説明

内視鏡

【課題】冷却効率の高い内視鏡を提供すること。
【解決手段】内視鏡12は、照明部113と、複数の正極電線123と、管路部材133とを有している。照明部113は、正電極119aを有し、照明光を照明し、照明する際に発熱する。複数の正極電線123は、それぞれが先端部123aと基端部123bとを有し、複数の先端部123aが単一の正電極119aと接続し、照明部113から正電極119aを介して伝わった熱をそれぞれが放熱する。管路部材133は、正電極119aのばらけた部分の近傍に配設され、外部から正電極119aのばらけた部分に向かって気体151を供給する、または正電極119aのばらけた部分から気体153を吸気する流路口135を有している。管路部材133は、供給のために気体151が流れる、または吸気のために気体153が流れる流路部の一部である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入部の先端部に配設されている発熱部を冷却する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡は、良好な観察像を得るために、照明光を観察対象物に照明する照明ユニットを有している。照明ユニットは、内視鏡の挿入部の先端部側に配設されている。照明ユニットは、観察対象物に照明光を照明する照明部を有している。照明部は、例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光素子であり、挿入部の先端部に配設されている。この照明部は、光源となる。照明部が照明光を照明する際、照明部は発熱する発熱部となる。
【0003】
この発熱は、挿入部の内部に配設されている照明ユニット以外の内蔵物や、照明部の寿命の低下につながる。
【0004】
そのため例えば特許文献1において、発熱部である照明部の近傍に流体が流れる管路が配設され、照明部は管路を流れる流体によって冷却されている。管路は、放熱部材を兼ねており、給電とは別にLEDに対して用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−7321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に流体が流れることで、照明部が冷却される場合、流体と照明部との温度差と、広い放熱面と、流体が滞りなく流れる状態とが必要となる。
【0007】
上述した温度差は、熱源であるLEDから放熱体の表面までの熱移送の損失で決まる特性である。また広い放熱面の特性値と、流体が滞りなく流れる状態の特性値とは、放熱系として、気体/固体の熱交換を決める値となっている。
なお温度差は、気体/固体の熱交換の前段にあるため、冷却効率を左右する重要な特性値となっている。
【0008】
照明ユニットにおいて、一般的に、LEDは、銅パターンが配線された基板と接続している。LEDの電極面は、基板から給電されると同時に基板に向けて放熱している。ここで、基板自体は、他の部材に対して電気的な絶縁性を有する必要があり、熱的な障壁となっている。
【0009】
上述した特許文献1において、LED等の発熱部から管路までの熱の移送経路が長い。そのため、熱が発熱部から管路までに移送される際に、損失が大きくなる。また熱的な障壁が大きいと、大きな温度差が確保できない。このため冷却効率を上げ難い構造となっている。
【0010】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、冷却効率の高い内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は目的を達成するために、電極を有し、照明光を照明し、照明する際に発熱する照明部と、それぞれが先端部と基端部とを有し、前記基端部側がばらけた状態で、複数の前記先端部が単一の前記電極と接続し、前記照明部から前記電極を介して伝わった熱をそれぞれが放熱する複数の電線と、外部から前記電線のばらけた部分に向かって気体を供給する、または前記電線のばらけた部分を経て熱を有する熱気体を排気する流路口を有し、供給のために前記気体が流れる、または排気のために前記熱気体が流れる流路部の一部である管路部材と、を具備することを特徴とする内視鏡を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、冷却効率の高い内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係る内視鏡システムの概略構成図である。
【図2A】図2Aは、先端硬質部の正面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aに示す2B−2B線における図である。
【図3A】図3Aは、第1の実施形態における照明ユニットの拡大図である。
【図3B】図3Bは、管路部材と保持部材との斜視図である。
【図4A】図4Aは、放熱面の面積を説明する図である。
【図4B】図4Bは、放熱面の面積を説明する図である。
【図4C】図4Cは、放熱面の面積を説明する図である。
【図5A】図5Aは、照明部と、正極電線と負極電線との接続方法を説明する図である。
【図5B】図5Bは、照明部と、正極電線と負極電線との接続方法を説明する図である。
【図5C】図5Cは、照明部と、正極電線と負極電線との接続方法を説明する図である。
【図5D】図5Dは、照明部と、正極電線と負極電線との接続方法を説明する図である。
【図5E】図5Eは、照明部と、正極電線と負極電線との接続方法を説明する図である。
【図5F】図5Fは、照明部と、正極電線と負極電線との接続方法を説明する図である。
