内部に存在する各セルのうち一部に固体が充填されたトラスタイプの周期的な多孔質材料
本発明は、内部に存在する各セルのうち一部に固体が充填された3次元トラスタイプの周期的な多孔質材料に関するもので、トラス形態の周期的な多孔質材料に圧縮やせん断荷重が加えられたときに発生しやすいトラス要素の坐屈を防止できるように、内部に存在する各セルのうち一部に金属、セラミックス、合成樹脂やその複合材などを充填して固形化させたものに関するものである。これによると、トラスタイプの周期的な多孔質材料の内部に存在する各セルのうち一部に固体を充填することによって、圧縮荷重やせん断荷重が作用するとしてもトラス要素に坐屈が容易に発生せず、坐屈が発生するとしても、急激な強度低下を防止することによって構造材としての安定性を充分に確保することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量多孔質材料に関するもので、より詳細には、トラスタイプの周期的な多孔質材料に存在する各内部セルのうち一部に固体を充填することによってトラス要素の坐屈を最大限に抑制し、坐屈が発生した場合にも、坐屈発生後の急激な強度低下を防止することによって構造材としての安定性を充分に確保できるようにした、内部に存在する各セルのうち一部に固体が充填されたトラスタイプの周期的な多孔質材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、多孔質材料は、内部に数多くの小さいセルを有することによって、軽くかつ相対的に強度の高い材料をいう。
【0003】
このような多孔質材料としては、発泡樹脂、発泡金属、焼結セラミックスなどを挙げることができ、多孔質材料は、これら内部の各セルが互いに通じているかどうかによって開放型と閉鎖型に分類され、多様な産業分野で活発に活用されている。
【0004】
そのうち内部セルの大きさ、形態及び配置が均一な材料を周期的な多孔質材料(Periodic Cellular Materials)という。
【0005】
最近、新しい周期的な多孔質材料としてトラス形態を有するものが紹介されている(H.N.G.Wadley,N.A.Fleck,A.G.Evans,2003,Composite Science and Technology,Vol.63,pp.2331〜2343)。
【0006】
特に、精密な計算を通して最適の強度を有するように設計されたトラス構造は、ハニカム格子とほぼ同じ機械的物性を有しながら内部が開放されており、空間を活用できるという利点を有する。
【0007】
さらに、最も一般的なトラス形態は、図1に示すようなピラミッド(Pyramid)トラスであるが、このピラミッドトラスは、通常、4個の正三角形格子が傾斜面をなし、正方形格子が下面(又は上面)をなすように構成されており、四角形状の板構造物を製造するのに有利である。
【0008】
また、他のトラス構造として、図1に示すような正四面体と正八面体が組み合わされた形態のオクテット(Octet)トラス(R.Buckminster Fuller,1961,US Patent2,986,241)を挙げることができるが、この構造では、各要素が互いに正三角形をなす。
【0009】
更に他のトラス構造として、カゴメ(Kagome)トラス(S.Hyun,A.M.Karlsson,S.Torquato,A.G.Evans,2003,Int J.of Solids and structures,Vol.40,pp.6989―6998)を挙げることができるが、これは、21世紀に入ってオクテットトラスを変形することによって完成したものである。
【0010】
図1に例示したカゴメトラスは、ピラミッドトラス及びオクテットトラスに比べて方向による構造の剛性変化が少なく、坐屈に対する抵抗性、坐屈後の変形の安定性、エネルギー吸収能力などに優れたものと知られている。
【0011】
一方、ワイヤは、大量生産、加工及び高強度を容易に実現する。ワイヤの望ましい例としてはピアノ線を挙げることができる。最近は、このようなワイヤの特性を考慮した上で、ワイヤを素材にしたトラス形態の周期的な多孔質材料を製作する方法が開示された。
【0012】
例えば、大韓民国登録特許第0566729号、第0633657号、第0700212号、第0767186号、特許出願第2006―0119233号などは、いずれもワイヤを素材にして周期的な多孔質材料を製作する方法に関するもので、図2〜図6は、前記開示した各技術による周期的な多孔質材料の形状を示している。
【0013】
ところが、前記提示されたトラス形態の周期的な多孔質材料は、これらに圧縮やせん断などの荷重が作用する場合、これを構成するトラス要素の坐屈によって多孔質材料自体が破損する場合が多い。
【0014】
特に、トラス要素の細長比が高いか、ワイヤの素材がピアノ線のように高強度金属や複合材料に使用される高強度繊維又は繊維強化樹脂である場合、弾性坐屈が発生しやすいが、この場合、坐屈発生後に強度が急激に減少する傾向があり、これを素材にしてトラス形態の周期的な多孔質材料を製造する場合、構造材として必要な安定性が低下し、変形によるエネルギー吸収量も減少する。
【0015】
すなわち、登録特許第0708483号と特許出願第2006―0119233号に開示したワイヤで組み立てられる多孔質材料の場合、トラス要素が屈曲されており、より坐屈に脆弱になる可能性が大きいので、これを補完する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上述したような従来技術の多くの限界を勘案した上で、これを解決するためになされたもので、トラスタイプの周期的な多孔質材料の内部に存在する各セルのうち一部に固体を充填することによって、圧縮荷重やせん断荷重が作用するとしてもトラス要素に坐屈が容易に発生せず、坐屈が発生するとしても、急激な強度低下を防止することによって構造材としての安定性を充分に確保できるようにした、内部に存在する各セルのうち一部に固体が充填されたトラスタイプの周期的な多孔質材料を提供することを主な解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上述した解決課題を達成するための手段として、内部に多数のセルが周期的に形成された3次元トラスタイプの多孔質材料において、前記多数のセルのうち一部に固体が充填されたことを特徴とする3次元トラスタイプの周期的な多孔質材料を提供する。
【0018】
このとき、前記各セルは、同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態であるか、又は互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態であることが望ましい。
