説明

内燃機関のポート

【課題】燃焼室の外部から内部へ向かうガスの流動および燃焼室の内部から外部へ向かうガスの流動の双方を考慮し、燃焼室の内部に導入されたガスによる旋回流を燃焼室の内部において適切に形成させるとともに、同旋回流を適切に維持させることができる内燃機関のポートを提供する。
【解決手段】ポート31は、燃焼室25の内部と燃焼室の外部とを連通させるための通路部31aと、通路部31aを閉鎖または開放するバルブ32を該バルブの軸線に沿って移動させるための軸受部31bと、を備える。通路部31aの端部であって通路部と燃焼室の内部とを接続させるための端部である燃焼室側端部31cが含まれる仮想的な面VPと、軸受部31bにおけるバルブの軸線に相当する仮想的な直線VLと、によって定義される角度であるポート角度θが90度よりも小さい角度であるように、通路部31aおよび軸受部31bが構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のポートに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の燃焼室は、一般に、燃焼する前のガス(空気、混合気など)が燃焼室の内部に導入されるように吸気ポートによって燃焼室の外部と連通されるとともに、燃焼した後のガス(排ガス)が燃焼室の外部に放出されるように排気ポートによって燃焼室の外部と連通されている。これらガスの導入および放出の態様は、周知のように、内燃機関の特性に種々の影響を与え得る。なかでも、吸気ポートにつき、従来から、燃焼室の内部に導入されたガスによる旋回流(タンブルおよびスワールなど)を燃焼室の内部において形成させることによって内燃機関の特性の向上を図る(例えば、燃焼室の内部のガスを効率良く燃焼させ得る)吸気ポート、が提案されている。
【0003】
例えば、従来の吸気ポート(以下、「従来ポート」とも称呼される。)の一つは、燃焼室の内部と燃焼室の外部とを連通させるための通路部を備える。従来ポートの通路部は、通路部をガスが円滑に通過し得るように、滑らかな面によって構成されている。この従来ポートが内燃機関の吸気ポートに適用されるとき、従来ポートの通路部の端部を閉鎖または開放するための吸気バルブが、同端部に設けられる。そして、通路部の端部が開放されているとき、通路部を通過したガスが燃焼室の内部へ導入されるとともに、同ガスによる旋回流(タンブル)が燃焼室の内部において形成され得るようになっている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−13990号公報
【発明の概要】
【0005】
ところで、ポートを通過したガスが燃焼室の内部に導入されるとき、ガスの流れは、一般に、バルブ(例えば、バルブの端部に設けられるバルブヘッド)に接触するとともに、流れ方向がそれぞれ異なる複数の流れに分流される。これら分流されたガスの流れには、燃焼室の内部において旋回流を形成する向きの流れ(以下、「順方向の流れ」とも称呼される。)と、同旋回流の形成を妨げる向きの流れ(以下、「逆方向の流れ」とも称呼される。)と、が含まれる場合がある。
【0006】
この逆方向の流れがポートの特性に与える影響は、順方向の流れの流量に対して逆方向の流れの流量が十分に小さい場合、燃焼室の内部に導入されたガスによる旋回流を形成させるという観点において無視できる程度に小さいと考えられる。これに対し、順方向の流れの流量に対して逆方向の流れの流量が相当程度に大きい場合、意図されたポートの特性が得られず、燃焼室の内部において旋回流が適切に形成されない場合があると考えられる。
【0007】
さらに、燃焼室の内部に導入されたガスは、周知のように、同ガスが燃焼に供される前に圧縮される。ガスが圧縮される工程(圧縮行程)においては、ポートは、一般に、バルブよって閉鎖される。ところが、内燃機関の運転状態に応じて(例えば、ガスの圧縮に起因して熱効率が低下すること(いわゆるポンピングロスの一態様)を出来る限り軽減する目的にて、内燃機関の負荷が小さい場合などに)、圧縮工程の初期においてポートが開放される場合がある。
【0008】
圧縮工程においてポートが開放されると、燃焼室の内部に形成された旋回流の一部がポートを通過して燃焼室の外部に放出される場合があると考えられる。この旋回流の放出がポートの特性に与える影響は、放出されるガスの流量が十分に小さい場合、燃焼室の内部に形成された旋回流を圧縮行程において維持させるという観点において無視できる程度に小さいと考えられる。これに対し、放出されるガスの放出が相当程度に大きい場合、意図されたポートの特性が十分に得られず、圧縮行程において旋回流が適切に維持されない場合があると考えられる。
【0009】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、燃焼室の外部から内部へ向かうガスの流動および燃焼室の内部から外部へ向かうガスの流動の双方を考慮し、燃焼室の内部に導入されたガスによる旋回流を燃焼室の内部において適切に形成させるとともに、同旋回流を適切に維持させることができる内燃機関のポートを提供することにある。
【0010】
上記課題を解決するための本発明による内燃機関のポートは、通路部と、軸受部と、を備える。
【0011】
上記通路部は、内燃機関の燃焼室の内部と前記燃焼室の外部とを連通させるように構成される。例えば、通路部は、内燃機関の吸気通路(例えば、インテークマニホールド)と燃焼室との間、または、内燃機関の排気通路(例えば、エキゾーストマニホールド)と燃焼室との間、に設けられ得る。さらに、例えば、通路部は、吸気通路または排気通路の一部として、吸気通路の端部であって吸気通路と燃焼室とが接続される端部、または、排気通路の端部であって排気通路と燃焼室とが接続される端部、に設けられ得る。すなわち、通路部は、吸気通路または排気通路の一部であってもよく、それらとは異なる部分であってもよい。
【0012】
別の言い方をすると、通路部は、燃焼室の外部から燃焼室の内部へ導入されるガス(例えば、空気、および、空気と燃料との混合気など)、または、燃焼室の内部から燃焼室の外部へ放出されるガス(例えば、排ガス)、が通過する流路の一部を構成し得る。より具体的に述べると、通路部は、それらガスが通過する流路そのもの(空間・空洞)であってもよく、その流路(空間・空洞)を画成する部材であってもよい。
【0013】
通路部の形状は、特に制限されない。例えば、通路部として、円柱の形状の少なくとも一部を有する形状、角柱の形状の少なくとも一部を有する形状、および、円錐台の形状の少なくとも一部を有する形状などが採用され得る。なお、「通路部が円柱の形状の少なくとも一部を有する」とは、ガスが通過する流路のうちの通路部と称呼される部分そのもの(空間・空洞)が円柱の形状の少なくとも一部を有すること、または、ガスが通過する流路のうちの通路部と称呼される部分(空間・空洞)が円柱の形状の少なくとも一部であるようにその部分を画成する部材が構成されていること、を表し得る。通路部が他の形状を有する場合も同様である。
【0014】
上記軸受部は、前記通路部を閉鎖または開放するバルブを該バルブの軸線に沿って移動させ得るように構成される。軸受部の形状および軸受部が設けられる位置などは、特に制限されない。なお、周知のように、バルブと、通路部の一部分(例えば、いわゆるバルブシート部。後述される「バルブ接触部分」に相当。)と、が接触または隔離されることにより、通路部が閉鎖または開放され得る。
【0015】