【図6A】図6Aは、第2の実施形態における照明ユニットの拡大図である。
【図6B】図6Bは、管路部材と保持部材との斜視図である。
【図6C】図6Cは、照明部と、正極電線と負極電線との接続方法を説明する図である。
【図7A】図7Aは、第3の実施形態における照明ユニットの拡大図である。
【図7B】図7Bは、管路部材の斜視図である。
【図8】図8は、各実施形態の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1と図2Aと図2Bと図3Aと図3Bと図4Aと図4Bと図4Cと図5Aと図5Bと図5Cと図5Dと図5Eと図5Fとを参照して第1の実施形態について説明する。
なお図3Aでは正極電線123の外皮129の図示を省略するように、一部の図面では図示の明瞭化のために図示の一部を省略している。
【0015】
図1に示すように、内視鏡システム10は、例えば所望する観察対象物を撮像する内視鏡12と、内視鏡12と着脱自在に接続する画像処理装置14aと、画像処理装置14aと接続し、内視鏡12によって撮像された観察対象物を表示する表示部であるモニタ14bと、内視鏡システム10を制御する制御装置14dとを有している。
観察対象物とは、被検体(例えば体腔)内における患部や病変部等である。
【0016】
図1に示すように内視鏡12には、患者の体腔内等に挿入される細長い挿入部20と、挿入部20の基端部と連結し、内視鏡12を操作する操作部60とが配設されている。
【0017】
挿入部20は、挿入部20の先端部側から基端部側に向かって、先端硬質部21と、湾曲部23と、可撓管部25とを有している。先端硬質部21の基端部は湾曲部23の先端部と連結し、湾曲部23の基端部は可撓管部25の先端部と連結している。
【0018】
先端硬質部21は、挿入部20の先端部及び内視鏡12の先端部であり、硬い。先端硬質部21については、後述する。
【0019】
湾曲部23は、後述する湾曲操作部67の操作によって、例えば上下左右といった所望の方向に湾曲する。湾曲部23が湾曲することにより、先端硬質部21の位置と向きとが変わり、観察対象物が観察視野内に捉えられ、照明光が観察対象物に照明される。湾曲部23は、図示しない節輪が挿入部20の長手軸方向に沿って回動可能に連結されていることで、構成されている。節輪は例えば網状管によって被覆され、網状管は例えば樹脂やゴム等の外皮によって被覆されている。
【0020】
可撓管部25は、所望な可撓性を有しており、外力によって曲がる。可撓管部25は、操作部60の後述する本体部61から延出されている管状部材である。
【0021】
操作部60は、可撓管部25が延出している本体部61と、本体部61の基端部と連結し、内視鏡12を操作する操作者によって把持される把持部63と、把持部63と接続しているユニバーサルコード65とを有している。
【0022】
本体部61には、図示しない処置具挿入口が配設されている。処置具挿入口には、図2Aと図2Bとに示すような処置具挿通チャンネル71の基端部が連結している。処置具挿通チャンネル71は、挿入部20内において、可撓管部25から先端硬質部21に渡って配設されている。処置具挿入口は、図示しない内視鏡用処置具を処置具挿通チャンネル71に挿入するための挿入口である。図示しない内視鏡用処置具は、処置具挿入口から処置具挿通チャンネル71に挿入され、先端硬質部21側まで押し込まれる。そして内視鏡用処置具は、先端硬質部21に配設されている図2Aと図2Bとに示すような処置具挿通チャンネル71の先端開口部71aから突出される。
【0023】
図1に示すように、把持部63には、湾曲部23を湾曲操作する湾曲操作部67が配設されている。また、把持部63には、図示しない吸引スイッチと、送気・送水チャンネル73のための図示しない送気・送水スイッチとを有する図示しないスイッチ部が配設されている。また、把持部63には、後述する撮像ユニット75aのための図示しない各種ボタンが配設されている。
【0024】
また図1に示すように、例えば把持部63の内部には、気体151(外気)を内視鏡12の外部から内視鏡12の内部に吸引し、後述する熱を含む気体153を内視鏡12の内部から内視鏡12の外部に排出して、内視鏡12の内部において気体151,153を循環する循環部81が配設されている。循環部81は、例えば循環ポンプである。
また把持部63には、循環部81が気体151を外部から吸引するための吸引孔81aと、循環部81が気体153を外部に排出するための排出孔81bとが配設されている。
循環部81と吸引孔81aと排出孔81bとは、気体151,153が流れる流路部91の一部でもある。
【0025】
ユニバーサルコード65は、画像処理装置14aや制御装置14d等に接続する接続部65aを有している。
【0026】
次に先端硬質部21について図1と図2Aと図2Bとを参照して説明する。
図2Bに示すように、先端硬質部21は、硬質部材からなる本体部101と、本体部101の先端部101aを覆うカバー103とを有している。
【0027】
図2Aと図2Bとに示すように、本体部61には、処置具挿通チャンネル71と、送気・送水チャンネル73と、体腔内を撮像する撮像ユニット75aが内部に配設される撮像管路部75とが本体部61を貫通するように配設されている。処置具挿通チャンネル71と、送気・送水チャンネル73と、撮像ユニット75aにおけるケーブル75bとは、挿入部20を挿通し、把持部63側にまで配設されている。
【0028】
また本体部61には、後述する図3Aに示すような照明ユニット111が内部に配設される照明管路部77が配設されている。照明管路部77は2つ配設されており、1つの照明管路部77には、1つの照明ユニット111が配設されている。照明管路部77は、湾曲部23(節輪)の内部空間23aと連通している。照明管路部77の詳細については、後述する。
