内部身体領域に空洞を生成するためのデバイスおよび関連する方法
内部身体領域内に空洞を生成するためのツール用の切断用先端部(20、120、220、300、620、720、820)のいくつかの実施形態を提供する。切断用先端部は、回転切断および並進切断を行う。切断用先端部を展開するためのアクチュエータ機構(22、150、180A)は、ホイールの回転運動を、プランジャロッド(156)の並進運動に変換する。アクチュエータ機構は、切断用先端部が第1の非展開位置から第2の展開位置へ移動する際、および第2の展開位置から第1の非展開位置まで移動する際に、確実に切断動作を生じさせる。骨内に空洞を生成する方法では、1つまたはそれ以上の拡張可能な空洞生成構造体と組み合わせて用いることのできる1つもしくはそれ以上の機械的切断ツールを準備し、所望の大きさおよび形状を有する空洞を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2003年9月3日に提出された、「Mechanical Devices for Creating Voids in Interior Body Regions and Related Methods」と題する米国仮出願第60/499、934号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、全体として内部身体領域に腔または空洞を生成するためのツールに関する。詳細には、本発明は、診断目的または治療目的のために骨内に空洞を生成することに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
診断および治療の両方の目的のために身体の固形臓器の1つの内部に腔または空洞を形成する低侵襲的方法は、放射線走査技法ならびに他の種類の走査技法によって切開を行う必要なく身体の内部を観察する医師の能力が向上するにつれて、いっそう重要となりつつある。
【0004】
現在低侵襲手技を用いて空洞を形成している最も一般的な固形臓器は、骨である。一般的に、これは、骨折、骨粗しょう症、または腫瘍を有する身体内のいずれかの病的な骨である。骨に対して最も一般的に用いられる空洞形成法は、特許文献1および特許文献2に記載されている拡張型骨充填法である。この場合の空洞形成の後には通常、骨セメントまたは代用骨のような充填材による充填が続く。
【特許文献1】米国特許第4,969,888号明細書
【特許文献2】米国特許第5,108,404号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
機械的方法も、固形臓器内部に空洞を作るのに利用可能である。それらの固形臓器には、脳、腎臓、脾臓、肝臓および骨が含まれる。例えば、脳においては、低侵襲性の機械的空洞技法によって、膿瘍を容易に外科的に切除し、灌注することができる。破裂した脾臓には、低侵襲手技によって接近し、小空洞を形成して発泡ゲルまたはなんらかの他の凝固剤を充填し、出血を止めることができる。骨粗しょう症によって骨折した椎体または骨腫瘍には、低侵襲性機械システムによって接近し、腔または空洞を生成し、次いで代用骨を補充することができる。安全かつ有効な方法で骨および他の内部身体領域内に空洞を形成することができるシステムまたは方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本発明は、内部身体領域内に空洞を生成するシステムおよび方法を提供する。
【0007】
本発明の一態様では、骨を切断または掻爬するための切断用先端部を提供する。一実施形態では、シャフト端部のキューレット型器具を異なる位置へ機械的に傾斜させて材料を掻爬し、空洞を形成することができる。別の実施形態では、シャフト端部の機械装置がT型の形状に似ており、空洞を形成するための並進切断および回転切断を可能としている。第3の実施形態では、切断用先端部は、回転された先細のトランクを含む。第4の実施形態では、切断用先端部は、円錐状のトランクを含む。第5の実施形態では、鋭利で頑丈な金属のばねが、シャフトの端部上に備えられている。第6の実施形態では、シャフトの遠位端が、組織をつかみ取って摘出するための2本またはそれ以上のフィンガを担持している。第7の実施形態では、ヒンジ式の空洞形成装置がシャフトによって担持されており、長方形または任意の他の所定の形状を有することができる空洞の形成を可能としている。
【0008】
本発明の別の態様では、切断用先端部を展開するためのアクチュエータ機構を提供する。一実施形態では、サムホイールの回転運動が、プランジャロッドの並進運動に変換される。代替的実施形態では、コントロールノブの回転運動が、一連の歯車の相互作用によって、プランジャロッドの並進運動に変換される。
【0009】
本発明の別の態様では、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールを提供する。本ツールは、シャフトと、骨に接触するための先端部と、先端部をシャフトに連結するヒンジ部材とを備える。先端部は、加えられたトルクが最大ヒンジトルクを超える場合、連結を解除される。シャフトは、先端部の近位に弱領域を含んでおり、加えられたトルクが最大シャフトトルクを超える場合、該領域に沿って、シャフトが破断することになる。最大ヒンジトルクは、最大シャフトトルクよりも大きい。
【0010】
本発明の別の態様によれば、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールは、管腔を含むシャフト組立体と、シャフトに連結された、骨に接触するための先端部と、管腔内で摺動可能なロッドとを備える。ロッドは、先端部につながれている。
【0011】
本発明の別の態様によれば、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールは、管腔を含むシャフトと、連結要素によってシャフトに連結された、骨に接触するための先端部とを備える。先端部は、たとえ連結要素が動作不能となっても先端部がシャフトに依然としてつながれているように、シャフトにさらにつながれている。
【0012】
本発明の別の態様によれば、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールは、カニューレと、シャフトとを備える。シャフトは、ハンドルを有しており、カニューレを通過するような大きさおよび形状を有する。カニューレ内でのシャフトの前方進行を制限するために、突起が、シャフトから半径方向に延びている。
【0013】
本発明の別の態様では、骨内に空洞を生成する方法を提供する。本方法では、1つまたはそれ以上の拡張可能な空洞生成構造体と組み合わせて用いることのできる1つもしくはそれ以上の機械的切断ツールを準備し、所望の大きさおよび形状の空洞を形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(好ましい実施形態の説明)
本明細書の開示内容を、当業者が本発明を実施できるようにするために詳細に説明し、取り上げているが、本明細書に開示する物理的実施形態は、他の特定の構造で実施することができる本発明を単に例示するものに過ぎない。好ましい実施形態を説明してきたが、詳細は、特許請求の範囲によって定義される本発明を逸脱することなく変更することができる。
【0015】
本発明を実施したシステムおよび方法は、組織内部における腔または空洞の形成が治療目的または診断目的上必要となるほぼすべての内部身体領域に用いるように適合させることができる。好ましい実施形態は、骨を治療するために用いられるシステムおよび方法に関連して本発明を示している。これは、本発明を実施したシステムおよび方法がこの環境において用いるのに好適であるからである。本発明の特徴を実施したシステムおよび方法を他の内部身体領域にも用いることができるのを理解されたい。
【0016】
切断用先端部の種々の実施形態を以下に詳細に説明する。各々のケースにおいて、それらの大きさおよび形状は、それが脛骨内の空洞であれ椎体内の空洞であれ、形成すべき理想的な空洞に適合するように生成することができる。さらに、これらの機械的ツールは、それらの空洞形成機能を実行するのに適切な剪断強度および引っ張り強さを有する任意の生体適合性を有する金属(限定するものではないが、例えば、ステンレススチール、チタン、チタン合金、タンタル、アルミニウム、アルミニウム合金、または他の金属)で製造することができる。適した生体力学的特性を有するプラスチックポリマーも、これらのツール用に用いることができる。代替的に、生体適合性を有する材料でツールをめっきするかまたはコーティングしてもよい。
【0017】
(I.機械的切断ツール)
(A.キューレット)
図1〜図3に、標的の治療部位に腔または空洞を形成することができるツール10を示す。ツール10は、近位端および遠位端、それぞれ14ならびに16を有するシャフト12を備える。シャフト12は、シャフト12を握って操作し、あらかじめ形成されたアクセス経路を通って骨内に到達させるのを支援するためのハンドル18を含むのが好ましい。ハンドル18は、任意の適した金属、例えば任意の剛体のポリマーまたは金属もしくはそれらの組み合わせで製造し、シャフト12の周りに固定することができる。ハンドル18は、医師によって安全かつ快適に把持されるような大きさおよび形状を有するのが望ましい。
【0018】
シャフト12は、その遠位端16に空洞形成構造体20を担持する。図示の実施形態では、構造体20は、多角的な切断用先端部20の形状をとっている。切断用先端部20は、様々な身体領域に用いるように、例えば骨内に空洞を生成するように適合させることができる。切断用先端部20はまた、組織から硬腫瘍または軟腫瘍を切除するのにも役立つことができる。本明細書において使用する切断用先端部は、骨との接触によって、例えば骨の切断、剪断、すくい上げ、削り取り、スカイビング、切開、または骨に掻き傷を入れることによって骨内に機械的に空洞を形成するように適合された表面である。
【0019】
切断用先端部20は、シャフト12の遠位端16にヒンジ式に連結されている。切断用先端部20は、シャフト12から半径方向に、かつあらかじめ形成されたアクセス経路から半径方向に、該アクセス経路の直径よりも大きい直径まで延びるように適合されるのが望ましい。切断用先端部20は、任意の適した生体適合性を有する材料、例えばステンレススチール、コバルトクロム、チタンおよびそれらの合金または混合物で製造することができる。シャフト12および切断用先端部20は、代替的に、異なる材料(例えば、異なる強度を有するステンレススチールの合金:303ステンレススチール、304ステンレススチール、17−4ステンレススチール、17−7ステンレススチール)で製造し、溶接するか、または他の方法で共に結合することができる。後に詳細に説明するように、アクチュエータ、例えばホイール22(例えば図19および図23も参照)は、第1の閉鎖位置または非展開位置から第2の開放位置もしくは展開位置への切断用先端部20の選択的運動を可能にする。
【0020】
閉鎖位置(図1に実線で示す)では、切断用先端部20は、シャフト12の軸線Sに沿って、シャフト12の遠位端16から延びる。この状態では、シャフト12は、カニューレ23または他の器具を容易に通過することができる。ヒンジ機構は、開放位置(図1に想像線で示す)へのシャフト12の軸線Sに直角な角度Aでの先端部20の枢動を可能にする。好ましい実施形態では、切断用先端部20は、枢動しかつシャフト12の軸線Sに対して0°〜90°の任意の枢動位置で選択的に固定されるように適合されている。
【0021】
アクチュエータ機構は、すべての度合いでの起動時に、両方向(すなわち、開いた展開位置から閉じた非展開位置に至る方向、および閉じた非展開位置から開いた展開位置に至る方向)へ、確実な、制御された運動を生じさせるのが望ましい。すなわち、固定された枢動位置および角度Aは、シャフト12の回転方向にかかわらず維持される。アクチュエータ機構は、先端部がどちらの方向に作動されても、確実な切断動作を生じさせ、双方向切断機能を提供する。作動を反復し、連続的に切断することができる。作動速度を変え、切断速度を変化させることができる。切断用先端部20は、先端部が展開した状態でのプッシュプル動作すなわちのこ引き動作時のシャフト12の軸線Sに沿った並進(すなわち、長手方向)運動をも可能にする。医師は、反復作動、並進運動により、または一連の作動と並進運動の組み合わせを実行することにより、所望の空洞を生成する。
【0022】
使用時、切断用先端部20が、シャフト12の遠位端16から延びる閉鎖位置、すなわち軸線Sに対して0°の角度Aで配置される。ツール10は、開放状態での手技によって標的の治療部位内に導入することもできる。ツール10は、カニューレ23が所望の治療部位、例えば椎体37内へ進められる、閉鎖状態での低侵襲手技によって導入されるのが望ましい。次いで、シャフト12がカニューレ23に貫通され、切断用先端部20がカニューレ23の遠位端よりも先まで延ばされる。代替的に、ツール10の導入後、カニューレ23を除去することもできる。標的の治療部位内へのカニューレ23およびツールの導入を支援するために、透視方法または他の視覚化手法を用いてもよい。次いで、切断用先端部12が、所望の位置、すなわち、好ましくは0°から150°の間の任意の位置、最も好ましくは約90°の位置へ枢動される。また、先端部20は非展開状態で停止させることなくいずれの方向にも展開することができると想定される。作動を反復し、のこぎりで切るような動作で押し引きすることによってシャフト12を前後方向に進行させ、それにより空洞を生成することができる。
【0023】
回転切断が所望される場合、切断を継続するために、先端部20を再配置するためのシャフト12の回転が必要となる。この場合、切断用先端部20は、閉鎖位置に戻され、シャフト12は、新たな位置へ転向または回転される。切断用先端部20が、所望の角度A(開放位置)へ再度枢動され、シャフト12が、プッシュプル動作を利用して再度前後方向に進められる。所望の形状の空洞を生成するためにシャフト12を任意の回数だけ再配置することができるのは明白である。
【0024】
ここで図2および図3を参照すると、カニューレ23は、低背化された遠位部分を組み込んでいるのが望ましい。カニューレ23は、大口径部分25と、小口径の遠位部分27と、遷移部分29とを含む。代替的に、カニューレ23は、大口径部分25と小口径部分27との間にテーパを備えていてもよい(図示せず)。ツール10のシャフト12は、カニューレ23を通って延びる管腔31内に嵌合する大きさを有するのが望ましく、一定の大きさを有していても、大きが変化していてもよい。
【0025】
カニューレ23の遠位端直径を縮小させることにより、骨内に生成されるアクセス経路の大きさをそれに対応して縮小して、ツール10の先端部を標的の骨内に挿入することができるのが望ましい。カニューレ23の小口径部分27は、皮質壁を通過して骨内に到達することになるが、これに対し、大口径部分25は、骨の外側に当接することができ(必要に応じて開口部を封止して)、軟組織を限界まで引き伸ばすが断裂させないことが望ましい。
【0026】
好ましい実施形態では、小口径部分27は、大口径部分25が茎35の皮質骨33に当接する際に小口径部分27の遠位端が茎35を貫通して延び、椎体37内に出現し、海綿質骨39内に入るような大きさを有するのが望ましい。この実施形態では、ツール10は、カニューレ23内に完全に挿入されたときに、遠位の切断用先端部20が椎体37または標的骨の前方皮質壁41に接触しかつ/もしくは破るのが防止されるような大きさを有することができる。
【0027】
他の低背型骨アクセスツールについては、引用により本明細書に組み込まれる、2001年9月11日に提出された「Systems and Methods for Accessing and Treating Diseased or Fractured Bone Employing a Guide Wire」と題する米国特許出願第09/952、014号に記載されている。
【0028】
(B.T先端部の実施形態)
多くの場合において、回転方向と並進方向の両方向に切断することが望ましい。そのような場合、回転切断動作が医師とっての人間工学的で自然な動作を反映するのが好ましい。図4〜図9に、人間工学的で自然な動作を用いて切断用先端部の並進運動、回転運動、または並進と回転の同時運動を可能にする切断用先端部120を有する切断ツール100の実施形態を示す。切断用先端部は、任意の適した生体適合性を有する材料、例えばステンレススチールで製造されている。
【0029】
図4に示すように、切断用先端部120は、シャフト112にヒンジ式に取り付けられた枢動領域124を備えており、例えば、枢動ピン126が、枢動領域124内の穴128を貫通し、シャフト112内に延びている。この配列により、切断用先端部が事実上あらゆる所望の角度で枢動できるようにする広範囲の枢動動作が可能となる。好ましい実施形態では、切断用先端部120は、シャフト112の軸線Sに対して0°から90°枢動するように適合されている。図1の実施形態と同様に、アクチュエータ機構は、双方向において確実である。
【0030】
カラー130が枢動領域124とトランク領域132を分離しており、また切断用先端部120にさらに強度を与えかつそれを支持している。トランク領域132の全幅(W)は、先端部120を90°に展開したときに、シャフト112の軸線Sと平行となる(図4に想像線で示す)。
【0031】
トランク132は、トランク132の両側に延びる2つの部分からなる丸みを帯びた切断面を備え、360°の切断面を提供するカッティングディスク134を担持している。好ましい実施形態では、ディスク134の直径は、切断時の先端部120上の応力を最小限度に抑えかつカニューレを容易に貫通することができるように、シャフト112の直径とほぼ同じである。
【0032】
