説明

再生装置、プレーヤー、再生装置の再生履歴情報記録方法、プレーヤーの再生履歴情報記録方法およびプログラム

【課題】予定外のコンテンツを再生した場合でも、支障なくその再生履歴を記録可能な再生装置等を提供する。
【解決手段】コンテンツを再生する再生手段120と、再生手段120による再生信号の出力レベルを調整する出力レベル調整手段250と、出力レベル調整手段250の調整結果に応じて、再生信号を出力装置30に出力するミキサー装置側再生信号出力手段230と、再生手段120により再生されたコンテンツの再生履歴を示す再生履歴情報を記録する再生履歴情報記録手段150と、を備え、再生履歴情報記録手段150は、ミキサー装置側再生信号出力手段230により再生信号が出力装置30に出力されたか否かに応じて、各コンテンツの再生履歴情報を記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
音声や映像など各種コンテンツの再生履歴を記録する再生装置、プレーヤー、再生装置の再生履歴情報記録方法、プレーヤーの再生履歴情報記録方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、音声や映像など各種コンテンツの再生履歴を記録する技術として、特許文献1が知られている。当該特許文献1には、音楽番組の放送に使用した楽曲や効果音などの放送履歴を作成する方法が記載されている。具体的には、予め作成しておいたキューシートの情報に、実際に放送した楽曲や効果音に関する放送属性情報を反映させて、放送履歴表を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3338437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の特許文献1に記載の放送履歴作成方法では、予めキューシートを作成しておく必要がある。このため、予定していた楽曲以外の楽曲を放送した場合、適切に放送履歴を作成できないといった問題があった。特に、リクエスト番組など、番組の流れによって放送する楽曲を決定するような場合には、利用不可能である。
【0005】
一方、このような再生履歴を記録する技術は、クラブ等でDJ(ディスクジョッキー)が演奏した楽曲を記録する場合にも適用可能である。しかしながら、クラブ等における演奏は、予定していた楽曲を場の雰囲気に応じて変更することが多いため、上記の特許文献1に記載の放送履歴作成方法の適用は、非常に困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、予定外のコンテンツを再生した場合でも、支障なくその再生履歴を記録可能な再生装置、プレーヤー、再生装置の再生履歴情報記録方法、プレーヤーの再生履歴情報記録方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の再生装置は、コンテンツを再生する再生手段と、再生手段による再生信号の出力レベルを調整する出力レベル調整手段と、出力レベル調整手段の調整結果に応じて、再生信号を外部に出力する外部出力手段と、再生手段により再生されたコンテンツの再生履歴を示す再生履歴情報を記録する再生履歴情報記録手段と、を備え、再生履歴情報記録手段は、出力レベル調整手段による出力レベルの調整結果に応じて、各コンテンツの再生履歴情報を記録することを特徴とする。
【0008】
上記に記載の再生装置において、再生履歴情報記録手段は、外部出力手段により再生信号が外部に出力されたか否かに応じて、各コンテンツの再生履歴情報を記録することを特徴とする。
【0009】
本発明の再生装置は、出力レベル調整手段による出力レベルの調整結果に応じて再生履歴情報を記録する。つまり、所定のしきい値を超えた場合に再生信号を外部出力するようにすれば、再生信号が外部に出力されたか否かに応じて、再生履歴情報を記録することができる。つまり、再生したか否かではなく、実際に出力されたか否か(放送またはクラブ等において、OnAirされたか否か)を記録することができるため、当該再生履歴情報を、次回の選曲の検討やリコメンド機能に有効に利用することができる。また、予めキューシートを作成しておく必要がないため、予定外のコンテンツを再生した場合でも、支障なくその再生履歴を記録することができる。
なお、「コンテンツ」は、音声および映像のいずれであっても良い。つまり、「再生信号」は、音声信号および映像信号のいずれであっても良い。
また、「再生装置」は、1の装置で構成されても良いし、複数の装置で構成されても良い。つまり、上記の各手段を、1の筐体内に全て備えた構成としても良いし、複数の筐体に分割配置した構成としても良い。
【0010】
上記に記載の再生装置において、再生手段は、第1の記憶媒体から読み出したコンテンツを再生し、再生履歴情報記録手段は、再生履歴情報を、第1の記憶媒体に記録することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、コンテンツを読み出した記憶媒体に、そのコンテンツの再生履歴情報を記録することができる。これにより、後に再生履歴情報に基づく再生を行う場合、コンテンツの検索および再生が容易となる。
【0012】
上記に記載の再生装置において、再生手段は、複数の記憶媒体からコンテンツを読み出して再生することが可能であり、再生履歴情報記録手段は、どの記憶媒体から読み出されたコンテンツであるかに拘わらず、再生手段により再生されたコンテンツの再生履歴情報を、複数の記憶媒体のうち所定の記憶媒体に記録することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、どの記憶媒体から読み出されたコンテンツであるかに拘わらず、所定の記憶媒体に再生履歴情報を記録することができるため、クラブ等におけるDJの演奏履歴や放送履歴を記録する場合に、便利である。
なお、「所定の記憶媒体」は、ユーザーによって指定されたものであっても良いし、予め定められたものであっても良いし、記録可能な全ての記憶媒体であっても良い。
【0014】
上記に記載の再生装置において、再生履歴情報の記録対象となる所定の記憶媒体を指定するユーザー設定手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、ユ−ザーのニーズに応じて、記録対象となる記憶媒体を指定することができる。
【0016】
上記に記載の再生装置において、再生履歴情報記録手段は、再生履歴情報の一部として、各コンテンツの再生信号が、外部出力手段により外部に出力されたか否かに関する情報を記録することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、再生履歴情報から、記録されたコンテンツが、実際にOnAirされたか否かを確認することができる。
【0018】
上記に記載の再生装置において、再生履歴情報記録手段は、外部出力手段により再生信号が外部に出力されたコンテンツのみを対象として、再生履歴情報を記録することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、OnAirの対象となっていないコンテンツの記録を省略できるため、実際にOnAirされたコンテンツの再生履歴情報のみを記録したい場合に、便利である。
【0020】
上記に記載の再生装置において、再生履歴情報記録手段は、外部出力手段により再生信号が外部に出力されたコンテンツのみを対象として、再生履歴情報を記録する外部出力専用記録手段と、外部出力手段により再生信号が外部に出力されたか否かに拘わらず、各コンテンツの再生履歴情報を記録する通常記録手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、再生信号が外部に出力されか否かに拘わらず、各コンテンツの再生履歴情報を記録する通常記録手段を備えているため、実際にOnAirされたか否かではなく、再生された全てのコンテンツを示す再生履歴情報を記録したい場合に、便利である。
【0022】
上記に記載の再生装置において、外部出力専用記録手段および通常記録手段のうち、いずれを機能させるか、若しくは両方を機能させるか否か、について設定するユーザー設定手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、ユーザーのニーズに応じて、外部出力専用記録手段を機能させるか、通常記録手段を機能させるか、両記録手段を機能させるか、両記録手段を機能させないか、のいずれかを選択することができる。
【0024】
上記に記載の再生装置において、再生履歴情報記録手段は、同一コンテンツの再生中に、外部出力手段による再生信号の出力/非出力が繰り返された場合、当該コンテンツの出力回数を1回または繰り返し数に相当する回数として、再生履歴情報を記録することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、本発明の再生装置が、クラブ等においてDJ機器として用いられた場合、パフォーマンス(エフェクト効果)の一種として、スクラッチやホットキューを使用することが頻繁にある。このような場合、再生中の再生信号が「非出力」となる度にコンテンツの出力回数をカウントすると、同じコンテンツが何度も繰り返し記録されることとなってしまう。このため、同一コンテンツの再生中における再生信号の出力回数を1回としてカウントすることで、適切な再生履歴情報を記録することができる。また、繰り返し数に相当する回数としてカウントすることで、記録された再生履歴情報から、繰り返し数も含めた再生回数を把握することができる。