【0019】
特に、前記同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態に充填される固体は、一つずつスキップした各セルに交互に注入されて充填されることがより望ましい。
【0020】
そして、前記同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態は、正六面体トラスであってもよい。
【0021】
その一方、前記互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態に充填される固体は、互いに異なる二つの大きさのセルのうち小さい大きさのセルのみに充填されることが望ましい。
【0022】
このとき、前記互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態は、ピラミッドトラス、オクテットトラス、カゴメトラス、ワイヤで織造された類似カゴメトラス、ワイヤで織造された類似オクテットトラスから選択されたいずれか一つであることが望ましい。
【0023】
さらに、前記固体は、はんだ付けやろう付け用ペースト溶融物が固形化されたもの、又は液状の合成樹脂や金属が固形化されたもののうちいずれか一つであることが望ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る内部に存在する各セルのうち一部に固体が充填された多孔質材料は、次のような効果を有する。
【0025】
第一に、トラス形態の周期的な多孔質材料に圧縮やせん断などの荷重が作用する場合に発生するトラス要素の坐屈を抑制し、坐屈発生後にも、急激な強度低下を抑制することによって構造材として必要な安定性を高め、変形によるエネルギー吸収量を増加させる。
【0026】
第二に、内部セルのうち一部のみに固体を充填する場合にも、トラスを構成する全てのトラス要素を拘束することができ、トラス要素の坐屈抑制を極大化しながら内部多孔性も維持することができる。
【0027】
第三に、トラス形態の周期的な多孔質材料を製造するとき、はんだ付け、ろう付け、樹脂接合などの単純かつ既に確立された技術を使用することによって生産費用が節減され、大量生産が容易になる。
【0028】
第四に、内部の一部のセルを固体で充填する方法として、3次元トラス形態に製造した後、液体状態の合成樹脂や金属に浸してから取り出し、液体の重さ、粘度及び毛細管現象などの作用によって内部セルのうち小さいもののみに液体が残るようにし、自然又は強制に冷却したり、熱を加えることによって合成樹脂や金属を固体化する方法は、生産費用や大量生産性の面でより有利である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】それぞれピラミッド、オクテット及びカゴメトラスの1層構造を示した例示的な斜視図である。
【図2】登録特許第0566729に開示されたワイヤを素材にして製作された多層構造の類似オクテットトラス形態の周期的な多孔質材料を示す斜視図である。
【図3】登録特許第0633657号に開示されたワイヤを素材にして製作された1層構造の類似オクテットトラス形態の周期的な多孔質材料を示す斜視図である。
【図4】登録特許第0700212号に開始されたコイルスプリング状に成形されたワイヤを素材にして製作された1層構造のトラス形態の周期的な多孔質材料を中間材として備えるサンドイッチ板材の斜視図である。
【図5】登録特許第0767186号によるワイヤを素材にして製作されたトラス形態の周期的な多孔質材料を下部パネル上に配置した状態を示す斜視図である。
【図6】特許出願第2006―0119233号に開示されたワイヤを素材にして製作された多層構造の類似カゴメトラス形態の周期的な多孔質材料を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る多孔質材料である正六面体トラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図8】本発明に係る多孔質材料であるピラミッドトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図9】本発明に係る多孔質材料であるオクテットトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図10】本発明に係る多孔質材料であるカゴメトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図11】本発明に係る連続したワイヤで構成された類似カゴメトラス構造体の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図12】本発明に係る多孔質材料の製造方法を例示するフローチャートである。
【図13】本発明に係る多孔質材料の製造方法を例示するフローチャートである。
【図14】本発明に係る多孔質材料の製造方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、添付の図面を参考して本発明に係る好適な実施例をより詳細に説明する。
【0031】
本発明は、3次元トラス形態の周期的な内部の各セルのうち一部に固体が充填された構造を有する多孔質材料を提供する。
【0032】
このとき、前記トラス形態の周期的な各内部セルのうち一部に充填される固体は、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂、金属、セラミックス、その複合材などになり得る。
【0033】
この場合、前記はんだ付けやろう付け用ペーストは、各セルのうち一部に注入される方式で充填された後、熱によってペースト内部の溶加材(Filler Metal)が溶けることにより、セルに充填される形態で固形化されることが望ましい。
【0034】
さらに、前記液状の合成樹脂又は金属は、各セルのうち一部に注入される方式で充填された後、一定時間の経過とともに自然に固形化されてもよく、又は、冷却したり、熱を加えることによって強制に固形化されてもよい。
【0035】
特に、カゴメトラスのように多孔質材料内部のセルの大きさが互いに異なる二つで構成されている場合は、前記3次元トラス形態の多孔質材料をこれら液状の合成樹脂又は金属に浸してから取り出す方式で一部のセルに液状の合成樹脂又は金属を充填することができる。このとき、液体状態をなす合成樹脂又は金属の粘度、密度、表面張力、トラス要素をなす物質との親和性、毛細管現象などを適宜利用し、内部の多くのセルのうち小さいもののみに液状の合成樹脂又は金属を充填されるように誘導することができ、充填後には自然冷却、強制冷却又は加熱による固形化が可能である。
