説明

内燃機関の触媒劣化診断装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、触媒コンバータの上流側と下流側とにそれぞれ配設された空燃比センサを利用して、触媒の劣化状態を診断するようにした内燃機関の触媒劣化診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の触媒コンバータの上流側および下流側にそれぞれ空燃比センサ例えばO2センサを配設し、上流側O2センサの出力信号を主にして空燃比フィードバック制御を実行するとともに、両センサの出力信号の比較から触媒の劣化を診断するようにした装置が、例えば特開昭63−97852号公報や特開昭63−205441号公報に開示されている。
【0003】すなわち、空燃比フィードバック制御の実行中には、主に上流側O2センサの出力信号に基づいて例えば疑似的な比例積分制御により燃料供給量が制御されるので、上流側O2センサの出力信号は図7中の(a)に示す如く、周期的にリッチ,リーンの反転を繰り返す。これに対し、触媒コンバータの下流側では、触媒のO2ストレージ能力により残存酸素濃度の変動が非常に緩やかになるので、下流側O2センサの出力信号としては、図7中の(b)に示すように、上流側O2センサに比べて変動幅が小さく、かつ周期が長くなる。
【0004】しかし、触媒コンバータにおける触媒が劣化してくると、O2ストレージ能力の低下により、触媒コンバータ上流側と下流側とで酸素濃度がそれほど変わらなくなり、その結果、下流側O2センサの出力信号は、図7中の(c)に示すように、上流側O2センサの出力に近似した周期で反転を繰り返すようになり、かつその変動幅も大きくなってくる。
【0005】従って、前記公報に記載の装置では、上流側O2センサのリッチ,リーンの反転周期T1と下流側O2センサのリッチ,リーンの反転周期T2との比(T1/T2)を求め、この比が所定値以上となった時に、触媒が劣化したものと判定するようにしている。
【0006】一方、触媒のO2ストレージ能力は、触媒の温度に大きく左右され、特に触媒活性化温度以下の低温状態では、O2ストレージ能力が非常に低い。つまり、触媒温度が低い状態で上述した触媒劣化診断が実行されると、触媒の転化性能が残存していても劣化と誤判定されることがある。
【0007】そこで、従来の装置では、機関が高速高負荷運転を所定時間以上継続したか否か等を判断することにより、触媒温度を推定し、この推定温度が活性化温度以上になった場合に、劣化診断を行うようになっている。
【0008】また、このような機関の運転状態に基づく触媒温度の推定の代わりに、触媒コンバータに熱電対等の温度センサを特別に設け、これにより、直接的に触媒温度を検出するようにしたものも、例えば特公昭58−33368号公報等によって知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】機関の運転状態から触媒温度を推定した後に劣化診断を行う装置にあっては、外気温が低い場合や触媒コンバータに水等がかかった場合に、誤診断する可能性がある。
【0010】すなわち、外気温が低い場合や雨水等が触媒コンバータにかかった場合には、触媒コンバータの実温度が低下するが、推定温度は専ら機関の運転状態に依存するため、実温度と推定温度との間に差異が生じる。従って、機関の運転状態から温度を推定するものでは、これらの外乱に対応することができず、活性化温度に達していない触媒コンバータを診断して劣化と判定する可能性がある。
【0011】一方、触媒温度検出用に温度センサを設ければ、常に実温度を直接測定できるため、このような問題は生じない。しかしながら、この場合には、別体の温度センサを新たに設ける必要があるため、装置の全体構成が複雑化し、製造コストも増大する。特に、触媒温度は数百度にも達し、使用雰囲気が過酷であるため、安価なサーミスタ等を容易に用いることができず、温度センサの取り付けに要する費用は大きい。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、触媒温度のみによって加熱された下流側空燃比センサの出力信号から触媒温度を間接的に求めることとした。すなわち、本発明に係る内燃機関の触媒劣化診断装置は、排気通路に介装された触媒コンバータの上流側に配設された上流側空燃比センサ1と、触媒コンバータの下流側に配設されたヒータ5を有する下流側空燃比センサ2と、前記上流側空燃比センサ1の出力信号と下流側空燃比センサ2の出力信号とを用いて触媒の劣化を診断する診断手段3とを備えた内燃機関の触媒劣化診断装置において、前記診断手段3が触媒劣化と判定したときに、前記下流側空燃比センサ2のヒータ5への通電を停止し、このヒータ5による加熱停止後の下流側空燃比センサ2の出力信号が所定の範囲内にある場合は前記触媒コンバータが所定温度に達していないと判定して前記診断手段3による再診断を要求する触媒温度確認手段4を設けたことを特徴としている。
