説明

内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置

排ガスサンプルを採取する装置は公知である。通常使用されているCVS装置では、排ガス通路(4)排ガス入口(2)を介して第1の排ガス源(6)と流体を通すように接続されていて、空気フィルタ(16)を介して周囲空気を吸い込む空気通路(10)が第1の混合ゾーン(22)に開口していて、この第1の混合ゾーンは希釈トンネル(24)に移行していて、この希釈トンネル(24)からサンプルが採取される。本発明の構成では、当該装置は、第2の排ガス入口(34)を介して第2の排ガス源(36)と流体を通すように接続されている第2の排ガス通路(38)と、第2の混合ゾーン(48)とを有しており、希釈された排ガス・空気質量流が選択的に第1の排ガス源(6)か又は第2の排ガス源(36)から、希釈トンネル(24)内に、かつサンプル採取プローブ(26)に流れるようにした。本発明による装置は、ディーゼル機関及びオット機関を接続するために適しており、ディーゼル機関及びオット機関の排ガスはただ1つのサンプル採取箇所だけを介してかつ1つの希釈トンネルと1つのポンプだけを用いて、1つの共通の装置において採取及び分析することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置であって、第1の排ガス入口を介して第1の排ガス源と流体を通すように接続されている第1の排ガス通路と、第1の空気フィルタを介して周囲空気を吸い込む第1の空気通路と、第1の排ガス通路が第1の空気通路に開口している領域である第1の混合ゾーンと、排ガス・空気混合物を貫流させる希釈トンネルと、少なくとも1つのサンプル採取プローブと、空気及び排ガスを搬送するポンプと、質量流を調整及び測定するための手段とが設けられている形式のものに関する。
【0002】
自動車のエンジンが規定のエミッション制限値を越えることを許さない、国が定めた種々様々な規制が存在し、このような規制としては、例えばヨーロッパ圏内に対するECE基準R83や、USA圏内に対する米国連邦規制基準No.40が挙げられる。これらの基準においてはエミッション制限値の他に、エミッションを測定するための希釈可変の装置によるサンプル採取の形式も、その多くが規制されている。
【0003】
このような装置は例えばCVS装置(constant volume sampling)という概念で知られている。そしてこの装置では、空気・排ガス混合物の一定の総容積流が生じるように、排ガスに常に空気が混合される。このような装置を介してバッグ内に採取されたサンプルは、次にその有害成分に関して分析される。特に、二酸化炭素、一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物の成分が測定される。従来、粒子測定はディーゼル機関に対してだけ実施すれば良かったが、粒子測定は、将来的には直接噴射式のオット機関に対しても義務付けられる。
【0004】
排ガスサンプルを採取するためのCVC装置の別の構成は、DE69315463T2に記載されている。この装置は排ガス入口と空気入口とを有しており、この空気入口の前には空気フィルタが配置されている。調整されたポンプを介して両方のガス流は後続の混合ゾーン内に吸い込まれ、この混合ゾーンから両ガス流は、可能な限り均一に混合されて希釈トンネル内に達する。混合ゾーンから十分な間隔をおいて希釈トンネル内には、亜音速のベンチュリノズルが配置されており、このベンチュリノズルは、サンプルを採取するための通路と接続されており、この場合ガス流はこの通路を通して第2のポンプを介して生ぜしめられる。フィードポンプの前における希釈トンネルのさらなる延びにおいて、希釈トンネルは再び亜音速のベンチュリノズルとして細くなる。これらのベンチュリノズルを介して質量流速度が検出され、そして質量流速度は、該質量流速度が互いに比例するように調節される。種々異なった別のセンサを介して、混合ガスの圧力又は温度が測定され、制御ユニットへと供給され、この制御ユニットを介して、両方のベンチュリノズルにおける質量流速度の比例関係が保証され、かつ等しい作用圧が保証されるようになっている。
【0005】
このようなシステムはしかしながら、公知のCVS装置のように、オット機関及びディーゼル機関用の排ガスサンプル採取のための装置として使用するのには、適していない。それというのは、後続の測定値を劣化させるおそれのある、管路系の領域における粒子及び炭化水素の付着もしくは堆積を考慮しなくてはならないからである。
【0006】
今日の開発状態では、2つのサンプル採取プローブを備えた平行な2つの希釈トンネルが使用され、両希釈トンネルにおいて、共通の1つのフィードポンプを介して必要な搬送速度が生ぜしめられるようになっている。
【0007】
確かに、DE19505415A1に基づいて公知の排ガス検査スタンドでは、2つのローラ型検査スタンドが個別のCVS装置に接続されているが、この場合には単に排ガス入口が切り換えられるだけなので、混合ゾーンの領域における粒子残留物及びHC残留物を考慮しなくてはならないので、ディーゼル機関用の分岐路とオット機関用の分岐路との利用は不可能である。