なお、前者の場合、単に同一コンテンツの再生中における再生信号の出力/非出力を無視するのではなく、所定時間を設けて、カウントの要否を判別しても良い。例えば、所定時間30秒以内に再生信号の出力/非出力が繰り返された場合は無視し、それを超えた場合のみ、コンテンツの出力回数をカウントするようにしても良い。また、この場合、「所定時間」について、ユーザーが設定可能としても良い。また、再生信号の出力/非出力が繰り返された場合、当該コンテンツの出力回数を1回としてカウントするか、繰り返し数に相当する回数だけカウントするか、について、ユーザーが設定可能としても良い。
【0026】
上記に記載の再生装置において、記憶媒体は、再生装置に着脱可能な外部記憶媒体であることを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、USBメモリやSDメモリカードなどの外部記憶媒体に、再生履歴情報を記録することができるため、持ち運びや管理が容易となる。
【0028】
上記に記載の再生装置において、再生履歴情報記録手段により記録された各コンテンツの再生履歴情報を表示する情報表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、表示装置を別途用意しなくとも、再生装置において、再生履歴情報を確認することができる。
【0030】
上記に記載の再生装置において、再生手段は、複数の記憶媒体からコンテンツを読み出して再生することが可能であり、再生履歴情報表示手段は、表示対象の再生履歴情報が記録されている記憶媒体から読み出したコンテンツと、表示対象の再生履歴情報が記録されている記憶媒体以外の記憶媒体から読み出したコンテンツと、を区別して、各コンテンツの再生履歴情報を表示することを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、表示された再生履歴情報から、記録されたコンテンツが、同一の記憶媒体内に記憶されているのか否かを確認することができる。
なお、区別する方法としては、表示対象の再生履歴情報が記録されている記憶媒体から読み出されたコンテンツと、そうでないコンテンツ、のいずれかまたは両方に対して、所定のマークを付加したり異なる表示色とするなど、両者が異なる表示形態で表示することが考えられる。
【0032】
上記に記載の再生装置が、再生手段および再生履歴情報記録手段を有するプレーヤーと、プレーヤーと接続され、出力レベル調整手段および外部出力手段を有するミキサー装置と、から成ることを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、プレーヤーと、ミキサー装置との組み合わせによって、本発明の再生装置を実現することができる。
【0034】
本発明のプレーヤーは、ミキサー装置に対し、再生信号を出力するプレーヤーであって、コンテンツを再生する再生手段と、再生手段による再生信号を、ミキサー装置に対して出力する再生信号出力手段と、再生信号出力手段により出力した再生信号がミキサー装置により外部出力されていることを示すOnAir情報を、ミキサー装置から入力するOnAir情報入力手段と、OnAir情報入力手段により入力されたOnAir情報に基づいて、再生手段により再生されたコンテンツの再生履歴を示す再生履歴情報を記録する再生履歴情報記録手段と、を備えたことを特徴とする。
【0035】
本発明の再生装置の再生履歴情報記録方法は、再生したコンテンツの再生履歴を示す再生履歴情報を記録する再生装置の再生履歴情報記録方法であって、再生装置が、コンテンツを再生するステップと、コンテンツを再生した再生信号の出力レベルを調整するステップと、出力レベルの調整結果に応じて、各コンテンツの再生履歴情報を記録するステップと、を実行することを特徴とする。
【0036】
本発明のプレーヤーの再生履歴情報記録方法は、ミキサー装置に対し、再生信号を出力するプレーヤーの再生履歴情報記録方法であって、プレーヤーが、コンテンツを再生するステップと、コンテンツを再生した再生信号を、ミキサー装置に対して出力するステップと、出力した再生信号がミキサー装置により外部出力されていることを示すOnAir情報を、ミキサー装置から入力するステップと、入力されたOnAir情報に基づいて、再生したコンテンツの再生履歴を示す再生履歴情報を記録するステップと、を実行することを特徴とする。
【0037】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記に記載の再生装置の再生履歴情報記録方法における各ステップ、および上記に記載のプレーヤーの再生履歴情報記録方法における各ステップの少なくとも一方を実行させるためのものであることを特徴とする。
【0038】
これらの構成によれば、予定外のコンテンツを再生した場合でも、支障なくその再生履歴を記録可能なプレーヤー、再生装置の再生履歴情報記録方法、プレーヤーの再生履歴情報記録方法およびプログラムを提供することができる。
なお、上記に記載のプレーヤー、およびプレーヤーの再生履歴情報記録方法において、「OnAir情報」は、出力レベルが所定の出力レベル以上または所定の出力レベルを超えて外部出力されていることを示すものであっても良い。この場合、所定の出力レベルは、Min(最小値)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る再生システムのシステム構成図である。
【図2】プレーヤーを上側から見た平面図である。
【図3】ミキサー装置を上側から見た平面図である。
【図4】再生システムの機能ブロック図である。
【図5】ミキサー装置のOnAir信号送信に関するメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】ミキサー装置の出力レベル検出処理を示すフローチャートである。
【図7】プレーヤーの再生前処理を示すフローチャートである。
【図8】記録用データベースの記録内容を示す図である。
【図9】プレーヤーの再生履歴情報記録処理を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態に係る再生リスト、OnAir回数表示および再生順序表示の一例を示す図である。
【図11】第1実施形態に係るOnAir回数表示および再生順序表示の変形例を示す図である。
【図12】第1実施形態に係る再生順序表示の変形例を示す図である。
【図13】第2実施形態に係る再生リスト、OnAir回数表示および再生順序表示の一例を示す図である。
【図14】第2実施形態に係るOnAir回数表示および再生順序表示の変形例を示す図である。
【図15】再生装置の再生履歴情報記録処理(1)を示すフローチャートである。
【図16】再生装置の再生履歴情報記録処理(2)を示すフローチャートである。
【図17】再生装置の再生履歴情報記録処理(3)を示すフローチャートである。
【図18】再生装置の再生履歴情報記録処理(4)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の一実施形態に係る再生装置、プレーヤー、再生装置の再生履歴情報記録方法、プレーヤーの再生履歴情報記録方法およびプログラムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、本発明の再生装置を、DJが音楽パフォーマンスを行うためのDJ機器に適用した場合について例示する。
【0041】
[第1実施形態]
図1は、本発明の再生装置1を適用した再生システムSYのシステム構成図である。同図に示すように、再生システムSYは、楽曲を再生する再生装置1と、再生装置1から出力された再生信号に基づいて音声を出力する出力装置30と、を備えている。また、再生装置1は、1台以上のプレーヤー10と、当該プレーヤー10により再生された再生信号(音声信号)の出力制御を行うミキサー装置20と、から成る。
【0042】
プレーヤー10は、CD、USBメモリ、SDメモリカードなどの各種デバイスDを挿入可能となっており、これらの各デバイスDから楽曲(コンテンツ)を読み出して再生する。また、ジョグダイヤル12などの操作子を有し、ユーザーの操作に基づいて、再生状態の調節や、エフェクト効果の付加などの再生処理を行う。
【0043】
ミキサー装置20は、チャンネルフェーダー25やクロスフェーダー27などの操作子を有し、各プレーヤー10から入力された再生信号の混合処理などを行う。また、ミキサー装置20は、オーディオケーブル41およびOnAir信号送信用ケーブル42を介して、各プレーヤー10と接続されている。本実施形態では、1台のミキサー装置20に4台のプレーヤー10が接続され、ミキサー装置20の「チャンネル1」〜「チャンネル4」が、それぞれ「プレーヤー1」〜「プレーヤー4」に対応しているものとする。
【0044】
オーディオケーブル41は、プレーヤー10により再生された再生信号を入力するためのケーブルであり、RCAケーブルなどが用いられる。また、OnAir信号送信用ケーブル42は、ミキサー装置20が再生信号を出力装置30に対して出力していること(OnAir状態であること)を示すOnAir信号(OnAir情報)を、その再生信号の入力源となるプレーヤー10に対して出力するためのケーブルであり、イーサネット(登録商標)ケーブルやUSBケーブルなどが用いられる。