【0029】
図2Bに示すように、カバー103は、処置具挿通チャンネル71と送気・送水チャンネル73と撮像管路部75と照明ユニット111との先端部と本体部101の先端面とを含む本体部101の先端部101aを覆う。カバー103には、処置具挿通チャンネル71に対応する位置に配設されている先端開口部71aと、送気・送水チャンネル73に対応する位置に配設されている送気送水ノズル73aとが配設されている。またこのカバー103には、撮像ユニット75a(撮像管路部75)に対応する位置に配設されている観察窓75cと、照明ユニット111(照明管路部77)に対応する位置に配設されている照明窓111aとがさら配設されている。照明窓111aは、レンズを有していても良い。
【0030】
次に図2Bに示すように照明管路部77の内部に配設される照明ユニット111について図1と図2Bと図3Aと図3Bとを参照して説明する。
図3Aに示すように、照明ユニット111は、照明ユニット111の先端部に配設され、照明光を照明する例えばLED素子等の照明部113と、照明部113が照明光を照明するための電力を照明部113に供給するために照明部113と接続している細い正極電線123と細い負極電線125と、照明部113を冷却するための気体151が流れる流路部91の一部である管路部材133とを有している。
【0031】
照明部113は、照明光を照明する際、発熱する発熱部でもある。また照明部113は、挿入部20の先端部及び内視鏡12の先端部である先端硬質部21に配設されている電子部品でもある。
【0032】
図3Aに示すように、照明部113は、発光する表面実装型のLED素子115を有している。LED素子115は、正電極119aと負電極119bとを有している。LED素子115は、正電極119aと負電極119bとに通電することで発光し、発光に伴い発熱する。この熱は、主に正電極119aからLED素子115外部へと放出される。LED素子115は、例えば矩形であり、正電極119aと負電極119bとよりも大きい。正電極119aと負電極119bとは、端子である。正電極119aは、負電極119bよりも大きい。
【0033】
図3Aに示すように、正極電線123は複数配設されており、それぞれが先端部123aと基端部123bとを有している。基端部123b側がばらけた状態で、全ての先端部123aは単一の正電極119aと例えばはんだ127によって接続している。このとき、正極電線123の各先端部123aは、はんだ127によってまとめられた状態で、正電極119aと接続している。また正電極119aと接続している部分を除き、基端部123b側を含む正極電線123は、上述したようにまとめられておらず、ばらばら、つまりほどけている。さらに詳細には、ばらけた状態の正極電線123は、後述する保持部材139の内部、及び保持部材139(先端面141)から突出して正電極119aまで配設されている。
また負極電線125の先端部125aは、負電極119bと例えばはんだ127によって接続している。
上述したはんだ127は、正電極119aと正極電線123とが接続する接続部であり、負極電線125と負電極119bとが接続する接続部でもある。
【0034】
このような1本の正極電線123全体と1本の負極電線125全体とは、図3Bに示すように、絶縁性を有する外皮129によって個別に被覆されている。正極電線123と負極電線125とは、それぞれが外皮129によって被覆された状態で、挿入部20を挿通し、把持部63側にまで配設されている。正極電線123と負極電線125とは、さらにユニバーサルコード65を介して、接続部65aにまで配設されている。接続部65aが画像処理装置14aや制御装置14dと接続することで、正極電線123と負極電線125とは、照明部113が照明光を照明するための電力を、照明部113に供給する。正極電線123と負極電線125とは、例えば銅線である。
【0035】
また各正極電線123は、照明部113(LED素子115)から正電極119aを介して伝わった熱を放熱する放熱部材を兼ねている。詳細には、本実施形態では、後述する保持部材139(先端面141)から突出して正電極119aまで配設されているばらけた状態の正極電線123において、この正極電線123の周面全体は、上述した熱を放熱する放熱面123cとなる。熱は、照明部113にて発生し、正電極119aからはんだ127を介して正極電線123の先端部123a側に、最短の経路で、且つ正極電線123の長手方向に沿って移送される。なお正電極119aは、LED素子115の主な放熱面であり、この正極電線123と接続している。そのため、多くの熱が正極電線123に移送される。
【0036】
次に、放熱面123cについて図4Aと図4Bと図4Cと参照して簡単に説明する。
正電極119aの大きさは、例えば横1mm、縦1mmとする。また正電極119aには、なるべく多くの正極電線123が接続するものとする。
【0037】
図4Aに示すように、例えば正極電線123が正電極119aと同じ断面積を有する直方体で、正電極119aから後述する先端面141までの正極電線123の長さが10mmの場合、放熱面123cの面積は、正極電線123の側面積となる。なおこの長さは、正極電線123が実際に放熱する部分の長さ、つまり放熱面123cの長さである。
この場合、側面積は、1mm×10mm×4=40mmとなる。
【0038】
また図4Bに示すように、正極電線123が正電極119aに内接する円形の断面形状を有する円柱で、正電極119aから先端面141までの正極電線123の長さが10mmの場合、放熱面123cの面積は、正極電線123の側面積となる。
