説明

再循環液体窒素浸漬槽、及びその中で製品を冷凍する方法

冷凍される素材は、液体窒素の再循環流れを有した浸漬槽に投入され、少なくとも部分的に冷凍された素材は、投入された場所よりも下流で前記槽から取り出される。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
背景
液体窒素を用いた食品素材または非食品素材の個々の冷凍が、ここ数年、商業的な規模で行われている。広範な種類の低温装置が冷凍のために用いられるが、これらの多くは、典型的な5つのグループ:バッチ冷凍機(batch freezers)、浸漬冷凍機、トンネル式冷凍機(tunnel freezers)、螺旋式冷凍機、そして造粒機(pelletizers)に分けられる。
【0002】
バッチ冷凍機は、典型的には、棚に載せられた製品を急速冷却するための、液体窒素散布器とファンとの組み合わせを用いた閉じられた室(cabinet)である。その名前が示すように、バッチ冷凍機は、連続した冷凍工程に用いられるものではなく、別の上流の冷凍工程を通ったものを、完全に凍らせるためによく用いられる。
【0003】
浸漬冷凍機は、主に固体物が積まれて液体窒素の槽の中を移動するコンベアベルトを用いる。浸漬冷凍機は、典型的には、食料品を部分的または完全に凍らせるための個別急速冷凍(IQF)の用途で用いられる。典型的には、部分的または完全に凍らされた食料品は、別の低温装置内でのさらなる冷凍のために、冷凍機コンベアから別のコンベアに向かわされる。
【0004】
U.S.6,349,549B1に開示された浸漬冷凍機の特別な1つのタイプは、同じくコンベアベルトと槽との構成を用いるが、槽の上流で固体製品が積載される代わりに、槽の上から槽の中に、液体または半固体の菓子糖菓を予混合したものが注入器で注入される。結果として生じた固体物は、コンベアベルトによって集められ、槽から出されて別のコンベアベルトに運ばれる。
【0005】
U.S.5,522,237に開示された浸漬冷凍機の別な特別な1つのタイプは、液体窒素が満たされて端部が開口されたU字形チューブの入口側から製品が投入される。液体窒素の流れは、製品を下方に向かわせて、チューブの出口側の底に向かわせる。錐型スクリューは、それとは反対側である上方に製品を向け、交差する方向に移動するコンベアベルトに製品を液体窒素の一部とともに載せる。コンベアベルトは、ベルトの穴から液体窒素が落ちてチューブの入口側に向いて斜め下方に延びたシュートに入る間、冷凍された製品を捕まえている。
【0006】
トンネル式冷凍機は、典型的には、頭上にある液体窒素散布ヘッダから冷たい窒素ガスを再循環させるファンを通過した製品が積載されるコンベアベルトを用いる。冷たい窒素ガスは、製品の全表面に向けられる。これら冷凍機のいくつかは、液体窒素の散布器による直接的な接触を通じて製品上面を急速冷凍するのに用いられる。このタイプの冷凍機の3つの例は、エアリキッドから入手可能なZIP FREEZE(商標)3、プラクシエアー(Praxair)から入手可能なColdFront(商標)Ultra Performance Tunnel Freezer、エアープロダクツ(Air Products)から入手可能なFreshline(登録商標)CQ Tunnnelを含む。いくつかのトンネル式冷凍機は、製品の底面(外郭)の急速冷凍が可能なように、製品積載よりも上流で、液体窒素の槽の中にコンベアベルトを通過させる。この変形例の1つは、CRUST FLOW(登録商標)V2の名前でエアリキッドから入手可能である。この変形例の別の1つは、Cryoline(登録商標)SC−Super Contact Tunnel Freezerの名前でリンダ産業ガスから入手可能である。このCryoline(登録商標)SCは、液体窒素槽の中にベルトを浸す代わりに、製品の底の外郭のために、液体窒素によって冷却された板の上にコンベアベルトを通過させる。
【0007】
螺旋冷凍機は、典型的には、頭上にある液体窒素散布ヘッダから冷たい窒素ガスを再循環されるファンを通過した製品が積載されるコンベアベルトを用いる。冷たい窒素ガスは、製品の全表面に向けられる。トンネル式冷凍機のコンベアベルトで直線経路が用いられるのに対し、螺旋冷凍機は、中心コアの周りに、らせん状のベルトが移動する。
【0008】
いくつかの冷凍機は、浸漬タイプとトンネル式タイプの混成タイプである。1つの例では、トンネル式冷凍機は、底の外郭の急速な冷凍を実現するために、製品積載よりも上流で液体窒素槽の中にコンベアベルトをくぐらせる。積載後、そのベルトは、全体が冷却されるように別の液体窒素槽の中に通され、その後、頭上の液体窒素散布ヘッダから冷たい窒素ガスが再循環される一連のファンの下方に通される。このような混成タイプは、CRUST FLOW(登録商標)P2の名前でエアリキッドから入手可能である。U.S.5,522,227に開示された別の例では、液体窒素の乱流が下方に傾斜した樋(trough)に沿って供給される。この樋に供給された固体食料は、樋の上部から液体窒素散布ヘッダの下方まで樋に沿って液体窒素の乱流の中を移動する。散布ヘッダの下方を通過した後、その食料と液体窒素の乱流は、コンベアベルトに設けられた穴から落ちる滝のように、樋の端部からたれ落ちる。この穴が設けられたコンベアベルトは、食品を捕らえて、それらを後工程に送る。たれ落ちた液体窒素の滝は、液溜めで集められ、樋の上部の堰にポンプで戻される。液体窒素は、堰の壁の最上部を越えてたれ落ちて樋に入る。上記壁の高さは、壁の最上部から落ちる液体の落下が、樋の中で乱流を生じさせるのを確実にするものに設定される。
【0009】
造粒機は、典型的には、液体または半固体素材の液滴が液体窒素の固定槽または液路内の液体窒素の流れの中に滴るまたは注入されるようにし、これらどちらの場合も前記液滴はペレット(pellet)になるように冷凍される。固定槽の場合、槽の底に沈下した冷凍されたペレットは、典型的には、回転する錐のような手段によって上方及び槽の外部に運ばれ、後工程に送られる。液路の場合、液体窒素の流れは、コンベアベルトへの滝のように、液路の端部からたれ落ちる。コンベアベルトは、液体窒素の滝が液溜めで集められる間に固体ペレットを捕らえる。