【0045】
出力装置30は、アンプ31と、当該アンプ31に接続された1台以上のスピーカー32(図示では、2台)と、を有している。また、出力装置30は、オーディオケーブル41を介して、ミキサー装置20と接続されている。なお、特に図示しないが、プレーヤー10およびミキサー装置20には、各ケーブル41,42が接続される端子(インターフェース)が設けられている。また、出力装置30には、オーディオケーブル41が接続される端子が設けられている。なお、上記の通りプレーヤー10、ミキサー装置20および出力装置30間を有線接続とするのではなく、無線接続としても良い。すなわち、無線通信によって、再生信号やOnAir信号の送受信を行っても良い。
【0046】
次に、図2および図3を参照し、プレーヤー10およびミキサー装置20の装置構成について簡単に説明する。図2は、プレーヤー10の装置構成を示す平面図である。プレーヤー10は、表示部11、ジョグダイヤル12、CD挿入口13、CD用イジェクトボタン13a、USBメモリスロット14、USBメモリ用イジェクトボタン14a、SDメモリカードスロット15、SDメモリカード用イジェクトボタン15a、カーソルボタン16a、エンターボタン16b、トラックサーチボタン18a、マニュアルサーチボタン18b、キューボタン18cおよびプレイ/ポーズボタン18dなどを有している。
【0047】
表示部11は、液晶ディスプレイなどにより構成され、各種情報を表示する。また、ジョグダイヤル12は、ジョグダイヤル本体12aと、ジョグLED12bと、を有する。ジョグダイヤル本体12aは、ユーザーにより回転操作が行われるものであり、ジョグLED12bは、プレーヤー10で再生中の再生信号の出力レベルに応じて、点灯または点滅表示される。ここで、「再生中」とは、プレーヤー10側で再生が行われていること(プレーヤー10から再生信号が出力されていること)を意味するものであり、ミキサー装置20により出力装置30に対して再生信号が出力されていることを示す「OnAir状態」とは異なる。一方、カーソルボタン16aおよびエンターボタン16bは、表示部11に表示された各種項目の設定や選択を行うために用いられる。
【0048】
図3は、ミキサー装置20の装置構成を示す平面図である。ミキサー装置20は、チャンネル毎に、チャンネル切替スイッチ21、トリム調整ツマミ22、チャンネルイコライザ調整ツマミ23(高音用、中音用、低音用)、チャンネルフェーダー25およびクロスフェーダーアサインスイッチ26などを有している。また、装置手前側には、クロスフェーダー27が設けられ、装置右手奥側には、マスター出力レベル調整ツマミ28およびマスターレベルインジケーター29などが設けられている。
【0049】
チャンネル切替スイッチ21は、CD/デジタル入力およびライン入力の2系統のうち、いずれかを選択するための操作子である。また、トリム調整ツマミ22は、各チャンネルの入力レベルを調整するための操作子である。また、チャンネルイコライザ調整ツマミ23は、各チャンネルの高音、中音、低音をそれぞれ調整するための操作子である。また、チャンネルフェーダー25は、各チャンネルの出力レベルを調整するための操作子である。
【0050】
また、クロスフェーダーアサインスイッチ26は、各チャンネルの出力を、クロスフェーダー27の左右(A側またはB側)若しくは「スルー」のいずれに割り当てるかを選択するための操作子である。なお、複数のチャンネルが同じ側を選択した場合、それらを加算したものが割り当てられる。また、「スルー」が選択されている場合は、チャンネルフェーダー25の出力は、クロスフェーダー27を通らずに、そのままマスター出力に出ていくこととなる。
【0051】
また、クロスフェーダー27は、クロスフェーダーアサインスイッチ26によって左右に割り当てられた各再生信号の混合割合を調整するための操作子である。また、マスター出力レベル調整ツマミ28は、マスター出力の出力レベルを調整するための操作子である。また、マスターレベルインジケーター29は、マスター出力レベルをLED表示するものである。
【0052】
なお、プレーヤー10およびミキサー装置20には、図2および図3で示したもの以外にも、多数の操作子やインジケーターが設けられているが、本発明とは直接関係しないため、それらの説明を省略する。
【0053】
次に、図4を参照し、再生システムSY(プレーヤー10、ミキサー装置20および出力装置30)の機能構成について説明する。プレーヤー10は、主な機能構成として、プレーヤー側制御手段110、再生手段120、プレーヤー側再生信号出力手段130、OnAir情報入力手段140、再生履歴情報記録手段150、情報表示手段160およびユーザー設定手段170を備えている。
【0054】
プレーヤー側制御手段110は、マイコンなどを主な構成要素とし、プレーヤー10内を統括制御する。例えば、ミキサー装置20から、OnAir状態であることを示すOnAir信号が入力された場合、プレーヤー側制御手段110は、当該OnAir信号に含まれる出力レベル信号に応じて、ジョグLED12bの輝度を決定し、点灯または点滅制御を行う。なお、点滅制御を行う場合、プレーヤー側制御手段110は、再生中の再生信号のBPMに同期して、ジョグLED12bを点滅させる。
【0055】
再生手段120は、デバイスDから随時、所定量分の音声データを読み出して、内部メモリバッファBに格納しておき、当該内部メモリバッファBから読み出した音声データを再生する。なお、デバイスDのように、プレーヤー10に着脱可能な記憶媒体に記録されている音声データのみならず、プレーヤー10に内蔵されたハードディスクのような記憶媒体に記録されている音声データを再生可能としても良い。
【0056】
プレーヤー側再生信号出力手段130は、再生手段120により再生されている再生信号を、オーディオケーブル41を介してミキサー装置20に出力する。
【0057】
OnAir情報入力手段140は、プレーヤー側再生信号出力手段130により出力した再生信号がミキサー装置20により出力装置30に対して出力されていることを示すOnAir信号を、OnAir信号送信用ケーブル42を介してミキサー装置20から入力する。
【0058】
再生履歴情報記録手段150は、再生手段120により再生された楽曲の再生履歴を示す再生履歴情報を記録する。本実施形態では、楽曲の再生元となるデバイスDを記録対象とし、さらに各楽曲の再生時において、各楽曲がOnAirされたか否かに関する情報(後述する出力レベル調整手段250による出力レベルが所定の値を超えたかまたは所定の値以上であるかに関する情報)を記録する(詳細については、後述する)。また、再生履歴情報記録手段150は、同一楽曲の再生中に、OnAir信号の入力/非入力(後述するミキサー装置側再生信号出力手段230による再生信号の出力/非出力)が繰り返された場合、当該楽曲のOnAir回数(出力回数)を1回として記録する。これにより、正確な再生履歴情報を記録することができる。例えば、本実施形態における再生装置1が、クラブ等においてDJ機器として用いられた場合、ミキサー装置20のフェーダー25,27操作によるスクラッチなどの利用によって、OnAir信号の入力/非入力が繰り返されることが想定できる。このような状況では、再生中の再生信号が「非出力」となる度に楽曲の出力回数をカウントすると、同じ楽曲が何度も繰り返し記録されることとなってしまう。このため、同一楽曲の再生中における再生信号の出力/非出力を無視することで、OnAir回数が不必要に加算されることがなく、適切な再生履歴情報を記録することができる。
【0059】
情報表示手段160は、表示部11を主な構成要素とし、再生履歴情報記録手段150により記録された再生履歴情報など、各種情報を表示する。再生履歴情報としては、具体的に、各楽曲のOnAir回数と、再生順序(履歴)と、を表示する(図10(b),(c)参照)。また、再生順序を表示する際は、実際にOnAirされた楽曲と、OnAirされていない楽曲と、を区別して表示する。
【0060】
ユーザー設定手段170は、カーソルボタン16aおよびエンターボタン16bを主な構成要素とし、再生履歴情報の記録対象となるデバイスDを指定するなど、各種設定を行う。再生履歴情報の記録対象となるデバイスDとしては、本実施形態の場合、USBメモリまたはSDメモリカードのいずれか、または両方を指定可能である。なお、指定方法としては、デバイスDをプレーヤー10に挿入した際に、表示部11に再生履歴情報を記録するか否かを表示して、ユーザーに選択させる方法が考えられる。また、外部アプリケーションを利用して、再生履歴情報の記録/非記録を指定するようにしても良い。以下、ユーザー設定手段170により、再生履歴情報の記録対象として指定されたデバイスDを、「記録指定デバイスD」と称する。
【0061】
続いて、ミキサー装置20の機能構成について説明する。ミキサー装置20は、主な機能構成として、ミキサー装置側制御手段210、ミキサー装置側再生信号入力手段220、ミキサー装置側再生信号出力手段230(外部出力手段)、OnAir情報出力手段240および出力レベル調整手段250を備えている。
【0062】
ミキサー装置側制御手段210は、マイコンなどを主な構成要素とし、ミキサー装置20内を統括制御する。ミキサー装置側再生信号入力手段220は、プレーヤー側再生信号出力手段130から出力された再生信号を、オーディオケーブル41を介して入力する。
【0063】
