説明

内視鏡挿抜補助装置

【課題】ワイヤ断線後も内視鏡挿抜補助具を確実に駆動する。
【解決手段】前進指示が入力されると、モータ21が駆動され、第1,第2トルクワイヤ25a,25bが所定方向に回転されて回転体40が循環し、内視鏡挿抜補助具20が前進する。第1,第2TG33,34は、第1,第2トルクワイヤ25a,25bの回転速度を検出し、検出した回転速度に比例した直流電圧を発生する。断線検出部38は、第1TG33の第1電圧値が第2TG34の第2電圧値よりも低く、その差が設定電圧値を超えた場合、第1トルクワイヤ25aの断線を検出する。この断線検出に応じて、制御装置26は、抜去モードに切り換え、第1ブレーキ31を駆動して第1トルクワイヤ25aにブレーキを掛けて、第2トルクワイヤ25bの回転速度を上昇する。抜去モードでは、モータ21を逆回転して第2トルクワイヤ25bを逆回転し、内視鏡挿抜補助具20を後進させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大腸等の消化管の管内に挿入された内視鏡の挿入部を、前進及び後進させる内視鏡挿抜補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療分野において内視鏡を利用した診断が行われている。内視鏡は、CCD等の撮像素子を内蔵した挿入部が被検体内に挿入される。この撮像素子により得られた画像はモニタに表示され、このモニタに表示された画像により被検体内を観察する。
【0003】
近年では、内視鏡の挿入を補助する内視鏡挿入補助装置が提案されている。特許文献1記載の内視鏡用被検体内推進装置は、内視鏡の挿入部に装着される筒状の支持体に、循環体を循環可能に取り付け、この循環体の外側を消化管の内壁に接触させた状態で循環させることで、両者の間に生じる摩擦により内視鏡の先端を自走させて消化管内へ誘導している。これにより、例えば、大腸のように、体内で曲がりくねった構造である消化管への内視鏡の挿入を、挿入手技が未熟である者にも容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−253892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、モータによりワイヤを回転し、このワイヤの先端に取り付けられたマグネットを回転することで、マグネット製のローラに架け渡された循環体を循環駆動している。このため、駆動時には常にワイヤに負荷がかかり、ワイヤが断線することがある。ワイヤが断線すると、循環体を循環させることができないため、内視鏡用被検体内推進装置を消化管外に抜き出すことが困難になるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題を解決するためのものであり、ワイヤ断線時にも消化管外に確実に抜き出すことができる内視鏡挿抜補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の内視鏡挿抜補助装置は、内視鏡の先端部が軸方向に沿って挿入される挿入孔が形成され、前記先端部と同じ軸方向となるように前記先端部に装着される装着筒と、前記装着筒の外側に回転可能に取り付けられた筒状の伝達ギアと、前記伝達ギアに噛合して回転させる複数の回転ギアと、前記伝達ギアの外側に配される外筒と、前記外筒に巻き付けられ、前記装着筒の軸方向に沿って循環するように前記外筒に支持される循環体と、前記伝達ギアの回転を用いて前記循環体を循環駆動する循環駆動部とを有し、前記循環体の循環によって前記内視鏡の被検体内への挿入及び被検体外への抜去を補助する内視鏡挿抜補助具と、前記各回転ギアに接続される回転可能な複数のワイヤと、前記各ワイヤそれぞれに接続され、前記各ワイヤにかかる負荷に応じて前記各ワイヤの回転速度を変えるデフレンシャルギアと、前記デフレンシャルギア及び各ワイヤを介して前記各回転ギアを回転するモータと、前記モータの駆動を制御するモータ制御手段と、前記各ワイヤそれぞれの断線を検出する断線検出手段と、前記各ワイヤにブレーキを掛ける複数のブレーキ手段と、前記断線検出手段によりワイヤ断線が検出されたときに、前記ブレーキ手段を駆動して前記断線が検出されたワイヤにブレーキを掛けて、前記デフレンシャルギアにより他のワイヤの回転速度を上昇させるブレーキ制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記断線検出手段によりワイヤ断線が検出されたときに、前記内視鏡挿抜補助具の駆動に制限のない通常モードから前記通常モードよりも機能に制限がある特殊モードに切り換えるモード切換手段を備えることが好ましい。
【0009】
さらに、前記特殊モードでは、前記モータ制御手段は、前記内視鏡挿抜補助具により前記内視鏡を被検体外へ抜去するように前記モータを駆動することが好ましい。
