内視鏡
【課題】 第2湾曲部の硬度を可変して、体腔内への挿入等の作業をより円滑に行い易い操作性の良好な内視鏡を提供する。
【解決手段】挿入部7の先端側には、任意の方向に湾曲自在の第1湾曲部41と、この第1湾曲部41の湾曲方向に湾曲自在の第2湾曲部42とが設けられ、この第2湾曲部42の内部に流体の給排により膨張/収縮するバルーン38を設けて、この第2湾曲部42の硬度を可変できるようにし、屈曲した部位への挿入作業を行い易くした。
【解決手段】挿入部7の先端側には、任意の方向に湾曲自在の第1湾曲部41と、この第1湾曲部41の湾曲方向に湾曲自在の第2湾曲部42とが設けられ、この第2湾曲部42の内部に流体の給排により膨張/収縮するバルーン38を設けて、この第2湾曲部42の硬度を可変できるようにし、屈曲した部位への挿入作業を行い易くした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1及び第2の湾曲部が設けられた挿入部を有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野の内視鏡は、例えば、体腔内に細長い挿入部を挿入することによって、体腔内の臓器等を観察したり、必要に応じて処置具挿通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種処置をすることができる。この内視鏡挿入部には、先端から順に、先端(構成)部、湾曲部及び可撓管部が配設されている。
内視鏡の挿入部を体腔内へ挿入する際、術者は、可撓管部を把持して、体腔内へ押し込みながら、内視鏡の操作部に配設される操作ノブを所定操作することにより湾曲部を所望の方向へ湾曲させる。このような、内視鏡の挿入部は、屈曲する体腔内への挿入性を良くするため種々の工夫がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1(実公平1−22641号公報)に記載される内視鏡の挿入部には、先端側から順に、外部から4方向へ能動的に湾曲操作可能な第1の湾曲部と、ステーコイル及び節輪が配設され、4方向へ受動的に湾曲自在な構造からなる非常に曲がり易い第2の湾曲部とが連設されている。
また、特許文献2(特開2000−143084号公報)には、第1の湾曲部と、第1の湾曲部よりも硬度を大きくした第2の湾曲部を設けた内視鏡が開示されている。
【特許文献1】実公平1−22641号公報
【特許文献2】特開2000−143084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、内視鏡の挿入部が体腔内の屈曲部分を通過する際、第2の湾曲部は、湾曲操作された第1の湾曲部の湾曲状態と体腔壁の屈曲に沿って湾曲される。
しかしながら、特許文献1に記載される内視鏡の第2の湾曲部は、第1の湾曲部よりも腰が弱く、非常に曲がり易いため、押し込み等の際に効率良く力を伝達しにくくなる可能性がある。
また、特許文献2に記載される内視鏡の場合には、押し込み等の際に効率良く力を伝達することができる反面、屈曲させたい部位においてもその硬度が大きいために屈曲させにくくなる可能性がある。
そのため、使用する部位等に応じて第2の湾曲部の状態を力を伝達し易い状態に設定したり、簡単に屈曲させることができる状態に設定する等、術者のニーズに対応して第2湾曲部の硬度を変更可能にできるものがあると、非常に便利である。
【0005】
(発明の目的)
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、第2湾曲部の硬度を可変して、体腔内への挿入等の作業をより円滑に行い易い操作性の良好な内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1湾曲部及び第2湾曲部とを可撓管部の先端側に順次連設した挿入部を有する内視鏡において、
少なくとも前記第2湾曲部の硬度を可変する硬度可変手段を具備したことを特徴とする。
上記構成により、第2湾曲部の硬度を可変することにより、屈曲した体腔内への挿入等の作業をより円滑に行えるようにしている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、屈曲した体腔内への挿入等の作業をより円滑に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1ないし図7は本発明の実施例1に係り、図1は本発明の実施例1の内視鏡を備えた内視鏡装置の全体構成を示し、図2は内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示し、図3は湾曲部の内部構成を示し、図4は内視鏡内に内蔵された硬度可変のバルーンカテーテル部分の構成を示し、図5はバルーンカテーテルの基端側の固定部の構造を示し、図6及び図7は本実施例による作用の説明図を示す。
図1に示すように内視鏡装置1は、例えば撮像手段を備えた内視鏡2と、内視鏡2に着脱自在に接続されて内視鏡2に設けられたライトガイドに照明光を供給する光源装置3と、内視鏡2と信号ケーブル4を介して接続されて内視鏡2の撮像手段を制御すると共に撮像手段から得られた信号を処理するビデオプロセッサ5と、ビデオプロセッサ5から出力される被写体像に対応する映像を表示するモニタ6から構成されている。内視鏡2は観察や処置に使用された後には、洗浄された後に高温高圧蒸気にて滅菌処理を行うことが可能なように外皮等の構成部材が高温高圧蒸気に耐性を有する部材により構成されている。
【0010】
内視鏡2は、可撓性を有し、被検体内(より具体的には体腔内)に挿入可能な細長の挿入部7と、挿入部7の基端側に接続された操作部8と、操作部8の側部から延出した可撓性を有する連結コードとしてのユニバーサルコード9と、ユニバーサルコード9の端部に設けられた前記光源装置3と着脱自在に接続されるコネクタ部10とコネクタ部10の側部に設けられた前記ビデオプロセッサ5と接続された前記4が着脱自在に接続可能な電気コネクタ部11とを有している。
挿入部7と操作部8の接続部には接続部の急激な曲がりを防止する弾性部材を有する挿入部側折れ止め部材12が設けられており、操作部8とユニバーサルコード9の接続部には同様の操作部側折れ止め部材13、ユニバーサルコード9とコネクタ部10の接続部には同様のコネクタ部側折れ止め部材14が設けられている。
【0011】
挿入部7は可撓性を有する柔軟な可撓管部17と、可撓管部17の先端側に設けられ、操作部8の操作により湾曲可能な湾曲部16と、この湾曲部16の先端側に設けられ、観察光学系18a、照明光学系18bなどが配設された硬質の先端部15から構成されている。
本実施例においては、湾曲部16は、図3にて説明するように先端部15に隣接して設けられた第1湾曲部41と、この第1湾曲部41の後端に連設された第2湾曲部42とから構成されている。
また、先端部15には送気操作、送水操作によって観察光学系18aの外表面の光学部材に向けて洗滌液体や気体を噴出するための送気送水ノズルと、挿入部7に配設された処置具を挿通したり体腔内の液体を吸引するための処置具チャンネルの先端側の開口である吸引口19が設けられている。又、この先端部15には、観察対象物に向けて開口した液体を噴出するための図示しない送液口とが設けられている。
【0012】
コネクタ部10には光源装置3に内蔵された図示しない気体供給源と着脱自在に接続される気体供給口金21と、液体供給源である送水タンク22と着脱自在に接続される送水タンク加圧口金23及び液体供給口金24とが設けられている。
又、前記吸引口19より吸引を行うための図示しない吸引源と接続される吸引口金25が設けられている。又、このコネクタ部10には、口金26が設けられており、この口金26は、接続用のチューブ34を介して流体を給排する給排用ポンプ35に接続される。 この口金26は、内部において後述するようにユニバーサルコード9内、操作部8内を経て挿入部7内に挿通されるチューブ36(図2参照)内に挿通される硬度可変手段を形成する流体を通すチューブ37に連通している。
【0013】
そして、給排用ポンプ35から流体を供給することにより、チューブ37の先端のバルーン38を膨張させることにより、このバルーン38が収納された第2湾曲部42部分の硬度を大きくする、つまりバルーン38に流体の給排をすることにより、第2湾曲部42の硬度を可変することができるようにしている。本実施例では、バルーン38に流体を供給しない状態では、第2湾曲部42はその硬度が小さい(低い)状態であり、流体を供給してバルーン38を膨張させることにより、第2湾曲部42の硬度が大きくなるように硬度を増大させる構成にしている。
なお、給排用ポンプ35による流体の給排は、例えば図示しないフットスイッチ等により行うことができるようにしている。
又、図1に示すコネクタ部10には、高周波処置等を行った際に内視鏡に高周波漏れ電流が発生した場合に漏れ電流を高周波処置装置に帰還させるためのアース端子口金27が設けられている。
操作部8には送気操作、送水操作を操作する送気送水操作ボタン28と吸引操作を操作するための吸引操作ボタン29と、前記湾曲部16の湾曲操作を行うための湾曲操作ノブ30と、前記ビデオプロセッサ5を遠隔操作する複数のリモートスイッチ31、前記処置具チャンネル連通した開口である処置具挿入口32が設けられている。
【0014】
内視鏡2の電気コネクタ部11には圧力調整弁付き防水キャップ33が着脱自在に接続可能である。圧力調整弁付き防水キャップ33には図示しない圧力調整弁が設けられている。
図2は内視鏡2の挿入部7の先端側の概略の構成を示す。先端部15には観察光学系(対物光学系)18aと照明光学系18bとが隣接して設けられている。
この照明光学系18bの内側にはライトガイド43の先端面が配置され、光源装置3から供給される照明光をこのライトガイド43により伝送し、その先端面からさらに照明光学系18bを経て前方に出射し、患部等の被写体を照明する。
また、観察光学系18aの結像位置には、固体撮像素子として例えば電荷結合素子(CCDと略記)44が配置されており、照明された被写体の光学像をCCD44に結ぶ。そして、CCD44により光電変換された画像信号は、信号ケーブル45等を介してビデオプロセッサ5に伝送され、ビデオプロセッサ5の内部の信号処理回路により映像信号に変換され、この映像信号はモニタ6に出力され、モニタ6の表示面に被写体像が内視鏡画像として表示される。
【0015】
図2に示す先端部15の後端には、図3に示すような構造の第1湾曲部41と第2湾曲部42からなる湾曲部16が設けてある。
また、図2に示すように本実施例では挿入部7内には可撓性を有するチューブ36が挿通されており、このチューブ36の先端は、例えば先端部15に閉塞された状態で固定されている。そして、このチューブ36内には、先端にバルーン38が設けられた可撓性を有するチューブ37が挿通されている。この場合、バルーン38は、第2湾曲部42の内部に位置するように設けてある。
チューブ36及びチューブ37は、挿入部7の後端からさらに操作部8,ユニバーサルコード9を経てコネクタ部10に至る。
図3に示すように先端部15に固着された先端駒15aの後端にはリベット47により第1湾曲部41を構成する湾曲駒46が連結され、この湾曲駒46の後端には次段の湾曲駒46がリベット47により回動自在に連結されるようにして多数の湾曲駒46が上下及び左右方向に湾曲自在に連結されている。
【0016】
また、第1湾曲部41の後端の湾曲駒46には、第2湾曲部42を構成する湾曲駒48が連結され、この湾曲駒48の後端には次段の湾曲駒48がリベット47を介して回動自在に連結されるようにして多数の湾曲駒48が上下、及び左右方向に湾曲自在に連結されている。
また、第2湾曲部42の後端の湾曲駒48は、連結部材49を介して可撓管部17と連結されている。なお、リベット47は、上下、及び左右の方向に対応する位置にそれぞれ設けてある。
また、挿入部7内における上下、左右の方向に沿って、湾曲操作用のワイヤ50が挿通されており、各ワイヤ50は、第1湾曲部41内では湾曲駒46の内周面に設けた円環状のワイヤガイド51内を通して位置規制された状態で挿通されている。
【0017】