ミキサー装置側再生信号出力手段230は、ミキサー装置側再生信号入力手段220により入力された再生信号を、オーディオケーブル41を介して出力装置30に出力する。すなわち、再生装置1から再生信号を外部出力する外部出力手段として機能する。なお、ここで出力する再生信号は、入力された再生信号に混合処理や出力レベル調整処理などを施したものであり、入力された再生信号そのものではない。
【0064】
OnAir情報出力手段240は、ミキサー装置側再生信号出力手段230により出力装置30に対して再生信号を出力していることを示すOnAir信号を、OnAir信号送信用ケーブル42を介して、再生信号の入力源となるプレーヤー10(OnAir情報入力手段140)に出力する。また、上記の通り、OnAir情報出力手段240は、OnAir信号の一部として、再生信号の出力レベルに関する出力レベル信号を出力する。なお、ミキサー装置20では、ユーザーの操作により、OnAir信号の送信の有無を設定可能となっている。このため、OnAir情報出力手段240は、OnAir信号の送信「有」と設定されている場合(OnAir信号送信設定の場合)のみOnAir信号を送信し、OnAir信号の送信「無」と設定されている場合(OnAir信号非送信設定の場合)はOnAir信号を送信しない。
【0065】
出力レベル調整手段250は、トリム調整ツマミ22、チャンネルフェーダー25、クロスフェーダー27およびマスター出力レベル調整ツマミ28を主な構成要素とし、ミキサー装置20(再生装置1)から出力される音声信号の出力レベルを調整する。詳細については、後述する。
【0066】
続いて、出力装置30の機能構成について説明する。出力装置30は、主な機能構成として、出力装置側制御手段310、出力装置側再生信号入力手段320、増幅手段330および出力装置側出力手段340を備えている。
【0067】
出力装置側制御手段310は、マイコンなどを主な構成要素とし、出力装置30内を統括制御する。出力装置側再生信号入力手段320は、ミキサー装置側再生信号出力手段230により出力された再生信号を、オーディオケーブル41を介して入力する。
【0068】
増幅手段330は、アンプ31を主な構成要素とし、出力装置側再生信号入力手段320により入力された再生信号を、増幅回路により増幅する。また、出力装置側出力手段340は、スピーカー32を主な構成要素とし、増幅手段330により増幅された音声信号を音声として出力する。
【0069】
次に、図5ないし図11を参照し、第1実施形態に係る再生システムSY(特に、再生装置1)の具体的な動作について説明する。図5は、ミキサー装置20のOnAir信号送信に関するメイン処理を示すフローチャートである。
【0070】
ミキサー装置20(ミキサー装置側制御手段210)は、マスター出力レベル調整ツマミ28の設定が、所定のしきい値(例えば、Min=最小値)を超えているか否かを判別し(S11)、超えている場合は(S11:Yes)、各チャンネルの出力レベル検出処理(図6参照)を行う(S12)。また、各チャンネルの出力レベル検出処理によって、OnAir状態と判定され、さらにOnAir信号送信設定の場合は(S13:Yes)、そのチャンネルに対応するプレーヤー10を送信対象として、OnAir信号送信処理を行う(S14)。
【0071】
一方、マスター出力レベル調整ツマミ28の設定が所定のしきい値以下の場合(S11:No)、並びにOnAir信号非送信設定の場合は(S13:No)、OffAir状態と判別し、OnAir信号を送信しない(S15)。なお、同図に示したフローチャートは、ミキサー装置20の起動中、繰り返し実行される。
【0072】
次に、図6のフローチャートを参照し、ミキサー装置20の出力レベル検出処理について説明する。当該フローチャートは、図5に示したフローチャートのS12に相当するサブルーチンであり、チャンネル毎に実行されるものである。
【0073】
ミキサー装置20(ミキサー装置側制御手段210)は、まず、チャンネル切替スイッチ21の設定が、入力端子側であるか否かを判別し(S21)、入力端子側である場合は(S21:Yes)、続いて、トリム調整ツマミ22の設定(ボリューム値)が、所定のしきい値を超えているか否かを判別する(S22)。トリム調整ツマミ22の設定が所定のしきい値を超えている場合は(S22:Yes)、続いて、チャンネルフェーダー25の設定が、所定のしきい値を超えているか否かを判別する(S23)。
【0074】
チャンネルフェーダー25の設定が、所定のしきい値を超えている場合は(S23:Yes)、続いて、クロスフェーダーアサインスイッチ26がA側またはB側を選択しているか否かを判別する(S24)。クロスフェーダーアサインスイッチ26がA側またはB側を選択している場合は(S24:Yes)、クロスフェーダー27の設定が、(アサインされた側を基準として)所定のしきい値を超えているか否かを判別し(S25)、所定のしきい値を超えている場合は(S25:Yes)、OnAir状態であると判別する(S26)。また、クロスフェーダーアサインスイッチ26が「スルー」を選択している場合は(S24:No)、S25の判別を省略し、OnAir状態であると判別する(S26)。
【0075】
一方、チャンネル切替スイッチ21の設定が入力端子側でない場合(S21:No)、トリム調整ツマミ22の設定が所定のしきい値以下の場合(S22:No)、チャンネルフェーダー25の設定が所定のしきい値以下の場合(S23:No)、クロスフェーダー27の設定が所定のしきい値以下の場合(S25:No)は、OffAir状態であると判別する(S27)。なお、図6に示したフローチャートでは、OnAir状態かOffAir状態かの判別のみ行っているが、当該工程により、各チャンネルのボリューム値または音量についても検出しているものとする。各チャンネルのボリューム値または音量は、後述する出力レベル信号の生成に用いられる。
【0076】
なお、図5および図6に示したフローチャートでは、マスター出力レベル調整ツマミ28、トリム調整ツマミ22、チャンネルフェーダー25およびクロスフェーダー27など、各操作子の設定(ボリューム値)に基づいて判別を行っているが、各操作子の設定によって可変する音量レベルに基づいて判別を行っても良い。この場合は、各音量レベルが所定のしきい値以上であるか否かによって判別することが好ましい。つまり、「各操作子の音量レベル≧所定のしきい値」を判別することで、無音の楽曲が再生された場合でも、正確にOnAir状態を判定することができる。これに対し、上記の例のように、各操作子のボリューム値に基づいて判別する場合は、「各操作子のボリューム値≧所定のしきい値」として判別を行うと、所定のしきい値=Minの場合、ボリューム値をMinにしてもOnAir状態と判定されてしまうため、「各操作子のボリューム値>所定のしきい値」として判別を行うことが好ましい。
【0077】
次に、図7のフローチャートを参照し、プレーヤー10の再生前処理について説明する。プレーヤー10(プレーヤー側制御手段110)は、デバイスDが挿入されると(S31)、そのデバイスDが記録指定デバイスDであるか否かを判別する(S32)。記録指定デバイスDである場合は(S32:Yes)、そのデバイスDに、再生履歴情報を記録するための記録用データベース60(図8参照)が作成済みであるか否かを判別する(S33)。記録用データベース60が作成済みの場合は(S33:Yes)、そのまま再生処理に移行する(S34)。一方、記録用データベース60が作成済みでない場合は(S33:No)、記録用データベース60を作成した後(S35)、再生処理に移行する(S34)。
【0078】
図8は、上記のフローチャートのS35において作成される記録用データベース60を示す図である。図8(a)は、記録用データベース60として、通常データベースのみを作成する場合の記録内容を示す図であり、図8(b)は、記録用データベース60として、通常データベースおよびOnAir専用データベースの2種類を作成する場合の記録内容を示す図である。
【0079】
図8(a)に示すように、通常データベースには、「曲情報」、「OnAirの有無」、「OnAir開始時間」および「OnAir終了時間」が記録される。「曲情報」としては、曲目(曲名)、アーティスト名、曲時間などが記録される。その他、ID3によって定義される各種情報(アルバム名、日付、コメントなど)を記録しても良い。また、「OnAirの有無」とは、各楽曲が実際にOnAirされたか否かを示す情報である。また、「OnAir開始時間」は、その楽曲のOnAir(ミキサー装置側再生信号出力手段230からの再生信号の出力)が開始された時間を指し、「OnAir終了時間」は、その楽曲のOnAirが終了された時間を指す。例えば、ある楽曲を、開始25秒から1分30秒まで演奏した場合、「OnAir開始時間=00h00m25s」、「OnAir終了時間=00h01m30s」と記録される。なお、同一楽曲の再生中に、OnAir信号の入力/非入力が繰り返された場合、「OnAir終了時間」は、最後にOnAir信号が非入力となった時間を指す。但し、OnAir信号の入力/非入力が繰り返されるたびに「OnAir開始時間」と「OnAir終了時間」を、順次記録するようにしても良い(図12(d),「曲B」の「OnAir開始時間」および「OnAir終了時間」参照)。
【0080】