【0010】
また、前記モータ制御手段は、前記モータの回転速度を指示する速度指示部と、前記速度指示部で指示された回転速度に応じた電流を前記モータに付加する電流付加部とを有することが好ましい。
【0011】
さらに、前記特殊モードでは、前記速度指示部は、予め設定された回転速度以下の数値を指示することが好ましい。
【0012】
また、前記特殊モードでは、前記電流付加部は、前記モータに付加する電流の最大値を下げることが好ましい。
【0013】
さらに、前記断線検出手段は、前記各ワイヤそれぞれの回転速度を検出する複数の速度検出手段を備え、前記各速度検出手段で検出された前記各ワイヤの回転速度の差が予め設定された設定値を超えたときに、前記複数のワイヤのうちの検出された回転速度が高いワイヤが断線されたと判断することが好ましい。
【0014】
また、前記循環体は、前記外筒を全周に亘って覆うように袋状に形成された回転体から構成されていることが好ましい。
【0015】
さらに、前記循環体は、前記外筒の周方向の一部を覆う複数の無端ベルトから構成されていることが好ましい。
【0016】
また、前記外筒に回転可能に取り付けられ、前記循環体の内周面に接触して前記循環体を循環可能に支持する複数の支持ローラを備え、前記循環駆動部は、前記伝達ギアに設けられたウォームギアと、前記ウォームギアに噛合するとともに、前記複数の支持ローラとの間で前記循環体を挟持して前記循環体を循環駆動する複数の駆動ギアと、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数のワイヤのうちのいずれかのワイヤ断線が検出されたときに、断線が検出されたワイヤにブレーキを掛けて、デフレンシャルギアにより他のワイヤの回転速度を上昇させるから、ワイヤ断線時にも、断線していない他のワイヤにより内視鏡挿抜補助具を安全に駆動することができる。これにより、ワイヤ断線時にも内視鏡挿抜補助具を消化管外に確実に抜き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】内視鏡挿抜補助装置を装着した内視鏡を示す模式図である。
【図2】内視鏡挿抜補助装置の電気的構成を示す説明図である。
【図3】内視鏡の先端部と内視鏡挿抜補助装置とを示す斜視図である。
【図4】内視鏡挿抜補助装置の主要部の分解構造を示す斜視図である。
【図5】B1−B2線に沿う断面構造を示す断面図である。
【図6】支持ローラの部分の断面図である。
【図7】駆動ギアの部分の断面図である。
【図8】内視鏡挿抜補助具により内視鏡を消化管に挿入するときの流れを示すフローチャートである。
【図9】ワイヤ断線検出時に低速のモータ回転速度を指示する第2実施形態の内視鏡を消化管に挿入するときの流れを示すフローチャートである。
【図10】ワイヤ断線検出時にモータに付加する電流の最大値を下げる第3実施形態の内視鏡を消化管に挿入するときの流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
図1及び図2に示すように、内視鏡2は、超小型固体撮像素子(例えば、CCDセンサ)が内蔵され、大腸等の消化管内に挿入される挿入部3と、内視鏡2の把持及び挿入部3の操作に用いられる操作部4と、内視鏡2をプロセッサ装置、光源装置及び送気・送水装置(いずれも図示せず)に接続するためのユニバーサルコード5とから構成されている。
【0020】
挿入部3は、CCDセンサが内蔵された硬質な先端部3aと、先端部3aの後端に連設された上下及び左右方向に湾曲自在な湾曲部3bと、湾曲部3bの後端に連設された可撓性を有する可撓部3cとからなる。
【0021】
挿入部3の先端部3aには、観察窓7、照明窓8a,8b、鉗子の先端が突出する鉗子出口9が設けられている。また、先端部3aには、観察窓7に向けて空気や洗浄水を噴射する噴射ノズル10が設けられている。
【0022】
観察窓7は、CCDセンサの前方に形成され、CCDセンサに入射する撮影光を通す。照明窓8a,8bは、観察窓7を基準に対称な位置に2つ配されている。照明窓8a,8bは、光源装置から照射された照明光を、被検体内の観察している部分に向けて照射する。
【0023】
鉗子出口9は、操作部4に設けられた鉗子入口13に連通している。この鉗子入口13には、注射針や高周波メスなどが先端に配された各種処置具(鉗子)が挿入される。
【0024】
操作部4は、湾曲部3bを上下及び左右方向に湾曲させるアングルノブ14と、送気・送水や吸引等の各種操作の際に用いられる操作ボタン15とが設けられている。
【0025】
