と高インピーダンス・ディジタル電圧計を使用した、RLS金粒子アレイからの散乱光度測定
次の表は、1M陽極負荷抵抗器に接続した1P28PM管を使用して得た、散乱光度vs粒子密度の数値を示す。負荷抵抗器中の電圧信号は廉価な高入力インピーダンス・ディジタル電圧計ウェイブテクDM78で測定した。これらの測定に使用したアレイは、オペアンプ電流-電圧変換器に接続したPIN5DPフォトダイオードに使用した上記のものと同じである。
【表4】

【0108】
上記データは、上記検出器が、網羅的に最適化することなく、かつ実験上の誤差の限界内で、広範囲の粒子表面密度にわたって、非常に良好な正確さと直線性だけでなく高レベルの感度を提供できることを示している。感度の下限は背景迷光によって決定されるのであって、PM検出器の暗電流によってではない。PM管はフォトダイオードよりもはるかに高い光検出感度を有する。従って、OD=1の光学濃度フィルタは、PM陽極抵抗器中の電圧信号を、最も高いアレイ信号に対して約9ボルト未満に保つために、PM管の前に据えられた。
【0109】
実施例III--陽極がオペアンプ電流-電圧変換器に接続された1P28PM管を使用した、RLS金粒子アレイからの散乱光度測定
次の表は、オペアンプ電流-電圧変換器に接続した1P28PM管を使用して得た、散乱光度vs粒子密度の数値を示す。これらの測定に使用したアレイは、オペアンプ電流-電圧変換器に接続したPIN5DPフォトダイオードと、負荷抵抗器に接続した1P28PM管に使用した上記のものと同じである。
【表5】

【0110】
上記データは、上記検出器が、網羅的に最適化することなく、かつ実験上の誤差の限界内で、広範囲の粒子表面密度にわたって、非常に良好な正確さと直線性だけでなく高レベルの感度を提供できることを示している。感度の下限は背景迷光によって決定されるのであって、感度の下限は背景迷光によって決定されるのであって、PM検出器の暗電流によってではない。PM管と電流-電圧変換器の組み合わせは、非常に高い光検出感度を有する。OD=2の光学濃度フィルタは、従って、電流-電圧変換器が飽和しないためにPM管の前に据えられた。
【0111】
実施例IV--上記3つの検出方法によって得られた結果の比較
上記3方法によって得られたデータ間にどれほどの相関関係があるかを決定するために、この3方法によって得られた強度vs粒子密度データを比較するのに、2つの方法を用いた。以下の略称を用いることとする。
【0112】
"強度PMOPAMP"=オペアンプ電流-電圧変換器に接続した1P28PM管で測定した散乱光度
"強度PMRL"=負荷抵抗器に接続した1P28PM管で測定した散乱光度
"強度フォトダイオード"= オペアンプ電流-電圧変換器に接続したPIN5DPフォトダイオードで測定した散乱光度
2つの方法とは以下の通りである。
【0113】
1.方法1
この方法では、一つの検出器で測定した強度vsその他の検出方式のうちの一つで測定した強度をグラフ上に記入する。それら2つの検出方式の相関関係がよければ、図中の点は一直線上にあるはずである。
【0114】
"強度PMOPAMP"vs"強度PMRL"の自然・対数表を視覚的に検分してみると、グラフ上の点が一直線上におさまるのが分かった。 "強度フォトダイオード"vs"強度PMRL"の自然・対数表を視覚的に検分してみると、グラフ上の点が一直線上におさまるのが分かった。
【0115】
2.方法2
この方法では、"強度PMRL"の強度を"強度PMOPAMP"の強度に対して正規化し、双方の強度を比較する。正規化は以下のように実施する。まず、"強度PMOPAMP"vs"強度PMRL"グラフの曲線の当てはめをし、次の式ができる。
【0116】
"強度PMOPAMP"=7.186*"強度PMRL"
次に、"強度PMRL"の強度を7.186で掛ける。これによってPMRL強度の数値が本質的にPMOPAMP強度の数値に対して正規化される。最後に、"強度PMOPAMP"と7.186*"強度PMRL"との強度からのパーセント差を次の式を用いて計算する。
【0117】
パーセント差=("強度PMOPAMP"−7.186×"強度PMRL")*100
"強度PMOPAMP"
"強度PMOPAMP"と7.186*"強度PMRL"vs粒子密度のグラフを視覚的に検分してみると、2組のデータ間の一致は非常によいことが分かった。これらの図から、図上の点をつないだ虚線に関する強度の揺らぎは、両組のデータにおいて同じであり、これは、揺らぎがマイクロアレイ内のものであって、検出システムにおけるものではないことを示しているということを、留意すべきである。
【0118】
本明細書中に述べられている方法および装置は広い用途を持つことを、当業者なら認識するであろう。これらの方法・装置は、検体を定量し、および/またはその有無を検出するアッセイシステムの一部として、信号発生兼検出システムを使用することが望ましいほとんどの状況に対して、1つまたは別の形態で応用し得る。このような検体としては、全てのタイプの工業用および薬剤化合物、蛋白質、ペプチド、ホルモン、核酸、脂質、炭化水素、ならびに全ての種類の生物細胞および有機体等がある。本発明の1つまたは別の実施態様は、全ての種類の診断的アッセイで通常用いられる、ほとんどのアッセイ方式に適する。これらには、例えばサンドイッチ型、凝集型、間接式もしくは直接式等の異種アッセイ方式および同種アッセイ方式等が含まれる。試料型は液相、固相、混合相のいずれもあり得る。
【0119】
