説明

内視鏡

【課題】観察レンズに流体を供給して観察レンズの汚れを除去するノズルを、容易に交換することができる構成を有する内視鏡を提供する。
【解決手段】第1の孔20h1と、第2の孔20h2とが挿入方向に沿って形成されたマルチルーメンチューブ20と、挿入部の外周において挿入方向に沿って位置する、第2の孔20h2に先端側が挿通されることにより該先端側がマルチルーメンチューブ20に固定された、観察レンズに対し先端から気体とともに液体を噴射する、先端が他の部位とは異なる変形形状を有するノズル10と、ノズル10に気体を供給する圧縮空気源12と、ノズル10に液体を供給する液体供給源9と、ノズル10に対する圧縮空気源12からの気体の供給遮断を切り換える切換スイッチ7と、を具備していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長な挿入部と、該挿入部よりも挿入方向後方に位置する操作部とを具備する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工業用分野において、被検体、例えばボイラ、タービン、エンジン、化学プラント、下水管内に細長な挿入部を挿入することにより、被検体内の傷、腐食等の観察、検査等を行うことができる内視鏡が広く用いられている。
【0003】
ここで、工業用の内視鏡を用いて、被検体内の観察、検査等を行う場合、被検体内の油、塵埃、汚物等の異物が内視鏡の観察レンズに付着してしまう場合がある。この場合、異物が内視鏡の観察視野を遮る結果、被検体内の観察、検査等が行い難くなってしまうといった問題があった。
【0004】
尚、以上のことは、医療用分野に用いられる内視鏡においても同様であり、被検体となる体腔内に細長な挿入部を挿入した際、体腔内の体液や血液等の異物が内視鏡の観察レンズに付着されてしまうと、異物が内視鏡の観察視野を遮る結果、体腔内の観察、検査等が行い難くなってしまうといった問題があった。
【0005】
このような問題に鑑み、特許文献1、2には、内視鏡の挿入部に、該挿入部を挿入方向に沿って覆う既知のカバーシースを被覆し、挿入部とカバーシースとの間に、観察レンズに対して気体や液体を供給することにより観察レンズの汚れを除去する送気と送水との少なくとも一方用のノズルが設けられた構成が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、挿入部内に流体供給管路が設けられており、流体供給管路の先端に、流体供給管路を介して供給された液体と気体との少なくとも一方を観察レンズに対して供給することにより観察レンズの汚れを除去するノズルが設けられた構成が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献4には、挿入部内に設けられたチャンネル内に、流体供給ノズルを挿入し、該流体供給ノズルから観察レンズに液体と気体との少なくとも一方を供給することにより観察レンズの汚れを除去する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−191790号公報
【特許文献2】特開平7−299024号公報
【特許文献3】特開平4−158825号公報
【特許文献4】特開2010−5091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、工業用分野において用いられる内視鏡においては、挿入部の細径化を図る目的や構成の簡素化を図る目的等により、挿入部に、特許文献3に示した流体供給管路や、特許文献4に示したチャンネルを有さない構成の内視鏡も存在する。
【0010】
よって、このような構成を有する内視鏡の観察レンズの汚れを落とすには、特許文献3の構成や特許文献4の構成を適用することはできない。
【0011】
また、特許文献1、2に開示された工業用分野に用いられる内視鏡を、例えば下水管内に挿入した場合、下水管内の汚物によって、ノズル内の流路が詰まってしまう場合がある。
【0012】
この場合、ノズルを交換する必要が生じるが、特許文献1、2に開示された構成では、挿入部とカバーシースとの間からノズルを引き抜くか、さらには、挿入部の外周から該挿入部を挿入方向に沿って覆う長さのカバーシースを抜去した後、ノズルを取り出さなければならないため、交換作業を容易に行うことができないといった問題があった。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、観察レンズに流体を供給して観察レンズの汚れを除去するノズルを、容易に交換することができる構成を有する内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明による内視鏡は、細長な挿入部と、該挿入部よりも挿入方向後方に位置する操作部とを具備する内視鏡であって、前記挿入部の前記挿入方向の先端にアダプタが装着されている場合は、前記挿入部の前記挿入方向の先端側の外周と前記アダプタの外周とのいずれかに対して着脱自在であり、前記挿入部の前記先端に前記アダプタが非装着の場合は、前記挿入部の前記挿入方向の先端側の外周に着脱自在なマルチルーメンチューブと、前記マルチルーメンチューブに形成された、前記アダプタが装着されている場合は前記挿入部と前記アダプタとの少なくとも一方が挿通され、前記アダプタが非装着の場合は、前記挿入部が挿通される、前記挿入方向に沿って形成された第1の孔と、前記マルチルーメンチューブに形成された、前記第1の孔以外の前記挿入方向に沿って形成された第2の孔と、前記挿入部の外周において前記挿入方向に沿って位置する、前記第2の孔に前記挿入方向の先端側が挿通されることにより該先端側が前記マルチルーメンチューブに固定された、前記アダプタが装着されている場合には前記アダプタの前記挿入方向の先端側に設けられ、前記アダプタが非装着の場合には前記挿入部の前記先端側に設けられた観察レンズに対し、前記挿入方向の先端から気体とともに液体を噴射する、前記先端が他の部位とは異なる変形形状を有するノズルと、前記ノズルに気体を供給する圧縮空気源と、前記ノズルに液体を供給する液体供給源と、前記操作部に設けられた、前記ノズルに対する前記圧縮空気源からの前記気体の供給遮断を切り換える、前記ノズルの前記挿入方向基端側に固定された切換スイッチと、を具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、観察レンズに流体を供給して観察レンズの汚れを除去するノズルを、容易に交換することができる構成を有する内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態を示す内視鏡の構成の概略を示す斜視図
