説明

再帰性反射塗料組成物

【課題】アマインドワックス及び/又はベントナイトワックスによる沈殿防止剤は、塗料中で前記沈降防止剤が膨潤し、網目構造を形成することで微小球型再帰性反射体の沈殿を抑制する効果が得られるが、塗料中で網目構造を有するものの、膨潤で得られる構造であるため結合が弱く、時間の経過とともに分解し凝集が起こり、沈降防止効果が低下する問題がある。そこで、塗料中で微小球型再帰性反射体が沈殿したり、塗装機器のノズルが目詰まりを起こし塗装できなくなる問題のない再帰性反射塗料組成物の提供。
【解決手段】少なくとも再帰性反射体と、アマインドワックス及び/又はベントナイトワックスと、酸化ポリエチレンワックスを含有する再帰性反射塗料において、前記再帰性反射体、アマインドワックス、ベントナイトワックス及び酸化ポリエチレンワックスに極性基を有することを特徴とする再帰性反射塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小球型再帰性反射体を含有する塗料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
再帰反射は、光学上の特殊な反射機構で、入射した光が再び入射した方向に帰る反射現象の一つである(以下、再帰反射現象と称する)。この再帰反射現象を得るためには、一般的に屈折率を制御した(高屈折率とした)微小球型再帰性反射体を用いることが知られている。
【0003】
この再帰反射現象を有効的に発現する塗料が再帰性反射塗料であり、一般に道路標識などの安全防災用に使用されている。特許文献1には、反射ビーズを含有する塗料が開示され、吹付塗装における課題である「ノズルの目詰り」に関して、塗料中でのガラスビーズの沈降を抑える沈降防止剤を含有する吹付塗装用反射塗料が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−12829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている沈殿防止剤(アマインドワックス及び/又はベントナイトワックス)は、塗料中で前記沈降防止剤が膨潤し、網目構造を形成することで微小球型再帰性反射体の沈殿を抑制する効果が得られる。
しかし前記沈降防止剤は、塗料中で網目構造を有するものの、膨潤で得られる構造であるため結合が弱く、時間の経過とともに分解し凝集が起こり、沈降防止効果が低下する。その結果、塗料中で微小球型再帰性反射体が沈殿し、塗装機器のノズルが目詰まりを起こし塗装できなくなる問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも微小球型再帰性反射体と、アマインドワックス及び/又はベントナイトワックスと、酸化ポリエチレンワックスを含有する再帰性反射塗料において、前記アマインドワックス、ベントナイトワックス及び酸化ポリエチレンワックスに極性基を有することを第1の要旨とし、再帰性反射体、酸化ポリエチレンワックス及びベントナイトワックスの極性基が水酸基で、アマインドワックスの極性基がアミノ基であることを第2の要旨とし、再帰性反射体上に水酸基を有する酸化ポリエチレンを付着固定し、その外方にアミノ基を有するアマインドワックス及び/又はベントナイトワックスを付着固定したこと第3の要旨とするものである。
【0007】
微小球型再帰性反射体は、再帰反射を有するものであればよい。
また末端部分に極性基である水酸基(−OH基)を有するものであれば沈殿防止効果がさらに向上する。
具体的には、NaO−CaO−SiO系ガラスや、BaO−SiO−TiO系ガラスや、BaO−ZnO−TiO系ガラスなどから製造されるガラスビーズ、ポリエチレン系樹脂や、ポリカーボネート系樹脂や、ポリエチレン系樹脂などから製造される樹脂ビーズなどが使用できる。
特にBaO−SiO−TiO系ガラスビーズと、BaO−ZnO−TiO系ガラスビーズは、屈折率が1.93(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ)、2.20(BaO−ZnO−TiO系ガラスビーズ)と非常に高く良好な再帰反射が得られる。
屈折率が1.9未満では、再帰性反射的な光学特性は得られるものの微小球型再帰性反射体内で入射光が交差せず、入射光と反射光が多少ずれた方向となる。
【0008】
アマインドワックスは、植物性油脂肪酸とアミンより合成されるもので溶液中でゲルを形成するものであれはよいが、少なくとも末端部分に極性基であるアミノ基(−NH基)を有することが重要である。
【0009】
ベントナイトワックスは、粘土鉱物モンモリロナイトを精製したものや、前記粘土鉱物の結晶表面を変性させたものなどが使用でき、少なくとも末端部分に極性基である水酸基(−OH基)を有することが重要である。
【0010】
酸化ポリエチレンワックスは、ポリエチレンを酸化処理し、極性基である水酸基(−OH基)を導入したものであれば特に限定されない。
前記酸化ポリエチレンは、溶液中でコロイド状に分散するものである。
【0011】
また、アドマインドワックス及び/又はベントナイトワックスと酸化ポリエチレンワックスは、製造段階で複合化し、結合構造を有しているものでもよいが、少なくとも末端部分には極性基である水酸基(−OH基)及び/又はアミノ基(−NH基)を有している必要がある。
【0012】
本発明の再帰性反射塗料組成物は、前記微小球型再帰性反射体と、アドマインドワックス及び/又はベントナイトワックスと、酸化ポリエチレンワックスを液媒体に分散すればよく、液媒体として有機溶剤を使用した有機溶剤系塗料や、水または水と有機溶剤を混合した溶液を使用した水系塗料であれば特に限定しない。
