説明

内照式表示装置、及び時計装置

【課題】 表示板を二枚備える内照式表示装置において、光源をよりコンパクトとしつつ、表示板を均等に照明することである。
【解決手段】 時計部25は、表示板1及び2と、発光ダイオード6が付設され表示板1と2との間に配置される光源基板5とを備えている。発光ダイオード6を、そのランプ部分が光源基板5の周端部より外側に位置するように設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に設けられた光源により表示板を照明する内照式表示装置、及び時計装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文字や数字を表示する装置には、内照式表示装置を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。この内照式表示装置では、外表面に文字等をあしらわれた表示板に対する内側に照明用の光源が設けられており、この光源により表示板の裏面側から外方を向く表示板の表面を照明し、表示板の文字等を視認できるようにされている。
【0003】
また、特許文献1に開示された表示装置にあっては、表示板が二枚設けられており、これらの表示板に対する内側に設けた蛍光灯により、表示板の裏面側より表示板の表面を照明するようにされている。また、特許文献1に開示される表示装置では、二つの表示板をより均等に照明するべく、光源として蛍光灯を二本配置し、さらに表示板と光源との間に積層された複数枚の光拡散フィルムを設け、光拡散フィルムの外形を光源に近づくにつれて小さくする等している。
【特許文献1】実開平5−45778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記特許文献1に開示された装置のように、光源として蛍光灯を用いると、光源及び光拡散フィルムを配置するための多くのスペースを必要とし、また光源を動作させるための消費電力が増大する。また、表示板を二枚設ける場合には、これらの表示板を均等に照明するように、光源を配置する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、表示板を二枚備える内照式表示装置等において、光源をよりコンパクトとしつつ、二つの表示板を均等に照明することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る内照式表示装置は、透光性を有し、表面に文字乃至数字が表示され各々の裏面が向い合うように対向して配置された一対の表示板と、
多数の発光ダイオードが付設され前記一対の表示板の間に配置される一枚の光源基板と、を備え、
前記発光ダイオードより放射された光が前記表示板の裏面から入射して前記表示板の表面を照明するようにされており、
前記発光ダイオードは、そのランプ部分が前記光源基板の周端部より外側に位置するように設けられていることを特徴としている。
【0007】
本発明によると、光源として発光ダイオードを用いるので、光源をコンパクトにできる。そして、発光ダイオードを、そのランプ部分が光源基板の周端部より外側に位置するように設けるので、ランプ部分より放射された光を光源基板によって遮ることなく、一対の表示板の各々の方向に導くことができる。これにより、発光ダイオードにより一対の表示板の各々を照明するにあたり、照明効率を高めることができる。また、一対の表示板の双方をより均等に照明できる。
【0008】
前記発光ダイオードを、前記ランプ部分の先端が前記光源基板の周端部から該光源基板に沿って真っ直ぐ外方に延在する方向を向くように配置することができる。これにより、発光ダイオードより放射された光を前記一対の表示板のいずれか一方に偏らせることなく、一対の表示板の双方をより均等に照明することができる。
【0009】
また、前記多数の発光ダイオードを、前記光源基板に放射状に等間隔で列設することができる。これにより、光源としての照明の均一性を与えることができる。これにより、一対の表示板の各々をより均一に照明することができ、表示を見やすくできる。
【0010】
また、前記光源基板を、前記一対の表示板の略中間の位置に配置することができる。これにより、一対の表示板の双方をより均等に照明することができる。
【0011】
