説明

再封機能付き包装袋

【課題】再封のための特別な部材を包装袋に付加することなく再封することができ、また、包装袋の1端辺を切断することにより大きく開封して、内容物が容易に取り出すことのできる、再封機能付き包装袋を提供する。
【解決手段】外層と内層からなる積層フィルムを製袋した包装袋であって、該包装袋の1端辺近傍に設けられた、外層をカットした外層ハーフカットには、一部で前記1端辺側に突出した湾曲部が設けられ、内層に設けた内層ハーフカットが、前記湾曲部以外では外層ハーフカットに沿うように、略直線状に設けられ、少なくとも外層ハーフカットの湾曲部と内層ハーフカットに挟まれた領域の内層と外層の間に粘着層が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再封機能付き包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
菓子や食肉加工品、冷凍食品、あるいはトイレタリー製品などで、複数個の物が内容物として、包装袋に入れられて販売されているものがある。消費者が購入して開封して、内容物の一部を包装袋から取り出して、残った内容物をその包装袋のまま保存することがあるが、この場合、開封部を折り込んでクリップや、輪ゴムなどの封止手段を用いて留めて封止していた。
【0003】
しかし、封止手段が手元にないと封止できないなどの不便があった。そこで、包装袋の開口部側の表裏フィルムの内面に互いに嵌合可能な凹部及び凸部からなるジッパーを設けた包装袋があるが、ジッパーを取り付けるにはある程度、強度や腰のある包装材料を用いる必要があり、また、ピロー袋などには製袋機などの問題で取り付けることが難しい。
【0004】
そこで、ウエットティッシュなどでは、袋の一面に切込によって開口部を設け、開口部に粘着剤の付いたフィルム状の蓋材を貼って、粘着剤によって再封機能を持たせた包装袋があった(例えば、特許文献1)。
【0005】
また、類似の考え方で、包装袋の一面に略U型の切込を設け開口部となるようにし、その切込を覆うように粘着剤の付いたラベルを貼着した再封機能付き包装袋もあった(例えば、特許文献2)。
【0006】
さらには、サイドガゼットを有する包装袋と包装袋の内部に封入された保形部材からなる直方体の包装体で、上部のガゼット折り部を長くして、開閉フラップとして、開閉フラップを折り込んで袋の前面に粘着剤で留められるようにし、開閉フラップを折り込まれた内面に開口部を設けた包装体もあった(例えば、特許文献3)。
【0007】
一方、外層と内層の2重の包装材からなるパッケージで、パッケージの一つの面の外層にU字型の切込を設け、内層には外層の切込のU字の間に相似形の切込を設けておき、外層のU字型の切込の先端に設けたつまみ部を持って、外層のU字型の切込で囲まれた部位を剥離すると、内層のU字型の切込で囲まれた部位も剥がれて開口され、そのとき、可聴音がして、これを再封しても開封したことがわかるようにした包装袋など(例えば、特許文献4)がある。
【0008】
また、同様な構造で、開封することによって変形あるいは湾曲して、再封しても開封したことがわかるようにした包装袋などがあった(例えば、特許文献5など)。
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−119046号公報
【特許文献2】特開2004−026188号公報
【特許文献3】特開平10−147365号公報
【特許文献4】特開2008−265876号公報
【特許文献5】特開2010−047320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の包装袋などは、蓋材やラベルなどの再封のための部材を付加したり、包装袋を余分に大きくしたり、また、工程が複雑であったりする問題があった。さらに、包装袋の一面に開口部を設けるため、内容物が取り出しにくいことがあるなどの問題もある。
【0011】
本発明は、再封のための特別な部材を包装袋に付加することなく再封することができ、また、包装袋の1端辺を切断することにより大きく開封して、内容物が容易に取り出すことのできる、再封機能付き包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、外層と内層からなる積層フィルムを製袋した包装袋であって、
該包装袋の1端辺近傍に設けられた、前記外層をカットした外層ハーフカットには、一部で前記1端辺側に突出した湾曲部が設けられ、前記内層をカットした内層ハーフカットが、略直線状に、前記湾曲部以外では前記外層ハーフカットに沿うように設けられ、少なくとも前記外層ハーフカットの前記湾曲部と前記内層ハーフカットに挟まれた領域の前記内層と前記外層の間に粘着層が設けられていることを特徴とする再封機能付き包装袋である。
