再生装置、記録装置、編集装置
【課題】大容量の記録媒体に多数のトラックを記録した場合において、トラックをグループとして纏めて管理可能とし、グループ単位による各種再生、記録、編集が行えるようにして、ユーザにとっての利便性を向上させる。
【解決手段】 データと複数のデータを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体を再生する再生手段と、再生手段が再生した管理情報に基づいて、集合体単位で所定の再生動作を、再生手段に実行させる再生制御手段とを備える。
【解決手段】 データと複数のデータを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体を再生する再生手段と、再生手段が再生した管理情報に基づいて、集合体単位で所定の再生動作を、再生手段に実行させる再生制御手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムとしてのデータが記録される記録媒体に対応する再生装置、記録装置、及び編集装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年においては、各種のオーディオデータやビデオデータ(AVデータ)を記録再生可能なメディアが広く普及している。
そして最近においては、各種メディアの大容量化が促進されてきており、従って、1つのメディアに記録可能なデータ量も大幅に増加させることが可能になってきている。
【0003】
ところで、従来における一般的なデジタルオーディオ・ビデオのフォーマットにあっては、プログラムといわれる単位によって記録データを管理するようにされている。つまり、オーディオデータを例に挙げれば、通常、1プログラムは1楽曲として扱われることから、楽曲単位によって管理されるものである。
【0004】
ここで、デジタルオーディオ機器を例に挙げると、光磁気ディスクを記録媒体としたミニディスク記録再生装置が知られている。
例えば、ミニディスクの場合には、ディスク上でユーザーが録音を行なった領域(データ記録済領域)や、まだ何も録音されていない領域(データ記録可能な未記録領域)を管理するために、音楽等の主データとは別に、ユーザーTOC(以下U−TOCという)という管理情報が記録されている。そして記録装置はこのU−TOCを参照しながら録音を行なう領域を判別し、また再生装置はU−TOCを参照して再生すべき領域を判別している。
【0005】
つまり、U−TOCには録音された各楽曲等がトラックというデータ単位で管理され、そのスタートアドレス、エンドアドレス等が記される。また何も録音されていない未記録領域(フリーエリア)についてはデータ記録可能領域として、そのスタートアドレス、エンドアドレス等が記される。
【0006】
さらに、このようなU−TOCによりディスク上の領域が管理されることで、U−TOCを更新するようにして書き換えを行う処理のみにより、音楽等の記録データの1単位であるトラックの分割(ディバイド)、連結(コンバイン)、移動(ムーブ:トラックナンバの変更)、消去(イレーズ)等の編集処理が容易でしかも迅速に実行できることになる。
また、U−TOCにおいては、そのディスクのタイトル(ディスクネーム)や記録されている楽曲などの各プログラムについて曲名(トラックネーム)などを文字情報として記録しておくことのできる領域も設定されている。このため、ユーザの操作によって、上記ディスクネームやトラックネームを入力するといった編集作業も行えるようになっている。
なお、本明細書では「プログラム」とは、ディスクに記録される主データとしての楽曲などの音声データ等の単位の意味で用い、例えば1曲分の音声データが1つのプログラムとなる。また「プログラム」と同義で「トラック」という言葉も用いる。
【0007】
従来より知られているミニディスクシステムのフォーマットによっては、データ記録容量は140MBとされており、ATRAC(Adaptve Transform Acoustic Coding)方式といわれる音声データ圧縮方式によってエンコード処理された圧縮オーディオデータを記録した場合には、時間的に74分程度を記録することが可能とされている。
そして、近年にあっては、このミニディスクとしても、大幅に高記録密度化を図るべく、新しいフォーマットが開発されてきている。この新しいフォーマットでは、例えばディスクフォーマットや、データフォーマットを各種規定することで650MBのデータ記録容量が実現されている。そして、このような大容量のミニディスクに対して、例えばATRAC2方式といわれる、これまでのATRAC方式よりもよりデータ圧縮率の高い音声データ圧縮方式によって記録を行えば、時間的には10時間程度の記録を行うことが可能となる。
【0008】
例えば、これまでのデータ記録容量140MBのミニディスクにあっては、1枚のディスクに記録可能なトラック(楽曲数)は、通常は、10数曲〜20数曲程度とされていた。つまり、CDなどに代表される、いわゆるアルバム1枚分程度の楽曲数とされていたものである。
これに対して、上記したデータ記録容量650MBのミニディスクのようにして、ディスクが高記録密度化し、また、音声データ圧縮技術も進歩してくると、1枚のディスクに記録可能なトラック(楽曲)数は、相当に増加することになる。例えば上述のようにして10時間程度の記録時間が得られるのであるから、例えば1曲が4分程度であるとして、150曲程度の楽曲数を記録することも可能となるものである。また、74分の演奏時間のCDに換算すれば、このCDを8枚程度分は記録することが充分にできることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、上記のようにしてミニディスクが大容量化して、例えばこのディスクに記録可能なトラック数が増加した場合のことを考えてみると、ユーザとしては、例えばアルバム単位などの或る任意のコンセプトに基づいて、1枚のディスクに記録されている多数のトラックをグループごとに区分したいという要望がでてくることになる。
【0010】
しかし、ここで、上記した従来のU−TOCのようにして、トラック単位のみでの管理が行われる方法を採用した場合には、上記したようなグループによる区分管理を機器による処理として実行することは実現不可能とされることになる。従って、ユーザとしては、グループごとに多数の楽曲を区分するためには、これをラベルなどに記入しておいたり、或いは自身の記憶に頼るなどしなければならないため、その管理は面倒で不確かなものとなってしまう。
また、例えば上記のようにしてユーザが区分したグループを、ディスクに記録された多数の楽曲(トラック)のなから選択するといったことも、迅速には行えないことになる。このための対策の1つとして、例えば10曲(トラック)ごとなどの所定のトラック数ごとに頭出しを行っていく機器は知られてはいるものの、この場合には、ユーザが区分したグループ単位の頭出しは行えないものであり、この点では、有効に問題が解決されているとはいえない。
更に、前述した各種編集について、グループ単位によって行いたいと思った場合でも、そのための編集操作などの作業はトラック単位であることから、非常に煩雑で面倒なものとなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の再生装置は、は、データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体を再生する再生手段と、上記再生手段が再生した上記管理情報に基づいて、集合体単位で所定の再生動作を、上記再生手段に実行させる再生制御手段とを備える。
上記再生制御手段は、複数の上記データのうち集合体に含まれないデータを上記再生手段に再生させるときには、データ単位による所定の再生動作を、上記再生手段に実行させる。
【0012】
本発明の記録装置は、データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体に対するデータの記録動作を行う記録手段と、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを上記集合体に含まれるデータとして管理するように上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる制御手段とを備える。
上記制御手段は、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、新規な集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる。
さらに、上記制御手段は、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、既に上記記録媒体に記録されている特定の集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記憶されている上記管理情報を更新させる。
さらに、上記制御手段は、アルバム単位の複数のデータを上記記録手段によって上記記憶媒体に記録させるときに、上記アルバム単位に含まれる複数のデータを、それぞれ一つのデータとして管理し、また、新規な集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる。
さらに、上記制御手段は、必要に応じて、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、何れの集合体にも含まれないデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録された管理情報を更新させる。
【0013】
本発明の編集装置は、データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体に対する、データの再生又は記録動作を行う記録再生手段と、上記記憶媒体に記録されているデータについて、集合体単位の所定の編集指示を行うための編集指示手段と、上記編集指示手段への指示入力に基づいて、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新するために、上記記録再生手段を制御する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明は、記録媒体に記録される記録データを管理するための管理情報として、トラック(プログラム)をグループ(プログラム集合体)として纏めて管理可能とされている。そして、この管理情報を参照することで、グループ単位での各種再生動作を実行することが可能となる。
【0015】
例えば大容量の記録媒体に対して非常に多くのトラックが記録されるような状況では、当然、或るコンセプトに基づいて複数のトラックをグループ化し、このグループ単位により各種再生操作を行いたいという要望が起きてくる。しかし、従来においては、管理情報はトラック単位のみによって管理を行うものであったことから、このようなグループ化によるデータの管理は困難とされ、従って、グループ単位での再生操作はできずにいたものである。
これに対して本発明では、上記したように、例えば複数トラックをグループとして管理可能な管理情報を有しているために、この管理情報を参照することで、グループ単位での各種再生制御処理が可能となるものである。
【0016】
例えば、再生制御処理の1つには、グループ単位での頭出しサーチを実行可能とされており、これによってユーザは、ディスクに記録された内容をグループ単位により選択しながら再生するという、これまでに無い操作を行うことが可能になるものである。
【0017】
また、本発明の管理情報としては、何れのグループにも属さないグループ・フリーとして扱われるようにして各トラックを管理可能ともされている。例えばユーザによっては、使い勝手上、敢えて何れのグループにも属しないトラックを設けることも好ましいとされる場合があるが、このようにグループ・フリーとしても管理されるようにすれば、上記したようなユーザの要望に応えることができ、その利便性は更に向上する。
【0018】
また本発明は、記録時において、新規に記録されたトラックを或る所要のグループに属するようにして管理された状態で記録することが可能とされる。
これにより、ユーザは、敢えてグループ化のための編集処理を行わなくとも、新規に記録したトラックは適切な態様でグループ化されて管理されることになるものである。
そして本発明として、上記のような記録時におけるグループ管理の形態としては、1つには、新規に記録されたトラックは、新規なグループに属するものとして管理されるようにされる。また1つには、新規に記録されたトラックは、既に記録されているデータに対して設定されている特定のグループに属させるようにして管理する。そして、これらの記録管理の仕方を、例えばユーザの意図に応じて使い分けができるようにすれば、やはり利便性としては向上されるものである。
【0019】
また本実施の形態では、いわゆるアルバム単位としてみることのできる1以上のトラックを記録媒体に記録する場合には、このアルバムを形成するトラックを1つのグループとして管理して記録するようにもされる。これによって、例えば例えばCDなどのソースをダビングする場合には、このCDからダビングした内容は自動的に1つのトラックとして管理されることになり、この点でもユーザの利便性は向上する。特に、実際においては、このようなアルバム単位によってグループ化設定を行う機会は比較的頻繁であると思われることから、このような構成は、実際において非常に有用となるものである。
【0020】
また、記録時に関しても、新規に記録されたトラックをグループ・フリーとして扱われるように管理することが可能とされており、やはりここでも、敢えて何れのグループにも属しないトラックを設けたい場合があるとするユーザの要望に対応しているものである。
【0021】
更に本発明としては、グループ単位での管理が可能な形式を有する管理情報についての書き換えを行うことで、例えばユーザの操作に応じての編集処理として、グループ単位による各種編集処理を実行することが可能とされている。
例えばグループ単位的な編集を、従来のようにトラック単位のみによって管理する管理情報に基づいて行った場合には、ユーザは、編集対象のグループに属するトラックごとについて、同様の操作を繰り返す必要があり、その作業は非常に煩雑で面倒なものとなるのであるが、本発明であれば、このような問題は解消され、その操作は、非常に簡略で、容易なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明を行っていくこととする。本実施の形態としては、光磁気ディスクであるミニディスクに対応して記録再生が可能とされる記録再生装置を例に挙げることとする。
なお、以降の説明は次の順序で行う。
1.ディスクフォーマット
2.記録再生装置
3.操作部
4.トラックの管理形態
5.グループモードでの頭出しサーチ
6.記録動作
6−1.グループモード時
6−2.トラックモード時
7.グループモードでの編集処理例
7−1.移動
7−2.連結
7−3.ダビング記録
8.セキュリティグループ
9.TOC構造例
9−1.ディスクのデータ構造
9−2.TOC#0
9−3.TOC#1
9−4.TOC#2
9−5.TOC#3
【0023】
1.ディスクフォーマット
本実施の形態の記録再生装置は、ミニディスク(光磁気ディスク)に対応してデータの記録/再生を行う、MDデータといわれるフォーマットに対応しているものとされる。このMDデータフォーマットとしては、MD−DATA1とMD−DATA2といわれる2種類のフォーマットが開発されているが、本実施の形態記録再生装置は、MD−DATA1よりも高密度記録が可能とされるMD−DATA2のフォーマットに対応して記録再生を行うものとされている。そこで、先ずMD−DATA2のディスクフォーマットについて説明する。
なお、MD−DATA2フォーマットとしては、オーディオデータ以外にも各種データを記録再生可能とされるが、ここでは、説明の便宜上、本実施の形態の記録再生装置により記録再生されるのは、オーディオデータのみであることを前提として以降の説明を行っていく。
【0024】
図1及び図2は、MD−DATA2としてのディスクのトラック構造例を概念的に示している。図2(a)(b)は、それぞれ図1の破線Aで括った部分を拡大して示す断面図及び平面図である。
これらの図に示すように、ディスク面に対してはウォブル(蛇行)が与えられたウォブルドグルーブWGと、ウォブルが与えられていないノンウォブルドグルーブNWGとの2種類のグルーブ(溝)が予め形成される。そして、これらウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGは、その間にランドLdを形成するようにしてディスク上において2重のスパイラル状に存在する。
【0025】
MD−DATA2フォーマットでは、ランドLdが記録トラック(データが記録されるトラック)として利用されるのであるが、上記のようにしてウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGが形成されることから、記録トラックとしてもトラックTr・A,Tr・Bの2つのトラックがそれぞれ独立して、2重のスパイラル(ダブルスパイラル)状に形成されることになる。
トラックTr・Aは、ディスク外周側にウォブルドグルーブWGが位置し、ディスク内周側にノンウォブルドグルーブNWGが位置するトラックとなる。
これに対してトラックTr・Bは、ディスク内周側にウォブルドグルーブWGが位置し、ディスク外周側にノンウォブルドグルーブNWGが位置するトラックとなる。
つまり、トラックTr・Aに対してはディスク外周側の片側のみにウォブルが形成され、トラックTr・Bとしてはディスク内周側の片側のみにウォブルが形成されるようにしたものとみることができる。
この場合、トラックピッチは、互いに隣接するトラックTr・AとトラックTr・Bの各センター間の距離となり、図2(b)に示すようにトラックピッチは0.95μmとされている。
【0026】
ここで、ウォブルドグルーブWGとしてのグルーブに形成されたウォブルは、ディスク上の物理アドレスがFM変調+バイフェーズ変調によりエンコードされた信号に基づいて形成されているものである。このため、記録再生時においてウォブルドグルーブWGに与えられたウォブリングから得られる再生情報を復調処理することで、ディスク上の物理アドレスを抽出することが可能となる。
また、ウォブルドグルーブWGとしてのアドレス情報は、トラックTr・A,Tr・Bに対して共通に有効なものとされる。つまり、ウォブルドグルーブWGを挟んで内周に位置するトラックTr・Aと、外周に位置するトラックTr・Bは、そのウォブルドグルーブWGに与えられたウォブリングによるアドレス情報を共有するようにされる。
なお、このようなアドレッシング方式はインターレースアドレッシング方式ともいわれる。このインターレースアドレッシング方式を採用することで、例えば、隣接するウォブル間のクロストークを抑制した上でトラックピッチを小さくすることが可能となるものである。また、グルーブに対してウォブルを形成することでアドレスを記録する方式については、ADIP(Adress In Pregroove) 方式ともいう。
【0027】
また、上記のようにして同一のアドレス情報を共有するトラックTr・A,Tr・Bの何れをトレースしているのかという識別は次のようにして行うことができる。
例えば3ビーム方式を応用し、メインビームがトラック(ランドLd)をトレースしている状態では、残る2つのサイドビームは、上記メインビームがトレースしているトラックの両サイドに位置するグルーブをトレースしているようにすることが考えられる。
【0028】
図2(b)には、具体例として、メインビームスポットSPmがトラックTr・Aをトレースしている状態が示されている。この場合には、2つのサイドビームスポットSPs1,SPs2のうち、内周側のサイドビームスポットSPs1はノンウォブルドグルーブNWGをトレースし、外周側のサイドビームスポットSPs2はウォブルドグルーブWGをトレースすることになる。
これに対して、図示しないが、メインビームスポットSPmがトラックTr・Bをトレースしている状態であれば、サイドビームスポットSPs1がウォブルドグルーブWGをトレースし、サイドビームスポットSPs2がノンウォブルドグルーブNWGをトレースすることになる。
このように、メインビームスポットSPmが、トラックTr・Aをトレースする場合とトラックTr・Bをトレースする場合とでは、サイドビームスポットSPs1,SPs2がトレースすべきグルーブとしては、必然的にウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGとで入れ替わることになる。
【0029】
サイドビームスポットSPs1,SPs2の反射によりフォトディテクタにて得られる検出信号としては、ウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGの何れをトレースしているのかで異なる波形が得られることから、上記検出信号に基づいて、例えば、現在サイドビームスポットSPs1,SPs2のうち、どちらがウォブルドグルーブWG(あるいはノンウォブルドグルーブNWG)をトレースしているのかを判別することにより、メインビームがトラックTr・A,Tr・Bのどちらをトレースしているのかが識別できることになる。
【0030】
図3は、上記のようなトラック構造を有するMD−DATA2フォーマットのの主要スペックをMD−DATA1フォーマットと比較して示す図である。
先ず、MD−DATA1フォーマットとしては、トラックピッチは1.6μm、ピット長は0.59μm/bitとなる。また、レーザ波長λ=780nmとされ、光学ヘッドの開口率NA=0.45とされる。
記録方式としては、グルーブ記録方式を採っている。つまり、グルーブをトラックとして記録再生に用いるようにしている。
アドレス方式としては、シングルスパイラルによるグルーブ(トラック)を形成したうえで、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブルを形成したウォブルドグルーブを利用する方式を採るようにされている。
【0031】
記録データの変調方式としてはEFM(8−14変換)方式を採用している。また、誤り訂正方式としてはACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code) が採用され、データインターリーブには畳み込み型を採用している。このため、データの冗長度としては46.3%となる。
【0032】
また、MD−DATA1フォーマットでは、ディスク駆動方式としてCLV(Constant Linear Verocity)が採用されており、CLVの線速度としては、1.2m/sとされる。
そして、記録再生時の標準のデータレートとしては、133kB/sとされ、記録容量としては、140MBとなる。
【0033】