なお、上記のように、通常データベースだけでなく、図8(b)に示すように、通常データベースおよびOnAir専用データベースの2種類のデータベースを作成するようにしても良い。この場合、OnAir専用データベースは、OnAirされた楽曲のみを対象として作成される。したがって、「OnAirの有無」については記録されない。なお、請求項における「通常記録手段」とは、通常データベースを作成することを指す。また、請求項における「外部出力専用記録手段」とは、OnAir専用データベースを作成することを指す。
【0081】
また、上記に示した情報以外に、「OnAir時間」、「OnAir開始時刻」および「OnAir終了時刻」などを記録可能としても良い。ここで、「OnAir時間」とは、OnAir状態となっていた時間を指す。例えば、ある楽曲を、開始25秒から1分30秒まで演奏した場合、「OnAir時間=00h01m05s」と記録される。また、「OnAir開始時刻」とは、OnAir開始時点の時刻を指し、「OnAir終了時刻」とは、OnAir終了時点の時刻を指す。例えば、ある楽曲を、夜11時から11時3分まで演奏した場合、「OnAir開始時刻=23:00」、「OnAir終了時刻=23:03」と記録される。
【0082】
次に、図9のフローチャートを参照し、プレーヤー10の再生履歴情報記録処理について説明する。プレーヤー10(プレーヤー側制御手段110)は、デバイスDから読み出した楽曲の再生を開始すると(S36)、ミキサー装置20からOnAir信号を受信しているか否かを判別する(S37)。ここで、OnAir信号を受信している場合は(S37:Yes)、OnAir時間の計測中であるか否かを判別し(S38)、OnAir時間の計測中でないと判別された場合は(S38:No)、OnAir開始時刻およびOnAir開始時間を記録する(S39)。その後、OnAir時間の計測を開始する(S40)。
【0083】
一方、OnAir時間の計測中の場合は(S38:Yes)、S39およびS40を省略する。また、S37において、OnAir信号を受信していないと判別された場合は(S37:No)、OnAir時間の計測中であるか否かを判別し(S41)、OnAir時間の計測中である場合は(S41:Yes)、OnAir時間の計測を終了し(S42)、OnAir終了時刻およびOnAir終了時間を記録する(S43)。また、S41において、OnAir時間の計測中でないと判別された場合は(S41:No)、S42およびS43を省略する。
【0084】
続いて、S40またはS43の後、別の楽曲に変更されたか、若しくは再生終了したかを判別する(S44)。これらのいずれでもない場合は(S44:No)、S37に戻り、これらのいずれかに該当する場合は(S44:Yes)、OnAir時間の計測中であるか否かを判別する(S45)。OnAir時間の計測中である場合は(S45:Yes)、OnAir時間の計測を終了し(S46)、OnAir終了時刻およびOnAir終了時間を記録する(S47)。また、OnAir時間の計測中でない場合は(S45:No)、S46およびS47を省略する。続いて、S47の後、OnAir時間の計測結果があるか否かを判別し(S48)、計測結果がある場合は(S48:Yes)、曲情報と共に各OnAir時間(およびそれらの累計時間)を記録し(S49)、処理を終了する。一方、OnAir時間の計測結果がない場合は(S48:No)、通常履歴記録を行う(S50)。つまり、一度もOnAir信号を受信しない場合は、ここで曲情報のみを記録する。
【0085】
なお、同一楽曲の再生中に、OnAir状態とOffAir状態とが繰り返された場合、最初のOnAir開始時刻・時間と最後のOnAir終了時刻・時間のみ記録するようにすれば、同じ楽曲が何度も繰り返し記録されることがない。これにより、記録する情報量を少なくすることができると共に、表示部11に再生履歴情報を表示した際、同じ楽曲が何度も繰り返し記録されることによる見づらさを解消することができる。また、OnAir状態とOffAir状態とが繰り返されるたびに、OnAir開始時刻・時間とOnAir終了時刻・時間とを記録するようにすれば、OnAir状態とOffAir状態の切り替えタイミングなど、詳細な情報を記録することができる。
【0086】
次に、図10を参照し、再生履歴情報の具体的な表示例について説明する。図10(a)は、再生リストの一例を示している。同図に示すように、以下の説明においては、「プレーヤー1」のUSBメモリから「曲A」がOffAir状態で再生され、続いて「プレーヤー1」のUSBメモリから「曲B」がOnAir状態で再生され、続いて「プレーヤー2」のUSBメモリから「曲C」がOnAir状態で再生され、続いて「プレーヤー1」のCDから「曲D」がOnAir状態で再生された場合について例示する。
【0087】
図10(b)は、プレーヤー10の表示部11に表示されるOnAir回数表示の一例を示す図であり、図10(c)は、同じくプレーヤー10の表示部11に表示される再生順序表示の一例を示す図である。なお、両表示の切り替えは、プレーヤー10のカーソルボタン16aやエンターボタン16bを用いて行われる(図2参照)。また、両図とも、「プレーヤー1」のUSBメモリが記録指定デバイスDとして指定され、当該USBメモリの記録用データベース60に記録されている再生履歴情報を表示した場合について例示している。
【0088】
図10(b)に示すように、OnAir回数表示としては、「プレーヤー1」のUSBメモリから再生された楽曲について、曲目、曲付随情報(メタデータ、曲情報に含まれる曲目以外の情報)およびOnAir回数を表示する。このように、第1実施形態に係るOnAir回数表示は、OnAirされていない楽曲(「曲A」)についても表示される(<通常版>)。なお、上記の通り、同一楽曲の再生中に、OnAir信号の入力/非入力が繰り返された場合でも、当該楽曲のOnAir回数は1回としてカウントされる。
【0089】
一方、図10(c)に示すように、再生順序表示としては、「プレーヤー1」のUSBメモリから再生された楽曲について、曲目、曲付随情報、OnAir開始時間およびOnAir終了時間を表示する。なお、OnAir時間、OnAir開始時刻およびOnAir終了時刻を表示する場合については、後述する。再生順序表示においても、OnAirされていない楽曲について表示するが、OnAirされたか否かを区別して表示する(<OnAir区別版>)。具体的には、OnAirされた楽曲のみ、その曲目にOnAirマーク71を付加して表示する。
【0090】
なお、所定のマークを付加する以外にも、OnAirされた楽曲とOnAirされていない楽曲の曲目を異なる表示色で表示したり、いずれか一方を点滅表示したり、アイコンを付加したりしても良い。すなわち、OnAirされた楽曲とOnAirされていない楽曲が、何らかの異なる表示形態で表示されることが好ましい。また、曲目以外の項目について、両楽曲の表示形態を変化させても良い。
【0091】
次に、図11を参照し、第1実施形態に係るOnAir回数表示および再生順序表示の変形例について説明する。図11(a)は、OnAir回数表示の変形例を示す図である。同図に示すように、「プレーヤー1」のUSBメモリから再生された楽曲のうち、OnAirされた楽曲のみを対象として、OnAir回数表示を行っても良い(<OnAir限定版>)。
【0092】
また、図11(b)および(c)は、再生順序表示の変形例を示す図である。図11(b)に示すように、「プレーヤー1」のUSBメモリから再生された楽曲について、OnAirされたか否かを区別することなく、再生順序表示を行っても良い(<通常版>)。また、図11(c)に示すように、「プレーヤー1」のUSBメモリから再生された楽曲のうち、OnAirされた楽曲のみに限定して再生順序表示を行っても良い(<OnAir限定版>)。
【0093】
なお、図8(b)に示したように、記録用データベース60として2種類のデータベースを作成した場合であって、<OnAir限定版>のOnAir回数表示(図11(a))および<OnAir限定版>の再生順序表示(図11(c))を行う場合は、OnAir専用データベースから読み出した再生履歴情報に基づいて、表示を行うようにしても良い。
【0094】
また、OnAir回数表示について、<通常版>と<OnAir限定版>のいずれで表示するか、再生順序表示について、<通常版>、<OnAir限定版>、<OnAir区別版>のいずれで表示するか、について、ユーザー設定手段170により設定可能としても良い。
【0095】
次に、図12を参照し、第1実施形態に係る再生順序表示の変形例について説明する。図10および図11の例では、再生順序表示として、OnAir開始時間およびOnAir終了時間を示したが、ここでは、OnAir時間、OnAir開始時刻およびOnAir終了時刻を表示する場合について説明する。例えば、図12(a),(b)に示すように、「曲B」が、再生時間t1からt2までの期間T1(50秒間)OnAir状態であり、再生時間t2からt3までの期間T2(1分30秒間)OffAir状態であり、再生時間t3からt4までの期間T3(1分10秒間)OnAir状態であったものとする。また、再生時間t1,t2,t3,t4の時点における絶対時刻が23:00:00,23:00:50,23:02:20,23:03:30であったものとする。
【0096】