【0013】
本発明の再封機能付き包装袋は、以上のような構成であって、包装袋を開封するために、包装袋の1端辺を引き裂いて切り取るとき、外層ハーフカットと内層ハーフカットで切り離して、大きく1端辺を切り取り開封し開口部とすることができ、容易に内容物を取り出すことができる。
【0014】
再封するときは、外層ハーフカットの湾曲部と内層ハーフカットに挟まれた領域の内層と外層の間に設けられた粘着層が、外層の突出した湾曲部の内面に出ているので、この湾曲部で開口部を覆うように折り曲げ、包装袋の反対の面に粘着層で貼り付けて再封することができる。
【0015】
本発明の請求項2の発明は、外層と内層からなる積層フィルムを製袋した、背シール部と天シール部と地シール部を有する包装袋であって、
前記天シール部近傍に設けられた、前記外層をカットした外層ハーフカットには、前記包装袋の前記背シール部の無い面の一部で前記天シール部側に突出した湾曲部が設けられ、前記背シール部で一致し、前記内層をカットした内層ハーフカットが、略直線状に、前記湾曲部以外では前記外層ハーフカットに沿うように設けられ、前記背シール部で一致し、少なくとも前記外層ハーフカットの前記湾曲部と前記内層ハーフカットに挟まれた領域の前記内層と前記外層の間に粘着層が設けられていることを特徴とする再封機能付き包装袋である。
【0016】
本発明は、再封機能付き包装袋が、背シール部と天シール部と地シール部を有する包装袋であって、上記の構成にすることによって、包装袋を開封するために、包装袋の天シール部を引き裂いて切り取るとき、背シール部で一致する外層ハーフカットと内層ハーフカットを、一致する背シール部より、引き裂き始めて、大きく天シール部側を切り取り開封し開口部とすることができ、容易に内容物を取り出すことができる。
【0017】
再封するときは、外層ハーフカットの湾曲部と内層ハーフカットに挟まれた領域の内層と外層の間に設けられた粘着層が、外層の突出した湾曲部の内面に出ているので、この湾曲部で開口部を覆うように折り曲げ、包装袋の反対の背シールのある面に粘着層で貼り付けて再封することができる。
【0018】
本発明の請求項3の発明は、外層と内層からなる積層フィルムを製袋した、側シール部と天シール部と地シール部を有する包装袋であって、
前記天シール部近傍に設けられた、前記外層をカットした外層ハーフカットには、前記包装袋の表裏いずれかの面の一部で前記天シール部側に突出した湾曲部が設けられ、前記外層ハーフカットは前記側シール部で一致し、前記内層をカットした内層ハーフカットが、略直線状に、前記湾曲部以外では前記外層ハーフカットに沿うように設けられ、前記側シール部で一致し、少なくとも前記外層ハーフカットの前記湾曲部と前記内層ハーフカットに挟まれた領域の前記内層と前記外層の間に粘着層が設けられていることを特徴とする再封機能付き包装袋である。
【0019】
本発明は、再封機能付き包装袋が、側シール部と天シール部と地シール部を有する包装袋であって、上記の構成にすることによって、包装袋を開封するために、包装袋の天シール部を引き裂いて切り取るとき、側シール部で一致する外層ハーフカットと内層ハーフカットを、一致する側シール部より、引き裂き始めて、大きく天シール部側を切り取り開封し開口部とすることができ、容易に内容物を取り出すことができる。
【0020】
再封するときは、外層ハーフカットの湾曲部と内層ハーフカットに挟まれた領域の内層と外層の間に設けられた粘着層が、外層の突出した湾曲部の内面に出ているので、この湾曲部で開口部を覆うように折り曲げ、包装袋の反対の面に粘着層で貼り付けて再封することができる。
【0021】
本発明の請求項4の発明は、前記外層がポリエチレンテレフタレート層を有し、ポリエチレンテレフタレート層と前記内層の間に前記粘着層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の再封機能付き包装袋である。
【0022】
本発明はさらに、外層がポリエチレンテレフタレート層を有し、ポリエチレンテレフタレート層と内層の間に前記粘着層が設けられているので、粘着層とポリエチレンテレフタレート層の密着性が高く、剥がすときに、粘着層が内層側に取られることが無く、外層側に確実に残すことができる。また、外層にポリエチレンテレフタレート層があると、外層ハーフカットや、内層ハーフカットを入れるときに、入れやすくなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の再封機能付き包装袋は、再封のための部材を包装袋に付加することなく、また、包装袋の1端辺を切断することにより大きく開封して、内容物が容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態を模式的に平面で示した説明図である。