これに対して、本例のビデオカメラが対応できるMD−DATA2フォーマットとしては、トラックピッチは0.95μm、ピット長は0.39μm/bitとされ、共にMD−DATA1フォーマットよりも短くなっていることが分かる。そして、例えば上記ピット長を実現するために、レーザ波長λ=650nm、光学ヘッドの開口率NA=0.52として、合焦位置でのビームスポット径を絞ると共に光学系としての帯域を拡げている。
【0034】
記録方式としては、図1及び図2により説明したように、ランド記録方式が採用され、アドレス方式としてはインターレースアドレッシング方式が採用される。また、記録データの変調方式としては、高密度記録に適合するとされるRLL(1,7)方式(RLL;Run Length Limited)が採用され、誤り訂正方式としてはRS−PC方式、データインターリーブにはブロック完結型が採用される。そして、上記各方式を採用した結果、データの冗長度としては、19.7%にまで抑制することが可能となっている。
【0035】
MD−DATA2フォーマットにおいても、ディスク駆動方式としてはCLVが採用されるのであるが、その線速度としては2.0m/sとされ、記録再生時の標準のデータレートとしては589kB/sとされる。そして、記録容量としては650MBを得ることができ、MD−DATA1フォーマットと比較した場合には、4倍強の高密度記録化が実現されたことになる。
例えば、MD−DATA2フォーマットにより動画像の記録を行うとして、動画像データについてMPEG2による圧縮符号化を施した場合には、符号化データのビットレートにも依るが、時間にして15分〜17分の動画を記録することが可能とされる。また、音声信号データのみを記録するとして、音声データについてATRAC(Adaptve Transform Acoustic Coding) 2による圧縮処理を施した場合には、時間にして10時間程度の記録を行うことができる。
【0036】
2.記録再生装置
続いて、上記したMD−DATA2のフォーマットに対応する、本実施の形態の記録再生装置の構成例について、図4のブロック図を参照して説明する。
【0037】
光学ヘッド53のディスク51に対するデータ読み出し動作によりに検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RF信号処理回路44内のRFアンプ101に供給される。
RFアンプ101では入力された検出情報から、再生信号としての再生RF信号を生成し、二値化回路43に供給する。二値化回路43は、入力された再生RF信号について二値化を行うことにより、デジタル信号化された再生RF信号(二値化RF信号)を得る。
この二値化RF信号は、まずAGC/クランプ回路103に入力されてゲイン調整、クランプ処理等が行われた後、イコライザ/PLL回路104に入力される。
イコライザ/PLL回路104では、入力された二値化RF信号についてイコライジング処理を施してビタビデコーダ105に出力する。また、イコライジング処理後の二値化RF信号をPLL回路に入力することにより、二値化RF信号(RLL(1,7)符号列)に同期したクロックCLKを抽出する。
【0038】
クロックCLKの周波数は現在のディスク回転速度に対応する。このため、CLVプロセッサ111では、イコライザ/PLL回路104からクロックCLKを入力し、所定のCLV速度(図3参照)に対応する基準値と比較することにより誤差情報を得て、この誤差情報をスピンドルエラー信号SPEを生成するための信号成分として利用する。また、クロックCLKは、例えばRLL(1,7)復調回路106をはじめとする、所要の信号処理回路系における処理のためのクロックとして利用される。
【0039】
ビタビデコーダ105は、イコライザ/PLL回路104から入力された二値化RF信号について、いわゆるビタビ復号法に従った復号処理を行う。これにより、RLL(1,7)符号列としての再生データが得られることになる。
この再生データはRLL(1,7)復調回路106に入力され、ここでRLL(1,7)復調が施されたデータストリームとされる。
【0040】
RLL(1,7)復調回路106における復調処理により得られたデータストリームは、データバス114を介してバッファメモリ42に対して書き込みが行われ、バッファメモリ42上で展開される。
このようにしてバッファメモリ42上に展開されたデータストリームに対しては、先ず、ECC処理回路116により、RS−PC方式に従って誤り訂正ブロック単位によるエラー訂正処理が施され、更に、デスクランブル/EDCデコード回路117により、デスクランブル処理と、EDCデコード処理(エラー検出処理)が施される。
これまでの処理が施されたデータが再生データDATApとされる。この再生データDATApは、転送クロック発生回路121にて発生された転送クロックに従った転送レートで、例えばデスクランブル/EDCデコード回路117から音声圧縮エンコーダ/デコーダ122に対して転送される。
【0041】
ここで、上記した再生データDATApは、ATRAC2方式により圧縮処理が施された圧縮オーディオデータとされる。音声圧縮エンコーダ/デコーダ122では、入力された再生データDATApについて、ATRAC2方式に従って伸長処理を施し、例えばサンプリング周波数44.1KHz、量子化ビット16ビットのデジタルオーディオデータに変換する。そして、このデジタルオーディオデータを入出力処理部123に対して転送する。
【0042】
入出力処理部123は、オーディオ信号の入出力に関しての所要の信号処理等を行う部位である。この入出力処理部123に対して、再生出力として音声圧縮エンコーダ/デコーダ122から転送されてきたデジタルオーディオデータは、例えば、そのフォーマットのまま、デジタルオーディオ出力端子Doutに対して出力することができる。なお、圧縮処理が施されたままのデジタルオーディオデータを外部に出力させるための信号経路及び端子が設けられてもよいものである。
また、入出力処理部123内部に設けられているとされるD/Aコンバータによってアナログオーディオ信号に変換して、アナログオーディオ出力端子Aoutから出力させることができる。更には、D/Aコンバータによって変換したアナログオーディオ信号について、ヘッドフォンにより音声出力するのに適合した増幅処理等を行って、ヘッドフォン出力端子HPoutから出力させることもできるようになっている。
【0043】
転送クロック発生回路121は、例えば、クリスタル系のクロックを発生する回路部位であり、当該記録再生装置内における機能回路部間で必要とされる周波数のクロックを供給する。
【0044】
光学ヘッド53によりディスク51から読み出された検出情報(光電流)は、マトリクスアンプ107に対しても供給される。
マトリクスアンプ107では、入力された検出情報について所要の演算処理を施すことにより、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスク51にウォブルドグルーブWGとして記録されている絶対アドレス情報)GFM等を抽出しサーボ回路45に供給する。即ち抽出されたトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEはサーボプロセッサ112に供給され、グルーブ情報GFMはADIPバンドパスフィルタ108に供給される。
【0045】
ADIPバンドパスフィルタ108により帯域制限されたグルーブ情報GFMは、A/Bトラック検出回路109、ADIPデコーダ110、及びCLVプロセッサ111に対して供給される。
A/Bトラック検出回路109では、例えば図2(b)にて説明した方式などに基づいて、入力されたグルーブ情報GFMから、現在トレースしているトラックがトラックTR・A,TR・Bの何れとされているのかについて判別を行い、このトラック判別情報をドライバコントローラ46に出力する。また、ADIPデコーダ110では、入力されたグルーブ情報GFMをデコードしてディスク上の絶対アドレス情報であるADIP信号を抽出し、ドライバコントローラ46に出力する。ドライバコントローラ46では、上記トラック判別情報及びADIP信号に基づいて、所要の制御処理を実行する。
【0046】
CLVプロセッサ111には、イコライザ/PLL回路104からクロックCLKと、ADIPバンドパスフィルタ108を介したグルーブ情報GFMが入力される。CLVプロセッサ111では、例えばグルーブ情報GFMに対するクロックCLKとの位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号SPEを生成し、サーボプロセッサ112に対して出力する。なお、CLVプロセッサ111が実行すべき所要の動作はドライバコントローラ46によって制御される。
【0047】
サーボプロセッサ112は、上記のようにして入力されたトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、スピンドルエラー信号SPE、ドライバコントローラ46からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、サーボドライバ113に対して出力する。
サーボドライバ113では、サーボプロセッサ112から供給されたサーボ制御信号に基づいて所要のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、二軸機構を駆動する二軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ52を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。
このようなサーボドライブ信号がデッキ部5に対して供給されることで、ディスク51に対するフォーカス制御、トラッキング制御、及びスピンドルモータ52に対するCLV制御が行われることになる。
【0048】
また、入出力処理部123に対しては、記録用のオーディオソースとして、例えば所定フォーマットのデジタルオーディオデータを、デジタルオーディオ入力端子Dinから入力させることができ、また、アナログオーディオ信号をアナログオーディオ入力端子Ainから入力させることができるようになっている。
入出力処理部123に入力されたデジタルオーディオデータは、例えば必要があれば、ここで、サンプリング周波数や量子化ビットなどの変換が行われ、最終的には、サンプリング周波数44.1KHz、量子化ビット16ビットのデジタルオーディオデータとして、音声圧縮エンコーダ/デコーダ122に対して転送される。
また、入力されたアナログオーディオ信号は、入出力処理部123内に備えられているとされるA/Dコンバータによって、デジタルオーディオデータに変換されて、音声圧縮エンコーダ/デコーダ122に対して転送される。
【0049】
音声圧縮エンコーダ/デコーダ122では、入出力処理部123から入力されてくるデジタルオーディオデータについて、ATRAC2方式に従った音声圧縮処理を施して、圧縮オーディオデータを生成する。そして、この圧縮オーディオデータを、記録データDATArとして、スクランブル/EDCエンコード回路115に対して転送する。このユーザ記録データDATArは、例えば転送クロック発生回路121にて発生された転送クロック(データ転送レート)に同期して入力される。
【0050】
スクランブル/EDCエンコード回路115では、例えば記録データDATArをバッファメモリ42に書き込んで展開し、データスクランブル処理、EDCエンコード処理(所定方式によるエラー検出符号の付加処理)を施す。この処理の後、例えばECC処理回路116によって、バッファメモリ42に展開させている記録データDATArに対してRS−PC方式によるエラー訂正符号を付加するようにされる。
ここまでの処理が施された記録データDATArは、バッファメモリ42から読み出されて、データバス114を介してRLL(1,7)変調回路118に供給される。
【0051】
RLL(1,7)変調回路118では、入力された記録データDATArについてRLL(1,7)変調処理を施し、このRLL(1,7)符号列としての記録データを磁気ヘッド駆動回路119に出力する。
【0052】
ところで、MD−DATA2フォーマットでは、ディスクに対する記録方式として、いわゆるレーザストローブ磁界変調方式を採用している。レーザストローブ磁界変調方式とは、記録データにより変調した磁界をディスク記録面に印加すると共に、ディスクに照射すべきレーザ光を記録データに同期してパルス発光させる記録方式をいう。
このようなレーザストローブ磁界変調方式では、ディスクに記録されるピットエッジの形成過程が磁界の反転速度等の過渡特性に依存せず、レーザパルスの照射タイミングによって決定される。
このため、例えば単純磁界変調方式(レーザ光をディスクに対して定常的に照射すると共に記録データにより変調した磁界をディスク記録面に印加するようにした方式)と比較して、レーザストローブ磁界変調方式では、記録ピットのジッタをきわめて小さくすることが容易に可能とされる。つまり、レーザストローブ磁界変調方式は、高密度記録化に有利な記録方式とされるものである。
【0053】
磁気ヘッド駆動回路119では、入力された記録データにより変調した磁界が磁気ヘッド54からディスク51に印加されるように動作する。また、RLL(1,7)変調回路118からレーザドライバ120に対しては、記録データに同期したクロックを出力する。レーザドライバ120は、入力されたクロックに基づいて、磁気ヘッド54により磁界として発生される記録データに同期させたレーザパルスがディスクに対して照射されるように、光学ヘッド53のレーザダイオードを駆動する。この際、レーザダイオードから発光出力されるレーザパルスとしては、記録に適合する所要のレーザパワーによるものとなる。このようにして、本実施の形態のメディアドライブ部4により上記レーザストローブ磁界変調方式としての記録動作が可能とされる。
なお、ここでは図示していないが、本実施の形態の記録再生装置としては、MD−DATA1フォーマットのディスクに対応しての記録再生も行えるように互換性を与えるために、MD−DATA1フォーマットに対応する機能回路部を設けるようにしても構わないものである。
【0054】
操作部124は、当該記録再生装置を操作するために本体に設けられる各種操作子から成る。この操作部124では、操作子に対して行われた操作に対応する操作情報をシステムコントローラ46に対して出力する。システムコントローラ46が、入力された操作情報に応じて所要の制御処理を実行することで、操作に応じた記録再生装置の動作が得られることになる。
なお、ここでは図示していないが、操作部124に代わる操作手段として、赤外線や電波などによって操作に応じた操作情報を無線で送信するリモートコントローラを備え、本体側では、送信信号を受信デコードしてシステムコントローラ46に転送する受信部を備えるようにすることも考えられる。
【0055】
また、表示部125は、例えばLCDディスプレイ装置などを備えて構成され、システムコントローラ46の制御によって適宜所要の内容の表示が行われる。例えばこの表示部125にて表示される内容としては、再生動作中であれば、現在再生中のトラックや、後述するグループ等のナンバー、ネームなどのほか、再生進行時間などが表示されるものである。
【0056】
3.操作部
図5は、記録再生装置に備えられる操作部124として、代表的となる操作子を例示している。
この図に示す操作部124において、イジェクトキー201は、記録再生可能位置に装填されているミニディスクをイジェクトして本体外部に排出させるための操作子とされる。
また、頭出しサーチキー202、203は、それぞれ戻り方向、送り方向へのトラック単位による頭出しを行うための操作子である。
再生/一時停止キー204は、再生開始操作と一時停止操作を行うことができる。停止キー205は、記録再生動作を停止させるための操作子である。また、録音キー206は、楽曲データの記録を開始させる際に操作される。
編集キー207は、各種編集操作を行う際に操作されるキーとされる。この編集操作としては、例えばトラックの移動、分割、連結、消去(全曲消去可能とされる)などのほか、トラックネームやディスクネームを入力して登録することも可能とされている。
また、本実施の形態にあっては、後述するようにして、複数のトラックから成るトラックの集合単位をグループとして扱って、このグループ単位によっても記録データの管理が行われるようにされる。そして、上記した編集操作としては、グループ単位による移動、分割、連結、消去、また、グループネームの登録などが行えるようにされている。
【0057】
グループモードキー208は、グループモードと、トラックモードとの切り換えを行うためのキーである。ここでいうグループモードとは、上記したグループ単位での再生、記録に関する動作が可能とされるモードのことをいい、トラックモードとは、従来の記録再生装置と同様に、トラック単位での再生、記録に関する動作が実行されるモードのことをいう。
例えば、このグループモードキー208を1回押圧操作するごとに、グループモードとトラックモードとの間での切り換えが行われるようにされる。また、例えばグループモードキー208を操作しながら、他の操作子を操作するという、いわゆる複合操作を行ったときに、グループモードとしての操作が行われるようにすることも考えられる。
また、グループモードキーとしては、図5の下側に抜き出して示すように、メカニカルスイッチによるグループモードキー208aとすることも考えられる。この場合、グループモードキー208aはスライドスイッチとなっており、スライドスイッチとしての操作子を右側にスライドさせればグループモードが設定され、左側にスライドさせればトラックモードが設定されるようになっている。
何れにせよ、本実施の形態としては、所定操作によってグループモードとトラックモードとの切り換えが行われればよいものであって、このための操作手段としては、この図5により説明した内容に限定されるものではない。
【0058】
また、この図に示す操作部124においては、グループ頭出しサーチキー209,210が示される。例えばグループ頭出しサーチキー209を1回押圧操作するごとに、戻り方向にグループ単位での頭出しサーチを行うことができるようになっている。また、グループ頭出しサーチキー210を1回押圧操作するごとに、送り方向にグループ単位での頭出しサーチを行うことができる。
なお、例えば操作態様として、グループモードキー208(208a)を操作してグループモードを設定して、頭出しサーチキー202、203を操作することで、グループ単位での頭出しサーチを行うことができるようにすることも考えられ、このような操作態様を採る場合には、グループ頭出しサーチキー209,210を省略しても構わないものである。
【0059】
また、図5においては、表示部125としての表示パネル部位も例示されている。
この図においては、表示部125において[G2−21 SONG1]と表示されている例が示されているが、これは、[G2−21]により、グループナンバーが[2]で、トラックナンバーが[21]のトラックであることを示しており、[SONG1]により、例えばトラックネーム若しくはグループネームを示しているものである。
【0060】
4.トラックの管理形態
本実施の形態では、ディスクに記録されているトラックについて、1以上のトラックをグループとして区分して管理することが可能とされている。これを従来例との比較により、図6に示す。
図6(b)には、従来のミニディスクシステムにおける記録データの管理形態が示される。つまり、周知のように、従来のミニディスクフォーマットにあっては、U−TOCによって、記録データがトラック単位のみによって管理される。例えば従来のミニディスクにあって、ディスクにトラックTr1〜Tr10までの10トラックが記録されているとすると、U−TOCでは、これらのトラック単位で管理を行うようにされる。
従って、例えば頭出しサーチのときには、U−TOCを参照して得た次のトラックのアドレスに対してアクセスすることになるのであるが、U−TOCがトラック単位での管理を行っている都合上、図示もしているように、頭出しサーチとしてはトラック単位となるものである。
また、U−TOCがトラック単位で管理する形式を採っている以上、周知のように、例えばデータの記録や、編集操作についても、基本的にはトラック単位で行われることになるものである。
【0061】
そして、本実施の形態においては、ディスクに記録されたデータは、図6(a)に例示されるようにして管理することができる。
ここでは、トラックTr1〜Tr40までの40トラックが記録されている場合が示されている。そして、この場合にはトラックTr1〜Tr20までの20トラックがグループGr1として、1つのグループに属するものとして管理されている状態が示されている。
また、続くトラックTr21〜Tr23までの4トラックがグループGr2として、やはり1つのグループに属するものとして管理されているものである。そして、次のトラックTr24,Tr25の2トラックがグループGr3に属するように管理されている。
【0062】
本実施の形態では、上記のようにして、トラックナンバーが連続する複数トラックを1つのグループとして管理することができるようになっている。
このようなグループの設定は、例えばユーザの所定の編集操作によって設定することが可能とされる。また、後述するようにして、CD1枚分などのアルバム単位でのダビング記録を行うような際に、このアルバム単位の複数楽曲(トラック)を1つのグループとして管理される形態でミニディスク側に記録するようにされることで、グループが自動的に設定されるようにもしている。
【0063】
但し、例えばグループによる複数トラックの管理が可能であるとしても、ユーザの使い勝手の点からすれば、ディスクに記録されたトラックを必ずしも、何れかのグループに属させる必要はなく、かえって、グループには属させないようにしたほうが好ましいとされる場合があることは、当然考えられる。
そこで本実施の形態においては、図6(a)に示しているように、グループに属させる必要のないトラックをグループ・フリーなトラックとして管理することも可能とされている。ここでは、トラックTr26〜Tr40までの15トラックが、グループ・フリーGr・Fのトラックとして管理されている。
【0064】
このようなグループ単位を含む記録データの管理は、ディスクに記録される管理情報(RTOC)の構造によって実現されるものである。なお、この管理情報の構造については後述する。また、ここでは例示してはいないが、1つのトラックを1グループとして扱って管理することも可能とされる。
そして本実施の形態では、このようにしてグループ単位によって記録データ(トラック)を管理可能とすることで、以降説明していくようにして、グループ単位での記録再生動作が可能とされ、また、編集操作を行うことが可能とされるものである。
【0065】
5.グループモードでの頭出しサーチ
図7は、グループモード時の頭出しサーチの動作例を模式的に示している。
この図においても、ディスクにはトラックTr1〜トラックTr40までの40トラックが記録されている場合が示され、グループGr1にはトラックTr1〜20が属し、グループGr2にはトラックTr21〜Tr23が属し、グループGr3にはトラックTr24,Tr25が属している状態が示される。また、Tr26〜Tr40までは、グループ・フリーGr・Fとされている。