【図2】図1の内視鏡の構成の概略を示すブロック図
【図3】側視型内視鏡の外周にマルチルーメンチューブを固定した状態を概略的に示す部分斜視図
【図4】図3のマルチルーメンチューブに固定されたノズルの先端側の変形例の形状を示す部分斜視図
【図5】直視型内視鏡の外周にマルチルーメンチューブを固定した状態を概略的に示す部分斜視図
【図6】図5のマルチルーメンチューブに固定されたノズルの先端側の部分断面図
【図7】図6のノズルの先端側を、図6中のVI方向からみた図
【図8】図1のスイッチ固定板の変形例を示す斜視図
【図9】図5のマルチルーメンチューブにノズルを挿入して固定する様子を示す部分斜視図
【図10】図1のノズルの先端側の形状の変形例を示す図
【図11】図1のチューブに、滑落防止用のワイヤを固定した変形例を示す斜視図
【図12】本実施の形態とは異なる挿入体の外周に対してノズルを固定する変形例の構成を示す部分斜視図
【図13】本実施の形態や図12とは異なる挿入体の外周に対してノズルを固定する変形例の構成を示す部分斜視図
【図14】被検部位に、気体とともに水の他、蛍光液、現像液を供給する構成の概略を示すブロック図
【図15】液体供給源が、液体を自動的に供給するポンプとポンプ制御部とから構成された変形例の構成の概略を示すブロック図
【図16】本実施の形態や図12、図13とは異なる挿入体の外周に対してノズルを固定する変形例の構成を示す部分斜視図
【図17】本実施の形態や図12、図13、図16とは異なる挿入体の外周に対してノズルを固定する変形例の構成を示す部分斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、以下に示す実施の形態において、内視鏡は、挿入部の挿入方向の先端にアダプタが着脱自在な内視鏡を例に挙げて説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態を示す内視鏡の構成の概略を示す斜視図、図2は、図1の内視鏡の構成の概略を示すブロック図、図3は、側視型内視鏡の外周にマルチルーメンチューブを固定した状態を概略的に示す部分斜視図、図4は、図3のマルチルーメンチューブに固定されるノズルの先端側の変形例の形状を示す部分斜視図である。
【0019】
また、図5は、直視型内視鏡の外周にマルチルーメンチューブを固定した状態を概略的に示す部分斜視図、図6は、図5のマルチルーメンチューブに固定されたノズルの先端側の部分断面図、図7は、図6のノズルの先端側を、図6中のVI方向からみた図である。
【0020】
さらに、図8は、図1のスイッチ固定板の変形例を示す斜視図、図9は、図5のマルチルーメンチューブにノズルを挿入して固定する様子を示す部分斜視図であり、(a)は、マルチルーメンチューブに、ノズルが挿入される前の状態を示す部分斜視図であり、(b)は、マルチルーメンチューブに、ノズルが挿入された後の状態を示す部分斜視図である。
【0021】
図1に示すように、内視鏡1は、細長な挿入部2と、該挿入部2の挿入方向Sの後方(以下、単に後方と称す)に位置する操作部3とを具備している。
【0022】
挿入部2は、挿入方向Sの先端側(以下、単に先端側と称す)に設けられた先端部2sと、該先端部2sの挿入方向Sの基端側(以下、単に基端側と称す)に設けられた湾曲部2wと、該湾曲部2wの基端側に設けられた可撓管部2qとにより主要部が構成されている。また、先端部2sの先端には、既知の光学アダプタ21が装着されている。尚、光学アダプタ21は、先端部2sの先端に対して着脱自在である。
【0023】
操作部3の上面には、湾曲部2wを、例えば上下左右の4方向に湾曲させる指示を行う湾曲操作レバー4が設けられている。
【0024】
また、操作部3の側面には、クランク状に折り曲げられたスイッチ固定板5を介して、切換スイッチ7を有する図2に示す継手15が固定されている。
【0025】
具体的には、スイッチ固定板5の底部側は、操作部3の側面に固定されたブロック6に対してネジ等により固定されることにより、操作部3の側面に固定されており、スイッチ固定板5の上部側は、継手15に対してネジ等により固定されている。その結果、継手15は、スイッチ固定板5を介して操作部3の側面に固定されている。尚、継手15は、直接、操作部3の側面に固定されていても構わない。
【0026】
また、スイッチ固定板5は、図8のスイッチ固定板105に示すように、上部側に、操作部3のグリップ部が嵌入される空間105s及びグリップ部に係止される爪部105t1が形成されるよう上部側が複数回折り曲げられ、底部側に、ブロック6の底部側の隙間に嵌入されて係止される爪部105t2が形成されるよう底部が折り曲げられた形状に形成され、スイッチ固定板105の操作部に対向する面とは反対側の面に、継手15が固定される構成であっても構わない。
【0027】
