説明

内燃機関用の点火コイル

【課題】エンジンルーム内の限られたスペースに収めることのできる小型の点火コイルを提供する。
【解決手段】外周鉄芯の中心鉄芯及びマグネットとの接続面を除いた周囲はPBT(ポリブチレンテレフタレート)で成形されたモールド樹脂と接着するカバーで覆われている。また、モールド樹脂と接着するカバーのカバー側コイル対向面にPET(ポリエチレンテレフタレート)で成形したモールド樹脂と剥離するテープを貼り付けている。また、カバー側コイル対向面と水平方向延長上に突部を形成している。さらに、突部は曲部に沿うような形状で4箇所に形成され、突部は2次コイルに形成されるフランジの径方向の長さと同じ長さに形成されている。さらに、突部はケース上面から見た際に、フランジが突部によって隠れる位置に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用の点火コイルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ケース内に1次コイルと2次コイルと鉄芯を備え、ケース内にモールド樹脂を充填したコイル収容部をプラグホール外に配置する内燃機関用の点火コイルにおいて、1次コイル及び2次コイル、鉄芯を全てケース内に収容するフルモールド型点火コイルにすることでクラックを防止する構造として、例えば、特開2005−183515号公報(以下「特許文献1」)が知られている。
【0003】
上記特許文献1とする点火コイルの上面断面図を図6に示す。図6において特許文献1では、1次コイル201・2次コイル202が巻装されたセンターコア203と、サイドコア204からなるトランスが、ケース206に絶縁樹脂により固定され、サイドコア204と2次コイル202との間に絶縁樹脂と密着する素材のコアカバー205aと、逆に絶縁樹脂8と剥離する素材のコアカバー205bを配置するように構成する点火コイルが提案されている。
【0004】
また、外周鉄芯をケースの外に配置し、ケース外に露出した鉄芯をカバーで覆うことで外部環境からの保護を行う構造として例えば、特開2002−004993号公報(以下「特許文献2」)が知られている。
【0005】
上記特許文献2とする点火コイルの正面図を図7に示す。図7において特許文献2では、積層コアからなる鉄心303のコイルケース302の外側に露出した積層部分を少なくともゴム製のカバー304で覆うと共に、カバー304に孔304bを設けて点火コイル301をエンジンに固定するボルト306およびワッシャを露出させた。これにより、鉄心303表面、特に積層表面への水滴付着を防止して鉄心303の積層隙間に錆が発生するのを防止できると共に、カバー304の装着作業が点火コイル301をエンジンに取り付ける前後どちらにおいても実施可能となり、作業自由度を向上できる点火コイルが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−183515号公報
【特許文献2】特開2002−004993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の点火コイルでは次のような問題が生じている。即ち、特許文献1の点火コイルでは、1次コイル及び2次コイル、鉄芯を全てケース内に収容するフルモールド型点火コイルにすることでクラックを防止しているが鉄芯をフルモールドすると点火コイルが大型化してしまうため、市場で要求されている点火コイルの小型化に応えることができないという問題が生じる。また、ケースの開口面が上向きとなるためクラックが開口面に達すると点火コイル内部に水適などが浸入する問題も生じる。
【0008】
また、上記特許文献2のように外周鉄芯をケースの外に配置し、ケース外に露出した鉄芯をカバーで覆うことで外部環境からの保護しているが、取り付け横方向が大型化してしまう問題が生じる。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、エンジンルーム内の限られたスペースに収めることのできる小型の点火コイルを提供することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は次のような構成とする。即ち、請求項1の発明においては、ケースと、当該ケース内に中心鉄芯と外周鉄芯とからなる鉄芯の少なくとも一部を収容し、