【0010】
液体または半固体の食品のペレット化は、Cryoline(登録商標)DE Pellet Shooterの名前でリンダ産業ガスから入手可能である冷凍機で実現可能である。Cryoline(登録商標)DE Pellet Shooterは、液体窒素の槽にベルトを通過させる。ベルトは、液体または半固体の食品が槽の下流で入れられてそれらによって冷凍される室(cavities)を含む。冷凍ペレットは、ベルトから、さらなる冷凍のための別のベルトに放出される。
【0011】
コンベアベルトを用いた上述の浸漬冷凍機及びトンネル式冷凍機は、種々の製品の冷凍で多くの成功とともに用いられたが、これらの多くの冷凍機は、種々の異なるタイプの冷凍される素材を扱うことの困難性、及び/または、異なる生産速度を扱うことの困難性を示している。典型的には、滞留時間(residence time)(素材が液体窒素槽で浸漬されるかトンネルに残っている時間)は、ベルト速度を制御することで制御される。比較的長い滞留時間が必要な場合は、ベルト速度を比較的遅くすることで要望される滞留時間をもたらす。しかしながら、そのような速度は、生産速度を許容可能な点を越えて低下させる。このような滞留時間が長い製品で生産速度を高めるためには、ベルト積載量を増加させることが考えられるが、ベルトの製品積載密度が製品同士の接触が生じる最大密度にすぐに達する。生産速度がベルト積載密度によって制限される場合、浸漬槽の大きさは、大きく、長く、若しくはトンネルやトンネルの数が大きくなる。これは、すぐに、低温装置の資本コストを増加させる。
【0012】
一方で、上述の浸漬冷凍機の液体窒素槽での比較的速いベルト速度は、極めて多くの量の液体窒素の持ち出し(ベルトスリンジ(belt slinging)とも呼ばれる)をもたらす。持ち出された液体窒素は、冷凍機排出システムに蓄積されるか、設置床にこぼれる可能性がある。これは、従業員への環境上の不具合、床の損傷、及び液体窒素の過剰使用をもたらす可能性がある。ベルトスランジは、完全には無くすことができないが、冷凍機の端部に、適切な液体窒素「回収」システムを設けた場合は改まる可能性がある。しかしながら、これはまだ、液体窒素の過剰使用をもたらす可能性を残す。
【0013】
コンベアベルトを有した上述の浸漬冷凍機では、液体窒素の深さは、多くの場合、制限される。この制限を越えて液位を上げると、冷凍される製品とベルトとの間の必要な緊密な接触が無くなる可能性がある。このため、一貫した製品の移動に、良くない影響がもたらされる。深さが制限されるため、大きな冷凍の度合いが望まれる場合は、ベルト速度が小さくされるか、槽の長さが大きくされる。詳細な上述の検討のとおり、ベルト速度の減少は、生産速度に良くない影響を及ぼす。槽の長さの減少は、すぐに資本コストの増加をもたらす可能性がある。
【0014】
コンベアベルトを用いた上述の浸漬冷凍機及び冷凍トンネルは、製品の形によくない影響を与える可能性がある。いくつかの製品は、底面が損傷することでベルトに張り付く可能性がある。張り付かずにベルトに接した別の製品では、製品の底面のベルトの跡が残る可能性がある。
【0015】
コンベアベルトを用いた上述の浸漬冷凍機では、コンベアベルトの表面の上に冷凍される製品が浮遊するような液体窒素の密度で製品を扱うことは困難である。その結果、冷凍される、または冷凍された製品は、より多くの製品がベルトによって槽に投入されるのに伴い、製品張り付きが生じる比較的固定された位置に留まる。この不具合は、索止めを有したコンベアベルトを用いることで、一定量は少なくなるかもしれない。しかしながら、これは、槽の上面からはみ出る程に索が十分に高くないと、良くて部分的な解決である。
【0016】
コンベアベルトの多孔率によっては、これら浸漬冷凍機及びトンネル式冷凍機は、液体や半固体のものを冷凍する能力を有しない。多孔率が十分に小さいベルトを有したこれら冷凍機、またはCryoline(登録商標)DE Pellet Shooterのような冷凍機は、液体や半固体のものをペレット化できるが、コンベアベルトの面積当たりの製品密度には、ベルト上の1層だけの製品が冷凍可能という限界がある。
【0017】
上述の造粒機は、液体または半固体のペレット化に多く成功とともに用いられているものの、それらは、製品の冷凍時に多くの液体窒素が蒸発し、液体窒素を無駄遣いしている。液体窒素の無駄遣いを減らす方法の1つは、滞留時間を正確に一定にすることである。これは、貯液槽または液溜めに達するまで液体窒素が流れる、下方に向かう斜面または液路に沿う液体窒素の流れが、比較的一定速度に保たれることで実現される。液体が斜面または液路を移動するのに用いられる時間は、斜面または液路の長さと勾配によって、正確に一定であり、制御可能である。それゆえ、製品の窒素滞留時間は、任意の点で液路に製品を投入し、任意の点で冷凍された製品を回収することで制御可能である。しかしながら、上述の装置には、液体窒素の大量の蒸発を許し、必要以上に多くの量の液体窒素が大気中に放出されるという不具合がある。さらに、液体窒素の動き及び一般的な振動は、多くの蒸発/気化をもたらす。液体窒素は、極めて高価なため、必要以上の液体窒素の蒸発/気化は好ましくない。
【0018】
複数の液滴または部分的に冷凍された複数のペレットがいっしょに冷凍されないように、注入機または投入機の下方に空間を空けることが必要であり、上述の造粒機で実現される生産速度には限界がある。
【0019】