本明細書中に述べられている装置は広い用途を持つことを、当業者なら認識するであろう。これらの装置は、検体を定量し、および/またはその有無を検出するアッセイシステムの一部として、信号発生兼検出システムを使用することが望ましいほとんどの状況に対して、1つまたは別の形態で応用し得る。このような検体としては、全てのタイプの工業用および薬剤化合物、蛋白質、ペプチド、ホルモン、核酸、脂質、炭化水素、ならびに全ての種類の生物細胞および有機体等がある。本発明の1つまたは別の実施態様は、全ての種類の診断的アッセイで通常用いられる、ほとんどのアッセイ方式に適する。これらには、例えばサンドイッチ型、凝集型、間接式もしくは直接式等の異種アッセイ方式および同種アッセイ方式等が含まれる。試料型は液相、固相、混合相のいずれもあり得る。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明による検体アッセイ用信号発生兼検出システムの斜視図である。
【図2】蓋を取除いた図1の信号発生兼検出システムの読取装置の略平面図である。
【図2A】図2の読取装置の略側面図である。
【図3】図2の読取装置の照射システムの断面略図である。
【図4A】図3の照射システムのシャッタ/アパーチャアセンブリの斜視図である。
【図4B】図4Aのシャッタ/アパーチャアセンブリの断面図である。
【図4C】図4Aのシャッタアセンブリの回転ドラムの斜視図である。
【図5】図2の読取装置の平面図であり、マイクロウエルプレートを備えたマルチフォーマット基板ホルダを示す。
【図6】低コストのRLSに基づく分析器とともに用いられるLEDリング照明器および関連するハウジングを示す略断面図である。
【図7】RLS検出用に適した六角形液浸タンクの略図である。
【図8】RLS検出用に適した低容積液浸タンクの略図である。
【図9】線形照射および検出を備えた選択的読取装置の略図である。
【図10】フォトダイオードまたは光電子増倍検出器を有する選択的読取装置の光学素子の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光散乱粒子標識分析用装置であって、
分析用試料を示す基板を保持するように適合された基板ホルダと、
前記基板ホルダおよびそこに示される試料に向けられた光源を含む照明システムと、
前記基板ホルダおよび照明システムと協働して試料内の粒子から散乱する光を検出する光検出器を含む散乱光検出システムとを含む装置。
【請求項2】
前記基板ホルダが少なくとも2つの異なる試料提示基板を保持するように構成され、その異なる基板が異なる照明領域要求を有し、
前記照明システムが、異なる基板それぞれに要求される照射領域を生成するように構成された可変アパーチャを含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記基板ホルダが、複数の取り外し可能な挿入部を含み、それぞれが異なる基板を保持するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記基板が、チップ、スライド、マイクロタイタープレート、膜キャリア、試験管、毛管、フローセル、マイクロチャンネル装置、キュベット、ディップスティック、液または固相試料を保持するためのコンテナからなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記照射システムがさらに、アパーチャと、基板の照射領域と一致するように成形された輪郭および領域で前記アパーチャを通過する光を集束する集束光学素子とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記アパーチャが、光の入口のための第1直径の少なくとも一つの開口部を画定する要素を含み、前記要素が光に応じて開口部を変えるように回転可能に取付けられることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記要素が複数の開口部を画定し、それぞれが、選択された基板照射領域に対応するアパーチャを提供することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記アパーチャがさらに、
モータと、
モータから延びて要素が取付けられる軸と、
前記要素と協働して要素と開口部との角度位置を決定するエンコーダとを含むことを特徴とする、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記要素がドラムを含み、前記ドラムが前記第1直径開口部に対向する第2の一層大きい直径の開口部を少なくとも画定し、第2開口部が光の退出を可能にすることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ドラムが複数の入口および出口開口部を画定し、それぞれが対となって、選択された基板照射領域に対応するアパーチャを提供することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロファイルおよび領域がマイクロタイタープレートウエルの平底照射領域と適合することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項12】
前記プロファイルおよび領域がアレイの多角形照射領域と適合することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項13】
前記プロファイルおよび領域がマイクロプレートウエルの円領域と適合することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項14】
前記基板ホルダおよび画像検出システムが協働して基板の少なくとも一部をスキャンして複数のサブ画像を提供し、前記複数のサブ画像が結合されて一つの合成画像を形成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