このような形状を有するスイッチ固定板105は、操作部3のグリップ部が空間105s内に嵌入されるよう上部側でグリップ部を覆うとともに、該グリップ部に爪部105t1が係止され、底部側の爪部105t2がブロック6の底部側の隙間に嵌入されて係止された状態で、ブロック6に対してネジ等で固定される構成となっている。よって、このような構成を有するスイッチ固定板105は、図1に示す本実施の形態のスイッチ固定板5よりも操作部3に対する固定が強固となっている。
【0028】
図1に戻って、スイッチ固定板5に固定された継手15に、コネクタ13、14、16が設けられている。コネクタ13に、チューブ11を介して圧縮空気源12が接続されており、また、コネクタ14に、後述するノズル10の基端が接続されており、さらに、コネクタ16に、チューブ18を介して液体供給源9が接続されている。
【0029】
圧縮空気源12は、図2に示すように、チューブ11、コネクタ13、継手15、コネクタ14を介して、ノズル10に気体Aを供給するものである。また、図1、図2に示すように、継手15は、ノズル10に対する圧縮空気源12からの気体Aの供給遮断を切り換える切換スイッチ7を有している。
【0030】
よって、切換スイッチ7がオンのときは、圧縮空気源12からチューブ11、コネクタ13、継手15、コネクタ14を介して気体Aがノズル10に供給され、切換スイッチ7がオフのときは、ノズル10へは圧縮空気源12から気体Aが非供給な構成となっている。
【0031】
また、チューブ18の中途位置に、逆止弁17が介装されている。逆止弁17は、圧縮空気源12からノズル10に供給される気体Aが、コネクタ16、チューブ18を介して液体供給源9に供給されてしまい、チューブ18に対する液体供給源9の接続が外れてしまうのを防ぐ機能を有している。即ち、チューブ18内において、流体は、逆止弁17により、液体供給源9からコネクタ16へ向かう方向のみ流れるようになっている。
【0032】
液体供給源9は、図1、図2に示すように、例えば手動のシリンジポンプから構成されており、図1に示すように、操作部3のグリップ部に固定されたシリンジ固定板8に固定されている。液体供給源9は、シリンジ内の液体Wを、チューブ18、コネクタ16、継手15、コネクタ14を介してノズル10に供給するものである。尚、液体供給源9は、シリンジポンプ以外の手動のポンプから構成されていても構わない。
【0033】
図1に示すように、アダプタ21が先端部2sに装着されている場合には、アダプタ21と先端部2sとの少なくとも一方の外周には、シリコンやウレタン等の柔軟で滑り性の悪い部材から形成されたマルチルーメンチューブ(以下、単にチューブと称す)20が被覆されている(尚、図1は、チューブ20がアダプタ21の外周のみに被覆された図となっている)。尚、チューブ20は、アダプタ21の外周、またはアダプタ21及び先端部2sの外周に対して着脱自在である。
尚、チューブ20の取付位置は、アダプタ21が先端部2sに装着された内視鏡の場合、取付位置をアダプタ21側ではなく、挿入部2の先端側(アダプタ21の基端側)とすると、チューブ21を取り付けた状態のままアダプタ21の交換を容易に行うことができるので、アダプタ21を有する内視鏡では挿入部2の先端側(アダプタ21の基端側)を取付位置とすることが好ましい。
また、アダプタ21が非装着の際は、当然、チューブ20の取り付け位置は、挿入部2の先端側となる。
【0034】
具体的には、一方、図3に示すように、挿入部2の先端部2sの先端に、外周面部の一部に照明用レンズ22及び観察レンズ23が設けられた側視型のアダプタ21sが取り付けられている場合には、チューブ20は、アダプタ21の外周と先端部2sの外周とにまたがって被覆され、他方、図5に示すように、挿入部2の先端部2sの先端に、先端面に観察レンズ24が設けられた直視型のアダプタ21cが取り付けられている場合には、チューブ20は、アダプタ21の外周に被覆されている。
【0035】
言い換えれば、本実施の形態においては、チューブ20は、少なくともアダプタ21s、21cまたは、アダプタ21s及び先端部2sを覆う長さに形成されている。
【0036】
図2に示すように、チューブ20には、アダプタ21、またはアダプタ21及び先端部2s(以下、まとめて挿入体と称す)を挿通させるため、挿入体の外径よりも若干小径な第1の孔20h1と、該第1の孔20h1以外の複数の第2の孔20h2とが、挿入方向Sに沿って前後に貫通するよう形成されている。
【0037】
チューブ20の孔20h1を拡張して、孔20h1に、挿入体を挿通させることにより、チューブ20は、挿入体に対して固定される。尚、孔20h1が、挿入体よりも若干小径に形成されていることや、チューブ20がシリコンやウレタン等の滑り性の悪い部材から形成されていることにより、チューブ20が、第1の孔20h1に挿通された挿入体から滑落してしまうことが非接着にて防止されている。即ち、チューブ20が、孔20h1に挿通された挿入体に対して非接着にて固定されている。
【0038】
また、図2〜図5、図9(a)(b)に示すように、複数の孔20h2の内、1つの孔20h2には、内視鏡1の挿入部2の外周に沿って位置する、例えばテフロン(登録商標)やPTFE等により形成されたノズル10の先端側が挿通されて固定されている。即ち、孔20h2に対して、ノズル10の先端側が挿抜自在なことにより、チューブ20に対してノズル10が着脱自在となっている。
【0039】
ノズル10の先端側、特に孔20h2に挿通される部位は、孔20h2に形状に合わせて、内部の流路を塞ぐことなく平たく潰されて変形された形状を有している。
【0040】
ノズル10の先端側は、チューブ20がシリコンやウレタン等の滑り性の悪い部材から形成されていることにより、チューブ20の孔h2に対して非接着にて固定されている。即ち、孔20h2に対してノズル10の先端側が挿抜自在なことにより、チューブ20に対してノズル10の先端側が着脱自在となっている。
【0041】