また、各ワイヤ50は、第2湾曲部42内以降では、コイルパイプ52内に挿通されている。
そして、ワイヤの後端側は操作部8内の湾曲駆動機構を構成するスプロケット(或いはプーリ)に係止されており、湾曲操作ノブ30を回動する操作を行うことにより、ワイヤ50が牽引されて第1湾曲部41を所望とする方向に湾曲させることができる。
第2湾曲部42は、挿入された部位の屈曲状態に応じて受動的に湾曲する。つまり、図3に示した構造の湾曲部16においては、第1湾曲部41は能動的な湾曲部であり、第2湾曲部42は受動的な湾曲部として作用する。
【0018】
なお、図3の例においては、第1湾曲部41における最大湾曲時の曲率半径は、第2湾曲部42の最大湾曲時の曲率半径と殆ど同じとなるように同じような湾曲駒46、48を採用している。本実施例は、この場合に限定されるものでなく、例えば第1湾曲部41における先端側と後端側とで最大湾曲時の曲率半径を異なる値に設定しても良い。
また同様に、第2湾曲部42における先端側と後端側とで最大湾曲時の曲率半径を異なる値に設定しても良い。
また、第1湾曲部41及び第2湾曲部42における先端側と後端側とで最大湾曲時の曲率半径を異なる値に設定する場合、例えば第1湾曲部41及び第2湾曲部42における先端側の最大湾曲時の曲率半径を略同じ値に設定し、かつ第1湾曲部41及び第2湾曲部42における後端側の最大湾曲時の曲率半径を略同じ値に設定しても良い。
【0019】
図3に示すように、第1湾曲部41及び第2湾曲部42における湾曲駒46、48の外周面は網管53及び柔軟性のある外皮54で覆われている。また、可撓管部17は外皮の内側には網管及びフレックス管55が設けてある。なお、図3では図2に示したチューブ36等を省略している。
図2に示した挿入部7内等に配置されるチューブ36内には、図4に示すようにバルーン38がチューブ37の先端に一体的に連結して形成されたバルーンチューブ56が挿通(収納)されている。
このバルーンチューブ56は、チューブ37及びその先端に設けた膨張及び収縮可能な伸縮性に富むバルーン38の内側にガイドワイヤ57が挿通されている。
ガイドワイヤ57は、固定部材58aにより、バルーン38の先端側で固定され、かつバルーン38の後端付近においても中空部を設けた固定部材58bにより固定されている。また、チューブ37の後端(基端)の構造は、図5に示すように口金26に固着され、図1に示したチューブ34を介して給排用ポンプ35に接続される。
【0020】
図5に示すようにチューブ37の後端は、連結用の口金26に固着され、この口金26の外周面にはチューブ37が内側に挿通されたチューブ36の後端が外嵌される。
この場合、口金26の外周面に設けた周溝に係入されたOリング59により口側外周面とチューブ36との間が水密構造にされ、さらにナットなどの締め付けリング60によりチューブ36を口金26の外周面に締め付けるようにして固定している。
このような構成の本実施例の内視鏡2においては、挿入部7の先端側に湾曲自在の第1湾曲部41と、この第1湾曲部41の後端に湾曲(屈曲)し易くした第2湾曲部42とが設けられた湾曲部16を有し、流体を給排することにより、バルーン38を膨張/収縮させて、第2湾曲部42の硬度を可変調整できるようにしていることが特徴となっている。 そして、以下に説明するように体腔内の屈曲した部位内に挿入部7を挿入する場合、第2湾曲部42の硬度を可変調整することにより挿入作業を円滑に行い易くしている。
【0021】
このような構成の本実施例による作用を図6を参照して以下に説明する。
本実施例の内視鏡2の挿入部7を肛門61から挿入して大腸検査を行う場合について説明する。
図6(A)に示すように挿入部7をその先端側から、肛門61から挿入し、直腸62を経て、S字状に屈曲したS状結腸63の奥の下行結腸64側に先端部15を挿入する。 このように先端部15が下行結腸64内に達した場合には、挿入部7を捻りながら挿入部7の手元側を引っ張ることにより、図6(C)に示すように直線に近い状態の挿入部7の形状に沿ってS状結腸部分を直線化することができる。
このような直線化する操作を行う前に、図示しないフットスイッチの流体供給スイッチをONとすることにより、バルーン38内に流体が供給され、バルーン38が流体で膨らんで第2湾曲部42の硬度を弾力性を持って大きくなる状態にする。
このように第2湾曲部42の硬度を大きく設定した後、挿入部7の手元側で挿入部7を捻りかつ引っ張る操作を行うことにより、図6(A)の状態から図6(C)の状態にできる。
【0022】
なお、特許文献1の従来例では、このような直線化の操作を行った場合、第2湾曲部42の硬度が低いため、図6(B)のようになってしまい、挿入部7が抜けてしまう可能性があった。
図6(C)に示すように直線化することにより、挿入部7の手元側で押し込む操作を行うことにより、先端部15をさらに深部側に挿入することができ、脾湾曲部65に達した付近で第1湾曲部41を大きく湾曲させながら押し込むことにより先端部15側を図6(D)に示すように横行結腸66内側に挿入することができる。
先端部15をさらに横行結腸66の深部側に押し込む際、例えばフットスイッチの流体排出スイッチをONにして、バルーン38内の流体の量を減らし、硬度が大きい硬い状態から適度の硬度となるように第2湾曲部42の硬度を下げた状態にして、挿入部7の手元側を押し込む。
【0023】
第2湾曲部42の硬度が下がることにより、押し込む操作を行った場合、図6(E)に示すように第2湾曲部42を脾湾曲部65の屈曲した内面に沿って屈曲させながら深部側に円滑に移動させることができる。
この場合、特許文献2の従来例のように、大きな硬度のままであると、第2湾曲部を屈曲させるには大きな外力を必要とし、この状態のまま押し込む操作を行うと、第2湾曲部が脾湾曲部65の屈曲した内面を押して、円滑に挿入しにくくなる可能性がある。これに対して、本実施例では、より硬度を小さく(低く)することにより、円滑な挿入を行い易くすることができる。
また、図6(E)のように挿入した状態において、第2湾曲部42の硬度を大きくして押し込む操作を行うことにより、先端部15を横行結腸66の深部側に円滑に挿入することができる。
【0024】
図6(E)より深部側に挿入する様子を図7を用いてさらに説明する。図6(E)のように挿入した状態において、第2湾曲部42の硬度を大きくして押し込むことにより、図7(A)に示すように第2湾曲部42を直線に近い状態にして、横行結腸66の深部側に挿入することができる。
これに対して、特許文献1の従来例では、曲がり易い第2湾曲部42′が横行結腸66の屈曲形状に影響されて図7(D)に示すように意図しない方向に曲がり、手元側で挿入部を押し込む操作を行っても、先端部を深部側に進め難くなる欠点がある。
本実施例においては、図7(A)の状態において、第2湾曲部42の硬度を大きくした状態で、第1湾曲部41を湾曲させて挿入部7を押し込む操作を行うことにより、図7(B)に示すように第1湾曲部41を肝湾曲67を通過させて、上行結腸68側に進めることができる。
【0025】
さらに第2湾曲部42の硬度を下げた状態で、手元側で挿入部7を押し込む操作を行うことにより、図7(C)に示すように第2湾曲部42が肝湾曲67で抵抗となること無く先端部15を上行結腸68の深部側に挿入することができる。
つまり、本実施例では、脾湾曲部65を通過後においては、第2湾曲部42の硬度を大きくすることにより、第2湾曲部42が屈曲されるのを抑制して、手元側での挿入操作を先端部15に円滑に伝達できる状態にして、挿入部7を円滑に深部側に挿入することができる。
このように本実施例によれば、第2湾曲部42の硬度を可変できるようにしているので、従来例よりも挿入部7を大腸内の深部側への挿入作業等を円滑に行うことができる。 なお、上記説明では、大腸内への挿入の場合で説明したが、本実施例の内視鏡2によれば、体腔内の屈曲した部位への挿入を円滑に行うことができる。
【0026】
なお、実施例1の変形例として、図4に示すバルーンチューブ56を処置具チャンネル内に挿通し、その先端のバルーン38部分を第2湾曲部42の内部に固定した状態で使用しても良い。
この場合、口金26を処置具挿入口32から突出させ、チューブ34を介して給排用ポンプ35に接続する。そして、図示しないフットスイッチの操作で実施例1と同様にバルーン38に流体を給排して、第2湾曲部42の硬度を可変できるようにしても良い。
そして、体腔内の目的部位まで挿入した場合、他の処置具で処置を行うことを望む場合には、バルーンチューブ56を処置具チャンネルから引き抜いて、他の処置具で処置を行うようにしても良い。本変形例によれば、既存の内視鏡の場合にも適用することができる利点がある。
【実施例2】
【0027】
次に図8及び図9を参照して本発明の実施例2を説明する。図8は、実施例2の内視鏡2Bにおける挿入部7の先端側の構成を示す。
実施例1においては、第2湾曲部42の内側にバルーン38を配置した構成にしていたが、本実施例においては、第2湾曲部42の外表面にバルーン71を設けた構成にしている。
具体的には、挿入部7内に配置された実施例1で説明したチューブ36の先端側は、可撓管部17の先端と第2湾曲部42との境界の連結部72の位置でその外表面に開口する開口端73となっている。
また、第2の湾曲部42の外周面は、バルーン71により覆われている。このバルーン71は、略円管形状であり、その後端は連結部72の外周面に接着等により固定され、またその前端は第1湾曲部41と第2湾曲部42の境界の連結部74において固定されている。そして、このバルーン71に供給される流体がバルーン71の外部に漏れない水密或いは気密構造にされている。
【0028】
なお、バルーン71の後端と前端が固定される部分の連結部72及び74の外周面は、バルーン71の肉厚程度の薄肉部が形成され、バルーン71の後端と前端をそれぞれ固定することにより、段差が発生することなく滑らかに接続された外表面が形成される。
また、チューブ36の後端は、コネクタ部10において、口金26に接続され、この口金26は、実施例1で説明したようにチューブ34を介して給排用ポンプ35に接続される。なお、本実施例では、口金26はチューブ37が接続されない状態で、チューブ36の後端が接続されている。
そして、実施例1の場合と同様に図示しないフットスイッチを操作することにより、給排用ポンプ35を作動させて流体の給排を行うことができる。流体の給排により、バルーン71を膨張させたり、収縮させることができ、実施例1と同様に第2湾曲部42の硬度を弾力性を持った状態でその硬度を可変できるようにしている。
【0029】
なお、本実施例では、バルーン71を第2湾曲部42の外周面に設けているので、硬度を大きくした場合には、第2湾曲部42部分の外周面がバルーン71で膨張した状態になる点が実施例1と異なる。そして、本実施例においては、バルーン71を膨張させた場合、そのバルーン71の外周側の体腔内の内壁にバルーン71の外周面を密着させ、このバルーン71が設けられた第2湾曲部42を内壁に摩擦力で係止(固定)することができるようにしている。
このような構成による本実施例の作用を図9を参照して説明する。
実施例1の場合と同様にして図9(A)に示すように挿入部7を、肛門61から挿入し、直腸62を経て、S字状に屈曲したS状結腸63の奥の下行結腸64側に先端部15を挿入する。
【0030】
その後、液体或いは気体等の流体をバルーン71に供給して、図9(B)に示すようにバルーン71を膨張させて、この膨張させたバルーン71を腸壁に広い面積で密着させることにより、このバルーン71部分を腸壁に係止(固定)した状態にすることができる。 その後、術者は、挿入部7の手元側を引っ張る操作を行うことにより、第2湾曲部42の外周面に設けた膨張して腸壁に係止した状態のバルーン71により、挿入部7が抜けることを防止して図9(C)に示すようにS状結腸63を短縮化することができる。
図9(C)のように短縮化した後、バルーン71に供給された流体を排出して、図8(D)に示すようにバルーン71を収縮させた状態にすることにより、挿入部7を押し込む作業を行うことにより、より深部側に挿入することができる。
【0031】
本実施例によれば、実施例1と同様に体腔内の屈曲した部位への挿入をより円滑に行うことができる。