この場合、側面積は、1mm×π×10=10πmmとなる。
【0039】
また図4Cに示すように、正極電線123が、直径が0.1mmの円柱、つまり細線であり、正電極119aから先端面141までの正極電線123の長さが10mmの場合、
横1mm、縦1mmの大きさを有する正電極119aには、横に例えば5本の正極電線123が接続し、縦に例えば6本の正極電線123が接続し、つまり合計30本の正極電線123が接続する。
この場合、放熱面123cの面積は30本の正極電線123の側面積の合計となり、この合計は、0.1mm×π×10mm×30=30πmmとなる。
【0040】
このように、1本の正極電線123が正電極119aと接続するよりも、複数本の正極電線123が正電極119aと接続するほうが、放熱面123cは多く確保される。放熱面123cが多いことで、放熱量が多くなる。
【0041】
図1に示すように、管路部材133は、挿入部20を挿通し、把持部63側にまで配設されており、循環部81と接続している。管路部材133は、正極電線123を冷却するために、例えば、循環部81によって内視鏡12の外部から内視鏡12の内部に吸引された気体151を、放熱面123cにむけて流す(供給する)チューブである。つまり管路部材133は、供給のために気体151が流れる流路部91の一部である。
【0042】
図3Aに示すように、このような管路部材133は、ばらけた状態の正極電線123の周面(放熱面123c)の近傍に配設され及び対向し、外部から正極電線123のばらけた部分(放熱面123c)に向かって気体151を流す流路口135を先端部133aに有している。この流路口135は、正電極119aから先端部123a側に伝わった熱にすぐに気体151を流すために、放熱面123cに近接している。詳細には、この流路口135は、先端面141近傍に配設されている。
なお管路部材133の先端部133aは、流路口135が上述したように先端面141近傍における放熱面123cに対向し、気体151が先端面141近傍における放熱面123cに向かって流れるように、折れ曲がっている。
【0043】
また図2Bと図3Aと図3Bとに示すように、照明ユニット111は、正極電線123と負極電線125とが内部を挿通し、挿通している正極電線123と負極電線125とを保持する保持部材139をさらに有している。このとき、基端部123b側がほどけた状態で、保持部材139は正極電線123と負極電線125とを保持している。
【0044】
このような保持部材139は、正極電線123と負極電線125とが内部を挿通し、正極電線123の先端部123a側が正電極119aから伝達された熱を保持部材139の外部に放熱し、管路部材133が気体151を放熱面123cにすぐに流す(あてる)ために、正極電線123の先端部123a側が保持部材139の先端面141から突出するように正極電線123を保持している。このとき、上述したように、保持部材139(先端面141)から突出して正電極119aまで配設されているばらけた状態の正極電線123の周面全体が、放熱面123cとなる。つまり保持部材139は、気体151が流路口135から正極電線123のばらけた部分に供給され、気体151が放熱面123c側に流れるように、正極電線123を保持している。なお保持部材139は、負極電線125が先端面141から突出するように、負極電線125を保持していてもよい。
【0045】
なお図3Bに示すように、保持部材139は、例えば、外皮129によって覆われている負極電線125が保持部材139の中心に位置し、外皮129によって覆われている正極電線123がこの負極電線125の周りに位置するように、正極電線123と負極電線125とを保持している。
【0046】
このような保持部材139は、正極電線123と負極電線125とが保持部材139の内部を挿通している例えば筒部材である。保持部材139は、例えば樹脂製である。
【0047】
また保持部材139は、本実施形態では管路部材133とは別体であり、例えば管路部材133に沿って、挿入部20を挿通し、把持部63側にまで配設されている。保持部材139は、正極電線123と負極電線125とがケーブル75b等と干渉することを防止するために、正極電線123と負極電線125とを把持部63側まで保持している。保持部材139は、管路部材133と、外周面にて接していてもよいし離れていてもよい。
【0048】
このような照明ユニット111は、照明部113(LED素子115)が照明窓111aと対向し、照明部113(LED素子115)が本体部61の先端面に配設されるように、照明管路部77に配設される。
【0049】
次に照明管路部77について図2Bを参照して詳細に説明する。
図2Bに示すように、照明管路部77は、照明管路部77の先端部77a側から基端部77b側に向かって、徐々にまたは段差状に拡径している。
【0050】
なお照明管路部77の先端部77aの大きさは、照明部113(LED素子115)の大きさと略同一である。またLED素子115と先端面141との間の径方向における照明管路部77の大きさは、正極電線123と負極電線125とをあわせた太さよりも大きい。また照明管路部77の基端部77b側の径方向の大きさは、保持部材139の大きさと管路部材133の大きさとの和よりも大きい。
【0051】
上記において、先端部77aの大きさは照明部113の大きさと略同一であるため、照明ユニット111が照明管路部77に配設されると、照明部113は先端部77aと係合し、照明ユニット111が照明管路部77に固定される(位置決めされる)。
【0052】