また、前記発光ダイオードとして、前記ランプ部分の先端より該ランプ部分の長手方向に沿った真っ直ぐの方向が最も輝度が強い指向性を有するものを設けることができる。これにより、一対の表示板の双方をより均等に照明することができる。
【0012】
また、前記表示板の裏面に拡散反射層を形成することができる。これにより、表示板の裏面に入射した光のうち、表示板に入射しなかった光を拡散反射させることができる。これにより、表示板の表面を照明するにあたって、より均一に照明することができる。
また、前記一対の表示板の周端部の位置に対応させて枠体を設け、前記発光ダイオードと対向する前記枠体の内面に拡散反射層を形成することができる。これにより、前記発光ダイオードの光を一旦前記枠体の内面で拡散反射させて表示板の裏面に入射させることができ、表示板の表面を照明するにあたって、より均一に照明することができる。
【0013】
また、本発明の第二の観点に係る時計装置は、前記文字乃至数字が時間を表すため用いられるものである前記内照式表示装置のいずれかと、
前記一対の表示板の一方の表面側に設けられ、各々が前記数字を指し示して時間を表すための一の短針及び一の長針と、前記一対の表示板の他方の表面側に設けられ、各々が前記数字を指し示して時間を表すための他の一の短針及び他の一の長針と、前記短針及び長針を回転駆動する時計ムーブメント手段と、を備えている。
【0014】
この発明の時計装置によると、前記一対の表示板の双方をより均等に照明することができ、時間の表示を見易くすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、光源として発光ダイオードを用いるので、光源をコンパクトにすることができる。そして、発光ダイオードにより表示板を照明するにあたり、照明効率を高めることができる。また、一対の表示板の双方をより均等に照明することができる。これにより、一対の表示板のいずれについても、その表示を見易くすることができる。また、発光ダイオードを設けた一つの光源基板で一対の表示板を照明するため、全体として消費電力を抑えることができる。また、照明効率が良いので、個々の発光ダイオードに流す電流値を小さくでき、個々の発光ダイオードの寿命を延ばすことができ、長期間均一に明るく表示板を照明することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について、図1乃至図6により説明する。本発明の一実施形態である内照式表示装置は、本発明の一実施形態である時計装置30に応用されている。図1は、時計装置30を正面方向から眺めた状態を表す正面図である。図2は、時計装置30を右側方から眺めた状態を表す側面図である。
【0017】
図1、2に示すように、時計装置30は、時計部25と支柱部26を備えている。支柱部26は、時計部25を固定して支持する。支柱部26は大地Gに対して垂直をなす上下方向に沿って配設される。
【0018】
支柱部26は、その上端に時計部25が取り付けられており、時計部25を下方から支持している。支柱部26の下部は、地中に埋設され、地中に固設されている。支柱部26は、安定して大地に支持されるように、支柱部26の下部の長手方向に沿った一定寸法の部分が地中に埋設されている。これにより、支柱部26は、上端に付設される時計部25を安定して支持することができる。また、時計部25の上部には支持部27を介して太陽電池28が設けられ、時計部25の電源としての図示しないバッテリーを充電する。
【0019】
時計部25は、時間を知らせるための時計盤が二つ設けられており、正面側の時計盤と背面側の時計盤とが設けられている。正面側の時計盤は、図1、及び図2におけるD1に示すように時計装置30を正面方向から眺めて、時間を目視できるように設けられている。一方、背面側の時計盤は、図2におけるD2に示すように、時計装置30を背面方向から眺めることにより、時間を目視できるように設けられている。
【0020】
次に、時計部25について図3により説明する。図3は、時計部25を詳しく示した図である。図3は、図1のA−A線断面図であり、時計部25の内側を向かって左側方から眺めた状態における一部断面を含む断面図である。
【0021】
以下に説明する時計部25は、第一の長針15、第一の短針16、第二の長針17、第二の短針18、第一の時計ムーブメント19、第二の時計ムーブメント20を備えており、時計として機能するようにされている。これらの時計として機能させるための部材を時計部25より除くと、本発明にかかる内照式表示装置の一実施形態を実施することができる。