尚、図9(a)(b)に示すように、ノズル10の孔20h2に挿入される部位に、流路を塞ぐことなく潰すことにより形成した複数の襞や、別途設けた突起等による凹凸部10pが形成されておれば、ノズル10の先端側を、孔20h2に対して凹凸部10pによってより強固に固定することができる。
【0042】
ノズル10は、液体供給源9から、チューブ18、コネクタ16、継手15、コネクタ14を介してノズル10の基端側に液体Wが供給され、切換スイッチ7がオンされ、圧縮空気源12からチューブ11、コネクタ13、継手15、コネクタ14を介して気体Aが供給された際、図5に示すような直視型のアダプタ21cの観察レンズ24または図3に示すような側視型のアダプタ21sの観察レンズ23に、先端から気体Aとともに液体Wを霧状に噴射することにより、レンズ23、24の汚れを除去し、その後、気体Aのみを噴射することにより、レンズ面の水分も吹き飛ばすものである。尚、液体供給源9から供給する液体Wの量を変えることで、霧状での状態を変えることができる。つまり、液体Wを多く供給すると、はじめに水分量を多く噴射してレンズ面の汚れを落とし、徐々に霧状になり、最後に気体Aで水分を吹き飛ばすことができるため、レンズ面を確実に洗浄することができる。
【0043】
ここで、一方、図3に示すように、挿入部2の先端部2sの先端に側視型のアダプタ21sが取り付けられている場合には、ノズル10の先端は、観察レンズ23よりも挿入方向Sの後方(以下、単に後方と称す)に位置している。
【0044】
また、上述したように、ノズル10の先端側は、平坦に潰されて変形された形状を有している、即ち、流路が絞られていることから、観察レンズ23に向けて、ノズル10の先端の開口から気体Aとともに液体W(以下、流体と称す)が、流速が速められて、勢い良く供給される構成となっており、気体Aまたは液体Wの単独供給では除去できない観察レンズ23に付着した汚物も容易に除去することができる構成となっている。
【0045】
尚、側視型のアダプタ21sの観察レンズ23に流体を供給する構成においては、ノズル10の先端側は、図4に示すように、流路径が他の部位よりも小さくなるよう流路が絞られた形状に形成されていても構わない。
【0046】
他方、図5に示すように、挿入部2の先端部2sの先端に直視型のアダプタ21cが取り付けられている場合には、孔20h2に挿通されたノズル10は、孔20h2の先端から突出され、ノズル10の先端が、観察レンズ24よりも前方に位置している。
【0047】
また、上述したように、ノズル10の先端側は、平たく潰されて変形された形状を有しているが、図5に示す先端部2sの先端に直視型のアダプタ21cが取り付けられている場合には、図6に示すように、観察レンズ24よりも前方において変形されたノズル10の先端側部位は、内部の流路10rが塞がれるよう、潰されて折り畳まれることによりさらに変形された形状を有している。
【0048】
即ち、ノズル10の先端に折り畳み部位10tが形成されており、該折り畳み部位10tによって、流路10rの先端が塞がれている。言い換えれば、流路10rの先端は、ただノズル10の先端側が潰されて折り畳まれることにより、非接着にて容易に塞がれている。
【0049】
また、図7に示すように、折り畳み部位10tには、ノズル10が潰されて折り畳まれることにより、径方向Rの外側に広がる張り出し部10bが形成されている。張り出し部10bは、ノズル10が孔20h2に挿通された状態で、チューブ20の先端面20z(図2参照)に係止されることにより、不意に孔20h2からノズル10が後方に抜去されてしまうことを防ぐ機能を有している。
【0050】
また、図6、図7、図9に示すように、ノズル10の先端側において、折り畳み部位10tよりも後方であって、観察レンズ24よりも前方位置に、流路10rに連通する噴射口10kが形成されている。
【0051】
噴射口10kは、液体供給源9から、チューブ18、コネクタ16、継手15、コネクタ14を介してノズル10の基端側に液体Wが供給され、切換スイッチ7がオンされ、圧縮空気源12からチューブ11、コネクタ13、継手15、コネクタ14を介して気体Aが供給された際、折り畳み部位10tによって、流路10rの先端が塞がれていることにより、流体を、観察レンズ24に向かって霧状に噴射するものである。
【0052】
尚、先端部2sの先端に、図3に示すような側視型のアダプタ21sが装着されている場合であっても、図5に示すように直視型のアダプタ21cが装着されている場合であってもどちらの場合でも、ノズル10は共通の部材から形成されている。即ち、先端側に折り畳み部位10tを形成すれば、直視アダプタ21c用となり、折り畳み部位10tを形成しなければ、側視アダプタ21s用となる。
【0053】
このように、本実施の形態においては、挿入体が孔20h1に挿通自在なことにより、挿入体の外周にチューブ20が着脱自在であり、また、チューブ20の孔20h2に、先端側が変形された形状を有するノズル10が挿抜自在なことにより、チューブ20にノズル10が着脱自在であると示した。
【0054】
このことによれば、例え汚物等により、ノズル10の流路10rが詰まってしまい、ノズル10の交換が生じたとしても、チューブ20の孔20h2から流路10rが詰まったノズル10の先端側を抜去し、再度、新しいノズル10の先端側を、孔20h2に挿入するのみでノズル10を交換することができることから、容易にノズル10の交換を行うことができる。
【0055】
また、直視型のアダプタ21cの観察レンズ24を洗浄する場合であっても、ノズル10の先端側に折り畳み部位10tを形成し、噴射口10kを形成するのみで、非接着にて容易に観察レンズ24洗浄用のノズルを作成することができる。
【0056】
以上より、観察レンズに流体を供給して観察レンズの汚れを除去するノズルを、容易に交換することができる構成を有する内視鏡1を提供することができる。
【0057】