特に液媒体(有機溶剤や、水または水と有機溶剤を混合した溶液)に再帰性反射体と酸化ポリエチレンワックスを先に分散させ、次にアドマインドワックス及び/又はベントナイトワックスを分散させた後、塗料(有機溶剤系塗料や、水系塗料)に添加・分散させることが望ましい。
分散させる方法としては、乳鉢、自動乳鉢、ボールミルなどの公知の方法で特に限定されない。
【0013】
また、本発明の再帰性反射塗料にバインダー樹脂を添加することで、塗膜物性や被塗物などとの密着性を向上させることができる。使用できるバインダー樹脂は、一般に塗膜形成用として用いられる樹脂であえばよく特に限定されない。例えばアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂であればよい。また添加剤として、ポリイソシアネートなどの硬化剤、可塑剤、ポリエステルやポリカーボネートやポリウレタンなどの塗膜改質剤などを適宜添加してもよい。
【0014】
さらに、カーボンブラック、タルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、無機顔料、有機顔料などの充填剤や色材、ゼオライト、シリカゲルなどの吸着剤、鱗片状ガラスフレークの表面をニッケルや銀などの金属もしくは金属酸化物で被覆した特殊顔料、アルミニウムまたはその合金、銅またはその合金、鉄またはその合金、亜鉛またはその合金、マグネシウムまたはその合金、チタンまたはその合金、金またはその合金、銀またはその合金、白金またはその合金、スズまたはその合金、ニッケルまたはその合金、クロムまたはその合金、コバルトまたはその合金などの金属粉体、前記金属の酸化物や窒化物などを公知の方法により粉砕したメタリック顔料などを必要に応じて添加することもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、アマインドワックスの末端部分にアミノ基(−NH基)及び/又はベントナイトワックスの末端部分に水酸基(−OH基)が存在し、且つ、酸化ポリエチレンワックスの末端部分に水酸基(−OH基)が存在することで、アミノ基(アマインドワックス)又は水酸基(ベントナイトワックス)の水素原子と、水酸基(酸化ポリエチレンワックス)の酸素原子が水素結合し強固な構造を有する。具体的には、アドマインドワックス及び/又はベントナイトワックスは、塗料中でゲル状の網目構造を有し、その網目構造間にコロイド状の酸化ポリエチレンワックスが水素結合により網目構造を補強している。また酸化ポリエチレンワックスで網目構造を補強することで、網目構造が密になり、その結果微小球型再帰性反射体が密になった網目構造間を通過しにくくなり、塗料中での沈殿を抑制し、塗装機器のノズルでの目詰まりを防止でき塗装が可能となる。
また微小球型再帰性反射体の末端部分に極性基である水酸基(−OH基)を有している場合には、前記補強された網目構造間で水素結合することでさらに強固な構造となり、塗料中での沈殿をさらに抑制することが可能となる。
【0016】
また、再帰性反射体上に水酸基を有する酸化ポリエチレンワックスを付着固定することで、酸化ポリエチレンワックスが外方にコーティングされた複合化再帰性反射体となる。その結果、再帰性反射体より比重を軽くすることができ、塗料中での沈殿を抑制することが可能となる。さらに複合化再帰反射体は、その外方に酸化ポリエチレンワックスの水酸基(−OH基)が均一に有することで、アドマインドワックス及び/又はベントナイトワックスの網目構造を補強し、アドマインドワックス及び/又はベントナイトワックが分解・凝集するのを抑制することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、少なくとも微小球型再帰性反射体と、アマインドワックス及び/又はベントナイトワックスと、酸化ポリエチレンワックスを含有することを最も主要な特徴とし、アマインドワックス及び/又はベントナイトワックスと、酸化ポリエチレンワックスが有する極性基が水素結合することで網目構造間が補強され、また微小球型再帰性反射体とも結合構造を有することで、微小球型再帰性反射体の沈殿を抑制し塗装を可能とする塗料組成物を実現した。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
【0019】
(実施例1)
<再帰性反射塗料組成(1)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 9.7wt%
ディスパロン6810−20X(アマインドワックス:楠本化成(株)製) 1.0wt%
ディスパロン4200−10(酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製)
1.0wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 88.3wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0020】
(実施例2)
<再帰性反射塗料組成(2)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 9.7wt%
エスベンWX(ベントナイトワックス:(株)ホージュン製) 1.0wt%
ディスパロン4200−10(酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製)
1.0wt
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 88.3wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0021】
(実施例3)