また上述したようにLED素子115と先端面141との間の径方向における照明管路部77の大きさは、正極電線123と負極電線125とをあわせた太さよりも大きい。また照明管路部77の基端部77b側の径方向の大きさは、保持部材139の大きさと管路部材133の大きさとの和よりも大きい。よって照明ユニット111が上述したように照明管路部77に配設されると、照明管路部77と照明ユニット111との間には、流路部91の一部である空間部145が形成される。このように、空間部145は、照明管路部77の内部に形成される。空間部145は、少なくとも正極電線123の先端部123a側(放熱面123c)を全周にわたって囲む。
【0053】
図2Bに示すように、空間部145は、湾曲部23(節輪)の内部空間23aと連通している。また照明管路部77の先端部77aの大きさは照明部113の大きさと略同一であり、本体部101の先端部101aはカバー103によって覆われているために、空間部145はカバー103側の外部とは連通していない。このような空間部145には、気体151が管路部材133(流路口135)から流れ、熱が放熱面123cから放熱される。管路部材133から流れた気体151は空間部145で熱を有し(熱伝達され)、熱を有した状態で湾曲部23(節輪)の内部空間23aに流れる。
【0054】
このように照明管路部77は、照明ユニット111が照明管路部77に配設される際に、照明部113を先端部77aに位置決めし、照明管路部77と照明ユニット111との間に、気体151,153が流れる流路部91の一部である空間部145を形成する。
【0055】
次に本実施形態において気体151,153が流れる流路部91について図1と図2Bと図3Aとを参照して説明する。
本実施形態では、照明ユニット111が照明管路部77の内部に配設されると、空間部145が形成される。図1に示すように、循環部81は、気体151を内視鏡12の外部から吸引孔81aを介して内視鏡12の内部に吸引し、管路部材133に流す(供給する)。
【0056】
これにより図2Bと図3Aとに示すように、気体151は、管路部材133から流路口135を介して空間部145、詳細には、放熱面123cに流れる。つまり気体151は、流路口135から、先端面141から突出して正電極119aまで配設されているばらけた状態の正極電線123(放熱面123c)に流れる。そして気体151は、放熱面123cから空間部145に放出された熱を空間部145にて奪う。
【0057】
図1と図2Bと図3Aとに示すように、熱を有する気体153は、空間部145から湾曲部23(節輪)の内部空間23aと可撓管部25の内部空間とを介して排出孔81bに流れ、排出孔81bから内視鏡12の外部に排出される。
【0058】
このように気体151,153は、空間部145を含む内視鏡12の内部に停滞(滞留)することなく、内視鏡12の内部を循環する。
【0059】
またこのように循環部81と吸引孔81aと管路部材133と空間部145と空間部145と内部空間23aと可撓管部25の内部空間と排出孔81bとは、気体151,153が流れる流路部91となり、それぞれは流路部91の一部となる。なお循環部81と吸引孔81aと管路部材133とは、先端部123a側に気体151を供給する供給流路部となる。また湾曲部23(節輪)の内部空間23aと可撓管部25の内部空間と排出孔81bとは、気体153を排出する排出流路部となる。
【0060】
次に本実施形態の動作方法について説明する。
照明ユニット111における照明部113と、正極電線123と負極電線125との接続方法について図5Aと図5Bと図5Cと図5Dと図5Eと図5Fとを参照して簡単に説明する。なお図示の明瞭化のために、外皮129の図示を省略している。
図5Aに示すように、正極電線123が簡単に束ねられ、負極電線125は束ねられた正極電線123の下方に配設される。正極電線123の先端部123a側と負極電線125の先端部125a側とは、枠部材147の枠147aによって囲まれる。この枠部材147は、左右に分離可能であり、図5Bに示すように、正極電線123と負極電線125とを左右両側から挟みこむようにして囲む。このとき枠部材147は、正極電線123と負極電線125とを分けて個別に且つ同時に囲む。
【0061】
枠部材147の大きさは、照明部113(LED素子115)の大きさと略同一である。また枠147aの大きさは、正電極119a全体の大きさと負電極119bの大きさと略同一である。また枠147aは、正電極119aと負電極119bとに対応する位置に配設されている。
【0062】
枠部材147において、枠部材147に囲まれた正極電線123の先端部123a側と負極電線125の先端部125a側とには、図5Bに示すように、はんだ127が塗布される。
【0063】
この状態で、図5Cと図5Dとに示すように、照明部113ははんだ127によって正極電線123の先端部123a側と負極電線125の先端部125a側と接合する。詳細には、正極電線123は正電極119aと接続し、負極電線125は負電極119bと接続する。
【0064】
なおはんだ127は、枠147aによって、枠147aの外にはみ出すことが防止され、枠147aの中に配設されている正極電線123の先端部123a側と負極電線125の先端部125a側とに確実に塗布される。
また枠部材147の大きさは照明部113の大きさと略同一であり、枠147aの大きさは正電極119aと負電極119bとの大きさと略同一であり、枠147aは正電極119aと負電極119bとに対応する位置に配設されている。そのためはんだ127は、無駄になることなく、正極電線123と正電極119aとを接続し、負極電線125と負電極119bとを接続する。また正極電線123と正電極119aとは煩雑な位置合わせを不要な状態で接続し、負極電線125と負電極119bとは煩雑な位置合わせを不要な状態で接続する。