前記ケース内に1次ボビンに1次巻線を巻き回した1次コイルと、2次ボビンに2次巻線を巻き回した2次コイルを収容し、前記ケース内のコイル収容部にモールド樹脂を充填した内燃機関用の点火コイルにおいて、前記外周鉄芯は前記鉄芯の磁路が前記ケースの開口面と垂直方向の向きに配置され、前記外周鉄芯の外周鉄芯側コイル対向面にモールド樹脂と剥離するテープを備え、当該外周鉄芯側コイル対向面の水平方向延長上に突部を備え、前記外周鉄芯側コイル対向面及び前記モールド樹脂と剥離するテープ、前記突部は前記モールドの樹脂面より低い位置に備えたことを特徴とする内燃機関用の点火コイルとする。
【0011】
上記構成においては、前記突部は前記2次ボビンの径方向の長さ以下の幅で形成してもよいし、前記突部は前記外周鉄芯の曲部に備えてもよい。また、前記突部は前記2次ボビンに形成されているフランジと前記ケースの開口面とを結ぶ直線上に備えてもよい。さらに、前記外周鉄芯の周囲の少なくとも一部にモールド樹脂と接着するカバーを備えてもよいし、前記突部は前記モールド樹脂と接着するカバーに形成してもよい。
【0012】
また、前記モールド樹脂と剥離するテープは前記モールド樹脂と接着するカバーのカバー側コイル対向面に備えてもよいし、前記モールド樹脂と剥離するテープの換わりにモールド樹脂と剥離するカバーとしてもよい。さらに、前記モールド樹脂と接着するカバーと前記モールド樹脂と剥離するカバーは接着剤又は係止等によって一体化されて前記外周鉄芯の周囲を覆っていてもよい。
【0013】
また、前記モールド樹脂と剥離するカバーは前記モールド樹脂と接着するカバーの成形後二色成形で形成されて前記外周鉄芯の周囲を覆っていてもよい。さらに、前記突部は別部品で成形し、前記突部は前記外周鉄芯又は前記1次コイル、前記2次コイル、前記モールド樹脂と接着するカバー、前記モールド樹脂と剥離するカバーの少なくとも1つに接着剤又は係止等によって保持してもよい。
【0014】
さらに、別の発明としては、ケースと、当該ケース内に中心鉄芯と外周鉄芯とからなる鉄芯の少なくとも一部を収容し、前記ケース内に1次ボビンに1次巻線を巻き回した1次コイルと、2次ボビンに2次巻線を巻き回した2次コイルを収容し、前記ケース内のコイル収容部にモールド樹脂を充填した内燃機関用の点火コイルにおいて、前記外周鉄芯は前記鉄芯の磁路が前記ケースの開口面と垂直方向の向きに配置され、前記外周鉄芯の周囲の少なくとも一部にモールド樹脂と接着するカバーを備え、当該モールド樹脂と接着するカバーのカバー側コイル対向面にモールド樹脂と剥離するテープを備え、当該カバー側コイル対向面の水平方向延長上に突部を備え、前記カバー側コイル対向面及び前記モールド樹脂と剥離するテープ、前記突部は前記モールドの樹脂面より低い位置に備えたことを特徴とする内燃機関用の点火コイルとする。
【発明の効果】
【0015】
上記の通り、外周鉄芯は鉄芯の磁路がケースの開口面と垂直方向の向きに配置され、外周鉄芯の周囲の少なくとも一部にモールド樹脂と接着するカバーを備え、モールド樹脂と接着するカバーのカバー側コイル対向面にモールド樹脂と剥離するテープを形成し、カバー側コイル対向面の水平方向延長上に突部を備えることで、エンジンルーム内の限られたスペースに収めることのできる小型の点火コイルが実現できる。
【0016】
また、ケースの開口面が上向きの点火コイルの場合でも、点火コイル内に水滴などが侵入するケースの開口面に達するクラックの発生を防ぐことができる信頼性の高い点火コイルが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例とする内燃機関用の点火コイルの斜視図である。
【図2】図1の矢印(A)方向から見たB−B断面図である。
【図3】図1の矢印(C)方向から見た上面図である。
【図4】本発明の第1の実施例とする点火コイルの外周鉄芯の上面図及び側面図である。
