説明

再生装置、撮像装置、および、動画再生プログラム

【課題】動画中で移動する被写体をユーザが希望する任意の速度で自由に移動させることはできなかった。
【解決手段】再生装置は、動画像の再生を制御する再生制御部111と、再生される動画像を表示する表示部19と、表示部19と重ねて配置されるタッチパネル14と、タッチパネル14に対するタッチ操作を検出する操作検出部113とを備える。再生制御部111は、操作検出部113によって検出されたタッチ操作が動画像中で移動する被写体の移動に沿った移動操作であると判定すると、移動操作に連動して被写体が移動するように、動画像の再生を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像の再生技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画像から注目被写体を切り出して拡大し、拡大した静止画を並べて表示することにより、注目被写体を見やすくした画像を提供する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
一方、動画像は全部を見ると時間がかかるため、途中から、あるいはその一部のみを効率的に鑑賞したいというユーザの声は多い。従来、動画像の中の一部の場面だけを再生したい場合には、早送りまたは巻き戻し再生をすることによってその場面を頭出しして、再生を行っていた。また、インデックスマークが付された位置を自動で頭出しできる再生装置も知られているが、このような再生装置でも、予めインデックスマークをその位置に手動入力しておく必要があった。
【0004】
動画の頭出し再生技術に関し、動画の再生時間位置に応じた複数のサムネイル画像を表示させておいて、頭出ししたいサムネイル画像に対してジェスチャ操作が行われると、そのサムネイル画像に対応する場面から動画の再生を開始する技術が知られている(特許文献2参照)。
【0005】
また、タッチパネルへの手の接近を検出して、表示される情報を制御する技術も知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−178368号公報
【特許文献2】特開2009−43225号公報
【特許文献3】特開2008−250654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
動画の再生では、早送り釦またはスロー再生釦を操作することによって、予め決められた速度での早送り再生やスロー再生を行うことにより、希望する画像を表示させることができる。しかしながら、従来の技術では、動画中で移動する被写体をユーザが希望する任意の速度で自由に移動させることはできなかった。
【0008】
本発明は、動画中で移動する被写体をユーザが希望する任意の速度で自由に移動させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様に係る再生装置は、動画像の再生を制御する再生制御部と、再生される動画像を表示する表示部と、前記表示部と重ねて配置されるタッチパネル部と、前記タッチパネル部に対するタッチ操作を検出する操作検出部と、を備え、前記再生制御部は、前記操作検出部によって検出されたタッチ操作が動画像中で移動する被写体の移動に沿った移動操作であると判定すると、前記移動操作に連動して前記被写体が移動するように、前記動画像の再生を制御する。
【0010】
本発明の別の態様に係る動画再生プログラムは、動画像を表示する表示部と重ねて配置されるタッチパネルに対するタッチ操作を検出するステップと、前記検出したタッチ操作が動画像中で移動する被写体の移動に沿った移動操作であるか否かを判定するステップと、前記タッチ操作が前記被写体の移動に沿った移動操作であると判定すると、前記移動操作に連動して前記被写体が移動するように、前記動画像の再生を制御するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザは、タッチパネル部に対するタッチ操作によって、被写体の移動に沿った移動操作を行うことにより、動画像中で移動する被写体を任意の速度で自由に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態におけるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】再生する動画の一例について説明するための図である。
【図3】ダイレクト操作モード設定時の動画再生表示の一例を説明するための図である。
【図4】通常の再生、スロー再生、早送り再生について説明するための図である。
【図5】指の摺動操作に応じたリバース再生について説明するための図である。
【図6】画面上で特定被写体が存在する位置から離れた位置であって、かつ、特定被写体の移動軌跡近傍の位置がタッチされた場合の動画再生方法について説明するための図である。
【図7】ユーザが特定被写体を指定する際の指定方法の一例を説明するための図である。
【図8】撮影画角が変わった場合に、特定被写体を特定する方法を説明するための図である。
【図9】第1の実施形態におけるデジタルカメラによって行われるフローチャートである。
【図10】第2の実施形態におけるデジタルカメラの制御部の詳細な構成を示す図である。
【図11】第2の実施形態における動画再生制御について説明するための図である。
【図12】第2の実施形態におけるデジタルカメラによって行われるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
−第1の実施形態−