【図2】本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態の湾曲部周辺の断面図である。
【図3】(A)本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態に内容物を充填された天シール部近傍部分裏面の斜視図である。(B)本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態を開封している天シール部近傍部分裏面の斜視図である。
【図4】本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態を開封した状態を模式的に示す天シール部近傍部分表面の斜視図である。
【図5】本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態を開封した状態を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態を再封する状態を模式的に示す表面の斜視図である。
【図7】本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態を再封した状態を模式的に示す裏面の斜視図である。
【図8】本発明の再封機能付き包装袋の第2の実施形態を模式的に平面で示した説明図である。
【図9】本発明の再封機能付き包装袋の第2の実施形態を開封した状態を模式的に平面で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1の実施形態>
以下、本発明を実施するための第1の実施形態につき説明する。
図1は、本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態の周辺部を模式的に平面で示した説明図、図2は、本発明の再封機能付き包装袋の第1の実施形態の周辺部を模式的に断面で示した部分説明図である。
【0026】
第1の実施形態の再封機能付き包装袋100は、外層1と内層2からなる積層フィルム101を製袋した、図1のように、天シール部3と地シール部4を有し、図1では見えないが、図の背面側に背シール部5を設けたピロー包装袋である。
【0027】
天シール部3の近傍には積層フィルム101の外層1に設けた外層ハーフカット6が設けられていて、外層ハーフカット6には、天シール部3側に突出した湾曲部7が設けられている。外層ハーフカット6の両端は、包装袋100の背面側の背シール部5まで、略直線状に設けられ、両端が背シール部5で一致している。
【0028】
点線で描かれているのは、内層2に設けた内層ハーフカット8であり、内層ハーフカット8は、略直線状に、湾曲部7以外では外層ハーフカット6に沿うように設けられている。そして、内層ハーフカット8の両端は、背シール部5で一致している。
【0029】
内層ハーフカット8が、外層ハーフカット6に沿うように設けられているとは、湾曲部7以外の略直線状に設けられた外層ハーフカット6と積層フィルム101の厚さ方向で重ならずに近傍に並んでいることを意味している。またその距離としては、外層ハーフカット6の略直線部で0.5mmから、2.0mmの間であることが好ましい。
【0030】
0.5mmより近いと製袋や充填時に切れてしまい、使用出来ないことがある。また、2.0mmより離れていると、開封しようとしたときに、外層ハーフカット6ならびに内層ハーフカット8で引き裂くことが出来ず、その結果、湾曲部7が破れてしまったり、湾曲部7で内層2が残ってしまったりする恐れがある。
【0031】
図2は、内層ハーフカット8に直行する方向に積層フィルム101を切断した湾曲部7周辺の断面図である。外層1には外層ハーフカット6が設けられ、内層2には内層ハーフカット8が設けられていて、湾曲部7においては、少なくとも外層ハーフカット6と内層ハーフカット8に挟まれた領域の外層1と内層2との間に粘着層9が設けられている。
【0032】
外層1と内層2との間をすべて粘着層9としても良いし、湾曲突出部12になる領域の外層1と内層2の間にのみ粘着層9を設けて、それ以外の領域の外層1と内層2の間を硬化性の接着層としても良い。
【0033】
このような積層フィルム101の側部を再封機能付き包装袋100の裏面でつき合わせて重ね、背シール部5を作り、天シール部3及び地シール部4をシールして、再封機能付き包装袋100を製造する。
【0034】
図3(A)は、内容物を充填した再封機能付き包装袋100の天シール部3近傍部分の背シール部5のある裏面の斜視図である。天シール部3の近傍には天シール部3と略並行に直線状の外層ハーフカット6が設けられていて、外層ハーフカット6と内層ハーフカット8は、背シール部5にまで設けられている。