【0065】
図5Eと図5Fとに示すように、枠部材147は、左右両側に分離し、照明ユニット111から切り離される。
【0066】
次に先端部123a側の冷却について説明する。
上述した照明ユニット111は、照明管路部77に配設される。このとき、図2Bに示すように、照明部113は照明管路部77の先端部77aと係合し、照明ユニット111が照明管路部77に固定される(位置決めされる)。
【0067】
これにより空間部145が形成される。空間部145は、湾曲部23(節輪)の内部空間23aと連通し、カバー103側の外部とは連通していない。また空間部145には、循環部81と接続している管路部材133が配設される。
【0068】
LED素子115が発光することで、LED素子115は発熱する。このとき熱は、正電極119aからはんだ127を介して正極電線123の先端部123a側に、最短の経路で、且つ正極電線123の長手方向に沿って移送される。また複数の正極電線123が正電極119aと接続しているために、多くの熱が正極電線123に移送される。そのため熱の移送によって生じる熱の損失は、低減する。そして熱は、放熱面123cから外皮129を介して空間部145に向かって放熱される。このとき空間部145は、放熱面123cを全周に渡って囲んでいる。
【0069】
なお図2Bに示すように、複数の正極電線123が正電極119aと接続しているために、1本の正極電線123が正電極119aと接続している場合に比べて、放熱面123c(放熱量)が多く確保される。
【0070】
図1に示すように、循環部81は、気体151を内視鏡12の外部から吸引孔81aを介して内視鏡12の内部に吸引し、管路部材133に流す。このとき図2Bと図3Aとに示すように、管路部材133の流路口135は、放熱面123cに対向している。
【0071】
そのため図2Bと図3Aとに示すように、気体151は、管路部材133から流路口135を介して空間部145、詳細には、放熱面123c側に流れる。
【0072】
そして図2Bと図3Aとに示すように、気体151は、放熱面123cから空間部145に放出された熱を空間部145にて奪う。つまり熱は、空間部145にて気体151に伝達される。
【0073】
このとき図2Bと図3Aとに示すように、流路口135は、正電極119aから放熱面123c(正極電線123のばらけた部分)に伝わった熱にすぐに気体151を流す(あてる)。そのため、流路口135から排出された気体151と、放熱面123c側における熱を有する空間部145との間には、大きな温度差が生じる。よって、熱は、無駄なく気体151に伝達される。
【0074】
そして図1と図2Bと図3Aとに示すように、熱を有する気体153は、空間部145から湾曲部23(節輪)の内部空間23aと可撓管部25の内部空間とを介して排出孔81bに流れ、排出孔81bから内視鏡12の外部に排出される。
【0075】
このように気体151、及び熱を含む気体153は、空間部145を含む内視鏡12の内部に停滞(滞留)することなく、内視鏡12の内部を循環し、排出孔81bから内視鏡12の外部に排出される。
【0076】
このような気体151,153の循環、つまり循環部81による気体151,153の吸引と排出とは、内視鏡12及び照明ユニット111を含む内視鏡システム10が駆動した際に絶えず行われる。
【0077】
このように本実施形態では、正電極119aに複数の正極電線123を接続し、流路口135をばらけた状態の正極電線123の周面に対向させ、このばらけた状態の正極電線123の周面を放熱面123cとすることで、放熱面123cの面積を多く確保でき、熱の移送によって生じる熱の損失を低減でき、大きな温度差を確保でき、冷却効率を高めることができる。
【0078】
また本実施形態では、管路部材133が気体151を流路口135から放熱面123c側にすぐに流す(あてる)ために、正極電線123の先端部123a側が保持部材139の先端面141から突出するように、保持部材139が正極電線123を保持しているために、放熱面123cに効率よく気体151を流すことができ、冷却効率を高めることができる。
【0079】
また本実施形態では、保持部材139によって、正極電線123と負極電線125とがケーブル75b等と干渉することを防止できる。
【0080】
また本実施形態では、内視鏡12及び照明ユニット111を含む内視鏡システム10が駆動した際に、循環部81は絶えず気体151を流路口135(空間部145)に向けて流すために、常に照明ユニット111から撮像ユニット75aといった先端硬質部21における他の部材への伝熱を抑制できる。
【0081】
また本実施形態では、照明管路部77の基端部77b側を照明ユニット111よりも大きくすることで、照明ユニット111が照明管路部77に配設されることで必ず空間部145を形成することができ、放熱と気体151,153の循環のための空間部145を容易に確保することができる。
【0082】
また本実施形態では、放熱面123c(正極電線123の先端部123a側)を空間部145が全周に渡って囲んでいるため、気体151によって熱を漏らすことなく奪うことができ、熱を含む気体153を排出孔81bに流すことができる。
【0083】
また本実施形態では、外皮129によって正極電線123と負極電線125とを保護できる。
【0084】
また本実施形態では、照明部113が照明管路部77の先端部77aと係合し、照明ユニット111が照明管路部77に固定され、空間部145を形成でき、流路口135を放熱面123cに近接できれば、保持部材139と照明管路部77との形状は特に限定されない。
【0085】