操作部4には、ユニバーサルコード5が接続されている。このユニバーサルコード5には、送気・送水チューブ16と、撮像信号出力用ケーブル17と、ライトガイド18とが組み込まれている。送気・送水チューブ16は、一端が送気・送水装置に接続され、他端が噴射ノズル10に接続されており、送気・送水装置から供給された空気や洗浄水を噴射ノズル10に送る。撮像信号出力用ケーブル17は、一端がプロセッサ装置に接続され、他端がCCDセンサに接続されている。ライトガイド18は、一端が照明窓8a,8bに接続され、他端が光源装置に接続されており、光源装置から照射された照明光を照明窓8a,8bに導光する。
【0026】
挿入部3の先端部3aには、消化管内で挿入部3を前進または後進させる内視鏡挿抜補助装置30の一部を構成する内視鏡挿抜補助具20が着脱可能に取り付けられている。この内視鏡挿抜補助具20は、モータ21によって駆動される。このモータ21は、連結ギア22を介してデフレンシャルギア23に接続されている。デフレンシャルギア23は、複数のギアからなる連結機構24を介して、内視鏡挿抜補助具20を推進させるための回転トルクを伝達する第1,第2トルクワイヤ25a,25bと連結されている。
【0027】
デフレンシャルギア23は、周知の差動歯車機構であり、連結ギア22に噛合するリンクギア、リンクギアに固定された枠、枠に回転可能に取り付けられたピニオンギア、ピニオンギアに噛合するとともに第1,第2トルクワイヤ25a,25bに接続される第1トルクワイヤ用ギア及び第2トルクワイヤ用ギア(いずれも図示せず)等を有し、各トルクワイヤ25a,25bの回転差を吸収(補正)する。詳しくは、第1,第2トルクワイヤ25a,25bにかかる負荷が同じである場合には、ピニオンギアは回転せずに、第1,第2トルクワイヤ用ギアを同じ速度で回転し、負荷が異なる場合には、ピニオンギアが回転し、この回転により負荷の小さい一方に接続されたトルクワイヤ用ギアの回転速度を上昇させる。
【0028】
各トルクワイヤ25a,25bは、保護シース19の内部に挿通されている。モータ21の駆動により、各トルクワイヤ25a,25bは保護シース19内で回動する。
【0029】
モータ21は制御装置26により制御される。この制御装置26は操作ユニット27に接続されている。操作ユニット27は、内視鏡挿抜補助具20の前進・後進・停止の指示を入力するための駆動制御ボタン28と、内視鏡挿抜補助具20の移動速度を決定するための速度決定ボタン29とを備え、術者によって操作される。
【0030】
挿入部3には、オーバーチューブ39が外嵌されており、保護シース19は、オーバーチューブ39と挿入部3との間に挿通されている。
【0031】
内視鏡挿抜補助装置30には、第1トルクワイヤ25aにブレーキを掛ける第1ブレーキ31と、第2トルクワイヤ25bにブレーキを掛ける第2ブレーキ32とが設けられている。各ブレーキ31,32は、制御装置26により制御される。また、第1トルクワイヤ25aは、第1タコジェネレータ(以下、TG)33により回転速度が検出され、第2トルクワイヤ25bは、第2TG34により回転速度が検出される。各TG33,34は、回転速度に比例した直流電圧を発生し、この電圧は制御装置26に送られる。
【0032】
制御装置26には、速度決定ボタン29の操作に基づいてモータ21の回転速度を指示する速度指示部36と、この速度指示部36で指示された回転速度に応じた電流をモータ21に付加する電流付加部37と、各トルクワイヤ25a,25bの断線を検出(判定)する断線検出部38が設けられている。この断線検出部38は、各TG33,34から送られてきた各直流電圧値の差が、予め設定された設定電圧値を超えたときに、各トルクワイヤ25a,25bのうちの直流電圧値が低い一方が断線されたことを検出する。制御装置26は、断線検出部38での検出結果に応じて、各ブレーキ31,32を駆動する。なお、各TG33,34からの各直流電圧値に基づいてモータ21の実際の回転速度を推定し、この推定回転速度を、速度指示部36で指示された回転速度と一致させるように電流付加部37を制御してもよい。
【0033】
図3に示すように、内視鏡挿抜補助具20は、消化管の内壁に接触して、内視鏡2の挿入部3の挿入方向とは反対の反挿入方向に前進力を生じさせる回転体(トロイド)40を備えている。回転体40は、軸方向ADに沿う方向に循環を行うように支持筒(外筒)42に支持され、支持筒42を全周に亘って覆っている。図3における矢印は、循環の方向を示している。この回転体40は、柔軟性を有する材料(可撓性部材)により形成されており、具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ウレタンやポリウレタンなどの生体適合プラスチックで形成されていることが好ましい。
【0034】
図4〜図7に示すように、支持筒42は、軸方向ADに直交する方向の断面形状が、外周面では円形で内周面では略三角形(正三角形の各角が湾曲されて丸まった形状)の管状体であって、回転体40が巻き付けられている。
【0035】
回転体40は、両端のある状態で支持筒42の形状に沿って180°折り曲げられて支持筒42に巻付けられた後、両端が熱溶着等により接着されて、無端状態となる。