【0013】
【作用】上流側空燃比センサ1と下流側空燃比センサ2との出力信号を用いて、例えば両信号の反転回数の比等から診断手段3が触媒劣化の判定を下すと、触媒温度確認手段4は、下流側空燃比センサ2のヒータ5に対する通電を停止し、この通電停止後の下流側空燃比センサ2の出力信号を読込む。
【0014】ここで、触媒温度が活性化温度に達している場合には、この高い触媒温度によって下流側空燃比センサ2が加熱,保温されるため、該下流側空燃比センサ2の出力信号に実質的変化は生じない。一方、触媒温度が低下している場合に、ヒータ5への通電を停止すると、下流側空燃比センサ2の温度も低下するため、該下流側空燃比センサ2の出力信号の振幅が小さくなる。すなわち、リッチ,リーンにおける変化幅が小さくなる。
【0015】従って、触媒温度確認手段4は、専ら触媒温度のみで加熱,保温された下流側空燃比センサ2の出力信号が所定の範囲内にある場合には、触媒温度が所定の温度以下であると間接的に検出することができ、これにより誤診断を回避すべく、診断手段3に再診断を要求する。
【0016】また、前記下流側空燃比センサをジルコニア管式空燃比センサとして構成すれば、ヒータによる強制的加熱停止後に、すなわち、低温状態でも、所定の基準電圧を得ることができるため、リーン状態時の出力と区別することができ、触媒温度を間接的に知ることができる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
【0018】図2は、この発明の一実施例の機械的構成を示す構成説明図であって、内燃機関11には吸気通路12,排気通路13が設けられている。吸気通路12には、各吸気ポートへ向けて燃料を供給する燃料噴射弁14が気筒毎に配設されているとともに、上流側の集合部にスロットル弁15が介装されており、かつその上流側には、吸入空気量を検出する例えば熱線式のエアフロメータ16が配設されている。
【0019】前記排気通路13には、例えば三元触媒を用いた触媒コンバータ17が介装されているとともに、該触媒コンバータ17よりも上流位置に上流側O2センサ18が、下流位置に下流側O2センサ19がそれぞれ配設されている。
【0020】この空燃比センサとしての各O2センサ18,19は、排気中の残存酸素濃度に応じた起電力を発生するもので、例えばジルコニア管式のO2センサが使用され、特に、理論空燃比を境に起電力がステップ状に急変するとともに、常温程度で例えば280mV程度の基準電圧を発生させる特性を有している。
【0021】また、各センサ18,19にはジルコニア管の内外に設けられたPt触媒(いずれも図示せず)を加熱して活性化させるためのヒータ18A,19Aがそれぞれ設けられている。
【0022】20は内燃機関11の冷却水温を検出する水温センサ、21は機関回転数を検出するために設けられた所定クランク角毎にパルス信号を発するクランク角センサ、22は車速センサをそれぞれ示している。
【0023】上述した各種センサの検出信号が入力されるコントロールユニット23は、いわゆるマイクロコンピュータシステムを用いたもので、O2センサ18,19に基づく燃料噴射弁14の噴射量制御つまりフィードバック制御方式による空燃比制御を実行するとともに、後述の触媒劣化診断を行うものである。
【0024】また、このコントロールユニット23は、各O2センサ18,19のヒータ18A,19Aへの通電を個別に制御可能なヒータ制御回路24を備えており、このヒータ制御回路24は、例えば車載電源の電流を断接するリレー及び該リレーを駆動するトランジスタ等を含んで構成されている。なお、通常は、印加電流のオンオフ制御で足りるが、これに限らず時間比例制御も可能である。
【0025】次に、前記実施例における作用について説明する。
