説明

円筒状物品の回収装置及び結束回収装置

【課題】簡易な移送機構を用いて搬送路上の円筒状物品を回収位置まで移送することができ、円筒状物品回収作業の省力化を低コストで実現することのできる円筒状物品回収装置及び円筒状物品結束回収装置を提供する。
【解決手段】エアシリンダ209が駆動して可動片205を上限まで移動させた後、待機位置側に下降させる。可動片205上部の突出により、上縁部206を円筒状物品104の下部外周面に当接させて、更に傾斜縁部207が下部外周面に当接して、可動片205による押し出し力を加えて、また傾斜縁部207の下方傾斜作用により円筒状物品104を前記回収部側に向けて真横方向に円滑に転動させ、回収部の載置床300へ向けて搬入移送を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状物品の回収装置及び円筒状物品を結束して回収する結束回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーペット、マットあるいはシート等の平面状可撓性部材は、一般的に、部材製造ライン等においてベルトコンベア等の搬送装置を利用して部材搬送した後、搬送終端部において搬送路から人手により回収する部材回収作業が行われている。この回収作業は手作業によるものであって、多数個の平面状可撓性部材を搬送路から降ろして回収部に積み上げるといった作業内容であり、多くの労力を必要とし、また処理物質の飛沫等による作業環境汚染の問題も生ずる。このため、回収作業の省力化及び作業能率の改善を図るべく、例えば、特許文献1には、多数個の平面状可撓性部材を機械的に平積みする自動平積み技術が開示されている。
【0003】
例えば、レンタル用マットやカーペット等のシート状物品は、レンタル物品提供元の製造施設や処理施設において上記搬送装置により搬送しながら、新製品の製造過程あるいは再利用のための洗浄処理工程を経て生産あるいは再処理されている。かかる物品はパイル面に薬剤等を塗布処理が施された状態で回収され、次の輸送あるいは梱包工程に移される。このようなシート状物品の製造ないし処理ラインの回収工程において、上記特許文献1に示すように、平積みして回収、集積すると、広げられたパイル面に外部の汚染物質が付着したり、塗布された薬液等が他の物品に付着したりする不具合があった。しかも、回収物品を輸送あるいは梱包工程に移送する際には、作業者が平積み状態のマットやカーペットを持ち上げて移動する作業を必要とするが、取扱いに手間がかかり作業労力が多く必要となった。また、移送作業中にも、薬剤等が作業者に転移、付着するといった環境問題も生じた。
【0004】
上記の平積み回収の不具合を解消するには、マット等の平面状可撓性部材を円筒状に巻き取った状態にして円筒状物品として取り扱うのが好ましい。円筒状物品として取り扱うことにより、パイル面に外部の汚染物質が付着したり、塗布された薬液等が他の物品に転移、付着したりすることを防止でき、また、回収物品を輸送あるいは梱包工程に移送する際にも、平積み状態のマットやカーペットを持ち上げて移動する作業と比較して、比較的軽作業により円筒状物品を揚げ降ろしできるため、作業能率が向上し、しかもパイル面を内側に巻き取ることにより、薬剤等が作業者に転移、付着するといった環境問題の発生を大幅に低減することができる。
【特許文献1】特開2003−285961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、マット等の平面形態から円筒状物品に形態変更するには、搬送ラインに配設したシート巻取り装置を使用して行うことができる。かかるシート巻取り装置を使用してマット等を円筒状に巻き取った後、搬送ラインから回収位置に移送する必要があるが、この移送工程も作業労力を削減ないし省力化することが製造コスト低減や作業能率の向上の面で好ましい。しかしながら、搬送路上の円筒状物品を回収位置まで移送する移送装置を搬送終端部に別途設置すると、製造設備のコストアップを招く問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、簡易な移送機構を用いて搬送路上の円筒状物品を回収位置まで移送することができ、円筒状物品回収作業の省力化を低コストで実現することのできる円筒状物品回収装置及び円筒状物品結束回収装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、搬送路上を縦長状に搬送されてきた円筒状物品を前記搬送路に隣接する回収部に移送して回収する円筒状物品回収装置において、前記円筒状物品を前記回収部に移送する配送位置を前記搬送路に設け、前記搬送路に設けられ、前記搬送路上に搬入された前記円筒状物品を前記配送位置まで送り込む駆動手段と、可動片上部が前記搬送路の搬送面の上方及び下方を上下移動する可動片と、前記駆動手段により前記円筒状物品が前記配送位置まで送り込まれたとき、前記可動片上部を前記搬送面下方の待機位置から上昇させ、前記搬送面上方の所定位置まで突出させた後、前記待機位置に下降させる可動片移動制御装置とを有し、前記可動片上部の突出により前記可動片上部を前記円筒状物品の下部外周面に当接させて、前記円筒状物品を前記回収部側に押し出す力を前記円筒状物品に加え、前記円筒状物品を転動させて前記移送を行う円筒状物品回収装置である。
【0008】
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記配送位置まで送り込まれた前記円筒状物品を検知するセンサを備え、前記センサの出力に基づき前記可動片移動制御装置により前記可動片を上下移動させる円筒状物品回収装置である。
【0009】
本発明の第3の形態は、前記第1又は第2の形態において、前記可動片は前記搬送路の搬送方向と直交するように配置された板状片からなり、前記板状片の上縁部に前記回収部側に下方傾斜した傾斜縁部が形成され、前記板状片が前記所定位置まで突出する過程で、前記傾斜縁部が前記円筒状物品の下部外周面に当接して、前記円筒状物品を前記回収部側に押し出す円筒状物品回収装置である。
【0010】
本発明の第4の形態は、前記第1、第2又は第3の形態において、前記回収部は、前記搬送路から移送された前記円筒状物品を載置する載置床と、前記載置床からの前記円筒状物品の落下を防止する囲い部とからなり、前記載置床に載置された前記円筒状物品の数量の増減に応じて前記載置床の位置を昇降させる床昇降装置を備えた円筒状物品回収装置である。