<再帰性反射塗料組成(3)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 9.7wt%
ディスパロン6850−20X(アマインドワックス:楠本化成(株)製) 0.5wt%
エスベンNX80(ベントナイトワックス:(株)ホージュン製) 0.5wt%
ディスパロン4200−20(酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製)
1.0wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 88.3wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0022】
(実施例4)
<再帰性反射塗料組成(4)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 9.7wt%
ディスパロンNS−5210(アマインドワックス/酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製) 2.0wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 88.3wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0023】
(実施例5)
<再帰性反射塗料組成(5)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 1.8wt%
ディスパロンNS−5210(アマインドワックス/酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製) 2.0wt%
マジクロン1000クリヤー(アクリル系樹脂塗料:関西ペイント) 32.1wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 64.1wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0024】
(実施例6)
<再帰性反射塗料組成(6)>
ユニビーズUB−052NH(BaO−ZnO−TiO系ガラスビーズ、屈折率2.23、比重4.5:(株)ユニオン製) 1.8wt%
ディスパロンNS−5210(アマインドワックス/酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製) 2.0wt%
マジクロン1000クリヤー(アクリル系樹脂塗料:関西ペイント) 32.1wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 64.1wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0025】
(実施例7)
<再帰性反射塗料組成(7)>
ユニビーズUB−13L(NaO−CaO−SiO系ガラスビーズ、屈折率1.52、比重2.5:(株)ユニオン製) 1.8wt%
ディスパロンNS−5210(アマインドワックス/酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製) 2.0wt%
マジクロン1000クリヤー(アクリル系樹脂塗料:関西ペイント) 32.1wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 64.1wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0026】
(実施例8)
<再帰性反射塗料組成(8)>
テクノポリマーSBX−17(架橋ポリスチレン樹脂ビーズ、屈折率1.59、比重1.06:積水化成品工業(株)製) 1.8wt%
ディスパロンNS−5210(アマインドワックス/酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製) 2.0wt%
マジクロン1000クリヤー(アクリル系樹脂塗料:関西ペイント) 32.1wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 64.1wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0027】
(実施例9)
<再帰性反射塗料組成(9)>
テクノポリマーSBX−17を酸化炎処理し末端部分に水酸基(−OH基)を導入した樹脂ビーズ(架橋ポリスチレン樹脂ビーズ、屈折率1.59、比重1.06) 1.8wt%
ディスパロンNS−5210(アマインドワックス/酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製) 2.0wt%
マジクロン1000クリヤー(アクリル系樹脂塗料:関西ペイント) 32.1wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 64.1wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0028】
(実施例10)
<再帰性反射塗料組成(10)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 9.7wt%
ディスパロン6810−20X(アマインドワックス:楠本化成(株)製) 1.0wt%
ディスパロン4200−10(酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製)
1.0wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 88.3wt%