尚、以下、変形例を、図10を用いて示す。図10は、図1のノズルの先端側の形状の変形例を示す図であり、(a)は、ガイドチューブの第2の孔に、ノズルを挿通させ、先端の噴射孔付き蓋で、ガイドチューブの第1の孔を塞いだ状態を示す図、(b)は、(a)のガイドチューブの第1の孔内に内視鏡を挿通させ、第1の孔の先端開口から内視鏡のアダプタを前方に突出させて蓋を開成し始めた状態を示す図、(c)は、(b)よりもアダプタを前方に突出させて、蓋を完全に開成させ、蓋の孔から気体とともに液体を観察レンズに噴射させた状態を示す図、(d)は、(a)〜(c)のノズルの先端側のみを示す図である。
【0058】
本実施の形態においては、孔20h1に挿入体が挿通され、孔20h2にノズル10の先端側が挿通されるチューブ20は、少なくともアダプタ21s、21cまたは、アダプタ21s及び先端部2sを覆う長さに形成されていると示したが、アダプタ21及び挿入部2全体を挿入方向Sに沿って覆う長さに形成されていても構わない。
【0059】
具体的には、図10に示すように、挿入方向Sに沿った複数の貫通孔を有するマルチルーメンチューブから構成された、アダプタ21及び挿入部2全体を挿入方向Sに沿って覆う長さに形成されたガイドチューブ30であっても構わない。
【0060】
より具体的には、図10(b)(c)に示すように、ガイドチューブ30は、アダプタ21及び挿入部2が挿通される、挿入方向Sに沿って形成された第1の孔30h1と、該孔30h1以外の挿入方向Sに沿って形成された、ノズル10’が挿通される第2の孔30h2とを有している。尚、図10においては、先端部2sに装着されるアダプタ21として、アダプタ21cを例に挙げて示している。
【0061】
ノズル10’は、上述したノズル10と同様に、先端側から観察レンズ24に流体を供給するものであり、図10(d)に示すように、先端に、噴射口10’kを有する蓋10’mが形成されている。尚、噴射口10’kは、ノズル10’の内部の流路に連通している。
【0062】
蓋10’mは、孔30h2にノズル10’が基端側から挿通された際、孔30h2の先端開口から突出される。この際、蓋10’mは、図10(a)に示すように、孔30h1の先端開口を塞ぐものである。尚、蓋10’mは、ノズル10’と一体的に形成されていても構わないし、ノズル10’の先端に別途、取り付けられていても構わない。
【0063】
また、蓋10’mは、図10(b)(c)に示すように、孔30h1の先端開口からアダプタ21cが突出された際、孔30h1の先端開口から開成できるよう構成されており、図10(c)に示すように完全に開成した状態において、噴射口10’kが、観察レンズ24よりも前方に位置する。
【0064】
よって、この図10(c)に示す状態において、観察レンズ24に流体が供給できるようになっている。
【0065】
このような構成によっても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。尚、図10に示すノズル10’は、本実施の形態に示したチューブ20の孔20h2にも挿通可能である。また、図10に示す構成は、先端部2sの先端に、側視型のアダプタ21sが装着された構成にも適用可能である。
【0066】
また、以下、別の変形例を、図11を用いて示す。図11は、図1のチューブに、滑落防止用のワイヤを固定した変形例を示す斜視図であり、(a)は、ワイヤの先端側をチューブに固定した状態を示す図であり、(b)は、(a)の状態からワイヤの基端側をコイルに固定した状態を示す図である。
【0067】
図11(a)に示すように、チューブ20に形成された複数の孔20h2において、ノズル10の先端側が挿通される孔以外の2つの孔を用いて、一方の孔の基端側から一方の孔内にワイヤ35を進入させ、該ワイヤ35を先端側から突出させた後、他方の孔の先端側から他方の孔内にワイヤ35を進入させて、図11(b)に示すように、ワイヤ35を基端側から突出させ、該突出させたワイヤ35の部位を、ワイヤの中途位置にカシメ部36にて固定することにより、ワイヤ35の先端をチューブ20に固定し、ワイヤ35の基端側を、挿入部2の外周を覆って弾性力により固定するコイル38に、カシメ部37により固定する。このことにより、内視鏡1は、挿入体から、チューブ20が滑落してしまうことを、ワイヤ35とコイル38によって防止する構成を有していても構わない。
【0068】
尚、コイル38は、周知のように、内部の空間が挿入部2の径よりも小さく形成されていることにより、一方向に捩って内部の空間が広げられて挿入部2の外周に被覆されることにより、コイル38が捩った一方向とは反対の他方向に回動することを利用して弾性力により挿入部2に対して固定されるものである。
【0069】
このような構成によれば、チューブ20の孔20h1から、挿入体が抜けてしまうことを、本実施の形態よりも確実に防止することができる。尚、その他の効果は、上述した本実施の形態と同様である。
【0070】
さらに、以下、別の変形例を、図12を用いて示す。図12は、本実施の形態とは異なる挿入体の外周に対してノズルを固定する変形例の構成を示す部分斜視図である。
【0071】
挿入部2の先端部2sの先端に、直視アダプタ21cが固定された構成においては、観察レンズ24に流体を供給するノズルを挿入体の外周に固定する場合、図12に示す構成によって固定しても構わない。
【0072】
具体的には、図12に示すように、本実施の形態のノズル10と同様の機能を有するノズル45の先端側は、内部の流路を確保した状態で、先端に流路の開口45vを有するよう、平坦に潰されており、該平坦に潰されたノズル45の先端側には、観察レンズ24に流体を供給する噴射口45kが形成されている。
【0073】
また、開口45vには、口金40から前方に延出した鍵部41のU字状に屈曲された先端部が嵌入される。尚、口金40内の空間40hには、ノズル45が遊嵌状態で挿通されるとともに挿入体が挿通される。
【0074】