既知のペレット化システムでは、比較的大きな総量の液体窒素が運転中に液路に流されるために、液体窒素の流れにおける小さな変化は、貯留器内の液体窒素の液位を大きく変動させる可能性がある。これら既知の造粒機は、典型的には、運転中に消費された液体窒素を補充するために、液体窒素液位センサーを用いる。液体窒素の液位が大きく変動するため、液位の制御は複雑で、非効率的で、うまく制御できない可能性がある。これは、時には、貯留器の液体窒素の量が不十分になり、ポンプに液体が行き届かなく機能(prime)が失われる可能性がある。機能が失われると、液路を下る液体窒素の流れが中断され、液体窒素が液路から失われ、製品詰まりが生じる。製品詰まりは、通常運転が再開されるまでに、数時間の遅れと、製品の多額の損失を伴う可能性がある。
【0020】
上述したように、先行技術は、多くの短所を有する。このため、本発明の目的は、次の不具合のうちの1つ以上の解決を提供することである。
【0021】
・検査(check)における資本費用を維持しつつ、多様な範囲の生産速度の取り扱うことの困難性
・冷凍される素材とコンベアベルトとの綿密な接触を失うことなく、多様な範囲の生産速度の取り扱うことの困難性
・液体素材または半固体素材のペレット化のための比較的速い生産速度を取り扱うことの困難性
・液体または半固体の高い製品積載密度を伴う液体または半固体のペレット化の困難性
・冷凍される製品以外の熱源からの液体窒素の過剰蒸発
・製品詰まり
概要
液体窒素が再循環される浸漬槽での製品を冷凍する方法が開示されている。この方法は、下記の工程を含む。上流端部と下流端部とを有した水平処理部と、前記下流端部と前記上流端部とを繋ぐ戻り部とを有するとともに、前記戻り部の全ての垂直部分が液体窒素の流れを完全に囲った流れ経路に沿って液体窒素に流れを与える。冷凍される素材を投入点で前記水平処理部に投入する。前記液体窒素によって前記投入された素材の少なくとも一部を冷凍させる。前記少なくとも部分的に冷凍された素材を、前記投入点よりも下流で前記水平処理部から取り出す。
【0022】
液体窒素が再循環される浸漬槽での製品を冷凍する別の方法が開示されている。この方法では、下記の工程を含む。前記液体窒素の槽が準備される。前記液体窒素を、第1側から反対の第2側に向いて前記槽の表面に沿い、前記反対の第2側から前記第1側に向いて前記槽の底部に沿い、前記表面の前記第1側に戻るように再循環させる。前記表面に沿う前記液体窒素の流れの一部に、冷凍される素材を投入する。前記液体窒素によって前記投入された素材の少なくとも一部を冷凍させる。前記少なくとも部分的に冷凍された素材を、前記液体窒素から取り出す。
【0023】
また、液体窒素の流れが再循環される浸漬槽が開示されており、この浸漬槽は、水平の細い箱(horizontal trough)と、戻り路と、ポンプとを備える。前記水平の細い箱は、その上流端部からその下流端部に向いて液体窒素が流される。前記戻り路は、前記箱の下流端部から上流端部に向いて液体窒素が流される。全ての側面において前記戻り路の全ての垂直部分は完全に囲われている。前記ポンプは、バッフルの上面の上を第1方向で流れ、前記バッフルの下流端部と容器の下流端部との間の隙間を通り、前記バッフルの下面の下を前記第1方向とは反対の第2方向で流れ、前記バッフルの上流端部と容器の上流端部との間を通る、液体窒素の流れを誘起する。
【0024】
液体窒素の流れが再循環される別の浸漬槽が開示されており、この浸漬槽は、容器と、水平バッフル(horizontal baffle)と、ポンプとを備える。前記容器は、底から上方に延びた第1壁、第2壁、第3壁、及び第4壁を有する。前記第1壁と前記第3壁とは、前記容器の上流端部と下流端部とを其々規定する。前記容器は、高さと幅と長さとを有する。前記水平バッフルは、前記第2壁と前記第4壁との間に固定され、上流端部と下流端部と、これらの間に延びた上面と下面とを有する。前記バッフルは、前記容器の長さよりも小さな長さを有し、該水平バッフルの上流端部と前記容器の上流端部との間に隙間があり、該水平バッフルの下流端部と前記容器の下流端部との間に隙間があり、前記バッフルの下面と前記容器の底との間に隙間がある位置で前記容器の中に配置されている。前記ポンプは、前記容器及び前記バッフルと関連して用いられる。前記ポンプは、前記バッフルの上面の上を第1方向で流れ、前記バッフルの下流端部と前記容器の下流端部との間の隙間を通り、前記バッフルの下面の下を前記第1方向とは反対の第2方向で流れ、前記バッフルの上流端部と前記容器の上流端部との間の隙間を通る、液体窒素の再循環の流れを前記容器とともに誘起する。
【0025】
いずれか1つ以上の方法及び浸漬槽は、下記の要素の少なくとも1つを有してもよい。
【0026】
・前記冷凍される素材は、液体または半固体であり、前記液体または半固体の素材は、該液体または半固体の素材が前記水平処理部に滴るか注入されることで、前記水平処理部に投入される。
【0027】
・前記冷凍される素材は、固体である。
【0028】
・前記冷凍される素材は、前記液体窒素の上に少なくとも部分的に延びた投入コンベアベルトによって前記水平処理部に投入される。
【0029】
・前記少なくとも部分的に冷凍された素材は、前記液体窒素の中に部分的に延びた多孔状の排出コンベアベルトによって前記水平処理部から取り出される。
【0030】
・前記冷凍される素材は、固体であり、前記冷凍される素材は、前記液体窒素の上に少なくとも部分的に延びた投入コンベアベルトによって前記水平処理部に投入され、前記投入コンベアベルトは、前記排出コンベアベルトよりも大きな速度で駆動される。
【0031】
・流れ経路に沿って液体窒素に流れを与える前記工程は、ポンプによって行われる。
【0032】
・前記冷凍される素材が前記液体窒素の中にある滞留時間は、前記ポンプによって前記液体窒素の流れ速度を制御することで制御される。
【0033】
・前記冷凍される素材が前記液体窒素の中にある滞留時間は、前記排出ベルトの速度を制御することで制御される。
【0034】
・前記水平処理部での液体窒素の深さは、前記冷凍される素材の最大寸法(major dimension)よりも大きい。
【0035】
・液体窒素の流れ速度は、前記水平処理部への前記冷凍される素材の投入速度が増やされたときに、増やされる。