この場合、図10(c)に示した再生順序表示<OnAir区別版>は、図12(c)に示すパターン1のように表示することができる。つまり、「プレーヤー1」のUSBメモリから再生された各楽曲について、OnAir開始時間およびOnAir終了時間の他に、OnAir時間、OnAir開始時刻およびOnAir終了時刻を表示する。ここで、「曲B」については、OnAirとOffAirとが繰り返されているため、OnAir時間は、OnAir状態であった再生時間t1からt2までの50秒間と、再生時間t3からt4までの1分10秒間と、の合計(2分間)となる。また、OnAir開始時刻としては、再生時間t1における絶対時刻(23:00:00)を表示し、OnAir終了時刻としては、再生時間t4における絶対時刻(23:03:30)を表示する。つまり、同一曲の再生中に、OnAirとOffAirが繰り返された場合は、最初のOnAir開始時刻と、最後のOnAir終了時刻を表示する。
【0097】
一方、OnAir時間、OnAir開始・終了時刻およびOnAir開始・終了時間については、OnAirとOffAirが繰り返されるたびに記録しても良い。この場合、再生順序表示<OnAir区別版>は、図12(d)に示すパターン2のように表示される。つまり、「曲B」について、再生時間t1からt2までの期間T1(50秒間)と、再生時間t3からt4までの期間T3(1分10秒間)と、が記録される。また、この場合、「曲B」の再生回数は、OnAir状態となった回数(上記の例では、2回)となる。
【0098】
なお、図12(c)に示したパターン1のように表示するか、図12(d)に示したパターン2のように表示するか、表示対象項目(OnAir時間、OnAir開始・終了時刻およびOnAir開始・終了時間のうち、いずれか1以上の項目)について、ユーザー設定手段170により設定可能としても良い。
【0099】
以上、説明したとおり、本発明の第1実施形態によれば、実際にOnAirされたか否かを考慮して、再生履歴情報を記録することができるため、当該再生履歴情報を、次回の選曲の検討やリコメンド機能に有効に利用することができる。また、予めキューシートを作成しておくなど事前準備の必要がないため、予定外の楽曲を再生した場合でも、支障なくその再生履歴を記録することができる。
【0100】
また、再生履歴情報記録手段150は、楽曲の再生元となるデバイスDに、その楽曲の再生履歴情報を記録するため、後に再生履歴情報に基づく再生を行う場合、楽曲の検索および再生が容易となる。また、再生履歴情報記録手段150は、OnAirの有無に関する情報を記録するため、ユーザーは、情報表示手段160の表示(OnAirマーク71の有無)から、その楽曲が実際にOnAirされたか否かを確認することができる。
【0101】
また、再生履歴情報は、USBメモリやSDメモリカードなどのデバイスDに記録されるため、持ち運びや管理が容易である。また、再生履歴情報は、プレーヤー10の表示部11で表示可能であるため、別途表示装置を用意しなくとも、その場で、再生履歴情報を確認することができる。
【0102】
なお、上記の実施形態では、デバイスDから楽曲(音声データ)を読み出す場合について例示したが、映像コンテンツ(映像データ)を読み出す場合にも適用可能である。つまり、「再生信号」は、音声信号および映像信号のいずれであっても良い。但し、この場合、出力装置30は、ディスプレイなどの表示装置となる。
【0103】
また、上記の実施形態において、通常データベースとOnAir専用データベースの2種類を作成する場合について説明したが(図8(b)参照)、記録用データベース60として、OnAir専用データベースのみを作成するようにしても良い。但し、OnAir専用データベースのみを作成する場合は、図9のフローチャートにおいて、S43およびS44を省略し、S41:Noの場合、S41に戻ることになる。さらに、S50:Yesの場合、S49に移行せず、S40に戻ることになる。この構成によれば、OnAirの対象となっていない楽曲の記録を省略できるため、実際にOnAirされた楽曲の再生履歴情報のみを記録したい場合に、便利である。また、ユーザー設定手段170により、作成するデータベースの種類を指定できるようにしても良い。
【0104】
また、上記の実施形態では、再生履歴情報を、表示部11に表示して確認する場合について説明したが、当該再生履歴情報は、デバイスDを読み取り可能なプレーヤー10以外の電子機器によって、表示または印刷出力することが可能である。これにより、プレーヤー10から離れた場所で、次回の演奏に利用する楽曲の検討、選曲のリコメンド機能、インターネットを利用した情報公開、別の会場の演奏に利用するためのプレイリストの作成、自宅の音楽プレーヤーやカーオーディオなどによる音楽再生などに、再生履歴情報を有効利用することができる。
【0105】
また、上記の実施形態では、OnAir信号の入力/非入力が繰り返された場合、当該楽曲のOnAir回数は1回としてカウントするものとしたが、所定時間を設けて、カウントの要否を判別しても良い。例えば、所定時間30秒以内にOnAir信号の入力/非入力が繰り返された場合はカウント対象外とし、それを超えた場合のみ、カウントの対象とするようにしても良い。また、この場合、ユーザー設定手段170により、「所定時間」について設定可能としても良い。
【0106】
[第2実施形態]
次に、図13ないし図18を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態では、楽曲の再生元となるデバイスDに、その楽曲の再生履歴情報を記録するものとしたが、本実施形態では、楽曲の再生元に拘わらず、再生された楽曲の再生履歴情報を記録指定デバイスDに記録する点で異なる。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
【0107】
図13は、第2実施形態に係る再生履歴情報の具体的な表示例を示す図である。本実施形態では、記録用データベース60(図8参照)に、自デバイスD以外のデバイスDから再生された楽曲の再生履歴情報についても記録されているものとする。
【0108】
図13(a)は、再生リストを示している(図10(a)と同様)。また、図13(b)は、第2実施形態に係るOnAir回数表示<通常版>の一例を示す図である。ここでは、「プレーヤー1」のUSBメモリが記録指定デバイスDとして指定された場合について例示しているが、本実施形態では、再生元が当該USBメモリである楽曲以外の楽曲(「曲C」および「曲D」)についても、記録されている。
【0109】
但し、情報表示手段160は、再生履歴情報を表示する際、記録指定デバイスDであるUSBメモリに記憶されていない楽曲(「曲C」および「曲D」)については、その曲目にunknownマーク72を付加して表示する。これにより、再生履歴情報が記録されているデバイスD内に、その楽曲が記録されていないことを、ユーザーに示すことができる。なお、例えば「プレーヤー2」のSDメモリカードから「曲A」を再生した場合であって、「プレーヤー1」のUSBメモリに記録されている再生履歴情報を表示した場合、USBメモリには「曲A」が記録されているため、unknownマーク72は付加されない。つまり、再生履歴情報の表示対象となっている記録指定デバイスD以外のデバイスDから読み出した楽曲であっても、同一楽曲が記録指定デバイスDに記録されている場合は、unknownマーク72を表示しない。同一楽曲であるか否かの判定は、曲情報の全一致または部分一致によって行う。
【0110】
なお、上記のように、unknownマーク72を付加して表示するのではなく、グレーアウトにして表示したりアイコンを付加したりしても良い。その他、再生履歴情報の表示対象となっている記録指定デバイスDから読み出した楽曲と、そうでない楽曲とを、異なる表示形態で表示することが好ましい。また、曲目以外の項目について、両楽曲を区別して表示しても良い。
【0111】
また、第2実施形態に係るOnAir回数表示では、OnAir回数を、自デバイスのみを対象としてカウントしたものと、他デバイスを含めてカウントしたものとに分けて表示する。当該表示は、楽曲を読み出したデバイスDが、自デバイス(再生履歴情報が記録されているデバイスD)であるか否かによって、区別されている。これにより、ユーザーは、自デバイスに記憶されている楽曲の使用状況と、他デバイスを含めた楽曲の使用状況と、をそれぞれ把握することができる。
【0112】
図13(c)は、第2実施形態に係る再生順序表示<OnAir区別版>の一例を示す図である。同図に示すように、再生順序表示でも、上記のOnAir回数表示と同様に、再生元が当該USBメモリである楽曲以外の楽曲(「曲C」および「曲D」)についても、表示対象となっている。また、再生履歴情報の表示対象となっている記録指定デバイスDに記録されていない楽曲については、unknownマーク72を付加して表示する。さらに、第1実施形態と同様に、OnAirされた楽曲のみ、OnAirマーク71を付加して表示する。なお、図13(c)では、OnAir開始時間およびOnAir終了時間のみを図示しているが、OnAir時間、OnAir開始時刻およびOnAir終了時刻を表示する場合にも、本例を適用可能である。
【0113】
図14(a)ないし(c)は、第2実施形態に係るOnAir回数表示および再生順序表示の変形例を示す図である。変形例においても、再生履歴情報の表示対象となっている記録指定デバイスDに記録されていない楽曲については、全てunknownマーク72を付加して表示する。図14(a)は、OnAir回数表示の変形例<OnAir限定版>を示している。本例では、「プレーヤー1」のUSBメモリ以外から読み出された楽曲(「曲C」および「曲D」)についても表示するが、OnAirされた楽曲のみを対象としている。
【0114】