【0011】
本発明の第5の形態は、前記第1〜第4のいずれかの形態において、前記搬送路が前記搬送面に列設されたローラ群からなる場合には、前記ローラ群の中間に前記駆動手段となる駆動ローラを配設し、前記搬送路がベルト群からなる場合には、前記ベルト群の各ベルトが前記駆動手段となる円筒状物品回収装置である。
【0012】
本発明の第6の形態は、前記第5形態において、前記駆動ローラが駆動手段を内蔵するモータローラである円筒状物品回収装置である。
【0013】
本発明の第7の形態は、前記第1〜第6のいずれかの形態に係る円筒状物品回収装置と、その前段に配設され、シート状態から巻き取られた円筒状物品を結束する結束装置から構成され、前記結束装置は結束された前記円筒状物品を前記円筒状物品回収装置の搬入側に送り出す物品送り装置を有する円筒状物品結束回収装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の形態によれば、搬送路上を縦長状に搬送されてきた円筒状物品を前記搬送路に隣接する回収部に移送して回収する円筒状物品回収装置において、前記円筒状物品を前記回収部に移送する配送位置を前記搬送路に設け、前記搬送路に設けられ、前記搬送路上に搬入された前記円筒状物品を前記配送位置まで送り込む駆動手段と、可動片上部が前記搬送路の搬送面の上方及び下方を上下移動する可動片と、前記駆動手段により前記円筒状物品が前記配送位置まで送り込まれたとき、前記可動片上部を前記搬送面下方の待機位置から上昇させ、前記搬送面上方の所定位置まで突出させた後、前記待機位置に下降させる可動片移動制御装置とを有し、前記可動片上部の突出により前記可動片上部を前記円筒状物品の下部外周面に当接させて、前記円筒状物品を前記回収部側に押し出す力を前記円筒状物品に加え、前記円筒状物品を転動させて前記移送を行うので、前記円筒状物品の移し替え(配送)機構を、前記搬送路に前記可動片を設けるだけで簡易かつ安価に構成することができ、製造ライン等における前記円筒状物品回収作業の省力化及び無人化を低コストで実現することができる。
【0015】
本発明における前記搬送路はローラコンベア、ベルトコンベア等により構成することができる。前記可動片には、前記円筒状物品の搬送方向に、所定角度で交差するように、例えば前記搬送路と平行して前記回収部を設ける場合には直交するように配置した板状片あるいは櫛歯状部材を使用することができる。例えば、ローラコンベアの搬送路の場合には、前記可動片は前記配送位置におけるローラ間の隙間から上下方向に昇降させるように配置することができる。また、ベルトコンベアの搬送路の場合には、ベルト面の一部に開口部を設けて、前記配送位置にて前記開口部を搬送面下方に位置する前記可動片の配設位置で停止させ、前記開口部を貫通するように前記可動片を昇降させるようにすればよい。また、多段のベルトコンベア群の場合には、ベルトとベルトの間の隙間から、前記可動片を上下方向に昇降させるように構成できる。
【0016】
前記円筒状物品には、マット、カーペット、布材、紙材等の平面状可撓性部材を円筒状に巻き取ったものの他に、建材や機械部品等に使用される円筒状ないし円柱状部材・梱包容器等を使用することができる。特に、平面状可撓性部材を円筒状に巻き取った円筒状物品の場合には、搬送途中で円筒状形態が崩れないように、接着剤により接着保持したものや粘着テープでテーピングしたもの、あるいは結束紐により結束した結束物品を使用するのが好ましい。
【0017】
本発明の第2の形態によれば、前記配送位置まで送り込まれた前記円筒状物品を検知するセンサの出力に基づき、前記可動片移動制御装置により前記可動片を上下移動させるので、前記配送位置まで搬送されてきた円筒状物品を前記センサにより検知して前記可動片の駆動契機を得ることができ、前記回収部への物品配送機能の自動化を簡易かつ安価に実現することができる。前記センサには、光学センサや接触センサ等を使用することができ、更に、前記円筒状物品にICタグなどの位置出力器を取り付け、その位置出力器と通信して、前記配送位置への物品到達検知を行う通信システムを用いてもよい。
【0018】
本発明の第3の形態によれば、前記可動片は前記搬送路の搬送方向と直交するように配置された板状片からなり、前記板状片の上縁部に前記回収部側に下方傾斜した傾斜縁部が形成され、前記板状片が前記所定位置まで突出する過程で、前記傾斜縁部が前記円筒状物品の下部外周面に当接して、前記円筒状物品を前記回収部側に押し出すので、例えば、前記回収部を前記搬送路に並設し、前記板状片の上昇移動により前記傾斜縁部が前記下部外周面に当接して、前記可動片による押し出し力と前記傾斜縁部の下方傾斜作用により前記円筒状物品を前記回収部側に向けて真横方向に円滑に転動させることができる。更に、その転動により前記円筒状物品の自重による自転作用を利用して、前記回収部への配送を円滑に行うことができ、より簡易かつ安価な物品配送機構を実現することができる。
【0019】
本発明の第4の形態によれば、前記回収部は、前記搬送路から移送された前記円筒状物品を載置する載置床と、前記載置床からの前記円筒状物品の落下を防止する囲い部とからなり、前記載置床に載置された前記円筒状物品の数量の増減に応じて前記載置床の位置を昇降させる床昇降装置を備えるので、前記搬送路上に次々に搬送されてくる前記円筒状物品を順次、前記回収部に回収、収容することができ、前記円筒状物品の連続生産ないし処理ラインに好適な回収装置を実現することができる。殊に、前記床昇降装置による前記載置床の可動により、前記回収部の収容量が増大するにつれて前記載置床を降下させて収容容量を可変にすることができるので、前記載置床の位置調整により、前記配送位置から転動して移送される前記円筒状物品が前記載置床の床面ないし収容済み物品までの落下距離を最小限にして、落下衝撃等を常時、緩和して製品ダメージの発生を防止することができ、製品品質の向上に寄与する。
【0020】