【0022】
図3に示すように、時計部25は、第一のガラス板11と、第二のガラス板12と、外側フレーム21と、第一の表示板1と、第二の表示板2と、第一の長針15と、第一の短針16と、第二の長針17と、第二の短針18と、第一の時計ムーブメント19と、第二の時計ムーブメント20と、光源ユニット7と、光源ユニット取り付け板8と、を備えている。
【0023】
正面側の時計盤は、第一のガラス板11と第一の長針15及び第一の短針16と第一の時計ムーブメント19を備えて構成されている。背面側の時計盤は、第二のガラス板12と第二の長針17及び第二の短針18と第二の時計ムーブメント20を備えて構成されている。光源ユニット7は、正面側の時計盤と背面側の時計盤とにより共用される。
【0024】
外側フレーム21は、複数のフレームが組み立てられて構成されており、時計部25の各部材を外側から支持している。外側フレーム21は、枠体をなしており、第一の表示板1の周端部の位置及び第二の表示板2の周端部の位置に対応させて設けられている。そして、外側フレーム21は、支柱部26に取り付けられ支持されている。
【0025】
外側フレーム21の正面側の端部には第一のガラス板11が取り付けられている。外側フレーム21の背面側の端部には第二のガラス板12が取り付けられている。
【0026】
第一のガラス板11は透明なガラス材により形成されており、第一のガラス板11より内側を目視できる。第二のガラス板12は透明なガラス材により形成されており、第二のガラス板12より内側を目視できる。なお、ガラス板11、12に代えてポリカーボネイト等の透明樹脂の板を用いても良い。
【0027】
第一のガラス板11に対する内側には、第一の表示板1が設けられている。第一の表示板1の表面には、第一の長針15及び第一の短針16との組み合わせにより時刻を示すための数字等が表示されている。第一の長針15及び第一の短針16は、第一のガラス板11と第一の表示板1との間の空間に位置するように設けられている。
【0028】
第一の長針15及び第一の短針16は、第一の表示板1の裏面側に設けられる第一の時計ムーブメント19により駆動される。第一の時計ムーブメント19の駆動軸に連結された第一の回転軸部23が第一の表示板1を貫通して設けられており、第一の時計ムーブメント19の駆動力は第一の回転軸部23の各針に対応した回転軸にて第一の長針15及び第一の短針16に伝達される。また、時計ムーブメント19は、第一の回転軸部23の周囲に設けられた筒状の支持部材23aを介して第一の表示板1と連結されている。
【0029】
第一の回転軸部23には、第一の長針15に対応させた回転軸、及び第一の短針16に対応させた回転軸が設けられている。これらの回転軸は、第一の時計ムーブメント19の駆動軸によりギア比の異なるギアを介して駆動される。これにより、第一の長針15と第一の短針16とはそれぞれの回転軸にて異なる回転速度で回転する。
【0030】
第二のガラス板12に対する内側には、第二の表示板2が設けられている。第二の表示板2の表面には、第二の長針17及び第二の短針18との組み合わせで時刻を表すための数字等が表示されている。第二の長針17及び第二の短針18は、第二のガラス板12と第二の表示板2との間に位置するように設けられている。
【0031】
第二の長針17及び第二の短針18は、第二の表示板2の裏面側に設けられる第二の時計ムーブメント20により駆動される。第二の時計ムーブメント20の駆動軸に連結された第二の回転軸部24が第二の表示板2を貫通して設けられており、第二の時計ムーブメント20の駆動力は第二の回転軸部24の各針に対応した回転軸にて第二の長針17及び第二の短針18に伝達される。また、第二の時計ムーブメント20は、第二の回転軸部24の周囲に設けられた筒状の支持部材24aを介して第二の表示板2と連結されている。
【0032】
第二の回転軸部24には、第二の長針17に対応させた回転軸、及び第二の短針18に対応させた回転軸が設けられている。これらの回転軸は、第二の時計ムーブメント20の駆動軸によりギア比の異なるギアを介して駆動される。これにより、第二の長針17と第二の短針18とはそれぞれの回転軸にて異なる回転速度で回転する。
【0033】
第一の表示板1と第二の表示板2とは、平行をなすように配置されており、各々の裏面1bと2bとが向かい合うように配置されている。第一の表示板1及び第二の表示板2は、発光ダイオード6の光に対して透光性を有する材質により形成されている。また、第一の表示板1、第二の表示板2は、乳白アクリルと称される乳白色のアクリル樹脂からなり、第一の表示板1の裏面1b、第二の表示板2の裏面2bは、拡散反射層を成す。
【0034】
なお、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の光拡散性の物質を塗布したり、梨地加工を施して拡散反射層としての機能をさらに高めても良い。また、外側フレーム21の内面のうち、発光ダイオード6より放射された光が入射し得る部分は、白色に塗装することにより拡散反射層が形成されている。このとき、塗料としては上記のような光拡散性の物質が混入されたものが好ましい。
【0035】
これらの拡散反射層により、発光ダイオード6より放射された光のうち、表示板1、2に直接入射しなかった光を拡散反射させ、表示板1、2の表面1a、2aをより均一に照明することができる。
【0036】
第一の表示板1と第二の表示板2との間には、光源ユニット7が設けられている。光源ユニット7は、光源ユニット取り付け板8を介して外側フレーム21に連結されている。光源ユニット取り付け板8は、外側フレーム21と支柱部26との取付部21aと、その反対側に設けられた取付部21bとの間をその長手方向で橋渡しするように設けられたもので、その短手方向は後述する光源基板5より狭くしてある。取付部21aは筒状の部材で、取付部21aには、図示しない外側フレーム21の開口部を通して挿入された支柱部26が嵌合される。
【0037】
光源ユニット7は、多数の発光ダイオード6と、発光ダイオード6が付設された光源基板5とを備えている。発光ダイオード6としては、白色LED(Light Emitting Diode)を用いるのが好ましい。光源基板5は、発光ダイオード6を制御するための制御基板であり、発光ダイオード6を動作させるための回路が設けられている。直線Bにて示すように光源基板5は、発光ダイオード6が、第一の表示板1と第二の表示板2との略中間に位置するように設けられている。光源基板5は支持部材8aにより、光源ユニット取り付け板8に連結されている。
【0038】
発光ダイオード6より放射された光は、発光ダイオード6と対向する外側フレーム21の内面で反射され、第一の表示板1の裏面1bに入射される。そのうち第一の表示板1の裏面1bに入射した光の一部が第一の表示板1内に入射し、第一の表示板1の表面1aを照明する。第一の表示板1の裏面1bに入射した光のうち表示板1内に入射しなかった光は反射された後、一部は表示板1の裏面1bに再度入射し、表示板1内に入射する。
【0039】
また、発光ダイオード6より放射された光は、発光ダイオード6と対向する外側フレーム21の内面で反射され、第二の表示板2の裏面2bに入射される。そのうち第二の表示板2の裏面2bに入射した光の一部が第二の表示板2内に入射し、第二の表示板2の表面2aを照明する。第二の表示板2の裏面2bに入射した光のうち表示板2内に入射しなかった光は反射された後、一部は表示板2の裏面2bに再度入射し、表示板2内に入射する。
【0040】
以上に説明した時計部25を正面方向から眺めると、第一のガラス板11を通して、内側の第一の長針15、第一の短針16、及び第一の表示板1の表面を目視することができる。これにより、時間を知ることができる。
【0041】
また、時計部25を背面方向から眺めると、第二のガラス板12を通して、内側の第二の長針17、第二の短針18、及び第二の表示板2の表面を目視することができる。これにより、時間を知ることができる。
【0042】
次に、図4乃至図6も参照しつつ、光源基板5及び発光ダイオード6についてより詳しく説明する。図4は、光源基板5の基板平面に対する垂直上方より光源基板5及び発光ダイオード6を眺めた状態を表す平面図である。光源基板5は、図4に示すように、Cを中心とする略円形状をなす基板である。
【0043】
図4に示すように、光源基板5には多数の発光ダイオード6が付設されている。発光ダイオード6は、基板5の中心Cを中心として放射状に配設されている。また、発光ダイオード6は、光源基板5の周端部5aに沿って略等間隔に配置されており、光源としての均一性を有するようにされている。
【0044】