【0036】
・液体窒素の流れ速度は、前記水平処理部への前記冷凍される素材の投入速度が減らされたときに、減らされる。
【0037】
・前記冷凍される素材は、食料品である。
【0038】
・前記方法または前記浸漬槽は、前記容器と関連して用いられ、液体、半固体、または固体の冷凍される素材を、前記バッフルの上面の上方に位置した投入点で前記液体窒素の流れの中に投入する素材投入機をさらに備える。
【0039】
・前記素材投入機は、液滴トレイである。
【0040】
・前記素材投入機は、注入機である。
【0041】
・前記素材投入機は、多孔状のコンベア投入ベルトである。
【0042】
・前記方法または前記浸漬槽は、前記容器と関連して用いられ、下方に延びて前記容器の下流端部と前記バッフルの端部との間の隙間に入った多孔状のコンベア排出ベルトをさらに備える。
【0043】
・前記容器の第1壁は、前記容器の上流端部に向かう半円筒状面に構成されて、前記バッフルの下面の下の液体窒素の第2方向の流れを、前記バッフルの上面の上の第1方向の流れに戻すように前記液体窒素の流れを向け直す内面を有する。
【0044】
・前記容器の第3壁は、前記容器の下流端部に向かう半円筒状面に構成されて、前記バッフルの上面の上の液体窒素の第1方向の流れを、前記バッフルの下面の下の第2方向の流れに戻すように前記液体窒素の流れを向け直す内面を有する。
【0045】
・前記ポンプは、吐出部を有し、前記ポンプは、前記バッフルの上流端部に隣接した前記バッフルの下面の下方に位置し、前記ポンプは、前記第1壁の内面の下部に向いて液体窒素を向かわせるよう吐出する向きに設けられている。
【0046】
・前記方法または前記浸漬槽は、前記容器に関連して用いられ、下方に延びて前記容器の下流端部と前記バッフルの下流端部との間の隙間に入り、前記バッフルの下流端部に下方から隣接した点まで延びた多孔状の排出コンベアベルトをさらに備え、前記ポンプは、該ポンプの上面に位置した入口と、該ポンプの周面に位置した吐出部とを有し、このポンプは、前記バッフルの下流端部に隣接した前記バッフルの下面の下方に位置し、このポンプは、前記多孔性のコンベアベルトの下流の液体窒素が前記入口に吸われ、前記バッフルの下面の下方で前記第2方向に吐出される向きに設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明の本質及び目的の理解を促進するため、添付図面を伴う参考資料が詳細な説明に続いて用いられ、そのなかで類似の要素については同じまたは類似の参照符号が付されている。
【図1A】図1Aは、ペレット化を図示する、本発明の一つの実施形態の、いくつかの部品が断面で示された立面図である。
【図1B】図1Bは、図1Aの実施形態を示す平面図である。
【図2A】図2Aは、固体物の冷凍を図示する、本発明の別の一つの実施形態の、いくつかの部品が断面で示された立面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの実施形態を示す平面図である。
【図3A】図3Aは、ペレット化及びポンプの位置の図示する、本発明の一つの実施形態の、いくつかの部品が断面で示された立面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの実施形態の、いくつかの部品が断面で示された平面図である。
【図4】図4は、固体物の冷凍及びポンプの位置を図示する、本発明の一つの実施形態の、いくつかの部品が断面で示された立面図である。
【図5】図5は、図3A及び図3Bの実施形態の変形例の、いくつかの部品が断面で示された立面図である。
【図6】図6は、図4の実施形態の変形例の、いくつかの部品が断面で示された立面図である。
【図7】図7は、ペレット化を図示する、本発明の別の実施形態の、いくつかの部品が断面で示された立面図である。
【図8】図8は、固体物の冷凍を図示する、本発明の別の実施形態の、いくつかの部品が断面で示された立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
「ポンプ」という用語は、ピストン、プランジャー、または回転翼のセットの手段を含み、液体または気体の持ち上げ、駆動、吐出、または圧縮のための装置または機械を意味し、特にインペラを含むが、これに限定されるものではない。
【0049】
本発明は、先行技術の不具合を解決して素材を冷凍する方法とシステムを提供する。広い意味では、本発明は、液体窒素の再循環流れを有した浸漬槽に冷凍される素材が投入され、投入された場所の下流点で少なくとも部分的に冷凍された素材が槽から引き出される方法及び浸漬槽に関する。特に、素材が槽に投入され、液体窒素の流れは、完全または部分的に冷凍された素材を、これらを捕まえる多孔状のコンベア排出ベルトに向かわせる。排出ベルトを通過した液体窒素は、広範な種々のいくつかの構成によって、投入点に再循環されてもよい。一つの側面では、排出ベルトと投入点との間の流れ経路の垂直の部分は、液体窒素の流れを完全に囲う。別の側面では、液体窒素は、浸漬槽の表面では排出ベルトに向かう方向に流れるが、浸漬槽の底部では反対方向に流れ、それから前記表面及び投入点に戻る。この側面では、液体窒素の反対方向の流れは、その間に設けられたバッフル(baffle)によって互いに分かれてもよい。「投入点」という用語は、離散した点に限定されるものではなく、むしろ浸漬槽に素材が投入される領域を含む。
【0050】
本発明によって完全または部分的に冷凍される好適な素材は、食料品及び非食料品を含む。食料品は、液体食品、半固体食品(液化アイスクリームのようなもの)、及び固体食品を含む。非食料品は、液体化学構成物及び検査液、生体材料(マイクロ生体酵母のようなもの)の混合物または安定液(slurries)を含む。
【0051】