また、バルーン71を膨張させることにより、バルーン71が設けられた第2湾曲部42を体腔内に係止することができ、挿入作業をより円滑に行うことができる。
【実施例3】
【0032】
次に図10(A)及び図10(B)を参照して本発明の実施例3を説明する。実施例3では、挿入部内に挿通された移動手段を挿入部の軸方向に移動することにより、第2湾曲部の硬度を可変する構成にしたものである。
図10(A)は実施例3における内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す。
実施例1の場合と同様に、挿入部7内には可撓性のチューブ36がその長手方向に設けてあり、このチューブ36内には可撓性を有する長尺部材としてのスタイレット81がチューブ36内をスライド自在に挿通されている。
このスタイレット81の先端付近には、硬質部82が設けてあり、この硬質部82の先端には粗巻きのコイル部83が設けてある。また、このコイル部83の先端には、円滑な移動を行えるようにする例えば球状の先端チップ84が設けてある。
【0033】
スタイレット81は、可撓性に富む部材、具体的には密巻きコイル等で形成されており、このスタイレット81の先端に設けた硬質部82は、第2湾曲部42の後端と可撓管部17の先端との境界部分に設けられた硬質の連結部80の長さと同じ長さに設定してある。なお、この硬質の連結部80は、実施例1では連結部材49に相当する。
また、コイル部83は、本実施例では例えばスタイレット81よりは若干硬くしている。硬質部82は、スタイレット81及びコイル部83よりも高い硬度を有する。
このスタイレット81の後端は、例えば操作部付近でチューブ36から外部に延出され、後端を押し込む等して、硬質部82の位置を第2湾曲部42側に移動する操作を行えるようにしている。
【0034】
このような構成による本実施例の動作を説明する。図10(A)の状態では、第2湾曲部42内にはコイル部83が配置された状態であり、その硬度を比較的に柔らかい硬度の状態にしている。また、スタイレット81に設けた硬質部82は、硬質の連結部80の位置に配置されているため、この硬質部82は第2湾曲部42の後端の可撓管部17との境界付近における硬度に影響を及ぼさない状態にできる。
図10(A)の状態において、硬質部82の位置を第2湾曲部42側に、連結部80の(軸方向の)長さより大きい距離、例えば距離Lだけ、前進移動することにより、図10(B)に示す状態になる。
図10(B)に示す状態では、第2湾曲部42の内側に硬度が大きい硬質部82が配置された状態となり、第2湾曲部42の硬度を大きくすることができる。
【0035】
このように本実施例によれば、第2湾曲部42の硬度を可変できるようにしているので、実施例1で説明したように大腸等の深部側に挿入する場合にも円滑な挿入を行うことができるようになる。
なお、図10(A)の状態において、硬質部82の位置を可撓管部17側に後退移動することにより、第2湾曲部42の硬度をさらに柔らかい状態にすることができる(この場合には、可撓管部17の先端付近は硬質部82により硬度が大きくなる)。スタイレット81の後端は、操作部に設けられた図示しないレバーに接続され、レバーを動かすことにより進退させても良い。
なお、本実施例では、スタイレット81をスライド自在とするチューブ36を挿入部7内に設けてあるが、処置具挿通用のチャンネル内にスタイレット81を挿通しても同様の作用効果を有する。また、前方送水用管路内にスタイレット81をスライド自在に挿通しても良い。また、スタイレット81は、内視鏡に内蔵しても、別体(着脱自在)にしても良い。
【0036】
次に本実施例の第1変形例を図11及び図12を参照して説明する。図11は第2湾曲部42付近における硬度を可変する構成の概略を示す。
可撓管部17内には細くて回転力(トルク)を伝達する機能が高い可撓性のトルクチューブ86が、このトルクチューブ86を通す孔を設けたチューブ受け87を介して内壁面に沿って配置されている。
このトルクチューブ86の先端には、粗巻きにした螺旋状のコイルばね88の後端が取り付けられ、このコイルばね88の先端は、第1湾曲部41の後端と第2湾曲部42の先端との境界部分の硬質の連結部89に設けた固定部89aに固定されている。なお、図11及び図12(後述する図13、図24でも同様)では、第2湾曲部42における湾曲駒48等を簡略化して示している。
【0037】
上記コイルばね88は、図11の状態では柔らかい状態、つまり硬度が低い状態であり、圧縮されたり、或いはより密巻きに近い状態に設定されるとその硬度が大きくなる特性を有する。
また、このコイルばね88は、例えば第2湾曲部42の内側におけるその全長をカバーするように配置されている。
上記トルクチューブ86は、例えば巻回方向が異なる3層構造のコイル等により構成されており、いずれの向きに回転させた場合においてもその硬度が殆ど変化しないものが採用されている。
このトルクチューブ86の後端側は、操作部まで延出され、操作部に設けた図示しないレバー、回転ノブなどの操作により、トルクチューブ86を進退移動或いは回転させることができる。そして、進退移動或いは回転により、粗巻きにしたコイルばね88るようにしている。
【0038】
このような構成による本変形例の動作を説明する。
例えば図11に示す第2湾曲部42の硬度が低い状態において、この第2湾曲部42の硬度を大きくしようとした場合には、ユーザは操作部側においてトルクチューブ86を押して、このトルクチューブ86を前方方向Aに移動させ、図12に示すようにその先端に連結したコイルばね88を短縮する。
このように粗巻きのコイルばね88が短縮されることにより、このコイルばね88が曲がりにくくなり、第2湾曲部42の硬度を大きくすることができる。
また、トルクチューブ86を移動させるのではなく、コイルばね88の巻回方向Bに回転させることにより、このコイルばね88の巻回のピッチを狭く(小さく)して、その結果、コイルばね86をより曲がりにくくして、第2湾曲部42の硬度を大きくするようにしても良い。
【0039】
本変形例によれば、トルクチューブ86の押し引き、又は回転という簡単な操作で、ほぼ第2湾曲部42のみの硬度を変更でき、良好な操作性を実現できる。また、挿入部内に、細い粗巻きコイルばね88とトルクチューブ86のみを挿通すれが良いので、挿入部を細径に保つことができる。
なお、上記第1変形例において、トルクチューブ86を移動することにより硬度を変更すると説明したが、このように移動することでコイルばね88を収縮させてその硬度を変更する場合には、トルクチューブ86に限らず、可撓性を有する長尺の部材で形成しても良い。
次に図13及び図14を参照して本実施例の第2変形例を説明する。図13(A)は第2変形例における第2湾曲部42付近における硬度を可変する構成の概略を示す。
可撓管部17内には、例えば可撓性を有する密巻きコイル91が挿通されている。この密巻きコイル91の先端には、硬質部92と、硬質部92に比較してその硬度が低い粗巻きコイル93とが交互に連結されている。
【0040】
第2湾曲部42の硬度を低くした第1の状態、つまり図13(A)に示す状態では、硬質部92は、湾曲駒48に取り付けたガイド管94内に配置され、かつこの硬質部92の(長手方向の)長さは、湾曲駒48(の長手方向の)長さ以内に収まるように設定されている。
そして、各湾曲駒48の内側に配置された硬質部92を粗巻きコイル93で連結している。この場合には、第2湾曲部42が外力で湾曲させる場合には、図13(B)に示すように粗巻きコイル93が圧縮されて湾曲されることになり、第2湾曲部42は曲がり易い、つまり硬度が低い状態である。
一方、第2湾曲部42の硬度を大きくしようとする場合には、密巻きコイル91の後端側を引っ張るか前方に押し出して、密巻きコイル91を移動する操作を行う。例えば密巻きコイル91を引っ張り、図13(A)に示した第1の状態から図14(A)に示す第2の状態にする。
【0041】
図14(A)に示す第2の状態では、隣接する湾曲駒48間に硬質部92が配置された状態となっている。この第2の状態で第2湾曲部42に外力が作用して湾曲させようとした場合には、図14(B)に示すように、硬質部92がガイド管94に当たり湾曲を妨げる抵抗となり湾曲されにくくなる。つまり、この第2の状態では硬度が大きくなる。
密巻きコイル91の移動操作により、図13(A)に示す第1の状態から図14(A)に示す第2の状態に至る途中の状態に設定することにより、図13(A)と図14(A)図13(A)と図14(A)の両硬度の中間の値に設定することができる。
本変形例によれば、密巻きコイル91を短い移動ストローク量で移動することにより、第2湾曲部42の硬度を大きく変えることができる効果がある。
つまり、第2湾曲部42を構成する湾曲駒48の軸方向の長さの1/2程度の移動量で低い硬度の状態から最大硬度の状態にまで可変できる。その他、実施例3と同様の効果を有する。
【実施例4】
【0042】
次に図15(A)及び図15(B)を参照して本発明の実施例4を説明する。図15(A)は実施例4における内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す。
本実施例では、挿入部7内には硬度可変部材95が挿通されている。この硬度可変部材95は、硬度可変用ワイヤ96aと、この硬度可変用ワイヤ96aが挿通された密巻きコイル96bとからなる。
この硬度可変部材95を構成する硬度可変用ワイヤ96a及び密巻きコイル96bの先端は、例えば第1湾曲部41と第2湾曲部42との境界付近まで延出され、両先端部は半田等により固着された固定部97となっている。
また、硬度可変部材95における密巻きコイル96bは、第2湾曲部42と可撓管部17との境界の連結部80において、半田等により連結部80に固定された固定部98となっている。
【0043】
そして、この硬度可変部材95の先端部は、自由端となっており、硬度可変用ワイヤ96aの後端側を牽引することにより、この硬度可変用ワイヤ96a全体がその長手方向に移動する。その際、この硬度可変用ワイヤ96aの先端が第2湾曲部42内側に配置された密巻きコイル96bの固定部97と固定部98の間を後方側に押圧して圧縮し、この第2湾曲部42内の密巻きコイル96bの硬度を大きくすることができるようにしている。 なお、図15(B)に示すように第2湾曲部42等が屈曲された場合に、硬度可変部材95が長手方向と直交する方向に移動するのを規制するガイド部材99が第2湾曲部42内に設けてある。
また、硬度可変用ワイヤ96aの後端は、操作部内において回転自在のプーリ100に固定され、このプーリ100に取り付けられたレバー101を矢印で示す方向に回動する操作を行うことにより、硬度可変用ワイヤ96aを牽引して第2湾曲部42内の硬度可変部材95の硬度を可変することができるようにしている。
【0044】
また、密巻きコイル96bの後端も、操作部に設けられたカムリング102に連結されている。例えば密巻きコイル96bの後端にはピン103が突設され、このピン103は、カムリング102のカム溝内に係入されている。
そして、ユーザはこのカムリング102を回転することにより、密巻きコイル96bの後端をその長手方向に沿って前方側に移動させることができ、可撓管部17内に配置された密巻きコイル96bに対してその後端側からカムリング102と固定部98の間に圧縮力を印加して、印加しない場合における低い硬度の状態から大きな硬度となるように硬度可変ができるようにしている。
このような構成による本実施例によれば、レバー101の操作により第2湾曲部42の硬度を可変することができると共に、第2湾曲部42の硬度可変とは独立してさらにカムリング101を回動する操作を行うことにより、可撓管部17の硬度も可変することができる。
【0045】
このため、挿入部7を例えば大腸の深部側に挿入するような場合、可撓管部17の硬度も可変できるのでより円滑に挿入することができる。
具体的には図6で説明したように、第2湾曲部42の硬度を可変して大腸の深部側に円滑に挿入することができる。
さらに図6(E)に示す状態から図7(A)〜図7(C)で説明したように第2湾曲部42の硬度を大きくして、横行結腸66の深部側に挿入部7の先端側を挿入する場合、より円滑かつ容易に挿入することができる。