また本実施形態では、枠部材147によって、はんだ127を無駄にすることなく、正極電線123と正電極119aとを接続でき、負極電線125と負電極119bとを接続できる。また本実施形態では、枠部材147によって、正極電線123と正電極119aとを容易に位置合わせして接続でき、負極電線125と負電極119bとを容易に位置合わせして接続できる。
【0086】
また本実施形態では、流路部91によって、気体151,153を、内視鏡12の内部に停滞(滞留)させることなく、内視鏡12の内部にて滞りなく流すことができる。
【0087】
また本実施形態では、気体151を吸引孔81aから管路部材133(流路口135)を介して空間部145に向かって流したが、これに限定する必要は無く、熱を有する気体153を空間部145から管路部材133(流路口135)に向かって流しても良い。この場合、管路部材133は、熱を有する気体153を正極電線123のばらけた部分つまり放熱面123c側から吸気する流路口135を有することとなり、吸気のために気体153が流れる流路部91の一部となる。また保持部材139は、気体153が正極電線123のばらけた部分側から流路口135に吸気されるように正極電線123を保持することとなる。このように本実施形態では、気体151,153が空間部145を流れ、気体151,153を、空間部145を含む内視鏡12の内部に停滞(滞留)させることなく、内視鏡12の内部にて循環できれば、気体151,153の流れの向きは特に限定されない。
【0088】
次に本発明に関わる第2の実施形態について図6Aと図6Bと図6Cとを参照して説明する。
本実施形態の保持部材139は、管路部材133が保持部材139の内部を挿通し、流路口135が保持部材139の長手方向において保持部材139の先端面141と正電極119aとの間、且つ長手方向に直交する保持部材139の径方向及び保持部材139の内部において複数の正極電線123よりも内側に配置されるように、管路部材133をさらに保持している。このとき正極電線123の先端部123aは、長手方向において、流路口135よりも正電極119a側に突出し、流路口135よりもLED素子115側の正極電線123は流路口135を流路口135の縁から中心に向かって覆うように、保持部材139は正極電線123と管路部材133とを保持している。
【0089】
なお図6Bに示すように、保持部材139は、管路部材133が保持部材139の中心に位置し、正極電線123と負極電線125とが管路部材133の周りに位置するように、正極電線123と負極電線125と管路部材133とを内部にて保持している。
【0090】
これにより本実施形態では、より確実に、気体151を、流路口135から空間部145、詳細には、放熱面123cに流すことができ、より冷却効率を高めることができる。
【0091】
また本実施形態では、図6Cに示すように、正極電線123が簡単に束ねられる際に、正極電線123の内部に管路部材133を配設すればよいために、照明ユニット111の製作工程を減らすことができる。この後、工程は、図5Aに進む。
【0092】
また本実施形態では、管路部材133を保持部材139の内部に配設するために、保持部材139が、正極電線123と負極電線125と管路部材133とを保持する機能と、正極電線123と負極電線125と管路部材133とを位置きめする機能とを兼ねることができる。これにより本実施形態では、先端硬質部21の太径化を防止でき、管路部材133を配設する手間を省け、内視鏡12を安価にすることができる。
【0093】
次に本発明に関わる第3の実施形態について図7Aと図7Bとを参照して説明する。
本実施形態の管路部材133は、正極電線123を保持する保持部材を兼ねている。このとき管路部材133は、正極電線123が管路部材133の内部を挿通し、正極電線123の先端部123a側が流路口135から突出し、気体151が流路口135から正極電線123のばらけた部分、つまり放熱面123c側に流れる(供給される)ように正極電線123を保持している。このとき、放熱面123cの一部は、管路部材133の内部に配設され、管路部材133によって覆われている。
【0094】
なお管路部材133は、負極電線125とは別体である。
【0095】
このように本実施形態では、正極電線123が管路部材133の内部を挿通し、つまり正極電線123が管路部材133によって覆われているために、より冷却効率を高めることができる。
【0096】
また本実施形態では、管路部材133が保持部材を兼ねるために、管路部材133が、正極電線123を保持する機能と、気体151を流す機能とを兼ねることができる。これにより本実施形態では、先端硬質部21の太径化を防止でき、新たに流路部91の一部を作成する手間を防止でき、内視鏡12を安価にすることができる。
【0097】
なお管路部材133は、負極電線125を保持していてもよい。また管路部材133は、正極電線123の先端部123a側が流路口135から突出していれば、気体153が正極電線123のばらけた部分、つまり放熱面123c側から吸気されるように正極電線123を保持していてもよい。
【0098】
なお上述した各実施形態の変形例とし、図8に示すように、外皮129は、先端部123a側(放熱面123c)を除く基端部側の正極電線123のみを被覆してもよい。つまり、放熱面123cは、露出していてもよい。この場合、放熱面123cは、少なくとも流路口135よりもLED素子115側に位置する。
【0099】
これにより本変形例では、放熱面123cに気体151を直接流すことができるために、より冷却効率を高めることができる。
【0100】