先端部は、ディスク134の先端部に沿って平坦であるかまたはまっすぐな切断面136を含み、プル動作時に骨を切断するのをさらに容易にする。プッシュ時には、シャフト112が、切断するための強度および力を与える。
【0033】
ディスク134およびトランク132は、共に広い表面接触領域をもたらし、先端部120が積極的に骨内に食い入って骨物質を大量に掻爬することを可能にする。
【0034】
ディスクの形状により、時計周りと反時計回りの両方向への回転切断が可能となる。図5を参照すると、先端部120は、所望の角度A,、例えば軸線Tに沿って90°延びる。次いで、シャフト112が軸線Tに対して第1の方向(矢印138で示す)へ0°〜90°回転される。シャフト112は、軸線Tに対して反対方向(矢印140で示す)に0°〜90°回転させることができ、医師が手首の向きを変えるだけで180°広がる空洞を生成することができる。
【0035】
図6に、180°の空洞を生成するための骨、例えば椎骨142内における切断用先端部120の回転を示す。多くの場合、360°広がる空洞を生成することが望ましい可能性がある。図7に示すように、180°空洞の形成後、シャフト112を180°回転させ、軸線Tにほぼ沿って再度位置合わせすることができる。次いで、シャフト112は、軸線Tに対して第1の方向(矢印144で示す)に0°〜90°回転される。シャフト112は、360°広がる空洞を生成するために、軸線Tに対して反対方向(矢印146で示す)に0°〜90°回転させることができる。医師は、透視方法を用いて先端部120の位置をモニタすることができる。
【0036】
ディスクの形状により、図8および図9に矢印で示すプッシュプル動作またはのこ引き動作での並進切断も可能となる。使用時、医師は、同時にハンドルを回転させるかまたは回転動作と並進動作を交互させながら、押し込みかつ引き出すことによって、並進力と回転力を同時に送達することができる。このようにして、医師は、切断用先端部120の回転運動および並進運動を制御し、所望の大きさおよび形状、例えば円筒状の空洞を生成する。
【0037】
図10に見られるように、シャフト112は、カニューレ104内でのシャフト112の前方への動作、すなわち並進動作を制限するように設計された突起または止め具102を担持するのが望ましい。止め具102の直径は、止め具102がカニューレ104の正面もしくは先端106に押し当たってカニューレ104内でのシャフト112の前方進行を停止するように、カニューレ104の直径に近い。
【0038】
止め具102は、ハンドル18に巻きつけた、またハンドル18の下にある医師の指を収容するだけの十分な空間があるようにシャフト112上に配置される。従って、止め具102によって医師の指と経皮アクセスカニューレ104との間に隙間が設けられ、医師の指が締め付けられたり挟まれたりするのが防止される。止め具102は、シャフト112の挿入を停止し、シャフト112を回転させる(すなわち掃引切断動作)際またはプッシュプル切断動作もしくは両方の切断動作の組み合わせを利用する際の、医師の手に対する快適な作業距離を残す。代表的な実施形態では、止め具102は、ハンドルの基部から約1.75インチ(約4.5cm)の位置に配置される。シャフト112のさらなる前進を制限または防止することにより、止め具112は、椎体内でのシャフト112(および空洞形成構造体20)の前進を防止する。これにより、椎骨142(図9も参照)の前方皮質壁を締め付けるかまたは挟む可能性が防止される。
【0039】
マーカバンド101は、止め具102の遠位に配置されるのが望ましい。図10に見られるように、シャフト112がアクセスカニューレ104内に完全に挿入されると、切断用先端部120がカニューレ104から出て骨、例えば椎骨142内に入る際に、マーカバンド101がカニューレ104の面106と整合する。図11に示すように、シャフト112がカニューレ104内に完全に挿入されると、先端部120は、カニューレ103の遠位端103よりも先に延びる。
【0040】
代表的な実施形態では、マーカバンド101は、止め具102の遠位約3cmの位置に配置される。この実施形態では、シャフト112がカニューレ104内に完全に挿入される(すなわち、止め具102に押し当たっている)と、先端部120は、切断用先端部120が非展開位置にある際にはカニューレ104の遠位端103から約3.5cm延び(すなわち、シャフト112の軸線Sと整合する)、先端部120が展開位置(例えば90°の位置)にある際は、カニューレ104の遠位端103から約3cm延びる。
【0041】
好ましい実施形態では、溝105が、止め具102の近位に配置されている。図12に最もよく見られるように、溝105は、シャフト112上に弱線を規定するための、半径がRで角度Gを有するシャフト112上の逆向き山形切り込みである。代表的な実施形態では、溝105は、約0.006インチの半径Rを有する60°の山形切り込み(すなわち、G=約60°)である。溝105におけるシャフト112の破壊に要する平均トルク(最大シャフトトルク)は、ピン126におけるシャフト112の、より全体的には切断用組立体自体の破壊に要するトルク(最大ヒンジトルク)(図4も参照)よりも小さい。例えば、正常な骨を掻爬するのに要する平均トルクは約2.0in.−1bであることが分かっている。代表的な実施形態では、溝105におけるシャフト105の破壊に要する平均トルクは約7.3in.−1bであり、ピン128における破壊に要する平均トルクは9.3in.−1bである。過度のトルクがシャフト112を通して移動されると、溝105が存在することにより、枢動領域124において先端部120が破断するかまたは故障する前に、溝112においてシャフト112が破断するかもしくは分断されることとなる。これによって安全機能がさらに提供され、シャフト112および不変形の枢動領域124をカニューレ104から難なく安全に除去することが可能となる。枢動領域124の故障または変形が回避される。
【0042】
弱領域は、先端部120がシャフト112から外れる前にシャフト112が分断されるかまたは破断することになるようにする(すなわち、最大ヒンジトルクを最大シャフトトルクよりも大きくする)種々の他の適した手段のいずれによっても形成することができることが企図される。例えば、図12Bに示すように、シャフト112の一部分111を、シャフト112の残りの部分113Aおよび113Bと比較して強度ならびに/または剛性を低下させた材料で形成し、弱領域を画定することができる。1つの代表的実施形態では、シャフト部分113Aおよび113Bは、生体適合性を有する金属で形成され、シャフト部分111は、生体適合性を有するプラスチック材料で形成されている。
【0043】
図13を参照すると、シャフト112は、回転動作をあらかじめ設定された角度に制限するための、カニューレ104または他のアクセス装置内の相補形のスロットもしくは溝110と選択的に嵌まり合う歯またはラグ108を有する突起または止め具102をも担持することができる。この配列では、スロットまたは溝110は、カム面を画定する。歯またはラグ108は、カム従動子として機能する。カム面およびカム従動子の形状は様々であってよいが、カム面の動作の全範囲をまたぐカム従動子の掃引動作によって、所定の大きさならびに形状の空洞が着実に生成されるシステムを画定するのが好ましい。
【0044】
図13に、カム面がカニューレ104の周方向縁部内で細長いスロット110の形状をとっている実施形態を示す。到達深度は、スロットの深さによって規定される。すなわち、スロットの長さLSによって、カニューレ104内での止め具102(従ってシャフト112)の前方進行に制限が加えられる。スロットの幅WSは、所定の量だけラグまたは歯102の幅WCよりも大きい。回転の角度は、スロット110の広さ、すなわちスロット110の幅と歯またはラグ108の幅との間の差(すなわちWSとWCとの間の差)によって制御される。到達深度および回転角度が所定かつ一定であるため、カム面ならびにカム従動子の全動作範囲の1掃引によって、所定の大きさおよび形状の空洞が着実に生成される。例えば、図14に、角度A1を有する所定のパイ形空洞の形成を示す。所定の空洞は、図13に示すスロット110の長さLSに相当する長さを有する。例えばスロット110の幅をその長さに沿って変えることによってスロット110を変化させ、所望の所定の形状および大きさの空洞を形成することができる。例えば、図13Aに、スロット110Aの代替的実施形態を示しており、この実施形態では、スロット110Aは略T字形で、最前方部分の体積がより大きく、各体積もまたくさび形となるようにバイアスがかかっている所定の空洞を形成するように適合されている。
【0045】
使用時、ツール100が標的の治療部位内に導入される。ツール100は、経皮カニューレ104が所望の治療部位、例えば椎体内に進められる閉鎖された低侵襲手技で導入されるのが望ましい。ツールの導入は、先に述べた従来の視覚化技法によって支援することができる。次いで、シャフト112がカニューレ104に貫通され、切断用先端部120がカニューレ104の遠位端よりも先に延ばされる。次いで、切断用先端部112が、所望の位置、すなわち0°〜90°の間の任意の位置まで枢動される。
【0046】
医師は、カム面およびカム従動子の全動作範囲をたどってシャフト112を弧を描くように動かすことにより、切断用先端部120を操作する。所定の大きさおよび形状の空洞を生成するために、止め具102がカニューレ104に沿ったシャフト112の並進運動を制限する機能を果たし、ラグまたは歯108がカニューレ104内でのシャフト112の回転運動を制限する。生成される空洞は一定で所定の大きさおよび形状を有するので、切断時ならびに空洞形成時は、視覚化の必要はない。それにより、透視方法または他の視覚化技法の必要性が低減され、患者の放射線もしくは染料への曝露が制限される。処置の完了と同時に、切断用先端部112が非展開位置に戻され、カニューレ104およびツール100が抜去される。
【0047】
(C.転向された先細のトランクの実施形態)
図15および図16に、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールの代替的実施形態200を示す。この実施形態では、トランク232は、図4〜図9に示す実施形態と比較して先細であり、90°回転されており、これにより、先端部220がシャフト212の軸線Sから90°の角度Aで展開されると、トランクの全幅Wは、シャフト212の軸線Sに垂直となる。
【0048】
この配列は、掻爬および切断中の骨との接触時におけるディスク234とトランク232を合わせた表面積を最小化し、従って、ヒンジ機構への有意な力ならびに応力の伝達を最小化する。
【0049】
ディスク234は、ドーム形となっている凸状の前面248を有する。ディスク234は、シャフト212の直径とほぼ同じ直径を有し、切断時の先端部220上の応力を最小化し、先端部220のカニューレ通過を容易にしているのが好ましい。ドーム形状により、骨上にてこの作用を生成することによる骨の切断および掻爬が促進され、先端部220が容易に回転して骨から出ることができる。ドーム形状により、先端部が容易に骨から外れて骨から離れることができるようになり、抜去が容易となる。
【0050】
先に述べたように、ディスク234は、360°の切断面を備えており、かつ、所望の角度Aで展開したときに、切断ディスク234の並進運動と回転運動の両方を許容する。
【0051】
(D.円錐形のトランク形状)
図17および図18に、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールの別の代替的実施形態300を示す。この実施形態では、トランク332は、図15および図16の実施形態と同様に先細であるが、円錐形である。
【0052】
トランク332は、ドーム形ディスク334も担持しており、図15および図16の実施形態と同様に、並進切断と回転切断の両方を可能としている。
【0053】
ディスク334とトランク332を合わせた切断面が最小化され、すべての方向において骨内の接触域を最小化することにより、ヒンジ式機構上の力および応力を低減するように設計されている。押すまたは引く(並進)力、回転させる(回転)力、もしくは両方の力の組み合わせが加えられるか否かに関係なく、骨に対しては同じ輪郭(円錐形トランク332の左右対称の断面)が提示される。
【0054】
(II.アクチュエータ機構)
(A. サムホイールの実施形態)
図19〜図22に、空洞形成ツールと共に用いるためのアクチュエータ機構の一実施形態を示す。本アクチュエータ機構は、回転運動を並進運動に変換し、切断用先端部の展開を制御する。例としてであり限定としてではなく、本アクチュエータ機構を、図4〜図9の切断用先端部120の実施形態と共に示す。
【0055】
本アクチュエータ機構は、サムホイール150と、インサートまたはキャップ152と、フランジ154と、プランジャロッド156と、回転止め158とを備える。サムホイール150、キャップ152、フランジ154、プランジャロッド156、および回転止め158は、任意の適した金属で製造することができる。サムホイールは、ハンドル18内のスロット160内に自由に動くように設置されている。好ましい実施形態では、ハンドル18は、丈夫で耐久性を有するポリマープラスチックで製造されている。
【0056】
図19に示すように、サムホイール150は、使用者の親指または人差し指による操作のために、少なくとも部分的にハンドル18から延びている。サムホイール150は、把持および操作を容易にするために、溝またはギザギザを含むのが望ましい。サムホイール150は手動操作用に構成することができるが、アクチュエータは動力駆動式とすることもできることが企図される。キャップ152は、サムホイール150内に設置され、ホイール150と共に動くように、ねじ山をつけるか、または他の方法でホイール150に係合するように適合されているのが望ましい。キャップ152は、例えば溶接によって、プランジャロッド156に接続されている。速度伝達比、従って送達されるトルクの量は、キャップ152のねじ山のピッチを変えることによって制御することができる。
【0057】
プランジャロッド156は、シャフト112内に設置され、キャップ152およびサムホイール150内の孔を通ってシャフト112ならびにサムホイール150よりも先に延びるような大きさおよび形状を有する。図示の実施形態では、図19に見られるように、サムホイール150およびシャフト112は、人差し指と中指の間にシャフト112を配置するために、ハンドル18上にオフセット配置されている。図21に示すように、プランジャロッド156の遠位端は、係留ワイヤ166に連結されている。つなぎ綱160は、ループ状になってピン126の下の切断用先端部120内の穴168を貫通し、プランジャロッド156にかしめるか溶接されている。プランジャロッド156の運動によってつなぎ綱160上の圧力が調節され、先端部を展開位置と非展開位置との間で作動させる。つなぎ綱160は、ピン126の破壊または故障の場合に、先端部120がシャフト112に取り付けられた状態を保持することになり、除去を容易にすることができる。これにより、除去中に部品が後に残されるのが防止され、それにより、さらに安全機能がもたらされる。
【0058】
図示の実施形態はシャフト112に連結されかつロッド156でシャフト112にさらにつながれた先端部120を示しているが、先端部120は、たとえ連結要素(例えばピン126)が動作不能となっても先端部120がシャフト112につながれている状態を保持する種々の方法のいずれかによってシャフト112にさらにつなぐことができることが企図される。例えば、ある代替的実施形態では、先端部120は、ケーブルまたは滑車(図示せず)でシャフト112にさらにつながれている。
【0059】
フランジ154は、ハンドル18内のスロット170に設置され、例えば、溶接によって、または締まりばめもしくは圧入によってシャフト112に連結される。フランジ154は、それをスロット170と共に設置することのできる方法が1つのみとなるように、オフセット孔を含むのが望ましい。フランジ154は、ハンドル18内でシャフト112に係合し、シャフト112の回転運動を本質的に防止するような大きさおよび形状を有する。
【0060】
図示の実施形態では、ロッド156は、止め具158内の相補的な長方形の開口部174を貫通するような大きさおよび形状の長方形の端部172を有する。止め具158は、ロッド156に係合し、作動時のロッド156の回転を防止する。止め具158は、プランジャロッド156に取り付けられ、スロット160の外側に、それに押し当てて設置されている。プラスチック製のスロット160に押し当てられた金属製の止め具158の配列が、さらなる摩擦力を生成し、さらなる強度および強化をもたらし、プランジャロッド156に送達されるトルクの量を制限する機能を果たす。
【0061】
第1の方向へのサムホイール150の回転によって、プランジャロッド156がシャフト112に沿った第1の方向に進められ、ワイヤ166上の張力が低減され、切断用先端部120の展開が始動される。反対方向へのサムホイール150の回転によって、プランジャロッドがシャフト112内で反対方向に進められ、ワイヤ166上の張力が増大され、展開位置から非展開位置への切断用先端部120の運動が始動される。この配列により、サムホイール150の回転運動が、プランジャロッド156の並進運動に変換される。
【0062】
図22に示す代替的実施形態では、レバー176が、プランジャロッド156にヒンジ式に取り付けられている。第1の方向へのレバー176の運動によって、プランジャが第1の方向に進められ、切断用先端部120が展開され、反対方向へのレバー176の進行によって、プランジャ156が第2の方向に進められ、切断用先端部120が、展開位置から非展開位置へ動かされる。このようにして、レバー176は、医師がシャフト112を動かすことなく先端部120自体を連続的にかつ都合よく動かして往復切断動作を生じさせることを可能にする。