【0036】
支持筒42の前端及び後端それぞれには、回転体40の180°折り曲げられた部分に接触するリング状の接触体44が取り付けられている。接触体44は、回転体40が滑らかに循環するような素材(例えば、ナイロン)から構成されている。なお、接触体44は、ナイロンに限らず、PEEK、テフロン(登録商標)などの摺動性の高い材料であればよい。
【0037】
支持筒42の内周面が直線部分である3箇所には、それぞれ開口42aが形成されている。これらの各開口42aには、それぞれ回転体40を循環可能となるように支持するローラユニット45が取り付けられている。ローラユニット45は、2枚の支持プレート50の間に、軸方向ADに沿って順に第1〜第3支持ローラ51〜53が回転可能に取り付けられている。なお、各ローラ51〜53を、支持筒42自体に回転可能に取り付けてもよい。また、ローラユニット45を取り付ける箇所は3箇所に限らず、その数は適宜変更可能である。
【0038】
回転体40は、内表面40aが各支持ローラ51〜53に接触する。回転体40は、各支持ローラ51〜53に接触する部分が、他の部分よりも厚くされ、他の部分よりも剛性が高くなっている。
【0039】
各支持ローラ51〜53には、それぞれ中央部に溝部51a〜53aが形成されている。回転体40の内表面40aには、線状突起40cが3個形成されている。この線状突起40cは、全周に亘って形成されている。線状突起40cは、溝部51a〜53aに摺動自在に係合しており、回転体40が周方向CDに回転することを防止している。同様に、支持筒42には、線状突起40cが摺動自在に係合する溝部42bが形成され、接触体44には、線状突起40cが摺動自在に係合する溝部44aが形成されている。なお、溝部42b,44a及び溝部51a〜53aと、線状突起40cとの間には、両者間の摺動性を高めるために、潤滑剤が塗布されている。
【0040】
支持筒42の内部には、内視鏡2の先端部3aが装着される円筒状の装着筒61と、装着筒61の外側に回動可能に支持された伝達ギア62と、装着筒61及び伝達ギア62を収納する収納筒63とが配されている。
【0041】
収納筒63の後端には、蓋部材66が取り付けられている。収納筒63の先端には、消化管の内壁の侵入を防止する前ストッパ67が取り付けられ、同様に、蓋部材66には、後ストッパ68が取り付けられている。
【0042】
伝達ギア62は、円筒状に形成され、装着筒61に外嵌されて軸方向ADを中心に回転する。伝達ギア62には、軸方向ADを中心軸とした螺旋状のウォームギア71と、周方向に複数のギアが配列された周歯ギア72とが形成されている。この周歯ギア72は、伝達ギア62の後端部に形成されている。周歯ギア72には、第1トルクワイヤ25aに接続された第1回転ギア74aと、第2トルクワイヤ25bに接続された第2回転ギア74bとが噛合している。各回転ギア74a,74bは、各トルクワイヤ25a,25bにより回転され、この回転により周歯ギア72を回転して、伝達ギア62を回転させる。各トルクワイヤ25a,25bは、後ストッパ68に形成された挿通孔(図示せず)に挿通されている。
【0043】
収納筒63は、略三角形(正三角形の各角が湾曲されて丸まった形状)の筒状に形成され、支持筒42と異なる軸位置となるように配されている。収納筒63の3個の直線部分には、それぞれ開口63aが形成されている。これら3個の開口63aには、それぞれ駆動ギア76が2個ずつ配されている。駆動ギア76は、収納筒63に形成された取付リブ63bに回転可能に取り付けられている。各駆動ギア76は、第1支持ローラ51と第2支持ローラ52との間と、第2支持ローラ52と第3支持ローラ53との間とに配されている。
【0044】
各駆動ギア76は、伝達ギア62のウォームギア71に噛合するとともに、回転体40の外表面40bに接触し、第1〜第3支持ローラ51〜53との間で回転体40を挟持する。各駆動ギア76は、支持筒42の径方向において、各支持ローラ51〜53とオーバーラップしており、各支持ローラ51〜53と各駆動ギア76との間では、回転体40は波状に湾曲されている。
【0045】
収納筒63の前面には、開口63cが形成され、この開口63cには、装着筒61の先端部が挿入されている。
【0046】
前ストッパ67は、開口63cに挿入されるリング状の挿入部67aと、消化管の内壁が内視鏡挿抜補助具20の内部に侵入するのを防止するストッパ部67bとからなる。ストッパ部67bは、挿入部67aからの距離に従って径が増加するすり鉢形状となっており、その断面形状は、支持筒42の内周面と同様な形状(略三角形)で、支持筒42よりも一回り小さい。
【0047】