【0008】
ゆえに本発明の課題は、法的な規制に相応して、ディーゼル機関のためにもオット機関のためにも確実かつ正確なサンプル採取、特に粒子測定のためのサンプル採取を可能にするのに適した装置を提供することであり、この場合同時に装置を設置するのに必要な構造空間が節減され、かつ製造コストが減じられることも望まれている。
【0009】
この課題を解決するために本発明の構成では、内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置であって、第1の排ガス入口を介して第1の排ガス源と流体を通すように接続されている第1の排ガス通路と、第1の空気フィルタを介して周囲空気を吸い込む第1の空気通路と、第1の排ガス通路が第1の空気通路に開口している領域である第1の混合ゾーンと、排ガス・空気混合物を貫流させる希釈トンネルと、少なくとも1つのサンプル採取プローブと、空気及び排ガスを搬送するポンプと、質量流を調整及び測定するための手段とが設けられている形式のものにおいて、当該装置は、第2の排ガス入口を介して第2の排ガス源と流体を通すように接続されている第2の排ガス通路と、第2の混合ゾーンとを有しており、希釈された排ガス・空気質量流が選択的に第1の排ガス源か又は第2の排ガス源から、前記1つの希釈トンネル内に、かつ少なくとも1つのサンプル採取プローブに流れるようにした。
【0010】
このように構成することによって、希釈トンネルとサンプル採取プローブとフィードポンプとを、両方の測定のために共通に使用することができるので、製造コスト及び組立てコスト並びに必要な構造空間は節約される。
【0011】
第2の混合ゾーンにおいて第2の排ガス通路は、第2の空気フィルタを介して周囲空気が吸い込まれる第2の空気通路内に開口していると、有利である。このように構成されていると、第1の混合ゾーンにおける堆積物が第1の空気通路もしくは第1の混合ゾーンを通って第2の経路の混合流内に連行され、これにより採取されるサンプルを劣化してしまうようなことが、回避される。
【0012】
特に良好な混合を達成するために有利な構成では、第1の混合ゾーンは、第1の排ガス通路の管端部によって形成されていて、該管端部は第1の空気通路内に該空気通路に対してほぼ同心的に配置されている。このように構成されていると、代表サンプル採取が可能になる。
【0013】
本発明の別の構成では、第1の混合ゾーンにおける第1の排ガス通路の管端部の直ぐ下流に、絞りもしくはリングオリフィスが配置されている。このようなリングオリフィスによって、混合ポイントの領域において、第1の排ガス管に隣接する領域における空気の速度が高められ、これによって混合がさらに均一化される。
【0014】
本発明の別の有利な構成では、流れ方向において第1の混合ゾーンの下流側において、混合管が希釈トンネルに開口していて、該混合管は流れ方向において第2の混合ゾーンの下流側に配置されており、希釈トンネルはその周壁に開口を有していて、該開口は混合管によって閉鎖されていて、該開口において混合管は終端している。希釈トンネル内に第2のガス流をこのように導くことによって、存在する固定具又はこれに類したものによる第1のガス流への影響が確実に回避される。
【0015】
その都度使用されていない空気通路又は排ガス通路からの空気の吸込みを回避するために、本発明の別の構成では、混合管内と、第1の空気フィルタと混合管の開口との間とに、それぞれ調整フラップが配置されている。
【0016】
また混合管の端部が希釈トンネルへの流れ方向において斜めに配置されていると、有利である。このように構成されていると、混合管から希釈トンネルへのほぼ圧力損失のない導入が可能になる。さらに、第1の排ガス路の使用時において導入箇所のところを擦過して流れる場合に、乱流を惹起する縁部は、確実に回避される。これにより両方の排ガス路に対して流れ損失が最小になる。
【0017】
さらにこの場合本発明の別の構成では、第1の排ガス通路の管端部と、混合管への希釈トンネルの開口との間の間隔が、混合管の直径の0.5倍〜5倍、有利には1.5倍〜2倍である。このような寸法関係では、両方の排ガス路相互による影響が著しく減じられることにより、特に良好な結果を得ることができた。
【0018】
また、流れの均一性をさらに改善するために本発明の別の構成では、希釈トンネルの中心軸線と混合管の中心軸線との間の角度が、10°〜50°、有利には20°〜30°である。
【0019】
第1の排ガス源はディーゼル機関であり、第2の排ガス源はオット機関であると、有利である。それというのは、希釈トンネルへの入口までの距離は、第1の排ガス路を介した方が第2の排ガス路を介した距離に比べて短く、かつディーゼル排ガスにおける熱損失は十分に回避されねばならないからである。
【0020】
このようにして、1つの共通の希釈トンネルと1つの共通のサンプル採取プローブとを介してディーゼル機関及びオット機関から粒子サンプルを採取することができる、内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置が得られる。そして装置の構造が単純化され、ひいては装置の製造コスト及び組立てコストが低減され、しかも同時に圧力損失のない混合、搬送及び代表サンプル採取が保証される。