【0066】
ここで、現在グループGr1内のトラックTr3を再生中であるときに、グループモードとしての送り方向への頭出しサーチの操作を行ったとする。
するとこの場合には、先ず矢印1として示すように、グループGr1に続くグループGr2の先頭トラックであるトラックTr21の開始位置にアクセスして再生を開始するようにされる。また、ここで更に頭出しサーチの操作を行ったとすると、矢印2として示すように、次のグループGr3の先頭トラックTr24の開始位置にアクセスすることになる。この図の場合には、グループGr3がディスク内において最後のグループとなっている。
そして、ここから更に頭出しサーチの操作を行ったとすると、この場合には矢印3により示すように、グループ・フリーに属するトラックのうちで先頭にあるとされるトラックTr26の開始位置にアクセスするようにされる。
そして、例えば上記のようにしてグループ・フリー内にあるトラックを再生中にグループモードとしての送り方向への頭出しサーチが行われた場合には、実線の4の矢印により示すようにして、最初のグループGr1の先頭トラックTr1の開始位置にアクセスするようにされている。
【0067】
なお、グループモード下において、グループ・フリーGr・Fのトラックを再生しているときに頭出しサーチ操作が行われた場合であるが、グループ・フリーのトラックは、ユーザの使い勝手上、何れのグループにも属さないものとして設定されたトラックであることから、例えば図において破線の矢印4として示すように、グループモードであっても、グループ・フリーGr・F内における次のトラックにアクセスさせるようにすることも考えられる。
【0068】
また、図8には、グループモードでの戻り方向への頭出し操作が行われる場合の動作が示されている。なお、この図に示されるディスクに記録されたトラック及びグループ管理形態は、図6の場合と同様としている。
ここでも、グループGr1内のトラックTr3を再生中に、戻り方向の頭出しサーチ操作が行われたとする。すると、この場合には、先ず図中の矢印1に示されるように、同じグループGr1の先頭トラックTr1の開始位置に対してアクセスするようにされる。
そして、この状態から更に戻り方向への頭出しサーチ操作が行われたとすると、矢印2に示すようにして、グループ・フリーGr・Fにおける先頭トラックTr26の開始位置に対してアクセスするようにされる。
また、ここから更に戻り方向への頭出しサーチ操作が行わたとすると、最後のグループであるグループGr3の先頭トラックTr24の開始位置にアクセスすることになる。そして、ここから戻り方向への頭出しサーチ操作が行われるごとに、順次、グループGr2の先頭トラックTr21の開始位置、グループGr1の先頭トラックTr1の開始位置にアクセスするようにされる。
【0069】
なお、この場合にも、最初のグループGr1の先頭トラックTr1を再生中に、戻り方向の頭出しサーチ操作が行われた場合としては、例えばグループ・フリーの最後のトラックの開始位置にアクセスさせ、この後グループ・フリー内のトラックを再生中に頭出しサーチ操作が行われるごとに、直前のトラックの開始位置に順次アクセスしていくという動作とすることも考えられる。
何れにせよ、グループモード下での頭出しサーチが行われる際のグループ・フリーの扱いとしては、各種考えられるものであり、上記したようなアクセス動作以外の動作であっても構わないものである。
【0070】
このようにして、本実施の形態では、ユーザが意図する何らかの概念によって纏められたグループの単位ごとに、頭出しサーチを行うことができる。これは、例えば、本実施の形態の場合のように、圧縮効率の高い方式により圧縮されたオーディオデータを、大容量のメディアに記録できることで、膨大な数のトラックが記録可能とされる場合に、より有用となるものである。つまり、トラック単位で頭出しを行う場合に、ユーザが決めたグループごとの先頭トラックを探すのは、例えばユーザがグループとトラックとの関係を書き留めておいたり覚えておいたりしなければ、容易にグループの先頭をサーチすることは難しく、また面倒なことであるが、本実施の形態では、通常の頭出しサーチのための操作によって、容易にグループの先頭に順次アクセスしていくことが可能とされるものである。
【0071】
なお、グループ単位を基とする再生動作例としては、上記した頭出しサーチ操作に応じた動作を挙げているが、これについてはほかにも考えられるものである。例えば、ディスク再生装置では、一般にリピート再生やシャッフル再生などの特殊再生が可能とされているが、例えばリピート再生を1つのグループについてのみ行ったり、また、1グループ内のトラックについてシャッフル再生を行うようにすることなどが考えられる。また、ユーザがトラック再生順を任意に選択することができるいわゆるプログラム再生なども可能とされているが、このプログラム再生機能として、例えばグループ単位で、ユーザが再生順を設定できるようにすることも可能とされる。
【0072】
6.記録動作
6−1.グループモード時
また、本実施の形態においては、グループモードとトラックモードとで記録されたトラックの管理が異なるようにされる。この点について、説明していくこととする。
図9には、グループモードでの記録例が示されている。
ここで、図9(a)に示すようにして、トラックTr1〜Tr10までが記録されているディスクがあったとする。このディスクとしては、トラックTr1〜Tr5までがグループGr1に属し、トラックTr6〜Tr8までがグループGr2に属し、トラック9,Tr10がグループGr3に属しているものとして管理されている状態にある。
【0073】
そして、このディスクに対して、グループモードを設定した状態で3トラックを追加するように記録したとする。
この場合、これらの追加記録された3トラックは、図9(b)に示すようにして、トラックTr10に続くトラックTr11,Tr12,Tr13として管理される。そして、これらのトラックTr11,Tr12,Tr13は、新規なグループGr4に属するものとしても管理される。
つまり、グループモードによりトラックを新規に追加記録した場合には、このトラックは、新規なグループに属するものとして管理される状態となるものである。
【0074】
6−2.トラックモード時
続いては、トラックモードが設定された状態のもとでトラックの追加記録が行われる場合について、図10を参照して説明する。
図10(a)には、先の図9(a)と同じトラックが記録され、また、同じグループ管理状態とされているディスクが示されている。そして、この場合も、3トラックを追加記録するようにされる。
この場合にも、例えば図10(b)に示すようにして、新規に追加された3トラックは、トラックTr10に続くトラックTr11,Tr12,Tr13として管理されて記録が行われることになる。そして、この場合には、これらの新規に追加されたトラックTr11,Tr12,Tr13は、最後のグループGr3に属するものとして管理するようにされる。つまり、この場合であれば、記録前においては、トラックTr9,Tr10が属するようにして形成されていたグループGr3に対して、トラックTr11,Tr12,Tr13も含めるようにされるものである。
【0075】
また、同じように、図10(a)に示すディスクに対してトラックTr11,Tr12,Tr13の3トラックを追加記録した場合として、図10(c)に示すようにして管理されるようにすることも考えられる。つまり、トラックTr11,Tr12,Tr13を、グループ・フリーのトラックとして管理するようにされるものである。
【0076】
7.グループモードでの編集処理例
7−1.移動
本実施の形態としては、図7〜図9により例示したようにしてグループモードとしての再生、記録動作が行われるようにされるが、更に、以降説明するようにして、グループモード下で編集操作を行うことで、グループ単位での編集を行うことが可能とされる。
【0077】
図11は、グループモードでの移動編集を行う場合の例が示されている。
ここで、図11(a)に示すようにしてトラックが記録され、またグループが管理されているディスクがあるとする。この図11(a)に示すディスクは、トラックTr1〜Tr15までが記録されているものとした上で、トラックTr1〜Tr5までがグループGr1に属し、トラックTr6〜Tr8までがグループGr2に属し、トラックTr9,Tr10がグループGr3に属し、トラックTr11〜Tr15までがグループGr4に属しているようにして管理されている。
【0078】
そして、グループモードのもとでは、グループ単位での移動を行うことができるようになっている。例えばユーザは、所定操作によって、図11(a)に示すディスクにおいて設定されているグループのうちから、移動させたいとするグループを指定する。ここでは、トラックTr6〜Tr8の3トラックが属するグループGr2を指定したものとする。そして、移動先として、グループGr4の後ろを指定し、これを確認した上で、実行のための操作を行ったとする。
これにより、ディスク上での管理状態は、図10(a)から図10(b)に示すように変更される。なお、図10(b)において( )内に示されるのは、移動編集前の元のトラックナンバー若しくはグループナンバーを示している。
つまり図10(b)に示されるように、もとはグループGr2であったトラックTr6,Tr7,Tr8は、最後の3トラックであるトラックTr13,Tr14,Tr15となる。そして、このトラックTr13,Tr14,Tr15から成るグループは、新たに、最後のグループGr4として扱われることになる。
また、このようにして移動が行われたことに伴って、もとはトラックTr9〜Tr15として管理されていたトラックは、トラックTr6〜Tr12としてトラックナンバーが繰り上がるようにして管理されることになる。
また、グループ単位的には、もとはトラックTr9,Tr10から成るとされていたグループGr3は、トラックTr6,Tr7から成るグループGr2として管理される。また、もとはトラックTr11〜Tr15から成るとされていたグループGr4は、トラックTr8〜Tr12から成るグループGr3として管理される。
【0079】
例えば、このようなグループの移動編集機能が無く、トラック単位での移動編集機能しかないと仮定して、図11に示したのと同様の編集結果を得ようとすると、先ずは、ユーザは、図10(a)に示されるトラックTr6,Tr7,Tr8について、1つずつ移動編集操作を行って、図10(b)に示すようにトラックTr13,Tr14,Tr15としていく必要があることになり、その操作は非常に煩わしいものとなる。この問題は、1つのグループに属するトラックが多くなるほど顕著なものとなる。
これに対して本実施の形態では、上記のようにしてグループ単位により、複数のトラックを一括して移動させることができることから、上記したような問題が解消されるものである。
【0080】
7−2.連結
図12は、グループモード下での編集として、連結編集を行った場合の例が示されている。
図12(a)においては、先の図11と同様の記録形態のディスクが示されている。そしてここでは、図12(a)におけるグループGr1〜Gr4のうち、ユーザは、グループナンバー的に連続する2つのグループGr3,Gr4を指定して、編集実行のための操作を行ったとする。
そしてこの場合には、図12(b)に示すようにして、図12(a)におけるグループGr3,Gr4は、1つのグループとして纏められて管理される。また、この場合のグループナンバーとしては、ナンバーの若いグループGr3に含められるものとして管理されることになる。従って、この連結編集により得られたディスクとしては、グループGr1[Tr1〜Tr5]と、グループGr2[Tr6〜Tr7]、グループGr3[Tr9〜Tr15]との3グループを有するものとなる。
【0081】
なお、これまでにも知られているように、トラック単位の編集機能としては、移動、連結のほかに、消去、分割等があるが、本実施の形態では、この消去、分割等の編集についても、グループ単位で行うことが可能とされるものである。つまり、図示による説明は省略するが、消去については、消去したいグループを指定することで、この指定したグループ単位により複数のトラックを一括消去することが可能とされる。また、分割については、例えばトラック、若しくは、トラック内の任意の位置を分割位置として指定して実行操作を行うようにされる。これによって、指定された分割位置により、グループが2つに分割されるものである。
【0082】
また、従来のミニディスクシステムでは、ディスク単位及びトラック単位でネームを登録することができるようになっている。つまり、ディスクネーム、トラックネームを登録して、例えばディスク装填時にディスクネームを表示させたり、トラックが指定されたときにそのトラックネームを表示させたりすることが可能とされている。
そして、本実施の形態においては、複数トラックをグループ化して管理可能とされていることに対応して、所定の編集操作を行うことによってグループごとに対してグループネームを登録することができるようにもなっている。そして、例えば所定操作によってグループを指定したり、或るグループを再生しているときなどに、表示部125に対して、そのグループ名を表示させることが可能とされるものである。
【0083】
7−3.ダビング記録
また、本実施の形態においては、例えばCDに記録されているオーディオデータをダビングによりミニディスクに記録するような場合には、次のようにしてミニディスクに記録されるデータを管理することが可能とされる。
【0084】
ここで、図13(a)に示すようにして、トラックTr1〜Tr5までの5トラックが記録されたミニディスクがあるとして、このミニディスクに対して、録音ソースとして図13(b)に示すCDの記録内容をダビング記録するものとする。図13(b)に示すCDにおいては、トラックTr1〜Tr7までの7トラックが記録されている。そして、ここでは、このトラックTr1〜Tr7のすべてをミニディスクにダビングするものとする。
【0085】
そして、ダビングが行われたミニディスクの記録内容は、図13(c)に示すものとなる。
この図に示されるように、CDに記録されていたトラックTr1〜Tr7は、ミニディスク上では、トラックTr5に続く、トラックTr6〜Tr12として管理される状態で記録が行われる。そして本実施の形態においては、これらのトラックTr6〜Tr12を新規なグループGr2に属するものとして管理するようにされる。
例えばCDなどの記録内容をダビングしたときに、上記のようにして、ダビングされたトラックが自動的に1つのグループとして管理されるようにしていることで、例えば、ユーザは、後からの編集操作によって、CDからダビングしたトラックを纏めてグループ化するという手間が省かれるものである。
CDに記録された内容は、例えば、いわゆる1つのアルバム単位の内容であることから、ユーザがグループ化して管理したいとする場合は多いと考えられるので、ダビング記録時において上記のようにしてデータ管理を実行することで、ユーザにとってはより使い勝手が向上されることになる。
【0086】
8.セキュリティグループ
また、本実施の形態においては、グループ単位でセキュリティをかけることも可能とされる。この例を図14に示しておく。
図14(a)には、例えば先の図11(a)と同じ記録内容のディスクが示される。但しここでは、グループGr2については「セキュリティグループ」として設定が行われている状態にある。このセキュリティグループの設定は、例えばユーザの所定操作によって設定/解除が可能とされており、その設定内容は、後述するようにして管理情報(RTOC)により管理されている。
【0087】
このようにしてセキュリティがかけられているものとして設定されたセキュリティグループに属するとされるトラックについては、例えば、ユーザが所定操作によってパスワードを入力しなければ、その再生がキャンセルされるようになっている。
【0088】
また、例えば図14(a)において、セキュリティグループではないグループGr1に属するトラックTr3を、トラックモード下での移動編集操作によって、セキュリティグループであるグループGr2内のトラックTr7として移動させたとする。
この場合、グループGr1としては、図14(a)に示すようにしてトラックTr1〜Tr5の5トラックが属していた状態から、図14(b)に示すように、トラックTr1〜Tr4の4トラックが属するようにして変更される。ここで、トラックTr3,tr4は、もとは、トラックTr4,Tr5とされていたものである。
また、セキュリティグループであるグループGr2では、図14(a)に示すようにして、もとはトラックTr6,Tr7、Tr8の3トラックが属するとされていたのに対して、図14(b)に示すようにして、トラックTr5,Tr6、Tr7,Tr8の4トラックが属するとして管理されることになる。ここで、図14(b)に示すトラックTr5,Tr6、Tr7,Tr8のうち、トラックTr5,Tr6は、もとはトラックTr6,Tr7とされていたものである。
【0089】
そして、例えば上記のようにして或るトラックが、セキュリティグループ内に移動された場合には、特にユーザが後に設定操作をすることなく、自動的に、この移動されたトラックにもセキュリティがかけられるものであり、やはりパスワードの入力無しには再生できないようになる。
【0090】
9.TOC構造例
9−1.ディスクのデータ構造
本実施の形態のディスクにおいては、管理情報としてPTOC及びRTOCのための記録領域が確保されている。そして、ディスクに対して記録/再生動作を行う際には、このPTOC、RTOCの読み出しを行い、読み出しされた管理情報の内容に基づいて、ディスク上の記録すべきエリアのアドレスや、再生すべきエリアのアドレスを識別するようにされる。
【0091】
例えば、システムコントローラ46は、ディスクが装填された際に、ディスクの最内周側に対する再生動作を実行させることによって、ディスク最内周側の所定領域に記録されている管理情報(PTOC,RTOC)を読み出し、バッファメモリ42に書き込んで記憶保持させておくようにされる。そして、以後そのディスクに対するプログラムの記録/再生/編集動作の際に参照できるようにしている。
【0092】
また、RTOCはプログラムデータの記録や各種編集処理に応じて書き換えられるものであるが、システムコントローラ11は記録/編集動作のたびに、RTOC更新処理をバッファメモリ42に記憶されたRTOCに対して行い、所定の機会、タイミングで以て、ディスクのRTOCエリアについても書き換えるようにしている。
【0093】
そして、これまで述べてきた、グループ化単位に基づく記録再生、また、編集を実現するのにあたっても、上記したRTOCにおける所要の情報内容を参照し、また、この所定の情報について書き換えを行うことで実現するようにされるものである。
そこで、以降、本実施の形態としてのグループ管理を実現することのできる管理情報の構造例について説明していくこととする。
【0094】
ここで、本実施の形態の管理情報構造についての説明に先立ち、図15を参照して本実施の形態のディスクに記録されるデータの構造例を説明しておく。
図15(a)には、本実施の形態のディスク全体の構造を概念的に示している。この図に示すように、ディスクには、TOCとして、PTOCとRTOCとが記録される。
PTOCは、ディスク最内周のリードインエリアにおいて、ピット形態により所要の管理情報が記録される。このPTOCの内容は書き換えが不可とされている。
RTOCは、後述するようにして、ディスクに記録されたデータを管理するのに必要な基本的な情報が記録される。このRTOCは、リードインエリアに続くものとされ、データの書き換えが可能なレコーダブルエリアの最内周側に確保されるRTOCエリアに記録される。そして、RTOCの内容は、例えばこれまでのディスクに対するデータの記録結果や、トラック(ファイル)についての各種編集処理結果に従って、逐次書き換えが行われる。
そして、レコーダブルエリア内において、RTOCエリアに続くレコーダブルデータエリアに対して、ユーザデータ(DATA)が例えばファイル単位で管理される形態で記録されることになる。なお、本実施の形態としては、ユーザデータは、例えば楽曲単位に対応するトラック単位で管理されることになる。そして、これらのトラックについて、グループ化して管理することも可能とされているものである。
【0095】
そして、本実施の形態のRTOCとしては、図15(b)に模式的に示すようにして、TOC#0,TOC#1,TOC#2,TOC#3という、少なくとも4つのテーブルを備えるものとされる。なお、実際には、更に多くのテーブルを設けて、多様な管理が可能なように構成されてよいものであるが、ここでは、説明の便宜上、TOC#0〜#3のテーブルのみが規定されているものとする。以降、TOC#0〜#3の各々の構造について説明していくこととする。
【0096】
9−2.TOC#0
図16はTOC#0の構造例を示している。
TOC#0は、主にユーザーが録音を行った楽曲等のトラック(プログラム)や新たにトラックが録音可能なフリーエリアについての管理情報が格納される。
例えばディスクに或る楽曲の録音を行おうとする際には、システムコントローラ11は、TOC#0からディスク上のフリーエリアを探し出し、ここにオーディオデータを記録していくことになる。また、再生時には再生すべき楽曲が記録されているエリアをTOC#0から判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行う。
【0097】
TOC#0としては、先ず、その先頭の所定のデータサイズによるヘッダーが配置され、このヘッダには、例えば同期パターン、当該TOC#0のアドレス等をはじめとする、必要な各種情報が格納される。
【0098】
そして、上記ヘッダーに続けて、ポインタ部、パーツテーブル部が配置される。
この場合には、ユーザーが録音を行って記録されているトラック(楽曲等)の領域やフリーエリア等を後述するパーツテーブル部に対応させることによって識別するため、ポインタ部としては、各種のポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TN1〜P-TNn) が記録される領域が用意されている。
【0099】
そしてポインタ(P-DFA〜P-TNn) に対応させることになるテーブル部として(01h) 〜(xxh) までの所定数のパーツテーブルが設けられ、それぞれのパーツテーブルには、或るパーツについて起点となるスタートアドレス、終端となるエンドアドレス、そのパーツのモード情報(トラックモード)が記録されている。さらに各パーツテーブルで示されるパーツが他のパーツへ続いて連結される場合があるため、その連結されるパーツのスタートアドレス及びエンドアドレスが記録されているパーツテーブルを示すリンク情報が記録できるようにされている。
なおパーツとは1つのトラック内で時間的に連続したデータが物理的に連続して記録されているトラック部分のことをいう。
【0100】
そしてスタートアドレス、エンドアドレスとして示されるアドレスは、1つの楽曲(トラック)を構成する1又は複数の各パーツを示すアドレスとなる。