【0035】
背シール部5の外層ハーフカット6の端部には、V字型のノッチ10が設けられている。このノッチ10の両側をそれぞれ持って、引きちぎるようにすると図3(B)のようにノッチ10を基点として外層1が外層ハーフカット6で切れていき、また、内層2も内層ハーフカット8で切れていく。
【0036】
そして、背シール部5から前面部まで外層ハーフカット6と内層ハーフカット8を切り開いていくと、前面部では、外層ハーフカット6と内層ハーフカット8の位置がずれ、内層ハーフカットの位置を境にして、再封機能付き包装袋100の天シール部3側の端部が切り離される。このようにして、再封機能付き包装袋100の開封が行われていく。
【0037】
図4は、開封した再封機能付き包装袋100を模式的に示す天シール部近傍部分表面の斜視図、図5は、開封した再封機能付き包装袋100の断面を模式的に示す説明図である。
【0038】
天シール部3側が切り取られることによって、内容物を収納した部分には開口部11があいていて大きく開封されている。開口部11の背シール部5の無い表面側には、湾曲部7で設けられた湾曲突出部12が形成されている。
【0039】
また、切り取られた天シール部3側には、外層1が湾曲突出部12に取られて、外層1がなく内層2だけになった、湾曲部7と同形状の部分が形成されている。
【0040】
開口部11が設けられた内容物が収納された部分から、内容物を一部取り出して、残りを再封する場合は、図6のように、湾曲突出部12を背シール部5のある裏面側に、開口部11を覆うように折っていき、図7のように、背シール部5のある裏面側に、露出した粘着層9で湾曲突出部12を貼り付けることによって、再封することができる。
【0041】
以上のように、再封機能付き包装袋100は、背シール部5に設けたノッチ10から、簡単に引き裂いて天シール部3側を切り取ることができ、大きく開口することができる。そして、再封するときは、外層ハーフカット6の湾曲部7と内層ハーフカット8に挟まれた領域の内層2と外層1の間に設けられた粘着層9が、外層1の突出した湾曲部7で形成された湾曲突出部12の内面に出ているので、この湾曲突出部12で開口部11を覆うように折り曲げ、再封機能付き包装袋100の反対の背シール5のある面に粘着層9で貼り付けて再封することができる。
【0042】
このようにして、再封機能付き包装袋100は、再封のための部材を包装袋に付加することなく、また、再封機能付き包装袋100の1端辺の天シール部3側を切り取ることにより大きく開封して、内容物を容易に取り出すことができる。
【0043】
<第2の実施形態>
以下本発明を実施するための第2の実施形態につき説明する。
図8は、本発明の再封機能付き包装袋の第2の実施形態を模式的に平面で示した説明図である。
【0044】
第2の実施形態の再封機能付き包装袋200は、外層1と内層2からなる積層フィルム101を製袋した、図8のように、2枚のフィルムが表裏で重ねあわされて、2つの側シ
ール部13a、13bと天シール部3と地シール部4を設けた4方シール包装袋である。
【0045】
天シール部3の近傍には積層フィルム101の外層1に設けた外層ハーフカット6が設けられていて、表フィルムの外層ハーフカット6には、天シール部3側に突出した湾曲部7が設けられ、その外層ハーフカット6の両端は、再封機能付き包装袋200の2つの側シール部13a、13bまで、略直線状に設けられ、裏フィルムの外層ハーフカット6は、略直線状に設けられている。そして、表裏のフィルムに設けられた外層ハーフカット6の端部は側シール部13a、および、側シール部13bで一致している。
【0046】
点線で描かれているのは、内層2に設けた内層ハーフカット8であり、内層ハーフカット8は、略直線状に、湾曲部7以外では外層ハーフカット6に沿うように、表裏のフィルムに設けられている。そして、表裏のフィルムに設けられた内層ハーフカット8の端部は側シール部13a、および、側シール部13bで一致している。
【0047】
そして、側シール部13aと側シール部13bには、ノッチ10が、表裏のフィルムに設けられた外層ハーフカット6の端部が一致し、表裏のフィルムに設けられた内層ハーフカット8の端部が一致する位置に設けられている。ノッチ10は側シール部13aと側シール部13bのいずれか一方にのみ設けられていても良い。
【0048】
内層ハーフカット8が、外層ハーフカット6に沿うように設けられているとは、湾曲部7以外の略直線状に設けられた外層ハーフカット6と積層フィルム101の厚さ方向で重ならずに近傍に並んでいることを意味している。またその距離としては、0.5mmから、2.0mmの間であることが好ましい。