図1は、第1の実施形態におけるデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ1は、静止画・動画を撮影する撮影装置として機能するとともに、静止画・動画を再生する再生装置としても機能する。
【0014】
デジタルカメラ1は、制御部11と、プログラム/データ記憶部12と、操作部13と、タッチパネル14と、撮像部15と、SDRAM16と、画像処理部17と、表示ドライバー部18と、表示部19と、圧縮伸長部20と、再生部21と、記録部22と、画像記憶部23と、バス25とを備える。
【0015】
制御部(CPU)11は、プログラム/データ記憶部12に記憶された制御プログラムに従って動作し、カメラの全体制御を行う。制御部11内には、再生制御部111、軌跡生成部112、操作検出部113、および、特定画像検索部114が設けられている。再生制御部111、軌跡生成部112、操作検出部113、および、特定画像検索部114は、制御プログラムにより実行される処理の一部であるため、制御部11に含まれる機能部として説明する。
【0016】
再生制御部111は、後述する再生部21が画像の再生を行う際の再生制御(再生速度制御)を行う。
【0017】
軌跡生成部112は、動画像内で動きのある被写体を特定して、これを特定被写体とするとともに、特定被写体の形状・色を検出して、動画中の特定被写体の追尾を行う。ユーザによって特定被写体が特定された場合には、ユーザによって特定された被写体を特定被写体とする。また、ユーザによって特定被写体が特定されない場合であって、動きのある被写体が複数検出された場合には、サイズの最も大きい被写体を特定被写体として特定する。ただし、サイズの大きい被写体ではなく、動きが最も大きい被写体を特定被写体として特定するようにしてもよい。
【0018】
また、軌跡生成部112は、動画の再生に応じて、画像上での特定被写体の位置を順次記憶させることによって、特定被写体の移動軌跡を作成する。作成した移動軌跡データは、画像記憶部23に格納される。
【0019】
操作検出部113は、ユーザによる操作部13の操作およびタッチパネル14の操作を検出する。特に、操作検出部113は、タッチパネル14の操作位置に基づいて、表示部19に表示されている画像上の対応する位置を検出する。
【0020】
特定画像検索部114は、ユーザによってタッチパネル14のタッチ操作が行われた場合に、特定被写体が画像上の指定された位置(タッチ位置)を中心とする所定範囲内に存在する画像を、表示部19に表示中の動画を構成する複数の画像の中から検索する。画像を検索する際、軌跡生成部112によって特定被写体の移動軌跡が生成されている場合には、画像上の特定被写体の位置が特定されているので、移動軌跡の情報を利用する。軌跡生成部112によって特定被写体の移動軌跡が生成されていない場合には、画像認識処理によって、動画を構成する一連の画像の中から検索する。このとき、動画を構成する全ての画像の中から検索せずに、所定フレーム(例えば、10フレーム)または所定時間(例えば、0.5秒)ごとに検索するようにしてもよい。
【0021】
動画の内容によっては、特定被写体が画像上の指定された位置を複数回通過することもあり、その場合には、複数の画像が検出される。そのような場合、特定画像検索部114は、撮影時間が最も早い画像を優先して検出する。場合によっては、撮影時間が遅い画像を優先して検出するようにしてもよい。
【0022】
制御部11には、プログラム/データ記憶部12、操作部13、タッチパネル14、および、バス25が接続されている。プログラム/データ記憶部12には、前述したように、制御部11において実行するプログラムが記憶されており、各種データも記憶されている。
【0023】
操作部13は、ユーザがカメラに指示を与えるための各種操作部材を有する。各種操作部材には、例えば、電源釦、レリーズ釦、OK釦、十字釦、再生釦、テレワイド釦等が含まれる。操作部13に含まれる各種操作部材の操作状態は、制御部11の操作検出部113によって検出される。
【0024】
タッチパネル14は、表示部19の前面に重ねて配置され、または表示部19と一体に構成されている。ユーザが表示部19の画面をタッチすると、操作検出部113によって、タッチ位置およびタッチ方向が検出される。
【0025】
バス25には、制御部11の他に、撮像部15、SDRAM16、画像処理部17、表示ドライバー部18、圧縮伸長部20、再生部21、および、記録部22が接続されている。
【0026】
撮像部15は、被写体像を結像させるための撮影レンズ、被写体像を画像データに変換するための撮像素子、および、これらの処理回路、撮影レンズの光路中に介挿された絞りおよびシャッタ等を含む。撮像部15によって生成された静止画像や連続画像の画像データはバス25に出力される。
【0027】
SDRAM16は、電気的に書き換え可能な揮発性の一時記憶メモリであり、撮像部15から出力される静止画像や連続画像の画像データの一時記憶に用いられる。
【0028】
画像処理部17は、デジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、ホワイトバランス、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成、動画画像生成、インデックス画像(縮小画像)生成等の各種画像処理を行う。
【0029】
圧縮伸長部20は、SDRAM16に一時記憶された静止画像や連続画像の画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式により圧縮し、また表示等のために伸長するための回路である。なお、画像圧縮は、JPEG、TIFF、MPEGに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