本発明のポートにおいて、通路部および軸受部は、「前記通路部の端部であって前記通路部と前記燃焼室の内部とを接続させるための端部である燃焼室側端部が含まれる仮想的な面と、前記軸受部における前記バルブの軸線に相当する仮想的な直線と、によって定義される角度であるポート角度」が90度よりも小さい角度であるように、構成されている。
【0016】
上述したように、通路部は、ガスの流路そのものであってもよく、その流路を画成する部材であってもよい。よって、本発明において、「燃焼室側端部」とは、流路の端部における流路の切断面そのもの(例えば、流路が円柱の形状である場合、その切断面である円板または楕円板など)、または、その切断面を画成する閉じた線(例えば、流路が円柱の形状である場合、切断面である円板または楕円板の外周線である円または楕円など)、を表し得る。
【0017】
さらに、「燃焼室側端部」は、上述したバルブ接触部分と同一の部分であってもよく、バルブ接触部分と異なる部分であってもよい。すなわち、通路部が閉鎖されるとき、燃焼室側端部とバルブとが接触してもよく(つまり、燃焼室側端部とバルブ接触部分とが同一。)、燃焼室側端部とは異なる部分とバルブとが接触してもよい(つまり、燃焼室側端部とバルブ接触部分とが異なる。)。例えば、燃焼室側端部とバルブ接触部分とが「異なる」部分である場合、ポートを通過して燃焼室の内部に導入されるガスは、まずバルブ接触部分を通過し、その後に燃焼室側端部を通過することになる。
【0018】
本発明において、「燃焼室側端部が含まれる仮想的な面」とは、ある面であって該面の一部が上記「流路の切断面」であるように構成される面、または、ある面であって該面の面内に上記「流路の切断面を画成する閉じた線」が存在するように構成される面、を表す。この「仮想的な面」は、平面であってもよく、曲面であってもよい。
【0019】
本発明において、「バルブの軸線に相当する仮想的な直線」とは、軸受部にバルブが設けられた場合における同バルブの軸線に一致するように構成される直線、を表す。
【0020】
本発明において、「仮想的な面と仮想的な直線とによって定義される角度(ポート角度)」とは、仮想的な面が「平面」である場合、仮想的な面と仮想的な直線との交点においてその面と直線とがそれらの間に形成する角度のうちの最も小さい角度を表す。一方、仮想的な面が「曲面」である場合、ポート角度とは、仮想的な面と仮想的な直線との交点において、同交点おける仮想的な面の接平面と、仮想的な直線と、がそれらの間に形成する角度のうちの最も小さい角度を表す。以下、この角度は、単に「仮想的な面と仮想的な直線とがなす角度」とも称呼される。
【0021】
なお、上記説明から理解されるように、「バルブ」との文言は単に軸受部の構成を説明するために採用されているに過ぎず、バルブは本発明のポートを構成するために必須の部材ではない。
【0022】
発明者による種々の実験および考察などによれば、上記ポート角度と、ポートが内燃機関に適用されるときに燃焼室の内部において形成または維持される旋回流(タンブル)と、の間には特定の相関関係があることが確認された。
【0023】
具体的に述べると、ポートが内燃機関に適用される場合、一般に、ポートは、燃焼室(例えば、略円錐の形状の上面、帯状の側面、および、ピストンの上面に相当する底面、によって画成される領域)の上面に設けられる。すなわち、燃焼室の内部とポートの通路部とが、燃焼室の上面において、通路部の燃焼室側端部を介して接続される。さらに、この場合、一般に、特定の形状を有するバルブが燃焼室側端部の近傍に設けられる。このバルブは、ポートの軸受部に支持される。
【0024】
上記ポートをガスが通過するとき、バルブに接触して分流されたガスの流れの一部(以下、便宜上、「第1の流れ」とも称呼される。)は、ポートから最も遠い燃焼室の側面、燃焼室の底面、および、ポートに最も近い燃焼室の側面、にこの順に沿うように流れ得る(例えば、図6における実線の矢印を参照。)。これにより、燃焼室の軸線に垂直な軸回りに回転する旋回流(すなわち、タンブル)が形成され得る。よって、この第1の流れは、上述した「順方向の流れ」に相当する。
【0025】
この第1の流れ(順方向の流れ)は、通路部の燃焼室側端部とバルブとの間の領域であってポートから最も遠い燃焼室の側面に近い領域(以下、「第1の領域」とも称呼される。)を通過し、燃焼室の内部に導入されると考えられる。
【0026】
これに対し、バルブに接触して分流されたガスの流れの他の一部(以下、便宜上、「第2の流れ」とも称呼される。)は、ポートに最も近い燃焼室の側面、および、燃焼室の底面にこの順に沿うように流れ得る(例えば、図6における破線の矢印を参照。)。すなわち、第2の流れは、上記第1の流れとは逆の方向に流れる。そのため、上記旋回流が形成されることが妨げられ得る。よって、この第2の流れは、上述した「逆方向の流れ」に相当する。
【0027】
この第2の流れ(逆方向の流れ)は、通路部の燃焼室側端部とバルブとの間の領域であってポートに最も近い燃焼室の側面に近い領域(以下、「第2の領域」とも称呼される。)を通過し、燃焼室の内部に導入されると考えられる。
【0028】
ところで、上述したように、ポート角度の大きさは、燃焼室側端部(に関連する仮想的な面)とバルブ(に関連する仮想的な直線)との位置関係に基づいて定まる。逆に言えば、ポート角度の大きさが変化すると、燃焼室側端部とバルブとの位置関係が変化するとともに、上述した第1の領域および第2の領域の大きさも変化すると考えられる(例えば、図4を参照。)。
【0029】
例えば、第1の領域について、ポート角度が小さいほど、一般に、第1の流れが接触するバルブの一部(例えば、バルブヘッドのうちのポートから最も遠い燃焼室の側面に近い部分)と、燃焼室側端部と、の距離が大きいことになると考えられる。よって、ポート角度が小さい場合(例えば、角度α)における第1の領域は、ポート角度が大きい場合(例えば、角度αよりも大きい角度β)における第1の領域よりも大きいと考えられる。
【0030】
逆に、第2の領域について、ポート角度が小さいほど、一般に、第2の流れが接触するバルブの一部(例えば、バルブヘッドのうちのポートに最も近い燃焼室の側面に近い部分)と、燃焼室側端部と、の距離が小さいことになると考えられる。よって、ポート角度が小さい場合(角度α)における第2の領域は、ポート角度が大きい場合(角度β)における第2の領域よりも小さいと考えられる。
【0031】
したがって、ポート角度が小さいほど、第1の領域を通過するガスの流量(すなわち、順方向の流れの流量)に対する第2の領域を通過するガスの流量(すなわち、逆方向の流れの流量)が小さいことになると考えられる(例えば、図6および図8を参照。)。
【0032】
さらに、圧縮行程においてポートが開放されている場合、一般に、燃焼室の内部に形成された旋回流の流れ(本流)の近傍に同旋回流が流れ込み易い領域(例えば、流れ方向に面する開口部)が存在すると、同旋回流の流れの一部(傍流)がその領域に流入することにより、旋回流の流れ(本流)の流量が小さくなる場合があると考えられる。例えば、旋回流が上述した順方向の流れの流れ方向に沿って回転している場合、旋回流の一部は、旋回流の方向に面するように開口している第2の領域(上記逆方向の流れが通過した領域)に流れ込み易いと考えられる(例えば、図7を参照。)。
【0033】
したがって、第2の領域が小さいほど(すなわち、ポート角度が小さいほど)、圧縮行程において燃焼室の外部に放出されるガスの流量が小さいことになると考えられる(例えば、図9を参照。)。
【0034】