その結果、鍵部41の先端部により開口45vは塞がれる。尚、空間40h内に挿通された挿入体は、口金40が滑り難い材料から形成されていることにより、口金40に対して固定される。
【0075】
よって、ノズル45の流路内を流れる流体は、噴射口45kから、口金40の空間40h内に挿通され挿入体の観察レンズ24に向けて噴射される。
【0076】
このような構成によっても、開口45vから鍵部41の先端を抜去し、空間40hからノズル45を引き抜くだけで、容易にノズル45の交換を行うことができる。
【0077】
また、以下、別の変形例を、図13を用いて示す。図13は、本実施の形態や図12とは異なる挿入体の外周に対してノズルを固定する変形例の構成を示す部分斜視図であり、(a)は、挿入体の外周に被覆されるキャップと該キャップの外周面に固定されたノズルを示す部分斜視図、(b)は、(a)のキャップを挿入体の外周に被覆させた状態を示す部分斜視図である。
【0078】
挿入部2の先端部2sの先端に、直視アダプタ21cが固定された構成においては、図13(a)に示すように、挿入方向Sに沿った全長に亘って平坦な形状を有するとともに、先端が径方向Rの内側に曲げられたノズル55が外周面に固定された、滑り難い材料から形成されたキャップ50の空間50h内に、図13(b)に示すように挿入部2を挿通させて、キャップ50をノズル55の先端が観察レンズ24よりも前方に位置するよう挿入体の外周に固定することにより、挿入体の外周に、上述したノズル10と同様の機能を有するノズル55を固定する構成であっても構わない。
【0079】
よって、ノズル55の流路内を流れる気体A及び液体Wは、ノズル55の曲げられた先端から、キャップ50の空間50h内に挿通されたアダプタ21cまたは挿入部2の観察レンズ24に向けて噴射される。
【0080】
このような構成によっても、挿入部2の外周からキャップ50を取り外すだけで、容易にノズル55の交換を行うことができる。
【0081】
以下、別の変形例を、図14を用いて示す。図14は、被検部位に、気体とともに水の他、蛍光液、現像液を供給する構成の概略を示すブロック図である。
【0082】
本実施の形態においては、ノズル10の先端から被検部位へと供給される液体Wは、1種類であったが、内視鏡は、複数種類の液体を供給する構成を有していても良い。以下、複数種類の液体をノズルから供給する構成を、図14を用いて示す。尚、以下、図2と同じ構成は、同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0083】
図14に示すように、継手15のコネクタ16には、チューブ18を介して、弁体60が接続されており、弁体60のコネクタ60aには、チューブ57を介して、水が入ったシリンジ64が接続され、弁体60のコネクタ60bには、チューブ58を介して、蛍光液が入ったシリンジ65が接続され、弁体60のコネクタ60cには、チューブ59を介して、現像液の入ったシリンジ66が接続されている。
【0084】
尚、チューブ57〜59の中途位置には、上述した逆止弁17と同様の機能を有する逆止弁61〜63がそれぞれ介装されている。
【0085】
このような構成によれば、被検部位に蛍光液を供給して、被検部位の傷内部に蛍光液を浸透させた後、被検部位に洗浄液を供給して、傷内部に浸透した蛍光液以外を除去し、さらに、被検部位に現像液を供給することにより、蛍光液を浮かび上がらせて、暗所にて紫外線を被検部位に照射する既知の蛍光観察を行う場合、先ず、シリンジ65からノズル10内に蛍光液を供給して、圧縮空気源12から気体Aをノズル10に供給することにより、被検部位の傷にノズル10から蛍光液を供給する。その後、傷内部に浸透した蛍光液以外を除去する際は、シリンジ64からノズル10内に水を供給して、圧縮空気源12から気体Aをノズル10に供給する。最後に、傷に浸透した蛍光液を浮かび上がらすため、現像液を供給する際は、シリンジ66からノズル10内に現像液を供給して、圧縮空気源12から気体Aをノズル10に供給する。このことにより、1つの内視鏡により、被検部位に、水、蛍光液、現像液の3つの液体を供給することができ、蛍光観察を行うことができる。
【0086】
このように、ノズル10から複数種類の液体を供給できる構成を、内視鏡は有していても構わない。尚、図14においては、蛍光観察を行うため、ノズル10から蛍光液、現像液を供給する構成を示したが、その他の複数種類の液体をノズル10から供給する構成に適用しても構わないということは勿論である。
【0087】
また、図14では、先端部2sの先端に、直視型のアダプタ21cが装着された構成を例に挙げて示しているが、側視型のアダプタ21sが装着された構成にも適用できるということは勿論である。
【0088】
尚、以下、別の変形例を、図15を用いて示す。図15は、液体供給源が、液体を自動的に供給するポンプとポンプ制御部とから構成された変形例の構成の概略を示すブロック図である。
【0089】
上述した本実施の形態においては、液体供給源9は、手動のシリンジポンプまたは手動のシリンジポンプ以外のポンプから構成されていると示したが、自動のポンプから構成されていても構わない。以下、自動ポンプの構成を、図15を用いて示す。尚、以下、図2と同じ構成は、同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0090】
図15に示すように、継手15のコネクタ16には、チューブ73を介して、ロータリーポンプ等のポンプ70が接続されており、該ポンプ70には、チューブ71を介して、水が注入されたタンク72が接続されているとともに、ポンプ70の動作を制御するスイッチ77を有するポンプ制御部74が接続されている。
【0091】