【0030】
表示ドライバー部18は、表示部19と接続されており、表示部19に画像を表示させる。表示部19は、カメラ本体の背面等に配置された液晶モニタや有機EL等のディスプレイである。
【0031】
再生部21は、再生制御部111からの指示に基づいて、画像の再生を行う。特に、再生部21は、表示部19に表示中の動画を構成する複数の画像の中から、制御部11の特定画像検索部114で検索された画像データを読み出す。読み出された画像データは、圧縮伸長部20において伸長され、伸長された画像データに基づいて、表示部19に画像が再生表示される。
【0032】
記録部22は、圧縮伸長部20で圧縮された画像データを画像記憶部23に記録させる。画像記憶部23は、再生部21に接続されており、カメラ本体に内蔵、または装填可能な画像データの記録媒体である。
【0033】
第1の実施形態におけるデジタルカメラ1では、動画再生時の再生モードとして、通常の動画再生モードに加えて、ダイレクト操作モードを設定することができる。
【0034】
ダイレクト操作モードについて説明する。図2は、再生する動画の一例について説明するための図である。図2(A)および図2(B)は、再生する動画を構成する複数の静止画の中の撮影開始と終了の画像であり、それぞれ時刻t=0(秒)およびt=30(秒)のときの画像を表している。また、図2(C)は、以後の説明のために、3秒間隔の移動被写体の位置を示した画像を表している。
【0035】
図2(A)〜図2(C)において、特定被写体は、道路26を走っている人物28である。すなわち、画像上では、道路26、家27、および、人物28が写っているが、動きのある被写体である人物28が特定被写体として特定される。図2(C)に示すように、時刻t=0(秒)からt=30(秒)までの間で、3秒間隔の特定被写体の位置をそれぞれp1、p2、p3、p4、p5、p6、p7、p8、p9、p10、p11と表す。
【0036】
図3は、ダイレクト操作モード設定時の動画再生表示の一例を説明するための図である。デジタルカメラ1がダイレクト操作モードに設定されて、特定被写体が特定されると、図3(A)に示すように、特定された特定被写体に対して、特定被写体であることを示す矢印のアイコン31が表示される。また、軌跡生成部112によって特定被写体の移動軌跡が作成されている場合には、画像上に移動軌跡を重畳表示させる。図3(A)では、点線で移動軌跡32を表示している。
【0037】
なお、特定被写体の移動軌跡は、動画が最初から最後まで一度再生されると、軌跡生成部112によって作成されて、次の動画再生時に表示部19に表示される。しかし、移動軌跡が作成されていない状態であれば、動画の再生中に、特定被写体の移動軌跡を作成し、動画の再生中に、作成途中の移動軌跡を表示部19に随時表示させるようにしてもよい。
【0038】
ユーザは、タッチパネル14へのタッチ操作によって、特定被写体の移動速度、すなわち、動画の再生速度を任意の速度に制御することができる。この制御は、ユーザが、画面上で、特定被写体の近傍をタッチすることで行われる。特定被写体の近傍とは、特定被写体が存在する位置を中心とする所定範囲内である。図3(B)は、指33によって、図2(C)のp5の位置に存在する特定被写体の近傍をタッチした状態を示す図である。
【0039】
ユーザは、タッチパネル14に指をタッチしたまま、特定被写体の移動方向に沿って、別の地点まで指を動かす摺動操作を行うことにより、特定被写体を動かすことができる。特定被写体の移動方向とは、動画の通常再生時に特定被写体が移動する方向である。図3(C)は、タッチパネル14に指をタッチしたまま、特定被写体の移動方向に沿って指を動かす摺動操作を行っている状態を示す図である。指34は摺動操作の開始位置を、指36は摺動操作の終了位置を、指35は摺動操作途中の位置をそれぞれ表している。
【0040】
特定画像検索部114は、動画を構成する一連の画像の中から、指でタッチされた位置を中心とする所定範囲内に特定被写体が存在する画像を検索する。指でタッチされた位置を中心とする所定範囲内に特定被写体が存在する画像が複数存在する場合には、指でタッチされた位置から最も近い位置に特定被写体が存在する画像を検索する。そして、検索した画像を表示部19に表示させる。指の摺動操作が行われている期間中に、この処理を繰り返し行うことにより、指の摺動操作の速度と同じ速度で特定被写体が移動するような動画再生を行うことができる。すなわち、指をゆっくり動かす摺動操作を行えば、特定被写体がゆっくり移動するスロー再生が行われ、指を速く動かす摺動操作を行えば、特定被写体が速く移動する早送り再生が行われる。
【0041】
図3(C)では、複数の特定被写体を表示することによって、指の摺動操作に応じて特定被写体が移動している様子を表している。また、図3(C)に示す点線37は、特定被写体の移動方向を示す線であり、実際の動画では表示されない。なお、図3(B)あるいは、図3(C)の途中で、タッチした状態で指の動きを止めた場合には、その位置で動画像を一時停止させる。
【0042】
図3(D)は、ユーザが指の摺動操作を終了して、タッチパネル14から指38を離した状態を示す図である。タッチパネル14からユーザの指が離されると、通常の再生速度による動画再生を再開する。図3(D)に示す例では、再生時間27秒の画像から、通常の再生速度による動画再生が再開されている。
【0043】
図3(C)は、指をゆっくり動かす摺動操作が行われた場合の動画再生表示例を示している。上述したように、指をゆっくり動かす摺動操作が行われると、摺動操作速度に応じて、特定被写体がゆっくり移動するスロー再生が行われる。これに対して、図3(E)は、指を速く動かす摺動操作が行われた場合の動画再生表示例を示す図である。指を速く動かす摺動操作が行われると、摺動操作速度に応じて、特定被写体が速く移動する早送り再生が行われる。
【0044】
図4は、通常の再生、スロー再生、早送り再生について説明するための図である。図4(A)は、通常再生時の特定被写体の時間変化を、図4(B)はスロー再生時の特定被写体の時間変化を、図4(C)は早送り再生時の特定被写体の時間変化をそれぞれ示している。
【0045】
通常再生時には、特定被写体がp5の位置からp9の位置に移動するまでに12秒かかっている(図4(A))。これに対して、ユーザが指をp5の位置からp9の位置まで24秒かけて摺動する操作を行うと、摺動操作の速度に合わせて、特定被写体がp5の位置からp9の位置まで24秒かけて移動するスロー再生が行われる(図4(B))。
【0046】
また、ユーザが指をp5の位置からp9の位置まで6秒で摺動する操作を行うと、摺動操作の速度に合わせて、特定被写体がp5の位置からp9の位置まで6秒で移動する早送り再生が行われる(図4(C))。
【0047】
図3および図4では、特定被写体の移動方向に沿って指を動かす摺動操作を行うことにより、動画の再生速度を制御する方法について説明した。本実施形態では、特定被写体の移動方向とは逆の方向に沿って指を動かす摺動操作を行うことにより、動画を逆方向に再生するリバース再生を行う。
【0048】
図5は、指の摺動操作に応じたリバース再生について説明するための図である。図5(A)は、再生時間24秒の画像を示している。図5(A)では、点線で移動軌跡50を表示している。ユーザは、画面上で、特定被写体の近傍をタッチし、タッチした状態を保ちながら、特定被写体の移動方向とは逆の方向に沿って、別の地点まで指を動かす摺動操作を行う。
【0049】
図5(B)は、タッチパネル14に指をタッチしたまま、特定被写体の移動方向とは逆の方向に沿って指を動かす摺動操作を行っている状態を示す図である。指51は摺動操作の開始位置を、指53は摺動操作の終了位置を、指52は摺動操作途中の位置をそれぞれ表している。
【0050】
図5(C)は、ユーザが指の摺動操作を終了して、タッチパネル14から指55を離した状態を示す図である。タッチパネル14からユーザの指が離されると、通常の再生速度による動画再生を再開する。図5(C)に示す例では、再生時間15秒の画像から、通常の再生速度による動画再生が再開されている。
【0051】
特定画像検索部114は、動画を構成する一連の画像の中から、指でタッチされた位置を中心とする所定範囲内に特定被写体が存在する画像を検索する。指でタッチされた位置を中心とする所定範囲内に特定被写体が存在する画像が複数存在する場合には、指でタッチされた位置から最も近い位置に特定被写体が存在する画像を検索する。そして、検索した画像を表示部19に表示させる。指の摺動操作が行われている期間中に、この処理を繰り返し行うことにより、特定被写体の移動方向とは逆方向の摺動操作の速度と同じ速度で、特定被写体が移動方向とは逆方向に移動するような動画再生(リバース再生)を行うことができる。
【0052】
図5(B)では、複数の特定被写体を表示することによって、指の摺動操作に応じて特定被写体が移動している様子を表している。また、図5(B)に示す点線54は、リバース再生時の特定被写体の移動方向を示す線であり、実際の動画では表示されない。
【0053】
上述した図3〜図5を用いた説明では、画面上で特定被写体の近傍をタッチして摺動操作を行う操作方法について説明した。続いて、画面上で特定被写体が存在する位置から離れた位置であって、かつ、特定被写体の移動軌跡近傍の位置をタッチして摺動操作を行う操作方法について、図6を用いて説明する。
【0054】
図6(A)は、再生時間0秒の画像を示す図である。矢印のアイコン60で示されている特定被写体は、p1の位置に存在する。この状態で、ユーザは、p1の位置から離れた位置であって、かつ、特定被写体の移動軌跡61の近傍の希望する位置をタッチする。移動軌跡61の近傍とは、移動軌跡61から所定範囲内の位置である。
【0055】
特定画像検索部114は、動画を構成する一連の画像の中から、指でタッチされた位置を中心とする所定範囲内に特定被写体が存在する画像を検索する。指でタッチされた位置を中心とする所定範囲内に特定被写体が存在する画像が複数存在する場合には、指でタッチされた位置から最も近い位置に特定被写体が存在する画像を検索する。そして、検索した画像を表示部19に表示させる。
【0056】
図6(B)は、図6(A)に示すp1の位置から離れた位置であって、かつ、特定被写体の移動軌跡61近傍の位置をユーザが指62でタッチした時の表示部19の表示例を示す図である。指62でタッチされた位置に最も近い位置p5に特定被写体が存在する画像が検索されて、表示部19に表示されている。
【0057】
この後、指62をタッチパネル14にタッチしたまま、特定被写体の移動方向に沿って指を動かす摺動操作を行うと、摺動操作に応じて特定被写体が移動する動画再生が行われる(図6(C))。この摺動操作に応じた動画再生表示は、図3(C)を用いて説明した動画再生表示と同じである。図6(C)では、指62から指63へと摺動操作を行うことにより、p5の位置からp9の位置へと特定被写体が移動する様子を表している。また、図6(C)に示す点線64は、特定被写体の移動方向を示している。なお、タッチした状態で指の動きを止めた場合には、その位置で動画像を一時停止させる。
【0058】
なお、図5を用いて説明したように、特定被写体の移動方向と逆の方向に指を動かす摺動操作を行うと、特定被写体が移動方向とは逆方向に移動するような動画再生(リバース再生)が行われる。
【0059】
また、図6(B)に示す状態で、ユーザが指を離すと、図6(B)に示す画像から動画の再生が開始される。
【0060】
特定被写体は、ユーザが指定することができる。図7は、ユーザが特定被写体を指定する際の指定方法の一例を説明するための図である。ユーザは、タッチパネルを指で触れて、3人の被写体のうちで、主役被写体として指定したい被写体を指で囲む操作を行う。図7に示す点線71は、指で囲む操作が行われたことを示している。制御部11の軌跡生成部112は、操作検出部113の検出結果に基づいて、特定被写体を特定する。
【0061】
ただし、ユーザが特定被写体を特定する方法は、図7に示す方法に限定されることはない。例えば、指で直接タッチされた被写体を特定被写体として特定するようにしてもよい。
【0062】
ここで、上述した説明では、動画撮影時の撮影画角がほとんど変わらないものとした。しかし、撮影画角が変わっても、特定被写体を特定することはできる。
【0063】
図8は、撮影画角が変わった場合に、特定被写体を特定する方法を説明するための図である。図8(A)は、再生時間0秒、すなわち、動画撮影開始時の画像である。また、図8(B)は、再生時間15秒の画像であり、図8(C)は、再生時間30秒の画像である。図8(A)、図8(B)、図8(C)に示すように、撮影時間が進むにつれて、特定被写体を拡大表示するために、ズームアップされている。
【0064】
撮影画角が変わった場合でも、画像上の被写体の形状や色に基づいて、既知の方法により、特定被写体を特定することができる。図8に示す例では、例えば、道路82の形状や色、および、特定被写体81の形状や色などに基づいて、特定被写体81を特定する。撮影画角が変わることで、撮影開始から終了までに、背景も変化していくが、背景の形状や色から、背景の相互関係を判断する。例えば、図8の(A)と(C)の道路82が同一の道路であると判断することで、(A)→(B)→(C)の相互関係を決定する。このようにして、図8(A)の画像で右下隅付近が指定された場合でも、その指定された位置が図8(C)の画像では、略中央寄りの位置に対応する位置であると決定する。
【0065】
また、上記説明では、ユーザによって指定された位置(指定位置)は、「現在表示部に表示されている画像での位置」としたが、指定位置を「表示部上での物理的な位置」としてもよい。つまり、撮影画角がほぼ一定であれば、「現在表示部に表示されている画像での位置」でも「表示部上での物理的な位置」でも差はないが、撮影画角が途中で変化する場合には、両者は当然相違する。
【0066】
つまり、表示部画面の右下隅が指定された場合には、これまでの例では、「指定された時点の画像の右下隅位置」が指定位置とされ、特定画像検索部114は、「指定された時点の画像の右下隅位置」に特定被写体が存在する画像を検索していた。
【0067】
一方、指定位置を「表示部上での物理的な位置」とされる場合には、特定画像検索部114は、表示部の画面の右下隅位置に特定被写体が存在する画像を検索するようにする。指定位置としていずれの方式を採用するかは、事前に選択できるようにすればよい。
【0068】
図9は、第1の実施形態におけるデジタルカメラ1によって行われるフローチャートである。デジタルカメラ1が動画の再生を行う再生モードに設定されると、制御部11は、再生対象の動画データを画像記憶部23から読み出して、動画の再生処理を開始する。
【0069】
ステップS11では、デジタルカメラ1がダイレクト操作モードに設定されたか否かを判定する。デジタルカメラ1がダイレクト操作モードに設定されていないと判定するとステップS12に進み、通常の動画再生を行い、ステップS11に戻る。一方、デジタルカメラ1がダイレクト操作モードに設定されたと判定すると、ステップS13に進む。
【0070】
ステップS13では、軌跡生成部112によって動画像内で動きのある被写体を特定し、この被写体を特定被写体とする。図7を用いて説明したように、ユーザによって特定被写体が指定された場合には、指定された被写体を特定被写体とする。また、特定被写体の移動軌跡データが画像記憶部23に格納されている場合には、その被写体を特定被写体とする。
【0071】
ステップS14では、特定被写体の移動軌跡データが画像記憶部23に格納されているか否かを判定する。特定被写体の移動軌跡データが画像記憶部23に格納されていると判定するとステップS15に進む。ステップS15では、画像記憶部23から再生対象の動画データとともに、特定被写体の移動軌跡データを読み出して、特定被写体の移動軌跡とともに動画を再生表示する。
【0072】
一方、ステップS14において、特定被写体の移動軌跡データが画像記憶部23に格納されていないと判定すると、ステップS16に進む。ステップS16では、軌跡生成部112によって、動画の再生に応じて特定被写体の移動軌跡を作成する。
【0073】
ステップS17では、画像記憶部23から再生対象の動画データを読み出し、軌跡生成部112で作成された移動軌跡とともに、読み出した動画を再生表示する。
【0074】
ステップS18において、操作検出部113は、タッチパネル14のタッチ操作が行われたか否かを判定する。タッチパネル14のタッチ操作が行われていないと判定するとステップS11に戻り、タッチ操作が行われたと判定すると、ステップS19に進む。
【0075】
ステップS19において、特定画像検索部114は、表示部19に現在表示されている画像において、ユーザによってタッチされた位置の近傍に特定被写体が存在するか否かを判定する。タッチされた位置の近傍とは、タッチされた位置を中心とする所定範囲内である。所定範囲とは、半径が例えば画面の横幅の5%〜10%程度の円内である。タッチされた位置の近傍に特定被写体が存在すると判定するとステップS20に進む。
【0076】
ステップS20において、操作検出部113は、タッチパネル14のタッチ位置が移動したか否かを判定する。タッチ位置が移動していないと判定するとステップS20で待機し、タッチ位置が移動したと判定すると、ステップS21に進む。
【0077】
ステップS21において、操作検出部113は、タッチ位置の移動先の位置を検出する。
【0078】
ステップS22において、特定画像検索部114は、ステップS21で検出された移動位置の近傍に特定被写体が存在する画像を、再生中の動画を構成する一連の画像の中から検索する。移動位置の近傍とは、移動位置を中心とする所定範囲内である。
【0079】
ステップS23では、ステップS22で検索した画像を表示部19に表示させる。
【0080】
ステップS24において、操作検出部113は、タッチパネル14へのタッチ操作が終了したか否かを判定する。タッチ操作が終了していないと判定するとステップS20に戻り、タッチ操作が終了したと判定すると、ステップS25に進む。なお、タッチ操作の移動開始後に、タッチされた状態で移動が停止された場合には、その位置で動画像が一時停止される。
【0081】
一方、ステップS19において、タッチされた時点で、タッチされた位置の近傍に特定被写体が存在しないと判定すると、ステップS27に進む。ステップS27では、タッチパネル14のタッチ位置が特定被写体の移動軌跡の近傍であるか否かを判定する。移動軌跡の近傍とは、移動軌跡から所定の範囲内である。所定の範囲とは、移動軌跡を中心にした一定幅の範囲であって、その一定幅は、例えば画面の横幅の5%〜10%程度の値である。タッチ位置が特定被写体の移動軌跡の近傍であると判定するとステップS28に進む。
【0082】
ステップS28において、特定画像検索部114は、タッチパネル14のタッチ位置近傍に特定被写体が存在する画像を、再生中の動画を構成する一連の画像の中から検索する。
【0083】
ステップS29では、ステップS28で検索した画像を表示部19に表示させる。
【0084】
一方、ステップS27においてタッチ位置が特定被写体の移動軌跡の近傍ではないと判定すると、ステップS30に進む。ステップS30では、ユーザのタッチパネル14へのタッチ操作を無効にして、ステップS25に進む。
【0085】
ステップS25では、動画の再生を終了する操作が行われたか否かを判定する。例えば、ユーザによって電源オフ操作や、撮影操作が行われると、再生終了の操作が行われたと判定して、フローチャートの処理を終了する。一方、動画の再生を終了する操作が行われていないと判定すると、ステップS14に戻る。
【0086】
以上、第1の実施形態におけるデジタルカメラによれば、ユーザによるタッチ操作が動画像中で移動する被写体の移動に沿った移動操作である場合に、移動操作に連動して被写体が移動するように、動画像の再生を制御する。これにより、ユーザは、動画中で移動する被写体を、希望する任意の速度で自由に移動させることができる。また、早送り釦やスロー再生釦による操作ではなく、タッチパネル14へのタッチ操作によって被写体の移動速度をコントロールできるので、直感的な操作によって、被写体の移動速度を制御することができる。さらに、タッチパネル14へのタッチ操作によって、被写体の移動速度を制御するので、移動する被写体を任意の位置に容易に停止させることができる。
【0087】
また、移動操作が動画再生時における被写体の移動方向とは逆の方向である場合に、移動操作に連動して被写体が移動するように、動画像の逆方向再生を制御する。これにより、動画像中の被写体を、希望する任意の速度で自由に逆方向に移動させることができる。
【0088】
特に、動画像中で移動する被写体の移動軌跡から所定の範囲内のタッチ操作に基づいて、タッチ操作が移動操作であるか否かを判定するので、ユーザは、被写体の移動軌跡にぴったり合わせてタッチ操作を行う必要がなく、利便性が高い。
【0089】
また、タッチ操作のタッチ位置が表示部19に表示されている被写体の位置ではなく、かつ、被写体の移動軌跡から所定の範囲内の位置である場合には、タッチ操作のタッチ位置近傍に被写体が存在する画像から動画を再生するように制御する。これにより、被写体が希望する位置に存在する画像から動画の再生を行うことができる。
【0090】
さらに、動画像中で移動する被写体の移動軌跡を作成し、作成した移動軌跡を動画像に重畳させて表示部19に表示させるので、ユーザは、被写体の移動に沿った移動操作を容易に行うことができる。
【0091】
特に、動画像を構成する複数の画像の中から、タッチ操作のタッチ位置近傍に動画像中で移動する被写体が存在する画像を検索し、検索した画像を用いて、動画像の再生を制御するので、タッチ操作に連動した動画の再生制御を精度良く行うことができる。
【0092】
なお、上記では、軌跡生成部112は、特定被写体の移動軌跡を動画再生中に作成すると説明したが、これに限られることはない。例えば、動画の撮影時に、特定被写体を定めて、移動軌跡を作成して、動画像データとともに記録するようにしてもよい。
【0093】
また、操作入力部材もタッチパネルには限られない。移動軌跡をなぞる操作ができればよいので、例えばタッチパッドやマウスでも利用可能である。
【0094】
−第2の実施形態−
図10は、第2の実施形態におけるデジタルカメラの制御部11Aの詳細な構成を示す図である。制御部11A以外の構成は、第1の実施形態におけるデジタルカメラと同じである。
【0095】
制御部11Aは、再生制御部111、軌跡生成部112、操作検出部113、特定画像検索部114、および、速度設定部115を備える。
【0096】
軌跡生成部112は、第1の実施形態で説明した機能に加えて、特定被写体の移動軌跡を作成する際に、動画再生時における特定被写体の移動速度V0を求める。この移動速度V0は、特定被写体の実際の移動速度ではなく、あくまで画像上での移動速度である。