【0036】
このように3次元トラス形態の周期的なセルを有する多孔質材料の一部のセルに上述した形態の固体を充填する方式は、次のような形態を有することができる。
【0037】
このとき、前記各セルは、同一大きさのセルが周期的に繰り返して形成された形態になってもよく、又は、互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態になってもよい。
【0038】
ここで、互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態である場合は、相対的により小さい大きさのセルに前記固体が充填されることが望ましい。
【0039】
[第1の実施例]
【0040】
図7は、本発明に係る多孔質材料である正六面体トラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0041】
図7によると、本発明の第1の実施例は、固体200が充填される方式において、正六面体トラス形態の各内部セル100のうち一つずつスキップした上下左右のセルに交互に充填される形態の充填構造を有する。
【0042】
この場合、元々正六面体トラスは構造的安定性が非常に低い構造であるが、充填された固体200によって全てのトラス要素が拘束されるので、トラス要素自体の坐屈が抑制されるだけでなく、構造体全体の安定性が画期的に高くなる。
【0043】
その一方、全体のセル100のうち1/4が固体200で充填されるようになり、多孔率はその分だけ減少する。
【0044】
そして、前記セル100に充填される固体200は、上述したように、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂や金属であることが望ましく、注入方式で充填されることがより望ましい。
【0045】
[第2の実施例]
【0046】
図8は、本発明に係る多孔質材料であるピラミッドトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0047】
図8によると、本発明の第2の実施例は、ピラミッドトラス形態を構成するピラミッド体と正四面体のセル100のうち正四面体のセルのみに固体300が充填された形態を有する。
【0048】
これにより、全てのトラス要素が拘束されるので、トラス要素自体と構造体全体の安定性が画期的に高くなる。
【0049】
その一方、各内部セル100の全体の体積のうち約1/3が固体300で充填されるようになり、多孔率はその分だけ減少する。
【0050】
さらに、前記セル100に充填される固体300も、上述したように、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂や金属であることが望ましく、注入方式で充填されることがより望ましい。
【0051】
[第3の実施例]
【0052】
図9は、本発明に係る多孔質材料であるオクテットトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0053】
図9によると、本発明の第3の実施例は、オクテットトラス形態を構成する正八面体と正四面体のセル100のうち正四面体のセルのみに固体400が充填された形態を有する。
【0054】
これにより、全てのトラス要素が拘束されるので、トラス要素自体と構造体全体の安定性が画期的に高くなる。
【0055】
その一方、各内部セル100の全体の体積のうち約1/3が固体400で充填されるようになり、多孔率はその分だけ減少する。
【0056】
この場合も、前記セル100に充填される固体400は、上述したように、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂や金属であることが望ましく、注入方式で充填されることがより望ましい。
【0057】
ここで、オクテットトラス形態の他の変形可能な実施例として、製造された多孔質材料が類似正八面体と類似正四面体を有するワイヤで構成された類似オクテットトラス形態である場合、固体が類似正四面体のセルのみに注入される形態を有するように構成することもできる。
【0058】
[第4の実施例]
【0059】
図10は、本発明に係る多孔質材料であるカゴメトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0060】
図10によると、本発明の第4の実施例は、カゴメトラスを構成する八面体と正四面体のセル100のうち正四面体のセルのみに固体500が充填された形態を有する。
【0061】
これにより、全てのトラス要素が拘束されるので、トラス要素自体と構造体全体の安定性が画期的に高くなる。
【0062】
このとき、本発明の第4の実施例の場合は、各内部セル100の全体の体積のうち約1/24のみが固体500で充填されるので、多孔率の減少は、上述した第1、第2及び第3の実施例の場合に比べて最小化される。
【0063】
前記セル100に充填される固体500は、上述したように、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂又は金属であることが望ましく、注入方式で充填されることがより望ましい。
【0064】
[第5の実施例]
【0065】
図11は、本発明に係る連続したワイヤで構成された類似カゴメトラス構造体の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0066】
図11によると、本発明の第5の実施例は、登録特許第0708483号と特許出願第2006―0119233号に開示されている、連続したワイヤで構成された類似カゴメトラス構造体の各内部セル100のうち正四面体と類似したセルに固体600が充填された形態を有する。
【0067】
このとき、トラス要素の役割をするワイヤが屈曲されているので、特に固体600が充填される前の状態では坐屈に脆弱であるが、固体500の充填によって坐屈を大きく抑制できるようになる。
【0068】
特に、この構造体をワイヤを用いて組み立てた後、固体600を充填する方法としては、上述したように、はんだ付け、ろう付け、樹脂接合などを使用できるが、これを用いると、ワイヤ同士を接合するための別途の過程を省略できるようになる。
【0069】
上述したような各実施例に示された構造からなる本発明の多孔質材料は、次のように製造される。
【0070】
例えば、充填される固体がはんだ付けやろう付け用ペーストである場合は、図12のフローチャートに例示したように、まず、内部に多数のセルを有する3次元トラス形態の多孔質材料を製造する段階が行われる(S100)。