【図5】本発明の第2の実施例とする点火コイルの外周鉄芯の組み立て側面図である。
【図6】特許文献1の点火コイルの上面断面図である。
【図7】特許文献2の点火コイルの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を示す実施例を図1乃至5に基づいて説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明の実施例とする内燃機関用の点火コイルの斜視図を図1に、図1の(A)方向から見たB−B断面図を図2に、図1の(C)方向から見た上面図を図3、本発明の第1の実施例とする点火コイルの外周鉄芯の上面図及び側面図を図4にそれぞれ示す。
【0020】
図1乃至4において、点火コイル100の外形を形成するケース40は、鉛直方向上面に開口面を有した箱型の一体成形で形成されている。また、当該ケース40には当該点火コイル100を図示しないエンジンヘッドに取り付け固定するためのケース固定部42を形成している。さらに、当該点火コイル100の外側底面には2次電圧を点火プラグに供給するための高圧端子60を備える高圧タワー44がエンジン上部に形成されたプラグホール内に向かって突出するように形成されている。
【0021】
また、前記ケース40内には複数の薄板を積層して形成されたI字型の中心鉄芯30とコの字型の外周鉄芯32とからなる鉄芯36と、当該中心鉄芯30の外周に樹脂で形成された1次ボビン10の外周に1次巻線12を100ターン前後巻き回した1次コイル14と、当該1次コイル14の外周に樹脂で形成された2次ボビン20の外周に2次巻線22を8000〜15000ターン前後巻き回した2次コイル24のコイル部から構成され、当該外周鉄芯32は当該鉄芯36の磁路が前記ケース40の開口面と垂直方向になるように配置している。さらに、当該中心鉄芯30と当該外周鉄芯32の接続面の一端には当該1次コイル14により発生された磁束と反対方向の磁束を磁路中に発生させるためのマグネット38を備え、当該2次ボビン20の一端には前記高圧端子60に2次電圧を供給するための2次高圧端子26が備えられ、他端には当該1次コイル14からの1次電圧を供給するための2次低圧端子28が備えられている。
【0022】
また、前記ケース40内には前記1次コイル14へ点火信号を供給するイグナイタ70が備えられている。さらに、当該イグナイタ70はスイッチング素子から構成され、当該スイッチング素子のベース側及びコレクタ側、エミッタ側にはそれぞれイグナイタ端子72が備えられている。
【0023】
また、前記ケース40の側面にはバッテリからの1次電圧及びECUからの点火信号を供給するコネクタ端子62を有するコネクタ46が形成されている。さらに、当該コネクタ端子62は当該バッテリから前記1次コイル14及び前記2次コイル24の低圧側とを結ぶ端子と、当該ECUから前記イグナイタ70のベース側の前記イグナイタ端子72を結ぶ端子と、前記イグナイタ70のエミッタ側の前記イグナイタ端子72及び前記外周鉄芯32から接地を結ぶ端子の合計3本の当該コネクタ端子62を備え、それぞれ電気的に接続されている。
【0024】
また、前記イグナイタ70のコレクタ側の前記イグナイタ端子72は前記1次コイル14の高圧側と接続されている。さらに、前記コネクタ端子62及び前記イグナイタ端子72は略平板状の金属端子を有し、前記それぞれの端子のうち2個を同方向に導出させると共にそれぞれの間で電気的導通を実現するごとく接続されている。
【0025】
また、前記それぞれの端子は前記ケース40開口面と垂直方向に導出され、前記コネクタ端子62は前記ケース40に形成された前記コネクタ46と同一面の前記ケース40内壁に這って配置されている。さらに、前記それぞれの端子は弾性力を有した金属等の導電部材で形成された接合端子80で電気的に接続され、前記それぞれの端子の接続は複数の当該接合端子80によって同時に行われている。
【0026】