なお上述した各本実施形態では、気体151,153を、内視鏡12の内部に停滞(滞留)させることなく、内視鏡12の内部にて循環できれば、循環部81を把持部63に配設する必要はない。
この場合、内視鏡12の外部、例えば画像処理装置14a側に、内視鏡12の先端部に気体151を供給する気体供給部が配設されていればよい。気体供給部は、接続部65aと接続する。これにより気体151は、気体供給部から接続部65aとユニバーサルコード65とを介して内視鏡12の内部に供給され、さらに管路部材133を介して空間部145にまで供給され、気体153は空間部145から挿入部20と操作部60とを介して排出孔81bから排出される。
またはこの場合、排出孔81bには、熱を有する気体153を吸引する気体吸引部が配設されていてもよい。これにより気体151は、吸引孔81aから内視鏡12の内部に供給され、さらに管路部材133を介して空間部145にまで供給され、気体153は空間部145から挿入部20と操作部60とを介して排出孔81bから排出される。
気体供給部と気体吸引部との少なくとも一方が配設されていればよい。
【0101】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【0102】
(付記1)
電極を有し、照明光を照明し、照明する際に発熱する照明部と、
それぞれが先端部と基端部とを有し、前記基端部側がばらけた状態で、複数の前記先端部が単一の前記電極と接続し、前記照明部から前記電極を介して伝わった熱をそれぞれが放熱する複数の電線と、
前記電線のばらけた部分の近傍に配設され、外部から前記電線のばらけた部分に向かって気体を供給する、または熱を有する熱気体を前記電線のばらけた部分から吸気する流路口を有し、供給のために前記気体が流れる、または吸気のために前記熱気体が流れる流路部の一部である管路部材と、
を具備することを特徴とする内視鏡。
【符号の説明】
【0103】
10…内視鏡システム、12…内視鏡、20…挿入部、21…先端硬質部、23…湾曲部、23a…内部空間、25…可撓管部、77…照明管路部、77a…先端部、77b…基端部、81…循環部、81a…吸引孔、81b…排出孔、91…流路部、111…照明ユニット、113…照明部、115…LED素子、119a…正電極、119b…負電極、123…正極電線、123a…先端部、123b…基端部、123c…放熱面、125…負極電線、125a…先端部、129…外皮、133…管路部材、135…流路口、139…保持部材、141…先端面、145…空間部、151…気体、153…熱を有する気体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を有し、照明光を照明し、照明する際に発熱する照明部と、
それぞれが先端部と基端部とを有し、前記基端部側がばらけた状態で、複数の前記先端部が単一の前記電極と接続し、前記照明部から前記電極を介して伝わった熱をそれぞれが放熱する複数の電線と、
外部から前記電線のばらけた部分に向かって気体を供給する、または前記電線のばらけた部分を経て熱を有する熱気体を排気する流路口を有し、供給のために前記気体が流れる、または排気のために前記熱気体が流れる流路部の一部である管路部材と、
を具備することを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記電線が内部を挿通し、前記気体が前記流路口から前記電線のばらけた部分に供給される、または前記熱気体が前記電線のばらけた部分を経て前記流路口によって排気されるように前記電線を保持する保持部材をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記保持部材は、前記管路部材とは別体であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記保持部材は、前記管路部材が前記保持部材の内部を挿通し、前記流路口が前記保持部材の長手方向において前記保持部材の先端面と前記電極との間、且つ前記長手方向に直交する方向及び前記保持部材の内部において複数の前記電線よりも内側に配置されるように、前記管路部材をさらに保持することを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記先端部は、前記長手方向において、前記流路口よりも前記電極側に突出していることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記管路部材は、前記電線が前記管路部材の内部を挿通し、前記先端部側が前記流路口から突出し、前記気体が前記流路口から前記電線のばらけた部分に供給されるように、または前記熱気体が前記電線のばらけた部分を経て排気されるように前記電線を保持することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記電線全体、または前記先端部側を除く前記電線を、個別に被覆する外皮をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の内視鏡。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図5E】
image rotate

【図5F】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−115520(P2012−115520A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268584(P2010−268584)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】