画像検出システムと通信して前記合成画像を生成するプロセッサをさらに含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
基板ホルダ、照射システムおよび検出システムと通信する制御システムをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記基板ホルダが、集合して一つの合成画像となる複数の画像タイルを作成するために、基板を照射システムに関して正確に位置決めするためのXおよびYステージを含み、
前記基板ホルダが、検出される画像である平面に配置された結像ターゲットを含み、
前記検出システムが、前記結像ターゲットを含む2以上の位置で画像をキャプチャし、各画像タイルを合成画像に正確に集合させるためにXおよびYステージの移動の校正を可能することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記照射システムが、光学透過型流体充填タンクに向けられた少なくとも一つの光源を含み、前記基板ホルダがその中に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記タンク内の流体と前記タンクの光学透過部分とが、少なくともほぼ一致した屈折率を有することを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記照射システムが、ターゲット照射領域に焦点を合わせられた複数の発光ダイオード(LED)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記LEDが、光検出システムの対物レンズの上に設置されるように適合された中空円筒ハウジング内に支持されることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記ハウジングが、無関係の光の検出システムへの侵入を減じるように構成および寸法された狭い部分を画定することを特徴とする、請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記照射システムが、基板上の照射領域に沿って光の線を形成する光源を含み、前記検出システムが、光の集束線を検出するためのセンサを含むことを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項24】
光検出器が視野を有し、前記光源が、試料と対向する基板を退出する光が光検出器の視野の外となるように選択された角度で照射線が試料に現われるように構成および寸法されることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記検出システムが、光電子増倍、フォトダイオードまたは電荷結合素子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記光源が整調可能な光源であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記検出システムがさらに多重倍率検出レンズを含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記照射システムが広帯域光源を含み、前記装置がさらに、照射システムまたは検出システムの少なくとも一つに配置される複数の個々に選択可能でスペクトル的に識別力のある光フィルタを含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項29】
前記照射システムが広帯域光源を含み、前記装置がさらに、照射システムまたは検出システムの少なくとも一つに配置される少なくとも一つの整調可能なLCDでスペクトル的に識別力のある光フィルタを含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項30】
2以上の倍率が低倍率での関心領域からの統合強度値をキャプチャするのに利用され、その結果一層高い倍率での粒子計数を実行することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
統合強度および粒子計数ルーチンが、統合強度および粒子計数からのデータを組合せて標識の測定可能な範囲を広くする自動ソフトウェアルーチンを用いて実行されることを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
複数の種々のフォーマットの試料提示装置のいずれかを受容するように構成および寸法された基板ホルダと、
前記基板ホルダと協働する検体検出システムとを含むマルチフォーマット検体アッセイシステムであって、前記検出システムが前記複数の種々のフォーマットの試料提示装置のいずれかにおいて提示される試料内の検体を検出するように構成可能であることを特徴とするシステム。
【請求項33】
前記複数の種々のフォーマットの試料提示装置が、チップ、スライド、マイクロタイタープレート、膜キャリア、試験管、毛管、フローセル、マイクロチャンネル装置、キュベット、ディップスティック、液相または固相の試料を保持するためのコンテナのうちの少なくとも2つを含むことを特徴とする、請求項32に記載のマルチフォーマット検体アッセイシステム。
【請求項34】
前記検体検出システムが、光散乱システム、蛍光システム、発光システム、化学発光システムまたは電気化学発光システムの内の一つであることを特徴とする、請求項33に記載のマルチフォーマット検体アッセイシステム。