そして、発光ダイオード6は、そのランプ部分6aが光源基板5の周端部5aより外側に位置するように設けられている。そして、発光ダイオード6は、ランプ部分6aの先端が光源基板5の周端部5aから光源基板5に沿って真っ直ぐ外方に延在する方向を向くように配置されている。
【0045】
発光ダイオード6を、ランプ部分6aが光源基板5の周端部5aより外側に位置するように設けると、ランプ部分6aより放射された光を光源基板5によって遮ることなく、第一の表示板1及び第二の表示板2の方向に導くことができる。これにより、発光ダイオード6により第一の表示板1及び第二の表示板2を照明するにあたり、照明効率を高めることができる。
【0046】
また、発光ダイオード6を、ランプ部分6aの先端が光源基板5の周端部5aから光源基板5に沿って真っ直ぐ外方に延在する方向を向くように配置すると、発光ダイオード6より放射された光を第一の表示板1側又は第二の表示板2側の一方に偏らせることなく、第一の表示板1及び第二の表示板2を照明することができる。
【0047】
次に、発光ダイオード6が放射する光についての望ましい特性について説明する。図5は、発光ダイオードの一例についての光の放射の指向性を示すグラフである。この図5に示す特性は、例えば25℃の温度条件で、発光ダイオードに供給する電流を20mAとして得ることができる。
【0048】
図5において、横軸は放射角度(Radiation Angle)に対応しており、縦軸は相対輝度(Relative Luminosity)に対応している。図5より、この図に示される発光ダイオードの光の指向性は、放射角度0°の方向が最も輝度が高く、この方向の近傍に高い指向性を有していることが判る。
【0049】
即ち、図5に特性が示される発光ダイオードによると、ランプ部分の先端よりランプ部分の長手方向に沿って真っ直ぐ進む方向が最も輝度が強い指向性を有し、この方向の近傍部分が相対的に輝度が高い指向性を有している。
【0050】
発光ダイオード6として、図5に示される指向性を備える発光ダイオードを採用することが望ましい。これにより、発光ダイオード6を、ランプ部分6aの先端が光源基板5の周端部5aから光源基板5に沿って真っ直ぐ外方に延在する方向を向くように配置した場合、特に前記光の指向性と相まって、第一の表示板1及び第二の表示板2をより均等に照明することができる。
【0051】
次に、時計部25内での発光ダイオード6より放射された光の挙動について、図6により説明する。図6に示すように、光源基板5の周端部5aに沿って配置された発光ダイオード6より前方に放射された光は、発光ダイオード6と対向する外側フレーム21の内面で反射され、時計部25内で反射を繰り返しつつ、第一の表示板1内及び第二の表示板2内に入射し、第一の表示板1の表面及び第二の表示板2の表面を照明する。
【0052】
以上に説明した本発明の実施形態によると、光源として発光ダイオード6を用いるので、光源をコンパクトにできる。そして、発光ダイオード6を、ランプ部分6aが光源基板5の周端部5aより外側に位置するように設けるので、ランプ部分6aより放射された光を光源基板5によって遮ることなく、発光ダイオード6と対向する外側フレーム21の内面で反射させ、第一の表示板1及び第二の表示板2の方向に導くことができる。これにより、発光ダイオード6により第一の表示板1及び第二の表示板2を照明するにあたり、照明効率を高めることができる。
【0053】
また、発光ダイオード6を、ランプ部分が基板5の周端部5aより外側に位置するように設けると、このように設けない場合に比べ、第一の表示板1、第二の表示板2をより均等に照明することができる。
【0054】
また、発光ダイオード6を、ランプ部分6aの先端が光源基板5の周端部5aから光源基板5に沿って真っ直ぐ外方に延在する方向を向くように配置すると、発光ダイオード6より放射された光を第一の表示板1側又は第二の表示板2側の一方に偏らせることなく、第一の表示板1及び第二の表示板2を照明することができる。これにより、第一の表示板1及び第二の表示板2をより均等に照明することができる。
【0055】
また、発光ダイオード6を設けた一つの光源基板5で一対の表示板1、2を照明するため、全体として消費電力を抑えることができる。また、照明効率が良いので、個々の発光ダイオード6の輝度を抑えることができ、言い換えれば、個々の発光ダイオード6に流す電流値を小さくでき、個々の発光ダイオードの寿命を延ばすことができ、長期間均一に明るく、第一の表示板1、第二の表示板2を照明することができる。また、発光ダイオード6は、蛍光灯に比べて長寿命であり、また、蛍光灯のように廃棄時に水銀等の有害物質が問題になることもなく、環境に配慮した内照式表示装置及びこれを使用する時計装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態である時計装置の正面図である。