蓋部材66は、収納筒63と同一の形状(略三角形)で形成され、装着筒61の挿入孔61aと連通する開口66aが形成されている。また、蓋部材66には、各回転ギア74a,74bを回動自在に収容する凹部66bが2個形成されている。各凹部66bに収容された各回転ギア74a,74bは、伝達ギア62の周歯ギア72に噛合している。各トルクワイヤ25a,25bは、蓋部材66に形成された孔(図示せず)を介して各回転ギア74a,74bに接続されている。
【0048】
後ストッパ68は、前ストッパ67と同様な構成であり、蓋部材66の開口66aに挿入されるリング状の挿入部68aと、ストッパ部68bとからなる。
【0049】
次に、内視鏡挿抜補助具20の作用について図8のフローチャートを用いて説明する。先ず、内視鏡2の先端部3aを、装着筒61の挿入孔61aに嵌入させて、先端部3aに内視鏡挿抜補助具20を装着する(ステップ(以下、S)1)。次に、プロセッサ装置、光源装置、操作ユニット27等の電源をオンして、検査準備を行い(S2)、この検査準備が完了した後、内視鏡2の先端部3aを患者の消化管内に挿入する(S3)。
【0050】
先端部3aが消化管内の所定位置、例えばS状結腸の手前まで進められた後、操作ユニット27の速度決定ボタン29が操作される(S4)と、内視鏡挿抜補助具20の移動(挿入または抜去)速度が決定される(S5)。そして、駆動制御ボタン28が操作されて前進(挿入)指示が入力される(S6)と、制御装置26の速度指示部36は、決定された移動速度に応じたモータ21の回転速度を電流付加部37に指示する(S7)。なお、内視鏡挿抜補助具20の移動速度は、先端部3aを消化管内に挿入する前に決定しておいてもよい。
【0051】
電流付加部37は、指示された回転速度に応じた電流をモータ21に付加する(S8)。この電流付加によりモータ21が駆動され、連結ギア22、デフレンシャルギア23、連結機構24を介して、第1,第2トルクワイヤ25a,25bが所定方向に回転される。この第1,第2トルクワイヤ25a,25bの回転に伴う各回転ギア74a,74bの回転により、各回転ギア74a,74bに噛合している周歯ギア72が回転し、伝達ギア62が回転する。
【0052】
伝達ギア62が回転すると、伝達ギア62のウォームギア71に噛合している駆動ギア76が回転する。この駆動ギア76の回転により、駆動ギア76と第1〜第3支持ローラ51〜53との間で挟持されている回転体40が、図4の矢印で示す方向に駆動(回転)する(S9)。この駆動により、支持筒42の外側に位置し、消化管の内壁と接触する回転体40の各外表面40bは、反挿入方向に移動する。このとき、支持筒42の内部に位置する回転体40の各外表面40bは、挿入方向に移動し、回転体40は循環する。
【0053】
回転体40は、消化管の内壁に接触しており、循環により、先端部3aの挿入方向とは反対の反挿入方向に前進力を生じさせる。内視鏡挿抜補助具20は、この前進力で消化管の内壁を前方から後方に手繰り寄せることにより、内視鏡2の先端部3aを消化管の内壁に沿って前進させる(S10)。一方、内視鏡挿抜補助具20を反挿入方向に推進(後進)させる場合には、回転体40は、上記とは逆向きに循環する。
【0054】
操作ユニット27の速度決定ボタン29が操作されて速度変更が指示される(S11でY)と、変更後の移動速度に応じたモータ21の回転速度が速度指示部36から電流付加部37に指示される(S7)。そして、電流付加部37は、指示された回転速度に応じた電流をモータ21に付加する(S8)。これにより、モータ21の回転速度が変更されて、第1,第2トルクワイヤ25a,25bの回転速度が変更され、内視鏡挿抜補助具20の移動速度が変更される。また、操作ユニット27の駆動制御ボタン28が操作されて後進指示が入力されると、モータ21が逆回転されて各トルクワイヤ25a,25bが逆回転され、内視鏡挿抜補助具20が後進する。さらに、駆動制御ボタン28の操作により停止指示が入力されると、モータ21の回転が停止されて各トルクワイヤ25a,25bの回転が停止され、内視鏡挿抜補助具20が停止する。以上の操作を適宜行うことにより、内視鏡2の先端部3aを消化管の所望の位置まで推進させることができる。
【0055】
光源装置からの光は、ライトガイド18、照明窓8a,8bを通って、消化管内に照射される。先端部3aに内蔵されたCCDは、消化管内を撮影して撮像信号を出力する。この撮像信号は、撮像信号出力用ケーブル17、ユニバーサルコード5を介してプロセッサ装置に入力され、モニタ(図示せず)に表示される。術者は、モニタを通じて消化管内を観察する。
【0056】
観察中に患部を発見した場合には、この患部の処置に適した処置具を、鉗子入口13に挿入して鉗子出口9から突出させ、患部を処置する。
【0057】
観察窓7を洗浄する場合には、操作ボタン15を操作して、送気・送水装置から供給された空気や洗浄水を、送気・送水チューブ16を介して噴射ノズル10へ送る。この供給された空気や洗浄水は、噴射ノズル10から観察窓7に向けて噴射され、観察窓7に付着した汚れが払拭される。