また、前記それぞれの端子は前記接合端子80と接触する部分に抜け防止の溝部が形成されている。さらに、前記接合端子80はPBT(ポリブチレンテレフタレート)で成形されたホルダー82内に圧入され、当該ホルダー82には前記接合端子80を固定するための保持部を3箇所形成している。
【0027】
また、前記外周鉄芯32の前記中心鉄芯30及び前記マグネット38との接続面を除いた周囲はPBTで成形されたモールド樹脂と接着するカバー50で覆われている。さらに、当該モールド樹脂と接着するカバー50のカバー側コイル対向面51a,51bにPET(ポリエチレンテレフタレート)で成形したモールド樹脂と剥離するテープ52を貼り付けている。
【0028】
また、前記カバー側コイル対向面51a,51bの水平方向延長上に突部56を形成している。さらに、当該突部56は前記外周鉄芯32の曲部34に沿うような形状で4箇所に形成され、当該突部56は前記2次コイル24に形成されるフランジ21の径方向の長さと同じ長さに形成されている。
【0029】
また、前記突部56は前記ケース40上面から見た際に、前記フランジ21が前記突部56によって隠れる位置に形成されている。さらに、前記ケース40内には前記点火コイル100の電気的絶縁及び各部材の物理的固定を実現するモールド樹脂90が充填されている。
【0030】
また、前記モールド樹脂90が前記ケース40の開口面付近まで充填され、当該開口面付近に樹脂面92が形成されている。さらに、前記カバー側コイル対向面51a,51b及び前記モールド樹脂と剥離するテープ52、前記突部56が当該樹脂面92より低い位置に備えられている。
【0031】
また、前記高圧タワー44には前記点火コイル100から出力される2次電圧を前記高圧端子60から前記点火プラグに供給するための導電部材を備えたプロテクタを備えている。
【0032】
上記実施例1の変形例として、前記モールド樹脂と接着するカバー50は前記中心鉄芯30及び前記マグネット38と接続する面を除いた前記外周鉄芯32の周囲の少なくとも一部を覆う構成としてもよい。また、前記突部56の形状及び形成位置、個数は前記カバー側コイル対向面51a,51bの水平方向延長上且つ前記樹脂面92より低い位置に備えられる構成であれば設計事情によって任意に変更してもよい。さらに、前記モールド樹脂と剥離するテープ52は前記カバー側コイル対向面51a,51bの少なくとも一部に貼り付ける構成としてもよい。
【0033】
また、前記モールド樹脂と接着するカバー50及び前記突部56は前記モールド樹脂90と接着する性質であれば他の材料を用いてもよい。さらに、前記モールド樹脂と剥離するテープ52は前記モールド樹脂90と剥離する性質であれば他の材料を用いてもよい。
【0034】
また、前記突部56は別部品として構成し、前記モールド樹脂と接着するカバー50に接着剤又は係止等を用いて保持する構成としてもよい。さらに、前記外周鉄芯32の形状及び配置は前記カバー側コイル対向面51a,51bが前記樹脂面92より低い位置に備えられる構成であれば設計事情によって任意に変更してもよい。
【0035】
また、前記ケース40の開口面の位置は鉛直方向上面に限らず、前記鉄芯36の磁路が前記ケース40の開口面と垂直方向になる位置に前記外周鉄芯32を配置する構成であれば設計事情によって任意の位置に変更してもよい。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の第2の実施例とする点火コイルの外周鉄芯の組み立て側面図を図5に示す。
【0037】
当該実施例2においては、前記第1の実施例で説明したモールド樹脂と接着するカバー50及びモールド樹脂と剥離するカバー52が一体化されている点を除いた他の構造は第1の実施例と同一であるため説明は省略する。
【0038】
図5において、前記外周鉄芯32の外周鉄芯側コイル対向面33a,33b及び前記中心鉄芯30、前記マグネット38と接続する面を除いた周囲にPBTで成形されたモールド樹脂と接着するカバー50を備えている。また、前記外周鉄芯側コイル対向面33a,33bにエラストマで成形されたモールド樹脂と剥離するカバー54を備えている。さらに、当該モールド樹脂と接着するカバー50と当該モールド樹脂と剥離するカバー54は接着剤で一体化されて前記外周鉄芯32の周囲を覆っている。