なお、燃焼室の内部にガスが導入されているとき(吸気行程)においても、旋回流の一部が第2の領域を通過して燃焼室の外部に放出される(すなわち、逆流する)場合もあると考えられる。しかし、上記説明から理解されるように、第2の領域が小さいほど(ポート角度が小さいほど)、吸気行程において第2の領域を逆流するガスの流量も小さいことにもなると考えられる。
【0035】
このように、ポート角度と旋回流との間には、ポート角度が小さいほど、旋回流がより適切に形成され得るとともに同旋回流がより適切に維持され得る、との相関関係があることが確認された。ここで、発明者による更なる考察および実験などによれば、ポート角度が90度よりも小さい角度であれば、燃焼室の内部において旋回流が適切に形成されるとともに、圧縮行程においてポートが開放される場合であっても同旋回流が適切に維持されることが確認された。そこで、本発明のポートにおいて、ポート角度として90度よりも小さい角度が採用されている。
【0036】
一方、ポート角度が小さいほど、一般に、第1の流れは、ポートから最も遠い燃焼室の側面から離れた位置に向かって(例えば、燃焼室の底面に直接に向かうように)流れ得ると考えられる。そのような位置に向かって第1の流れが流れると、燃焼室の内部において第1の流れが適切に旋回しない可能性がある。このとき、上述した旋回流が適切に形成され難いと考えられる。したがって、ポート角度が過度に小さい角度であると、上述した旋回流が適切に形成されない可能性があると考えられる。そこで、例えば、ポート角度が60度以上の角度であるように、通路部および軸受部が構成され得ることが望ましい。すなわち、ポート角度は、60度以上で且つ90度よりも小さい角度であることが望ましい。
【0037】
さらに、上記同様の観点では、ポート角度は、65度以上の角度であることがより望ましく、70度以上の角度であることがさらに望ましい。また、上記同様の観点では、ポート角度は、85度よりも小さい角度であることがより望ましく、80度よりも小さい角度であることがさらに望ましい。
【0038】
このように、本発明のポートにおいては、燃焼室の外部から内部へ向かうガスの流動(導入)および燃焼室の内部から外部へ向かうガスの流動(放出)の双方が考慮され、ポート角度が定められている。これにより、本発明のポートは、内燃機関に適用されたとき、燃焼室の内部において旋回流を適切に形成および維持させることができる。
【0039】
上述したように、本発明のポートは、ポート角度が90度よりも小さい所定の角度であるように構成される。ポート角度をこのような角度に設定するための具体的なポートの構成は、特に制限されない。
【0040】
例えば、本発明のポートの一の態様において、
前記通路部の一部分であって該一部分と前記バルブとが接触されることによって前記通路部を閉鎖するための一部分であるバルブ接触部分と、前記燃焼室側端部と、は異なる部分であるように構成され得る。
【0041】
本態様において、「バルブ接触部分」は、同バルブ接触部分とバルブとが接触することによって通路部を閉鎖せしめるとの目的にて通路部に設けられる部分(例えば、いわゆるバルブシート部分)であり、必ずしもバルブ接触部分の全てとバルブとが接触する必要はない。換言すると、上記目的にて通路部に設けられる部分の全てが、本態様のバルブ接触部分に相当する。
【0042】
さらに、「バルブ接触部分と、燃焼室側端部と、が異なる部分である」とは、バルブ接触部分の全てが燃焼室側端部と異なること、または、バルブ接触部分の少なくとも一部が燃焼室側端部と異なること、を表す。
【0043】
以上に説明したように、本発明のポートは、内燃機関に適用されたとき、燃焼室の内部において旋回流を適切に形成および維持することができる。
【0044】
ところで、本発明のポートが適用された内燃機関を上記ポート角度とは別の観点から述べると、例えば、同内燃機関は、
内燃機関の燃焼室の内部と前記燃焼室の外部とを連通させるための通路部を備えたポートと、
前記通路部を閉鎖または開放するバルブであって、該バルブの軸線に沿って移動し、該バルブの端部に設けられたバルブヘッドと前記通路部の一部分であるバルブ接触部分とが接触することによって前記通路部を閉鎖するとともに、前記バルブヘッドと前記バルブ接触部分とが隔離することによって前記通路部を開放するバルブと、
を備えるとともに、
前記通路部が開放されているとき、前記バルブヘッドの一の端部であって前記ポートから最も遠い前記燃焼室の側面に最も近い端部である第1の端部と、前記ポートの前記通路部の端部であって前記通路部と前記燃焼室の内部とを接続させるための端部である燃焼室側端部と、の距離(以下、「第1の距離」とも称呼される。)が、前記バルブヘッドの他の端部であって前記ポートに最も近い燃焼室の側面に最も近い端部である第2の端部と、前記燃焼室側端部と、の距離(以下、「第2の距離」とも称呼される。)よりも長いように、前記ポートおよび前記バルブが構成され得る。
【0045】
上述したように、本発明の「ポート」においては、ポート角度が第1の領域(通路部の燃焼室側端部とバルブとの間の領域であってポートから最も遠い燃焼室の側面に近い領域)および第2の領域(通路部の燃焼室側端部とバルブとの間の領域であってポートに最も近い燃焼室の側面に近い領域)の大きさに影響を与えることに起因し、燃焼室の内部において旋回流が適切に形成および維持されるようになっている。
【0046】
これら第1の領域および第2の領域の大きさは、燃焼室側端部とバルブとの間の距離に関連すると考えられる。より具体的に述べると、第1の領域は上記内燃機関における「第1の距離」に関連し、第2の領域は同内燃機関における「第2の距離」に関連すると考えられる。すなわち、一般に、上記「第1の距離」が長くなるにつれて第1の領域は大きくなり、上記「第2の距離」が長くなるにつれて第2の領域は大きくなると考えられる。
【0047】
したがって、上述したように構成された内燃機関においては、第1の距離が第2の距離よりも長いので、順方向の流れの流量(第1の領域を通過するガスの流量)に対する逆方向の流れの流量(第2の領域を通過するガスの流量)が小さいことになると考えられる。これにより、上記本発明のポートにて説明した理由と同様の理由により、燃焼室の内部において旋回流が適切に形成され得るとともに、圧縮行程においてポートが開放される場合であっても形成された旋回流が適切に維持され得る。
【0048】
上記内燃機関の一の具体例として、例えば、
前記燃焼室側端部が含まれる仮想的な面である第1の面と、前記バルブの軸線に相当する仮想的な直線と、によって定義される角度であるポート角度が90度よりも小さい角度であるように、前記ポートおよび前記バルブが構成され得る。
【0049】
なお、このポート角度のより望ましい値は、本発明のポートについて上述された各々の値と同様である。
【0050】
上述したように、本発明の内燃機関は、第1の距離が第2の距離よりも大きいように構成される。第1の距離および第2の距離をこのような大きさに設定するための具体的な内燃機関の構成は、特に制限されない。
【0051】
例えば、上記内燃機関において、
前記通路部のバルブ接触部分と、前記燃焼室側端部と、は異なる部分であるように構成され得る。
【0052】
さらに、例えば、上記内燃機関において、
前記バルブヘッドの周辺部分と前記通路部のバルブ接触部分とが接触することによって前記通路部が閉鎖されるとともに、前記バルブヘッドの周辺部分が含まれる仮想的な面である第2の面と前記仮想的な直線とが直交する、ように構成され得る。