【0058】
第1TG33は第1トルクワイヤ25aの回転速度を検出し、第2TG34は第2トルクワイヤ25bの回転速度を検出し(S12)、各TG33,34は、検出した回転速度に比例した直流電圧を発生して制御装置26に送る(S13)。
【0059】
制御装置26の断線検出部38は、各TG33,34から送られてきた直流電圧値に基づいて、各トルクワイヤ25a,25bの断線を検出する。
【0060】
第1トルクワイヤ25aが断線した場合、第1トルクワイヤ25aにかかる負荷が小さくなり、第2トルクワイヤ25bにかかる負荷が大きくなるため、デフレンシャルギア23の第1トルクワイヤ用ギアと第2トルクワイヤ用ギアとの間に配されたピニオンギアが回転する。このピニオンギアが回転した分だけ第1トルクワイヤ用ギアは余分に回転され、第1トルクワイヤ25aの回転速度が上昇する。このデフレンシャルギア23の特性を利用して、第1TG33からの電圧値(以下、第1電圧値)が、第2TG34からの電圧値(以下、第2電圧値)よりも高く(S14でY)、第1電圧値と第2電圧値との差(以下、差分電圧値)が設定電圧値を超えた場合(S15でY)、断線検出部38は、第1電圧値に係る第1トルクワイヤ25aが断線したことを検出する(S16)。
【0061】
断線検出部38で第1トルクワイヤ25aの断線が検出されると、制御装置26は、内視鏡挿抜補助具20の駆動に制限のない通常モードから、後進のみを行う抜去モードに切り換える。この抜去モードでは、制御装置26は、第1ブレーキ31を駆動して第1トルクワイヤ25aにブレーキを掛ける(S17)。第1トルクワイヤ25aにブレーキが掛かると、第1トルクワイヤ用ギアの回転が止まり、ピニオンギアが回転する。このピニオンギアが回転した分だけ第2トルクワイヤ用ギアは余分に回転され、第2トルクワイヤ25bの回転速度が上昇する(S18)。これにより、第1トルクワイヤ25a断線時にも、内視鏡挿抜補助具20が確実に駆動される。
【0062】
抜去モードでは、制御装置26は、モータ21を逆回転して第2トルクワイヤ25bを逆回転し(S19)、内視鏡挿抜補助具20を後進させて内視鏡2の先端部3aを後進させる(S20)。これにより、第1トルクワイヤ25a断線時にも、内視鏡挿抜補助具20が確実に消化管外に抜き出される。なお、抜去モードでは、速度決定ボタン29の操作により内視鏡挿抜補助具20の移動速度を決定することはできるが、内視鏡挿抜補助具20を前進させる操作は無効化され、前進させることはできない。
【0063】
一方、第2電圧値が第1電圧値よりも高く(S14でN、S21でY)、差分電圧値が設定電圧値を超えた場合(S22でY)、断線検出部38は、第2電圧値に係る第2ルクワイヤ25bが断線したことを検出する(S23)。
【0064】
断線検出部38で第2トルクワイヤ25bの断線が検出されると、制御装置26は、通常モードから抜去モードに切り換えるとともに、第2ブレーキ32を駆動して第2トルクワイヤ25bにブレーキを掛けて(S17)、第1トルクワイヤ25aの回転速度を上げる(S18)。抜去モードでは、モータ21を逆回転して第1トルクワイヤ25aを逆回転し(S19)、内視鏡2の先端部3aを後進させる(S20)。
【0065】
[第2実施形態]
図9に示す第2実施形態では、ワイヤ断線検出時には、ワイヤ回転速度を低速にする。なお、第1実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0066】
図9に示すように、内視鏡2の先端部3aに内視鏡挿抜補助具20を装着し(S101)、プロセッサ装置、光源装置、操作ユニット27等の電源をオンして、検査準備を行い(S102)、この検査準備が完了した後、内視鏡2の先端部3aを患者の消化管内に挿入する(S103)。以下(S104)〜(S115)は、第1実施形態の(S4)〜(S15)と同様のステップであるため、説明を省略する。
【0067】
断線検出部38で第1トルクワイヤ25aの断線が検出される(S116)と、制御装置26は、通常モードから、通常モードよりも低速での前進及び後進を行う低速モードに切り換えるとともに、第1トルクワイヤ25aにブレーキを掛ける(S117)。低速モードでは、速度指示部36は、予め設定された回転速度以下の数値を電流付加部37に指示して(S118)、モータ21を低速で回転して第2トルクワイヤ25bを低速回転する(S119)。第2トルクワイヤ25bの低速回転により、内視鏡挿抜補助具20が低速前進し、内視鏡2の先端部3aが低速前進する(S120)。これにより、高速で回転するときに比べて、第2トルクワイヤ25bが断線する危険性が低下する。なお、低速モードでは、内視鏡挿抜補助具20の移動方向を選択することはできるが、速度決定ボタン29による移動速度の決定操作は無効化され、移動速度を変更することはできない。
【0068】