図1A及び図1Bによく示されているように、本発明の浸漬槽の一つの実施形態は、容器内の液体窒素の再循環流れを含み、この再循環流れは、水平処理部3及び戻り路を含む流れ経路に沿う。図1Aでは、壁10は、浸漬槽の内部を描くために断面で切られている。液体窒素の流れは、バッフル5の上面28の上方において、バッフル5の上流端部30からバッフル5の下流端部に向いて、水平処理部3を第1方向9に流れる。この流れは、バッフル5の下流端部32と容器の下流端部4との間の隙間17を通る。この流れは、それから、バッフル5の下面26と容器の底6との間の隙間13を通る。この流れは、バッフル5の上流端部30と容器の上流端部2との間の隙間15を通り水平処理部3に戻ることで、循環路が完成する。
【0052】
図1A及び図1Bは、隙間17を通る垂直部分、下面26に隣接した隙間13を通る水平処理部、隙間15を通る他の垂直部分を含む戻り路を示すが、戻り路は、該戻り路の全ての垂直部分が流れを完全に囲う(totally enclose)することを除いて、いかなる特別な構成も必要としない。垂直部分で流れが完全に囲われるとは、液体窒素が上昇しても下降しても、周辺の流れが周囲に開放されないことを意味する。これは、外気を通って貯留槽の中へ、液路からの滝のようにたれ下がる液体窒素の流れを含む既知の造粒機とは対照である。貯留槽へ流れるたれ下がった滝のような使用は、液体窒素の流れの運動量を損なう。この損なわれた運動量は、貯留槽内の無用な乱流となる。
【0053】
素材計量装置11は、液体または半固体の素材を、水平処理部3の液体窒素の流れに液滴1として落とす。装置11は、液体または半固体が複数の孔から重量によって滴り落ちる液滴トレイを有することができる。これに代えて、装置11は、公開された米国特許出願No.20070281067A1に一例が記載されている、機械駆動注入器を有してもよい。素材は、多孔状のコンベア排出ベルト7に向かう液体窒素の流れのなかで完全にまたは部分的にペレット12に冷凍される。排出ベルト7は、液体窒素が隙間17に流れる間にペレット12を捕らえる。浸漬槽の外部で液体窒素の過剰な量が回収されることを避けるために、ペレット12の表面に残った液体窒素、または排出ベルト上に持ち上げられた液体窒素は、排出ベルト17から隙間17に落ちる。製品が排出ベルト7に持ち上げられた時に転がる構成(例えば球状)を有するかどうかによるとともに、多孔状のコンベア排出ベルト7は、ペレット12が高い積載密度で集められるように前向きの牽引力をもたらす転がり止めを有してもよい。
【0054】
図1A及び図1Bは、容器の下流端部4の上方で終わる排出ベルト7を図示すが、排出ベルト7は、図示された上向きの角度で延ばされてもよいし、別の方向(例えば、水平)に移動するようにローラーを有してもよい。ペレット12は、別のコンベアベルト、処理装置、またはパッケージ装置などに移動するための既知の構成で排出ベルト7から取り出されてもよい。
【0055】
浸漬槽は、液体窒素の流れを誘起するためのポンプを含む。ポンプは、液体窒素の流路のどこに配置されてもよいが、好ましくは、ポンプは、排出ベルト7の下流のどこか、及び素材計量装置11の上流のどこかに配置される。ポンプの可動部と液滴1またはペレット12との接触をさけることで、ペレット12の破砕が抑制される。
【0056】
図2A及び図2Bによく示されるように、別の実施形態の浸漬槽は、液体または半固体の素材の液滴を液体窒素の流れの中に落とす計量装置11の代わりに、コンベア供給ベルト14が固体物16を液体窒素の中に供給する点を除き、図1A及び図1Bに示されたものと類似する。図2A及び図2Bは、液体窒素の中に延びて移動するコンベア供給ベルト14を示すが、これに代えて、コンベア供給ベルト14は、液体窒素の表面を越えた点までのみ延びてもよい。この代替案では、固体物16は、終点ローラーで逆方向に向けられて、コンベア供給ベルト14の縁から落ちる。液体窒素の上方でコンベア供給ベルト14の高さが適切に調整されることで、固体物16は、液体窒素の流れに緩やかに落ちる。完全または部分的に冷凍された冷凍物18は、液体窒素が隙間17の中に流れる間に、多孔状のコンベア排出ベルト7によって集められる。
【0057】
図3A及び図3Bによく示されるように、さらに別の実施形態の浸漬槽は、2つの顕著な違いを有するとともに、図1A及び図1Bのものと類似する。第1に、ポンプ23は、上流端部30に隣接した下面26の下部に配置されている。ポンプ23は、液体窒素がポンプ入口27に向いて第2方向21(第1方向9とは反対方向)に流れ、該ポンプ23によって隙間15の下部に向かってポンプ出口25から吐出されるように向いている。第2に、容器の上流端部2の内面は、吐出部25から出て流れる液体窒素を反対方向に向けて、上方で水平処理部3にて第1方向9に戻るように、半円筒状面29として構成されている。このような表面29を用いると、乱流によって失われる流れの運度量が減る。代わりにまたは加えて、半円筒状面は、下流端部壁4の内面に同様に用いられてもよい。このような代わりのまたは追加的な変更では、液体窒素が吐出端部から隙間13を通る第2方向21に吐出されるように他方のポンプの吐出端部が向けられる。このような代わりのまたは追加的な変更では、他方のポンプの入口は、ポンプの上面または下面に位置してもよい。
【0058】
図3Bは、図3Aの浸漬槽の平面図を示す。バッフル5の一部は、この場合ではインペラであるポンプ23の位置と動きを説明するために、切り取られている。ポンプの下部の液体窒素は、ポンプ入口27に吸われる。遠心力は、液体窒素を、インペラ筐体の周囲部に放ち、ポンプ出口25から吐出する。半円筒状面29の上部曲部のいくつかも、ポンプ25に隣接した下部曲部を示すために、切り取られている。
【0059】