【0053】
本例において、「バルブヘッドの周辺部分が含まれる仮想的な面」とは、ある面であって該面の面内に上記「バルブヘッドの周辺部分」が存在するように構成される面、を表す。この「仮想的な面」は、平面であってもよく、曲面であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係るポートが適用される内燃機関の概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係るポートの断面の概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係るポートが吸気ポートを閉鎖または開放する様子を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態に係るポートの構成の概略を示す拡大図である。
【図5】参考例としてのポートの構成の概略を示す拡大図である。
【図6】参考例としてのポートを通過したガスの流動の一例を示す概略図である。
【図7】参考例としてのポートを備えた内燃機関の圧縮行程におけるガスの流動の一例を示す概略図である。
【図8】本発明の実施形態に係るポートを通過したガスの流動に一例を示す概略図である。
【図9】本発明の実施形態に係るポートを備えた内燃機関の圧縮行程におけるガスの流動の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明による内燃機関のポートの実施形態が、図面を参照しながら説明される。
【0056】
<装置の概要>
図1は、本発明の実施形態に係るポート(吸気ポートおよび排気ポート)が内燃機関10に適用されたシステムの概略構成を示している。内燃機関10は、4サイクル火花点火式多気筒(4気筒)機関である。図1は、複数の気筒のうちの一の気筒の断面のみを示している。なお、他の気筒も、この一の気筒と同様の構成を備えている。以下、「内燃機関10」は、単に「機関10」とも称呼される。
【0057】
この機関10は、シリンダブロック部20、シリンダブロック部20の上部に固定されるシリンダヘッド部30、シリンダブロック部20に空気と燃料とが混合されたガス(混合気)を導入するための吸気系統40、シリンダブロック部20から排出されるガス(排ガス)を機関10の外部に放出するための排気系統50、アクセルペダル61、各種のセンサ71〜77、および、電子制御装置80、を備えている。
【0058】
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23、および、クランクシャフト24、を有している。ピストン22はシリンダ21内を往復するように移動し、ピストン22の移動がコンロッド23を介してクランクシャフト24に伝達され、これにより同クランクシャフト24が回転する。さらに、シリンダヘッド部30の下面、シリンダ21の内周面およびピストン22の上面により、燃焼室25が画成されている。換言すると、シリンダヘッド部30の下面は燃焼室25の「上面」に、シリンダ21の内周面は燃焼室25の「側面」に、ピストン22の上面は燃焼室25の「下面」に、それぞれ相当する。
【0059】
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気バルブ32、吸気バルブ32を駆動するインテークカムシャフト33、燃料を吸気ポート31内に噴射するインジェクタ34、燃焼室25に連通した排気ポート35、排気ポート35を開閉する排気バルブ36、排気バルブ36を駆動するエキゾーストカムシャフト37、点火プラグ38、および、点火プラグ38に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ39、を有している。
【0060】
以下、実施形態に係るポートが、図2〜図4を参照しながらより具体的に説明される。図2は、燃焼室25、吸気ポート31および排気ポート35を含む領域が燃焼室25の軸線に平行な平面によって切断されたときの同燃焼室25、同吸気ポート31および同排気ポート35の断面の概略を示す図である。なお、理解が容易になるように、本実施形態のポートの構成を説明するために必ずしも必要ではない部材(例えば、点火プラグ38など)は、図2に示されていない。
【0061】
まず、吸気ポート31の構成が説明される。
吸気ポート31は、燃焼室25の上面(シリンダヘッド部30の下面)に設けられている。より具体的に述べると、吸気ポート31は、燃焼室25の上面の中心と、その上面の外周と、の間の所定の位置に設けられている。そのため、吸気ポート31と吸気ポート31から最も遠い燃焼室25の側面25aとの距離は、吸気ポート31と吸気ポート31に最も近い燃焼室25の側面25bとの距離よりも大きいことになる。以下、便宜上、吸気ポート31から最も遠い燃焼室25の側面25aは「排気側側面25a」とも称呼され、吸気ポート31に最も近い燃焼室25の側面25bは「吸気側側面25b」とも称呼される。
【0062】
吸気ポート31は、混合気を通過せしめる通路部31aと、吸気バルブ32を支持する軸受部31bと、を有する。
【0063】
通路部31aは、燃焼室25の内部と同燃焼室25の外部とを連通させるようになっている。具体的に述べると、通路部31aと燃焼室25の内部とが通路部31aの一の端部(以下、「燃焼室側端部31c」とも称呼される。)において接続されるとともに、通路部31aと後述するインテークマニホールド41とが通路部31aの他の端部(図示省略。)において接続されている。これにより、混合気は、通路部31aを通過して燃焼室25に導入されることになる(図中の矢印INを参照。)。
【0064】
なお、通路部31aは、図2に示されるように、インテークマニホールド41と接続される部分Aと、いわゆるスロート部分Bと、吸気バルブ32と接触される部分C(後述されるバルブシート部31dに相当。)と、燃焼室25の内部と接続される部分Dと、を有する。
【0065】
吸気ポート31は、上述した通路部31aを有することにより、燃焼室25の外部から燃焼室25の内部へ導入される混合気が通過する流路の一部を構成している。すなわち、吸気ポート31とは、燃焼室25と後述するインテークマニホールド41との間において混合気が通過する流路そのもの、または、その流路を画成する部材、を表す。
【0066】
軸受部31bは、吸気バルブ32がその軸線(バルブステム32aの軸線32axi。詳細は後述される。)に沿って移動し得るように、吸気バルブ32を支持するようになっている。
【0067】
吸気バルブ32は、円柱の形状のバルブステム32aと、バルブステム32aの燃焼室25の内部に面する側の端部に設けられる略円盤の形状のバルブヘッド32bと、を有するポペットバルブである。
【0068】
バルブステム32aは、バルブステム32aの軸線32axiに沿ってバルブステム32a(および、バルブヘッド32b。すなわち、吸気バルブ32の全体)が移動し得るように、上記軸受部31bに支持されている。
【0069】
なお、周知のように、吸気バルブ32(バルブステム32aおよびバルブヘッド32b)は、インテークカムシャフト33の回転に応じ、バルブステム32aの軸線32axiに沿って所定の位置間を往復するように移動する。そして、吸気バルブ32がこのように移動することにより、吸気ポート31がバルブヘッド32bによって閉鎖または開放される。以下、バルブステム32aの軸線32axiは、単に「吸気バルブ32の軸線32axi」とも称呼される。