【0049】
5mmより近いと製袋や充填時に切れてしまい、使用出来ないことがある。また、2.0mmより離れていると、開封しようとしたときに、外層ハーフカット6ならびに内層ハーフカット8で引き裂くことが出来ず、その結果、湾曲部7が破れてしまったり、湾曲部7で内層2が残ってしまったりする恐れがある。
【0050】
本例の再封機能付き包装袋200を製袋する積層フィルム101は、再封機能付き包装袋100と同様である。したがって、内層ハーフカット8に直行する方向に積層フィルム101を切断した湾曲部7周辺の断面図は図2と同じである。外層1には外層ハーフカット6が設けられ、内層2には内層ハーフカット8が設けられていて、湾曲部7においては、少なくとも外層ハーフカット6と内層ハーフカット8に挟まれた領域の外層1と内層2との間に粘着層9が設けられている。
【0051】
外層1と内層2との間をすべて粘着層9としても良いし、湾曲突出部12になる領域の外層1と内層2の間にのみ粘着層9を設けて、それ以外の領域の外層1と内層2の間を硬化性の接着層としても良い。
【0052】
再封機能付き包装袋200のを開封するには、このノッチ10の上下両側をそれぞれ持って、引きちぎるように開封すると、ノッチ10を基点として外層1が外層ハーフカット6で切れていき、また、内層2も内層ハーフカット8で切れていく。このようにして、再封機能付き包装袋200の開封が行われていく。
【0053】
図9は、開封した再封機能付き包装袋200である。天シール部3側が切り取られてことによって、内容物を収納した部分には開口部11があいていて大きく開封されている。表フィルム側には、湾曲部7で設けられた湾曲突出部12が形成されている。
【0054】
また、切り取られた天シール部3側には、外層1が湾曲突出部12に取られて、外層1
がなく内層2だけになった、湾曲部7と同形状の部分が形成されている。
【0055】
内容物を一部取り出して、残りを再封する場合は、湾曲突出部12を裏フィルム側に、開口部11を覆うように折っていき、露出した粘着層9で湾曲突出部12を裏フィルム側に、貼り付けることによって、再封することができる。
【0056】
以上のように、再封機能付き包装袋200は、側シール部13a、あるいは、側シール部13bに設けたノッチ10から、簡単に引き裂いて天シール部3側を切り取ることができ、大きく開口することができる。そして、再封するときは、外層ハーフカット6の湾曲部7と内層ハーフカット8に挟まれた領域の内層2と外層1の間に設けられた粘着層9が、外層1の突出した湾曲部7で形成された湾曲突出部12の内面に出ているので、この湾曲突出部12で開口部11を覆うように折り曲げ、再封機能付き包装袋200の裏フィルム面に粘着層9で貼り付けて再封することができる。
【0057】
このようにして、再封機能付き包装袋200は、再封のための部材を包装袋に付加することなく、また、包装袋の1端辺の天シール部3側を切り取ることにより大きく開封して、内容物を容易に取り出すことができる。
【0058】
再封機能付き包装袋200は、4方シール包装袋であるが、1枚のフィルムを折り返し重ね合わせて、1つの側シールと天シール部3と地シール部4を設けた3方シール包装袋としても良い。また底部に折込部を設けたスタンディングパウチとしても良い。
また、再封機能付き包装袋100は、ピロー包装としたが、側部に折込部を設けたサイドガゼット袋としても良い。
【0059】
再封機能付き包装袋は、少なくとも一部が粘着層9を介して貼られた外層1と内層2からなる積層フィルム101が製袋されてなるが、外層1や内層2には、プラスチックが好ましく用いられる。また、外層1あるいは内層2のいずれかの層にアルミニウム箔などの金属箔を有するようにしてもかまわない。
【0060】
外層1に用いるプラスチックとしては、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどが使用できる。そして、その2軸延伸、あるいは、1軸延伸、未延伸のプラスチックフィルムが好ましく使用できる。その厚さは好ましくは、12〜50μmである。
【0061】
外層1を多層にして設けても良い。多層の外層1としては、外側から、外層基材A/外層基材Bとすると、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン、ナイロン/ポリエチレンテレフタレート、ナイロン/無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレート、ナイロン/アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレートなどの積層したフィルムを用いることができる。さらには外層基材Aと外層基材Bの間に、アルミニウム箔を挟んだ構成としても良い。