つまり、図6(E)に示す状態から図7(A)に示すように横行結腸66の深部側に挿入部7の先端側を挿入する場合、第2湾曲部42の硬度を大きくすると円滑に挿入できると説明した。
【0046】
この場合、さらに可撓管部17の硬度も大きくした方が挿入部7の手元側による押し込みの力を、可撓管部17の屈曲を抑制して挿入部7の先端部15側に効率良く伝達できることになる。
このため、実施例1のように第2湾曲部42の硬度を可変して挿入作業を行う場合よりも、さらに可撓管部17の硬度を可変することで、挿入部7の挿入作業をより円滑かつ容易に挿入することができる。図7(A)から図7(C)のように挿入する場合においても、同様に挿入作業をより円滑且つ容易に行うことができる。
次に本実施例の第1変形例を図16を参照して説明する。図16(A)は、第1変形例における挿入部7の先端側の概略の構成を示す。また、図16(B)は本変形例における硬度可変部材95Bの構成を示す。
【0047】
本変形例は、図15(A)に示した硬度可変部材95を構成する密巻きコイル96bの外周面に第2のワイヤ111を固定し、この第2のワイヤ111を固定した密巻きコイル96bを第2の密巻きコイル112内に挿通して本変形例の硬度可変部材95Bを形成している。
本変形例における硬度可変部材95Bにおいては、硬度可変用ワイヤ96aの先端には密巻きコイル96bの移動を規制してこの密巻きコイル96bに先端側から圧縮力を印加するための第1のストッパ115が取り付けてある。
そして、この硬度可変用ワイヤ96aを後方側に牽引することにより、第1のストッパ115は、その外側に配置された密巻きコイル96bの先端を後方側に押圧する。この押圧により第2の湾曲部42内側の密巻きコイル96bに圧縮力を印加して、その硬度を大きくすることができるようにしている。
【0048】
また、第2湾曲部42と可撓管部17の境界の連結部80付近の位置に配置される密巻きコイル96bの外周面にも、第2の密巻きコイル112の移動を規制して、第2の密巻きコイル112に先端側から圧縮力を印加するための第2のストッパ116が設けてある。また、第2の密巻きコイル112の後端は、図示しないストッパなどにより、後方側への移動が規制されている。
そして、第2のワイヤ111を後方側に牽引することにより、第2のストッパ116はその外側に配置された密巻きコイル112の先端を後方側に押圧する。この押圧により第2の密巻きコイル112は、圧縮されて、その硬度が大きくなる。
このような構成による本変形例においては、第2湾曲部42の硬度を大きくすることを望む場合には、硬度可変用ワイヤ96aを後方側に牽引する。すると、第1のストッパ115が後方側に移動し、その際、第2湾曲部42の先端付近から第2のストッパ116が設けられた第2湾曲部42の後端付近までの密巻きコイル96b部分、つまり第2の湾曲部42内側に配置された密巻きコイル96b部分を圧縮して、その硬度を大きくすることができる。
また、第2のワイヤ111の後端を後方側に牽引することにより、第2のストッパ116により、第2の密巻きコイル112に圧縮力を印加して、その硬度を大きくすることができる。つまり可撓管部17内に配置された第2の密巻きコイル112の硬度を大きくすることができる。
【0049】
このように本変形例も、実施例4と同様に第2湾曲部42の硬度を可変できると共に、可撓管部17の硬度を独立して変更することもできる。
なお、本変形例における簡略化した構成として、第2のワイヤ111を牽引する部分を設けない構成にしても良い。そして、硬度可変用ワイヤ96aを牽引することにより、第2湾曲部42内の密巻きコイル96bを圧縮してその硬度を大きくし、さらに牽引することにより、第2の密巻きコイル112を圧縮して可撓管部17の硬度を大きくするようにしても良い。
次に図17を参照して本実施例の第2変形例を説明する。図17は第2変形例の硬度可変部材95Cを設けた挿入部7の先端側の構成を示す。
【0050】
本変形例においては、可撓管部17内には第1の密巻きコイル121が、第2の湾曲部42内には第2の密巻きコイル122がそれぞれ共通のワイヤ123が挿通された状態で、ガイド管124により周方向の位置が規制された状態で挿入部7の長手方向に配置されている。
また、第1の密巻きコイル121の後端は操作部内においてストッパにより位置規制され、またこの第1の密巻きコイル121の後端から延出されたワイヤ123は、図示しない連結機構を介してワイヤ操作ノブ125に連結され、このワイヤ操作ノブ125を回動する操作を行うことにより、ワイヤ123を進退移動できるようにしている。
また、第2の密巻きコイル122の先端は、第1の湾曲部41と第2の湾曲部42との連結部89において半田等により固定された固定部126となっている。
【0051】
また、第1の密巻きコイル121の先端と第2の密巻きコイル122の後端とは、第2の湾曲部42と可撓管部17との連結部80において、例えば距離D離間して対向し、その両者の間のワイヤ123にはストッパ127が固着されている。
このストッパ127は、距離Dより短い長さでワイヤ123に固着されている。そして、ユーザはワイヤ操作ノブ125を回動する操作を行うことにより、その回動する方向により、ワイヤ123を前進、或いは後退移動させることができる。例えば、前進させた場合にはストッパ127により、第2の密巻きコイル122に圧縮力を作用させてこの第2の密巻きコイル122を圧縮し、第2湾曲部42の硬度を大きくすることができる。
また、ワイヤ123を後退移動させた場合には、ストッパ127により、第1の密巻きコイル121に圧縮力を作用させて、この第1の密巻きコイル121を圧縮し、可撓管部17の硬度を大きくすることができるようにしている。
【0052】
本変形例によれば、第2湾曲部42と可撓管部17との硬度を、共通の硬度操作手段としてのワイヤ操作ノブ125における回転方向を変更することで選択的に変更することができる。
なお、図17の第2変形例において、手元側において、さらに第1の密巻きコイル121の後端の(その長手方向の位置規制を行う)ストッパを、ワイヤ操作ノブ125のような回転操作により移動自在となる操作部材に取り付け、この操作部材を操作することで第1の密巻きコイル121に圧縮力を作用させてその硬度を可変できるようにしても良い。この場合には、ワイヤ操作ノブ125の操作とで、第2湾曲部42及び可撓管部17とをほぼ独立して硬度を変更することができるようになる。
なお、上述した各実施例等を部分的に組み合わせる等して構成される実施例等も本発明に属する。
また、上述した各実施例においては、第2湾曲部42としては、第1湾曲部41の湾曲方向に湾曲する受動的な湾曲部の構成で説明したが、第2湾曲部42を能動的に湾曲させることができるような構造にしても良い。
【0053】
[付記]
1.請求項1において、前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部の内部に設けられている。2.請求項1において、前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部の外部に設けられている。3.請求項1において、前記硬度可変手段は、内視鏡のチャンネル内に取り付け可能である。
4.請求項1において、前記硬度可変手段は、該硬度可変手段を用いない場合における柔らかい硬度をより大きな硬度に変更する硬度増大手段である。
5.請求項1において、前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部付近のみの硬度を可変し、さらに前記可撓管部の硬度を可変する可撓管部硬度可変手段を有する。
【0054】
6.付記5において、前記硬度可変手段及び前記可撓管部硬度可変手段は、互いに独立して硬度可変を行うことができる。
7.請求項5において、前記コイル部材には、該コイル部材に圧縮力を印加するワイヤ部材が挿通されており、該ワイヤ部材は、前記挿入部の基端側において、該ワイヤを牽引するための第1の操作部材に連結され、かつ前記コイル部材の後端は、前記挿入部の基端側において、前記コイル部材を前方側に圧縮する操作を行う第2の操作部材に連結されている。
8.請求項2において、前記チューブは処置具等を挿通可能とする処置具用チャンネルである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
第1湾曲部及び第2湾曲部を設けた挿入部を大腸等の屈曲した部位に挿入する場合、第2湾曲部の硬度を可変することにより円滑な挿入を行う。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は本発明の実施例1の内視鏡を備えた内視鏡装置の全体構成図。
【図2】図2は内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図3】図3は湾曲部の内部構成を示す縦断面図。
【図4】図4は内視鏡内に内蔵された硬度可変のバルーンカテーテル部分の構成を示す図。
【図5】図5はバルーンカテーテルの基端側の固定部の構造を示す断面図。
【図6】図6は実施例1による作用の説明図。
【図7】図7は、横行結腸の深部側に挿入する作用の説明図。
【図8】図8は本発明の実施例2の内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図9】図9は本実施例2による作用の説明図。
【図10】図10は本発明の実施例3の内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図11】図11は実施例3の第1変形例における挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図12】図12は図11の状態から硬度を大きくなる状態に設定した場合の概略を示す図。
【図13】図13は実施例3の第2変形例における挿入部の先端側の概略の構成等を示す図。
【図14】図14は図13の状態から硬度を大きくなる状態に設定した場合の概略を示す図。
【図15】図15は本発明の実施例4の内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図16】図16は実施例4の第1変形例における挿入部の先端側の概略の構成等を示す図。
【図17】図17は実施例4の第2変形例における挿入部の概略の構成を示す図。
【符号の説明】
【0057】
1…内視鏡装置
2…内視鏡
7…挿入部
15…先端部
16…湾曲部
17…可撓管部
26…口金
35…給排用ポンプ
36、37…チューブ
38…バルーン
41…第1湾曲部
42…第2湾曲部
56…バルーンチューブ
57…ガイドワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1及び第2の湾曲部が設けられた挿入部を有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野の内視鏡は、例えば、体腔内に細長い挿入部を挿入することによって、体腔内の臓器等を観察したり、必要に応じて処置具挿通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種処置をすることができる。この内視鏡挿入部には、先端から順に、先端(構成)部、湾曲部及び可撓管部が配設されている。
内視鏡の挿入部を体腔内へ挿入する際、術者は、可撓管部を把持して、体腔内へ押し込みながら、内視鏡の操作部に配設される操作ノブを所定操作することにより湾曲部を所望の方向へ湾曲させる。このような、内視鏡の挿入部は、屈曲する体腔内への挿入性を良くするため種々の工夫がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1(実公平1−22641号公報)に記載される内視鏡の挿入部には、先端側から順に、外部から4方向へ能動的に湾曲操作可能な第1の湾曲部と、ステーコイル及び節輪が配設され、4方向へ受動的に湾曲自在な構造からなる非常に曲がり易い第2の湾曲部とが連設されている。
また、特許文献2(特開2000−143084号公報)には、第1の湾曲部と、第1の湾曲部よりも硬度を大きくした第2の湾曲部を設けた内視鏡が開示されている。
【特許文献1】実公平1−22641号公報