【0070】
具体的に述べると、図3は、吸気ポート31が吸気バルブ32によって閉鎖または開放される様子を示す模式図である。吸気バルブ32は、図中の両矢印に示されるように、軸線32axiに沿って往復運動するように移動する。そして、図中の実線にて表される位置に吸気バルブ32が移動すると、吸気バルブ32のバルブヘッド32bの周辺部分と、通路部31aの一部分(バルブシート部31d)と、が接触することによって吸気ポート31が閉鎖される。一方、図中の破線にて表される位置に吸気バルブ32が移動すると、吸気バルブ32のバルブヘッド32bの周辺部分と、通路部31aの一部分と、が隔離されることによって吸気ポート31が開放される。なお、当然ながら、図中の実線にて示される位置と破線にて示される位置との間に吸気バルブ32が位置するときにも、吸気ポート31は開放されている。
【0071】
バルブシート部31dは、複数の(本例においては、4つの)環状の面を有している。この環状の面は、同環状の面とバルブヘッド32bの周辺部分とが接触したときに通路部31aが遮断されるように(すなわち、通路部31aをガスが通過不能となるように)構成されている。
【0072】
吸気バルブ32は、バルブヘッド32bの周辺部分が含まれる仮想的な面(図示省略。)と、吸気バルブ32の軸線32axiと、が直交するように構成されている。簡便に述べると、バルブステム32aとバルブヘッド32bとが直交している。さらに、図3に示されるように、バルブヘッド32bの周辺部分が接触する通路部31aの一部分(バルブシート部31dの一部分)と、燃焼室側端部31cと、は異なる部分である。
【0073】
吸気ポート31の構成についてさらに詳細に述べると、図4は、吸気ポート31および吸気バルブ32の位置関係の概略を示す拡大図である。吸気ポート31は、燃焼室側端部31cが含まれる仮想的な面VPと、吸気バルブ32の軸線32axiに相当する仮想的な直線VLと、によって定義される角度θ(以下、「ポート角度θ」とも称呼される。)が90度よりも小さい角度であるように、構成されている。なお、ポート角度θの下限値として、例えば、バルブヘッド32bと吸気側側面25bとが接触しない角度であって最も小さい角度が採用され得る。例えば、ポート角度θの下限値として、60度、より望ましくは、65度、さらに望ましくは、70度である。また、ポート角度θは、85度よりも小さい角度であることが望ましく、80度よりも小さい角度であることがさらに望ましい。
【0074】
本実施形態において、便宜上、仮想的な面VPは平面であると仮定される。このとき、ポート角度θは、その面VPと直線VLとがそれらの間に形成する角度のうちの最も小さい角度を表す。なお、仮想的な面VPが曲面である場合、ポート角度θは、その面VPと直線VLとの交点において、同交点おける面VPの接平面と、直線VLと、がそれらの間に形成する角度のうちの最も小さい角度を表す。
【0075】
このとき、バルブヘッド32bは、排気側側面25a(吸気ポート31から最も遠い燃焼室25の側面)に最も近い端部32b1(以下、「第1の端部32b1」とも称呼される。)と、吸気側側面25b(吸気ポート31に最も近い燃焼室25の側面)に最も近い端部32b2(以下、「第2の端部32b2」とも称呼される。)と、を有する。
【0076】
図4に示されるように、吸気ポート31において、第1の端部32b1と燃焼室側端部31cとの距離D1は、第2の端部32b2と燃焼室側端部31cとの距離D2よりも「大きい」。なお、距離D1は、第1の端部32b1と燃焼室側端部31cとの間の最短距離であって、第1の端部32b1と上記仮想的な面VPとの間の最短距離にも相当する。また、距離D2は、第2の端部32b2と燃焼室側端部31cとの間の最短距離であって、第2の端部32b2と上記仮想的な面VPとの間の最短距離にも相当する。
【0077】
以下、吸気ポート31に関して、混合気が通過する流路そのものの外周面およびその流路を画成する部材の内周面は、「吸気ポート31の周面」とも総称される。同様に、通路部31cに関して、以下、混合気が通過する流路そのものの外周面およびその流路を画成する部材の内周面は、「通路部31cの周面」とも総称される。
以上が、吸気ポート31の構成についての説明である。
【0078】
一方、排気ポート35の構成は、吸気ポート31の構成と同様である。すなわち、再び図2を参照すると、排気ポート35は通路部35aおよび軸受部35bを有しており、この軸受部35bに排気バルブ36のバルブステム36aが支持される。そして、排気バルブ36がバルブステム36aの軸線に沿って往復運動するように移動すると、バルブヘッド36bによって排気ポート35が閉鎖または開放される。排ガスが排気ポート35を通過して燃焼室25から放出されるとき、排ガスは、通路部35aを通過する(図2における矢印EXを参照。)。
以上が、本実施形態のポート(吸気ポート31および排気ポート35)についての説明である。
【0079】
再び図1を参照すると、吸気系統40は、上述した吸気ポート31を介してそれぞれの気筒に連通されたインテークマニホールド41、インテークマニホールド41の上流側の集合部に接続された吸気管42、吸気管42の端部に設けられたエアクリーナ43、吸気管42の開口面積(開口断面積)を変更することができるスロットル弁(吸気絞り弁)44、および、指示信号に応じてスロットル弁44を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ44a、を有している。吸気ポート31、インテークマニホールド41および吸気管42により、吸気通路が構成されている。
【0080】
排気系統50は、上述した排気ポート35を介してそれぞれの気筒に連通されたエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51の下流側の集合部に接続された排気管52、および、排気管52に設けられた排ガス浄化用触媒53、を有している。排気ポート35、エキゾーストマニホールド51および排気管52により、排気通路が構成されている。
【0081】
機関10の外部には、機関10に加速要求および要求トルクなどを入力するためのアクセルペダル61が設けられている。アクセルペダル61は、機関10の操作者によって操作される。
【0082】
機関10は、各種のセンサとして、吸入空気量センサ71、スロットル弁開度センサ72、クランクポジションセンサ73、水温センサ74、空燃比センサ75,76、および、アクセル開度センサ77、を備えている。
【0083】
これらセンサのうち、クランクポジションセンサ73は、クランクシャフト24の近傍に設けられている。クランクポジションセンサ73は、クランクシャフト24が10°回転する毎に幅の狭いパルスを有する信号を出力するとともに、クランクシャフト24が360°回転する毎に幅の広いパルスを有する信号を出力するように構成されている。これら信号に基づき、クランクシャフト24の単位時間あたりの回転数(以下、単に「機関回転速度NE」とも称呼される。)が取得される。
【0084】
さらに、機関10は、電子制御装置80を備えている。
電子制御装置80は、CPU81、CPU81が実行するプログラム、テーブル(マップ)および定数などをあらかじめ記憶したROM82、CPU81が必要に応じて一時的にデータを格納するRAM83、電源が投入された状態でデータを格納すると共に格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM84、ならびに、ADコンバータを含むインターフェース85を有する。CPU81、ROM82、RAM83、RAM84およびインターフェース85は、互いにバスで接続されている。