上記、有機溶剤中にBaO−SiO−TiO系ガラスビーズと酸化ポリエチレンワックスを添加し、ボールミルにて60分間分散した。その後、アマインドワックスを添加し、ボールミルにてさらに60分間分散させ、再帰性反射塗料を得た。
【0029】
(実施例11)
<再帰性反射塗料組成(11)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 9.7wt%
エスベンWX(ベントナイトワックス:(株)ホージュン製) 1.0wt%
ディスパロン4200−10(酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製)
1.0wt
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 88.3wt%
上記、有機溶剤中にBaO−SiO−TiO系ガラスビーズと酸化ポリエチレンワックスを添加し、ボールミルにて60分間分散した。その後、ベントナイトワックスを添加し、ボールミルにてさらに60分間分散させ、再帰性反射塗料を得た。
【0030】
(比較例1)
<再帰性反射塗料組成(10)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 10.0wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 90.0wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0031】
(比較例2)
<再帰性反射塗料組成(11)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 9.8wt%
ディスパロン6810−20X(アマインドワックス:楠本化成(株)製) 2.0wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 88.2wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0032】
(比較例3)
<再帰性反射塗料組成(12)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 9.8wt%
ディスパロン4200−10(酸化ポリエチレンワックス:楠本化成(株)製)
2.0wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 88.2wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0033】
(比較例4)
<再帰性反射塗料組成(13)>
ユニビーズUB−02M(BaO−SiO−TiO系ガラスビーズ、屈折率1.93、比重4.2:(株)ユニオン製) 10.0wt%
マジクロン1000クリヤー(アクリル系樹脂塗料:関西ペイント) 30.0wt%
カンペ焼付用シンナーNo.4(有機溶剤:関西ペイント(株)製) 60.0wt%
上記成分をボールミルにて60分間分散し、再帰性反射塗料を得た。
【0034】
<塗料中でのガラスビーズの沈殿状態の評価>
100mlのメスシリンダーに100mlの再帰性反射塗料を入れ、125時間後の微小球型再帰性反射体の分散状態をメスシリンダーの目盛り(沈殿した微小球型再帰性反射体の容量)で確認し、沈殿割合を算出した。
沈殿割合(%)= (沈殿した微小球型再帰性反射体の容量/100ml)×100
尚、沈殿割合が大きいほど微小球型再帰性反射体が塗料中で沈殿していることを示している。
【0035】
<塗装機器のノズルが目詰まり性の評価(目詰まりの有無)>
再帰性反射塗料をスプレーガン(W−77―2G;アネスト岩田(株)製)を用いて1分間塗布した時のノズルからの塗布状態を目視で確認し、再帰性反射塗料が塗布できていない時は目詰まりしていると評価した。
【0036】
<再帰反射性の評価(再帰反射性の有無)>
再帰反射性は、100mm×100mm×0.5mmの99.5Al%のアルミニウム板を鏡面研磨し、再帰性反射塗料を公知の方法にてスプレー塗装したものを用いて評価した。
評価は、JIS K 5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察用照明(自然昼光照明)下で目視にて再帰反射性の有無とした。
【0037】
評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも再帰性反射体と、アマインドワックス及び/又はベントナイトワックスと、酸化ポリエチレンワックスを含有する再帰性反射塗料において、前記再帰性反射体、アマインドワックス、ベントナイトワックス及び酸化ポリエチレンワックスに極性基を有することを特徴とする再帰性反射塗料組成物。
【請求項2】
再帰性反射体、酸化ポリエチレンワックス及びベントナイトワックスの極性基が水酸基で、アマインドワックス極性基がアミノ基であることを特徴とする請求項1記載の再帰性反射塗料組成物。
【請求項3】
再帰性反射体上に水酸基を有する酸化ポリエチレンを付着固定し、その外方にアミノ基を有するアマインドワックス及び/又はベントナイトワックスを付着固定したことを特徴とする請求項1〜2記載の再帰性反射塗料組成物。

【公開番号】特開2010−241853(P2010−241853A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88590(P2009−88590)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】