【特許文献2】特開2000−143084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、内視鏡の挿入部が体腔内の屈曲部分を通過する際、第2の湾曲部は、湾曲操作された第1の湾曲部の湾曲状態と体腔壁の屈曲に沿って湾曲される。
しかしながら、特許文献1に記載される内視鏡の第2の湾曲部は、第1の湾曲部よりも腰が弱く、非常に曲がり易いため、押し込み等の際に効率良く力を伝達しにくくなる可能性がある。
また、特許文献2に記載される内視鏡の場合には、押し込み等の際に効率良く力を伝達することができる反面、屈曲させたい部位においてもその硬度が大きいために屈曲させにくくなる可能性がある。
そのため、使用する部位等に応じて第2の湾曲部の状態を力を伝達し易い状態に設定したり、簡単に屈曲させることができる状態に設定する等、術者のニーズに対応して第2湾曲部の硬度を変更可能にできるものがあると、非常に便利である。
【0005】
(発明の目的)
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、第2湾曲部の硬度を可変して、体腔内への挿入等の作業をより円滑に行い易い操作性の良好な内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1湾曲部及び第2湾曲部とを可撓管部の先端側に順次連設した挿入部を有する内視鏡において、
少なくとも前記第2湾曲部の硬度を可変する硬度可変手段を具備したことを特徴とする。
上記構成により、第2湾曲部の硬度を可変することにより、屈曲した体腔内への挿入等の作業をより円滑に行えるようにしている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、屈曲した体腔内への挿入等の作業をより円滑に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1ないし図7は本発明の実施例1に係り、図1は本発明の実施例1の内視鏡を備えた内視鏡装置の全体構成を示し、図2は内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示し、図3は湾曲部の内部構成を示し、図4は内視鏡内に内蔵された硬度可変のバルーンカテーテル部分の構成を示し、図5はバルーンカテーテルの基端側の固定部の構造を示し、図6及び図7は本実施例による作用の説明図を示す。
図1に示すように内視鏡装置1は、例えば撮像手段を備えた内視鏡2と、内視鏡2に着脱自在に接続されて内視鏡2に設けられたライトガイドに照明光を供給する光源装置3と、内視鏡2と信号ケーブル4を介して接続されて内視鏡2の撮像手段を制御すると共に撮像手段から得られた信号を処理するビデオプロセッサ5と、ビデオプロセッサ5から出力される被写体像に対応する映像を表示するモニタ6から構成されている。内視鏡2は観察や処置に使用された後には、洗浄された後に高温高圧蒸気にて滅菌処理を行うことが可能なように外皮等の構成部材が高温高圧蒸気に耐性を有する部材により構成されている。
【0010】
内視鏡2は、可撓性を有し、被検体内(より具体的には体腔内)に挿入可能な細長の挿入部7と、挿入部7の基端側に接続された操作部8と、操作部8の側部から延出した可撓性を有する連結コードとしてのユニバーサルコード9と、ユニバーサルコード9の端部に設けられた前記光源装置3と着脱自在に接続されるコネクタ部10とコネクタ部10の側部に設けられた前記ビデオプロセッサ5と接続された前記4が着脱自在に接続可能な電気コネクタ部11とを有している。
挿入部7と操作部8の接続部には接続部の急激な曲がりを防止する弾性部材を有する挿入部側折れ止め部材12が設けられており、操作部8とユニバーサルコード9の接続部には同様の操作部側折れ止め部材13、ユニバーサルコード9とコネクタ部10の接続部には同様のコネクタ部側折れ止め部材14が設けられている。
【0011】
挿入部7は可撓性を有する柔軟な可撓管部17と、可撓管部17の先端側に設けられ、操作部8の操作により湾曲可能な湾曲部16と、この湾曲部16の先端側に設けられ、観察光学系18a、照明光学系18bなどが配設された硬質の先端部15から構成されている。
本実施例においては、湾曲部16は、図3にて説明するように先端部15に隣接して設けられた第1湾曲部41と、この第1湾曲部41の後端に連設された第2湾曲部42とから構成されている。
また、先端部15には送気操作、送水操作によって観察光学系18aの外表面の光学部材に向けて洗滌液体や気体を噴出するための送気送水ノズルと、挿入部7に配設された処置具を挿通したり体腔内の液体を吸引するための処置具チャンネルの先端側の開口である吸引口19が設けられている。又、この先端部15には、観察対象物に向けて開口した液体を噴出するための図示しない送液口とが設けられている。
【0012】
コネクタ部10には光源装置3に内蔵された図示しない気体供給源と着脱自在に接続される気体供給口金21と、液体供給源である送水タンク22と着脱自在に接続される送水タンク加圧口金23及び液体供給口金24とが設けられている。
又、前記吸引口19より吸引を行うための図示しない吸引源と接続される吸引口金25が設けられている。又、このコネクタ部10には、口金26が設けられており、この口金26は、接続用のチューブ34を介して流体を給排する給排用ポンプ35に接続される。 この口金26は、内部において後述するようにユニバーサルコード9内、操作部8内を経て挿入部7内に挿通されるチューブ36(図2参照)内に挿通される硬度可変手段を形成する流体を通すチューブ37に連通している。
【0013】
そして、給排用ポンプ35から流体を供給することにより、チューブ37の先端のバルーン38を膨張させることにより、このバルーン38が収納された第2湾曲部42部分の硬度を大きくする、つまりバルーン38に流体の給排をすることにより、第2湾曲部42の硬度を可変することができるようにしている。本実施例では、バルーン38に流体を供給しない状態では、第2湾曲部42はその硬度が小さい(低い)状態であり、流体を供給してバルーン38を膨張させることにより、第2湾曲部42の硬度が大きくなるように硬度を増大させる構成にしている。
なお、給排用ポンプ35による流体の給排は、例えば図示しないフットスイッチ等により行うことができるようにしている。
又、図1に示すコネクタ部10には、高周波処置等を行った際に内視鏡に高周波漏れ電流が発生した場合に漏れ電流を高周波処置装置に帰還させるためのアース端子口金27が設けられている。
操作部8には送気操作、送水操作を操作する送気送水操作ボタン28と吸引操作を操作するための吸引操作ボタン29と、前記湾曲部16の湾曲操作を行うための湾曲操作ノブ30と、前記ビデオプロセッサ5を遠隔操作する複数のリモートスイッチ31、前記処置具チャンネル連通した開口である処置具挿入口32が設けられている。
【0014】
内視鏡2の電気コネクタ部11には圧力調整弁付き防水キャップ33が着脱自在に接続可能である。圧力調整弁付き防水キャップ33には図示しない圧力調整弁が設けられている。
図2は内視鏡2の挿入部7の先端側の概略の構成を示す。先端部15には観察光学系(対物光学系)18aと照明光学系18bとが隣接して設けられている。
この照明光学系18bの内側にはライトガイド43の先端面が配置され、光源装置3から供給される照明光をこのライトガイド43により伝送し、その先端面からさらに照明光学系18bを経て前方に出射し、患部等の被写体を照明する。
また、観察光学系18aの結像位置には、固体撮像素子として例えば電荷結合素子(CCDと略記)44が配置されており、照明された被写体の光学像をCCD44に結ぶ。そして、CCD44により光電変換された画像信号は、信号ケーブル45等を介してビデオプロセッサ5に伝送され、ビデオプロセッサ5の内部の信号処理回路により映像信号に変換され、この映像信号はモニタ6に出力され、モニタ6の表示面に被写体像が内視鏡画像として表示される。
【0015】
図2に示す先端部15の後端には、図3に示すような構造の第1湾曲部41と第2湾曲部42からなる湾曲部16が設けてある。
また、図2に示すように本実施例では挿入部7内には可撓性を有するチューブ36が挿通されており、このチューブ36の先端は、例えば先端部15に閉塞された状態で固定されている。そして、このチューブ36内には、先端にバルーン38が設けられた可撓性を有するチューブ37が挿通されている。この場合、バルーン38は、第2湾曲部42の内部に位置するように設けてある。
チューブ36及びチューブ37は、挿入部7の後端からさらに操作部8,ユニバーサルコード9を経てコネクタ部10に至る。
図3に示すように先端部15に固着された先端駒15aの後端にはリベット47により第1湾曲部41を構成する湾曲駒46が連結され、この湾曲駒46の後端には次段の湾曲駒46がリベット47により回動自在に連結されるようにして多数の湾曲駒46が上下及び左右方向に湾曲自在に連結されている。
【0016】
また、第1湾曲部41の後端の湾曲駒46には、第2湾曲部42を構成する湾曲駒48が連結され、この湾曲駒48の後端には次段の湾曲駒48がリベット47を介して回動自在に連結されるようにして多数の湾曲駒48が上下、及び左右方向に湾曲自在に連結されている。
また、第2湾曲部42の後端の湾曲駒48は、連結部材49を介して可撓管部17と連結されている。なお、リベット47は、上下、及び左右の方向に対応する位置にそれぞれ設けてある。
また、挿入部7内における上下、左右の方向に沿って、湾曲操作用のワイヤ50が挿通されており、各ワイヤ50は、第1湾曲部41内では湾曲駒46の内周面に設けた円環状のワイヤガイド51内を通して位置規制された状態で挿通されている。
【0017】
また、各ワイヤ50は、第2湾曲部42内以降では、コイルパイプ52内に挿通されている。
そして、ワイヤの後端側は操作部8内の湾曲駆動機構を構成するスプロケット(或いはプーリ)に係止されており、湾曲操作ノブ30を回動する操作を行うことにより、ワイヤ50が牽引されて第1湾曲部41を所望とする方向に湾曲させることができる。
第2湾曲部42は、挿入された部位の屈曲状態に応じて受動的に湾曲する。つまり、図3に示した構造の湾曲部16においては、第1湾曲部41は能動的な湾曲部であり、第2湾曲部42は受動的な湾曲部として作用する。
【0018】
なお、図3の例においては、第1湾曲部41における最大湾曲時の曲率半径は、第2湾曲部42の最大湾曲時の曲率半径と殆ど同じとなるように同じような湾曲駒46、48を採用している。本実施例は、この場合に限定されるものでなく、例えば第1湾曲部41における先端側と後端側とで最大湾曲時の曲率半径を異なる値に設定しても良い。
また同様に、第2湾曲部42における先端側と後端側とで最大湾曲時の曲率半径を異なる値に設定しても良い。
また、第1湾曲部41及び第2湾曲部42における先端側と後端側とで最大湾曲時の曲率半径を異なる値に設定する場合、例えば第1湾曲部41及び第2湾曲部42における先端側の最大湾曲時の曲率半径を略同じ値に設定し、かつ第1湾曲部41及び第2湾曲部42における後端側の最大湾曲時の曲率半径を略同じ値に設定しても良い。
【0019】
図3に示すように、第1湾曲部41及び第2湾曲部42における湾曲駒46、48の外周面は網管53及び柔軟性のある外皮54で覆われている。また、可撓管部17は外皮の内側には網管及びフレックス管55が設けてある。なお、図3では図2に示したチューブ36等を省略している。
図2に示した挿入部7内等に配置されるチューブ36内には、図4に示すようにバルーン38がチューブ37の先端に一体的に連結して形成されたバルーンチューブ56が挿通(収納)されている。
このバルーンチューブ56は、チューブ37及びその先端に設けた膨張及び収縮可能な伸縮性に富むバルーン38の内側にガイドワイヤ57が挿通されている。
ガイドワイヤ57は、固定部材58aにより、バルーン38の先端側で固定され、かつバルーン38の後端付近においても中空部を設けた固定部材58bにより固定されている。また、チューブ37の後端(基端)の構造は、図5に示すように口金26に固着され、図1に示したチューブ34を介して給排用ポンプ35に接続される。
【0020】