図4によく示されているように、別の実施形態に係る浸漬槽は、液体または半固体の素材の液滴を液体窒素の流れの中に落とす計量装置11の代わりに、コンベア供給ベルト14が固体物16を液体窒素の中に供給する点を除き、図2A及び図2Bに示されたものと類似する。図4は、液体窒素の中に延びて移動するコンベア供給ベルト14を示すが、これに代えて、コンベア供給ベルト14は、液体窒素の表面を越えた点までのみ延びてもよい。この代替案では、固体物16は、終点ローラーで逆方向に向けられ、コンベア供給ベルト14の縁から落ちる。液体窒素の上方でコンベア供給ベルト14の高さが適切に調整されることで、固体物16は、液体窒素の流れに緩やかに落ちる。完全にまたは部分的に冷凍された冷凍物18は、液体窒素が隙間17の中に流れる間に、多孔状のコンベア排出ベルト7によって集められる。
【0060】
図5によく示されるように、さらに別の実施形態の浸漬槽は、1つの顕著な違いを有するとともに、図1A及び図1Bのものと類似する。上流端部30に隣接した下面26の下方に配置されたポンプ23の代わりに、2つのパドル式のポンプ31が液体窒素の流れの中に配置され、一方は、計量装置11の上流で水平処理部3の中に、他方は、隙間17に隣接したバッフルの下方の隙間13に位置する。容器の上流端部2の内面は、吐出部25から出て流れる液体窒素を反対方向に向けて、上方で水平処理部3にて第1方向9に戻るように、半円筒状面29として構成されている。このような表面29を用いると、乱流によって失われる流れの運度量が減る。
【0061】
図6によく示されるように、さらに別の実施形態に係る浸漬槽は、液体または半固体の素材の液滴を液体窒素の流れの中に落とす計量装置11の代わりに、コンベア供給ベルト14が固体物16を液体窒素の中に供給する点を除き、図5に示されたものと類似する。図6は、液体窒素の中まで延びて移動するコンベア供給ベルト14を示すが、これに代えて、コンベア供給ベルト14は、液体窒素の表面を越えた点までのみ延びてもよい。この代替案では、固体物16は、終点ローラーで逆方向に向けられ、コンベア供給ベルト14の縁から落ちる。液体窒素の上方でコンベア供給ベルト14の高さが適切に調整されることで、固体物16は、液体窒素の流れに緩やかに落ちる。完全にまたは部分的に冷凍された冷凍物18は、液体窒素が隙間17の中に流れる間に、多孔状のコンベア排出ベルト7によって集められる。
【0062】
図7によく示されるように、さらに別の実施形態の浸漬槽は、いくつかの顕著な違いを有するとともに、図3A及び図3Bのものと類似する。上流端部30に隣接した下面26の下方に配置されたポンプ23の代わりに、ポンプ23は、多孔状のコンベア排出ベルト17の終端部を受けるために凹状に形成されたバッフル5の下流端部32に隣接した隙間17の下方に配置されている。ポンプ23の入口27は、滴受け34の端部と下流端部32の側方に延長された部分との間に形成されている。バッフル5の上流端部30は、面29におおよそ平行なように凸状に形成されている。凸状の上流端部30は、ぐるりと上に曲がるとともに、それから上面28に向けて一段下がっている。
【0063】
図8によく示されるように、さらに別の実施形態に係る浸漬槽は、いくつかの顕著な違いを有するとともに、図4のものと類似する。上流端部30に隣接した下面26の下方に配置されたポンプ23の代わりに、ポンプ23は、多孔状のコンベア排出ベルト17の終端部を受けるために凹状に形成されたバッフル5の下流端部32に隣接した隙間17の下方に配置されている。ポンプ23の入口27は、滴受け34の端部と下流端部32の側方に延長された部分との間に形成されている。バッフル5の上流端部30は、面29におおよそ平行なように凸状に形成されている。凸状の上流端部30は、ぐるりと上に曲がるとともに、それから上面28に向けて一段下がっている。
【0064】
これら図は、投入点と排出ベルトとの間に一定の長さを描くが、これらの長さは、必要とされる液体窒素の量または滞留時間の増加または減少の要望に応じて、長くしてもよいし、短くしてもよい。また、滞留時間は、ポンプによる液体窒素の流れ速度の変更、及び/または、多孔状コンベア排出ベルトの速度の変更によって、変更されてもよい。当業者は、速度が低ければ、排出ベルトまでの移動に長い時間がかかるため、冷凍される素材が液体窒素に長時間浸されることを認識可能である。そのような当業者は、さらに、排出ベルトの速度を小さくすることが、液体窒素の中で完全にまたは部分的に冷凍された素材の密度が排出ベルトの上流で相対的に高くなることで、せき止め効果をもたらすことを認識可能である。
【0065】
本発明は、既知の低温装置を超えたいくつかの長所を発揮する。
【0066】
既知の浸漬槽で生じるベルトスリンジの不具合に関しては、液体窒素の制御された流れを用いて製品が移動されることで、冷凍工程は、傾斜した排出ベルトに製品が達する前に大部分が完了する。排出ベルトは、(製品によっては)転がり止めがあってもよく、冷凍製品を、液体窒素の流れの中よりも高い積載密度で、深さ方向に積み上げる。それゆえ、排出ベルトは、残留した液体窒素が液滴の状態で槽の中に落ちて戻るのに十分に遅い速度で運転されることができる。これゆえ、ベルトスリンジは、実質的に無くなる。
【0067】
既知の浸漬槽で生じる製品ゆがみとベルト張り付きに関しては、本発明は、冷凍される製品を液体窒素の流れが運ぶため、製品損傷や冷凍機の床への張り付きは、槽内で液体窒素に十分大きな深さを確保することで、避けることができる。
【0068】
既知の造粒機の生産能力の限界に関しては、水平方向の液体窒素の流れがある独創的な浸漬槽によって液滴は冷凍されるので、ペレット化の能力は、液体窒素の流れ速度と究極的にはポンプの速度だけによって制限される。このような流れは、本発明において、工程にいかなる悪影響も与えずにポンプ速度を増加させることで、劇的に増加させることができる。このため、もしさらに多くの液体または半固体の製品が液体窒素の中に落とされるか注入される場合、液滴/ペレットの張り付きを避けるためには、次のバッチで落ちる液滴を受け入れるための、液滴及びペレット化が行われる液体窒素の空き領域を作るためにポンプの速度を上げるだけでよい。
【0069】