【0101】
この種の記録再生装置では、1つの楽曲(プログラム/トラック)のデータを物理的に不連続に、即ち複数のパーツにわたって記録されていてもパーツ間でアクセスしながら再生していくことにより再生動作に支障はないため、ユーザーが録音する楽曲等については、録音可能エリアの効率使用等の目的から、複数パーツにわけて記録する場合もある。
【0102】
そのため、リンク情報が設けられ、例えば各パーツテーブルに与えられたナンバ(01h) 〜(xxh) によって、連結すべきパーツテーブルを指定することによってパーツテーブルが連結できるようにされている。
つまりTOC#0におけるパーツテーブル部においては、1つのパーツテーブルは1つのパーツを表現しており、例えば3つのパーツが連結されて構成される楽曲についてはリンク情報によって連結される3つのパーツテーブルによって、そのパーツ位置の管理が行われる。
【0103】
TOC#0のテーブル部における(01h) 〜(xxh) までの各パーツテーブルは、ポインタ部におけるポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TN1〜P-TNn) によって、以下のようにそのパーツの内容が示される。
【0104】
ポインタP-DFA は光磁気ディスク上の欠陥領域に付いて示しており、傷などによる欠陥領域となるトラック部分(=パーツ)が示された1つのパーツテーブル又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、欠陥パーツが存在する場合はポインタP-DFA において(01h) 〜(xxh) の何れかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、欠陥パーツがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、他にも欠陥パーツが存在する場合は、そのパーツテーブルにおけるリンク情報として他のパーツテーブルが指定され、そのパーツテーブルにも欠陥パーツが示されている。そして、さらに他の欠陥パーツがない場合はリンク情報は例えば『(00h) 』とされ、以降リンクなしとされる。
【0105】
ポインタP-EMPTY は管理テーブル部における1又は複数の未使用のパーツテーブルの先頭のパーツテーブルを示すものであり、未使用のパーツテーブルが存在する場合は、ポインタP-EMPTY として、(01h) 〜(xxh) のうちの何れかが記録される。
未使用のパーツテーブルが複数存在する場合は、ポインタP-EMPTY によって指定されたパーツテーブルからリンク情報によって順次パーツテーブルが指定されていき、全ての未使用のパーツテーブルが管理テーブル部上で連結される。
【0106】
ポインタP-FRA は光磁気ディスク上のデータの書込可能なフリーエリア(消去領域を含む)について示しており、フリーエリアとなるトラック部分(=パーツ)が示された1又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、フリーエリアが存在する場合はポインタP-FRA において(01h) 〜(xxh) の何れかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、フリーエリアであるパーツがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、このようなパーツが複数個有り、つまりパーツテーブルが複数個有る場合はリンク情報により、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで順次指定されている。
【0107】
図20に、TOC#0における、フリーエリアとなるパーツの管理状態を模式的に示す。これはパーツ(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) がフリーエリアとされている時に、この状態がポインタP-FRA に引き続きパーツテーブル(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) のリンクによって表現されている状態を示している。なお上記した欠陥領域や未使用パーツテーブルの管理形態もこれと同様となる。
【0108】
図16に説明を戻す。
ポインタ部においては、ポインタP-TN1〜P-TNnと、ポインタP-TN1-GR〜P-TNn-GRが存在するものとして規定される。ここで、例えばポインタP-TN1に続けてポインタP-TN1-GRが配置され、更にポインタP-TN2に続けてポインタP-TN2-GRが配置されるようになっていることからも分かるように、同じナンバxを有するポインタP-TNxと、ポインタP-TNx-GRとの2つのポインタで1組を成している。
ポインタP-TNxは、光磁気ディスクにユーザーが記録を行なった楽曲などのトラックについて示しており、例えばポインタP-TN1ではトラックTr1のデータが記録された1又は複数のパーツのうちの時間的に先頭となるパーツが示されたパーツテーブルを指定している。
例えばトラックTr1(第1プログラム)とされた楽曲がディスク上でトラックが分断されずに、つまり1つのパーツで記録されている場合は、そのトラックTr1の記録領域はポインタP-TN1で示されるパーツテーブルにおけるスタート及びエンドアドレスとして記録されている。
【0109】
また、例えばトラックTr2(第2プログラム)とされた楽曲がディスク上で複数のパーツに離散的に記録されている場合は、そのトラックTr2の記録位置を示すため各パーツが時間的な順序に従って指定される。つまり、ポインタP-TN2に指定されたパーツテーブルから、さらにリンク情報によって他のパーツテーブルが順次時間的な順序に従って指定されて、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで連結される(図20と同様の形態)。
このように例えば2曲目を構成するデータが記録された全パーツが順次指定されて記録されていることにより、このTOC#0のデータを用いて、2曲目の再生時や、その2曲目の領域への上書き記録を行う際に、光学ヘッド3及び磁気ヘッド6aをアクセスさせ離散的なパーツから連続的な音楽情報を取り出したり、記録エリアを効率使用した記録が可能になる。
【0110】
また、ポインタP-TNx-GRには、同じナンバxを有するトラック、つまりトラックナンバxを有するトラックが属するグループナンバーを示す。ここで、例えばポインタP-TN1に続くポインタP-TN1-GRに対して、10進法表記で『1』を示す値が格納されていれば、トラックTr1は、グループGr1に属していることを示すことになる。
なお、そのトラックがグループ・フリーとして設定されている場合、これに対応するポインタP-TNx-GRには、例えばALL‘0’(00h)が格納されればよいものとされる。
【0111】
このような構造とされることで、TOC#0を参照することで、トラック単位での記録再生管理が実現される。また、トラックがどのグループに属しているのか、或いはグループ・フリーとして扱われていればそのことを識別することが可能とされる。例えば、このようなグループに関する情報は、現在再生中のトラックがどのグループに属するのかという表示を表示部125に対して行う際にも、利用することができる。
【0112】
9−3.TOC#1
次に、図17にTOC#1の構造例を示す。このTOC#1は録音された各トラックにトラックネームが登録された場合に、このトラックネームとして入力された文字情報を記録するデータ領域とされる。
【0113】
TOC#1においても、先頭にヘッダーが配置され、続けてポインタ部と、パーツテーブル部が配置される。
このTOC#1には、記録された各トラックに相当するポインタ部として、所定数のポインタP-TNA1〜P-TNAnが用意され、またこのポインタP-TNA1〜P-TNAnによって指定されるスロット部が1単位8バイトで所定単位数のスロット(01h) 〜(xxh) が用意されており、上述したTOC#0とほぼ同様の形態で文字データを管理する。
【0114】
スロット(01h) 〜(xxh) にはトラックネームとしての文字情報がアスキーコードで記録される。
そして、例えばポインタP-TNA1によって指定されるスロットにはトラックTr1に対応してユーザーが入力した文字が記録されることになる。また、スロットがリンク情報によりリンクされることで、1つのトラックに対応する文字入力は7バイト(7文字)より大きくなっても対応できる。
このTOC#1でもポインタP-EMPTY は使用していないスロットを管理する
【0115】
9−4.TOC#2
続いて、図18にTOC#2の構造例を示す。
先のTOC#0にあっては、基本的には、記録データをトラック単位で管理すると共に、各トラックが属するグループ、又はトラックがグループ・フリーとして設定されていればこれを示すテーブルとされていた。
そして、TOC#2としては、先のTOC#1におけるポインタP-TNxと同様の管理形態によって、グループ単位によってディスク上のパーツを管理するためのテーブルとされるものである。
【0116】
このTOC#2全体の構造としても、所定サイズのヘッダーに続けて、ポインタ部とパーツテーブル部が配置される。
このポインタ部においては、パーツテーブルを指定するポインタとして、P-EMPTY,P-GN1〜P-GNn) が記録される領域が用意されている。
【0117】
ポインタP-GN1〜P-GNnによっては、ディスクに記録されたデータとして、それぞれ1つのグループを形成するとされるパーツのうちで、時間的に先頭となるパーツが示されるパーツテーブルを指定する。
例えばグループGr1を形成するとされる全トラックのデータがディスク上で離散せずに、1つのパーツで記録されているとされる場合は、そのグループGr1の記録領域はポインタP-GN1で示されるパーツテーブルにおけるスタート及びエンドアドレスとして記録されることになる。この場合の具体例として、例えばポインタP-GN1が「01h」を指定しているとすれば、パーツテーブル「01h」には、そのグループGr1を形成するとされる最初のトラックのスタートアドレスと、グループGr1を形成するとされる最後のトラックのエンドアドレスが示されることになる。
【0118】
また、例えばグループGr1がディスク上で複数のパーツに離散的に記録されている状態となっている場合は、そのグループGr1を形成するとされる各パーツが時間的な順序に従って指定される。つまり、ポインタP-GN1に指定されたパーツテーブルから、さらにリンク情報によって他のパーツテーブルが順次時間的な順序に従って指定されて、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで連結されることになる。
また、ポインタP-EMPTY は使用していないパーツテーブルを管理する。
【0119】
図7及び図8により説明した、グループ単位による頭出しサーチのためのアクセスは、このTOC#2を参照することで、容易に可能となる。
例えば、図7の矢印1に示すようにして、グループGr1内のトラックTr3を再生中に、送り方向の頭出しサーチのための操作が1回行われたときには、システムコントローラ46は、現在バッファメモリ42に保持しているTOC#2を参照して、ポインタP-GN2が示すパーツテーブルを参照する。ここで、例えばポインタP-GN2=02hとされていたのであれば、パーツテーブル02hを参照するようにされる。そして、パーツテーブル02hに示されるスタートアドレスを読み込み、この読み込んだアドレスに対してアクセスするための制御を実行することになる。この場合、パーツテーブル02hのスタートアドレスには、図7におけるグループGr2の先頭となるパーツのスタートアドレス、つまり、トラックTr21のスタートアドレスと同一の値が格納されていることから、システムコントローラ46としては、トラックTr21の開始位置にアクセスすることになる。つまり、グループGr2の開始位置にアクセスすることができ、結果的には、グループ単位による頭出しサーチが実行されているものである。
【0120】
また、TOC#2においては、各パーツテーブルにおいて、グループモードのエリアが設けられる。このグループモードのエリアには、各グループに関する所要の情報が格納される。そして、特に本実施の形態においては、このグループモードにより、当該パーツテーブルにより示すパーツが属するグループが、セキュリティグループであるか否かを示すことができるようになっている。
【0121】
例えば図14に示したようにして、セキュリティグループが設定される場合には、ポインタP-GN2が示すパーツテーブルにおけるグループモードにおける所定のビット位置について、セキュリティグループであることを示す値が格納されることになる。そして、システムコントローラ46は、このグループモードを参照することで、セキュリティグループとして設定されたグループを識別して、先に図14にて示したような制限動作を実現する。
なお、パスワードは、例えば図示するように、ポインタ部とパーツテーブル部との間のマージン領域における所定のバイト位置に設けられるものとされ、ユーザが操作により文字入力等を行って設定したパスワードは、この領域に格納される。
セキュリティ解除のためのパスワードが入力されたときには、システムコントローラ46は、入力されたパスワードと、このTOC#2に格納されているパスワードとについて照合を行い、一致の判定結果が得られたのであれば、セキュリティを解除して、そのセキュリティグループの再生要求に応じて、再生を開始させる。これに対して、一致の判定結果が得られなければ、そのセキュリティグループについての再生要求が行われたとしても、再生のための制御処理を実行しないようにされる。
【0122】
9−5.TOC#3
図19は、TOC#3の構造例を示している。
TOC#3は、先のTOC#1とほぼ同様の管理形態によって、設定されたグループについての名称であるグループネームをつけたり、また、ディスク自体の名称などの情報となるディスクネームをつける場合に、入力された文字情報を記録するデータ領域とされる。
【0123】
TOC#3においても、先頭にヘッダーが配置され、続けてポインタ部と、パーツテーブル部が配置される。
このTOC#3には、記録された各トラックに相当するポインタ部として、所定数のポインタP-GNA1〜P-GNAnが用意され、またこのポインタP-GNA1〜P-GNAnによって指定されるスロット部が1単位8バイトで所定単位数のスロット(00h) 〜(xxh) が用意されている。
【0124】
スロット(01h) 〜(xxh) にはディスクネーム又はトラックネームとしての文字情報がアスキーコードで記録される。
そして、例えばポインタP-GNA1によって指定されるスロットにはトラックTr1に対応してユーザーが入力した文字が記録されることになる。また、この場合にもスロットがリンク情報によりリンクされることで、1つのトラックに対応する文字入力は7バイト(7文字)より大きくなっても対応できる。
なお、スロット(00h) としての8バイトはディスクネームの記録のための専用エリアとされており、ポインタP-TNA(x)によっては指定されないスロットとされている。
このTOC#3でもポインタP-EMPTY は使用していないスロットを管理する。
【0125】
本実施の形態としては、上記したRTOC(TOC#0,#1,#2,#3)によって、従来と同様のトラック単位による管理に加え、グループ単位での管理が可能となるものである。そして、例えば図9及び図10、更に図13に示したようなデータ記録が行われた場合には、そのときのモード(トラックモード/グループモード)の下でのトラックの記録結果に応じて、適宜、RTOCにおける所要の内容を更新することで、各図に示したようなグループ単位での記録データの管理が実現される。また、同様にして、図11及び図12に例示したグループ単位による各種編集処理も、編集操作に応じてRTOCにおける所要の内容を更新することで実現することが可能とされるものである。
【0126】
なお、本発明としては、上記実施の形態として説明した構成のみに限定されるものではなく、各種変更が可能とされる。例えば、グループ化されたトラックの形態で記録データを管理するためのRTOCの構造としては、図15〜図19に示した形態のほかに、例えばファイルシステムなどを用いたディレクトリ構造の下で、フォルダの概念などを採用することでも可能である。
また、上記実施の形態では、トラックと、このトラックの集合から成るグループという、いわば2階層による管理としているが、これ以上の階層構造とすることも考えられる。つまり、例えばグループ単位の集合によって、より上位のグループを形成するようにするものである。
また、本発明に適用される装置としては、ミニディスクに対応する記録再生装置に限定されるものではなく、例えば他のディスクメディアであっても構わない。更には、例えばフラッシュメモリを採用したメディアなど、ディスクメディア以外のメディアであっても構わないものとされる。
また、本発明が対象とする記録データとしては、デジタルオーディオデータに限定されるものではなく、例えばビデオ信号をデータ化したビデオデータなどとされてもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の実施の形態に対応するディスクのトラック構造を示す説明図である。
【図2】本実施の形態に対応するディスクのトラック部分を拡大して示す説明図である。
【図3】本実施の形態に対応するディスクの仕様を示す説明図である。
【図4】本実施の形態としての記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】実施の形態のビデオカメラのメディアドライブ部の内部構成のブロック図である。
【図6】本実施の形態のRTOCによる記録データの管理形態を従来例と比較して示す説明図である。
【図7】グループモードでの送り方向の頭出しサーチの動作例を示す説明図である。
【図8】グループモードでの戻り方向の頭出しサーチの動作例を示す説明図である。
【図9】グループモードにより記録されたトラックの管理例を示す説明図である。
【図10】トラックモードにより記録されたトラックの管理例を示す説明図である。
【図11】グループモードでのグループ単位による移動編集処理例を示す説明図である。
【図12】グループモードでのグループ単位による連結編集処理例を示す説明図である。
【図13】CDのソースをダビング記録する場合のトラックの管理例を示す説明図である。
【図14】セキュリティグループについての概念を説明するための説明図である。
【図15】ディスクにおけるデータ構造例及びRTOCの構造例を示す説明図である。
【図16】RTOCにおけるTOC#0の構造例を示す説明図である。
【図17】RTOCにおけるTOC#1の構造例を示す説明図である。
【図18】RTOCにおけるTOC#2の構造例を示す説明図である。
【図19】RTOCにおけるTOC#3の構造例を示す説明図である。
【図20】TOC#0におけるリンク形態の説明図である。
【符号の説明】
【0128】
42 バッファメモリ、43 二値化回路、51 ディスク、52 スピンドルモータ、53 光学ヘッド、54 磁気ヘッド、55 スレッドモータ、101 RFアンプ、103 AGC/クランプ回路、104 イコライザ/PLL回路、105 ビタビデコーダ、106 RLL(1,7)復調回路、107 マトリクスアンプ、108 ADIPバンドパスフィルタ、109 A/Bトラック検出回路、110 ADIPデコーダ、111 CLVプロセッサ、112 サーボプロセッサ、113 サーボドライバ、114 データバス、115 スクランブル/EDCエンコード回路、116 ECC処理回路、117 デスクランブル/EDCデコード回路、118 RLL(1,7)変調回路、119 磁気ヘッド駆動回路、120 レーザドライバ、121 転送クロック発生回路、122 音声圧縮処理エンコーダ/デコーダ、123 入出力処理部、124 操作部、125 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムとしてのデータが記録される記録媒体に対応する再生装置、記録装置、及び編集装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年においては、各種のオーディオデータやビデオデータ(AVデータ)を記録再生可能なメディアが広く普及している。
そして最近においては、各種メディアの大容量化が促進されてきており、従って、1つのメディアに記録可能なデータ量も大幅に増加させることが可能になってきている。
【0003】
ところで、従来における一般的なデジタルオーディオ・ビデオのフォーマットにあっては、プログラムといわれる単位によって記録データを管理するようにされている。つまり、オーディオデータを例に挙げれば、通常、1プログラムは1楽曲として扱われることから、楽曲単位によって管理されるものである。
【0004】
ここで、デジタルオーディオ機器を例に挙げると、光磁気ディスクを記録媒体としたミニディスク記録再生装置が知られている。
例えば、ミニディスクの場合には、ディスク上でユーザーが録音を行なった領域(データ記録済領域)や、まだ何も録音されていない領域(データ記録可能な未記録領域)を管理するために、音楽等の主データとは別に、ユーザーTOC(以下U−TOCという)という管理情報が記録されている。そして記録装置はこのU−TOCを参照しながら録音を行なう領域を判別し、また再生装置はU−TOCを参照して再生すべき領域を判別している。
【0005】
つまり、U−TOCには録音された各楽曲等がトラックというデータ単位で管理され、そのスタートアドレス、エンドアドレス等が記される。また何も録音されていない未記録領域(フリーエリア)についてはデータ記録可能領域として、そのスタートアドレス、エンドアドレス等が記される。
【0006】
さらに、このようなU−TOCによりディスク上の領域が管理されることで、U−TOCを更新するようにして書き換えを行う処理のみにより、音楽等の記録データの1単位であるトラックの分割(ディバイド)、連結(コンバイン)、移動(ムーブ:トラックナンバの変更)、消去(イレーズ)等の編集処理が容易でしかも迅速に実行できることになる。
また、U−TOCにおいては、そのディスクのタイトル(ディスクネーム)や記録されている楽曲などの各プログラムについて曲名(トラックネーム)などを文字情報として記録しておくことのできる領域も設定されている。このため、ユーザの操作によって、上記ディスクネームやトラックネームを入力するといった編集作業も行えるようになっている。
なお、本明細書では「プログラム」とは、ディスクに記録される主データとしての楽曲などの音声データ等の単位の意味で用い、例えば1曲分の音声データが1つのプログラムとなる。また「プログラム」と同義で「トラック」という言葉も用いる。
【0007】