【0063】
(B.歯車の実施形態)
図23〜図25に、図19〜図21の実施形態に類似したアクチュエータの実施形態を示す。このアクチュエータは、相互に作用して回転運動を並進運動に変換する一連の歯車を備える。
【0064】
中央歯車178は、形状および機能の点で図19〜図21に示すサムホイール150に類似している。中央歯車178およびシャフト112は、中指と薬指の間にシャフト112を配置するために、ハンドル18底部の長手に沿って中央に来るように位置決めされている。
【0065】
コントロールノブ180Aおよび180Bは、使用者の親指で作動させるために、ハンドル18の各端部に設けられている。代替的に、コントロールノブ180Aおよび180Bは、モータで駆動してもよい。各コントロールノブ180Aおよび180Bは、コントロールノブ180Aまたは180Bと中央歯車178との間に配置された対応する中間歯車182Aもしくは182Bを作動させる歯車を規定する。コントロールノブ180Aまたは180Bの回転により、対応する中間歯車182Aもしくは182Bおよび中央歯車178が作動される。先の実施形態と同様に、コントロールノブ180の回転運動はそれによって、プランジャロッド156の並進運動に変換される。
【0066】
対称形のデザインは、右手または左手で容易に使用するために設計されているものである。さらに、対称形のデザインにより、ハンドル18の容易な回転が可能となる。
【0067】
使用時、シャフト112が、カニューレ104を通して進められる。切断用先端部120は、カニューレ104の遠位端よりも先に延ばされる。コントロールノブ180Aまたは180Bが回転され、切断用先端部130が所望の角度まで展開される。次いで、医師が、シャフト112の一連の並進運動および回転運動を実行することによって、所望の空洞を生成する。次いで、医師は、切断用先端部120を非展開位置に戻す。
【0068】
必要に応じて、その後、ハンドル18を180°回転させることができる。次いで、対向するコントロールノブ180Aまたは180Bを操作し、再度切断用先端部120を所望の角度まで展開し、別の一連の並進運動および回転運動を実行することができる。
【0069】
ひとたび所望の空洞が生成されれば、医師は、先端部120を非展開位置に戻す。ツール100が患者から抜去される。その後、医師は、空洞に骨セメントまたは代用骨を充填し、カニューレ104を抜去し、切開を閉じて処置を完了する。
【0070】
切断の速度および/または力は、速度伝達比を変更することによって制御することができる。力は、ねじピッチもしくは伝導歯車の歯車比を変更することによって変えることができる。動作速度(すなわち作動速度)は、作動速度を手動または機械で変更することによって変えることができる。
【0071】
(III.機械的空洞生成装置の代替的実施形態)
(A.形状記憶合金)
図26〜図28に、形状記憶合金で形成された切断用先端部720を用いたツールの実施形態700を示す。形状記憶合金の使用により、ヒンジ機構としての小器具をもはや必要とせずに先端部を作動させることが可能となる。小器具は、より安全であり、かつ脊柱内のより高い位置にある小椎体にアクセスすることができる。小器具は、患者に対する侵襲がより少なくかつ外傷の可能性がより低いものでもあり、回復時間をより速くすることができる。
【0072】
形状記憶合金、例えばニチノールで形成された展性を有するロッド701を提供する。ロッド701は種々の異なる直径、先端部形状、および作動角度を有することができることが企図される。ロッド701は、展性を有する状態すなわちまっすぐな状態(図26および図27)、ならびに作動された状態すなわち関節をなした所定の所望の状態(図28)を有する。ロッド701は、まっすぐな状態すなわち展性を有する状態でカニューレ104を貫通して椎骨内もしくは任意の骨表面内に入るような大きさおよび形状を有する。ひとたび骨内に挿入されれば、ロッド701は、患者の体温または電気インパルス(例えば冷却、熱、電圧等)によって、その所定の所望の記憶形状に戻る。例えば、図28に示すように、ロッド701の遠位端は、ある角度、例えば90°まで作動され、切断用先端部を画定するエルボを形成する。代表的な実施形態では、ロッドの遠位端から屈曲部までの長さは、約0.5cmである。先に述べたように、骨の切断は、回転動作またはプッシュプル動作もしくは両方の動作の組み合わせによって達成される。ロッド701は、容易に抜去することができるように、ロッド701をまっすぐな状態に戻すために、冷媒または熱媒体、例えば食塩水の導入を可能にする管腔703を含むのが望ましい。
【0073】
別の実施形態では、ロッド701は、室温に等しい作動温度を有する形状記憶合金で形成されている。すなわち、ロッド701は、室温で完全にオーステナイト系となる。従って、ロッド701は、室温で、その所定の形状へ完全に関節作動される。ロッド701は、骨内への挿入前にマルテンサイト状態(展性を有する状態)となるまで冷却され、容易な挿入が可能となる。室温へ戻ると同時に、ロッド701は、所定の、所望の位置へ関節運動する。これにより、切断用先端部720の近位端がロッド701の遠位端(患者と接触している)またはなんらかの外部手段(例えば熱、電圧等)からの熱伝達に依存することなく完全に作動することが保証される。管腔703がロッド701に備えられ、材料の動作を停止させて抜去を容易にするための冷媒、例えば冷食塩水の導入を促進する。別の代替的実施形態では、合金は超弾性で、カニューレ104は、作動機構によって切断用先端部720が展開されてカニューレ104よりも先に延ばされるまで、あらかじめ曲げられた、または成形された切断用先端部720を閉じ込める(図35Aおよび図35B参照)。
【0074】
別の代替的実施形態では、ロッド701は、形状記憶合金で形成されたカニューレ104をまっすぐにするために用いることができる。この実施形態では、切断用先端部720は、形状記憶カニューレ104の上に配置されている(図示せず)。カニューレ104は、湾曲した先端部を有するように教えられており、ロッド701は、カニューレ104内に移動可能に配置され、ロッド701をカニューレ104内で完全に係合させることによって(すなわち、ロッド701を押すことによって)、カニューレ104をまっすぐにし、かつロッド701を引き戻すことによって、カニューレ104および切断用先端部720が湾曲または関節運動することを可能にする。ロッド701は、ステンレススチールのような剛体の材料で製造されるのが望ましい。
【0075】
別の実施形態では、合金の作動温度は、体温よりも高い温度に設定されている。この実施形態では、ロッド701は、挿抜に備えて展性を有する。ロッド701は、熱または電圧の印加によってのみその所定の形状へ完全に戻る。これにより、ポテンショメータまたは他の適した装置を用いて、展性を有する形状から所定の形状への、もしくはそれらの間での任意の割合を有する形状へのロッド701の状態の変更の制御が可能となる。
【0076】
ロッド701は、標準型スクエアドライブまたはハドソン型整形外科用取り付け具でハンドルの近位端に取り付けることができる(図示せず)。トルク調節ハンドルをロッド701と結合し、トルクを規制する回転掻爬を可能にすることもできる。
【0077】
一実施形態では、ロッド701は、アクチュエータ機構を有するハンドル18に、固定状態に取り付けられているかまたは他の方法で連結されている。例えば、図示の実施形態では、ロッド701は、蝶ネジ152に連結されており、図19および図20に示す機構に類似したアクチュエータ機構によって駆動される。ロッド701は、アクチュエータ機構によってカニューレ104で作動される(前後方向に動かされる)。これにより、切断用先端部720を、挿抜を容易にするために展性を有する状態でカニューレ104内に後退させ、次いで骨内でカニューレ104の遠位端よりも先に延ばし(図27)、使用に備えて作動させる(図28)ことが可能となる。
【0078】
好ましい実施形態では、ハンドル18は、ルーアー継ぎ手705を含む。継ぎ手705は、流体導入装置、例えばシリンジ709上の相補的ルーアー継ぎ手709と嵌まり合うような大きさおよび形状を有し、管腔703と流体導入装置709との間に流体連通を確立する。流体、例えば冷却または加熱した食塩水をシリンジ709から導入してロッド管腔703に通し、展性を有する(非作動化)状態と作動された状態との間でのロッド701の運動を制御することができる。
【0079】
図29および図30に示す代替的実施形態では、所望の形状の切断用先端部720Aは、展性を有するロッド701の遠位端に形成されている。先端部720Aは、ロッド701に溶接された別個の部品であってもよく、あるいは、先端部720Aを、例えば従来の機械加工技法によって、湾曲させるかまたは他の方法でロッド701内に形成してもよい。図示の実施形態では、切断用先端部720Aは、図17および図18に示す実施形態と同様の円錐状トランクおよびドーム状ディスクを有する。しかしながら、切断用先端部720Aの形状を、実行中の処置に応じて、かつ/または個々の解剖学的構造に対応するように変えることができるのは明白である。一実施形態では、切断用先端部720Aを含むロッド701全体が、形状記憶合金で形成されている。先に述べたように、ロッド701は、展性を有する状態(図29)から作動された状態(図30)へと変化する。これも先に述べたように、ロッド701は、非作動化状態と作動された状態との間での運動を制御するための流体媒体の導入を可能にする管腔703を含むのが望ましい。
【0080】
図31および図32に示す代替的実施形態では、ロッド701の先端部720Aおよび遠位部711は、形状記憶合金で形成されている。ロッド本体713は、任意の適した生体適合性を有する外科グレードの材料で形成されている。切断用先端部720Aを担持する遠位部711は、溶接または他の方法でロッド本体713に固定されている。ロッド701の遠位部711は、展性を有する状態(図31)から作動された状態(図32)へと変化する。ロッド701は、非作動化状態と作動された状態との間での運動を制御するための流体媒体の導入を可能にするための管腔703を含むのが望ましい。代替的実施形態では、ロッド701は、流体媒体がシャフト112および望ましくは切断用先端部720を通って循環することができるように、二重管腔714を含むことができる(図33参照)。別の代替的実施形態では、ロッド701は、熱流をより多く収容するための貫通孔703Aを含むことができる(図34参照)。
【0081】
B. 代替的な機械的空洞生成装置
図36に、内部身体領域に空洞を生成するための機械的ツールの代替的実施形態400を示す。シャフト412は、シャフト412の端部上に、鋭利で頑丈な金属のばねを担持している。シャフト412は、ばね420の方向とは逆の方向に回転させることができ、広げるようにして、ばね420に骨(または他の組織)を切断させることができる。ツール400は、カニューレおよびシャフト412よりも先に延び、一回につき短い距離だけ組織内に回転挿入されるばね420と共に、カニューレ(図示せず)を通じて導入されるような大きさおよび形状を有する。次いで、シャフト412を抜去し、任意の捕捉した組織を除去ことができる。組織が捕捉されなかった場合、ツール400が組織内のさらに先へ再導入され、組織除去が再度試みられる。ツール400は、他の機械的ツールによってより適切に切断および/または除去することができるように、組織を弛緩させるために用いることもできる。
【0082】
図37に、内部身体領域内に空洞を生成するための機械的ツールの別の実施形態500を示す。2本またはそれ以上のフィンガが、シャフト512の遠位端上に担持されている。シャフト512は、2本の指520が互いに向き合った4本のフィンガを担持するのが好ましい。フィンガ520は、カニューレ(図示せず)を通じて組織内に導入され、次いで、摘出に備えて組織をつかみ取るための滑車式システムまたは他の類似のシステムによって機械的に閉じられる。フィンガ520は、空洞の大きさが増大するにつれてさらに広がるように適合されているのが望ましい。フィンガ520の長さを意図された用途および特定の個々の解剖学的構造に適するように選択することができるのは明白である。
【0083】
図38および図39に、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールの別の実施形態600を示す。本ツールは、シャフト612の遠位端上に担持された、ヒンジ式空洞生成装置620を含む。空洞生成装置620は、他の機械的ツールによってより適切に切断および除去することができるように、組織に空洞を生成するかまたは組織を弛緩させるために用いることができる。
【0084】
空洞生成装置620は、装置620の高さを調整することができる。装置620を伸長および収縮させるために、位置決めロッド621が装置620に連結されている。高さは、ロッド621を引っ込めて高さHを増大させ、ロッドを押し出して装置620の高さHを減少させることによって調節することができる。ロッド621を引き戻すかまたは前進させた際の装置620の寸法を表示するために、ロッドのハンドル上に目盛りの刻み目(図示せず)を付けることができる。高さHも、意図された用途および特定の個々の解剖学的構造に適するように選択することができる。
【0085】
図40に、図35および図36に類似しているが、より強力な切断のために1つのスプリングブレードまたは一連のスプリングブレード623をさらに備える実施形態を示す。スプリングブレード623は、カニューレから出ている最後のブレードに連結され、終板に平行に切断するために、あらかじめ曲げられているのが望ましい。
【0086】
(IV.骨内における空洞の生成)
記載した種類の2つまたはそれ以上の異なる機械的切断ツールを組み合わせて用い、標的の骨内に所望の大きさおよび形状の腔もしくは空洞を形成することもできる。さらに、1つまたはそれ以上の機械的切断ツールを1つもしくはそれ以上の空洞生成ツールと組み合わせて用い、所望の空洞を形成することができる。骨内に空洞を生成するための拡張可能な構造体は、米国特許第4、969、888号、第5、827、289号、第5、972、015号、第6、235、043号、第6、248、110号、および第6、607、544号に記載されており、それらのすべてが引用により本明細書に組み込まれる。
【0087】
骨折整復および変形矯正は、限定するものではないが、骨折の重症度、骨質(例えば骨粗しょう症、骨肉腫、ステロイド骨粗しょう症)、および治癒を含む種々の要因による影響を受ける。一部の骨折では、拡張可能な構造体の拡張が、1つまたは複数の硬骨部位によって変形される可能性がある。これにより、拡張可能な構造体内の圧力が上昇し、拡張可能な構造体内の拡張媒体の量が減少するという結果となる。硬骨部位を選択的に破壊する機械的切断ツールの使用により、拡張可能な構造体によってより確実で信頼できる骨折整復を達成することが可能となる。機械的切断ツールまたは機械的掻爬ツールは骨を破壊することになるが、拡張可能な構造体は、一括した終板整復および変形矯正のために必要となる。
【0088】
使用時、当業界で一般に知られた技法により、従来のアクセスカニューレを用いて、骨へのアクセス経路が作られる。次いで、機械的切断ツールまたは拡張可能な構造体とすることができる第1の空洞生成装置が骨内に導入され、空洞が生成される。その後、第1の空洞生成装置が除去される。次いで、第1の空洞生成装置と同じであっても異なっていてもよい第2の空洞生成装置が骨内に挿入されて空洞が拡大もしくはさらに画定され、所望の大きさおよび形状の空洞が形成される。その後、第2の空洞生成装置が除去される。必要に応じて、その後、第1および/または第2の空洞生成装置と同じであっても異なっていてもよい第3の空洞生成装置を導入して空洞をさらに拡大および画定し、その後除去してもよい。次いで、充填材、例えば骨セメントまたは代用骨を空洞内に注入または他の方法で導入し、空洞を充填するのが望ましい。
【0089】
図41A〜図41Dに示す一実施形態では、第1の機械的切断ツール800A、および第1の切断ツール800Aと大きさおよび/または形状の点で異なっていてもよい第2の機械的切断ツール800Bを用いて、所望の大きさおよび形状の空洞802が生成される。アクセスカニューレ104が経皮的に導入され、骨、例えば椎骨142内へのアクセス経路が設けられる(図41A)。第1の機械的切断ツール800Aが、カニューレ104を通じて椎骨142の海綿質骨39内に導入される。切断用先端部820Aが、一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、海綿質骨39内に空洞802が生成される(図41B)。その後、第1の切断ツール800Aが除去される。次いで、第2の機械的切断ツール800Bが導入され、一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作される(図41C)。第2の切断ツール800Bは、第1のツール800Aによって生成された空洞802を拡大および/または他の方法でさらに画定するために、異なる大きさならびに/もしくは形状の切断用先端部820Bを有するのが望ましい。例えば、図示の実施形態では、第2の切断ツール800Bは、空洞802を拡大するために、第1の切断用先端部820Aよりも高さが高い切断用先端部820Bを有するが、同様の形状のものである。その後、第2の切断ツール800Bが除去される。次いで、充填材、例えば骨セメントまたは代用骨を空洞802内に導入し、空洞802を充填することができる(図41D)。
【0090】
代替的に、図42A〜図42Eに示すように、第2の切断ツール800Bの除去後、カニューレ104を通じて拡張可能な構造体900を導入して拡張させ、第1の機械的切断ツール800Aおよび第2の機械的切断ツール800Bによって生成された空洞802を拡大ならびに/またはさらに画定してもよい。図示の実施形態では、拡張可能な構造体900は、海綿質骨の圧縮によって拡張すなわち空洞を形成するように適合されたバルーンの形状をとっているが、拡張可能な構造体900は、空洞を拡大および/またはさらに画定するために拡張させることのできる任意の適した装置とすることができる。例えば、拡張可能な構造体900は、機械的ジャッキ、レトラクタ、またはばねとすることもできる。拡張可能な構造体900は、カニューレ104を通じた拡張可能な構造体900の挿入を可能にするつぶれた状態、および拡張可能な構造体900が海綿質骨39内での拡張と同時に海綿質骨39を圧縮する拡張した状態を有するのが望ましい。その後、拡張可能な構造体900は除去される。次いで、先に述べたように、空洞802を充填することができる。
【0091】
図43A〜図43Dに示す別の実施形態では、第1の拡張可能な構造体900Aおよび第1の拡張可能な構造体900Aと大きさおよび/または形状の点で異なることができる第2の拡張可能な構造体900Bを用いて、所望の大きさおよび形状の空洞802が生成される。アクセスカニューレ104が経皮的に導入され、椎骨142内にアクセス経路を設ける(図43A)。第1の拡張可能な構造体900Aがつぶれた状態でカニューレ104を通じて椎骨142の海綿質骨39内に導入される。次いで、拡張可能な構造体900Aが拡張され、海綿質骨39内に空洞802が生成される(図43B)。その後、第1の拡張可能な構造体900Aが除去される。次いで、第2の拡張可能な構造体900Bが導入され、拡張される(図43C)。第2の拡張可能な構造体900Bは、第2の拡張可能な構造体900Bの拡張によって、第1の拡張可能な構造体900Aによって生成された空洞802が拡大および/または他の方法でさらに画定されるように、異なる大きさならびに/もしくは形状を有するのが望ましい。例えば、図示の実施形態では、第2の拡張可能な構造体900Bは、より大きい体積を有するが、同様の形状のものである。しかしながら、第2の拡張可能な構造体900Bは第1の拡張可能な構造体900Aと異なる形状を有することができることが企図される。その後、第2の拡張可能な構造体900Bが除去される。次いで、充填材804、例えば骨セメントまたは代用骨を空洞802内に導入し、空洞802を充填することができる(図43D)。
【0092】
代替的に、図44A〜図44Eに示すように、第2の拡張可能な構造体900Bの除去後、必要に応じて、カニューレ104を通じて機械的切断ツール800を導入し、第1の拡張可能な構造体900Aおよび第2の拡張可能な構造体900Bによって生成された空洞802を拡大ならびに/またはさらに画定してもよい。その後、切断ツールが除去される。次いで、先に述べたように、空洞802を充填することができる。
【0093】
図45A〜図45Eに、骨内に所望の大きさおよび形状の空洞を生成する別の方法を示す。アクセスカニューレ104が経皮的に導入され、椎骨142内にアクセス経路が設けられる(図45A)。第1の拡張可能な構造体900Aが、つぶれた状態で、カニューレ104を通じて椎骨142の海綿質骨39内に導入される。次いで、拡張可能な構造体900Aが拡張され、海綿質骨39内に空洞802が生成される(図45B)。海綿質骨39の網状組織は若干密度が高い可能性があるため、拡張可能な構造体900Aが海綿質骨39を十分に圧縮し、拡張体900Aを完全に拡張させるのは困難となるかもしれない。これは、古い骨折に関して、または外傷によって損傷を受けた正常骨において発生する可能性があるが、必ずしも骨粗しょう症によるものではない。この場合、図45Bに見られるように、拡張可能な構造体900Aは、網状組織の密度に応じて所与の方向へ選択的に拡張することができるが、その完全なあらかじめ形成された形状まで拡張することはできない。その後、第1の拡張可能な構造体900Aが除去される。
【0094】
次いで、機械的切断ツール800が導入される(図45C)。切断用先端部820が一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、拡張可能な構造体900Aによって生成された空洞802が拡大ならびに/もしくは他の方法でさらに画定される。その後、切断ツール800が除去される。
【0095】
必要に応じて、その後、第1の拡張可能な構造体900Aとは異なる大きさおよび/または形状を有することのできる第2の拡張可能な構造体900Bが、空洞802を充填する前に導入される(図45D)。切断ツール800を用いて網状組織を破壊または切断して空洞802を拡張することにより、第2の拡張可能な構造体900Aが完全に拡張することが可能となる。次いで、第2の拡張可能な構造体900Aが拡張され、先に生成された空洞802が拡大および/または他の方法でさらに画定される。その後、第2の拡張可能な構造体900Bが除去される。代替的に、第2の拡張可能な構造体900Bの代わりに、第1の拡張可能な構造体900Aを再導入、再拡張し、次いで除去してもよい。次いで、充填材804を空洞802内に導入し、空洞を充填することができる(図45E)。
【0096】
図46A〜図46Eに示す代替的方法では、アクセスカニューレ104が経皮的に導入され、椎骨104内にアクセス経路が設けられる(図46A)。拡張可能な構造体900が導入および拡張され、海綿質骨39内に空洞802が生成される(図46B)。その後、第1の拡張可能な構造体900Aが除去される。
【0097】
次いで、第1の機械的切断ツール800Aが導入される(図46C)。切断用先端部820Aが一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、拡張可能な構造体900によって生成された空洞802が拡大ならびに/もしくは他の方法でさらに画定される。その後、切断ツール800が除去される。
【0098】
必要に応じて、次いで、第1の機械的切断ツール800Aとは異なる大きさおよび/または形状を有することのできる第2の機械的切断ツール800Bが、空洞802を充填する前に導入される(図46D)。切断用先端部820Bが一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、拡張可能な構造体900ならびに第1の切断ツール800Aによって生成された空洞802が拡大および/もしくは他の方法でさらに画定される。その後、切断ツール800Bが除去される。次いで、充填材804を空洞802内に導入し、空洞802を充填することができる(図46E)。
【0099】
図47A〜図47Eに示す代替的方法では、第1の機械的切断ツール800Aが導入され、一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、空洞802が生成される。その後、第1の切断ツール800Aが除去される。次いで、拡張可能な構造体900が導入および拡張され、第1の切断ツール800Aによって生成された空洞802が拡大ならびに/または他の方法でさらに画定される。その後、拡張可能な構造体900が除去される。
【0100】
必要に応じて、次いで、第1の機械的切断ツール800Aとは異なる大きさおよび/または形状を有することのできる第2の機械的切断ツール800Bが、空洞802を充填する前に導入される。切断用先端部820Bが一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、拡張可能な構造体900Aならびに第1の切断ツール8002Aによって生成された空洞802が拡大ならびに/もしくは他の方法でさらに画定される。その後、第2の機械的切断ツール800Bが除去される。次いで、充填材804を空洞802内に導入し、空洞802を充填することができる。
【0101】
代替的に、図48A〜図48Eに見られるように、第2の機械的切断ツールの代わりに、第2の拡張可能な構造体900Bが導入および拡張され、第1の拡張可能な構造体900Aならびに第1の切断ツール800Aによって生成された空洞が拡大および/または他の方法でさらに画定される。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】図1は、内部身体領域内に空洞を生成するための機械的ツールの斜視図であり、切断用先端部の枢動運動を想像線で示している。
【図2】図2は、骨治療装置の斜視図である。
【図3】図3は、椎骨における図2の装置の挿入および使用を示す斜視図である。
【図4】図4は、切断用先端部の代替的実施形態の斜視図であり、先端部の枢動運動を想像線で示している。
【図5】図5は、図4に示す先端部の正面平面図であり、切断用先端部の回転運動を示している。
【図6】図6は、180°の空洞を生成するための椎骨内での切断用先端部の180°回転運動を示す。
【図7】図7は、図6に対して180°回転したシャフトおよび再度180°回転して360°の空洞を形成した切断用先端部を示す。
【図8】図8は、図4に示す先端部の側面図であり、のこぎりで切るような動作時の切断用先端部の並進運動を示している。
【図9】図9は、切断用先端部の並進運動および椎骨内における空洞の形成を示す。
【図10】図10は、カニューレの遠位端に対する切断用先端部の位置を特定するためのマーカバンドの使用を示す斜視図である。
【図11】図11は、カニューレ内でのシャフトの並進前進を制限するための止め具の使用を示す斜視図である。
【図12A】図12Aは、切断ツールのシャフト上に配置された溝の拡大図である。
【図12B】図12Bは、シャフトの一部分が該シャフトの残部と比較して強度および/または剛性の低い材料で形成された、シャフトの代替的実施形態の斜視図である。
【図13】図13は、シャフトのカニューレに沿った並進運動およびカニューレ内での回転運動を制限する、止め具の代替的実施形態の斜視図である。
【図13A】図13Aは、シャフトのカニューレに沿った並進運動およびカニューレ内での回転運動を制限する、T字形スロットの代替的実施形態の斜視図である。
【図14】図14は、カム面に沿ったカム従動子の完全掃引動作を実行することにより形成された空洞の事前設定された大きさおよび形状を示す概略図である。
【図15】図15は、切断用先端部の代替的実施形態の斜視図であり、先端部の枢動運動を想像線で示している。
【図16】図16は、図15に示す先端部の正面平面図であり、切断用先端部の回転運動を示している。
【図17】図17は、切断用先端部の代替的実施形態の斜視図であり、先端部の枢動運動を想像線で示している。
【図18】図18は、図17に示す先端部の正面平面図であり、切断用先端部の回転運動を示している。
【図19】図19は、切断用先端部を展開するためのアクチュエータ機構の断面図であり、使用者の手の中におけるツールの配置を示している。
【図20】図20は、図19のサムホイール、ねじぶた、フランジ、および止め具の近接部分断面図である。
【図21】図21は、切断用先端部のつなぎ綱およびヒンジ機構の切欠図である。
【図22】図22は、レバーがプランジャロッドの運動を始動させる、アクチュエータ機構の代替的実施形態の側面断面図である。
【図23】図23は、アクチュエータ機構の代替的実施形態を組み込んだツールの斜視図である。
【図24】図24は、アクチュエータ機構の代替的実施形態の上面断面図である。
【図25】図25は、アクチュエータ機構の代替的実施形態の側面断面図であり、使用者の手の中におけるツールの配置を示している。
【図26】図26は、まっすぐな状態または展性を有する状態でかつカニューレ内で後退している切断用先端部を示した、機械的骨切断ツールの代替的実施形態を示す側面部分断面図である。
【図27】図27は、図26と同様の図であり、カニューレの遠位端よりも先への切断用先端部の前進および切断用先端部を作動させるための流体の導入を示している。
【図28】図28は、図27と同様の図であり、所定の形状に向けての切断用先端部の起動を示している。
【図29】図29は、まっすぐな状態または展性を有する状態の切断用先端部を示す、切断用先端部の代替的実施形態の側面図である。
【図30】図30は、作動された状態の切断用先端部を示す、図29と同様の図である。
【図31】図31は、まっすぐな状態または展性を有する状態の切断用先端部を示す、切断用先端部の代替的実施形態の側面図である。
【図32】図32は、作動された状態の切断用先端部を示す、図31と同様の図である。
【図33】図33は、シャフトによって担持された切断用先端部の代替的実施形態の側面図であり、シャフトを通って切断用先端部内に延びる二重管腔を示している。
【図34】図34は、切断用先端部を通って延びる貫通孔を示す、切断用先端部の代替的実施形態の側面図である。
【図35A】図35Aは、カニューレによって閉じ込められた、あらかじめ曲げるかまたは成形された切断用先端部を示す側面図である。
【図35B】図35Bは、カニューレよりも先への先端部の延長によるあらかじめ曲げるかまたは成形された切断用先端部の展開を示す、図35Aと同様の側面図である。
【図36】図36は、機械的空洞生成装置の代替的実施形態の側面図である。
【図37】図37は、機械的空洞生成装置の代替的実施形態の側面図である。
【図38】図38は、機械的空洞生成装置の代替的実施形態の側面図である。
【図39】図39は、図38に示す装置の上面図である。
【図40】図40は、スプリングブレードが装置から延びている、図38および図39の装置の代替的実施形態の側面図である。
【図41】図41A〜図41Dは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する方法を示しており、該方法では、第1の機械的切断ツールを用いて骨内に空洞が生成され、第2の機械的切断ツールを用いて該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図42】図42A〜図42Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の機械的切断ツールを用いて骨内に空洞が生成され、第2の機械的切断ツールを用い、次いで拡張体を用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図43】図43A〜図43Dは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の拡張体を用いて骨内に空洞が生成され、第2の拡張体を用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図44】図44A〜図44Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の拡張体を用いて骨内に空洞が生成され、第2の拡張体を用い、次いで機械的切断ツールを用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図45】図45A〜図45Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の拡張体を用いて骨内に空洞が生成され、機械的切断ツールを用い、次いで第2の拡張体を用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図46】図46A〜図46Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、拡張体を用いて骨内に空洞が生成され、第1の機械的切断ツールを用い、次いで第2の機械的切断ツールを用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図47】図47A〜図47Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の切断ツールを用いて骨内に空洞が生成され、拡張体を用い、次いで第2の機械的切断ツールを用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図48】図48A〜図48Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、機械的切断ツールを用いて骨内に空洞が生成され、第1の拡張体を用い、次いで第2の拡張体を用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2003年9月3日に提出された、「Mechanical Devices for Creating Voids in Interior Body Regions and Related Methods」と題する米国仮出願第60/499、934号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、全体として内部身体領域に腔または空洞を生成するためのツールに関する。詳細には、本発明は、診断目的または治療目的のために骨内に空洞を生成することに関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
診断および治療の両方の目的のために身体の固形臓器の1つの内部に腔または空洞を形成する低侵襲的方法は、放射線走査技法ならびに他の種類の走査技法によって切開を行う必要なく身体の内部を観察する医師の能力が向上するにつれて、いっそう重要となりつつある。
【0004】
現在低侵襲手技を用いて空洞を形成している最も一般的な固形臓器は、骨である。一般的に、これは、骨折、骨粗しょう症、または腫瘍を有する身体内のいずれかの病的な骨である。骨に対して最も一般的に用いられる空洞形成法は、特許文献1および特許文献2に記載されている拡張型骨充填法である。この場合の空洞形成の後には通常、骨セメントまたは代用骨のような充填材による充填が続く。
【特許文献1】米国特許第4,969,888号明細書
【特許文献2】米国特許第5,108,404号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
機械的方法も、固形臓器内部に空洞を作るのに利用可能である。それらの固形臓器には、脳、腎臓、脾臓、肝臓および骨が含まれる。例えば、脳においては、低侵襲性の機械的空洞技法によって、膿瘍を容易に外科的に切除し、灌注することができる。破裂した脾臓には、低侵襲手技によって接近し、小空洞を形成して発泡ゲルまたはなんらかの他の凝固剤を充填し、出血を止めることができる。骨粗しょう症によって骨折した椎体または骨腫瘍には、低侵襲性機械システムによって接近し、腔または空洞を生成し、次いで代用骨を補充することができる。安全かつ有効な方法で骨および他の内部身体領域内に空洞を形成することができるシステムまたは方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本発明は、内部身体領域内に空洞を生成するシステムおよび方法を提供する。
【0007】
本発明の一態様では、骨を切断または掻爬するための切断用先端部を提供する。一実施形態では、シャフト端部のキューレット型器具を異なる位置へ機械的に傾斜させて材料を掻爬し、空洞を形成することができる。別の実施形態では、シャフト端部の機械装置がT型の形状に似ており、空洞を形成するための並進切断および回転切断を可能としている。第3の実施形態では、切断用先端部は、回転された先細のトランクを含む。第4の実施形態では、切断用先端部は、円錐状のトランクを含む。第5の実施形態では、鋭利で頑丈な金属のばねが、シャフトの端部上に備えられている。第6の実施形態では、シャフトの遠位端が、組織をつかみ取って摘出するための2本またはそれ以上のフィンガを担持している。第7の実施形態では、ヒンジ式の空洞形成装置がシャフトによって担持されており、長方形または任意の他の所定の形状を有することができる空洞の形成を可能としている。
【0008】
本発明の別の態様では、切断用先端部を展開するためのアクチュエータ機構を提供する。一実施形態では、サムホイールの回転運動が、プランジャロッドの並進運動に変換される。代替的実施形態では、コントロールノブの回転運動が、一連の歯車の相互作用によって、プランジャロッドの並進運動に変換される。
【0009】
本発明の別の態様では、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールを提供する。本ツールは、シャフトと、骨に接触するための先端部と、先端部をシャフトに連結するヒンジ部材とを備える。先端部は、加えられたトルクが最大ヒンジトルクを超える場合、連結を解除される。シャフトは、先端部の近位に弱領域を含んでおり、加えられたトルクが最大シャフトトルクを超える場合、該領域に沿って、シャフトが破断することになる。最大ヒンジトルクは、最大シャフトトルクよりも大きい。
【0010】
本発明の別の態様によれば、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールは、管腔を含むシャフト組立体と、シャフトに連結された、骨に接触するための先端部と、管腔内で摺動可能なロッドとを備える。ロッドは、先端部につながれている。
【0011】
本発明の別の態様によれば、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールは、管腔を含むシャフトと、連結要素によってシャフトに連結された、骨に接触するための先端部とを備える。先端部は、たとえ連結要素が動作不能となっても先端部がシャフトに依然としてつながれているように、シャフトにさらにつながれている。
【0012】
本発明の別の態様によれば、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールは、カニューレと、シャフトとを備える。シャフトは、ハンドルを有しており、カニューレを通過するような大きさおよび形状を有する。カニューレ内でのシャフトの前方進行を制限するために、突起が、シャフトから半径方向に延びている。
【0013】
本発明の別の態様では、骨内に空洞を生成する方法を提供する。本方法では、1つまたはそれ以上の拡張可能な空洞生成構造体と組み合わせて用いることのできる1つもしくはそれ以上の機械的切断ツールを準備し、所望の大きさおよび形状の空洞を形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(好ましい実施形態の説明)
本明細書の開示内容を、当業者が本発明を実施できるようにするために詳細に説明し、取り上げているが、本明細書に開示する物理的実施形態は、他の特定の構造で実施することができる本発明を単に例示するものに過ぎない。好ましい実施形態を説明してきたが、詳細は、特許請求の範囲によって定義される本発明を逸脱することなく変更することができる。
【0015】
本発明を実施したシステムおよび方法は、組織内部における腔または空洞の形成が治療目的または診断目的上必要となるほぼすべての内部身体領域に用いるように適合させることができる。好ましい実施形態は、骨を治療するために用いられるシステムおよび方法に関連して本発明を示している。これは、本発明を実施したシステムおよび方法がこの環境において用いるのに好適であるからである。本発明の特徴を実施したシステムおよび方法を他の内部身体領域にも用いることができるのを理解されたい。
【0016】
切断用先端部の種々の実施形態を以下に詳細に説明する。各々のケースにおいて、それらの大きさおよび形状は、それが脛骨内の空洞であれ椎体内の空洞であれ、形成すべき理想的な空洞に適合するように生成することができる。さらに、これらの機械的ツールは、それらの空洞形成機能を実行するのに適切な剪断強度および引っ張り強さを有する任意の生体適合性を有する金属(限定するものではないが、例えば、ステンレススチール、チタン、チタン合金、タンタル、アルミニウム、アルミニウム合金、または他の金属)で製造することができる。適した生体力学的特性を有するプラスチックポリマーも、これらのツール用に用いることができる。代替的に、生体適合性を有する材料でツールをめっきするかまたはコーティングしてもよい。
【0017】
(I.機械的切断ツール)
(A.キューレット)
図1〜図3に、標的の治療部位に腔または空洞を形成することができるツール10を示す。ツール10は、近位端および遠位端、それぞれ14ならびに16を有するシャフト12を備える。シャフト12は、シャフト12を握って操作し、あらかじめ形成されたアクセス経路を通って骨内に到達させるのを支援するためのハンドル18を含むのが好ましい。ハンドル18は、任意の適した金属、例えば任意の剛体のポリマーまたは金属もしくはそれらの組み合わせで製造し、シャフト12の周りに固定することができる。ハンドル18は、医師によって安全かつ快適に把持されるような大きさおよび形状を有するのが望ましい。
【0018】
シャフト12は、その遠位端16に空洞形成構造体20を担持する。図示の実施形態では、構造体20は、多角的な切断用先端部20の形状をとっている。切断用先端部20は、様々な身体領域に用いるように、例えば骨内に空洞を生成するように適合させることができる。切断用先端部20はまた、組織から硬腫瘍または軟腫瘍を切除するのにも役立つことができる。本明細書において使用する切断用先端部は、骨との接触によって、例えば骨の切断、剪断、すくい上げ、削り取り、スカイビング、切開、または骨に掻き傷を入れることによって骨内に機械的に空洞を形成するように適合された表面である。
【0019】
切断用先端部20は、シャフト12の遠位端16にヒンジ式に連結されている。切断用先端部20は、シャフト12から半径方向に、かつあらかじめ形成されたアクセス経路から半径方向に、該アクセス経路の直径よりも大きい直径まで延びるように適合されるのが望ましい。切断用先端部20は、任意の適した生体適合性を有する材料、例えばステンレススチール、コバルトクロム、チタンおよびそれらの合金または混合物で製造することができる。シャフト12および切断用先端部20は、代替的に、異なる材料(例えば、異なる強度を有するステンレススチールの合金:303ステンレススチール、304ステンレススチール、17−4ステンレススチール、17−7ステンレススチール)で製造し、溶接するか、または他の方法で共に結合することができる。後に詳細に説明するように、アクチュエータ、例えばホイール22(例えば図19および図23も参照)は、第1の閉鎖位置または非展開位置から第2の開放位置もしくは展開位置への切断用先端部20の選択的運動を可能にする。
【0020】
閉鎖位置(図1に実線で示す)では、切断用先端部20は、シャフト12の軸線Sに沿って、シャフト12の遠位端16から延びる。この状態では、シャフト12は、カニューレ23または他の器具を容易に通過することができる。ヒンジ機構は、開放位置(図1に想像線で示す)へのシャフト12の軸線Sに直角な角度Aでの先端部20の枢動を可能にする。好ましい実施形態では、切断用先端部20は、枢動しかつシャフト12の軸線Sに対して0°〜90°の任意の枢動位置で選択的に固定されるように適合されている。
【0021】
アクチュエータ機構は、すべての度合いでの起動時に、両方向(すなわち、開いた展開位置から閉じた非展開位置に至る方向、および閉じた非展開位置から開いた展開位置に至る方向)へ、確実な、制御された運動を生じさせるのが望ましい。すなわち、固定された枢動位置および角度Aは、シャフト12の回転方向にかかわらず維持される。アクチュエータ機構は、先端部がどちらの方向に作動されても、確実な切断動作を生じさせ、双方向切断機能を提供する。作動を反復し、連続的に切断することができる。作動速度を変え、切断速度を変化させることができる。切断用先端部20は、先端部が展開した状態でのプッシュプル動作すなわちのこ引き動作時のシャフト12の軸線Sに沿った並進(すなわち、長手方向)運動をも可能にする。医師は、反復作動、並進運動により、または一連の作動と並進運動の組み合わせを実行することにより、所望の空洞を生成する。
【0022】
使用時、切断用先端部20が、シャフト12の遠位端16から延びる閉鎖位置、すなわち軸線Sに対して0°の角度Aで配置される。ツール10は、開放状態での手技によって標的の治療部位内に導入することもできる。ツール10は、カニューレ23が所望の治療部位、例えば椎体37内へ進められる、閉鎖状態での低侵襲手技によって導入されるのが望ましい。次いで、シャフト12がカニューレ23に貫通され、切断用先端部20がカニューレ23の遠位端よりも先まで延ばされる。代替的に、ツール10の導入後、カニューレ23を除去することもできる。標的の治療部位内へのカニューレ23およびツールの導入を支援するために、透視方法または他の視覚化手法を用いてもよい。次いで、切断用先端部12が、所望の位置、すなわち、好ましくは0°から150°の間の任意の位置、最も好ましくは約90°の位置へ枢動される。また、先端部20は非展開状態で停止させることなくいずれの方向にも展開することができると想定される。作動を反復し、のこぎりで切るような動作で押し引きすることによってシャフト12を前後方向に進行させ、それにより空洞を生成することができる。
【0023】
回転切断が所望される場合、切断を継続するために、先端部20を再配置するためのシャフト12の回転が必要となる。この場合、切断用先端部20は、閉鎖位置に戻され、シャフト12は、新たな位置へ転向または回転される。切断用先端部20が、所望の角度A(開放位置)へ再度枢動され、シャフト12が、プッシュプル動作を利用して再度前後方向に進められる。所望の形状の空洞を生成するためにシャフト12を任意の回数だけ再配置することができるのは明白である。
【0024】
ここで図2および図3を参照すると、カニューレ23は、低背化された遠位部分を組み込んでいるのが望ましい。カニューレ23は、大口径部分25と、小口径の遠位部分27と、遷移部分29とを含む。代替的に、カニューレ23は、大口径部分25と小口径部分27との間にテーパを備えていてもよい(図示せず)。ツール10のシャフト12は、カニューレ23を通って延びる管腔31内に嵌合する大きさを有するのが望ましく、一定の大きさを有していても、大きが変化していてもよい。
【0025】
カニューレ23の遠位端直径を縮小させることにより、骨内に生成されるアクセス経路の大きさをそれに対応して縮小して、ツール10の先端部を標的の骨内に挿入することができるのが望ましい。カニューレ23の小口径部分27は、皮質壁を通過して骨内に到達することになるが、これに対し、大口径部分25は、骨の外側に当接することができ(必要に応じて開口部を封止して)、軟組織を限界まで引き伸ばすが断裂させないことが望ましい。
【0026】
好ましい実施形態では、小口径部分27は、大口径部分25が茎35の皮質骨33に当接する際に小口径部分27の遠位端が茎35を貫通して延び、椎体37内に出現し、海綿質骨39内に入るような大きさを有するのが望ましい。この実施形態では、ツール10は、カニューレ23内に完全に挿入されたときに、遠位の切断用先端部20が椎体37または標的骨の前方皮質壁41に接触しかつ/もしくは破るのが防止されるような大きさを有することができる。
【0027】
他の低背型骨アクセスツールについては、引用により本明細書に組み込まれる、2001年9月11日に提出された「Systems and Methods for Accessing and Treating Diseased or Fractured Bone Employing a Guide Wire」と題する米国特許出願第09/952、014号に記載されている。
【0028】
(B.T先端部の実施形態)
多くの場合において、回転方向と並進方向の両方向に切断することが望ましい。そのような場合、回転切断動作が医師とっての人間工学的で自然な動作を反映するのが好ましい。図4〜図9に、人間工学的で自然な動作を用いて切断用先端部の並進運動、回転運動、または並進と回転の同時運動を可能にする切断用先端部120を有する切断ツール100の実施形態を示す。切断用先端部は、任意の適した生体適合性を有する材料、例えばステンレススチールで製造されている。
【0029】
図4に示すように、切断用先端部120は、シャフト112にヒンジ式に取り付けられた枢動領域124を備えており、例えば、枢動ピン126が、枢動領域124内の穴128を貫通し、シャフト112内に延びている。この配列により、切断用先端部が事実上あらゆる所望の角度で枢動できるようにする広範囲の枢動動作が可能となる。好ましい実施形態では、切断用先端部120は、シャフト112の軸線Sに対して0°から90°枢動するように適合されている。図1の実施形態と同様に、アクチュエータ機構は、双方向において確実である。
【0030】
カラー130が枢動領域124とトランク領域132を分離しており、また切断用先端部120にさらに強度を与えかつそれを支持している。トランク領域132の全幅(W)は、先端部120を90°に展開したときに、シャフト112の軸線Sと平行となる(図4に想像線で示す)。
【0031】
トランク132は、トランク132の両側に延びる2つの部分からなる丸みを帯びた切断面を備え、360°の切断面を提供するカッティングディスク134を担持している。好ましい実施形態では、ディスク134の直径は、切断時の先端部120上の応力を最小限度に抑えかつカニューレを容易に貫通することができるように、シャフト112の直径とほぼ同じである。
【0032】
先端部は、ディスク134の先端部に沿って平坦であるかまたはまっすぐな切断面136を含み、プル動作時に骨を切断するのをさらに容易にする。プッシュ時には、シャフト112が、切断するための強度および力を与える。
【0033】
ディスク134およびトランク132は、共に広い表面接触領域をもたらし、先端部120が積極的に骨内に食い入って骨物質を大量に掻爬することを可能にする。
【0034】
ディスクの形状により、時計周りと反時計回りの両方向への回転切断が可能となる。図5を参照すると、先端部120は、所望の角度A,、例えば軸線Tに沿って90°延びる。次いで、シャフト112が軸線Tに対して第1の方向(矢印138で示す)へ0°〜90°回転される。シャフト112は、軸線Tに対して反対方向(矢印140で示す)に0°〜90°回転させることができ、医師が手首の向きを変えるだけで180°広がる空洞を生成することができる。
【0035】
図6に、180°の空洞を生成するための骨、例えば椎骨142内における切断用先端部120の回転を示す。多くの場合、360°広がる空洞を生成することが望ましい可能性がある。図7に示すように、180°空洞の形成後、シャフト112を180°回転させ、軸線Tにほぼ沿って再度位置合わせすることができる。次いで、シャフト112は、軸線Tに対して第1の方向(矢印144で示す)に0°〜90°回転される。シャフト112は、360°広がる空洞を生成するために、軸線Tに対して反対方向(矢印146で示す)に0°〜90°回転させることができる。医師は、透視方法を用いて先端部120の位置をモニタすることができる。
【0036】
ディスクの形状により、図8および図9に矢印で示すプッシュプル動作またはのこ引き動作での並進切断も可能となる。使用時、医師は、同時にハンドルを回転させるかまたは回転動作と並進動作を交互させながら、押し込みかつ引き出すことによって、並進力と回転力を同時に送達することができる。このようにして、医師は、切断用先端部120の回転運動および並進運動を制御し、所望の大きさおよび形状、例えば円筒状の空洞を生成する。
【0037】
図10に見られるように、シャフト112は、カニューレ104内でのシャフト112の前方への動作、すなわち並進動作を制限するように設計された突起または止め具102を担持するのが望ましい。止め具102の直径は、止め具102がカニューレ104の正面もしくは先端106に押し当たってカニューレ104内でのシャフト112の前方進行を停止するように、カニューレ104の直径に近い。
【0038】
止め具102は、ハンドル18に巻きつけた、またハンドル18の下にある医師の指を収容するだけの十分な空間があるようにシャフト112上に配置される。従って、止め具102によって医師の指と経皮アクセスカニューレ104との間に隙間が設けられ、医師の指が締め付けられたり挟まれたりするのが防止される。止め具102は、シャフト112の挿入を停止し、シャフト112を回転させる(すなわち掃引切断動作)際またはプッシュプル切断動作もしくは両方の切断動作の組み合わせを利用する際の、医師の手に対する快適な作業距離を残す。代表的な実施形態では、止め具102は、ハンドルの基部から約1.75インチ(約4.5cm)の位置に配置される。シャフト112のさらなる前進を制限または防止することにより、止め具112は、椎体内でのシャフト112(および空洞形成構造体20)の前進を防止する。これにより、椎骨142(図9も参照)の前方皮質壁を締め付けるかまたは挟む可能性が防止される。
【0039】
マーカバンド101は、止め具102の遠位に配置されるのが望ましい。図10に見られるように、シャフト112がアクセスカニューレ104内に完全に挿入されると、切断用先端部120がカニューレ104から出て骨、例えば椎骨142内に入る際に、マーカバンド101がカニューレ104の面106と整合する。図11に示すように、シャフト112がカニューレ104内に完全に挿入されると、先端部120は、カニューレ103の遠位端103よりも先に延びる。
【0040】
代表的な実施形態では、マーカバンド101は、止め具102の遠位約3cmの位置に配置される。この実施形態では、シャフト112がカニューレ104内に完全に挿入される(すなわち、止め具102に押し当たっている)と、先端部120は、切断用先端部120が非展開位置にある際にはカニューレ104の遠位端103から約3.5cm延び(すなわち、シャフト112の軸線Sと整合する)、先端部120が展開位置(例えば90°の位置)にある際は、カニューレ104の遠位端103から約3cm延びる。
【0041】
好ましい実施形態では、溝105が、止め具102の近位に配置されている。図12に最もよく見られるように、溝105は、シャフト112上に弱線を規定するための、半径がRで角度Gを有するシャフト112上の逆向き山形切り込みである。代表的な実施形態では、溝105は、約0.006インチの半径Rを有する60°の山形切り込み(すなわち、G=約60°)である。溝105におけるシャフト112の破壊に要する平均トルク(最大シャフトトルク)は、ピン126におけるシャフト112の、より全体的には切断用組立体自体の破壊に要するトルク(最大ヒンジトルク)(図4も参照)よりも小さい。例えば、正常な骨を掻爬するのに要する平均トルクは約2.0in.−1bであることが分かっている。代表的な実施形態では、溝105におけるシャフト105の破壊に要する平均トルクは約7.3in.−1bであり、ピン128における破壊に要する平均トルクは9.3in.−1bである。過度のトルクがシャフト112を通して移動されると、溝105が存在することにより、枢動領域124において先端部120が破断するかまたは故障する前に、溝112においてシャフト112が破断するかもしくは分断されることとなる。これによって安全機能がさらに提供され、シャフト112および不変形の枢動領域124をカニューレ104から難なく安全に除去することが可能となる。枢動領域124の故障または変形が回避される。
【0042】
弱領域は、先端部120がシャフト112から外れる前にシャフト112が分断されるかまたは破断することになるようにする(すなわち、最大ヒンジトルクを最大シャフトトルクよりも大きくする)種々の他の適した手段のいずれによっても形成することができることが企図される。例えば、図12Bに示すように、シャフト112の一部分111を、シャフト112の残りの部分113Aおよび113Bと比較して強度ならびに/または剛性を低下させた材料で形成し、弱領域を画定することができる。1つの代表的実施形態では、シャフト部分113Aおよび113Bは、生体適合性を有する金属で形成され、シャフト部分111は、生体適合性を有するプラスチック材料で形成されている。
【0043】
図13を参照すると、シャフト112は、回転動作をあらかじめ設定された角度に制限するための、カニューレ104または他のアクセス装置内の相補形のスロットもしくは溝110と選択的に嵌まり合う歯またはラグ108を有する突起または止め具102をも担持することができる。この配列では、スロットまたは溝110は、カム面を画定する。歯またはラグ108は、カム従動子として機能する。カム面およびカム従動子の形状は様々であってよいが、カム面の動作の全範囲をまたぐカム従動子の掃引動作によって、所定の大きさならびに形状の空洞が着実に生成されるシステムを画定するのが好ましい。
【0044】
図13に、カム面がカニューレ104の周方向縁部内で細長いスロット110の形状をとっている実施形態を示す。到達深度は、スロットの深さによって規定される。すなわち、スロットの長さLSによって、カニューレ104内での止め具102(従ってシャフト112)の前方進行に制限が加えられる。スロットの幅WSは、所定の量だけラグまたは歯102の幅WCよりも大きい。回転の角度は、スロット110の広さ、すなわちスロット110の幅と歯またはラグ108の幅との間の差(すなわちWSとWCとの間の差)によって制御される。到達深度および回転角度が所定かつ一定であるため、カム面ならびにカム従動子の全動作範囲の1掃引によって、所定の大きさおよび形状の空洞が着実に生成される。例えば、図14に、角度A1を有する所定のパイ形空洞の形成を示す。所定の空洞は、図13に示すスロット110の長さLSに相当する長さを有する。例えばスロット110の幅をその長さに沿って変えることによってスロット110を変化させ、所望の所定の形状および大きさの空洞を形成することができる。例えば、図13Aに、スロット110Aの代替的実施形態を示しており、この実施形態では、スロット110Aは略T字形で、最前方部分の体積がより大きく、各体積もまたくさび形となるようにバイアスがかかっている所定の空洞を形成するように適合されている。
【0045】
使用時、ツール100が標的の治療部位内に導入される。ツール100は、経皮カニューレ104が所望の治療部位、例えば椎体内に進められる閉鎖された低侵襲手技で導入されるのが望ましい。ツールの導入は、先に述べた従来の視覚化技法によって支援することができる。次いで、シャフト112がカニューレ104に貫通され、切断用先端部120がカニューレ104の遠位端よりも先に延ばされる。次いで、切断用先端部112が、所望の位置、すなわち0°〜90°の間の任意の位置まで枢動される。
【0046】
医師は、カム面およびカム従動子の全動作範囲をたどってシャフト112を弧を描くように動かすことにより、切断用先端部120を操作する。所定の大きさおよび形状の空洞を生成するために、止め具102がカニューレ104に沿ったシャフト112の並進運動を制限する機能を果たし、ラグまたは歯108がカニューレ104内でのシャフト112の回転運動を制限する。生成される空洞は一定で所定の大きさおよび形状を有するので、切断時ならびに空洞形成時は、視覚化の必要はない。それにより、透視方法または他の視覚化技法の必要性が低減され、患者の放射線もしくは染料への曝露が制限される。処置の完了と同時に、切断用先端部112が非展開位置に戻され、カニューレ104およびツール100が抜去される。
【0047】
(C.転向された先細のトランクの実施形態)
図15および図16に、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールの代替的実施形態200を示す。この実施形態では、トランク232は、図4〜図9に示す実施形態と比較して先細であり、90°回転されており、これにより、先端部220がシャフト212の軸線Sから90°の角度Aで展開されると、トランクの全幅Wは、シャフト212の軸線Sに垂直となる。
【0048】
この配列は、掻爬および切断中の骨との接触時におけるディスク234とトランク232を合わせた表面積を最小化し、従って、ヒンジ機構への有意な力ならびに応力の伝達を最小化する。
【0049】
ディスク234は、ドーム形となっている凸状の前面248を有する。ディスク234は、シャフト212の直径とほぼ同じ直径を有し、切断時の先端部220上の応力を最小化し、先端部220のカニューレ通過を容易にしているのが好ましい。ドーム形状により、骨上にてこの作用を生成することによる骨の切断および掻爬が促進され、先端部220が容易に回転して骨から出ることができる。ドーム形状により、先端部が容易に骨から外れて骨から離れることができるようになり、抜去が容易となる。
【0050】
先に述べたように、ディスク234は、360°の切断面を備えており、かつ、所望の角度Aで展開したときに、切断ディスク234の並進運動と回転運動の両方を許容する。
【0051】
(D.円錐形のトランク形状)
図17および図18に、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールの別の代替的実施形態300を示す。この実施形態では、トランク332は、図15および図16の実施形態と同様に先細であるが、円錐形である。
【0052】
トランク332は、ドーム形ディスク334も担持しており、図15および図16の実施形態と同様に、並進切断と回転切断の両方を可能としている。
【0053】
ディスク334とトランク332を合わせた切断面が最小化され、すべての方向において骨内の接触域を最小化することにより、ヒンジ式機構上の力および応力を低減するように設計されている。押すまたは引く(並進)力、回転させる(回転)力、もしくは両方の力の組み合わせが加えられるか否かに関係なく、骨に対しては同じ輪郭(円錐形トランク332の左右対称の断面)が提示される。
【0054】
(II.アクチュエータ機構)
(A. サムホイールの実施形態)
図19〜図22に、空洞形成ツールと共に用いるためのアクチュエータ機構の一実施形態を示す。本アクチュエータ機構は、回転運動を並進運動に変換し、切断用先端部の展開を制御する。例としてであり限定としてではなく、本アクチュエータ機構を、図4〜図9の切断用先端部120の実施形態と共に示す。
【0055】
本アクチュエータ機構は、サムホイール150と、インサートまたはキャップ152と、フランジ154と、プランジャロッド156と、回転止め158とを備える。サムホイール150、キャップ152、フランジ154、プランジャロッド156、および回転止め158は、任意の適した金属で製造することができる。サムホイールは、ハンドル18内のスロット160内に自由に動くように設置されている。好ましい実施形態では、ハンドル18は、丈夫で耐久性を有するポリマープラスチックで製造されている。
【0056】
図19に示すように、サムホイール150は、使用者の親指または人差し指による操作のために、少なくとも部分的にハンドル18から延びている。サムホイール150は、把持および操作を容易にするために、溝またはギザギザを含むのが望ましい。サムホイール150は手動操作用に構成することができるが、アクチュエータは動力駆動式とすることもできることが企図される。キャップ152は、サムホイール150内に設置され、ホイール150と共に動くように、ねじ山をつけるか、または他の方法でホイール150に係合するように適合されているのが望ましい。キャップ152は、例えば溶接によって、プランジャロッド156に接続されている。速度伝達比、従って送達されるトルクの量は、キャップ152のねじ山のピッチを変えることによって制御することができる。
【0057】
プランジャロッド156は、シャフト112内に設置され、キャップ152およびサムホイール150内の孔を通ってシャフト112ならびにサムホイール150よりも先に延びるような大きさおよび形状を有する。図示の実施形態では、図19に見られるように、サムホイール150およびシャフト112は、人差し指と中指の間にシャフト112を配置するために、ハンドル18上にオフセット配置されている。図21に示すように、プランジャロッド156の遠位端は、係留ワイヤ166に連結されている。つなぎ綱160は、ループ状になってピン126の下の切断用先端部120内の穴168を貫通し、プランジャロッド156にかしめるか溶接されている。プランジャロッド156の運動によってつなぎ綱160上の圧力が調節され、先端部を展開位置と非展開位置との間で作動させる。つなぎ綱160は、ピン126の破壊または故障の場合に、先端部120がシャフト112に取り付けられた状態を保持することになり、除去を容易にすることができる。これにより、除去中に部品が後に残されるのが防止され、それにより、さらに安全機能がもたらされる。
【0058】
図示の実施形態はシャフト112に連結されかつロッド156でシャフト112にさらにつながれた先端部120を示しているが、先端部120は、たとえ連結要素(例えばピン126)が動作不能となっても先端部120がシャフト112につながれている状態を保持する種々の方法のいずれかによってシャフト112にさらにつなぐことができることが企図される。例えば、ある代替的実施形態では、先端部120は、ケーブルまたは滑車(図示せず)でシャフト112にさらにつながれている。
【0059】
フランジ154は、ハンドル18内のスロット170に設置され、例えば、溶接によって、または締まりばめもしくは圧入によってシャフト112に連結される。フランジ154は、それをスロット170と共に設置することのできる方法が1つのみとなるように、オフセット孔を含むのが望ましい。フランジ154は、ハンドル18内でシャフト112に係合し、シャフト112の回転運動を本質的に防止するような大きさおよび形状を有する。
【0060】
図示の実施形態では、ロッド156は、止め具158内の相補的な長方形の開口部174を貫通するような大きさおよび形状の長方形の端部172を有する。止め具158は、ロッド156に係合し、作動時のロッド156の回転を防止する。止め具158は、プランジャロッド156に取り付けられ、スロット160の外側に、それに押し当てて設置されている。プラスチック製のスロット160に押し当てられた金属製の止め具158の配列が、さらなる摩擦力を生成し、さらなる強度および強化をもたらし、プランジャロッド156に送達されるトルクの量を制限する機能を果たす。
【0061】
第1の方向へのサムホイール150の回転によって、プランジャロッド156がシャフト112に沿った第1の方向に進められ、ワイヤ166上の張力が低減され、切断用先端部120の展開が始動される。反対方向へのサムホイール150の回転によって、プランジャロッドがシャフト112内で反対方向に進められ、ワイヤ166上の張力が増大され、展開位置から非展開位置への切断用先端部120の運動が始動される。この配列により、サムホイール150の回転運動が、プランジャロッド156の並進運動に変換される。
【0062】
図22に示す代替的実施形態では、レバー176が、プランジャロッド156にヒンジ式に取り付けられている。第1の方向へのレバー176の運動によって、プランジャが第1の方向に進められ、切断用先端部120が展開され、反対方向へのレバー176の進行によって、プランジャ156が第2の方向に進められ、切断用先端部120が、展開位置から非展開位置へ動かされる。このようにして、レバー176は、医師がシャフト112を動かすことなく先端部120自体を連続的にかつ都合よく動かして往復切断動作を生じさせることを可能にする。
【0063】
(B.歯車の実施形態)
図23〜図25に、図19〜図21の実施形態に類似したアクチュエータの実施形態を示す。このアクチュエータは、相互に作用して回転運動を並進運動に変換する一連の歯車を備える。
【0064】
中央歯車178は、形状および機能の点で図19〜図21に示すサムホイール150に類似している。中央歯車178およびシャフト112は、中指と薬指の間にシャフト112を配置するために、ハンドル18底部の長手に沿って中央に来るように位置決めされている。
【0065】
コントロールノブ180Aおよび180Bは、使用者の親指で作動させるために、ハンドル18の各端部に設けられている。代替的に、コントロールノブ180Aおよび180Bは、モータで駆動してもよい。各コントロールノブ180Aおよび180Bは、コントロールノブ180Aまたは180Bと中央歯車178との間に配置された対応する中間歯車182Aもしくは182Bを作動させる歯車を規定する。コントロールノブ180Aまたは180Bの回転により、対応する中間歯車182Aもしくは182Bおよび中央歯車178が作動される。先の実施形態と同様に、コントロールノブ180の回転運動はそれによって、プランジャロッド156の並進運動に変換される。
【0066】
対称形のデザインは、右手または左手で容易に使用するために設計されているものである。さらに、対称形のデザインにより、ハンドル18の容易な回転が可能となる。
【0067】
使用時、シャフト112が、カニューレ104を通して進められる。切断用先端部120は、カニューレ104の遠位端よりも先に延ばされる。コントロールノブ180Aまたは180Bが回転され、切断用先端部130が所望の角度まで展開される。次いで、医師が、シャフト112の一連の並進運動および回転運動を実行することによって、所望の空洞を生成する。次いで、医師は、切断用先端部120を非展開位置に戻す。
【0068】
必要に応じて、その後、ハンドル18を180°回転させることができる。次いで、対向するコントロールノブ180Aまたは180Bを操作し、再度切断用先端部120を所望の角度まで展開し、別の一連の並進運動および回転運動を実行することができる。
【0069】
ひとたび所望の空洞が生成されれば、医師は、先端部120を非展開位置に戻す。ツール100が患者から抜去される。その後、医師は、空洞に骨セメントまたは代用骨を充填し、カニューレ104を抜去し、切開を閉じて処置を完了する。
【0070】
切断の速度および/または力は、速度伝達比を変更することによって制御することができる。力は、ねじピッチもしくは伝導歯車の歯車比を変更することによって変えることができる。動作速度(すなわち作動速度)は、作動速度を手動または機械で変更することによって変えることができる。
【0071】
(III.機械的空洞生成装置の代替的実施形態)
(A.形状記憶合金)
図26〜図28に、形状記憶合金で形成された切断用先端部720を用いたツールの実施形態700を示す。形状記憶合金の使用により、ヒンジ機構としての小器具をもはや必要とせずに先端部を作動させることが可能となる。小器具は、より安全であり、かつ脊柱内のより高い位置にある小椎体にアクセスすることができる。小器具は、患者に対する侵襲がより少なくかつ外傷の可能性がより低いものでもあり、回復時間をより速くすることができる。
【0072】
形状記憶合金、例えばニチノールで形成された展性を有するロッド701を提供する。ロッド701は種々の異なる直径、先端部形状、および作動角度を有することができることが企図される。ロッド701は、展性を有する状態すなわちまっすぐな状態(図26および図27)、ならびに作動された状態すなわち関節をなした所定の所望の状態(図28)を有する。ロッド701は、まっすぐな状態すなわち展性を有する状態でカニューレ104を貫通して椎骨内もしくは任意の骨表面内に入るような大きさおよび形状を有する。ひとたび骨内に挿入されれば、ロッド701は、患者の体温または電気インパルス(例えば冷却、熱、電圧等)によって、その所定の所望の記憶形状に戻る。例えば、図28に示すように、ロッド701の遠位端は、ある角度、例えば90°まで作動され、切断用先端部を画定するエルボを形成する。代表的な実施形態では、ロッドの遠位端から屈曲部までの長さは、約0.5cmである。先に述べたように、骨の切断は、回転動作またはプッシュプル動作もしくは両方の動作の組み合わせによって達成される。ロッド701は、容易に抜去することができるように、ロッド701をまっすぐな状態に戻すために、冷媒または熱媒体、例えば食塩水の導入を可能にする管腔703を含むのが望ましい。
【0073】
別の実施形態では、ロッド701は、室温に等しい作動温度を有する形状記憶合金で形成されている。すなわち、ロッド701は、室温で完全にオーステナイト系となる。従って、ロッド701は、室温で、その所定の形状へ完全に関節作動される。ロッド701は、骨内への挿入前にマルテンサイト状態(展性を有する状態)となるまで冷却され、容易な挿入が可能となる。室温へ戻ると同時に、ロッド701は、所定の、所望の位置へ関節運動する。これにより、切断用先端部720の近位端がロッド701の遠位端(患者と接触している)またはなんらかの外部手段(例えば熱、電圧等)からの熱伝達に依存することなく完全に作動することが保証される。管腔703がロッド701に備えられ、材料の動作を停止させて抜去を容易にするための冷媒、例えば冷食塩水の導入を促進する。別の代替的実施形態では、合金は超弾性で、カニューレ104は、作動機構によって切断用先端部720が展開されてカニューレ104よりも先に延ばされるまで、あらかじめ曲げられた、または成形された切断用先端部720を閉じ込める(図35Aおよび図35B参照)。
【0074】
別の代替的実施形態では、ロッド701は、形状記憶合金で形成されたカニューレ104をまっすぐにするために用いることができる。この実施形態では、切断用先端部720は、形状記憶カニューレ104の上に配置されている(図示せず)。カニューレ104は、湾曲した先端部を有するように教えられており、ロッド701は、カニューレ104内に移動可能に配置され、ロッド701をカニューレ104内で完全に係合させることによって(すなわち、ロッド701を押すことによって)、カニューレ104をまっすぐにし、かつロッド701を引き戻すことによって、カニューレ104および切断用先端部720が湾曲または関節運動することを可能にする。ロッド701は、ステンレススチールのような剛体の材料で製造されるのが望ましい。
【0075】
別の実施形態では、合金の作動温度は、体温よりも高い温度に設定されている。この実施形態では、ロッド701は、挿抜に備えて展性を有する。ロッド701は、熱または電圧の印加によってのみその所定の形状へ完全に戻る。これにより、ポテンショメータまたは他の適した装置を用いて、展性を有する形状から所定の形状への、もしくはそれらの間での任意の割合を有する形状へのロッド701の状態の変更の制御が可能となる。
【0076】
ロッド701は、標準型スクエアドライブまたはハドソン型整形外科用取り付け具でハンドルの近位端に取り付けることができる(図示せず)。トルク調節ハンドルをロッド701と結合し、トルクを規制する回転掻爬を可能にすることもできる。
【0077】
一実施形態では、ロッド701は、アクチュエータ機構を有するハンドル18に、固定状態に取り付けられているかまたは他の方法で連結されている。例えば、図示の実施形態では、ロッド701は、蝶ネジ152に連結されており、図19および図20に示す機構に類似したアクチュエータ機構によって駆動される。ロッド701は、アクチュエータ機構によってカニューレ104で作動される(前後方向に動かされる)。これにより、切断用先端部720を、挿抜を容易にするために展性を有する状態でカニューレ104内に後退させ、次いで骨内でカニューレ104の遠位端よりも先に延ばし(図27)、使用に備えて作動させる(図28)ことが可能となる。
【0078】
好ましい実施形態では、ハンドル18は、ルーアー継ぎ手705を含む。継ぎ手705は、流体導入装置、例えばシリンジ709上の相補的ルーアー継ぎ手709と嵌まり合うような大きさおよび形状を有し、管腔703と流体導入装置709との間に流体連通を確立する。流体、例えば冷却または加熱した食塩水をシリンジ709から導入してロッド管腔703に通し、展性を有する(非作動化)状態と作動された状態との間でのロッド701の運動を制御することができる。
【0079】
図29および図30に示す代替的実施形態では、所望の形状の切断用先端部720Aは、展性を有するロッド701の遠位端に形成されている。先端部720Aは、ロッド701に溶接された別個の部品であってもよく、あるいは、先端部720Aを、例えば従来の機械加工技法によって、湾曲させるかまたは他の方法でロッド701内に形成してもよい。図示の実施形態では、切断用先端部720Aは、図17および図18に示す実施形態と同様の円錐状トランクおよびドーム状ディスクを有する。しかしながら、切断用先端部720Aの形状を、実行中の処置に応じて、かつ/または個々の解剖学的構造に対応するように変えることができるのは明白である。一実施形態では、切断用先端部720Aを含むロッド701全体が、形状記憶合金で形成されている。先に述べたように、ロッド701は、展性を有する状態(図29)から作動された状態(図30)へと変化する。これも先に述べたように、ロッド701は、非作動化状態と作動された状態との間での運動を制御するための流体媒体の導入を可能にする管腔703を含むのが望ましい。
【0080】
図31および図32に示す代替的実施形態では、ロッド701の先端部720Aおよび遠位部711は、形状記憶合金で形成されている。ロッド本体713は、任意の適した生体適合性を有する外科グレードの材料で形成されている。切断用先端部720Aを担持する遠位部711は、溶接または他の方法でロッド本体713に固定されている。ロッド701の遠位部711は、展性を有する状態(図31)から作動された状態(図32)へと変化する。ロッド701は、非作動化状態と作動された状態との間での運動を制御するための流体媒体の導入を可能にするための管腔703を含むのが望ましい。代替的実施形態では、ロッド701は、流体媒体がシャフト112および望ましくは切断用先端部720を通って循環することができるように、二重管腔714を含むことができる(図33参照)。別の代替的実施形態では、ロッド701は、熱流をより多く収容するための貫通孔703Aを含むことができる(図34参照)。
【0081】
B. 代替的な機械的空洞生成装置
図36に、内部身体領域に空洞を生成するための機械的ツールの代替的実施形態400を示す。シャフト412は、シャフト412の端部上に、鋭利で頑丈な金属のばねを担持している。シャフト412は、ばね420の方向とは逆の方向に回転させることができ、広げるようにして、ばね420に骨(または他の組織)を切断させることができる。ツール400は、カニューレおよびシャフト412よりも先に延び、一回につき短い距離だけ組織内に回転挿入されるばね420と共に、カニューレ(図示せず)を通じて導入されるような大きさおよび形状を有する。次いで、シャフト412を抜去し、任意の捕捉した組織を除去ことができる。組織が捕捉されなかった場合、ツール400が組織内のさらに先へ再導入され、組織除去が再度試みられる。ツール400は、他の機械的ツールによってより適切に切断および/または除去することができるように、組織を弛緩させるために用いることもできる。
【0082】
図37に、内部身体領域内に空洞を生成するための機械的ツールの別の実施形態500を示す。2本またはそれ以上のフィンガが、シャフト512の遠位端上に担持されている。シャフト512は、2本の指520が互いに向き合った4本のフィンガを担持するのが好ましい。フィンガ520は、カニューレ(図示せず)を通じて組織内に導入され、次いで、摘出に備えて組織をつかみ取るための滑車式システムまたは他の類似のシステムによって機械的に閉じられる。フィンガ520は、空洞の大きさが増大するにつれてさらに広がるように適合されているのが望ましい。フィンガ520の長さを意図された用途および特定の個々の解剖学的構造に適するように選択することができるのは明白である。
【0083】
図38および図39に、内部身体領域内に空洞を生成するためのツールの別の実施形態600を示す。本ツールは、シャフト612の遠位端上に担持された、ヒンジ式空洞生成装置620を含む。空洞生成装置620は、他の機械的ツールによってより適切に切断および除去することができるように、組織に空洞を生成するかまたは組織を弛緩させるために用いることができる。
【0084】
空洞生成装置620は、装置620の高さを調整することができる。装置620を伸長および収縮させるために、位置決めロッド621が装置620に連結されている。高さは、ロッド621を引っ込めて高さHを増大させ、ロッドを押し出して装置620の高さHを減少させることによって調節することができる。ロッド621を引き戻すかまたは前進させた際の装置620の寸法を表示するために、ロッドのハンドル上に目盛りの刻み目(図示せず)を付けることができる。高さHも、意図された用途および特定の個々の解剖学的構造に適するように選択することができる。
【0085】
図40に、図35および図36に類似しているが、より強力な切断のために1つのスプリングブレードまたは一連のスプリングブレード623をさらに備える実施形態を示す。スプリングブレード623は、カニューレから出ている最後のブレードに連結され、終板に平行に切断するために、あらかじめ曲げられているのが望ましい。
【0086】
(IV.骨内における空洞の生成)
記載した種類の2つまたはそれ以上の異なる機械的切断ツールを組み合わせて用い、標的の骨内に所望の大きさおよび形状の腔もしくは空洞を形成することもできる。さらに、1つまたはそれ以上の機械的切断ツールを1つもしくはそれ以上の空洞生成ツールと組み合わせて用い、所望の空洞を形成することができる。骨内に空洞を生成するための拡張可能な構造体は、米国特許第4、969、888号、第5、827、289号、第5、972、015号、第6、235、043号、第6、248、110号、および第6、607、544号に記載されており、それらのすべてが引用により本明細書に組み込まれる。
【0087】
骨折整復および変形矯正は、限定するものではないが、骨折の重症度、骨質(例えば骨粗しょう症、骨肉腫、ステロイド骨粗しょう症)、および治癒を含む種々の要因による影響を受ける。一部の骨折では、拡張可能な構造体の拡張が、1つまたは複数の硬骨部位によって変形される可能性がある。これにより、拡張可能な構造体内の圧力が上昇し、拡張可能な構造体内の拡張媒体の量が減少するという結果となる。硬骨部位を選択的に破壊する機械的切断ツールの使用により、拡張可能な構造体によってより確実で信頼できる骨折整復を達成することが可能となる。機械的切断ツールまたは機械的掻爬ツールは骨を破壊することになるが、拡張可能な構造体は、一括した終板整復および変形矯正のために必要となる。
【0088】
使用時、当業界で一般に知られた技法により、従来のアクセスカニューレを用いて、骨へのアクセス経路が作られる。次いで、機械的切断ツールまたは拡張可能な構造体とすることができる第1の空洞生成装置が骨内に導入され、空洞が生成される。その後、第1の空洞生成装置が除去される。次いで、第1の空洞生成装置と同じであっても異なっていてもよい第2の空洞生成装置が骨内に挿入されて空洞が拡大もしくはさらに画定され、所望の大きさおよび形状の空洞が形成される。その後、第2の空洞生成装置が除去される。必要に応じて、その後、第1および/または第2の空洞生成装置と同じであっても異なっていてもよい第3の空洞生成装置を導入して空洞をさらに拡大および画定し、その後除去してもよい。次いで、充填材、例えば骨セメントまたは代用骨を空洞内に注入または他の方法で導入し、空洞を充填するのが望ましい。
【0089】
図41A〜図41Dに示す一実施形態では、第1の機械的切断ツール800A、および第1の切断ツール800Aと大きさおよび/または形状の点で異なっていてもよい第2の機械的切断ツール800Bを用いて、所望の大きさおよび形状の空洞802が生成される。アクセスカニューレ104が経皮的に導入され、骨、例えば椎骨142内へのアクセス経路が設けられる(図41A)。第1の機械的切断ツール800Aが、カニューレ104を通じて椎骨142の海綿質骨39内に導入される。切断用先端部820Aが、一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、海綿質骨39内に空洞802が生成される(図41B)。その後、第1の切断ツール800Aが除去される。次いで、第2の機械的切断ツール800Bが導入され、一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作される(図41C)。第2の切断ツール800Bは、第1のツール800Aによって生成された空洞802を拡大および/または他の方法でさらに画定するために、異なる大きさならびに/もしくは形状の切断用先端部820Bを有するのが望ましい。例えば、図示の実施形態では、第2の切断ツール800Bは、空洞802を拡大するために、第1の切断用先端部820Aよりも高さが高い切断用先端部820Bを有するが、同様の形状のものである。その後、第2の切断ツール800Bが除去される。次いで、充填材、例えば骨セメントまたは代用骨を空洞802内に導入し、空洞802を充填することができる(図41D)。
【0090】
代替的に、図42A〜図42Eに示すように、第2の切断ツール800Bの除去後、カニューレ104を通じて拡張可能な構造体900を導入して拡張させ、第1の機械的切断ツール800Aおよび第2の機械的切断ツール800Bによって生成された空洞802を拡大ならびに/またはさらに画定してもよい。図示の実施形態では、拡張可能な構造体900は、海綿質骨の圧縮によって拡張すなわち空洞を形成するように適合されたバルーンの形状をとっているが、拡張可能な構造体900は、空洞を拡大および/またはさらに画定するために拡張させることのできる任意の適した装置とすることができる。例えば、拡張可能な構造体900は、機械的ジャッキ、レトラクタ、またはばねとすることもできる。拡張可能な構造体900は、カニューレ104を通じた拡張可能な構造体900の挿入を可能にするつぶれた状態、および拡張可能な構造体900が海綿質骨39内での拡張と同時に海綿質骨39を圧縮する拡張した状態を有するのが望ましい。その後、拡張可能な構造体900は除去される。次いで、先に述べたように、空洞802を充填することができる。
【0091】
図43A〜図43Dに示す別の実施形態では、第1の拡張可能な構造体900Aおよび第1の拡張可能な構造体900Aと大きさおよび/または形状の点で異なることができる第2の拡張可能な構造体900Bを用いて、所望の大きさおよび形状の空洞802が生成される。アクセスカニューレ104が経皮的に導入され、椎骨142内にアクセス経路を設ける(図43A)。第1の拡張可能な構造体900Aがつぶれた状態でカニューレ104を通じて椎骨142の海綿質骨39内に導入される。次いで、拡張可能な構造体900Aが拡張され、海綿質骨39内に空洞802が生成される(図43B)。その後、第1の拡張可能な構造体900Aが除去される。次いで、第2の拡張可能な構造体900Bが導入され、拡張される(図43C)。第2の拡張可能な構造体900Bは、第2の拡張可能な構造体900Bの拡張によって、第1の拡張可能な構造体900Aによって生成された空洞802が拡大および/または他の方法でさらに画定されるように、異なる大きさならびに/もしくは形状を有するのが望ましい。例えば、図示の実施形態では、第2の拡張可能な構造体900Bは、より大きい体積を有するが、同様の形状のものである。しかしながら、第2の拡張可能な構造体900Bは第1の拡張可能な構造体900Aと異なる形状を有することができることが企図される。その後、第2の拡張可能な構造体900Bが除去される。次いで、充填材804、例えば骨セメントまたは代用骨を空洞802内に導入し、空洞802を充填することができる(図43D)。
【0092】
代替的に、図44A〜図44Eに示すように、第2の拡張可能な構造体900Bの除去後、必要に応じて、カニューレ104を通じて機械的切断ツール800を導入し、第1の拡張可能な構造体900Aおよび第2の拡張可能な構造体900Bによって生成された空洞802を拡大ならびに/またはさらに画定してもよい。その後、切断ツールが除去される。次いで、先に述べたように、空洞802を充填することができる。
【0093】
図45A〜図45Eに、骨内に所望の大きさおよび形状の空洞を生成する別の方法を示す。アクセスカニューレ104が経皮的に導入され、椎骨142内にアクセス経路が設けられる(図45A)。第1の拡張可能な構造体900Aが、つぶれた状態で、カニューレ104を通じて椎骨142の海綿質骨39内に導入される。次いで、拡張可能な構造体900Aが拡張され、海綿質骨39内に空洞802が生成される(図45B)。海綿質骨39の網状組織は若干密度が高い可能性があるため、拡張可能な構造体900Aが海綿質骨39を十分に圧縮し、拡張体900Aを完全に拡張させるのは困難となるかもしれない。これは、古い骨折に関して、または外傷によって損傷を受けた正常骨において発生する可能性があるが、必ずしも骨粗しょう症によるものではない。この場合、図45Bに見られるように、拡張可能な構造体900Aは、網状組織の密度に応じて所与の方向へ選択的に拡張することができるが、その完全なあらかじめ形成された形状まで拡張することはできない。その後、第1の拡張可能な構造体900Aが除去される。
【0094】
次いで、機械的切断ツール800が導入される(図45C)。切断用先端部820が一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、拡張可能な構造体900Aによって生成された空洞802が拡大ならびに/もしくは他の方法でさらに画定される。その後、切断ツール800が除去される。
【0095】
必要に応じて、その後、第1の拡張可能な構造体900Aとは異なる大きさおよび/または形状を有することのできる第2の拡張可能な構造体900Bが、空洞802を充填する前に導入される(図45D)。切断ツール800を用いて網状組織を破壊または切断して空洞802を拡張することにより、第2の拡張可能な構造体900Aが完全に拡張することが可能となる。次いで、第2の拡張可能な構造体900Aが拡張され、先に生成された空洞802が拡大および/または他の方法でさらに画定される。その後、第2の拡張可能な構造体900Bが除去される。代替的に、第2の拡張可能な構造体900Bの代わりに、第1の拡張可能な構造体900Aを再導入、再拡張し、次いで除去してもよい。次いで、充填材804を空洞802内に導入し、空洞を充填することができる(図45E)。
【0096】
図46A〜図46Eに示す代替的方法では、アクセスカニューレ104が経皮的に導入され、椎骨104内にアクセス経路が設けられる(図46A)。拡張可能な構造体900が導入および拡張され、海綿質骨39内に空洞802が生成される(図46B)。その後、第1の拡張可能な構造体900Aが除去される。
【0097】
次いで、第1の機械的切断ツール800Aが導入される(図46C)。切断用先端部820Aが一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、拡張可能な構造体900によって生成された空洞802が拡大ならびに/もしくは他の方法でさらに画定される。その後、切断ツール800が除去される。
【0098】
必要に応じて、次いで、第1の機械的切断ツール800Aとは異なる大きさおよび/または形状を有することのできる第2の機械的切断ツール800Bが、空洞802を充填する前に導入される(図46D)。切断用先端部820Bが一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、拡張可能な構造体900ならびに第1の切断ツール800Aによって生成された空洞802が拡大および/もしくは他の方法でさらに画定される。その後、切断ツール800Bが除去される。次いで、充填材804を空洞802内に導入し、空洞802を充填することができる(図46E)。
【0099】
図47A〜図47Eに示す代替的方法では、第1の機械的切断ツール800Aが導入され、一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、空洞802が生成される。その後、第1の切断ツール800Aが除去される。次いで、拡張可能な構造体900が導入および拡張され、第1の切断ツール800Aによって生成された空洞802が拡大ならびに/または他の方法でさらに画定される。その後、拡張可能な構造体900が除去される。
【0100】
必要に応じて、次いで、第1の機械的切断ツール800Aとは異なる大きさおよび/または形状を有することのできる第2の機械的切断ツール800Bが、空洞802を充填する前に導入される。切断用先端部820Bが一連の長手方向運動および/または回転運動によって操作され、拡張可能な構造体900Aならびに第1の切断ツール8002Aによって生成された空洞802が拡大ならびに/もしくは他の方法でさらに画定される。その後、第2の機械的切断ツール800Bが除去される。次いで、充填材804を空洞802内に導入し、空洞802を充填することができる。
【0101】
代替的に、図48A〜図48Eに見られるように、第2の機械的切断ツールの代わりに、第2の拡張可能な構造体900Bが導入および拡張され、第1の拡張可能な構造体900Aならびに第1の切断ツール800Aによって生成された空洞が拡大および/または他の方法でさらに画定される。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】図1は、内部身体領域内に空洞を生成するための機械的ツールの斜視図であり、切断用先端部の枢動運動を想像線で示している。
【図2】図2は、骨治療装置の斜視図である。
【図3】図3は、椎骨における図2の装置の挿入および使用を示す斜視図である。
【図4】図4は、切断用先端部の代替的実施形態の斜視図であり、先端部の枢動運動を想像線で示している。
【図5】図5は、図4に示す先端部の正面平面図であり、切断用先端部の回転運動を示している。
【図6】図6は、180°の空洞を生成するための椎骨内での切断用先端部の180°回転運動を示す。
【図7】図7は、図6に対して180°回転したシャフトおよび再度180°回転して360°の空洞を形成した切断用先端部を示す。
【図8】図8は、図4に示す先端部の側面図であり、のこぎりで切るような動作時の切断用先端部の並進運動を示している。
【図9】図9は、切断用先端部の並進運動および椎骨内における空洞の形成を示す。
【図10】図10は、カニューレの遠位端に対する切断用先端部の位置を特定するためのマーカバンドの使用を示す斜視図である。
【図11】図11は、カニューレ内でのシャフトの並進前進を制限するための止め具の使用を示す斜視図である。
【図12A】図12Aは、切断ツールのシャフト上に配置された溝の拡大図である。
【図12B】図12Bは、シャフトの一部分が該シャフトの残部と比較して強度および/または剛性の低い材料で形成された、シャフトの代替的実施形態の斜視図である。
【図13】図13は、シャフトのカニューレに沿った並進運動およびカニューレ内での回転運動を制限する、止め具の代替的実施形態の斜視図である。
【図13A】図13Aは、シャフトのカニューレに沿った並進運動およびカニューレ内での回転運動を制限する、T字形スロットの代替的実施形態の斜視図である。
【図14】図14は、カム面に沿ったカム従動子の完全掃引動作を実行することにより形成された空洞の事前設定された大きさおよび形状を示す概略図である。
【図15】図15は、切断用先端部の代替的実施形態の斜視図であり、先端部の枢動運動を想像線で示している。
【図16】図16は、図15に示す先端部の正面平面図であり、切断用先端部の回転運動を示している。
【図17】図17は、切断用先端部の代替的実施形態の斜視図であり、先端部の枢動運動を想像線で示している。
【図18】図18は、図17に示す先端部の正面平面図であり、切断用先端部の回転運動を示している。
【図19】図19は、切断用先端部を展開するためのアクチュエータ機構の断面図であり、使用者の手の中におけるツールの配置を示している。
【図20】図20は、図19のサムホイール、ねじぶた、フランジ、および止め具の近接部分断面図である。
【図21】図21は、切断用先端部のつなぎ綱およびヒンジ機構の切欠図である。
【図22】図22は、レバーがプランジャロッドの運動を始動させる、アクチュエータ機構の代替的実施形態の側面断面図である。
【図23】図23は、アクチュエータ機構の代替的実施形態を組み込んだツールの斜視図である。
【図24】図24は、アクチュエータ機構の代替的実施形態の上面断面図である。
【図25】図25は、アクチュエータ機構の代替的実施形態の側面断面図であり、使用者の手の中におけるツールの配置を示している。
【図26】図26は、まっすぐな状態または展性を有する状態でかつカニューレ内で後退している切断用先端部を示した、機械的骨切断ツールの代替的実施形態を示す側面部分断面図である。
【図27】図27は、図26と同様の図であり、カニューレの遠位端よりも先への切断用先端部の前進および切断用先端部を作動させるための流体の導入を示している。
【図28】図28は、図27と同様の図であり、所定の形状に向けての切断用先端部の起動を示している。
【図29】図29は、まっすぐな状態または展性を有する状態の切断用先端部を示す、切断用先端部の代替的実施形態の側面図である。
【図30】図30は、作動された状態の切断用先端部を示す、図29と同様の図である。
【図31】図31は、まっすぐな状態または展性を有する状態の切断用先端部を示す、切断用先端部の代替的実施形態の側面図である。
【図32】図32は、作動された状態の切断用先端部を示す、図31と同様の図である。
【図33】図33は、シャフトによって担持された切断用先端部の代替的実施形態の側面図であり、シャフトを通って切断用先端部内に延びる二重管腔を示している。
【図34】図34は、切断用先端部を通って延びる貫通孔を示す、切断用先端部の代替的実施形態の側面図である。
【図35A】図35Aは、カニューレによって閉じ込められた、あらかじめ曲げるかまたは成形された切断用先端部を示す側面図である。
【図35B】図35Bは、カニューレよりも先への先端部の延長によるあらかじめ曲げるかまたは成形された切断用先端部の展開を示す、図35Aと同様の側面図である。
【図36】図36は、機械的空洞生成装置の代替的実施形態の側面図である。
【図37】図37は、機械的空洞生成装置の代替的実施形態の側面図である。
【図38】図38は、機械的空洞生成装置の代替的実施形態の側面図である。
【図39】図39は、図38に示す装置の上面図である。
【図40】図40は、スプリングブレードが装置から延びている、図38および図39の装置の代替的実施形態の側面図である。
【図41】図41A〜図41Dは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する方法を示しており、該方法では、第1の機械的切断ツールを用いて骨内に空洞が生成され、第2の機械的切断ツールを用いて該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図42】図42A〜図42Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の機械的切断ツールを用いて骨内に空洞が生成され、第2の機械的切断ツールを用い、次いで拡張体を用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図43】図43A〜図43Dは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の拡張体を用いて骨内に空洞が生成され、第2の拡張体を用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図44】図44A〜図44Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の拡張体を用いて骨内に空洞が生成され、第2の拡張体を用い、次いで機械的切断ツールを用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図45】図45A〜図45Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の拡張体を用いて骨内に空洞が生成され、機械的切断ツールを用い、次いで第2の拡張体を用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図46】図46A〜図46Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、拡張体を用いて骨内に空洞が生成され、第1の機械的切断ツールを用い、次いで第2の機械的切断ツールを用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図47】図47A〜図47Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、第1の切断ツールを用いて骨内に空洞が生成され、拡張体を用い、次いで第2の機械的切断ツールを用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【図48】図48A〜図48Eは、骨内に空洞を生成しかつそれを充填する代替的方法を示しており、該方法では、機械的切断ツールを用いて骨内に空洞が生成され、第1の拡張体を用い、次いで第2の拡張体を用いて、該空洞が拡張および/またはさらに画定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部身体領域内に空洞を生成するためのツールであって、
管腔を含むシャフト組立体と、
該シャフトに連結された、骨に接触するための先端部と、
該先端部につながれた、該管腔内で摺動可能なロッドと、
を備えるツール。
【請求項2】
内部身体領域内に空洞を生成するためのツールであって、
管腔を含むシャフトと、
連結要素によって該シャフトに連結された、骨に接触するための先端部とを備え、該先端部は、たとえ該連結要素が作動不能となった場合でも該先端部が該シャフトに依然としてつながれているように、該シャフトにさらにつながれている、
ツール。
【請求項3】
内部身体領域内に空洞を生成するためのツールであって、
カニューレと、
ハンドルを有し、かつ該カニューレを通過するような大きさおよび形状を有するシャフトと、
該シャフト上に該ハンドルの遠位に配置され、かつ該シャフトから半径方向に延び、該カニューレ内での該シャフトの前方進行を制限する突起と、
を備えるツール。
【請求項1】
内部身体領域内に空洞を生成するためのツールであって、
管腔を含むシャフト組立体と、
該シャフトに連結された、骨に接触するための先端部と、
該先端部につながれた、該管腔内で摺動可能なロッドと、
を備えるツール。
【請求項2】
内部身体領域内に空洞を生成するためのツールであって、
管腔を含むシャフトと、
連結要素によって該シャフトに連結された、骨に接触するための先端部とを備え、該先端部は、たとえ該連結要素が作動不能となった場合でも該先端部が該シャフトに依然としてつながれているように、該シャフトにさらにつながれている、
ツール。
【請求項3】
内部身体領域内に空洞を生成するためのツールであって、
カニューレと、
ハンドルを有し、かつ該カニューレを通過するような大きさおよび形状を有するシャフトと、
該シャフト上に該ハンドルの遠位に配置され、かつ該シャフトから半径方向に延び、該カニューレ内での該シャフトの前方進行を制限する突起と、
を備えるツール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図41C】
【図41D】
【図42A】
【図42B】
【図42C】
【図42D】
【図42E】
【図43A】
【図43B】
【図43C】
【図43D】
【図44A】
【図44B】
【図44C】
【図44D】
【図44E】
【図45A】
【図45B】
【図45C】
【図45D】
【図45E】
【図46A】
【図46B】
【図46C】
【図46D】
【図46E】
【図47A】
【図47B】
【図47C】
【図47D】
【図47E】
【図48A】
【図48B】
【図48C】
【図48D】
【図48E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図41C】
【図41D】
【図42A】
【図42B】
【図42C】
【図42D】
【図42E】
【図43A】
【図43B】
【図43C】
【図43D】
【図44A】
【図44B】
【図44C】
【図44D】
【図44E】
【図45A】
【図45B】
【図45C】
【図45D】
【図45E】
【図46A】
【図46B】
【図46C】
【図46D】
【図46E】
【図47A】
【図47B】
【図47C】
【図47D】
【図47E】
【図48A】
【図48B】
【図48C】
【図48D】
【図48E】
【公表番号】特表2007−503911(P2007−503911A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525324(P2006−525324)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/022950
【国際公開番号】WO2005/023085
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(504445817)カイフォン インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/022950
【国際公開番号】WO2005/023085
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(504445817)カイフォン インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】
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