また、図14(b)は、再生順序表示<通常版>の変形例を示している。本例では、OnAirされたか否かを区別することなく、再生順序表示を行っている。また、図14(c)は、再生順序表示<OnAir限定版>の変形例を示している。本例では、OnAirされた楽曲のみに限定して再生順序表示を行っている。
【0115】
なお、本実施形態においても、図8(b)に示したように、記録用データベース60として2種類のデータベースを作成した場合であって、<OnAir限定版>のOnAir回数表示(図14(a)参照)および<OnAir限定版>の再生順序表示(図14(c)参照)を行う場合は、OnAir専用データベースから読み出した再生履歴情報に基づいて、表示を行うようにしても良い。
【0116】
また、OnAir回数表示について、<通常版>と<OnAir限定版>のいずれで表示するか、再生順序表示について、<通常版>、<OnAir限定版>、<OnAir区別版>のいずれで表示するか、について、ユーザー設定手段170により設定可能としても良い。さらに、再生履歴情報の表示対象となっている記録指定デバイスD以外のデバイスDから読み出した楽曲を記録対象とするか否か(第1実施形態を採用するか第2実施形態を採用するか)についても、ユーザー設定手段170により設定可能としても良い。
【0117】
また、上記の実施形態では、ユーザーによって指定された記録指定デバイスDに対して、再生履歴情報を記録するものとしたが、プレーヤー10毎に予め定められたデバイスDを記録対象としても良い。また、記録可能な全てのデバイスD(装着されている全てのデバイスD)を記録対象としても良い。
【0118】
また、上記の実施形態では、プレーヤー10に着脱可能なデバイスDに対して再生履歴情報を記録するものとしたが、プレーヤー10内にハードディスクなど着脱不可能な内部記憶媒体を搭載している場合は、当該ハードディスク内に再生履歴情報を記録するようにしても良い。
【0119】
次に、図15ないし図18を参照し、第2実施形態に係る再生装置1の再生履歴情報記録処理について説明する。図15は、再生履歴情報記録処理(1)を示すフローチャートである。ここでは、ミキサー装置20に、2台のプレーヤー10(「プレーヤー1」および「プレーヤー2」)が接続されており、そのうち「プレーヤー1」によって楽曲が再生されたものとして説明する。
【0120】
図15の例は、ミキサー装置20が、曲情報を配信することを特徴としている。まず、「プレーヤー1」は、楽曲を再生開始すると(S51)、当該楽曲の曲情報をミキサー装置20に送信する(S52)。ミキサー装置20は、曲情報を受信すると(S53)、接続されている各プレーヤー10のOnAir状態を判別し(S54)、各プレーヤー10に対して、記録情報(曲情報およびOnAir信号)を配信する(S55)。「プレーヤー1」は、ミキサー装置20から記録情報を受信すると(S56)、「プレーヤー1」内に記録指定デバイスDがあるか否かを判別し、ある場合には、受信した記録情報に基づいて、当該記録指定デバイスD内の記録用データベース60に再生履歴情報を記録する(S57)。一方、「プレーヤー2」も、ミキサー装置20から記録情報を受信すると(S58)、「プレーヤー2」内に記録指定デバイスDがあるか否かを判別し、ある場合には、受信した記録情報に基づいて、当該記録指定デバイスD内の記録用データベース60に再生履歴情報を記録する(S59)。
【0121】
なお、上記のフローチャートでは、曲情報の配信に関連する工程のみ示しているが、ミキサー装置20からは、定期的に、OnAir状態を示す情報(OnAir信号)が各プレーヤー10に配信され、各プレーヤー10は、当該OnAir状態を示す情報に基づいて、OnAir開始時間やOnAir終了時間を記録用データベース60に記録する。以下、図16ないし図18についても、同様である。
【0122】
図16は、再生履歴情報記録処理(2)を示すフローチャートである。本例は、楽曲を再生する「プレーヤー1」が、曲情報を配信することを特徴としている。まず、「プレーヤー1」は、楽曲を再生開始すると(S61)、当該楽曲の曲情報を、接続されている各プレーヤー10に対して配信する(S62)。この場合、「プレーヤー1」は、ミキサー装置20を介して、ミキサー装置20に接続されている全てのプレーヤー10に、曲情報を配信する。また、「プレーヤー2」は、「プレーヤー1」から配信された曲情報を受信する(S63)。なお、「プレーヤー1」は、ミキサー装置20から転送された曲情報を受信しても良いし、「プレーヤー1」内で曲情報の移送を行っても良い。
【0123】
一方、ミキサー装置20は、接続されている各プレーヤー10のOnAir状態を判別し(S64)、各プレーヤー10に対して、OnAir信号を送信する(S65)。「プレーヤー1」は、ミキサー装置20からOnAir信号を受信すると(S66)、「プレーヤー1」内に記録指定デバイスDがあるか否かを判別し、ある場合には、取得した(ミキサー装置20から受信した、または「プレーヤー1」内で移送された)曲情報と、S66で受信したOnAir信号と、に基づいて、再生履歴情報を記録する(S67)。一方、「プレーヤー2」も、ミキサー装置20からOnAir信号を受信すると(S68)、「プレーヤー2」内に記録指定デバイスDがあるか否かを判別し、ある場合には、S63で受信した曲情報と、S68で受信したOnAir信号と、に基づいて、再生履歴情報を記録する(S69)。
【0124】
図17は、再生履歴情報記録処理(3)を示すフローチャートである。本例は、ミキサー装置20が曲情報を配信する点において図15と同様であるが、OnAir専用データベースのみを作成する場合を示している。ここでは、「プレーヤー1」および「プレーヤー2」共に、OnAir状態であるものとして説明する。まず、「プレーヤー1」は、楽曲を再生開始すると(S71)、当該楽曲の曲情報を、ミキサー装置20に送信する(S72)。ミキサー装置20は、曲情報を受信すると(S73)、接続されている各プレーヤー10のOnAir状態を判別し(S74)、OnAir状態のプレーヤー10に対して、曲情報を配信する(S75)。
【0125】
「プレーヤー1」は、ミキサー装置20から曲情報を受信すると(S76)、「プレーヤー1」内に記録指定デバイスDがあるか否かを判別し、ある場合には、当該記録指定デバイスDに曲情報を記録する(S77)。一方、「プレーヤー2」も、ミキサー装置20から曲情報を受信すると(S78)、「プレーヤー2」内に記録指定デバイスDがあるか否かを判別し、ある場合には、当該記録指定デバイスDに曲情報を記録する(S79)。
【0126】
図18は、再生履歴情報記録処理(4)を示すフローチャートである。本例は、楽曲を再生する「プレーヤー1」が曲情報を配信する点において図16と同様であるが、OnAir専用データベースのみを作成する場合を示している。ここでも、図17と同様に、「プレーヤー1」および「プレーヤー2」共に、OnAir状態であるものとして説明する。まず、「プレーヤー1」は、楽曲を再生開始すると(S81)、要求信号(各プレーヤー10のOnAir状態を示す情報の送信を要求する信号)を、ミキサー装置20に送信する(S82)。ミキサー装置20は、要求信号を受信すると(S83)、接続されている各プレーヤー10のOnAir状態を判別し(S84)、再生元のプレーヤー10(「プレーヤー1」)に、各プレーヤー10のOnAir状態を示す情報を送信する(S85)。
【0127】
「プレーヤー1」は、ミキサー装置20から、各プレーヤー10のOnAir状態を示す情報を受信すると(S86)、OnAir状態のプレーヤー10に対して、曲情報を配信する(S87)。この場合、「プレーヤー1」は、ミキサー装置20を介して曲情報を配信する。続いて、「プレーヤー1」は、「プレーヤー1」内に記録指定デバイスDがあるか否かを判別し、ある場合には、「プレーヤー1」内で移送された曲情報を当該記録指定デバイスDに記録する(S88)。一方、「プレーヤー2」は、「プレーヤー1」から曲情報を受信すると(S89)、「プレーヤー2」内に記録指定デバイスDがあるか否かを判別し、ある場合には、受信した曲情報を当該記録指定デバイスDに記録する(S90)。
【0128】
以上、説明したとおり、本発明の第2実施形態によれば、どのデバイスDから読み出された楽曲であるかに拘わらず、ユーザーによって指定された記録指定デバイスDに再生履歴情報を記録することができるため、クラブ等におけるDJの演奏履歴や放送履歴を記録する場合に、便利である。
【0129】
また、情報表示手段160は、再生履歴情報の表示対象となっている記録指定デバイスDに記憶されている楽曲と、そうでない楽曲と、を区別して表示部11に表示するため、ユーザーは、表示された再生履歴情報から、各楽曲が同一のデバイスD内に記憶されているのか否かを把握することができる。
【0130】
なお、上記第1実施形態および第2実施形態では、プレーヤー10において、再生履歴情報を記録する場合について例示したが、ミキサー装置10において、再生履歴情報を記録しても良い。つまり、再生履歴情報記録手段150を、ミキサー装置10内に備える構成としても良い。この場合、ミキサー装置10に、デバイスDを装着可能であることが好ましい。また、ユーザー設定手段170についても、ミキサー装置10内に備えても良い。
【0131】