【0085】
インターフェース85は、上記各センサと接続され、CPU81にそれらセンサから出力される信号を伝えるように構成されている。さらに、インターフェース85は、インジェクタ34、イグナイタ39およびスロットル弁アクチュエータ44aなどと接続され、CPU81の指示に応じてそれらに指示信号を送るように構成されている。
以上が、本発明の実施形態に係るポートが機関10に適用されたシステムの概略構成である。
【0086】
<燃焼室の内部におけるガスの流動>
以下、吸気ポート31が採用された機関10の燃焼室25の内部における混合気の流動が、説明される。
【0087】
ここで、実施形態に係る吸気ポート31における上記流動が説明される前に、「参考例」としての吸気ポートが採用された機関の内部における混合気の流動が説明される。図5は、「参考例」としての吸気ポート101および吸気バルブ102の構成を示す概略図である。
【0088】
まず、吸気行程における混合気の流動が説明される。
参考例の吸気ポート101は、燃焼室側端部101cが含まれる仮想的な面VPと、吸気バルブ102の軸線に相当する仮想的な直線VLと、がなす角度(ポート角度γ)が「90度」である点においてのみ、本発明の実施形態に係る吸気ポート31(図4を参照。ポート角度θは60度以上で且つ90度よりも小さい角度。)と相違している。すなわち、参考例における吸気バルブ102は、本発明の実施形態に係る吸気バルブ32と同様の形状を有しており、同吸気バルブ32と同様にその軸線に沿った方向に往復運動するように移動し得るように構成されている。
【0089】
参考例において、バルブヘッド102bは、上記同様、排気側側面25a(図示省略。)に最も近い端部102b1(以下、「第1の端部102b1」とも称呼される。)と、吸気側側面25bに最も近い端部102b2(以下、「第2の端部102b2」とも称呼される。)と、を有する。図5に示されるように、第1の端部102b1と燃焼室側端部101cとの距離D1は、第2の端部102b2と燃焼室側端部101cとの距離D2と「同一」である。
【0090】
図6は、この参考例としての吸気ポート101が適用された機関10において、吸気バルブ102が開いており且つ排気バルブ104が閉じているとき(すなわち、吸気行程における)、参考例の吸気ポート101を通過した混合気の燃焼室25の内部における流動の一例を示す概略図である。なお、図2と同様、参考例のポートを通過したガスの流動を説明するために必ずしも必要ではない部材は、図6において表示されていない。
【0091】
図中の実線の矢印および破線の矢印に示されるように、混合気の流れは、吸気バルブ102に接触するとともに、流れ方向がそれぞれ異なる複数の流れに分流される。具体的に述べると、燃焼室25に導入される混合気のうちの「排気側側面25aに向かって流れる混合気INfor」は、図中の実線に示されるように、吸気ポート101の周面のうちの排気側側面25aに近い周面101aus(以下、「上側の周面101aus」とも称呼される。)に沿うように流れるとともに、吸気バルブ102の第1の端部102b1と燃焼室側端部101cとの間の領域AR1を通過し、燃焼室25に導入される。
【0092】
そして、燃焼室25に導入された混合気INforは、排気ポート103を閉鎖する排気バルブ104、排気側側面25a、ピストン22、および、吸気側側面25bにこの順に沿うように流れる。その結果、混合気INforは、燃焼室25の内部において、燃焼室25の軸線に垂直な軸周りに回転する旋回流(タンブル)を形成する。よって、混合気INforの流れは、燃焼室25の内部に旋回流を形成する観点における「順方向の流れ」に相当する。
【0093】
一方、燃焼室25に導入される混合気のうちの「吸気側側面25bに向かって流れる混合気INbac」は、図中の破線に示されるように、吸気ポート101の周面のうちの吸気側側面25bに近い周面101als(以下、「下側の周面101als」とも称呼される。)に沿うように流れるとともに、吸気バルブ102の第2の端部102b2と燃焼室側端部101cとの間の領域AR2、および、第2の端部102b2と吸気側側面25bとの間の領域AR3を通過し、燃焼室25に導入される。
【0094】
燃焼室25に導入された混合気INbacは、吸気側側面25bおよびピストン22にこの順に沿うように流れる。その結果、混合気INbacは、上記混合気INforの流れ(順方向の流れ)とは逆の方向に流れる。その結果、混合気INbacにより、上述した混合気INforによって旋回流が形成されることが妨げられ得ると考えられる。よって、混合気INbacの流れは、燃焼室25の内部に旋回流を形成する観点における「逆方向の流れ」に相当する。
【0095】
ところで、一般に、機関10の機関回転速度NEに対する燃焼室25の内部における旋回流(タンブル)の角速度ωの比(ω/NE)は、「タンブル比」と称呼される。本説明から理解されるように、機関回転速度NEの単位値に対するタンブルの角速度ωが大きいほど(簡便に述べると、燃焼室25の内部に強いタンブルが形成されるほど)、タンブル比の値は大きいことになる。なお、タンブル比の算出方法として、例えば、機関10と同様の構成を備える実験用の機関を用いてあらかじめ行われる測定の結果に基づいてタンブル比を算出する方法、および、燃焼室25の内部の混合気の流動を推定するシミュレーションの結果に基づいてタンブル比を算出する方法などが採用され得る。
【0096】
上述したように、参考例としての吸気ポート101が採用された機関10においては、混合気INforの流れが混合気INbacの流れによって妨げられ得る。図5を参照しながら説明したように、参考例の吸気ポート101においては、吸気バルブ102の第1の端部102b1と燃焼室側端部101cとの距離D1と、吸気バルブ102の第2の端部102b2と燃焼室側端部101cとの距離D2と、は「同一」である。
【0097】
ここで、距離D1は「第1の端部102b1と燃焼室側端部101cとの間の領域AR1」を通過する混合気の流量に影響を与え、距離D2は「第2の端部102b2と燃焼室側端部101cとの間の領域AR2」を通過する混合気の流量に影響を与えると考えられる。さらに、距離D2は、「第2の端部102b2と吸気側側面25bとの間の領域AR3」を通過する混合気の流量にも影響を与えると考えられる。すなわち、これら距離が大きいほど、対応する領域を通過する混合気の流量は大きいことになると考えられる。
【0098】
そのため、参考例の吸気ポート101が採用された機関10においては、混合気INforの流れの流量(順方向の流れの流量)に対する混合気INbacの流れの流量(逆方向の流れの流量)が相当程度に大きい可能性があり、旋回流が燃焼室25の内部において適切に形成されない場合があると考えられる。そして、この場合、意図されたポートの特性(例えば、意図された大きさのタンブル比)が得られない可能性があると考えられる。
以上が、吸気行程における混合気の流動についての説明である。
【0099】
次いで、圧縮行程において吸気ポート101が開放される場合における混合気の流動が説明される。図7は、この場合におけるガスの流動の一例を示す概略図である。なお、図2と同様、圧縮行程におけるガスの流動を説明するために必ずしも必要ではない部材は、図7において表示されていない。