【0039】
また、前記カバー側コイル対向面51a,51bの水平方向延長上に突部56を形成している。さらに、当該突部56は前記外周鉄芯32の曲部34に沿うような形状で4箇所に形成され、当該突部56は前記2次コイル24に形成されるフランジ21の径方向の長さと同じ長さに形成されている。
【0040】
また、前記突部56は前記ケース40上面から見た際に、前記フランジ21が前記突部56によって隠れる位置に形成されている。さらに、前記ケース40内には前記点火コイル100の電気的絶縁及び各部材の物理的固定を実現するモールド樹脂90が充填されている。
【0041】
また、前記モールド樹脂90が前記ケース40の開口面付近まで充填され、当該開口面付近に樹脂面92が形成されている。さらに、前記カバー側コイル対向面51a,51b及び前記モールド樹脂と剥離するカバー54、前記突部56が当該樹脂面92より低い位置に備えられている。
【0042】
また、前記高圧タワー44には前記点火コイル100から出力される2次電圧を前記高圧端子60から前記点火プラグに供給するための導電部材を備えたプロテクタを備えている。
【0043】
上記実施例2の変形例として、前記モールド樹脂と接着するカバー50及び前記モールド樹脂と剥離するカバー54の形状は前記中心鉄芯30及び前記マグネット38と接続する面を除いた前記外周鉄芯32の周囲の少なくとも一部を覆う構成であれば任意に変更してもよい。また、前記突部56の形状及び形成位置、個数は前記カバー側コイル対向面51a,51bの水平方向延長上且つ前記樹脂面92より低い位置に備えられる構成であれば設計事情によって任意に変更してもよい。さらに、前記モールド樹脂と剥離するカバー54は前記外周鉄芯側コイル対向面33a,33bの少なくとも一部に備える構成としてもよい。
【0044】
また、前記モールド樹脂と接着するカバー50及び前記突部56は前記モールド樹脂90と接着する性質であれば他の材料を用いてもよい。さらに、前記モールド樹脂と剥離するカバー54は前記モールド樹脂90と剥離する性質であれば他の材料を用いてもよい。
【0045】
また、前記突部56は別部品として構成し、前記モールド樹脂と接着するカバー50に接着剤又は係止等を用いて保持する構成としてもよい。さらに、前記外周鉄芯32の形状及び配置は前記外周鉄芯側コイル対向面33a,33bが前記樹脂面92より低い位置に備えられる構成であれば設計事情によって任意に変更してもよい。
【0046】
また、前記モールド樹脂と接着するカバー50及び前記モールド樹脂と剥離するカバー54は係止等を用いて一体化してもよい。さらに、前記モールド樹脂と接着するカバー50を第1成形段階とし、前記モールド樹脂と剥離するカバー54を第2成形段階として二色成形で形成してもよい。
【0047】
また、前記ケース40の開口面の位置は鉛直方向上面に限らず、前記鉄芯36の磁路が前記ケース40の開口面と垂直方向になる位置に前記外周鉄芯32を配置する構成であれば設計事情によって任意の位置に変更してもよい。
【符号の説明】
【0048】
10:1次ボビン
12:1次巻線
14:1次コイル
20:2次ボビン
21:フランジ
22:2次巻線
24:2次コイル
26:2次高圧端子
28:2次低圧端子
30:中心鉄芯
32:外周鉄芯
33a,33b:外周鉄芯側コイル対向面
34:曲部
36:鉄芯
38:マグネット
40:ケース
42:ケース固定部
44:高圧タワー
46:コネクタ
50:モールド樹脂と接着するカバー
51a,51b:カバー側コイル対向面
52: モールド樹脂と剥離するテープ
54:モールド樹脂と剥離するカバー
56:突部
60:高圧端子
62: コネクタ端子
70:イグナイタ
72:イグナイタ端子
80:接合端子
82:ホルダー
90:モールド樹脂
92:樹脂面
100:点火コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、当該ケース内に中心鉄芯と外周鉄芯とからなる鉄芯の少なくとも一部を収容し、