第2電圧値が第1電圧値よりも低く(S114でN、S121でY)、差分電圧値が設定電圧値を超えた場合(S122でY)、断線検出部38は、第2電圧値に係る第2ルクワイヤ25bが断線したことを検出する(S123)。
【0069】
断線検出部38で第2トルクワイヤ25bの断線が検出されると、制御装置26は、通常モードから低速モードに切り換えるとともに、第2ブレーキ32を駆動して第2トルクワイヤ25bにブレーキを掛ける(S117)。低速モードでは、速度指示部36は、設定回転速度以下の回転速度を電流付加部37に指示し(S118)、モータ21を低速で回転して第1トルクワイヤ25aを低速回転する(S119)。第1トルクワイヤ25aの低速回転により、内視鏡挿抜補助具20が低速前進し、内視鏡2の先端部3aが低速前進する(S120)。
【0070】
[第3実施形態]
図10に示す第2実施形態では、ワイヤ断線検出時には、モータ21に付加する電流の最大値を下げる。なお、第1実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0071】
図10に示すように、内視鏡2の先端部3aに内視鏡挿抜補助具20を装着し(S201)、プロセッサ装置、光源装置、操作ユニット27等の電源をオンして、検査準備を行い(S202)、この検査準備が完了した後、内視鏡2の先端部3aを患者の消化管内に挿入する(S203)。以下(S204)〜(S215)は、第1実施形態の(S4)〜(S15)と同様のステップであるため、説明を省略する。
【0072】
断線検出部38で第1トルクワイヤ25aの断線が検出される(S216)と、制御装置26は、通常モードから、通常モードよりもモータ21に付加する電流の最大値を下げる低電流モードに切り換えるとともに、第1トルクワイヤ25aにブレーキを掛ける(S217)。低電流モードでは、電流付加部37は、モータ21に付加する電流の最大値を通常モード時よりも下げ(S218)、モータ21を低速で回転して第2トルクワイヤ25bを低速回転する(S219)。第2トルクワイヤ25bの低速回転により、内視鏡挿抜補助具20が低速前進し、内視鏡2の先端部3aが低速前進する(S220)。これにより、高速で回転するときに比べて、第2トルクワイヤ25bが断線する危険性が低下する。なお、低電流モードでは、内視鏡挿抜補助具20の移動方向を選択することはできるが、速度決定ボタン29による移動速度の決定操作は無効化され、移動速度を変更することはできない。
【0073】
第2電圧値が第1電圧値よりも低く(S214でN、S221でY)、差分電圧値が設定電圧値を超えた場合(S222でY)、断線検出部38は、第2電圧値に係る第2ルクワイヤ25bが断線したことを検出する(S223)。
【0074】
断線検出部38で第2トルクワイヤ25bの断線が検出されると、制御装置26は、通常モードから低電流モードに切り換えるとともに、第2ブレーキ32を駆動して第2トルクワイヤ25bにブレーキを掛ける(S217)。低電流モードでは、電流付加部37は、モータ21に付加する電流の最大値を通常モード時よりも下げ(S218)、モータ21を低速で回転して第1トルクワイヤ25aを低速回転する(S119)。第1トルクワイヤ25aの低速回転により、内視鏡挿抜補助具20が低速前進し、内視鏡2の先端部3aが低速前進する(S220)。
【0075】
なお、上記第1〜第3実施形態を組み合わせることで、ワイヤ断線検出に応じて、低速での後進のみを行う低速後進モードや、低電流での後進のみを行う低電流後進モードに切り換えるようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、第1,第2トルクワイヤそれぞれの回転速度を検出し、その差が設定値を超えたときに、ワイヤが断線されたと判断しているが、ワイヤの断線検出方法は適宜変更可能である。
【0077】
さらに、上記実施形態では、支持筒を円形としているが、これに限定されることなく、三角形、四角形等のいかなる多角形としてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、支持筒を全周に亘って覆う回転体により内視鏡を前進・後進させているが、支持筒の周方向の一部を覆う複数の無端ベルトにより内視鏡を前進・後進させてもよい。
【0079】
さらに、上記実施形態では、伝達ギアのウォームギアによって駆動ギアを回転し、この駆動ギアにより回転体を駆動しているが、ウォームギアにより無端ベルトを直接駆動してもよい。なお、駆動ギアを設ける場合と設けない場合とで、前進・後進させるためのウォームギアの回転方向が逆となるため、操作ユニットによりなされる前進・後進指示と動力源によるトルクワイヤの回転方向の関係を変更する必要がある。
【0080】
また、上記実施形態は、本発明を医療診断用の内視鏡に適用したものであるが、本発明は医療診断用途に限られず、工業用等のその他の内視鏡やプローブ等に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0081】