【0097】
操作検出部113は、ユーザによるタッチパネル14のタッチ操作を検出するとともに、タッチ操作に基づいて、タッチパネル上を移動するユーザの指の速度Vfを検出する。
【0098】
速度設定部115は、操作検出部113によって検出された指の移動速度Vfと、軌跡生成部112によって求められた特定被写体の移動速度V0とに基づいて、速度比Vf/V0を算出する。算出した速度比Vf/V0を動画の再生速度倍率に設定する。
【0099】
再生制御部111は、速度設定部115で設定された再生速度倍率に応じて、動画の再生(再生速度)を制御する。例えば、再生速度倍率が2の場合には、動画を2倍速で再生する。任意の再生速度倍率で動画を再生する具体的な方法は、既知の方法を用いることができる。例えば、60フレーム/秒で記録された動画の場合に、2倍速で動画を再生する場合には、基本となる60フレーム/秒のフレーム画像を1つおきに間引いて、30フレーム/秒の動画として再生することで、2倍速が実現できる。別な方法として、1秒あたりに表示するフレーム数を増やして、120フレーム/秒の動画を作成し、再生することでも、2倍速が実現できる。
【0100】
図11は、第2の実施形態における動画再生制御について説明するための図である。図11(A)は、3秒間隔の移動被写体の位置(図2(C)のp5、p6、p7、p8、p9の位置に対応)を示した画像を表している。操作検出部113によって検出された指の移動速度をVfとする。指は一定速度Vfで移動されるものとする。
【0101】
図11(B)は、画面上での被写体の移動速度V0と、指の移動速度Vfとの関係を示す図である。被写体の移動速度V0は、動画の通常再生時における画面上での移動速度を示している。つまり、実際には被写体が一定速度で移動しても、被写体の位置が遠い場合には、画面上での速度は遅くなる。また、図11(C)は、ユーザによる指の操作に応じて変更された、画面上での被写体の移動速度を示す図である。
【0102】
上述したように、再生制御部111は、操作検出部113によって検出された指の移動速度Vfと、動画上での特定被写体の移動速度V0との比Vf/V0を、動画の再生速度倍率に設定する。この再生速度倍率Vf/V0で再生された動画において、この被写体の画面上の移動速度V0’は、次式(1)で説明するように、指の移動速度Vfと等しくなる。
V0’=V0×(Vf/V0)=Vf (1)
【0103】
なお、図11(C)に示すように、実際の制御では、指の摺動操作に対して画像の再生速度の変化は若干の時間遅れT1が生じる。すなわち、指の摺動操作の開始から時間T1後に、被写体の移動速度がV0からVfへと変更され、指の摺動操作の終了から時間T1後に、被写体の移動速度がVfからV0へと変更される。なお、上では、説明を簡単にするため、指の移動速度Vfを一定としたが、指の移動速度Vfが変化する場合には、その変化に合わせて、画像の再生速度V0’も連続的に変化する。
【0104】
図12は、第2の実施形態におけるデジタルカメラ1によって行われるフローチャートである。図9に示すフローチャートの処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。図12に示すフローチャートが図9に示すフローチャートと異なるのは、ステップS21からステップS23の処理の代わりに、ステップS41からステップS43の処理が設けられていることである。
【0105】
ステップS20の判定を肯定すると、ステップS41に進む。ステップS41において、操作検出部113は、タッチパネル14上を移動する指の移動速度Vfを検出する。
【0106】
ステップS42において、速度設定部115は、操作検出部113によって検出された指の移動速度Vfと、動画上での特定被写体の移動速度V0とに基づいて、速度比Vf/V0を算出する。
【0107】
ステップS43において、再生制御部111は、速度設定部115で設定された再生速度倍率Vf/V0に応じて、動画の再生(再生速度)を制御する。なお、第1の実施形態と同様に、タッチ操作の移動開始後に、タッチされた状態で移動が停止された場合には、その位置で動画像が一時停止される。
【0108】
以上、第2の実施形態におけるデジタルカメラにおいても、ユーザは、動画中で移動する被写体を、希望する任意の速度で自由に移動させることができる。
【0109】
特に、第2の実施形態におけるデジタルカメラによれば、タッチ操作の移動速度を検出し、動画像中の被写体の移動速度がタッチ操作の移動速度に対応するように、動画像の再生速度を設定し、設定した再生速度で動画像の再生を制御する。これにより、タッチ操作に連動した動画の再生制御を精度良く行うことができる。
【0110】
また、動画の再生制御を、検出された指の摺動速度に応じて再生速度を制御する第2の実施形態による方法と、タッチ位置に応じた画像を連続的に検索して表示する第1実施形態による方法とを併用することで、より精度やスピードを向上させるようにしてもよい。つまり、指の移動速度が速い場合や移動量が大きい場合には、第2の実施形態による方法を用い、逆に、指の移動速度や移動量が少ない場合には、第1の実施形態による方法を用いるようにする。
【0111】
なお、上述した第1〜第2の実施形態の説明では、デジタルカメラが行う処理としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、コンピュータにて、ソフトウェア処理を行う構成とすることもできる。この場合、コンピュータは、CPU、RAM等の主記憶装置、上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えている。ここでは、このプログラムを動画再生プログラムと呼ぶ。そして、CPUが上記記憶媒体に記憶されている動画再生プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述のデジタルカメラと同様の処理を実現させる。
【0112】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、この動画再生プログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該動画再生プログラムを実行するようにしても良い。
【0113】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0114】
上述した実施の形態では、再生装置を搭載したカメラをデジタルカメラとして説明したが、動画再生機能を有するカメラや再生装置であれば、ビデオカメラやムービーカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器、あるいはフォトスタンド等でもよい。
【符号の説明】
【0115】
11…制御部
14…タッチパネル
19…表示部
111…再生制御部
112…軌跡生成部
113…操作検出部
114…特定画像検索部
115…速度設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像の再生を制御する再生制御部と、
再生される動画像を表示する表示部と、
前記表示部と重ねて配置されるタッチパネル部と、
前記タッチパネル部に対するタッチ操作を検出する操作検出部と、
を備え、
前記再生制御部は、前記操作検出部によって検出されたタッチ操作が動画像中で移動する被写体の移動に沿った移動操作であると判定すると、前記移動操作に連動して前記被写体が移動するように、前記動画像の再生を制御する、
ことを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記再生制御部は、前記移動操作が動画再生時における被写体の移動方向とは逆の方向であると判定すると、前記移動操作に連動して前記被写体が移動するように、動画像の逆方向再生を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記再生制御部は、前記タッチ操作のタッチ位置が動画像中で移動する被写体の移動軌跡の近傍である場合には、前記タッチ操作が前記移動操作であると判定する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記再生制御部は、前記タッチ操作のタッチ位置が前記被写体の移動軌跡の近傍で、かつタッチされた時点の画像では、当該タッチ操作のタッチ位置に被写体が存在していない場合には、前記タッチ操作のタッチ位置近傍に前記被写体が存在する画像から動画を再生するように制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の再生装置。
【請求項5】
前記動画像中で移動する被写体の移動軌跡を作成する軌跡生成部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記軌跡生成部によって作成された移動軌跡を動画像に重畳させて前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項6】
前記動画像を構成する複数の画像の中から、前記操作検出部によって検出されたタッチ操作のタッチ位置近傍に前記動画像中で移動する被写体が存在する画像を検索する特定画像検索部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記特定画像検索部によって検索された画像を用いて、動画像の再生を制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項7】
前記操作検出部は、検出されたタッチ操作の移動速度を検出し、
前記再生装置は、
動画像中の被写体の移動速度が前記タッチ操作の移動速度に対応するように、動画像の再生速度を設定する速度設定部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記速度設定部で設定された再生速度で前記動画像の再生を制御する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の再生装置。
【請求項8】
撮像により動画像データを生成する撮像部と、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の再生装置と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
動画像を表示する表示部と重ねて配置されるタッチパネルに対するタッチ操作を検出するステップと、
前記検出したタッチ操作が動画像中で移動する被写体の移動に沿った移動操作であるか否かを判定するステップと、
前記タッチ操作が前記被写体の移動に沿った移動操作であると判定すると、前記移動操作に連動して前記被写体が移動するように、前記動画像の再生を制御するステップと、
をコンピュータに実行させるための動画再生プログラム。

【図4】
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【図9】
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【図12】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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