【0026】先ず、空燃比制御の概略を説明する。この空燃比制御は、エアフロメータ16が検出した吸入空気量Qとクランク角センサ21が検出した機関回転数Nとから基本パルス幅Tp(基本噴射量)を、Tp=(Q/N)×k(但しkは定数)
として演算し、かつこれに種々の増量補正やフィードバック補正を加えて燃料噴射弁14の駆動パルス幅Ti(噴射量)を決定するのであり、具体的には次式によってパルス幅Tiが求められる。
【0027】Ti=Tp×COEF×α+TsここでCOEFは各種増量補正係数であり、例えば水温に応じた水温増量補正、高速高負荷時の空燃比補正などからなる。Tsは、燃料噴射弁14の無効時間を補償するようにバッテリ電圧に応じて付加される電圧補正係数である。
【0028】また、αは主に上流側O2センサ18の検出信号に基づいて演算されるフィードバック補正係数である。すなわち、上流側O2センサ18の出力信号を所定のスライスレベル(理論空燃比に対応する)と比較し、かつそのリーン側およびリッチ側への反転に基づく疑似的な比例積分制御によって求められる値で、1以上であればリッチ側へ、1以下であればリーン側へ空燃比が制御される。従って、この比例積分制御の結果、上流側O2センサ18の出力信号は、図7中の(a)に示すように1〜2Hz程度の周期で変化することになる。
【0029】一方、下流側O2センサ19の出力信号は、後述する触媒の劣化診断のほかに、上流側O2センサ18によるフィードバック制御の全体的な片寄りの補正のために用いられる。
【0030】すなわち、下流側O2センサ19の出力信号についても、そのリッチ,リーンの反転に基づいて同様に疑似的な比例積分制御がなされ、第2補正係数αiが求められる。そして、この第2補正係数αiを用いて、前述したフィードバック補正係数αの比例積分制御における比例分を学習補正するのである。なお、この結果、下流側O2センサ19の出力信号は、触媒が劣化していない限りは、図7中の(b)に示すように比較的長い周期でもってリッチ,リーンの反転を繰り返すようになる。
【0031】ここで、下流側O2センサ19の出力特性について図3を参照して説明する。
【0032】この下流側O2センサ19は、その出力が温度依存性を有するため、温度が低い場合は、図3中に示す如く、例えば280mV程度の基準電圧V0を発生し、温度上昇に伴って、そのリッチ時の電圧値,リーン時の電圧値を変化させる。
【0033】上述した通り、触媒が劣化していない場合に、下流側O2センサ19の出力信号は、リッチ,リーンの反転を長い周期で繰り返すため、本実施例では、この下流側O2センサ19の温度が触媒コンバータ17の活性化温度と略等しい温度Tに達したときにおけるリッチ状態の出力信号,リーン状態の出力信号に、上限値VH,下限値VLをそれぞれ設定している。
【0034】従って、下流側O2センサ19の出力信号の最大値あるいは最小値のいずれかを知ることにより、該下流側O2センサ19の温度が触媒活性化温度と略等しいか否かを判断することができる。
【0035】次に、図4,図5のフローチャートに基づいて触媒の劣化診断について説明する。なお、各フローチャートに示すルーチンは、それぞれ所定期間毎に繰り返し実行される。
【0036】図4は、触媒劣化診断全体の流れを示すメインルーチンであって、先ず、ステップ1(図ではS1等と略記する)では、触媒劣化診断が終了しているか否かを診断終了フラグに基づいて判定する。
【0037】なお、この診断終了フラグは、内燃機関11の運転終了時、つまりキーオフ時にリセットされる。診断が完了していない状態、つまり診断終了フラグが0であれば、ステップ2以降へ進み、内燃機関11の種々の条件が所定の診断条件を満たしているか否かを順次判別する。診断条件は、診断の前提となる条件を規定した診断許可条件と、診断を実行する運転領域を規定した診断領域条件とに大別され、ステップ2〜ステップ4が診断許可条件に、ステップ5〜ステップ7が診断領域条件にそれぞれ該当する。
【0038】具体的には、ステップ2では、各センサ、すなわち上流側O2センサ18、下流側O2センサ19、水温センサ20、クランク角センサ21および車速センサ22が正常であるか否かを判別する。次に、ステップ3では、水温センサ22で検出された水温TWが所定値以上であるか否かを判別する。そして、ステップ4では、後述する触媒温度ポイントPが所定値以上であるか否かを判別する。