【0021】
次に図面を参照しながら本発明による装置の1実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】排ガスサンプルを取り出す本発明による装置の構造を示す概略図である。
【図2】混合ゾーンの領域における装置部分を拡大して示す図である。
【0023】
ディーゼル機関及びオット機関用の内燃機関から排ガスサンプルを取り出す本発明による装置は、第1の排ガス入口2を有していて、この第1の排ガス入口2を介して第1の排ガス通路4が、自動車のディーゼル機関によって形成された排ガス源6と流体を通すように接続されている。
【0024】
第1の排ガス通路4は管端部8を有しており、この管端部8は第1の空気通路10の内部において同心的に開口している。そのために第1の空気通路10は、その周壁14に開口12を有しており、この開口12を通って排ガス通路4は空気通路10内に垂直に進入している。空気通路10内において同心的に開口するために、排ガス通路4は90°の変向部を有している。
【0025】
空気通路10の始端部には、通常のように3つのフィルタから成る第1の空気フィルタ16が配置されており、この第1の空気フィルタ16を介して空気は空気通路10内に吸い込まれる。空気フィルタ16の後ろには第1の調整フラップ18が設けられており、これにより必要な場合には空気通路10を閉鎖することができる。排ガス通路4の変向部は、開放した管端部8が空気フィルタ16とは逆向きの側に向けられるように形成されており、これによって空気流と排ガス流とは管端部8において1つの共通の流れ方向を有することになる。
【0026】
特に図2から分かるように、流れ方向において管端部8の直ぐ後ろにおいて空気通路10の周壁14には、リングオリフィス20が配置されており、このリングオリフィス20によって、空気通路の自由に貫流可能な横断面が狭められ、その結果流速度が高められて乱流が生じる。内側に位置する排ガス通路4による横断面減少によっても減じられた強さで生じる前記乱流によって、後続の第1の混合ゾーン22において、排ガスと空気との均一な混合が生ぜしめられる。この混合ゾーンは、排ガス源6から数メートル離れて配置されていてよい。
【0027】
混合ゾーン22には希釈トンネル24が接続しており、この希釈トンネル24内においては排ガス・空気混合物の一様な流れが存在している。希釈トンネル24内には、中心軸線に対して中心に、混合流からサンプルを取り出すためのサンプル採取プローブ26が配置されている。サンプル採取プローブ26を介して受け入れられたサンプル流は、加熱可能なフィルタ28を介してフレームイオン化検出器に供給され、このフレームイオン化検出器を介して排ガス中における炭化水素が測定され、次いで選択的に少なくとも1つのサンプルバッグ30に供給される。付加的に、少なくとも1つの別のサンプル採取プローブ26を介して混合流は、粒子エミッションを測定するためにフィルタユニット31を介して案内される。分析流の搬送は、それぞれ図示されていない別体のポンプを介して行われる。
【0028】
残りの混合ガス流は希釈トンネル24から、調整可能なフィードポンプ32へと達し、このフィードポンプ32は、空気及び排ガスを搬送するのに十分な圧力を生ぜしめるようになっている。ここで混合ガス流は排出される。調整されたフィードポンプ32の他に、フィードポンプの前に調整フラップ又は臨界超過のノズルを、所望の搬送流を調節するために配置することも同様に可能である。
【0029】
もちろん、装置は、図示の粒子サンプル採取システムに加えて、排ガスサンプルのための別の取出し装置、例えば排ガス中における窒素酸化物、二酸化炭素及び一酸化炭素の値を検出することができる取出し装置を有していてもよい。
【0030】
本発明によれば装置は、ディーゼル機関におけるHCエミッション及び粒子エミッションを測定するための公知のユニットに加えて、付加的に第2の排ガス入口34を有しており、この第2の排ガス入口34は、オット機関、特に直接噴射式のオット機関である第2の排ガス源36と接続されることができ、このようなオット機関に対しては将来、HCエミッション測定の他に粒子エミッションの測定も必要になる。
【0031】
第2の排ガス通路38が第2の排ガス入口34を介して排ガス源36と、流体を通すように接続されている。第2の排ガス通路38は、既に第1の排ガス路に対して記載したように、第2の空気通路40内に開口しており、この第2の空気通路40の入口には第2の空気フィルタ42が配置されており、これによって有害物質が周囲空気から空気通路40内に侵入することを阻止することができる。
【0032】
排ガス通路38の管端部44には、第2の混合ゾーン46が接続されており、この混合ゾーン46において、排ガス・空気混合流が均一化される。この混合ゾーン46は可能な限り排ガス源36の近くに位置していて、混合ガス流を希釈トンネル24に導く混合管48の一部である。混合管48の横断面を閉鎖可能にするために、混合管48には第2の調整フラップ50が配置されている。