【0062】
外層1がポリエチレンテレフタレート層を有し、粘着層9に接する面にポリエチレンテレフタレート層があることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは表面の濡れ性が高く、積層すると粘着層9との密着性が高く、剥がした場合に粘着層9が内層2側に取られることが無く、粘着層9がポリエチレンテレフタレート層に残り、再封時に粘着させることができる。
【0063】
内層2には、熱溶融性樹脂が用いられる。ポリプロピレンや、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、あるいは、酸変性ポリエチレンなどが用いられる。また、内層
2として、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの2軸延伸、あるいは、1軸延伸のフィルムに、熱溶融性樹脂を積層し、多層の内層2としても良い。
【0064】
また、内層2に多層の共押し出しフィルムを用いても良い。多層の共押し出しフィルムの内層2としては、低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンを中間層として、両面に直鎖状低密度ポリエチレンの層を設けたものなどを用いることができる。
【0065】
熱溶融性樹脂の厚さは、内容物の量によって、調整されるものであるが、30から100μmが好ましく使用できる。
【0066】
また、絵柄印刷層を外層1の表面に設けられるが、裏面に設けることもできる。また、外層基材Aと外層基材Bとからなる多層の外層1の場合は、外層基材Aを印刷基材として、外層基材Aと外層基材Bの間に絵柄印刷層を設けることができる。絵柄印刷層を設ける印刷方式は、特に限定するものではないが、通常、グラビア印刷、あるいは、フレキソ印刷が用いられる。
【0067】
絵柄印刷層を設ける場合、外層基材Aと外層基材Bとからなる多層の外層1とし、外層基材Aを印刷基材として、外層基材Aと外層基材Bの間に絵柄印刷層を設けることによって、粘着層9に絵柄印刷層が直接接しないので、密着力の弱い絵柄印刷層が外層1から剥がれて、粘着層9が内層2側に移行することが無い。
【0068】
粘着層9に用いる粘着剤としては、合成ゴム系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤などが挙げられる。
【0069】
合成ゴム系粘着剤の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0070】
また、アクリル樹脂系粘着剤の具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリルなどの単独重合体若しくは共重合体などが挙げられる。
【0071】
ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤の具体例としては、ポリビニルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなどが挙げられる。さらに、シリコーン樹脂系粘着剤の具体例としては、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0072】
湾曲突出部12にあたる領域の内層2の貼り合わせる面に、あらかじめ剥離剤を塗布しておいて、外層1と粘着剤で貼り合わせてもよい。このようにすることによって、湾曲突出部12において、外側から順に、外層1、粘着層9、剥離剤層、内層2の層構成となり、開封のときに、湾曲突出部12で粘着層9と剥離剤層で剥がれて、外層1側に粘着層9を残すことができ、再封するときに粘着層9で貼り付けて確実に再封することができる。
【実施例】
【0073】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0074】
片面コロナ処理の2軸延伸ポリプロピレンフィルム20μmを用意し、このコロナ処理
面に、ウレタン系インキを用いグラビア印刷で絵柄印刷層を設けた、この絵柄印刷層面にウレタン系接着剤を塗布してドライラミネーションにて、片面コロナ処理の2軸延伸ポリエッチレンテレフタレートフィルム12μmの未処理面を貼り合わせ外層1を作成した。さらにこの2軸延伸ポリエッチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、アクリル系粘着剤を塗布して、内層2の未延伸ポリプロピレンのコロナ処理面と貼り合せて積層フィルム101を作成した。
【0075】