図5に示すようにチューブ37の後端は、連結用の口金26に固着され、この口金26の外周面にはチューブ37が内側に挿通されたチューブ36の後端が外嵌される。
この場合、口金26の外周面に設けた周溝に係入されたOリング59により口側外周面とチューブ36との間が水密構造にされ、さらにナットなどの締め付けリング60によりチューブ36を口金26の外周面に締め付けるようにして固定している。
このような構成の本実施例の内視鏡2においては、挿入部7の先端側に湾曲自在の第1湾曲部41と、この第1湾曲部41の後端に湾曲(屈曲)し易くした第2湾曲部42とが設けられた湾曲部16を有し、流体を給排することにより、バルーン38を膨張/収縮させて、第2湾曲部42の硬度を可変調整できるようにしていることが特徴となっている。 そして、以下に説明するように体腔内の屈曲した部位内に挿入部7を挿入する場合、第2湾曲部42の硬度を可変調整することにより挿入作業を円滑に行い易くしている。
【0021】
このような構成の本実施例による作用を図6を参照して以下に説明する。
本実施例の内視鏡2の挿入部7を肛門61から挿入して大腸検査を行う場合について説明する。
図6(A)に示すように挿入部7をその先端側から、肛門61から挿入し、直腸62を経て、S字状に屈曲したS状結腸63の奥の下行結腸64側に先端部15を挿入する。 このように先端部15が下行結腸64内に達した場合には、挿入部7を捻りながら挿入部7の手元側を引っ張ることにより、図6(C)に示すように直線に近い状態の挿入部7の形状に沿ってS状結腸部分を直線化することができる。
このような直線化する操作を行う前に、図示しないフットスイッチの流体供給スイッチをONとすることにより、バルーン38内に流体が供給され、バルーン38が流体で膨らんで第2湾曲部42の硬度を弾力性を持って大きくなる状態にする。
このように第2湾曲部42の硬度を大きく設定した後、挿入部7の手元側で挿入部7を捻りかつ引っ張る操作を行うことにより、図6(A)の状態から図6(C)の状態にできる。
【0022】
なお、特許文献1の従来例では、このような直線化の操作を行った場合、第2湾曲部42の硬度が低いため、図6(B)のようになってしまい、挿入部7が抜けてしまう可能性があった。
図6(C)に示すように直線化することにより、挿入部7の手元側で押し込む操作を行うことにより、先端部15をさらに深部側に挿入することができ、脾湾曲部65に達した付近で第1湾曲部41を大きく湾曲させながら押し込むことにより先端部15側を図6(D)に示すように横行結腸66内側に挿入することができる。
先端部15をさらに横行結腸66の深部側に押し込む際、例えばフットスイッチの流体排出スイッチをONにして、バルーン38内の流体の量を減らし、硬度が大きい硬い状態から適度の硬度となるように第2湾曲部42の硬度を下げた状態にして、挿入部7の手元側を押し込む。
【0023】
第2湾曲部42の硬度が下がることにより、押し込む操作を行った場合、図6(E)に示すように第2湾曲部42を脾湾曲部65の屈曲した内面に沿って屈曲させながら深部側に円滑に移動させることができる。
この場合、特許文献2の従来例のように、大きな硬度のままであると、第2湾曲部を屈曲させるには大きな外力を必要とし、この状態のまま押し込む操作を行うと、第2湾曲部が脾湾曲部65の屈曲した内面を押して、円滑に挿入しにくくなる可能性がある。これに対して、本実施例では、より硬度を小さく(低く)することにより、円滑な挿入を行い易くすることができる。
また、図6(E)のように挿入した状態において、第2湾曲部42の硬度を大きくして押し込む操作を行うことにより、先端部15を横行結腸66の深部側に円滑に挿入することができる。
【0024】
図6(E)より深部側に挿入する様子を図7を用いてさらに説明する。図6(E)のように挿入した状態において、第2湾曲部42の硬度を大きくして押し込むことにより、図7(A)に示すように第2湾曲部42を直線に近い状態にして、横行結腸66の深部側に挿入することができる。
これに対して、特許文献1の従来例では、曲がり易い第2湾曲部42′が横行結腸66の屈曲形状に影響されて図7(D)に示すように意図しない方向に曲がり、手元側で挿入部を押し込む操作を行っても、先端部を深部側に進め難くなる欠点がある。
本実施例においては、図7(A)の状態において、第2湾曲部42の硬度を大きくした状態で、第1湾曲部41を湾曲させて挿入部7を押し込む操作を行うことにより、図7(B)に示すように第1湾曲部41を肝湾曲67を通過させて、上行結腸68側に進めることができる。
【0025】
さらに第2湾曲部42の硬度を下げた状態で、手元側で挿入部7を押し込む操作を行うことにより、図7(C)に示すように第2湾曲部42が肝湾曲67で抵抗となること無く先端部15を上行結腸68の深部側に挿入することができる。
つまり、本実施例では、脾湾曲部65を通過後においては、第2湾曲部42の硬度を大きくすることにより、第2湾曲部42が屈曲されるのを抑制して、手元側での挿入操作を先端部15に円滑に伝達できる状態にして、挿入部7を円滑に深部側に挿入することができる。
このように本実施例によれば、第2湾曲部42の硬度を可変できるようにしているので、従来例よりも挿入部7を大腸内の深部側への挿入作業等を円滑に行うことができる。 なお、上記説明では、大腸内への挿入の場合で説明したが、本実施例の内視鏡2によれば、体腔内の屈曲した部位への挿入を円滑に行うことができる。
【0026】
なお、実施例1の変形例として、図4に示すバルーンチューブ56を処置具チャンネル内に挿通し、その先端のバルーン38部分を第2湾曲部42の内部に固定した状態で使用しても良い。
この場合、口金26を処置具挿入口32から突出させ、チューブ34を介して給排用ポンプ35に接続する。そして、図示しないフットスイッチの操作で実施例1と同様にバルーン38に流体を給排して、第2湾曲部42の硬度を可変できるようにしても良い。
そして、体腔内の目的部位まで挿入した場合、他の処置具で処置を行うことを望む場合には、バルーンチューブ56を処置具チャンネルから引き抜いて、他の処置具で処置を行うようにしても良い。本変形例によれば、既存の内視鏡の場合にも適用することができる利点がある。
【実施例2】
【0027】
次に図8及び図9を参照して本発明の実施例2を説明する。図8は、実施例2の内視鏡2Bにおける挿入部7の先端側の構成を示す。
実施例1においては、第2湾曲部42の内側にバルーン38を配置した構成にしていたが、本実施例においては、第2湾曲部42の外表面にバルーン71を設けた構成にしている。
具体的には、挿入部7内に配置された実施例1で説明したチューブ36の先端側は、可撓管部17の先端と第2湾曲部42との境界の連結部72の位置でその外表面に開口する開口端73となっている。
また、第2の湾曲部42の外周面は、バルーン71により覆われている。このバルーン71は、略円管形状であり、その後端は連結部72の外周面に接着等により固定され、またその前端は第1湾曲部41と第2湾曲部42の境界の連結部74において固定されている。そして、このバルーン71に供給される流体がバルーン71の外部に漏れない水密或いは気密構造にされている。
【0028】
なお、バルーン71の後端と前端が固定される部分の連結部72及び74の外周面は、バルーン71の肉厚程度の薄肉部が形成され、バルーン71の後端と前端をそれぞれ固定することにより、段差が発生することなく滑らかに接続された外表面が形成される。
また、チューブ36の後端は、コネクタ部10において、口金26に接続され、この口金26は、実施例1で説明したようにチューブ34を介して給排用ポンプ35に接続される。なお、本実施例では、口金26はチューブ37が接続されない状態で、チューブ36の後端が接続されている。
そして、実施例1の場合と同様に図示しないフットスイッチを操作することにより、給排用ポンプ35を作動させて流体の給排を行うことができる。流体の給排により、バルーン71を膨張させたり、収縮させることができ、実施例1と同様に第2湾曲部42の硬度を弾力性を持った状態でその硬度を可変できるようにしている。
【0029】
なお、本実施例では、バルーン71を第2湾曲部42の外周面に設けているので、硬度を大きくした場合には、第2湾曲部42部分の外周面がバルーン71で膨張した状態になる点が実施例1と異なる。そして、本実施例においては、バルーン71を膨張させた場合、そのバルーン71の外周側の体腔内の内壁にバルーン71の外周面を密着させ、このバルーン71が設けられた第2湾曲部42を内壁に摩擦力で係止(固定)することができるようにしている。
このような構成による本実施例の作用を図9を参照して説明する。
実施例1の場合と同様にして図9(A)に示すように挿入部7を、肛門61から挿入し、直腸62を経て、S字状に屈曲したS状結腸63の奥の下行結腸64側に先端部15を挿入する。
【0030】
その後、液体或いは気体等の流体をバルーン71に供給して、図9(B)に示すようにバルーン71を膨張させて、この膨張させたバルーン71を腸壁に広い面積で密着させることにより、このバルーン71部分を腸壁に係止(固定)した状態にすることができる。 その後、術者は、挿入部7の手元側を引っ張る操作を行うことにより、第2湾曲部42の外周面に設けた膨張して腸壁に係止した状態のバルーン71により、挿入部7が抜けることを防止して図9(C)に示すようにS状結腸63を短縮化することができる。
図9(C)のように短縮化した後、バルーン71に供給された流体を排出して、図8(D)に示すようにバルーン71を収縮させた状態にすることにより、挿入部7を押し込む作業を行うことにより、より深部側に挿入することができる。
【0031】
本実施例によれば、実施例1と同様に体腔内の屈曲した部位への挿入をより円滑に行うことができる。
また、バルーン71を膨張させることにより、バルーン71が設けられた第2湾曲部42を体腔内に係止することができ、挿入作業をより円滑に行うことができる。
【実施例3】
【0032】
次に図10(A)及び図10(B)を参照して本発明の実施例3を説明する。実施例3では、挿入部内に挿通された移動手段を挿入部の軸方向に移動することにより、第2湾曲部の硬度を可変する構成にしたものである。
図10(A)は実施例3における内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す。
実施例1の場合と同様に、挿入部7内には可撓性のチューブ36がその長手方向に設けてあり、このチューブ36内には可撓性を有する長尺部材としてのスタイレット81がチューブ36内をスライド自在に挿通されている。
このスタイレット81の先端付近には、硬質部82が設けてあり、この硬質部82の先端には粗巻きのコイル部83が設けてある。また、このコイル部83の先端には、円滑な移動を行えるようにする例えば球状の先端チップ84が設けてある。
【0033】
スタイレット81は、可撓性に富む部材、具体的には密巻きコイル等で形成されており、このスタイレット81の先端に設けた硬質部82は、第2湾曲部42の後端と可撓管部17の先端との境界部分に設けられた硬質の連結部80の長さと同じ長さに設定してある。なお、この硬質の連結部80は、実施例1では連結部材49に相当する。
また、コイル部83は、本実施例では例えばスタイレット81よりは若干硬くしている。硬質部82は、スタイレット81及びコイル部83よりも高い硬度を有する。
このスタイレット81の後端は、例えば操作部付近でチューブ36から外部に延出され、後端を押し込む等して、硬質部82の位置を第2湾曲部42側に移動する操作を行えるようにしている。
【0034】
このような構成による本実施例の動作を説明する。図10(A)の状態では、第2湾曲部42内にはコイル部83が配置された状態であり、その硬度を比較的に柔らかい硬度の状態にしている。また、スタイレット81に設けた硬質部82は、硬質の連結部80の位置に配置されているため、この硬質部82は第2湾曲部42の後端の可撓管部17との境界付近における硬度に影響を及ぼさない状態にできる。
図10(A)の状態において、硬質部82の位置を第2湾曲部42側に、連結部80の(軸方向の)長さより大きい距離、例えば距離Lだけ、前進移動することにより、図10(B)に示す状態になる。