【0033】
混合管48は希釈トンネル24の制限壁つまり周壁14の開口52において終端しており、希釈トンネル24には空気通路10が移行している。混合管48の端部56の中心軸線と該中心軸線に対してほぼ平行に延びる周壁58とは、希釈トンネル24の中心軸線もしくは周壁14に対して約25°の角度を成して傾けられており、つまり混合管48からの流れは、希釈トンネル24内に達するために、単に前記角度だけ変向されればよくなっている。前記角度は有利には20°〜30°の間である。
【0034】
第1の排ガス通路4の管端部8と、開口52の、該管端部の最も近くに隣接して位置している部分との間の間隔は、混合管48の管直径が150mmの場合に約240mmであり、つまり管直径の約1.6倍である。前記間隔は有利には管直径の1.5〜2倍である。このように寸法設定することによって、圧力損失を十分に排除することができる。
【0035】
さらに排ガス・空気混合物は、第1の混合ゾーン22からの排ガス・空気混合物と同様に、希釈トンネル24を通ってサンプル採取プローブ26もしくはフィードポンプ32へと流れ、これによって相応な分析を行うことができる。
【0036】
上記記載から明らかなように、選択的に、第1の混合ゾーン22を介してディーゼル排ガス・空気混合物がサンプル採取のために搬送されるか、又は第2の混合ゾーン46を介してオット機関の排ガス・空気混合物がサンプル採取のために搬送される。その都度使用されない系は、第1の調整フラップ18又は第2の調整フラップ50の閉鎖によって、希釈トンネル24から混合流を遮断され、その結果漏れ流が、使用されていない経路を介して吸い込まれることは回避される。
【0037】
管端部8と開口52との間に十分な間隔が存在することによって、開口52の前では第1の混合ゾーン22において第1の排ガス路の使用時に、開口52に達する前に均一な流れが生ぜしめられ、付加的な渦流が生じることはほとんどない。さらにこの領域において付着もしくは堆積を考慮する必要もない。それというのは、多くの付着物が発生し得る第2の混合ゾーン46は、導入箇所から離れて配置されているからである。付加的に第2の排ガス路に対してもこの領域においては十分に均一な流れが存在している。相応に導入箇所によって、第2の排ガス路からの残留物に起因する測定結果の劣化も圧力損失も発生しない。
【0038】
同様なことは第2の排ガス路の使用時にも言える。第2の排ガス路は、導入箇所つまり第1の排ガス路の混合ゾーン22の下流に十分な間隔をおいて希釈トンネル24に通じているので、排ガス流によって第1の排ガス路からの粒子が連行されることはない。従って相応に、当該領域においてディーゼル排ガスの残留物を考慮する必要がないので、測定結果の劣化も同様に十分に回避されている。付加的に第2の排ガス路の使用時には調整フラップ18の閉鎖によって第1の導入箇所において流れが存在しないので、これにより、混合ゾーンから残留物が連行されることもない。
【0039】
上記のことによって両方のガス流が相互に影響し合うことが回避される。そして本発明の装置によって、両方の排ガス路の臨界的な領域は互いに切り離される。これによりこの装置は、種々異なった希釈トンネル又はサンプル採取プローブを使用する必要なしに、ディーゼル機関及びオット機関、ここでは特に直接噴射式のオット機関の排ガスを測定するために適している。相応に必要な構造空間が減じられ、装置構成のための手間も著しく減じられるので、製造コスト及び組立てコストも減じられる。このことは特に等しい部材の使用によって、すなわち希釈トンネル、サンプル採取プローブ、フィルタや、両方のシステムのための調整機器及び測定機器のような周辺機器といった部材に同じものを使用することによって達成される。
【0040】
付言すれば、排ガスは規定の比率で周囲空気によって希釈される。サンプル採取はそれぞれポンプの貫流量に対して平均して行われる。そして可変の希釈システム及び容積式ポンプを備えたサンプル採取システムは、臨界的に貫流されるベンチュリ管を備えた希釈システム(例えばECE基準R83に記載)と同様に、公知である。本発明の装置において使用される貫流調整器、弁、貫流測定器、圧力測定器及び温度測定器の配置形式も同様に公知であり、使用されるシステムに応じて異なっているので、このような調整もしくは制御の可能性は当業者にとって自明であるので、これについては記載を省く。本発明はサンプル採取のすべての形態に適している。本発明にとって重要な特徴は、使用されるシステムに依存しない。
【0041】
さらに付言すれば、本発明はもちろん図示の実施形態に制限されるものではなく、本発明の枠内において種々様々な実施形態が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置であって、
第1の排ガス入口(2)を介して第1の排ガス源(6)と流体を通すように接続されている第1の排ガス通路(4)と、
第1の空気フィルタ(16)を介して周囲空気を吸い込む第1の空気通路(10)と、