【図2】時計装置の側面図である。
【図3】時計部の断面図である。
【図4】光源基板及び発光ダイオードを示す平面図である。
【図5】発光ダイオードが放射する光の指向性を示す図である。
【図6】時計部内の発光ダイオードの光の挙動を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 第一の表示板
1a 第一の表示板の表面
1b 第一の表示板の裏面
2 第二の表示板
2a 第二の表示板の表面
2b 第二の表示板の裏面
5 光源基板
6 発光ダイオード
7 光源ユニット
8 光源ユニット取り付け板
11 第一のガラス板
12 第二のガラス板
15 第一の長針
16 第一の短針
17 第二の長針
18 第二の短針
19 第一の時計ムーブメント
20 第二の時計ムーブメント
21 外側フレーム
21a 取付部
23 第一の回転軸部
23a 支持部材
24 第二の回転軸部
24a 支持部材
25 時計部
26 支柱部
27 支持部
28 太陽電池
30 時計装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有し、表面に文字乃至数字が表示され各々の裏面が向い合うように対向して配置された一対の表示板と、
多数の発光ダイオードが付設され前記一対の表示板の間に配置される一枚の光源基板と、を備え、
前記発光ダイオードより放射された光が前記表示板の裏面から入射して前記表示板の表面を照明するようにされた内照式表示装置であって、
前記発光ダイオードは、そのランプ部分が前記光源基板の周端部より外側に位置するように設けられていることを特徴とする内照式表示装置。
【請求項2】
前記発光ダイオードは、前記ランプ部分の先端が前記光源基板の周端部から該光源基板に沿って真っ直ぐ外方に延在する方向を向くように配置されることを特徴とする請求項1に記載の内照式表示装置。
【請求項3】
前記多数の発光ダイオードは、前記光源基板に放射状に等間隔で列設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内照式表示装置。
【請求項4】
前記光源基板は、前記一対の表示板の略中間の位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項5】
前記発光ダイオードは、前記ランプ部分の先端より該ランプ部分の長手方向に沿った真っ直ぐの方向が最も輝度が強い指向性を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項6】
前記表示板の裏面に拡散反射層が形成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項7】
前記一対の表示板の周端部の位置に対応させた枠体が設けられており、前記発光ダイオードと対向する前記枠体の内面に拡散反射層が形成されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の内照式表示装置。
【請求項8】
前記文字乃至数字が時間を表すため用いられるものである請求項1乃至7のいずれか1項に記載の内照式表示装置と、
前記一対の表示板の一方の表面側に設けられ、各々が前記数字を指し示して時間を表すための一の短針及び一の長針と、前記一対の表示板の他方の表面側に設けられ、各々が前記数字を指し示して時間を表すための他の一の短針及び他の一の長針と、前記短針及び長針を回転駆動する時計ムーブメント手段と、を備える時計装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−65160(P2006−65160A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−249717(P2004−249717)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(396004981)セイコープレシジョン株式会社 (481)
【Fターム(参考)】