【0071】
前記多孔質材料製造段階(S100)を通して3次元トラス形態の多孔質材料が準備されると、続いて、第1の実施例〜第5の実施例のうちいずれか一つの形態を有するように、はんだ付けやろう付け用ペーストを内部に存在する各セルのうち一部に注入する段階が行われる(S110)。
【0072】
前記注入段階(S110)を通してはんだ付けやろう付け用ペーストが多孔質材料の各セルの適所に注入されると、続いて、熱を加えることによって前記はんだ付けやろう付け用ペーストを溶融させる段階が行われる(S120)。
【0073】
このとき、前記溶融段階で加えられる熱は、はんだ付けやろう付け用ペースト内部の溶加材を溶融させるようになり、溶融した溶加材は該当のセルに充分に充填されるようになる。
【0074】
この状態で、セルを自然又は強制に冷却して固形化させる冷却段階(S130)が行われることによって、本発明で要求する坐屈に対する対抗力の大きい3次元トラス形態の軽量構造体であり、かつ内部に周期的なセルを有する多孔質材料を完成できるようになる。
【0075】
一方、充填される固体が液状の合成樹脂や金属である場合は、図13のフローチャートに例示したように、まず、内部に多数のセルを有する3次元トラス形態の多孔質材料を製造する段階が行われる(S200)。
【0076】
前記多孔質材料製造段階(S200)を通して3次元トラス形態の多孔質材料が準備されると、続いて、第1の実施例〜第5の実施例のうちいずれか一つの形態を有するように、液状の合成樹脂又は金属を内部に存在する各セルのうち一部に注入する段階が行われる(S210)。
【0077】
前記注入段階(S210)を通して液状の合成樹脂又は金属が多孔質材料の各セルの適所に注入されると、続いて、自然又は強制冷却によってこれら溶融物を固形化させる冷却段階が行われる(S220)。
【0078】
このような段階を通して、本発明で要求する坐屈に対する対抗力の大きい3次元トラス形態の軽量構造体であり、かつ内部に周期的なセルを有する多孔質材料を完成できるようになる。
【0079】
その一方、カゴメトラスのような多孔質材料である場合、内部に存在する各セルの大きさが互いに異なるように形成された場合は、図14のフローチャートに例示したように、まず、カゴメトラス構造の多孔質材料を製造する段階(S300)と、製造されたカゴメトラス構造の多孔質材料を液状の合成樹脂又は金属が収容された浴槽に浸漬する段階(S310)と、一定時間の経過後、浴槽から多孔質材料を取り出した後、残留する液状の合成樹脂又は金属を硬化させる段階(S320)とを経て小さいセルの内部に固体を容易に充填することもできる。
【0080】
この場合、上述したように、浸漬時に液状の合成樹脂又は金属が選択的に各セルの内部に充填されることは、これら液状の合成樹脂又は金属の物性(粘度、密度、表面張力、毛細管現象及びカゴメトラス構造をなす物質との親和性)によって可能である。
【0081】
以上の説明は、本発明を説明するために例示されたものに過ぎなく、本発明の目的を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能であることは当然である。
【符号の説明】
【0082】
100 セル
200 固体
300 固体
400 固体
500 固体
600 固体
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量多孔質材料に関するもので、より詳細には、トラスタイプの周期的な多孔質材料に存在する各内部セルのうち一部に固体を充填することによってトラス要素の坐屈を最大限に抑制し、坐屈が発生した場合にも、坐屈発生後の急激な強度低下を防止することによって構造材としての安定性を充分に確保できるようにした、内部に存在する各セルのうち一部に固体が充填されたトラスタイプの周期的な多孔質材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、多孔質材料は、内部に数多くの小さいセルを有することによって、軽くかつ相対的に強度の高い材料をいう。
【0003】
このような多孔質材料としては、発泡樹脂、発泡金属、焼結セラミックスなどを挙げることができ、多孔質材料は、これら内部の各セルが互いに通じているかどうかによって開放型と閉鎖型に分類され、多様な産業分野で活発に活用されている。
【0004】
そのうち内部セルの大きさ、形態及び配置が均一な材料を周期的な多孔質材料(Periodic Cellular Materials)という。
【0005】
最近、新しい周期的な多孔質材料としてトラス形態を有するものが紹介されている(H.N.G.Wadley,N.A.Fleck,A.G.Evans,2003,Composite Science and Technology,Vol.63,pp.2331〜2343)。
【0006】
特に、精密な計算を通して最適の強度を有するように設計されたトラス構造は、ハニカム格子とほぼ同じ機械的物性を有しながら内部が開放されており、空間を活用できるという利点を有する。
【0007】
さらに、最も一般的なトラス形態は、図1に示すようなピラミッド(Pyramid)トラスであるが、このピラミッドトラスは、通常、4個の正三角形格子が傾斜面をなし、正方形格子が下面(又は上面)をなすように構成されており、四角形状の板構造物を製造するのに有利である。
【0008】
また、他のトラス構造として、図1に示すような正四面体と正八面体が組み合わされた形態のオクテット(Octet)トラス(R.Buckminster Fuller,1961,US Patent2,986,241)を挙げることができるが、この構造では、各要素が互いに正三角形をなす。
【0009】
更に他のトラス構造として、カゴメ(Kagome)トラス(S.Hyun,A.M.Karlsson,S.Torquato,A.G.Evans,2003,Int J.of Solids and structures,Vol.40,pp.6989―6998)を挙げることができるが、これは、21世紀に入ってオクテットトラスを変形することによって完成したものである。
【0010】
図1に例示したカゴメトラスは、ピラミッドトラス及びオクテットトラスに比べて方向による構造の剛性変化が少なく、坐屈に対する抵抗性、坐屈後の変形の安定性、エネルギー吸収能力などに優れたものと知られている。
【0011】
一方、ワイヤは、大量生産、加工及び高強度を容易に実現する。ワイヤの望ましい例としてはピアノ線を挙げることができる。最近は、このようなワイヤの特性を考慮した上で、ワイヤを素材にしたトラス形態の周期的な多孔質材料を製作する方法が開示された。