このような構成によれば、スイッチ77がオンされている間は、ポンプ制御部74の駆動制御により、ポンプ70は駆動し、タンク72内の水を、チューブ71、73、コネクタ16、継手15、コネクタ14を介してノズル10に供給することができるため、スイッチ7のオンにより圧縮空気源12から供給された気体Aとともに、水をノズル10から観察レンズ24へと自動的に供給することができる。
または、スイッチ77をオンすることで、ポンプ70を一定時間だけ駆動するよう制御することにより、ポンプ70から水を定量注入することができる。
【0092】
尚、図15では、先端部2sの先端に、直視型のアダプタ21cが装着された構成を例に挙げて示しているが、側視型のアダプタ21sが装着された構成にも適用できるということは勿論である。
【0093】
また、以下、別の変形例を、図16を用いて示す。図16は、本実施の形態や図12、図13とは異なる挿入体の外周に対してノズルを固定する変形例の構成を示す部分斜視図であり、(a)は、挿入体の外周に被覆されるノズルが固定されるキャップ及びコイルを、外チューブとともに示す斜視図、(b)は、(a)のノズル及びキャップの先端側の断面図である。
【0094】
図16(a)に示すように、空間82h内に、挿入体が挿通されることにより、挿入体の外周に被覆されるキャップ82の基端側には、上述した図11において示した先端部2sの外周に被覆されるコイル38が接続されている。尚、本構成のキャップ82は、空間82hに挿通された挿入体の抜け止めのために、シリコン等の滑り難い材料から形成される必要は無い。これは、コイル38を介してキャップ82は、挿入体の外周に固定されるためである。
【0095】
キャップ82の外周面の一部に、内部の空間82hに連通する2つの切り欠き82t1、82t2が形成されている。尚、切り欠き82t2は、切り欠き82t1よりも前方に位置している。
【0096】
上述したノズル10は、図16(b)に示すように、基端側から、先ずノズル10の先端側を、切り欠き82t1を介して空間82h内に進入させ、その後、前方の切り欠き82t2を介して空間82h外へと突出させ、上述したように、折り畳み部位10tを形成した後、折り畳み部位10tより先端側の部位を、再度切り欠き82t2を介して空間82h内に進入させ、その後、後方の切り欠き82t1を介して空間82h外に突出させることにより、キャップ82に固定される。
【0097】
この固定位置において、ノズル10の先端は、キャップ82の先端から前方に飛び出て位置し、キャップ82内に挿通された挿入体のレンズ24に対して、噴射口10kから流体が供給される。
【0098】
尚、各切り欠き82t1、82t2に対するノズル10の進入は、空間82h内に挿入体を挿通させた後に行われる。これは、各切り欠き82t1、82t2に対するノズル10の進入が先だと、空間82hに対する挿入体の挿通後、ノズル10が挿入体に押されて絡まってしまう可能性があるためである。
【0099】
また、ノズル10の固定後、挿入部2に被覆された外チューブ80が、該外チューブ80の先端がキャップ82の基端側の外周に位置するまで被覆される。即ち、キャップ82よりも後方の内部は、外チューブ80によって隠される。尚、外チューブ80は、湾曲部2wの湾曲を阻害することがないよう、柔軟な材料から形成されていることが好ましい。
【0100】
このような構成によれば、アダプタ21cまたは先端部2sからキャップ82及びコイル38を取り外し、キャップ82の各切り欠き82t1、82t2から、ノズル10を抜き取るのみで、容易にノズル10の交換を行うことができる。
【0101】
尚、図16においては、キャップ82の空間82h内に直視型のアダプタ21cが挿通される場合を例に挙げて示したが、側視型のアダプタ21sが挿通される場合に本構成を適用しても構わない。この場合、キャップ82の各切り欠き82t1、82t2には、折り畳み部位10tの無い、ノズル10の先端側が平たく潰された図3に示したノズル10が進入されて固定される。
【0102】
また、以下、別の変形例を、図17を用いて示す。図17は、本実施の形態や図12、図13、図16とは異なる挿入体の外周に対してノズルを固定する変形例の構成を示す部分斜視図である。
【0103】
図17に示すように、挿入体の外周には、内部の空間93hに挿入体が挿通されることによって先端口金93が装着自在となっており、先端口金93の基端側には、挿入部2の外周に被覆される、外チューブ90の先端が糸巻き接着部95によって固定されている。
【0104】
尚、外チューブ90は、湾曲部2wの湾曲を邪魔することがないよう、柔らかい材料、具体的には、発泡状のフッ素チューブやウレタンチューブ、シリコンチューブ等から形成されている。
【0105】
外チューブ90の内部の空間90hには、例えばテフロン(登録商標)、PTFE等から形成された、内部の空間92hに挿通された挿入部2の外周を被覆する内チューブ92が挿通されている。尚、内チューブ92は、先端が外チューブ90の挿入方向Sの中途位置に位置するよう内部の空間90hに挿通されている。
【0106】
さらに、ノズル10は、挿入部2の外周に内チューブ92が被覆されている領域においては、内チューブ92と外チューブ90と間に形成された空間90hに挿通されており、外チューブ90のみ被覆されている領域においては、挿入部2と外チューブ90との間に形成された空間90hに挿通され、先端が、先端口金93の先端から前方に飛び出るよう位置している。尚、ノズル10は、先端口金93に保持されるアダプタ21cの観察レンズ24に向けて、噴射口10kから流体を噴射する。
【0107】
また、ノズル10は、先端側が、糸巻き接着部95により、先端口金93の外周に、外チューブ90の先端側とともに固定されている。
【0108】
このような構成によれば、糸巻き接着部95を取り外し、外チューブ90内の空間90hからノズル10を引き抜くだけで、容易にノズル10の交換を行うことができる。
【0109】