本発明の第5の形態によれば、前記搬送路を二つの形態で構成できる。第1に、前記搬送路が前記搬送面に列設されたローラ群から構成される場合には、前記ローラ群の中間に前記駆動手段となる駆動ローラを配設する。例えば、前記駆動ローラの前後に自由回転ローラ(非駆動ローラ)を敷設したローラコンベアを使用して、前記円筒状物品の搬送、回収の自動化ラインを構築することができる。第2に、前記搬送路をベルト群から構成する場合には、前記ベルト群を構成する各ベルトは駆動ベルトであるから、前記各ベルトを前記駆動手段として、前記円筒状物品の搬送、回収の自動化ラインを構築できる。
【0021】
本発明の第6の形態によれば、前記駆動ローラが駆動手段を内蔵するモータローラであるので、外付けの大型モータとは異なり、省スペースでローラコンベアの設計やメンテナンス等も比較的簡易に行うことができると共に、前記円筒状物品が前記搬送路中央部に整列するように、速やかに且つより確実に搬送することができる。モータローラは、ローラ内部にモータと減速機等を内蔵しており、コンパクトであるため、円筒状物品の全長や断面直径に応じて、設計変更等により取付け位置を比較的容易に変更することができる。
【0022】
本発明の第7の形態によれば、前記第1〜第6のいずれかの形態に係る円筒状物品回収装置と、その前段に配設され、シート状態から巻き取られた円筒状物品を結束する結束装置から構成され、前記結束装置は結束された前記円筒状物品を前記円筒状物品回収装置の搬入側に送り出す物品送り装置を有するので、例えば、平面状可撓性部材を前記巻取装置により円筒状に巻き取った円筒状物品を製作した後、前記結束装置により結束して結束物品を製作し、その結束物品を前記配送位置に搬出して前記回収部に回収することができ、結束円筒状物品の結束から回収までの工程を自動化して、結束作業及び結束物品回収作業の自動化及び省力化を安価に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る円筒状物品結束回収装置の概略構成図である。この円筒状物品結束回収装置は、可動片205の昇降式移送機構からなる円筒状物品回収装置と、その前段に配設され、シート状態から巻き取られた円筒状物品を結束する結束装置112から構成されている。円筒状物品は、マットあるいはカーペットのシート状清掃部材を円筒状に巻き取ったものであり、円筒状に巻き取られた状態で搬送又は保管される。例えば、レンタルマットやカーペット等のシート状清掃部材は横幅が65〜150cmで、縦幅が80〜180cmであり、広げた状態では作業者が取り扱いにくいサイズとなっており、シート状清掃部材の処理ラインにおいては、巻き取って持ち運び易い円筒状形態にすることにより、搬送等における作業能率を向上させることができる。また、レンタルマットやカーペット等は、レンタル物品提供元の製造施設や処理施設において、洗浄後又はパイル面に薬剤などが塗布された後、巻取装置(図示せず)によりパイル面を内側にして芯材に巻き取られる。これによりパイル面に外部の汚れが付着することや塗布された薬剤等が他の部材や作業者に付着することを防止できると共に、保管や管理を容易に行うことができる。
【0024】
図2は、円筒状物品回収装置の前方の搬送路に設けた結束装置112を示す。物品搬入側の物品搬送装置102は複数個のローラ131を列設したローラコンベアからなり、円筒状物品104を結束するために、図中の矢印で示すように結束装置112側に搬送する。円筒状物品104は、搬送される方向に対してその周面が略平行になるように搬送路上に載置され、搬送される。物品搬送装置102には、結束装置112の手前に駆動ローラ131aが設けられ、円筒状物品104を前進させることができる。駆動ローラ131a付近の搬送路上には、光学式物品検知センサ(図示せず)が設置されている。別の円筒処理工程において、巻取装置(図示せず)により平面状可撓性部材を巻き取られた円筒状物品104が搬送されてきて、その先端が駆動ローラ131a上に到達したことを前記検知センサにより検知する。駆動ローラ131aが2回駆動されて、順次前方移送された円筒状物品104は、結束装置112に搬送されて、前端部114c、後端部114bのそれぞれに近いところの前後2箇所を結束紐198aで結束され、搬出用の物品搬送装置101へ送られる。搬出用の物品搬送装置101は複数個のローラ113を列設したローラコンベアからなる。物品搬送装置101には、送り出し用駆動ローラ101aが設けられ、結束された円筒状物品104を配送側に前進させることができ、物品搬送装置101は結束された円筒状物品104を円筒状物品回収装置の搬入側に送り出す物品送り装置400を構成する。結束装置112は物品搬送装置102と物品搬送装置101の間に配設され、搬送路を囲むように形成された開口部112bを有し、開口部112bに沿って繰り出される結束紐112aを搬送路上の円筒状物品104に巻き付け、緊縛して結束する自動結束機構からなる。
【0025】
円筒状物品回収装置は物品送り装置400の送り方向に配設された搬送路204からなる。この搬送路204は前段側のローラ402〜404、駆動ローラ200及びローラ405、406と、後段側のローラ408〜412を列設したローラコンベアからなる。ローラ402〜406、408〜412は自由回転ローラである。
【0026】
図3は駆動ローラ200の駆動機構を示す。駆動ローラ200の両端軸201、202が搬送路204の枠部に設けた軸受け部417、203にそれぞれ軸支されている。駆動側軸201には従動ギア418が固定され、従動ギア418は伝達ギア419を介して駆動ギア420と動力伝達可能に連結されている。駆動ギア420は駆動モータ421の駆動軸に固定され、モータ駆動により回転する。なお、駆動ローラ200には、駆動手段を内蔵するモータローラを使用してもよい。モータローラを用いると、省スペースでローラコンベアの設計やメンテナンス等も比較的簡易に行うことができると共に、円筒状物品が並設ローラの中央部に整列するように、速やかに且つより確実に搬送することができる。モータローラは、ローラ内部にモータと減速機等を内蔵しており、コンパクトであるため、円筒状物品の全長や断面直径に応じて、設計変更等により取付け位置を比較的容易に変更することができる。
【0027】