この積層フィルム101を1行製袋用の幅にスリットし、次に、スリットした積層フィルム101の外層1側からロータリーカット方式で突出した湾曲部7を持つ外層ハーフカット6を絵柄印刷に見当を合わせて外層1に設けた。また、内層2側から、同様にロータリーカット方式で直線状の内層ハーフカット8を絵柄印刷に見当を合わせて内層2に設け製袋用原反とした。
【0076】
この製袋用原反をピロー包装機で、複数のスティック状の菓子からなる内容物を包装しながら製袋し、第1の実施形態のピロー包装袋を作成した。ピロー包装袋の天シール部3の長さは93mm、背シール部5の長さは135mmである。
【0077】
この内容物を包装したピロー包装袋を背シール部5に設けたVノッチ10の上下をそれぞれ指で摘んで、背シール部5を切り裂き、さらに切り開いていくと、図3の(A)から(B)のように開いていき、図4のように、ピロー包装袋の天シール部3側が切り取られ、開口部11が開けられる。
【0078】
このとき、湾曲突出部12では、外層1が地シール部4側に残り、内層2が天シール部3側に取られる。そして、粘着層9は外層1の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ポリエチレンテレフタレート層)面に残っていた。
【0079】
開口部11より、内容物のスティック状の菓子を一本取り出し、残りはそのままにして、このピロー包装袋を再封した。再封は、図6のように、湾曲突出部12を背シール部5のある裏面側に、開口部11を覆うように折っていき、図7のように、背シール部5のある裏面側に、露出した粘着層9で湾曲突出部12を貼り付けることによって、再封することができた。
【符号の説明】
【0080】
100、200・・・再封機能付き包装袋
101・・・積層フィルム
1・・・外層
2・・・内層
3・・・天シール部
4・・・地シール部
5・・・背シール部
6・・・外層ハーフカット
7・・・湾曲部
8・・・内層ハーフカット
9・・・粘着層
10・・・ノッチ
11・・・開口部
12・・・湾曲突出部
13a、13b・・・側シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外層と内層からなる積層フィルムを製袋した包装袋であって、
該包装袋の1端辺近傍に設けられた、前記外層をカットした外層ハーフカットには、一部で前記1端辺側に突出した湾曲部が設けられ、前記内層をカットした内層ハーフカットが、略直線状に、前記湾曲部以外では前記外層ハーフカットに沿うように設けられ、少なくとも前記外層ハーフカットの前記湾曲部と前記内層ハーフカットに挟まれた領域の前記内層と前記外層の間に粘着層が設けられていることを特徴とする再封機能付き包装袋。
【請求項2】
外層と内層からなる積層フィルムを製袋した、背シール部と天シール部と地シール部を有する包装袋であって、
前記天シール部近傍に設けられた、前記外層をカットした外層ハーフカットには、前記包装袋の前記背シール部の無い面の一部で前記天シール部側に突出した湾曲部が設けられ、前記背シール部で一致し、前記内層をカットした内層ハーフカットが、略直線状に、前記湾曲部以外では前記外層ハーフカットに沿うように設けられ、前記背シール部で一致し、少なくとも前記外層ハーフカットの前記湾曲部と前記内層ハーフカットに挟まれた領域の前記内層と前記外層の間に粘着層が設けられていることを特徴とする再封機能付き包装袋。
【請求項3】
外層と内層からなる積層フィルムを製袋した、側シール部と天シール部と地シール部を有する包装袋であって、
前記天シール部近傍に設けられた、前記外層をカットした外層ハーフカットには、前記包装袋の表裏いずれかの面の一部で前記天シール部側に突出した湾曲部が設けられ、前記外層ハーフカットは前記側シール部で一致し、前記内層をカットした内層ハーフカットが、略直線状に、前記湾曲部以外では前記外層ハーフカットに沿うように設けられ、前記側シール部で一致し、少なくとも前記外層ハーフカットの前記湾曲部と前記内層ハーフカットに挟まれた領域の前記内層と前記外層の間に粘着層が設けられていることを特徴とする再封機能付き包装袋。
【請求項4】
前記外層がポリエチレンテレフタレート層を有し、ポリエチレンテレフタレート層と前記内層の間に前記粘着層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の再封機能付き包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−81967(P2012−81967A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227357(P2010−227357)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】