前記ケース内に1次ボビンに1次巻線を巻き回した1次コイルと、2次ボビンに2次巻線を巻き回した2次コイルを収容し、
前記ケース内のコイル収容部にモールド樹脂を充填した内燃機関用の点火コイルにおいて、
前記外周鉄芯は前記鉄芯の磁路が前記ケースの開口面と垂直方向の向きに配置され、
前記外周鉄芯の外周鉄芯側コイル対向面にモールド樹脂と剥離するテープを備え、
当該外周鉄芯側コイル対向面の水平方向延長上に突部を備え、
前記外周鉄芯側コイル対向面及び前記モールド樹脂と剥離するテープ、前記突部は前記モールドの樹脂面より低い位置に備えたことを特徴とする内燃機関用の点火コイル。
【請求項2】
前記突部は前記2次ボビンの径方向の長さ以下の幅で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項3】
前記突部は前記外周鉄芯の曲部に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項4】
前記突部は前記2次ボビンに形成されているフランジと前記ケースの開口面とを結ぶ直線上に備えられていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項5】
前記外周鉄芯の周囲の少なくとも一部にモールド樹脂と接着するカバーを備えたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項6】
前記突部は前記モールド樹脂と接着するカバーに形成したことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項7】
前記モールド樹脂と剥離するテープは前記モールド樹脂と接着するカバーのカバー側コイル対向面に備えられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項8】
前記モールド樹脂と剥離するテープの換わりにモールド樹脂と剥離するカバーとすることを特徴とする請求項1乃至7に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項9】
前記モールド樹脂と接着するカバーと前記モールド樹脂と剥離するカバーは接着剤又は係止等によって一体化されて前記外周鉄芯の周囲を覆っていることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項10】
前記モールド樹脂と剥離するカバーは前記モールド樹脂と接着するカバーの成形後二色成形で形成されて前記外周鉄芯の周囲を覆っていることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項11】
前記突部は別部品で成形し、
前記突部は前記外周鉄芯又は前記1次コイル、前記2次コイル、前記モールド樹脂と接着するカバー、前記モールド樹脂と剥離するカバーの少なくとも1つに接着剤又は係止等によって保持されていることを特徴とする請求項1乃至10に記載の内燃機関用の点火コイル。
【請求項12】
ケースと、当該ケース内に中心鉄芯と外周鉄芯とからなる鉄芯の少なくとも一部を収容し、
前記ケース内に1次ボビンに1次巻線を巻き回した1次コイルと、2次ボビンに2次巻線を巻き回した2次コイルを収容し、
前記ケース内のコイル収容部にモールド樹脂を充填した内燃機関用の点火コイルにおいて、
前記外周鉄芯は前記鉄芯の磁路が前記ケースの開口面と垂直方向の向きに配置され、
前記外周鉄芯の周囲の少なくとも一部にモールド樹脂と接着するカバーを備え、
当該モールド樹脂と接着するカバーのカバー側コイル対向面にモールド樹脂と剥離するテープを備え、
当該カバー側コイル対向面の水平方向延長上に突部を備え、
前記カバー側コイル対向面及び前記モールド樹脂と剥離するテープ、前記突部は前記モールドの樹脂面より低い位置に備えたことを特徴とする内燃機関用の点火コイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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