【0039】更に、ステップ5ではそのときの機関回転数Nが所定値以上であるか否か、ステップ6では負荷(例えば基本噴射量Tp)が所定値以上であるか否か、ステップ7では車速が所定範囲内であるか否かをそれぞれ判別する。これらの各条件がいずれか1つでもNOの場合は、触媒劣化診断は行わない。そして、総ての条件を満たす場合にのみステップ8へ進み、触媒劣化診断を実行する。
【0040】ここで、上述した触媒温度ポイントPについて説明する。前記ステップ4における触媒温度ポイントPは、触媒温度を推定するための指標となるもので、図5に示すサブルーチンによって逐次求められる。
【0041】すなわち、機関回転数Nが所定値N1以上(ステップ21)でかつ負荷に相当する基本噴射量Tpが所定値Tp1以上(ステップ22)である場合には、ステップ23へ進み、触媒温度ポイントPをインクリメントする。またそれ以外の領域であれば、ステップ24へ進み、触媒温度ポイントPをデクリメントする。
【0042】これは、排気の通流により触媒コンバータ17が加熱されるか冷却されるかを考慮したもので、図6R>6に示すように、排気による加熱効果を期待できる高速高負荷側の領域を触媒温度ポイントPの加算領域とし、逆に排気の通流により触媒コンバータ17が冷却される可能性のある低速側の領域および低負荷側の領域を触媒温度ポイントPの減算領域としてある。従って、この触媒温度ポイントPの加減算を常時繰り返すことにより、その時の触媒温度を概ね推定することができるのである。
【0043】さて、図4中のステップ8の触媒劣化診断としては、種々の方式があるが、例えば、図7に示したように、上流側O2センサ18の出力信号のリッチ,リーンの反転周期T1と下流側O2センサ19の出力信号のリッチ,リーンの反転周期T2との比(T2/T1)を適宜な期間内で求め、この値から正常(OK),劣化(NG)のいずれかの判定を下す。
【0044】そして、ステップ9では、前記ステップ8での判定結果が「OK」であるか否かを判断し、「NG」であるときはステップ10に移って触媒温度の間接測定を行う。
【0045】すなわち、ステップ10では、ヒータ制御回路24を介して下流側O2センサ19のヒータ19Aへの通電を停止する。これにより、下流側O2センサ19は、触媒コンバータ17の触媒温度によってのみ加熱,保温されることになり、やがて触媒温度と略等しい温度になって平衡する。
【0046】次のステップ11では、下流側O2センサ19からの出力信号を読込み、この出力信号が上限値VHと下限値VLとの間の所定の範囲内にあるか否か、換言すれば、この出力信号が上限値VHを上回るか、あるいは下限値VLを下回っているかを判断する。
【0047】すなわち、触媒コンバータ17の温度が活性化温度に達している場合には、図7中の(c)に示す如く、下流側O2センサ19の出力信号は比較的早い周期で変化するが、温度が十分で検出感度が高いため、その振幅レベルが大きく、上限値VHと下限値VLとの範囲を越えることになる。これに対し、触媒コンバータ17の温度が活性化温度を下回っている場合には、図3中に二点鎖線で示す如く、下流側O2センサ19の出力信号の検出感度が低下して振幅レベルが小さくなるため、上限値VHと下限値VLとの間に収まることになる。
【0048】従って、前記ステップ11で所定範囲内にあるか否かを判定することにより、下流側O2センサ19を介して、間接的に触媒コンバータ17の温度が活性化温度であるか否かを検出することができる。
【0049】そして、このステップ11で「NO」と判定したときは、触媒温度が活性化温度に達していると間接的に検出された場合であって、かつ、前記ステップ8で触媒劣化と判定された場合であるから、次のステップ12では、前記ステップ8の劣化判定を正当と評価し、触媒コンバータ17が劣化していると確定する。
【0050】一方、前記ステップ8での判定が「OK」である場合、すなわちステップ9で「YES」と判定した場合は、何等問題はないため、その評価をそのまま受け入れる。つまり、触媒コンバータ17が活性化温度に達し、かつ正常に触媒反応を行っている場合でなければ、上流側O2センサ18の反転回数と下流側O2センサ19の反転回数とに大きな差異が発生せず、「OK」と判定されないため、この場合は、そのまま「OK」として受け入れることができる。
【0051】最後に、ステップ14では、終了処理を行う。具体的には、前記ステップ12で「NG」が確定した場合には警告灯25を点灯させたり、また、終了フラグをセットしたりして一連のプログラムを終了する。