駆動モータ200に隣接するローラ406の表面は搬送物品の移送速度を低下させる摩擦係数の大きい材質で形成されている。摩擦係数の大きい資材には微細凹凸処理したローラ材や粘着性のあるシート材を用いることができる。同様に、最終ローラ412も搬送物品の前方への飛び出しを防ぐために摩擦係数の大きい材質で形成されている。搬送路204中央のローラ406とローラ408の間には配送物品の搬入検知部413が設けられている。搬入検知部413は柔軟シートの内部に配置された押下スイッチ202aからなり、搬送路204中央に搬送された円筒状物品104が搬入検知部413上に載置されたとき、その自重により押下スイッチ202aがオンして、配送物品の搬入検知が行われる。物品送り装置400により搬送路204に送り出された結束済み円筒状物品104が搬入検知部413にまで移送されたとき、押下スイッチ202aによる物品搬入検知に基づき、駆動ローラ200を一定時間駆動して、円筒状物品104を更に前方に移動させて、所定の配送位置にセッティングすることができる。搬送路204には、昇降床式回収部が隣接配置されている。昇降床式回収部は搬送路204から移送された円筒状物品104を載置する可動式載置床300と、載置床300からの円筒状物品104の脱落を防止する囲い部301とからなる。
【0028】
図4は可動片205の昇降式移送機構を示す。図5は物品送り装置400、搬送路204及び回収部の配置を示す。
この昇降式移送機構は、駆動ローラ200とローラ406の間隙より可動片上部が搬送路204の搬送面の上方及び下方を上下移動する可動片205からなる。可動片205は、搬送路204の搬送方向(図5に示す矢印401の方向)と直交するように配置された板状片からなり、板状片の上縁部206に回収部側に下方傾斜した傾斜縁部207が形成されている。板状片の下部はエアシリンダ209の伸縮軸208に連結されている。板状片の両側部は、エアシリンダ209の設置台座部216に立設した支柱212、213に設けたガイド210、211に沿って上下方向移動自在に支持されている。板状片の下部の一端には上限位置検出用の切り欠き214が形成されている。ガイド211の上部には、反射型光学センサ215が設置されており、板状片の上昇により切り欠き214が光学センサ215の設置位置に到達すると、反射型光学センサ215が動作し、可動片205の上限位置までの移動を検知することができる。エアシリンダ209を駆動して伸縮軸208を矢印S1に示すように、上下方向に移動させることにより、可動片205は、ガイド210、211に沿って実線の待機位置から2点破線の上限まで上下移動する。
【0029】
前記昇降床式回収部の可動式載置床300の昇降機構414は、X字状に組み合わせた軸材304、305からなるパンタグラフ式リンク機構からなる。軸材304、305は交点で軸支部306により軸支されている。軸材304の下端308はエアシリンダ313の伸縮軸314の開放端310に軸支されている。エアシリンダ313は回収部の台座部321に固定されており、開放端310は床面217に対して水平方向にスライド可能に、台座部321に固定した摺動部材312のスライド溝311に収設されている。軸材304の上端307は、載置床300下面に固着した軸支部309に軸支されている。載置床300下面には摺動部材318が固着されている。軸材305の上端315は、床面217に対して水平方向にスライド可能に、摺動部材318のスライド溝319内の可動部317に軸支されている。載置床300は軸材304、305からなるリンク機構により水平状態に支持されている。エアシリンダ313を駆動して伸縮軸314を水平方向に移動させることにより、前記リンク機構を介して、矢印S2に示すように、載置床300を上下方向に昇降させることができる。載置床300は、円筒状物品104の直径にほぼ相当する距離ずつ、上下に昇降し、実線の初期位置から2点破線の下限まで上下移動する。円筒状物品104の脱落を防止する囲い部301は、床面217に立設したフェンス状部材からなり、内側には、円筒状物品104の投入時の衝撃を緩和する回転ローラ303が鉛直方向に複数個設置されている。搬送路204への円筒状物品104の衝突を緩和するための緩衝壁部材302が、搬送路204側にも近接し、かつ囲い部301に対向して床面217に立設されている。緩衝壁部材302の内側にも、回転ローラ303が鉛直方向に複数個設置されている。囲い部301と緩衝壁部材302の上部には、搬送路204の搬送面より下側位置に、円筒状物品104の回収部への搬入を検知するセンサ415、416が設置されている。センサ415、416は、可動片205の板厚方向とほぼ平行に対向配置された投受光センサからなり、円筒状物品104がセンサ415、416間の投光を遮光することにより物品搬入を検知する。
【0030】
図6は円筒状物品結束回収装置の制御部の概略構成を示す。制御部は円筒状物品回収装置の動作を制御する回収制御部800と、結束装置112の動作を制御する結束制御部801からなる。これらの制御部は、制御CPU、制御プログラムを内蔵したROM及び制御データを記憶するRAMからなるマイクロプロセッサにより構成されている。回収制御部800は搬送路204の横に設置した制御ボックス407(図5参照)に内蔵されている。回収制御部800には、センサ415、416の物品搬入検知信号、反射型光学センサ215による可動片205の上限位置検出信号、押下スイッチ202aによる搬送路204への物品搬入検知信号が入力される。
【0031】
回収制御部800による回収制御シーケンスを以下に説明する。物品搬入検知信号が入力されると、回収制御部800は、駆動ローラ200を数回転させる駆動信号を駆動モータ421に出力し、駆動ローラ200を一定時間駆動して、円筒状物品104を更に前方に移動させて、所定の配送位置にセッティングする。ついで、エアシリンダ209に駆動信号を送出する。エアシリンダ209が駆動して伸縮軸208を矢印S1に示すように、上下方向に移動させ、可動片205を、ガイド210、211に沿って実線の待機位置から2点破線の上限まで移動させ、反射型光学センサ215による可動片205の上限位置検出信号の入力により、エアシリンダ209に下降方向への駆動信号を送出し、可動片205を待機位置側に下降させる。上記の可動片205上部の突出により、まず上縁部206を円筒状物品104の下部外周面に当接させて、更に傾斜縁部207が下部外周面に当接して、可動片205による押し出し力を加えて、また傾斜縁部207の下方傾斜作用により円筒状物品104を前記回収部側に向けて真横方向に円滑に転動させ、回収部の載置床300へ向けて搬入移送を行うことができる。載置床300への搬入移送完了は、センサ415、416の物品搬入検知信号の入力により確認される。従って、円筒状物品104の移し替え(配送)機構を搬送路204に可動片205を設けるだけで簡易かつ安価に構成することができ、処理ラインにおける円筒状物品回収作業の省力化及び無人化を低コストで実現することができる。なお、図4に示すように、可動片205の中心は円筒状物品104の中心より回収部の反対側に位置するのが好ましい。即ち、可動片205の中心が、円筒状物品104の中心より距離dだけ変位させることにより、可動片205上部の突出による押し上げ時に、円筒状物品104下面に、回収部と反対側に力が多く加わってしまうのを回避して、確実に回収部側に転動させることができる。また、エアシリンダ209やエアシリンダ313の駆動装置には油圧シリンダ等を使用してもよい。
【0032】
本実施形態においては、回収制御部800と結束制御部801の連携制御により、結束処理と回収処理の連続制御を行う。上記回収制御シーケンスにより、1個の円筒状物品回収作業が終了すると、次の円筒状物品の結束処理と配送位置への搬入が行われる。前記物品搬入検知信号の入力を受けて、回収制御部800は結束制御部801に搬入許可信号を送出する。結束制御部801には、駆動ローラ131a付近の搬送路上に設けた上記物品検知センサ803の検知信号が入力される。結束制御部801による結束処理及び搬送路204側への送り出し処理は、まず物品検知センサ803の入力に基づいて駆動ローラ131aを駆動する駆動信号を送出することにより行われる。ついで、円筒状物品104を順次前方移送して、結束装置112に搬送し、結束装置112を駆動して結束処理を行う。結束処理の後、送り出し用駆動ローラ101aを駆動信号を送出して、結束状態の円筒状物品104を物品搬送装置101へ送り出す。以上のようにして、回収制御部800と結束制御部801の連携制御により、結束処理と回収処理の連続制御を行うことにより、円筒状に巻き取った円筒状物品を製作した後、結束装置112により結束して結束物品を製作し、その結束物品を搬送路204の配送位置に搬出して前記回収部に回収することができ、結束円筒状物品の結束から回収までの工程を自動化して、結束作業及び結束物品回収作業の自動化及び省力化を安価に実現することができる。
【0033】
前記昇降機構414による載置床300の昇降制御は回収制御部800の制御下で行われる。初期段階では載置床300は上限位置にセッティングされる。可動片205の昇降により、円筒状物品104を回収部の載置床300へ向けて搬入移送を行い、載置床300への搬入移送完了をセンサ415、416の物品搬入検知により確認すると、結束制御部801に搬入許可信号を与える。ついで、次の円筒状物品104が配送位置に搬入されたことを押下スイッチ202aの検知により検知し、再び可動片205の昇降により、円筒状物品104を回収部の載置床300へ向けて搬入移送を行う。載置床300に2個分の円筒状物品104が投入されると、エアシリンダ313を駆動して昇降機構414を作動させ、載置床300を上限位置から1段階降下させる。載置床300の降下は、載置床300上の円筒状物品104によるセンサ415、416の遮光が解除されるまで行われる。この降下が完了すると、回収制御部800は結束制御部801に搬入許可信号を送出する。以上の載置床300の移動を繰り返すことにより、回収部に複数個の円筒状物品104を連続的に回収することができる。
【0034】
本実施形態では、可動式載置床300を回収部に設けているので、搬送路204上に次々に搬送されてくる円筒状物品104を順次、前記回収部に回収、収容することができ、円筒状物品104の連続処理ラインに好適な回収装置を実現することができる。殊に、前記床昇降装置によって載置床300を上下可動することにより、回収部の収容量が増大するにつれて載置床300を降下させて収容容量を可変にすることができる。載置床300の位置調整を随時行うことにより、前記配送位置から転動して移送される円筒状物品104が載置床300の床面ないし収容済み物品までの落下距離を最小限にして、落下衝撃等を常時、緩和して製品ダメージの発生を防止することができ、製品品質の向上に寄与する。なお、載置床300上の積載物品を作業員が取り出すことにより、センサ415、416の遮光が解除されるときには、収容量が減少した判断して、再び載置床300を自動的に円筒状物品104一層分収容する位置まで上昇、復帰させることができるので、取り扱いやすい円筒状物品104を回収部から順次、取り出して、別工程に搬出しながら、搬送路204から新たな物品を回収部に投入することを平行して行え、搬出作業の能率化を向上することができる。
【0035】
可動式載置床300の昇降機構414(床昇降装置)にはパンタグラフ式リンク機構を用いているが、昇降回転軸機構を用いてもよい。図7は、昇降回転軸機構を用いた床昇降装置を具備した回収部を示す。図8は図7の回収部の概略上面図である。図7と図8において、図4及び図5と同じ部材については同一の符号を付している。
【0036】
この可動式載置床500の昇降機構は、搬送路204側に立設した2本のボールねじ軸501と、各ボールねじ軸501を回転駆動する駆動モータ504からなる。2本のボールねじ軸501は、載置床500の一側部の長さ方向に沿って、その長さに近い間隔をあけて配設されている。載置床500の下部は、ボールねじ軸501に係合して上下移動する移動部材503に一体的に設けた支持部502に固定されている。ボールねじ軸501の上端は軸受け部509により軸支されており、軸受け部509及び搬送路204の端部は、円筒状物品104の衝撃から保護するための保護カバー508により覆われている。
【0037】
支持部502と対向する、載置床500の他方の側部には、円筒状物品104の脱落を防止する囲い部507が配設されている。囲い部507の中央には、壁材507aにより鉛直方向に形成した中空部が設けられており、その中空部には、一対のガイドローラ511が鉛直方向に沿ってスライド自在に配設されている。一対のガイドローラ511は軸受け部510に回動自在に軸支された回転軸506の両端に固定されている。軸受け部510には、前記中空部の縦長状開口部414aから外部に延設された支持片505が固定されており、載置床500の他方の側部の下部は支持片505に固定されている。載置床500は、その両端が移動部材503の支持部502と支持片505により固定され、水平状態に支持されている。
【0038】
上記構成に係るボールねじ駆動式昇降機構により、駆動モータ504を駆動してボールねじ軸501を回転させることにより、移動部材503を上下方向に移動させ、かつガイドローラ511によりスライドさせながら、載置床500を実線の初期位置から2点破線の下限まで上下移動することができる。この昇降機構により、パンタグラフ式リンク機構と比べて、載置床500底面下方に機構部材を配置しないコンパクト構造の床昇降装置を設けることができる。
【0039】
可動片205には、図4に示したように、傾斜縁部207が形成された板状片を用いている。可動片には、図9の(9A)に示すように、櫛歯状形態の可動片205Aを使用することができる。可動片205Aはエアシリンダ209の伸縮軸208に連結され、その先端が複数本の当接体206A、207Aからなる。当接体206Aは複数本、並設されて、可動片上部を構成し、当接体207Aは複数本、傾斜状に配置されて、傾斜縁部を構成する。可動片205Aの下部の一端には上限位置検出用の切り欠き214Aが形成されている。当接体206A、207Aの頭部は円筒状物品104を損傷しないように丸みが形成されている。櫛歯状形態の可動片205Aを使用することにより、円筒状物品104への当接箇所を減少できるので、転送時に物品下面を傷付けるおそれを解消することができる。また、円筒状物品104への当接時の衝撃を緩和するために、図9の(9B)に示すように、水平上部206Cと円弧状の傾斜縁部207Cを備えた可動片205Cを使用することができる。更に、可動片は1箇所に設置するだけでなく、隣接するローラ間に別の可動片を併設してもよい。(9B)の可動片205B、205Cは併設した、一対の可動片を示す。可動片205Bは、可動片205Cと同様に、円弧状の傾斜縁部と水平上部206Bとを備え、可動片205Cと平行配置されている。(9B)の214B、214Cは上限位置検出用の切り欠きである。一対の可動片205B、205Cを同時に上下移動させることにより、より大きな押し上げ力を加えて、円筒状物品104をより確実に転動させて、円滑な配送処理を行うことができる。
【0040】
図10は、前記実施形態に用いる、別の円筒状物品搬送結束装置の構成概略を示す。同図の円筒状物品搬送結束装置は、円筒状物品搬送装置2(以下、単に「物品搬送装置」とも称す)と結束装置12並びに円筒状物品4を供給又は搬出するためのベルトコンベア6、ベルトコンベア8及びベルトコンベア10から構成されている。結束装置12後部のベルトコンベア10の終端は、前記搬送路204の搬入側に対向配置される。円筒状物品4は、ベルトコンベア6により矢印方向に搬送されて物品搬送装置2に供給される。物品搬送装置2では供給された円筒状物品4の向きや前進する位置が適当でない場合、それらを修正してからベルトコンベア8及びベルトコンベア10により結束装置12の所定位置まで搬送する。円筒状物品4は、前記円筒状物品104と同様に、別工程において巻取装置(図示せず)によりマット4bが芯材4aに巻き取られて形成されている。更に、物品搬送装置2が設置される載置台19及びベルトコンベア6、8、10が各々設置される載置台7、9、11は、結束装置12の高さに応じて円筒状物品4が搬送される高さが所定の高さに揃うように調整されている。載置台9には、レーザー光の照射装置8aと光検出装置8bからなる第1センサが設置され、同様に、載置台11にも照射装置10aと光検出装置10bからなる第2センサが設置され、後述するように、これらのセンサにより円筒状物品4の位置を検知してその所定箇所を結束する。結束紐は軌道枠に沿って設けられた開口部12aから供給される。
【0041】
物品搬送装置2は、左側壁17と右側壁18とこれらの側壁に一方の回転軸端部が固定される左ローラ群3と右ローラ群5から構成され、これらのローラ群がV字状に対向して並設され、円筒状物品4を誘導し所定方向に搬送する並設ローラが形成されている。右側壁18は、右傾斜壁18a及右鉛直壁18bから形成され、左側壁17は右側壁18と対称の構造を有している。更に、この並設ローラは、ガイドローラ部14と搬送ローラ部16から構成され、ガイドローラ部14では、水平に配設された最初の左右ガイドローラがモータローラ24、25からなり、これら最初の左右ガイドローラに対して、第1左ガイドローラ31と第1右ガイドローラ41がV字状に対向して傾斜配置されている。後述するように、ガイドローラ部では、円筒状物品4の進行方向に沿って、V字状に傾斜配置された左右ガイドローラの挟角が順次小さくなるように各ガイドローラが配設されている。従って、円筒状物品4がベルトコンベア6上の中心からはずれた位置を進行してきても、円筒状物品4の位置と方向がガイドローラ部14において修正される。更に、前記搬送ローラ部16では、左ローラ20と右ローラ21が所定の挟角でV字状に対向して配設されている。また、右側壁18には駆動ローラ用取付部材50、54が設けられている。
【0042】
図11は、円筒状物品搬送装置2の上面概略図である。左ローラ群3が回転自在に取り付けられる各回転軸端部の一方が左側壁17に固定され、中央に設けられた取付部材28に各回転軸端部の他方が固定され、並設される右ローラ群5も同様に、各回転軸端部の一方が右側壁18に、そして他方が前記取付部材28に固定されている。即ち、第1右ガイドローラ31の場合、回転軸端部31aが左側壁17に固定され、他方の回転軸端部31bが前記取付部材28に固定され、第1左ガイドローラ31は回転軸に対して回転自在に取り付けられている。同様に、第1右ガイドローラ41は、回転軸端部41aが右側壁18に固定され、他方の回転軸端部41bが取付部材28に固定されている。ガイドローラ部14において、モータローラ24、25は、円柱状の回転ドラムに内装されたモータの駆動により回転ドラムを回転させる駆動ローラあり、その回転により円筒状物品4を推進させる。モータローラ24、25が配設される左側壁17と右側壁18の所定位置には、外部電源(図示せず)に接続されてモータローラ制御する駆動ローラ用取付部材48、50が設置されている。更に、内側の回転軸端部24b、25bは、取付部材28に固定されている。