【0100】
図中の実線に示されるように、上記吸気行程において燃焼室25の内部に形成された旋回流は、圧縮行程においても維持され得る。ところが、旋回流の流れ(主流)の近傍に旋回流が流れ込み易い領域が存在すると、旋回流の一部(傍流)がその領域に流れ込んで燃焼室25の外部に放出される場合がある。例えば、図中の破線に示されるように、圧縮行程において吸気ポート101が開放されていると、旋回流の一部INexは、「吸気バルブ102の第2の端部102b2と吸気側側面25bとの間の領域AR3」および「第2の端部102b2と燃焼室側端部101cとの間の領域AR2」を通過し、燃焼室25の外部へ(例えば、通路部101aへ)放出される場合がある。
【0101】
上述したように、参考例としての吸気ポート101が採用された機関10においては、圧縮行程において吸気ポート101が開放されている場合、旋回流の一部INexが燃焼室25の外部に放出され得る。そのため、この旋回流の一部INexの流量が相当程度に大きいと、旋回流が燃焼室25の内部において適切に維持されない場合があると考えられる。そして、この場合、意図されたポートの特性(例えば、上記同様、意図された大きさのタンブル比)が得られない可能性があると考えられる。
以上が、圧縮行程における混合気の流動についての説明である。
【0102】
これに対し、以下、本発明の実施形態の吸気ポート31が採用された機関の内部における混合気の流動が説明される。
【0103】
まず、吸気行程における混合気の流動が説明される。
図8は、本発明の実施形態に係る吸気ポート31が適用された機関10において、吸気バルブ32が開いており且つ排気バルブ36が閉じているとき(吸気行程において)、吸気ポート31を通過した混合気の燃焼室25の内部における流動の一例を示す概略図である。なお、上記同様、本実施形態のポートを通過したガスの流動を説明するために必ずしも必要ではない部材は、図8において表示されていない。
【0104】
「順方向の流れ」である混合気INforの流れは、図中の実線に示されるように、吸気ポート31の上側の周面32ausに沿うように流れるとともに、吸気バルブ32の第1の端部32b1と燃焼室側端部31cとの間の領域AR1を通過し、燃焼室25の内部に導入される。そして、燃焼室25に導入された混合気INforは、排気バルブ36、排気側側面25a、ピストン22、および、吸気側側面25bにこの順に沿うように流れ、旋回流(タンブル)を形成する。
【0105】
一方、「逆方向の流れ」である混合気INbacの流れは、図中の破線に示されるように、吸気ポート31の下側の周面32alsに沿うように流れるとともに、吸気ポート31の第2の端部32b2と燃焼室側端部31cとの間の領域AR2、および、第2の端部32b2と吸気側側面25bとの間の領域AR3を通過し、燃焼室25の内部に流入し得るとも考えられる。
【0106】
しかし、図4を参照しながら説明したように、本実施形態の吸気ポート31においては、吸気バルブ32の第1の端部32b1と燃焼室側端部101cとの距離D1は、吸気バルブ32の第2の端部32b2と燃焼室側端部101cとの距離D2よりも「大きい」。そのため、距離D1に関連する領域AR1は、距離D2に関連する領域AR2よりも大きいことになると考えられる。さらに、領域AR3の大きさは、上記参考例の吸気ポート101が採用された機関10における同領域の大きさ(図6を参照。)よりも小さいことになると考えられる。よって、混合気INforの流れの流量(順方向の流れの流量)に対する混合気INbacの流れの流量(逆方向の流れの流量)は、上述した参考例の吸気ポート101が採用された機関10における同流量に比べて小さいと考えられる。
【0107】
そして、混合気INbacの流れの流量(逆方向の流れの流量)が旋回流を形成させるという観点において無視できる程度に小さい場合、意図されたポートの特性が十分に得られると考えられる。
以上が、吸気行程における混合気の流動についての説明である。
【0108】
次いで、圧縮行程において吸気ポート31が開放される場合における混合気の流動が説明される。図9は、この場合におけるガスの流動の一例を示す概略図である。なお、図2と同様、圧縮行程におけるガスの流動を説明するために必ずしも必要ではない部材は、図9において表示されていない。
【0109】
図中の実線に示されるように、上記吸気行程において燃焼室25の内部に形成された旋回流は、圧縮行程においても維持され得る。一方、旋回流の一部(傍流)INexは、図中の破線に示されるように、吸気バルブ32の第2の端部32b2と吸気側側面25bとの間の領域AR3、および、第2の端部32b2と燃焼室側端部31cとの間の領域AR2を通過し、燃焼室25の外部へ放出される場合があるとも考えられる。
【0110】
しかし、上述したように、吸気バルブ32の第2の端部32b2と吸気側側面25bとの間の領域AR3は、参考例の吸気ポート101が採用された機関10における同領域の大きさ(図6を参照。)よりも小さいことになると考えられる。さらに、第2の端部32b2と燃焼室側端部31cとの間の領域AR2も、参考例における同領域の大きさ(図6を参照。)よりも小さいことになると考えられる。そのため、旋回流の一部INexの流量は、上述した参考例の吸気ポート101が採用された機関10における同流量に比べて小さいと考えられる。
【0111】
そして、旋回流の一部INexの流量が旋回流を維持するという観点において無視できる程度に小さい場合、意図されたポートの特性が十分に得られると考えられる。
以上が、圧縮行程における混合気の流動についての説明である。
【0112】
これにより、例えば、本発明の実施形態に係るポートが採用された機関10は、参考例の吸気ポート101が採用された機関10よりも、タンブル比を増大せしめ得る。タンブル比が増大された場合、混合気が燃焼する際の火炎伝播がより円滑に進行され、混合気がより効率良く燃焼され得る。その結果、例えば、燃費が向上され得ると考えられる。
【0113】
なお、本発明の実施形態に係るポートにおいては、燃焼室25に導入される混合気の状態(例えば、順方向の流れINforと逆方向の流れINbacとの関係)が調整されることによってタンブル比が増大され得るので、タンブル比を増大させるために混合気の流速が高められる(例えば、ポートの口径が小さくされる)必要がない。そのため、混合気の流速が高められることによる混合気の温度の上昇、および、その混合気の温度の上昇に起因するノッキングの増大、が抑制され得る。また、ポートの口径が小さくされることによる混合気の流量の低下、および、混合気の流量の低下に起因する機関10の出力の低下、も抑制され得る。
【0114】
以上に説明したように、本発明の実施形態に係るポートは、燃焼室25の外部から内部へ向かう混合気の流動(図8を参照。)および燃焼室25の内部から外部へ向かうガスの流動(図9を参照。)の双方を考慮し、燃焼室25の内部に導入された混合気による旋回流(タンブル)を燃焼室25の内部において適切に形成させるとともに(吸気行程)、同旋回流を適切に維持させることができる(圧縮行程)。
以上が、本発明の実施形態に係るポートについての説明である。
【0115】
<実施形態の総括>
以上、説明したように、本発明の実施形態に係るポート31は、
燃焼室25の内部と前記燃焼室25の外部とを連通させるための通路部31aと、前記通路部31aを閉鎖または開放するバルブ32を該バルブの軸線32axiに沿って移動させるための軸受部31bと、を備える。
【0116】