また、上記の各実施形態では、記録対象となるデバイスDから読み出した楽曲のみを対象として再生履歴情報を記録する場合(第1実施形態)と、記録対象となるデバイスDから読み出した楽曲であるか否かに拘わらず、再生された楽曲の再生履歴情報を記録指定デバイスDに記録する場合(第2実施形態)と、を例示したが(デバイスD単位で区別したが)、プレーヤー10単位で区別しても良い。すなわち、記録対象となるデバイスDが装着されたプレーヤー10によって再生された楽曲のみを対象として再生履歴情報を記録しても良い。また、第2実施形態の応用として、記録対象となるデバイスDが装着されたプレーヤー10によって再生された楽曲であるか否かに拘わらず、全てのプレーヤー10で再生された楽曲を対象として再生履歴情報を記録するが、記録対象となるデバイスDが装着されたプレーヤー10によって再生された楽曲であるか否かを区別して表示可能としても良い。
【0132】
また、上記の各実施形態に示した再生装置1(プレーヤー10やミキサー装置20)の各構成要素をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを各種記憶媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターをプレーヤー10やミキサー装置20の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記憶媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【0133】
また、上記の実施形態に示したプレーヤー10やミキサー装置20を、DJ機器以外の電子楽器やコンピューターに適用しても良い。また、再生装置1を、プレーヤー10およびミキサー装置20によって構成するのではなく、1台の装置として構成しても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0134】
1…再生装置 10…プレーヤー 11…表示部 12…ジョグダイヤル 12b…ジョグLED 13…CD挿入口 13a…CD用イジェクトボタン 14…USBメモリスロット 14a…USBメモリ用イジェクトボタン 15…SDメモリカードスロット 15a…SDメモリカード用イジェクトボタン 20…ミキサー装置 21…チャンネル切替スイッチ 22…トリム調整ツマミ 25…チャンネルフェーダー 26…クロスフェーダーアサインスイッチ 27…クロスフェーダー 28…マスター出力レベル調整ツマミ 30…出力装置 31…アンプ 32…スピーカー 60…記録用データベース D…デバイス SY…再生システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを再生する再生手段と、
前記再生手段による再生信号の出力レベルを調整する出力レベル調整手段と、
前記出力レベル調整手段の調整結果に応じて、前記再生信号を外部に出力する外部出力手段と、
前記再生手段により再生されたコンテンツの再生履歴を示す再生履歴情報を記録する再生履歴情報記録手段と、を備え、
前記再生履歴情報記録手段は、前記出力レベル調整手段による前記出力レベルの調整結果に応じて、各コンテンツの前記再生履歴情報を記録することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記再生履歴情報記録手段は、前記外部出力手段により前記再生信号が外部に出力されたか否かに応じて、各コンテンツの前記再生履歴情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記再生手段は、第1の記憶媒体から読み出したコンテンツを再生し、
前記再生履歴情報記録手段は、前記再生履歴情報を、前記第1の記憶媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
前記再生手段は、複数の記憶媒体から前記コンテンツを読み出して再生することが可能であり、
前記再生履歴情報記録手段は、どの記憶媒体から読み出されたコンテンツであるかに拘わらず、前記再生手段により再生されたコンテンツの前記再生履歴情報を、前記複数の記憶媒体のうち所定の記憶媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項5】
前記再生履歴情報の記録対象となる前記所定の記憶媒体を指定するユーザー設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の再生装置。
【請求項6】
前記再生履歴情報記録手段は、前記再生履歴情報の一部として、各コンテンツの前記再生信号が、前記外部出力手段により外部に出力されたか否かに関する情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項7】
前記再生履歴情報記録手段は、前記外部出力手段により前記再生信号が外部に出力されたコンテンツのみを対象として、前記再生履歴情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項8】
前記再生履歴情報記録手段は、前記外部出力手段により前記再生信号が外部に出力されたコンテンツのみを対象として、前記再生履歴情報を記録する外部出力専用記録手段と、前記外部出力手段により前記再生信号が外部に出力されたか否かに拘わらず、各コンテンツの前記再生履歴情報を記録する通常記録手段と、を有することを特徴とする請求項7に記載の再生装置。
【請求項9】
前記外部出力専用記録手段および前記通常記録手段のうち、いずれを機能させるか、若しくは両方を機能させるか否か、について設定するユーザー設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の再生装置。
【請求項10】
前記再生履歴情報記録手段は、同一コンテンツの再生中に、前記外部出力手段による前記再生信号の出力/非出力が繰り返された場合、当該コンテンツの出力回数を1回または繰り返し数に相当する回数として、前記再生履歴情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項11】
前記記憶媒体は、再生装置に着脱可能な外部記憶媒体であることを特徴とする請求項3または4に記載の再生装置。
【請求項12】
前記再生履歴情報記録手段により記録された各コンテンツの前記再生履歴情報を表示する情報表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項13】
前記再生手段は、複数の記憶媒体から前記コンテンツを読み出して再生することが可能であり、
前記再生履歴情報表示手段は、表示対象の前記再生履歴情報が記録されている記憶媒体から読み出したコンテンツと、表示対象の前記再生履歴情報が記録されている記憶媒体以外の記憶媒体から読み出したコンテンツと、を区別して、各コンテンツの前記再生履歴情報を表示することを特徴とする請求項12に記載の再生装置。
【請求項14】
前記再生手段および前記再生履歴情報記録手段を有するプレーヤーと、
前記プレーヤーと接続され、前記出力レベル調整手段および前記外部出力手段を有するミキサー装置と、から成ることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項15】
ミキサー装置に対し、再生信号を出力するプレーヤーであって、
コンテンツを再生する再生手段と、
前記再生手段による再生信号を、前記ミキサー装置に対して出力する再生信号出力手段と、
前記再生信号出力手段により出力した再生信号が前記ミキサー装置により外部出力されていることを示すOnAir情報を、前記ミキサー装置から入力するOnAir情報入力手段と、
前記OnAir情報入力手段により入力された前記OnAir情報に基づいて、前記再生手段により再生されたコンテンツの再生履歴を示す再生履歴情報を記録する再生履歴情報記録手段と、を備えたことを特徴とするプレーヤー。
【請求項16】
再生したコンテンツの再生履歴を示す再生履歴情報を記録する再生装置の再生履歴情報記録方法であって、
前記再生装置が、
前記コンテンツを再生するステップと、
前記コンテンツを再生した再生信号の出力レベルを調整するステップと、
前記出力レベルの調整結果に応じて、各コンテンツの前記再生履歴情報を記録するステップと、を実行することを特徴とする再生装置の再生履歴情報記録方法。
【請求項17】
ミキサー装置に対し、再生信号を出力するプレーヤーの再生履歴情報記録方法であって、
前記プレーヤーが、
コンテンツを再生するステップと、
前記コンテンツを再生した再生信号を、前記ミキサー装置に対して出力するステップと、
出力した前記再生信号が前記ミキサー装置により外部出力されていることを示すOnAir情報を、前記ミキサー装置から入力するステップと、
入力された前記OnAir情報に基づいて、再生したコンテンツの再生履歴を示す再生履歴情報を記録するステップと、を実行することを特徴とするプレーヤーの再生履歴情報記録方法。
【請求項18】
コンピューターに、請求項16に記載の再生装置の再生履歴情報記録方法における各ステップ、または請求項17に記載のプレーヤーの再生履歴情報記録方法を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−262723(P2010−262723A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115042(P2009−115042)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】