【0043】
ガイドローラ部14に配列される左ガイドローラ群3aと右ガイドローラ群5aでは、前述のように、円筒状物品4の進行方向に沿って左右ローラ間の挟角が順次小さくなっている。図12は、円筒状物品搬送装置2の正面図であり、図13は、図11の円筒状物品搬送装置のA−A線断面図(13A)及びB−B線断面図(13B)を示す。図12に示すように、物品搬送装置2の中央部からずれた位置に供給された円筒状物品4cは、列設されたガイドローラ群により4dの位置まで誘導される。左ガイドローラ群では、水平に並設されたモータローラ24、25に対して、第1左ガイドローラ31と第1右ガイドローラ41が所定の挟角でV字状に対向するように配設されている。第3左ガイドローラ32と第3右ガイドローラの挟角は、さらに小さく設定されており、第3左ガイドローラ33〜第6左ガイドローラ36と第3右ガイドローラ43〜第6右ガイドローラ46がそれぞれ対を為し、順次挟角が小さくなり、左右ガイドローラ群3a、5a上の搬送経路が狭められていく。尚、図3に示すように、回転軸端部24a、25aは、それぞれの駆動ローラ用取付部材48、50から着脱自在となるように開口部48a、50aが設けられている。
【0044】
図13の(13A)に示すように、各左右ガイドローラ間の挟角θをθ〜θとすれば、各挟角θはθ>θ>θ>θ>θ>θとなるように設定されている。モータローラ24、25間の挟角は開始挟角θiであり、θi=約180°となっている。また、前記挟角θは終了狭角θfであり、搬送部16における左ローラ群3と右ローラ群5の間の挟角θは、θ=θf=θとなり、(13B)に示すように、終了狭角θfと同じ又は略同一の角度に設定されている。終了狭角θfは、90°≦θ≦150°の範囲に設定されることが好ましい。また、前記左右ガイドローラ群を構成して隣り合う2対の左右ローラの挟角差ΔθがΔθ=θ−θで表されるとき、この挟角差Δθは0°<Δθ≦25°の範囲に設定されることが好ましい。
また、図11〜13に示すように、搬送部16にもモータローラ26、27が配設され、これらに外部電源から電力を供給したり、制御信号を伝達する駆動ローラ用取付部材52、54が設けられている。回転軸端部26a、27aは、それぞれの駆動ローラ用取付部材52、54から着脱自在となるように開口部52、54が設けられている。更に、搬送部16では、終了狭角θfと略同じ挟角で、左ローラ20、22や右ローラ21、23などが配列されており、回転軸端部20a、21a、22a、23aが側壁17、18に固定されている。
【0045】
円筒状物品搬送装置2は、左右ローラ列は独立駆動される左ローラ群3と右ローラ群5から構成され、狭角θが前記所定方向に開始挟角θiから終了狭角θfに達するまで順次小さくなるように変化する左右ガイドローラ群からなるガイドローラ部14が設けられるから、円筒状物品4を搬送しながら並列ローラの中央部に整列させることができる。即ち、ガイドローラ部14では、V字状に配列される左右ローラ列において、対向する左ローラと右ローラの狭角θが前記所定方向に順次小さくなり、V字状に配置される左右ローラ間の面積が最小となる終了狭角θfに近付いていく。これにより、円筒状物品4の進路が所定の経路に制限されていくことにより、左右ガイドローラ群からの抗力が円筒状物品4の束縛力となり、円筒状物品4がその端縁を先端にして搬送路の中央から左右にずれた位置を進行している場合においても、ガイドローラ部14で円筒状物品4の位置を並列ローラの中央部に誘導することができ、次の結束処理工程に円筒状物品4を常時、適正位置に送り出すことができ、結束処理を確実かつ安定して実施することができる。
【0046】
また、搬送される円筒状物品の断面直径に応じて、前記開始挟角θiや終了狭角θfを設計することができ、又、並列ローラは、少なくとも左ローラ列と右ローラ列から構成されるが、円筒状物品の大きさに応じて、ローラ列をさらに並設することができる。即ち、搬送される円筒状物品の断面直径や形状などに応じて、適宜設計変更することができる。尚、円筒状物品の断面形状は、真円に限定されるものではなく、楕円形もしくは外周が回転し得る程度に略円形の形状を有している場合、搬送時の安定性が付与される。
【0047】
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明によれば、マットやカーペット等を巻き取った円筒状物品を、簡易な移送機構を用いて搬送路上から回収位置まで移送することができ、円筒状物品回収作業の省力化を低コストで実現することのできる円筒状物品回収装置及び円筒状物品結束回収装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係る円筒状物品結束回収装置の概略構成を示す外観図である。
【図2】前記円筒状物品結束回収装置に用いる結束装置の概略構成を示す外観図である。
【図3】前記実施形態に用いる搬送路の駆動ローラ200の駆動機構を示す概略構成図である。
【図4】前記実施形態に用いる可動片205の昇降式移送機構を示す概略構成図である。
【図5】前記実施形態における、物品送り装置400、搬送路204及び回収部の配置を示す上面配置図である。
【図6】前記円筒状物品結束回収装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る、別の回収部を示す概略構成図である。
【図8】図7の回収部の概略上面図である。
【図9】本発明に用いる、別の可動片の概略図である。
【図10】前記実施形態に用いる、別の円筒状物品搬送結束装置2の概略構成図である。
【図11】前記円筒状物品搬送装置2の上面概略図である
【図12】円筒状物品搬送装置2の正面図である。
【図13】図11の円筒状物品搬送装置のA−A線断面図(13A)及びB−B線断面図(13B)である。
【符号の説明】
【0050】
2 円筒状物品搬送装置
3 左ローラ群
3a 左ガイドローラ群
4 円筒状物品
4c 円筒状物品
4d 円筒状物品
5 右ローラ群
5a 右ガイドローラ群
6 ベルトコンベア
7 載置台
8 ベルトコンベア
8a 照射装置
8b 光検知器
9 載置台
10 ベルトコンベア
10a 照射装置
10b 光検知器