図10(B)に示す状態では、第2湾曲部42の内側に硬度が大きい硬質部82が配置された状態となり、第2湾曲部42の硬度を大きくすることができる。
【0035】
このように本実施例によれば、第2湾曲部42の硬度を可変できるようにしているので、実施例1で説明したように大腸等の深部側に挿入する場合にも円滑な挿入を行うことができるようになる。
なお、図10(A)の状態において、硬質部82の位置を可撓管部17側に後退移動することにより、第2湾曲部42の硬度をさらに柔らかい状態にすることができる(この場合には、可撓管部17の先端付近は硬質部82により硬度が大きくなる)。スタイレット81の後端は、操作部に設けられた図示しないレバーに接続され、レバーを動かすことにより進退させても良い。
なお、本実施例では、スタイレット81をスライド自在とするチューブ36を挿入部7内に設けてあるが、処置具挿通用のチャンネル内にスタイレット81を挿通しても同様の作用効果を有する。また、前方送水用管路内にスタイレット81をスライド自在に挿通しても良い。また、スタイレット81は、内視鏡に内蔵しても、別体(着脱自在)にしても良い。
【0036】
次に本実施例の第1変形例を図11及び図12を参照して説明する。図11は第2湾曲部42付近における硬度を可変する構成の概略を示す。
可撓管部17内には細くて回転力(トルク)を伝達する機能が高い可撓性のトルクチューブ86が、このトルクチューブ86を通す孔を設けたチューブ受け87を介して内壁面に沿って配置されている。
このトルクチューブ86の先端には、粗巻きにした螺旋状のコイルばね88の後端が取り付けられ、このコイルばね88の先端は、第1湾曲部41の後端と第2湾曲部42の先端との境界部分の硬質の連結部89に設けた固定部89aに固定されている。なお、図11及び図12(後述する図13、図24でも同様)では、第2湾曲部42における湾曲駒48等を簡略化して示している。
【0037】
上記コイルばね88は、図11の状態では柔らかい状態、つまり硬度が低い状態であり、圧縮されたり、或いはより密巻きに近い状態に設定されるとその硬度が大きくなる特性を有する。
また、このコイルばね88は、例えば第2湾曲部42の内側におけるその全長をカバーするように配置されている。
上記トルクチューブ86は、例えば巻回方向が異なる3層構造のコイル等により構成されており、いずれの向きに回転させた場合においてもその硬度が殆ど変化しないものが採用されている。
このトルクチューブ86の後端側は、操作部まで延出され、操作部に設けた図示しないレバー、回転ノブなどの操作により、トルクチューブ86を進退移動或いは回転させることができる。そして、進退移動或いは回転により、粗巻きにしたコイルばね88るようにしている。
【0038】
このような構成による本変形例の動作を説明する。
例えば図11に示す第2湾曲部42の硬度が低い状態において、この第2湾曲部42の硬度を大きくしようとした場合には、ユーザは操作部側においてトルクチューブ86を押して、このトルクチューブ86を前方方向Aに移動させ、図12に示すようにその先端に連結したコイルばね88を短縮する。
このように粗巻きのコイルばね88が短縮されることにより、このコイルばね88が曲がりにくくなり、第2湾曲部42の硬度を大きくすることができる。
また、トルクチューブ86を移動させるのではなく、コイルばね88の巻回方向Bに回転させることにより、このコイルばね88の巻回のピッチを狭く(小さく)して、その結果、コイルばね86をより曲がりにくくして、第2湾曲部42の硬度を大きくするようにしても良い。
【0039】
本変形例によれば、トルクチューブ86の押し引き、又は回転という簡単な操作で、ほぼ第2湾曲部42のみの硬度を変更でき、良好な操作性を実現できる。また、挿入部内に、細い粗巻きコイルばね88とトルクチューブ86のみを挿通すれが良いので、挿入部を細径に保つことができる。
なお、上記第1変形例において、トルクチューブ86を移動することにより硬度を変更すると説明したが、このように移動することでコイルばね88を収縮させてその硬度を変更する場合には、トルクチューブ86に限らず、可撓性を有する長尺の部材で形成しても良い。
次に図13及び図14を参照して本実施例の第2変形例を説明する。図13(A)は第2変形例における第2湾曲部42付近における硬度を可変する構成の概略を示す。
可撓管部17内には、例えば可撓性を有する密巻きコイル91が挿通されている。この密巻きコイル91の先端には、硬質部92と、硬質部92に比較してその硬度が低い粗巻きコイル93とが交互に連結されている。
【0040】
第2湾曲部42の硬度を低くした第1の状態、つまり図13(A)に示す状態では、硬質部92は、湾曲駒48に取り付けたガイド管94内に配置され、かつこの硬質部92の(長手方向の)長さは、湾曲駒48(の長手方向の)長さ以内に収まるように設定されている。
そして、各湾曲駒48の内側に配置された硬質部92を粗巻きコイル93で連結している。この場合には、第2湾曲部42が外力で湾曲させる場合には、図13(B)に示すように粗巻きコイル93が圧縮されて湾曲されることになり、第2湾曲部42は曲がり易い、つまり硬度が低い状態である。
一方、第2湾曲部42の硬度を大きくしようとする場合には、密巻きコイル91の後端側を引っ張るか前方に押し出して、密巻きコイル91を移動する操作を行う。例えば密巻きコイル91を引っ張り、図13(A)に示した第1の状態から図14(A)に示す第2の状態にする。
【0041】
図14(A)に示す第2の状態では、隣接する湾曲駒48間に硬質部92が配置された状態となっている。この第2の状態で第2湾曲部42に外力が作用して湾曲させようとした場合には、図14(B)に示すように、硬質部92がガイド管94に当たり湾曲を妨げる抵抗となり湾曲されにくくなる。つまり、この第2の状態では硬度が大きくなる。
密巻きコイル91の移動操作により、図13(A)に示す第1の状態から図14(A)に示す第2の状態に至る途中の状態に設定することにより、図13(A)と図14(A)図13(A)と図14(A)の両硬度の中間の値に設定することができる。
本変形例によれば、密巻きコイル91を短い移動ストローク量で移動することにより、第2湾曲部42の硬度を大きく変えることができる効果がある。
つまり、第2湾曲部42を構成する湾曲駒48の軸方向の長さの1/2程度の移動量で低い硬度の状態から最大硬度の状態にまで可変できる。その他、実施例3と同様の効果を有する。
【実施例4】
【0042】
次に図15(A)及び図15(B)を参照して本発明の実施例4を説明する。図15(A)は実施例4における内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す。
本実施例では、挿入部7内には硬度可変部材95が挿通されている。この硬度可変部材95は、硬度可変用ワイヤ96aと、この硬度可変用ワイヤ96aが挿通された密巻きコイル96bとからなる。
この硬度可変部材95を構成する硬度可変用ワイヤ96a及び密巻きコイル96bの先端は、例えば第1湾曲部41と第2湾曲部42との境界付近まで延出され、両先端部は半田等により固着された固定部97となっている。
また、硬度可変部材95における密巻きコイル96bは、第2湾曲部42と可撓管部17との境界の連結部80において、半田等により連結部80に固定された固定部98となっている。
【0043】
そして、この硬度可変部材95の先端部は、自由端となっており、硬度可変用ワイヤ96aの後端側を牽引することにより、この硬度可変用ワイヤ96a全体がその長手方向に移動する。その際、この硬度可変用ワイヤ96aの先端が第2湾曲部42内側に配置された密巻きコイル96bの固定部97と固定部98の間を後方側に押圧して圧縮し、この第2湾曲部42内の密巻きコイル96bの硬度を大きくすることができるようにしている。 なお、図15(B)に示すように第2湾曲部42等が屈曲された場合に、硬度可変部材95が長手方向と直交する方向に移動するのを規制するガイド部材99が第2湾曲部42内に設けてある。
また、硬度可変用ワイヤ96aの後端は、操作部内において回転自在のプーリ100に固定され、このプーリ100に取り付けられたレバー101を矢印で示す方向に回動する操作を行うことにより、硬度可変用ワイヤ96aを牽引して第2湾曲部42内の硬度可変部材95の硬度を可変することができるようにしている。
【0044】
また、密巻きコイル96bの後端も、操作部に設けられたカムリング102に連結されている。例えば密巻きコイル96bの後端にはピン103が突設され、このピン103は、カムリング102のカム溝内に係入されている。
そして、ユーザはこのカムリング102を回転することにより、密巻きコイル96bの後端をその長手方向に沿って前方側に移動させることができ、可撓管部17内に配置された密巻きコイル96bに対してその後端側からカムリング102と固定部98の間に圧縮力を印加して、印加しない場合における低い硬度の状態から大きな硬度となるように硬度可変ができるようにしている。
このような構成による本実施例によれば、レバー101の操作により第2湾曲部42の硬度を可変することができると共に、第2湾曲部42の硬度可変とは独立してさらにカムリング101を回動する操作を行うことにより、可撓管部17の硬度も可変することができる。
【0045】
このため、挿入部7を例えば大腸の深部側に挿入するような場合、可撓管部17の硬度も可変できるのでより円滑に挿入することができる。
具体的には図6で説明したように、第2湾曲部42の硬度を可変して大腸の深部側に円滑に挿入することができる。
さらに図6(E)に示す状態から図7(A)〜図7(C)で説明したように第2湾曲部42の硬度を大きくして、横行結腸66の深部側に挿入部7の先端側を挿入する場合、より円滑かつ容易に挿入することができる。
つまり、図6(E)に示す状態から図7(A)に示すように横行結腸66の深部側に挿入部7の先端側を挿入する場合、第2湾曲部42の硬度を大きくすると円滑に挿入できると説明した。
【0046】
この場合、さらに可撓管部17の硬度も大きくした方が挿入部7の手元側による押し込みの力を、可撓管部17の屈曲を抑制して挿入部7の先端部15側に効率良く伝達できることになる。
このため、実施例1のように第2湾曲部42の硬度を可変して挿入作業を行う場合よりも、さらに可撓管部17の硬度を可変することで、挿入部7の挿入作業をより円滑かつ容易に挿入することができる。図7(A)から図7(C)のように挿入する場合においても、同様に挿入作業をより円滑且つ容易に行うことができる。
次に本実施例の第1変形例を図16を参照して説明する。図16(A)は、第1変形例における挿入部7の先端側の概略の構成を示す。また、図16(B)は本変形例における硬度可変部材95Bの構成を示す。
【0047】
本変形例は、図15(A)に示した硬度可変部材95を構成する密巻きコイル96bの外周面に第2のワイヤ111を固定し、この第2のワイヤ111を固定した密巻きコイル96bを第2の密巻きコイル112内に挿通して本変形例の硬度可変部材95Bを形成している。
本変形例における硬度可変部材95Bにおいては、硬度可変用ワイヤ96aの先端には密巻きコイル96bの移動を規制してこの密巻きコイル96bに先端側から圧縮力を印加するための第1のストッパ115が取り付けてある。
そして、この硬度可変用ワイヤ96aを後方側に牽引することにより、第1のストッパ115は、その外側に配置された密巻きコイル96bの先端を後方側に押圧する。この押圧により第2の湾曲部42内側の密巻きコイル96bに圧縮力を印加して、その硬度を大きくすることができるようにしている。
【0048】
また、第2湾曲部42と可撓管部17の境界の連結部80付近の位置に配置される密巻きコイル96bの外周面にも、第2の密巻きコイル112の移動を規制して、第2の密巻きコイル112に先端側から圧縮力を印加するための第2のストッパ116が設けてある。また、第2の密巻きコイル112の後端は、図示しないストッパなどにより、後方側への移動が規制されている。
そして、第2のワイヤ111を後方側に牽引することにより、第2のストッパ116はその外側に配置された密巻きコイル112の先端を後方側に押圧する。この押圧により第2の密巻きコイル112は、圧縮されて、その硬度が大きくなる。