【0012】
例えば、大韓民国登録特許第0566729号、第0633657号、第0700212号、第0767186号、特許出願第2006―0119233号などは、いずれもワイヤを素材にして周期的な多孔質材料を製作する方法に関するもので、図2〜図6は、前記開示した各技術による周期的な多孔質材料の形状を示している。
【0013】
ところが、前記提示されたトラス形態の周期的な多孔質材料は、これらに圧縮やせん断などの荷重が作用する場合、これを構成するトラス要素の坐屈によって多孔質材料自体が破損する場合が多い。
【0014】
特に、トラス要素の細長比が高いか、ワイヤの素材がピアノ線のように高強度金属や複合材料に使用される高強度繊維又は繊維強化樹脂である場合、弾性坐屈が発生しやすいが、この場合、坐屈発生後に強度が急激に減少する傾向があり、これを素材にしてトラス形態の周期的な多孔質材料を製造する場合、構造材として必要な安定性が低下し、変形によるエネルギー吸収量も減少する。
【0015】
すなわち、登録特許第0708483号と特許出願第2006―0119233号に開示したワイヤで組み立てられる多孔質材料の場合、トラス要素が屈曲されており、より坐屈に脆弱になる可能性が大きいので、これを補完する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上述したような従来技術の多くの限界を勘案した上で、これを解決するためになされたもので、トラスタイプの周期的な多孔質材料の内部に存在する各セルのうち一部に固体を充填することによって、圧縮荷重やせん断荷重が作用するとしてもトラス要素に坐屈が容易に発生せず、坐屈が発生するとしても、急激な強度低下を防止することによって構造材としての安定性を充分に確保できるようにした、内部に存在する各セルのうち一部に固体が充填されたトラスタイプの周期的な多孔質材料を提供することを主な解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、上述した解決課題を達成するための手段として、内部に多数のセルが周期的に形成された3次元トラスタイプの多孔質材料において、前記多数のセルのうち一部に固体が充填されたことを特徴とする3次元トラスタイプの周期的な多孔質材料を提供する。
【0018】
このとき、前記各セルは、同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態であるか、又は互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態であることが望ましい。
【0019】
特に、前記同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態に充填される固体は、一つずつスキップした各セルに交互に注入されて充填されることがより望ましい。
【0020】
そして、前記同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態は、正六面体トラスであってもよい。
【0021】
その一方、前記互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態に充填される固体は、互いに異なる二つの大きさのセルのうち小さい大きさのセルのみに充填されることが望ましい。
【0022】
このとき、前記互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態は、ピラミッドトラス、オクテットトラス、カゴメトラス、ワイヤで織造された類似カゴメトラス、ワイヤで織造された類似オクテットトラスから選択されたいずれか一つであることが望ましい。
【0023】
さらに、前記固体は、はんだ付けやろう付け用ペースト溶融物が固形化されたもの、又は液状の合成樹脂や金属が固形化されたもののうちいずれか一つであることが望ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る内部に存在する各セルのうち一部に固体が充填された多孔質材料は、次のような効果を有する。
【0025】
第一に、トラス形態の周期的な多孔質材料に圧縮やせん断などの荷重が作用する場合に発生するトラス要素の坐屈を抑制し、坐屈発生後にも、急激な強度低下を抑制することによって構造材として必要な安定性を高め、変形によるエネルギー吸収量を増加させる。
【0026】
第二に、内部セルのうち一部のみに固体を充填する場合にも、トラスを構成する全てのトラス要素を拘束することができ、トラス要素の坐屈抑制を極大化しながら内部多孔性も維持することができる。
【0027】
第三に、トラス形態の周期的な多孔質材料を製造するとき、はんだ付け、ろう付け、樹脂接合などの単純かつ既に確立された技術を使用することによって生産費用が節減され、大量生産が容易になる。
【0028】
第四に、内部の一部のセルを固体で充填する方法として、3次元トラス形態に製造した後、液体状態の合成樹脂や金属に浸してから取り出し、液体の重さ、粘度及び毛細管現象などの作用によって内部セルのうち小さいもののみに液体が残るようにし、自然又は強制に冷却したり、熱を加えることによって合成樹脂や金属を固体化する方法は、生産費用や大量生産性の面でより有利である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】それぞれピラミッド、オクテット及びカゴメトラスの1層構造を示した例示的な斜視図である。
【図2】登録特許第0566729に開示されたワイヤを素材にして製作された多層構造の類似オクテットトラス形態の周期的な多孔質材料を示す斜視図である。
【図3】登録特許第0633657号に開示されたワイヤを素材にして製作された1層構造の類似オクテットトラス形態の周期的な多孔質材料を示す斜視図である。
【図4】登録特許第0700212号に開始されたコイルスプリング状に成形されたワイヤを素材にして製作された1層構造のトラス形態の周期的な多孔質材料を中間材として備えるサンドイッチ板材の斜視図である。
【図5】登録特許第0767186号によるワイヤを素材にして製作されたトラス形態の周期的な多孔質材料を下部パネル上に配置した状態を示す斜視図である。