一方で、既知の造粒機で液体及び半固体の素材が落とされるまたは注入される速度が増加されるとき、十分に速い速度でペレットとペレットの張り付きが起きる可能性がある。これを避けるために、既知の造粒機の液路の液体窒素の速度を、ポンプ速度を増加させることで増加させる。しかしながら、ポンプ速度の増加は、増加した液体窒素の流れの高さと乱流とを収容するために、液路の側部の高さを高くする必要がある。一方で、液路の側部を超える液体窒素のしぶきが生じる可能性がある。このような変形例は、費用が高く、複雑で、時間の浪費である。これは、広範な生産時間と滞留時間を実現するための既知の造粒機の柔軟性を著しく制限する。
【0070】
製品詰まり及びポンプ能力の損失に関しては、本発明の浸漬槽は、容易に制御可能な比較的一定の液体窒素の液位を有する。これは、液路の液体窒素の深さとそれとは異なる貯留槽の液体窒素の深さとを有した既知のペレット化システムと比較して、槽全体の表面に亘って液体窒素の液位は実質的に1つである。どのような液体窒素の速度が選ばれても、本発明の浸漬槽の液体窒素の液位は変わらない。一方で、既知の造粒機のポンプ速度の増加は、貯留槽の液体窒素の液位を大きく変える可能性がある。
【0071】
既知の造粒機は、排出ベルトの下流における傾斜したシュートに連続した水平の液路またはそれ自身が傾斜した液路の上部までポンプによって液体窒素を汲み上げる。傾いた液路またはシュートに沿う流れは、重力によって生じる。1つ以上の液路またはシュートが傾斜しているため、貯留槽と最初の液路の「源流」との間の高さは、実質的に存在する。適切な液路の傾斜と液路の長さとを選定することで、既知の造粒機は、液体窒素にとって望ましい流れ速度を実現することができる。一方で、本発明は、内部再循環及び慣性の液体窒素流れ(重力による流れではない)を浸漬槽に本質的に用い、これは既知の造粒機のポンプによる比較的大きな液体高さまで液体を持ち上げる必要がない。その結果、本発明のポンプは、電力消費量が少ない。また、既知の造粒機は、外気に露出した液路またはシュートを用いており、この液路及びシュートは、全体的な冷却能力を失うことで、液体窒素を暖めるヒートシンクとして働く。一方で、本発明の浸漬槽は、外気に露出された長い液路を必要とせず、その結果、既知の造粒機によるヒートシンク効果は大きく減少される。
【0072】
本発明を実施する上で好ましい工程及び装置は、上述されている。本発明の要旨及び範囲から離れることなく上述の実施形態に多くの変更や変形が可能なことは、当業者にとって明らかである。上述の内容は、図示されただけであり、一体的な工程及び製品の他の実施形態は、以下の請求項で定義される発明の本質的範囲から離れることなく実施可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体窒素が再循環される浸漬槽での製品の冷凍方法であって、
上流端部と下流端部とを有した水平処理部と、前記下流端部と前記上流端部とを繋ぐ戻り部とを有するとともに、前記戻り部の全ての垂直部分が液体窒素の流れを完全に囲った流れ経路に沿って液体窒素に流れを与え、
冷凍される素材を投入点で前記水平処理部に投入し、
前記液体窒素によって前記投入された素材の少なくとも一部を冷凍させ、
前記少なくとも部分的に冷凍された素材を、前記投入点よりも下流で前記水平処理部から取り出す、
ことを含む冷凍方法。
【請求項2】
前記冷凍される素材は、液体または半固体であり、
前記液体または半固体の素材は、該液体または半固体の素材が前記水平処理部に滴るか注入されることで、前記水平処理部に投入される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記冷凍される素材は、固体である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記冷凍される素材は、前記液体窒素の上に少なくとも部分的に延びた投入コンベアベルトによって前記水平処理部に投入される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも部分的に冷凍された素材は、前記液体窒素の中に部分的に延びた多孔状の排出コンベアベルトによって前記水平処理部から取り出される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記冷凍される素材は、固体であり、
前記冷凍される素材は、前記液体窒素の上に少なくとも部分的に延びた投入コンベアベルトによって前記水平処理部に投入され、
前記投入コンベアベルトは、前記排出コンベアベルトよりも大きな速度で駆動される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
流れ経路に沿って液体窒素に流れを与える前記工程は、ポンプによって行われる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記冷凍される素材が前記液体窒素の中にある滞留時間は、前記ポンプによって前記液体窒素の流れ速度を制御することで制御される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記冷凍される素材が前記液体窒素の中にある滞留時間は、前記排出ベルトの速度を制御することで制御される請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記水平処理部での液体窒素の深さは、前記冷凍される素材の最大寸法よりも大きい請求項1に記載の方法。
【請求項11】
液体窒素の流れ速度は、前記水平処理部への前記冷凍される素材の投入速度が増やされたときに、増やされる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
液体窒素の流れ速度は、前記水平処理部への前記冷凍される素材の投入速度が減らされたときに、減らされる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記冷凍される素材は、食料品である請求項1に記載の方法。