【0052】このように本実施例によれば、下流側O2センサ19の出力信号を利用することにより、触媒コンバータ17の温度が活性化温度に達しているか否かを間接的に測定することができる。
【0053】この結果、外気温が低下していたり、雨水等が触媒コンバータ17にかかったり等の外乱が生じた場合でも、触媒コンバータ17の温度が診断可能な温度にあるか否かを間接的ながら確実に検出することができ、誤診断を未然に防止することができる。
【0054】また、本実施例では、触媒温度検出用の専用温度センサを必要としないため、全体構造を複雑化することなく、極めて簡易な構成で低コストに誤診断を防止することができる。
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に係る内燃機関の触媒劣化診断装置によれば、下流側空燃比センサの出力信号を利用して、触媒コンバータが所定温度に達したか否かを間接的に測定することができるため、触媒温度が低温な状態での誤診断を未然に防止することができる。特に、別体の温度センサを必要としないため、全体構造を簡素化しつつ低コストで診断装置の信頼性を向上することができる。
【0056】また、前記下流側空燃比センサをジルコニア管式空燃比センサとして構成したため、ヒータ停止後の低温状態でも、所定の基準電圧を得ることができる。従って、リーン状態においても、容易に触媒温度の間接測定が可能となり、速やかな劣化診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る触媒劣化診断装置の構成を示すクレーム対応図。
【図2】この発明の一実施例の機械的構成を示す構成説明図。
【図3】下流側O2センサの温度と出力との関係を示す特性図。
【図4】触媒劣化診断の全体の流れを示すメインルーチンを示す流れ図。
【図5】触媒温度ポイントPのカウント用のサブルーチンを示す流れ図
【図6】触媒温度ポイントPの加算領域および減算領域を示す特性図。
【図7】上流側O2センサおよび下流側O2センサの出力信号を示す波形図。
【符号の説明】
1…上流側空燃比センサ
2…下流側空燃比センサ
3…診断手段
4…触媒温度確認手段
5…ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 排気通路に介装された触媒コンバータの上流側に配設された上流側空燃比センサと、触媒コンバータの下流側に配設されたヒータを有する下流側空燃比センサと、前記上流側空燃比センサの出力信号と下流側空燃比センサの出力信号とを用いて触媒の劣化を診断する診断手段とを備えた内燃機関の触媒劣化診断装置において、前記診断手段が触媒劣化と判定したときに、前記下流側空燃比センサのヒータへの通電を停止し、このヒータによる加熱停止後の下流側空燃比センサの出力信号が所定の範囲内にある場合は前記触媒コンバータが所定温度に達していないと判定して前記診断手段による再診断を要求する触媒温度確認手段を設けたことを特徴とする内燃機関の触媒劣化診断装置。
【請求項2】 前記下流側空燃比センサをジルコニア管式空燃比センサとして構成としたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【特許番号】特許第2998533号(P2998533)
【登録日】平成11年11月5日(1999.11.5)
【発行日】平成12年1月11日(2000.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−323563
【出願日】平成5年12月22日(1993.12.22)
【公開番号】特開平7−180534
【公開日】平成7年7月18日(1995.7.18)
【審査請求日】平成9年12月22日(1997.12.22)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【参考文献】
【文献】特開 平7−42590(JP,A)
【文献】特開 平5−248227(JP,A)
【文献】特開 平5−44556(JP,A)
【文献】特開 昭64−32162(JP,A)
【文献】特開 平3−148057(JP,A)
【文献】特開 平6−323133(JP,A)
【文献】特開 平5−296088(JP,A)
【文献】特開 平5−312074(JP,A)