【請求項35】
前記ホルダが、種々の試料提示装置を保持するように構成された複数の種々の挿入部のいずれかを受容することを特徴とする、請求項34に記載のマルチフォーマット検体アッセイシステム。
【請求項36】
前記検出システムが、
前記基板ホルダとそこに提示される試料とに向けられた光源を含む照射システムと、
前記基板ホルダおよび照射システムと協働して試料内の粒子から散乱する光を検出する光検出器を含む散乱光検出システムとを含むことを特徴とする、請求項33に記載のマルチフォーマット検体アッセイシステム。
【請求項37】
前記照射システムがさらに、種々の試料提示装置の各々のための照射要求に対応した照射領域を生成するように構成された可変アパーチャを含むことを特徴とする、請求項36に記載のマルチフォーマット検体アッセイシステム。
【請求項38】
環状リング光源を含む照射システムと、
光検出器を含む散乱光検出システムとを含む、光散乱粒子標識試料分析用装置であって、
試料を収容した基板が前記装置に提示されると、前記光源が試料に光を提供し、前記検出器が前記試料に関連するあらゆる光散乱粒子から散乱する光を検出することを特徴とする装置。
【請求項39】
前記環状リング光源が、発光ダイオード(LED)リングを含むことを特徴とする、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記光源が、種々の色の光を生成するLEDを含む整調可能な光源であることを特徴とする、請求項38に記載の装置。
【請求項41】
光源を含む照射システムと、
液浸タンク試料装置室と、
光検出器を含む散乱光検出システムとを含む、光散乱粒子標識試料分析用装置であって、
試料装置が前記試料装置室内に提示されると、前記光源が前記試料装置に光を提供し、前記検出器が前記試料装置上の試料に関連するあらゆる光散乱粒子から散乱する光を検出することを特徴とする装置。
【請求項42】
液体を収容する構造をもたらす複数の隣接する面であって、少なくとも一つの前記面が光学透過面であるものと、
前記構造内の液体と一致する屈折率と、
光散乱粒子標識が結合される試料装置とを含む、光散乱粒子標識試料分析器用に構成された液浸タンク試料装置室であって、前記試料装置が前記液体に浸され、前記光散乱標識を前記光学透過面を介して方向付けられたビームによって照射することができることを特徴とする試料装置室。
【請求項43】
前記試料装置室が少なくとも3つの光学透過面を備えた多角形を含むことを特徴とする、請求項42に記載の試料装置室。
【請求項44】
前記多角形が八角形であることを特徴とする、請求項43に記載の試料装置室。
【請求項45】
前記試料装置室が前記試料装置の長さよりも実質短い内幅を有するように構成されていることを特徴とする、請求項42に記載の試料装置室。
【請求項46】
基板支持部の第1側面上に配置され、支持部によって担持される基板上に光の線を生成するように構成された照射組立体と、
第1側面上に基板よりも上に配置される検出システムとを含み、前記検出システムが散乱光の集束線を検出するように構成される光散乱粒子標識分析用装置。
【請求項47】
照射組立体が、基板の上面に沿って光の線を集束させるように構成された光源および円柱レンズを含むことを特徴とする、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
検出システムが、基板の上面に焦点を合わせられた検出器を含み、基板内に延びてその反対側の面よりも前で終る視野を画定することを特徴とする、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
基板ホルダと、
基板ホルダ内に配置された基板の第一側面上にビームを集束させて暗視野像を作成するように構成された照射システムと、
基板ホルダにおいて基板ホルダの反対側の第2側面上の暗視野像を観察するように構成された検出システムとを含み、前記検出システムが散乱光度に応答して電圧ベースの信号を生成する光検出器を含む光散乱粒子標識分析用装置。
【請求項50】
前記光検出器が、電圧変換器および電圧計と通信するフォトダイオードまたは光電子増倍管を含み、前記フォトダイオードまたは光電子増倍管によって電圧変換器に入力される電流信号から電圧信号を読み取ることを特徴とする、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
照射システムが、光源と基板ホルダとの間に配置される対物レンズを含み、
検出システムが、光検出器と基板ホルダとの間に配置される対物レンズを含み、前記光検出器の正面に像平面を提供することを特徴とする、請求項49に記載の装置。
【請求項52】
分析される試料を収容する基板を保持するための手段と、
試料を照射するための手段と、
前記試料に現われる粒子によって散乱する光を検出するための手段とを含む、光散乱粒子標識試料分析用装置。
【請求項53】
前記保持するための手段が、複数の種々の試料提示装置を受容して前記装置を像平面上に配置するように適合されたオープン構造を含み、前記種々の試料提示装置の各々が異なる照射領域を有することを特徴とする、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記オープン構造がキャリッジに取付けられ、前記キャリッジが前記像平面に沿った二次元の並行移動のための第1および第2ステージに取付けられることを特徴とする、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記照射するための手段が、前記像平面に焦点を合わせられて、試料提示装置に対応した種々の照射領域を提供するように構成された光源を含むことを特徴とする、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記照射するための手段がさらに、種々の試料提示装置の各々に対して対応した照射領域を生成するように構成された可変アパーチャを含むことを特徴とする、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