尚、上述した図1〜図17の構成においては、挿入部2の先端部2sの先端に、アダプタ21が着脱自在な内視鏡を例に挙げて説明したが、これに限らず、アダプタ21が非装着の場合であっても、図1〜図17の構成が適用可能であるということは勿論である。即ち、この場合、挿入体は、挿入部2の先端側のみから構成されることとなる。
【符号の説明】
【0110】
1…内視鏡
2…挿入部
3…操作部
7…切換スイッチ
9…液体供給源
10…ノズル
10b…張り出し部
10k…噴射口
10p…凹凸部
10t…折り畳み部位
11…チューブ
12…圧縮空気源
17…逆止弁
18…チューブ
20…マルチルーメンチューブ
20h1…第1の孔
20h2…第2の孔
20z…チューブの先端面
21…アダプタ
21c…直視用アダプタ
21s…側視用アダプタ
23…観察レンズ
24…観察レンズ
35…ワイヤ
38…コイル
A…気体
R…径方向
S…挿入方向
W…液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長な挿入部と、該挿入部よりも挿入方向後方に位置する操作部とを具備する内視鏡であって、
前記挿入部の前記挿入方向の先端にアダプタが装着されている場合は、前記挿入部の前記挿入方向の先端側の外周と前記アダプタの外周とのいずれかに対して着脱自在であり、前記挿入部の前記先端に前記アダプタが非装着の場合は、前記挿入部の前記挿入方向の先端側の外周に着脱自在なマルチルーメンチューブと、
前記マルチルーメンチューブに形成された、前記アダプタが装着されている場合は前記挿入部と前記アダプタとの少なくとも一方が挿通され、前記アダプタが非装着の場合は、前記挿入部が挿通される、前記挿入方向に沿って形成された第1の孔と、
前記マルチルーメンチューブに形成された、前記第1の孔以外の前記挿入方向に沿って形成された第2の孔と、
前記挿入部の外周において前記挿入方向に沿って位置する、前記第2の孔に前記挿入方向の先端側が挿通されることにより該先端側が前記マルチルーメンチューブに固定された、前記アダプタが装着されている場合には前記アダプタの前記挿入方向の先端側に設けられ、前記アダプタが非装着の場合には前記挿入部の前記先端側に設けられた観察レンズに対し、前記挿入方向の先端から気体とともに液体を噴射する、前記先端が他の部位とは異なる変形形状を有するノズルと、
前記ノズルに気体を供給する圧縮空気源と、
前記ノズルに液体を供給する液体供給源と、
前記操作部に設けられた、前記ノズルに対する前記圧縮空気源からの前記気体の供給遮断を切り換える、前記ノズルの前記挿入方向基端側に固定された切換スイッチと、
を具備していることを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記観察レンズは、前記アダプタが装着されている場合には前記アダプタの前記先端側の外周側面に設けられ、前記アダプタが非装着の場合には前記挿入部の前記先端側の外周側面に設けられており、
前記ノズルの前記先端は、前記観察レンズよりも前記挿入方向後方に位置しているとともに、前記ノズルの前記先端側は、流路を塞ぐことなく平たく潰されて変形された形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記観察レンズは、前記アダプタが装着されている場合には前記アダプタの前記先端側の先端面に設けられており、前記アダプタが非装着の場合には前記挿入部の前記先端側の先端面に設けられており、
前記ノズルの前記先端側は、流路を塞ぐことなく平たく潰されて変形された形状を有しているとともに、前記観察レンズよりも前記挿入方向前方において、前記ノズルの流路が塞がれるよう折り畳まれることにより変形された形状を有しており、
前記ノズルにおける折り畳み部位よりも前記挿入方向後方であって前記観察レンズよりも前記挿入方向前方位置に、前記観察レンズに前記気体とともに前記液体を供給する噴射口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記折り畳み部位に、前記ノズルの径方向外側に広がる張り出し部が形成されており、
前記張り出し部は、前記マルチルーメンチューブの前記挿入方向の先端面に係止されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記ノズルの前記第2の孔に挿入される部位に凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記マルチルーメンチューブは、前記アダプタが装着されている場合には少なくとも前記挿入部の前記先端側と前記アダプタの前記先端側との少なくとも一方を覆う長さに形成され、前記アダプタが非装着の場合には少なくとも前記挿入部の前記先端側を覆う長さに形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項7】
一端が前記マルチルーメンチューブに固定され、他端が前記挿入部の前記先端側の外周を覆うコイルに固定されたワイヤをさらに具備していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記圧縮空気源及び前記液体供給源は、前記切換スイッチにそれぞれチューブを介して固定されており、
前記切換スイッチと前記液体供給源とを繋ぐ前記チューブの中途位置に、前記圧縮空気源から、該圧縮空気源に接続された前記チューブを介して前記切換スイッチに供給された前記気体が前記液体供給源に供給されてしまうことを防止する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記液体供給源は、手動のシリンジポンプであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の内視鏡。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate