説明

再生装置、再生方法及び再生装置制御プログラム

【課題】ユーザの利便性を向上させた再生装置、再生方法及び再生装置制御プログラムを提供する。
【解決手段】チャプター削除機能がオンになっている場合には(ステップS22;Yes)、コンテンツの再生中に、そのコンテンツをチャプターに分割する(ステップS25)。そして、再生終了時に再生済みのチャプターを削除する旨が選択された場合(ステップS29;Yes)、再生済みのチャプターの一部を残して削除するとともに、残した部分と再生が完了していない部分とを連結して記憶する(ステップS30)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置、再生方法及び再生装置制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のチャプターに別れた動画ファイルを記憶し、チャプター毎に動画ファイルを再生することができる装置が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1の装置では、動画ファイルをチャプター単位で削除することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−226924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、チャプター単位で削除を行うため、削除したチャプターの内容を確認することが困難である。また、元の動画ファイルに対してどこまで削除したかをユーザに提示する手段を持たないため、部分的に削除された動画ファイルなのか否かを確認することができない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、ユーザの利便性を向上させた再生装置、再生方法及び再生装置制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る再生装置は、
コンテンツのデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータのうち一のコンテンツのデータを再生する再生部と、
前記一のコンテンツのデータのうち、前記再生部により再生された部分を所定時間毎にチャプターとして分割する分割部と、
前記再生部による再生が停止されたときに、前記分割部により分割されたチャプター毎にデータを削除する削除部と、
前記削除部の削除により削除されていない部分のデータを、前記一のコンテンツのデータに置き換えて前記記憶部に記憶するチャプター削除データ記憶部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記削除部は、前記分割部により分割されたチャプター毎に、チャプターの一部のデータを残して削除し、
前記削除部が削除せずに残した各チャプターの一部のデータと、前記再生部による再生が停止されたときに、前記分割部により前記チャプターとして分割されていなかった部分のデータとを連結する連結部をさらに有し、
前記記憶部は、前記連結部が連結したデータを、前記一のコンテンツのデータに置き換えて前記記憶部に記憶するようにしてもよい。
【0008】
また、前記再生部は、前記連結部が連結したデータを再生するときには、各チャプターの一部のデータを再生した後に、前記チャプターとして分割されていなかった部分のデータを再生するようにしてもよい。
【0009】
また、前記削除部は、前記再生部による再生が停止されたときに、前記分割部により分割されたチャプター毎に、チャプターの先頭から所定時間のデータを残して削除するようにしてもよい。
【0010】
本発明の第2の観点に係る再生方法は、
記憶部に記憶されたデータのうち一のコンテンツのデータを再生する再生ステップと、
前記一のコンテンツのデータのうち、前記再生ステップで再生された部分を所定時間毎にチャプターとして分割する分割ステップと、
前記再生ステップにおける再生が停止されたときに、前記分割ステップで分割されたチャプター毎にデータを削除する削除ステップと、
前記削除ステップにおける削除により削除されていない部分のデータを、前記一のコンテンツのデータに置き換えて前記記憶部に記憶するチャプター削除データ記憶ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の観点に係る再生装置制御プログラムは、
コンピュータを、
記憶部に記憶されたデータのうち一のコンテンツのデータを再生する再生部、
前記一のコンテンツのデータのうち、前記再生部により再生された部分を所定時間毎にチャプターとして分割する分割部、
前記再生部による再生が停止されたときに、前記分割部により分割されたチャプター毎にデータを削除する削除部、
前記削除部の削除により削除されていない部分のデータを、前記一のコンテンツのデータに置き換えて前記記憶部に記憶するチャプター削除データ記憶部、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、再生装置におけるユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】記憶部に記憶される映像音声データの一例を示す図である。
【図3】再生装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】セットアップ処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】コンテンツ再生処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】チャプター削除処理の具体例を説明するための図である。
【図7】記憶部に記憶される映像音声データの具体例を示す図である。
【図8】再生装置に記憶されるコンテンツの一覧の表示イメージである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る再生装置100の構成を示すブロック図である。
【0015】
この再生装置100は、受信部1、復調部2、A/D変換部3、圧縮処理部4、記憶部5、伸張処理部6、OSD(オンスクリーンディスプレイ)部7、D/A変換部9、音声出力装置10、RAM(Random Access Memory)13、フラッシュROM(Read Only Memory)14、制御部15、キー入力部16、キー受信部17を備える。
【0016】
受信部1は、アンテナで受信したテレビ放送を選局するためのチューナを有する。復調部2は、この受信部1が受信したテレビ放送のRF(Radio Frequency)信号をTS(Transport Stream)信号に変換する。
【0017】
A/D変換部3は、外部から入力されてくるアナログ映像音声信号をデジタル映像音声信号に変換する。圧縮処理部4は、復調部2からのTS信号に対してデマルチプレクサ処理を行う。また、圧縮処理部4は、A/D変換部3で変換されたデジタル映像音声信号をMPEG等の各種圧縮方式で圧縮処理する。
【0018】
記憶部5は、圧縮処理部4で圧縮処理された映像音声データを記憶する。記憶部5は、HDD(ハードディスクドライブ)或いは内蔵メモリ或いは外部メモリ(カード型のメディア等)から構成される。図2は、記憶部5に記憶される映像音声データの一例を示す図である。図2に示すように、記憶部5には、映像音声データのコンテンツのデータに対応付けて、タイトルや再生時間(元ファイル再生時間、チャプター削除後再生時間)などの付加情報を記憶する。
【0019】
伸張処理部6は、記憶部5から読み出した映像音声データを元の映像音声データに復元する。
【0020】
OSD(オンスクリーンディスプレイ)部7は、伸張処理部6が復元した映像音声データのうち映像データを表示可能な映像信号に変換する。そして、OSD部7は、変換した映像信号をディスプレイ装置8に供給する。ディスプレイ装置8は、テレビや液晶モニタなどであり、OSD部7から供給される映像信号に対応した映像を表示する。なお、この実施の形態では、ディスプレイ装置8は、再生装置100の外部にある構成となっているが、再生装置100とディスプレイ装置8とが一体となっていてもよい。
【0021】
D/A変換部9は、伸張処理部6で復元した映像音声データのうち音声データをデジタル信号からアナログ信号に変換して音声出力装置10に出力する。音声出力装置10は、接続されたスピーカ11或いはヘッドホン12にD/A変換部9から出力された音声データを出力する。
【0022】
RAM13は、圧縮処理部4による圧縮処理時や伸張処理部6による伸張処理時に映像音声データを一時的に格納する。フラッシュROM14は、制御部15の処理に必要なプログラムやデータなどを記憶する。制御部15は、装置全体の動作を制御する。制御部15は、CPUなどから構成される。
【0023】
キー入力部16は、この制御部15に各種キー操作信号を入力する。キー受信部17は、リモコン18からの赤外線の各種キー操作信号を受信し、制御部15に各種キー操作信号を入力する。リモコン18は、再生装置100を遠隔操作するための装置である。
【0024】
図3は、この実施形態の再生装置100(より具体的には制御部15)の機能を示す機能ブロック図である。再生装置100は、記憶部5に記憶される映像音声データ(コンテンツ)を再生し、映像データをディスプレイ装置8に出力し、音声データをスピーカ11或いはヘッドホン12に出力する機能(再生機能101)を有する。また、ユーザの設定に応じて、受信部1で受信したテレビ放送を記憶部5に記憶(録画)する機能(録画機能102)を有する。この実施形態の再生装置100は、一般的な再生装置が有するこのような再生機能101、録画機能102に加えて、以下のような機能を有する。
【0025】
再生装置100は、再生した映像音声データ(コンテンツ)を予め定められた設定時間ごとにチャプターとして分割する機能(チャプター分割機能103)を有する。
【0026】
また、再生装置100は、コンテンツの再生終了時に、再生済みのチャプターはその一部のデータを残して削除する機能(チャプター削除機能104)を有する。なお、この機能は、ユーザの設定によりオン・オフできるようになっている。
【0027】
そして、再生装置100は、再生済みのチャプターの一部のデータを残して削除した場合には、当該一部のデータと、未再生の部分のデータと、を連結して、コンテンツを記憶部5に記憶する機能(データ連結機能105)を有する。
【0028】
なお、ここに挙げた機能は再生装置100の主な機能であり、再生装置100は、これら以外の機能を有していてもよい。
【0029】
このような機能を実装することで、コンテンツの再生済みのチャプターについては、順次削除されるため、記憶部5の容量を好適に確保することができる。また、削除済みのチャプターについては、その一部のデータが削除されずに残るため、ユーザが再生を再開したときには、その一部のデータを視聴することで再生済みの内容を把握可能になる。また、再生済みのチャプターを削除したコンテンツについては、再生するコンテンツを選択するときなどに再生済みのチャプターを削除したコンテンツであるか否かを示す情報を表示する。これにより、ユーザはそのコンテンツが一部のチャプターが削除されたものであるか否かを把握することができる。従って、ユーザが記憶部5に記憶されたコンテンツを削除する際に、途中まで視聴したコンテンツを誤って削除することを防止できる。また、途中まで視聴したが、内容がつまらなかった場合など、続きを視聴しない場合に削除するか否かの判断ができるようになる。
【0030】
続いて、本実施形態の再生装置100の動作について説明する。まず、再生装置100の機能(チャプター削除機能)を設定(セットアップ)する際の動作について説明する。図4は、再生装置100の機能(チャプター削除機能)を切り替えるためのセットアップ処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0031】
セットアップ処理では、制御部15は、先ず、リモコン18またはキー入力部16により、セットアップ画面を表示させるための操作が行われたか否かを判別する(ステップS11)。制御部15は、キー入力部16またはキー受信部17から送信される操作信号に基づいて、いずれの操作が行われたかの判別を行う。セットアップ画面を表示させるための操作が行われなければ(ステップS11;No)、本処理を終了する。
【0032】
制御部15は、セットアップ画面を表示させるための操作が行われたと判別すると(ステップS11;Yes)、フラッシュROM14に予め記憶されているセットアップ画面のデータを読み出してOSD部7に送り、OSD部7によりセットアップ画面表示信号に変換してディスプレイ装置8にセットアップ画面を表示させる(ステップS12)。
【0033】
セットアップ画面が表示された状態において、制御部15は、リモコン18またはキー入力部16により、チャプター削除機能をオンさせるための操作が行われたか否かを判別する(ステップS13)。
【0034】
制御部15は、チャプター削除機能をオンさせるための操作が行われたと判別すると(ステップS13;Yes)、フラッシュROM14に格納されるチャプター削除フラグをオンにセットし(ステップS14)、本処理を終了する。なお、チャプター削除フラグは、チャプター削除機能がオンであるかオフであるかを判別するためのフラグである。
【0035】
制御部15は、チャプター削除機能をオンさせるための操作が行われていないと判別すると(ステップS13;No)、チャプター削除機能をオフさせるための操作が行われたか否かを判別する(ステップS15)。
【0036】
制御部15は、チャプター削除機能をオフさせるための操作が行われたと判別すると(ステップS15;Yes)、フラッシュROM14に格納されるチャプター削除フラグをオフにリセットし(ステップS16)、本処理を終了する。
【0037】
制御部15は、チャプター削除機能をオフさせるための操作が行われていないと判別すると(ステップS15;No)、リモコン18またはキー入力部16により、その他のセットアップ操作が行われたか否かを判別する(ステップS17)。
【0038】
制御部15は、その他のセットアップ操作が行われたと判別すると(ステップS17;Yes)、その操作に応じた処理を実行して(ステップS18)、本処理を終了する。制御部15は、その他のセットアップ操作が行われていないと判別すると(ステップS17;No)、ステップS13に戻り、各種のセットアップ操作を受け付ける状態に戻る。なお、ステップS14、S16、S18の処理の後、ステップS13に戻って、各種のセットアップ操作を受け付ける状態に戻るようにしてもよい。
【0039】
続いて、再生装置100において、記憶部5に記憶されるコンテンツを再生する場合の動作について説明する。図5は、再生装置100の記憶部5に記憶されるコンテンツを再生する際の、コンテンツ再生処理の動作を説明するためのフローチャートである。ここでは、記憶部5に複数のテレビ番組やビデオなどの映像音声データ(コンテンツ)が予め記憶(録画)されているものとして説明する。
【0040】
コンテンツ再生処理において、制御部15は、先ず、リモコン18またはキー入力部16により、コンテンツを再生させるための操作が行われたか否かを判別する(ステップS21)。ユーザは、リモコン18またはキー入力部16によりコンテンツのタイトルを指定して再生を指示することができる。コンテンツを再生させるための操作が行われない場合(ステップS21;No)、本処理を終了する。
【0041】
制御部15は、コンテンツを再生させるための操作が行われたと判別すると(ステップS21;Yes)、フラッシュROM14に格納されるチャプター削除フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS22)。
【0042】
制御部15は、チャプター削除フラグがオンであると判別すると(ステップS22;Yes)、指定されたコンテンツの映像音声データの再生を開始させる(ステップS23)。この再生した映像音声データのうち映像データは、伸張処理部6およびOSD部7で前述した所定の処理がされ、ディスプレイ装置8にコンテンツの映像が表示される。また、この再生した映像音声データのうち音声データは、伸張処理部6およびD/A変換部9で前述した所定の処理がされ、音声出力装置10を介してスピーカ11或いはヘッドホン12から音声が出力される。
【0043】
このようにしてコンテンツが再生されているときに、制御部15は、その再生時間を図示せぬタイマなどにより計時し、再生時間が所定の設定時間(例えば10分)を経過したか否かを判定する(ステップS24)。この実施形態では、コンテンツはこの設定時間ごとに1つのチャプターとして分割される。そして、コンテンツの先頭から順番に各チャプターにチャプター番号が割り振られる。ステップS24における設定時間は、例えば、図4のステップS17でユーザが任意の時間が設定できるようにすればよい。
【0044】
そして、制御部15は、再生時間が設定時間を経過したと判別すると(ステップS24;Yes)、再生が行われているコンテンツの映像音声データのうち、直前の設定時間の部分をチャプターとして分割し、この分割したチャプターの番号を削除チャプター番号としてフラッシュROM14に記憶する(ステップS25)。即ち、映像音声データのうち再生が終了したチャプターの部分は、削除の対象になるので、最後のチャプターの番号を削除チャプター番号として、フラッシュROM14に記憶させておく。なお、ステップS25でチャプター分割を行ったときには、タイマをリセットして再度設定時間の計時を開始する。
【0045】
コンテンツの再生中において、制御部15は、リモコン18またはキー入力部16により、コンテンツの再生を停止させるための操作が行われたか否かを判別する(ステップS26)。
【0046】
制御部15は、コンテンツの再生を停止させるための操作が行われていないと判別した場合(ステップS26;No)、コンテンツの再生が最後まで行われて再生が終了したか否かを判別する(ステップS27)。コンテンツの再生が終了していないと判別した場合(ステップS27;No)、ステップS24に戻り、コンテンツの再生を継続し、設定時間の経過などを判別する。
【0047】
制御部15は、コンテンツの再生を停止させるための操作が行われたと判別した場合や(ステップS26;Yes)、コンテンツの再生が終了したと判別した場合は(ステップS27;Yes)、フラッシュROM14に予め記憶されている削除選択画面データを読み出してOSD部7に送り、OSD部7により削除選択画面表示信号に変換してディスプレイ装置8に削除選択画面を表示させる(ステップS28)。削除選択画面は、ユーザが再生済みのチャプターを削除するか否かを選択できる画面であればよい。
【0048】
そして、制御部15は、リモコン18またはキー入力部16により、コンテンツを直前のチャプターまで削除する旨が選択されたか否かを判別する(ステップS29)。コンテンツを直前のチャプターまで削除する旨が選択されなかったと判別すると(ステップS29;No)、本処理を終了する。
【0049】
制御部15は、コンテンツを直前のチャプターまで削除する旨が選択されたと判別すると(ステップS29;Yes)、チャプター削除処理を実行する(ステップS30)。チャプター削除処理では、制御部15は、フラッシュROM14から削除チャプター番号を読み出して、再生が終了したチャプターを先頭フレーム(例えばチャプターの最初から10秒の映像音声データ)を抽出し、残りの部分のデータを削除し、各先頭フレームとコンテンツの残りの部分とを連結する。
【0050】
例えば、図6に示すように、コンテンツをチャプター番号N6まで分割し、コンテンツを再生している途中で再生が停止したとき、削除チャプター番号N6がフラッシュROM14に記憶されていることになる。従って、ステップS12では、制御部15が、削除チャプター番号N6をフラッシュROM14から読み出して、この削除チャプター番号N6に基づいて、チャプター番号N1〜N6のチャプターの先頭フレームを抽出し、当該先頭フレームを除いた部分を削除する。そして、N1〜N6の先頭フレームとそれ以降のコンテンツのデータとを連結する。なお、ステップS27において、コンテンツの再生が終了したと判別した場合には、当該コンテンツのデータを全て削除するようにしてもよい。
【0051】
ステップS30の後には、制御部15は、残りのコンテンツの再生時間(あるいは、それに削除済みのチャプターの先頭フレームの再生時間を加えた時間)を計算し、コンテンツにその時間を対応付けて記憶させる(ステップS31)。その後、この処理を終了する。
【0052】
以上のように、再生済みのチャプターについて、各先頭フレームのみを残して記憶するので、次回再生を再開するときには、各先頭フレームを再生することで、以前の内容を把握することが容易になる。
【0053】
ステップS22において、制御部15は、チャプター削除フラグがオフであると判別すると(ステップS22;No)、記憶部5に記憶されているコンテンツの映像音声データを再生させる(ステップS32)。
【0054】
そして、制御部15は、コンテンツの再生を停止させるための操作が行われたと判別した場合や(ステップS33;Yes)、コンテンツの再生が終了したと判別した場合(ステップS34;Yes)、本処理を終了する。
【0055】
即ち、チャプター削除機能がオンされていない場合には、チャプターの削除は実行されず通常の再生が行われる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザがチャプター削除機能をオンしている場合には、コンテンツを再生したときに、再生時間が、例えば、10分毎や1分毎などのように設定された設定時間を経過すると、削除対象のチャプターの番号を削除チャプター番号としてフラッシュROM14に記憶する。そして、ユーザが停止ボタンを押して再生を途中で停止させたとき、あるいは当該コンテンツを全部再生し終わったとき、再生したチャプターまで削除するかを確認するための削除選択画面をディスプレイ装置16に表示させる。そして、削除する旨が選択されたときには、直前のチャプターまで先頭フレームを除き削除する。
【0057】
したがって、記憶部5に記憶されたコンテンツをユーザが視聴するとき、視聴し終わった情報をチャプター単位で削除することが可能になるので、記憶部5の容量不足を未然に防ぐことができる。また、コンテンツの再生途中で停止させて、記憶部5に図7に示すような映像音声データが記憶されている場合、例えば、図8で示すように再生するコンテンツの選択画面において、コンテンツの削除後の再生時間を表示する。図8の例では、タイトル0001とタイトル0004とが再生途中で停止させたコンテンツであることがわかる。そのため、この後、忘れて最後まで視聴していない状態で当該コンテンツを全部削除してしまうようなことがなくなり、ユーザにとっては使い勝手が向上する。また、停止した後、引き続きコンテンツを視聴する場合に、削除された各チャプターの先頭フレームを再生できるので、前回までの内容を思い出すことができ、ユーザ利便性が向上する。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、様々な応用、変形が可能である。例えば、上記実施形態では、削除したチャプターの先頭フレームのデータを残すものとして説明したが、削除したチャプターの任意の部分を抽出して残すようにしてもよい。即ち、記憶部5の容量不足を未然に防ぐことができ、コンテンツの再生途中で停止させた場合、最後まで視聴していないことをユーザに示すことができるものであればよく、チャプター分割機能103により分割したチャプターの任意の部分をチャプター削除機能104により削除し、削除されていない部分のデータを抽出して、データ連結機能105により連結するものであればよい。
【0059】
また、例えば、再生したコンテンツがテレビ番組を録画したものである場合には、コマーシャルの部分を排除して番組の部分を抽出して残すようにしてもよい。このようにするためには、分割したチャプターにおいてコマーシャルの部分であるか番組の部分であるかを判別して、番組の部分から残すデータを選択するようにすればよい(例えば番組の部分の先頭フレームなどを選択する)。なお、分割したチャプターのうちどの部分を残すか、それぞれのチャプターでデータの長さなどは、ユーザが予め設定できるようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、図5のステップS28において、削除選択画面を表示し、ユーザが再生済みのチャプターを削除するか否かを選択させるようにしていたが、チャプター削除機能がオンである場合には、この処理を省略して、自動的にチャプターの削除(ステップS30、S31)が実行されるようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、チャプター削除機能は、図4に示したセットアップ処理において予めオンまたはオフが設定されるものとして説明したが、コンテンツの再生開始時(例えば図5のステップS22において)に、チャプター削除機能をオンにするかオフにするかユーザに選択させるようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、図8に示すように、チャプターの削除を行ったコンテンツである場合には、削除後の再生時間を表示することで、チャプターの削除を行ったコンテンツであるか否かが分かるようになっていたが、チャプターの削除を行ったか否かをコンテンツと合わせて表示するようにしてもよい。
【0063】
また、図6に示したように、上記実施形態では、再生済みのチャプターの先頭フレームと、チャプター分割していない部分と、を連結していたが、再生済みのチャプターの先頭フレームと、チャプター分割していない部分の先頭フレームと、再生が停止された時点での先頭データと、を連結するようにしてもよい。
【0064】
また、本発明を実現するためのプログラムは、フラッシュROM14に予め記憶されているものとして説明したが、外部の記憶媒体から取得したものであってもよいし、ネットワークを介して伝送されたものを記憶したものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、ハードディスクレコーダ或いはポータブル再生機器等の再生装置にチャプター削除機能を採用することにより、記憶部の容量不足を未然に防ぐことができ、また、当該コンテンツの再生途中で停止させた場合、最後まで視聴していないことをユーザに示すことに利用できる。
【符号の説明】
【0066】
1 受信部
2 復調部
3 A/D変換部
4 圧縮処理部
5 記憶部
6 伸張処理部
7 OSD部
8 ディスプレイ装置
9 D/A変換部
10 音声出力装置
11 スピーカ
12 ヘッドホン
13 RAM
14 フラッシュROM
15 制御部
16 キー入力部
17 キー受信部
18 リモコン
101 再生機能(再生部)
102 録画機能
103 チャプター分割機能(分割部)
104 チャプター削除機能(削除部)
105 データ連結機能(チャプター削除データ記憶部、連結部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツのデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータのうち一のコンテンツのデータを再生する再生部と、
前記一のコンテンツのデータのうち、前記再生部により再生された部分を所定時間毎にチャプターとして分割する分割部と、
前記再生部による再生が停止されたときに、前記分割部により分割されたチャプター毎にデータを削除する削除部と、
前記削除部の削除により削除されていない部分のデータを、前記一のコンテンツのデータに置き換えて前記記憶部に記憶するチャプター削除データ記憶部と、
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記削除部は、前記分割部により分割されたチャプター毎に、チャプターの一部のデータを残して削除し、
前記削除部が削除せずに残した各チャプターの一部のデータと、前記再生部による再生が停止されたときに、前記分割部により前記チャプターとして分割されていなかった部分のデータとを連結する連結部をさらに有し、
前記記憶部は、前記連結部が連結したデータを、前記一のコンテンツのデータに置き換えて前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記再生部は、前記連結部が連結したデータを再生するときには、各チャプターの一部のデータを再生した後に、前記チャプターとして分割されていなかった部分のデータを再生する
ことを特徴とする請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記削除部は、前記再生部による再生が停止されたときに、前記分割部により分割されたチャプター毎に、チャプターの先頭から所定時間のデータを残して削除する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の再生装置。
【請求項5】
記憶部に記憶されたデータのうち一のコンテンツのデータを再生する再生ステップと、
前記一のコンテンツのデータのうち、前記再生ステップで再生された部分を所定時間毎にチャプターとして分割する分割ステップと、
前記再生ステップにおける再生が停止されたときに、前記分割ステップで分割されたチャプター毎にデータを削除する削除ステップと、
前記削除ステップにおける削除により削除されていない部分のデータを、前記一のコンテンツのデータに置き換えて前記記憶部に記憶するチャプター削除データ記憶ステップと、
を備えることを特徴とする再生方法。
【請求項6】
コンピュータを、
記憶部に記憶されたデータのうち一のコンテンツのデータを再生する再生部、
前記一のコンテンツのデータのうち、前記再生部により再生された部分を所定時間毎にチャプターとして分割する分割部、
前記再生部による再生が停止されたときに、前記分割部により分割されたチャプター毎にデータを削除する削除部、
前記削除部の削除により削除されていない部分のデータを、前記一のコンテンツのデータに置き換えて前記記憶部に記憶するチャプター削除データ記憶部、
として機能させることを特徴とする再生装置制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−258267(P2011−258267A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131355(P2010−131355)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】