【請求項14】
液体窒素が再循環される浸漬槽での製品の冷凍方法であって、
液体窒素の槽を準備し、
前記液体窒素を、第1側から反対の第2側に向いて前記槽の表面に沿い、前記反対の第2側から前記第1側に向いて前記槽の底部に沿い、前記表面の前記第1側に戻る、ように再循環させ、
前記表面に沿う前記液体窒素の流れの一部に、冷凍される素材を投入し、
前記液体窒素によって前記投入された素材の少なくとも一部を冷凍させ、
前記少なくとも部分的に冷凍された素材を、前記液体窒素から取り出す、
ことを含む冷凍方法。
【請求項15】
液体窒素の流れが再循環される浸漬槽であって、
その上流端部からその下流端部に向いて前記液体窒素が流される水平の細長い箱と、
前記箱の下流端部から上流端部に向いて前記液体窒素が流される戻り路であり、全ての側面において該戻り路の全ての垂直部分が完全に囲われた戻り路と、
バッフルの上面の上を第1方向で流れ、前記バッフルの下流端部と容器の下流端部との間の隙間を通り、前記バッフルの下面の下を前記第1方向とは反対の第2方向で流れ、前記バッフルの上流端部と容器の上流端部との間を通る、液体窒素の流れを誘起するポンプと、
を備えた浸漬槽。
【請求項16】
前記容器と関連して用いられ、液体、半固体、または固体の冷凍される素材を、前記バッフルの上方に位置した投入点で前記液体窒素の流れの中に投入する素材投入機をさらに備えた請求項15に記載に浸漬槽。
【請求項17】
前記素材投入機は、液滴トレイである請求項16に記載の浸漬槽。
【請求項18】
前記素材投入機は、注入機である請求項16に記載に浸漬槽。
【請求項19】
前記素材投入機は、多孔状のコンベア投入ベルトである請求項16に記載に浸漬槽。
【請求項20】
前記容器と関連して用いられ、下方に延びて前記容器の下流端部と前記バッフルの端部との間の隙間に入った多孔状のコンベア排出ベルトをさらに備えた請求項15に記載の浸漬槽。
【請求項21】
液体窒素の流れが再循環される浸漬槽であって、
底から上方に延びた第1壁、第2壁、第3壁、及び第4壁を有した容器であり、前記第1壁と前記第3壁とで該容器の上流端部と下流端部とが其々規定され、高さと幅と長さとを有した容器と、
前記第2壁と前記第4壁との間に固定された水平バッフルであり、該水平バッフルは、上流端部と下流端部と、これらの間に延びた上面と下面とを有するとともに、前記容器の長さよりも小さな長さを有し、該水平バッフルの上流端部と前記容器の上流端部との間に隙間があり、該水平バッフルの下流端部と前記容器の下流端部との間に隙間があり、前記バッフルの下面と前記容器の底との間に隙間がある位置で前記容器の中に配置されたバッフルと、
前記容器及び前記バッフルと関連して用いられるポンプであり、前記バッフルの上面の上を第1方向で流れ、前記バッフルの下流端部と前記容器の下流端部との間の隙間を通り、前記バッフルの下面の下を前記第1方向とは反対の第2方向で流れ、前記バッフルの上流端部と前記容器の上流端部との間の隙間を通る、液体窒素の再循環の流れを前記容器とともに誘起するポンプと、
を備えた浸漬槽。
【請求項22】
前記容器と関連して用いられ、液体、半固体、または固体の冷凍される素材を、前記バッフルの上面の上方に位置した投入点で前記液体窒素の流れの中に投入する素材投入機をさらに備えた請求項21に記載に浸漬槽。
【請求項23】
前記素材投入機は、液滴トレイである請求項22に記載の浸漬槽。
【請求項24】
前記素材投入機は、注入機である請求項22に記載の浸漬槽。
【請求項25】
前記素材投入機は、コンベアベルトである請求項22に記載の浸漬槽。
【請求項26】
前記容器に関連して用いられ、下方に延びて前記容器の下流端部と前記バッフルの下流端部との間の隙間に入り、前記バッフルの下流端部に下方から隣接した点まで延びた多孔状のコンベア排出ベルトをさらに備えた請求項21に記載の浸漬槽。
【請求項27】
前記容器の第1壁は、前記容器の上流端部に向かう半円筒状面に構成されて、前記バッフルの下面の下の液体窒素の第2方向の流れを、前記バッフルの上面の上の第1方向の流れに戻すように前記液体窒素の流れを向け直す内面を有した請求項21に記載の浸漬槽。
【請求項28】
前記容器の第3壁は、前記容器の下流端部に向かう半円筒状面に構成されて、前記バッフルの上面の上の液体窒素の第1方向の流れを、前記バッフルの下面の下の第2方向の流れに戻すように前記液体窒素の流れを向け直す内面を有した請求項21に記載の浸漬槽。
【請求項29】
前記ポンプは、吐出部を有し、
前記ポンプは、前記バッフルの上流端部に隣接した前記バッフルの下面の下方に位置し、
前記ポンプは、前記第1壁の内面の下部に向いて前記液体窒素を向かわせるよう吐出する向きに設けられた請求項27に記載の浸漬槽。
【請求項30】
前記容器に関連して用いられ、下方に延びて前記容器の下流端部と前記バッフルの端部との間の隙間に入り、前記バッフルの下流端部に下方から隣接した点まで延びた多孔状の排出コンベアベルトをさらに備え、前記ポンプは、該ポンプの上面に位置した入口と、該ポンプの周面に位置した吐出部とを有し、このポンプは、前記バッフルの下流端部に隣接した前記バッフルの下面の下方に位置し、このポンプは、前記多孔性のコンベアベルトの下流の液体窒素が前記入口に吸われ、前記バッフルの下面の下方で前記第2方向に吐出される向きに設けられた請求項28に記載の浸漬槽。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−511699(P2013−511699A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541137(P2012−541137)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/057585
【国際公開番号】WO2011/063319
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】