【図6】特許出願第2006―0119233号に開示されたワイヤを素材にして製作された多層構造の類似カゴメトラス形態の周期的な多孔質材料を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る多孔質材料である正六面体トラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図8】本発明に係る多孔質材料であるピラミッドトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図9】本発明に係る多孔質材料であるオクテットトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図10】本発明に係る多孔質材料であるカゴメトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図11】本発明に係る連続したワイヤで構成された類似カゴメトラス構造体の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【図12】本発明に係る多孔質材料の製造方法を例示するフローチャートである。
【図13】本発明に係る多孔質材料の製造方法を例示するフローチャートである。
【図14】本発明に係る多孔質材料の製造方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、添付の図面を参考して本発明に係る好適な実施例をより詳細に説明する。
【0031】
本発明は、3次元トラス形態の周期的な内部の各セルのうち一部に固体が充填された構造を有する多孔質材料を提供する。
【0032】
このとき、前記トラス形態の周期的な各内部セルのうち一部に充填される固体は、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂、金属、セラミックス、その複合材などになり得る。
【0033】
この場合、前記はんだ付けやろう付け用ペーストは、各セルのうち一部に注入される方式で充填された後、熱によってペースト内部の溶加材(Filler Metal)が溶けることにより、セルに充填される形態で固形化されることが望ましい。
【0034】
さらに、前記液状の合成樹脂又は金属は、各セルのうち一部に注入される方式で充填された後、一定時間の経過とともに自然に固形化されてもよく、又は、冷却したり、熱を加えることによって強制に固形化されてもよい。
【0035】
特に、カゴメトラスのように多孔質材料内部のセルの大きさが互いに異なる二つで構成されている場合は、前記3次元トラス形態の多孔質材料をこれら液状の合成樹脂又は金属に浸してから取り出す方式で一部のセルに液状の合成樹脂又は金属を充填することができる。このとき、液体状態をなす合成樹脂又は金属の粘度、密度、表面張力、トラス要素をなす物質との親和性、毛細管現象などを適宜利用し、内部の多くのセルのうち小さいもののみに液状の合成樹脂又は金属を充填されるように誘導することができ、充填後には自然冷却、強制冷却又は加熱による固形化が可能である。
【0036】
このように3次元トラス形態の周期的なセルを有する多孔質材料の一部のセルに上述した形態の固体を充填する方式は、次のような形態を有することができる。
【0037】
このとき、前記各セルは、同一大きさのセルが周期的に繰り返して形成された形態になってもよく、又は、互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態になってもよい。
【0038】
ここで、互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態である場合は、相対的により小さい大きさのセルに前記固体が充填されることが望ましい。
【0039】
[第1の実施例]
【0040】
図7は、本発明に係る多孔質材料である正六面体トラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0041】
図7によると、本発明の第1の実施例は、固体200が充填される方式において、正六面体トラス形態の各内部セル100のうち一つずつスキップした上下左右のセルに交互に充填される形態の充填構造を有する。
【0042】
この場合、元々正六面体トラスは構造的安定性が非常に低い構造であるが、充填された固体200によって全てのトラス要素が拘束されるので、トラス要素自体の坐屈が抑制されるだけでなく、構造体全体の安定性が画期的に高くなる。
【0043】
その一方、全体のセル100のうち1/4が固体200で充填されるようになり、多孔率はその分だけ減少する。
【0044】
そして、前記セル100に充填される固体200は、上述したように、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂や金属であることが望ましく、注入方式で充填されることがより望ましい。
【0045】
[第2の実施例]
【0046】
図8は、本発明に係る多孔質材料であるピラミッドトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0047】
図8によると、本発明の第2の実施例は、ピラミッドトラス形態を構成するピラミッド体と正四面体のセル100のうち正四面体のセルのみに固体300が充填された形態を有する。
【0048】
これにより、全てのトラス要素が拘束されるので、トラス要素自体と構造体全体の安定性が画期的に高くなる。
【0049】
その一方、各内部セル100の全体の体積のうち約1/3が固体300で充填されるようになり、多孔率はその分だけ減少する。
【0050】
さらに、前記セル100に充填される固体300も、上述したように、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂や金属であることが望ましく、注入方式で充填されることがより望ましい。
【0051】
[第3の実施例]
【0052】
図9は、本発明に係る多孔質材料であるオクテットトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0053】
図9によると、本発明の第3の実施例は、オクテットトラス形態を構成する正八面体と正四面体のセル100のうち正四面体のセルのみに固体400が充填された形態を有する。
【0054】
これにより、全てのトラス要素が拘束されるので、トラス要素自体と構造体全体の安定性が画期的に高くなる。
【0055】
その一方、各内部セル100の全体の体積のうち約1/3が固体400で充填されるようになり、多孔率はその分だけ減少する。
【0056】
この場合も、前記セル100に充填される固体400は、上述したように、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂や金属であることが望ましく、注入方式で充填されることがより望ましい。
【0057】