前記可変アパーチャが複数の入口および出口開口部を画定する回転可能要素を含み、前記入口開口部が第1直径のものおよび光の入口のためのものであり、前記出口開口部が光の出口のための第2の一層大きい直径のものであり、前記入口および出口開口部が対となって、選択された試料提示装置照射領域に対応したアパーチャを提供することを特徴とする、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記要素がドラムであることを特徴とする、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記検出するための手段が、試料からの散乱光を受容するCCDカメラを含むことを特徴とする、請求項52に記載の装置。
【請求項60】
照射するための手段が環状リング光源を含み、
検出するための手段が光検出器を含むことを特徴とする、請求項52に記載の装置。
【請求項61】
前記環状リング光源が発光ダイオード(LED)リングを含むことを特徴とする、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記光源が、それぞれに色付けされた光を生成するLEDを含む整調可能な光源であることを特徴とする、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
照射するための手段が、光源と基板を保持するための前記手段を取囲む液浸タンクとを含み、
検出するための手段が、光検出器を含むことを特徴とする、請求項52に記載の装置。
【請求項64】
液浸タンクが、液体を収容する構造をもたらす多数の隣接する面を含み、少なくとも一つの前記面が光学透過面であり、
屈折率が一致する液体が前記タンクに収容され、
保持するための手段によって基板が前記液体に浸され、前記基板上の試料内の光散乱粒子が前記光学透過面を介して光源から方向付けられたビームによって照射されることを特徴とする、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記タンクが少なくとも3つの光学透過面を備えた多角形を含むことを特徴とする、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記タンクが、前記基板の長さよりも実質狭い内幅を有するように構成されることを特徴とする、請求項64に記載の装置。
【請求項67】
照射するための手段が、保持するための手段の第一側面上に配置され、保持するための手段によって担持される基板上に光の線を形成するように構成され、
検出するための手段が第1側面上の基板よりも上に配置され、前記手段が散乱光の集束線を検出するように構成されていることを特徴とする、請求項52に記載の装置。
【請求項68】
照射するための手段が、基板の上面に沿って光の線を集束させるように構成された光源および円柱レンズを含むことを特徴とする、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
検出するための手段が、基板の上面上に焦点を合わせられる光検出器を含み、基板内に延びて反対側の面よりも前で終る視野を画定することを特徴とする、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
照射するための手段が、保持するための手段内に配置された基板の第1側面上にビームを集束させるように構成されて暗視野像を作成し、
検出するための手段が、基板ホルダにおいて基板ホルダの反対側の第2側面上の暗視野像を観察するように構成され、
検出するための手段が、散乱光度に応答した電圧ベースの信号を生成する光検出器を含むことを特徴とする、請求項52に記載の装置。
【請求項71】
前記光検出器が、電圧変換器および電圧計と通信するフォトダイオードまたは光電子増倍管を含み、前記フォトダイオードまたは光電子増倍管によって電圧変換器に入力される電流信号から電圧信号を読み取ることを特徴とする、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
照射するための手段が、光源と保持するための手段との間に配置された対物レンズを含み、
検出するための手段が、光検出器と基板ホルダとの間に配置された対物レンズを含み、前記光検出器の正面に像平面を提供することを特徴とする、請求項70に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−281571(P2008−281571A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137426(P2008−137426)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【分割の表示】特願2003−526062(P2003−526062)の分割
【原出願日】平成14年9月5日(2002.9.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(502221282)インヴィトロジェン コーポレーション (113)
【Fターム(参考)】