このような構成による本変形例においては、第2湾曲部42の硬度を大きくすることを望む場合には、硬度可変用ワイヤ96aを後方側に牽引する。すると、第1のストッパ115が後方側に移動し、その際、第2湾曲部42の先端付近から第2のストッパ116が設けられた第2湾曲部42の後端付近までの密巻きコイル96b部分、つまり第2の湾曲部42内側に配置された密巻きコイル96b部分を圧縮して、その硬度を大きくすることができる。
また、第2のワイヤ111の後端を後方側に牽引することにより、第2のストッパ116により、第2の密巻きコイル112に圧縮力を印加して、その硬度を大きくすることができる。つまり可撓管部17内に配置された第2の密巻きコイル112の硬度を大きくすることができる。
【0049】
このように本変形例も、実施例4と同様に第2湾曲部42の硬度を可変できると共に、可撓管部17の硬度を独立して変更することもできる。
なお、本変形例における簡略化した構成として、第2のワイヤ111を牽引する部分を設けない構成にしても良い。そして、硬度可変用ワイヤ96aを牽引することにより、第2湾曲部42内の密巻きコイル96bを圧縮してその硬度を大きくし、さらに牽引することにより、第2の密巻きコイル112を圧縮して可撓管部17の硬度を大きくするようにしても良い。
次に図17を参照して本実施例の第2変形例を説明する。図17は第2変形例の硬度可変部材95Cを設けた挿入部7の先端側の構成を示す。
【0050】
本変形例においては、可撓管部17内には第1の密巻きコイル121が、第2の湾曲部42内には第2の密巻きコイル122がそれぞれ共通のワイヤ123が挿通された状態で、ガイド管124により周方向の位置が規制された状態で挿入部7の長手方向に配置されている。
また、第1の密巻きコイル121の後端は操作部内においてストッパにより位置規制され、またこの第1の密巻きコイル121の後端から延出されたワイヤ123は、図示しない連結機構を介してワイヤ操作ノブ125に連結され、このワイヤ操作ノブ125を回動する操作を行うことにより、ワイヤ123を進退移動できるようにしている。
また、第2の密巻きコイル122の先端は、第1の湾曲部41と第2の湾曲部42との連結部89において半田等により固定された固定部126となっている。
【0051】
また、第1の密巻きコイル121の先端と第2の密巻きコイル122の後端とは、第2の湾曲部42と可撓管部17との連結部80において、例えば距離D離間して対向し、その両者の間のワイヤ123にはストッパ127が固着されている。
このストッパ127は、距離Dより短い長さでワイヤ123に固着されている。そして、ユーザはワイヤ操作ノブ125を回動する操作を行うことにより、その回動する方向により、ワイヤ123を前進、或いは後退移動させることができる。例えば、前進させた場合にはストッパ127により、第2の密巻きコイル122に圧縮力を作用させてこの第2の密巻きコイル122を圧縮し、第2湾曲部42の硬度を大きくすることができる。
また、ワイヤ123を後退移動させた場合には、ストッパ127により、第1の密巻きコイル121に圧縮力を作用させて、この第1の密巻きコイル121を圧縮し、可撓管部17の硬度を大きくすることができるようにしている。
【0052】
本変形例によれば、第2湾曲部42と可撓管部17との硬度を、共通の硬度操作手段としてのワイヤ操作ノブ125における回転方向を変更することで選択的に変更することができる。
なお、図17の第2変形例において、手元側において、さらに第1の密巻きコイル121の後端の(その長手方向の位置規制を行う)ストッパを、ワイヤ操作ノブ125のような回転操作により移動自在となる操作部材に取り付け、この操作部材を操作することで第1の密巻きコイル121に圧縮力を作用させてその硬度を可変できるようにしても良い。この場合には、ワイヤ操作ノブ125の操作とで、第2湾曲部42及び可撓管部17とをほぼ独立して硬度を変更することができるようになる。
なお、上述した各実施例等を部分的に組み合わせる等して構成される実施例等も本発明に属する。
また、上述した各実施例においては、第2湾曲部42としては、第1湾曲部41の湾曲方向に湾曲する受動的な湾曲部の構成で説明したが、第2湾曲部42を能動的に湾曲させることができるような構造にしても良い。
【0053】
[付記]
1.請求項1において、前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部の内部に設けられている。2.請求項1において、前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部の外部に設けられている。3.請求項1において、前記硬度可変手段は、内視鏡のチャンネル内に取り付け可能である。
4.請求項1において、前記硬度可変手段は、該硬度可変手段を用いない場合における柔らかい硬度をより大きな硬度に変更する硬度増大手段である。
5.請求項1において、前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部付近のみの硬度を可変し、さらに前記可撓管部の硬度を可変する可撓管部硬度可変手段を有する。
【0054】
6.付記5において、前記硬度可変手段及び前記可撓管部硬度可変手段は、互いに独立して硬度可変を行うことができる。
7.請求項5において、前記コイル部材には、該コイル部材に圧縮力を印加するワイヤ部材が挿通されており、該ワイヤ部材は、前記挿入部の基端側において、該ワイヤを牽引するための第1の操作部材に連結され、かつ前記コイル部材の後端は、前記挿入部の基端側において、前記コイル部材を前方側に圧縮する操作を行う第2の操作部材に連結されている。
8.請求項2において、前記チューブは処置具等を挿通可能とする処置具用チャンネルである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
第1湾曲部及び第2湾曲部を設けた挿入部を大腸等の屈曲した部位に挿入する場合、第2湾曲部の硬度を可変することにより円滑な挿入を行う。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は本発明の実施例1の内視鏡を備えた内視鏡装置の全体構成図。
【図2】図2は内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図3】図3は湾曲部の内部構成を示す縦断面図。
【図4】図4は内視鏡内に内蔵された硬度可変のバルーンカテーテル部分の構成を示す図。
【図5】図5はバルーンカテーテルの基端側の固定部の構造を示す断面図。
【図6】図6は実施例1による作用の説明図。
【図7】図7は、横行結腸の深部側に挿入する作用の説明図。
【図8】図8は本発明の実施例2の内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図9】図9は本実施例2による作用の説明図。
【図10】図10は本発明の実施例3の内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図11】図11は実施例3の第1変形例における挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図12】図12は図11の状態から硬度を大きくなる状態に設定した場合の概略を示す図。
【図13】図13は実施例3の第2変形例における挿入部の先端側の概略の構成等を示す図。
【図14】図14は図13の状態から硬度を大きくなる状態に設定した場合の概略を示す図。
【図15】図15は本発明の実施例4の内視鏡の挿入部の先端側の概略の構成を示す図。
【図16】図16は実施例4の第1変形例における挿入部の先端側の概略の構成等を示す図。
【図17】図17は実施例4の第2変形例における挿入部の概略の構成を示す図。
【符号の説明】
【0057】
1…内視鏡装置
2…内視鏡
7…挿入部
15…先端部
16…湾曲部
17…可撓管部
26…口金
35…給排用ポンプ
36、37…チューブ
38…バルーン
41…第1湾曲部
42…第2湾曲部
56…バルーンチューブ
57…ガイドワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1湾曲部及び第2湾曲部とを可撓管部の先端側に順次連設した挿入部を有する内視鏡において、
少なくとも前記第2湾曲部の硬度を可変する硬度可変手段を具備したことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記硬度可変手段は、前記挿入部内に設けられたチューブ内に挿通して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記硬度可変手段は、圧縮により、その硬度が変化するコイル部材を用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記硬度可変手段は、前記挿入部内に配置され、前記挿入部の軸方向への移動手段を有し、前記移動手段による移動により前記第2湾曲部の硬度を可変することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記コイル部材は、少なくとも前記第2湾曲部及び前記可撓管部内部に配置され、かつ前記第2湾曲部の後端及び前記可撓管部の前端を連結する連結部材に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部の内側に配置される前記チューブ内に配置され、流体の給排に応じて拡張/収縮が可能なバルーンと、
前記バルーンに流体を給排するために前記挿入部内に配置された管路と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部の外周面を、該第2湾曲部が挿入されている部位の内壁面に係止する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項1】
第1湾曲部及び第2湾曲部とを可撓管部の先端側に順次連設した挿入部を有する内視鏡において、
少なくとも前記第2湾曲部の硬度を可変する硬度可変手段を具備したことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記硬度可変手段は、前記挿入部内に設けられたチューブ内に挿通して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記硬度可変手段は、圧縮により、その硬度が変化するコイル部材を用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記硬度可変手段は、前記挿入部内に配置され、前記挿入部の軸方向への移動手段を有し、前記移動手段による移動により前記第2湾曲部の硬度を可変することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記コイル部材は、少なくとも前記第2湾曲部及び前記可撓管部内部に配置され、かつ前記第2湾曲部の後端及び前記可撓管部の前端を連結する連結部材に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部の内側に配置される前記チューブ内に配置され、流体の給排に応じて拡張/収縮が可能なバルーンと、
前記バルーンに流体を給排するために前記挿入部内に配置された管路と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記硬度可変手段は、前記第2湾曲部の外周面を、該第2湾曲部が挿入されている部位の内壁面に係止する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−54125(P2007−54125A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240288(P2005−240288)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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