ここで、オクテットトラス形態の他の変形可能な実施例として、製造された多孔質材料が類似正八面体と類似正四面体を有するワイヤで構成された類似オクテットトラス形態である場合、固体が類似正四面体のセルのみに注入される形態を有するように構成することもできる。
【0058】
[第4の実施例]
【0059】
図10は、本発明に係る多孔質材料であるカゴメトラス形態の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0060】
図10によると、本発明の第4の実施例は、カゴメトラスを構成する八面体と正四面体のセル100のうち正四面体のセルのみに固体500が充填された形態を有する。
【0061】
これにより、全てのトラス要素が拘束されるので、トラス要素自体と構造体全体の安定性が画期的に高くなる。
【0062】
このとき、本発明の第4の実施例の場合は、各内部セル100の全体の体積のうち約1/24のみが固体500で充填されるので、多孔率の減少は、上述した第1、第2及び第3の実施例の場合に比べて最小化される。
【0063】
前記セル100に充填される固体500は、上述したように、はんだ付けやろう付け用ペースト、液状の合成樹脂又は金属であることが望ましく、注入方式で充填されることがより望ましい。
【0064】
[第5の実施例]
【0065】
図11は、本発明に係る連続したワイヤで構成された類似カゴメトラス構造体の内部セルのうち一部に固体が充填された例を示す例示的な斜視図である。
【0066】
図11によると、本発明の第5の実施例は、登録特許第0708483号と特許出願第2006―0119233号に開示されている、連続したワイヤで構成された類似カゴメトラス構造体の各内部セル100のうち正四面体と類似したセルに固体600が充填された形態を有する。
【0067】
このとき、トラス要素の役割をするワイヤが屈曲されているので、特に固体600が充填される前の状態では坐屈に脆弱であるが、固体500の充填によって坐屈を大きく抑制できるようになる。
【0068】
特に、この構造体をワイヤを用いて組み立てた後、固体600を充填する方法としては、上述したように、はんだ付け、ろう付け、樹脂接合などを使用できるが、これを用いると、ワイヤ同士を接合するための別途の過程を省略できるようになる。
【0069】
上述したような各実施例に示された構造からなる本発明の多孔質材料は、次のように製造される。
【0070】
例えば、充填される固体がはんだ付けやろう付け用ペーストである場合は、図12のフローチャートに例示したように、まず、内部に多数のセルを有する3次元トラス形態の多孔質材料を製造する段階が行われる(S100)。
【0071】
前記多孔質材料製造段階(S100)を通して3次元トラス形態の多孔質材料が準備されると、続いて、第1の実施例〜第5の実施例のうちいずれか一つの形態を有するように、はんだ付けやろう付け用ペーストを内部に存在する各セルのうち一部に注入する段階が行われる(S110)。
【0072】
前記注入段階(S110)を通してはんだ付けやろう付け用ペーストが多孔質材料の各セルの適所に注入されると、続いて、熱を加えることによって前記はんだ付けやろう付け用ペーストを溶融させる段階が行われる(S120)。
【0073】
このとき、前記溶融段階で加えられる熱は、はんだ付けやろう付け用ペースト内部の溶加材を溶融させるようになり、溶融した溶加材は該当のセルに充分に充填されるようになる。
【0074】
この状態で、セルを自然又は強制に冷却して固形化させる冷却段階(S130)が行われることによって、本発明で要求する坐屈に対する対抗力の大きい3次元トラス形態の軽量構造体であり、かつ内部に周期的なセルを有する多孔質材料を完成できるようになる。
【0075】
一方、充填される固体が液状の合成樹脂や金属である場合は、図13のフローチャートに例示したように、まず、内部に多数のセルを有する3次元トラス形態の多孔質材料を製造する段階が行われる(S200)。
【0076】
前記多孔質材料製造段階(S200)を通して3次元トラス形態の多孔質材料が準備されると、続いて、第1の実施例〜第5の実施例のうちいずれか一つの形態を有するように、液状の合成樹脂又は金属を内部に存在する各セルのうち一部に注入する段階が行われる(S210)。
【0077】
前記注入段階(S210)を通して液状の合成樹脂又は金属が多孔質材料の各セルの適所に注入されると、続いて、自然又は強制冷却によってこれら溶融物を固形化させる冷却段階が行われる(S220)。
【0078】
このような段階を通して、本発明で要求する坐屈に対する対抗力の大きい3次元トラス形態の軽量構造体であり、かつ内部に周期的なセルを有する多孔質材料を完成できるようになる。
【0079】
その一方、カゴメトラスのような多孔質材料である場合、内部に存在する各セルの大きさが互いに異なるように形成された場合は、図14のフローチャートに例示したように、まず、カゴメトラス構造の多孔質材料を製造する段階(S300)と、製造されたカゴメトラス構造の多孔質材料を液状の合成樹脂又は金属が収容された浴槽に浸漬する段階(S310)と、一定時間の経過後、浴槽から多孔質材料を取り出した後、残留する液状の合成樹脂又は金属を硬化させる段階(S320)とを経て小さいセルの内部に固体を容易に充填することもできる。
【0080】
この場合、上述したように、浸漬時に液状の合成樹脂又は金属が選択的に各セルの内部に充填されることは、これら液状の合成樹脂又は金属の物性(粘度、密度、表面張力、毛細管現象及びカゴメトラス構造をなす物質との親和性)によって可能である。
【0081】
以上の説明は、本発明を説明するために例示されたものに過ぎなく、本発明の目的を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能であることは当然である。
【符号の説明】
【0082】
100 セル
200 固体
300 固体
400 固体
500 固体
600 固体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に多数のセルが周期的に形成された3次元トラスタイプの多孔質材料において、
前記多数のセルのうち一部には固体が充填されたことを特徴とするトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項2】
前記各セルは、同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態であるか、又は互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態であることを特徴とする、請求項1に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項3】