11 載置台
12 結束装置
12a 開口部
14 ガイドローラ部
16 搬送ローラ部
17 左側壁
17a 左傾斜壁
17b 左鉛直壁
18 右側壁
18a 右傾斜壁
18b 右鉛直壁
19 載置台
20 左ローラ
21 右ローラ
24 モータローラ
24b 回転軸端部
25 モータローラ
25b 回転軸端部
28 取付部材
31 第1左ガイドローラ
31a 回転軸端部
31b 回転軸端部
32 第2左ガイドローラ
33 第3左ガイドローラ
34 第4左ガイドローラ
35 第5左ガイドローラ
36 第6左ガイドローラ
41 第1右ガイドローラ
41a 回転軸端部
41b 回転軸端部
42 第2左ガイドローラ
43 第3左ガイドローラ
44 第4左ガイドローラ
45 第5左ガイドローラ
46 第6左ガイドローラ
48 駆動ローラ用取付部材
50 駆動ローラ用取付部材
52 駆動ローラ用取付部材
54 駆動ローラ用取付部材
101 物品搬送装置
101a 駆動ローラ
102 物品搬送装置
104 円筒状物品
112 結束装置
112a 結束紐
112b 開口部
113 ローラ
114b 後端部
114c 前端部
131 ローラ
131a 駆動ローラ
198a 結束紐
200 駆動ローラ
201 軸
202 軸
202a 押下スイッチ
203 軸受け部
204 搬送路
205 可動片
205A 可動片
205B 可動片
205C 可動片
206 上縁部
206A 当接体
206B 水平上部
206C 水平上部
207 傾斜縁部
207A 当接体
207C 傾斜縁部
208 伸縮軸
209 エアシリンダ
210 ガイド
211 ガイド
212 支柱
213 支柱
214 切り欠き
214A 切り欠き
214B 切り欠き
214C 切り欠き
215 光学センサ
216 台座部
217 床面
300 載置床
301 囲い部
302 緩衝壁部材
303 回転ローラ
304 軸材
305 軸材
306 軸支部
307 上端
308 下端
309 軸支部
310 開放端
311 スライド溝
312 摺動部材
313 エアシリンダ
314 伸縮軸
315 上端
317 可動部
318 摺動部材
319 スライド溝
321 台座部
400 物品送り装置
401 矢印
402 ローラ
403 ローラ
404 ローラ
405 ローラ
406 ローラ
407 制御ボックス
408 ローラ
409 ローラ
410 ローラ
411 ローラ
412 ローラ
413 搬入検知部
414 昇降機構
414a 開口部
415 センサ
416 センサ
417 軸受け部
418 従動ギア
419 伝達ギア
420 駆動ギア
421 駆動モータ
500 載置床
501 ボールねじ軸
502 支持部
503 移動部材
504 駆動モータ
505 支持片
506 回転軸
507 囲い部
507a 壁材
508 保護カバー
509 軸受け部
510 軸受け部
511 ガイドローラ
800 回収制御部
801 結束制御部
803 物品検知センサ
d 距離
S1 矢印
S2 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路上を縦長状に搬送されてきた円筒状物品を前記搬送路に隣接する回収部に移送して回収する円筒状物品回収装置において、前記円筒状物品を前記回収部に移送する配送位置を前記搬送路に設け、前記搬送路に設けられ、前記搬送路上に搬入された前記円筒状物品を前記配送位置まで送り込む駆動手段と、可動片上部が前記搬送路の搬送面の上方及び下方を上下移動する可動片と、前記駆動手段により前記円筒状物品が前記配送位置まで送り込まれたとき、前記可動片上部を前記搬送面下方の待機位置から上昇させ、前記搬送面上方の所定位置まで突出させた後、前記待機位置に下降させる可動片移動制御装置とを有し、前記可動片上部の突出により前記可動片上部を前記円筒状物品の下部外周面に当接させて、前記円筒状物品を前記回収部側に押し出す力を前記円筒状物品に加え、前記円筒状物品を転動させて前記移送を行うことを特徴とする円筒状物品回収装置。
【請求項2】
前記配送位置まで送り込まれた前記円筒状物品を検知するセンサを備え、前記センサの出力に基づき前記可動片移動制御装置により前記可動片を上下移動させる請求項1に記載の円筒状物品回収装置。
【請求項3】
前記可動片は前記搬送路の搬送方向と直交するように配置された板状片からなり、前記板状片の上縁部に前記回収部側に下方傾斜した傾斜縁部が形成され、前記板状片が前記所定位置まで突出する過程で、前記傾斜縁部が前記円筒状物品の下部外周面に当接して、前記円筒状物品を前記回収部側に押し出す請求項1又は2に記載の円筒状物品回収装置。
【請求項4】
前記回収部は、前記搬送路から移送された前記円筒状物品を載置する載置床と、前記載置床からの前記円筒状物品の落下を防止する囲い部とからなり、前記載置床に載置された前記円筒状物品の数量の増減に応じて前記載置床の位置を昇降させる床昇降装置を備えた請求項1、2又は3に記載の円筒状物品回収装置。
【請求項5】
前記搬送路が前記搬送面に列設されたローラ群からなる場合には、前記ローラ群の中間に前記駆動手段となる駆動ローラを配設し、前記搬送路がベルト群からなる場合には、前記ベルト群の各ベルトが前記駆動手段となる請求項1〜4のいずれかに記載の円筒状物品回収装置。
【請求項6】
前記駆動ローラが駆動手段を内蔵するモータローラである請求項5に記載の円筒状物品回収装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載される円筒状物品回収装置と、その前段に配設され、シート状態から巻き取られた円筒状物品を結束する結束装置から構成され、前記結束装置は結束された前記円筒状物品を前記円筒状物品回収装置の搬入側に送り出す物品送り装置を有することを特徴とする円筒状物品結束回収装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−227373(P2009−227373A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73020(P2008−73020)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【Fターム(参考)】