このポート31においては、前記通路部31aの端部であって前記通路部31aと前記燃焼室25の内部とを接続させるための端部である燃焼室側端部31cが含まれる仮想的な面VPと、前記軸受部31bにおける前記バルブの軸線32axiに相当する仮想的な直線VLと、によって定義される角度であるポート角度θが90度よりも小さい角度であるように、前記通路部31aおよび前記軸受部31bが構成される。
【0117】
さらに、このポート31においては、前記通路部31aの一部分であって該一部分と前記バルブ32とが接触されることによって前記通路部31aを閉鎖するための一部分であるバルブ接触部分31dと、前記燃焼室側端部31cと、は異なる部分である。
【0118】
ポート31が適用された機関10をポート角度θとは別の観点から述べると、
機関10は、燃焼室25の内部と前記燃焼室25の外部とを連通させるための通路部31aを備えたポートと、前記通路部31aを閉鎖または開放するバルブ32であって、該バルブの軸線32axiに沿って移動し、該バルブ32の端部に設けられたバルブヘッド32bと前記通路部31aの一部分であるバルブ接触部分31dとが接触することによって前記通路部31aを閉鎖するとともに、前記バルブヘッド32bと前記バルブ接触部分31dとが隔離することによって前記通路部31aを開放するバルブ32と、を備える。
【0119】
この機関10において、前記通路部31aが開放されているとき、前記バルブヘッド32bの一の端部であって前記ポートから最も遠い前記燃焼室の側面25aに最も近い端部である第1の端部32b1と、前記ポートの前記通路部31aの端部であって前記通路部31aと前記燃焼室25の内部とを接続させるための端部である燃焼室側端部31cと、の距離D1が、前記バルブヘッド32bの他の端部であって前記ポートに最も近い燃焼室の側面25bに最も近い端部である第2の端部32b2と、前記燃焼室側端部31cと、の距離D2よりも大きいように、前記ポート31および前記バルブ32が構成される。
【0120】
さらに、この機関10において、前記燃焼室側端部31cが含まれる仮想的な面VPである第1の面と、前記バルブ32の軸線に相当する仮想的な直線VLと、によって定義される角度であるポート角度θが90度よりも小さい角度であるように、前記ポートおよび前記バルブ32が構成される。
【0121】
なお、機関10において、前記通路部31aのバルブ接触部分31dと、前記燃焼室側端部31cと、は異なる部分である
【0122】
さらに、この機関10において、前記バルブヘッド32bの周辺部分と前記通路部のバルブ接触部分31dとが接触することによって前記通路部31aが閉鎖されるとともに、前記バルブヘッド32bの周辺部分が含まれる仮想的な面VPである第2の面と前記仮想的な直線VLとが直交する。
【0123】
<その他の態様>
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【0124】
例えば、上記実施形態に係るポートは、火花点火式機関10に適用されている。しかし、本発明のポートは、火花点火式機関以外の機関(例えば、ディーゼル機関)にも適用され得る。
【0125】
さらに、上記実施形態に係るポートにおいては、バルブステムとバルブヘッドとが直交するバルブが採用されている。しかし、本発明のポートに採用されるバルブは、必ずしもバルブステムとバルブヘッドが直交するバルブでなくてもよい。例えば、上記説明から理解されるように、上述した「ポート角度θの大きさと、ガスが通過する領域AR1,AR2およびAR3の大きさと、の関係」を満たすバルブであれば、本発明のポートとして採用され得る。
【0126】
さらに、上記実施形態においては、本発明のポートが吸気ポート31に適用されている。しかし、本発明のポートは、排気ポートにも適用され得る。
【0127】
さらに、上記実施形態においては、通路部31aは、円柱の形状を有している。しかし、通路部31aは、角柱の形状、または、楕円柱の形状などを有し得る。
【符号の説明】
【0128】
10…内燃機関、25…燃焼室、31…吸気ポート、31a…通路部、31b…軸受部、32…吸気バルブ、35…排気ポート、36…排気バルブ、ガスが通過し得る領域AR1,AR2,AR3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の燃焼室の内部と前記燃焼室の外部とを連通させるための通路部と、前記通路部を閉鎖または開放するバルブを該バルブの軸線に沿って移動させるための軸受部と、を備えた内燃機関のポートであって、前記通路部の端部であって前記通路部と前記燃焼室の内部とを接続させるための端部である燃焼室側端部が含まれる仮想的な面と、前記軸受部における前記バルブの軸線に相当する仮想的な直線と、によって定義される角度であるポート角度が90度よりも小さい角度であるように、前記通路部および前記軸受部が構成される、内燃機関のポート。
【請求項2】
請求項1に記載のポートにおいて、
前記通路部の一部分であって該一部分と前記バルブとが接触されることによって前記通路部を閉鎖するための一部分であるバルブ接触部分と、前記燃焼室側端部と、が異なる部分である、内燃機関のポート。
【請求項3】
内燃機関の燃焼室の内部と前記燃焼室の外部とを連通させるための通路部を備えたポートと、
前記通路部を閉鎖または開放するバルブであって、該バルブの軸線に沿って移動し、該バルブの端部に設けられたバルブヘッドと前記通路部の一部分であるバルブ接触部分とが接触することによって前記通路部を閉鎖するとともに、前記バルブヘッドと前記バルブ接触部分とが隔離することによって前記通路部を開放するバルブと、
を備えた内燃機関において、
前記通路部が開放されているとき、前記バルブヘッドの一の端部であって前記ポートから最も遠い前記燃焼室の側面に最も近い端部である第1の端部と、前記ポートの前記通路部の端部であって前記通路部と前記燃焼室の内部とを接続させるための端部である燃焼室側端部と、の距離が、前記バルブヘッドの他の端部であって前記ポートに最も近い燃焼室の側面に最も近い端部である第2の端部と、前記燃焼室側端部と、の距離よりも大きいように、前記ポートおよび前記バルブが構成される、内燃機関。
【請求項4】
請求項3に記載の内燃機関において、
前記燃焼室側端部が含まれる仮想的な面である第1の面と、前記バルブの軸線に相当する仮想的な直線と、によって定義される角度であるポート角度が90度よりも小さい角度であるように、前記ポートおよび前記バルブが構成される、内燃機関。
【請求項5】
請求項3または請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関において、
前記通路部のバルブ接触部分と、前記燃焼室側端部と、が異なる部分である、内燃機関。
【請求項6】
請求項3〜請求項5に記載の内燃機関において、
前記バルブヘッドの周辺部分と前記通路部のバルブ接触部分とが接触することによって前記通路部が閉鎖されるとともに、前記バルブヘッドの周辺部分が含まれる仮想的な面である第2の面と前記仮想的な直線とが直交する、内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−7270(P2013−7270A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138441(P2011−138441)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】