前記同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態に充填される固体は、一つずつスキップした各セルに交互に注入されて充填されることを特徴とする、請求項2に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項4】
前記同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態は正六面体トラスであることを特徴とする、請求項3に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項5】
前記互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態に充填される固体は、互いに異なる二つの大きさのセルのうち小さい大きさのセルのみに充填されることを特徴とする、請求項2に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項6】
前記互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態は、ピラミッドトラス、オクテットトラス、カゴメトラス、ワイヤで織造された類似カゴメトラス、ワイヤで織造された類似オクテットトラスから選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項5に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項7】
前記固体は、はんだ付けやろう付け用ペースト溶融物が固形化されたもの、又は液状の合成樹脂や金属が固形化されたもののうちいずれか一つであることを特徴とする、請求項1、3、5のうちいずれか1項に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項1】
内部に多数のセルが周期的に形成された3次元トラスタイプの多孔質材料において、
前記多数のセルのうち一部には固体が充填されたことを特徴とするトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項2】
前記各セルは、同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態であるか、又は互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態であることを特徴とする、請求項1に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項3】
前記同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態に充填される固体は、一つずつスキップした各セルに交互に注入されて充填されることを特徴とする、請求項2に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項4】
前記同一大きさのセルが周期的に多数形成された形態は正六面体トラスであることを特徴とする、請求項3に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項5】
前記互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態に充填される固体は、互いに異なる二つの大きさのセルのうち小さい大きさのセルのみに充填されることを特徴とする、請求項2に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項6】
前記互いに異なる二つの大きさのセルが周期的に多数形成された形態は、ピラミッドトラス、オクテットトラス、カゴメトラス、ワイヤで織造された類似カゴメトラス、ワイヤで織造された類似オクテットトラスから選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項5に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【請求項7】
前記固体は、はんだ付けやろう付け用ペースト溶融物が固形化されたもの、又は液状の合成樹脂や金属が固形化されたもののうちいずれか一つであることを特徴とする、請求項1、3、5のうちいずれか1項に記載のトラスタイプの周期的な多孔質材料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2011−528621(P2011−528621A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519968(P2011−519968)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005672
【国際公開番号】WO2010/010989
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(511020092)インダストリー ファンデーション オブ チョンナム ナショナル ユニバーシティー (1)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRY FOUNDATION OF CHONNAM NATIONAL UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】300,Yongbong−dong,Buk−gu,Gwangju 500−757(KR)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005672
【国際公開番号】WO2010/010989
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(511020092)インダストリー ファンデーション オブ チョンナム ナショナル ユニバーシティー (1)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRY FOUNDATION OF CHONNAM NATIONAL UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】300,Yongbong−dong,Buk−gu,Gwangju 500−757(KR)
【Fターム(参考)】
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