従来より知られているミニディスクシステムのフォーマットによっては、データ記録容量は140MBとされており、ATRAC(Adaptve Transform Acoustic Coding)方式といわれる音声データ圧縮方式によってエンコード処理された圧縮オーディオデータを記録した場合には、時間的に74分程度を記録することが可能とされている。
そして、近年にあっては、このミニディスクとしても、大幅に高記録密度化を図るべく、新しいフォーマットが開発されてきている。この新しいフォーマットでは、例えばディスクフォーマットや、データフォーマットを各種規定することで650MBのデータ記録容量が実現されている。そして、このような大容量のミニディスクに対して、例えばATRAC2方式といわれる、これまでのATRAC方式よりもよりデータ圧縮率の高い音声データ圧縮方式によって記録を行えば、時間的には10時間程度の記録を行うことが可能となる。
【0008】
例えば、これまでのデータ記録容量140MBのミニディスクにあっては、1枚のディスクに記録可能なトラック(楽曲数)は、通常は、10数曲〜20数曲程度とされていた。つまり、CDなどに代表される、いわゆるアルバム1枚分程度の楽曲数とされていたものである。
これに対して、上記したデータ記録容量650MBのミニディスクのようにして、ディスクが高記録密度化し、また、音声データ圧縮技術も進歩してくると、1枚のディスクに記録可能なトラック(楽曲)数は、相当に増加することになる。例えば上述のようにして10時間程度の記録時間が得られるのであるから、例えば1曲が4分程度であるとして、150曲程度の楽曲数を記録することも可能となるものである。また、74分の演奏時間のCDに換算すれば、このCDを8枚程度分は記録することが充分にできることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、上記のようにしてミニディスクが大容量化して、例えばこのディスクに記録可能なトラック数が増加した場合のことを考えてみると、ユーザとしては、例えばアルバム単位などの或る任意のコンセプトに基づいて、1枚のディスクに記録されている多数のトラックをグループごとに区分したいという要望がでてくることになる。
【0010】
しかし、ここで、上記した従来のU−TOCのようにして、トラック単位のみでの管理が行われる方法を採用した場合には、上記したようなグループによる区分管理を機器による処理として実行することは実現不可能とされることになる。従って、ユーザとしては、グループごとに多数の楽曲を区分するためには、これをラベルなどに記入しておいたり、或いは自身の記憶に頼るなどしなければならないため、その管理は面倒で不確かなものとなってしまう。
また、例えば上記のようにしてユーザが区分したグループを、ディスクに記録された多数の楽曲(トラック)のなから選択するといったことも、迅速には行えないことになる。このための対策の1つとして、例えば10曲(トラック)ごとなどの所定のトラック数ごとに頭出しを行っていく機器は知られてはいるものの、この場合には、ユーザが区分したグループ単位の頭出しは行えないものであり、この点では、有効に問題が解決されているとはいえない。
更に、前述した各種編集について、グループ単位によって行いたいと思った場合でも、そのための編集操作などの作業はトラック単位であることから、非常に煩雑で面倒なものとなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の再生装置は、は、データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体を再生する再生手段と、上記再生手段が再生した上記管理情報に基づいて、集合体単位で所定の再生動作を、上記再生手段に実行させる再生制御手段とを備える。
上記再生制御手段は、複数の上記データのうち集合体に含まれないデータを上記再生手段に再生させるときには、データ単位による所定の再生動作を、上記再生手段に実行させる。
【0012】
本発明の記録装置は、データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体に対するデータの記録動作を行う記録手段と、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを上記集合体に含まれるデータとして管理するように上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる制御手段とを備える。
上記制御手段は、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、新規な集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる。
さらに、上記制御手段は、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、既に上記記録媒体に記録されている特定の集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記憶されている上記管理情報を更新させる。
さらに、上記制御手段は、アルバム単位の複数のデータを上記記録手段によって上記記憶媒体に記録させるときに、上記アルバム単位に含まれる複数のデータを、それぞれ一つのデータとして管理し、また、新規な集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる。
さらに、上記制御手段は、必要に応じて、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、何れの集合体にも含まれないデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録された管理情報を更新させる。
【0013】
本発明の編集装置は、データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体に対する、データの再生又は記録動作を行う記録再生手段と、上記記憶媒体に記録されているデータについて、集合体単位の所定の編集指示を行うための編集指示手段と、上記編集指示手段への指示入力に基づいて、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新するために、上記記録再生手段を制御する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明は、記録媒体に記録される記録データを管理するための管理情報として、トラック(プログラム)をグループ(プログラム集合体)として纏めて管理可能とされている。そして、この管理情報を参照することで、グループ単位での各種再生動作を実行することが可能となる。
【0015】
例えば大容量の記録媒体に対して非常に多くのトラックが記録されるような状況では、当然、或るコンセプトに基づいて複数のトラックをグループ化し、このグループ単位により各種再生操作を行いたいという要望が起きてくる。しかし、従来においては、管理情報はトラック単位のみによって管理を行うものであったことから、このようなグループ化によるデータの管理は困難とされ、従って、グループ単位での再生操作はできずにいたものである。
これに対して本発明では、上記したように、例えば複数トラックをグループとして管理可能な管理情報を有しているために、この管理情報を参照することで、グループ単位での各種再生制御処理が可能となるものである。
【0016】
例えば、再生制御処理の1つには、グループ単位での頭出しサーチを実行可能とされており、これによってユーザは、ディスクに記録された内容をグループ単位により選択しながら再生するという、これまでに無い操作を行うことが可能になるものである。
【0017】
また、本発明の管理情報としては、何れのグループにも属さないグループ・フリーとして扱われるようにして各トラックを管理可能ともされている。例えばユーザによっては、使い勝手上、敢えて何れのグループにも属しないトラックを設けることも好ましいとされる場合があるが、このようにグループ・フリーとしても管理されるようにすれば、上記したようなユーザの要望に応えることができ、その利便性は更に向上する。
【0018】
また本発明は、記録時において、新規に記録されたトラックを或る所要のグループに属するようにして管理された状態で記録することが可能とされる。
これにより、ユーザは、敢えてグループ化のための編集処理を行わなくとも、新規に記録したトラックは適切な態様でグループ化されて管理されることになるものである。
そして本発明として、上記のような記録時におけるグループ管理の形態としては、1つには、新規に記録されたトラックは、新規なグループに属するものとして管理されるようにされる。また1つには、新規に記録されたトラックは、既に記録されているデータに対して設定されている特定のグループに属させるようにして管理する。そして、これらの記録管理の仕方を、例えばユーザの意図に応じて使い分けができるようにすれば、やはり利便性としては向上されるものである。
【0019】
また本実施の形態では、いわゆるアルバム単位としてみることのできる1以上のトラックを記録媒体に記録する場合には、このアルバムを形成するトラックを1つのグループとして管理して記録するようにもされる。これによって、例えば例えばCDなどのソースをダビングする場合には、このCDからダビングした内容は自動的に1つのトラックとして管理されることになり、この点でもユーザの利便性は向上する。特に、実際においては、このようなアルバム単位によってグループ化設定を行う機会は比較的頻繁であると思われることから、このような構成は、実際において非常に有用となるものである。
【0020】
また、記録時に関しても、新規に記録されたトラックをグループ・フリーとして扱われるように管理することが可能とされており、やはりここでも、敢えて何れのグループにも属しないトラックを設けたい場合があるとするユーザの要望に対応しているものである。
【0021】
更に本発明としては、グループ単位での管理が可能な形式を有する管理情報についての書き換えを行うことで、例えばユーザの操作に応じての編集処理として、グループ単位による各種編集処理を実行することが可能とされている。
例えばグループ単位的な編集を、従来のようにトラック単位のみによって管理する管理情報に基づいて行った場合には、ユーザは、編集対象のグループに属するトラックごとについて、同様の操作を繰り返す必要があり、その作業は非常に煩雑で面倒なものとなるのであるが、本発明であれば、このような問題は解消され、その操作は、非常に簡略で、容易なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明を行っていくこととする。本実施の形態としては、光磁気ディスクであるミニディスクに対応して記録再生が可能とされる記録再生装置を例に挙げることとする。
なお、以降の説明は次の順序で行う。
1.ディスクフォーマット
2.記録再生装置
3.操作部
4.トラックの管理形態
5.グループモードでの頭出しサーチ
6.記録動作
6−1.グループモード時
6−2.トラックモード時
7.グループモードでの編集処理例
7−1.移動
7−2.連結
7−3.ダビング記録
8.セキュリティグループ
9.TOC構造例
9−1.ディスクのデータ構造
9−2.TOC#0
9−3.TOC#1
9−4.TOC#2
9−5.TOC#3
【0023】
1.ディスクフォーマット
本実施の形態の記録再生装置は、ミニディスク(光磁気ディスク)に対応してデータの記録/再生を行う、MDデータといわれるフォーマットに対応しているものとされる。このMDデータフォーマットとしては、MD−DATA1とMD−DATA2といわれる2種類のフォーマットが開発されているが、本実施の形態記録再生装置は、MD−DATA1よりも高密度記録が可能とされるMD−DATA2のフォーマットに対応して記録再生を行うものとされている。そこで、先ずMD−DATA2のディスクフォーマットについて説明する。
なお、MD−DATA2フォーマットとしては、オーディオデータ以外にも各種データを記録再生可能とされるが、ここでは、説明の便宜上、本実施の形態の記録再生装置により記録再生されるのは、オーディオデータのみであることを前提として以降の説明を行っていく。
【0024】
図1及び図2は、MD−DATA2としてのディスクのトラック構造例を概念的に示している。図2(a)(b)は、それぞれ図1の破線Aで括った部分を拡大して示す断面図及び平面図である。
これらの図に示すように、ディスク面に対してはウォブル(蛇行)が与えられたウォブルドグルーブWGと、ウォブルが与えられていないノンウォブルドグルーブNWGとの2種類のグルーブ(溝)が予め形成される。そして、これらウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGは、その間にランドLdを形成するようにしてディスク上において2重のスパイラル状に存在する。
【0025】
MD−DATA2フォーマットでは、ランドLdが記録トラック(データが記録されるトラック)として利用されるのであるが、上記のようにしてウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGが形成されることから、記録トラックとしてもトラックTr・A,Tr・Bの2つのトラックがそれぞれ独立して、2重のスパイラル(ダブルスパイラル)状に形成されることになる。
トラックTr・Aは、ディスク外周側にウォブルドグルーブWGが位置し、ディスク内周側にノンウォブルドグルーブNWGが位置するトラックとなる。
これに対してトラックTr・Bは、ディスク内周側にウォブルドグルーブWGが位置し、ディスク外周側にノンウォブルドグルーブNWGが位置するトラックとなる。
つまり、トラックTr・Aに対してはディスク外周側の片側のみにウォブルが形成され、トラックTr・Bとしてはディスク内周側の片側のみにウォブルが形成されるようにしたものとみることができる。
この場合、トラックピッチは、互いに隣接するトラックTr・AとトラックTr・Bの各センター間の距離となり、図2(b)に示すようにトラックピッチは0.95μmとされている。
【0026】
ここで、ウォブルドグルーブWGとしてのグルーブに形成されたウォブルは、ディスク上の物理アドレスがFM変調+バイフェーズ変調によりエンコードされた信号に基づいて形成されているものである。このため、記録再生時においてウォブルドグルーブWGに与えられたウォブリングから得られる再生情報を復調処理することで、ディスク上の物理アドレスを抽出することが可能となる。
また、ウォブルドグルーブWGとしてのアドレス情報は、トラックTr・A,Tr・Bに対して共通に有効なものとされる。つまり、ウォブルドグルーブWGを挟んで内周に位置するトラックTr・Aと、外周に位置するトラックTr・Bは、そのウォブルドグルーブWGに与えられたウォブリングによるアドレス情報を共有するようにされる。
なお、このようなアドレッシング方式はインターレースアドレッシング方式ともいわれる。このインターレースアドレッシング方式を採用することで、例えば、隣接するウォブル間のクロストークを抑制した上でトラックピッチを小さくすることが可能となるものである。また、グルーブに対してウォブルを形成することでアドレスを記録する方式については、ADIP(Adress In Pregroove) 方式ともいう。
【0027】
また、上記のようにして同一のアドレス情報を共有するトラックTr・A,Tr・Bの何れをトレースしているのかという識別は次のようにして行うことができる。
例えば3ビーム方式を応用し、メインビームがトラック(ランドLd)をトレースしている状態では、残る2つのサイドビームは、上記メインビームがトレースしているトラックの両サイドに位置するグルーブをトレースしているようにすることが考えられる。
【0028】
図2(b)には、具体例として、メインビームスポットSPmがトラックTr・Aをトレースしている状態が示されている。この場合には、2つのサイドビームスポットSPs1,SPs2のうち、内周側のサイドビームスポットSPs1はノンウォブルドグルーブNWGをトレースし、外周側のサイドビームスポットSPs2はウォブルドグルーブWGをトレースすることになる。
これに対して、図示しないが、メインビームスポットSPmがトラックTr・Bをトレースしている状態であれば、サイドビームスポットSPs1がウォブルドグルーブWGをトレースし、サイドビームスポットSPs2がノンウォブルドグルーブNWGをトレースすることになる。
このように、メインビームスポットSPmが、トラックTr・Aをトレースする場合とトラックTr・Bをトレースする場合とでは、サイドビームスポットSPs1,SPs2がトレースすべきグルーブとしては、必然的にウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGとで入れ替わることになる。
【0029】
サイドビームスポットSPs1,SPs2の反射によりフォトディテクタにて得られる検出信号としては、ウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGの何れをトレースしているのかで異なる波形が得られることから、上記検出信号に基づいて、例えば、現在サイドビームスポットSPs1,SPs2のうち、どちらがウォブルドグルーブWG(あるいはノンウォブルドグルーブNWG)をトレースしているのかを判別することにより、メインビームがトラックTr・A,Tr・Bのどちらをトレースしているのかが識別できることになる。
【0030】
図3は、上記のようなトラック構造を有するMD−DATA2フォーマットのの主要スペックをMD−DATA1フォーマットと比較して示す図である。
先ず、MD−DATA1フォーマットとしては、トラックピッチは1.6μm、ピット長は0.59μm/bitとなる。また、レーザ波長λ=780nmとされ、光学ヘッドの開口率NA=0.45とされる。
記録方式としては、グルーブ記録方式を採っている。つまり、グルーブをトラックとして記録再生に用いるようにしている。
アドレス方式としては、シングルスパイラルによるグルーブ(トラック)を形成したうえで、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブルを形成したウォブルドグルーブを利用する方式を採るようにされている。
【0031】
記録データの変調方式としてはEFM(8−14変換)方式を採用している。また、誤り訂正方式としてはACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code) が採用され、データインターリーブには畳み込み型を採用している。このため、データの冗長度としては46.3%となる。
【0032】
また、MD−DATA1フォーマットでは、ディスク駆動方式としてCLV(Constant Linear Verocity)が採用されており、CLVの線速度としては、1.2m/sとされる。
そして、記録再生時の標準のデータレートとしては、133kB/sとされ、記録容量としては、140MBとなる。
【0033】
これに対して、本例のビデオカメラが対応できるMD−DATA2フォーマットとしては、トラックピッチは0.95μm、ピット長は0.39μm/bitとされ、共にMD−DATA1フォーマットよりも短くなっていることが分かる。そして、例えば上記ピット長を実現するために、レーザ波長λ=650nm、光学ヘッドの開口率NA=0.52として、合焦位置でのビームスポット径を絞ると共に光学系としての帯域を拡げている。
【0034】
記録方式としては、図1及び図2により説明したように、ランド記録方式が採用され、アドレス方式としてはインターレースアドレッシング方式が採用される。また、記録データの変調方式としては、高密度記録に適合するとされるRLL(1,7)方式(RLL;Run Length Limited)が採用され、誤り訂正方式としてはRS−PC方式、データインターリーブにはブロック完結型が採用される。そして、上記各方式を採用した結果、データの冗長度としては、19.7%にまで抑制することが可能となっている。
【0035】
MD−DATA2フォーマットにおいても、ディスク駆動方式としてはCLVが採用されるのであるが、その線速度としては2.0m/sとされ、記録再生時の標準のデータレートとしては589kB/sとされる。そして、記録容量としては650MBを得ることができ、MD−DATA1フォーマットと比較した場合には、4倍強の高密度記録化が実現されたことになる。
例えば、MD−DATA2フォーマットにより動画像の記録を行うとして、動画像データについてMPEG2による圧縮符号化を施した場合には、符号化データのビットレートにも依るが、時間にして15分〜17分の動画を記録することが可能とされる。また、音声信号データのみを記録するとして、音声データについてATRAC(Adaptve Transform Acoustic Coding) 2による圧縮処理を施した場合には、時間にして10時間程度の記録を行うことができる。
【0036】
2.記録再生装置
続いて、上記したMD−DATA2のフォーマットに対応する、本実施の形態の記録再生装置の構成例について、図4のブロック図を参照して説明する。
【0037】
光学ヘッド53のディスク51に対するデータ読み出し動作によりに検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RF信号処理回路44内のRFアンプ101に供給される。
RFアンプ101では入力された検出情報から、再生信号としての再生RF信号を生成し、二値化回路43に供給する。二値化回路43は、入力された再生RF信号について二値化を行うことにより、デジタル信号化された再生RF信号(二値化RF信号)を得る。
この二値化RF信号は、まずAGC/クランプ回路103に入力されてゲイン調整、クランプ処理等が行われた後、イコライザ/PLL回路104に入力される。
イコライザ/PLL回路104では、入力された二値化RF信号についてイコライジング処理を施してビタビデコーダ105に出力する。また、イコライジング処理後の二値化RF信号をPLL回路に入力することにより、二値化RF信号(RLL(1,7)符号列)に同期したクロックCLKを抽出する。
【0038】
クロックCLKの周波数は現在のディスク回転速度に対応する。このため、CLVプロセッサ111では、イコライザ/PLL回路104からクロックCLKを入力し、所定のCLV速度(図3参照)に対応する基準値と比較することにより誤差情報を得て、この誤差情報をスピンドルエラー信号SPEを生成するための信号成分として利用する。また、クロックCLKは、例えばRLL(1,7)復調回路106をはじめとする、所要の信号処理回路系における処理のためのクロックとして利用される。
【0039】
ビタビデコーダ105は、イコライザ/PLL回路104から入力された二値化RF信号について、いわゆるビタビ復号法に従った復号処理を行う。これにより、RLL(1,7)符号列としての再生データが得られることになる。
この再生データはRLL(1,7)復調回路106に入力され、ここでRLL(1,7)復調が施されたデータストリームとされる。
【0040】
RLL(1,7)復調回路106における復調処理により得られたデータストリームは、データバス114を介してバッファメモリ42に対して書き込みが行われ、バッファメモリ42上で展開される。
このようにしてバッファメモリ42上に展開されたデータストリームに対しては、先ず、ECC処理回路116により、RS−PC方式に従って誤り訂正ブロック単位によるエラー訂正処理が施され、更に、デスクランブル/EDCデコード回路117により、デスクランブル処理と、EDCデコード処理(エラー検出処理)が施される。
これまでの処理が施されたデータが再生データDATApとされる。この再生データDATApは、転送クロック発生回路121にて発生された転送クロックに従った転送レートで、例えばデスクランブル/EDCデコード回路117から音声圧縮エンコーダ/デコーダ122に対して転送される。
【0041】
ここで、上記した再生データDATApは、ATRAC2方式により圧縮処理が施された圧縮オーディオデータとされる。音声圧縮エンコーダ/デコーダ122では、入力された再生データDATApについて、ATRAC2方式に従って伸長処理を施し、例えばサンプリング周波数44.1KHz、量子化ビット16ビットのデジタルオーディオデータに変換する。そして、このデジタルオーディオデータを入出力処理部123に対して転送する。
【0042】
入出力処理部123は、オーディオ信号の入出力に関しての所要の信号処理等を行う部位である。この入出力処理部123に対して、再生出力として音声圧縮エンコーダ/デコーダ122から転送されてきたデジタルオーディオデータは、例えば、そのフォーマットのまま、デジタルオーディオ出力端子Doutに対して出力することができる。なお、圧縮処理が施されたままのデジタルオーディオデータを外部に出力させるための信号経路及び端子が設けられてもよいものである。
また、入出力処理部123内部に設けられているとされるD/Aコンバータによってアナログオーディオ信号に変換して、アナログオーディオ出力端子Aoutから出力させることができる。更には、D/Aコンバータによって変換したアナログオーディオ信号について、ヘッドフォンにより音声出力するのに適合した増幅処理等を行って、ヘッドフォン出力端子HPoutから出力させることもできるようになっている。
【0043】
転送クロック発生回路121は、例えば、クリスタル系のクロックを発生する回路部位であり、当該記録再生装置内における機能回路部間で必要とされる周波数のクロックを供給する。
【0044】
光学ヘッド53によりディスク51から読み出された検出情報(光電流)は、マトリクスアンプ107に対しても供給される。
マトリクスアンプ107では、入力された検出情報について所要の演算処理を施すことにより、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスク51にウォブルドグルーブWGとして記録されている絶対アドレス情報)GFM等を抽出しサーボ回路45に供給する。即ち抽出されたトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEはサーボプロセッサ112に供給され、グルーブ情報GFMはADIPバンドパスフィルタ108に供給される。
【0045】
ADIPバンドパスフィルタ108により帯域制限されたグルーブ情報GFMは、A/Bトラック検出回路109、ADIPデコーダ110、及びCLVプロセッサ111に対して供給される。
A/Bトラック検出回路109では、例えば図2(b)にて説明した方式などに基づいて、入力されたグルーブ情報GFMから、現在トレースしているトラックがトラックTR・A,TR・Bの何れとされているのかについて判別を行い、このトラック判別情報をドライバコントローラ46に出力する。また、ADIPデコーダ110では、入力されたグルーブ情報GFMをデコードしてディスク上の絶対アドレス情報であるADIP信号を抽出し、ドライバコントローラ46に出力する。ドライバコントローラ46では、上記トラック判別情報及びADIP信号に基づいて、所要の制御処理を実行する。
【0046】
CLVプロセッサ111には、イコライザ/PLL回路104からクロックCLKと、ADIPバンドパスフィルタ108を介したグルーブ情報GFMが入力される。CLVプロセッサ111では、例えばグルーブ情報GFMに対するクロックCLKとの位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号SPEを生成し、サーボプロセッサ112に対して出力する。なお、CLVプロセッサ111が実行すべき所要の動作はドライバコントローラ46によって制御される。
【0047】
サーボプロセッサ112は、上記のようにして入力されたトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、スピンドルエラー信号SPE、ドライバコントローラ46からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、サーボドライバ113に対して出力する。
サーボドライバ113では、サーボプロセッサ112から供給されたサーボ制御信号に基づいて所要のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、二軸機構を駆動する二軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ52を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。
このようなサーボドライブ信号がデッキ部5に対して供給されることで、ディスク51に対するフォーカス制御、トラッキング制御、及びスピンドルモータ52に対するCLV制御が行われることになる。
【0048】
また、入出力処理部123に対しては、記録用のオーディオソースとして、例えば所定フォーマットのデジタルオーディオデータを、デジタルオーディオ入力端子Dinから入力させることができ、また、アナログオーディオ信号をアナログオーディオ入力端子Ainから入力させることができるようになっている。
入出力処理部123に入力されたデジタルオーディオデータは、例えば必要があれば、ここで、サンプリング周波数や量子化ビットなどの変換が行われ、最終的には、サンプリング周波数44.1KHz、量子化ビット16ビットのデジタルオーディオデータとして、音声圧縮エンコーダ/デコーダ122に対して転送される。
また、入力されたアナログオーディオ信号は、入出力処理部123内に備えられているとされるA/Dコンバータによって、デジタルオーディオデータに変換されて、音声圧縮エンコーダ/デコーダ122に対して転送される。
【0049】
音声圧縮エンコーダ/デコーダ122では、入出力処理部123から入力されてくるデジタルオーディオデータについて、ATRAC2方式に従った音声圧縮処理を施して、圧縮オーディオデータを生成する。そして、この圧縮オーディオデータを、記録データDATArとして、スクランブル/EDCエンコード回路115に対して転送する。このユーザ記録データDATArは、例えば転送クロック発生回路121にて発生された転送クロック(データ転送レート)に同期して入力される。
【0050】
スクランブル/EDCエンコード回路115では、例えば記録データDATArをバッファメモリ42に書き込んで展開し、データスクランブル処理、EDCエンコード処理(所定方式によるエラー検出符号の付加処理)を施す。この処理の後、例えばECC処理回路116によって、バッファメモリ42に展開させている記録データDATArに対してRS−PC方式によるエラー訂正符号を付加するようにされる。
ここまでの処理が施された記録データDATArは、バッファメモリ42から読み出されて、データバス114を介してRLL(1,7)変調回路118に供給される。
【0051】
RLL(1,7)変調回路118では、入力された記録データDATArについてRLL(1,7)変調処理を施し、このRLL(1,7)符号列としての記録データを磁気ヘッド駆動回路119に出力する。
【0052】
ところで、MD−DATA2フォーマットでは、ディスクに対する記録方式として、いわゆるレーザストローブ磁界変調方式を採用している。レーザストローブ磁界変調方式とは、記録データにより変調した磁界をディスク記録面に印加すると共に、ディスクに照射すべきレーザ光を記録データに同期してパルス発光させる記録方式をいう。
このようなレーザストローブ磁界変調方式では、ディスクに記録されるピットエッジの形成過程が磁界の反転速度等の過渡特性に依存せず、レーザパルスの照射タイミングによって決定される。
このため、例えば単純磁界変調方式(レーザ光をディスクに対して定常的に照射すると共に記録データにより変調した磁界をディスク記録面に印加するようにした方式)と比較して、レーザストローブ磁界変調方式では、記録ピットのジッタをきわめて小さくすることが容易に可能とされる。つまり、レーザストローブ磁界変調方式は、高密度記録化に有利な記録方式とされるものである。
【0053】
磁気ヘッド駆動回路119では、入力された記録データにより変調した磁界が磁気ヘッド54からディスク51に印加されるように動作する。また、RLL(1,7)変調回路118からレーザドライバ120に対しては、記録データに同期したクロックを出力する。レーザドライバ120は、入力されたクロックに基づいて、磁気ヘッド54により磁界として発生される記録データに同期させたレーザパルスがディスクに対して照射されるように、光学ヘッド53のレーザダイオードを駆動する。この際、レーザダイオードから発光出力されるレーザパルスとしては、記録に適合する所要のレーザパワーによるものとなる。このようにして、本実施の形態のメディアドライブ部4により上記レーザストローブ磁界変調方式としての記録動作が可能とされる。
なお、ここでは図示していないが、本実施の形態の記録再生装置としては、MD−DATA1フォーマットのディスクに対応しての記録再生も行えるように互換性を与えるために、MD−DATA1フォーマットに対応する機能回路部を設けるようにしても構わないものである。
【0054】
操作部124は、当該記録再生装置を操作するために本体に設けられる各種操作子から成る。この操作部124では、操作子に対して行われた操作に対応する操作情報をシステムコントローラ46に対して出力する。システムコントローラ46が、入力された操作情報に応じて所要の制御処理を実行することで、操作に応じた記録再生装置の動作が得られることになる。
なお、ここでは図示していないが、操作部124に代わる操作手段として、赤外線や電波などによって操作に応じた操作情報を無線で送信するリモートコントローラを備え、本体側では、送信信号を受信デコードしてシステムコントローラ46に転送する受信部を備えるようにすることも考えられる。
【0055】
また、表示部125は、例えばLCDディスプレイ装置などを備えて構成され、システムコントローラ46の制御によって適宜所要の内容の表示が行われる。例えばこの表示部125にて表示される内容としては、再生動作中であれば、現在再生中のトラックや、後述するグループ等のナンバー、ネームなどのほか、再生進行時間などが表示されるものである。
【0056】
3.操作部
図5は、記録再生装置に備えられる操作部124として、代表的となる操作子を例示している。
この図に示す操作部124において、イジェクトキー201は、記録再生可能位置に装填されているミニディスクをイジェクトして本体外部に排出させるための操作子とされる。
また、頭出しサーチキー202、203は、それぞれ戻り方向、送り方向へのトラック単位による頭出しを行うための操作子である。
再生/一時停止キー204は、再生開始操作と一時停止操作を行うことができる。停止キー205は、記録再生動作を停止させるための操作子である。また、録音キー206は、楽曲データの記録を開始させる際に操作される。
編集キー207は、各種編集操作を行う際に操作されるキーとされる。この編集操作としては、例えばトラックの移動、分割、連結、消去(全曲消去可能とされる)などのほか、トラックネームやディスクネームを入力して登録することも可能とされている。
また、本実施の形態にあっては、後述するようにして、複数のトラックから成るトラックの集合単位をグループとして扱って、このグループ単位によっても記録データの管理が行われるようにされる。そして、上記した編集操作としては、グループ単位による移動、分割、連結、消去、また、グループネームの登録などが行えるようにされている。
【0057】
グループモードキー208は、グループモードと、トラックモードとの切り換えを行うためのキーである。ここでいうグループモードとは、上記したグループ単位での再生、記録に関する動作が可能とされるモードのことをいい、トラックモードとは、従来の記録再生装置と同様に、トラック単位での再生、記録に関する動作が実行されるモードのことをいう。
例えば、このグループモードキー208を1回押圧操作するごとに、グループモードとトラックモードとの間での切り換えが行われるようにされる。また、例えばグループモードキー208を操作しながら、他の操作子を操作するという、いわゆる複合操作を行ったときに、グループモードとしての操作が行われるようにすることも考えられる。
また、グループモードキーとしては、図5の下側に抜き出して示すように、メカニカルスイッチによるグループモードキー208aとすることも考えられる。この場合、グループモードキー208aはスライドスイッチとなっており、スライドスイッチとしての操作子を右側にスライドさせればグループモードが設定され、左側にスライドさせればトラックモードが設定されるようになっている。
何れにせよ、本実施の形態としては、所定操作によってグループモードとトラックモードとの切り換えが行われればよいものであって、このための操作手段としては、この図5により説明した内容に限定されるものではない。
【0058】
また、この図に示す操作部124においては、グループ頭出しサーチキー209,210が示される。例えばグループ頭出しサーチキー209を1回押圧操作するごとに、戻り方向にグループ単位での頭出しサーチを行うことができるようになっている。また、グループ頭出しサーチキー210を1回押圧操作するごとに、送り方向にグループ単位での頭出しサーチを行うことができる。
なお、例えば操作態様として、グループモードキー208(208a)を操作してグループモードを設定して、頭出しサーチキー202、203を操作することで、グループ単位での頭出しサーチを行うことができるようにすることも考えられ、このような操作態様を採る場合には、グループ頭出しサーチキー209,210を省略しても構わないものである。
【0059】
また、図5においては、表示部125としての表示パネル部位も例示されている。
この図においては、表示部125において[G2−21 SONG1]と表示されている例が示されているが、これは、[G2−21]により、グループナンバーが[2]で、トラックナンバーが[21]のトラックであることを示しており、[SONG1]により、例えばトラックネーム若しくはグループネームを示しているものである。
【0060】
4.トラックの管理形態
本実施の形態では、ディスクに記録されているトラックについて、1以上のトラックをグループとして区分して管理することが可能とされている。これを従来例との比較により、図6に示す。
図6(b)には、従来のミニディスクシステムにおける記録データの管理形態が示される。つまり、周知のように、従来のミニディスクフォーマットにあっては、U−TOCによって、記録データがトラック単位のみによって管理される。例えば従来のミニディスクにあって、ディスクにトラックTr1〜Tr10までの10トラックが記録されているとすると、U−TOCでは、これらのトラック単位で管理を行うようにされる。
従って、例えば頭出しサーチのときには、U−TOCを参照して得た次のトラックのアドレスに対してアクセスすることになるのであるが、U−TOCがトラック単位での管理を行っている都合上、図示もしているように、頭出しサーチとしてはトラック単位となるものである。
また、U−TOCがトラック単位で管理する形式を採っている以上、周知のように、例えばデータの記録や、編集操作についても、基本的にはトラック単位で行われることになるものである。
【0061】
そして、本実施の形態においては、ディスクに記録されたデータは、図6(a)に例示されるようにして管理することができる。
ここでは、トラックTr1〜Tr40までの40トラックが記録されている場合が示されている。そして、この場合にはトラックTr1〜Tr20までの20トラックがグループGr1として、1つのグループに属するものとして管理されている状態が示されている。
また、続くトラックTr21〜Tr23までの4トラックがグループGr2として、やはり1つのグループに属するものとして管理されているものである。そして、次のトラックTr24,Tr25の2トラックがグループGr3に属するように管理されている。
【0062】
本実施の形態では、上記のようにして、トラックナンバーが連続する複数トラックを1つのグループとして管理することができるようになっている。
このようなグループの設定は、例えばユーザの所定の編集操作によって設定することが可能とされる。また、後述するようにして、CD1枚分などのアルバム単位でのダビング記録を行うような際に、このアルバム単位の複数楽曲(トラック)を1つのグループとして管理される形態でミニディスク側に記録するようにされることで、グループが自動的に設定されるようにもしている。
【0063】
但し、例えばグループによる複数トラックの管理が可能であるとしても、ユーザの使い勝手の点からすれば、ディスクに記録されたトラックを必ずしも、何れかのグループに属させる必要はなく、かえって、グループには属させないようにしたほうが好ましいとされる場合があることは、当然考えられる。
そこで本実施の形態においては、図6(a)に示しているように、グループに属させる必要のないトラックをグループ・フリーなトラックとして管理することも可能とされている。ここでは、トラックTr26〜Tr40までの15トラックが、グループ・フリーGr・Fのトラックとして管理されている。
【0064】
このようなグループ単位を含む記録データの管理は、ディスクに記録される管理情報(RTOC)の構造によって実現されるものである。なお、この管理情報の構造については後述する。また、ここでは例示してはいないが、1つのトラックを1グループとして扱って管理することも可能とされる。
そして本実施の形態では、このようにしてグループ単位によって記録データ(トラック)を管理可能とすることで、以降説明していくようにして、グループ単位での記録再生動作が可能とされ、また、編集操作を行うことが可能とされるものである。
【0065】
5.グループモードでの頭出しサーチ
図7は、グループモード時の頭出しサーチの動作例を模式的に示している。
この図においても、ディスクにはトラックTr1〜トラックTr40までの40トラックが記録されている場合が示され、グループGr1にはトラックTr1〜20が属し、グループGr2にはトラックTr21〜Tr23が属し、グループGr3にはトラックTr24,Tr25が属している状態が示される。また、Tr26〜Tr40までは、グループ・フリーGr・Fとされている。
【0066】
ここで、現在グループGr1内のトラックTr3を再生中であるときに、グループモードとしての送り方向への頭出しサーチの操作を行ったとする。
するとこの場合には、先ず矢印1として示すように、グループGr1に続くグループGr2の先頭トラックであるトラックTr21の開始位置にアクセスして再生を開始するようにされる。また、ここで更に頭出しサーチの操作を行ったとすると、矢印2として示すように、次のグループGr3の先頭トラックTr24の開始位置にアクセスすることになる。この図の場合には、グループGr3がディスク内において最後のグループとなっている。
そして、ここから更に頭出しサーチの操作を行ったとすると、この場合には矢印3により示すように、グループ・フリーに属するトラックのうちで先頭にあるとされるトラックTr26の開始位置にアクセスするようにされる。
そして、例えば上記のようにしてグループ・フリー内にあるトラックを再生中にグループモードとしての送り方向への頭出しサーチが行われた場合には、実線の4の矢印により示すようにして、最初のグループGr1の先頭トラックTr1の開始位置にアクセスするようにされている。
【0067】
なお、グループモード下において、グループ・フリーGr・Fのトラックを再生しているときに頭出しサーチ操作が行われた場合であるが、グループ・フリーのトラックは、ユーザの使い勝手上、何れのグループにも属さないものとして設定されたトラックであることから、例えば図において破線の矢印4として示すように、グループモードであっても、グループ・フリーGr・F内における次のトラックにアクセスさせるようにすることも考えられる。
【0068】
また、図8には、グループモードでの戻り方向への頭出し操作が行われる場合の動作が示されている。なお、この図に示されるディスクに記録されたトラック及びグループ管理形態は、図6の場合と同様としている。
ここでも、グループGr1内のトラックTr3を再生中に、戻り方向の頭出しサーチ操作が行われたとする。すると、この場合には、先ず図中の矢印1に示されるように、同じグループGr1の先頭トラックTr1の開始位置に対してアクセスするようにされる。
そして、この状態から更に戻り方向への頭出しサーチ操作が行われたとすると、矢印2に示すようにして、グループ・フリーGr・Fにおける先頭トラックTr26の開始位置に対してアクセスするようにされる。
また、ここから更に戻り方向への頭出しサーチ操作が行わたとすると、最後のグループであるグループGr3の先頭トラックTr24の開始位置にアクセスすることになる。そして、ここから戻り方向への頭出しサーチ操作が行われるごとに、順次、グループGr2の先頭トラックTr21の開始位置、グループGr1の先頭トラックTr1の開始位置にアクセスするようにされる。
【0069】
なお、この場合にも、最初のグループGr1の先頭トラックTr1を再生中に、戻り方向の頭出しサーチ操作が行われた場合としては、例えばグループ・フリーの最後のトラックの開始位置にアクセスさせ、この後グループ・フリー内のトラックを再生中に頭出しサーチ操作が行われるごとに、直前のトラックの開始位置に順次アクセスしていくという動作とすることも考えられる。
何れにせよ、グループモード下での頭出しサーチが行われる際のグループ・フリーの扱いとしては、各種考えられるものであり、上記したようなアクセス動作以外の動作であっても構わないものである。
【0070】
このようにして、本実施の形態では、ユーザが意図する何らかの概念によって纏められたグループの単位ごとに、頭出しサーチを行うことができる。これは、例えば、本実施の形態の場合のように、圧縮効率の高い方式により圧縮されたオーディオデータを、大容量のメディアに記録できることで、膨大な数のトラックが記録可能とされる場合に、より有用となるものである。つまり、トラック単位で頭出しを行う場合に、ユーザが決めたグループごとの先頭トラックを探すのは、例えばユーザがグループとトラックとの関係を書き留めておいたり覚えておいたりしなければ、容易にグループの先頭をサーチすることは難しく、また面倒なことであるが、本実施の形態では、通常の頭出しサーチのための操作によって、容易にグループの先頭に順次アクセスしていくことが可能とされるものである。
【0071】
なお、グループ単位を基とする再生動作例としては、上記した頭出しサーチ操作に応じた動作を挙げているが、これについてはほかにも考えられるものである。例えば、ディスク再生装置では、一般にリピート再生やシャッフル再生などの特殊再生が可能とされているが、例えばリピート再生を1つのグループについてのみ行ったり、また、1グループ内のトラックについてシャッフル再生を行うようにすることなどが考えられる。また、ユーザがトラック再生順を任意に選択することができるいわゆるプログラム再生なども可能とされているが、このプログラム再生機能として、例えばグループ単位で、ユーザが再生順を設定できるようにすることも可能とされる。
【0072】
6.記録動作
6−1.グループモード時
また、本実施の形態においては、グループモードとトラックモードとで記録されたトラックの管理が異なるようにされる。この点について、説明していくこととする。
図9には、グループモードでの記録例が示されている。
ここで、図9(a)に示すようにして、トラックTr1〜Tr10までが記録されているディスクがあったとする。このディスクとしては、トラックTr1〜Tr5までがグループGr1に属し、トラックTr6〜Tr8までがグループGr2に属し、トラック9,Tr10がグループGr3に属しているものとして管理されている状態にある。
【0073】
そして、このディスクに対して、グループモードを設定した状態で3トラックを追加するように記録したとする。
この場合、これらの追加記録された3トラックは、図9(b)に示すようにして、トラックTr10に続くトラックTr11,Tr12,Tr13として管理される。そして、これらのトラックTr11,Tr12,Tr13は、新規なグループGr4に属するものとしても管理される。
つまり、グループモードによりトラックを新規に追加記録した場合には、このトラックは、新規なグループに属するものとして管理される状態となるものである。
【0074】
6−2.トラックモード時
続いては、トラックモードが設定された状態のもとでトラックの追加記録が行われる場合について、図10を参照して説明する。
図10(a)には、先の図9(a)と同じトラックが記録され、また、同じグループ管理状態とされているディスクが示されている。そして、この場合も、3トラックを追加記録するようにされる。
この場合にも、例えば図10(b)に示すようにして、新規に追加された3トラックは、トラックTr10に続くトラックTr11,Tr12,Tr13として管理されて記録が行われることになる。そして、この場合には、これらの新規に追加されたトラックTr11,Tr12,Tr13は、最後のグループGr3に属するものとして管理するようにされる。つまり、この場合であれば、記録前においては、トラックTr9,Tr10が属するようにして形成されていたグループGr3に対して、トラックTr11,Tr12,Tr13も含めるようにされるものである。
【0075】
また、同じように、図10(a)に示すディスクに対してトラックTr11,Tr12,Tr13の3トラックを追加記録した場合として、図10(c)に示すようにして管理されるようにすることも考えられる。つまり、トラックTr11,Tr12,Tr13を、グループ・フリーのトラックとして管理するようにされるものである。
【0076】
7.グループモードでの編集処理例
7−1.移動
本実施の形態としては、図7〜図9により例示したようにしてグループモードとしての再生、記録動作が行われるようにされるが、更に、以降説明するようにして、グループモード下で編集操作を行うことで、グループ単位での編集を行うことが可能とされる。
【0077】
図11は、グループモードでの移動編集を行う場合の例が示されている。
ここで、図11(a)に示すようにしてトラックが記録され、またグループが管理されているディスクがあるとする。この図11(a)に示すディスクは、トラックTr1〜Tr15までが記録されているものとした上で、トラックTr1〜Tr5までがグループGr1に属し、トラックTr6〜Tr8までがグループGr2に属し、トラックTr9,Tr10がグループGr3に属し、トラックTr11〜Tr15までがグループGr4に属しているようにして管理されている。
【0078】
そして、グループモードのもとでは、グループ単位での移動を行うことができるようになっている。例えばユーザは、所定操作によって、図11(a)に示すディスクにおいて設定されているグループのうちから、移動させたいとするグループを指定する。ここでは、トラックTr6〜Tr8の3トラックが属するグループGr2を指定したものとする。そして、移動先として、グループGr4の後ろを指定し、これを確認した上で、実行のための操作を行ったとする。
これにより、ディスク上での管理状態は、図10(a)から図10(b)に示すように変更される。なお、図10(b)において( )内に示されるのは、移動編集前の元のトラックナンバー若しくはグループナンバーを示している。
つまり図10(b)に示されるように、もとはグループGr2であったトラックTr6,Tr7,Tr8は、最後の3トラックであるトラックTr13,Tr14,Tr15となる。そして、このトラックTr13,Tr14,Tr15から成るグループは、新たに、最後のグループGr4として扱われることになる。
また、このようにして移動が行われたことに伴って、もとはトラックTr9〜Tr15として管理されていたトラックは、トラックTr6〜Tr12としてトラックナンバーが繰り上がるようにして管理されることになる。
また、グループ単位的には、もとはトラックTr9,Tr10から成るとされていたグループGr3は、トラックTr6,Tr7から成るグループGr2として管理される。また、もとはトラックTr11〜Tr15から成るとされていたグループGr4は、トラックTr8〜Tr12から成るグループGr3として管理される。
【0079】
例えば、このようなグループの移動編集機能が無く、トラック単位での移動編集機能しかないと仮定して、図11に示したのと同様の編集結果を得ようとすると、先ずは、ユーザは、図10(a)に示されるトラックTr6,Tr7,Tr8について、1つずつ移動編集操作を行って、図10(b)に示すようにトラックTr13,Tr14,Tr15としていく必要があることになり、その操作は非常に煩わしいものとなる。この問題は、1つのグループに属するトラックが多くなるほど顕著なものとなる。
これに対して本実施の形態では、上記のようにしてグループ単位により、複数のトラックを一括して移動させることができることから、上記したような問題が解消されるものである。
【0080】
7−2.連結
図12は、グループモード下での編集として、連結編集を行った場合の例が示されている。
図12(a)においては、先の図11と同様の記録形態のディスクが示されている。そしてここでは、図12(a)におけるグループGr1〜Gr4のうち、ユーザは、グループナンバー的に連続する2つのグループGr3,Gr4を指定して、編集実行のための操作を行ったとする。
そしてこの場合には、図12(b)に示すようにして、図12(a)におけるグループGr3,Gr4は、1つのグループとして纏められて管理される。また、この場合のグループナンバーとしては、ナンバーの若いグループGr3に含められるものとして管理されることになる。従って、この連結編集により得られたディスクとしては、グループGr1[Tr1〜Tr5]と、グループGr2[Tr6〜Tr7]、グループGr3[Tr9〜Tr15]との3グループを有するものとなる。
【0081】
なお、これまでにも知られているように、トラック単位の編集機能としては、移動、連結のほかに、消去、分割等があるが、本実施の形態では、この消去、分割等の編集についても、グループ単位で行うことが可能とされるものである。つまり、図示による説明は省略するが、消去については、消去したいグループを指定することで、この指定したグループ単位により複数のトラックを一括消去することが可能とされる。また、分割については、例えばトラック、若しくは、トラック内の任意の位置を分割位置として指定して実行操作を行うようにされる。これによって、指定された分割位置により、グループが2つに分割されるものである。
【0082】
また、従来のミニディスクシステムでは、ディスク単位及びトラック単位でネームを登録することができるようになっている。つまり、ディスクネーム、トラックネームを登録して、例えばディスク装填時にディスクネームを表示させたり、トラックが指定されたときにそのトラックネームを表示させたりすることが可能とされている。
そして、本実施の形態においては、複数トラックをグループ化して管理可能とされていることに対応して、所定の編集操作を行うことによってグループごとに対してグループネームを登録することができるようにもなっている。そして、例えば所定操作によってグループを指定したり、或るグループを再生しているときなどに、表示部125に対して、そのグループ名を表示させることが可能とされるものである。
【0083】
7−3.ダビング記録
また、本実施の形態においては、例えばCDに記録されているオーディオデータをダビングによりミニディスクに記録するような場合には、次のようにしてミニディスクに記録されるデータを管理することが可能とされる。
【0084】
ここで、図13(a)に示すようにして、トラックTr1〜Tr5までの5トラックが記録されたミニディスクがあるとして、このミニディスクに対して、録音ソースとして図13(b)に示すCDの記録内容をダビング記録するものとする。図13(b)に示すCDにおいては、トラックTr1〜Tr7までの7トラックが記録されている。そして、ここでは、このトラックTr1〜Tr7のすべてをミニディスクにダビングするものとする。
【0085】
そして、ダビングが行われたミニディスクの記録内容は、図13(c)に示すものとなる。
この図に示されるように、CDに記録されていたトラックTr1〜Tr7は、ミニディスク上では、トラックTr5に続く、トラックTr6〜Tr12として管理される状態で記録が行われる。そして本実施の形態においては、これらのトラックTr6〜Tr12を新規なグループGr2に属するものとして管理するようにされる。
例えばCDなどの記録内容をダビングしたときに、上記のようにして、ダビングされたトラックが自動的に1つのグループとして管理されるようにしていることで、例えば、ユーザは、後からの編集操作によって、CDからダビングしたトラックを纏めてグループ化するという手間が省かれるものである。
CDに記録された内容は、例えば、いわゆる1つのアルバム単位の内容であることから、ユーザがグループ化して管理したいとする場合は多いと考えられるので、ダビング記録時において上記のようにしてデータ管理を実行することで、ユーザにとってはより使い勝手が向上されることになる。
【0086】
8.セキュリティグループ
また、本実施の形態においては、グループ単位でセキュリティをかけることも可能とされる。この例を図14に示しておく。
図14(a)には、例えば先の図11(a)と同じ記録内容のディスクが示される。但しここでは、グループGr2については「セキュリティグループ」として設定が行われている状態にある。このセキュリティグループの設定は、例えばユーザの所定操作によって設定/解除が可能とされており、その設定内容は、後述するようにして管理情報(RTOC)により管理されている。
【0087】
このようにしてセキュリティがかけられているものとして設定されたセキュリティグループに属するとされるトラックについては、例えば、ユーザが所定操作によってパスワードを入力しなければ、その再生がキャンセルされるようになっている。
【0088】
また、例えば図14(a)において、セキュリティグループではないグループGr1に属するトラックTr3を、トラックモード下での移動編集操作によって、セキュリティグループであるグループGr2内のトラックTr7として移動させたとする。
この場合、グループGr1としては、図14(a)に示すようにしてトラックTr1〜Tr5の5トラックが属していた状態から、図14(b)に示すように、トラックTr1〜Tr4の4トラックが属するようにして変更される。ここで、トラックTr3,tr4は、もとは、トラックTr4,Tr5とされていたものである。
また、セキュリティグループであるグループGr2では、図14(a)に示すようにして、もとはトラックTr6,Tr7、Tr8の3トラックが属するとされていたのに対して、図14(b)に示すようにして、トラックTr5,Tr6、Tr7,Tr8の4トラックが属するとして管理されることになる。ここで、図14(b)に示すトラックTr5,Tr6、Tr7,Tr8のうち、トラックTr5,Tr6は、もとはトラックTr6,Tr7とされていたものである。
【0089】
そして、例えば上記のようにして或るトラックが、セキュリティグループ内に移動された場合には、特にユーザが後に設定操作をすることなく、自動的に、この移動されたトラックにもセキュリティがかけられるものであり、やはりパスワードの入力無しには再生できないようになる。
【0090】
9.TOC構造例
9−1.ディスクのデータ構造
本実施の形態のディスクにおいては、管理情報としてPTOC及びRTOCのための記録領域が確保されている。そして、ディスクに対して記録/再生動作を行う際には、このPTOC、RTOCの読み出しを行い、読み出しされた管理情報の内容に基づいて、ディスク上の記録すべきエリアのアドレスや、再生すべきエリアのアドレスを識別するようにされる。
【0091】
例えば、システムコントローラ46は、ディスクが装填された際に、ディスクの最内周側に対する再生動作を実行させることによって、ディスク最内周側の所定領域に記録されている管理情報(PTOC,RTOC)を読み出し、バッファメモリ42に書き込んで記憶保持させておくようにされる。そして、以後そのディスクに対するプログラムの記録/再生/編集動作の際に参照できるようにしている。
【0092】
また、RTOCはプログラムデータの記録や各種編集処理に応じて書き換えられるものであるが、システムコントローラ11は記録/編集動作のたびに、RTOC更新処理をバッファメモリ42に記憶されたRTOCに対して行い、所定の機会、タイミングで以て、ディスクのRTOCエリアについても書き換えるようにしている。
【0093】
そして、これまで述べてきた、グループ化単位に基づく記録再生、また、編集を実現するのにあたっても、上記したRTOCにおける所要の情報内容を参照し、また、この所定の情報について書き換えを行うことで実現するようにされるものである。
そこで、以降、本実施の形態としてのグループ管理を実現することのできる管理情報の構造例について説明していくこととする。
【0094】
ここで、本実施の形態の管理情報構造についての説明に先立ち、図15を参照して本実施の形態のディスクに記録されるデータの構造例を説明しておく。
図15(a)には、本実施の形態のディスク全体の構造を概念的に示している。この図に示すように、ディスクには、TOCとして、PTOCとRTOCとが記録される。
PTOCは、ディスク最内周のリードインエリアにおいて、ピット形態により所要の管理情報が記録される。このPTOCの内容は書き換えが不可とされている。
RTOCは、後述するようにして、ディスクに記録されたデータを管理するのに必要な基本的な情報が記録される。このRTOCは、リードインエリアに続くものとされ、データの書き換えが可能なレコーダブルエリアの最内周側に確保されるRTOCエリアに記録される。そして、RTOCの内容は、例えばこれまでのディスクに対するデータの記録結果や、トラック(ファイル)についての各種編集処理結果に従って、逐次書き換えが行われる。
そして、レコーダブルエリア内において、RTOCエリアに続くレコーダブルデータエリアに対して、ユーザデータ(DATA)が例えばファイル単位で管理される形態で記録されることになる。なお、本実施の形態としては、ユーザデータは、例えば楽曲単位に対応するトラック単位で管理されることになる。そして、これらのトラックについて、グループ化して管理することも可能とされているものである。
【0095】
そして、本実施の形態のRTOCとしては、図15(b)に模式的に示すようにして、TOC#0,TOC#1,TOC#2,TOC#3という、少なくとも4つのテーブルを備えるものとされる。なお、実際には、更に多くのテーブルを設けて、多様な管理が可能なように構成されてよいものであるが、ここでは、説明の便宜上、TOC#0〜#3のテーブルのみが規定されているものとする。以降、TOC#0〜#3の各々の構造について説明していくこととする。
【0096】
9−2.TOC#0
図16はTOC#0の構造例を示している。
TOC#0は、主にユーザーが録音を行った楽曲等のトラック(プログラム)や新たにトラックが録音可能なフリーエリアについての管理情報が格納される。
例えばディスクに或る楽曲の録音を行おうとする際には、システムコントローラ11は、TOC#0からディスク上のフリーエリアを探し出し、ここにオーディオデータを記録していくことになる。また、再生時には再生すべき楽曲が記録されているエリアをTOC#0から判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行う。
【0097】
TOC#0としては、先ず、その先頭の所定のデータサイズによるヘッダーが配置され、このヘッダには、例えば同期パターン、当該TOC#0のアドレス等をはじめとする、必要な各種情報が格納される。
【0098】
そして、上記ヘッダーに続けて、ポインタ部、パーツテーブル部が配置される。
この場合には、ユーザーが録音を行って記録されているトラック(楽曲等)の領域やフリーエリア等を後述するパーツテーブル部に対応させることによって識別するため、ポインタ部としては、各種のポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TN1〜P-TNn) が記録される領域が用意されている。
【0099】
そしてポインタ(P-DFA〜P-TNn) に対応させることになるテーブル部として(01h) 〜(xxh) までの所定数のパーツテーブルが設けられ、それぞれのパーツテーブルには、或るパーツについて起点となるスタートアドレス、終端となるエンドアドレス、そのパーツのモード情報(トラックモード)が記録されている。さらに各パーツテーブルで示されるパーツが他のパーツへ続いて連結される場合があるため、その連結されるパーツのスタートアドレス及びエンドアドレスが記録されているパーツテーブルを示すリンク情報が記録できるようにされている。
なおパーツとは1つのトラック内で時間的に連続したデータが物理的に連続して記録されているトラック部分のことをいう。
【0100】
そしてスタートアドレス、エンドアドレスとして示されるアドレスは、1つの楽曲(トラック)を構成する1又は複数の各パーツを示すアドレスとなる。
【0101】
この種の記録再生装置では、1つの楽曲(プログラム/トラック)のデータを物理的に不連続に、即ち複数のパーツにわたって記録されていてもパーツ間でアクセスしながら再生していくことにより再生動作に支障はないため、ユーザーが録音する楽曲等については、録音可能エリアの効率使用等の目的から、複数パーツにわけて記録する場合もある。
【0102】
そのため、リンク情報が設けられ、例えば各パーツテーブルに与えられたナンバ(01h) 〜(xxh) によって、連結すべきパーツテーブルを指定することによってパーツテーブルが連結できるようにされている。
つまりTOC#0におけるパーツテーブル部においては、1つのパーツテーブルは1つのパーツを表現しており、例えば3つのパーツが連結されて構成される楽曲についてはリンク情報によって連結される3つのパーツテーブルによって、そのパーツ位置の管理が行われる。
【0103】
TOC#0のテーブル部における(01h) 〜(xxh) までの各パーツテーブルは、ポインタ部におけるポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TN1〜P-TNn) によって、以下のようにそのパーツの内容が示される。
【0104】
ポインタP-DFA は光磁気ディスク上の欠陥領域に付いて示しており、傷などによる欠陥領域となるトラック部分(=パーツ)が示された1つのパーツテーブル又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、欠陥パーツが存在する場合はポインタP-DFA において(01h) 〜(xxh) の何れかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、欠陥パーツがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、他にも欠陥パーツが存在する場合は、そのパーツテーブルにおけるリンク情報として他のパーツテーブルが指定され、そのパーツテーブルにも欠陥パーツが示されている。そして、さらに他の欠陥パーツがない場合はリンク情報は例えば『(00h) 』とされ、以降リンクなしとされる。
【0105】
ポインタP-EMPTY は管理テーブル部における1又は複数の未使用のパーツテーブルの先頭のパーツテーブルを示すものであり、未使用のパーツテーブルが存在する場合は、ポインタP-EMPTY として、(01h) 〜(xxh) のうちの何れかが記録される。
未使用のパーツテーブルが複数存在する場合は、ポインタP-EMPTY によって指定されたパーツテーブルからリンク情報によって順次パーツテーブルが指定されていき、全ての未使用のパーツテーブルが管理テーブル部上で連結される。
【0106】
ポインタP-FRA は光磁気ディスク上のデータの書込可能なフリーエリア(消去領域を含む)について示しており、フリーエリアとなるトラック部分(=パーツ)が示された1又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、フリーエリアが存在する場合はポインタP-FRA において(01h) 〜(xxh) の何れかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、フリーエリアであるパーツがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、このようなパーツが複数個有り、つまりパーツテーブルが複数個有る場合はリンク情報により、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで順次指定されている。
【0107】
図20に、TOC#0における、フリーエリアとなるパーツの管理状態を模式的に示す。これはパーツ(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) がフリーエリアとされている時に、この状態がポインタP-FRA に引き続きパーツテーブル(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) のリンクによって表現されている状態を示している。なお上記した欠陥領域や未使用パーツテーブルの管理形態もこれと同様となる。
【0108】
図16に説明を戻す。
ポインタ部においては、ポインタP-TN1〜P-TNnと、ポインタP-TN1-GR〜P-TNn-GRが存在するものとして規定される。ここで、例えばポインタP-TN1に続けてポインタP-TN1-GRが配置され、更にポインタP-TN2に続けてポインタP-TN2-GRが配置されるようになっていることからも分かるように、同じナンバxを有するポインタP-TNxと、ポインタP-TNx-GRとの2つのポインタで1組を成している。
ポインタP-TNxは、光磁気ディスクにユーザーが記録を行なった楽曲などのトラックについて示しており、例えばポインタP-TN1ではトラックTr1のデータが記録された1又は複数のパーツのうちの時間的に先頭となるパーツが示されたパーツテーブルを指定している。
例えばトラックTr1(第1プログラム)とされた楽曲がディスク上でトラックが分断されずに、つまり1つのパーツで記録されている場合は、そのトラックTr1の記録領域はポインタP-TN1で示されるパーツテーブルにおけるスタート及びエンドアドレスとして記録されている。
【0109】
また、例えばトラックTr2(第2プログラム)とされた楽曲がディスク上で複数のパーツに離散的に記録されている場合は、そのトラックTr2の記録位置を示すため各パーツが時間的な順序に従って指定される。つまり、ポインタP-TN2に指定されたパーツテーブルから、さらにリンク情報によって他のパーツテーブルが順次時間的な順序に従って指定されて、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで連結される(図20と同様の形態)。
このように例えば2曲目を構成するデータが記録された全パーツが順次指定されて記録されていることにより、このTOC#0のデータを用いて、2曲目の再生時や、その2曲目の領域への上書き記録を行う際に、光学ヘッド3及び磁気ヘッド6aをアクセスさせ離散的なパーツから連続的な音楽情報を取り出したり、記録エリアを効率使用した記録が可能になる。
【0110】
また、ポインタP-TNx-GRには、同じナンバxを有するトラック、つまりトラックナンバxを有するトラックが属するグループナンバーを示す。ここで、例えばポインタP-TN1に続くポインタP-TN1-GRに対して、10進法表記で『1』を示す値が格納されていれば、トラックTr1は、グループGr1に属していることを示すことになる。
なお、そのトラックがグループ・フリーとして設定されている場合、これに対応するポインタP-TNx-GRには、例えばALL‘0’(00h)が格納されればよいものとされる。
【0111】
このような構造とされることで、TOC#0を参照することで、トラック単位での記録再生管理が実現される。また、トラックがどのグループに属しているのか、或いはグループ・フリーとして扱われていればそのことを識別することが可能とされる。例えば、このようなグループに関する情報は、現在再生中のトラックがどのグループに属するのかという表示を表示部125に対して行う際にも、利用することができる。
【0112】
9−3.TOC#1
次に、図17にTOC#1の構造例を示す。このTOC#1は録音された各トラックにトラックネームが登録された場合に、このトラックネームとして入力された文字情報を記録するデータ領域とされる。
【0113】
TOC#1においても、先頭にヘッダーが配置され、続けてポインタ部と、パーツテーブル部が配置される。
このTOC#1には、記録された各トラックに相当するポインタ部として、所定数のポインタP-TNA1〜P-TNAnが用意され、またこのポインタP-TNA1〜P-TNAnによって指定されるスロット部が1単位8バイトで所定単位数のスロット(01h) 〜(xxh) が用意されており、上述したTOC#0とほぼ同様の形態で文字データを管理する。
【0114】
スロット(01h) 〜(xxh) にはトラックネームとしての文字情報がアスキーコードで記録される。
そして、例えばポインタP-TNA1によって指定されるスロットにはトラックTr1に対応してユーザーが入力した文字が記録されることになる。また、スロットがリンク情報によりリンクされることで、1つのトラックに対応する文字入力は7バイト(7文字)より大きくなっても対応できる。
このTOC#1でもポインタP-EMPTY は使用していないスロットを管理する
【0115】
9−4.TOC#2
続いて、図18にTOC#2の構造例を示す。
先のTOC#0にあっては、基本的には、記録データをトラック単位で管理すると共に、各トラックが属するグループ、又はトラックがグループ・フリーとして設定されていればこれを示すテーブルとされていた。
そして、TOC#2としては、先のTOC#1におけるポインタP-TNxと同様の管理形態によって、グループ単位によってディスク上のパーツを管理するためのテーブルとされるものである。
【0116】
このTOC#2全体の構造としても、所定サイズのヘッダーに続けて、ポインタ部とパーツテーブル部が配置される。
このポインタ部においては、パーツテーブルを指定するポインタとして、P-EMPTY,P-GN1〜P-GNn) が記録される領域が用意されている。
【0117】
ポインタP-GN1〜P-GNnによっては、ディスクに記録されたデータとして、それぞれ1つのグループを形成するとされるパーツのうちで、時間的に先頭となるパーツが示されるパーツテーブルを指定する。
例えばグループGr1を形成するとされる全トラックのデータがディスク上で離散せずに、1つのパーツで記録されているとされる場合は、そのグループGr1の記録領域はポインタP-GN1で示されるパーツテーブルにおけるスタート及びエンドアドレスとして記録されることになる。この場合の具体例として、例えばポインタP-GN1が「01h」を指定しているとすれば、パーツテーブル「01h」には、そのグループGr1を形成するとされる最初のトラックのスタートアドレスと、グループGr1を形成するとされる最後のトラックのエンドアドレスが示されることになる。
【0118】
また、例えばグループGr1がディスク上で複数のパーツに離散的に記録されている状態となっている場合は、そのグループGr1を形成するとされる各パーツが時間的な順序に従って指定される。つまり、ポインタP-GN1に指定されたパーツテーブルから、さらにリンク情報によって他のパーツテーブルが順次時間的な順序に従って指定されて、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで連結されることになる。
また、ポインタP-EMPTY は使用していないパーツテーブルを管理する。
【0119】
図7及び図8により説明した、グループ単位による頭出しサーチのためのアクセスは、このTOC#2を参照することで、容易に可能となる。
例えば、図7の矢印1に示すようにして、グループGr1内のトラックTr3を再生中に、送り方向の頭出しサーチのための操作が1回行われたときには、システムコントローラ46は、現在バッファメモリ42に保持しているTOC#2を参照して、ポインタP-GN2が示すパーツテーブルを参照する。ここで、例えばポインタP-GN2=02hとされていたのであれば、パーツテーブル02hを参照するようにされる。そして、パーツテーブル02hに示されるスタートアドレスを読み込み、この読み込んだアドレスに対してアクセスするための制御を実行することになる。この場合、パーツテーブル02hのスタートアドレスには、図7におけるグループGr2の先頭となるパーツのスタートアドレス、つまり、トラックTr21のスタートアドレスと同一の値が格納されていることから、システムコントローラ46としては、トラックTr21の開始位置にアクセスすることになる。つまり、グループGr2の開始位置にアクセスすることができ、結果的には、グループ単位による頭出しサーチが実行されているものである。
【0120】
また、TOC#2においては、各パーツテーブルにおいて、グループモードのエリアが設けられる。このグループモードのエリアには、各グループに関する所要の情報が格納される。そして、特に本実施の形態においては、このグループモードにより、当該パーツテーブルにより示すパーツが属するグループが、セキュリティグループであるか否かを示すことができるようになっている。
【0121】
例えば図14に示したようにして、セキュリティグループが設定される場合には、ポインタP-GN2が示すパーツテーブルにおけるグループモードにおける所定のビット位置について、セキュリティグループであることを示す値が格納されることになる。そして、システムコントローラ46は、このグループモードを参照することで、セキュリティグループとして設定されたグループを識別して、先に図14にて示したような制限動作を実現する。
なお、パスワードは、例えば図示するように、ポインタ部とパーツテーブル部との間のマージン領域における所定のバイト位置に設けられるものとされ、ユーザが操作により文字入力等を行って設定したパスワードは、この領域に格納される。
セキュリティ解除のためのパスワードが入力されたときには、システムコントローラ46は、入力されたパスワードと、このTOC#2に格納されているパスワードとについて照合を行い、一致の判定結果が得られたのであれば、セキュリティを解除して、そのセキュリティグループの再生要求に応じて、再生を開始させる。これに対して、一致の判定結果が得られなければ、そのセキュリティグループについての再生要求が行われたとしても、再生のための制御処理を実行しないようにされる。
【0122】
9−5.TOC#3
図19は、TOC#3の構造例を示している。
TOC#3は、先のTOC#1とほぼ同様の管理形態によって、設定されたグループについての名称であるグループネームをつけたり、また、ディスク自体の名称などの情報となるディスクネームをつける場合に、入力された文字情報を記録するデータ領域とされる。
【0123】
TOC#3においても、先頭にヘッダーが配置され、続けてポインタ部と、パーツテーブル部が配置される。
このTOC#3には、記録された各トラックに相当するポインタ部として、所定数のポインタP-GNA1〜P-GNAnが用意され、またこのポインタP-GNA1〜P-GNAnによって指定されるスロット部が1単位8バイトで所定単位数のスロット(00h) 〜(xxh) が用意されている。
【0124】
スロット(01h) 〜(xxh) にはディスクネーム又はトラックネームとしての文字情報がアスキーコードで記録される。
そして、例えばポインタP-GNA1によって指定されるスロットにはトラックTr1に対応してユーザーが入力した文字が記録されることになる。また、この場合にもスロットがリンク情報によりリンクされることで、1つのトラックに対応する文字入力は7バイト(7文字)より大きくなっても対応できる。
なお、スロット(00h) としての8バイトはディスクネームの記録のための専用エリアとされており、ポインタP-TNA(x)によっては指定されないスロットとされている。
このTOC#3でもポインタP-EMPTY は使用していないスロットを管理する。
【0125】
本実施の形態としては、上記したRTOC(TOC#0,#1,#2,#3)によって、従来と同様のトラック単位による管理に加え、グループ単位での管理が可能となるものである。そして、例えば図9及び図10、更に図13に示したようなデータ記録が行われた場合には、そのときのモード(トラックモード/グループモード)の下でのトラックの記録結果に応じて、適宜、RTOCにおける所要の内容を更新することで、各図に示したようなグループ単位での記録データの管理が実現される。また、同様にして、図11及び図12に例示したグループ単位による各種編集処理も、編集操作に応じてRTOCにおける所要の内容を更新することで実現することが可能とされるものである。
【0126】
なお、本発明としては、上記実施の形態として説明した構成のみに限定されるものではなく、各種変更が可能とされる。例えば、グループ化されたトラックの形態で記録データを管理するためのRTOCの構造としては、図15〜図19に示した形態のほかに、例えばファイルシステムなどを用いたディレクトリ構造の下で、フォルダの概念などを採用することでも可能である。
また、上記実施の形態では、トラックと、このトラックの集合から成るグループという、いわば2階層による管理としているが、これ以上の階層構造とすることも考えられる。つまり、例えばグループ単位の集合によって、より上位のグループを形成するようにするものである。
また、本発明に適用される装置としては、ミニディスクに対応する記録再生装置に限定されるものではなく、例えば他のディスクメディアであっても構わない。更には、例えばフラッシュメモリを採用したメディアなど、ディスクメディア以外のメディアであっても構わないものとされる。
また、本発明が対象とする記録データとしては、デジタルオーディオデータに限定されるものではなく、例えばビデオ信号をデータ化したビデオデータなどとされてもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の実施の形態に対応するディスクのトラック構造を示す説明図である。
【図2】本実施の形態に対応するディスクのトラック部分を拡大して示す説明図である。
【図3】本実施の形態に対応するディスクの仕様を示す説明図である。
【図4】本実施の形態としての記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】実施の形態のビデオカメラのメディアドライブ部の内部構成のブロック図である。
【図6】本実施の形態のRTOCによる記録データの管理形態を従来例と比較して示す説明図である。
【図7】グループモードでの送り方向の頭出しサーチの動作例を示す説明図である。
【図8】グループモードでの戻り方向の頭出しサーチの動作例を示す説明図である。
【図9】グループモードにより記録されたトラックの管理例を示す説明図である。
【図10】トラックモードにより記録されたトラックの管理例を示す説明図である。
【図11】グループモードでのグループ単位による移動編集処理例を示す説明図である。
【図12】グループモードでのグループ単位による連結編集処理例を示す説明図である。
【図13】CDのソースをダビング記録する場合のトラックの管理例を示す説明図である。
【図14】セキュリティグループについての概念を説明するための説明図である。
【図15】ディスクにおけるデータ構造例及びRTOCの構造例を示す説明図である。
【図16】RTOCにおけるTOC#0の構造例を示す説明図である。
【図17】RTOCにおけるTOC#1の構造例を示す説明図である。
【図18】RTOCにおけるTOC#2の構造例を示す説明図である。
【図19】RTOCにおけるTOC#3の構造例を示す説明図である。
【図20】TOC#0におけるリンク形態の説明図である。
【符号の説明】
【0128】
42 バッファメモリ、43 二値化回路、51 ディスク、52 スピンドルモータ、53 光学ヘッド、54 磁気ヘッド、55 スレッドモータ、101 RFアンプ、103 AGC/クランプ回路、104 イコライザ/PLL回路、105 ビタビデコーダ、106 RLL(1,7)復調回路、107 マトリクスアンプ、108 ADIPバンドパスフィルタ、109 A/Bトラック検出回路、110 ADIPデコーダ、111 CLVプロセッサ、112 サーボプロセッサ、113 サーボドライバ、114 データバス、115 スクランブル/EDCエンコード回路、116 ECC処理回路、117 デスクランブル/EDCデコード回路、118 RLL(1,7)変調回路、119 磁気ヘッド駆動回路、120 レーザドライバ、121 転送クロック発生回路、122 音声圧縮処理エンコーダ/デコーダ、123 入出力処理部、124 操作部、125 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体を再生する再生手段と、
上記再生手段が再生した上記管理情報に基づいて、集合体単位で所定の再生動作を、上記再生手段に実行させる再生制御手段と
を備える再生装置。
【請求項2】
上記再生制御手段は、
複数の上記データのうち集合体に含まれないデータを上記再生手段に再生させるときには、データ単位による所定の再生動作を、上記再生手段に実行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体に対するデータの記録動作を行う記録手段と、
上記記憶媒体に新規に記録されたデータを上記集合体に含まれるデータとして管理するように上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる制御手段とを備える記録装置。
【請求項4】
上記制御手段は、
上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、新規な集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
上記制御手段は、
上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、既に上記記録媒体に記録されている特定の集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記憶されている上記管理情報を更新させる
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項6】
上記制御手段は、
アルバム単位の複数のデータを上記記録手段によって上記記憶媒体に記録させるときに、
上記アルバム単位に含まれる複数のデータを、それぞれ一つのデータとして管理し、また、新規な集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項7】
上記制御手段は、
必要に応じて、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、何れの集合体にも含まれないデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録された管理情報を更新させる
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項8】
データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体に対する、データの再生又は記録動作を行う記録再生手段と、
上記記憶媒体に記録されているデータについて、集合体単位の所定の編集指示を行うための編集指示手段と、
上記編集指示手段への指示入力に基づいて、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新するために、上記記録再生手段を制御する制御手段と、
を備える編集装置。
【請求項1】
データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体を再生する再生手段と、
上記再生手段が再生した上記管理情報に基づいて、集合体単位で所定の再生動作を、上記再生手段に実行させる再生制御手段と
を備える再生装置。
【請求項2】
上記再生制御手段は、
複数の上記データのうち集合体に含まれないデータを上記再生手段に再生させるときには、データ単位による所定の再生動作を、上記再生手段に実行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体に対するデータの記録動作を行う記録手段と、
上記記憶媒体に新規に記録されたデータを上記集合体に含まれるデータとして管理するように上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる制御手段とを備える記録装置。
【請求項4】
上記制御手段は、
上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、新規な集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
上記制御手段は、
上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、既に上記記録媒体に記録されている特定の集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記憶されている上記管理情報を更新させる
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項6】
上記制御手段は、
アルバム単位の複数のデータを上記記録手段によって上記記憶媒体に記録させるときに、
上記アルバム単位に含まれる複数のデータを、それぞれ一つのデータとして管理し、また、新規な集合体に含まれるデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新させる
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項7】
上記制御手段は、
必要に応じて、上記記憶媒体に新規に記録されたデータを、何れの集合体にも含まれないデータとして管理するように、上記記憶媒体に記録された管理情報を更新させる
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項8】
データと複数の上記データを集合体として管理するための管理情報とを記録する記憶媒体に対する、データの再生又は記録動作を行う記録再生手段と、
上記記憶媒体に記録されているデータについて、集合体単位の所定の編集指示を行うための編集指示手段と、
上記編集指示手段への指示入力に基づいて、上記記憶媒体に記録されている上記管理情報を更新するために、上記記録再生手段を制御する制御手段と、
を備える編集装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−293639(P2008−293639A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163782(P2008−163782)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【分割の表示】特願2000−229047(P2000−229047)の分割
【原出願日】平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【分割の表示】特願2000−229047(P2000−229047)の分割
【原出願日】平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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