第1の排ガス通路(4)が第1の空気通路(10)に開口している領域である第1の混合ゾーン(22)と、
排ガス・空気混合物を貫流させる希釈トンネル(24)と、
少なくとも1つのサンプル採取プローブ(26)と、
空気及び排ガスを搬送するポンプ(32)と、
質量流を調整及び測定するための手段とが設けられている形式のものにおいて、
当該装置は、第2の排ガス入口(34)を介して第2の排ガス源(36)と流体を通すように接続されている第2の排ガス通路(38)と、第2の混合ゾーン(48)とを有しており、希釈された排ガス・空気質量流が選択的に第1の排ガス源(6)か又は第2の排ガス源(36)から、前記1つの希釈トンネル(24)内に、かつ少なくとも1つのサンプル採取プローブ(26)に流れることを特徴とする、内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。
【請求項2】
第2の混合ゾーン(46)において第2の排ガス通路(38)は、第2の空気フィルタ(42)を介して周囲空気が吸い込まれる第2の空気通路(40)内に開口している、請求項1記載の内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。
【請求項3】
第1の混合ゾーン(22)は、第1の排ガス通路(4)の管端部(8)によって形成されていて、該管端部(8)は第1の空気通路(10)内に該空気通路(10)に対してほぼ同心的に配置されている、請求項1又は2記載の内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。
【請求項4】
第1の混合ゾーン(22)における第1の排ガス通路(4)の管端部(8)の直ぐ下流に、リングオリフィス(20)が配置されている、請求項3記載の内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。
【請求項5】
流れ方向において第1の混合ゾーン(22)の下流側において、混合管(48)が希釈トンネル(24)に開口していて、該混合管(48)は流れ方向において第2の混合ゾーン(46)の下流側に配置されており、希釈トンネル(24)はその周壁(14)に開口(52)を有していて、該開口(52)は混合管(48)によって閉鎖されていて、該開口(52)において混合管(48)は終端している、請求項1から4までのいずれか1項記載の内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。
【請求項6】
混合管(48)内と、第1の空気フィルタ(16)と混合管(48)の開口との間とに、それぞれ調整フラップ(18,50)が配置されている、請求項5記載の内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。
【請求項7】
混合管(48)の端部(56)が希釈トンネル(24)への流れ方向において斜めに配置されている、請求項5又は6記載の内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。
【請求項8】
第1の排ガス通路(4)の管端部(8)と、混合管(48)への希釈トンネル(24)の開口(52)との間の間隔が、混合管(48)の直径の0.5倍〜5倍、有利には1.5倍〜2倍である。請求項7記載の内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。
【請求項9】
希釈トンネル(24)の中心軸線と混合管(48)の中心軸線との間の角度が、10°〜50°、有利には20°〜30°である、請求項7又は8記載の内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。
【請求項10】
第1の排ガス源(6)はディーゼル機関であり、第2の排ガス源(36)はオット機関である、請求項1から9までのいずれか1項記載の内燃機関から排ガスサンプルを採取する装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−522229(P2012−522229A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502536(P2012−502536)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052588
【国際公開番号】WO2010/112286
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511236970)エイヴィエル エミッション テスト システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】AVL Emission Test Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Graf−Landsberg−Strasse 1 c, D−41460 Neuss, Germany
【Fターム(参考)】