2 内視鏡
20 内視鏡挿抜補助具
21 モータ
22 連結ギア
23 デフレンシャルギア
25a,25b 第1,第2トルクワイヤ
26 制御装置
30 内視鏡挿抜補助装置
31,32 第1,第2ブレーキ
33,34 第1,第2TG
36 速度指示部
37 電流付加部
38 断線検出部
40 回転体
42 支持筒(外筒)
51〜53 第1〜第3支持ローラ
61 装着筒
61b 挿入孔
62 伝達ギア
71 ウォームギア
74a,74b 第1,第2回転ギア
76 駆動ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の先端部が軸方向に沿って挿入される挿入孔が形成され、前記先端部と同じ軸方向となるように前記先端部に装着される装着筒と、前記装着筒の外側に回転可能に取り付けられた筒状の伝達ギアと、前記伝達ギアに噛合して回転させる複数の回転ギアと、前記伝達ギアの外側に配される外筒と、前記外筒に巻き付けられ、前記装着筒の軸方向に沿って循環するように前記外筒に支持される循環体と、前記伝達ギアの回転を用いて前記循環体を循環駆動する循環駆動部とを有し、前記循環体の循環によって前記内視鏡の被検体内への挿入及び被検体外への抜去を補助する内視鏡挿抜補助具と、
前記各回転ギアに接続される回転可能な複数のワイヤと、
前記各ワイヤそれぞれに接続され、前記各ワイヤにかかる負荷に応じて前記各ワイヤの回転速度を変えるデフレンシャルギアと、
前記デフレンシャルギア及び各ワイヤを介して前記各回転ギアを回転するモータと、
前記モータの駆動を制御するモータ制御手段と、
前記各ワイヤそれぞれの断線を検出する断線検出手段と、
前記各ワイヤにブレーキを掛ける複数のブレーキ手段と、
前記断線検出手段によりワイヤ断線が検出されたときに、前記ブレーキ手段を駆動して前記断線が検出されたワイヤにブレーキを掛けて、前記デフレンシャルギアにより他のワイヤの回転速度を上昇させるブレーキ制御手段と、
を備えることを特徴とする内視鏡挿抜補助装置。
【請求項2】
前記断線検出手段によりワイヤ断線が検出されたときに、前記内視鏡挿抜補助具の駆動に制限のない通常モードから前記通常モードよりも機能に制限がある特殊モードに切り換えるモード切換手段を備えることを特徴とする請求項1記載の内視鏡挿抜補助装置。
【請求項3】
前記特殊モードでは、前記モータ制御手段は、前記内視鏡挿抜補助具により前記内視鏡を被検体外へ抜去するように前記モータを駆動することを特徴とする請求項2記載の内視鏡挿抜補助装置。
【請求項4】
前記モータ制御手段は、前記モータの回転速度を指示する速度指示部と、前記速度指示部で指示された回転速度に応じた電流を前記モータに付加する電流付加部とを有することを特徴とする請求項2または3記載の内視鏡挿抜補助装置。
【請求項5】
前記特殊モードでは、前記速度指示部は、予め設定された回転速度以下の数値を指示することを特徴とする請求項4記載の内視鏡挿抜補助装置。
【請求項6】
前記特殊モードでは、前記電流付加部は、前記モータに付加する電流の最大値を下げることを特徴とする請求項4または5記載の内視鏡挿抜補助装置。
【請求項7】
前記断線検出手段は、前記各ワイヤそれぞれの回転速度を検出する複数の速度検出手段を備え、前記各速度検出手段で検出された前記各ワイヤの回転速度の差が予め設定された設定値を超えたときに、前記複数のワイヤのうちの検出された回転速度が高いワイヤが断線されたと判断することを特徴とする請求項1ないし6いずれか1つ記載の内視鏡挿抜補助装置。
【請求項8】
前記循環体は、前記外筒を全周に亘って覆うように袋状に形成された回転体から構成されていることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1つ記載の内視鏡挿抜補助装置。
【請求項9】
前記循環体は、前記外筒の周方向の一部を覆う複数の無端ベルトから構成されていることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1つ記載の内視鏡挿抜補助装置。
【請求項10】
前記外筒に回転可能に取り付けられ、前記循環体の内周面に接触して前記循環体を循環可能に支持する複数の支持ローラを備え、
前記循環駆動部は、
前記伝達ギアに設けられたウォームギアと、
前記ウォームギアに噛合するとともに、前記複数の支持ローラとの間で前記循環体を挟持して前記循環体を循環駆動する複数の駆動ギアと、
を備えることを特徴とする請求項1ないし9いずれか1つ記載の内視鏡挿抜補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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